説明

制御された移転生体試料採取装置およびその装置を使用する方法

本発明の分野は、乾燥固体の貯蔵および移転媒体を使用する、制御された移転生体採取装置、および貯蔵および/またはその後の解析に適した形で、関心ある生体物質(遺伝物質またはタンパク性物質)を採取する方法に関する。具体的には、本発明は、貯蔵媒体および検体採取面を有した可動試料採取部材を保持することによって、貯蔵媒体への生体試料の移転を制御するサンプリング装置を提供する。さらに、本発明は、この採取装置上に生物学的検体を貯蔵するだけでなく、自動解析システムに適した方法を使用して、貯蔵された生物学的検体の解析も行う方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2007年2月16日出願の米国特許出願第11/707,313号の一部継続出願であり、その開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本発明の分野は、乾燥固体の貯蔵および移転媒体を使用する、制御された移転生体採取装置、ならびに貯蔵および/またはその後の解析に適した形で、対象とする生体物質(遺伝物質またはタンパク性物質)を採取する方法に関する。具体的には、本発明は、貯蔵媒体および検体採取面を有した可動試料採取部材を保持することによって、貯蔵媒体への生体試料の移転を制御するサンプリング装置を提供する。さらに、本発明は、この採取装置上に生物学的検体を貯蔵するだけでなく、自動解析システムに適した方法を使用して、貯蔵された生物学的検体の解析も行う方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
米国特許法施行規則1.97および1.98に基づき開示された情報を含む、関連技術を説明する。
生体試料(血液など)の採取および遺伝子解析のための試料からのDNA抽出は、識別目的のため、実父確定検査のため、新生児スクリーニング計画での遺伝子診断検査のため、疾病素因の遺伝子型決定のため、および薬剤感受性の遺伝的特性解析のため、法医学および医学界によって広く使用されている。しかし、血液採取の侵襲性性質のために、代わりに使える非侵襲性の方法が有利になっている。現在の方法には、サイトブラシ、綿棒またはダクロン(Dacron)スワブなど、マウスウォッシュのうがいおよびリンス方法、先端発泡体付きスワブや支持体付きセルロースろ紙採取法(ボード(Bode)方法として知られている)など、いくつかの異なる手段のいずれかを使用して、口腔内部から細胞粘膜をこすり取ることが伴う。これらの方法は、時間のかかる多くの労力を要する抽出方法を必要とする。
【0004】
法医学界への処理済の貯蔵マトリックスの導入は、様々な試料からのDNA抽出をかなり合理化した。非侵襲性口腔細胞採取法を用いた、FTA(登録商標)ブランドの処理済のマトリックス(米国ニュージャージー州Florham ParkのWhatman, Inc.製)の使用は、新たな一連の問題を提起している。従来の口腔スワブの使用の場合、一貫性のある再現可能な方法で、処理済のマトリックスへの口腔細胞の移転に失敗することがある。試料を採取するために使用されるスワブが、その試料を受け取った処理済のマトリックスと別のもので異なった場合、特にその2つが一連の法廷証拠の保管において後で隔離された場合、法医学的トレーサビリティの問題が生じる。
【0005】
生体試料の採取または貯蔵のための処理済のマトリックス、ならびに関連した採取装置の例は、以下の米国特許に見出すことができる。すなわち、米国特許第6,627,226号、米国特許第6,447,804号、米国特許第6,294,203号、米国特許第6,168,922号、米国特許第5,976,572号、米国特許第5,972,386号、米国特許第5,939,259号および米国特許第5,756,126号である。これらの特許は、基本的には、生体試料を安定化するために2つの異なる方法論を使用している。
【0006】
第1の安定化方法は、核酸に結合しない貯蔵媒体として吸収材料と、貯蔵媒体のまわりに浸透させるカオトロピック塩の組み合わせを使用する。(列挙された従来技術および本発明の目的のために、「カオトロピック塩」は、水溶液中の生体分子の二次、三次または四次の構造を変更することが可能な、いかなる物質も含むが、一次構造は、原形を保ったままにする)。カオトロピック塩は、好ましいことに、沈殿反応によって、マトリックスに抑制剤を不可逆的に結合させるように誘導することによって、または抑制剤の実質的に不可逆的な変性を引き起こすことによって、生物源中に存在する、いかなる核酸増幅抑制剤も不活性化するといわれている。適切なカオトロピック塩には、グアニジンイソチオシアネート、グアニジンチオシアネート、塩酸グアニジン、ヨウ化ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、ヨウ化カリウム、イソチオシアン酸ナトリウム、尿素、またはそれらの組み合わせなどのグアニジン塩が含まれる。
