説明

制御回路

【課題】スイッチング電源のクロスレギュレーション特性等を改善する制御回路を提供する。
【解決手段】電力補給部110が制御出力回路20からの電力供給を受け、電力補給部により非制御出力回路30に電力が補給的に供給され、電圧比較制御部120により、電力補給部と非制御出力回路との接続点の接続点電圧と非制御電圧とが比較され、接続点電圧が非制御電圧以上である場合に電力補給部と非制御出力回路とが導通させられ、接続点電圧が非制御電圧より小さい場合に電力補給部と非制御出力回路とが開放させられる。したがって、接続点電圧が非制御電圧以上になると、電力補給部と非制御出力回路とが導通させられて制御出力回路から非制御出力回路に電力を補給的に供給され、非制御出力回路の出力電圧低下が防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング電源のクロスレギュレーション特性を改善する制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル機器用電源等の分野では、電流共振型スイッチング電源やフライバック型スイッチング電源等が多く用いられる。このようなスイッチング電源では、複数の負荷に電力供給するために、多出力型構成とすることが多い。
【0003】
このような多出力型構成のスイッチング電源では、複数の負荷がそれぞれ変動した場合の各出力電圧安定性(以下、クロスレギュレーション特性とする。)が重要視される。このクロスレギュレーション特性を向上させるために、出力端子にダミー抵抗やレギュレータを付加する等の対策が施されることが多い。しかし、これらの対策は、スイッチング電源の高効率化、小型化および低コスト化を図る上で障害になってしまう。
【0004】
このような障害を改善する方法として、特許文献1の図1に開示されているようなスイッチング電源装置が挙げられる。このスイッチング電源装置は、負荷を多出力型構成とした、いわゆる絶縁型フォワードコンバータである。このスイッチング電源装置は、2次側に設けられた複数の整流平滑回路内の1つの整流平滑回路を除く1以上の整流平滑回路内の整流素子に並列に接続された1以上のスイッチング素子を有するものであり、主スイッチのオンオフに同期して各々のスイッチング素子をオンオフさせるものである。
【0005】
特許文献1では、当該スイッチング電源装置によれば、トランスの2次巻線間のリーケージインダクタンス、2次側配線のインダクタンス等により発生する多出力電源のクロスレギュレーション特性を改善でき、軽負荷時に、リアクトルの電流を不連続とし且つスイッチング周波数を低下させるため、軽負荷時の効率が改善されるといったことが示されている。
【特許文献1】特開2007−267450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の図1に開示されているスイッチング電源装置では、トランスのコアの形状と巻線を特殊な構成にする必要があるため、トランス自体が高価となり低コスト化の妨げとなるといった短所がある。また、このスイッチング電源装置では、一般的なトランスを使用することができないため、応用可能なスイッチング電源方式が限定されるといった短所もある。
【0007】
本発明は、特殊な構成のトランスを使用等することなく、スイッチング電源のクロスレギュレーション特性を改善し、高効率化、小型化および低コスト化を満足する制御回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するため本発明は次のように構成する。請求項1に記載の発明は、予め定められた第1設定電圧に定電圧フィードバック制御される制御出力回路と、第1設定電圧よりも低い非制御電圧を出力する非制御出力回路と、を備えたスイッチング電源に設けられる制御回路に於いて、制御出力回路と非制御出力回路との間に挿入接続され、制御出力回路からの電力供給を受け、非制御出力回路に電力を補給的に供給する電力補給部と、電力補給部と非制御出力回路との間に挿入接続され、電力補給部と非制御出力回路との接続点の接続点電圧と非制御電圧とを比較して、接続点電圧が非制御電圧より大きい場合に電力補給部と非制御出力回路とを導通させ、接続点電圧が非制御電圧以下の場合に電力補給部と非制御出力回路とを開放する電圧比較制御部と、を備えたことを特徴とする制御回路を対象とする。
【0009】
請求項1に記載の発明にあっては、電力補給部が制御出力回路からの電力供給を受け、電圧比較制御部により、電力補給部と非制御出力回路との接続点の接続点電圧と非制御電圧とが比較され、接続点電圧が非制御電圧より大きい場合に電力補給部と非制御出力回路とが導通させられ、電力補給部により非制御出力回路に電力が補給的に供給される。また、接続点電圧が非制御電圧以下の場合には、電力補給部と非制御出力回路とが開放させられ、電力補給部による非制御出力回路に電力が補給的に供給されなくなる。そのため、制御出力回路の負荷が無負荷で非制御出力回路の負荷が増加する等して非制御電圧が下がり、接続点電圧が非制御電圧より大きくなると、電力補給部と非制御出力回路とが導通させられる。その結果、制御回路から非制御出力回路に電力が補給的に供給され、非制御出力回路の出力電圧低下が防止される。また、接続点電圧が非制御電圧以下の場合に電力補給部と非制御出力回路とが開放させられることにより、制御回路での損失発生が防止される。
