説明

制御可能なアダプタの出力を有する電力管理システム

【課題】バッテリコントローラを有するバッテリパックと、バッテリパックを充電するとともに、システム負荷に電力供給するアダプタとを備えた電力管理システムを提供する。
【解決手段】アダプタは、最大アダプタ電力を示す電力認識信号を生成するとともに、制御信号を受信する。バッテリパックの状態と、システム負荷の状態とに応じて、アダプタの出力電力を調節するために、バッテリパック内のバッテリコントローラは、電力認識信号を受信するとともに、制御信号を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力管理システムに関し、特に、制御可能なアダプタの出力を有する電力管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2007年3月7日に提出された米国仮特許出願第60/905,679号に対する優先権を主張する、その発明の名称を“Battery Management Systems with Controllable Adapter Output”と称し、2007年6月20日に提出された同時係属出願である米国特許出願第11/821,042号の一部継続出願であり、引用によりその全体を本願明細書に組み込む。
【0003】
図1は、従来のバッテリ充電回路100のブロック図を示している。図1に示されているように、バッテリ充電回路100は、アダプタ102と、パルス幅変調コントローラ108と、充電器コントローラ110と、バッテリパック内のバッテリ保護回路(図示せず)とによって、実現されている。アダプタ102は、固定電圧を出力するとともに、充電器106(パルス幅変調コントローラ108、および充電器コントローラ110として図示)は、ブロック112内の電力スイッチおよびバックコンバータ(buck converter)を制御することによって、アダプタ102の出力電圧を低下させる。その結果、従来のバッテリ充電回路は、比較的サイズが大きく、かつコストが掛かる。
【0004】
図2は、他の従来の充電回路200のブロック図を示している。充電回路200は、制御可能なアダプタ202と、充電器コントローラ210として図示されている外部制御チップとを備えている。外部制御チップ(充電器コントローラ210)は、バッテリパック204の電流/電圧に応じて、制御可能なアダプタ202の出力電力を制御する。図2に示されているように、充電回路200は、バッテリパック204の充電電流制御するために、追加のスイッチ212をさらに必要とする。その結果、このようなバッテリ充電回路も、同様に比較的サイズが大きく、かつコストが掛かる。
【0005】
さらに、従来の充電回路では、不平衡(unbalancing)の問題(たとえば、バッテリパック内の複数セルが、異なる電圧/容量を有する場合がある)によって、たとえ他のセルが完全に充電されていなくとも、幾つかのセルは、過電圧状態に達する場合がある。このような不平衡の問題からセルを回避させるために、セル平衡回路の使用が可能であるが、一般的には、過度の熱発生を避けるため、バッテリがほぼ完全に充電がされている場合にのみ、セルの平衡が可能である。平衡時間が制限される結果、セル平衡回路は効果的ではない場合がある。換言すれば、充電過程は、全セルにわたって十分精密ではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、電力管理システムは、バッテリコントローラを有するバッテリパックと、バッテリパックを充電するとともに、システム負荷に電力供給するように動作するアダプタとを備えている。アダプタは、最大アダプタ電力を示す電力認識信号を生成するとともに、制御信号を受信する。バッテリパック内のバッテリコントローラは、バッテリパックの状態と、システム負荷の状態とに応じて、アダプタの出力電力を調節するために、電力認識信号を受信するとともに、制御信号を生成する。
【0007】
主張する本発明主題の実施形態の特徴および利点は、添付の図面(同一の参照符号は、同一の部分を表す)への参照とともに、本発明の詳細な記載によって、以下のとおり明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】従来のバッテリ充電回路のブロック図を示す図である。
【図2】従来のバッテリ充電回路のブロック図を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による、バッテリ管理システムを示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態による、バッテリ管理システムを示す他のブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態による、バッテリ管理システムによって実行される動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態による、バッテリ管理システムによって実行される動作を示す他のフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態による、バッテリ管理システムによって実行される動作を示す他のフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態による、バッテリ管理システムによって実行される動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態による、バッテリ管理システムを示すブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態による、バッテリ管理システムによって実行される動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の実施形態の詳細は、参照によって明らかとなる。本発明は、これらの実施形態と併せて記載されるが、本発明をこれらの実施形態に限定することを意図するものでないことを理解されたい。反対に、本発明は、添付の特許請求の範囲よって定義される本発明の趣旨および範囲内に含まれる代替物、変形物、および等価物を包含することを意図している。
【0010】
さらに、以下の本発明の詳細な説明において、本発明に対する理解が深まるように、多数の詳細な情報を説明する。しかし、当業者であれば、それらの詳細な情報がなくとも本発明を実施することは可能であることを理解されよう。他の事例では、本発明の態様が不必要に曖昧にならないよう、すでに良く知られている方法、手続き、コンポーネント、および回路を詳細には記載しない。
【0011】
一実施形態において、本発明は、制御可能なアダプタの出力を有するバッテリ管理システムを提供する。そのような一実施形態において、バッテリ管理システムは、バッテリパック内に統合された制御回路(スペースを節約するとともに、コストを低減する)によって、個々のセル状態(たとえば、セル電圧、セル電流、セル温度、およびセル容量)に応じて、アダプタの出力(たとえば、アダプタ出力電力、アダプタ出力電圧、およびアダプタ出力電流)を調節することができる。その結果、本発明のバッテリ管理システムは、個々のセル状態に応じて、複数の充電モード(たとえば、標準定電流充電モード(standard constant current charging mode)、軽定電流充電モード(light constant current charging mode)、標準定電圧充電モード(standard constant voltage charging mode)、軽定電圧充電モード(light constant voltage charging mode))を有効にすることができる。一実施形態において、全セルが完全に充電された場合に、バッテリの充電を終了するとともに、それにより望ましくない状態(たとえば、過電圧、過充電、過電流)を回避することができる。
