説明

制御放出ヒプロメロースマトリックスを含む薬剤組成物

本発明は、膨潤性の親水マトリックスに製剤化される経口剤形のための制御放出製剤に関する。この制御放出製剤は、ヒプロメロースとポリビニルアセテートフタレートの混合物を含み、これと組み合わされた薬学的に活性の成分を制御放出様式で放出させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御放出医薬製剤に関する。特に、本発明は、親水性で膨潤性のマトリックスを含む制御放出経口固体剤形を製造するのに用いることができる、ヒプロメロース含有粉末混合物に関する。
【背景技術】
【0002】
制御放出型の経口固体剤形の利点は、製剤分野では周知である。このような利点の例として、1日1回の投薬、長時間(例えば、24時間)にわたり活性薬剤成分(以後、APIと呼ぶ)の望ましい血中濃度を維持できること、血漿濃度のピークから谷までの変動を最小限にすることなどが挙げられる。研究から、1日の投薬回数を減らすことにより、患者のコンプライアンスが増大することもわかっている。多数の制御放出および持続放出製剤がすでに知られているが、それらの改善および変更が引き続き求められている。
【0003】
制御放出の分野で実施されていることとして、親水性膨潤性マトリックスの使用を含むものが挙げられる。マトリックスからの薬剤放出は、膨潤、溶解、拡散および/または浸食により達成される。これらの系の主な成分は、親水性ポリマーである。一般に、フレキシブルな鎖を含むポリマーでは拡散性が高く、結晶性ポリマーでは拡散性が低い。形態学的特徴の変化とともに、ポリマーセグメントの易動度は変動するため、拡散性を制御することができる。往々にして、薬剤、別のポリマー、可溶性もしくは不溶性充填剤、または溶剤などの他の成分を添加することにより、分子間力、自由空隙率、ガラス転移温度のような最終製品の1以上の特性を改変することができる。各変数は、マトリックスからの薬剤の放出速度に影響を及ぼしうる。
【0004】
例えば、米国特許第6,090,411号は、膨潤性で、流体力学的に平衡化されたモノリシックのマトリックス錠剤を含む、モノリシック型錠剤を記載している。膨潤性親水マトリックス錠剤は、長時間にわたり制御された方式で薬剤を送達するもので、製造が容易であるとされている。薬剤は、塩の存在下で、HPMCまたはポリエチレンオキシドをベースとしたマトリックス中に配合される。
【0005】
このようなマトリックス型錠剤の別の例として、米国特許第6,875,793号は、スルホニル尿素を含む制御放出錠剤を開示している。速度制御の特徴は、ローカストビーンガムまたはキサンタンガムのような材料の多糖ブレンドを含むマトリックスに基づく。APIを好適な溶剤に溶解させた後、速度制御マトリックスとブレンドする。
【0006】
以上のことにもかかわらず、当業界では、制御放出固体剤形に関してさらに改善をもたらしてほしいという要求がある。例えば、当業者が新たな圧縮錠剤の製造で用いるためにすぐに採用することができる、プレミックスまたは部分的プレミックス経口固体投与製剤を当業者に提供するのが有益であることは明らかである。本発明はこの要求に取り組むものである。
【発明の開示】
【0007】
発明の概要
本発明の一態様では、経口剤形で使用するための制御放出製剤を提供する。制御放出製剤は、ヒプロメロースと、ポリビニルアセテートフタレート(以後、PVAPと呼ぶ)のようなアニオンポリマーとの混合物を含む。PVAPは、該混合物が膨潤性親水マトリックスに圧縮されると、薬学的に活性の成分の制御放出を達成するのに有効な量で該混合物中に存在する。別の態様では、補助のアニオンポリマーをPVAPおよびヒプロメロースと一緒に含有させる。本発明の混合物により達成される活性医薬成分(API)の制御放出は、全胃腸管に存在する生理学的液体のpHを呈示するようシミュレートした溶解媒体中で観察される。
【0008】
本発明の混合物は、好ましくは粉末状であり、好ましくはAPIおよび/または栄養補給剤を含むことができる。本発明の目的のために、APIは、医薬成分だけではなく、栄養補給剤および/または経口固体剤形による送達に適したその他の作用剤もしくは生物学的に活性の成分も含むことは理解されよう。
【0009】
本発明の別の態様では、API、本発明の粉末混合物(好ましくは、膨潤性親水マトリックスの形態)を含む経口固体剤形、ならびにその製造方法が提供される。
【0010】
本発明の結果として、HPMC(ヒプロメロース)マトリックスからの薬剤放出の調節のための新規制御放出製剤が提供される。驚いたことに、本発明者らは、胃腸管のアルカリ性環境をシミュレートすることを意図した溶解媒質だけではなく、胃腸管の中性および酸性環境をシミュレートすることを意図した溶解媒質に対しても、APIの放出を制御するためにマトリックスにPVAPを含めることができることを見出した。これまで、PVAPは、主に、圧縮錠剤の腸溶性コーティングとして有用であると考えられていた。Handbook of Pharmaceutical Excipients、第4版、2003によれば、PVAPは十二指腸の全長に沿って溶解する。従って、これをHPMCつまりヒプロメロースと併用して、中性および酸性環境においてもAPIの放出を制御できることは、かなり予想外のことであった。このような併用により、高度に可溶性から事実上不溶性までのあらゆるタイプの活性医薬成分についての強固なマトリックスが提供される。
