制御装置、画像形成装置、制御方法、および制御プログラム
【課題】画像形成装置に関する操作性を確保しつつ省エネルギーを実現することのできる制御装置を提供する。
【解決手段】MFPにおいてユーザーによる当該MFPに対する作業が必要なイベントの発生が検知されると(#1)、予め当該イベントに関連付けられている照明条件が満たされているか否かが判断され(#2)、満たされているときに、予め当該イベントに関連付けられている照明状態で照明装置が点灯する(#3〜#9)。
【解決手段】MFPにおいてユーザーによる当該MFPに対する作業が必要なイベントの発生が検知されると(#1)、予め当該イベントに関連付けられている照明条件が満たされているか否かが判断され(#2)、満たされているときに、予め当該イベントに関連付けられている照明状態で照明装置が点灯する(#3〜#9)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は制御装置、画像形成装置、制御方法、および制御プログラムに関し、特に、照明を制御する制御装置、画像形成装置、制御方法、および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー消費量を抑えるため、オフィス環境においても、センサーを利用して必要な箇所のみ照明したり、外光に応じて照明出力を領域別に変更したりといった、照明制御がさまざま提案されている。
【0003】
一方で、作業性、操作性を確保するためには、作業箇所、操作箇所への照明は欠かせない。
【0004】
そこで、たとえば特開2006−116900号公報(以下、特許文献1)は、明るさを検出するフォトセンサーを有して、印刷終了時に当該印刷装置が設置されている室内が暗い場合に、排紙トレイに設けられた照明を点灯する印刷装置を提案している。
【0005】
また、たとえば特開平10−338383号公報(以下、特許文献2)は、紙詰まりが発生すると、発生箇所を検出して、つまった用紙を照明する画像形成装置を提案している。
【0006】
また、たとえば特開平9−106122号公報(以下、特許文献3)は、正面に人体検知センサーを有して、人体検知センサーと排紙センサーとの両センサーがオンの場合に、排紙された用紙を照明する複写機を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−116900号公報
【特許文献2】特開平10−338383号公報
【特許文献3】特開平9−106122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のいずれの技術においても、作業が必要となったタイミングで照明が点灯されるため、作業性を確保することは可能となる。
【0009】
しかしながら、上述のいずれの技術においても、実際に排出された用紙を取ったり、紙詰まりを直したりするユーザーが作業しないタイミングにも照明が点灯されることになる場合がある。つまり、不必要なタイミングに照明がなされる場合がある、という問題がある。
【0010】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、画像形成装置に関する操作性を確保しつつ省エネルギーを実現することのできる制御装置、画像形成装置、制御方法、および制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、制御装置は照明装置を制御するための制御装置であって、画像形成装置と通信するための第1の通信手段と、照明装置と通信するための第2の通信手段と、画像形成装置からの情報に基づいて照明装置を制御するための制御手段とを備える。制御手段は、画像形成装置でユーザーによる当該画像形成装置に対する作業が必要なイベントが発生し、かつ、当該イベントに関連付けられた照明条件が満たされると、予めイベントに関連付けられている照明状態で点灯させ、照明条件が満たされなくなると消灯させるよう、照明装置を制御する。
【0012】
好ましくは、制御装置は予めイベントごとに照明状態を記憶するための記憶手段をさらに備え、制御手段は、画像形成装置で発生したイベントに応じて記憶手段から照明状態を読み出す。
【0013】
好ましくは、制御手段は、画像形成装置からイベントの発生と当該イベントに関連付けられた照明条件が満たされたこととの通知を受け付ける。
【0014】
好ましくは、照明条件は、所定の携帯端末と画像形成装置との間の位置関係で規定され、制御手段は、画像形成装置からイベントの発生の通知を受け付けると画像形成装置と当該イベントに関連付けられた携帯端末とのそれぞれの位置情報を取得して、その位置関係に基づいて照明条件を満たしているか否かを判断する。
【0015】
好ましくは、照明装置は照明位置を可変とする機構を含み、制御手段は、イベントに関連付けられた照明状態で表わされる照明位置となるよう、照明装置に対して位置を移動させる制御信号を出力する。
【0016】
好ましくは、イベントは順に実行される、複数の作業工程を含み、制御手段は、作業工程ごとに当該作業工程に関連付けられた照明条件が満たされると当該作業工程に関連付けられている照明状態で点灯させ、照明条件が満たされなくなると消灯させるよう、複数の作業工程の順に従って照明装置を制御する。
【0017】
本発明の他の局面に従うと、画像形成装置は、照明装置と通信するための通信手段と、照明装置を制御するための制御手段とを備え、制御手段は、ユーザーによる当該画像形成装置に対する作業が必要なイベントが発生すると、予め当該イベントに関連付けられている照明条件が満たされるか否かを判断し、照明条件が満たされる場合に、予め当該イベントに関連付けられている照明状態で点灯させ、照明条件が満たされなくなると消灯させるよう、照明装置を制御する。
【0018】
本発明のさらに他の局面に従うと、制御方法は照明装置の制御方法であって、画像形成装置での、ユーザーによる当該画像形成装置に対する作業が必要なイベントの発生を検知するステップと、予め当該イベントに関連付けられている照明条件が満たされているか否かを判断するステップと、照明条件が満たされているときに、予め当該イベントに関連付けられている照明状態で照明装置を点灯させるステップと、照明条件が満たされなくなると、照明装置を消灯させるステップとを備える。
【0019】
本発明のさらに他の局面に従うと、制御プログラムは、照明装置および画像形成装置と電気的に通信可能な制御装置に、照明装置の制御を実行させるためのプログラムであって、画像形成装置からの情報に基づいて、画像形成装置でユーザーによる当該画像形成装置に対する作業が必要なイベントが発生し、かつ、当該イベントに関連付けられた照明条件が満たされた場合に、予め当該イベントに関連付けられている照明状態で照明装置を点灯させるステップと、照明条件が満たされなくなると照明装置を消灯させるステップとを制御装置に実行させる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によると、画像形成装置に関する操作性を確保しつつ省エネルギーを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施の形態にかかる照明システムの構成の具体例を示す図である。
【図2】照明システムに含まれるMFPのハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図3】照明システムに含まれる携帯端末のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図4】照明システムに含まれる制御装置のハードウェア構成の具体例を示すブロック図である。
【図5】照明システムに含まれる照明装置のハードウェア構成の具体例を示すブロック図である。
【図6】照明システムに含まれる制御装置での、動作概要を表わすフローチャートである。
【図7】照明システムに含まれるMFPでの、動作概要を表わすフローチャートである。
【図8】図6のS1での、制御装置の表示画面の具体例を示す図である。
【図9】図7のステップS11での、MFPの第1の表示画面の具体例を示す図である。
【図10】図7のステップS11での、MFPの第2の表示画面の具体例を示す図である。
【図11】イベントが発生した場合の、当該システムでの動作概要を表わした図である。
【図12】MFPの機能構成の具体例を示す図である。
【図13】制御装置の機能構成の具体例を示す図である。
【図14】MFPでの、図7のステップS12,S13で表わされた制御処理の流れを表わすフローチャートである。
【図15】制御装置での、図6のステップS2で表わされた制御処理の流れを表わすフローチャートである。
【図16】トナー切れが発生した場合の、変形例にかかるMFPでの動作の流れを表わしたフローチャートである。
【図17】トナー切れが発生した場合の、変形例にかかるMFPでの動作の流れを表わしたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0023】
<システム構成>
図1は、本実施の形態にかかる照明システムの構成の具体例を示す図である。
【0024】
図1を参照して、照明システムは、画像形成装置の一例としてのMFP(Multi-Functional Peripheral)100A,100Bと、端末装置として携帯端末300A,300B,300Cと、制御装置500とを含み、これらがLAN(Local Area Network)などのネットワーク600で電気的に接続されている。
