制御された人工椎間板インプラント
本発明は、隣接する脊椎間に配置するための人工椎間板に関する。人工椎間板は、椎間板高さおよび自然の椎間板湾曲を回復し、自然の範囲の動作を可能にし、衝撃を吸収し、耐動作および軸方向圧縮性を与えるように設計されていることが好ましい。さらに、椎間板を脊椎の頸部、胸部、および腰部に使用することができる。人工椎間板は、アーチ状表面部材組み込むことが好ましい少なくとも1つのばね部材を含む内部と、スロット付きコアであることが好ましい可撓性コアと、リングばねと、羽根付き板ばねと、または板ばねなどを単一で、または組み合わせてのいずれかで含むことができる。連節部材は、中間衝撃吸収要素によって端板の一方に取り付けられていることが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脊椎の外傷および疾病の治療装置および方法に関する。より詳細には、本発明は椎間板の交換に関する。
【背景技術】
【0002】
脊椎分離病、椎間板ヘルニア、脊髄神経根の圧迫、椎間板変形疾病、および外傷などの様々な状態が、医療を必要とする厳しい不快感をもたらすものと知られている。このような状態を軽減するために現時点で使用されている処置としては、椎間板および脊椎後側方固定術または関節固定術などの、脊椎固定術が挙げられる。これらの処置では、2つの隣接する椎体が共に固定される。病気に侵された椎間板はまず摘出され、椎間板を除去することによって残された間隙を効果的に架橋するように、2つの椎体間で成長した骨に対応するインプラントが挿入される。いくつかの異なるインプラント材料およびインプラント設計が、様々な成功と共に固定術に使用されてきた。椎間板および脊椎後側方固定術が広く使用されているが、この使用に対する欠点は、隣接する椎間板の変質、および機能脊髄体の不安定化などの小さな生理的範囲の動作および他の固定術に関連した合併症を含む。その結果、合併症がより少なく、固定術と同様の効果を有する代替治療法が望ましい。脊椎固定術に対するこのような代替形態は、関節形成術、および人工装具または人工椎間板の使用である。
【0003】
一般に、関節形成術は病に侵された関節の交換に使用される。関節形成術は、関節の動作を保持するようにされた一式の処置を含み、それによって完全な状態を保ち、固定術後に隣接する部分が作用する傾向にあるので、これらの部分が劣化し続ける。病に侵された関節の位置および状態によっては、特定の関節形成術処置を利用することもできる。例えば、関節を再成形し、関節を形成する2本の骨の間に人工椎間板を加える挿入再構成手術が普通、肘、肩、足首、および指の関節で利用される。関節全交換手術、または関節全置換術では、病に侵された関節全体を人工装具と交換し、近年では、ほとんどの膝および股関節の問題に対して選択される手術となった。
【0004】
股関節および膝の置換術は特に、幅広く行われており、米国で2001年においてはほぼ300,000件の股関節置換術、およびほぼ同じ件数の膝置換術が行われている。膝および股関節置換手術に関して、いくつかのインプラントまたは人工装具が利用可能である。股関節人工装具の場合、例示の設計として、2つの構成部品があり、1つ目は大腿骨に嵌合される金属ステムに取り付けられた金属球であり、2つ目は骨盤に移植される接合用プラスチックソケットである。金属片は普通、ステンレス鋼、コバルトおよびクロム合金、チタン、およびチタン合金から形成されており、またプラスチック片は普通、高密度ポリエチレンから形成されている。膝の人工装具の場合、例示的な実施形態では、金属およびプラスチック部品が、損傷を受けた骨端部および軟骨を再度置換するために使用される。金属片は普通、ステンレス鋼、コバルトおよびクロム合金、チタン、およびチタン合金から形成されており、プラスチック片は普通、高密度ポリエチレンから形成されている。
【0005】
身体の他の関節のものと同様に、脊髄関節形成術は発展し、脊椎に人工装具が使用されている。しかし、機能的関節を交換するための関節の癒合の発展、脊髄関節形成術の出現は、身体の他の主要な関節の関節形成術より遅かった。脊髄関節形成術が遅れたとされるいくつかの可能性のある理由としては、椎間板変形に関連する脊椎の問題は診断するのが難しく、脊椎処置は、一般的には難局に陥りやすいので、癒合などの保守的な解決法が許容可能であり、脊髄解剖学は複雑であるということが挙げられる。
【0006】
過去40年にわたって、脊髄関節形成術の技術は開発段階にあり、過去10年間において、脊髄関節形成術は一流の外科医、およびインプラント製造者の注目を浴びてきた。脊髄関節形成術の発展は、基本的に1950年代に始まり、いくつかの新しい概念の1つに、椎間板人工装具の球面概念があった。その球面概念は単に、椎間板摘出処置が行なわれた後に髄核腔内に、基本的には周面に球を配置するものである。環状部は定位置に保持され、球は核置換装置として働く。様々な材料が、球面概念に対して実験された。例えば、1960年代の初めには、シリコーン玉軸受を使用したインプラントが患者の頸部に移植されたが、成果は不確実であった。1960年代の半ばには、ステンレス鋼(玉軸受)人工装具が患者に移植されていた。この処置の成果は、最初は有望であったが、やがて椎間板空間は椎体内へ鋼球が沈下することにより高さを失った。現時点では、球面人工装具の概念は、異なる材料を使用して観察され、その中で最新のものは改良したカーボンファイバである。
【0007】
別の新しい概念は、機械的概念設計である。機械的概念設計は基本的に、脊髄顆頭軸の運動範囲を回復することを意図した椎間板全置換製品である。これらの装置はしばしば、安定化機構を介して隣接する椎体に固定された金属端板と、ポリエチレンまたは他の高分子材料からできているコアとからなっている。あるいはコアの代わりに、軸受表面を使用することもでき、軸受表面材料はセラミックオンセラミック、メタルオンメタル、またはメタルオンポリエチレンである。機械的設計概念は、膝および股関節置換などの関節復元製品と同じ概念に基づいており、様々な機械的設計の人工装具概念が今まで提案されており、また提案されている。
【0008】
別の概念は生理学的概念である。生理学的概念では、患者の脊髄端板間で流体を吸収し、注入し、また椎間板の自然の衝撃吸収または緩衝機能を維持することによって、椎間板機能を復元することを意図した、ヒドロゲル、エラストマー、またはポリウレタン系のコアを使用している。生理学的概念の装置は普通、核または椎間板の一部だけを置換するように設計されているので、部分的な解決法であるとしか考えられていない。
【0009】
椎間板置換に対するアプローチの全ては、椎間板の痛みを緩和すること、動作範囲を回復させること、椎間板の自然衝撃機能を維持すること、通常の形状または椎間板高さを回復すること、および生理学的運動学を回復することのいくつかまたは全てを対象としている。一般に、エラストマー/流体充填椎間板、球・ソケットタイプの椎間板、機械的ばね椎間板、およびハイブリッド椎間板の4つの例示的なタイプの人工椎間板が、摘出した椎間板の一部または全てと交換するために開発された。
【0010】
エラストマー/流体充填椎間板は普通、下側および上側剛性端板の間に位置決めされたエラストマークッションまたは流体充填チャンバを含んでいる。これらのインプラントのクッションおよびチャンバは有利には、除去された椎間板組織と同様に機械的挙動で機能する。
【0011】
球・ソケットタイプの椎間板は普通、協働する内球とソケット部を有する2枚のプレート部材を組み込んでおり、それによって脊椎の運動中の部材の連節移動が可能になる。
【0012】
機械的ばね椎間板は普通、金属端板間に配置された1つまたは複数のコイル状ばねを組み込んでいる。コイルばねは、脊髄があらゆる方向に屈曲し、延びている間に脊椎の通常の移動を可能にしながら、隣接する脊椎の間隔を置いた配置を維持するのに十分であるように設計された累積ばね定数を規定する。
【0013】
第4のタイプの人工椎間板である、ハイブリッドディスクは上記の設計概念の2つ以上を組み込んでいる。例えば、1つの知られているハイブリッド椎間板装置は、エラストマーリングで囲まれた球・ソケット関節を含んでいる。
【0014】
前述の人工装具はそれぞれ、椎間板置換に関連するいくつかの問題に対処しており、インプラントはそれぞれ重大な欠点が存在する。したがって、設計において信頼性と単純性を与える一方で、充填されるべき椎間板の空間の解剖学的構造およびその幾何学的形状と、さらに隣接する椎体の端部の解剖学的構造および幾何学的形状に対応する椎間板インプラントが必要とされている。より詳細には、脊椎に加えられる高い負荷を支持するための安定性を備え、患者にほぼ通常の範囲の動作を可能にするのに十分な運動性が許容となり、隣接する脊椎間の軸方向圧縮性を備え、衝撃吸収能力を有する椎間板インプラントが必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、好ましくは、椎間板高さおよび脊柱前湾を回復させ、自然な範囲の動作を可能にし、衝撃を吸収し、耐動作性および耐軸圧縮性を備えるように設計されている椎間板に関する。さらに、椎間板は脊椎の頸部、胸部、および腰部に使用することもできる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
椎間板は、隣接する脊椎の端部の少なくとも一部と大きさおよび形状が一致することが好ましい足跡を有する本体を含む。椎間板の形状としては、これに限らないが、円形、長円形、楕円形、インゲン豆形、環状形、C字形、D字形などが挙げられる。
【0017】
一実施形態では、椎間板は上部端板、下部端板、および上部端板と下部端板の間に配置された中間弾性膜を備える。別の方法では、弾性膜は端板を囲繞することができる。弾性膜は上部および下部端板と合わせて、内部容量を画定する。椎間板の内部容量は少なくとも1つのばね要素を含み、ばね要素は上部および下部端板に取り付けられている。ばね要素は、下部端板の内表面に形成されたポケットまたは溝内で下部端板に取り付けられており、ばね要素の上端部は半球形部材に取り付けられていることが好ましい。半球形部材は、上部端板の内表面に形成されたソケットと噛み合い、この中で結節するように設計されている。
【0018】
別の方法では、椎間板は下部端板に上部端板から延びる各ばね要素を備えた複数のばね要素を備えることができ、各ばね要素は上部および下部端板の内表面に形成された対応するソケットと噛み合うように、両端部に半球形部材を有することができる。椎間板はまた、普通は第1のばね要素の周りに不均一に間隔を置いて配置された複数の第2のばね要素によって囲まれた第1のばね要素を含むように構成することもできる。第1のばね要素は、周面ばね要素の剛性よりも大きい剛性および/またはばね定数を有することが好ましい。
【0019】
さらに、椎間板は複数のばね要素を含むことができ、ばね要素の一部のみを半球形部材に取り付けることができ、残りのばね要素は上部および下部端板に、好ましくはソケット内に取り付けられている。一例示的実施形態では、第1のばね要素は半球形部材に取り付けられ、囲んでいる周面第2のばね要素は上部および下部端板に直接取り付けられる。
【0020】
椎間板は、1つまたは全てのばね要素の定位置にエラストマー支柱またはリングを含むこともできる。さらに、椎間板はケーシング部材を組み込むことができる。
【0021】
椎間板は、内部容量内に配置された流体と、流体の挿入および除去を可能にする弁を含むこともできる。
【0022】
上部および下部端板は、チタン、ステンレス鋼、チタン合金、コバルトクロム合金、またはアモルファス合金などの金属で形成されていることが好ましい。しかし別の方法では、上部および下部端板は、セラミック、複合材料、ポリエーテルエーテルケトン(すなわち、PEEK)または超高分子量ポリエチレン(すなわち、UHMWPE)などのポリマー、皮質、海綿質、同種移植片、自家移植片、異種移植片、脱塩化または一部脱塩化された骨を含む骨、または荷重支承支持体として働くことができるあらゆる他の材料で形成することもできる。端板のために選択された材料は所望の流体と合わせて、摩耗量を少なくするように選択されることが好ましく、したがって関節の寿命が長くなる。
【0023】
上部および下部端板の外表面は実質的に、平坦、楔形などであってもよい。上部および下部端板の外表面はまた、隣接する脊椎の端部のものと全体的に一致するように、矢状でかつ冠状の平面で画定された半径を有するドーム形状をしていてもよい。ドーム形状により、上部および下部端板を原位置でより良く嵌合させるように隣接する脊椎の端部とより良く一致させることができる。
【0024】
椎間板は、隣接する脊椎の端部内およびそこから端板の移動、除去、または排除を妨げるように、少なくとも端板の1枚または両方の外表面に設けられた移動抵抗構造(migration-resistant structures)を含んでいることが好ましい。移動抵抗構造は、これに限らないが、フラップ、スパイク、歯、フィン、配置可能スパイク、配置可能歯、可撓性スパイク、可撓性歯、代替形状の歯、挿入可能または拡張可能フィン、ねじ、フック、セレーション、リブ、および織目付き表面を含む。
【0025】
さらに、上部および下部端板はまた、骨の内側への成長を促進して椎間板を隣接する脊椎に永久的に固定するように、骨の成長を誘導する(inducing)またはそれを案内する(conducting)物質で被覆されていることが好ましい。別の方法では、上部および下部の端板は、粗加工された表面、多孔質表面、およびレーザ処理端板層を有することができ、骨形成を案内する(osteoconductive)/骨形成を誘導する(osteoinductive)骨格(scaffold)を一体化させ、または骨の内側への成長を促進するために一体型の骨形成を案内する/骨形成を誘導する材料を備えている、あるいはこれから作られていてもよい。さらに、端板は、骨の内側への成長の量および/または深さを制限するように、膜および/または障壁を含むことができる。
【0026】
上部および下部端板はまた、移植機器の取付け、案内、および保持するための構造を有することもできる。例えば端板は、インプラントを移植するおよび/または隣接する脊椎を伸延させる(distracting)ための孔、スロット、ねじ、または蟻継ぎを有することができる。例えば椎間板は、上部および/または下部端板に形成されたスロットを含むことができ、スロットはインプラント挿入機器、伸延器(distractor)、または両方を受けるように構成されている。
【0027】
上部および下部端板はまた、連節表面(articulating surfaces)を含み、それによって椎間板がより大きな移動度を有することができることが好ましい。連節表面は、摩耗を最小限に抑え、粒子発生を少なくし、椎間板の寿命を長くするための表面研磨、又は、ダイヤモンド被覆仕上げ(diamond finish)、TiNi被覆仕上げ(TiNi finish)などの類似した摩耗減少仕上げを含むことが好ましい。
【0028】
いくつかの実施形態では、椎間板の内部は上部および/または下部端板に一端部が取り付けられ、他端部は取り付けられていない板ばねを含むことができる。端部間に配置され、板ばねは端板の1枚の内表面と噛み合い、連節し、摺動する広がった凸形中間部を含むことが好ましい。板ばねの取り付けられていない端部は、回転軸によりローラに取り付けられ、回転軸によりローラは自由に回転することができ、それによって板ばねはばねの伸縮中に自由に移動することができることが好ましい。
【0029】
いくつかの実施形態では、椎間板の内部容量は、上部または下部端板に取り付けられた連節部材を含む。連節部材は、中間衝撃吸収層によって端板の1枚に取り付けられていることが好ましい。衝撃吸収層は、エラストマー、ポリマー繊維、ポリウレタン、シリコーン、または衝撃吸収性を有する他の適切な弾性材料であることが好ましい。
【0030】
他の実施形態では一般に、椎間板は好ましくは噛合表面を含むポケット内に、上部端板、下部端板、および上部端板と下部端板の間に配置された可撓性コアを備える。可撓性コアは、スロット付きコア、リングばね、羽根付き板ばね、または板ばねのいずれかであることが好ましい。可撓性部材は、椎間板に与えられる負荷状態によって、屈曲/伸張、横湾曲、軸回転、および/または平行移動を提供するような大きさおよび構成をしていてもよい。
【0031】
椎間板は、可能ならモジュラー方式で移植することができる、または予め組み立てて移植することができる。前部、前横部、および横部の手術アプローチを椎間板に使用することができる。さらに、移植される椎間板によって、最小侵入性手術法および/または同時伸延移植手術法を使用することもできる。また、移植する椎間板によって、前縦靭帯を椎間板または隣接する椎体に直接取り付けることもできる。前縦靭帯は、部分的に脱塩化したまたは脱塩化した自家移植片、同種移植片、または異種移植片から形成することができる。別の方法では、前縦靭帯はエラストマー、または網状ポリマーなどの生物適合材料から形成することができる。椎間板の移植を助けるため、椎間板は位置合せマーカを含むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明の理解を簡単にするため、および本発明を図示する目的で、例示的かつ好ましい特徴および実施形態が添付の図面内で開示されている。しかし、本発明は示した正確な配置および機器に限らず、同様の参照記号はいくつかの図全体を通して同様の要素を示すことを理解されたい。
【0033】
本明細書で開示された椎間板の図示した例によって示された教示により、あらゆる幅広い異なるインプラント構造を準備することができる。本発明の椎間板は、自然の脊椎湾曲(または矢状平衡(sagittal balance))、椎間板高さを回復し、自然な範囲の動作を可能にし、衝撃を吸収し、耐動作性および耐軸圧縮性を備えるように設計されていることが好ましい。
【0034】
椎間板は、脊椎の頸部、胸部、および腰部で使用するような大きさをしており、そこで使用するように適合されるようになっている。また、椎間板を各個別の患者用に調整することができ、個別の患者に適当な椎間板の特性を得ることができる。例えば、人工椎間板は1対の端板とコアを有することができ、該椎間板のコアは各個別の患者に対して所望の動的特性を生み出すようなに、異なるアセンブリ、異なる構成部品、および/または様々な種類の材料を含むことができる。
【0035】
さらに、椎間板は湾曲、伸張、横方向の屈曲、回転、および平行移動を可能にできる。湾曲とは、関節または身体の2つの部分を屈曲するような位置にする動作であり、脊椎内では、脊椎がまっすぐになった状態から、前方に屈曲する動作までの動きである。伸張とは、2つの部分を互いに離れるように引っ張る運動であり、脊椎内では、脊椎がまっすぐになった状態から、後方に屈曲する動作するまでの動きである。横方向の屈曲とは、横側部に向かう屈曲動作であり、脊椎内ではこの動作は一般に屈曲(横)および連動した回転も含む。回転は脊椎の軸に対して脊柱の一部が捩れ、回転し、または旋回する動作である。平行移動とは、脊柱の軸に対してほぼ横方向に進む限定された動きである。
【0036】
加えて、自然の椎間板と同様に、人工椎間板により瞬時回転軸(instantaneous axis of rotation)の移動が可能になることが好ましい。平面動作中の身体に対する瞬間毎に、身体内に線、または、移動しないこの線の仮想延長線がある。瞬時回転軸はこの線である。瞬時回転軸が移動することは、異なる負荷状態の結果、(すなわち、平行移動のように)移動する回転軸の能力に言及している。すなわち、瞬時回転軸の位置は椎間板に対して移動する。脊椎の腰部用の移動する瞬時回転軸の好ましい平均的な位置は、好ましくは下部/後端端板に近接して、椎間板空間の後半分内または近接する(上部または下部)端板に隣接し、脊椎の胸動脈部用の移動する瞬時回転軸の好ましい平均的な位置は、椎間板空間の下部でかつ脊柱管内で後部に延びる終端椎体に近接していることが好ましく、脊椎の頸部用の移動する瞬時回転軸の好ましい中間位置は終端椎体の後半分にあることが好ましい。
【0037】
また自然の椎間板と同様に、人工椎間板の応答特性は非線形であることが好ましい。例えば、連続した軸方向圧縮に応答して、人工椎間板は初期の大きな圧縮量を、圧縮量を非線形に減少させることにより、追従させて受けることが好ましい。
【0038】
添付の図面を参照して、人工椎間板の好ましい実施形態および特徴を詳細に説明する。しかし、特定の実施形態および特徴のこれらの説明は単に例示するためのものである。様々な実施形態の1つまたは複数の特徴または要素を組み合わせる、または単一で使用することができ、様々な実施形態の変更形態と、他の実施形態も考えられ、当業者には自明のことであることが考えられる。
【0039】
まず図1を参照すると、人工椎間板10の例示的な第1の実施形態の斜視図が示されている。椎間板10は、前部側11、後部側13、および第1および第2の横側15、17をそれぞれ含む、ほぼエンドウ豆形の足跡を有することが好ましい。前部側11および横側15、17は全て、ほぼ凸形状をしており、後部側13はほぼ凹形状をしている。しかし、椎間板10はこれに限らないが、円形、長円形、楕円形、環状形、D字形、C字形などを含む隣接する椎体と幾何的および解剖学的にほぼ一致する他の形状をとってもよい。
【0040】
図示するように、椎間板10は上部端板20、下部端板22、および中間弾性膜24を含み、弾性膜24は好ましくは椎間板10の外周面に近接して、上部端板20から下部端板24まで全体的に延在している。別の方法では、弾性膜24は上部および下部の端板20、22を囲繞することができる。弾性膜24は上部端版20および下部端板22と合わせて、内部容量26を画定する。
【0041】
弾性膜24は、ポリウレタン、シリコーン、網目状ポリマー、または他の適当な弾性材料などのエラストマーからできている。弾性膜24は、流体を椎間板の内部に、またはそこから流すことができるように、透過性または半透性であってもよい(以下により詳細に説明する)。別の方法では、膜は非浸透性であってもよい。弾性膜24は上部端板12と下部端板14の間の平行移動の動作に耐えることができ、端板12と14の間に軟組織が内部成長することを防ぐと共に、内部容量内に発生したあらゆる摩耗粒子を含むことができる。これに限らないが、結合剤、超音波溶接、ねじ、くぎ、機械的楔留め、およびピンを含む、当業者に知られている固定方法で、弾性膜24を上部および下部端板12、14に取り付けることができる。
【0042】
別の方法では、弾性膜24は「アコーディオン」または他の可撓性形状を想定した蛇腹の形をしており、様々な荷重状態で伸縮することが可能である。蛇腹は、これに限らないが、各端板12、14内に形成された円形溝、結合剤、超音波溶接、ねじ、くぎ、機械的楔留め、およびピンを含む、当業者に知られている方法によって上部および下部端板12、14にしっかり取り付けることができる。蛇腹は金属で作られていることが好ましいが、エラストマーまたはポリマーなどの他の材料を使用することもできる。代替実施形態では、膜16を当業者に知られているあらゆる適当な非弾性材料で作ることもできる。
【0043】
図2を参照すると、椎間板10の内部26が示されている。好ましくは、椎間板10の内部26は少なくとも1つのばね要素30を含み、該ばね要素30は長手軸を有してもよい。ばねは、長手軸が上部および下部端板20、22それぞれによって形成された平面にほぼ垂直である方向に向くような方向にあってもよい。別の方法では、ばねは軸が上部および下部の端板の少なくとも一方で鋭角を形成するような方向にあってもよい。ばね要素は、下部端板22の内表面40に形成されたポケットまたは溝32内で下部端板22と接触する第1の端部を有することができる。このようなポケットまたは溝により、端板に対するばねの横方向に変位することを防ぐことができる。ばね要素30の上端部は、ばね嵌合表面33および反対側のほぼ球状表面35を有する連節部材34と係合することができる。これに限らないが、結合剤、超音波溶接、ねじ、くぎ、圧入、およびピンを含む、当業者に知られているあらゆる適当な固定法を使用して、ばね要素30をポケット32および/または連節部材34に固定することができる。別の方法では、ばね要素30および連節部材34を一体形成することができる。
【0044】
連節部材34の球状表面35は、上部端板20の内表面38に形成され、対応する形状となったソケット36内において、連節するように構成することができる。連節部材34とソケット36の間の接合面は、球・ソケットタイプの連結に近く、球状連節部材34はソケット36内で連節することができる。所望の連節のタイプおよび所望の連接する量により、連節部材34およびソケット36に設けられた球状表面35の曲率および円弧が決まる。例えば、球状表面35がソケット36と同じ半径を有する場合、椎間板10はより大きな支持を提供する、より規制された運動を提供する可能性がある。別の方法では、ソケット36が球状表面35より大きな半径を有する場合、椎間板10はさらに、連節および/または平行移動を行なうことが可能性となる。
【0045】
代替的な実施形態では、ソケット36は連節部材34をソケット内で平行移動させることが可能な平坦部を組み込むことができ、それによって下部端板22に対して上部端板20が平行移動する。このように平行移動させることによって、椎間板10は瞬時回転軸を移動させる。所望の連節動作を得るため、連節部材34およびソケット36が球状以外の輪郭を有することも可能である。このような他の輪郭は、楕円形すなわち卵形、および多重球形状を含むこともでき、連節部材およびソケットはそれぞれ少なくとも2つの別個または共結合球状セグメントを備えることができる。さらに、連節部材34およびソケット36は図では、それぞれの表面の噛み合いを全体的に可能にする輪郭を有し、対応する表面は上部端板20と下部端板22の間の所望の連節しながらの動作性を得るのに適切なあらゆる形状をとってもよい。
【0046】
椎間板10は下部端板22と結合する連節部材34、および上部端板20と結合するソケット36を有するように説明されているが、ソケット36および連節要素35が代わりにそれぞれ、下部端板および上部端板に結合するように、要素は逆であってもよい。さらに、ソケット部材は、一中空球状内表面を備える1ピースからなる端板のように、それぞれの端板に一体として設けることができる。また、ソケット部材および連節要素は、チタン、ステンレス鋼、超高分子量ポリエチレンなどのポリマーなどの、当業者に知られているあらゆる適当な材料からなってもよい。さらに、摩耗を最小限に抑え、粒子発生を少なくし、椎間板の寿命を長くするため、連節表面は、表面研磨、又は、ダイヤモンド被覆仕上げ、TiNi被覆仕上げなどの類似した摩耗減少仕上げを含むことができる。
【0047】
ばね要素30は、これに限らないが、渦巻ばね、コイルばね、板ばねなどを含む、当業者に知られているあらゆる適当な弾性部材を囲むことができる。さらに、ばね要素30を例えば、ポリマー、複合材料、またはコバルトクロム合金、チタン合金、ステンレス鋼、形状記憶合金、およびアモルファス合金などの金属を含む、当業者に知られているあらゆる適当な材料で形成することができる。同様に、ばね要素30は直列、並列、または直列および並列要素の組み合わせのいずれかで設けられた2つ以上の別個のばね要素を備えることができる。
【0048】
特定のばね要素は、特定の患者の必要に合わせて選択されることもあるが、選択した1つまたは複数のばねは患者の通常の椎間板の性状を真似るべきであり、または特定の処置に必要なように適するべきである。したがって、軸方向圧縮および横方向の屈曲の際に適切な剛性を有するばねを、以下の範囲を与えるように選択するべきである。湾曲/伸張は、約0ニュートンメートル/度(Nm/deg)から約8Nm/degであり、横方向屈曲は約Nm/degから約5Nm/degであり、圧縮は約100〜約5000N/mmの範囲である。さらに、選択したばねの外径は約5ミリメートル(mm)から約30mmの範囲であり、ばねの高さは約7.5mmから約12mmの範囲である。前述の範囲は代表的な寸法としてのみ提供したものであり、特定の患者に適切な使用するばねはあらゆる寸法、形状、強度および可撓性を有していてもよいことに留意されたい。
【0049】
連節表面と組み合わせたばね要素の使用により、上部端板20と下部端板22の間の連節、平行移動、および圧縮/衝撃吸収の組み合わせが、提供され、それによって瞬時回転軸を移動させることが可能になる。連節は、連節部材35およびソケット36の相互作用により、および/または少なくとも1つのばね要素30の屈曲によって行なうことができる。圧縮および衝撃吸収はばね要素30によって行なうことができ、平行移動は、連節部材36はソケット内で平行移動することができるように、ばね要素の屈曲によって、または平坦部を有するソケットの選択により行なうことができる。
【0050】
図2aを参照すると、複数のばね要素30を備える椎間板10が図示されており、各ばね要素30は、各ばね要素の長手軸が端板20、22それぞれによって形成された平面にほぼ垂直を向くように、上部端板20から下部端板22まで延在してもよい。別の方法では、1つまたは複数のばね30は、長手軸が端板の1つまたは両方の平面に対して鋭角を形成するような方向を向いていてもよい。
【0051】
複数のばね要素30は、均一な衝撃吸収、荷重支承、および耐引張り性/耐圧縮性を提供するのに適当な構成で配置することができ、またはばね要素30は他側部と比べて、椎間板の一方側(すなわち、前部、後部)での耐衝撃および/または耐圧縮性を増やすことができるように戦略的に配置することができる。しかし、椎間板10は少なくとも1つの中心ばね要素30と、中心ばね要素30から間隔を置いて配置された少なくとも1つの周辺ばね要素30とを含むことが好ましい。図示した実施形態では、単一の中心ばね要素は複数の周辺ばね要素で囲まれている。中心および周辺ばね要素30は実質的に同じ剛性を有することができる、または剛性は異なっていてもよい。好ましくは、中心ばね要素30は周辺ばね要素30の剛性より大きな剛性を有するようにしてもよい。このような配置により、椎間板は軸方向圧縮の発生の初期段階中における、主な衝撃吸収および抵抗を提供する中心ばねを有し、軸方向圧縮の後の段階中における、二次的な衝撃吸収および抵抗を提供する周辺ばね要素30を有する結果となる。これにより、患者の自然の椎間板の応答をよく真似ることができる圧縮荷重に対する望ましい非線形の応答が提供される。
【0052】
図2aに示すように、各ばね要素30はそれぞれ上部および下部の端板20、22と結合する第1および第2の端部を有する。各ばねの第1および第2の端部は、前に説明したように、上部および下部の端板20、22の内表面に形成された対応する球状ソケット36と噛み合うように構成された結合する球状連節部材34を有することができる。ばねおよび連節部材を組み合わせることにより、上部および下部端板20、22を相対的に移動させることが可能になる。例えば、連節部材34は結合するソケット36内で連節することができ、それによってばねの端部が端板にしっかり連結されている場合、存在するばね要素30内にねじれ抵抗を作り出すことなく上部および下部端板20、22は相対的に連節することができる。別の方法では、各ばね要素30は一端に球状部材34を取り付けられるのみであり、他端部は、前に説明したように上部または下部の端板20、22に取り付けられている。
【0053】
図2bを参照すると、椎間板10は複数のばね要素30を含むことができ、ここでは第1のばね要素30の一端部だけが球状連節部材34を備え、第1のばね要素30の反対側端部と、第2のばね要素30の両端部は上部および下部端板20、22の対応するポケット、またはくぼみ部内に配置されている(これらのくぼみ部および結合するばね要素の配置および連結は、図2の実施形態に関連して前に説明したとものと同じである)。図2bに示すように、第1のばね要素30は半球部材34に取り付けられて、上部または下部の端板20、22内に配置された対応するソケット36と噛み合う。第1のばね要素30を囲む複数の第2のばね要素30は、前に説明したように上部および下部端板20、22に直接取り付けられている。一実施形態では、第1のばねを1つの半球部材34に取り付けることができ、複数の第2のばね要素30を2つの半球部材34に取り付けることができる。前の実施形態と同様に、ばねの数、剛性、および配置と、連節要素およびソケット36の選択および配置を、通常の椎間板の性状をできるだけ近く真似る、または特定の処置に適当な性状を与える椎間板を提供するのに適切なあらゆる組み合わせで行なうことができる。
【0054】
