説明

制御システム及び制御方法

【課題】生活環境が変化する場合でも、状況に応じて必要なスイッチ操作を可能とする。
【解決手段】操作対象のスイッチ17に無線受信機とコントローラを組み込み、その近傍に識別図形が描かれた識別タグ18を配置する。撮像装置15で周囲を撮影する。情報処理装置13は、撮像画像を解析し、識別図形が存在するか否かを判別し、識別図形を検出すると、その識別図形に対応するアイコンを生成し、表示装置12に表示し、順次強調表示する。利用者の脳波、視線等の生体情報から、利用者が注目しているアイコンを判別し、判別されたアイコンに対応する制御信号を、無線通信機16からスイッチ17の無線受信機に送信する。この制御信号に応答して、コントローラがスイッチ17を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生活環境にある任意の機器・装置を制御する制御システムと制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生活環境にある各種機器・装置を制御・操作する手法として、操作スイッチを直接的に操作する方法と、リモコンやネットワークを介した通信機等による遠隔操作がある。四肢が不自由でこれらの操作が行えない場合に、表示盤に記号、文字、絵(アイコン)を表示し、表示されたアイコンを選択することにより、スイッチの操作を可能とする技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、表示されたアイコンを、利用者が注視することにより、スイッチの操作を可能とする技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、脳波・筋電・眼電などを検出することにより、スイッチの操作を可能とする技術が開示されている。
【特許文献1】特開平11−73274号公報
【特許文献2】特開平10−207592号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のスイッチ制御装置は、操作のスイッチが固定されている。このため、
利用者が移動する場合のように、利用環境(利用者の生活環境)が変化して、操作対象となるスイッチが変化する場合には、対応できない。
【0006】
同様の問題は、利用者が四肢不自由である場合に限らず、アイコン等を用いて生活環境にあるスイッチを操作する場合全般に存在する。
【0007】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、生活環境が変化する場合でも、状況に応じて必要なスイッチ操作を可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、この発明の制御システムは、
操作対象の存在を示す情報を検出する検出手段と、
前記操作手段が制御対象の存在を示す情報を検出したことに応答し、アイコンを含む操作画像を特定する情報を記憶手段から読み出す読出手段と、
前記読出手段により読み出された情報に従って、アイコンを含む操作画像を生成し、生成した操作画像を表示装置に表示する表示制御手段と、
前記表示装置に表示されている操作画像に含まれるアイコンのうち、利用者が注目しているアイコンを判別する注目アイコン判別手段と、
前記注目アイコン判別手段により判別されたアイコンに対応する制御信号を出力する制御出力手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
例えば、前記検出手段は、画像信号を入力し、該画像信号が表す画像中の特定の図形を検出する特定図形検出手段から構成され、特定の図形と操作画像特定情報とを対応付けて記憶し、前記読出手段は、前記特定画像検出手段により検出された特定の図形に対応する操作画像特定情報を読み出し、前記表示制御手段は、読出手段により読み出された操作画像特定情報により特定される操作画像を前記表示装置に表示する。
【0010】
例えば、前記検出手段は、操作対象の存在を指示する無線信号を検出する手段を備える。
【0011】
例えば、前記検出手段は、操作対象の近傍に配置された非接触情報記憶媒体を検出する手段を備え、前記読出手段は、前記検出手段により検出された非接触情報記憶媒体に記憶されている操作画像を特定する情報を読み出す。
【0012】
例えば、前記表示制御手段は、撮像装置からの画像信号を受信し、受信した画像信号が定義する画像と操作画像特定情報により特定される操作画像とを合成して前記表示装置に表示する。
【0013】
例えば、前記表示装置は、透過型の表示装置から構成され、前記表示制御手段は、前記表示装置に操作画像を表示する。
【0014】
例えば、前記注目アイコン判別手段は、利用者の生体情報を取得し、取得した生体情報に基づいて、前記表示手段に表示されている操作画像に含まれるアイコンのうち、いずれのアイコンに注目しているかを判別する手段を含む。
【0015】
例えば、前記表示制御手段は、前記操作画像に含まれるアイコンを順次強調表示し、前記注目アイコン判別手段は、利用者の生体情報を取得し、取得した生体情報の変化を検出する手段と、変化時点において強調状態にあるアイコンを注目アイコンとして判別する手段と、を備える。
【0016】
前記注目アイコン判別手段は、例えば、利用者の脳波信号を取得し、取得した脳波信号に基づいて、利用者が注目しているアイコン判別する手段と、利用者の視線を判別し、視線上のアイコンを判別する手段と、の少なくとも一方を備える。
【0017】
また、この発明の制御方法は、操作対象の存在を検出し、検出に応答し、操作画像を特定する情報を読み出し、読み出した情報に従って、アイコンを含む操作画像を生成して表示し、利用者が注目しているアイコンを判別し、判別されたアイコンに対応する制御信号を操作対象に出力する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、操作対象であるスイッチ等の存在を検出し、検出した操作対象を操作するためにアイコンを含む操作画像を生成して表示する。従って、環境が変化して操作対象が変化しても、任意の操作対象を操作することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態に係る制御システムを図面を参照して説明する。この制御システムは、環境機器全般の操作を可能とするものである。環境機器の操作とは、例えば、生活環境に存在する映像・音響機器、空調装置、照明装置のオン・オフ・調整、窓やカーテン等の開閉、パソコンのオン・オフ・入力などを広く意味する。
【0020】
(第1の実施の形態)
本実施の形態のスイッチ制御システム100は、利用者の手近な位置に設置された表示盤(モニター)に表示されるアイコン(選択指標)により生活環境に存在する機器を操作可能とするものである。
【0021】