【0011】
発明の詳細な説明
本発明の第1の態様では、経口剤形で使用するための制御放出製剤が提供される。この製剤は、ヒプロメロースとポリビニルアセテートフタレートを含む混合物を含有する。本発明の混合物に含まれるPVAPの量は、混合物を膨潤性親水マトリックスに圧縮したとき、薬学的に活性の成分の制御放出をin vitroで達成するのに有効な量である。
【0012】
マトリックス系は当分野において周知である。典型的なマトリックス系の場合、通常の添加剤と共にポリマー中に薬剤を均質に分散させる。この混合物を典型的には圧力下で圧縮して錠剤を製造する。APIは、拡散または浸食により錠剤から放出される。マトリックス系については、(i)Handbook of Pharmaceutical Controlled Release Technology、D. L. Wise編、Marcel Dekker, Inc. ニューヨーク州ニューヨーク(2000)、および(ii)Treatise on Controlled Drug Delivery, Fundamentals, Optimization, Applications、A. Kydonieus編、Marcel Dekker, Inc. ニューヨーク州ニューヨーク(1992)に記載されており、両文献の内容を参照として本明細書に組み込むものとする。
【0013】
錠剤を水性媒質(例えば、胃腸管内の)に暴露すると、錠剤表面が湿潤して、ポリマーが部分的に水和し始め、外側ゲル層を形成する。この外側ゲル層が完全に水和すると、水性液体中に浸食され始める。水は錠剤のコアに向かって浸透し続け、溶解していく外側ゲル層の下にもう1つのゲル層を形成させる。このように同心ゲル層が順次形成されていき、ゲル層からの拡散、および錠剤浸食による暴露によってAPIの均一な放出が持続される。本発明の混合物の場合、圧縮錠剤マトリックスに含有させると、ヒプロメロースは、ゲル層として機能できる親水膨潤性構造をもたらすのに対し、マトリックスのPVAP部分は、ゲル形成の厚さ、水和速度および錠剤の水吸収を調節する手段を提供する。このようにして、薬剤放出が制御される。
【0014】
本発明の目的のために、「制御放出」は、本発明の混合物から製造したマトリックスからのAPIの放出に関するものと理解すべきである。「制御(された)」とは、予測可能でかつ実質的に反復可能な速度で、in vitroおよび/またはin vivoでAPIが放出される剤形を提供できることを指す。当業者には理解されるように、「制御された」API放出パターンは、延長された、または長期にわたる放出プロファイルに限定されるわけではない。従って、APIの「制御(された)」放出とは、摂取後および/または延長可能な期間後、あるいは、当分野に関して統計的測定値の許容可能な偏差内で、APIを受け取る患者に有利な方法で、APIが予測可能に放出されることを意味すると理解すべきである。
【0015】
本発明の場合、APIの制御放出は、胃腸管に沿って存在する生理学的液体のpHをシミュレートする溶解媒質においてin vitroで観察することができる。本発明の製剤は、摂取後数分から24時間またはそれ以上の時間内に開始することができるAPI放出プロファイルをもたらす。
【0016】
本発明の製剤に含まれるヒプロメロースの種類としては、薬学的に許容可能なものとして当分野で認識されているあらゆる種類が含まれる。ヒプロメロースは当分野で、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはHPMCとしても知られており、様々な商品名で複数の化学会社から入手可能である。例えば、HPMCは、Methocel(登録商標)の商品名でDow Chemical社から入手可能である。HPMCは、その種類、置換レベル、ならびに、水(20℃)中2%w/vでのその溶解粘度に基づいて分類される。好適なグレードのHPMCの非制限的例として、Methocel K100LV、E-50、K4M、K15M、K100M、E4M、E10M、または20℃での粘度が50〜100,000センチポアズのあらゆるグレードが挙げられる。
【0017】
本発明の粉末混合物に含まれるヒプロメロースの量は、約8〜約60重量%の広い範囲で変動しうる。好ましくは、ヒプロメロースの量は、約15〜約45重量%であるが、本発明のさらに好ましい態様では、ヒプロメロースの量は、粉末混合物の約25〜約35重量%である。本発明のほとんどの態様では、ヒプロメロースに、PVAPまたはその他のアニオンポリマー(随意にAPIを添加した)、ならびにその他の担体材料を加え、直接圧縮または湿式造粒のいずれかを実施してから、流動層乾燥し、ブレンドして、錠剤形態に圧縮する。