【0025】
画像形成装置は、MFPに限定されず、コピー機やプリンターやファクシミリ送受信機などであってもよい。携帯端末は、たとえば携帯電話機などが該当し、その他、小型のノート型パソコン(パーソナルコンピュータ)やPDA(Personal Digital Assistants)やデジタルカメラ、文書閲覧装置、後述するハードウェア構成を備えたICカードなどであってもよい。
【0026】
制御装置500は、パーソナルコンピュータ等の一般的なコンピュータで構成されるものであってよい。
【0027】
図1の例では、複数のMFP100A,100Bが含まれる例が示されており、これら複数のMFP100A,100Bを代表させてMFP100と称する。MFP100は複数であっても1台であってもよい。
【0028】
また、図1の例では、複数の携帯端末300A,300B,300Cが含まれる例が示されており、これら複数の携帯端末300A,300B,300Cを代表させて携帯端末300と称する。携帯端末300は複数であっても1台であってもよい。
【0029】
ネットワーク600は有線であっても無線であってもよい。一例として、図1に示されるように、MFP100と制御装置500とが有線LANに電気的に接続され、該有線LANにさらに無線LANアクセスポイント400が含まれ、携帯端末300が無線LANアクセスポイント400と無線LANで電気的に接続されている例が挙げられる。
【0030】
なお、MFP100と携帯端末300とが直接、通信可能であってもよい。この通信としては、たとえば、Bluetooth(登録商標)を利用した無線通信や、赤外線通信や近距離無線通信などが挙げられる。
【0031】
制御装置500には、さらに、照明装置200A,200B,200Cに電気的に接続される。
【0032】
照明装置200A,200B,200Cは、それぞれ、その位置を可変とする機構の一例としてのレール201A,201B,201C上に設置される。レール201A,201B,201Cは、それぞれ、MFP100A,100Bや、後述するMFP100での消耗品が収納されるスペースなどの近傍に設置されているものである。なお、図1では、レールごとに1つの照明装置が設置されている例が示されているが、1つのレールに2つ以上の照明装置が設置されていてもよい。
【0033】
そして、照明装置200A,200B,200Cは、その位置、照明角度、照明強度、絞り量などが制御装置500によって制御される。
【0034】
照明装置200と制御装置500とは、図1に表わされたように専用線で電気的に接続されて有線での通信を行なってもよいし、赤外線通信などの無線通信を行なってもよい。
【0035】
なお、図1の例では、複数の照明装置200A,200B,200Cが含まれる例が示されており、これら複数の照明装置200A,200B,200Cを代表させて照明装置200と称する。照明装置200は複数であっても1台であってもよい。また、レール201A,201B,201Cを代表させてレール201と称する。
【0036】
<装置構成>
図2は、MFP100のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0037】
図2を参照して、MFP100は、全体を制御するための演算装置であるCPU(Central Processing Unit)10と、CPU10で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM(Read Only Memory)11と、CPU10でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM(Random Access Memory)12と、図示しない原稿台に載置された原稿を光学的に読み取って画像データーを得るためのスキャナー13と、画像データーを印刷用紙上に固定するためのプリンター14と、情報を表示したり当該MFP100に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル15と、画像データーを保存するためのメモリー16と、ネットワーク600を介した通信を制御するためのネットワークコントローラー17と、MFP100の状態を検出するためのセンサー18と、磁気センサーを含んで当該MFP100の向きを検出するための電子コンパス191と、GPS(Global Positioning System)信号からの位置信号を受信して当該MFP100の位置情報を取得するためのGPSコントローラー192とを含む。
【0038】
操作パネル15は、図示しないタッチパネルと操作キー群とを含む。タッチパネルは、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成され、操作画面を表示して、その操作画面上の指示位置を特定する。CPU10は予め記憶されている画面表示をさせるためのデーターに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。
【0039】
センサー18としては、たとえば、トナー量残量やトナー切れ、用紙切れを検出するためのセンサーや、各部のジャム(紙詰まり)や温度異常や動作異常等を検出するためのセンサーや、印刷用紙の排紙トレイへの排出を検出するためのセンサー、などが該当する。
【0040】
また、電子コンパス191およびGPSコントローラー192は、取得した当該MFP100の向きや位置情報を示す信号をCPU10に入力する。
【0041】
図3は、携帯端末300のハードウェア構成の具体例を示す図である。
図3を参照して、携帯端末300は、全体を制御するための演算装置であるCPU30と、CPU30で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM31と、CPU30でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM32と、電話帳データーなどを記憶するためメモリー34と、情報を表示したり当該携帯端末300に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル35と、ネットワーク600を介した通信を制御するためのネットワークコントローラー36と、GPS信号または基地局からの位置信号を受信して当該携帯端末の位置情報を取得するためのGPSコントローラー37とを含む。
【0042】
図4は、制御装置500のハードウェア構成の具体例を示すブロック図である。上述のように、制御装置500は一般的なコンピュータで構成される。そのため、そのハードウェア構成も一般的なものであってよい。
【0043】
すなわち、一例として図4を参照して、制御装置500は、全体を制御するための演算装置であるCPU50と、CPU50で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM51と、CPU50でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM52と、後述する制御に用いるデーターなどを記憶するためメモリー53と、情報を表示するための表示装置54と、当該制御装置500に対する操作入力を受け付けるためのキーボードなどである入力装置55と、ネットワーク600を介した通信を制御するためのネットワークコントローラー56と、照明装置200との通信を実現するための通信インターフェース(I/F)57とを含む。
【0044】
なお、図4の例では、表示装置と入力装置とが別個の装置で構成される例が示されているが、MFP100などと同様に、表示機能と入力機能とを備えたタッチパネル等を含む操作パネルが設けられてもよい。
【0045】
図5は、照明装置200のハードウェア構成の具体例を示すブロック図である。
図5を参照して、照明装置200は、全体を制御するための演算装置であるCPU20と、CPU20で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM21と、CPU20でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM22と、制御に用いるデーターなどを記憶するためメモリー23と、当該照明装置200の向きを検出するための電子コンパス24と、当該照明装置200の位置情報を取得するためのGPSコントローラー25と、制御装置500との通信を実現するための通信I/F26と、LED(Light Emitting Diode)などの発光素子を含んだ照明部27と、モーターなどを含んで、レール201上の移動やレール201からの高さの調節を行なって照射位置を決めるための装置である移動装置28と、照明部27からの照射角度を調整するための装置である角度調整装置291と、照明部27からの照射範囲を調整するための装置である絞り装置292とを含む。
【0046】
<動作概要>
図6は、照明システムに含まれる制御装置500での、動作概要を表わすフローチャートである。すなわち、図6に表わされたように、制御装置500では、予め照明装置200での照明ポイントを登録しておき(S1)、MFP100からの信号に従って照明装置200を制御する処理を実行する(S2)。なお、必要に応じて、他の処理(S3)も実行する。