図2cを参照すると、椎間板10は中心ばね要素30に周面的に配置されたエラストマー支柱54を含むことができる。支柱54は長手軸および第1および第2端部を有することができ、各端部は上部または下部の端板20、22に結合させることができる。エラストマー支柱54は、変位に抵抗するように、上部および下部端板20、22の結合する内表面38、40内に形成された溝32内に設置されてもよい。エラストマー支柱54は基本的に、前に説明した周面ばね要素30と同じ機能を果たす、すなわち椎間板10に耐圧縮力および耐衝撃吸収を提供し、動きに抵抗するように働くことができる。エラストマー支柱54は、これに限らないがポリウレタンまたはシリコーンを含む、当業者に知られているあらゆる適切な材料から形成することができる。個別の支柱54は何個でも設けることができ、個別の支柱は端板に適当な剛性または抵抗支持体を提供するために、様々な形状を想定することができる。したがって、支柱54は円筒形、四角形、矩形などでもよく、円形、三角形、楕円形などのあらゆる適当な断面をしていてもよい。支柱はまた連続または非連続断面を備えることができ、交互となるエラストマー(alternating elastomeric)および金属またはポリマーの層を有するものなど、異なる材料の層で作られていてもよい。支柱54はまた中空であってもよく、またはリング形状をしていてもよい。リング形の支柱54は第1のばね要素30の少なくとも一部を囲むように構成することもできる。前の実施形態と同様に、支柱54の端部を圧入、結合剤などを含む当業者のあらゆる適切方法を使用して端板に連結させることができる。1本または複数本の支柱を、1つまたは複数の結合する溝内に移動するように設けることもできる。支柱54の配置、数、および構造は重要ではないが、代わりに患者の通常の椎間板の性状を真似る、または特定の処置に適当な性状を提供する椎間板10を提供するのに望ましいあらゆる組み合わせであってもよい。
【0055】
端板20、22の内表面38、40は、エラストマーを端板に溶接することなどによる製造中に、エラストマー支柱50を上部および下部の端板20、22の対応する表面と一体化させることができるように多孔質であってもよい。膜および/または障壁は、埋め込みの深さおよび骨の内側への成長をそれぞれ制限するように端板20、22内に含むこともできる。
【0056】
本実施形態の椎間板10は、膜24および弁(図示せず)を含むこともでき、弁は流体を椎間板10の内部26内に注入する、またはそこから除去できるように、椎間板10の内部26へのアクセスを提供する。バルブは、当業者に知られているような一方向弁であることが好ましく、それによっていったん注入された流体は椎間板10の内部26から逃げることはできない。弁は弾性膜24を介して配置されることが好ましいが、別の方法では、弁は上部および/または下部の端板20、22を介して配置することが好ましい。弁が上部および/または下部の端板20、22に配置されている場合には、通路は椎間板10の内部26と弁を相互連結させるように含まれていることが好ましい。
【0057】
流体は、椎間板10の軸方向圧縮中に衝撃吸収を行なうのに十分な気体、液体、ゲルまたはそのどんな組み合わせであってもよく、上部端板20および下部端板22の互いに対する限られた連節または移動を可能にする。流体は圧縮不可能であり、例えば生理食塩水または鉱水であることが好ましい。使用の際、流体を隣接する脊椎間に椎間板10を挿入する前に、流体を椎間板10の内部26に注入することができる。別の方法では、隣接する脊椎間への椎間板10の挿入およびのその後の伸延を簡単にするように、流体を原位置で注入してもよい。椎間板10の剛性および伸延機能は、椎間板10の内部26内に注入される流体の量の関数であってもよい。一般に、より多くの流体を椎間板10の内部26内に提供されると、椎間板10の剛性がより大きくなり、伸延機能がより大きくなる。さらに、椎間板10の内部26の一部だけを充填することによって、柔軟かつ大きな連節を実現することができる。最後に、流体を用いて椎間板10の内部26を可変的に充填することにより、椎間板10の全高Hを個別の患者の要求によって、必要に応じて変更することができる。
【0058】
椎間板10が移植される脊椎の位置に依存して、椎間板10は約4ミリから約26ミリの範囲の高さを回復することが好ましい。加えて、椎間板10は約0°から約20°の間の範囲の脊柱前湾を回復させることが好ましい。椎間板10はまた、軸方向の回転において約1Nm/degから約11Nm/deg、湾曲/伸張において約0Nm/degから約7Nm/deg、横方向の屈曲において約0Nm/degから約5Nm/degの剛性を回復させることが好ましい。加えて、椎間板10は約100N/mmから約5000N/mmの圧縮剛性、および約50N/mmから約1000N/mmの引張り剛性を提供することが好ましい。さらに椎間板10が移植される脊椎の場所によって、椎間板10は湾曲/伸張において約5°から約45°、横屈曲において約3°から約33°、軸方向回転において約1°から約60°の動作範囲を許容することが好ましい。椎間板10はまた、約0.2mmから約2mmの範囲の軸方向圧縮を可能にすることが好ましい。
【0059】
上部および下部端板20、22は、チタン、スチール鋼、チタン合金、コバルトクロム合金、形状記憶合金、またはアモルファス合金などの金属で形成されていることが好ましい。しかし別の方法では、上部および下部端板20、22は剛性ポリマー、PEEKまたはUHMWPE、セラミック、複合材料、皮質、海綿質、同種移植片、自家移植片、異種移植片、脱塩化(demineralized)または一部脱塩化された骨を含む骨、または荷重支承支持体として働くことができるあらゆる他の材料で形成することもできる。より詳細には、端板用に選択された材料は摩耗を最小限に抑えるために選択される。
【0060】
さらに、本発明の椎間板内のあらゆる連節表面は、摩耗を最小限に抑え、粒子の発生を減らし、椎間板の寿命を長くするための摩耗仕上げ、又は、ダイヤモンド被覆仕上げ、TiNi被覆仕上げなどの類似した摩耗減少仕上げを含むことができることが好ましい。
【0061】
上部および下部の端板20、22の外表面は、実質的に平面的な楔形状などであってもよい。上部および下部の端板20、22の外表面はまた、隣接する脊椎の端部の形状とほぼ一致するように、矢状でかつ冠状の平面で画定された半径を備えるドーム形状をしていてもよく、それによって原位置でのより優れた嵌合を行なうことができる。
【0062】
加えて図1に示すように、椎間板10は例えば、上部および下部の端板20、22の外表面上のスパイク状構造18などの移動抵抗機構を含むことができる。移動抵抗機構により、隣接する脊椎の端部の貫通するおよび/または変形する結果として、機械的連動を提供することによって、隣接する脊椎の端部との椎間板10の係合を容易にすることができる。スパイク18によって生じる初期の機械的な安定性により、椎間板10の動作後不安定性、移動、除去または排除のリスクが最小限に抑えられる。他の移動抵抗機構としては、これに限らないが、フラップ、歯、配置可能歯、配置可能スパイク、可撓性スパイク、可撓性歯、フィン、挿入可能または拡大可能フィン、アンカ、ねじ、ねじ山、鋸歯、または上部および下部の端板20、22上の他の同様の構成を挙げることができる。図3aに示すように、配置可能スパイク41を設けることができ、カム機構43はスパイクを配置するのに使用することができる。別の方法では、図3bに示すように、配置可能スパイクは機器(図示せず)によって配置されるように構成することができる。図3cから3eにそれぞれ示すように、可撓性スパイク44、成形歯45、およびアンカ46が示されている。別の方法では、または加えて、椎間板10を隣接する脊椎に固定するのに結合剤を使用することもできる。
【0063】
さらに、上部および下部端板20、22は、椎間板10を隣接する脊椎に永久的に固定するように、骨の内側への成長を促進すべく、ヒドロキシアパタイトなどの骨成長促進物質で被覆することもできる。別の方法では、上部および下部端板20、22は骨の内側への成長を簡単にするように粗加工または多孔質表面を有することもできる。別の方法では、上部および下部の端板20、22は多孔質構造を作り出すようにレーザ処理された端板層を有することができ、または骨形成を案内する(osteoconductive)/骨形成を誘導する(osteoinductive)骨格(scaffold)を一体化させることができる。端板20、22はまた、骨の内側への成長を促進するように、骨形成を案内するおよび/または骨形成を誘導する材料から作ることもできる。端板20、22は、骨の内側への成長が許容されるべき深さを制限するように、膜および/または障壁をさらに含むことができる。
【0064】
上部および下部の端板20、22は、移植器具の取付け、案内、および維持のための構造を有することもできる。例えば端板20、22は、脊椎を移植するおよび/または伸延させるのに使用される工具を受け入れるための、孔、スロット、ねじ山、または蟻継ぎを有することができる。例えば椎間板は、上部および/または下部の端板20、22内に形成されたスロットを含むことができ、スロットはインプラント挿入器具、伸延器、または両方を受けるように構成されている。
【0065】
使用される材料および構造部品の結果、椎間板10は椎間板に加えられる負荷によって、湾曲/伸張、横方向の屈曲、軸方向の回転、および平行移動を可能することができる。加えて、脊髄移動による様々な脊髄負荷において、ばね要素30は様々な量に圧縮し、傾斜させ、連節させ、かつ/または屈曲させることができる。
【0066】
図4および4aに関連して、椎間板100の第2の例示的な実施形態が示されている。前述した実施形態と同様に、椎間板100の外部構造は、これに限らないが、円形、長円形、楕円形、環状形、エンドウ豆形、D字形、C字形などを含む、隣接する椎体と幾何学的および解剖学的にほぼ一致するあらゆる形状をとることができる。図示するように、椎間板100は上部端板102、下部端板104、および中間弾性膜106を含み、弾性膜106は上部および下部の端板102、104を組み合わせて、内部容量108を画定する。端板102、104および弾性膜106は、他の実施形態に関連して前に説明したこれらの端板および弾性膜と同様である。椎間板100は弁(図示せず)を含むこともでき、弁は他の実施形態に関連して前に説明したように流体の挿入または除去を可能にするように、椎間板100の内部108へのアクセスを提供する。椎間板100は、図3a〜3eおよび前の実施形態に関連して前に説明したように、移動抵抗機構、永久固定手段および/または移植機器の取付け、案内、および維持のための構造を含むこともできる。
【0067】
椎間板100は、第1の端部112および第2の端部114を有する板ばね110をさらに含むことができる。第1の端部112は、上部端板102に取り付けることができ、板ばね110の第2の端部114は、上部端板102の内表面上で転動することが可能なローラ130を備えることができる。板ばねは、第1の端部112と第2の端部114の間に配置された中心部116を有することができ、この中心部116は凹凸形状を備えることができる。凸状表面はほぼ下部端板24に対向しており、さらに、凹状表面はほぼ上部端板24に対向している。下部端板104は、ソケット内の球のように、内表面と噛み合い、連節し、摺動し、旋回するように構成された、中間部116を受け入れるように構成された表面を備える。板ばね110は上部端板に取り付けられているように本明細書では説明されているが、別の方法では下部端板104に取り付けることができ、それによって凹凸中間部116は上部端板102の内表面と相互作用する。板ばね110の連節表面は図では板ばねの中心近くに配置されているが、連節表面は所望の連節を行なうのに適当なように、板ばねの長さおよび/または幅に沿ってあらゆる点に配置することができることに留意されたい。
【0068】
板ばね110の取り付けられていない第2の端部114は、回転軸132上にローラ130を備えることができ、ローラ130は回転軸132の周りで自由に回転可能である。板ばね110の第2の端部114は、軸方向の負荷または圧縮の間、および軸方向の非負荷または引張の間、上部端板102の内表面に沿って滑動または転動することができる。したがって、本実施形態の板ばねは、屈曲するときに平行移動することが可能であり、両端部で拘束された板ばねに比べてより大きな範囲の可撓性を提供することができる。代替的な実施形態では、板ばね110は上部端板102の内表面に直接沿って滑動するように、ローラ130の代わりに丸みを帯びた端部を有することができる。
【0069】
下部端板104は、パッド120を受けるポケット106を備えることができる。パッド120は、下部端板104と係合する下表面と、板ばね110の広がった中間凸状部116と噛み合うような形状および大きさを有した凹状部122を備える上表面とを有することができる。ばねおよびパッドによって提供された連節のタイプおよびその量は、中間部116および凹状部122に提供された曲率を制御することによって調節することができる。中間部116が凹状部122と同じ半径を有している場合には、椎間板100はより大きな支持を提供するが、移動はより制約される。別の方法では、凹状部122が中間部116より大きな曲率半径を有している場合には、椎間板は大きな連節を提供することができる。
【0070】
中間部材116および凹状部122は、所望の連節を達成するように他の輪郭をとることもできる。パッド120の凹状部122は、凹状中間部116と噛み合うように凸状をしていてもよい。さらに、凹状部112および中間部材116は、表面の噛み合いを全体的に可能にする輪郭で示されているが、所望の連節を達成するように非噛合輪郭が設けられてもよい。
【0071】
さらに、板ばね110の圧縮および滑動は、1つまたは複数の負荷領域に依存して変化させてもよい。例えば、椎間板100の一端部に負荷を与えることにより、椎間板100の対向端部と比べて、椎間板100をより大きく圧縮することになる。加えて、パッド120およびポケット106は、パッドがポケット106内で平行移動することが可能なように構成してもよい。様々な動作、すなわち板ばね110の圧縮およびポケット106に対する板ばね110の平行移動により、瞬時回転軸の移動を可能にすることができる。
【0072】
板ばね110は、例えばポリマー、セラミック、複合材料、およびコバルトクロム合金、チタン合金、ステンレス鋼、形状記憶合金、およびアモルファス合金などの金属を含む、当業者に知られているあらゆる適当な材料から形成することができる。パッド120は同様に、同様の材料から形成することができる。
【0073】
椎間板100が移植される脊椎の位置に依存して、椎間板100は、高さ、自然の脊椎湾曲(または矢状平衡)、剛性を回復し、圧縮剛性を提供し、また前の実施形態に関連して説明したのと同様の動作範囲を可能にすることが好ましい。
【0074】
図5を参照すると、椎間板150の第3の例示的な実施形態が示されている。前述した実施形態と同様に、椎間板150はこれに限らないが、円形、卵形、楕円形、環状形、エンドウ豆形、D字形、C字形などを含む、隣接する椎体と幾何学的および解剖学的にほぼ一致するあらゆる形状をとってもよい。図示するように、椎間板150は上部端板152、下部端板154、および中間弾性膜156を備え、弾性膜156は上部および下部の端板152、154を組み合わせて、内部容量158を画定する。端板152、154および弾性膜156は、他の実施形態と関連して前に説明したものと同様である。椎間板150はまた弁(図示せず)を含み、弁は他の実施形態に関連して前に説明したように、流体の挿入または除去を可能にするように、椎間板150の内部158へのアクセスを提供する。椎間板150はまた、図3a〜3eおよび前の実施形態に関連して前に説明したように、移動抵抗機構、永久固定手段および/または移植機器取付け、案内、および維持のための構造を含むこともできる。
【0075】
椎間板150は、上部または下部端板152、154の一方、好ましくは下部端板152に取り付けられた中間連節部材160をさらに含むことができる。連節部材160は、下部端板154の一方の内表面に形成された凹状表面164に対して連節するような大きさおよび形状をしている凸状下表面162を有することができる。対応する連節表面162、164の曲率は、他の実施形態に関して既に説明したように、端板152と154の間の所望量の連節および平衡移動を行なうように、必要に応じて操作することができる。
【0076】
別の方法では、連節部材162は対向する端板152、154の内表面に形成された凸状表面に対して噛み合い、連節するような形状および大きさをしている凹状下表面を備えることができる。さらに、凹状表面164を端板152、154の一方の内表面に一体形成することができる、またはその上に別個に形成し、取り付けることができる。端板152、154の一方の内表面の上に凹状表面164を取り付けることによって、凹状表面164を結合する端板とは異なる材料、例えばポリエチレンまたは他のポリマーで作ることが可能になり、または衝撃吸収材料を以下により詳細に説明するように設けることができる。
【0077】
連節部材160は、これに限らないが、結合剤、超音波溶接、ねじ、くぎ、機械的楔留め、およびピンを含む、当業者に知られているあらゆる固定方法によって端板152、154の一方に取り付けることができる。しかし、連節部材160は中間衝撃吸収層170を介して端板150、152の一方に取り付けることができることが好ましい。衝撃吸収層170は、エラストマー、成形または結合されたポリマー繊維、ポリウレタン、シリコーン、または適当な衝撃吸収性状を有するあらゆる他の適切な弾性材料であってもよい。連節部材160は、金属、ポリマー、複合材料、セラミック、またはどんな組み合わせからでも製造することができる。
【0078】
椎間板150はまた、端板152、154の一方に連節部材160を制限するかつ/または固定するように、および/または衝撃吸収層170を囲繞するように構成された追加の弾性膜172を含むことができる。追加の弾性膜は、剪断の際に連節部材160に対して衝撃吸収、圧縮抵抗、および追加の安定性を与えることができる蛇腹であってもよい。
【0079】
椎間板150が移植される脊椎の位置に依存して、椎間板150は高さ、自然な脊椎湾曲(または矢状平衡)、剛性を回復し、圧縮剛性を提供し、前の実施形態と関連して説明したのと同様の動作範囲を可能にすることが好ましい。
【0080】
使用される材料、幾何学的形状、および部品の結果として、椎間板150は、椎間板に加えられる負荷状態に依存して、湾曲/伸張、横方向屈曲、軸方向回転、および平行移動が可能になる。加えて、様々な脊椎の負荷条件において、連節部材160と端板152、154の一方の間に配置された衝撃吸収層は、1つまたは複数の負荷領域に対して圧縮および/または屈曲領域の位置によって、様々な量に圧縮および/または屈曲することができる。さらに、椎間板150により、椎間板150の異なる領域が様々な量に圧縮することが可能になる。
【0081】
図6を参照すると、椎間板200の第4の例示的な実施形態が示されている。椎間板200は、上部端板202、下部端板204、および上部湾曲表面および下部平坦表面を有するスロット付きコア206を備えるほぼ円形をしている。椎間板200はこれに限らないが、エンドウ豆形、卵形、環状形、楕円形、C字形、D字形などを含む、隣接する椎体と幾何学的および解剖学的にほぼ一致するあらゆる他の形状をとることができる。移動抵抗構造、永久固定機構および/または移植機器取付け、案内、および維持のための構造などの、他の実施形態に関して前に説明した他の機構を端板202、204に含むことができる。さらに、上部および下部の端板202、204の外表面はほぼ平坦、又は楔形状などであってもよい。上部および下部の端板202、204の外表面はまた、隣接する脊椎の端部の形状とほぼ一致するように矢状でかつ冠状の平面内に画定された半径を備えたドーム形状であってもよく、それによって原位置においてより優れた嵌合が行なわれる。上部および下部端板202、204は金属から形成されていることが好ましい。しかし、上部および下部端板202、204は別の方法では、以前の実施形態に関して前に説明したあらゆる端板材料から形成されていてもよい。
【0082】
図示するように、端板204は内表面に配置されたポケット208を含むことが好ましく、ポケット208はスロット付きコア206の下部平坦表面を受けるように設計されている。別の方法では、スロット付きコア206および下部端板204は一体片として形成することもできる。コアが別個の片として形成されている場合、端板204とは異なる材料から成ってもよく、したがって金属端板は例えば、ポリマー噛合機構のコア206を有するように備えられてもよい。
【0083】
コア206および端板204が別個に形成されている場合、椎間板200は端板ポケット208内にコア206を維持するように、Cリング(図示せず)またはポケット208内にまたはこれに隣接して配置されたリップまたはリングなどの同様の構造を含むこともできる。このようなリングは端板204に対してコアが平行移動するのを防ぐように構成することができ、または1方向または複数方向へのコアの平行移動が可能になる。別の方法では、コア206はキャップ(図示せず)を下部端板204に溶接、圧入、杭打、または結合することなどによって、ポケット208内に維持することができ、キャップはコア206の一部を覆っている。
【0084】
ポケット208は図では円形状を有しているが、ポケットはこれに限らないが、卵形、楕円形、エンドウ豆形、矩形などを含むあらゆる他の適当な形状をとることができる。コアおよび端板が別個の片として形成されている場合、ポケット208はスロット付きコア206より広くまたは長くてもよく、したがってコア206は動作中にポケット208内に平行移動することが可能である。別の方法では、ポケット208は特定の方向にのみ沿った、ポケット内でのコア206の平行移動を可能にするのに必要な様々な寸法形状を想定することができる。したがって、ポケットは一方向以外の全ての方向でコアとほぼ同じ幅を備えており、ポケットはその一方向(すなわち、前後方向)においてコアよりも幅が広い。よって、前後軸に沿ってコアよりも幅広いポケットにより、コアは使用中に前後方向に平行移動することができる。ポケット幾何学的形状に対応した変更形態により、中間横平行移動などの他の方向への平行移動を可能になる。
【0085】
上部端板202の内表面は、スロット付きコア206の上部湾曲表面212を受けるように構成された凹状噛合機構210を有することができる。噛合機構210により上部端板202は、スロット付きコア206に対して連節することが可能になることが好ましい。この噛合機構210は、上部端板202と一体化してもよく、または別個の片として形成し、端板に嵌合してもよい。噛合機構が別個の片として形成されている場合、端板202とは異なる材料からなってもよい。したがって、金属端板が、例えばポリマー噛合機構210を有するように備えられてもよい。
【0086】
他の実施形態に関連して前に説明したように、連節表面は逆であってもよい。すなわち、噛合機構210を凸形状に設け、スロット付きコアは凹状表面を備えることができる。さらに、本実施形態の椎間板によって提供される連節および/または平行移動のタイプおよびその量は同様に、他の実施形態に関連して前に説明したように、凹凸状表面の曲率を調節することによって調節することができる。端板間の連節および平行移動の動作を可能にすることによって瞬時回転軸が移動により、自然の椎間板に近い動作が可能となる。
【0087】
スロット付きコア206は弾力性があってもよく、軸方向の負荷により圧縮することが可能になり、それによって衝撃吸収が行なわれる。したがって、コア206は周面内に切り込まれた少なくとも1つのスロット216を有することができる。スロット216は直線でも、または湾曲していてもよく、水平、垂直、または斜めに延びることができる。スロット216はまた長さおよび幅が変化することがあり、コアを通して様々な深さで設けることができる。スロット216によりスロット付きコア206の圧縮性が増し、したがって椎間板200に付加的な衝撃吸収の特性を与えることができる。コア206内に設けられたスロットの配置および構成は、所望の圧縮程度を提供するのに適当などんな組み合わせであってもよい。
【0088】
丸い足跡を有するように図示されているが、スロット付きコア206は卵形、矩形、楕円形、およびエンドウ豆形を含むあらゆる他の形状をしていてもよい。スロット付きコア206の形状は、下部端板204の内表面に形成されたポケット208の形状と一致することが好ましい。スロット付きコア206は例えば、セラミック、複合材料、ポリマー、またはコバルトクロム合金、ステンレス鋼、およびチタン合金などの金属を含む材料から形成することができる。別の方法では、スロット付きコア206は異なる材料の2つの部品(図示せず)から作ることができる。また前に記したように、スロット付きコア206は下部端板204と一体化させることができる。
【0089】
また、椎間板200は、他の実施形態に関連して前に論じたように、弾性膜、エラストマーリング、蛇腹、ばね、または流体などの剛性回復機構を含むことができる。また、椎間板200は、他の実施形態に関連して前に論じたように、付加的な衝撃吸収機構を組み込むことができる。
【0090】
椎間板200の端板は、隣接する脊椎の端部内へおよびそこからの端板の移動、除去、または排除を妨げるように、端板の少なくとも1つまたは両方の外表面に設けられた移動抵抗構造を有することができる。移動抵抗構造はこれに限らないが、フラップ、スパイク、歯、フィン、配置可能スパイク、配置可能歯、可撓性スパイク、可撓性歯、別の形状の歯、挿入可能または拡張可能フィン、ねじ、フック、鋸歯、リブ、および織目付き表面を含む。
【0091】
さらに、椎間板200の上部および下部の端板は、隣接する脊椎に椎間板を永久的に固定するように、骨の内側への成長を促進すべく、骨の成長を誘導するまたはそれを案内する物質で被覆されていてもよい。別の方法では、上部および下部の端板は粗加工表面、多孔質表面、およびレーザ処理された端板層を有し、骨形成を案内する/骨形成を誘導する骨格を一体化することができ、または骨の内側への成長を促進するように、一体型の骨の形成を案内するおよび/または骨の形成を誘導する材料を備える、またはそれから作ることができる。
【0092】
椎間板200を移植する脊椎の位置によって、椎間板200は高さ、脊柱前湾、剛性を回復し、圧縮剛性を提供し、自然の椎間板のものを真似ることを意図した、または特定の処置に必要に応じた動作範囲を可能にする。
【0093】
加えて、前の実施形態で論じたように、椎間板200の連節表面は、摩耗を最小限に抑え、粒子発生を減らし、椎間板の寿命を長くするための表面研磨、又は、ダイヤモンド被覆仕上げ、TiNi被覆仕上げなどの類似した摩耗減少仕上げを含む。
【0094】
使用される材料、幾何形状、および部品の結果、椎間板200は、椎間板に加えられる負荷状態によって、湾曲/伸張、横方向の屈曲、軸方向回転、および平行移動を可能にする。加えて、様々な脊椎負荷状態において、スロット付きコア206は変化可能に圧縮することができ、脊椎負荷の位置およびタイプによって、スロット付きコア206の異なる領域を異なる量に圧縮することが可能になり、それによって端板202、204の異なる領域を異なる量に圧縮することが可能になる。このようなスロット付きコア206の変化可能な圧縮により、瞬時回転軸を移動させることも可能になる。
【0095】
図7を参照すると、椎間板250の第5の例示的な実施形態が示されている。椎間板250は、上部端板252、下部端板254、キャップ256、およびリングばね258を備えるほぼ円形形状をしている。しかし、椎間板250はこれに限らないが、エンドウ豆形、卵形、環状形、楕円形、C字形、D字形などを含む、隣接する椎体と幾何的および解剖学的に一致することが好ましい他の形状をとることもできる。
【0096】
図示するように、下部端板254は内表面に配置されたポケット260を含むことが好ましく、ポケット260はテーパ状外表面と円筒形の内表面とを有するリングばね258を受けるように設計されている。ポケット260はリングばね258のテーパ状外表面と噛み合うテーパ状内表面を有することが好ましい。ポケット260は図では円形または円錐形状をしているが、ポケット260はこれに限らないが、卵形、楕円形、エンドウ豆形、または矩形を含むどんな他の形状をとってもよい。
【0097】
ポケット260は、リングばね258がポケット260内で平行移動できるように、リングばね258より大きな寸法であってもよい。前の実施形態のポケットと同様に、ポケット260は特に一方向へのリングばね258の限られた平行移動を可能にする寸法をしていてもよい。平行移動の動作を可能にすることによって、瞬時回転軸の移動が作り出される。この移動している瞬時回転軸により、自然の椎間板の動作がより自然に複製される。
【0098】
椎間板250は、Cリング(図示せず)、またはポケット260内にリングばね258を維持するように、ポケット260内またはこれに隣接して配置されたリップまたはリングなどの同様のタイプの構造を含むこともできる。別の方法では、リングばね258をこれに限らないが、溶接、圧入、杭打、または結合を含む、当業者に知られているあらゆる手段によってポケット内に維持することができる。前記したように、リングばね258は、リングばね258をポケット260内で平行移動させることができる方法でポケット260内に維持されている。一実施形態では、リングばねおよびキャップを、下部端板254と係合し、リングばね258および/またはキャップ256の少なくとも一部を覆う蓋によってポケット260内に維持することができる。
【0099】
リングばね258は、耐衝撃吸収性、耐湾曲性、および耐圧縮性を提供するように、軸方向の負荷において圧縮するばね状要素であることが好ましい。円形足跡を備えるほぼC字形を有するように図示されているが、リングばね258は卵形、矩形、楕円形、およびエンドウ豆を含むどんな他の形状をしていてもよい。リングばね258の形状は、下部端板254の内表面に形成されたポケット260の形状と一致することが好ましい。リングばね258は、例えばセラミック、複合材料、ポリマー、またはコバルトクロム合金、ステンレス鋼、およびチタン合金などの金属を含む、当業者に知られているあらゆる適当な材料で形成されていてもよい。
【0100】
図示されているように、リングばね258は上表面264、底表面266、外表面268、および内表面270を有し、キャップ256上に形成された軸部276と噛み合うように中心孔272を画定する。リングばね258の外表面268は、ポケット260の内表面と噛み合い、係合するようにテーパ状になっていることが好ましい。加えて、リングばね258は周面内に形成されたおよび/または切り込まれた少なくとも1つのスロット262を含むことができる。スロット262は直線または曲線であってもよく、水平、垂直、または斜めに延びていてもよい。スロット262はまた長さおよび幅が変化することができる。図示するように、リングばね258は、該リングばね258の上表面264から底表面266まで延び、リングばね258の外表面268から内表面270まで延びる表面1つの縦スロット262を含む。このスロット262を含んでいることにより、リングばね258の圧縮性が増加し、したがって椎間板250に付加的な衝撃吸収特性が与えられる。
【0101】
別の実施形態では、リングばね258は、椎間板に所望の圧縮機構を与えるように、リングばね258の厚さを貫通する上部および/または底部の表面264、266から延びる複数のスロット262(図示せず)を組み込むことができる。
【0102】
椎間板250は、広がった本体部274および軸部276を有するキャップ256を含むこともできる。広がった本体部274および軸部276の間の接合点は肩部278を形成することができ、軸部276はリングばね258の中心孔272内に受けられるような形状および大きさをしており、肩部は2つの部品が組み立てられるときに、リングばね258の上部にキャップ256があるように、リングばねの上表面264と係合するように構成されている。一実施形態では、中心孔272は軸部276より大きく、それによって圧縮力が椎間板250上に作用する場合に、少なくとも1つのスロット262によって作り出された間隙を閉じることによりリングばね258の圧縮が可能になる。また、軸部276より大きな中心孔272を設けることによって、キャップ256はリングばね258に対して平行移動することが可能になる。
【0103】
前に述べたように、キャップ256の肩部278はリングばね258の上表面264に接触する。したがって、キャップ256に加えられる軸方向負荷をリングばね258に直接伝えることができ、ポケット260内に押し下げることができる。リングばね258がポケット260内に押し込まれると、リングばね710のテーパ状外表面268は少なくとも1つのスロット262を圧縮している間に、ポケット260のテーパ状表面と係合する。軸方向負荷によるリングばね258のこのような弾性圧縮により、所望の衝撃吸収および圧縮抵抗が与えられる。リングばね内に設けられたスロットの寸法および数は、椎間板の所望の圧縮特性を提供するのに適切なように選択することができる。
【0104】