【0018】
本発明の製剤に含まれる好ましいアニオンポリマーは、例えば、ペンシルバニア州ウエストポイントのColorcon社から入手可能なポリビニルアセテートフタレートである。また、本発明に含まれるPVAPを、Colorcon社から入手可能な二酸化チタンと一緒にPVAP-Tとして共加工してもよい。本発明の混合物に含まれるPVAP、および所望であれば、補助アニオンポリマーの量は、該混合物を膨潤性親水マトリックスに圧縮したとき、薬学的に活性の成分の制御放出を達成するのに有効な量として記載される。上記の量は、当業者の要求、他の成分の存在または非存在などに応じて、ある程度変動しうるが、一般に混合物の約4〜約60重量%、好ましくは混合物の約8〜約45重量%、さらに好ましくは混合物の約15〜約35重量%である。前述したように、本発明の制御放出態様に関する要目の1つは、胃腸管、特にその酸性および中性領域でのAPIの放出を制御するためにPVAPを用いることである。本発明のほとんどの態様では、PVAP(アニオンポリマー)が、含まれるアニオンポリマーの大部分を占めるものとする。
【0019】
本発明のさらに別の態様では、補助アニオンポリマーは、薬学的に許容されるアニオンポリマーから選択し、このようなものとして、限定するものではないが、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、カルボポール(架橋アクリル酸ポリマー)、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メタクリル酸コポリマー、ヒドロキシプロピルメチルアセテートスクシネート、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0020】
本発明の一態様では、APIを加える前に、ヒプロメロースとPVAPを混合物の形で組み合わせることが好ましい。混合物は、2つの成分、すなわちヒプロメロースとPVAPを、均質な混合物または実質的に均質な組合せ物が得られるまでドライブレンドすることにより、取得することができる。当分野で認識されている他のブレンド方法を用いてもよいことは理解されよう。補助アニオンポリマーを、ヒプロメロースとのブレンド前に個別に、または3成分混合物の一部として、PVAPに加えてもよい。説明を簡単にするために、ヒプロメロースとPVAPと、含有されていれば、補助アニオンポリマーとの混合物を「プレブレンド」と呼ぶことにする。
【0021】
別の態様では、最初にAPIをHPMCまたはPVAP、さらには任意の充填剤または希釈剤に加えた後、他の混合物成分を加えることにより、プレブレンドを製造する。
【0022】
多くの好ましい実施形態において、本発明の粉末ベースの混合物は、好ましくは薬学的に活性の成分または栄養補給剤を含むことが想定される。粉末混合物および/またはこれを含む親水マトリックスに添加することができるAPIの種類に対する既知の制約事項は一切ないが、APIは親水マトリックスへの添加に適しており、経口固体剤形への配合が可能でなければならない。
【0023】
プレブレンドは、当分野で認識されているいずれの様式でAPIと組み合わせてもよい。本発明の好ましい態様では、湿式造粒技術を用いて、プレブレンドをAPIと混合する。本発明の他の態様では、経口固体剤形の全成分をドライブレンドし、直接圧縮を用いる必要がある。
【0024】
以下に挙げるAPIの非制限的例は、本発明の粉末混合物および/またはこれを含む経口固体剤形に含有させるのに適したAPIを制限するものではなく、例示を意図するにすぎない:
a)鎮痛薬、例えば、コデイン、ジヒドロコデイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、モルヒネ、ジアセチルモルフィン、フェンタニル、ブプレノルフィン、トラマドール、オキシコドン、アセトアミノフェン、アスピリン、フェニルブタゾン、ジフルニサール、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ジクロフェナク、インドメタシン、ナプロキセン、メタドン、メロキシカム、ピロキシカム、もしくはアザプロパゾン;
b)抗ヒスタミン薬、例えば、ロラチジン、ジフェンヒドラミンなど;
c)抗高血圧薬、例えば、クロニジン、テラゾシン、アセブタロール、アセノロール、プロプラノロール、ナドロール、ニフェジピン、ニカルジピン、ベラパミル、ジルチアゼム、リシノプリル、カプトプリル、ラミプリル、フォシノプリル、エナラプリルなど;
d)抗生物質、例えば、デモクロサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、テトラサイクリン、シプロフラキサシン、アモキシシリン、ペニシリン、エリスロマイシン、メトロニダゾール、セファロスポリンなど;
e)気管支/抗喘息薬、例えば、テルブタリン、サルブタモール、テオフィリンなど;
f)心臓血管薬、例えば、プロカインアミド、トカイニド、プロパフェノンなど;