【0012】
図3は、本発明の一実施形態による、バッテリ管理システム300のブロック図を示している。バッテリ管理システム300は、複数のセル310_1,320_2,…,310_nを有するバッテリパック304を充電するアダプタ302(たとえば、制御可能なアダプタ)を備えている。
【0013】
一実施形態において、複数の充電モードを有効にするために、制御回路320は、前記バッテリパック304を監視するとともに、アダプタ302の出力電力を制御する制御信号350を生成するために使用される。さらに詳細には、制御回路320は、バッテリパック304内の複数のセル310_1〜310_nの各セルの状態(たとえば、セル電圧、セル電流、セル温度、およびセル容量)に応じて制御信号350を生成するために使用される。一実施形態において、制御回路320に接続されたアダプタ302は、バッテリパック304を充電する。好ましくは、アダプタ302の出力340における出力電力は、制御信号350に応じて調節される。
【0014】
一実施形態において、前記制御回路320は、バッテリパック304内に統合されている。そのため、バッテリパック304は、個々のセル状態に応じて、制御可能なアダプタ302の出力340を直接制御することができる。したがって、外部制御チップ(たとえば、充電器コントローラ)と、外部電力スイッチとを除外することができる。
【0015】
限定するわけではなく、一実施形態において、前記制御回路320は、標準定電流充電モードCC(n=0)と、軽定電流充電モードCC(n=1,2,…,max、ただし、maxは、異なる軽定電流充電モードの数を示すnの所定最大数である)と、標準定電圧充電モードCV(m=0)と、軽定電圧充電モードCV(m=1,2,…,max’、ただし、max’は、異なる軽定電圧充電モードの数を示すmの所定最大数である)と、充電終了モードとを有効にする。一実施形態において、軽定電流充電モード、または軽定電圧充電モードは、不平衡状態が発生した場合、有効にすることができる。一実施形態において、充電終了モードは、望ましくない/エラー状態が発生した場合、または全セルが完全に充電された場合、有効にすることができる。
【0016】
好ましくは、一実施形態において、前記出力340において定充電電流Iを供給するように、制御信号350がアダプタ302を制御する場合、標準定電流充電モードCCは有効にされる。そのため、バッテリパック304は、定充電電流Iによって充電される。一実施形態において、出力340において軽定充電電流(constant light charging current)I(n=1,2,…,max)を供給するように、制御信号350がアダプタ302を制御する場合、軽定電流充電モードCC(n=1,2,…,max)は有効にされる。そのため、バッテリパック304は、軽定充電電流I(n=1,2,…,max)によって充電される。一実施形態において、I>I>I>…>Imaxである。
【0017】
同様に、一実施形態において、前記出力340において定充電電圧Vを供給するように、制御信号350がアダプタ302を制御する場合に、標準定電圧充電モードCVは有効にされる。そのため、バッテリパック304は、定充電電圧Vによって充電される。一実施形態において、出力340において軽定充電電圧(constant light charging voltage)V(m=1,2,…,max’)を供給するように、制御信号350がアダプタ302を制御する場合、軽定電圧充電モードCV(m=1,2,…,max’)は有効にされる。そのため、バッテリパック304は、軽定充電電圧V(m=1,2,…,max’)によって充電される。一実施形態において、V>V>V>…>Vmax’である。
【0018】
好ましくは、個々のセル状態に応じて、前記異なる充電モード(CC,CC,…,CCmax、およびCV,CV,…,CVmax’)を有効にすることによって、全セルを完全に充電するとともに、望ましくない状態を回避することができ、それによってバッテリ寿命を延ばすことができる。
【0019】
上述したように、一実施形態において、前記複数の充電モード(CC,CC,…,CCmax、およびCV,CV,…,CVmax’)を有効にするために、制御回路320は、個々のセル状態を監視するとともに、アダプタ302の出力電力を制御する。他の実施形態において、バッテリパック304(たとえば、バッテリパック電圧およびバッテリパック電流)を監視するとともに、複数の充電モード(CC,CC,…,CCmax、およびCV,CV,…,CVmax’)を有効にする制御信号を生成する制御回路は、同様に、バッテリパック304の外部に実装することができる。
【0020】
図4は、本発明の一実施形態による、バッテリ管理システム400の他のブロック図を示している。図3と同一の参照符号が付された要素は、同様の機能を有し、簡潔性および明瞭性のため、本明細書では繰り返し説明しない。図4の実施例において、前記バッテリパック304は、3個のセル310_1,320_2,310_3を備えている。
【0021】
図4において、監視回路424(たとえば、ガス計器回路)は、前記個々のセル310_1〜310_3に対して、セルの状態(たとえば、セル電圧、セル電流、セル温度、およびセル容量)を監視するとともに、望ましくない状態(たとえば、過電圧、過電流、過温度、および過充電)から、各セル310_1〜310_3を保護するように、構成されている。一実施形態において、監視回路424は、各セル310_1〜310_3を監視するとともに、各セル310_1〜310_3に対してセルの状態を示す監視信号を生成する。
【0022】
たとえば、前記監視回路424は、セル310_1〜310_3の電圧を監視するとともに、セル310_1〜310_3の電圧をそれぞれ示す監視信号490_1〜490_3を生成する。一実施形態において、全セル310_1〜310_3は、同一の電流を有するため、監視回路424は、感知抵抗470を介してバッテリ電流を監視するとともに、バッテリ電流を示す監視信号492を生成する。一実施形態において監視回路424は、同様に、温度センサ472を介してバッテリ温度を監視するとともに、バッテリ温度を示す監視信号494を生成する。一実施形態において、監視回路424は、同様に、セル310_1〜310_3の容量を監視するとともに、セル310_1〜310_3の容量をそれぞれ示す監視信号(図示せず)を生成することができる。
【0023】
好ましくは、一実施形態において、前記監視回路424に接続されたコマンドコンバータ426は、監視信号490_1〜490_3,492,494に応じて、制御信号350を生成する。さらに詳細には、バッテリパック304内に統合されたコマンドコンバータ426は、個々のセル状態に基づいて、アダプタ302の出力電力を制御する制御信号350を生成するために使用される。したがって、一実施形態において、個々のセル状態に応じて、異なる充電モードを有効にすることができる。一実施形態において、コマンドコンバータ426は、バッテリパック304の外部に実装される。そのような一実施形態において、コマンドコンバータ426は、コマンドコンバータ426とバッテリパック304との間に接続されたシリアルバス、たとえば、1ワイヤバスまたは2ワイヤバス(例として、SMBusバスやI2Cバスなど)を介して、監視信号490_1〜490_3,492,494を受信することができる。