図1に示すように、スイッチ制御システム100は、脳波測定装置11と、表示装置12と、情報処理装置13と、機器制御装置14と、撮像装置15と、無線通信機16と、スイッチ17と、識別タグ18と、データベース(DB)サーバ20と、ネットワークNWと、から構成される。
【0022】
脳波測定装置11は、図2に示すように、複数のプローブ111と、信号処理回路112と、出力部113と、を備える。
【0023】
複数のプローブ111は、利用者19の頭部に装着され、検出した電圧信号を出力する。
信号処理回路112は、アナログ信号処理回路、A/Dコンバータ、ディジタル信号処理回路等から構成され、プローブ111で検出された電圧信号を整形し、ノイズを除去して、脳波を示す検出信号を出力する。
【0024】
出力部113は、信号処理回路112から出力された検出信号を情報処理装置13に順次供給する。
【0025】
図1に示す表示装置12は、利用者19の視界内に配置され、環境機器を操作するためのユーザインタフェースとして機能し、図3(a)、(b)に例示するような操作用画面121を表示する。
【0026】
操作用画面121は、撮像画像122と定常操作パネル画像123とから構成されている。
【0027】
撮像画像122は、撮像装置15で撮影された画像であり、撮像装置15の移動、向きの変更、倍率の変動などに伴って変化する。撮像画像中に識別タグ18の画像が含まれている場合、識別タグ18に重畳して、隣接するスイッチ17を操作するための操作画像124が表示される。図の例では、スイッチをオンするためのアイコンとオフするためのアイコンを2組備える操作画像124が2つ、スペードが描かれた識別タグ18と星印が描かれた識別タグ18に重畳して表示されている。
【0028】
定常操作パネル画像123は、撮像装置15と、その他の特定の機器・装置を操作するための画面であり、複数の操作用アイコンを備える。
【0029】
図3(a)は、アイコン「撮像装置」126を選択した場合の、定常操作パネル画像123を例示し、撮像装置15の向きを変更するための矢印アイコン125と、他の機器を指定するアイコン126とを含む。図3(b)は、アイコン「空調」126を選択した場合の、定常操作パネル画像123を例示し、空調機をオン・オフするアイコン127、設定温度を上げ・下げするためのアイコン128、他の機器を指定するアイコン126を備える。
【0030】
これらのアイコンは、所定の順番(ランダムを含む)で複数同時に又は個別に強調表示される。所望のアイコンが強調表示されたタイミングで、利用者19が、そのアイコンを選択することを意識することにより、脳波測定装置11で脳波の変化が検出され、強調表示中のアイコンが選択・指定される。詳細は後述する。
【0031】
図1に示す情報処理装置13は、図4に示すように、入力部131と、タグ情報記憶部132と、通信部133と、制御部134と、脳波記憶部135とを備える。
【0032】
入力部131は、脳波測定装置11から出力された検出信号を取り込み、制御部134に供給する。
【0033】
タグ情報記憶部132は、表示装置12に表示させる操作画像124を構成する画像(素材)のライブラリを格納する。操作画像124は、例えば、図5(a)、(b)に例示するような画像であり、このライブラリは、図6(a)、(b)に例示する枠の画像、図7(a)〜(f)に例示するアイコン(選択要素:ボタン)の画像等を含む。各画像(素材)には、識別情報が付与されている。
【0034】
さらに、タグ情報記憶部132は、図8(a)に示すように、識別タグ18に表示されている識別図形と、該識別図形に対応して表示する操作画像124を定義する操作画像定義情報と、操作対象のスイッチ17を特定する情報(アドレス)を対応付けるスイッチ制御情報を格納する。
【0035】
操作画像定義情報は、図8(b)、(c)に例示するように、図6に示した枠の画像の識別情報、図7に示したアイコンの識別情報と枠内の位置を特定する情報とその機能と解説、枠内に記載するテキスト(文字列)とその位置を特定する情報を有する。
【0036】
タグ情報記憶部132は、さらに、予め設計された定常操作パネル画像123を複数記憶する。各定常操作パネル画像123とそれを呼び出すためのアイコン126とは予めリンク付けられている。
【0037】
図3に示す通信部133は、ネットワークNWを介して、撮像装置15が撮像した画像を受信し、撮像装置15と無線通信機16とに、制御信号(コマンド)を送信する。
【0038】
制御部134は、マイクロプロセッサ、メモリ等を備え、機能的に、タグ検出部1341,判別処理部1342,表示出力制御部1343を備える。制御部134は、例えば、(1)表示出力制御部1343により、撮像装置15の撮像画像を受信し、表示装置12に表示する、(2)タグ検出部1341により、撮像装置15の撮像画像中に、識別タグ18に表示されている識別図形が含まれているか否かを判別し、含まれていると判別した場合には、表示出力制御部1343により、スイッチ制御情報に基づいて、操作画像124を生成し、これを撮像装置15の撮像画像に重畳して撮像画像122を合成する。さらに、撮像画像122と予め用意されている定常操作パネル画像123のうちの1つを合成し、1画面分の画像を形成する、(3)表示出力制御部1343により、合成した1画面分の画像中のアイコン(ボタン)の画像を周期的又はランダムに強調し、(4)表示出力制御部1343により、これを表示装置12に表示する。(5)脳波測定装置11から送信される検出信号(脳波信号)を脳波記憶部135に順次格納する、(6)判別処理部1342により、脳波記憶部135に格納されている検出信号を解析し、脳波信号が変化したときに強調表示されていたアイコンがいずれであるかを判別し、(7)判別処理部1342により、判別したアイコンに対応する制御を指示する制御信号を通信部133を介して機器制御装置14に送信する。
【0039】
脳波記憶部135は、脳波測定装置11から供給された検出信号(脳波信号)を数秒から数十秒の間、記憶する。
【0040】
図1に示す機器制御装置14は、図9に示すように、通信部141と、出力部142と、制御部143とを備える。
【0041】
通信部141は、撮像装置15からの映像をネットワークNWを介して情報処理装置13に供給し、また、情報処理装置13からの制御信号をネットワークNWを介して受信し、制御部143に供給する。
【0042】
入出力部142は、撮像装置15からの映像データを受信して制御部143に供給し、制御部143からの制御データ(方向制御信号、ズーム制御信号等)を撮像装置15に供給する。また、制御部143からの制御データを無線通信機16に供給する。
【0043】
制御部143は、プロセッサを備え、撮像装置15からの映像データを入出力部142を介して取り込み、通信部141を介して情報処理装置13に供給する。また、制御部143は、情報処理装置13からの制御データを通信部141を介して取り込み、入出力部142を介して撮像装置15又は無線通信機16に供給する。
【0044】