【0007】
第2の安定化方法は、乾燥固体貯蔵媒体をやはり使用するが、異なる吸着安定剤または吸収安定剤を使用する。ここで、保護組成は、タンパク質変性剤(陰イオン洗剤など)および遊離基捕捉剤(弱塩基およびキレート剤、および任意選択で尿酸または尿酸塩)を含む。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、乾燥固体の貯蔵および移転媒体を使用する、制御された移転生体採取装置、ならびに貯蔵および/またはその後の解析に適した形で、関心ある生体物質(遺伝物質またはタンパク性物質)を採取する方法に関する。
【0009】
本発明の採取装置は、分解可能な生物起源の検体を含む生体試料のためのものであり、3つの要素を含む。可動試料採取部材が1つの要素であり、貯蔵媒体への移転のために必要な試料より多くの試料を吸収する能力を有することが好ましい検体採取面を備える。貯蔵媒体は、生体試料を採取し貯蔵するのに適しており、貯蔵媒体ホルダによって所定位置に保持される。そのホルダは、貯蔵移転場所に操作員の指を近寄らせないだけでなく、固定位置に貯蔵媒体を保持し、貯蔵媒体と検体採取面の間に接触圧を加えるための保持手段も提供する。また、このホルダは、可動試料採取部材を保持するための手段を有する。したがって、2つの要素、すなわち貯蔵媒体および検体採取面は、トレーサビリティの目的で一緒に保持される。
【0010】
可動試料採取部材保持手段は、機能的に、可動採取部材およびその検体採取面が、試料採取に先立つ検体採取面上に生体試料を採取するための第1の開位置と、試料の採取および移転の後で少なくとも貯蔵媒体の一部分と直面する、または接触する第2の閉位置の間で移動することを可能にする。本発明の目的のために、用語「面」は、単に2次元スペースを言うだけでなく、体積も含む。したがって、「面」は、たとえば発泡体パッドの体積とすることができ、その接触面領域だけを言うのではない。
【0011】
使用の際は、上記に述べた装置を取り、検体採取面を生体試料に接触させる。検体採取面および貯蔵媒体が互いに接触するように、可動採取部材を貯蔵媒体に向けて移動させて、それによって貯蔵媒体への生体試料の移転を可能にする。好ましい実施形態では、そうする際、貯蔵媒体ホルダ上に保持手段を係合し、それによって、移転が完了後に、検体採取面を貯蔵媒体に直面して保持することを可能にする。
【0012】
可動試料採取部材を保持するための手段が弾性部材を含み、それは、貯蔵媒体ホルダ中に形作ることができることが好ましい。一実施形態では、弾性部材は、使用の際、それが可動採取部材と係合し、固定位置に可動採取部材を取り外し可能に保持し、したがって可動採取部材の面が貯蔵媒体と接触状態になり、それによって、可動採取部材の面と貯蔵媒体の間に、一様で一定の圧力が維持されるようなものである。その圧力は、可動試料採取部材の検体採取面から貯蔵媒体への生体試料の移転を促進するのに十分であることが好ましい。当業者は、可動試料採取部材の検体採取面から貯蔵媒体への生体試料の十分な移転を確保するために必要な、弾性部材の相対的な位置を決定することができるはずである。
【0013】
生体試料の解析のために、貯蔵媒体は、貯蔵媒体上に存在する生物起源の検体の少なくとも一部分を取り去るように操作される。
本発明に適した貯蔵媒体の例には、#903(登録商標)ブランドの紙(Whatman, Inc.、米国ニュージャージー州Florham Park)などの未処理のろ紙、またはFTAおよびFTA Eluteブランドの紙(やはりWhatman, Inc.製、米国ニュージャージー州Florham Park)などの処理済のろ紙が含まれる。これらの処理済のマトリックスは、上記に記載した米国特許に述べられている。そのような処理済のマトリックスは、生体試料を採取し、輸送し、そして貯蔵するための簡単で安全な方法を提供する。また、それらは、血液などの複雑な試料からDNAを単離することを容易にする化学的性質を含む。処理済の、または未処理のマトリックス上に採取された試料は、貯蔵のために乾燥させ、長期間にわたって室温で貯蔵することができる。
【0014】
本発明の目的は、検体採取面と貯蔵媒体の間に再現可能な圧力を加える、またはその間で移動させることなどしながら、乾燥した処理済の固体の貯蔵および移転媒体への生体試料の制御された移転をもたらすことである。
【0015】
本発明の第2の目的は、吸収性検体採取面中に保持された試料中に予備の試料源を有する装置または方法を提供することである。
本発明の第3の目的は、一連の保管トレーサビリティの目的のために、試料採取面および貯蔵媒体を一緒に保有する装置または方法を提供することである。
【0016】
本発明の第4の目的は、自動解析方法によって貯蔵媒体を処理することができる装置または方法を提供することである。
