説明

制御回路、およびDC−DCコンバータシステム

【課題】個々の製品設計ごとに作り込みを行う必要がなく、複数のDC−DCコンバータが同時に動作することを抑止することが可能な制御回路、およびDC−DCコンバータシステムを提供すること
【解決手段】基本クロックをカウントし第1カウント値に応じて第1クロックを出力して、第1のDC−DCコンバータに供給する第1のカウンタ回路と、基本クロックをカウントし第2カウント値に応じて第2クロックを出力して、第2のDC−DCコンバータに供給する第2のカウンタ回路と、第1のカウンタ回路と第2のカウンタ回路との対応ビット位置ごとにビット値を比較する第1比較器と、第1比較器による比較結果が一致することに応じて、第2クロックの前記第2のDC−DCコンバータへの供給タイミングを調整する調整回路とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のDC−DCコンバータを備えるDC−DCコンバータシステムを制御する制御回路、およびDC−DCコンバータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のDC−DCコンバータが共に動作するDC−DCコンバータシステムがある。かかるDC−DCコンバータシステムにおいて、DC−DCコンバータが動作するタイミングが重なると、各々のDC−DCコンバータから発生するノイズ成分が増加する。DC―DCコンバータに限らず、電子機器から発せされるノイズ成分が増加すると、他の電子機器において、誤動作等の機能低下を招来することが広く知られている。
【0003】
このような悪影響を防止するため、複数のDC−DCコンバータが同時に動作することを防止する技術が知られている。例えば、発振回路と複数のDC−DCコンバータの少なくともいずれか1つとの間に位相調整回路を挿入し、位相調整回路によってDC−DCコンバータに入力されるクロックの位相をDC−DCコンバータ間でずらすことにより、複数のDC−DCコンバータが同時に動作することを抑止する技術がある(例えば、特許文献1)。また、発振回路と複数のDC−DCコンバータの少なくともいずれか1つとの間に逓倍回路を挿入して、複数のDC−DCコンバータが同時に動作する頻度を少なくする技術がある(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−234309号公報
【特許文献2】特開平9−201045号公報
【特許文献3】WO2006/046372
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
クロックの位相をずらす技術では、個別の製品設計ごとに位相調整が必要となる。位相調整をする際に製品の作り込みをしなければならないからである。また、逓倍回路を挿入する技術では、原理的に複数のDC−DCコンバータ同時にオンすることは避けられず、その場合にノイズ成分が増加する。
【0006】
本願に開示されている技術は、上記の課題に鑑み提案されたものであり、個々の製品設計ごとに作り込みを行う必要がなく、複数のDC−DCコンバータが同時に動作することを抑止することが可能な制御回路、およびDC−DCコンバータシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に開示される技術に係る制御回路は、基本クロックをカウントし第1カウント値に応じて第1クロックを出力して、第1のDC−DCコンバータに供給する第1のカウンタ回路と、基本クロックをカウントし第2カウント値に応じて第2クロックを出力して、第2のDC−DCコンバータに供給する第2のカウンタ回路と、第1のカウンタ回路と第2のカウンタ回路との対応ビット位置ごとにビット値を比較する第1比較器と、第1比較器による比較結果が一致することに応じて、第2クロックの前記第2のDC−DCコンバータへの供給タイミングを調整する調整回路とを備えている。
【0008】
また、本願に開示される技術に係るDC−DCコンバータシステムは、基本クロックをカウントし第1カウント値に応じて第1クロックを出力する第1のカウンタ回路と、基本クロックをカウントし第2カウント値に応じて第2クロックを出力する第2のカウンタ回路と、第1クロックに応じて動作する第1のDC−DCコンバータと、第2クロックに応じて動作する第2のDC−DCコンバータと、第1のカウンタ回路と第2のカウンタ回路との対応ビット位置ごとにビット値を比較する第1比較器と、第1比較器による比較結果が一致することに応じて、第2クロックの第2のDC−DCコンバータへの供給タイミングを調整する調整回路とを備えている。
【発明の効果】
【0009】