【0024】
一実施形態において、コマンドコンバータ426は、プロセッサ(たとえば、マイクロプロセッサ)または状態マシンによって実現することができる。限定するわけではなく、一実施形態において、コマンドコンバータ426は、標準定電流充電モードCC(n=0)と、軽定電流充電モードCC(n=1,2,…,max)と、標準定電圧充電モードCV(m=0)と、軽定電圧充電モードCV(m=1,2,…,max’)と、充電終了モードとを有効にする。
【0025】
一実施形態において前記制御信号350は、アナログ制御信号である。アナログ制御信号は、パルス幅変調信号生成器480によって生成されたパルス幅変調信号のデューティサイクルを制御するために使用される。一実施形態において、パルス幅変調信号生成器480は、アダプタ302内にある。パルス幅変調信号のデューティサイクルを調節することによって、出力340におけるアダプタ302の出力電力を調節することができる。換言すれば、一実施形態において、アダプタ302におけるパルス幅変調信号のデューティサイクルを制御することによって、様々な充電モードを有効にすることができる。たとえば、個々のセル状態に応じて標準定電流充電モード(CC)を有効にする必要がある場合、アナログ制御信号は、アダプタ302が定電流Iを出力するように、パルス幅変調信号のデューティサイクルを調節する。
【0026】
一実施形態において、前記制御信号350は、デジタル制御信号である。一実施形態において、アダプタ302におけるパルス幅変調信号のデューティサイクルを制御するため、デコーダは、デジタル制御信号をアナログ制御信号に変換するように、アダプタ302内に実装することができる。
【0027】
さらに、一実施形態において、コマンドコンバータ426は、同様に、前記バッテリパック304内の充電スイッチ430および放電スイッチ432を制御する。一実施形態において、充電スイッチ430がスイッチオフされた場合に、バッテリの充電は終了する。一実施形態において、放電スイッチ432は、バッテリパック304がシステム負荷(図示せず)に電力を供給した場合に、スイッチオンされる。
【0028】
一実施形態において、前記セル310_1〜310_3の性能を向上させるために、セル310_1〜310_3を平衡させるセル平衡回路428は、バッテリパック304内に備えられている。セル平衡回路428は、監視回路424の外部または監視回路424の内部に実装することができる。一実施形態において、不平衡セルを流れる電流を減少させるために、ブリーディング電流(バイパス電流)は、不平衡セルに対しセル平衡回路428によって有効にすることができる。セル平衡回路428に示されているように、セル310_1のブリーディング電流は、スイッチ410_1がスイッチオンされた場合に、有効にされる。セル310_2のブリーディング電流は、スイッチ410_2がスイッチオンされた場合に、有効にされる。セル310_3のブリーディング電流は、スイッチ410_3がスイッチオンされた場合に、有効である。スイッチ410_1〜410_3は、監視回路424またはコマンドコンバータ426によって、制御することができる。そのため、セル平衡回路428は、監視回路424またはコマンドコンバータ426によって、制御することができる。
【0029】
限定するわけではなく、セル不平衡状態は、以下の状態を含み得る。一実施形態において、セルは他のいずれかのセルに対して電圧差を有する場合(前記電圧差が、所定の電圧差ΔVを超過している)、セルは不平衡である。他の実施形態において、セルが所定の閾値電圧Vbalanceを有する場合、セルは不平衡である。さらに他の実施形態において、セルが、所定の閾値
【数1】

を超過する
【数2】

(充電時間の差分に対するセル電圧の差分)を有する場合に、セルは不平衡である。さらに他の実施形態において、セルが他のいずれかのセルに対して容量差を有する場合(前記容量差は、所定の容量差ΔCを超過している)、セルは不平衡である。
【0030】
好ましくは、上述したように、不平衡状態が発生した場合、前記アダプタ302は、より小さい充電電流(軽定電流充電モード)でバッテリパック304を充電する。したがって、全セルを完全に充電するために、セル平衡回路428は、(ブリーディング電流を有効にすることによって)セル平衡を行うのに、より長い時間を要する。
【0031】
図5は、本発明の一実施形態による、バッテリ管理システムによって実行される動作のフローチャート500を示している。一実施形態において、図4のバッテリ管理システムが、フローチャート500に示されている方法で動作するように、コマンドコンバータ426は、構成することができる。さらに詳細には、一実施形態において、フローチャート500は、充電モードがコマンドコンバータ426により様々なセルの状態に応じて有効にされることを例示している。図5は、図3および図4と組み合わせて説明される。
【0032】
一実施形態において、図5の実施例で前記バッテリ管理システムは、最初に、標準定電流充電モードCCで、バッテリパック304を充電する。一実施形態において、不平衡状態が発生した場合、バッテリ管理システムは、軽定電流充電モードCC(n=1,2,…,max)で、バッテリパック304を充電する。一実施形態において、バッテリパック304の最高セル電圧(たとえば、セル310_1の電圧は3.80V、セル310_2の電圧は3.90V、セル310_3の電圧は4.05Vである場合、最高セル電圧は、4.05Vに等しい)が、プリセット電圧V1(たとえば、リチウムイオンセルでは、3.9V)よりも高い場合、バッテリ管理システムは不平衡状態があるかどうか確認するために、不平衡チェックを実行する。一実施形態において、不均衡状態がある場合、バッテリ管理システムは、セル平衡回路428によって全ての不平衡セルに対してブリーディング電流を有効するだけでなく、バッテリパック304の充電電流を調節する(たとえば、減少させる)。一実施形態において、バッテリパック304の平均セル電圧が、プリセット電圧レベルV2(たとえば、リチウムイオンセルでは、4.2V)よりも高い場合、バッテリ管理システムは、定電圧充電モード(たとえば、標準定電圧充電モードCV(m=0))で、バッテリパック304を充電する。一実施形態において、バッテリ管理システムは、同様に、保護チェックを行う。
【0033】
ブロック502で、前記バッテリ管理システムは、バッテリパック304の充電を開始するとともに、n(様々な定電流充電モードを表す)は0に初期化される。ブロック504で、定電流充電モードCC(n=0)は、制御信号350によって有効にされる。たとえば、nが0にセットされた場合、標準定電流充電モードCCは有効にされる。nが1からmaxまでの間である場合、軽定電流充電モードCC(n=1,2,…,max)は有効にされる。ブロック506で、保護チェックは実行される。たとえば、一実施形態において、コマンドコンバータ426は、監視回路424から監視信号を受信するとともに、不平衡状態(たとえば、過電圧、過電流、および過温度)が発生しているかどうか判定する。望ましくない状態がある場合、フローチャートはブロック530に進み、バッテリの充電を終了する(充電終了モード)。そのため、コマンドコンバータ426は、充電スイッチ430をスイッチオフして、バッテリの充電を終了する。望ましくない状態がない場合、フローチャートはブロック508に進む。