本発明の第5の目的は、長期間にわたって生体試料を貯蔵するための装置または方法を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】閉位置にある特許を請求する要素を示す、本発明の好ましい実施形態の斜視図である。
【図2】開位置にある特許を請求する要素を示す、本発明の好ましい実施形態の斜視図である。
【図3】図1の装置の平面図および断面図である。
【図4】図2の装置の平面図および断面図である。
【図5】開位置にある特許を請求する要素を示す、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図6】閉位置にある特許を請求する要素を示す、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図7】本発明の装置中でのTHP−1細胞の使用に続くβグロビンPCR増幅から得られたPCR産物濃度を表すグラフである。
【図8a】本発明による装置を使用した口腔細胞の移転後の口腔細胞の塗布領域を示すパンチマップ図である。
【図8b】本発明の方法を使用した貯蔵媒体上の口腔細胞の分布を表す図である。
【図8c】各FTA貯蔵媒体から打ち抜かれた11個の円盤から、βグロビンPCR増幅後に得られたPCR産物濃度のボックスおよびウィスカープロット(box and whisker plot)図である。
【図9a】本発明の方法および従来のスワブ法を使用して得られた移転パターンの比較図である。
【図9b】5人の異なるドナーから口腔細胞を採取するための本発明の方法およびスワブ法の比較図である。
【図10】Promega社製PowerPlex 16を使用した4人のドナー個人のSTR解析の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に、好ましい実施形態を示す。採取装置(10)が、分解可能な生物起源の検体を含む生体試料のためのものであり、検体採取面(22)を有した可動試料採取部材(20)と、貯蔵媒体(30)と、固定位置に貯蔵媒体を保持するための手段(50)および可動試料採取部材を保持するための手段(60)を有した貯蔵媒体ホルダ(40)とを含む。可動試料採取保持手段は、可動採取部材の面が、少なくとも貯蔵媒体の一部分に直面した、または接触した第1の閉位置(図1および図3に示すように)から、検体採取面上に生体試料を採取するための第2の開位置(図2および図4に示すように)に移動することを可能にし、またはその逆も同様に可能にする。
【0019】
可動試料採取部材を保持するための手段が、貯蔵媒体ホルダと可動試料採取部材の間に単一接続部を含むこと(これらの図に示すように)が好ましい。また、可動試料採取面が、部材保持手段によって保持されているとき、貯蔵媒体の面から離れてばね張力中にあるように、特定寸法に合わせて作られ構成され、それゆえ検体採取面が貯蔵媒体から離れて保持され、それによって、検体採取面から貯蔵媒体への試料の移転の後で、貯蔵媒体の空気乾燥のためのスペースが十分得られることが好ましい。
【0020】
また、貯蔵媒体が、搬送または貯蔵のために少なくとも1つの生体試料検体を保存する、少なくとも1つの安定化試薬を含めば、好ましい。適切なそのような試薬には、弱塩基、キレート剤、および任意選択で尿酸または尿酸塩の組み合わせ、あるいはカオトロピック塩単独の、または界面活性剤と組み合わせた単なる添加が含まれる。
【0021】
その組成の「弱塩基」は、pHが約6〜10である、好ましくはpHが約8〜9.5であるルイス塩基とすることができる。弱塩基の1つの作用は、組成のpHを約6〜10に、好ましくはpHが約8.0〜9.5に、たとえば8.6に維持するバッファとして働くことである。したがって、本発明の組成に適した弱塩基は、組成の他の構成要素とともに、組成のpHを6〜10、好ましくはpHを約8.0〜9.5にすることができる。本発明による適切な弱塩基には、有機塩基および無機塩基が含まれる。適切な無機弱塩基には、たとえばアルカリ金属炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩やホウ酸塩(たとえば、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムまたは炭酸カリウム)が含まれる。適切な有機弱塩基には、たとえばトリスヒドロキシメチルアミノメタン(Tris)、エタノールアミン、トリエタノールアミン、グリシンおよび有機酸のアルカリ塩(たとえばクエン酸三ナトリウム)が含まれる。好ましい有機弱塩基は、弱い一価の有機塩基、たとえばTrisである。Trisは、遊離塩基または塩、たとえば炭酸塩とすることができる。
【0022】
好ましいキレート剤は、強いキレート剤である。「強い」キレート剤とは、薬剤が、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)と同程度、またはそれより優れた親和性によって多価金属イオンを結合することを意味する。本発明による好ましいキレート剤は、EDTAである。