リングばね258の軸方向の変位は、ポケット260の深さを減少させ、スロット262の幅を小さくし、軸部276の厚さおよび/または長さを増加させ、またはこれらの選択肢のどれかまたは全てを組み合わせることによって制限することができる。別の方法では、上向きの付勢をリングばね258に与えるように、コイルばねまたは弾性層(両方とも図示せず)をポケット260内に供給することができる。
【0105】
前に記したように、椎間板250は上部端板252をも含む。上部端板252の内表面は、キャップ256の広がった本体部274の上表面と噛み合うような大きさおよび形状をしている噛合表面280を含んでいることが好ましい。上部端面252上の噛合表面280は、キャップ256の上表面に形成された凸状表面と連節するように構成された凹状表面を有することが好ましい。別の方法では、噛合表面280は凸状表面を備えることができ、キャップ256の上表面は凹形状をしていてもよい。他の実施形態に関連して前に説明したように、曲率度は上部端板とキャップ256の間で所望の連節および/または平行移動を行なうため、いずれかまたは両方の表面に対して調節することができる。
【0106】
別の実施形態では、噛合表面280は上部端板252とは別個の片として設けられている。噛合表面280はこのような場合、端板252のものとは異なる材料を含むことができる(例えば、端板はチタンで、噛合表面はUHMWPEであってもよい)。椎間板250の連節表面はまた、摩耗を最小限に抑え、粒子発生を少なくし、椎間板の寿命を長くするための表面研磨、又は、ダイヤモンド被覆仕上げ、TiNi被覆仕上げなどの類似した摩耗減少仕上げを含むことができる。
【0107】
ほかの実施形態では、別個のキャップ256を除去することができ、リングばね256は上部端板252の噛合表面280内で連節するように構成された凸状上表面264を組み込むことができる。
【0108】
本実施形態の椎間板250は、移動抵抗機構などの他の実施形態に関連して前に説明した付加的な機構を備えることができ、多孔質表面または被覆表面などの永久固定機構、および/または移植機器の取付け、案内、および維持のための構造を端板252、254に含めることもできる。さらに、上部および下部端板252、254の外表面はほぼ平坦である又は楔形状などであってもよい。上部および下部端板252、254の外表面はまた、隣接する脊椎の端部の形状とほぼ一致する矢状でかつ冠状の平面で画定された半径を備えるドーム形状をしていてもよく、それによって原位置でのより優れた嵌合が行なわれる。外表面は、少なくとも1つの溝、スロット、または椎間板を挿入機器によって係合させることができるのに適当な他の特性をさらに備えることができる。上部および下部端板252、254は金属から形成されていることが好ましい。しかし、上部および下部端板252、254は別の方法では、前に説明した材料以外から形成されていてもよい。
【0109】
椎間板250はまた、他の実施形態に関連して前述したような、弾性膜、エラストマーリング、蛇腹、ばね、または流体などの剛性回復機構を含むことができる。椎間板250はまた、他の実施形態に関連して前述したあらゆる衝撃吸収機構を組み込むことができる。
【0110】
椎間板250が移植される脊椎の位置によって、椎間板250は高さ、脊柱前湾、剛性を回復し、圧縮剛性を提供し、前の実施形態に関連して説明したものと同様の動作範囲を可能にすることが好ましい。
【0111】
使用する材料、幾何学的形状、および部品の結果、負荷状態によって椎間板250は湾曲/伸張、横方向の屈曲、軸方向回転、および平行移動が可能になる。加えて、様々な脊椎負荷状態において、リングばね258は様々な量に圧縮することができる。このようなリングばね258の様々な圧縮により、瞬時回転軸の移動が可能になる。加えて、リングばね258は、椎間板250の異なる領域が様々な量に圧縮するのを可能にする。
【0112】
図8を参照すると、椎間板300の第6の例示的な実施形態が示されている。椎間板300は、上部端板302、下部端板304、および横端部310を有する羽根付き板ばね306を備えるほぼ円形形状をしている。しかし、椎間板300はこれに限らないが、エンドウ豆形、卵形、環状形、楕円形、C字形、D字形などを含む、隣接する椎体と幾何学的および解剖学的に一致することが好ましい他の形状をとることもできる。移動抵抗機構などの他の実施形態に関連して前に説明した他の特性、永久固定特性、および/または移植機器の取付け、案内、および維持のための構造も端板302、304の外表面に含めることができる。さらに、端板302、304の外表面はほぼ平坦である、又は楔形状などであってもよい。上部および下部端板302、304の外表面はまた、隣接する脊椎の端部の形状とほぼ一致するように、矢状および冠状平面内に画定された半径を備えるドーム形をしていてもよく、それによって原位置でのより良い嵌合が行なわれる。上部および下部端板302、304は金属から形成されていることが好ましい。しかし、上部および下部端板302、304は別の方法では、既に説明したもの以外の材料から形成されていてもよい。
【0113】
図示するように、下部端板304は内表面に切抜き308(すなわちポケット)を含み、切抜き308は羽根付き板ばね306の少なくとも中心部を受けるように構成されていることが好ましい。下部端板304は、横端部310の少なくとも一部に沿って羽根付き板ばね306を支持することができ、板ばね306の中心部314は切抜き308内にあり、板ばね306の底表面と切抜き308の底表面の間に間隙がある。したがって、板ばねが軸方向の圧縮負荷を受けると、横端部110は湾曲することが可能となり、中心部の底表面が切抜き308の底表面に接触するまで、板ばねの中心部314を切抜き308内に押し下げることが可能となる。横端部310の剛性と共に板ばねと切抜きの間の初期間隙の大きさを選択することにより、椎間板300最大となる軸方向圧縮のみならず、所望の圧縮剛性も得ることができる。横端部はほぼ等しい剛性を有することができるが、その剛性は実質的に異なっていてもよい。同様に、切抜き308の底部はほぼ平坦であってもよく、または所望の方向への板ばねの中心部の偏向をより大きくすることが可能になるように角度付けされていてもよい。剛性および間隙は、患者の通常の椎間板の性状を真似るのに適当なように、または特定の処置に適当なように選択することができる。
【0114】
さらに、切抜き308の深さは、羽根付き板ばね306が湾曲できるのに十分なほど深いことが好ましいが、しかし、板ばね306の湾曲により、衝撃吸収および耐圧縮性が得られるので、切抜き308の深さは、羽根付きの板ばね306の湾曲部分の故障を防止するほど深くはないことがより好ましい。また、好ましくは、この板ばねの湾曲は、羽根付きの板ばね306の湾曲は自然の椎間板の耐圧縮および衝撃吸収の機構を真似るように椎間板300内において、設計されており、または、特定の処置に対して適当な耐圧縮性が提供されてもよい。
【0115】
切抜き308は図では矩形形状をしているが、切抜き308はこれに限らないが、円形、卵形、楕円形、エンドウ豆形、または矩形を含むあらゆる他の形状をとってもよい。切抜き308は羽根付き板ばね306の中心本体部314より寸法が大きく、それによって羽根付きの板ばね306が切抜き内に平行移動することが可能になる。平行移動が可能になったことにより、自然の椎間板の動作をより自然に複製する移動する瞬時回転軸が作り出される。
【0116】
椎間板300は、羽根付き板ばね306の中心本体314上の連節表面312と噛み合うような大きさおよび形状をしている噛合表面316を備える内表面を有する上部端板302を含むことができる。噛合表面316は凹形状であることが好ましい。しかし別の方法では、噛合表面は凸状輪郭を有することができ、上部端板302の噛合表面316は凹形状であり、中心本体314の連節表面312は凸形状であってもよい。他の実施形態に関連して前述したように、凹凸表面の曲率度を、通常の椎間板の性状を真似るように所望量の連節を提供するように選択することができ、または特定の処置に必要に応じた程度にすることができる。
【0117】
別の実施形態では、羽根付き板ばね306の横端部310は一定の厚さ、長さ、および幅をしていてもよい。別の方法では、横端部310は可変の厚さ、長さ、および/または幅をしていてもよい。横端部310から中心本体314への移行は緩やかであるので、厚さは横縁部310の外周面から連節表面312に向かって次第に増加する、またはかなり急であってもよい。加えて、羽根付き板ばね306はばねの可撓性をさらに増すように、いずれかの横端部(図示せず)内に1つまたは複数のスロットを含むことができる。
【0118】
図では矩形形状をしているが、羽根付き板ばね306は卵形、円形、楕円形、エンドウ豆形などを含むあらゆる他の形状をしていてもよい。羽根付き板ばね306の形状は、下部端板304の内表面上に形成された切抜き308の形状と一致することが好ましい。羽根付き板ばね306は例えば、セラミック、複合材料、ポリマー、またはコバルトクロム合金、ステンレス鋼、およびチタン合金などの金属を含む材料から形成されていることが好ましい。
【0119】
別の方法では、椎間板300は切抜き308内に羽根付き板ばね306を維持するような構成をしている蓋またはリング部材(図示せず)を含むことができ、それによってばね306が外れるのを防ぐ。この例では、羽根付き板ばね306を切抜き308内に配置した後に、蓋またはリング部材を下部端板304に取り付けることができる。蓋またはリング部材は、これに限らないが、ピン、ねじ、溶接、圧入などを含む、当業者に知られているあらゆる固定手段によって下部端板304に取り付けることができる。
【0120】
椎間板300はまた、様々な他の実施形態に関連して前に論じたように、弾性膜、エラストマーリング、蛇腹、ばね、または流体などの剛性回復特性を含むことができる。椎間板300は、例えばエラストマー材料から椎間板の一部を製造するなどの、他の実施形態に関連して前に説明した付加的な衝撃吸収機構を組み込むことができる。
【0121】
加えて、椎間板300の連節表面は、摩耗を最小限に抑え、粒子発生を減らし、椎間板の寿命を長くするための表面研磨、又は、ダイヤモンド被覆仕上げ、TiNi被覆仕上げなどの類似した摩耗減少仕上げを備えることができる。
【0122】
椎間板300が移植される脊椎の位置に依存して、椎間板300は高さ、自然の脊椎湾曲(または矢状平衡)、剛性を回復し、圧縮剛性を与え、前の実施形態に関連して説明したのと同様の動作範囲を可能にすることが好ましい。
【0123】
使用する材料、幾何学的形状、および部品の結果、椎間板300は椎間板に加えられる負荷状態によって、湾曲/伸張、横方向の屈曲、軸方向回転、および平行移動が可能である。
【0124】
図9を参照すると、椎間板350の第7の例示的な実施形態が示されている。椎間板350は、上部端板352、下部端板354、板ばね356、および連節キャップ358を備えるほぼ円形形状をしている。しかし、椎間板350はこれに限らないが、エンドウ豆形、卵形、環状形、楕円形、C字形、D字形などを含む、隣接する椎体と幾何的および解剖学的に一致することが好ましい他の形状をとってもよい。移動抵抗構造、永久固定機構、および/または移植機器の取付け、案内、および維持構造などの、他の実施形態に関連して前に説明した他の特性を、端板352、354に含めることもできる。さらに、上部および下部端板352、354の外表面はほぼ平坦であるまたは楔形状などであってもよい。上部および下部の端板352、34の外表面はまた、隣接する脊椎の端部の形状とほぼ一致するように矢状でかつ冠状の平面内に画定された半径を有するドーム形状をしていてもよく、それによって原位置でより良い嵌合を行なうことができる。上部および下部端板352、354は金属から形成されていることが好ましい。しかし、上部および下部352、354は別の方法では前に説明した他の材料から形成されていてもよい。
【0125】
図示するように、下部端板354は1対の第1の肩部材364によって画定された第1のくぼみ部362を備えることができる。これらの肩部材364は、外周近くで板ばねの底表面に沿って板ばね356を支持するように構成されており、板ばね356とくぼみ部362の間に軸方向間隙を作り出す。1対の第1の肩部材364を下部端板354で一体的に形成することができる、または別個の片を備えることができる。
【0126】
さらに、下部端板354は、軸方向上かつ第1の肩部材364から径方向外側に配置された1対の第2の肩部材365を有することができる。第2の肩部材365は、ばねを横方向(すなわち、平行移動方向)に維持して、板ばねが確実に第1の肩部材364およびくぼみ部362に対して芯合わせされるように、板ばね356の周縁部と係合するように構成されており、それによって適当なばね湾曲が確保される。第2の肩部材365は、全ての平行移動を防ぐように板ばねを抑制するように構成することができる。しかし、別の方法では、第2の肩部材365は少なくとも1方向に板ばねから横方向にずれていてもよく、それによって板ばねを少なくとも1方向に平行移動させることができる。このように平行移動が可能なことにより、自然の椎間板の動作をより自然に複製する、移動している瞬時回転軸が作り出される。
【0127】
板ばねを覆うのにカバー板360を設けることができ、板ばねが対の第1および第2の肩部材364との係合から軸方向に移動しないようにする。本実施形態では、カバー板360を1対の第2の肩部材365の上表面に取り付けることができる。カバー板360は、これに限らないが、圧入、溶接、ピン、ねじ、結合などを含む、当業者に知られているあらゆる固定手段によって第2の肩部材365に取り付けることができる。カバー板360は下部端板354の外周面に近い寸法をしている外周面と、(以下により詳細に説明する)連節要素を受け入れる寸法をしている内側開口部369とを有することができる。カバー板360の内側開口部は、椎間板350の連節を制限するように、上部端板352上に対応する表面と組み合わせて動作することができる上側に延びる内側縁部367を含むことができる。カバー板はまた、椎間板挿入機器を受け入れるように構成することができる。図9の実施形態は、下部端板354とは別個の要素として板ばね356を図示しているが、図9aに示す代替実施形態では、板ばね356を下部端板354と一体形成することができる。
【0128】
板ばね356は、衝撃吸収、耐湾曲および耐圧縮性を与えるように、軸方向の負荷において湾曲するばね状要素であってもよい。板ばね356は均一な厚さをしていてもよく、またはその厚さは変わってもよい。図9に示す実施形態では、板ばねは端部でよりも中心部で厚さがより大きく、図9aに示す実施形態では、板ばねは中心部および端部でより厚く、端部と中心部の間により薄いセグメントを有し、断面で見た場合、波形を有する板ばねを提供する。板ばねは、必要な衝撃吸収、耐湾曲および圧縮性を与えるのに適したどんな厚さをしていてもよい。
【0129】
板ばね356は例えば、セラミック、化合物、ポリマー、またはコバルトクロム合金、ステンレス鋼、およびチタン合金などの金属を含む、当業者に知られているあらゆる適当な材料で形成することができる。
【0130】
連節キャップ358は、凸状の上側連節表面368と、下側板ばね嵌合突起370とを備えることができる。連節表面368は、上端板352の内表面に形成された噛合い表面371と噛み合い、連節するように構成することができる。噛合い表面371は、連節キャップ358の凹状表面に対応する凸状表面を備えることができる。別の方法では、上端板の噛合い表面371は凸形状をしていてもよく、連節キャップ358の上表面は凹形状をしていてもよい。患者の自然の椎間板の運動を真似るように、または特定の処置の必要に応じて、適当な種類および適当な量の連節および/または平行移動を行なうように、それぞれの連節表面368および噛合い表面371の曲率を選択することができる。
【0131】
上端板352の噛合い表面371は端板と一体化させることができ、または図9aに示すように、別個の片として形成することができ、当業者に知られており、他の実施形態で前に説明したようなどんな適当な固定方法を使用して、端板に取り付けることができる。別個の片として形成する場合には、噛合い表面371は他の実施形態に関連して連節方面に適当なように説明した様々な材料などの、端板とは異なる材料を含むことができる。噛合い表面371は端板352の隆起部分372内に窪んでいてもよく、それにより凹状噛合い表面371に設けることができる曲率半径を制限し、かつ/または噛合い表面を浅くしすぎる必要なく、端板352を比較的薄くすることができる。
【0132】
上端板352の隆起部分372は、隆起面高さ「h」を有する隆起面374を備えることができる。隆起面374は、少なくとも一方向への椎間板350の連節を制限するように、板ばねのカバー板360の上側に延びる内縁部367と係合するように構成することができる。別の方法では、隆起面374および上側に延びる内縁部367は、全ての方向の椎間板の連節を制限するように構成することができる。一実施形態では、隆起面374および内縁部367は、単一平面(例えば、中間横平面)での椎間板の連節を制限するように構成することができる。隆起面374および内縁部367は、全ての平面での所望の範囲の連節を椎間板350が備えるのに適当な構成のあらゆる組み合わせを備えることができる。したがって、隆起面374の高さ「h」は椎間板に関して異なる位置で異なっていてもよく、例えば高さ「h」は椎間板350の前後側でより小さく、椎間板の横側でより大きくてもよく、それによって前後方向の連節度を制御することができる。別の方法では、隆起面374および内縁部367は、所望の方向への椎間板の連節度を制御するように、平坦面、相当湾曲した面、角度付け面、段付き面などの噛合い表面を備えることができる。
【0133】
連節キャップ358の底表面は、板ばね356の上表面に形成された溝366と噛合うような大きさおよび形状をしている突起370をさらに備えることができる。したがって、キャップ358は溝366内で少なくとも部分的に抑制することができる。一実施形態では、溝366は突起370と同じまたは僅かだけ大きい寸法をしており、それによってキャップを横方向に抑制することができる。一代替実施形態では、溝は少なくとも一方向(例えば、前後軸に沿って)に突起より大きくてもよく、それによってキャップ358は動作中にその方向に横方向に移動(すなわち、平行移動)することが可能になる。平行移動を可能にすることによって、瞬時回転軸が移動される。このように瞬時回転軸を移動させることにより、自然の椎間板の動作をより自然に複製することができる。
【0134】
代替形態では、突起370は溝366内にしっかり固定することができ、したがって平行移動は不可能である。
【0135】
溝および突起は図ではほぼ対応する矩形形状をしているが、突起370および溝366は、必要な平行移動自由度を与えるように、これに限らないが円形、卵形、楕円形などを含む、当業者に知られているあらゆる他の適当な形状をとることもできることに留意されたい。
【0136】
一代替実施形態では、図9aから9cに示すように、板ばね356は支柱380を備えることができ、キャップ358は支柱380を受ける溝382を有することができる。溝366および支柱380は、少なくとも一方向への下端板354に対してのキャップ358の平行移動を可能にするような大きさおよび形状をしていてもよい。溝366および支柱380がキャップ358の平行移動を可能にするような構成をしている場合、カバー板360はまた、平行移動しているキャップ360がカバー板の中心開口部369と干渉しないように構成しなければならない。したがってこのような場合、中心開口部は平行移動方向に細長い、または矩形をしていてもよい。
【0137】
上端板352は、連節インサート386を受けるくぼみ部384を含むことができ、インサートはキャップ358の凸状連節表面368と連節するように構成された凹状表面385を有する。前に説明したように、凹状連節インサート384を設けることによって、外科医は端板352の材料に影響を与えることなく、あるいは椎間板350の他の設計または設置に影響を与え、連節表面を備えるのに適切な材料を選択する際に、より大きな可撓性を得ることができる。したがって、インサート384はこれに限らないが、PEEKまたはUHMWPEなどの剛性ポリマーなどのポリマー、セラミック、複合材料、またはあらゆる組み合わせを含む、当業者に知られているあらゆる適当な材料で形成することができる。
【0138】
連節インサート386が設けられる場合、上端板352内のくぼみ部384はインサート386を維持するように構成された表面を備えることができる。くぼみ部は、インサートがくぼみ部内にスナップ嵌めできるように、インサート内の対応する径方向溝に嵌合するように剛性された径方向隆起部を備えることができる。別の方法では、結合剤、またはあらゆる組み合わせを使用することによって、圧入によりくぼみ部に取り付けることができる。
【0139】
一代替実施形態では、椎間板350はまた、他の実施形態に関連して前に論じたように、弾性膜、エラストマーリング、蛇腹、ばね、または流体などの剛性回復特性を含むことができる。椎間板350はまた、他の実施形態に関連して前に論じたように、追加の衝撃吸収特性を組み込むことができる。
【0140】
加えて前の実施形態で論じたように、椎間板350の連節表面は、摩耗を最小限に抑え、粒子発生を減らし、椎間板の寿命を長くするための表面研磨、ダイヤモンド被覆仕上げ、TiNi被覆仕上げなどの類似した摩耗減少仕上げを含むことができる。
【0141】
椎間板350の端板は、隣接する脊椎の端部内、およびそこからの端板の移動、除去、または排除を妨げるように、端板の少なくとも一方または両方の外表面に設けられた移動抵抗構造を有することができる。移動抵抗構造はこれに限らないが、フラップ、スパイク、歯、フィン、配置可能スパイク、配置可能歯、可撓性スパイク、可撓性歯、代替形状の歯、挿入可能または拡張可能フィン、ねじ、フック、鋸歯、リブ、および織目付き表面を含む。
【0142】
さらに、骨の内側への成長を促進して、椎間板を隣接する脊椎に永久的に固定するように、椎間板350の上下端板を骨の成長を誘導するまたはそれを案内する物質で被覆することもできる。別の方法では、上下端板は粗加工表面、多孔質面、およびレーザ処理端面層を有し、骨形成を案内する/骨形成を誘導する骨格を一体化することができ、または骨の内側への成長を促進するように、一体型の骨の形成を案内するおよび/または骨の形成を誘導する材料を備える、あるいはこれから作ることができる。
【0143】
椎間板350が移植される脊椎の位置によって、椎間板350は高さ、脊柱前湾、剛性を回復し、圧縮剛性を提供し、自然の椎間板のものを真似るように意図した、または特定の処置に必要な動作範囲を可能にすることができる。
【0144】
使用する材料、幾何形状、および部品の結果、椎間板350は、椎間板に加えられる負荷状態によって、湾曲/伸張、横屈曲、軸方向回転、および平行移動を可能にすることができる。
【0145】
図10を参照すると、例示的な設置処置が説明されている。一般に、椎間板400は上端板402、下端板404、およびコア機構406を含むことができ、コア機構はあらゆるばね、スロット付きコア、リングばね、板ばね、コイルばね、エラストマー、充填する流体、または本明細書で前に説明した連節椎間板である。椎間板400をモジュール方式で移植することができ、例えば椎間板400の端板402、404を伸延器および/または保持機器などの機器を使用して、椎間板キャビティに挿入することができる。椎間板空間をその後、端板402、404と係合する標準的な脊椎伸延器を使用して、伸延させることができる。得られる椎間板空間に挿入するコア機構406の適当な寸法を決めるのに、試験的スペーサを使用することができる。例示的な実施形態では、コア機構406は、蟻継ぎ、スロット、または同様の連結を使用することにより、端板402、404に挿入され、取り付けられている。このモジュール式挿入技術は、周辺組織および/または血管を損傷する可能性のある、椎間板空間の過伸延(over-distraction)を防ぐことができる。
【0146】
別の方法では、椎間板400を特定の挿入器具を使用して予め組み立てて挿入することができる。例えば、椎間板空間に挿入されているので、端板402、404を平行かつ間隔を置いた関係で保持し、係止することを可能にする端板保持クリップを使用することができる。いったん移植すると、クリップを端板402、404から係止を外し、取り除くことができる。クリップはその後、椎間板空間から取り除くことができる。加えて過伸延を防ぐため、椎間板400を圧縮状態で移植することもできる。圧縮状態の椎間板400の導入は、外科挿入機器、または椎間板400に配置された内部機構によって達成することができる。
【0147】
前部、横、または前外側の外科的アプローチを、椎間板400に使用することができる。さらに、移植する椎間板400によって、最小侵入外科法、または同時伸延移植外科法を使用することができる。同時伸延移植は、例えば移植中にインプラントを伸延器の下に案内するように、端板402、404の外表面に形成されたスロットを使用することによって達成することができる。また、移植する椎間板によって、人工前縦靭帯、または自然の前縦靭帯を椎間板、または隣接する椎体に直接取り付けることができる。前縦靭帯を取り付けることによって、インプラントの移動、除去、または排除を防ぐ助けとなる。椎間板の移植を助けるため、椎間板は位置合せマーカを含むことができる。
【0148】
本発明の様々な説明を上に説明したが、様々な特性を単一で、またはその組み合わせで使用することができることを理解すべきである。したがって、本発明は本明細書で示した特定の好ましい実施形態に限るものではない。
【0149】
さらに、本発明の精神および範囲内の変更形態および変形形態は、発明が属する業界の技術者には思いつくことができることを理解すべきである。例えば、本明細書で開示したインプラントの一部を、部分的または全体的に脱塩化することができる、同種インプラント、自家インプラント、および異種インプラントなどの骨で作ることもできる。加えて、いくつかのインプラントは前部、または端板上/内に骨材料または他の骨の成長を誘導する材料を含むことができる。前部のこのような物質は、インプラント壁に形成された経路または他の孔と同様に、周辺解剖学的組織と相互作用することが可能である。また、手術中および手術後位置合せマーカを、椎間板の移植を助けるのに使用することができる。さらに、椎間板は癒合が必要な状況において、剛性を有するようにすることができる。椎間板は例えば、端板間の癒合を可能にし、端板間へスペーサを挿入し、または端板間に固化液体を注入することによって、剛性を有するようにすることができる。したがって、本発明の範囲および精神内にある、本明細書に記載した開示から当業者には簡単に得られる都合の良い変更形態は、本発明の別の実施形態として含まれるものである。本発明の範囲はしたがって、頭記の特許請求の範囲に記載されているように規定されている。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】本発明による人工椎間板の第1の実施形態の斜視図である。
【図2】線A−Aに沿った、図1の人工椎間板の断面図である。
【図2a】線A−Aに沿った、図1の人工椎間板の代替断面図である。
【図2b】線A−Aに沿った、図1の人工椎間板の代替断面図である。
【図2c】線A−Aに沿った、図1の人工椎間板の代替断面図である。
【図3】図3aは、本発明による配置可能スパイクの側面図である。図3bは、本発明による別の配置可能スパイクの側面図である。図3cは、本発明による可撓性スパイクの側面図である。図3dは、本発明による代替形状の歯の側面図である。図3eは、本発明によるアンカの側面図である。
【図4】本発明による人工椎間板の第2の実施形態の断面図である。
【図4a】図4の人工椎間板の板ばねおよびローラの側面図である。
【図5】本発明による人工椎間板の第3の実施形態の断面図である。
【図6】本発明による人工椎間板の第4の実施形態の斜視図である。
【図7】本発明による人工椎間板の第5の実施形態の斜視図である。
【図8】本発明による人工椎間板の第6の実施形態の斜視図である。
【図9】本発明による人工椎間板の第7の実施形態の断面図である。
【図9a】本発明による人工椎間板の第7の実施形態の代替断面図である。
【図9b】図9aに示された第7の実施形態の展開図である。
【図9c】図9aに示された第7の実施形態の展開図である。
【図10】本発明による椎間板の第8の実施形態の略図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、脊椎の外傷および疾病の治療装置および方法に関する。より詳細には、本発明は椎間板の交換に関する。
【背景技術】
【0002】
脊椎分離病、椎間板ヘルニア、脊髄神経根の圧迫、椎間板変形疾病、および外傷などの様々な状態が、医療を必要とする厳しい不快感をもたらすものと知られている。このような状態を軽減するために現時点で使用されている処置としては、椎間板および脊椎後側方固定術または関節固定術などの、脊椎固定術が挙げられる。これらの処置では、2つの隣接する椎体が共に固定される。病気に侵された椎間板はまず摘出され、椎間板を除去することによって残された間隙を効果的に架橋するように、2つの椎体間で成長した骨に対応するインプラントが挿入される。いくつかの異なるインプラント材料およびインプラント設計が、様々な成功と共に固定術に使用されてきた。椎間板および脊椎後側方固定術が広く使用されているが、この使用に対する欠点は、隣接する椎間板の変質、および機能脊髄体の不安定化などの小さな生理的範囲の動作および他の固定術に関連した合併症を含む。その結果、合併症がより少なく、固定術と同様の効果を有する代替治療法が望ましい。脊椎固定術に対するこのような代替形態は、関節形成術、および人工装具または人工椎間板の使用である。
【0003】
一般に、関節形成術は病に侵された関節の交換に使用される。関節形成術は、関節の動作を保持するようにされた一式の処置を含み、それによって完全な状態を保ち、固定術後に隣接する部分が作用する傾向にあるので、これらの部分が劣化し続ける。病に侵された関節の位置および状態によっては、特定の関節形成術処置を利用することもできる。例えば、関節を再成形し、関節を形成する2本の骨の間に人工椎間板を加える挿入再構成手術が普通、肘、肩、足首、および指の関節で利用される。関節全交換手術、または関節全置換術では、病に侵された関節全体を人工装具と交換し、近年では、ほとんどの膝および股関節の問題に対して選択される手術となった。
【0004】
股関節および膝の置換術は特に、幅広く行われており、米国で2001年においてはほぼ300,000件の股関節置換術、およびほぼ同じ件数の膝置換術が行われている。膝および股関節置換手術に関して、いくつかのインプラントまたは人工装具が利用可能である。股関節人工装具の場合、例示の設計として、2つの構成部品があり、1つ目は大腿骨に嵌合される金属ステムに取り付けられた金属球であり、2つ目は骨盤に移植される接合用プラスチックソケットである。金属片は普通、ステンレス鋼、コバルトおよびクロム合金、チタン、およびチタン合金から形成されており、またプラスチック片は普通、高密度ポリエチレンから形成されている。膝の人工装具の場合、例示的な実施形態では、金属およびプラスチック部品が、損傷を受けた骨端部および軟骨を再度置換するために使用される。金属片は普通、ステンレス鋼、コバルトおよびクロム合金、チタン、およびチタン合金から形成されており、プラスチック片は普通、高密度ポリエチレンから形成されている。
【0005】
身体の他の関節のものと同様に、脊髄関節形成術は発展し、脊椎に人工装具が使用されている。しかし、機能的関節を交換するための関節の癒合の発展、脊髄関節形成術の出現は、身体の他の主要な関節の関節形成術より遅かった。脊髄関節形成術が遅れたとされるいくつかの可能性のある理由としては、椎間板変形に関連する脊椎の問題は診断するのが難しく、脊椎処置は、一般的には難局に陥りやすいので、癒合などの保守的な解決法が許容可能であり、脊髄解剖学は複雑であるということが挙げられる。
【0006】
過去40年にわたって、脊髄関節形成術の技術は開発段階にあり、過去10年間において、脊髄関節形成術は一流の外科医、およびインプラント製造者の注目を浴びてきた。脊髄関節形成術の発展は、基本的に1950年代に始まり、いくつかの新しい概念の1つに、椎間板人工装具の球面概念があった。その球面概念は単に、椎間板摘出処置が行なわれた後に髄核腔内に、基本的には周面に球を配置するものである。環状部は定位置に保持され、球は核置換装置として働く。様々な材料が、球面概念に対して実験された。例えば、1960年代の初めには、シリコーン玉軸受を使用したインプラントが患者の頸部に移植されたが、成果は不確実であった。1960年代の半ばには、ステンレス鋼(玉軸受)人工装具が患者に移植されていた。この処置の成果は、最初は有望であったが、やがて椎間板空間は椎体内へ鋼球が沈下することにより高さを失った。現時点では、球面人工装具の概念は、異なる材料を使用して観察され、その中で最新のものは改良したカーボンファイバである。