g)中枢神経系薬/抗不安薬/抗うつ薬、例えば、レボドーパ、フルオキシテン、ドキセピン、イミプラミン、トラゾドン、フルフェナジン、ペルフェナジン、プロメタジン、ハロペリドール、オキサゼパム、ロラゼパム、ジアゼパム、クロナゼパム、ブスピロンなど;
h)抗癌薬、例えば、メルファラン、シクロホスファミド、フルオロウラシル、メトトレキセートなど;
i)抗片頭痛薬、例えば、スマトリプタン、リスリドなど;
j)胃腸薬、例えば、シメチジン、ラニチジン、オメプラゾール、ミソプロストールなど;
k)経口抗糖尿病薬、例えば、グリピジド、グリボルリドなど。
【0025】
当業者であれば、前記物質の薬学的に活性のあらゆる塩もしくはエステル、ならびに前記物質またはその塩もしくはエステルの2種以上の組合せも、具体的に記載していないが現在知られている薬剤と同様に、想定されることは理解されよう。APIを含有する本発明のほとんどの実施形態では、薬学的に活性の成分は、混合物の約0.001〜約60重量%を占める。好ましくは、APIは、混合物の約5.0〜約40重量%を占め、混合物の約10〜約30重量%を占めるのがさらに好ましい。
【0026】
別の態様では、本発明の混合物、およびこれを用いて製造される親水マトリックスは、補助親水セルロースポリマーを含む。好適な補助親水セルロースポリマーの非制限的例として、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアセテートおよびその混合物が挙げられる。このような補助ポリマーは、ヒプロメロース含量の>0〜約100重量%までの範囲の量で存在させることができる。
【0027】
本発明のさらに別の態様では、ヒプロメロース/PVAP粉末混合物は1以上の薬学的に許容される添加剤を含んでもよく、このような添加剤として、限定するものではないが、滑沢剤、流動助剤、希釈剤、結合剤、崩壊剤、バインダー、溶解促進剤、pH調節剤、流動促進剤、付着防止剤など、ならびにこれらの混合物が挙げられる。このような物質は、錠剤の総重量の約0.001〜約50重量%の範囲の量で存在させることができる。以下に挙げる個々の添加剤の合計が、記載した範囲内にあることは理解されよう。
【0028】
好適な滑沢剤の例として、ステアリン酸、ステアリン酸金属塩(例:カルシウム、マグネシウム、ナトリウム)、ポリキサマー、ポリエチレングリコール、(例:Carbowaxes)、水素化植物油(例えば、Sterotex)、ならびにこれらの混合物などの材料が挙げられる。好適な流動助剤として、例えば、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、ステアリルフマル酸ナトリウム(Pruv)、ラウル硫酸ナトリウムなど、ならびにこれらの混合物が挙げられる。滑沢剤は、本組成物の総重量の約0.1%〜約10%、好ましくは約0.2%〜約8%、さらに好ましくは約0.25%〜約5%の量で存在させることができる。
【0029】
好適な希釈剤として、例えば、微晶質セルロース、ラクトース、デキストロース、スクロース、リン酸二カルシウム、アルファ化デンプン、天然デンプン、マンニトール、タルク、ならびにこれらの混合物が挙げられる。その他の好適な製剤用不活性希釈剤として、薬学的に許容される糖類、例えば、単糖、二糖もしくは多価アルコールが挙げられる。
【0030】
湿式造粒工程なしに本発明の組成物を製造し、最終混合物を錠剤に成形しようとする場合には、不活性希釈剤の全部または一部が、当分野で周知の直接圧縮希釈剤を含むのが好ましい。このような直接圧縮希釈剤は、製剤の分野では広く用いられており、様々な商業源から入手することができる。例として、Emcocel(微晶質セルロース、N.F.)、Emdex(デキストレート、N.F.)、およびTab-Fine(スクロース、フルクトースおよびデキストロースのような多数の直接圧縮用の糖類)、もしくは当業者には周知のその他が挙げられる。希釈剤は、総錠剤重量の約0.1%〜約60%、好ましくは約5%〜25%の範囲の量で存在させることができる。
【0031】
好適な崩壊剤として、例えば、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース(低置換)、デンプン、炭酸カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ならびにこれらの混合物が挙げられる。本発明の方法により製造する医薬組成物の製造中に、任意の適切な工程で崩壊剤を添加することもできるが、造粒の前、または圧縮前の滑沢工程中に添加するのが好ましい。本発明の多くの態様において、崩壊剤は、本組成物の総重量の約0.5%〜約30%、好ましくは約1%〜10%、さらに好ましくは約2%〜約6%の範囲の量で存在させることができる。
【0032】
好適な溶解促進剤としては、例えば、レシチン、ポロキサマー、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタンエステル、ならびにこれらの混合物が挙げられる。好適なpH調節剤としては、例えば、クエン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0033】