本願に開示の技術に係る制御回路、およびDC−DCコンバータシステムによれば、第1のDC−DCコンバータには、第1のカウンタ回路により基本クロックを第1カウント値に応じて分周した第1クロックが供給される。また、第2のDC−DCコンバータには、第2のカウンタ回路により基本クロックを第2カウント値に応じて分周した第2クロックが供給される。第1比較器により、第1のカウンタ回路と第2のカウンタ回路との対応ビット位置ごとにビット値が比較され一致した際に、調整回路が第2クロックの第2のDC−DCコンバータへの供給タイミングを調整する。第2クロックの供給タイミングが調整されることにより、第2クロックの供給タイミングが第1クロックの調整タイミングとは異なるタイミングとなり、第1のDC−DCコンバータおよび第1のDC−DCコンバータが同時に動作することがなくなる。同時動作によるノイズの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態の制御回路である。
【図2】第1のDC−DCコンバータの回路例である。
【図3】第2のDC−DCコンバータの回路例である。
【図4】制御回路内部における電圧の波形図である。
【図5】第2実施形態の制御回路である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1実施形態について説明する。1Aは制御回路である。2は第1のカウンタ回路である。3は第2のカウンタ回路である。4は比較回路である。AND1はアンドゲート回路である。図2は第1のDC−DCコンバータである。図3は第2のDC−DCコンバータである。第1実施形態に例示するDC−DCコンバータシステムは、制御回路1A、第1のDC−DCコンバータ(図2)、及び第2のDC−DCコンバータ(図3)を含む。
【0012】
基本クロック(CLK)が、DフリップフロップFF1のクロック端子CK1に入力される。また、基本クロック(CLK)は、アンドゲート回路AND1とDフリップフロップFF5のクロック端子CK5に入力される。
【0013】
DフリップフロップFF1の正論理出力端子Q1は、DフリップフロップFF2のクロック端子CK2、ナンドゲート回路NAND1の入力端子、及び比較器4のイクスクルーシブオアゲート回路EOR1の入力端子に接続されている。DフリップフロップFF1の負論理出力端子XQ1は、DフリップフロップFF1のD端子D1に接続されている。
【0014】
DフリップフロップFF2の正論理出力端子Q2は、DフリップフロップFF3のクロック端子CK3、ナンドゲート回路NAND1の入力端子、及び比較器4のイクスクルーシブオアゲート回路EOR2の入力端子に接続されている。DフリップフロップFF2の負論理出力端子XQ2は、DフリップフロップFF2のD端子D2に接続されている。
【0015】
DフリップフロップFF3の正論理出力端子Q3は、DフリップフロップFF4のクロック端子CK4、ナンドゲート回路NAND1の入力端子、及び比較器4のイクスクルーシブオアゲート回路EOR3の入力端子に接続されている。DフリップフロップFF3の負論理出力端子XQ3は、DフリップフロップFF3のD端子D3に接続されている。
【0016】
DフリップフロップFF4の正論理出力端子Q4は、ナンドゲート回路NAND1の入力端子、及び比較器4のイクスクルーシブオアゲート回路EOR4の入力端子に接続されている。イクスクルーシブオアゲート回路EOR4の他の入力端子は接地されている。DフリップフロップFF4の負論理出力端子XQ4は、DフリップフロップFF4のD端子D4に接続されている。
【0017】
なお、DフリップフロップFF1〜FF4は、カウンタ回路として機能する。ここでカウンタ回路とは、カウンタ回路に入力される基本クロック(CLK)のクロック数をカウントする回路である。
【0018】
ナンドゲート回路NAND1の出力端子は、DフリップフロップFF5のD端子D5に接続されている。DフリップフロップFF5の正論理出力端子Q5は、DフリップフロップFF6のクロック端子CK6、及びDフリップフロップFF1〜FF4のプリセット端子PR1〜PR4に接続されている。
【0019】
DフリップフロップFF6の負論理出力端子XQ6は、DフリップフロップFF6のD端子D6に接続されている。DフリップフロップFF6の正論理出力端子Q6から第1クロック(CLK1)が出力される。第1クロック(CLK1)は、図2において後述する第1のDC−DCコンバータのRSフリップフロップFFのセット端子Sに入力される。
【0020】
アンドゲート回路AND1の出力端子は、DフリップフロップFF7のクロック端子CK7及びDフリップフロップFF10のクロック端子CK10に接続されている。DフリップフロップFF7の正論理出力端子Q7は、DフリップフロップFF8のクロック端子CK8、ナンドゲート回路NAND2の入力端子、及びイクスクルーシブオアゲート回路EOR1の入力端子に接続されている。DフリップフロップFF7の負論理出力端子XQ7は、DフリップフロップFF7のD端子D7に接続されている。
【0021】
DフリップフロップFF8の正論理出力端子Q8は、DフリップフロップFF9のクロック端子CK9、ナンドゲート回路NAND2の入力端子、及びイクスクルーシブオアゲート回路EOR2の入力端子に接続されている。DフリップフロップFF8の負論理出力端子XQ8は、DフリップフロップFF8のD端子D8に接続されている。
【0022】
DフリップフロップFF9の正論理出力端子Q9は、ナンドゲートNAND2の入力端子、及びイクスクルーシブオアゲート回路EOR3の入力端子に接続されている。DフリップフロップFF9の負論理出力端子XQ9は、DフリップフロップFF9のD端子D9に接続されている。