【0047】
図7は、照明システムに含まれるMFP100での、動作概要を表わすフローチャートである。すなわち、図7に表わされたように、MFP100では、照明指示を出すイベントごとに対象ユーザーや照明ポイントを登録しておき(S11)、そのイベントの発生および照明条件に応じて照明指示を制御装置500に対して行なう照明リクエスト発行処理を実行する(S12)。また、操作パネル15での操作を受け付けると、画像形成処理を実行すると共に、その処理工程に応じて照明指示を制御装置500に対して行なうパネル操作処理を実行する(S13)。なお、必要に応じて、他の処理(S14)も実行する。
【0048】
なお、ここでの「イベント」とは、後述するように、トナー切れや用紙切れ、紙詰まりなどのトラブルや、プリントジョブやコピージョブの受信などの、ユーザーによるMFP100に対する直接の作業(消耗品の補給、メンテナンス、印刷用紙の取り出し等)が必要な事象を指す。
【0049】
図8は、上記S1での、制御装置500の表示画面の具体例を示す図である。上記#1では、照明ポイントごとに、照明装置200の位置、照射位置、光強度、および絞り量を設定する。ここでは、一例として、制御装置500の表示装置54に図8のような登録画面を表示させて、入力装置55で具体的な値の入力を受け付ける。
【0050】
照明装置200のレール上の位置としては、たとえば、レール201の特定および当該レール上に予め規定されているポイントを指定することで特定されてもよい。高さ方向の位置は、たとえば標高を指定することで特定されてもよい。
【0051】
照射位置としては、たとえば、そのポイントの緯度、経度、および標高を指定することで特定されてもよい。
【0052】
光強度および絞り量は、具体的な数値を指定することで特定されてもよい。
照明装置200の高さ方向の位置および照射位置については、入力装置55に含まれる数字キーを用いて入力されるものであってもよい。または、GPS信号を受信して位置を測定する装置を用いて測定された数値が、当該装置と通信することで入力されてもよい。
【0053】
上記S1で図8の登録画面での入力を受け付けることで、制御装置500には、照明ポイントごとに設定された、照明装置200の位置、照射位置、光強度、および絞り量が登録される。以降の説明において、この情報を、「照明登録情報」とも称する。
【0054】
図9は、上記ステップS11での、MFP100の第1の表示画面の具体例を示す図である。上記ステップS11では、イベントごとに、照明に用いる照明ポイントおよび当該照明を行なう条件とが登録される。図9の登録画面は、イベントごとに照明ポイントを登録するために用いる画面の具体例である。
【0055】
一例として、図9に示されたように、イベントごとに、上記S11で登録された照明ポイントが選択可能に提示されて、当該照明ポイントを点灯させるか否かを指定することで、イベントごとの照明ポイントが特定されてもよい。
【0056】
図9の例では、タッチパネルである操作パネル15に選択可能に提示されて、登録するイベントを選択してタッチした後、照明ポイントごとに、点灯させるか(ON)、点灯させないか(OFF)のいずれかを選択してタッチすることで、イベントごとの点灯する照明ポイントを指定する。もちろん、他の方法で指定可能であってよい。
【0057】
図10は、上記ステップS11での、MFP100の第2の表示画面の具体例を示す図である。図10の登録画面は、イベントごとに当該照明条件として、MFP100から所定範囲内に存在することを条件とするユーザーを登録するために用いる画面の具体例である。
【0058】
一例として、図10に示されたように、予めMFP100には、ジョブ実行ユーザーや作業担当者が記憶されており、イベントごとにその中から選択して指定することで、条件とするユーザーが特定されてもよい。
【0059】
図10の例では、タッチパネルである操作パネル15にイベントごとのユーザーの入力欄にプルダウンで予め登録されているユーザーが提示されて、イベントごとに、条件とするユーザーを選択してタッチすることで、ユーザーを指定する。もちろん、他の方法で指定可能であってよい。
【0060】
なお、MFP100には、予めユーザーごとに携帯端末300が関連付けて記憶されており、図10の登録画面でユーザーが特定されることで、当該ユーザーに関連付けられた携帯端末300が登録される。
【0061】
上記ステップS11で図9および図10の登録画面での入力を受け付けることで、MFP100には、イベントごとに設定された、当該イベント発生時に照明ポイントごとの照明の要否、および照明条件とするユーザーの携帯端末300が登録される。以降の説明において、この情報を、「イベント登録情報」とも称する。
【0062】
図11は、イベントが発生した場合の、当該システムでの動作概要を表わした図である。
【0063】
図11を参照して、MFP100において、トナー切れや用紙切れなどのイベント、またはプリントジョブやコピージョブの受信などのイベントの発生を検出すると(#1)、イベント登録情報を参照して当該イベントに対して登録されたユーザーの携帯端末300を特定し、その位置を取得して、自身から所定範囲内であるか否か、つまり照明条件を満たすか否かを確認する(#2)。
【0064】
携帯端末300の位置は、該当する携帯端末300に対して位置情報を要求することでアクセスポイント400およびネットワーク600を介して携帯端末300から得られるものであってもよいし、所定時間間隔等で携帯端末300から位置情報を受け取ることで常に把握しているものであってもよい。
【0065】
所定範囲内である場合には、MFP100はイベント登録情報を参照して、当該イベントに対して登録された照明ポイントを確認する(#3)。そして、制御装置500に対して、該当する照明ポイントに従って照明制御をさせるためのリクエスト(コマンド)を発行する(#4)。
【0066】
このリクエストを受けた制御装置500は、リクエストに含まれる照明ポイントを確認し(#5)、照明登録情報を参照して該当する照明ポイントの登録を読み出す。そして、当該照明ポイントにて設定された照明装置200に対して、設定された照明を行なわせるための制御信号を送信する(#6)。
【0067】
当該制御信号に従って照明装置200は、照明ポイントで設定された位置に移動し(#7)、絞り量や光強度が調整される(#8)。そして、発光が開始される(#9)。
【0068】
なお、本例では、照明装置200が制御装置500からの制御信号に従ってその位置を移動し、絞り量や光強度を調整するものとしている。しかしながら、照明制御はこの例に限定されるものではない。他の例として、予め必要位置に照明装置200が設置されている場合には、照明装置200の位置を移動させることなく、特定された照明装置200が点灯/消灯するのみであってもよい。また、予め各照明装置200の絞り量、光強度が必要量に調整されて固定されている場合には、これらを調整することなく、位置を移動させて点灯/消灯するのみであってもよい。
【0069】
<機能構成>
図12は、上記動作を行なうためのMFP100の機能構成の具体例を示す図である。図12に示される各機能は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行することで、主にCPU10に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図2に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0070】
図12を参照して、MFP100のメモリー16には、上述のイベント登録情報を記憶するための記憶領域であるイベント登録情報記憶部161が設けられる。
【0071】
さらに図12を参照して、MFP100のCPU10は、センサー18からのセンサー信号よりイベントの発生を検出するための検出部101と、イベント登録情報を参照して、発生したイベントに対応して登録されている携帯端末300および照明ポイントごとの照明の要否を特定するための特定部102と、登録されている携帯端末300の位置情報をネットワークコントローラー17を介して取得するための取得部103と、電子コンパス191およびGPSコントローラー192より自身の位置および傾きを取得して携帯端末300との位置関係を判断するための判断部104と、照明要と設定された照明ポイントを特定して制御装置500に対して照明のリクエストとして送信するコマンドを生成するための生成部105と、当該コメントをネットワークコントローラー17を介して制御装置500に送信して照明を要求するための要求部106とを含む。
【0072】
判断部104は、予め照明を要求するための携帯端末300の存在範囲を記憶しておく。この範囲は、イベントごとに異なる範囲であってよい。たとえば、トナー切れのイベントである場合、トナーボトル交換のためにトナー設置部の扉の前方の所定範囲を上記存在範囲として記憶しておき、プリントジョブ処理のイベントである場合、排紙トレイから所定範囲を上記存在範囲として記憶しておいてもよい。
【0073】
なお、この例では、携帯端末300から位置情報をネットワーク600を介して取得するものとしているが、上述のようにMFP100と携帯端末300とが直接通信可能である場合には、位置情報を携帯端末300から直接受信するようにしてもよい。