【0010】
請求項2に記載の発明にあっては、電圧比較制御部が、非制御電圧を第1設定電圧よりも低い第2設定電圧となるよう定電圧制御することを特徴とする制御回路を対象とする。
【0011】
請求項2に記載の発明にあっては、電圧比較制御部により、非制御電圧が第1設定電圧よりも低い第2設定電圧となるよう定電圧制御される。
【0012】
請求項3に記載の発明にあっては、制御電圧は、スイッチング電源の負荷電流の大きさが予め定められた第1設定電流以下になった場合に、第1設定電圧よりも低く、且つ、第2設定電圧よりも高い値に定電圧フィードバック制御されることを特徴とする制御回路を対象とする。
【0013】
請求項3に記載の発明にあっては、スイッチング電源の負荷電流の大きさが予め定められた第1設定電流以下になった場合に、制御電圧が、第1設定電圧よりも低く、且つ、第2設定電圧よりも高い値に定電圧フィードバック制御される。
【0014】
請求項4に記載の発明は、電圧比較制御部は、接続点電圧と非制御電圧とを比較する比較器と、比較器による接続点電圧と非制御電圧との比較に基づいて、電力補給部と非制御出力回路とを導通または開放する回路間スイッチと、を備えたことを特徴とする制御回路を対象とする。
【0015】
請求項4に記載の発明にあっては、電圧比較制御部の比較器により接続点電圧と非制御電圧とが比較され、この比較に基づいて、電圧比較制御部の回路間スイッチにより、電力補給部と非制御出力回路とが導通または開放され、非制御電圧が第1設定電圧よりも低い第2設定電圧となるよう定電圧制御される。このような構成にする場合にあっては、接続点電圧が略非制御電圧に近似し且つ非制御電圧を超えない値になるように電力補給部を設計しておくことにより、回路間スイッチが常時導通せず、接続点電圧が非制御電圧より大きくなったタイミングでのみ回路間スイッチが導通するようになり、回路間スイッチの損失は可能な限り抑制される。仮に、接続点電圧を非制御電圧以上に設計してしまうと、回路間スイッチが常時導通してしまうため、回路間スイッチの損失が常時発生してしまう。そのため、請求項4に記載の発明にあっては、接続点電圧が略非制御電圧に近似し且つ非制御電圧を超えない値になるように電力補給部を設計しておくことが望ましい。
【0016】
請求項5に記載の発明にあっては、電圧比較制御部は、比較器に接続され、接続点電圧又は非制御電圧を所定電圧にオフセットする定電圧源を有することを特徴とする制御回路を対象とする。
【0017】
請求項5に記載の発明にあっては、定電圧源が接続点電圧又は非制御電圧を所定電圧にオフセットさせた状態で比較器が接続点電圧又は非制御電圧を比較する。このような構成にする場合にあっては、接続点電圧が略非制御電圧に近似し且つ非制御電圧を超えない値になるように電力補給部を設計しておかなくても、回路間スイッチが常時導通しなくなり、例えば、接続点電圧が非制御電圧に所定電位だけオフセットされた電圧より大きくなったタイミングでのみ回路間スイッチが導通するようになり、回路間スイッチの損失は可能な限り抑制される。
【0018】
請求項6に記載の発明にあっては、電圧比較制御部は、所定の順方向電圧に設定されたダイオード、または、所定の逆方向電圧に設定された定電圧ダイオードを含むことを特徴とする制御回路を対象とする。
【0019】
請求項6に記載の本発明にあっては、接続点電圧から非制御電圧を減算した値が、ダイオードの所定の順方向電圧より大きい場合、または、接続点電圧から非制御電圧を減算した値が、定電圧ダイオードの所定の逆方向電圧より大きい場合に、電力補給部と非制御出力回路とが導通され、接続点電圧から非制御電圧を減算した値が、ダイオードの所定の順方向電圧以下の場合、または、接続点電圧から非制御電圧を減算した値が、定電圧ダイオードの所定の逆方向電圧以下の場合に、電力補給部と非制御出力回路とが開放され、非制御電圧が第1設定電圧よりも低い第2設定電圧となるよう定電圧制御される。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載の発明によれば、電力補給部が制御出力回路からの電力供給を受け、電圧比較制御部により、電力補給部と非制御出力回路との接続点の接続点電圧と非制御電圧とが比較され、接続点電圧が非制御電圧より大きい場合に電力補給部と非制御出力回路とが導通させられ、電力補給部により非制御出力回路に電力が補給的に供給される。また、接続点電圧が非制御電圧以下の場合には、電力補給部と非制御出力回路とが開放させられ、電力補給部による非制御出力回路に電力が補給的に供給されなくなる。そのため、制御出力回路の負荷が無負荷で非制御出力回路の負荷が増加する等して、非制御電圧が下がることで、接続点電圧が非制御電圧より大きくなると、電力補給部と非制御出力回路とが導通させられて電力補給部から非制御出力回路に電力が補給的に供給され、非制御出力回路の出力電圧低下が防止される。また、接続点電圧が非制御電圧以下の場合には、電力補給部と非制御出力回路とが開放させられ、制御回路での損失発生が防止されつつ、非制御出力回路には非制御出力巻線から電力が伝達される。そのため、トランスのコアの形状と巻線を特殊な構成にする必要がなく、一般的なトランスを使用した様々な方式のスイッチング電源で、クロスレギュレーション特性を改善し、高効率化、小型化および低コスト化を満足する制御回路を提供することが可能となる。