【0023】
なお、DフリップフロップFF7〜FF9も、DフリップフロップFF1〜4と同様にカウンタ回路として機能する。
【0024】
ナンドゲート回路NAND2の出力端子は、DフリップフロップFF10のD端子D10に接続されている。DフリップフロップFF10の正論理出力端子Q10は、DフリップフロップFF11のクロック端子CK11、及びDフリップフロップFF7〜FF9のプリセット端子PR7〜PR9に接続されている。
【0025】
DフリップフロップFF11の負論理出力端子XQ11は、DフリップフロップF11のD端子D11に接続されている。DフリップフロップF11の正論理出力端子Q11から第2クロック(CLK2)が出力される。
【0026】
イクスクルーシブオアゲート回路EOR1及びEOR2の出力端子は、イクスクルーシブオアゲート回路EOR5の入力端子に接続されている。イクスクルーシブオアゲート回路EOR3及びEOR4の出力端子は、イクスクルーシブオアゲート回路EOR6の入力端子に接続されている。イクスクルーシブオアゲート回路EOR5及びEOR6の出力端子は、イクスクルーシブオアゲート回路EOR7の入力端子に接続されている。
【0027】
イクスクルーシブオアゲート回路EOR7の出力端子は、アンドゲート回路AND1の入力端子に接続される。また、イクスクルーシブオアゲート回路EOR7の出力端子からは、一致信号(VA)が出力される。
【0028】
ここで、DフリップフロップFF1〜FF11についての機能を説明する。DフリップフロップFF1〜FF11は、クロック端子CK1〜CK11に入力される信号がローレベルからハイレベルに遷移する時に、その時点でD端子D1〜D11に入力されている信号を正/負論理出力端子Q1〜Q11/XQ1〜XQ11に出力する。正論理出力端子Q1〜Q11には、D端子D1〜D11に入力されている信号と同じ論理レベルの信号が出力される。負論理出力端子XQ1〜XQ11には、D端子D1〜D11に入力されている信号とは相補の論理レベルの信号が出力される。また、プリセット端子PR1〜PR11に入力される信号がハイレベルの場合に、DフリップフロップFF1〜FF11の正論理出力端子Q1〜Q11から出力される信号がハイレベルにプリセットされる。
【0029】
イクスクルーシブオアゲート回路EOR1〜EOR7についての機能を説明する。入力される信号の論理レベルが一致する場合に、ローレベルの信号を出力する。
【0030】
次に、第1のDC−DCコンバータについて説明する。図2を参照されたい。
【0031】
第1クロック(CLK1)がRSフリップフロップFFのセット端子Sに入力される。RSフリップフロップFFの出力端子Qは、NMOSトランジスタFET1のゲートに接続されている。RSフリップフロップFFの反転出力端子XQは、NMOSトランジスタFET2のゲートに接続されている。NMOSトランジスタFET1のドレイン端子には入力電圧(VIN)が入力されている。NMOSトランジスタFET1のソース端子、NMOSトランジスタFET2のドレイン端子、センサ抵抗RSの一端、及び増幅器AMP1の非反転入力端子は、それぞれが接続されている。NMOSトランジスタFET2のソース端子は接地(GND)されている。センサ抵抗RSの他端は、増幅器AMP1の反転入力端子、及びコイルL1の一端に接続されている。コイルL1の他端から出力される電圧が出力電圧(VOUT)である。ここで、コイルL1に流れる電流をコイル電流(IL1)とする。また、増幅器AMP1から出力される電圧をコイル電流変換電圧(VS)とする。
【0032】
コイルL1の他端は、出力コンデンサC1の一端、及び抵抗素子R1の一端に接続されている。出力コンデンサC1の他端は接地(GND)されている。抵抗素子R1の他端は抵抗素子R2の一端に接続されている。抵抗素子R2の他端は接地(GND)されている。抵抗素子R1の他端と抵抗素子R2の一端との接続点は、誤差増幅器ERR1の反転入力端子、及び抵抗素子R3の一端に接続されている。抵抗素子R3の他端はコンデンサC2の一端に接続されている。誤差増幅器ERR1の非反転入力端子には、基準電圧(VREF)が入力される。
【0033】
誤差増幅器ERR1の出力端子、コンデンサC2の他端、及び比較器CMP1の反転入力端子は、それぞれが接続されている。ここで、誤差増幅器ERR1から出力される電圧を設定電圧(V2)とする。設定電圧(V2)は、比較器CMP1の反転入力端子に入力される。なお、比較器CMP1の非反転入力端子には、増幅器AMP1から出力されるコイル電流変換電圧(VS)が入力される。比較器CMP1の出力端子はRSフリップフロップFFのリセット端子Rに接続されている。
【0034】
なお、誤差増幅器ERR1に並列に接続されている抵抗素子R3とコンデンサC2とは、位相補償回路として機能する。DC−DCコンバータにおいて位相補償回路は、安定した帰還ループを形成する。位相補償回路がないことによりDC−DCコンバータが発振等の不安定な動作状態となる場合がある。ここで、位相補償回路に含まれるコンデンサC2の静電容量値を設計する上での理想とされる値は、DC−DCコンバータがスイッチングする周波数に依存する。周波数が高くなるほど位相補償回路に含まれるコンデンサC2の静電容量値は小さな値となる。逆に、周波数が低くなるほど位相補償回路に含まれるコンデンサC2の静電容量値は大きな値となる。