【0074】
さらに、その通信範囲を上記存在範囲として、携帯端末300と直接通信することでMFP100が携帯端末300の位置を取得するようにしてもよい。この場合には、携帯端末300にGPSコントローラー37が備えられていなくてもよい。
【0075】
また、MFP100が赤外線センサー等の携帯端末300の位置を検知するためのセンサーを備える場合、当該センサーによって携帯端末300の位置を検出してもよい。
【0076】
図13は、上記動作を行なうための制御装置500の機能構成の具体例を示す図である。図13に示される各機能は、CPU50がROM51に記憶されるプログラムを読み出してRAM52上で実行することで、主にCPU50に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図3に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0077】
図13を参照して、制御装置500のメモリー53には、上述の照明登録情報を記憶するための記憶領域である照明登録情報記憶部531が設けられる。
【0078】
さらに図13を参照して、制御装置500のCPU50は、ネットワークコントローラー56を介してMFP100から照明のリクエストの入力を受け付けるための入力部501と、リクエストとして送信されたコマンド含まれる照明要の照明ポイントについて、照明登録情報を参照して登録内容を特定するための特定部502と、該当する照明装置200について、登録内容に基づいて位置および照明角度を算出するための算出部503と、算出された位置および照明角度、および照明登録情報に設定されている絞り量および光強度とさせるコマンドを生成するための生成部504と、当該コマンドを通信I/F57を介して該当する照明装置200に対して出力するための出力部505とを含む。
【0079】
この例では、照明登録情報で設定された装置位置から照明位置に対して光線を照射できるように、算出部503が照明登録情報の設定内容に基づいて照明装置200の角度をするものとしている。これは、MFP100からリクエストがあるたびに算出されてそれに基づいてコマンドが生成されるものであってもよいし、照明登録情報の設定時に自動的に算出されてその角度も照明登録情報として設定されてもよい。
【0080】
なお、この例では、照明登録情報が制御装置500に記憶されているものとしている。しかしながら、照明登録情報もMFP100に記憶されており、照明のリクエストと共に当該照明登録情報に基づいて必要な照明の設定がMFP100から制御装置500に送信されてもよい。
【0081】
<動作フロー>
図14は、MFP100での、上記ステップS12,S13で表わされた制御処理の流れを表わすフローチャートである。図14のフローチャートに表わされる動作は、MFP100のCPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行し、図12の各機能を発揮させることによって実現される。
【0082】
図14を参照して、CPU10はトラブルやジョブ受信等のイベントの発生を検出すると(ステップS101でYES)、ステップS103でイベント登録情報を参照して、当該イベントに関連付けられた携帯端末300を特定する。
【0083】
CPU10は、特定された携帯端末300の位置情報と自身の位置情報とを比較して、特定された携帯端末300が当該MFP100から予め規定された所定範囲内に存在するか否かを判断する。
【0084】
その結果、所定範囲内に当該携帯端末300が存在すると判断された場合(ステップS105でYES)、ステップS107でCPU10はイベント登録情報を参照して、当該イベントに関連付けられた照明要の照明ポイントを特定し、ステップS109でその照明ポイントを特定したコマンドを生成して制御装置500にリクエストを発行する。
【0085】
CPU10は以上の動作を繰り返すことで、イベントが発生するたびに、上記ステップS103以降の動作を行なう。
【0086】
なお、上記動作において、発生したイベントに関連付けられた携帯端末300が所定範囲内に存在しなかった場合には(ステップS105でNO)、以降の動作を行なうことなく、当該携帯端末300が所定範囲内となるまで待機する。このとき、待機する上限時間を予め規定して、タイムアウトさせるようにしてもよい。または、所定時間待機しても当該携帯端末300が所定範囲内に存在しない場合には、予め登録されている携帯端末300のアドレスを用いて、当該携帯端末300に対してイベントの発生を通知するようにしてもよい。
【0087】
図15は、制御装置500での、上記ステップS2で表わされた制御処理の流れを表わすフローチャートである。図15のフローチャートに表わされる動作は、制御装置500のCPU50がROM51に記憶されるプログラムを読み出してRAM52上で実行し、図13の各機能を発揮させることによって実現される。
【0088】
図13を参照して、CPU50は、MFP100からコマンドを受信し、照明のリクエストが送信されたことを検出すると(ステップS201でYES)、ステップS203で当該コマンドを解析して点灯する照明ポイントを特定する。CPU50は、ステップS205で照明登録情報を参照して、点灯する照明ポイントについて設定された内容を特定する。そして、ステップS207でCPU50は、該当する照明装置200を設定された内容とさせるコマンドを生成して照明装置200に対して発行する。
【0089】
CPU50は以上の動作を繰り返すことで、MFP100からリクエストが発行されるたびに、上記ステップS203以降の動作を行なう。
【0090】
<実施の形態の効果>
照明システムにおいて以上の動作が行なわれることで、MFP100でトナー切れや用紙切れ、紙詰まりなどのトラブルや、プリントジョブやコピージョブの受信などの、ユーザーによるMFP100に対する直接の作業(消耗品の補給、メンテナンス、印刷用紙の取り出し等)が必要なイベントが発生すると、照明条件として、そのイベントに対処すると登録されたユーザーが当該MFP100から所定範囲内にきたタイミングで、予め当該イベントに関連付けて登録された位置が照明されることになる。たとえば、トナー切れの場合には、当該トナー切れに対処するユーザーと登録されたユーザーがMFP100から所定範囲内に来たときに、トナー設置部の扉や交換するトナーの保管場所や廃棄トナー置き場などが照明される。
【0091】
そのため、平常時に室内の照明が抑えられている場合であっても、作業の必要が生じた場合には作業に必要な範囲が照明されることになり、作業性を向上させることができる。
【0092】
さらに、本照明システムでは、イベントの発生に加えて、当該イベントに対処するユーザーがMFP100に近づいたタイミングで必要箇所の照明がなされるため、必要なタイミングのみ照明されることになり、照明時間を短くすることができる。
【0093】
つまり、本照明システムでは、作業性を確保しつつエネルギー消費量を抑えることが可能となる。
【0094】
<変形例>
イベント登録情報として、当該イベントに対する作業工程ごとに、照明条件と照明ポイントとが登録されていてもよい。
【0095】
一例として、トナー切れに対する作業工程として、(1)交換用トナーの取得、(2)トナー設置部の扉の開放、(3)トナーボトルの交換、(4)使用後トナーボトルの廃棄、が挙げられる。そこで、一例として、上記工程ごとに照明条件と照明ポイントとがイベント登録情報として登録されてもよい。この場合、照明条件として関連付けられたユーザーの存在に替えて、または加えて、センサー18からのセンサー信号に基づいて、トナー設置部の扉の開閉や、トナーボトルの交換の有無を用いることができる。
【0096】
図16および図17は、一例として、トナー切れが発生した場合の、変形例にかかるMFP100での動作の流れを表わしたフローチャートである。
【0097】
図16を参照して、トナー切れの発生が検知されると(ステップS301でYES)、ステップS303でCPU10はトナー切れを表わすフラグを立てて、ステップS305でセンサー信号に基づいて、トナー切れとなったトナーの色、つまり、交換対象のトナー色を特定する。そして、ステップS307でCPU10は、当該色のトナーについてのトナー切れに関連して登録された携帯端末300を特定する。
【0098】
CPU10は、イベントとして上記工程である「交換用トナーの取得」に対して登録されている照明条件として、特定された携帯端末300が所定範囲内に存在するか否かを判断する。そして、その結果、当該携帯端末300が所定範囲内に存在すると判断されると(ステップS309でYES)、ステップS311でCPU10は、イベントである「交換用トナーの取得」に対して登録されている照明ポイントとして、該当する色のトナーボトルの保管場所を点灯させるためのコマンドを生成し、照明のリクエストとして制御装置500に対して送信する。
【0099】
次にCPU10は、次のイベントである「トナー設置部の扉の開放」に対して登録されている照明条件として、センサー信号に基づいて、トナー設置部の扉が開放されたか否かを判断する。そして、その結果、トナー設置部の扉が未だ開放されていないと判断された場合(ステップS313でNO)、ステップS315でCPU10は、イベントである「トナー設置部の扉の開放」に対して登録されている照明ポイントとして、トナー設置部の扉を点灯させるためのコマンドを生成し、照明のリクエストとして制御装置500に対して送信する。