図1に示す撮像装置15は、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complimentary MOS)センサ等を備え、画像を撮像し、画像信号を機器制御装置14に供給し、また、機器制御装置14からの制御信号に従って、向きを制御し、また、絞りやズームを制御する。
【0045】
無線通信機16は、無線通信機等をから構成され、電波、光、超音波等の無線信号を用いて、機器制御装置14からの制御データをスイッチ17に送信する。
【0046】
DBサーバ20は、識別タグ18の図形情報や、操作画面124を構成する情報、操作対象(スイッチ17)を制御するためのスイッチ制御情報等を記憶したデータベース(DB)を備えており、制御装置13からの要求に応答し、これらの情報を提供する。
【0047】
スイッチ17は、手動操作が可能であると共に無線通信機16からの制御データによりリモート制御可能である。スイッチ17は、図10(a)に示すように、受信機171と、コントローラ172と、アクチュエータ173とを備える。
【0048】
受信機171は、無線通信機16からの制御データを受信し、コントローラ172に提供する。
【0049】
コントローラ172は操作データに従って、アクチュエータ173に駆動信号を供給する。
【0050】
アクチュエータ173は、ソレノイド、モータなどから構成され、スイッチの可動切片174を制御して、スイッチ17をオン・オフする。
【0051】
なお、電球の明るさや、機器のボリューム等を調節するような場合には、図10(b)に示すように、コントローラ172により、電源回路(又は変圧器、増幅器)175の出力電圧を制御して、制御対象の機器に供給するように構成してもよい。
【0052】
図1に示す識別タグ18は、枠内に予め識別可能な図形(識別図形)が表示されたカードであり、スイッチ17に隣接して配置されている。
【0053】
(動作説明)
次に、上記構成のスイッチ制御装置100の動作を説明する。
まず、設備の施工段階で、操作対象機器の種類に応じて、図10(a)、(b)に示すような構成のスイッチ(ボリュームを含む)17を設置する。
【0054】
続いて、スイッチ17に隣接して、識別タグ18を設置する。この際、識別タグ18に表示されている識別図形を互いに異なるもの(識別可能なもの)とする。図1の例では、スペードの図形が識別図形となる。
【0055】
次に、操作対象のスイッチ(ボリュームを含む)17を操作するために必要となる操作画像を、図5(a)、(b)に例示するように設計し、図8(b)、(c)に例示するように、操作画像定義情報を作成する。即ち、操作画像124を構成する枠の識別情報と、枠内に配置するアイコンの識別情報及び位置と解説(ヘルプ)、表示するテキストとその位置と、を指定する情報を作成する。
【0056】
また、操作対象の各スイッチ17について、隣接して配置されている識別タグ18の識別図形と、操作画像定義情報と、そのスイッチ17の受信機171のアドレスを、図8(a)に示すように対応付けて、情報処理装置13のタグ情報記憶部132に格納する。
【0057】
利用者19の頭部には、脳波測定装置11のプローブ111がセットされる。
【0058】
スイッチ制御システム100が起動されると、信号処理回路112は、各プローブ111が検出した電圧信号に波形整形、ノイズ除去等の信号処理を行い、さらに、これをA/D変換して出力する。出力部113は、信号処理回路112が出力した検出信号を信号処理装置13に送信する。
【0059】
信号処理装置13の制御部134は、供給された検出信号を、入力部131を介して取り込み、脳波記憶部135にFIFO形式で順次格納する。これにより、脳波記憶部135には、常時、過去数秒分の検出信号が格納されている状態となる。
【0060】
また、機器制御装置14は、撮像装置15の撮像画像を情報処理装置13に送信する。
【0061】
一方、情報処理装置13の制御部134は、図11のフローチャートに示す処理を開始し、表示装置12に表示する画像を生成する。
まず、情報処理装置13の制御部134は、機器制御装置14を介して供給された撮像画像を取り込む(ステップS11)。
【0062】
次に、制御部134は、表示制御情報を参照し、取り込んだ撮像画像内に、識別タグ18の識別図形が存在するか否かを判別する(ステップS12)。即ち、撮像画像内に、表示制御情報に登録されている識別図形が存在するか否かを、パターンマッチング技術を用いて判別する。例えば、図8(a)に示す表示制御情報を参照する場合、枠とスペードの画像、枠とハートの画像等の有無を判別する。
【0063】
制御部134は、識別図形が検出された場合、検出された識別図形の1つを特定する(ステップS13)。次に、制御部134は、特定した識別図形に対応する操作画像124を合成する(ステップS14)。即ち、特定した識別図形に対応する操作画像定義情報に従って、枠の図形を特定し、その枠内の指定された位置に各アイコンとテキストを配置して、操作画像124を形成する。なお、タグ情報記憶部132に格納しきれない情報、或いは、関連情報をDBサーバ20のDBに格納し、適宜読み出して、操作画像124の生成に利用してもよい。
【0064】
次に、操作画像124の形成が終了したか否かを判別する(ステップS15)。即ち、撮像画像に含まれている全ての識別図形について、対応する操作画像124が形成されたか否かを判別する(ステップS15)。未処理の識別図形が存在する場合(ステップS15;No)には、ステップS13にリターンし、次の識別図形を特定して、同様の処理を行う。
【0065】
ステップS12で検出された全ての識別図形について操作画像124が形成されたと判別されると(ステップS15;Yes)、撮像画像の識別図形の上に形成した操作画像124を重畳し、表示用の撮像画像122を形成する(ステップS16)。この際、操作画像124を半透明化して、下の識別図形が視認できる状態とすることが望ましい。
【0066】
さらに、形成された撮像画像122と、選択状態にある(初期状態では、デフォルトの)定常操作パネル画像123とを合成して、1フレーム分の画像を合成する(ステップS17)。
【0067】
一方、ステップS12で、撮像画像中に識別図形が存在しないと判別された場合(ステップS12;No)、撮像画像と定常操作パネル画像123を合成し、1フレーム分の画像を合成する(ステップS18)。
【0068】
次に、ステップS17又はS18で合成した1フレーム分の画像上に、現在強調表示しているアイコンがあるか否かを判別する(ステップS19)。即ち、今回のフレーム画像と直前のフレーム画像の両方に含まれているアイコンであって、直前のフレームで強調表示されていたアイコンがあるか否かを判別する。
【0069】
強調表示中のアイコンがあれば、そのアイコンを強調表示している継続時間を更新し(例えば、1フレーム期間を加算し)、さらに、継続時間が、所定時間以上であるか否かを判別する(ステップS20)。継続時間が所定時間未満であると判別された場合(ステップS20;No)、そのアイコンの強調表示を維持する(ステップS21)。例えば、そのアイコンを他のアイコンより大きくし、時間の経過に伴ってサイズを変化させ、他のアイコンよりも明るくし、時間の経過に伴って明るさを変化させ、点滅させ(濃度(階調)を変化させ)、他のアイコンと異なる色に着色し、時間の経過に伴って色を変化させ、時間の経過に伴って移動させる、等する。