【0035】
また、ここで基準電圧(VREF)は、出力電圧(VOUT)の設定値を決定する。出力電圧(VOUT)の設定値をVOUTV、抵抗素子R1の抵抗値をR1V、抵抗素子R2の抵抗値をR2V、基準電圧(VREF)の電圧値をVREFVとすると、VOUTV=VREFV×((R1V+R2V)/R2V)となる。
【0036】
次に第2のDC−DCコンバータについて説明する。図3を参照されたい。
【0037】
第2のDC−DCコンバータは、第1のDC−DCコンバータに加えて、スイッチ素子SW1及びコンデンサC3を備えている。また、 第2のDC−DCコンバータは、第1のDC−DCコンバータに入力される第1クロック(CLK1)に代えて、第2クロック(CLK2)が入力される。以下の説明では、第2のDC−DCコンバータにおいて、第1のDC−DCコンバータと同一の箇所は同一の符号で表し、以下での説明を省略する。
【0038】
第2のDC−DCコンバータにおいて、RSフリップフロップFFのセット端子Sには第2クロック(CLK2)が入力される。また、抵抗素子R3の一端に、スイッチ素子SW1の一端が接続されている。スイッチ素子SW1の他端は、コンデンサC3の一端が接続されている。コンデンサC3の他端は、コンデンサC2の他端に接続されている。なお、スイッチ素子SW1の制御端子には一致信号(VA)が入力される。
【0039】
スイッチ素子SW1は、スイッチ素子SW1の制御端子に入力される一致信号(VA)がローレベルである時に導通する。スイッチ素子SW1の制御端子に入力される一致信号(VA)がハイレベルである時には非導通である。
【0040】
次に第1実施形態の作用について説明する。
【0041】
まずは、通常状態における第1のDC−DCコンバータの作用について説明する。なお、第2のDC−DCコンバータの作用も、第1のDC−DCコンバータと同様である。ただし、第2のDC−DCコンバータにおいては、RSフリップフロップFFのセット端子S入力される信号は、第1クロック(CLK1)ではなく、第2クロック(CLK2)である。
【0042】
第1クロック(CLK1)がRSフリップフロップFFのセット端子Sに入力されると、RSフリップフロップFFがセット状態となる。セット状態となったRSフリップフロップFFは、NMOSトランジスタFET1を導通、NMOSトランジスタFET2を非導通とする。NMOSトランジスタFET1が導通、NMOSトランジスタFET2が非導通となることにより、入力電圧(VIN)から、NMOSトランジスタFET1とセンサ抵抗RSを介して、コイルL1へとコイル電流(IL1)が流れる。コイルL1に流れるコイル電流(IL1)が増加することにより、出力電圧(VOUT)が増加する。
【0043】
誤差増幅器ERR1は、出力電圧(VOUT)を抵抗素子R1と抵抗素子R2とで分圧した電圧(V1)と、基準電圧(VREF)とを比較する。そして、比較結果に応じて、誤差増幅器ERR1は、調整電圧(V2)を出力する。出力電圧(VOUT)が増加するほどに調整電圧(V2)は低い電圧となる。逆に出力電圧(VOUT)が低下するほどに調整電圧(V2)は高い電圧となる。
【0044】
調整電圧(V2)は、比較器CMP1によって、センサ電圧(VS)と比較される。センサ電圧(VS)は、コイル電流(IL)がセンサ抵抗RSと増幅器AMP1とによって変換された電圧値である。センサ電圧(VS)が調整電圧(V2)より高電圧である場合に、比較器CMP1はハイレベル信号を出力する。このハイレベル信号が、RSフリップフロップFFのリセット端子Rに入力されると、RSフリップフロップFFはリセット状態となる。リセット状態となったRSフリップフロップFFは、NMOSトランジスタFET1を非導通、NMOSトランジスタFET2を導通とする。
【0045】
NMOSトランジスタFET1が非導通、NMOSトランジスタFET2が導通となることにより、コイルL1への電流経路は、入力電圧(VIN)から接地(GND)に切り替えられる。これにより、コイル電流(IL)の電流値は減少に転ずる。RSフリップフロップFFが、セット状態とリセット状態とを繰り返し、NMOSトランジスタFET1及びNMOSトランジスタFET2の導通状態が交互に切り替わるように制御され、出力電圧(VOUT)が所定の電圧に維持される。
【0046】
次に、第1実施形態における制御回路1Aの作用について説明する。図4を参照されたい。図4は、制御回路内部における電圧波形図である。横軸は時間軸である。また、縦軸は電圧あるいは論理レベルである。
【0047】
図4におけるT1時点を参照されたい。DフリップフロップFF1のクロック端子CK1、DフリップフロップFF5のクロック端子CK5に、ハイレベル遷移した基本クロック(CLK)が入力され、更に、アンドゲート回路AND1を介して、DフリップフロップFF7のクロック端子CK7、DフリップフロップFF10のクロック端子CK10に、ハイレベル遷移した信号が入力される。これにより、DフリップフロップFF5の正論理出力端子Q5から出力される信号(CL5)の論理レベルがハイレベルに、DフリップフロップFF10の正論理出力端子Q10から出力される信号(CL10)の論理レベルがハイレベルに遷移する。
