説明

制御盤の電源監視方式

【課題】電源監視盤と各分電盤との接続を単純な電源故障信号によりインターフェイスできると共に、各分電盤内の電源故障もハードウェアによる電源監視パネルにより故障収集できる制御盤の電源監視方式を得る。
【解決手段】複数台の分電盤11で電源システムが構成され、各分電盤内の電源故障を電源監視盤31で集中監視するものにおいて、チェックパルス発信器42からチェックパルスを出力し、チェックパルス上に分電盤内の各電源故障接点44をシリーズに接続してチェックパルス受信器43に入力し、電源故障判定部41にてチェックパルスのOFF検出を行い、各電源13の電源故障を判定する電源監視パネル12を各分電盤内に収納し、各分電盤の電源故障を電源監視盤の入力カード33にて収集する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数台の分電盤で電源システムが構成され、各分電盤内の電源故障を電源監視盤で集中監視する制御盤の電源監視方式に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電源監視システムの基本構成を図6に示す。図6において、電源監視盤31と複数の分電盤11の接続は伝送バス22により行われている。電源監視盤31は、CPU(中央処理装置)32と伝送インターフェイス37を備えており、各分電盤11は、複数の電源13と監視手段16をそれぞれ備えている。従来の電源監視方式においては、電源監視盤31と各分電盤11の接続は伝送バス22により行われており、各分電盤11内にMCU(マイクロコントローラ)と伝送インターフェイスによるソフトウェア処理を必要としている。
また、従来技術として、負荷の負荷電流を監視して監視情報を出力する監視手段と定格電流を超えた負荷電流を検出したとき回路を強制的に開放する遮断手段とを内蔵する分電盤と、分電盤が接続される伝送バスと、監視手段に対し監視情報を生成する際の監視条件を送信しまた監視手段からの監視情報を受信して、何れかの分電盤が過負荷状況になったことを検知したとき警報を発生する警報手段を含む電源監視盤とから構成することにより、無停電化の信頼度を向上させた電源監視システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平8−320742号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電源監視システムでは、電源監視盤と各分電盤の接続に伝送バスを使用しているために、各分電盤内に高価なMCU(マイクロコントローラ)が必要であった。また、通信処理などのソフトウェアによる複雑な処理を行うため、装置の故障率が大きくなるなどの問題点があった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、電源監視盤と各分電盤との接続を単純な電源故障信号によりインターフェイスできると共に、各分電盤内の電源故障もハードウェアによる電源監視パネルにより故障収集できる制御盤の電源監視方式を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る制御盤の電源監視方式は、複数台の分電盤で電源システムが構成され、各分電盤内の電源故障を電源監視盤で集中監視するものにおいて、チェックパルス発信器からチェックパルスを出力し、チェックパルス上に分電盤内の各電源故障接点をシリーズに接続してチェックパルス受信器に入力し、電源故障判定部にてチェックパルスのOFF検出を行い、各電源の電源故障を判定する電源監視パネルを各分電盤内に収納し、各分電盤の電源故障を電源監視盤の入力カードにて収集するものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、各分電盤内の電源監視パネルにてチェックパルスによる電源故障監視を行うように構成したので、分電盤内の電源故障監視を1系統のチェックパルスによる集中故障監視ができる。
また、各分電盤内の電源監視結果も各分電盤単位に集約されているので、電源監視盤にインターフェイスする電源故障点数も少ないため、各分電盤の電源故障信号を単純な入力カードで収集することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図1及び図2に基づいて説明する。
図1はこの発明の実施の形態1における制御盤の電源監視方式の基本構成を示すシステム構成図であり、電源監視盤31と複数の分電盤11は電源故障の信号線20で接続されている。電源監視盤31はCPU(中央処理装置)32と入力カード33により構成されている。また各分電盤11は電源監視パネル12と複数の電源13により構成されている。
図2はこの発明の実施の形態1における電源監視方式の分電盤の具体的構成を示すシステム構成図であり、前記分電盤11に収納されている電源監視パネル12と複数の電源13により構成されている。電源監視パネル12はチェックパルス発信器42とチェックパルス受信器43と電源故障判定部41により構成されている。
【0009】
次に動作について説明する。
先ず、図2にて分電盤11に収納された電源監視パネル12の機能から説明する。電源監視パネル12内のチェックパルス発信器42は例えば3khzの方形波によるチェックパルスを出力している。このチェックパルス上に、各電源故障接点44をシリーズに接続してチェックパルス受信器43に入力する。チェックパルス受信器43で受信された信号がOFFするのは、各電源故障接点44がオープンになった場合とチェックパルスの接続線が切れた場合である。そして、電源故障判定部41にてチェックパルスのOFF検出を行い、各電源13の電源故障を判定する。電源故障判定部41で判定した結果は、分電盤11内の電源故障信号21として信号線20に集められる。
次に、図1にて電源監視盤31と各分電盤11のインターフェイスについて説明する。各分電盤11の電源故障信号21は、信号線20によって電源監視盤31に収納された入力カード33に集められる。電源監視盤31に収納されたCPU32は、前記入力カード33のデータを読むことにより各分電盤11の電源故障を認識することができる。
なお、上記実施の形態1では、電源監視パネル12の電源故障判定部41をチェックパルスを使用したハードウェアにて構成したので、各電源13の故障を1本の接続線でシリーズに接続可能であり、接続線が切れた場合も検出でき、安価で信頼性の高い装置を得ることができる。
【0010】
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2における制御盤の電源監視方式の基本構成を示すシステム構成図である。
上記実施の形態1では、電源監視盤31の入力カード33で各分電盤11の電源故障情報を収集する場合について述べたが、この実施の形態2においては、図3に示すように、電源監視盤31に入力カード33の代わりに入出力カード34を収納することにより、各分電盤11に設けた電源故障表示器14に電源故障情報を表示することができるようにしたものである。
【0011】
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3における制御盤の電源監視方式の基本構成を示すシステム構成図である。
上記実施の形態1では、電源監視盤31の入力カード33で各分電盤11の電源故障情報を収集する場合について述べたが、この実施の形態3においては、図4に示すように、電源監視盤31に入力カード33の代わりに入出力カード34を収納することにより、各分電盤11に設けた電源遮断器15から各電源13に供給しているAC給電を遮断することができるようにしたものである。
【0012】
実施の形態4.