【0021】
請求項2に記載の発明によれば、電圧比較制御部により、非制御電圧が第1設定電圧よりも低い第2設定電圧となるよう定電圧制御されるため、スイッチング電源の出力負荷が変動し非制御出力回路の出力電圧が低下し易くなる条件になっても、非制御出力回路の出力電圧が第2設定電圧よりも更に低下することが防止され、非制御出力回路の負荷に対して安定して電力を供給できる。
【0022】
請求項3に記載の発明によれば、スイッチング電源の負荷電流の大きさが予め定められた第1設定電流以下になった場合に、制御電圧が、第1設定電圧よりも低く、且つ、第2設定電圧よりも高い値に定電圧フィードバック制御されるため、スイッチング電源の無負荷と軽負荷時の消費電力を低下させることができ、また、軽負荷時において、スイッチング電源の出力負荷が変動し非制御出力回路の出力電圧が低下し易くなる条件になっても、非制御出力回路の出力電圧が第2設定電圧よりも更に低下することが防止され、非制御出力回路の負荷に対して安定して電力を供給できる。
【0023】
請求項4に記載の発明によれば、電圧比較制御部の比較器により接続点電圧と非制御電圧とが比較され、この比較に基づいて、電圧比較制御部の回路間スイッチにより、電力補給部と非制御出力回路とが導通または開放され、非制御電圧が第1設定電圧よりも低い第2設定電圧となるよう定電圧制御されるため、スイッチング電源の負荷電流が小さい無負荷ないし軽負荷の条件での効率改善を可能となしつつ、非制御出力回路の負荷に対して安定して電力を供給できるスイッチング電源を低コストで提供することができる。このような構成にする場合にあっては、接続点電圧が略非制御電圧に近似し且つ非制御電圧を超えない値になるように電力補給部を設計しておくことにより、回路間スイッチが常時導通しなくなり、接続点電圧が非制御電圧より大きくなったタイミングでのみ導通するので、回路間スイッチの損失を可能な限り小さくすることができる。
【0024】
請求項5に記載の発明によれば、定電圧源が接続点電圧又は非制御電圧を所定電圧にオフセットさせた状態で比較器が接続点電圧又は非制御電圧を比較する。従って、このような構成にする場合にあっては、接続点電圧が略非制御電圧に近似し且つ非制御電圧を超えない値になるように電力補給部を設計しておかなくても、回路間スイッチが常時導通しなくなり、例えば、接続点電圧が非制御電圧に所定電位だけオフセットされた電圧より大きくになったタイミングでのみ回路間スイッチが導通するようになり、回路間スイッチの損失を可能な限り小さくすることができる。
【0025】
請求項6に記載の発明にあっては、接続点電圧から非制御電圧を減算した値が、ダイオードの所定の順方向電圧以上となった場合、または、接続点電圧から非制御電圧を減算した値が、定電圧ダイオードの所定の逆方向電圧以上となった場合に、電力補給部と非制御出力回路とが導通され、接続点電圧から非制御電圧を減算した値が、ダイオードの所定の順方向電圧よりも低下した場合、または、接続点電圧から非制御電圧を減算した値が、定電圧ダイオードの所定の逆方向電圧よりも低下した場合に、電力補給部と非制御出力回路とが開放され、非制御電圧が第1設定電圧よりも低い第2設定電圧となるよう定電圧制御されるので、より安価な構成でクロスレギュレーション特性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施の形態としての制御回路を使用したスイッチング電源を示した回路構成図
【図2】本発明の一実施の形態としての制御回路の構成図
【図3】図2の制御回路における電圧比較制御部120の内部回路の構成図
【図4】図2の制御回路における電力補給部110の内部回路の構成図
【図5】本発明の一実施の形態としての制御回路を使用したスイッチング電源を動作させた場合の出力電流・電圧特性図
【図6】電圧比較制御部220の内部回路図
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明の一実施の形態としての制御回路を使用したスイッチング電源を示した回路図である。図1に示すスイッチング電源1は、制御電圧が、予め定められた第1設定電圧に定電圧フィードバック制御される制御出力回路20と、第1設定電圧よりも低い非制御電圧を出力する非制御出力回路30と、制御出力回路20に接続される制御出力巻線W21と非制御出力回路30に接続される非制御出力巻線W31とを有し、入力電源VINから供給される電力を入力側のスイッチング動作で出力側に変換出力し、制御出力巻線W21から制御出力回路20に電力を伝達し、非制御出力巻線W31から非制御出力回路30に電力を伝達するトランスT10と、を備えている。
【0028】