【0048】
正論理出力端子Q5から出力されるハイレベルの信号(CL5)は、DフリップフロップFF1〜FF4のプリセット端子PR1〜PR4に入力される。これにより、DフリップフロップFF1〜FF4は初期状態にプリセットされる。ここで、初期状態とは、各々の正論理出力端子Q1〜Q4から出力される信号(CL1)〜(CL4)がハイレベルにセットされることである。
【0049】
また、ローレベルの信号(CL5)は、DフリップフロップFF6のクロック端子CK6にも入力される。DフリップフロップFF6のクロック端子CK6に、T1時点でハイレベルの信号(CL5)が入力されることにより、DフリップフロップFF6の正論理出力端子Q6から出力される第1クロック(CLK1)がハイレベルに遷移する。
【0050】
ナンドゲート回路NAND1に入力される信号(CL1)〜(CL4)の論理レベルがハイレベルになることに応じて、ナンドゲート回路NAND1の出力はローレベルになる。これにより、DフリップフロップFF5のD端子D5にローレベルの信号が入力される。DフリップフロップFF5のクロック端子CK5に基本クロック(CLK)の次サイクルのハイレベル信号が入力されることに応じて、DフリップフロップFF5の正論理出力端子Q5から出力される信号(CL5)は、ローレベルに遷移する。
【0051】
同様に、正論理出力端子Q10から出力されるハイレベルの信号(CL10)は、DフリップフロップFF7〜FF9のプリセット端子PR9〜PR9に入力される。これにより、DフリップフロップFF7〜FF9は初期状態にプリセットされる。DフリップフロップFF7〜FF9の正論理出力端子Q7〜Q9から出力される信号(CL7)〜(CL9)がハイレベルにセットされる。
【0052】
また、ハイレベル信号(CL10)は、DフリップフロップFF11のクロック端子CK11にも入力される。DフリップフロップFF11のクロック端子CK11に、T1時点でハイレベルの信号(CL10)が入力されることにより、DフリップフロップFF11の正論理出力端子Q11から出力される第2クロック(CLK2)がハイレベルに遷移する。
【0053】
ナンドゲート回路NAND2に入力される信号(CL7)〜(CL9)の論理レベルがハイレベルになることに応じて、ナンドゲート回路NAND2の出力はローレベルになる。これにより、DフリップフロップFF10のD端子D10にローレベルの信号が入力される。DフリップフロップFF10のクロック端子CK10に基本クロック(CLK)の次サイクルのハイレベル信号が入力されることに応じて、DフリップフロップFF10の正論理出力端子Q10から出力される信号(CL10)は、ローレベルに遷移する。
【0054】
T1時以降は、基本クロック(CLK)がDフリップフロップFF1のクロック端子CK1に入力されるごとに、カウンタ回路として機能しているDフリップフロップFF1〜FF4が、カウントダウンを行う。
【0055】
ここで、カウントダウンとは、正論理出力端子Q1から出力される信号(CL1)を最下位のビット信号とする、正論理出力端子Q1〜Q4から出力される信号(CL1)〜(CL4)からなる4ビット信号をカウントダウンする。T1時点で全ビットをハイレベルにプリセットして十進数表現で「15」に初期化した後、基本クロック(CLK)ごとに十進数値で「1」ずつ減ずる。
【0056】
これは、カウンタ回路として機能しているDフリップフロップFF7〜FF9においても同様である。DフリップフロップFF7の正論理出力端子Q7から出力される信号(CL7)を最下位ビット信号とする、正論理出力端子Q7〜Q9から出力される信号(CL7)〜(CL9)からなる3ビット信号をカウントダウンする。T1時点で全ビットをハイレベルにプリセットして十進数表現で「7」に初期化した後、基本クロック(CLK)ごとに十進数値で「1」ずつ減ずる。
【0057】
第1のカウンタ回路2においてカウントダウンが行われ、DフリップフロップFF1〜FF4の正論理出力端子Q1〜Q4から出力される信号(CL1)〜(CL4)が全てローレベルになる状態(十進数値で「0」)で、基本クロック(CLK)がハイレベルに遷移すると、第1クロック(CLK1)がローレベルに遷移する(図4中のT3)。
【0058】
第2のカウンタ回路3においてカウントダウンが行われる場合も同様である。DフリップフロップFF7〜FF9の正論理出力端子Q7〜Q9から出力される信号(CL7)〜(CL9)が全てローレベルになる状態(十進数値で「0」)で、基本クロック(CLK)がハイレベルに遷移すると、第2クロック(CLK2)がローレベルに遷移する(図4中のT4)。
【0059】