【0034】
前記ブロック508で、バッテリパック304の平均セル電圧は、たとえばコマンドコンバータ426によって、プリセット電圧レベルV2(たとえば、リチウムイオンセルでは、4.2V)と比較され、定電圧充電モード(たとえば、標準定電圧充電モードCV)が有効にできるか否か判定される。一実施形態において、バッテリパック304の平均セル電圧がプリセット電圧レベルV2よりも高い場合(バッテリパック304は定電圧充電モード(たとえば、標準定電圧充電モードCV)で充電することができることを示す)、フローチャートは、ブロック524に進む。
【0035】
前記ブロック524で、定電圧充電モード(たとえば、標準定電圧充電モードCV)は、制御信号350によって有効にされる。ブロック526で、保護チェック(ブロック506と同様)を行う。望ましく状態がある場合、フローチャートは、ブロック530に進み、バッテリの充電を終了する(充電終了モード)。そうでない場合、フローチャートは、ブロック528に進む。
【0036】
前記ブロック528で、バッテリパック304内の全セルは、完全に充電され、フローチャートはブロック530に進み、充電を終了する(充電終了モード)。そうでない場合、フローチャートは、ブロック524に戻り、バッテリパック304は、ブロック524に示されているように定電圧充電モード(たとえば、標準定電圧充電モードCV)の下、引き続き充電される。一実施形態において、コマンドコンバータ426は、監視回路424から電圧監視信号を受信し、全セルが完全に充電されたかどうか判定する。
【0037】
前記ブロック508に戻って、バッテリパック304の平均セル電圧が、所定の電圧レベルV2よりも低い場合(バッテリパック304は、なおも標準/軽定電流充電モードで充電することができることを示している)、フローチャートはブロック510に進む。
【0038】
ブロック510で、最高セル電圧は、たとえばコマンドコンバータ426によって、プリセット電圧V1(たとえば、リチウムイオンセルでは、3.9V)と比較される。プリセット電圧V1は、不平衡チェックを行うかどうかを判定するために使用される。一実施形態において、最高セル電圧がプリセット電圧V1よりも高い場合、不平衡チェックは行われ、フローチャートはブロック512に進む。最高セル電圧がプリセット電圧V1よりも低い場合、フローチャートはブロック504に戻る。明瞭性と簡潔性のため、本明細書において上述したブロック504について繰り返しとなる記載は、以下省略する。
【0039】
前記ブロック512で、不平衡チェックが行われる。不平衡状態がない場合、フローチャートはブロック504に戻る。不平衡状態がある場合、ブリーディング電流は、不平衡セルに対して有効にされ(フローチャート500には図示されていないステップ)、フローチャートはブロック514に進む。
【0040】
前記ブロック514で、タイマが開始される。ブロック516で、バッテリパック304の平均セル電圧は、たとえばコマンドコンバータ426によって、プリセット電圧レベルV2(ブロック508と同様)と比較され、定電圧充電モード(たとえば、標準定電圧充電モードCV)が有効にできるか否か判定される。一実施形態において、バッテリパック304の平均セル電圧が、プリセット電圧レベルV2よりも高い場合(バッテリパック304が定電圧充電モード(たとえば、標準定電圧充電モードCV)で充電できることを示している)、フローチャートはブロック524に進む。明瞭性と簡潔性のため、本明細書において上述したブロック524について繰り返しとなる記載は、以下省略する。
【0041】
前記ブロック516に戻って、バッテリパック304の平均セル電圧が、プリセット電圧レベルV2よりも低い場合(バッテリパック304は、なおも標準/軽定電流充電モードで充電できることを示している)、フローチャートはブロック520に進む。ブロック518で、タイマが終了した場合(たとえば、タイマが所定の時間に達した)、フローチャートはブロック520に進む。タイマが終了していない場合、フローチャートはブロック516に戻る。
【0042】
前記ブロック520で、nは、たとえばコマンドコンバータ426によって、所定の最大数maxと比較される。nが所定の最大数maxと等しい場合、フローチャートはブロック504に戻って、軽定電流充電モードCCmaxを継続する。そうでない場合、フローチャートはブロック522に進む。ブロック522で、nは1増加され、フローチャートはブロック504に戻る。明瞭性と簡潔性のため、本明細書において上述したブロック504について繰り返しとなる記載は、以下省略する。
【0043】
図6は、本発明の一実施形態による、バッテリ管理システムによって実行される動作の他のフローチャート600を示している。一実施形態において、前記コマンドコンバータ426は、図4の前記バッテリ管理システムが、フローチャート600に示されている方法で動作するように、構成されている。図6は、図3および図4と組み合わせて説明される。
【0044】
一実施形態において、図6の実施例でバッテリ管理システムは、最初に、前記標準定電流充電モードCCで、バッテリ304を充電する。一実施形態において、不平衡状態が発生した場合、バッテリ管理システムは、軽定電流充電モードCC(n=1,2,…,max)で、バッテリパック304を充電する。一実施形態において、バッテリパック304の平均セル電圧が、プリセット電圧レベルV2(たとえば、リチウムイオンセルでは、4.2V)よりも高い場合、バッテリ管理システムは、定電圧充電モード(たとえば、標準定電圧充電モードCV)で、バッテリパック304を充電する。一実施形態において、バッテリパック304の最高セル電圧が、プリセット電圧V3(たとえば、リチウムイオンセルでは、4.3V)よりも高く、かつ平均セル電圧がプリセット電圧V2よりも低い場合、バッテリ管理システムは、定電流充電モードをCCからCCn+1に変更することによって、充電電流を減少させ、過電圧保護を有効にする。一実施形態において、バッテリ管理システムは、同様に、保護チェックを行う。
【0045】
ブロック602で、前記バッテリ管理システムは、バッテリパック304の充電を開始し、n(様々な定電流充電モードを表す)は0に初期化される。ブロック604で、標準定電流充電モードCCは、制御信号350によって有効される。たとえば、nが0にセットされた場合、標準定電流充電モードCCは有効にされる。nが1からmaxまでの間である場合、軽定電流充電モードCC(n=1,2,…,max)は、有効にされる。ブロック606で、保護チェックは行われる。たとえば、一実施形態において、コマンドコンバータ426は、監視回路424から監視信号を受信し、望ましくない状態(たとえば、過電圧、過電流、および過温度)が発生しているかどうか判定する。望ましくない状態がある場合、フローチャート636に進み、バッテリの充電を終了させる(充電終了モード)。そのため、コマンドコンバータ426は、充電スイッチ430をスイッチオフして、バッテリの充電を終了する。望ましくない状態がない場合、フローチャートはブロック608に進む。
【0046】