【0023】
陰イオン界面活性剤が、本発明で実用的な界面活性剤の例である。好ましい陰イオン洗剤は、強い陰イオン洗剤である。「強い」陰イオン洗剤は、ここで使用されるとき、炭化水素部分(hydrocarbon moiety)、脂肪族化合物や芳香族化合物を含み、1つまたは複数の陰性基を含む。本発明に適した特に好ましい陰イオン洗剤には、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)およびラウリルサルコシンナトリウム(SLS)が含まれる。好ましい実施形態では、陰イオン洗剤は、それらの外膜またはカプシド中にタンパク質または脂質を有する大部分の微生物、たとえば菌類、バクテリアまたはウィルスを不活性化させる。これは、ヒトに対して病原性を持つ恐れがあり、生体試料中に存在する微生物を含む。
【0024】
また、貯蔵媒体が、貯蔵媒体の移転領域のまわりに配置された、見て分かる図形(32)を有し、それゆえ、貯蔵保持手段から取り外された場合、操作員が、装置を参照せずに、その物質の保管をどこで託されたかを知ることができれば、好ましい。
【0025】
本装置は、核酸、タンパク質、およびそれらのそれぞれの断片など、分解可能な生物起源の検体を採取するために使用することができる。生体試料は、唾液、血液、血清、リンパ液、口腔細胞、粘膜細胞、脳脊髄液、精液、膣液、排せつ物、血漿、尿、細胞懸濁液、または細胞およびウィルスの懸濁液からなる群から選択することができる。
【0026】
本装置は、貯蔵媒体ホルダ(40)が、保持手段(50)(これらの図に示すプラスチックアームなど)によって固定位置に貯蔵媒体(30)を取り外し可能に保持するように、特定寸法に合わせて作られ構成されることが好ましい。したがって、その後の処理または貯蔵のために、貯蔵ホルダから貯蔵媒体を分離することができる。貯蔵媒体にかかる張力は、マニュアルまたは自動的な抜き取りを可能にすべきであるが、装置からの貯蔵媒体の不慮の紛失を許さないようにすべきである。
【0027】
上記に述べたように、可動試料採取部材を保持するための手段は、貯蔵媒体ホルダ上に配置される弾性部材(70)を含むことができる。図5に、これを示す。使用の際は、可動試料採取部材が閉位置に移動された場合、貯蔵媒体ホルダ上の弾性部材は、可動採取部材に係合し、固定位置にそれを取り外し可能に保持し、それゆえ、その面が貯蔵媒体と接触状態になり、それによって、可動採取部材の面と貯蔵媒体の間に一様で一定の圧力が維持される。
【0028】
いくつかの場合、貯蔵媒体ホルダから貯蔵媒体を取り外すために、少なくとも貯蔵媒体の一部分を露出させるように、貯蔵媒体ホルダを特定寸法に合わせて作り構成することができる。
【0029】
検体採取面(22)が、生体試料を採取するのに適した、従来の多孔性ポリウレタン発泡体パッド(米国コロラド州Colorado SpringsのPowell Products, Inc.製)などの吸収物質を含むことが好ましい。他の適切な吸収物質の例には、親水性で非網状の独立気泡発泡体、親水性で非網状の解放気泡発泡体、疎水性で非網状の独立気泡発泡体、疎水性で非網状の解放気泡発泡体、疎水性で網状の解放気泡発泡体、移転に使用される吸収ゲル物質および綿ベースの吸水物質が含まれる。検体採取面は、試料の体積が制御されるように、特定寸法に合わせて作り構成すべきである。体積を制御することによって、貯蔵媒体上のいかなる安定化試薬も、それらそれぞれの保護能力に負担をかけすぎない。口腔スワブの適用に使用される場合、パッドは、ヒトの口内に合うように、特定寸法に合わせて作り構成すべきである。
【0030】
記録保持およびトレーサビリティのために、また、本装置は、貯蔵媒体上だけでなく、採取部材上にも識別ラベル(従来のバーコードなど)を含むべきであり、単一でない場合、貯蔵媒体ホルダ上にも含むべきである。
【0031】
装置のインテグリティを確保するために、また、本装置は、他の装置要素を囲繞する滅菌外被を含むことができる。それらの他の要素は、殺菌され、いかなる生体試料検体も存在しないこと(たとえば医療品質のプラスチックから製作される)が好ましく、それは、外被がシールされた後で照射殺菌するなど、従来の技術によって実施することができる。
【0032】
関連装置、または浄化試薬、バッファなどを含む試薬、および貯蔵システム、コンテナなどの任意の組み合わせとともに、上記の装置を組み込んだキットを製作することができる。
【0033】
この点について、さらに、本発明は、ここに定義された装置と、試料のその後の解析のための浄化試薬、バッファ、貯蔵システムおよびコンテナからなる群から選択された1つまたは複数の構成要素とを含むキットを提供する。
装置使用の例