【0007】
別の新しい概念は、機械的概念設計である。機械的概念設計は基本的に、脊髄顆頭軸の運動範囲を回復することを意図した椎間板全置換製品である。これらの装置はしばしば、安定化機構を介して隣接する椎体に固定された金属端板と、ポリエチレンまたは他の高分子材料からできているコアとからなっている。あるいはコアの代わりに、軸受表面を使用することもでき、軸受表面材料はセラミックオンセラミック、メタルオンメタル、またはメタルオンポリエチレンである。機械的設計概念は、膝および股関節置換などの関節復元製品と同じ概念に基づいており、様々な機械的設計の人工装具概念が今まで提案されており、また提案されている。
【0008】
別の概念は生理学的概念である。生理学的概念では、患者の脊髄端板間で流体を吸収し、注入し、また椎間板の自然の衝撃吸収または緩衝機能を維持することによって、椎間板機能を復元することを意図した、ヒドロゲル、エラストマー、またはポリウレタン系のコアを使用している。生理学的概念の装置は普通、核または椎間板の一部だけを置換するように設計されているので、部分的な解決法であるとしか考えられていない。
【0009】
椎間板置換に対するアプローチの全ては、椎間板の痛みを緩和すること、動作範囲を回復させること、椎間板の自然衝撃機能を維持すること、通常の形状または椎間板高さを回復すること、および生理学的運動学を回復することのいくつかまたは全てを対象としている。一般に、エラストマー/流体充填椎間板、球・ソケットタイプの椎間板、機械的ばね椎間板、およびハイブリッド椎間板の4つの例示的なタイプの人工椎間板が、摘出した椎間板の一部または全てと交換するために開発された。
【0010】
エラストマー/流体充填椎間板は普通、下側および上側剛性端板の間に位置決めされたエラストマークッションまたは流体充填チャンバを含んでいる。これらのインプラントのクッションおよびチャンバは有利には、除去された椎間板組織と同様に機械的挙動で機能する。
【0011】
球・ソケットタイプの椎間板は普通、協働する内球とソケット部を有する2枚のプレート部材を組み込んでおり、それによって脊椎の運動中の部材の連節移動が可能になる。
【0012】
機械的ばね椎間板は普通、金属端板間に配置された1つまたは複数のコイル状ばねを組み込んでいる。コイルばねは、脊髄があらゆる方向に屈曲し、延びている間に脊椎の通常の移動を可能にしながら、隣接する脊椎の間隔を置いた配置を維持するのに十分であるように設計された累積ばね定数を規定する。
【0013】
第4のタイプの人工椎間板である、ハイブリッドディスクは上記の設計概念の2つ以上を組み込んでいる。例えば、1つの知られているハイブリッド椎間板装置は、エラストマーリングで囲まれた球・ソケット関節を含んでいる。
【0014】
前述の人工装具はそれぞれ、椎間板置換に関連するいくつかの問題に対処しており、インプラントはそれぞれ重大な欠点が存在する。したがって、設計において信頼性と単純性を与える一方で、充填されるべき椎間板の空間の解剖学的構造およびその幾何学的形状と、さらに隣接する椎体の端部の解剖学的構造および幾何学的形状に対応する椎間板インプラントが必要とされている。より詳細には、脊椎に加えられる高い負荷を支持するための安定性を備え、患者にほぼ通常の範囲の動作を可能にするのに十分な運動性が許容となり、隣接する脊椎間の軸方向圧縮性を備え、衝撃吸収能力を有する椎間板インプラントが必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、好ましくは、椎間板高さおよび脊柱前湾を回復させ、自然な範囲の動作を可能にし、衝撃を吸収し、耐動作性および耐軸圧縮性を備えるように設計されている椎間板に関する。さらに、椎間板は脊椎の頸部、胸部、および腰部に使用することもできる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
椎間板は、隣接する脊椎の端部の少なくとも一部と大きさおよび形状が一致することが好ましい足跡を有する本体を含む。椎間板の形状としては、これに限らないが、円形、長円形、楕円形、インゲン豆形、環状形、C字形、D字形などが挙げられる。
【0017】
一実施形態では、椎間板は上部端板、下部端板、および上部端板と下部端板の間に配置された中間弾性膜を備える。別の方法では、弾性膜は端板を囲繞することができる。弾性膜は上部および下部端板と合わせて、内部容量を画定する。椎間板の内部容量は少なくとも1つのばね要素を含み、ばね要素は上部および下部端板に取り付けられている。ばね要素は、下部端板の内表面に形成されたポケットまたは溝内で下部端板に取り付けられており、ばね要素の上端部は半球形部材に取り付けられていることが好ましい。半球形部材は、上部端板の内表面に形成されたソケットと噛み合い、この中で結節するように設計されている。
【0018】
別の方法では、椎間板は下部端板に上部端板から延びる各ばね要素を備えた複数のばね要素を備えることができ、各ばね要素は上部および下部端板の内表面に形成された対応するソケットと噛み合うように、両端部に半球形部材を有することができる。椎間板はまた、普通は第1のばね要素の周りに不均一に間隔を置いて配置された複数の第2のばね要素によって囲まれた第1のばね要素を含むように構成することもできる。第1のばね要素は、周面ばね要素の剛性よりも大きい剛性および/またはばね定数を有することが好ましい。
【0019】
さらに、椎間板は複数のばね要素を含むことができ、ばね要素の一部のみを半球形部材に取り付けることができ、残りのばね要素は上部および下部端板に、好ましくはソケット内に取り付けられている。一例示的実施形態では、第1のばね要素は半球形部材に取り付けられ、囲んでいる周面第2のばね要素は上部および下部端板に直接取り付けられる。
【0020】
椎間板は、1つまたは全てのばね要素の定位置にエラストマー支柱またはリングを含むこともできる。さらに、椎間板はケーシング部材を組み込むことができる。
【0021】
椎間板は、内部容量内に配置された流体と、流体の挿入および除去を可能にする弁を含むこともできる。
【0022】
上部および下部端板は、チタン、ステンレス鋼、チタン合金、コバルトクロム合金、またはアモルファス合金などの金属で形成されていることが好ましい。しかし別の方法では、上部および下部端板は、セラミック、複合材料、ポリエーテルエーテルケトン(すなわち、PEEK)または超高分子量ポリエチレン(すなわち、UHMWPE)などのポリマー、皮質、海綿質、同種移植片、自家移植片、異種移植片、脱塩化または一部脱塩化された骨を含む骨、または荷重支承支持体として働くことができるあらゆる他の材料で形成することもできる。端板のために選択された材料は所望の流体と合わせて、摩耗量を少なくするように選択されることが好ましく、したがって関節の寿命が長くなる。
【0023】
上部および下部端板の外表面は実質的に、平坦、楔形などであってもよい。上部および下部端板の外表面はまた、隣接する脊椎の端部のものと全体的に一致するように、矢状でかつ冠状の平面で画定された半径を有するドーム形状をしていてもよい。ドーム形状により、上部および下部端板を原位置でより良く嵌合させるように隣接する脊椎の端部とより良く一致させることができる。
【0024】
椎間板は、隣接する脊椎の端部内およびそこから端板の移動、除去、または排除を妨げるように、少なくとも端板の1枚または両方の外表面に設けられた移動抵抗構造(migration-resistant structures)を含んでいることが好ましい。移動抵抗構造は、これに限らないが、フラップ、スパイク、歯、フィン、配置可能スパイク、配置可能歯、可撓性スパイク、可撓性歯、代替形状の歯、挿入可能または拡張可能フィン、ねじ、フック、セレーション、リブ、および織目付き表面を含む。
【0025】
さらに、上部および下部端板はまた、骨の内側への成長を促進して椎間板を隣接する脊椎に永久的に固定するように、骨の成長を誘導する(inducing)またはそれを案内する(conducting)物質で被覆されていることが好ましい。別の方法では、上部および下部の端板は、粗加工された表面、多孔質表面、およびレーザ処理端板層を有することができ、骨形成を案内する(osteoconductive)/骨形成を誘導する(osteoinductive)骨格(scaffold)を一体化させ、または骨の内側への成長を促進するために一体型の骨形成を案内する/骨形成を誘導する材料を備えている、あるいはこれから作られていてもよい。さらに、端板は、骨の内側への成長の量および/または深さを制限するように、膜および/または障壁を含むことができる。
【0026】
上部および下部端板はまた、移植機器の取付け、案内、および保持するための構造を有することもできる。例えば端板は、インプラントを移植するおよび/または隣接する脊椎を伸延させる(distracting)ための孔、スロット、ねじ、または蟻継ぎを有することができる。例えば椎間板は、上部および/または下部端板に形成されたスロットを含むことができ、スロットはインプラント挿入機器、伸延器(distractor)、または両方を受けるように構成されている。
【0027】
上部および下部端板はまた、連節表面(articulating surfaces)を含み、それによって椎間板がより大きな移動度を有することができることが好ましい。連節表面は、摩耗を最小限に抑え、粒子発生を少なくし、椎間板の寿命を長くするための表面研磨、又は、ダイヤモンド被覆仕上げ(diamond finish)、TiNi被覆仕上げ(TiNi finish)などの類似した摩耗減少仕上げを含むことが好ましい。
【0028】
いくつかの実施形態では、椎間板の内部は上部および/または下部端板に一端部が取り付けられ、他端部は取り付けられていない板ばねを含むことができる。端部間に配置され、板ばねは端板の1枚の内表面と噛み合い、連節し、摺動する広がった凸形中間部を含むことが好ましい。板ばねの取り付けられていない端部は、回転軸によりローラに取り付けられ、回転軸によりローラは自由に回転することができ、それによって板ばねはばねの伸縮中に自由に移動することができることが好ましい。
【0029】
いくつかの実施形態では、椎間板の内部容量は、上部または下部端板に取り付けられた連節部材を含む。連節部材は、中間衝撃吸収層によって端板の1枚に取り付けられていることが好ましい。衝撃吸収層は、エラストマー、ポリマー繊維、ポリウレタン、シリコーン、または衝撃吸収性を有する他の適切な弾性材料であることが好ましい。
【0030】
他の実施形態では一般に、椎間板は好ましくは噛合表面を含むポケット内に、上部端板、下部端板、および上部端板と下部端板の間に配置された可撓性コアを備える。可撓性コアは、スロット付きコア、リングばね、羽根付き板ばね、または板ばねのいずれかであることが好ましい。可撓性部材は、椎間板に与えられる負荷状態によって、屈曲/伸張、横湾曲、軸回転、および/または平行移動を提供するような大きさおよび構成をしていてもよい。
【0031】
椎間板は、可能ならモジュラー方式で移植することができる、または予め組み立てて移植することができる。前部、前横部、および横部の手術アプローチを椎間板に使用することができる。さらに、移植される椎間板によって、最小侵入性手術法および/または同時伸延移植手術法を使用することもできる。また、移植する椎間板によって、前縦靭帯を椎間板または隣接する椎体に直接取り付けることもできる。前縦靭帯は、部分的に脱塩化したまたは脱塩化した自家移植片、同種移植片、または異種移植片から形成することができる。別の方法では、前縦靭帯はエラストマー、または網状ポリマーなどの生物適合材料から形成することができる。椎間板の移植を助けるため、椎間板は位置合せマーカを含むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明の理解を簡単にするため、および本発明を図示する目的で、例示的かつ好ましい特徴および実施形態が添付の図面内で開示されている。しかし、本発明は示した正確な配置および機器に限らず、同様の参照記号はいくつかの図全体を通して同様の要素を示すことを理解されたい。
【0033】
本明細書で開示された椎間板の図示した例によって示された教示により、あらゆる幅広い異なるインプラント構造を準備することができる。本発明の椎間板は、自然の脊椎湾曲(または矢状平衡(sagittal balance))、椎間板高さを回復し、自然な範囲の動作を可能にし、衝撃を吸収し、耐動作性および耐軸圧縮性を備えるように設計されていることが好ましい。
【0034】
椎間板は、脊椎の頸部、胸部、および腰部で使用するような大きさをしており、そこで使用するように適合されるようになっている。また、椎間板を各個別の患者用に調整することができ、個別の患者に適当な椎間板の特性を得ることができる。例えば、人工椎間板は1対の端板とコアを有することができ、該椎間板のコアは各個別の患者に対して所望の動的特性を生み出すようなに、異なるアセンブリ、異なる構成部品、および/または様々な種類の材料を含むことができる。
【0035】
さらに、椎間板は湾曲、伸張、横方向の屈曲、回転、および平行移動を可能にできる。湾曲とは、関節または身体の2つの部分を屈曲するような位置にする動作であり、脊椎内では、脊椎がまっすぐになった状態から、前方に屈曲する動作までの動きである。伸張とは、2つの部分を互いに離れるように引っ張る運動であり、脊椎内では、脊椎がまっすぐになった状態から、後方に屈曲する動作するまでの動きである。横方向の屈曲とは、横側部に向かう屈曲動作であり、脊椎内ではこの動作は一般に屈曲(横)および連動した回転も含む。回転は脊椎の軸に対して脊柱の一部が捩れ、回転し、または旋回する動作である。平行移動とは、脊柱の軸に対してほぼ横方向に進む限定された動きである。
【0036】
加えて、自然の椎間板と同様に、人工椎間板により瞬時回転軸(instantaneous axis of rotation)の移動が可能になることが好ましい。平面動作中の身体に対する瞬間毎に、身体内に線、または、移動しないこの線の仮想延長線がある。瞬時回転軸はこの線である。瞬時回転軸が移動することは、異なる負荷状態の結果、(すなわち、平行移動のように)移動する回転軸の能力に言及している。すなわち、瞬時回転軸の位置は椎間板に対して移動する。脊椎の腰部用の移動する瞬時回転軸の好ましい平均的な位置は、好ましくは下部/後端端板に近接して、椎間板空間の後半分内または近接する(上部または下部)端板に隣接し、脊椎の胸動脈部用の移動する瞬時回転軸の好ましい平均的な位置は、椎間板空間の下部でかつ脊柱管内で後部に延びる終端椎体に近接していることが好ましく、脊椎の頸部用の移動する瞬時回転軸の好ましい中間位置は終端椎体の後半分にあることが好ましい。
【0037】
また自然の椎間板と同様に、人工椎間板の応答特性は非線形であることが好ましい。例えば、連続した軸方向圧縮に応答して、人工椎間板は初期の大きな圧縮量を、圧縮量を非線形に減少させることにより、追従させて受けることが好ましい。
【0038】
添付の図面を参照して、人工椎間板の好ましい実施形態および特徴を詳細に説明する。しかし、特定の実施形態および特徴のこれらの説明は単に例示するためのものである。様々な実施形態の1つまたは複数の特徴または要素を組み合わせる、または単一で使用することができ、様々な実施形態の変更形態と、他の実施形態も考えられ、当業者には自明のことであることが考えられる。
【0039】
まず図1を参照すると、人工椎間板10の例示的な第1の実施形態の斜視図が示されている。椎間板10は、前部側11、後部側13、および第1および第2の横側15、17をそれぞれ含む、ほぼエンドウ豆形の足跡を有することが好ましい。前部側11および横側15、17は全て、ほぼ凸形状をしており、後部側13はほぼ凹形状をしている。しかし、椎間板10はこれに限らないが、円形、長円形、楕円形、環状形、D字形、C字形などを含む隣接する椎体と幾何的および解剖学的にほぼ一致する他の形状をとってもよい。
【0040】
図示するように、椎間板10は上部端板20、下部端板22、および中間弾性膜24を含み、弾性膜24は好ましくは椎間板10の外周面に近接して、上部端板20から下部端板24まで全体的に延在している。別の方法では、弾性膜24は上部および下部の端板20、22を囲繞することができる。弾性膜24は上部端版20および下部端板22と合わせて、内部容量26を画定する。
【0041】
弾性膜24は、ポリウレタン、シリコーン、網目状ポリマー、または他の適当な弾性材料などのエラストマーからできている。弾性膜24は、流体を椎間板の内部に、またはそこから流すことができるように、透過性または半透性であってもよい(以下により詳細に説明する)。別の方法では、膜は非浸透性であってもよい。弾性膜24は上部端板12と下部端板14の間の平行移動の動作に耐えることができ、端板12と14の間に軟組織が内部成長することを防ぐと共に、内部容量内に発生したあらゆる摩耗粒子を含むことができる。これに限らないが、結合剤、超音波溶接、ねじ、くぎ、機械的楔留め、およびピンを含む、当業者に知られている固定方法で、弾性膜24を上部および下部端板12、14に取り付けることができる。
【0042】
別の方法では、弾性膜24は「アコーディオン」または他の可撓性形状を想定した蛇腹の形をしており、様々な荷重状態で伸縮することが可能である。蛇腹は、これに限らないが、各端板12、14内に形成された円形溝、結合剤、超音波溶接、ねじ、くぎ、機械的楔留め、およびピンを含む、当業者に知られている方法によって上部および下部端板12、14にしっかり取り付けることができる。蛇腹は金属で作られていることが好ましいが、エラストマーまたはポリマーなどの他の材料を使用することもできる。代替実施形態では、膜16を当業者に知られているあらゆる適当な非弾性材料で作ることもできる。
【0043】
図2を参照すると、椎間板10の内部26が示されている。好ましくは、椎間板10の内部26は少なくとも1つのばね要素30を含み、該ばね要素30は長手軸を有してもよい。ばねは、長手軸が上部および下部端板20、22それぞれによって形成された平面にほぼ垂直である方向に向くような方向にあってもよい。別の方法では、ばねは軸が上部および下部の端板の少なくとも一方で鋭角を形成するような方向にあってもよい。ばね要素は、下部端板22の内表面40に形成されたポケットまたは溝32内で下部端板22と接触する第1の端部を有することができる。このようなポケットまたは溝により、端板に対するばねの横方向に変位することを防ぐことができる。ばね要素30の上端部は、ばね嵌合表面33および反対側のほぼ球状表面35を有する連節部材34と係合することができる。これに限らないが、結合剤、超音波溶接、ねじ、くぎ、圧入、およびピンを含む、当業者に知られているあらゆる適当な固定法を使用して、ばね要素30をポケット32および/または連節部材34に固定することができる。別の方法では、ばね要素30および連節部材34を一体形成することができる。
【0044】
連節部材34の球状表面35は、上部端板20の内表面38に形成され、対応する形状となったソケット36内において、連節するように構成することができる。連節部材34とソケット36の間の接合面は、球・ソケットタイプの連結に近く、球状連節部材34はソケット36内で連節することができる。所望の連節のタイプおよび所望の連接する量により、連節部材34およびソケット36に設けられた球状表面35の曲率および円弧が決まる。例えば、球状表面35がソケット36と同じ半径を有する場合、椎間板10はより大きな支持を提供する、より規制された運動を提供する可能性がある。別の方法では、ソケット36が球状表面35より大きな半径を有する場合、椎間板10はさらに、連節および/または平行移動を行なうことが可能性となる。
【0045】
代替的な実施形態では、ソケット36は連節部材34をソケット内で平行移動させることが可能な平坦部を組み込むことができ、それによって下部端板22に対して上部端板20が平行移動する。このように平行移動させることによって、椎間板10は瞬時回転軸を移動させる。所望の連節動作を得るため、連節部材34およびソケット36が球状以外の輪郭を有することも可能である。このような他の輪郭は、楕円形すなわち卵形、および多重球形状を含むこともでき、連節部材およびソケットはそれぞれ少なくとも2つの別個または共結合球状セグメントを備えることができる。さらに、連節部材34およびソケット36は図では、それぞれの表面の噛み合いを全体的に可能にする輪郭を有し、対応する表面は上部端板20と下部端板22の間の所望の連節しながらの動作性を得るのに適切なあらゆる形状をとってもよい。
【0046】
椎間板10は下部端板22と結合する連節部材34、および上部端板20と結合するソケット36を有するように説明されているが、ソケット36および連節要素35が代わりにそれぞれ、下部端板および上部端板に結合するように、要素は逆であってもよい。さらに、ソケット部材は、一中空球状内表面を備える1ピースからなる端板のように、それぞれの端板に一体として設けることができる。また、ソケット部材および連節要素は、チタン、ステンレス鋼、超高分子量ポリエチレンなどのポリマーなどの、当業者に知られているあらゆる適当な材料からなってもよい。さらに、摩耗を最小限に抑え、粒子発生を少なくし、椎間板の寿命を長くするため、連節表面は、表面研磨、又は、ダイヤモンド被覆仕上げ、TiNi被覆仕上げなどの類似した摩耗減少仕上げを含むことができる。
【0047】
ばね要素30は、これに限らないが、渦巻ばね、コイルばね、板ばねなどを含む、当業者に知られているあらゆる適当な弾性部材を囲むことができる。さらに、ばね要素30を例えば、ポリマー、複合材料、またはコバルトクロム合金、チタン合金、ステンレス鋼、形状記憶合金、およびアモルファス合金などの金属を含む、当業者に知られているあらゆる適当な材料で形成することができる。同様に、ばね要素30は直列、並列、または直列および並列要素の組み合わせのいずれかで設けられた2つ以上の別個のばね要素を備えることができる。
【0048】
特定のばね要素は、特定の患者の必要に合わせて選択されることもあるが、選択した1つまたは複数のばねは患者の通常の椎間板の性状を真似るべきであり、または特定の処置に必要なように適するべきである。したがって、軸方向圧縮および横方向の屈曲の際に適切な剛性を有するばねを、以下の範囲を与えるように選択するべきである。湾曲/伸張は、約0ニュートンメートル/度(Nm/deg)から約8Nm/degであり、横方向屈曲は約Nm/degから約5Nm/degであり、圧縮は約100〜約5000N/mmの範囲である。さらに、選択したばねの外径は約5ミリメートル(mm)から約30mmの範囲であり、ばねの高さは約7.5mmから約12mmの範囲である。前述の範囲は代表的な寸法としてのみ提供したものであり、特定の患者に適切な使用するばねはあらゆる寸法、形状、強度および可撓性を有していてもよいことに留意されたい。
【0049】
連節表面と組み合わせたばね要素の使用により、上部端板20と下部端板22の間の連節、平行移動、および圧縮/衝撃吸収の組み合わせが、提供され、それによって瞬時回転軸を移動させることが可能になる。連節は、連節部材35およびソケット36の相互作用により、および/または少なくとも1つのばね要素30の屈曲によって行なうことができる。圧縮および衝撃吸収はばね要素30によって行なうことができ、平行移動は、連節部材36はソケット内で平行移動することができるように、ばね要素の屈曲によって、または平坦部を有するソケットの選択により行なうことができる。
【0050】
図2aを参照すると、複数のばね要素30を備える椎間板10が図示されており、各ばね要素30は、各ばね要素の長手軸が端板20、22それぞれによって形成された平面にほぼ垂直を向くように、上部端板20から下部端板22まで延在してもよい。別の方法では、1つまたは複数のばね30は、長手軸が端板の1つまたは両方の平面に対して鋭角を形成するような方向を向いていてもよい。
【0051】
複数のばね要素30は、均一な衝撃吸収、荷重支承、および耐引張り性/耐圧縮性を提供するのに適当な構成で配置することができ、またはばね要素30は他側部と比べて、椎間板の一方側(すなわち、前部、後部)での耐衝撃および/または耐圧縮性を増やすことができるように戦略的に配置することができる。しかし、椎間板10は少なくとも1つの中心ばね要素30と、中心ばね要素30から間隔を置いて配置された少なくとも1つの周辺ばね要素30とを含むことが好ましい。図示した実施形態では、単一の中心ばね要素は複数の周辺ばね要素で囲まれている。中心および周辺ばね要素30は実質的に同じ剛性を有することができる、または剛性は異なっていてもよい。好ましくは、中心ばね要素30は周辺ばね要素30の剛性より大きな剛性を有するようにしてもよい。このような配置により、椎間板は軸方向圧縮の発生の初期段階中における、主な衝撃吸収および抵抗を提供する中心ばねを有し、軸方向圧縮の後の段階中における、二次的な衝撃吸収および抵抗を提供する周辺ばね要素30を有する結果となる。これにより、患者の自然の椎間板の応答をよく真似ることができる圧縮荷重に対する望ましい非線形の応答が提供される。
【0052】
図2aに示すように、各ばね要素30はそれぞれ上部および下部の端板20、22と結合する第1および第2の端部を有する。各ばねの第1および第2の端部は、前に説明したように、上部および下部の端板20、22の内表面に形成された対応する球状ソケット36と噛み合うように構成された結合する球状連節部材34を有することができる。ばねおよび連節部材を組み合わせることにより、上部および下部端板20、22を相対的に移動させることが可能になる。例えば、連節部材34は結合するソケット36内で連節することができ、それによってばねの端部が端板にしっかり連結されている場合、存在するばね要素30内にねじれ抵抗を作り出すことなく上部および下部端板20、22は相対的に連節することができる。別の方法では、各ばね要素30は一端に球状部材34を取り付けられるのみであり、他端部は、前に説明したように上部または下部の端板20、22に取り付けられている。
【0053】
図2bを参照すると、椎間板10は複数のばね要素30を含むことができ、ここでは第1のばね要素30の一端部だけが球状連節部材34を備え、第1のばね要素30の反対側端部と、第2のばね要素30の両端部は上部および下部端板20、22の対応するポケット、またはくぼみ部内に配置されている(これらのくぼみ部および結合するばね要素の配置および連結は、図2の実施形態に関連して前に説明したとものと同じである)。図2bに示すように、第1のばね要素30は半球部材34に取り付けられて、上部または下部の端板20、22内に配置された対応するソケット36と噛み合う。第1のばね要素30を囲む複数の第2のばね要素30は、前に説明したように上部および下部端板20、22に直接取り付けられている。一実施形態では、第1のばねを1つの半球部材34に取り付けることができ、複数の第2のばね要素30を2つの半球部材34に取り付けることができる。前の実施形態と同様に、ばねの数、剛性、および配置と、連節要素およびソケット36の選択および配置を、通常の椎間板の性状をできるだけ近く真似る、または特定の処置に適当な性状を与える椎間板を提供するのに適切なあらゆる組み合わせで行なうことができる。
【0054】
図2cを参照すると、椎間板10は中心ばね要素30に周面的に配置されたエラストマー支柱54を含むことができる。支柱54は長手軸および第1および第2端部を有することができ、各端部は上部または下部の端板20、22に結合させることができる。エラストマー支柱54は、変位に抵抗するように、上部および下部端板20、22の結合する内表面38、40内に形成された溝32内に設置されてもよい。エラストマー支柱54は基本的に、前に説明した周面ばね要素30と同じ機能を果たす、すなわち椎間板10に耐圧縮力および耐衝撃吸収を提供し、動きに抵抗するように働くことができる。エラストマー支柱54は、これに限らないがポリウレタンまたはシリコーンを含む、当業者に知られているあらゆる適切な材料から形成することができる。個別の支柱54は何個でも設けることができ、個別の支柱は端板に適当な剛性または抵抗支持体を提供するために、様々な形状を想定することができる。したがって、支柱54は円筒形、四角形、矩形などでもよく、円形、三角形、楕円形などのあらゆる適当な断面をしていてもよい。支柱はまた連続または非連続断面を備えることができ、交互となるエラストマー(alternating elastomeric)および金属またはポリマーの層を有するものなど、異なる材料の層で作られていてもよい。支柱54はまた中空であってもよく、またはリング形状をしていてもよい。リング形の支柱54は第1のばね要素30の少なくとも一部を囲むように構成することもできる。前の実施形態と同様に、支柱54の端部を圧入、結合剤などを含む当業者のあらゆる適切方法を使用して端板に連結させることができる。1本または複数本の支柱を、1つまたは複数の結合する溝内に移動するように設けることもできる。支柱54の配置、数、および構造は重要ではないが、代わりに患者の通常の椎間板の性状を真似る、または特定の処置に適当な性状を提供する椎間板10を提供するのに望ましいあらゆる組み合わせであってもよい。
【0055】
端板20、22の内表面38、40は、エラストマーを端板に溶接することなどによる製造中に、エラストマー支柱50を上部および下部の端板20、22の対応する表面と一体化させることができるように多孔質であってもよい。膜および/または障壁は、埋め込みの深さおよび骨の内側への成長をそれぞれ制限するように端板20、22内に含むこともできる。
【0056】
本実施形態の椎間板10は、膜24および弁(図示せず)を含むこともでき、弁は流体を椎間板10の内部26内に注入する、またはそこから除去できるように、椎間板10の内部26へのアクセスを提供する。バルブは、当業者に知られているような一方向弁であることが好ましく、それによっていったん注入された流体は椎間板10の内部26から逃げることはできない。弁は弾性膜24を介して配置されることが好ましいが、別の方法では、弁は上部および/または下部の端板20、22を介して配置することが好ましい。弁が上部および/または下部の端板20、22に配置されている場合には、通路は椎間板10の内部26と弁を相互連結させるように含まれていることが好ましい。
【0057】
流体は、椎間板10の軸方向圧縮中に衝撃吸収を行なうのに十分な気体、液体、ゲルまたはそのどんな組み合わせであってもよく、上部端板20および下部端板22の互いに対する限られた連節または移動を可能にする。流体は圧縮不可能であり、例えば生理食塩水または鉱水であることが好ましい。使用の際、流体を隣接する脊椎間に椎間板10を挿入する前に、流体を椎間板10の内部26に注入することができる。別の方法では、隣接する脊椎間への椎間板10の挿入およびのその後の伸延を簡単にするように、流体を原位置で注入してもよい。椎間板10の剛性および伸延機能は、椎間板10の内部26内に注入される流体の量の関数であってもよい。一般に、より多くの流体を椎間板10の内部26内に提供されると、椎間板10の剛性がより大きくなり、伸延機能がより大きくなる。さらに、椎間板10の内部26の一部だけを充填することによって、柔軟かつ大きな連節を実現することができる。最後に、流体を用いて椎間板10の内部26を可変的に充填することにより、椎間板10の全高Hを個別の患者の要求によって、必要に応じて変更することができる。
【0058】
椎間板10が移植される脊椎の位置に依存して、椎間板10は約4ミリから約26ミリの範囲の高さを回復することが好ましい。加えて、椎間板10は約0°から約20°の間の範囲の脊柱前湾を回復させることが好ましい。椎間板10はまた、軸方向の回転において約1Nm/degから約11Nm/deg、湾曲/伸張において約0Nm/degから約7Nm/deg、横方向の屈曲において約0Nm/degから約5Nm/degの剛性を回復させることが好ましい。加えて、椎間板10は約100N/mmから約5000N/mmの圧縮剛性、および約50N/mmから約1000N/mmの引張り剛性を提供することが好ましい。さらに椎間板10が移植される脊椎の場所によって、椎間板10は湾曲/伸張において約5°から約45°、横屈曲において約3°から約33°、軸方向回転において約1°から約60°の動作範囲を許容することが好ましい。椎間板10はまた、約0.2mmから約2mmの範囲の軸方向圧縮を可能にすることが好ましい。
【0059】
上部および下部端板20、22は、チタン、スチール鋼、チタン合金、コバルトクロム合金、形状記憶合金、またはアモルファス合金などの金属で形成されていることが好ましい。しかし別の方法では、上部および下部端板20、22は剛性ポリマー、PEEKまたはUHMWPE、セラミック、複合材料、皮質、海綿質、同種移植片、自家移植片、異種移植片、脱塩化(demineralized)または一部脱塩化された骨を含む骨、または荷重支承支持体として働くことができるあらゆる他の材料で形成することもできる。より詳細には、端板用に選択された材料は摩耗を最小限に抑えるために選択される。