【0100】
一方、センサー信号に基づいてトナー設置部の扉が開放されたと判断された場合には(ステップS313でYES)、CPU10は、現在のイベントである「トナー設置部の扉の開放」に対して登録されている照明条件が満たされなくなったものとして、ステップS317で「トナー設置部の扉の開放」に対して登録されている照明ポイントであるトナー設置部の扉への照明を消灯させるためのコマンドを生成し、リクエストとして制御装置500に対して送信する。
【0101】
次に、図17を参照して、CPU10は、次のイベントである「トナーボトルの交換」に対して登録されている照明条件として、センサー信号に基づいて、該当する色のトナーボトルが交換されたか否かを判断する。そして、その結果、トナーボトルの交換が未だ交換されていないと判断された場合(ステップS319でNO)、ステップS321でCPU10は、イベントである「トナーボトルの交換」に対して登録されている照明ポイントとして、該当する色のトナーボトル部を点灯させるためのコマンドを生成し、照明のリクエストとして制御装置500に対して送信する。
【0102】
一方、センサー信号に基づいて該当する色のトナーボトルが交換されたと判断された場合には(ステップS319でYES)、CPU10は、現在のイベントである「トナーボトルの交換」に対して登録されている照明条件が満たされなくなったものとして、ステップS323で「トナーボトルの交換」に対して登録されている照明ポイントであるトナー設置部の扉への照明を消灯させるためのコマンドを生成し、リクエストとして制御装置500に対して送信する。
【0103】
次に、CPU10は、次のイベントである「使用後トナーボトルの廃棄」に対して登録されている照明条件として、上記特定された携帯端末300が所定範囲内に存在するか否かを判断する。そして、その結果、当該携帯端末300が所定範囲内に存在しなくなったと判断されると(ステップS325でNO)、ステップS327でCPU10は、イベントである「使用後トナーボトルの廃棄」に対して登録されている照明ポイントとして、廃棄トナーボトル置き場を点灯させるためのコマンドを生成し、照明のリクエストとして制御装置500に対して送信すると共に、先のイベントである「交換用トナーの取得」に対して登録されている照明条件が満たされなくなったものとして、ステップS329で「交換用トナーの取得」に対して登録されている照明ポイントである該当する色のトナーボトルの保管場所への照明を消灯させるためのコマンドを生成し、リクエストとして制御装置500に対して送信する。
【0104】
CPU10は、「使用後トナーボトルの廃棄」に対して登録されている照明ポイントへの照明を指示するコマンドを発行してからの経過時間を監視して、該経過時間が予め規定された時間に達したか否かを判断する。その結果、該経過時間が所定時間に達したと判断されると(ステップS331でYES)、CPU10は、イベントである「使用後トナーボトルの廃棄」に対して登録されている照明条件が満たされなくなったものとして、ステップS333で「使用後トナーボトルの廃棄」に対して登録されている照明ポイントである廃棄トナーボトル置き場への照明を消灯させるためのコマンドを生成し、リクエストとして制御装置500に対して送信する。
【0105】
以上、トナー切れに関して登録されているすべての工程が完了すると、ステップS335でCPU10はトナー切れ発生を表わすフラグを倒して、処理を最初へ戻す。
【0106】
以上の動作が繰り返されることで、1つのイベントについて、より細かく照明位置と照明タイミングとが制御されることになる。つまり、作業工程ごとに、前の工程が完了して次の工程に移行するタイミングで、必要な箇所のみが照明され、当該工程の作業が完了するとその照明が消灯されることになる。
【0107】
これにより、作業性を確保しつつよりエネルギー消費量を抑えることが可能となる。
また、先の工程の作業を完了すると次の工程に必要な箇所が照明されることで、次の工程を照明によって把握することができ、作業効率も向上させることができる。そのため、作業速度も上がり、よりエネルギー消費量を抑えることが可能となる。
【0108】
なお、以上の説明では、制御装置500がMFP100とは別個の装置として照明システムに設けられる例が示されている。しかしながら、他の例として、制御装置500がMFP100に含まれてもよい。すなわち、MFP100が照明装置200と通信するための通信I/Fを備えて、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み込んで実行することで、図13に表わされた各機能を発揮するようにしてもよい。
【0109】
このようにすることで、照明制御機能を備えたMFPが実現し、当該MFPをシステムに投入することで、別に制御装置を設けることなく、当該MFP100でのイベントに応じた照明制御が可能となる。
【0110】
さらに他の例として、以上の説明では照明条件が満たされたか否かをMFP100が判断した上で照明のリクエストを制御装置500に発行するものとしているが、MFP100からイベントの発生が制御装置500に通知され、制御装置500がイベント登録情報を参照して当該イベントに関連付けられた照明条件を満たすか否かを判断した上で、満たす場合に照明を行ない、満たさなくなった場合に消灯するようにしてもよい。この場合、CPU50がROM51に記憶されるプログラムを読み込んで実行することで、図12に表わされた各機能を発揮するようにしてもよい。
【0111】
たとえば、照明条件として特定の携帯端末300がMFP100から所定範囲に存在することが登録されている場合、制御装置500はネットワーク600を介してMFP100と該当する携帯端末300との位置情報を取得してその位置関係を特定して判断するようにしてもよい。
【0112】
また、照明条件としてトナー設置部の扉の開閉やトナーボトルの交換が登録されている場合には、制御装置500は、ネットワーク600を介してセンサー信号に基づいたこれら情報をMFP100から取得して判断するようにしてもよい。
【0113】
さらに、MFP100および制御装置500に上述の動作を実行させるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM、RAMおよびメモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0114】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0115】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0116】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0117】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0118】
10,20,30,50 CPU、11,21,31,51 ROM、12,22,32,52 RAM、13 スキャナー、14 プリンター、15,35 操作パネル、16,23,34,53 メモリー、17,36,56 ネットワークコントローラー、18 センサー、24,191 電子コンパス、25,37,192 GPSコントローラー、26,57 通信I/F、27 照明部、28 移動装置、500 制御装置、54 表示装置、55 入力装置、101 検出部、102,502 特定部、103 取得部、104 判断部、105,504 生成部、106 要求部、161 イベント登録情報記憶部、200,200A,200B,200C 照明装置、201,201A,201B,201C レール、291 角度調整装置、292 絞り装置、300,300A,300B,300C 携帯端末、400 アクセスポイント、501 入力部、503 算出部、505 出力部、531 照明登録情報記憶部、600 ネットワーク。
【技術分野】
【0001】
この発明は制御装置、画像形成装置、制御方法、および制御プログラムに関し、特に、照明を制御する制御装置、画像形成装置、制御方法、および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー消費量を抑えるため、オフィス環境においても、センサーを利用して必要な箇所のみ照明したり、外光に応じて照明出力を領域別に変更したりといった、照明制御がさまざま提案されている。
【0003】
一方で、作業性、操作性を確保するためには、作業箇所、操作箇所への照明は欠かせない。
【0004】
そこで、たとえば特開2006−116900号公報(以下、特許文献1)は、明るさを検出するフォトセンサーを有して、印刷終了時に当該印刷装置が設置されている室内が暗い場合に、排紙トレイに設けられた照明を点灯する印刷装置を提案している。
【0005】
また、たとえば特開平10−338383号公報(以下、特許文献2)は、紙詰まりが発生すると、発生箇所を検出して、つまった用紙を照明する画像形成装置を提案している。
【0006】