好適な結合剤としては、好ましくは、サイジング、潤滑、圧縮およびパッケージングのような通常の加工を可能にし、しかも、摂取時に錠剤を崩壊させ、組成物を溶解させるのに十分な結合を粉末に付与する、当業者には周知の結合剤、例えば、ポビドン、アラビアガム、ゼラチン、およびトラガカントが挙げられる。
【0034】
その他の担体材料(着色料、香料および甘味料など)を本発明の医薬組成物の製造に用いることもできる。本組成物を用いて製造した錠剤はコーティングしてもしなくてもよい。フィルムコーティングの場合には、Opadry(登録商標)(Colorcon社)のような材料、または当分野で周知の他のフィルムコーティング材料が有用である。
【0035】
本発明の製剤は以下に示す1以上の方法で製造することができるが、それ以外の類似する方法を用いてもよい。本発明の好ましい一態様では、ヒプロメロースとポリビニルアセテートフタレートを、薬学的に許容可能な活性成分と一緒に湿式造粒する。他の態様では、主成分、例えばヒプロメロースとPVAPを、任意にAPIおよび補助添加剤と共にドライブレンドする。
【0036】
例示を目的として、好適な湿式造粒の概要を以下に記載する:
湿式造粒では、所望量のAPI、PVAPおよび希釈剤を一緒に混合し、その後湿式造粒条件下で、必要なヒプロメロースの一部を含む溶液を添加する。次に、湿らせた塊を乾燥させ、顆粒化し、篩い分けした後、残りのヒプロメロースおよび他の任意の添加剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)とブレンドする。その後、最終ブレンドは錠剤成形が可能な状態になっている。
【0037】
本発明のさらに別の実施形態では、本明細書に記載した制御放出製剤を含む経口固体剤形が提供される。ドライブレンドまたは湿式造粒などにより、いったん本発明の粉末混合物を製造したら、周知の技術を用いて、混合物を錠剤に圧縮することができる。一般に、当業者は、本明細書に記載の制御放出製剤を用意し、好適な打錠機を用いて、該製剤を経口固体剤形に圧縮することにより、経口固体剤形を製造することができる。
【実施例】
【0038】
以下に示す実施例は、本発明についての理解をさらに深めるのに役立つが、本発明の有効な範囲を何ら制限するものではない。
【0039】
実施例1
薬剤放出に及ぼす影響が塩酸ベラパミルとPVAPとの化学的相互作用によるものではないことを確認するために、以下の試験を実施した。
【0040】
塩酸ベラパミルとポリビニルアセテートフタレート(PVAP)の化学的相互作用の確認
a.目的
薬剤放出の変化がポリマーと薬剤の相互作用によるものであるかどうかを調べること。もしそうであれば、PVAPが増加するにつれて、薬剤との結合のため、薬剤の放出が低下すると考えられる。
【0041】
b.方法
i.52gのメタノールに20gの塩酸ベラパミルを溶解させて、飽和溶液を形成する;
ii.52gのメタノールに10gのPVAPを溶解させて、飽和溶液を形成する;
iii.いずれのサンプルについても透明な溶液を得た;
iv.50gの各溶液を混ぜ合わせ、沈殿物の存在を検査した;
v.沈殿物は形成されず、溶液は透明なままだった。
【0042】
c.結論
PVAPと薬剤の間に化学的相互作用は認められなかったが、これは、塩酸ベラパミルと腸溶性ポリマーの相互作用について以前発表された研究結果のいくつかとは相反するものである。また、PVAPの使用による薬剤放出の低下が、塩酸ベラパミルとの化学的相互作用に起因することもあり得ない。
【0043】
実施例2
HPMC/PVAP成形体の水和ゲル形成の検査
a.組成物
Carver Pressを用いて、圧縮力2,500ポンドと保持時間15秒で、HPMC/PVAP成形体(5g)を製造した。
【表1】

【0044】
b.方法
各成形体の水和/ゲル形成を評価するために、脱イオン水を含むビーカーにこれらを配置した。成形体はすべて表面に浮遊した。予め定めた時点(4、8、24時間)でビーカーから錠剤を取り出し、ティッシュペーパーで軽く叩いて余分な水を除去した後、さらに組織構造分析に付した。装置を以下のようにプログラムした:最大力45Nが達成されるまで、プローブが0.5mm/秒の速度で膨潤した錠剤(プローブの下に中心を合せた)に向かって進むようにした。毎秒200ポイントのデータ取得速度で、マトリックスへのプローブの針入に関連する力−距離プロファイルを作成した。ソフトウエアにより記録された合計プローブ変位を測定することにより、合計膨潤厚さを決定した。
【表2】

【0045】
上記データのプロットを図1に示す。
【0046】
c.結論
これらの結果から、PVAPレベルが高い(サンプルBおよびD)ほど、8時間および24時間時点で錠剤厚さについて得られた同様の数値が示すように、剤形(ゲル層およびコア)全体の溶解および寸法変化に対する抵抗が大きいことがわかる。対照的に、PVAPに比べ高いレベルのラクトースを含む錠剤は、8時間および24時間時点で錠剤厚さが減少しており、これは、ゲル層および水和コアからのラクトースの溶解/浸食による軸寸法の顕著な減少を示している。