過電圧状態があるかどうかチェックするために、前記ブロック608で、最高セル電圧は、たとえばコマンドコンバータ426によって、プリセット電圧V3と比較される。最高セル電圧が、プリセット電圧V3よりも高い場合(過電圧状態があることを示している)、フローチャートはブロック614に進む。ブロック614で、nは1増加される。フローチャートはブロック624に進み、定電圧充電モード(たとえば、標準定電圧充電モードCV)が有効にできるか否かチェックする。最高セル電圧がプリセット電圧V3よりも低い場合(過電圧状態がないことを示している)、フローチャートはブロック610に進む。
【0047】
前記ブロック610で、不平衡チェックが行われる。不平衡状態がない場合、フローチャートはブロック624に進み、定電圧充電モード(たとえば、標準定電圧充電モードCV)が有効にできるか否かチェックする。不平衡状態がない場合、ブリーディング電流は、不平衡セルに対して有効にされ(フローチャート600には図示されていないステップ)、フローチャートはブロック615に進む。
【0048】
前記ブロック615で、タイマは開始される。ブロック616で、タイマが終了した場合、フローチャートはブロック618に進み、nは1増加される。フローチャートはブロック624に進み、定電圧充電モード(たとえば、標準定電圧充電モードCV)が有効にできるか否かチェックする。
【0049】
定電圧充電モードが有効にできるか否かを判定するために、前記ブロック624で、平均セル電圧は、たとえば、コマンドコンバータ426によって、プリセット電圧V2と比較される。平均セル電圧がプリセット電圧V2よりも低い場合、フローチャートはブロック604に戻る。明瞭性と簡潔性のため、本明細書において上述したブロック604について繰り返しとなる記載は、以下省略する。
【0050】
前記平均電圧がプリセット電圧V2よりも高い場合、フローチャートは626に進み、定電圧充電モード(たとえば、標準定電流充電モードCC)を有効にする。
【0051】
前記ブロック616に戻って、タイマが終了していない場合、フローチャートはブロック622(ブロック624と同様)に進み、定電圧充電モード(たとえば、標準定電圧充電モードCV)が有効にできるか否かチェックする。ブロック622で、平均セル電圧は、たとえばコマンドコンバータ426によって、プリセット電圧V2と比較される。平均セル電圧がプリセット電圧V2よりも低い場合、フローチャートはブロック616に戻る。明瞭性と簡潔性のため、本明細書において上述したブロック616について繰り返しとなる記載は、以下省略する。平均セル電圧がプリセット電圧V2よりも高い場合、フローチャートはブロック626に進み、定電圧充電モード(たとえば、標準定電圧充電モードCV)を有効にする。
【0052】
ブロック628で、保護チェックが行われる(前記ブロック606と同様)。望ましくない状態がある場合、フローチャートはブロック636に進み、バッテリの充電を終了する(充電終了モード)。望ましくない状態がない場合、フローチャートはブロック630に進む。過電圧状態があるかどうかチェックするために、ブロック630で、最高セル電圧は、たとえばコマンドコンバータ426によって、プリセット電圧V3(ブロック608と同様)と比較される。最高セル電圧が、プリセット電圧V3よりも高い場合(過電圧状態があることを示している)、フローチャートはブロック634に進む。ブロック634で、nは所定の最大値maxにセットされ、フローチャートはブロック604に戻る。そのため、最小充電電流Imax(I0>I1>I2>…>Imax)は、有効にされる。最高セル電圧が、プリセット電圧V3よりも低い場合、(過電圧状態がないことを示している)、フローチャートはブロック632に進む。ブロック632で、全セルが完全に充電された場合、フローチャートはブロック636に進み、充電を終了させる。そうでない場合、フローチャートはブロック626に戻って、定電圧充電モードを継続する。明瞭性と簡潔性のため、本明細書において上述したブロック626について繰り返しとなる記載は、以下省略する。
【0053】
図7は、本発明の一実施形態による、バッテリ管理システムによって実行される動作の他のフローチャート700を示している。一実施形態において、リン酸リチウムイオンバッテリセルでは、セルが一定の電圧閾値(「電圧ジャンプ(voltage jump)」と呼ばれる)に達した後、セルの電圧が急激に増加する。そのため、一実施形態において、「電圧ジャンプ」が発生した場合、充電電流を減少させることによって、リン酸リチウムイオンバッテリセルを充電するように、フローチャート700は実行することができる。一実施形態において、図4のバッテリ管理システムが、フローチャート700に示されている方法で動作するように、コマンドコンバータ426は、構成することができる。図7は、図3および図4と組み合わせて、説明される。
【0054】
図7の実施例では、一実施形態において、バッテリ管理システムは、最初に、標準定電流充電モードCCで、バッテリパック304を充電する。一実施形態において、バッテリ管理システムは過電圧状態が発生した場合、軽定電流充電モードCC(n=1,2,…,max)で、バッテリパック304を充電する。一実施形態において、バッテリパック304の最高セル電圧が、プリセット電圧V3(たとえば、リチウムイオンセルでは、4.3V)よりも高い場合に、過電圧状態は発生する。一実施形態において、「電圧ジャンプ」がある場合、バッテリ管理システムは、軽定電流充電モード(たとえば、最小充電電流Imax(I>I>I>…>Imax)を用いてCCmax)で、バッテリパック304を充電する。一実施形態において、ある期間における電圧(たとえば、個々のセル電圧または平均セル線圧)の増加ΔV/Δtが閾値レベルΔthよりも高い場合に、「電圧ジャンプ」は検出される。一実施形態において、バッテリパック304の平均セル電圧が、プリセット電圧レベルV2(たとえば、リチウムイオンセルでは、4.2V)よりも高い場合、バッテリ管理システムは、定電圧充電モード(たとえば、標準定電圧充電モードCV)で、バッテリパック304を充電する。一実施形態において、バッテリ管理システムは、同様に、保護チェックを行う。
【0055】
ブロック702で、バッテリ管理システムは、前記バッテリパック304の充電を開始し、n(様々な定電流充電モードを表す)は0に初期化される。
ブロック704で、定電流充電モードCCは、制御信号350によって有効にされる。たとえば、nが0にセットされた場合、標準定電流充電モードCCは有効にされる。nが1からmaxまでの間の場合、軽定電流充電モードCC(n=1,2,…,max)は有効にされる。ブロック706で、保護チェックは行われる。たとえば、一実施形態において、コマンドコンバータ426は、監視回路424から監視信号を受信し、望ましくない状態(たとえば、過電圧、過電流、および過温度)が発生しているかどうか判定する。望ましくない状態がある場合、フローチャートはブロック728に進み、バッテリの充電を終了する(充電終了モード)。そのため、コマンドコンバータ426は、充電スイッチ430をスイッチオフして、バッテリの充電を終了する。望ましくない状態がない場合、フローチャートはブロック708に進む。
【0056】