また、たとえば特開平9−106122号公報(以下、特許文献3)は、正面に人体検知センサーを有して、人体検知センサーと排紙センサーとの両センサーがオンの場合に、排紙された用紙を照明する複写機を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−116900号公報
【特許文献2】特開平10−338383号公報
【特許文献3】特開平9−106122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のいずれの技術においても、作業が必要となったタイミングで照明が点灯されるため、作業性を確保することは可能となる。
【0009】
しかしながら、上述のいずれの技術においても、実際に排出された用紙を取ったり、紙詰まりを直したりするユーザーが作業しないタイミングにも照明が点灯されることになる場合がある。つまり、不必要なタイミングに照明がなされる場合がある、という問題がある。
【0010】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、画像形成装置に関する操作性を確保しつつ省エネルギーを実現することのできる制御装置、画像形成装置、制御方法、および制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、制御装置は照明装置を制御するための制御装置であって、画像形成装置と通信するための第1の通信手段と、照明装置と通信するための第2の通信手段と、画像形成装置からの情報に基づいて照明装置を制御するための制御手段とを備える。制御手段は、画像形成装置でユーザーによる当該画像形成装置に対する作業が必要なイベントが発生し、かつ、当該イベントに関連付けられた照明条件が満たされると、予めイベントに関連付けられている照明状態で点灯させ、照明条件が満たされなくなると消灯させるよう、照明装置を制御する。
【0012】
好ましくは、制御装置は予めイベントごとに照明状態を記憶するための記憶手段をさらに備え、制御手段は、画像形成装置で発生したイベントに応じて記憶手段から照明状態を読み出す。
【0013】
好ましくは、制御手段は、画像形成装置からイベントの発生と当該イベントに関連付けられた照明条件が満たされたこととの通知を受け付ける。
【0014】
好ましくは、照明条件は、所定の携帯端末と画像形成装置との間の位置関係で規定され、制御手段は、画像形成装置からイベントの発生の通知を受け付けると画像形成装置と当該イベントに関連付けられた携帯端末とのそれぞれの位置情報を取得して、その位置関係に基づいて照明条件を満たしているか否かを判断する。
【0015】
好ましくは、照明装置は照明位置を可変とする機構を含み、制御手段は、イベントに関連付けられた照明状態で表わされる照明位置となるよう、照明装置に対して位置を移動させる制御信号を出力する。
【0016】
好ましくは、イベントは順に実行される、複数の作業工程を含み、制御手段は、作業工程ごとに当該作業工程に関連付けられた照明条件が満たされると当該作業工程に関連付けられている照明状態で点灯させ、照明条件が満たされなくなると消灯させるよう、複数の作業工程の順に従って照明装置を制御する。
【0017】
本発明の他の局面に従うと、画像形成装置は、照明装置と通信するための通信手段と、照明装置を制御するための制御手段とを備え、制御手段は、ユーザーによる当該画像形成装置に対する作業が必要なイベントが発生すると、予め当該イベントに関連付けられている照明条件が満たされるか否かを判断し、照明条件が満たされる場合に、予め当該イベントに関連付けられている照明状態で点灯させ、照明条件が満たされなくなると消灯させるよう、照明装置を制御する。
【0018】
本発明のさらに他の局面に従うと、制御方法は照明装置の制御方法であって、画像形成装置での、ユーザーによる当該画像形成装置に対する作業が必要なイベントの発生を検知するステップと、予め当該イベントに関連付けられている照明条件が満たされているか否かを判断するステップと、照明条件が満たされているときに、予め当該イベントに関連付けられている照明状態で照明装置を点灯させるステップと、照明条件が満たされなくなると、照明装置を消灯させるステップとを備える。
【0019】
本発明のさらに他の局面に従うと、制御プログラムは、照明装置および画像形成装置と電気的に通信可能な制御装置に、照明装置の制御を実行させるためのプログラムであって、画像形成装置からの情報に基づいて、画像形成装置でユーザーによる当該画像形成装置に対する作業が必要なイベントが発生し、かつ、当該イベントに関連付けられた照明条件が満たされた場合に、予め当該イベントに関連付けられている照明状態で照明装置を点灯させるステップと、照明条件が満たされなくなると照明装置を消灯させるステップとを制御装置に実行させる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によると、画像形成装置に関する操作性を確保しつつ省エネルギーを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施の形態にかかる照明システムの構成の具体例を示す図である。
【図2】照明システムに含まれるMFPのハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図3】照明システムに含まれる携帯端末のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図4】照明システムに含まれる制御装置のハードウェア構成の具体例を示すブロック図である。
【図5】照明システムに含まれる照明装置のハードウェア構成の具体例を示すブロック図である。
【図6】照明システムに含まれる制御装置での、動作概要を表わすフローチャートである。
【図7】照明システムに含まれるMFPでの、動作概要を表わすフローチャートである。
【図8】図6のS1での、制御装置の表示画面の具体例を示す図である。
【図9】図7のステップS11での、MFPの第1の表示画面の具体例を示す図である。
【図10】図7のステップS11での、MFPの第2の表示画面の具体例を示す図である。
【図11】イベントが発生した場合の、当該システムでの動作概要を表わした図である。
【図12】MFPの機能構成の具体例を示す図である。
【図13】制御装置の機能構成の具体例を示す図である。
【図14】MFPでの、図7のステップS12,S13で表わされた制御処理の流れを表わすフローチャートである。
【図15】制御装置での、図6のステップS2で表わされた制御処理の流れを表わすフローチャートである。
【図16】トナー切れが発生した場合の、変形例にかかるMFPでの動作の流れを表わしたフローチャートである。
【図17】トナー切れが発生した場合の、変形例にかかるMFPでの動作の流れを表わしたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0023】
<システム構成>
図1は、本実施の形態にかかる照明システムの構成の具体例を示す図である。
【0024】
図1を参照して、照明システムは、画像形成装置の一例としてのMFP(Multi-Functional Peripheral)100A,100Bと、端末装置として携帯端末300A,300B,300Cと、制御装置500とを含み、これらがLAN(Local Area Network)などのネットワーク600で電気的に接続されている。
【0025】
画像形成装置は、MFPに限定されず、コピー機やプリンターやファクシミリ送受信機などであってもよい。携帯端末は、たとえば携帯電話機などが該当し、その他、小型のノート型パソコン(パーソナルコンピュータ)やPDA(Personal Digital Assistants)やデジタルカメラ、文書閲覧装置、後述するハードウェア構成を備えたICカードなどであってもよい。
【0026】
制御装置500は、パーソナルコンピュータ等の一般的なコンピュータで構成されるものであってよい。
【0027】
図1の例では、複数のMFP100A,100Bが含まれる例が示されており、これら複数のMFP100A,100Bを代表させてMFP100と称する。MFP100は複数であっても1台であってもよい。
【0028】
また、図1の例では、複数の携帯端末300A,300B,300Cが含まれる例が示されており、これら複数の携帯端末300A,300B,300Cを代表させて携帯端末300と称する。携帯端末300は複数であっても1台であってもよい。
【0029】
ネットワーク600は有線であっても無線であってもよい。一例として、図1に示されるように、MFP100と制御装置500とが有線LANに電気的に接続され、該有線LANにさらに無線LANアクセスポイント400が含まれ、携帯端末300が無線LANアクセスポイント400と無線LANで電気的に接続されている例が挙げられる。
【0030】
なお、MFP100と携帯端末300とが直接、通信可能であってもよい。この通信としては、たとえば、Bluetooth(登録商標)を利用した無線通信や、赤外線通信や近距離無線通信などが挙げられる。
【0031】
制御装置500には、さらに、照明装置200A,200B,200Cに電気的に接続される。
【0032】