第1および第2のカウント回路2、3のカウント値が「7」で一致した時点(図4におけるT2)以降は、第1および第2のカウント回路2、3は共に基本クロック(CLK)ごとにカウントダウンが継続し、同じカウント値を維持したまま、カウント値が減ぜられていく。すなわち、正論理出力端子Q1から出力される信号(CL1)と正論理出力端子Q7から出力される信号(CL7)、正論理出力端子Q2から出力される信号(CL2)と正論理出力端子Q8から出力される信号(CL8)、及び正論理出力端子Q3から出力される信号(CL3)と正論理出力端子Q9から出力される信号(CL9)とは、ビット値の等しい状態が維持される。また、この場合、正論理出力端子Q4から出力される信号(CL4)は、カウント値が「7」であることよりローレベルに維持される。比較回路4では、信号(CL1)と信号(CL7)、信号(CL2)と信号(CL8)、および信号(CL3)と信号(CL9)が、各々イクスクルーシブオア回路EOR1〜EOR3で比較されビット値が一致するとしてローレベルが出力される。更に、信号(CL4)と接地(GND)がイクスクルーシブオア回路EOR4で比較されビット値が一致するとしてローレベルが出力される。これらの結果が、イクスクルーシブオア回路EOR5〜EOR7を経て、ローレベルの一致信号(VA)が出力される。
【0060】
ローレベルの一致信号(VA)は、アンドゲート回路AND1と第2のDC−DCコンバータに含まれているスイッチ素子SW1の制御端子に入力される。アンドゲート回路AND1に入力されることによりアンドゲート回路AND1に入力される基本クロック(CLK)をマスクする。一致信号(VA)がローレベルの期間には、ハイレベルの基本クロック(CLK)は、第2のカウント回路3ではカウント動作は行われない。
【0061】
一方、基本クロック(CLK)が入力される第1のカウント回路2はカウント動作が継続する。従って、T2時点の次サイクルでは、第1のカウント回路2のカウント値は、「7」から「6」に減ずるところ、第2のカウント回路3のカウント値は、「7」に維持される。具体的には、本来なら基本クロック(CLK)のハイレベル遷移に応じて信号(CL7)がハイレベルからローレベルに遷移するところ、ローレベルの一致信号(VA)により、信号(CL7)はハイレベルに維持される。
【0062】
また、ローレベルの一致信号(VA)が第2のDC−DCコンバータに含まれるスイッチ素子SW1の制御端子に入力されると、スイッチ素子SW1が導通する。これにより、位相補償回路は、静電容量値が増加する。コンデンサC2に加えてコンデンサC3が接続され、位相補償回路に含まれるコンデンサが増加するからである。
【0063】
次に、第1実施形態の効果について説明する。
【0064】
第1および第2のカウント回路2、3のカウント値が一致することに応じて、一致信号(VA)がローレベルとされる。ローレベルの一致信号(VA)に応じて、基本クロック(CLK)のハイレベル遷移が第2のカウント回路3に送られず、第2のカウント回路でのカウント動作は行われない。一方、基本クロック(CLK)が直接入力されている第1のカウント回路2では、カウント動作が行われる。これにより、第1のカウント回路2でのカウント値に対して第2のカウント回路3でのカウント値が「1」小さな値となる。
【0065】
これにより、第1および第2のカウント回路2、3のカウント値が一致した時点で、第2のカウント回路3のカウント動作を抑止して、第2のカウント回路3のカウント値を第1のカウント回路2のカウント値に対して「1」遅らせることとなる。各々のカウンタ回路のカウント値が初期値に戻るタイミングが、基本クロック(CLK)の1サイクルずれる。第1のカウント回路2から第1クロック(CLK1)の論理レベルが遷移するタイミングと、第2のカウント回路3から第2クロック(CLK2)の論理レベルが遷移するタイミングとがずれる。第1のDC−DCコンバータと第2のDC−DCコンバータとの動作タイミングずれ、第1および第2のDC−DCコンバータが同時に動作することにより発生していたノイズを抑止することができる。
【0066】
また、第2のカウント回路3でのカウント動作を抑止して第2クロック(CLK2)の周期を長くする場合、この時点での第2のDC−DCコンバータの動作周期が長くなる。これに対応するため、第2のDC−DCコンバータに含まれる位相補償回路の静電容量値を増大する。動作周期が長い場合には、位相補償回路の乗数はより大きな値で動作が安定するためである。
【0067】
したがって、一致信号(VA)がローレベルになり、第2のカウント回路3のカウント動作を抑止するタイミングで第2のDC−DCコンバータにおける位相補償回路の乗数を増大させる。これにより、安定動作に適合する位相補償回路の乗数とすることができる。
【0068】
次に図5を参照し、第2実施形態について説明する。
【0069】
第2実施形態の制御回路1Bは、第1実施形態制御回路1Aにおけるアンドゲート回路AND1に代えて、遅延回路5を備えている。図5中、図1と同一の符号で記載した部分については、第1実施形態の制御回路1Aと同様であり、以下の説明を省略する。
【0070】
遅延回路5には、インバータゲート回路NOT1、アンドゲート回路AND1、アンドゲート回路AND2、信号を遅延させる機能を有するバッファ回路B1〜B5、及びオアゲート回路OR1が含まれている。
【0071】