【0070】
続いて、このようにして生成した1フレーム分の表示画像を、表示装置12に供給し、表示させる(ステップS21)。その後、処理は、ステップS1にリターンする。
【0071】
一方、ステップS20で、強調表示の継続時間が所定時間以上であると判別すると、他アイコンを特定し、継続時間を0にリセットする(ステップS22)。その後、処理は、ステップS21に進む。なお、他のアイコンを選択する順番は任意である。例えば、ランダム(完全なランダム、全アイコンが選択されるまで、未選択のアイコンのなかからランダムに選択、操作画像単位でランダム・操作画像内では順番、等)、配列順(例えば、画面上の配列が左から右、上から下に配列されている順番)、これらの組み合わせ等である。
【0072】
また、ステップS19で、強調アイコンが無いと判別された場合(ステップS19;No)、強調対象のアイコンを特定し、継続時間を0にリセットする(ステップS23)。その後、処理は、ステップS21に進む。なお、強調対象のアイコンを選択する順番は任意である。
【0073】
このような処理を行う結果、図3(a)に示す表示画面を例にとると、例えば、図13(a)に示すように、操作画像124a内のアイコンI11が強調された状態が一定時間継続し、続いて、図13(b)に示すように、アイコンI12が強調された状態が一定時間継続し、・・・、操作画像124a内のアイコンの強調が終了すると、図13(c)に示すように、操作画像124b内のアイコンI21〜I24が一定時間ずつ強調される。撮像画像122内のアイコンの強調が終了すると、図13(d)に示すように、定常操作パネル画像123内の矢印アイコンI31〜I34が一定時間ずつ強調され、続いて、アイコンI41〜I43が順次強調される。
こうした表示が繰り返されることになる。
【0074】
一方、制御部134は、図12に示す注目アイコン検出処理を、周期的に実行する。注目アイコン検出処理を開始すると、制御部134は、まず、脳波記憶部135に格納されている過去数秒(例えば、5秒程度)分の検出信号を解析し、利用者19が注視しているアイコンが強調表示される際に現れる特定の信号を探索する(ステップS31)。特定の信号が検出されると(ステップS32;Yes)、制御部134は、特定信号が生成されたタイミングで強調表示されていたアイコンを特定する(ステップS33)。アイコンが特定されると、スイッチ制御情報を参照して、そのアイコンに対応する処理を特定する(ステップS34)。続いて、制御部134は、特定された処理を実行する(ステップS35)。即ち、対応するアドレスで特定される受信機171宛に、設定されている動作を指示する制御データを送信する。
【0075】
一方、ステップS31の解析処理で、特定の信号が検出されなかった場合(ステップS32;No)、制御部134は、今回の処理を終了する。
【0076】
例えば、利用者19が玄関灯を点灯したいと欲したとする。
この場合、利用者19は、図13(a)に示すようにアイコンI11が強調表示されているタイミングで、アイコンの選択指定を思考する。
【0077】
制御部134は、脳波記憶部135に格納されている検出信号を解析し、アイコンI11が強調表示されているタイミングで、アイコンを注視するときに発生する特定の信号が出力されていたことを判別する(ステップS31〜S33)。続いて、制御部134は、スイッチ制御情報を参照し、対応する処理がスイッチ1のオンすることであると判別し(ステップS34)、対応する制御データを機器制御装置14を介して無線通信機16に指示する(ステップS35)。無線通信機16は、制御データを対応するアドレスに無線送信する。対応するスイッチ17(スペードの識別図形が描かれた識別タグ18に隣接すスイッチ17)の受信部171はこの制御データを受信し、コントローラ172は、受信した制御データに従ってアクチュエータ173を駆動してスイッチをオンする。これにより玄関照明が点灯する。
【0078】
例えば、撮像装置15を左方向に向けたい場合、利用者19は、図13(d)に示すようにアイコンI31が強調表示されているタイミングで、アイコンの選択指定を思考する。
【0079】
制御部134は、検出信号を解析し、アイコンI31が強調表示中に特定の信号が出力されていたことを判別する(ステップS31〜S33)。続いて、スイッチ制御情報を参照し、対応する処理が撮像装置15の左方向への回動制御であると判別し(ステップS34)、対応する制御データを機器制御装置14を介して撮像装置15に指示する(ステップS35)。撮像装置15は、制御データに従って、左方向に回動する。
【0080】
また、例えば、利用者19が空調機器を制御したいと欲したとする。
この場合、利用者19は、13(e)に示すようにアイコンI41が強調表示されているタイミングで、アイコンの選択指定を思考する。
【0081】
制御部134は、検出信号を解析し、アイコンI41が強調表示中に特定の信号が出力されていたことを判別し(ステップS31)、続いて、スイッチ制御情報を参照し、対応する処理がリンクされた定常操作画像の表示であると判別し(ステップS32)、ステップS22で合成する対象の操作画像を、指示されたアイコンに対応するものに切り替える(ステップS33)。
【0082】
以上説明したように、この実施の形態に係る環境操作システム100によれば、任意のスイッチを、直接操作することなく、操作することが可能となる。
【0083】
また、利用者19の生活環境内のスイッチ17を制御するためのスイッチ制御情報を予めタグ情報記憶部132に格納し、かつ、各スイッチ17に隣接して識別タグ18を配置しておけば、利用者19がこのスイッチ制御装置100と共に移動する限り、任意のスイッチ17を制御可能となる。
【0084】
(変形例)
上記実施の形態においては、操作画像124を対応する識別タグ18に重ねて(半透明状態)で表示したが、操作画像124の表示位置は任意である。例えば、図14に示すように画面の端部に配置してもよい。
【0085】
上記実施の形態においては、図3(a)、(b)に示すように、操作画像124を、正面を向いて表示した。ただし、表示態様は任意である。例えば、識別タグ18に表示されている枠の画像の傾きから、撮像装置15に対する識別タグ18の傾き及び/又は距離を求め、操作画像124を、この傾きと同一の傾きとなるように、また、距離に応じたサイズに加工し、これを表示してもよい。
【0086】
例えば、撮像画像中の識別図形の枠(本来矩形)が図15(a)に示すものであった場合に、枠の頂点P1〜p4の座標(x1,y1)〜(x4,y4)を求め、図15(b)に示されるように、4つの頂点P1〜P4の座標と枠の既知の一辺の距離Lに基づいて、タグの傾き角θ1(撮像装置15の光軸に直角な面上の回転角)、θ2(撮像装置15の光軸と成す角)、タグまでの距離Dを求め、図15(c)に例示するように相似形となるように操作画像124を変形して表示すればよい。