本装置は、以下の目的で生体試料の採取のために使用することができる。その目的は、犯罪データベースのための口腔細胞試料の採取、犯罪現場試料(すなわち、再水和された血液、精液、唾液やそれらの液体試料)の採取、性的暴行試料の採取、集団遺伝学または薬理ゲノム学の研究のための口腔試料の採取、個人の遺伝子IDを記録保管するための口腔試料の採取、食物源からのバクテリアまたは寄生生物の試料の採取、食肉のトレーサビリティのための食肉処理場における肉からの血液の採取、または獣医学診断のための動物からの生体試料の採取である。
【実施例】
【0034】
【実施例1】
【0035】
細胞移転検定
本発明の装置の移転効率を評価するために、細胞移転検定を実施した。これらの実験のそれぞれで使用した装置は、図5に表す装置であった。検体採取面は、発泡体(Aquazone(登録商標)、米国ペンシルバニア州Reilly Foam Corporation製)から製作し、貯蔵媒体は、FTAろ紙(米国ニュージャージー州Whatman, Inc.から得た)を含んでいた。
【0036】
THP−1培養液を密度が10細胞/mlまで培養し、遠心分離器にかけ、その後、濃度が10細胞/mlで再懸濁した。このストックに連続希釈法を実施して、濃度が10、10および10細胞/mlになるようした。これらの希釈液のそれぞれを本発明による装置の発泡体採取面に塗布し(100μlそれぞれ)、次いで、本装置を閉じて10秒間、所定位置にしっかりと留め、その後、塗布用発泡体を静止位置まで放した。
【0037】
ピンク色指示薬付FTAろ紙カードの白色塗布領域から2mmの円盤を打ち抜き、それを200μlのFTA浄化試薬とともに0.5mlのチューブ中に入れた。室温での5分間の孵置の後、10秒間、チューブを指ではじいた。液体を除去し、洗浄ステップをもう2回繰り返して、FTA浄化試薬による洗浄を全部で3回繰り返した。TEバッファ(200μl)を各チューブに加え、室温で5分間孵置し、そしてTEを除去して廃棄した。これを繰り返して、全部で2回のTEバッファを使用した洗浄を繰り返し、その後、1時間室温で円盤を乾燥させた。
【0038】
次いで、βグロビン遺伝子のPCR増幅およびキャピラリー電気泳動法を実施した。Experion Bioanalyzer 1K DNA chipによるβグロビンPCR検定を使用して、解析を実施した。DNA検出は、0.1ng/μlの検出限界を用いたExperion 1K chip上のβグロビン単位複製配列の存在として定義した。
【0039】
得られた結果は、図7に示し、そこには、すべての細胞濃度を使用して、検出可能な増幅を観測したことが表されている。より具体的には、PCR産物は、各装置に対して100個だけの細胞の塗布の後でさえ、成功裏に検出された。1000個の細胞を塗布用発泡体に塗布した場合、範囲が1.5〜3.2ng/μlであるβグロビンPCR単位複製配列濃度を生じるという、優秀な結果が得られた。
【実施例2】
【0040】
口腔細胞マッピング実験
4人の被験者から試料を採取し、それぞれは、図5に表す装置を2個使用した。試料は、以下の手順によって採取した。
a)ヒンジジョイントより先にプラスチックの柄を保持して、装置の発泡体先端部を被験者の口内に入れ、15秒間、発泡体検体採取面で頬の内部上をこすった。反対側の頬にもこの手順を繰り返した。頬の折り目と舌の下で歯肉線に沿って発泡体検体面をこすり、できるだけ多くの唾液を吸い取った。次いで、口から発泡体検体面を取り出した。
b)貯蔵媒体の保護膜を取り除き、FTAカードの貯蔵媒体を露出させた。
c)ヒンジジョイントで装置を折りたたみ、FTAカード上に発泡体検体面を押し付けて、発泡体試料採取面が、FTAカードホルダの前部において、クリップによって所定位置に確実に保持されるようにした。次いで、装置を閉じて、クリップ上の最低位置に試料採取部材を押し入れた。10秒間、装置をこの位置のままとした。
d)FTAカードホルダを保持しながら、装置のハンドルを曲げ戻して、クリップから発泡体試料採取面を離し、クリップ上の最高位置まで試料採取部材を引き上げた。装置を曲げて、FTAカード貯蔵媒体から発泡体試料採取面を持ち上げた。
e)FTAカードの貯蔵媒体を取り外し、3時間乾燥し、その後の解析の準備を整えた。
【0041】
図8aに示すように、各カードから11個の円盤(直径が2.0mm)を打ち抜き、βグロビン遺伝子の268塩基対部分を標的としたPCR増幅を完了させ、それを図8bに示す。Experion analyzer(Bio-Rad)を使用して、その単位複製配列を定量化し、図8cに、ボックスおよびウィスカープロットとして、それをグラフ化して示す。8枚の指示薬付FTAカードから総計88個のパンチを解析した。87個が、PCRの成功には十分なDNA鋳型を含んでいた。すなわち88個のパンチ中で1個だけが失敗した(この場合、失敗したパンチは、塗布領域の周辺部から取った)。陰性対照は、紙のみの試料(生体試料を欠いている)および水のみ(鋳型PCRがない)を含んでいた。両方の陰性対照の場合、PCR産物の増幅は、検出されなかった。
【0042】