【0047】
実施例3
錠剤抵抗/針入力の検査
a.組成物
Carver Pressを用いて、圧縮力2500ポンドおよび保持時間15秒で、実施例2と同様の組成物を含むPMC/PVAP成形体(5g)を製造した。
【0048】
b.方法
実施例2と同様に、予め定めた時点(4、8、24時間)でビーカーから錠剤を取り出し、ティッシュペーパーで軽く叩いて余分な水を除去した後、さらに組織構造分析に付した。最大力45Nが達成されるまで、プローブが0.5mm/秒の速度で膨潤した錠剤(プローブの下に中心を合せた)に向かって進むように、装置をプログラムした。毎秒200ポイントのデータ取得速度で、マトリックスへのプローブの針入に関連する力−距離プロファイルを作成した。
【表3】

【0049】
上記データのプロットを図2に示す。
【0050】
c.結論
これらの結果から、PVAPレベルが高い(サンプルBおよびD)ほど、主な充填剤としてラクトースを含むサンプル(サンプルAおよびC)より遅い速度でゲル層が形成されることがわかる。これは、サンプルAおよびCと比較して、サンプルBおよびDの針入力の値が高いことにより確認される。ラクトースの存在により、HPMCの急速な水和とゲル層の形成が起こるが、これによって、プローブは少ない抵抗で針入することができる。24時間時点の結果から、HPMCと併用するPVAPのレベルが高いほど、この時点を過ぎても有意な機械的強度を維持するマトリックス錠剤および水和ゲル層が得られることがわかる。このことから、マトリックス組成物にPVAPを含有させると、マトリックスの挙動が拡散/浸食に基づいた作用機構から主として浸食へと変化することがわかる。
【0051】
実施例4
質量損失試験と液体吸収検査
a.組成物
Carver Pressを用いて、圧縮力2,500ポンドおよび保持時間15秒で、実施例2と同様の組成物を含むPMC/PVAP成形体(5g)を製造した。
【0052】
b.方法
実施例2と同様に、脱イオン水を含むビーカーに錠剤を導入した。予め定めた時点(4、8、24時間)でビーカーから錠剤を取り出し、ティッシュペーパーで軽く叩いて余分な水を除去した。湿った成形体を一定の重量になるまで乾燥させた後、乾燥錠剤本来の重量と比較することにより、質量損失率を計算した。結果を図3に示す。液体吸収率は、錠剤が吸収した水の重量を乾燥錠剤の重量と比較することにより計算した。結果を図4に示す。
【0053】
c.結果
HPMCと併用するPVAPのレベルが高くなると、質量損失率および吸水率が減少することがわかる。図3、図4に示す錠剤の質量損失率および液体吸収率から、PVAPレベルが高いほど、質量損失率が低下し、水の浸入も阻止されることがわかる。すべての製剤がゲル形成のために類似レベルのHPMCを含むことから、質量損失率の低下および水浸入の阻止は、酸性または塩基性pH媒質の存在下でのHPMCとPVAPの相乗的相互作用と関連している。
【0054】
実施例5
粘度検査−0.1N HClまたはpH6.8リン酸バッファー
a.分散液の特性決定
PVAP、HPMC、もしくは塩酸ベラパミルを0.1N HClまたはリン酸バッファー(pH6.8)に分散させた。そのままの粘度と、2成分または3成分混合物の粘度を測定した。
【0055】
b.ドライブレンド混合物の特性決定
i.2部のHPMCを30部のPVAPとドライブレンドし、0.1N HClまたはpH6.8リン酸バッファー中に分散させて最終固形分19%とした。
ii.2部のHPMC、30部のPVAP、および48部の塩酸ベラパミルをドライブレンドし、0.1N HClまたはpH6.8リン酸バッファー中に分散させて最終固形分36%とした。
粘度の測定のためにRVスピンドル1および3を備えたBrookfield粘度計DV-II+を用いた。
【0056】
c.結果(以下の表にまとめた通り)
【表4】

【0057】
d.結論
実施例5の結果から、分散液粘度の相乗的増加は、分散に先立ってPVAPとHPMCを粉末としてプレブレンドする場合にのみ認められることがわかる。2つのポリマーを個別に分散させてから混合しても、分散液粘度の相乗的増加は認められない。HPMCとPVAPを併用することによる分散液粘度の相乗的増加は、それらを調製するのに用いたpH媒質とは無関係である。最終的に、pHとは無関係の粘度の相乗的増加が観察されたことに基づき、これらの組合せ物を用いて放出される薬剤は酸性、中性およびアルカリ性の各条件で遅延させることができるという結果になる。
【0058】
実施例6
溶解試験−塩酸ベラパミル240mg ER製剤
a.組成物:
【表5】

【0059】
b.方法:
塩酸ベラパミル(Fermion)、噴霧乾燥ラクトース(Foremost)および/またはPVAP(Colorcon)をHobartミキサーで5分ブレンドした後、2%w/vヒプロメロース溶液(150g、Methocel(登録商標)E5、Dow Chemical社)を用いて湿式造粒した。湿った塊を40℃で10時間にわたりトレイ乾燥させ、振動造粒機(12メッシュ)に通過させた後、16メッシュスクリーンで手動にて篩い分けした。次に、ツインシェルブレンダーにおいて、顆粒をMethocel K100LVと10分間混合した。最後に、ステアリン酸マグネシウムを添加し、さらに3分ブレンドした。