【0087】
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態においては、操作対象の各スイッチ17について、スイッチ制御情報をタグ情報記憶部132に予め登録させておく必要がある。しかし、利用者19の生活環境にある(移動可能範囲にある)全てのスイッチ17のスイッチ制御情報をタグ情報記憶部132に予め登録するのは容易ではない。そこで、このような問題を解決できる第2の実施の形態を以下に説明する。
【0088】
本実施の形態においては、図16に模式的に示すように、部屋、建物、エリア211の入口212や内壁213等に、RFID等の非接触情報記憶媒体221を配置する。
【0089】
各非接触情報記憶媒体221は、図17に示すように、メモリ231と無線通信部232と制御部233とを備える。メモリ231には、非接触情報記憶媒体221が設置されている部屋、建物、或いはエリア211内に配置されている各スイッチ17についてのスイッチ制御情報が予め格納されている。制御部233は、無線通信部232を介して、リーダ・ライタからの問い合わせを受けると、メモリ231からスイッチ制御情報を読み出し、無線通信部232を介してリーダ・ライタに送信する。
【0090】
また、スイッチ制御システム100の情報処理装置13は、図18に示すように、非接触情報記憶媒体221と交信するための無線通信部136を備える。なお、情報処理装置13が無線通信機16を介して非接触情報記憶媒体221と通信を行うように構成してもよい。
【0091】
情報処理装置13の制御部134は、利用者の指示により或いは周期的に、入力部131を介して周囲の非接触情報記憶媒体221と交信し、スイッチ制御情報を読み出し、タグ情報記憶部132に格納する。また、追加情報・関連情報をDBサーバ20から読み出す等してもよい。
【0092】
以後の動作は、上述の第1の実施の形態における各装置の動作と同一である。
【0093】
このような構成とすれば、スイッチ制御システム100は、移動先で、非接触情報記憶媒体221と交信して、移動先のスイッチ制御情報を自動的に、図11に示す処理に反映する。従って、撮像装置15の視野内の各スイッチ17について操作画像が形成・表示され、その操作が可能となる。
【0094】
(第2の実施の形態の変形例)
各識別タグ18をRFID等の非接触情報記憶媒体から構成し、対応するスイッチ17を制御するためのスイッチ制御情報を格納するようにしてもよい。
この場合、識別タグ18は、例えば、図17に示す構成を有し、メモリ231に隣接するスイッチ17を操作するためのスイッチ制御情報を格納しており、識別タグ18の表面には、識別図形が描かれている。
また、情報処理装置13は、識別タグ18と交信するための通信機能を備える。
【0095】
情報処理装置13は、利用者の指示により或いは周期的に周囲の非接触情報記憶媒体221と交信し、スイッチ制御情報を読み出し、タグ情報記憶部132に格納する。また、追加情報・関連情報があれば、必要に応じて、DBサーバ20から読み出す。
以後の、情報処理装置13の動作は上述の第1の実施の形態における動作と同一である。
このような構成とすれば、情報処理装置13は、周囲の識別タグ18と交信することにより、周囲のスイッチ17を制御するためのスイッチ制御情報を自動的に取得して、操作可能とすることができ、利用者が移動する場合にも対応できる。
【0096】
なお、隣接する識別タグ18は、互いに異なる通信チャネル(周波数、タイムスロット等)を利用するように予め調整しておくことが望ましい。
【0097】
(第3の実施の形態)
上記実施の形態においては、表示装置12として、設置型のものを例示したが、例えば、装着型のヘッドマウントディスプレイ等を利用することも可能である。
この場合、図19に示すように、ヘッドマウントディスプレイ(表示装置)125と撮像装置15とを一体化し、利用者が向いている方向の画像を撮像装置15で取得するようにしてもよい。また、取得した画像をヘッドマウントディスプレイ125に表示しても、或いは、ヘッドマウントディスプレイ125を半透過状態として、外部が見えるようにしてもよい。
【0098】
この構成の場合、通常時は、表示装置12を透過状態として、表示装置12を通して外部を見ることができる状態とし、識別図形を検出したときに、検出した識別図形に対応する操作画像124を形成し、識別図形が見える位置に、例えば、半透過状態で表示するようにしてもよい。
また、表示画面の下部に定常操作パネルを表示するようにしてもよい。
【0099】
(第3の実施の形態)
上記実施の形態では、スイッチと識別タグとを1:1に対応付ける例を示したが、1:多或いは多:1に対応付けることも可能である。
以下、一例として、操作対象のスイッチと識別タグとを1:多に対応つける例を説明する。
【0100】
まず、本実施の形態においては、操作対象のスイッチは、電動車椅子等の車両104のコントローラであり、表示装置12に表示されたアイコンを指定することにより、選択されたアイコンに割り当てられている操作をコントローラに指示するものとする。
この場合、図20に示すように、スイッチ制御システム100からコントローラ101に制御データが送信され、コントローラ101は、この制御データに従って、車両104のドライブ機構(駆動機構)102を制御する。
【0101】
次に、例えば、図21に例示するような道路105を移動する場面を想定する。道路105の分岐点106,107には、識別タグ18が配置されている。
【0102】
車両105が移動して、分岐点106の近傍に達すると、図22(a−1)に例示するような画像が表示装置12に表示される。ここで、情報処理装置13の制御部134は、画像中に識別画像(スペードの図形)を検出し、対応するスイッチ制御情報に従って、一旦停止をコントローラ101に指示する。指示に従って、コントローラ101はドライブ機構102を停止する。さらに、制御部134は、スイッチ制御情報に従って、図22(a−2)に示すようなアイコンを生成し、図22(a−3)に示すように表示装置12に表示する。利用者は、行きたい方向を指示するアイコンを選択する。スイッチ制御装置100は、選択されたアイコンを検出し、コントローラ101に指示する。コントローラ101は、ドライブ機構102を制御して、指示された方向に車両104を進める。
【0103】
続いて、車両105が移動して、分岐点107の近傍に達すると、図22(b−1)に例示するような画像が表示装置12に表示される。制御部134は、画像中に識別画像(ハートの図形)を検出し、対応するスイッチ制御情報に従って、一旦停止をコントローラ101に指示して、車両105を停止させ、