照明装置200A,200B,200Cは、それぞれ、その位置を可変とする機構の一例としてのレール201A,201B,201C上に設置される。レール201A,201B,201Cは、それぞれ、MFP100A,100Bや、後述するMFP100での消耗品が収納されるスペースなどの近傍に設置されているものである。なお、図1では、レールごとに1つの照明装置が設置されている例が示されているが、1つのレールに2つ以上の照明装置が設置されていてもよい。
【0033】
そして、照明装置200A,200B,200Cは、その位置、照明角度、照明強度、絞り量などが制御装置500によって制御される。
【0034】
照明装置200と制御装置500とは、図1に表わされたように専用線で電気的に接続されて有線での通信を行なってもよいし、赤外線通信などの無線通信を行なってもよい。
【0035】
なお、図1の例では、複数の照明装置200A,200B,200Cが含まれる例が示されており、これら複数の照明装置200A,200B,200Cを代表させて照明装置200と称する。照明装置200は複数であっても1台であってもよい。また、レール201A,201B,201Cを代表させてレール201と称する。
【0036】
<装置構成>
図2は、MFP100のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0037】
図2を参照して、MFP100は、全体を制御するための演算装置であるCPU(Central Processing Unit)10と、CPU10で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM(Read Only Memory)11と、CPU10でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM(Random Access Memory)12と、図示しない原稿台に載置された原稿を光学的に読み取って画像データーを得るためのスキャナー13と、画像データーを印刷用紙上に固定するためのプリンター14と、情報を表示したり当該MFP100に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル15と、画像データーを保存するためのメモリー16と、ネットワーク600を介した通信を制御するためのネットワークコントローラー17と、MFP100の状態を検出するためのセンサー18と、磁気センサーを含んで当該MFP100の向きを検出するための電子コンパス191と、GPS(Global Positioning System)信号からの位置信号を受信して当該MFP100の位置情報を取得するためのGPSコントローラー192とを含む。
【0038】
操作パネル15は、図示しないタッチパネルと操作キー群とを含む。タッチパネルは、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成され、操作画面を表示して、その操作画面上の指示位置を特定する。CPU10は予め記憶されている画面表示をさせるためのデーターに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。
【0039】
センサー18としては、たとえば、トナー量残量やトナー切れ、用紙切れを検出するためのセンサーや、各部のジャム(紙詰まり)や温度異常や動作異常等を検出するためのセンサーや、印刷用紙の排紙トレイへの排出を検出するためのセンサー、などが該当する。
【0040】
また、電子コンパス191およびGPSコントローラー192は、取得した当該MFP100の向きや位置情報を示す信号をCPU10に入力する。
【0041】
図3は、携帯端末300のハードウェア構成の具体例を示す図である。
図3を参照して、携帯端末300は、全体を制御するための演算装置であるCPU30と、CPU30で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM31と、CPU30でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM32と、電話帳データーなどを記憶するためメモリー34と、情報を表示したり当該携帯端末300に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル35と、ネットワーク600を介した通信を制御するためのネットワークコントローラー36と、GPS信号または基地局からの位置信号を受信して当該携帯端末の位置情報を取得するためのGPSコントローラー37とを含む。
【0042】
図4は、制御装置500のハードウェア構成の具体例を示すブロック図である。上述のように、制御装置500は一般的なコンピュータで構成される。そのため、そのハードウェア構成も一般的なものであってよい。
【0043】
すなわち、一例として図4を参照して、制御装置500は、全体を制御するための演算装置であるCPU50と、CPU50で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM51と、CPU50でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM52と、後述する制御に用いるデーターなどを記憶するためメモリー53と、情報を表示するための表示装置54と、当該制御装置500に対する操作入力を受け付けるためのキーボードなどである入力装置55と、ネットワーク600を介した通信を制御するためのネットワークコントローラー56と、照明装置200との通信を実現するための通信インターフェース(I/F)57とを含む。
【0044】
なお、図4の例では、表示装置と入力装置とが別個の装置で構成される例が示されているが、MFP100などと同様に、表示機能と入力機能とを備えたタッチパネル等を含む操作パネルが設けられてもよい。
【0045】
図5は、照明装置200のハードウェア構成の具体例を示すブロック図である。
図5を参照して、照明装置200は、全体を制御するための演算装置であるCPU20と、CPU20で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM21と、CPU20でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM22と、制御に用いるデーターなどを記憶するためメモリー23と、当該照明装置200の向きを検出するための電子コンパス24と、当該照明装置200の位置情報を取得するためのGPSコントローラー25と、制御装置500との通信を実現するための通信I/F26と、LED(Light Emitting Diode)などの発光素子を含んだ照明部27と、モーターなどを含んで、レール201上の移動やレール201からの高さの調節を行なって照射位置を決めるための装置である移動装置28と、照明部27からの照射角度を調整するための装置である角度調整装置291と、照明部27からの照射範囲を調整するための装置である絞り装置292とを含む。
【0046】
<動作概要>
図6は、照明システムに含まれる制御装置500での、動作概要を表わすフローチャートである。すなわち、図6に表わされたように、制御装置500では、予め照明装置200での照明ポイントを登録しておき(S1)、MFP100からの信号に従って照明装置200を制御する処理を実行する(S2)。なお、必要に応じて、他の処理(S3)も実行する。
【0047】
図7は、照明システムに含まれるMFP100での、動作概要を表わすフローチャートである。すなわち、図7に表わされたように、MFP100では、照明指示を出すイベントごとに対象ユーザーや照明ポイントを登録しておき(S11)、そのイベントの発生および照明条件に応じて照明指示を制御装置500に対して行なう照明リクエスト発行処理を実行する(S12)。また、操作パネル15での操作を受け付けると、画像形成処理を実行すると共に、その処理工程に応じて照明指示を制御装置500に対して行なうパネル操作処理を実行する(S13)。なお、必要に応じて、他の処理(S14)も実行する。
【0048】
なお、ここでの「イベント」とは、後述するように、トナー切れや用紙切れ、紙詰まりなどのトラブルや、プリントジョブやコピージョブの受信などの、ユーザーによるMFP100に対する直接の作業(消耗品の補給、メンテナンス、印刷用紙の取り出し等)が必要な事象を指す。
【0049】
図8は、上記S1での、制御装置500の表示画面の具体例を示す図である。上記#1では、照明ポイントごとに、照明装置200の位置、照射位置、光強度、および絞り量を設定する。ここでは、一例として、制御装置500の表示装置54に図8のような登録画面を表示させて、入力装置55で具体的な値の入力を受け付ける。
【0050】
照明装置200のレール上の位置としては、たとえば、レール201の特定および当該レール上に予め規定されているポイントを指定することで特定されてもよい。高さ方向の位置は、たとえば標高を指定することで特定されてもよい。
【0051】
照射位置としては、たとえば、そのポイントの緯度、経度、および標高を指定することで特定されてもよい。
【0052】
光強度および絞り量は、具体的な数値を指定することで特定されてもよい。
照明装置200の高さ方向の位置および照射位置については、入力装置55に含まれる数字キーを用いて入力されるものであってもよい。または、GPS信号を受信して位置を測定する装置を用いて測定された数値が、当該装置と通信することで入力されてもよい。