【0060】
さらに、本発明の椎間板内のあらゆる連節表面は、摩耗を最小限に抑え、粒子の発生を減らし、椎間板の寿命を長くするための摩耗仕上げ、又は、ダイヤモンド被覆仕上げ、TiNi被覆仕上げなどの類似した摩耗減少仕上げを含むことができることが好ましい。
【0061】
上部および下部の端板20、22の外表面は、実質的に平面的な楔形状などであってもよい。上部および下部の端板20、22の外表面はまた、隣接する脊椎の端部の形状とほぼ一致するように、矢状でかつ冠状の平面で画定された半径を備えるドーム形状をしていてもよく、それによって原位置でのより優れた嵌合を行なうことができる。
【0062】
加えて図1に示すように、椎間板10は例えば、上部および下部の端板20、22の外表面上のスパイク状構造18などの移動抵抗機構を含むことができる。移動抵抗機構により、隣接する脊椎の端部の貫通するおよび/または変形する結果として、機械的連動を提供することによって、隣接する脊椎の端部との椎間板10の係合を容易にすることができる。スパイク18によって生じる初期の機械的な安定性により、椎間板10の動作後不安定性、移動、除去または排除のリスクが最小限に抑えられる。他の移動抵抗機構としては、これに限らないが、フラップ、歯、配置可能歯、配置可能スパイク、可撓性スパイク、可撓性歯、フィン、挿入可能または拡大可能フィン、アンカ、ねじ、ねじ山、鋸歯、または上部および下部の端板20、22上の他の同様の構成を挙げることができる。図3aに示すように、配置可能スパイク41を設けることができ、カム機構43はスパイクを配置するのに使用することができる。別の方法では、図3bに示すように、配置可能スパイクは機器(図示せず)によって配置されるように構成することができる。図3cから3eにそれぞれ示すように、可撓性スパイク44、成形歯45、およびアンカ46が示されている。別の方法では、または加えて、椎間板10を隣接する脊椎に固定するのに結合剤を使用することもできる。
【0063】
さらに、上部および下部端板20、22は、椎間板10を隣接する脊椎に永久的に固定するように、骨の内側への成長を促進すべく、ヒドロキシアパタイトなどの骨成長促進物質で被覆することもできる。別の方法では、上部および下部端板20、22は骨の内側への成長を簡単にするように粗加工または多孔質表面を有することもできる。別の方法では、上部および下部の端板20、22は多孔質構造を作り出すようにレーザ処理された端板層を有することができ、または骨形成を案内する(osteoconductive)/骨形成を誘導する(osteoinductive)骨格(scaffold)を一体化させることができる。端板20、22はまた、骨の内側への成長を促進するように、骨形成を案内するおよび/または骨形成を誘導する材料から作ることもできる。端板20、22は、骨の内側への成長が許容されるべき深さを制限するように、膜および/または障壁をさらに含むことができる。
【0064】
上部および下部の端板20、22は、移植器具の取付け、案内、および維持のための構造を有することもできる。例えば端板20、22は、脊椎を移植するおよび/または伸延させるのに使用される工具を受け入れるための、孔、スロット、ねじ山、または蟻継ぎを有することができる。例えば椎間板は、上部および/または下部の端板20、22内に形成されたスロットを含むことができ、スロットはインプラント挿入器具、伸延器、または両方を受けるように構成されている。
【0065】
使用される材料および構造部品の結果、椎間板10は椎間板に加えられる負荷によって、湾曲/伸張、横方向の屈曲、軸方向の回転、および平行移動を可能することができる。加えて、脊髄移動による様々な脊髄負荷において、ばね要素30は様々な量に圧縮し、傾斜させ、連節させ、かつ/または屈曲させることができる。
【0066】
図4および4aに関連して、椎間板100の第2の例示的な実施形態が示されている。前述した実施形態と同様に、椎間板100の外部構造は、これに限らないが、円形、長円形、楕円形、環状形、エンドウ豆形、D字形、C字形などを含む、隣接する椎体と幾何学的および解剖学的にほぼ一致するあらゆる形状をとることができる。図示するように、椎間板100は上部端板102、下部端板104、および中間弾性膜106を含み、弾性膜106は上部および下部の端板102、104を組み合わせて、内部容量108を画定する。端板102、104および弾性膜106は、他の実施形態に関連して前に説明したこれらの端板および弾性膜と同様である。椎間板100は弁(図示せず)を含むこともでき、弁は他の実施形態に関連して前に説明したように流体の挿入または除去を可能にするように、椎間板100の内部108へのアクセスを提供する。椎間板100は、図3a〜3eおよび前の実施形態に関連して前に説明したように、移動抵抗機構、永久固定手段および/または移植機器の取付け、案内、および維持のための構造を含むこともできる。
【0067】
椎間板100は、第1の端部112および第2の端部114を有する板ばね110をさらに含むことができる。第1の端部112は、上部端板102に取り付けることができ、板ばね110の第2の端部114は、上部端板102の内表面上で転動することが可能なローラ130を備えることができる。板ばねは、第1の端部112と第2の端部114の間に配置された中心部116を有することができ、この中心部116は凹凸形状を備えることができる。凸状表面はほぼ下部端板24に対向しており、さらに、凹状表面はほぼ上部端板24に対向している。下部端板104は、ソケット内の球のように、内表面と噛み合い、連節し、摺動し、旋回するように構成された、中間部116を受け入れるように構成された表面を備える。板ばね110は上部端板に取り付けられているように本明細書では説明されているが、別の方法では下部端板104に取り付けることができ、それによって凹凸中間部116は上部端板102の内表面と相互作用する。板ばね110の連節表面は図では板ばねの中心近くに配置されているが、連節表面は所望の連節を行なうのに適当なように、板ばねの長さおよび/または幅に沿ってあらゆる点に配置することができることに留意されたい。
【0068】
板ばね110の取り付けられていない第2の端部114は、回転軸132上にローラ130を備えることができ、ローラ130は回転軸132の周りで自由に回転可能である。板ばね110の第2の端部114は、軸方向の負荷または圧縮の間、および軸方向の非負荷または引張の間、上部端板102の内表面に沿って滑動または転動することができる。したがって、本実施形態の板ばねは、屈曲するときに平行移動することが可能であり、両端部で拘束された板ばねに比べてより大きな範囲の可撓性を提供することができる。代替的な実施形態では、板ばね110は上部端板102の内表面に直接沿って滑動するように、ローラ130の代わりに丸みを帯びた端部を有することができる。
【0069】
下部端板104は、パッド120を受けるポケット106を備えることができる。パッド120は、下部端板104と係合する下表面と、板ばね110の広がった中間凸状部116と噛み合うような形状および大きさを有した凹状部122を備える上表面とを有することができる。ばねおよびパッドによって提供された連節のタイプおよびその量は、中間部116および凹状部122に提供された曲率を制御することによって調節することができる。中間部116が凹状部122と同じ半径を有している場合には、椎間板100はより大きな支持を提供するが、移動はより制約される。別の方法では、凹状部122が中間部116より大きな曲率半径を有している場合には、椎間板は大きな連節を提供することができる。
【0070】
中間部材116および凹状部122は、所望の連節を達成するように他の輪郭をとることもできる。パッド120の凹状部122は、凹状中間部116と噛み合うように凸状をしていてもよい。さらに、凹状部112および中間部材116は、表面の噛み合いを全体的に可能にする輪郭で示されているが、所望の連節を達成するように非噛合輪郭が設けられてもよい。
【0071】
さらに、板ばね110の圧縮および滑動は、1つまたは複数の負荷領域に依存して変化させてもよい。例えば、椎間板100の一端部に負荷を与えることにより、椎間板100の対向端部と比べて、椎間板100をより大きく圧縮することになる。加えて、パッド120およびポケット106は、パッドがポケット106内で平行移動することが可能なように構成してもよい。様々な動作、すなわち板ばね110の圧縮およびポケット106に対する板ばね110の平行移動により、瞬時回転軸の移動を可能にすることができる。
【0072】
板ばね110は、例えばポリマー、セラミック、複合材料、およびコバルトクロム合金、チタン合金、ステンレス鋼、形状記憶合金、およびアモルファス合金などの金属を含む、当業者に知られているあらゆる適当な材料から形成することができる。パッド120は同様に、同様の材料から形成することができる。
【0073】
椎間板100が移植される脊椎の位置に依存して、椎間板100は、高さ、自然の脊椎湾曲(または矢状平衡)、剛性を回復し、圧縮剛性を提供し、また前の実施形態に関連して説明したのと同様の動作範囲を可能にすることが好ましい。
【0074】
図5を参照すると、椎間板150の第3の例示的な実施形態が示されている。前述した実施形態と同様に、椎間板150はこれに限らないが、円形、卵形、楕円形、環状形、エンドウ豆形、D字形、C字形などを含む、隣接する椎体と幾何学的および解剖学的にほぼ一致するあらゆる形状をとってもよい。図示するように、椎間板150は上部端板152、下部端板154、および中間弾性膜156を備え、弾性膜156は上部および下部の端板152、154を組み合わせて、内部容量158を画定する。端板152、154および弾性膜156は、他の実施形態と関連して前に説明したものと同様である。椎間板150はまた弁(図示せず)を含み、弁は他の実施形態に関連して前に説明したように、流体の挿入または除去を可能にするように、椎間板150の内部158へのアクセスを提供する。椎間板150はまた、図3a〜3eおよび前の実施形態に関連して前に説明したように、移動抵抗機構、永久固定手段および/または移植機器取付け、案内、および維持のための構造を含むこともできる。
【0075】
椎間板150は、上部または下部端板152、154の一方、好ましくは下部端板152に取り付けられた中間連節部材160をさらに含むことができる。連節部材160は、下部端板154の一方の内表面に形成された凹状表面164に対して連節するような大きさおよび形状をしている凸状下表面162を有することができる。対応する連節表面162、164の曲率は、他の実施形態に関して既に説明したように、端板152と154の間の所望量の連節および平衡移動を行なうように、必要に応じて操作することができる。
【0076】
別の方法では、連節部材162は対向する端板152、154の内表面に形成された凸状表面に対して噛み合い、連節するような形状および大きさをしている凹状下表面を備えることができる。さらに、凹状表面164を端板152、154の一方の内表面に一体形成することができる、またはその上に別個に形成し、取り付けることができる。端板152、154の一方の内表面の上に凹状表面164を取り付けることによって、凹状表面164を結合する端板とは異なる材料、例えばポリエチレンまたは他のポリマーで作ることが可能になり、または衝撃吸収材料を以下により詳細に説明するように設けることができる。
【0077】
連節部材160は、これに限らないが、結合剤、超音波溶接、ねじ、くぎ、機械的楔留め、およびピンを含む、当業者に知られているあらゆる固定方法によって端板152、154の一方に取り付けることができる。しかし、連節部材160は中間衝撃吸収層170を介して端板150、152の一方に取り付けることができることが好ましい。衝撃吸収層170は、エラストマー、成形または結合されたポリマー繊維、ポリウレタン、シリコーン、または適当な衝撃吸収性状を有するあらゆる他の適切な弾性材料であってもよい。連節部材160は、金属、ポリマー、複合材料、セラミック、またはどんな組み合わせからでも製造することができる。
【0078】
椎間板150はまた、端板152、154の一方に連節部材160を制限するかつ/または固定するように、および/または衝撃吸収層170を囲繞するように構成された追加の弾性膜172を含むことができる。追加の弾性膜は、剪断の際に連節部材160に対して衝撃吸収、圧縮抵抗、および追加の安定性を与えることができる蛇腹であってもよい。
【0079】
椎間板150が移植される脊椎の位置に依存して、椎間板150は高さ、自然な脊椎湾曲(または矢状平衡)、剛性を回復し、圧縮剛性を提供し、前の実施形態と関連して説明したのと同様の動作範囲を可能にすることが好ましい。
【0080】
使用される材料、幾何学的形状、および部品の結果として、椎間板150は、椎間板に加えられる負荷状態に依存して、湾曲/伸張、横方向屈曲、軸方向回転、および平行移動が可能になる。加えて、様々な脊椎の負荷条件において、連節部材160と端板152、154の一方の間に配置された衝撃吸収層は、1つまたは複数の負荷領域に対して圧縮および/または屈曲領域の位置によって、様々な量に圧縮および/または屈曲することができる。さらに、椎間板150により、椎間板150の異なる領域が様々な量に圧縮することが可能になる。
【0081】
図6を参照すると、椎間板200の第4の例示的な実施形態が示されている。椎間板200は、上部端板202、下部端板204、および上部湾曲表面および下部平坦表面を有するスロット付きコア206を備えるほぼ円形をしている。椎間板200はこれに限らないが、エンドウ豆形、卵形、環状形、楕円形、C字形、D字形などを含む、隣接する椎体と幾何学的および解剖学的にほぼ一致するあらゆる他の形状をとることができる。移動抵抗構造、永久固定機構および/または移植機器取付け、案内、および維持のための構造などの、他の実施形態に関して前に説明した他の機構を端板202、204に含むことができる。さらに、上部および下部の端板202、204の外表面はほぼ平坦、又は楔形状などであってもよい。上部および下部の端板202、204の外表面はまた、隣接する脊椎の端部の形状とほぼ一致するように矢状でかつ冠状の平面内に画定された半径を備えたドーム形状であってもよく、それによって原位置においてより優れた嵌合が行なわれる。上部および下部端板202、204は金属から形成されていることが好ましい。しかし、上部および下部端板202、204は別の方法では、以前の実施形態に関して前に説明したあらゆる端板材料から形成されていてもよい。
【0082】
図示するように、端板204は内表面に配置されたポケット208を含むことが好ましく、ポケット208はスロット付きコア206の下部平坦表面を受けるように設計されている。別の方法では、スロット付きコア206および下部端板204は一体片として形成することもできる。コアが別個の片として形成されている場合、端板204とは異なる材料から成ってもよく、したがって金属端板は例えば、ポリマー噛合機構のコア206を有するように備えられてもよい。
【0083】
コア206および端板204が別個に形成されている場合、椎間板200は端板ポケット208内にコア206を維持するように、Cリング(図示せず)またはポケット208内にまたはこれに隣接して配置されたリップまたはリングなどの同様の構造を含むこともできる。このようなリングは端板204に対してコアが平行移動するのを防ぐように構成することができ、または1方向または複数方向へのコアの平行移動が可能になる。別の方法では、コア206はキャップ(図示せず)を下部端板204に溶接、圧入、杭打、または結合することなどによって、ポケット208内に維持することができ、キャップはコア206の一部を覆っている。
【0084】
ポケット208は図では円形状を有しているが、ポケットはこれに限らないが、卵形、楕円形、エンドウ豆形、矩形などを含むあらゆる他の適当な形状をとることができる。コアおよび端板が別個の片として形成されている場合、ポケット208はスロット付きコア206より広くまたは長くてもよく、したがってコア206は動作中にポケット208内に平行移動することが可能である。別の方法では、ポケット208は特定の方向にのみ沿った、ポケット内でのコア206の平行移動を可能にするのに必要な様々な寸法形状を想定することができる。したがって、ポケットは一方向以外の全ての方向でコアとほぼ同じ幅を備えており、ポケットはその一方向(すなわち、前後方向)においてコアよりも幅が広い。よって、前後軸に沿ってコアよりも幅広いポケットにより、コアは使用中に前後方向に平行移動することができる。ポケット幾何学的形状に対応した変更形態により、中間横平行移動などの他の方向への平行移動を可能になる。
【0085】
上部端板202の内表面は、スロット付きコア206の上部湾曲表面212を受けるように構成された凹状噛合機構210を有することができる。噛合機構210により上部端板202は、スロット付きコア206に対して連節することが可能になることが好ましい。この噛合機構210は、上部端板202と一体化してもよく、または別個の片として形成し、端板に嵌合してもよい。噛合機構が別個の片として形成されている場合、端板202とは異なる材料からなってもよい。したがって、金属端板が、例えばポリマー噛合機構210を有するように備えられてもよい。
【0086】
他の実施形態に関連して前に説明したように、連節表面は逆であってもよい。すなわち、噛合機構210を凸形状に設け、スロット付きコアは凹状表面を備えることができる。さらに、本実施形態の椎間板によって提供される連節および/または平行移動のタイプおよびその量は同様に、他の実施形態に関連して前に説明したように、凹凸状表面の曲率を調節することによって調節することができる。端板間の連節および平行移動の動作を可能にすることによって瞬時回転軸が移動により、自然の椎間板に近い動作が可能となる。
【0087】
スロット付きコア206は弾力性があってもよく、軸方向の負荷により圧縮することが可能になり、それによって衝撃吸収が行なわれる。したがって、コア206は周面内に切り込まれた少なくとも1つのスロット216を有することができる。スロット216は直線でも、または湾曲していてもよく、水平、垂直、または斜めに延びることができる。スロット216はまた長さおよび幅が変化することがあり、コアを通して様々な深さで設けることができる。スロット216によりスロット付きコア206の圧縮性が増し、したがって椎間板200に付加的な衝撃吸収の特性を与えることができる。コア206内に設けられたスロットの配置および構成は、所望の圧縮程度を提供するのに適当などんな組み合わせであってもよい。
【0088】
丸い足跡を有するように図示されているが、スロット付きコア206は卵形、矩形、楕円形、およびエンドウ豆形を含むあらゆる他の形状をしていてもよい。スロット付きコア206の形状は、下部端板204の内表面に形成されたポケット208の形状と一致することが好ましい。スロット付きコア206は例えば、セラミック、複合材料、ポリマー、またはコバルトクロム合金、ステンレス鋼、およびチタン合金などの金属を含む材料から形成することができる。別の方法では、スロット付きコア206は異なる材料の2つの部品(図示せず)から作ることができる。また前に記したように、スロット付きコア206は下部端板204と一体化させることができる。
【0089】
また、椎間板200は、他の実施形態に関連して前に論じたように、弾性膜、エラストマーリング、蛇腹、ばね、または流体などの剛性回復機構を含むことができる。また、椎間板200は、他の実施形態に関連して前に論じたように、付加的な衝撃吸収機構を組み込むことができる。
【0090】
椎間板200の端板は、隣接する脊椎の端部内へおよびそこからの端板の移動、除去、または排除を妨げるように、端板の少なくとも1つまたは両方の外表面に設けられた移動抵抗構造を有することができる。移動抵抗構造はこれに限らないが、フラップ、スパイク、歯、フィン、配置可能スパイク、配置可能歯、可撓性スパイク、可撓性歯、別の形状の歯、挿入可能または拡張可能フィン、ねじ、フック、鋸歯、リブ、および織目付き表面を含む。
【0091】
さらに、椎間板200の上部および下部の端板は、隣接する脊椎に椎間板を永久的に固定するように、骨の内側への成長を促進すべく、骨の成長を誘導するまたはそれを案内する物質で被覆されていてもよい。別の方法では、上部および下部の端板は粗加工表面、多孔質表面、およびレーザ処理された端板層を有し、骨形成を案内する/骨形成を誘導する骨格を一体化することができ、または骨の内側への成長を促進するように、一体型の骨の形成を案内するおよび/または骨の形成を誘導する材料を備える、またはそれから作ることができる。
【0092】
椎間板200を移植する脊椎の位置によって、椎間板200は高さ、脊柱前湾、剛性を回復し、圧縮剛性を提供し、自然の椎間板のものを真似ることを意図した、または特定の処置に必要に応じた動作範囲を可能にする。
【0093】
加えて、前の実施形態で論じたように、椎間板200の連節表面は、摩耗を最小限に抑え、粒子発生を減らし、椎間板の寿命を長くするための表面研磨、又は、ダイヤモンド被覆仕上げ、TiNi被覆仕上げなどの類似した摩耗減少仕上げを含む。
【0094】
使用される材料、幾何形状、および部品の結果、椎間板200は、椎間板に加えられる負荷状態によって、湾曲/伸張、横方向の屈曲、軸方向回転、および平行移動を可能にする。加えて、様々な脊椎負荷状態において、スロット付きコア206は変化可能に圧縮することができ、脊椎負荷の位置およびタイプによって、スロット付きコア206の異なる領域を異なる量に圧縮することが可能になり、それによって端板202、204の異なる領域を異なる量に圧縮することが可能になる。このようなスロット付きコア206の変化可能な圧縮により、瞬時回転軸を移動させることも可能になる。
【0095】
図7を参照すると、椎間板250の第5の例示的な実施形態が示されている。椎間板250は、上部端板252、下部端板254、キャップ256、およびリングばね258を備えるほぼ円形形状をしている。しかし、椎間板250はこれに限らないが、エンドウ豆形、卵形、環状形、楕円形、C字形、D字形などを含む、隣接する椎体と幾何的および解剖学的に一致することが好ましい他の形状をとることもできる。
【0096】
図示するように、下部端板254は内表面に配置されたポケット260を含むことが好ましく、ポケット260はテーパ状外表面と円筒形の内表面とを有するリングばね258を受けるように設計されている。ポケット260はリングばね258のテーパ状外表面と噛み合うテーパ状内表面を有することが好ましい。ポケット260は図では円形または円錐形状をしているが、ポケット260はこれに限らないが、卵形、楕円形、エンドウ豆形、または矩形を含むどんな他の形状をとってもよい。
【0097】
ポケット260は、リングばね258がポケット260内で平行移動できるように、リングばね258より大きな寸法であってもよい。前の実施形態のポケットと同様に、ポケット260は特に一方向へのリングばね258の限られた平行移動を可能にする寸法をしていてもよい。平行移動の動作を可能にすることによって、瞬時回転軸の移動が作り出される。この移動している瞬時回転軸により、自然の椎間板の動作がより自然に複製される。
【0098】
椎間板250は、Cリング(図示せず)、またはポケット260内にリングばね258を維持するように、ポケット260内またはこれに隣接して配置されたリップまたはリングなどの同様のタイプの構造を含むこともできる。別の方法では、リングばね258をこれに限らないが、溶接、圧入、杭打、または結合を含む、当業者に知られているあらゆる手段によってポケット内に維持することができる。前記したように、リングばね258は、リングばね258をポケット260内で平行移動させることができる方法でポケット260内に維持されている。一実施形態では、リングばねおよびキャップを、下部端板254と係合し、リングばね258および/またはキャップ256の少なくとも一部を覆う蓋によってポケット260内に維持することができる。
【0099】
リングばね258は、耐衝撃吸収性、耐湾曲性、および耐圧縮性を提供するように、軸方向の負荷において圧縮するばね状要素であることが好ましい。円形足跡を備えるほぼC字形を有するように図示されているが、リングばね258は卵形、矩形、楕円形、およびエンドウ豆を含むどんな他の形状をしていてもよい。リングばね258の形状は、下部端板254の内表面に形成されたポケット260の形状と一致することが好ましい。リングばね258は、例えばセラミック、複合材料、ポリマー、またはコバルトクロム合金、ステンレス鋼、およびチタン合金などの金属を含む、当業者に知られているあらゆる適当な材料で形成されていてもよい。
【0100】
図示されているように、リングばね258は上表面264、底表面266、外表面268、および内表面270を有し、キャップ256上に形成された軸部276と噛み合うように中心孔272を画定する。リングばね258の外表面268は、ポケット260の内表面と噛み合い、係合するようにテーパ状になっていることが好ましい。加えて、リングばね258は周面内に形成されたおよび/または切り込まれた少なくとも1つのスロット262を含むことができる。スロット262は直線または曲線であってもよく、水平、垂直、または斜めに延びていてもよい。スロット262はまた長さおよび幅が変化することができる。図示するように、リングばね258は、該リングばね258の上表面264から底表面266まで延び、リングばね258の外表面268から内表面270まで延びる表面1つの縦スロット262を含む。このスロット262を含んでいることにより、リングばね258の圧縮性が増加し、したがって椎間板250に付加的な衝撃吸収特性が与えられる。
【0101】
別の実施形態では、リングばね258は、椎間板に所望の圧縮機構を与えるように、リングばね258の厚さを貫通する上部および/または底部の表面264、266から延びる複数のスロット262(図示せず)を組み込むことができる。
【0102】
椎間板250は、広がった本体部274および軸部276を有するキャップ256を含むこともできる。広がった本体部274および軸部276の間の接合点は肩部278を形成することができ、軸部276はリングばね258の中心孔272内に受けられるような形状および大きさをしており、肩部は2つの部品が組み立てられるときに、リングばね258の上部にキャップ256があるように、リングばねの上表面264と係合するように構成されている。一実施形態では、中心孔272は軸部276より大きく、それによって圧縮力が椎間板250上に作用する場合に、少なくとも1つのスロット262によって作り出された間隙を閉じることによりリングばね258の圧縮が可能になる。また、軸部276より大きな中心孔272を設けることによって、キャップ256はリングばね258に対して平行移動することが可能になる。
【0103】
前に述べたように、キャップ256の肩部278はリングばね258の上表面264に接触する。したがって、キャップ256に加えられる軸方向負荷をリングばね258に直接伝えることができ、ポケット260内に押し下げることができる。リングばね258がポケット260内に押し込まれると、リングばね710のテーパ状外表面268は少なくとも1つのスロット262を圧縮している間に、ポケット260のテーパ状表面と係合する。軸方向負荷によるリングばね258のこのような弾性圧縮により、所望の衝撃吸収および圧縮抵抗が与えられる。リングばね内に設けられたスロットの寸法および数は、椎間板の所望の圧縮特性を提供するのに適切なように選択することができる。
【0104】
リングばね258の軸方向の変位は、ポケット260の深さを減少させ、スロット262の幅を小さくし、軸部276の厚さおよび/または長さを増加させ、またはこれらの選択肢のどれかまたは全てを組み合わせることによって制限することができる。別の方法では、上向きの付勢をリングばね258に与えるように、コイルばねまたは弾性層(両方とも図示せず)をポケット260内に供給することができる。
【0105】
前に記したように、椎間板250は上部端板252をも含む。上部端板252の内表面は、キャップ256の広がった本体部274の上表面と噛み合うような大きさおよび形状をしている噛合表面280を含んでいることが好ましい。上部端面252上の噛合表面280は、キャップ256の上表面に形成された凸状表面と連節するように構成された凹状表面を有することが好ましい。別の方法では、噛合表面280は凸状表面を備えることができ、キャップ256の上表面は凹形状をしていてもよい。他の実施形態に関連して前に説明したように、曲率度は上部端板とキャップ256の間で所望の連節および/または平行移動を行なうため、いずれかまたは両方の表面に対して調節することができる。
【0106】
別の実施形態では、噛合表面280は上部端板252とは別個の片として設けられている。噛合表面280はこのような場合、端板252のものとは異なる材料を含むことができる(例えば、端板はチタンで、噛合表面はUHMWPEであってもよい)。椎間板250の連節表面はまた、摩耗を最小限に抑え、粒子発生を少なくし、椎間板の寿命を長くするための表面研磨、又は、ダイヤモンド被覆仕上げ、TiNi被覆仕上げなどの類似した摩耗減少仕上げを含むことができる。
【0107】
ほかの実施形態では、別個のキャップ256を除去することができ、リングばね256は上部端板252の噛合表面280内で連節するように構成された凸状上表面264を組み込むことができる。
【0108】
本実施形態の椎間板250は、移動抵抗機構などの他の実施形態に関連して前に説明した付加的な機構を備えることができ、多孔質表面または被覆表面などの永久固定機構、および/または移植機器の取付け、案内、および維持のための構造を端板252、254に含めることもできる。さらに、上部および下部端板252、254の外表面はほぼ平坦である又は楔形状などであってもよい。上部および下部端板252、254の外表面はまた、隣接する脊椎の端部の形状とほぼ一致する矢状でかつ冠状の平面で画定された半径を備えるドーム形状をしていてもよく、それによって原位置でのより優れた嵌合が行なわれる。外表面は、少なくとも1つの溝、スロット、または椎間板を挿入機器によって係合させることができるのに適当な他の特性をさらに備えることができる。上部および下部端板252、254は金属から形成されていることが好ましい。しかし、上部および下部端板252、254は別の方法では、前に説明した材料以外から形成されていてもよい。
【0109】
椎間板250はまた、他の実施形態に関連して前述したような、弾性膜、エラストマーリング、蛇腹、ばね、または流体などの剛性回復機構を含むことができる。椎間板250はまた、他の実施形態に関連して前述したあらゆる衝撃吸収機構を組み込むことができる。
【0110】
椎間板250が移植される脊椎の位置によって、椎間板250は高さ、脊柱前湾、剛性を回復し、圧縮剛性を提供し、前の実施形態に関連して説明したものと同様の動作範囲を可能にすることが好ましい。
【0111】
使用する材料、幾何学的形状、および部品の結果、負荷状態によって椎間板250は湾曲/伸張、横方向の屈曲、軸方向回転、および平行移動が可能になる。加えて、様々な脊椎負荷状態において、リングばね258は様々な量に圧縮することができる。このようなリングばね258の様々な圧縮により、瞬時回転軸の移動が可能になる。加えて、リングばね258は、椎間板250の異なる領域が様々な量に圧縮するのを可能にする。
【0112】
図8を参照すると、椎間板300の第6の例示的な実施形態が示されている。椎間板300は、上部端板302、下部端板304、および横端部310を有する羽根付き板ばね306を備えるほぼ円形形状をしている。しかし、椎間板300はこれに限らないが、エンドウ豆形、卵形、環状形、楕円形、C字形、D字形などを含む、隣接する椎体と幾何学的および解剖学的に一致することが好ましい他の形状をとることもできる。移動抵抗機構などの他の実施形態に関連して前に説明した他の特性、永久固定特性、および/または移植機器の取付け、案内、および維持のための構造も端板302、304の外表面に含めることができる。さらに、端板302、304の外表面はほぼ平坦である、又は楔形状などであってもよい。上部および下部端板302、304の外表面はまた、隣接する脊椎の端部の形状とほぼ一致するように、矢状および冠状平面内に画定された半径を備えるドーム形をしていてもよく、それによって原位置でのより良い嵌合が行なわれる。上部および下部端板302、304は金属から形成されていることが好ましい。しかし、上部および下部端板302、304は別の方法では、既に説明したもの以外の材料から形成されていてもよい。
【0113】