過電圧状態があるかどうか判定するため、前記ブロック708で、最高セル電圧は、たとえばコマンドコンバータ426によって、プリセット電圧V3と比較される。最高セル電圧がプリセット電圧V3よりも高い場合(過電圧状態があることを示している)、フローチャートはブロック710に進む。ブロック710で、nは1増加される。次に、フローチャートはブロック712に進み、「電圧ジャンプ」のチェックを行う。最高セル電圧がプリセット電圧V3よりも低い場合(過電圧状態がないことを示している)、フローチャートはブロック712に直接進む。
【0057】
ブロック714で、ある期間における電圧(たとえば、個々のセル電圧または平均セル電圧)の増加ΔV/Δtが、閾値レベルΔthよりも低い場合、フローチャートは前記ブロック704に戻る。明瞭性と簡潔性のため、本明細書において上述したブロック704について繰り返しとなる記載は、以下省略する。
【0058】
電圧(たとえば、個々のセル電圧または平均セル電圧)の増加ΔV/Δtが
閾値レベルΔthよりも高い場合、ブロック716で、バッテリパック304は、軽定電流充電モード(たとえば、CCmax)の下、充電される。一実施形態において、制御信号350は、アダプタ302を制御し、バッテリ304を充電するため、定充電電流(Imax)を出力する。
【0059】
ブロック720で、定電圧充電モード(CV)チェックは行われる。さらに詳細には、前記バッテリパック304の平均電圧は、プリセット電圧レベルV2と比較され、定電圧充電モード(標準定電圧充電モードCV)が有効にできるかどうかを判定する。ブロック720で、バッテリパック304の平均セル電圧が、プリセット電圧レベルV2よりも低い場合(バッテリパック304が、なおも軽定電流充電モードで充電できることを示している)、フローチャートはブロック716に戻る。
【0060】
前記ブロック720で、バッテリパック304の平均セル電圧は、プリセット電圧レベルV2よりも高い場合、ブロック722で、バッテリパック304は、定電圧充電モード(たとえば、標準定電圧充電モードCV)の下、充電される。フローチャートはブロック724に進み、全セルが完全に充電されたかどうか判定する。
【0061】
前記ブロック724で、全セルが完全に充電されていた場合、ブロック728で、充電過程は終了する(充電終了モード)。そうでない場合、フローチャートはブロック722に戻り、定電圧充電モードの下、バッテリパック304の充電を継続する。
【0062】
図5〜図7に関して説明したように、一実施形態において、前記バッテリパック304は、複数の定電流充電モード(たとえば、標準定電流充電モードCC、軽定電流充電モードCC〜CCmax)と、定電圧充電モード(たとえば、標準定電圧充電モードCV)との下、充電される。他の充電方法は、コマンドコンバータ426を設定(configuring)/プログラミングすることよって、実現することができる。たとえば、一実施形態において、バッテリパック304は、定電流充電モード(標準定電流充電モードCC)と、複数の定電圧充電モード(たとえば、標準定電圧充電モードCV、軽定電圧充電モードCV〜CVmax’)との下、充電することができる。一実施形態において、バッテリパック304は、同様に、複数の定電流充電モード(たとえば、標準定電流充電モードCC、軽定電流充電モードCC〜CCmax)と、複数の定電圧充電モード(たとえば、標準定電圧充電モードCV、軽定電圧充電モードCV〜CVmax’)との下、充電することができる。
【0063】
図8は、本発明の一実施形態による、バッテリ管理システムによって実行される動作のフローチャート800を示している。図8は、図3および図4と組み合わせて説明される。
【0064】
図8に示されているように、ブロック802で、前記バッテリ管理システムは、バッテリパック304内の複数セルの各セルを監視する。たとえば、監視回路424は、セル電圧、電流、および温度などを監視し、各セルに対して各セルの状態を示す監視信号を生成する。
【0065】
ブロック804で、前記バッテリ管理システムは、バッテリパック304内の複数セルの各セルの状態に応じて、制御信号350を生成する。たとえば、制御信号350は図4に示されているように、信号490_1〜490_3、492、494の監視に応じて生成される。
【0066】
ブロック806で、前記バッテリ管理システムは、制御信号350に応じてアダプタ302の出力電力を調節する。たとえば、バッテリ管理システムは、アダプタ302におけるパルス幅変調信号のデューティサイクルを制御することによって、アダプタ302の出力電力を調節する。
【0067】
このように、前記バッテリ管理システムが提供される。そのような一実施形態において、バッテリパックは、バッテリパック内に統合された制御回路によって、アダプタ出力電力を直接調節することができる。好ましくは、アダプタ出力電力は、個々のセルの状態に応じて調節される。したがって、一実施形態において、複数の充電モードは、個々のセル状態に応じて、有効にすることができる。そのため、一実施形態において、バッテリの充電は、全セルが完全に充電された場合に、終了することができるとともに、望ましくない状態を回避することができる。
【0068】
一実施形態において、前記複数の充電モードは、同様に、バッテリパックの状態に応じて有効することができる。たとえば、標準定電流充電モードは、充電の始めにおいて、有効にすることができる。一実施形態において、軽定電流充電モードは、バッテリパック電圧が第1閾値よりも高い場合、有効にすることができる。軽定電流充電モードは、同様に、ある期間におけるバッテリ電圧の増加が第2閾値よりも高い場合に、有効にすることができる一実施形態において、定電圧充電モードは、バッテリパック電圧が第3閾値よりも高い場合に、有効にすることができる。
【0069】
図9は、本発明の一実施形態による、電力管理システム900のブロック図を示している。図4と同一の参照符号が付された要素は、同様の機能を有し、本明細書では詳細に説明しない。
【0070】
前記バッテリ管理システム900は、バッテリパック904を充電するとともに、システム負荷910に電力供給するように動作するアダプタ902を備えている。一実施形態において、アダプタ902は、バッテリパック904を充電するのと同時に、システム負荷910に電力供給することができる。アダプタ902は、バッテリパック904内のバッテリコントローラ920に対して、最大アダプタ電力を示す電力認識信号(power recognition signal)952を生成するとともに、バッテリコントローラ920からの制御信号950を受信することができる。制御信号950は、図4の制御信号350と同様であることが可能である。電力認識信号952は、電圧信号であることが可能であり、電力認識信号952の電圧レベルは、アダプタ902からの最大有能電力を示すことができる。一実施形態において、バッテリパック904は、バッテリコントローラ920、および監視回路424を備えることができる。バッテリコントローラ920は、アダプタ902から電力認識信号952を受信するとともに、バッテリパック904の状態とシステム負荷910の状態とに応じて、アダプタ902の出力電力を調節するために、制御信号950を生成することができる。さらに詳細には、制御信号950は、アナログ制御信号またはデジタル制御信号であることが可能である。制御信号950は、アダプタ902の出力電力を調節するように、アダプタ902内のPWM信号生成器によって生成されたパルス幅変調(PWM)信号のデューティサイクルを調節するために使用される。一実施形態において、電力認識信号952および制御信号950は、単一のバス/ラインを通して送信される。他の実施形態において、電力認識信号952および制御信号950は、2つの信号バス/ラインを通してそれぞれ送信される。