図8aを参照すると、パンチマップに、本発明の装置を使用した、発泡体塗布器から指示薬付FTAカード(貯蔵媒体)への口腔細胞の移転後の口腔細胞塗布領域を示す。11個の2mmのパンチは、図8aに示すように、各カードから取り去った。大きな円が、ピンク色から白色への指示薬付FTAの色の変化によって示された細胞移転の通常の領域を表す。
【0043】
図8bを参照すると、検出されたDNAの濃度は、FTAカードに移転された口腔細胞の数に正比例している。4人の異なるドナーが、本発明の装置を使用して、彼等の頬の内部から口腔細胞を取り込み、解析のために、それらを指示薬付FTAカードに移転させた。パネルA〜Dに、装置から細胞が移転された後のFTAカード上のDNAのDNA分布マップを示す。各データポイントは、2mm円盤上に存在した、DNAのβグロビン増幅から生成されたPCR単位複製配列(ng)の産出高を表す。PCR増幅は、Experion Bioanalyzerを使用して定量化した。カード上に存在したDNAの分布は、細胞の移転が一貫して一様であったことを示す。
【0044】
図8cを参照すると、ウィスカーおよびボックスでデータポイントの50%が存在する領域を示すようにして、範囲を示す。ボックス中のバーによって、11個のデータポイントに対する平均値を表す。ボックスおよびウィスカープロットで示すデータは、試料採取面から貯蔵媒体への口腔細胞の移転に一貫性があったことを示している。試料1Bには、1個の作用しなかったPCR反応が含まれ、88個のPCR増幅中のたった1つである。試料2Aには、PCR産出高の上側範囲をはずれた1個の孤立値ポイントが含まれており、これは、多分、FTAカードへ移転された細胞集塊の結果である。PCR産物は、個々のセット内で濃度の軽微な変動を示したが、変動は、被験者間でもっとも顕著であり、たとえば、被験者#4は、他の被験者より実質的にもっと多くの細胞を、使用された両方の採取装置上に取り込んだ。このことが、口腔細胞を放出する差を1人の人と他の人の間で強めるように働いている。
【0045】
図9aおよび9bに、口腔細胞マップを利用した最後の実験のセットをそれぞれ表示する。これらの図に、口腔細胞採取の本発明の方法と従来のスワブ法の比較解析の結果を示す。5人の口腔細胞ドナーが、上記に述べた方法を使用して2つの口腔細胞FTAカードに採取し、従来のスワブ法を使用して2つのカードに採取した。スワブをFTAカード(貯蔵媒体)上に転がしたことを除き、上記で特定した細胞採取のための手順に従った。
【0046】
全部で4回(A〜D)、本発明の2つの装置および2個のスワブを使用して各ドナーからサンプリングした。サンプリング順序の偏りを除去するため、採取方法の順序は、個人間で変え、図9bに示す順序(A=1番目〜D=4番目)によった。試料採取に続いて、上記に述べた標準の手順を使用してFTAカードを処理し、そして上記に述べた塗布領域内の11個の位置からのβグロビン遺伝子の断片を増幅するために、PCRを行った。その結果得られたPCR産物は、Experion Bioanalyzerを使用して定量化した。
【0047】
本発明の装置と従来のスワブ法の性能比較によって、本方法は、良好に画定された口腔細胞移転領域をもたらし、一方スワブ法は、変わりやすい移転パターンを生成し、そのためパンチ試料のどこを採取すべきか(図9a)をユーザが「最良に推測すること」が必要になることが明らかになった。本発明の装置は、良好に画定された塗布領域をもたらし、それゆえ自動穴あけをより正確にする。図9bのボックスおよびウィスカープロットに、本発明の装置を使用する方法は、試料が採取された順番にかかわらず、スワブ法が行うよりは、より高い口腔細胞の産出を一貫して採取し、細胞のもっと一様な移転を発生させることを示す。
【実施例3】
【0048】
STR解析
上記の実施例2と同じ採取装置から、STR解析に利用する口腔試料を取った。各指示薬付FTAカードの貯蔵媒体の中心位置から2つの1.2mmパンチを採取した。実施例1に概説した手順に従って、すべてのパンチを洗浄し乾燥させた。
【0049】
Promega社製PowerPlex 16(登録商標)システムを使用して、製造業者の説明書に従ってSTR解析を実施した。パンチからの直接増幅方法として、処理し乾燥させた指示薬付FTAパンチを各PCR反応で使用した。PCRは、Applied Biosystems社製7900HT上で実施し、PCR産物は、Applied Biosystems社製310 Genetic Analyzer上で視覚化した。産物の解析は、GeneMapper 3.2(登録商標)ソフトウェアを用いて実施した。
【0050】