図5はこの発明の実施の形態4における制御盤の電源監視方式の基本構成を示すシステム構成図である。
上記実施の形態1では、電源監視盤31の入力カード33で各分電盤11の電源故障情報を収集する場合について述べたが、この実施の形態4においては、図5に示すように、電源監視盤31に入力カード33に加えてモニタ用ディスプレイ35を収納することにより、各分電盤11の電源故障情報を電源監視盤31のモニタ用ディスプレイ36に表示することができるようにしたものである。
【0013】
実施の形態5.
図5はこの発明の実施の形態5における制御盤の電源監視方式の基本構成を示すシステム構成図である。
上記実施の形態1では、電源監視盤31の入力カード(33)で各分電盤(11)の電源故障情報を収集する場合について述べたが、この実施の形態5においては、図5に示すように、電源監視盤31に更に音声告知装置36を収納することにより、各分電盤11の電源故障情報を電源監視盤31の音声告知装置36に出力することができるようにしたものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の実施の形態1における制御盤の電源監視方式の基本構成を示すシステム構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1における電源監視方式の分電盤の具体的構成を示すシステム構成図である。
【図3】この発明の実施の形態2における制御盤の電源監視方式の基本構成を示すシステム構成図である。
【図4】この発明の実施の形態3における制御盤の電源監視方式の基本構成を示すシステム構成図である。
【図5】この発明の実施の形態4、5における制御盤の電源監視方式の基本構成を示すシステム構成図である。
【図6】従来の制御盤の電源監視方式の基本構成を示すシステム構成図である。
【符号の説明】
【0015】
11 分電盤
12 電源監視パネル
13 電源装置
14 電源故障表示器
15 電源遮断器
16 監視手段
20 電源故障の信号線
21 電源故障信号
22 伝送バス
31 電源監視盤
32 CPU
33 入力カード
34 入出力カード
35 モニタ用ディスプレイ
36 音声告知装置
37 伝送インターフェイス
41 電源故障判定部
42 チェックパルス発信器
43 チェックパルス受信器
44 電源故障接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数台の分電盤で電源システムが構成され、各分電盤内の電源故障を電源監視盤で集中監視する制御盤の電源監視方式において、
チェックパルス発信器からチェックパルスを出力し、チェックパルス上に前記分電盤内の各電源故障接点をシリーズに接続してチェックパルス受信器に入力し、電源故障判定部にてチェックパルスのOFF検出を行い、各電源の電源故障を判定する電源監視パネルを前記各分電盤内に収納し、各分電盤の電源故障を前記電源監視盤の入力カードにて収集することを特徴とする制御盤の電源監視方式。
【請求項2】
電源監視盤に入力カードの代わりに入出力カードを収納し、各分電盤に設けられた電源故障表示器に電源故障情報を表示できることを特徴とする請求項1記載の制御盤の電源監視方式。
【請求項3】
電源監視盤に入力カードの代わりに入出力カードを収納し、各分電盤に設けられた電源遮断器により各分電盤内の電源に供給しているAC給電を遮断できることを特徴とした請求項1記載の制御盤の電源監視方式。
【請求項4】
電源監視盤にモニタ用ディスプレイを収納し、各分電盤の電源故障情報をモニタ用ディスプレイに表示することを特徴とする請求項1記載の制御盤の電源監視方式。
【請求項5】
電源監視盤に音声告知装置を収納し、各分電盤の電源故障情報を音声告知装置に出力することを特徴とする請求項1又は請求項4記載の制御盤の電源監視方式。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−312473(P2007−312473A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−137380(P2006−137380)
【出願日】平成18年5月17日(2006.5.17)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【Fターム(参考)】