比較器4のイクスクルーシブオアゲート回路EOR7から出力される一致信号(VA)は、アンドゲート回路AND2、及びインバータゲート回路NOT1に入力される。インバータゲート回路NOT1の出力端子は、アンドゲートAND1に入力される。また、アンドゲート回路AND1、AND2は、第2のカウント回路3のDフリップフロップF11の正論理出力端子Q11に接続されている。
【0072】
アンドゲート回路AND1の出力端子は、バッファ回路B1〜B5を介してオアゲート回路OR1に接続されている。また、アンドゲート回路AND2の出力端子もオアゲート回路OR1に接続されている。オアゲート回路OR1から出力される信号が、第2クロック(CLK2)である。
【0073】
次に第2実施形態の作用について説明する。第2実施形態の作用は、第1実施形態の作用と類似しているのでここでは異なる作用についてのみ説明する。
【0074】
第1のカウント回路2のカウント値と第2のカウント回路3のカウント値とが不一致であり一致信号(VA)がハイレベルの場合には、アンドゲート回路AND1がマスクされる。DフリップフロップF11の正論理出力端子Q11から出力される信号の論理レベルに関わらず、アンドゲート回路AND1からローレベル信号が出力される。一方、DフリップフロップF11の正論理出力端子Q11から出力される信号は、アンドゲート回路AND2を介してオアゲート回路OR1に入力される。オアゲート回路OR1から出力される第2クロック(CLK2)として、DフリップフロップF11の正論理出力端子Q11から出力される信号と同相の信号が出力される。
【0075】
第1のカウント回路2のカウント値と第2のカウント回路3のカウント値とが一致して一致信号(VA)がローレベルの場合には、アンドゲート回路AND2がマスクされる。DフリップフロップF11の正論理出力端子Q11から出力される信号の論理レベルに関わらず、アンドゲート回路AND2からローレベル信号が出力される。一方、DフリップフロップF11の正論理出力端子Q11から出力される信号は、アンドゲート回路AND1、及びバッファ回路B1〜B5を介してオアゲート回路OR1に入力される。オアゲート回路OR1から出力される第2クロック(CLK2)として、DフリップフロップF11の正論理出力端子Q11からバッファ回路B1〜B5により遅延した信号が出力される。
【0076】
これにより、第1のカウント回路2のカウント値と第2のカウント回路3のカウント値とが不一致の場合には、第2のカウント回路3から出力される信号が第2クロック(CLK2)とされる。第1のカウント回路2のカウント値と第2のカウント回路3のカウント値とが一致の場合には、第2のカウント回路3から出力される信号が、バッファ回路B1〜B5により遅延される。この遅延時間により、第2クロック(CLK2)の論理レベルの遷移タイミングが第1クロック(CLK1)から遅れる。
【0077】
第1のカウント回路2から第1クロック(CLK1)の論理レベルが遷移するタイミングと、遅延回路5から第2クロック(CLK2)の論理レベルが遷移するタイミングとがずれる。第1のDC−DCコンバータと第2のDC−DCコンバータとの動作タイミングずれ、第1および第2のDC−DCコンバータが同時に動作することにより発生していたノイズを抑止することができる。
【0078】
ここで、比較器4のうち、イクスクルーシブオアゲート回路EOR1〜EOR3、EOR5〜EOR7は第1比較器の一例であり、イクスクルーシブオアゲート回路EOR4、EOR6〜EOR7は第2比較器の一例である。また、アンドゲート回路AND1及び遅延回路5は調整回路の一例である。更に、アンドゲート回路AND1はマスク回路の一例である。
【0079】
以上、詳細に説明したように、第1実施形態によれば、第1および第2のカウント回路2、3のカウント値が一致した時点で、第2のカウント回路3のカウント動作を抑止する。これにより、第1のカウント回路2から第1クロック(CLK1)の論理レベルが遷移するタイミングと、第2のカウント回路3から第2クロック(CLK2)の論理レベルが遷移するタイミングとをずらすことができる。
【0080】
また、第2実施形態によれば、第1および第2のカウント回路2、3のカウント値が一致する場合に、遅延回路5により第2クロック(CLK2)の出力を遅延する。これにより、第1のカウント回路2から第1クロック(CLK1)の論理レベルが遷移するタイミングと、第2のカウント回路3から第2クロック(CLK2)の論理レベルが遷移するタイミングとをずらすことができる。
【0081】
第1クロック(CLK1)と第2クロック(CLK2)との論理レベルの遷移タイミングをずらすことで、第1のDC−DCコンバータと第2のDC−DCコンバータとの動作タイミングをずらすことができる。第1および第2のDC−DCコンバータが同時に動作することにより発生していたノイズを抑止することができる。
【0082】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内での種々の改良、変更が可能であることは言うまでもない。
【0083】