さらに、図22(b−1)に示すようなアイコンを生成し、図22(b−3)に示すように表示装置12に表示する。利用者は、行きたい方向を指示するアイコンを選択する。スイッチ制御装置100は、選択されたアイコンを検出し、コントローラ101に指示する。コントローラ101は、ドライブ機構102を制御して、指示された方向に車両104を進める。
【0104】
このように、この実施の形態においては、複数の識別タグ18と特定のスイッチとが対応付けられ、識別タグ18にスイッチの操作が対応付けられる。そして、識別タグ18とスイッチ制御システム100とがある程度近接した段階、即ち、スイッチ操作が必要となったタイミングで、識別タグ18が認識され、その時点で、必要な操作を指示するアイコンが表示装置12に表示され、操作対象である駆動機構105の操作が可能となる。
【0105】
この構成によれば、車両104のハンドル、操作レバー等を直接操作しなくても、車両104を制御することが可能となり、例えば、肢体が不自由な方でも、車両104の操作が可能となる。
【0106】
なお、識別タグ18を、スイッチ制御情報を記憶した非接触情報記憶媒体(RFID等)から構成し、スイッチ制御システム100が所定距離まで近づいた時点で、識別タグ18を認識できるようにしてもよい。
【0107】
(第4の実施の形態)
第3の実施の形態では、利用者19が車両104を自らの意志で制御する例を示したが、車両104等を自動制御することも可能である。以下、車両104を自動制御する例を説明する。
【0108】
この例では、前提として、デパートの各フロアがスロープで結ばれており、車両104がフロア間を移動可能であるとする。また、各階の床面には、車両104の予想される移動経路が特定色でペイントされている。
【0109】
また、車両104は、図23に示すように、移動経路を検出するための経路検出部311と、移動コースを予め記憶する経路メモリ312とを備えている。
【0110】
また、デパートの各「館内案内板」の横には、互いに異なる識別図形が描かれた識別タグ18が配置されている。
【0111】
各識別タグ18の識別図形と、その識別タグ18が配置されている位置から任意の売り場に到るコースは予め経路メモリ312に格納されている。
【0112】
このような構成において、スイッチ制御システム100の制御部134は、撮像画像中に館内案内板に対応する識別タグ18上の識別図形を検出すると、例えば、図24(a)に示すように、対応する操作画像124を表示する。この例では、識別タグ18に描かれた識別図形は「スペード」であり、操作画像124は、館内案内に相当する画像であり、「階数」と「商品分類」等がアイコンとして配置されている。
【0113】
利用者19は、目的とする階を示すアイコン(「1F」〜「4F」、「屋上」)或いは商品を示すアイコン(「レストラン」、「衣料品」)などが強調表示されているタイミングで、その選択を意識する。
【0114】
利用者19が、例えば、図24(b)の状態で、選択を意識すれば、アイコン「衣料品」が選択され、スイッチ制御システム100は、「衣料品」が選択されたことをコントローラ101に通知する。
コントローラ101は、スペードが描かれた識別タグ18の設置位置から「衣料品」が陳列されている位置(2Fの所定エリア)に到る経路を経路メモリ312から読み出す。
【0115】
以後、コントローラ101は、床にペイントされた経路を経路検出部311によりトレースしながら、ドライブ機構102を制御し、車両104を2階の衣料品が陳列されている位置まで駆動する。なお、車両104を所定の経路に沿って目的地まで移動すること自体は、所謂、無人搬送車を制御・駆動する方法と同一である。
このような構成によれば、車両104を、自動制御することが可能となる。
【0116】
(第5の実施の形態)
第3、第4の実施の形態では、電動車椅子を制御する例を示したが制御対象は任意である。
例えば、デパートの例で示すと、エレベータを制御する場合などにも適用可能である。以下、本発明をエレベータを制御するシステムに適用した例を説明する。
本実施の形態においては、エレベータ内、例えば、ドアの内側に、識別タグ18が配置され、この識別タグ18に、図24(a)に示すような操作画像124が対応付けられている。
【0117】
制御部134は、撮像画像中に館内案内板に対応する識別図形を検出すると、例えば、図24(a)に示すように、対応する操作画像124を表示する。
【0118】
利用者19は、目的とする階を示すアイコン(「1F」〜「4F」、「屋上」)或いは商品を示すアイコン(「レストラン」、「衣料品」)などが強調表示されているタイミングで、その選択を意識する。
利用者19が、例えば、図24(b)の状態で、選択を意識すれば、アイコン「衣料品」が選択され、スイッチ制御システム100は、「衣料品」が選択されたことを判別し、衣料品が2階に相当することを検出する。制御部134は、機器制御装置14を制御して、エレベータに設置された受信機171に、「2階」を指示するコマンドを送信する。
エレベータのコントローラ172は、行き先階を2階にセットする。
【0119】
この構成によれば、エレベータを任意に制御することが可能となる。
【0120】
(第6の実施の形態)
上記実施の形態においては、撮像画像中の識別画像を検出し、これにより、アイコンを表示したが、非接触情報記憶媒体221を検出することにより、アイコンを表示するように構成してもよい。
この場合、非接触情報記憶媒体221は、図17に例示した構成を有し、メモリ231には、例えば、図25に例示する構成のスイッチ制御情報が格納される。
このスイッチ制御情報は、識別図形に関する情報を含んでいない。また、無線通信部232は、例えば、数メートル程度の通信距離を有する。
また、スイッチ制御システム100は、図18に示す構成又は無線通信部16を介して非接触情報記憶媒体221と交信する構成を有する。
【0121】
次に、図26を参照して、このような構成のスイッチ制御システム100の動作を説明する。なお、この例では、表示装置12は、透過型であり、例えば、図19に示すようなヘッドマウントディスプレイから構成される。
【0122】
まず、情報処理装置13の制御部134は、無線通信部136を介して近傍の非接触情報記憶媒体221と交信する(ステップS41)。
次に、制御部134は、交信できた非接触情報記憶媒体221が存在するか否かを判別する(ステップS42)。
【0123】
制御部134は、存在すると判別された場合、検出された各非接触情報記憶媒体221からスイッチ制御情報を読み出す(ステップS43)。なお、非接触情報記憶媒体221に格納しきれない情報を、或いは、関連情報をタグ情報記憶部132及び/又はDBサーバ20のDBに格納し、任意の情報を読み出して、操作画像124の生成に利用してもよい。
【0124】
次に、制御部134は、読み出したスイッチ制御情報に基づいて、操作画像124を合成する(ステップS44)。即ち、読み出した各スイッチ制御情報に含まれている操作画像定義情報に従って、枠の図形を特定し、その枠内の指定された位置に各アイコンとテキストを配置して、操作画像124を形成する。