また、スイッチング電源1は、入力電源VINから供給される電力を入力側でスイッチングするスイッチング素子としてのMOSFET5と、MOSFET5のスイッチングを制御するスイッチング制御部60と、出力側の直流電圧出力をフィードバック制御する出力電圧制御部50と、図示しないマイコンからの信号により、出力電圧を低下させる出力電圧低下部40と、を備えている。
【0029】
トランスT10は、制御出力巻線W21、および非制御出力巻線W31に対して電気的に絶縁された一次巻線W11と、図示しない磁性コア部材と、を有している。トランスT10の一次巻線W11の一端は、入力電源VINの正極に接続されている。また、トランスT10の一次巻線W11の他端は、MOSFET5のドレイン端子Dに接続されている。MOSFET5のソース端子Sは、スイッチング制御部60のGND端子と入力電源VINの負極と共に、一次側GND1に接続されている。MOSFET5のゲート端子Gは、スイッチング制御部60に接続されている。
【0030】
スイッチング制御部60は、出力電圧制御部50に接続されている。また、出力電圧制御部50は、出力端子OUT1の電圧が、第1設定電圧よりも高いか低いかに応じてスイッチング制御部60のFB端子電圧を増減するものである。スイッチング制御部60は、FB端子電圧の増減に応じて、MOSFET5のゲート端子Gのオン時間幅を増減制御し、出力端子OUT1の電圧を第1設定電圧に定電圧制御するようになっている。
【0031】
次に、本発明の一実施の形態としての制御回路の構成について説明する。図2は、本発明の一実施の形態としての制御回路の構成図である。図2に示す制御回路10は、制御出力回路20と非制御出力回路30との間に挿入接続され、制御出力回路20からの電力供給を受け、非制御出力回路30に電力を補給的に供給する電力補給部110と、電力補給部110と非制御出力回路30との間に挿入接続され、電力補給部110と非制御出力回路30との接続点P121の接続点電圧V2と非制御電圧V3とを比較して、接続点電圧V2が非制御電圧V3以上である場合に電力補給部110と非制御出力回路30とを導通させ、接続点電圧V2が非制御電圧V3より小さい場合には、電力補給部110と非制御出力回路30とを開放する電圧比較制御部120と、を備えている。
【0032】
電圧比較制御部120は、上記非制御電圧を第1設定電圧よりも低い第2設定電圧となるよう定電圧制御するようになっている。また、制御電圧は、スイッチング電源1の負荷電流の大きさが予め定められた第1設定電流以下になった場合に、第1設定電圧よりも低く、且つ、第2設定電圧よりも高い値に定電圧フィードバック制御されるようになっている。
【0033】
例えば、上記制御電圧は、図示しない電流検出部によりスイッチング電源1の負荷電流の大きさを検出し、負荷電流が小さい場合には軽負荷検出信号を図示しないマイコンに対して出力するようになっている。上記マイコンは軽負荷検出信号を受け、出力電圧低下部40に対して出力電圧を低下させる信号を出力し、この信号を受けて出力電圧低下部40が制御電圧を第1設定電圧よりも低く、且つ、第2設定電圧よりも高い値に定電圧フィードバック制御するようになっている。
【0034】
ここで、電圧比較制御部120の一例を図3に示す。図3に示すように、電圧比較制御部120は、
接続点電圧V2と非制御電圧V3とを比較する比較器CMP121を備えている。更に、電圧比較制御部120は、CMP121による接続点電圧V2と非制御電圧V3との比較に基づいて、電力補給部110と非制御出力回路30とを導通または開放する回路間スイッチQ121を備えている。
【0035】
比較器CMP121は、図3の例では、非制御出力回路30に接続された反転入力端子と、接続点P121に接続された非反転入力端子と、回路間スイッチQ121の制御端子に接続された出力端子と、で構成されている。なお、本発明に係る比較器は、図3の例に示した構成に限定されず、例えば、接続点P121に接続された反転入力端子と、非制御回路30に接続された非反転入力端子と、回路間スイッチQ121の制御端子にインバータを介して接続された出力端子と、で構成した比較器を用いても良い。また、回路間スイッチQ121は、電力補給部110と非制御出力回路30とを導通させ、電力補給部110と非制御出力回路30との間のインピーダンスを低下するものであれば、MOSFETであっても、バイポーラトランジスタであっても良い。
【0036】
このような構成にする場合にあっては、回路間スイッチQ121が常時導通しないようにして回路間スイッチQ121の損失を可能な限り小さくするために、接続点電圧V2が略非制御電圧V3に近似し且つ非制御電圧V3を超えない値になるように電力補給部110を設計しておくことが望ましい。このように電力補給部110を設計しておくことにより、回路間スイッチQ121が常時導通せず接続点電圧V2が非制御電圧V3より大きくなったタイミングでのみ回路間スイッチQ121が導通するようになり、回路間スイッチQ121の損失が可能な限り抑制されるようになっている。
【0037】