【0060】
11mmの標準凹型ツールを備えた10ステーション回転式打錠機(Riva-Pccola、アルゼンチン)をタレット速度30rpmで用いて、500mg錠剤を製造した。
【0061】
自動溶解浴(Varian)を用いて、USP 28方法1(50rpm)に従い、薬剤放出を測定した(n=6)。すべての方法で、装置2(パドル)、ならびに溶解媒質として900mLの無酵素の人工胃腸液(37±0.5℃)を使用した。らせん型ワイヤーを用いて、剤形の浮遊を防いだ。UV分光測光により278nmで薬剤放出を測定し、60分毎に胃相から、また、120、210、300および480分毎に腸媒質から、サンプルを抜き取った。結果を図5に示す。
【0062】
c.試験結果:
図5に示すように、製剤中のPVAPのレベルが高いと、マトリックスからの薬剤放出の低下が起こった。粘度検査で観察された相互作用がこの実施例でも認められる。PVAPは腸媒質に可溶性であることから、相互作用が存在しなかったなら、PVAPの溶解によって薬剤が拡散する経路が形成されるため、マトリックスからの薬剤の放出速度は上昇するに違いないと予想されただろう。驚くことに、実際にはそうではなかった。
【0063】
d.結論:
HPMCとPVAPとの相乗関係は、酸性、アルカリ性、もしくは中性媒質で観察される。製剤中のPVAPのレベルを変えて、240mgの塩酸ベラパミルERマトリックスを製造した場合も、同様の観察結果が得られる。PVAPのレベルが高くなると、薬剤の放出速度が(特に、PVAPが制御放出に影響を与えないと考えられた胃腸管に対応するpH領域において)低下した。
【0064】
上記の実験を考慮して、本発明者らは、HPMCと併用するPVAPのレベルを高くすると、塩酸ベラパミルの薬剤放出が低下することを見出した。PVAPと該薬剤の間に化学的相互作用はないことが明らかにされているため、相互作用による制御は排除される。組織構造分析、錠剤の質量損失率および液体吸収率から、PVAPレベルを高くすると、質量損失率が低下するとともに、水の浸入も阻止されることがわかる。このことは、ガラス質のコアからゴム質のゲルへの変換の低下と一致している。これは、マトリックス周囲のゲルがより薄くなっていることを示している。言い換えると、放出機構は、ラクトースが存在するときの主に拡散だったものから、PVAPが存在するときの主に浸食へと変化する。製剤はすべて、ゲル形成のために類似レベルのHPMCを含むため、水浸入の阻止は、水、胃媒質もしくは腸媒質の存在下でのHPMCとPVAPの相乗的相互作用に関連している。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】実施例2に対応するゲル形成グラフである。
【図2】実施例3に対応する、時間に対して錠剤抵抗/針入力をプロットしたグラフである。
【図3】図4に記載した製剤の質量損失率を示すグラフである。
【図4】図4に記載した製剤の液体吸収プロファイルを示すグラフである。
【図5】本発明および実施例6に従って製造した、各種の塩酸ベラパミル含有固体剤形の溶解を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒプロメロースとポリビニルアセテートフタレートを含む混合物を含有する、経口剤形で使用するための制御放出製剤であって、ポリビニルアセテートフタレートは、上記混合物が膨潤性の親水マトリックスに圧縮される場合、薬学的に活性の成分の制御放出をin vitroで達成するのに有効な量で存在する、上記制御放出製剤。
【請求項2】
アニオンポリマーをさらに含む、請求項1に記載の制御放出製剤。
【請求項3】
アニオンポリマーが、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、カルボポール(架橋アクリル酸ポリマー)、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メタクリル酸コポリマー、ヒドロキシプロピルメチルアセテートスクシネート、ならびにこれらの混合物からなる群より選択される、請求項2に記載の制御放出製剤。
【請求項4】
薬学的に活性の成分または栄養補給剤をさらに含む、請求項1に記載の制御放出製剤。
【請求項5】
補助の親水性セルロースポリマーをさらに含む、請求項1に記載の制御放出製剤。
【請求項6】
補助の親水性セルロースポリマーが、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアセテート、ならびにこれらの混合物からなる群より選択される、請求項5に記載の制御放出製剤。
【請求項7】
ヒプロメロースの量が約8〜約60重量%である、請求項1に記載の制御放出製剤。
【請求項8】