図示するように、下部端板304は内表面に切抜き308(すなわちポケット)を含み、切抜き308は羽根付き板ばね306の少なくとも中心部を受けるように構成されていることが好ましい。下部端板304は、横端部310の少なくとも一部に沿って羽根付き板ばね306を支持することができ、板ばね306の中心部314は切抜き308内にあり、板ばね306の底表面と切抜き308の底表面の間に間隙がある。したがって、板ばねが軸方向の圧縮負荷を受けると、横端部110は湾曲することが可能となり、中心部の底表面が切抜き308の底表面に接触するまで、板ばねの中心部314を切抜き308内に押し下げることが可能となる。横端部310の剛性と共に板ばねと切抜きの間の初期間隙の大きさを選択することにより、椎間板300最大となる軸方向圧縮のみならず、所望の圧縮剛性も得ることができる。横端部はほぼ等しい剛性を有することができるが、その剛性は実質的に異なっていてもよい。同様に、切抜き308の底部はほぼ平坦であってもよく、または所望の方向への板ばねの中心部の偏向をより大きくすることが可能になるように角度付けされていてもよい。剛性および間隙は、患者の通常の椎間板の性状を真似るのに適当なように、または特定の処置に適当なように選択することができる。
【0114】
さらに、切抜き308の深さは、羽根付き板ばね306が湾曲できるのに十分なほど深いことが好ましいが、しかし、板ばね306の湾曲により、衝撃吸収および耐圧縮性が得られるので、切抜き308の深さは、羽根付きの板ばね306の湾曲部分の故障を防止するほど深くはないことがより好ましい。また、好ましくは、この板ばねの湾曲は、羽根付きの板ばね306の湾曲は自然の椎間板の耐圧縮および衝撃吸収の機構を真似るように椎間板300内において、設計されており、または、特定の処置に対して適当な耐圧縮性が提供されてもよい。
【0115】
切抜き308は図では矩形形状をしているが、切抜き308はこれに限らないが、円形、卵形、楕円形、エンドウ豆形、または矩形を含むあらゆる他の形状をとってもよい。切抜き308は羽根付き板ばね306の中心本体部314より寸法が大きく、それによって羽根付きの板ばね306が切抜き内に平行移動することが可能になる。平行移動が可能になったことにより、自然の椎間板の動作をより自然に複製する移動する瞬時回転軸が作り出される。
【0116】
椎間板300は、羽根付き板ばね306の中心本体314上の連節表面312と噛み合うような大きさおよび形状をしている噛合表面316を備える内表面を有する上部端板302を含むことができる。噛合表面316は凹形状であることが好ましい。しかし別の方法では、噛合表面は凸状輪郭を有することができ、上部端板302の噛合表面316は凹形状であり、中心本体314の連節表面312は凸形状であってもよい。他の実施形態に関連して前述したように、凹凸表面の曲率度を、通常の椎間板の性状を真似るように所望量の連節を提供するように選択することができ、または特定の処置に必要に応じた程度にすることができる。
【0117】
別の実施形態では、羽根付き板ばね306の横端部310は一定の厚さ、長さ、および幅をしていてもよい。別の方法では、横端部310は可変の厚さ、長さ、および/または幅をしていてもよい。横端部310から中心本体314への移行は緩やかであるので、厚さは横縁部310の外周面から連節表面312に向かって次第に増加する、またはかなり急であってもよい。加えて、羽根付き板ばね306はばねの可撓性をさらに増すように、いずれかの横端部(図示せず)内に1つまたは複数のスロットを含むことができる。
【0118】
図では矩形形状をしているが、羽根付き板ばね306は卵形、円形、楕円形、エンドウ豆形などを含むあらゆる他の形状をしていてもよい。羽根付き板ばね306の形状は、下部端板304の内表面上に形成された切抜き308の形状と一致することが好ましい。羽根付き板ばね306は例えば、セラミック、複合材料、ポリマー、またはコバルトクロム合金、ステンレス鋼、およびチタン合金などの金属を含む材料から形成されていることが好ましい。
【0119】
別の方法では、椎間板300は切抜き308内に羽根付き板ばね306を維持するような構成をしている蓋またはリング部材(図示せず)を含むことができ、それによってばね306が外れるのを防ぐ。この例では、羽根付き板ばね306を切抜き308内に配置した後に、蓋またはリング部材を下部端板304に取り付けることができる。蓋またはリング部材は、これに限らないが、ピン、ねじ、溶接、圧入などを含む、当業者に知られているあらゆる固定手段によって下部端板304に取り付けることができる。
【0120】
椎間板300はまた、様々な他の実施形態に関連して前に論じたように、弾性膜、エラストマーリング、蛇腹、ばね、または流体などの剛性回復特性を含むことができる。椎間板300は、例えばエラストマー材料から椎間板の一部を製造するなどの、他の実施形態に関連して前に説明した付加的な衝撃吸収機構を組み込むことができる。
【0121】
加えて、椎間板300の連節表面は、摩耗を最小限に抑え、粒子発生を減らし、椎間板の寿命を長くするための表面研磨、又は、ダイヤモンド被覆仕上げ、TiNi被覆仕上げなどの類似した摩耗減少仕上げを備えることができる。
【0122】
椎間板300が移植される脊椎の位置に依存して、椎間板300は高さ、自然の脊椎湾曲(または矢状平衡)、剛性を回復し、圧縮剛性を与え、前の実施形態に関連して説明したのと同様の動作範囲を可能にすることが好ましい。
【0123】
使用する材料、幾何学的形状、および部品の結果、椎間板300は椎間板に加えられる負荷状態によって、湾曲/伸張、横方向の屈曲、軸方向回転、および平行移動が可能である。
【0124】
図9を参照すると、椎間板350の第7の例示的な実施形態が示されている。椎間板350は、上部端板352、下部端板354、板ばね356、および連節キャップ358を備えるほぼ円形形状をしている。しかし、椎間板350はこれに限らないが、エンドウ豆形、卵形、環状形、楕円形、C字形、D字形などを含む、隣接する椎体と幾何的および解剖学的に一致することが好ましい他の形状をとってもよい。移動抵抗構造、永久固定機構、および/または移植機器の取付け、案内、および維持構造などの、他の実施形態に関連して前に説明した他の特性を、端板352、354に含めることもできる。さらに、上部および下部端板352、354の外表面はほぼ平坦であるまたは楔形状などであってもよい。上部および下部の端板352、34の外表面はまた、隣接する脊椎の端部の形状とほぼ一致するように矢状でかつ冠状の平面内に画定された半径を有するドーム形状をしていてもよく、それによって原位置でより良い嵌合を行なうことができる。上部および下部端板352、354は金属から形成されていることが好ましい。しかし、上部および下部352、354は別の方法では前に説明した他の材料から形成されていてもよい。
【0125】
図示するように、下部端板354は1対の第1の肩部材364によって画定された第1のくぼみ部362を備えることができる。これらの肩部材364は、外周近くで板ばねの底表面に沿って板ばね356を支持するように構成されており、板ばね356とくぼみ部362の間に軸方向間隙を作り出す。1対の第1の肩部材364を下部端板354で一体的に形成することができる、または別個の片を備えることができる。
【0126】
さらに、下部端板354は、軸方向上かつ第1の肩部材364から径方向外側に配置された1対の第2の肩部材365を有することができる。第2の肩部材365は、ばねを横方向(すなわち、平行移動方向)に維持して、板ばねが確実に第1の肩部材364およびくぼみ部362に対して芯合わせされるように、板ばね356の周縁部と係合するように構成されており、それによって適当なばね湾曲が確保される。第2の肩部材365は、全ての平行移動を防ぐように板ばねを抑制するように構成することができる。しかし、別の方法では、第2の肩部材365は少なくとも1方向に板ばねから横方向にずれていてもよく、それによって板ばねを少なくとも1方向に平行移動させることができる。このように平行移動が可能なことにより、自然の椎間板の動作をより自然に複製する、移動している瞬時回転軸が作り出される。
【0127】
板ばねを覆うのにカバー板360を設けることができ、板ばねが対の第1および第2の肩部材364との係合から軸方向に移動しないようにする。本実施形態では、カバー板360を1対の第2の肩部材365の上表面に取り付けることができる。カバー板360は、これに限らないが、圧入、溶接、ピン、ねじ、結合などを含む、当業者に知られているあらゆる固定手段によって第2の肩部材365に取り付けることができる。カバー板360は下部端板354の外周面に近い寸法をしている外周面と、(以下により詳細に説明する)連節要素を受け入れる寸法をしている内側開口部369とを有することができる。カバー板360の内側開口部は、椎間板350の連節を制限するように、上部端板352上に対応する表面と組み合わせて動作することができる上側に延びる内側縁部367を含むことができる。カバー板はまた、椎間板挿入機器を受け入れるように構成することができる。図9の実施形態は、下部端板354とは別個の要素として板ばね356を図示しているが、図9aに示す代替実施形態では、板ばね356を下部端板354と一体形成することができる。
【0128】
板ばね356は、衝撃吸収、耐湾曲および耐圧縮性を与えるように、軸方向の負荷において湾曲するばね状要素であってもよい。板ばね356は均一な厚さをしていてもよく、またはその厚さは変わってもよい。図9に示す実施形態では、板ばねは端部でよりも中心部で厚さがより大きく、図9aに示す実施形態では、板ばねは中心部および端部でより厚く、端部と中心部の間により薄いセグメントを有し、断面で見た場合、波形を有する板ばねを提供する。板ばねは、必要な衝撃吸収、耐湾曲および圧縮性を与えるのに適したどんな厚さをしていてもよい。
【0129】
板ばね356は例えば、セラミック、化合物、ポリマー、またはコバルトクロム合金、ステンレス鋼、およびチタン合金などの金属を含む、当業者に知られているあらゆる適当な材料で形成することができる。
【0130】
連節キャップ358は、凸状の上側連節表面368と、下側板ばね嵌合突起370とを備えることができる。連節表面368は、上端板352の内表面に形成された噛合い表面371と噛み合い、連節するように構成することができる。噛合い表面371は、連節キャップ358の凹状表面に対応する凸状表面を備えることができる。別の方法では、上端板の噛合い表面371は凸形状をしていてもよく、連節キャップ358の上表面は凹形状をしていてもよい。患者の自然の椎間板の運動を真似るように、または特定の処置の必要に応じて、適当な種類および適当な量の連節および/または平行移動を行なうように、それぞれの連節表面368および噛合い表面371の曲率を選択することができる。
【0131】
上端板352の噛合い表面371は端板と一体化させることができ、または図9aに示すように、別個の片として形成することができ、当業者に知られており、他の実施形態で前に説明したようなどんな適当な固定方法を使用して、端板に取り付けることができる。別個の片として形成する場合には、噛合い表面371は他の実施形態に関連して連節方面に適当なように説明した様々な材料などの、端板とは異なる材料を含むことができる。噛合い表面371は端板352の隆起部分372内に窪んでいてもよく、それにより凹状噛合い表面371に設けることができる曲率半径を制限し、かつ/または噛合い表面を浅くしすぎる必要なく、端板352を比較的薄くすることができる。
【0132】
上端板352の隆起部分372は、隆起面高さ「h」を有する隆起面374を備えることができる。隆起面374は、少なくとも一方向への椎間板350の連節を制限するように、板ばねのカバー板360の上側に延びる内縁部367と係合するように構成することができる。別の方法では、隆起面374および上側に延びる内縁部367は、全ての方向の椎間板の連節を制限するように構成することができる。一実施形態では、隆起面374および内縁部367は、単一平面(例えば、中間横平面)での椎間板の連節を制限するように構成することができる。隆起面374および内縁部367は、全ての平面での所望の範囲の連節を椎間板350が備えるのに適当な構成のあらゆる組み合わせを備えることができる。したがって、隆起面374の高さ「h」は椎間板に関して異なる位置で異なっていてもよく、例えば高さ「h」は椎間板350の前後側でより小さく、椎間板の横側でより大きくてもよく、それによって前後方向の連節度を制御することができる。別の方法では、隆起面374および内縁部367は、所望の方向への椎間板の連節度を制御するように、平坦面、相当湾曲した面、角度付け面、段付き面などの噛合い表面を備えることができる。
【0133】
連節キャップ358の底表面は、板ばね356の上表面に形成された溝366と噛合うような大きさおよび形状をしている突起370をさらに備えることができる。したがって、キャップ358は溝366内で少なくとも部分的に抑制することができる。一実施形態では、溝366は突起370と同じまたは僅かだけ大きい寸法をしており、それによってキャップを横方向に抑制することができる。一代替実施形態では、溝は少なくとも一方向(例えば、前後軸に沿って)に突起より大きくてもよく、それによってキャップ358は動作中にその方向に横方向に移動(すなわち、平行移動)することが可能になる。平行移動を可能にすることによって、瞬時回転軸が移動される。このように瞬時回転軸を移動させることにより、自然の椎間板の動作をより自然に複製することができる。
【0134】
代替形態では、突起370は溝366内にしっかり固定することができ、したがって平行移動は不可能である。
【0135】
溝および突起は図ではほぼ対応する矩形形状をしているが、突起370および溝366は、必要な平行移動自由度を与えるように、これに限らないが円形、卵形、楕円形などを含む、当業者に知られているあらゆる他の適当な形状をとることもできることに留意されたい。
【0136】
一代替実施形態では、図9aから9cに示すように、板ばね356は支柱380を備えることができ、キャップ358は支柱380を受ける溝382を有することができる。溝366および支柱380は、少なくとも一方向への下端板354に対してのキャップ358の平行移動を可能にするような大きさおよび形状をしていてもよい。溝366および支柱380がキャップ358の平行移動を可能にするような構成をしている場合、カバー板360はまた、平行移動しているキャップ360がカバー板の中心開口部369と干渉しないように構成しなければならない。したがってこのような場合、中心開口部は平行移動方向に細長い、または矩形をしていてもよい。
【0137】
上端板352は、連節インサート386を受けるくぼみ部384を含むことができ、インサートはキャップ358の凸状連節表面368と連節するように構成された凹状表面385を有する。前に説明したように、凹状連節インサート384を設けることによって、外科医は端板352の材料に影響を与えることなく、あるいは椎間板350の他の設計または設置に影響を与え、連節表面を備えるのに適切な材料を選択する際に、より大きな可撓性を得ることができる。したがって、インサート384はこれに限らないが、PEEKまたはUHMWPEなどの剛性ポリマーなどのポリマー、セラミック、複合材料、またはあらゆる組み合わせを含む、当業者に知られているあらゆる適当な材料で形成することができる。
【0138】
連節インサート386が設けられる場合、上端板352内のくぼみ部384はインサート386を維持するように構成された表面を備えることができる。くぼみ部は、インサートがくぼみ部内にスナップ嵌めできるように、インサート内の対応する径方向溝に嵌合するように剛性された径方向隆起部を備えることができる。別の方法では、結合剤、またはあらゆる組み合わせを使用することによって、圧入によりくぼみ部に取り付けることができる。
【0139】
一代替実施形態では、椎間板350はまた、他の実施形態に関連して前に論じたように、弾性膜、エラストマーリング、蛇腹、ばね、または流体などの剛性回復特性を含むことができる。椎間板350はまた、他の実施形態に関連して前に論じたように、追加の衝撃吸収特性を組み込むことができる。
【0140】
加えて前の実施形態で論じたように、椎間板350の連節表面は、摩耗を最小限に抑え、粒子発生を減らし、椎間板の寿命を長くするための表面研磨、ダイヤモンド被覆仕上げ、TiNi被覆仕上げなどの類似した摩耗減少仕上げを含むことができる。
【0141】
椎間板350の端板は、隣接する脊椎の端部内、およびそこからの端板の移動、除去、または排除を妨げるように、端板の少なくとも一方または両方の外表面に設けられた移動抵抗構造を有することができる。移動抵抗構造はこれに限らないが、フラップ、スパイク、歯、フィン、配置可能スパイク、配置可能歯、可撓性スパイク、可撓性歯、代替形状の歯、挿入可能または拡張可能フィン、ねじ、フック、鋸歯、リブ、および織目付き表面を含む。
【0142】
さらに、骨の内側への成長を促進して、椎間板を隣接する脊椎に永久的に固定するように、椎間板350の上下端板を骨の成長を誘導するまたはそれを案内する物質で被覆することもできる。別の方法では、上下端板は粗加工表面、多孔質面、およびレーザ処理端面層を有し、骨形成を案内する/骨形成を誘導する骨格を一体化することができ、または骨の内側への成長を促進するように、一体型の骨の形成を案内するおよび/または骨の形成を誘導する材料を備える、あるいはこれから作ることができる。
【0143】
椎間板350が移植される脊椎の位置によって、椎間板350は高さ、脊柱前湾、剛性を回復し、圧縮剛性を提供し、自然の椎間板のものを真似るように意図した、または特定の処置に必要な動作範囲を可能にすることができる。
【0144】
使用する材料、幾何形状、および部品の結果、椎間板350は、椎間板に加えられる負荷状態によって、湾曲/伸張、横屈曲、軸方向回転、および平行移動を可能にすることができる。
【0145】
図10を参照すると、例示的な設置処置が説明されている。一般に、椎間板400は上端板402、下端板404、およびコア機構406を含むことができ、コア機構はあらゆるばね、スロット付きコア、リングばね、板ばね、コイルばね、エラストマー、充填する流体、または本明細書で前に説明した連節椎間板である。椎間板400をモジュール方式で移植することができ、例えば椎間板400の端板402、404を伸延器および/または保持機器などの機器を使用して、椎間板キャビティに挿入することができる。椎間板空間をその後、端板402、404と係合する標準的な脊椎伸延器を使用して、伸延させることができる。得られる椎間板空間に挿入するコア機構406の適当な寸法を決めるのに、試験的スペーサを使用することができる。例示的な実施形態では、コア機構406は、蟻継ぎ、スロット、または同様の連結を使用することにより、端板402、404に挿入され、取り付けられている。このモジュール式挿入技術は、周辺組織および/または血管を損傷する可能性のある、椎間板空間の過伸延(over-distraction)を防ぐことができる。
【0146】
別の方法では、椎間板400を特定の挿入器具を使用して予め組み立てて挿入することができる。例えば、椎間板空間に挿入されているので、端板402、404を平行かつ間隔を置いた関係で保持し、係止することを可能にする端板保持クリップを使用することができる。いったん移植すると、クリップを端板402、404から係止を外し、取り除くことができる。クリップはその後、椎間板空間から取り除くことができる。加えて過伸延を防ぐため、椎間板400を圧縮状態で移植することもできる。圧縮状態の椎間板400の導入は、外科挿入機器、または椎間板400に配置された内部機構によって達成することができる。
【0147】
前部、横、または前外側の外科的アプローチを、椎間板400に使用することができる。さらに、移植する椎間板400によって、最小侵入外科法、または同時伸延移植外科法を使用することができる。同時伸延移植は、例えば移植中にインプラントを伸延器の下に案内するように、端板402、404の外表面に形成されたスロットを使用することによって達成することができる。また、移植する椎間板によって、人工前縦靭帯、または自然の前縦靭帯を椎間板、または隣接する椎体に直接取り付けることができる。前縦靭帯を取り付けることによって、インプラントの移動、除去、または排除を防ぐ助けとなる。椎間板の移植を助けるため、椎間板は位置合せマーカを含むことができる。
【0148】
本発明の様々な説明を上に説明したが、様々な特性を単一で、またはその組み合わせで使用することができることを理解すべきである。したがって、本発明は本明細書で示した特定の好ましい実施形態に限るものではない。
【0149】
さらに、本発明の精神および範囲内の変更形態および変形形態は、発明が属する業界の技術者には思いつくことができることを理解すべきである。例えば、本明細書で開示したインプラントの一部を、部分的または全体的に脱塩化することができる、同種インプラント、自家インプラント、および異種インプラントなどの骨で作ることもできる。加えて、いくつかのインプラントは前部、または端板上/内に骨材料または他の骨の成長を誘導する材料を含むことができる。前部のこのような物質は、インプラント壁に形成された経路または他の孔と同様に、周辺解剖学的組織と相互作用することが可能である。また、手術中および手術後位置合せマーカを、椎間板の移植を助けるのに使用することができる。さらに、椎間板は癒合が必要な状況において、剛性を有するようにすることができる。椎間板は例えば、端板間の癒合を可能にし、端板間へスペーサを挿入し、または端板間に固化液体を注入することによって、剛性を有するようにすることができる。したがって、本発明の範囲および精神内にある、本明細書に記載した開示から当業者には簡単に得られる都合の良い変更形態は、本発明の別の実施形態として含まれるものである。本発明の範囲はしたがって、頭記の特許請求の範囲に記載されているように規定されている。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】本発明による人工椎間板の第1の実施形態の斜視図である。
【図2】線A−Aに沿った、図1の人工椎間板の断面図である。
【図2a】線A−Aに沿った、図1の人工椎間板の代替断面図である。
【図2b】線A−Aに沿った、図1の人工椎間板の代替断面図である。
【図2c】線A−Aに沿った、図1の人工椎間板の代替断面図である。
【図3】図3aは、本発明による配置可能スパイクの側面図である。図3bは、本発明による別の配置可能スパイクの側面図である。図3cは、本発明による可撓性スパイクの側面図である。図3dは、本発明による代替形状の歯の側面図である。図3eは、本発明によるアンカの側面図である。
【図4】本発明による人工椎間板の第2の実施形態の断面図である。
【図4a】図4の人工椎間板の板ばねおよびローラの側面図である。
【図5】本発明による人工椎間板の第3の実施形態の断面図である。
【図6】本発明による人工椎間板の第4の実施形態の斜視図である。
【図7】本発明による人工椎間板の第5の実施形態の斜視図である。
【図8】本発明による人工椎間板の第6の実施形態の斜視図である。
【図9】本発明による人工椎間板の第7の実施形態の断面図である。
【図9a】本発明による人工椎間板の第7の実施形態の代替断面図である。
【図9b】図9aに示された第7の実施形態の展開図である。
【図9c】図9aに示された第7の実施形態の展開図である。
【図10】本発明による椎間板の第8の実施形態の略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1と第2の脊椎の間に配置するための椎間板であって、
第1の内表面および第1の外表面を有する上部端板であって、該第1の外表面が前記第1の脊椎と接触するように構成された上部端板と、
第2の内表面および第2の外表面を有する下部端板であって、該第2の外表面が前記第2の脊椎と接触するように構成された下部端板と、
前記上部端板と前記下部端板との間に延在した膜と、
前記上部端板と下部端板の間に配置された少なくとも1つの弾性部材であって、少なくとも一方の前記端板に結合した少なくとも1つのソケット内で、連節するように構成された少なくとも1つのアーチ状表面部材に結合した弾性部材と、
を備える、ことを特徴とする椎間板。
【請求項2】
前記少なくとも1つの弾性部材は第1の端部および第2の端部を備え、第1の端部はアーチ状表面部材に結合し、第2の端部は前記端板の一方の内表面に形成されたくぼみ部内に配置されている、請求項1に記載の椎間板。
【請求項3】
前記少なくとも1つのアーチ状表面部材は、前記端板の一方の内表面に形成された前記くぼみ部内に固定されている、請求項1または2に記載の椎間板。
【請求項4】
前記少なくとも1つの弾性部材は、第1および第2の端部をさらに備え、各端部は、別個のアーチ状表面部材にさらに連結されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項5】
前記少なくとも1つのアーチ状部材および前記弾性部材は、前記上部及び下部の端板間において、平行移動を可能にするように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項6】
前記少なくとも1つの弾性部材は、少なくとも1つの第1の弾性部材と、複数の第2の弾性部材を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第1の弾性部材は第1のばね定数を有し、前記少なくとも1つの第2の弾性部材は第2のばね定数を有し、前記第1および第2のばね定数は実質的に同じではない、請求項6に記載の椎間板。
【請求項8】
前記第1のばね定数は、前記第2のばね定数より実質的に大きい、請求項7に記載の椎間板。
【請求項9】
第3の弾性部材をさらに備える椎間板であって、前記第2および第3の弾性部材は前記第1の部材より椎間板の周縁部の近くに配置されている、請求項8に記載の椎間板。
【請求項10】
前記第1の弾性部材および前記複数の第2の弾性部材のそれぞれは、前記端板の一方の内表面に形成された対応する各ソケット内で、連節するように構成された少なくとも1つの各アーチ状表面部材に取り付けられている、請求項6に記載の椎間板。
【請求項11】
前記上部及び下部の端板間に配置された少なくとも1つのエラストマー支柱をさらに備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項12】
前記少なくとも1つの弾性部材に隣接して配置されたケーシング部材をさらに備える椎間板であって、ケーシング部材は前記弾性部材に結合する前記アーチ状表面部材と係合するように構成された連節表面を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項13】
前記弾性部材およびアーチ状表面部材は一体形成されている、請求項1から12のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項14】
前記上部及び下部の端板間に配置された膜をさらに備え、膜は前記少なくとも1つの弾性部材の少なくとも一部を囲繞している、請求項1から13のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項15】
前記膜は前記上部及び下部の端板を囲繞している、請求項1から14のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項16】
前記膜はエラストマー材料から形成されている、請求項1から15のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項17】
前記膜は蛇腹を備える、請求項1から16のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項18】
前記端板および膜は、少なくとも一部が流体で充填された内部容量を画定する、請求項1から17のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項19】
前記容量を前記流体で少なくとも部分的に充填する前記容量と連通する弁をさらに備える、請求項18に記載の椎間板。
【請求項20】
前記流体は圧縮可能である、請求項18または19に記載の椎間板。
【請求項21】
前記流体は圧縮不可能である、請求項18または19に記載の椎間板。
【請求項22】
前記膜は少なくとも半透性である、請求項18から21のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項23】
前記膜は非浸透性である、請求項18から22のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項24】
前記端板の少なくとも1つは、金属、ポリマー、セラミック、および複合材料からなる群から選択した材料から形成されている、請求項1から23のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項25】
前記端板の少なくとも1つは、皮質、海綿質、同種移植片、自家移植片、異種移植片、脱塩化または部分的に脱塩化された骨からなる群から選択した骨材料から形成されている、請求項1から24のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項26】
前記第1および第2の外表面の少なくとも1つに配置された移動抵抗構造をさらに備える、請求項1から25のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項27】
前記第1および第2の外表面少なくとも1つに配置された永久固定手段をさらに備える、請求項1から26のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項28】
前記第1または第2の端板の少なくとも一方に配置された移植機器の取付け、案内、または維持のための構造をさらに備える、請求項1から27のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項29】
第1と第2の脊椎の間に配置するための椎間板であって、
第1の内表面および第1の外表面を有する第1の端板であって、該第1の外表面が前記第1の脊椎と接触する第1の端板と、
第2の内表面および第2の外表面を有する第2の端板であって、該第2の外表面が前記第2の脊椎と接触する第2の端板と、
前記第1の端板と前記第2の端板の間に延在した膜と、
前記端板間に配置され、第1および第2の端部を有する少なくとも1つの板ばねであって、第1の端部は前記第1の端板に取り付けられ、前記第2の端部は前記板ばねへの力に応じて、前記第1の端板の前記内表面に沿って横方向に動作可能なように構成された板ばねと、
を備える椎間板。
【請求項30】
前記板ばねの第2の端部は、前記板ばねへの力に応じて、前記第1の端板の前記内表面に沿って前記第2の端部が転動することができるように構成されたローラをさらに備える、請求項29に記載の椎間板。
【請求項31】
前記第2の端部は、前記ローラを旋回可能に取り付ける回転軸をさらに備える、請求項29または30に記載の椎間板。
【請求項32】
前記ローラは丸みを帯びた端部を備える、請求項31に記載の椎間板。
【請求項33】
前記板ばねは、前記第1と第2の端部の間に配置された中間部を備え、中間部は前記第2の端板の前記内表面と噛み合うように構成された連節表面をさらに有する、請求項29から32のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項34】
前記第2の端板の前記内表面は、前記板ばね中間部の前記連節表面と噛み合うように構成された連節表面をさらに備える、請求項33に記載の椎間板。
【請求項35】
前記第2の端板の内表面は、前記板ばねの中間部の前記連節表面と噛み合うように構成されたパッドをさらに備える、請求項33に記載の椎間板。
【請求項36】
上部及び下部の端板間に配置され、前記板ばねを囲繞した膜をさらに備える、請求項29から35のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項37】
前記膜は前記上部及び下部の端板を囲繞している、請求項29から36のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項38】
前記膜はエラストマー材料から形成されている、請求項29から37のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項39】
前記膜は蛇腹を備える、請求項29から38のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項40】
前記端板および膜は、少なくとも一部が流体で充填された内部容量を画定する、請求項29から39のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項41】
前記容量を前記流体で少なくとも部分的に充填する前記容量に連通する弁をさらに備える、請求項40に記載の椎間板。
【請求項42】
前記流体は圧縮可能である、請求項40または41に記載の椎間板。
【請求項43】