次に、電力補給部110の一例を図4に示す。図4に示した例では、電力補給部110は、コレクタが制御出力回路20のコンデンサC23の正極に接続されエミッタが電圧比較制御部120の回路間スイッチQ121を介して非制御出力回路30に接続されるトランジスタQ111を有している。また、電力補給部110は、トランジスタQ111のベースにカソードが接続され、制御出力回路20および非制御出力回路30の基準電位であるGND2にアノードが接続された定電圧ダイオードDZ111を有している。
【0038】
すなわち、電力補給部110は、トランジスタQ111と定電圧ダイオードDZ111とでドロッパ回路が構成され、安価な部品で電力補給部110から上記接続点P121に電力が安定的に供給し接続点電圧V2を安定化しうるようになっている。上記のように、電力補給部110と電圧比較制御部120とで構成する場合は、回路間スイッチQ121の損失を可能な限り抑制するために、接続点電圧V2が略非制御電圧V3に近似し且つ非制御電圧V3を超えない値になるように電力補給部110を設計しておくことが望ましいので、定電圧ダイオードDZ111は、接続点電圧V2が略非制御電圧V3に近似し且つ非制御電圧V3を超えない値になるものを選定することが望ましい。
【0039】
電圧比較制御部120は、図6の電圧比較制御部220に置き換えても良い。図6は、電圧比較制御部220の内部回路図を示したものである。電圧比較制御部220は、電圧比較制御部120と同様に、電力補給部110と非制御出力回路30とを導通または開放する制御端子を有し、制御端子への制御信号に応じて電力補給部110と非制御出力回路30とを導通または開放する回路間スイッチQ221を備えている。
【0040】
また、電圧比較制御部220は、電圧比較制御部120と同様に、非制御出力回路30に接続された反転入力端子、接続点P221に接続された非反転入力端子、回路間スイッチQ221の制御端子に接続された出力端子を有し、接続点P221の接続点電圧V2と非制御出力回路30の非制御電圧V3とを比較する比較器CMP221を備えている。
【0041】
更に、電圧比較制御部220は、比較器CMP221の反転入力端子の電位を所定電位にオフセットする定電圧源222を備えている。定電圧源222は、比較器CMP221の反転入力端子と、回路間スイッチQ221と非制御出力回路30との接続点と、の間に挿入接続されている。
【0042】
定電圧源222は、図6に示す例では、抵抗R221と、定電圧ダイオードDZ221と、コンデンサC221とで構成されている。抵抗R221の一端は、電力補給部110内のQ111のエミッタ端子および比較器CMP221の非反転入力端子に接続され、抵抗R221の他端は、コンデンサC221の正極端子および定電圧ダイオードDZ221のカソードに接続されている。コンデンサC221の負極端子および定電圧ダイオードDZ221のアノードは、回路間スイッチQ221と非制御出力回路30との接続点に接続されている。
【0043】
このような構成の本発明にあっては、比較器CMP221の反転入力端子の電位が定電圧源222によって所定電位オフセットされる。従って、このような構成にする場合にあっては、接続点電圧V2が略非制御電圧V3に近似し且つ非制御電圧V3を超えない値になるように電力補給部110を設計しておかなくても、接続点電圧V2をオフセットした電圧が略非制御電圧V3に近似し且つ非制御電圧V3を超えない値となるように設定することにより、回路間スイッチが常時導通しなくなり、接続点電圧V2が非制御電圧V3に所定電位だけオフセットされた電圧より大きくなったタイミングでのみ回路間スイッチQ121が導通するようになり、回路間スイッチQ121の損失を可能な限り小さくすることができるようになっている。
【0044】
なお、回路間スイッチQ221は、回路間スイッチQ121と同様、電力補給部110と非制御出力回路30とを導通させ、電力補給部110と非制御出力回路30との間のインピーダンスを低下するものであれば、MOSFETであっても、バイポーラトランジスタであっても良い。
【0045】
また、電圧比較制御部120または電圧比較制御部220は、所定の順方向電圧に設定されたダイオードで構成してもよく、または、所定の逆方向電圧に設定された定電圧ダイオードで構成してもよい。上記ダイオードで構成する場合は、上記ダイオードのアノード側を電力補給部110内のQ111のエミッタ端子に接続し、上記ダイオードのカソード側を非制御出力回路30のコンデンサC11のプラス端子へ接続すればよい。上記定電圧ダイオードで構成する場合は、上記定電圧ダイオードのカソード側を電力補給部110内のトランジスタQ111のエミッタ端子に接続し、上記定電圧ダイオードのアノード側を非制御出力回路30のコンデンサC11のプラス端子へ接続すればよい。
【0046】
上記のように、所定の順方向電圧に設定されたダイオード、または、所定の逆方向電圧に設定された定電圧ダイオードを使用した構成の場合にあっては、接続点電圧から非制御電圧を減算した値が、ダイオードの所定の順方向電圧以上となった場合、または、接続点電圧から非制御電圧を減算した値が、定電圧ダイオードの所定の逆方向電圧以上となった場合に、電力補給部110と非制御出力回路30とが導通される。
【0047】