【0125】
次に、ステップS41で検出された全ての非接触情報記憶媒体221について操作画像124が形成されたと、生成した操作画像124と選択状態にある(初期状態では、デフォルトの)定常操作パネル画像123とを合成して、1フレーム分の画像を合成する(ステップS45)。
【0126】
一方、ステップS42で、非接触情報記憶媒体221が存在しないと判別された場合(ステップS42;No)、表示対象の定常操作パネル画像123を選択する(ステップS46)。
【0127】
次に、ステップS45又はS46で合成した1フレーム分の画像上に、現在強調表示しているアイコンがあるか否かを判別する(ステップS47)。
【0128】
強調表示中のアイコンがあれば、そのアイコンを強調表示している継続時間を更新し(例えば、1フレーム期間を加算し)、さらに、継続時間が、所定時間以上であるか否かを判別する(ステップS48)。継続時間が所定時間未満であると判別された場合(ステップS48;No)、そのアイコンの強調表示を維持する(ステップS49)。
【0129】
続いて、このようにして生成した1フレーム分の表示画像を、表示装置12に供給し、表示させる(ステップS50)。その後、処理は、ステップS41にリターンする。
【0130】
一方、ステップS48で、強調表示の継続時間が所定時間以上であると判別すると、他アイコンを特定し、継続時間を0にリセットする(ステップS51)。その後、処理は、ステップS49に進む。
【0131】
また、ステップS47で、強調アイコンが無いと判別された場合(ステップS47;No)、強調対象のアイコンを特定し、継続時間を0にリセットする(ステップS52)。その後、処理は、ステップS21に進む。
【0132】
このような処理を行う結果、一定距離内にある非接触情報記憶媒体221に格納されたスイッチ制御情報により特定されるスイッチ操作を可能とするための操作画像124が、図14に例示するように、表示される。
【0133】
そして、操作画像124上のアイコン及び定常操作パネル画像123上のアイコンが順次強調表示される。
そして、利用者19が、所望のアイコンが強調表示されているタイミングで、そのアイコンの選択を希望することにより、脳波に変化が現れ、この変化が検出され、そのタイミングで強調されていたアイコンが特定され、そのアイコンに対応付けられている操作が実行される。
【0134】
このような構成によれば、操作対象とするスイッチ17に対応するスイッチ制御情報を非接触情報記憶媒体221に格納して配置することにより、各スイッチの遠隔操作が可能となる。
【0135】
以上の説明においては、脳波の変化を検出して、アイコンを選択する例を説明したが、アイコンを指定する手法は任意である。
【0136】
例えば、脳波を判別関数で処理することにより、注視しているアイコンを判別するように構成してもよい。また、脳波は、頭皮上の電極により計測されたものに限らず、硬膜下電極などにより計測されたものでも良い。さらに、本システムは、脳磁計など他の脳機能計測手法を用いても動作する。また、脳波に限らず、任意の筋肉からの信号でもよい。
【0137】
また、体の各部、例えば、指、頭部の微妙な動きであってもよい。
また、例えば、図27に示すように、利用者19の顔を撮影する撮像装置を配置し、撮像装置で撮影した画像から、利用者19の視線の方向を判別し、視線の位置にあるアイコンを選択するように構成してもよい。この場合には、アイコンを順次強調表示する必要はない。
【0138】
以上説明したように、本発明の制御システム・方法は、切替スイッチ、オン・オフスイッチ、ボリュームスイッチ等の狭義のスイッチの制御に限らず、機器、装置、システム等に指示・コマンド・入力等を与えるもの一般に広く適用可能である。また、利用者19が肢体不自由者の場合などに特に有効であるが、利用者の属性は任意であり、健常者の利用にも有効である。
【0139】
以上、この発明の実施の形態を説明したが、この発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、任意に応用及び変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】この発明の実施の形態に係るスイッチ制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す脳波測定装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】(a)、(b)は、図1の表示装置に表示する画面の例を示す図である。
【図4】図1に示す情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図5】(a)、(b)は、操作画像の例を示す図である。
【図6】(a)、(b)は、操作画像を構成する素材としての枠の図形の例を示す図である。
【図7】(a)〜(f)は、アイコンの例を示す図である。
【図8】(a)はスイッチ制御情報の構成例を示す図であり、(b)と(c)は、スイッチ制御情報を構成するスイッチ画像定義情報の構成例を示す図である。
【図9】図1に示す機器制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図10】(a)、(b)は、図1に示すスイッチの構成例を示すブロック図である。
【図11】図1に示すスイッチ制御システムの画像表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】図1に示すスイッチ制御システムの注目アイコン検出処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】(a)〜(e)は、アイコンの強調表示の例を説明するための図である。
【図14】表示画像の他の例を示す図である。
【図15】(a)〜(c)は、スイッチ操作画像及びアイコンを変形して表示する例を説明するための図である。
【図16】非接触情報記憶媒体を配置する例を説明するための部屋の平面図である。
【図17】非接触情報記憶媒体の構成例を示すブロック図である。
【図18】情報処理装置の他の構成例を示すブロック図である。
【図19】表示装置の他の例を示す図である。
【図20】スイッチ制御システムにより車両(電動車椅子等)を制御する構成を説明するためのブロック図である。
【図21】スイッチ制御システムにより車両を制御する構成を説明するための図であり、道路の図である。
【図22】(a−1)〜(b−3)は、スイッチ制御システムにより車両を制御する構成を説明するための図であり、表示画像の例を示す図である。
【図23】スイッチ制御システムにより車両を制御する場合の構成を説明するためのブロック図である。
【図24】(a)、(b)は、スイッチ制御システムにより車両を制御する構成を説明するための図であり、表示画像の例を示す図である。
【図25】非接触情報記憶媒体に格納されるスイッチ制御情報の他の例を示す図である。