前記流体は圧縮不可能である、請求項40または41に記載の椎間板。
【請求項44】
前記膜は少なくとも半透性である、請求項40から43のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項45】
前記膜は非浸透性である、請求項40から43のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項46】
前記端板の少なくとも1つは、金属、ポリマー、セラミック、および複合材料からなる群から選択した材料から形成されている、請求項29から45のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項47】
前記端板の少なくとも1つは、皮質、海綿質、同種移植片、自家移植片、異種移植片、脱塩化または部分的に脱塩化した骨からなる群から選択した骨材料から形成されている、請求項29から46のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項48】
前記第1および第2の外表面の少なくとも1つに配置された移動抵抗構造をさらに備える、請求項29から47のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項49】
前記第1および第2の外表面の少なくとも1つに配置された永久固定手段をさらに備える、請求項29から48のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項50】
前記端板の少なくとも1つは、皮質、海綿質、同種移植片、自家移植片、異種移植片、脱塩化または部分的に脱塩化した骨からなる群から選択した骨材料から形成されている、請求項29から49のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項51】
第1と第2の脊椎の間に配置するための椎間板であって、
第1の内表面および第1の外表面を有する第1の端板であって、該第1の外表面が前記第1の脊椎と接触する第1の端板と、
第2の内表面および第2の外表面を有する第2の端板であって、該第2の外表面が前記第2の脊椎と接触する第2の端板と、
前記第1の端板と前記第2の端板の間に延在した膜と、
前記第1と第2の端板間に配置され、第1および第2の表面を有する連節部材であって、第1の表面は少なくとも1つの端板の内表面と噛み合うように構成された連節部材と、
前記第2の表面と前記一方の端板との間に配置された衝撃吸収要素と、
を備える椎間板。
【請求項52】
前記端板の1つの内表面は、前記連節部材と噛み合うように構成された連節表面をさらに備える、請求項51に記載の椎間板。
【請求項53】
前記連節表面は連節パッドをさらに備える、請求項51または52に記載の椎間板。
【請求項54】
前記連節表面は、前記連節パッドの少なくとも一部を受けるような大きさおよび形状をしたくぼみ部をさらに備え、くぼみ部は前記連節パッドが前記連節表面に対して少なくとも一方向に平行移動することができるようにさらに構成された、請求項51から53のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項55】
前記上部及び下部の端板間に配置され、前記連節部材を囲繞した膜をさらに備える、請求項51から54のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項56】
前記膜は前記第1および第2の端板を囲繞している、請求項51から55のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項57】
前記膜はエラストマー材料から形成されている、請求項51から56のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項58】
前記膜は蛇腹を備え、前記蛇腹は少なくとも衝撃吸収要素を包含している、請求項51から57のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項59】
前記端板および膜は、少なくとも部分的に流体で充填された内部容量を画定する、請求項51から58のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項60】
前記容量を前記流体で少なくとも部分的に充填する前記容量と連通する弁をさらに備える、請求項59に記載の椎間板。
【請求項61】
前記流体は圧縮可能である、請求項59に記載の椎間板。
【請求項62】
前記流体は圧縮不可能である、請求項59または60に記載の椎間板。
【請求項63】
前記膜は少なくとも半透性である、請求項59または60に記載の椎間板。
【請求項64】
前記膜は非浸透性である、請求項59または60に記載の椎間板。
【請求項65】
前記端板の少なくとも1つは、金属、ポリマー、セラミック、および複合材料からなる群から選択した材料から形成されている、請求項51に記載の椎間板。
【請求項66】
前記端板の少なくとも1つは、皮質、海綿質、同種移植片、自家移植片、異種移植片、脱塩化または部分的に脱塩化した骨からなる群から選択した骨材料から形成されている、請求項51から65のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項67】
前記第1および第2の外表面の少なくとも1つに配置された移動抵抗構造をさらに備える、請求項51から66のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項68】
前記第1および第2の外表面の少なくとも1つに配置された永久固定手段をさらに備える、請求項51から67のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項69】
前記第1および第2の内および/または外表面の少なくとも1つに配置された、移植機器の取付け、案内、または維持のための構造をさらに備える、請求項51から68のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項70】
第1と第2の脊椎の間に配置するための椎間板であって、
第1の内表面および第1の外表面を有する第1の端板であって、第1の外表面が前記第1の脊椎と接触する第1の端板と、
第2の内表面および第2の外表面を有する第2の端板であって、第2の外表面が前記第2の脊椎と接触する第2の端板と、
前記第1と第2の端板の間に配置され、第1および第2の表面を有するスロット付きコアであって、第1の表面は、前記第1の端板の内表面に形成されたポケットと噛み合うように構成され、第2の表面は、前記第2の端板に結合した対応する表面と噛み合うように構成された連節表面を備えるスロット付きコアと、
を備える椎間板。
【請求項71】
前記スロット付きコアの第1の表面は第1の直径を有し、前記ポケットは前記スロット付きコアが前記ポケット内で平行移動できるように前記第1の直径より大きい第2の直径を有する、請求項70に記載の椎間板。
【請求項72】
前記第1と第2の端板間に配置され、前記ポケット内に前記コアを軸方向に保持するように前記ポケットおよび前記スロット付きコアの少なくとも一部に係合するように構成された蓋をさらに備える、請求項70または71に記載の椎間板。
【請求項73】
前記スロット付きコアの前記第2の表面は、前記第2の端板の対応する表面内で連節するように構成された、請求項70から72のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項74】
前記上部及び下部の端板間に配置され、少なくとも前記スロット付きコアおよびポケットを囲繞した膜をさらに備える、請求項70から73のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項75】
前記膜は、前記上下端板をさらに囲繞している、請求項74に記載の椎間板。
【請求項76】
前記膜はエラストマー材料から形成されている、請求項74に記載の椎間板。
【請求項77】
前記膜は蛇腹を備える、請求項74から76のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項78】
前記端板および膜は、少なくとも部分的に流体で充填された内部容量を画定する、請求項74から77のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項79】
前記容量を前記流体で少なくとも部分的に充填する前記容量に連通する弁をさらに備える、請求項78に記載の椎間板。
【請求項80】
前記流体は圧縮可能である、請求項78または79に記載の椎間板。
【請求項81】
前記流体は圧縮不可能である、請求項78または79に記載の椎間板。
【請求項82】
前記端板の少なくとも1つは、金属、ポリマー、セラミック、および複合材料からなる群から選択した材料から形成されている、請求項70から81のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項83】
前記端板の少なくとも1つは、皮質、海綿質、同種移植片、自家移植片、異種移植片、脱塩化または部分的に脱塩化した骨からなる群から選択した骨材料から形成されている、請求項70から82のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項84】
前記第1および第2の外表面の少なくとも1つに配置された移動抵抗構造をさらに備える、請求項70から83のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項85】
前記第1および第2の外表面の少なくとも1つに配置された永久固定手段をさらに備える、請求項70から84のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項86】
前記第1および第2の内または外表面の少なくとも1つに配置された、移植機器の取付け、案内、または維持のための構造をさらに備える、請求項70から85のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項87】
第1と第2の脊椎の間に配置するための椎間板であって、
第1の内表面および第1の外表面を有する第1の端板であって、第1の外表面が前記第1の脊椎と接触する第1の端板と、
第2の内表面および第2の外表面を有する第2の端板であって、第2の外表面が前記第2の脊椎と接触する第2の端板と、
上表面および底表面を有するキャップであって、前記上表面が前記第1の端板の内表面と噛み合うように構成されたキャップと、
前記キャップの底表面と前記第2の端板の内表面の間に配置されたリングばねと、
を備える椎間板。
【請求項88】
リングばねは第1および第2の表面を有し、第1の表面は前記キャップの前記底表面と噛み合うように構成され、第2の表面は前記第2の端板の内表面に形成された前記ポケットと噛み合うように構成された、請求項87に記載の椎間板。
【請求項89】
前記リングばねの第1と第2の端面の間に間隙を画定するスロットをさらに備える椎間板であって、前記間隙は圧縮力が前記キャップによって前記リングばねに加えられた場合に前記端面が互いに近接するように、前記リングばねを弾性的に圧縮できるような大きさである、請求項87または88に記載の椎間板。
【請求項90】
前記リングばねは第1の直径をさらに有し、前記キャップの前記底表面は第2の直径を備える軸方向突起を有し、第1の直径は第2の直径より実質的に大きく、前記キャップの前記底表面が前記リングばねの前記上部第1の表面と係合すると、前記キャップは前記リングばねに対して平行移動することができる、請求項87から89のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項91】
前記第1と第2の表面の間に配置された複数のスロットをさらに備える椎間板であって、前記スロットは圧縮力が前記キャップによって前記リングばねに加えられると、前記リングばねの少なくとも一部を弾性的に圧縮可能にするように動作する、請求項87から90のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項92】
前記突起は前記リングばねの前記第1の直径より大きな外径を有し、前記キャップの突起を前記リングばねの第1の直径に圧入させることができる径方向リップを備える、請求項91に記載の椎間板。
【請求項93】
前記第1と第2の端板の間に配置され、前記ポケット内に前記リングばねおよび前記キャップを軸方向に維持するように、前記ポケットの少なくとも一部、および前記リングばねまたは前記キャップのいずれかと係合するように構成された蓋をさらに備える、請求項87から92のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項94】
前記上部及び下部の端板間に配置された膜をさらに備える、請求項87から93のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項95】
前記上部及び下部の端板間に配置され、少なくとも前記キャップ、リングばね、およびポケットを囲繞した膜をさらに備える、請求項87から94のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項96】
前記膜は前記上部及び下部の端板を囲繞している、請求項95に記載の椎間板。
【請求項97】
前記膜はエラストマー材料から形成されている、請求項95または96に記載の椎間板。
【請求項98】
前記膜は蛇腹を備える、請求項95から97のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項99】
前記端板および膜は、少なくとも部分的に流体で充填された内部容量を画定する、請求項95から98のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項100】
前記容量を前記流体で少なくとも部分的に充填する前記容量と連通する弁をさらに備える、請求項99に記載の椎間板。
【請求項101】
前記流体は非圧縮流体である、請求項99または100に記載の椎間板。
【請求項102】
前記流体は圧縮流体である、請求項99または100に記載の椎間板。
【請求項103】
前記端板の少なくとも1つは、金属、ポリマー、セラミック、および複合材料からなる群から選択した材料から形成されている、請求項87から102のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項104】
前記端板の少なくとも1つは、皮質、海綿質、同種移植片、自家移植片、異種移植片、脱塩化または部分的に脱塩化した骨からなる群から選択した骨材料から形成されている、請求項87から103のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項105】
前記第1および第2の外表面の少なくとも1つに配置された移動抵抗構造をさらに備える、請求項87から104のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項106】
前記第1および第2の外表面のいずれか1つに配置された永久固定手段をさらに備える、請求項87から105のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項107】
前記第1および第2の内または外表面の少なくとも1つに配置された、移植機器の取付け、案内、または維持のための構造をさらに備える、請求項87から106のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項108】
第1と第2の脊椎の間に配置するための椎間板であって、
第1の内表面および第1の外表面を有する第1の端板であって、第1の外表面は前記第1の脊椎と接触する第1の端板と、
第2の内表面および第2の外表面を有する第2の端板であって、第2の外表面は前記第2の脊椎と接触する第2の端板と、
前記第2の端板と係合するように構成された第1および第2の弾性端部を有すると共に長さを有した板ばねであって、第1および第2の表面を有する中心本体をさらに備える、該第1の表面が連接表面を備えた板ばねと、
を備える椎間板。
【請求項109】
前記第2の端板は、前記板ばねの長さより小さな長さを有するくぼみ部をさらに備え、前記板ばねは前記第1および第2の弾力性端部が前記端板の内表面上に支持されており、前記中心本体が前記端板のくぼみ部の上に位置決めされているように前記第2の端板と係合し、圧縮力が前記板ばねの第1の表面に加えられて、前記第2の表面が前記くぼみ部表面に接触できるようになると、前記中心本体の少なくとも一部が前記くぼみ部内に移動することができる、請求項108に記載の椎間板。
【請求項110】
前記くぼみ部はくぼみ部表面をさらに備え、前記板ばねの第2の表面および前記くぼみ部表面は、所定の圧縮力が前記板ばねの第1の表面に加えられると、前記板ばねの第2の表面は前記くぼみ部表面の少なくとも一部と接触するように、間に間隙を画定するように構成されている、請求項108または109に記載の椎間板。
【請求項111】
前記中心本体および前記くぼみ部は、前記板ばねが前記第2の端板に対して少なくとも一方向に平行移動することができるように構成されている、請求項109から110のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項112】
前記第1の端板は、前記板ばねの連節表面に対応するように構成された連節表面をさらに有する、請求項108から111のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項113】
前記連節表面は、前記板ばねが前記第1の端板に対して連節および平行移動できるように構成された、請求項112に記載の椎間板。
【請求項114】
前記第1と第2の端板の間に配置された膜をさらに備える、請求項108から113のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項115】
前記上下端面間に配置され、少なくとも前記板ばねを囲繞した膜をさらに備える、請求項114に記載の椎間板。
【請求項116】
前記膜は前記第1および第2の端板を囲繞している、請求項114または115に記載の椎間板。
【請求項117】
前記膜はエラストマー材料から形成されている、請求項114から116のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項118】
前記膜は蛇腹を備える、請求項114から117のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項119】
前記端板および膜は、少なくとも一部が流体で充填された内部容量を画定する、請求項114から118のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項120】
前記容量を前記流体で少なくとも部分的に充填する前記容量に連通する弁をさらに備える、請求項119に記載の椎間板。
【請求項121】
前記流体は圧縮不可能である、請求項119または120に記載の椎間板。
【請求項122】
前記端板の少なくとも1つは、金属、ポリマー、セラミック、および複合材料からなる群から選択した材料から形成されている、請求項108から121のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項123】
前記端板の少なくとも1つは、皮質、海綿質、同種移植片、自家移植片、異種移植片、脱塩化または部分的に脱塩化した骨からなる群から選択した骨材料から形成されている、請求項108から122のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項124】
前記第1および第2の外表面の少なくとも1つに配置された移動抵抗構造をさらに備える、請求項108から123のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項125】
前記第1および第2の外表面の少なくとも1つに配置された永久固定手段をさらに備える、請求項108から124のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項126】
前記第1および第2の内または外表面の少なくとも1つに配置された、移植機器の取付け、案内、または維持のための構造をさらに備える、請求項108から125のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項127】
第1と第2の脊椎の間に配置するための椎間板において、
第1の内表面および第1の外表面を有する第1の端板であって、該第1の外表面が前記第1の脊椎と接触するように構成された第1の端板と、
第2の内表面および第2の外表面を有する第2の端板であって、該第2の外表面が前記第2の脊椎と接触するように構成された第2の端板と、
前記第1の端板に結合する第1の表面を有する第1の連節部材と、
少なくとも前記第2の端板に結合する第1の表面、および前記第1の連節部材の第2の表面に結合した第2の表面を有する板ばねと、を備える椎間板であって、
前記第1の連節部材は前記第1および第2の端板が互いに対して連節できるように構成されており、前記板ばねは前記端板が前記端板の少なくとも1つに加えられる圧縮力に応じて互いに接近することができるように構成されている椎間板。
【請求項128】
前記第1の端板の内表面および前記第1の連節部材の第1の表面のいずれか一方は凹状表面を備え、もう一方の表面は凸形状をしており、前記表面は前記連節部材が前記第1の端板に対して連節できるように構成されている、請求項127に記載の椎間板。
【請求項129】
前記第1の端板の内表面は凹形状をしており、前記第1の連節部材は対応する凸形状をしている、請求項127または128に記載の椎間板。
【請求項130】
前記第1の端板の内表面に結合した第1の表面、および前記第1の連節部材の第1の表面に結合した第2の表面を有する第2の連節部材をさらに備える、請求項127から129のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項131】
前記第2の連節部材の第2の表面は凹形状をしており、前記第1の連節部材の凸状の第1の表面に対応するように構成されている、請求項130に記載の椎間板。
【請求項132】
前記凹凸状表面は、前記連節部材間の連節および平行移動の両方を可能にするように構成されている、請求項131に記載の椎間板。
【請求項133】
前記連節部材の少なくとも1つは、前記第1または第2の端板の一方の材料とは異なる材料を備える、請求項130から132のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項134】
前記第1の端板の内表面および前記連節部材の第1の表面は、前記連節部材が前記第1の端板に対して平行移動できるようにさらに構成された、請求項127から133のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項135】
前記第2の端板は前記第2の内表面内にくぼみ部をさらに備え、前記板ばねは少なくとも前記板ばねの両端部が前記内表面によって支持され、前記板ばねの中心部分は、前記くぼみ部の上に位置決めされているように、前記くぼみ部にかかるのに十分な長さをしており、前記中心部分は圧縮力が前記板ばねの第2の表面に加えられると、前記くぼみ部内に移動することができる、請求項127から134のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項136】
前記第2の端板は、前記板ばねが少なくとも一方向に前記第2の端板に対して平行移動することができるような大きさおよび形状をしている周縁部をさらに備える、請求項135に記載の椎間板。
【請求項137】
前記第2の端板はさらに、前記板ばねが少なくとももう一方の方向に平行移動するのを防ぐような大きさおよび形状をしている周縁部をさらに備える、請求項135または136に記載の椎間板。
【請求項138】
前記板ばねの第2の表面は、前記連節部材の第2の表面に形成された突起を受け入れるように構成されたくぼみ部をさらに備える、請求項134から137のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項139】
前記くぼみ部および突起は、前記連節部材が前記板ばねに対して少なくとも一方向に平行移動することができるような大きさおよび形状をしている、請求項138に記載の椎間板。
【請求項140】
前記第2の端板の少なくとも一部と係合し、前記板ばねが前記第2の端板から軸方向に係脱しないようにするため前記板ばねの少なくとも一部を覆うように構成されたキャップ部材をさらに備える、請求項136から139のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項141】
前記キャップ部材は、少なくとも一方向への前記端板間の連節を制限するように、前記第1の端板に結合する少なくとも1つの隆起部と接触するように構成された少なくとも1つの隆起部をさらに備える、請求項135から140のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項142】
前記隆起部は、対応する平坦な表面輪郭を有する、請求項141に記載の椎間板。
【請求項143】
前記隆起部は、対応するように角度付けされた表面を有する、請求項141または142に記載の椎間板。
【請求項144】
前記端板の少なくとも1つは、金属、ポリマー、セラミック、および複合材料からなる群から選択した材料から形成されている、請求項127から143のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項145】
前記端板の少なくとも1つは、皮質、海綿質、同種移植片、自家移植片、異種移植片、脱塩化または部分的に脱塩化した骨からなる群から選択した骨材料から形成されている、請求127から144のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項146】
前記第1および第2の外表面の少なくとも1つに配置された移動抵抗構造をさらに備える、請求項127から145のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項147】
前記第1および第2の外表面のいずれか1つに配置された永久固定手段をさらに備える、請求項127から146のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項148】
前記第1および第2の内または外表面の少なくとも1つに配置された、移植機器の取付け、案内、または維持のための構造をさらに備える、請求項127から147のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項1】
第1と第2の脊椎の間に配置するための椎間板であって、
第1の内表面および第1の外表面を有する上部端板であって、該第1の外表面が前記第1の脊椎と接触するように構成された上部端板と、
第2の内表面および第2の外表面を有する下部端板であって、該第2の外表面が前記第2の脊椎と接触するように構成された下部端板と、
前記上部端板と前記下部端板との間に延在した膜と、
前記上部端板と下部端板の間に配置された少なくとも1つの弾性部材であって、少なくとも一方の前記端板に結合した少なくとも1つのソケット内で、連節するように構成された少なくとも1つのアーチ状表面部材に結合した弾性部材と、
を備える、ことを特徴とする椎間板。
【請求項2】
前記少なくとも1つの弾性部材は第1の端部および第2の端部を備え、第1の端部はアーチ状表面部材に結合し、第2の端部は前記端板の一方の内表面に形成されたくぼみ部内に配置されている、請求項1に記載の椎間板。
【請求項3】
前記少なくとも1つのアーチ状表面部材は、前記端板の一方の内表面に形成された前記くぼみ部内に固定されている、請求項1または2に記載の椎間板。
【請求項4】
前記少なくとも1つの弾性部材は、第1および第2の端部をさらに備え、各端部は、別個のアーチ状表面部材にさらに連結されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項5】
前記少なくとも1つのアーチ状部材および前記弾性部材は、前記上部及び下部の端板間において、平行移動を可能にするように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項6】
前記少なくとも1つの弾性部材は、少なくとも1つの第1の弾性部材と、複数の第2の弾性部材を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第1の弾性部材は第1のばね定数を有し、前記少なくとも1つの第2の弾性部材は第2のばね定数を有し、前記第1および第2のばね定数は実質的に同じではない、請求項6に記載の椎間板。
【請求項8】
前記第1のばね定数は、前記第2のばね定数より実質的に大きい、請求項7に記載の椎間板。
【請求項9】
第3の弾性部材をさらに備える椎間板であって、前記第2および第3の弾性部材は前記第1の部材より椎間板の周縁部の近くに配置されている、請求項8に記載の椎間板。
【請求項10】
前記第1の弾性部材および前記複数の第2の弾性部材のそれぞれは、前記端板の一方の内表面に形成された対応する各ソケット内で、連節するように構成された少なくとも1つの各アーチ状表面部材に取り付けられている、請求項6に記載の椎間板。
【請求項11】
前記上部及び下部の端板間に配置された少なくとも1つのエラストマー支柱をさらに備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項12】
前記少なくとも1つの弾性部材に隣接して配置されたケーシング部材をさらに備える椎間板であって、ケーシング部材は前記弾性部材に結合する前記アーチ状表面部材と係合するように構成された連節表面を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項13】
前記弾性部材およびアーチ状表面部材は一体形成されている、請求項1から12のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項14】
前記上部及び下部の端板間に配置された膜をさらに備え、膜は前記少なくとも1つの弾性部材の少なくとも一部を囲繞している、請求項1から13のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項15】
前記膜は前記上部及び下部の端板を囲繞している、請求項1から14のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項16】
前記膜はエラストマー材料から形成されている、請求項1から15のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項17】
前記膜は蛇腹を備える、請求項1から16のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項18】
前記端板および膜は、少なくとも一部が流体で充填された内部容量を画定する、請求項1から17のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項19】
前記容量を前記流体で少なくとも部分的に充填する前記容量と連通する弁をさらに備える、請求項18に記載の椎間板。
【請求項20】
前記流体は圧縮可能である、請求項18または19に記載の椎間板。
【請求項21】
前記流体は圧縮不可能である、請求項18または19に記載の椎間板。
【請求項22】
前記膜は少なくとも半透性である、請求項18から21のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項23】
前記膜は非浸透性である、請求項18から22のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項24】
前記端板の少なくとも1つは、金属、ポリマー、セラミック、および複合材料からなる群から選択した材料から形成されている、請求項1から23のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項25】
前記端板の少なくとも1つは、皮質、海綿質、同種移植片、自家移植片、異種移植片、脱塩化または部分的に脱塩化された骨からなる群から選択した骨材料から形成されている、請求項1から24のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項26】