また、接続点電圧から非制御電圧を減算した値が、ダイオードの所定の順方向電圧よりも低くなった場合、または、接続点電圧から非制御電圧を減算した値が、定電圧ダイオードの所定の逆方向電圧よりも低くなった場合に、電力補給部110と非制御出力回路30とが開放される。このように電力補給部110と非制御出力回路30とを導通および開放させることにより、非制御電圧V3は第1設定電圧よりも低い第2設定電圧となるよう定電圧制御される。
【0048】
なお、上記制御回路10、スイッチング電源1、制御出力回路20、非制御出力回路30、制御出力巻線W21、非制御出力巻線W31、トランスT10、電力補給部110および電圧比較制御部120は、それぞれ、本発明に係る制御回路、スイッチング電源、制御出力回路、非制御出力回路、制御出力巻線、非制御出力巻線、トランス、電力補給部および電圧比較制御部に相当する。回路間スイッチQ121および回路間スイッチQ221は、本発明に係る回路間スイッチに相当し、比較器CMP121および比較器CMP221は、本発明に係る比較器に相当する。
【0049】
続いて、スイッチング電源1および制御回路10の各構成部の作用について説明する。図1に示す多出力型構成のスイッチング電源1では、制御出力回路20の出力電圧(制御電圧V1)は出力電圧制御部50によって予め定められた第1設定電圧に定電圧フィードバック制御される。一方、非制御出力回路30の出力電圧は出力電圧制御部50によって定電圧フィードバック制御されていないが、以下のようにして非制御出力回路30の出力電圧(非制御電圧V3)が第1設定電圧よりも低い第2設定電圧となるように定電圧制御される。
【0050】
すなわち、図1に示すスイッチング電源1の制御回路10では、電力補給部110が制御出力回路20からの電力供給を受け、電力補給部110により電力補給部110と電圧比較制御部120との接続点P121に電力が補給的に供給される。そして、電圧比較制御部120により、電力補給部110と非制御出力回路30との接続点P121の接続点電圧V2と非制御電圧V3とが比較され、接続点電圧V2が非制御電圧V3より大きい場合に電力補給部110と非制御出力回路30とが導通させられ、また、接続点電圧V2が非制御電圧V3以下の場合に電力補給部110と非制御出力回路120とが開放させられる。
【0051】
したがって、制御出力回路20の負荷が無負荷で非制御出力回路30の負荷が増加する等して、非制御電圧が下がることで、接続点電圧V2が非制御電圧V3より大きくなると、電力補給部110と非制御出力回路30とが導通させられて制御出力回路20から非制御出力回路30に電力が補給的に供給され、非制御出力回路30の出力電圧低下が防止される。また、接続点電圧V2が非制御電圧V3以下の場合には、電力補給部110と非制御出力回路30とが開放させられる。そのため、この場合は、制御回路での損失発生が防止されつつ、非制御出力回路30には非制御出力巻線W31のみから電力が伝達される。
【0052】
図5は、スイッチング電源1の非制御出力回路30の出力電流・電圧特性図である。制御回路10では、電圧比較制御部120により、非制御電圧30が第1設定電圧よりも低い第2設定電圧となるよう定電圧制御される。そのため、図5に示したように、図1のような多出力型構成のスイッチング電源1において、制御出力回路20が無負荷(出力電流0A)の条件で、非制御出力回路30の負荷が増加しても、非制御出力回路30の出力電圧(非制御電圧V3)は、第2設定電圧(図5の例では、約7.7V)に定電圧制御される。そのため、制御回路10を使用したスイッチング電源1では、非制御出力回路30の出力端子にダミー抵抗やレギュレータを付加する等の対策なしにクロスレギュレーション特性を向上させることができる。
【0053】
更に、制御回路10では、スイッチング電源の負荷電流の大きさが予め定められた第1設定電流以下になった場合に、制御電圧が、第1設定電圧よりも低く、且つ、第2設定電圧よりも高い値に定電圧にフィードバック制御される。例えば、上記第1設定電圧は、図示しない電流検出部によりスイッチング電源1の負荷電流の大きさを検出し、負荷電流が小さい場合には軽負荷検出信号を図示しないマイコンに対して出力する。上記マイコンは軽負荷検出信号を受け、出力電圧低下部40に対して出力電圧を低下させる信号を出力し、この信号を受けて出力電圧低下部40が第1設定電圧を第1設定電圧よりも低く、且つ、第2設定電圧よりも高い値に定電圧フィードバック制御する。
【0054】
また、制御回路10では、電圧比較制御部120の比較器CMP121により接続点電圧V2と非制御電圧V3とが比較され、電圧比較制御部120の回路間スイッチQ121により電力補給部110と非制御出力回路30とが導通または開放される。更に、制御回路10では、電力補給部110のトランジスタQ111と定電圧ダイオードDZ111とにより、ドロッパ回路が構成され、非制御出力回路30の出力電圧V3が第2設定電圧となるよう定電圧制御される。
【0055】