4セットの口腔採取のすべてによって、図10に見られるように、250RFU(相対蛍光単位)を上回る16個のアレルすべてについて、優れた質の結果がもたらされた。これは、200RFUと言う設計入力文書からの所望の判定基準を超える。ピーク強度にいくらか軽微な変動があったが、ピークバランスおよびピーク強度は、GeneMapperソフトウェアの許容パラメータ内に良好に留まっていた。予想されたように、複製装置は、同じ個人から同じアレルプロファイル(allelic profile)を生成した。アレルプロファイルは、表1に示す。本発明の装置を用いて一連の50個の試料を採取し、処理し、そしてSTR解析のPromega社製PowerPlex 16システムを使用して解析した(表2)。
【0051】
【表1】

【0052】
【表2】

【0053】
図10では、A、B、CおよびDが、口腔細胞ドナー1、2、3および4からのそれぞれの結果である。赤線が、250RFUのポイントを示す。ペンタDおよびE両方のアレルが、DNA鋳型品質の指標として印を付けてある。というのは、それらは、通常、障害が生じたとき、作用しなくなる最初のアレルであり、アレルドロップアウトになるからである。下部の電気泳動図では、鋳型品質は、優れており、ピークバランスが、85%〜100%になり、正確なアレルコール(allele call)に対して60%の許容範囲を十分超えている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分解可能な生物起源の検体を含む生体試料のための採取装置であって、
a)検体採取面を有した可動試料採取部材と、
b)貯蔵媒体と、
c)固定位置に前記貯蔵媒体を保持するための手段、および前記可動試料採取部材を保持するための手段を有した貯蔵媒体ホルダとを含み、
前記可動試料採取部材保持手段は、前記可動採取部材の面が、前記検体採取面上の前記生体試料を採取するための第1の開位置と、少なくとも前記貯蔵媒体の一部分に対向する、または接触する第2の閉位置の間で移動することを可能にする、採取装置。
【請求項2】
前記貯蔵媒体および前記検体採取面は、トレーサビリティの目的のために一緒に保持される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記可動試料採取部材を保持するための前記手段は、前記貯蔵媒体ホルダと前記可動試料採取部材の間に単一接続部を含む、請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記貯蔵媒体は、搬送または貯蔵のために少なくとも1つの生体試料検体を保存する、少なくとも1つの安定化試薬を含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記安定化試薬は、弱塩基、キレート剤、および随意的に尿酸または尿酸塩を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記安定化試薬は、カオトロピック塩を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記分解可能な生物起源の検体は、核酸、タンパク質、およびそれらのそれぞれの断片を含む、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記生体試料は、唾液、血液、血清、リンパ液、口腔細胞、粘膜細胞、脳脊髄液、精液、膣液、排せつ物、血漿、尿、細胞懸濁液、または細胞およびウィルスの懸濁液からなる群から選択される、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記貯蔵媒体ホルダは、前記固定位置に前記貯蔵媒体を取り外し可能に保持して、前記貯蔵媒体を前記貯蔵媒体ホルダから分離することを可能にする、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記検体採取面は、吸収性である、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
識別ラベルも含む、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記貯蔵媒体ホルダは、前記貯蔵媒体ホルダから前記貯蔵媒体を取り外すために、少なくとも前記貯蔵媒体の一部分を露出させるように、特定寸法に合わせて作られ構成される、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
他の装置要素を取り囲む滅菌外被も含み、それら他の要素は、殺菌され、いかなる生体試料検体も存在しない、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記可動試料採取部材を保持するための前記手段は、前記貯蔵媒体に取り付けられた弾性部材を含む、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
分解可能な生物起源の検体を含む生体試料を採取する方法であって、
a)装置を設けるステップであって、該装置は、
1)検体採取面を有した可動試料採取部材と、
2)貯蔵媒体と、
3)固定位置に前記貯蔵媒体を保持するための手段、および前記可動試料採取部材を保持するための手段を有した貯蔵媒体ホルダとを含み、