例えば、第1実施形態では、第1および第2のカウント回路2、3が十進数「7」でカウント値が一致する場合、直ちに第2のカウント回路への基本クロック(CLK)の入力をマスクしてカウント動作を抑止するとして説明した。しかしながら、本願はこれに限定されるものではない。第1および第2クロック(CLK1)、(CLK2)の論理レベルが遷移する前のタイミングにカウント動作を抑止することでも同様の作用効果を奏する。カウント値「6」〜「0」の検出に応じてカウント動作を抑止してやればよい。
【0084】
また、位相補償回路における静電容量値を切り替えについては、第2実施形態に適用することができることは言うまでもない。
【0085】
また、第1実施形態における、バッファ回路B1〜B5による遅延時間は、基本クロック(CLK)の周期の範囲内であって、第1および第2のDC−DCコンバータの同時動作が回避されるタイミングであればよい。ここで、同時動作が回避されるタイミングとは、第1および第2のDC−DCコンバータにより発生するノイズが許容範囲内のレベルとなる動作タイミングである。
【0086】
第1、第2のDC−DCコンバータについては、図2、3に示す回路の他、以下に示す回路上の変形をしてもよい。すなわち、NMOSトランジスタFET1に代えてPMOSトランジスタを使用することもできる。また、センサ抵抗RSを、NMOSトランジスタFET1、FET2の接続点とコイルL1との間に挿入することに代えて、NMOSトランジスタFET1あるいはこれに代わるPMOSトランジスタと同じ導電型のMOSトランジスタを介して、入力電圧(VIN)と接地(GND)との間に備えてもよい。また、センス抵抗RSにより検出された信号をスロープ補償回路を介して比較器CMP1に入力するものとすることもできる。また、RSフリップフロップFFの出力端子Q、反転出力端子XQと、NMOSトランジスタFET1、FET2との間には、ドライバ回路を備えるものとすることもできる。
【符号の説明】
【0087】
1A、1B 制御回路
2 第1のカウンタ回路
3 第2のカウンタ回路
4 比較回路
5 遅延回路
FF1〜FF11 Dフリップフロップ
SW1 スイッチ素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基本クロックをカウントし第1カウント値に応じて第1クロックを出力して、第1のDC−DCコンバータに供給する第1のカウンタ回路と、
前記基本クロックをカウントし第2カウント値に応じて第2クロックを出力して、第2のDC−DCコンバータに供給する第2のカウンタ回路と、
前記第1のカウンタ回路と前記第2のカウンタ回路との対応ビット位置ごとにビット値を比較する第1比較器と、
前記第1比較器による比較結果が一致することに応じて、第2クロックの前記第2のDC−DCコンバータへの供給タイミングを調整する調整回路とを備えることを特徴とする制御回路。
【請求項2】
前記第1のカウント値と前記第2のカウント値とが異なる場合に、前記第1のカウンタ回路と前記第2のカウンタ回路との何れかに含まれるしないビット位置のビット値と、前記対応しないビット位置における前記第1または第2のカウント値の何れかでのビット値とを比較する第2比較部を備え、
前記調整回路は、前記第1比較器および前記第2比較器による前記比較結果が共に一致することに応じて、前記第2クロックの前記第2のDC−DCコンバータへの供給タイミングを調整することを特徴とする請求項1に記載の制御回路。
【請求項3】
前記調整回路は、
前記比較結果の一致に応じて、前記第2のカウンタ回路への前記基本クロックの入力を抑止するマスク回路を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の制御回路。
【請求項4】
前記調整回路は、
前記比較結果の一致に応じて、前記第2のカウンタ回路からの前記第2クロックの出力を遅らせる遅延回路を含むことを特徴とする請求項1乃至3に記載の制御回路。
【請求項5】
基本クロックをカウントし第1カウント値に応じて第1クロックを出力する第1のカウンタ回路と、
前記基本クロックをカウントし第2カウント値に応じて第2クロックを出力する第2のカウンタ回路と、
前記第1クロックに応じて動作する第1のDC−DCコンバータと、
前記第2クロックに応じて動作する第2のDC−DCコンバータと、
前記第1のカウンタ回路と前記第2のカウンタ回路との対応ビット位置ごとにビット値を比較する第1比較器と、
前記第1比較器による比較結果が一致することに応じて、第2クロックの前記第2のDC−DCコンバータへの供給タイミングを調整する調整回路とを備えることを特徴とするDC−DCコンバータシステム。
【請求項6】
前記第2のDC−DCコンバータは、位相補償回路を備え、
前記位相補償回路は、前記比較結果の一致に応じて、前記位相補償回路の静電容量値が増加することを特徴とする請求項5に記載のDC−DCコンバータシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−36102(P2011−36102A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−182496(P2009−182496)
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】