上記制御回路10によれば、電力補給部110が制御出力回路20からの電力供給を受け、電力補給部110により非制御出力回路30に電力が補給的に供給され、電圧比較制御部120により、電力補給部110と電圧比較制御部120との接続点P121の接続点電圧V2と非制御電圧V3とが比較され、接続点電圧V2が非制御電圧V3より大きい場合に電力補給部110と非制御出力回路30とが導通させられ、接続点電圧V2が非制御電圧V3以下の場合に電力補給部110と非制御出力回路30とが開放させられる。
【0056】
これにより、制御出力回路20の負荷が無負荷で非制御出力回路30の負荷が増加する等して、非制御電圧V3が下がることで、接続点電圧V2が非制御電圧V3より大きくなると、電力補給部110と非制御出力回路30とが導通させられて電力補給部110から非制御出力回路30に電力が補給的に供給され、非制御出力回路30の出力電圧低下が防止される。
【0057】
また、接続点電圧V2が非制御電圧V3より小さい場合に電力補給部110と非制御出力回路30とが開放させられることにより、制御回路10での損失発生が防止されつつ、非制御出力回路30は非制御出力巻線W31から電力が伝達される。そのため、トランスのコアの形状と巻線を特殊な構成にする必要がなく、一般的なトランスを使用した様々な方式のスイッチング電源で、クロスレギュレーション特性を改善し、高効率化、小型化および低コスト化を満足する制御回路を提供することが可能となる。また、接続点電圧V2が非制御電圧V3より小さい場合に電力補給部110と非制御出力回路30とが開放させられることにより、制御回路10での損失発生が防止される。
【0058】
更に、本発明を実施するための形態に係る制御回路10によれば、電圧比較制御部120により、非制御電圧V3が第1設定電圧よりも低い第2設定電圧となるよう定電圧制御されるため、スイッチング電源1の出力負荷が変動し非制御出力回路30の出力電圧が低下し易くなる条件になっても、非制御出力回路30の出力電圧が第2設定電圧よりも更に低下することが防止され、非制御出力回路30の負荷に対し安定して電力を供給できる。
【0059】
また、本発明を実施するための形態に係る制御回路10によれば、スイッチング電源1の負荷電流の大きさが予め定められた第1設定電流以下になった場合に、制御電圧V1が、第1設定電圧よりも低く、且つ、第2設定電圧よりも高い値に定電圧フィードバック制御される。そのため、スイッチング電源1の無負荷と軽負荷時の消費電力を低下させることができ、また、軽負荷時において、スイッチング電源1の出力負荷が変動し非制御出力回路30の出力電圧V3が低下し易くなる条件になっても、非制御出力回路30の出力電圧が第2設定電圧よりも更に低下することが防止され、非制御出力回路30の負荷に対して安定して電力を供給できる。
【0060】
更に、本発明を実施するための形態に係る制御回路10によれば、電圧比較制御部120の比較器CMP121により接続点電圧V2と非制御電圧V3とが比較され、電圧比較制御部120の回路間スイッチQ121により電力補給部110と非制御出力回路120とが導通または開放されるため、スイッチング電源1の負荷電流が無負荷または軽負荷の条件での効率改善を可能とし、且つ、非制御出力回路30の負荷に対して安定して電力を供給できる。
【0061】
また、制御回路10によれば、電圧比較制御部120の比較器CMP121により接続点電圧V2と非制御電圧V3とが比較され、この比較に基づいて、電圧比較制御部120の回路間スイッチQ121により、電力補給部110と非制御出力回路30とが導通または開放され、非制御電圧V3が第1設定電圧よりも低い第2設定電圧となるよう定電圧制御されるため、スイッチング電源の負荷電流が小さい無負荷ないし軽負荷の条件での効率改善を可能となしつつ、非制御出力回路30の負荷に対して安定して電力を供給できるスイッチング電源1を低コストで提供することができる。
【0062】
このような構成にする場合にあっては、接続点電圧V2が略非制御電圧V3に近似し且つ非制御電圧V3を超えない値になるように電力補給部110を設計しておくと、回路間スイッチQ121が常時導通しなくなり、接続点電圧V2が非制御電圧V3より大きくなったタイミングでのみ導通するので、回路間スイッチQ121の損失を可能な限り小さくすることができる。
【0063】
更に、制御回路10において、電圧比較制御部120を電圧比較制御部220に置き換えた場合には、比較器CMP221の反転入力端子の電位が定電圧源222によって所定電位オフセットされる。従って、このような構成にする場合にあっては、接接続点電圧V2が略非制御電圧V3に近似し且つ非制御電圧V3を超えない値になるように電力補給部110を設計しておかなくても、回路間スイッチQ1221が常時導通しなくなり、例えば、接続点電圧V2が非制御電圧V3に所定電位だけオフセットされた電圧より大きくなったタイミングでのみ回路間スイッチQ121が導通するようになり、回路間スイッチQ121の損失を可能な限り小さくすることができる。
【0064】