ヒプロメロースの量が約15〜約45重量%である、請求項7に記載の制御放出製剤。
【請求項9】
ヒプロメロースの量が約25〜約35重量%である、請求項8に記載の制御放出製剤。
【請求項10】
ポリビニルアセテートフタレートの量が、前記混合物の約4〜約60重量%である、請求項1に記載の制御放出製剤。
【請求項11】
ポリビニルアセテートフタレートの量が、前記混合物の約8〜約45重量%である、請求項10に記載の制御放出製剤。
【請求項12】
ポリビニルアセテートフタレートの量が、前記混合物の約15〜約35重量%である、請求項11に記載の制御放出製剤。
【請求項13】
ポリビニルアセテートフタレートが二酸化チタンと共加工される、請求項1に記載の制御放出製剤。
【請求項14】
補助の親水性セルロースポリマーの量が、アニオンポリマーの>0〜約100重量%の範囲である、請求項5に記載の制御放出製剤。
【請求項15】
滑沢剤、流動助剤、希釈剤、結合剤、崩壊剤、バインダー、溶解促進剤、pH調節剤、ならびにこれらの混合物からなる群のメンバーをさらに含む、請求項1に記載の制御放出製剤。
【請求項16】
薬学的に活性の成分または栄養補給剤が、前記混合物の約0.001〜約60重量%である、請求項4に記載の制御放出製剤。
【請求項17】
薬学的に活性の成分または栄養補給剤が、前記混合物の約5.0〜約40重量%である、請求項16に記載の制御放出製剤。
【請求項18】
薬学的に活性の成分または栄養補給剤が、前記混合物の約10〜約30重量%である、請求項17に記載の制御放出製剤。
【請求項19】
ヒプロメロースとポリビニルアセテートフタレートが薬学的に活性の成分と一緒に湿式造粒される、請求項1に記載の制御放出製剤。
【請求項20】
滑沢剤が、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ポロキサマー、ポリエチレングリコール、水素化植物油、ならびにこれらの混合物からなる群より選択される、請求項15に記載の制御放出製剤。
【請求項21】
流動助剤が、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ステアリン酸マグネシウム、ならびにこれらの混合物からなる群より選択される、請求項15に記載の制御放出製剤。
【請求項22】
希釈剤が、微晶質セルロース、ラクトース、リン酸二カルシウム、アルファ化デンプン、天然デンプン、マンニトール、スクロース、タルク、ならびにこれらの混合物からなる群より選択される、請求項15に記載の制御放出製剤。
【請求項23】
崩壊剤が、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース(低置換)、デンプン、炭酸カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ならびにこれらの混合物からなる群より選択される、請求項15に記載の制御放出製剤。
【請求項24】
溶解促進剤が、レシチン、ポロキサマー、ポリオキシエチレン−脂肪酸エステル、ソルビタンエステル、ならびにこれらの混合物からなる群より選択される、請求項15に記載の制御放出製剤。
【請求項25】
pH調節剤が、クエン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ならびにこれらの混合物からなる群より選択される、請求項15に記載の制御放出製剤。
【請求項26】
前記群のメンバーが、前記混合物の約0.001〜約50重量%の量で存在する、請求項15に記載の制御放出製剤。
【請求項27】
ヒプロメロースとポリビニルアセテートフタレートが、薬学的に活性の成分または栄養補給剤と混合する前に、ドライブレンドされる、請求項4に記載の制御放出製剤。
【請求項28】
ヒプロメロースとポリビニルアセテートフタレートのドライブレンドが、薬学的に活性の成分または栄養補給剤と組み合わせる前に、水溶液中に分散される、請求項4に記載の制御放出製剤。
【請求項29】
請求項1に記載の制御放出製剤を含む、経口固体剤形。
【請求項30】
請求項4に記載の制御放出製剤を用意し、該製剤を経口固体剤形に圧縮することを含む、経口固体剤形の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−506070(P2009−506070A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528219(P2008−528219)
【出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【国際出願番号】PCT/US2006/033309
【国際公開番号】WO2007/025182
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(501306494)ビーピーエスアイ ホールディングス,インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】