前記可動試料採取部材保持手段は、前記可動採取部材の面が、前記検体採取面上の前記生体試料を採取するための第1の開位置と、少なくとも前記貯蔵媒体の一部分に対向する、または接触する第2の閉位置の間で移動することを可能にする、装置を設けるステップと、
b)前記可動採取部材の面を前記第2の開位置に移動させるステップと、
c)最初に、前記可動採取部材面と前記生体試料を接触させるステップと、
d)その後に、前記可動採取部材面と前記貯蔵媒体を接触させるステップとを含む、採取する方法。
【請求項16】
前記貯蔵媒体は、前記可動採取部材面を前記貯蔵媒体に接触させた後、前記貯蔵媒体ホルダから取り外す、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記貯蔵媒体は、搬送または貯蔵のために、少なくとも1つの生体試料検体を保存する、少なくとも1つの安定化試薬を含む、請求項15または請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記安定化試薬は、弱塩基、キレート剤、および任意選択で尿酸または尿酸塩を含む、請求項15乃至17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記安定化試薬は、カオトロピック塩を含む、請求項15乃至18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記分解可能な生物起源の検体は、核酸、タンパク質、およびそれらのそれぞれの断片を含む、請求項15乃至19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記生体試料は、唾液、血液、血清、リンパ液、口腔細胞、粘膜細胞、脳脊髄液、精液、膣液、排せつ物、血漿、尿、細胞懸濁液、または細胞およびウィルスの懸濁液からなる群から選択される、請求項15乃至20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記貯蔵媒体ホルダは、前記固定位置に前記貯蔵媒体を取り外し可能に保持して、前記貯蔵媒体を前記貯蔵媒体から分離することを可能にする、請求項15乃至21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記検体採取面は、吸収性である、請求項15乃至22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記装置は、識別ラベルも含む、請求項15乃至23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記貯蔵媒体ホルダは、前記貯蔵媒体ホルダから前記貯蔵媒体を取り外すために、少なくとも前記貯蔵媒体の一部分を露出させるように、特定寸法に合わせて作られ構成される、請求項15乃至24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
他の装置要素を囲繞する滅菌外被をさらに含み、それら他の要素は、殺菌され、いかなる生体試料検体も存在しない、請求項15乃至25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
その後に前記可動採取部材の面と前記貯蔵媒体を接触させる前記ステップの後に、前記貯蔵媒体上に存在する前記生物起源の検体の少なくとも一部分を取り去るように、前記貯蔵媒体を操作するステップをさらに含む、請求項15乃至26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
請求項1乃至14のいずれか1項に記載の装置と、前記試料のその後の解析のための浄化試薬、バッファ、貯蔵システムおよびコンテナからなる群から選択される、1つまたは複数の構成要素とを含む、キット。
【請求項29】
集団遺伝学、薬理ゲノム学の研究または個人遺伝子の記録保管のために、口腔試料を採取するための請求項1乃至14のいずれか1項に記載の装置の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−519507(P2010−519507A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549473(P2009−549473)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【国際出願番号】PCT/GB2008/000542
【国際公開番号】WO2008/099196
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(502249792)ワットマン インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】