また、制御回路10においては、電圧比較制御部120または電圧比較制御部220を、所定の順方向電圧に設定されたダイオード、または、所定の逆方向電圧に設定された定電圧ダイオードに置き換えてもよい。このような場合には、接続点電圧V2から非制御電圧V3を減算した値が、ダイオードの所定の順方向電圧VFより大きくなった場合、または、接続点電圧から非制御電圧を減算した値が、定電圧ダイオードの所定の逆方向電圧VZより大きくなった場合に、電力補給部110と非制御出力回路30とが導通される。
【0065】
一方、接続点電圧V2から非制御電圧V3を減算した値が、ダイオードの所定の順方向電圧VF以下の場合、または、接続点電圧から非制御電圧を減算した値が、定電圧ダイオードの所定の逆方向電圧VZ以下の場合に、電力補給部110と非制御出力回路30とが開放される。このようにして、電圧比較制御部120または電圧比較制御部220を、所定の順方向電圧に設定されたダイオード、または、所定の逆方向電圧に設定された定電圧ダイオードに置き換えた場合においても、電圧比較制御部120および電圧比較制御部220の動作と同様に、電力補給部110と非制御出力回路30とが導通または開放されて、非制御電圧V3が第1設定電圧よりも低い第2設定電圧となるよう定電圧制御されるので、より安価な構成でクロスレギュレーション特性を改善することができる。
【0066】
上述のスイッチング電源1はフライバック方式の構成を一例としたものであるが、本発明に係る制御回路は、電流共振方式等の他の方式のスイッチング電源に適用しても良い。また、本実施形態の制御回路10は、1チップに制御回路を搭載した集積回路として、そのまま適用しても良い。このような構成にすることで、更なる低コスト化、省スペース化および設計容易化を図ることができる。また、本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、上記の実施形態に示した構成部品等による限定は受けない。
【符号の説明】
【0067】
1: スイッチング電源
10:制御回路
20:制御出力回路
30:非制御出力回路
40:出力電圧低下部
50:出力電圧制御部
60:スイッチング制御部
110:電力補給部
120:電圧比較制御部
Q121:回路間スイッチ
CMP121:比較器
220:電圧比較制御部
Q221:回路間スイッチ
CMP221:比較器
222:定電圧源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御電圧が、予め定められた第1設定電圧に定電圧フィードバック制御される制御出力回路と、
前記第1設定電圧よりも低い非制御電圧を出力する非制御出力回路と、
を備えたスイッチング電源に設けられる制御回路に於いて、
前記制御出力回路と前記非制御出力回路との間に挿入接続され、前記制御出力回路からの電力供給を受け、前記非制御出力回路に電力を補給的に供給する電力補給部と、
前記電力補給部と前記非制御出力回路との間に挿入接続され、前記電力補給部と前記非制御出力回路との接続点の接続点電圧と前記非制御電圧とを比較して、前記接続点電圧が前記非制御電圧より大きい場合に前記電力補給部と前記非制御出力回路とを導通させ、前記接続点電圧が前記非制御電圧以下の場合に前記電力補給部と前記非制御出力回路とを開放する電圧比較制御部と、
を備えたことを特徴とする制御回路。
【請求項2】
請求項1記載の制御回路に於いて、
前記電圧比較制御部は、前記非制御電圧を前記第1設定電圧よりも低い第2設定電圧となるよう定電圧制御することを特徴とする制御回路。
【請求項3】
請求項1または2のいずれかに記載の制御回路に於いて、
前記制御電圧は、前記スイッチング電源の負荷電流の大きさが予め定められた第1設定電流以下になった場合に、前記第1設定電圧よりも低く、且つ、前記第2設定電圧よりも高い値に定電圧フィードバック制御されることを特徴とする制御回路。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の制御回路に於いて、
前記電圧比較制御部は、
前記接続点電圧と前記非制御電圧とを比較する比較器と、
前記比較器による前記接続点電圧と前記非制御電圧との比較に基づいて、前記電力補給部と前記非制御出力回路とを導通または開放する回路間スイッチと、
を備えたことを特徴とする制御回路。
【請求項5】
請求項4に記載の制御回路に於いて、
前記電圧比較制御部は、
前記比較器に接続され、前記接続点電圧又は前記非制御電圧を所定電圧にオフセットする定電圧源を有することを特徴とする制御回路。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれかに記載の制御回路に於いて、
前記電圧比較制御部は、所定の順方向電圧に設定されたダイオード、または、所定の逆方向電圧に設定された定電圧ダイオードを含むことを特徴とする制御回路。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−152070(P2012−152070A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10376(P2011−10376)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(000002037)新電元工業株式会社 (776)
【Fターム(参考)】