前記第1および第2の外表面の少なくとも1つに配置された移動抵抗構造をさらに備える、請求項1から25のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項27】
前記第1および第2の外表面少なくとも1つに配置された永久固定手段をさらに備える、請求項1から26のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項28】
前記第1または第2の端板の少なくとも一方に配置された移植機器の取付け、案内、または維持のための構造をさらに備える、請求項1から27のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項29】
第1と第2の脊椎の間に配置するための椎間板であって、
第1の内表面および第1の外表面を有する第1の端板であって、該第1の外表面が前記第1の脊椎と接触する第1の端板と、
第2の内表面および第2の外表面を有する第2の端板であって、該第2の外表面が前記第2の脊椎と接触する第2の端板と、
前記第1の端板と前記第2の端板の間に延在した膜と、
前記端板間に配置され、第1および第2の端部を有する少なくとも1つの板ばねであって、第1の端部は前記第1の端板に取り付けられ、前記第2の端部は前記板ばねへの力に応じて、前記第1の端板の前記内表面に沿って横方向に動作可能なように構成された板ばねと、
を備える椎間板。
【請求項30】
前記板ばねの第2の端部は、前記板ばねへの力に応じて、前記第1の端板の前記内表面に沿って前記第2の端部が転動することができるように構成されたローラをさらに備える、請求項29に記載の椎間板。
【請求項31】
前記第2の端部は、前記ローラを旋回可能に取り付ける回転軸をさらに備える、請求項29または30に記載の椎間板。
【請求項32】
前記ローラは丸みを帯びた端部を備える、請求項31に記載の椎間板。
【請求項33】
前記板ばねは、前記第1と第2の端部の間に配置された中間部を備え、中間部は前記第2の端板の前記内表面と噛み合うように構成された連節表面をさらに有する、請求項29から32のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項34】
前記第2の端板の前記内表面は、前記板ばね中間部の前記連節表面と噛み合うように構成された連節表面をさらに備える、請求項33に記載の椎間板。
【請求項35】
前記第2の端板の内表面は、前記板ばねの中間部の前記連節表面と噛み合うように構成されたパッドをさらに備える、請求項33に記載の椎間板。
【請求項36】
上部及び下部の端板間に配置され、前記板ばねを囲繞した膜をさらに備える、請求項29から35のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項37】
前記膜は前記上部及び下部の端板を囲繞している、請求項29から36のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項38】
前記膜はエラストマー材料から形成されている、請求項29から37のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項39】
前記膜は蛇腹を備える、請求項29から38のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項40】
前記端板および膜は、少なくとも一部が流体で充填された内部容量を画定する、請求項29から39のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項41】
前記容量を前記流体で少なくとも部分的に充填する前記容量に連通する弁をさらに備える、請求項40に記載の椎間板。
【請求項42】
前記流体は圧縮可能である、請求項40または41に記載の椎間板。
【請求項43】
前記流体は圧縮不可能である、請求項40または41に記載の椎間板。
【請求項44】
前記膜は少なくとも半透性である、請求項40から43のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項45】
前記膜は非浸透性である、請求項40から43のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項46】
前記端板の少なくとも1つは、金属、ポリマー、セラミック、および複合材料からなる群から選択した材料から形成されている、請求項29から45のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項47】
前記端板の少なくとも1つは、皮質、海綿質、同種移植片、自家移植片、異種移植片、脱塩化または部分的に脱塩化した骨からなる群から選択した骨材料から形成されている、請求項29から46のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項48】
前記第1および第2の外表面の少なくとも1つに配置された移動抵抗構造をさらに備える、請求項29から47のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項49】
前記第1および第2の外表面の少なくとも1つに配置された永久固定手段をさらに備える、請求項29から48のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項50】
前記端板の少なくとも1つは、皮質、海綿質、同種移植片、自家移植片、異種移植片、脱塩化または部分的に脱塩化した骨からなる群から選択した骨材料から形成されている、請求項29から49のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項51】
第1と第2の脊椎の間に配置するための椎間板であって、
第1の内表面および第1の外表面を有する第1の端板であって、該第1の外表面が前記第1の脊椎と接触する第1の端板と、
第2の内表面および第2の外表面を有する第2の端板であって、該第2の外表面が前記第2の脊椎と接触する第2の端板と、
前記第1の端板と前記第2の端板の間に延在した膜と、
前記第1と第2の端板間に配置され、第1および第2の表面を有する連節部材であって、第1の表面は少なくとも1つの端板の内表面と噛み合うように構成された連節部材と、
前記第2の表面と前記一方の端板との間に配置された衝撃吸収要素と、
を備える椎間板。
【請求項52】
前記端板の1つの内表面は、前記連節部材と噛み合うように構成された連節表面をさらに備える、請求項51に記載の椎間板。
【請求項53】
前記連節表面は連節パッドをさらに備える、請求項51または52に記載の椎間板。
【請求項54】
前記連節表面は、前記連節パッドの少なくとも一部を受けるような大きさおよび形状をしたくぼみ部をさらに備え、くぼみ部は前記連節パッドが前記連節表面に対して少なくとも一方向に平行移動することができるようにさらに構成された、請求項51から53のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項55】
前記上部及び下部の端板間に配置され、前記連節部材を囲繞した膜をさらに備える、請求項51から54のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項56】
前記膜は前記第1および第2の端板を囲繞している、請求項51から55のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項57】
前記膜はエラストマー材料から形成されている、請求項51から56のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項58】
前記膜は蛇腹を備え、前記蛇腹は少なくとも衝撃吸収要素を包含している、請求項51から57のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項59】
前記端板および膜は、少なくとも部分的に流体で充填された内部容量を画定する、請求項51から58のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項60】
前記容量を前記流体で少なくとも部分的に充填する前記容量と連通する弁をさらに備える、請求項59に記載の椎間板。
【請求項61】
前記流体は圧縮可能である、請求項59に記載の椎間板。
【請求項62】
前記流体は圧縮不可能である、請求項59または60に記載の椎間板。
【請求項63】
前記膜は少なくとも半透性である、請求項59または60に記載の椎間板。
【請求項64】
前記膜は非浸透性である、請求項59または60に記載の椎間板。
【請求項65】
前記端板の少なくとも1つは、金属、ポリマー、セラミック、および複合材料からなる群から選択した材料から形成されている、請求項51に記載の椎間板。
【請求項66】
前記端板の少なくとも1つは、皮質、海綿質、同種移植片、自家移植片、異種移植片、脱塩化または部分的に脱塩化した骨からなる群から選択した骨材料から形成されている、請求項51から65のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項67】
前記第1および第2の外表面の少なくとも1つに配置された移動抵抗構造をさらに備える、請求項51から66のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項68】
前記第1および第2の外表面の少なくとも1つに配置された永久固定手段をさらに備える、請求項51から67のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項69】
前記第1および第2の内および/または外表面の少なくとも1つに配置された、移植機器の取付け、案内、または維持のための構造をさらに備える、請求項51から68のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項70】
第1と第2の脊椎の間に配置するための椎間板であって、
第1の内表面および第1の外表面を有する第1の端板であって、第1の外表面が前記第1の脊椎と接触する第1の端板と、
第2の内表面および第2の外表面を有する第2の端板であって、第2の外表面が前記第2の脊椎と接触する第2の端板と、
前記第1と第2の端板の間に配置され、第1および第2の表面を有するスロット付きコアであって、第1の表面は、前記第1の端板の内表面に形成されたポケットと噛み合うように構成され、第2の表面は、前記第2の端板に結合した対応する表面と噛み合うように構成された連節表面を備えるスロット付きコアと、
を備える椎間板。
【請求項71】
前記スロット付きコアの第1の表面は第1の直径を有し、前記ポケットは前記スロット付きコアが前記ポケット内で平行移動できるように前記第1の直径より大きい第2の直径を有する、請求項70に記載の椎間板。
【請求項72】
前記第1と第2の端板間に配置され、前記ポケット内に前記コアを軸方向に保持するように前記ポケットおよび前記スロット付きコアの少なくとも一部に係合するように構成された蓋をさらに備える、請求項70または71に記載の椎間板。
【請求項73】
前記スロット付きコアの前記第2の表面は、前記第2の端板の対応する表面内で連節するように構成された、請求項70から72のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項74】
前記上部及び下部の端板間に配置され、少なくとも前記スロット付きコアおよびポケットを囲繞した膜をさらに備える、請求項70から73のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項75】
前記膜は、前記上下端板をさらに囲繞している、請求項74に記載の椎間板。
【請求項76】
前記膜はエラストマー材料から形成されている、請求項74に記載の椎間板。
【請求項77】
前記膜は蛇腹を備える、請求項74から76のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項78】
前記端板および膜は、少なくとも部分的に流体で充填された内部容量を画定する、請求項74から77のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項79】
前記容量を前記流体で少なくとも部分的に充填する前記容量に連通する弁をさらに備える、請求項78に記載の椎間板。
【請求項80】
前記流体は圧縮可能である、請求項78または79に記載の椎間板。
【請求項81】
前記流体は圧縮不可能である、請求項78または79に記載の椎間板。
【請求項82】
前記端板の少なくとも1つは、金属、ポリマー、セラミック、および複合材料からなる群から選択した材料から形成されている、請求項70から81のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項83】
前記端板の少なくとも1つは、皮質、海綿質、同種移植片、自家移植片、異種移植片、脱塩化または部分的に脱塩化した骨からなる群から選択した骨材料から形成されている、請求項70から82のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項84】
前記第1および第2の外表面の少なくとも1つに配置された移動抵抗構造をさらに備える、請求項70から83のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項85】
前記第1および第2の外表面の少なくとも1つに配置された永久固定手段をさらに備える、請求項70から84のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項86】
前記第1および第2の内または外表面の少なくとも1つに配置された、移植機器の取付け、案内、または維持のための構造をさらに備える、請求項70から85のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項87】
第1と第2の脊椎の間に配置するための椎間板であって、
第1の内表面および第1の外表面を有する第1の端板であって、第1の外表面が前記第1の脊椎と接触する第1の端板と、
第2の内表面および第2の外表面を有する第2の端板であって、第2の外表面が前記第2の脊椎と接触する第2の端板と、
上表面および底表面を有するキャップであって、前記上表面が前記第1の端板の内表面と噛み合うように構成されたキャップと、
前記キャップの底表面と前記第2の端板の内表面の間に配置されたリングばねと、
を備える椎間板。
【請求項88】
リングばねは第1および第2の表面を有し、第1の表面は前記キャップの前記底表面と噛み合うように構成され、第2の表面は前記第2の端板の内表面に形成された前記ポケットと噛み合うように構成された、請求項87に記載の椎間板。
【請求項89】
前記リングばねの第1と第2の端面の間に間隙を画定するスロットをさらに備える椎間板であって、前記間隙は圧縮力が前記キャップによって前記リングばねに加えられた場合に前記端面が互いに近接するように、前記リングばねを弾性的に圧縮できるような大きさである、請求項87または88に記載の椎間板。
【請求項90】
前記リングばねは第1の直径をさらに有し、前記キャップの前記底表面は第2の直径を備える軸方向突起を有し、第1の直径は第2の直径より実質的に大きく、前記キャップの前記底表面が前記リングばねの前記上部第1の表面と係合すると、前記キャップは前記リングばねに対して平行移動することができる、請求項87から89のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項91】
前記第1と第2の表面の間に配置された複数のスロットをさらに備える椎間板であって、前記スロットは圧縮力が前記キャップによって前記リングばねに加えられると、前記リングばねの少なくとも一部を弾性的に圧縮可能にするように動作する、請求項87から90のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項92】
前記突起は前記リングばねの前記第1の直径より大きな外径を有し、前記キャップの突起を前記リングばねの第1の直径に圧入させることができる径方向リップを備える、請求項91に記載の椎間板。
【請求項93】
前記第1と第2の端板の間に配置され、前記ポケット内に前記リングばねおよび前記キャップを軸方向に維持するように、前記ポケットの少なくとも一部、および前記リングばねまたは前記キャップのいずれかと係合するように構成された蓋をさらに備える、請求項87から92のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項94】
前記上部及び下部の端板間に配置された膜をさらに備える、請求項87から93のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項95】
前記上部及び下部の端板間に配置され、少なくとも前記キャップ、リングばね、およびポケットを囲繞した膜をさらに備える、請求項87から94のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項96】
前記膜は前記上部及び下部の端板を囲繞している、請求項95に記載の椎間板。
【請求項97】
前記膜はエラストマー材料から形成されている、請求項95または96に記載の椎間板。
【請求項98】
前記膜は蛇腹を備える、請求項95から97のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項99】
前記端板および膜は、少なくとも部分的に流体で充填された内部容量を画定する、請求項95から98のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項100】
前記容量を前記流体で少なくとも部分的に充填する前記容量と連通する弁をさらに備える、請求項99に記載の椎間板。
【請求項101】
前記流体は非圧縮流体である、請求項99または100に記載の椎間板。
【請求項102】
前記流体は圧縮流体である、請求項99または100に記載の椎間板。
【請求項103】
前記端板の少なくとも1つは、金属、ポリマー、セラミック、および複合材料からなる群から選択した材料から形成されている、請求項87から102のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項104】
前記端板の少なくとも1つは、皮質、海綿質、同種移植片、自家移植片、異種移植片、脱塩化または部分的に脱塩化した骨からなる群から選択した骨材料から形成されている、請求項87から103のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項105】
前記第1および第2の外表面の少なくとも1つに配置された移動抵抗構造をさらに備える、請求項87から104のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項106】
前記第1および第2の外表面のいずれか1つに配置された永久固定手段をさらに備える、請求項87から105のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項107】
前記第1および第2の内または外表面の少なくとも1つに配置された、移植機器の取付け、案内、または維持のための構造をさらに備える、請求項87から106のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項108】
第1と第2の脊椎の間に配置するための椎間板であって、
第1の内表面および第1の外表面を有する第1の端板であって、第1の外表面は前記第1の脊椎と接触する第1の端板と、
第2の内表面および第2の外表面を有する第2の端板であって、第2の外表面は前記第2の脊椎と接触する第2の端板と、
前記第2の端板と係合するように構成された第1および第2の弾性端部を有すると共に長さを有した板ばねであって、第1および第2の表面を有する中心本体をさらに備える、該第1の表面が連接表面を備えた板ばねと、
を備える椎間板。
【請求項109】
前記第2の端板は、前記板ばねの長さより小さな長さを有するくぼみ部をさらに備え、前記板ばねは前記第1および第2の弾力性端部が前記端板の内表面上に支持されており、前記中心本体が前記端板のくぼみ部の上に位置決めされているように前記第2の端板と係合し、圧縮力が前記板ばねの第1の表面に加えられて、前記第2の表面が前記くぼみ部表面に接触できるようになると、前記中心本体の少なくとも一部が前記くぼみ部内に移動することができる、請求項108に記載の椎間板。
【請求項110】
前記くぼみ部はくぼみ部表面をさらに備え、前記板ばねの第2の表面および前記くぼみ部表面は、所定の圧縮力が前記板ばねの第1の表面に加えられると、前記板ばねの第2の表面は前記くぼみ部表面の少なくとも一部と接触するように、間に間隙を画定するように構成されている、請求項108または109に記載の椎間板。
【請求項111】
前記中心本体および前記くぼみ部は、前記板ばねが前記第2の端板に対して少なくとも一方向に平行移動することができるように構成されている、請求項109から110のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項112】
前記第1の端板は、前記板ばねの連節表面に対応するように構成された連節表面をさらに有する、請求項108から111のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項113】
前記連節表面は、前記板ばねが前記第1の端板に対して連節および平行移動できるように構成された、請求項112に記載の椎間板。
【請求項114】
前記第1と第2の端板の間に配置された膜をさらに備える、請求項108から113のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項115】
前記上下端面間に配置され、少なくとも前記板ばねを囲繞した膜をさらに備える、請求項114に記載の椎間板。
【請求項116】
前記膜は前記第1および第2の端板を囲繞している、請求項114または115に記載の椎間板。
【請求項117】
前記膜はエラストマー材料から形成されている、請求項114から116のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項118】
前記膜は蛇腹を備える、請求項114から117のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項119】
前記端板および膜は、少なくとも一部が流体で充填された内部容量を画定する、請求項114から118のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項120】
前記容量を前記流体で少なくとも部分的に充填する前記容量に連通する弁をさらに備える、請求項119に記載の椎間板。
【請求項121】
前記流体は圧縮不可能である、請求項119または120に記載の椎間板。
【請求項122】
前記端板の少なくとも1つは、金属、ポリマー、セラミック、および複合材料からなる群から選択した材料から形成されている、請求項108から121のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項123】
前記端板の少なくとも1つは、皮質、海綿質、同種移植片、自家移植片、異種移植片、脱塩化または部分的に脱塩化した骨からなる群から選択した骨材料から形成されている、請求項108から122のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項124】
前記第1および第2の外表面の少なくとも1つに配置された移動抵抗構造をさらに備える、請求項108から123のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項125】
前記第1および第2の外表面の少なくとも1つに配置された永久固定手段をさらに備える、請求項108から124のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項126】
前記第1および第2の内または外表面の少なくとも1つに配置された、移植機器の取付け、案内、または維持のための構造をさらに備える、請求項108から125のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項127】
第1と第2の脊椎の間に配置するための椎間板において、
第1の内表面および第1の外表面を有する第1の端板であって、該第1の外表面が前記第1の脊椎と接触するように構成された第1の端板と、
第2の内表面および第2の外表面を有する第2の端板であって、該第2の外表面が前記第2の脊椎と接触するように構成された第2の端板と、
前記第1の端板に結合する第1の表面を有する第1の連節部材と、
少なくとも前記第2の端板に結合する第1の表面、および前記第1の連節部材の第2の表面に結合した第2の表面を有する板ばねと、を備える椎間板であって、
前記第1の連節部材は前記第1および第2の端板が互いに対して連節できるように構成されており、前記板ばねは前記端板が前記端板の少なくとも1つに加えられる圧縮力に応じて互いに接近することができるように構成されている椎間板。
【請求項128】
前記第1の端板の内表面および前記第1の連節部材の第1の表面のいずれか一方は凹状表面を備え、もう一方の表面は凸形状をしており、前記表面は前記連節部材が前記第1の端板に対して連節できるように構成されている、請求項127に記載の椎間板。
【請求項129】
前記第1の端板の内表面は凹形状をしており、前記第1の連節部材は対応する凸形状をしている、請求項127または128に記載の椎間板。
【請求項130】
前記第1の端板の内表面に結合した第1の表面、および前記第1の連節部材の第1の表面に結合した第2の表面を有する第2の連節部材をさらに備える、請求項127から129のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項131】
前記第2の連節部材の第2の表面は凹形状をしており、前記第1の連節部材の凸状の第1の表面に対応するように構成されている、請求項130に記載の椎間板。
【請求項132】
前記凹凸状表面は、前記連節部材間の連節および平行移動の両方を可能にするように構成されている、請求項131に記載の椎間板。
【請求項133】
前記連節部材の少なくとも1つは、前記第1または第2の端板の一方の材料とは異なる材料を備える、請求項130から132のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項134】
前記第1の端板の内表面および前記連節部材の第1の表面は、前記連節部材が前記第1の端板に対して平行移動できるようにさらに構成された、請求項127から133のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項135】
前記第2の端板は前記第2の内表面内にくぼみ部をさらに備え、前記板ばねは少なくとも前記板ばねの両端部が前記内表面によって支持され、前記板ばねの中心部分は、前記くぼみ部の上に位置決めされているように、前記くぼみ部にかかるのに十分な長さをしており、前記中心部分は圧縮力が前記板ばねの第2の表面に加えられると、前記くぼみ部内に移動することができる、請求項127から134のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項136】
前記第2の端板は、前記板ばねが少なくとも一方向に前記第2の端板に対して平行移動することができるような大きさおよび形状をしている周縁部をさらに備える、請求項135に記載の椎間板。
【請求項137】
前記第2の端板はさらに、前記板ばねが少なくとももう一方の方向に平行移動するのを防ぐような大きさおよび形状をしている周縁部をさらに備える、請求項135または136に記載の椎間板。
【請求項138】
前記板ばねの第2の表面は、前記連節部材の第2の表面に形成された突起を受け入れるように構成されたくぼみ部をさらに備える、請求項134から137のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項139】
前記くぼみ部および突起は、前記連節部材が前記板ばねに対して少なくとも一方向に平行移動することができるような大きさおよび形状をしている、請求項138に記載の椎間板。
【請求項140】
前記第2の端板の少なくとも一部と係合し、前記板ばねが前記第2の端板から軸方向に係脱しないようにするため前記板ばねの少なくとも一部を覆うように構成されたキャップ部材をさらに備える、請求項136から139のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項141】
前記キャップ部材は、少なくとも一方向への前記端板間の連節を制限するように、前記第1の端板に結合する少なくとも1つの隆起部と接触するように構成された少なくとも1つの隆起部をさらに備える、請求項135から140のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項142】
前記隆起部は、対応する平坦な表面輪郭を有する、請求項141に記載の椎間板。
【請求項143】
前記隆起部は、対応するように角度付けされた表面を有する、請求項141または142に記載の椎間板。
【請求項144】
前記端板の少なくとも1つは、金属、ポリマー、セラミック、および複合材料からなる群から選択した材料から形成されている、請求項127から143のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項145】
前記端板の少なくとも1つは、皮質、海綿質、同種移植片、自家移植片、異種移植片、脱塩化または部分的に脱塩化した骨からなる群から選択した骨材料から形成されている、請求127から144のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項146】
前記第1および第2の外表面の少なくとも1つに配置された移動抵抗構造をさらに備える、請求項127から145のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項147】
前記第1および第2の外表面のいずれか1つに配置された永久固定手段をさらに備える、請求項127から146のいずれか一項に記載の椎間板。
【請求項148】
前記第1および第2の内または外表面の少なくとも1つに配置された、移植機器の取付け、案内、または維持のための構造をさらに備える、請求項127から147のいずれか一項に記載の椎間板。
【図1】
【図2】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3】
【図4】
【図4a】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10】
【図2】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3】
【図4】
【図4a】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10】
【公表番号】特表2006−514559(P2006−514559A)
【公表日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−529427(P2004−529427)
【出願日】平成15年8月15日(2003.8.15)
【国際出願番号】PCT/US2003/025536
【国際公開番号】WO2004/016217
【国際公開日】平成16年2月26日(2004.2.26)
【出願人】(505055192)
【出願人】(505055170)
【出願人】(505055273)
【出願人】(505055206)
【出願人】(505055295)
【出願人】(505055310)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年8月15日(2003.8.15)
【国際出願番号】PCT/US2003/025536
【国際公開番号】WO2004/016217
【国際公開日】平成16年2月26日(2004.2.26)
【出願人】(505055192)
【出願人】(505055170)
【出願人】(505055273)
【出願人】(505055206)
【出願人】(505055295)
【出願人】(505055310)
【Fターム(参考)】
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