【0071】
前記バッテリコントローラ920は、感知抵抗940にかかる電圧を監視することによって、アダプタ902からの出力電流を監視することができる。たとえば、感知抵抗940にかかる電圧を増幅するとともに、アダプタ902からの出力電流を示すアナログ監視信号を生成するように、差動増幅器(図9には図示せず)を感知抵抗940に接続することができる。アナログ監視信号をアダプタ902からの出力電流を示すデジタル信号に変換するように、A/Dコンバータ(図9には図示せず)を差動増幅器に接続することができる。
【0072】
前記バッテリコントローラ920は、同様に、監視回路424からバッテリパック904の監視情報を受信することができる。図4に関して説明したように、一実施形態において、監視回路424は、個々のセル310_1〜310_3に対するセル状態(たとえば、セル電圧、セル電流、セル温度、およびセル容量)を監視するとともに、望ましくない状態(たとえば、過電圧、過電流、過温度、過充電)から各セル310_1〜310_3を保護することができる。監視回路424は、同様に、感知抵抗470を介してバッテリ電流(たとえば、バッテリ充電電流)を監視するとともに、バッテリ電流のレベルを示す監視信号492を生成する。バッテリコントローラ920は、監視回路424から監視情報を受信することができる。好ましくは、バッテリコントローラ920は、アダプタからの出力電流とバッテリ充電電流との差に応じて、システム負荷910によって使用(draw)された総電力/電流を計算することができる。
【0073】
好ましくは、前記バッテリコントローラ920は、バッテリパック904の状態(たとえば、バッテリパック904の充電電流、またはバッテリパック904の充電に使用された電力)と、システム負荷910の状態(たとえば、システム負荷910に流れる電流、またはシステム負荷910に電力供給された総電力)とに応じて、アダプタ902の出力電力を調節することができる。換言すると、アダプタ902の出力電力は、システム要求およびバッテリ要求/状態に応じて、直接的かつ自動的に調節することができる。たとえば、バッテリパック904が定充電電流モードCCで充電されることを要求された場合、バッテリコントローラ920は、システム負荷910がなおも十分な電力を受けるとともに、適切に動作するのと同時に、バッテリパック904が定充電電流Iによって充電されるように、制御信号952を調節することができる。一実施形態において、バッテリコントローラ920は、図5〜図7に関して説明したステップと同様の方法で、動作することができる。
【0074】
一実施形態において、前記バッテリコントローラ920は、アダプタ902の出力電力に応じて(たとえば、アダプタ902の出力電流を示す監視信号に応じて)、バッテリパック904の充電電流を調節する。たとえば、アダプタの出力電流を示す監視信号は、感知抵抗940を監視することによって、生成することができる。一実施形態において、システム負荷910が適切に動作することができるように、十分な電力がシステム負荷910に供給されるのを保証するため、アダプタの出力電力が最大アダプタ電力に達したことを、バッテリコントローラ920が検出した場合、(たとえば、アダプタの出力電流を示す監視信号が、所定の閾値よりも高い、または等しい場合)、バッテリコントローラ920は、バッテリパック904の充電電流を減少/遮断させる。一実施形態において、バッテリコントローラ920は、充電電流を遮断させるため、充電スイッチ430をスイッチオフすることができる。他の実施形態において、充電スイッチ430は、バッテリコントローラ920によって生成されたパルス幅変調信号によって、有効にすることができるため、バッテリコントローラ920は、充電スイッチ430を制御するパルス幅変調信号のデューティサイクルを減少させることによって、充電電流を減少させることができる。一実施形態において、好ましくは、バッテリコントローラ920は、アダプタ902の出力電力に基づいて、システム負荷910とバッテリパック904との間の電力を動的に割り当てる。
【0075】
一実施形態において、前記バッテリコントローラ920は、アダプタに望ましくない状態(または、故障(fault)状態)が発生した場合に、アダプタ902とバッテリパック904との間に接続されたスイッチ960をスイッチオフする信号を生成する。たとえば、アダプタ902の出力電圧が所定の閾値よりも高いことを、バッテリコントローラ920が検出した場合、スイッチ960は、バッテリパック904およびシステム負荷910を保護するため、スイッチオフすることができる。
【0076】
図10は、一実施形態において、バッテリコントローラ(たとえば、前記バッテリコントローラ920)によって実行される動作のフローチャート1000を示している。図10は、図9と組み合わせて説明される。
【0077】
ブロック1002で、たとえばアダプタ902から、最大アダプタ電力を示す電力認識信号952が受信される。バッテリパック904の状態と、アダプタ902によって電力供給されるシステム負荷910の状態とに応じて、アダプタ902の出力電力を調節するために、ブロック1004で、制御信号950は、たとえばバッテリコントローラ920によって、生成される。ブロック1006で、アダプタ902出力電流を示す監視信号は、たとえばバッテリコントローラ920によって、受信される。ブロック1008で、バッテリパック904の充電電流は、アダプタ902の出力電流を示す監視信号に応じて、調節することができる。好ましくは、一実施形態において、アダプタの出力電力が最大アダプタ電力に達したことを、バッテリコントローラ920が検出した場合(たとえば、アダプタの出力電流を示す監視信号が、所定の閾値よりも高い、または等しい場合)、システム負荷910が適切に動作することができるように、十分な電力がシステム負荷910に供給されることを保証するために、バッテリコントローラ920は、バッテリパック904の充電電流を減少/遮断することができる。
【0078】
上述の説明および図面は、本発明の実施形態を表していると同時に、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の原理の趣旨および範囲から外れることなく、これらに様々な追加、変更、および置換を施すことが可能であることは理解されよう。本発明の実施において使用される、形式、構造、配置、割合、材料、要素、およびコンポーネントなどに多くの変更を施して、本発明が利用され得ることは、当業者であれば自明である。それらは、本発明の原理から外れることなく、特定の環境および動作要求に適応される。したがって、本明細書で開示された実施形態は、限定ではなく例示としての全ての態様において、本発明の範囲が添付の特許請求の範囲およびそれらの法的等価物によって示されるとともに、上述の記載に限定されないことを、考慮されるべきである。
【符号の説明】
【0079】
310_1〜310_3 セル
410_1〜410_3 スイッチ
424 監視回路
428 セル平衡回路
430 充電スイッチ
432 放電スイッチ
470 感知抵抗
472 温度センサ
480 パルス幅変調信号生成器
490_1〜490_3、492、494 監視信号
900 電力管理システム
902 アダプタ
904 バッテリパック
910 システム負荷
920 バッテリコントローラ
940 感知抵抗
950 制御信号