【図26】スイッチ制御システムの画像表示処理の他の例を説明するためのフローチャートである。
【図27】スイッチ制御システムの構成の他の例を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
【0141】
11 脳波測定装置
12 表示装置
13 情報処理装置
14 機器制御装置
15 撮像装置
16 無線通信機
17 スイッチ
18 識別タグ
19 利用者
20 データベース(DB)サーバ
100 スイッチ制御システム
111 プローブ
112 信号処理回路
113 出力部
121 操作用画面
122 撮像画像
124 操作画像
123 定常操作パネル画像
125 ヘッドマウントディスプレイ
131 入力部
132 タグ情報記憶部
133 通信部
134 制御部
135 脳波記憶部
141 通信部
142 入出力部
143 制御部
171 受信機
172 コントローラ
173 アクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作対象の存在を示す情報を検出する検出手段と、
前記検出手段が制御対象の存在を示す情報を検出したことに応答し、アイコンを含む操作画像を特定する情報を記憶手段から読み出す読出手段と、
前記読出手段により読み出された情報に従って、アイコンを含む操作画像を生成し、生成した操作画像を表示装置に表示する表示制御手段と、
前記表示装置に表示されている操作画像に含まれるアイコンのうち、利用者が注目しているアイコンを判別する注目アイコン判別手段と、
前記注目アイコン判別手段により判別されたアイコンに対応する制御信号を出力する制御出力手段と、
を備えることを特徴とする制御システム。
【請求項2】
前記検出手段は、画像信号を入力し、該画像信号が表す画像中の特定の図形を検出する特定図形検出手段から構成され、
前記記憶手段は、特定の図形と操作画像特定情報とを対応付けて記憶し、
前記読出手段は、前記特定図形検出手段により検出された特定の図形に対応する操作画像特定情報を読み出し、
前記表示制御手段は、読出手段により読み出された操作画像特定情報により特定される操作画像を前記表示装置に表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記検出手段は、操作対象の存在を指示する無線信号を検出する手段を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項4】
前記検出手段は、操作対象の近傍に配置された非接触情報記憶媒体を検出する手段を備え、
前記読出手段は、前記検出手段により検出された非接触情報記憶媒体に記憶されている操作画像を特定する情報を読み出す、ことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項5】
前記表示制御手段は、撮像装置からの画像信号を受信し、受信した画像信号が定義する画像と操作画像特定情報により特定される操作画像とを合成して前記表示装置に表示する、ことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項6】
前記表示装置は、透過型の表示装置から構成され、
前記表示制御手段は、前記表示装置に操作画像を表示する、ことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項7】
前記注目アイコン判別手段は、
利用者の生体情報を取得し、取得した生体情報に基づいて、前記表示手段に表示されている操作画像に含まれるアイコンのうち、いずれのアイコンに注目しているかを判別する手段を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記操作画像に含まれるアイコンを順次強調表示し、
前記注目アイコン判別手段は、利用者の生体情報を取得し、取得した生体情報の変化を検出する手段と、変化時点において強調状態にあるアイコンを注目アイコンとして判別する手段と、を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項9】
前記注目アイコン判別手段は、
利用者の脳波信号を取得し、取得した脳波信号に基づいて、利用者が注目しているアイコン判別する手段と、利用者の視線を判別し、視線上のアイコンを判別する手段と、の少なくとも一方を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項10】
操作対象の存在を検出し、
検出に応答し、操作画像を特定する情報を読み出し、
読み出した情報に従って、アイコンを含む操作画像を生成して表示し、
利用者が注目しているアイコンを判別し、
判別されたアイコンに対応する制御信号を操作対象に出力する、
ことを特徴とする制御方法。

【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図1】
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【図3】
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【図27】
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【公開番号】特開2010−15360(P2010−15360A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−174402(P2008−174402)
【出願日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り (1)JOURNAL OF CLINICAL REHABILITATION」(Vol.16 No.9 2007.9号) 発行日:2007(平成19年)9月15日 発行所:医歯薬出版株式会社 (2)プレスリリース 発行日:2008年1月22日 発行所:国立身体障害者リハビリテーションセンター (3)東京新聞(埼玉版)平成20年1月23日付夕刊 発行日:平成20年1月23日 発行所:株式会社中日新聞社 (4)読売新聞 埼玉西版 平成20年1月30日付 朝刊 発行日:平成20年1月30日 発行所:株式会社読売新聞東京本社 (5)朝日新聞 平成20年2月6日付朝刊 発行日:平成20年2月6日 発行所:株式会社朝日新聞社 (6)日本経済新聞 平成20年2月8日付朝刊 発行日:平成20年2月8日 発行所:株式会社日本経済新聞社 (7)市民新聞 No.272 平成20年2月8日付 発行日:平成20年2月8日 発行所:株式会社読売新聞 所沢センター市民新聞社 (8)Web埼玉 ホームページのアドレス:http://www.saitama−np.co.jp/news03/13/04x.html 掲載日:2008年3月13日
【出願人】(803000056)財団法人ヒューマンサイエンス振興財団 (341)
【Fターム(参考)】