952 電力認識信号
960 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリパックを充電し、かつシステム負荷に電力供給し、最大アダプタ電力を示す電力認識信号を生成するとともに、制御信号を受信するように動作するアダプタと、
前記電力認識信号を受信するとともに、前記バッテリパックの状態と前記システム負荷の状態とに応じて、前記アダプタの出力電力を調節する前記制御信号を生成する、前記バッテリパック内のバッテリコントローラと
を具備することを特徴とする電力管理システム。
【請求項2】
前記バッテリパックの前記状態は、前記バッテリパックの充電電流のレベルを含むことを特徴とする請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項3】
前記バッテリパックの前記状態は、前記バッテリパック内の複数セルの各セルの状態を含むことを特徴とする請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項4】
前記バッテリコントローラは、前記アダプタの出力電流を示す監視信号を受信することを特徴とする請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項5】
前記バッテリコントローラは、前記監視信号に応じて、前記バッテリパックの充電電流を調節することを特徴とする請求項4に記載の電力管理システム。
【請求項6】
前記アダプタは、パルス幅変調信号を生成するように動作するパルス幅変調信号生成器を具備し、
前記パルス幅変調信号のデューティサイクルは、前記制御信号によって制御されることを特徴とする請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項7】
前記バッテリパックは、前記バッテリパック内の複数セルの各セルを監視するとともに、前記バッテリコントローラに対して、各セルの状態を示す監視信号を生成する監視回路を具備することを特徴とする請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項8】
前記制御信号は、アナログ制御信号を含むことを特徴とする請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項9】
前記制御信号は、デジタル制御信号を含むことを特徴とする請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項10】
前記電力認識信号および前記制御信号は、単一のバスを通して送信されることを特徴とする請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項11】
前記アダプタと前記バッテリパックとの間に接続されたスイッチをさらに具備し、
前記バッテリコントローラは、前記アダプタの望ましくない状態が発生した場合に、前記スイッチをスイッチオフする信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項12】
前記バッテリパック内の複数セルの各セルを監視するとともに、各セルの状態を示す監視信号を生成する監視回路と、
前記監視回路に接続され、アダプタの最大アダプタ電力を示す電力認識信号を受信するとともに、前記バッテリパック状態と、前記アダプタによって電力供給されるシステム負荷の状態とに応じて、前記アダプタの出力電力を制御する制御信号を生成するバッテリコントローラと
を具備することを特徴とするバッテリパック。
【請求項13】
前記バッテリパックの前記状態は、前記バッテリパックの充電電流のレベルを含むことを特徴とする請求項12に記載のバッテリパック。
【請求項14】
前記バッテリパックの前記状態は前記複数セルの各セルの前記状態を含むことを特徴とする請求項12に記載のバッテリパック。
【請求項15】
前記バッテリコントローラは、前記アダプタの出力電流を示すアダプタ監視信号を受信することを特徴とする請求項12に記載のバッテリパック。
【請求項16】
前記バッテリコントローラは、さらに、前記アダプタ監視信号に応じて、前記バッテリパックの充電電流を調節することを特徴とする請求項15に記載のバッテリパック。
【請求項17】
前記制御信号は、アナログ制御信号を含むことを特徴とする請求項12に記載のバッテリパック。
【請求項18】
前記制御信号は、デジタル制御信号を含むことを特徴とする請求項12に記載のバッテリパック。
【請求項19】
前記電力認識信号および前記制御信号は、単一のバスを通して送信されることを特徴とする請求項12に記載のバッテリパック。
【請求項20】
前記バッテリコントローラは、前記アダプタの望ましくない状態が発生した場合に、前記アダプタと前記バッテリパックとの間に接続されたスイッチをスイッチオフする信号を生成する請求項12に記載のバッテリパック。
【請求項21】
アダプタから最大アダプタ電力を示す電力認識信号を受信するステップと、
前記バッテリパックの状態と、前記アダプタによって電力供給されるシステム負荷の状態とに応じて、前記アダプタの出力電力を調節するために、バッテリパックによって制御信号を生成するステップと
を具備することを特徴とする方法。
【請求項22】
前記アダプタの出力電流を示す監視信号を受信するステップをさらに具備することを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記監視信号に応じて、前記バッテリパックの充電電流を調節するステップをさらに具備することを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記バッテリパック内の複数セルの各セルを監視するステップと
各セルの状態を示す監視信号を生成するステップと
を具備することを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記アダプタおよび前記バッテリパックとの間の単一のバスを通して、前記電力認識信号および前記制御信号を送信するステップをさらに具備することを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記アダプタの望ましくない状態が発生した場合に、前記アダプタと前記バッテリパックとの間に接続されたスイッチをスイッチオフするステップをさらに具備することを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記バッテリパックの前記状態は、前記バッテリパックの充電電流のレベルを含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記バッテリパックの前記状態は、前記バッテリパック内の複数セルの各セルの状態を含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−303478(P2009−303478A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−124339(P2009−124339)
【出願日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(500521843)オーツー マイクロ, インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】