【0053】
上記S1で図8の登録画面での入力を受け付けることで、制御装置500には、照明ポイントごとに設定された、照明装置200の位置、照射位置、光強度、および絞り量が登録される。以降の説明において、この情報を、「照明登録情報」とも称する。
【0054】
図9は、上記ステップS11での、MFP100の第1の表示画面の具体例を示す図である。上記ステップS11では、イベントごとに、照明に用いる照明ポイントおよび当該照明を行なう条件とが登録される。図9の登録画面は、イベントごとに照明ポイントを登録するために用いる画面の具体例である。
【0055】
一例として、図9に示されたように、イベントごとに、上記S11で登録された照明ポイントが選択可能に提示されて、当該照明ポイントを点灯させるか否かを指定することで、イベントごとの照明ポイントが特定されてもよい。
【0056】
図9の例では、タッチパネルである操作パネル15に選択可能に提示されて、登録するイベントを選択してタッチした後、照明ポイントごとに、点灯させるか(ON)、点灯させないか(OFF)のいずれかを選択してタッチすることで、イベントごとの点灯する照明ポイントを指定する。もちろん、他の方法で指定可能であってよい。
【0057】
図10は、上記ステップS11での、MFP100の第2の表示画面の具体例を示す図である。図10の登録画面は、イベントごとに当該照明条件として、MFP100から所定範囲内に存在することを条件とするユーザーを登録するために用いる画面の具体例である。
【0058】
一例として、図10に示されたように、予めMFP100には、ジョブ実行ユーザーや作業担当者が記憶されており、イベントごとにその中から選択して指定することで、条件とするユーザーが特定されてもよい。
【0059】
図10の例では、タッチパネルである操作パネル15にイベントごとのユーザーの入力欄にプルダウンで予め登録されているユーザーが提示されて、イベントごとに、条件とするユーザーを選択してタッチすることで、ユーザーを指定する。もちろん、他の方法で指定可能であってよい。
【0060】
なお、MFP100には、予めユーザーごとに携帯端末300が関連付けて記憶されており、図10の登録画面でユーザーが特定されることで、当該ユーザーに関連付けられた携帯端末300が登録される。
【0061】
上記ステップS11で図9および図10の登録画面での入力を受け付けることで、MFP100には、イベントごとに設定された、当該イベント発生時に照明ポイントごとの照明の要否、および照明条件とするユーザーの携帯端末300が登録される。以降の説明において、この情報を、「イベント登録情報」とも称する。
【0062】
図11は、イベントが発生した場合の、当該システムでの動作概要を表わした図である。
【0063】
図11を参照して、MFP100において、トナー切れや用紙切れなどのイベント、またはプリントジョブやコピージョブの受信などのイベントの発生を検出すると(#1)、イベント登録情報を参照して当該イベントに対して登録されたユーザーの携帯端末300を特定し、その位置を取得して、自身から所定範囲内であるか否か、つまり照明条件を満たすか否かを確認する(#2)。
【0064】
携帯端末300の位置は、該当する携帯端末300に対して位置情報を要求することでアクセスポイント400およびネットワーク600を介して携帯端末300から得られるものであってもよいし、所定時間間隔等で携帯端末300から位置情報を受け取ることで常に把握しているものであってもよい。
【0065】
所定範囲内である場合には、MFP100はイベント登録情報を参照して、当該イベントに対して登録された照明ポイントを確認する(#3)。そして、制御装置500に対して、該当する照明ポイントに従って照明制御をさせるためのリクエスト(コマンド)を発行する(#4)。
【0066】
このリクエストを受けた制御装置500は、リクエストに含まれる照明ポイントを確認し(#5)、照明登録情報を参照して該当する照明ポイントの登録を読み出す。そして、当該照明ポイントにて設定された照明装置200に対して、設定された照明を行なわせるための制御信号を送信する(#6)。
【0067】
当該制御信号に従って照明装置200は、照明ポイントで設定された位置に移動し(#7)、絞り量や光強度が調整される(#8)。そして、発光が開始される(#9)。
【0068】
なお、本例では、照明装置200が制御装置500からの制御信号に従ってその位置を移動し、絞り量や光強度を調整するものとしている。しかしながら、照明制御はこの例に限定されるものではない。他の例として、予め必要位置に照明装置200が設置されている場合には、照明装置200の位置を移動させることなく、特定された照明装置200が点灯/消灯するのみであってもよい。また、予め各照明装置200の絞り量、光強度が必要量に調整されて固定されている場合には、これらを調整することなく、位置を移動させて点灯/消灯するのみであってもよい。
【0069】
<機能構成>
図12は、上記動作を行なうためのMFP100の機能構成の具体例を示す図である。図12に示される各機能は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行することで、主にCPU10に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図2に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0070】
図12を参照して、MFP100のメモリー16には、上述のイベント登録情報を記憶するための記憶領域であるイベント登録情報記憶部161が設けられる。
【0071】
さらに図12を参照して、MFP100のCPU10は、センサー18からのセンサー信号よりイベントの発生を検出するための検出部101と、イベント登録情報を参照して、発生したイベントに対応して登録されている携帯端末300および照明ポイントごとの照明の要否を特定するための特定部102と、登録されている携帯端末300の位置情報をネットワークコントローラー17を介して取得するための取得部103と、電子コンパス191およびGPSコントローラー192より自身の位置および傾きを取得して携帯端末300との位置関係を判断するための判断部104と、照明要と設定された照明ポイントを特定して制御装置500に対して照明のリクエストとして送信するコマンドを生成するための生成部105と、当該コメントをネットワークコントローラー17を介して制御装置500に送信して照明を要求するための要求部106とを含む。
【0072】
判断部104は、予め照明を要求するための携帯端末300の存在範囲を記憶しておく。この範囲は、イベントごとに異なる範囲であってよい。たとえば、トナー切れのイベントである場合、トナーボトル交換のためにトナー設置部の扉の前方の所定範囲を上記存在範囲として記憶しておき、プリントジョブ処理のイベントである場合、排紙トレイから所定範囲を上記存在範囲として記憶しておいてもよい。
【0073】
なお、この例では、携帯端末300から位置情報をネットワーク600を介して取得するものとしているが、上述のようにMFP100と携帯端末300とが直接通信可能である場合には、位置情報を携帯端末300から直接受信するようにしてもよい。
【0074】
さらに、その通信範囲を上記存在範囲として、携帯端末300と直接通信することでMFP100が携帯端末300の位置を取得するようにしてもよい。この場合には、携帯端末300にGPSコントローラー37が備えられていなくてもよい。
【0075】
また、MFP100が赤外線センサー等の携帯端末300の位置を検知するためのセンサーを備える場合、当該センサーによって携帯端末300の位置を検出してもよい。
【0076】
図13は、上記動作を行なうための制御装置500の機能構成の具体例を示す図である。図13に示される各機能は、CPU50がROM51に記憶されるプログラムを読み出してRAM52上で実行することで、主にCPU50に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図3に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0077】
図13を参照して、制御装置500のメモリー53には、上述の照明登録情報を記憶するための記憶領域である照明登録情報記憶部531が設けられる。
【0078】
さらに図13を参照して、制御装置500のCPU50は、ネットワークコントローラー56を介してMFP100から照明のリクエストの入力を受け付けるための入力部501と、リクエストとして送信されたコマンド含まれる照明要の照明ポイントについて、照明登録情報を参照して登録内容を特定するための特定部502と、該当する照明装置200について、登録内容に基づいて位置および照明角度を算出するための算出部503と、算出された位置および照明角度、および照明登録情報に設定されている絞り量および光強度とさせるコマンドを生成するための生成部504と、当該コマンドを通信I/F57を介して該当する照明装置200に対して出力するための出力部505とを含む。
【0079】
この例では、照明登録情報で設定された装置位置から照明位置に対して光線を照射できるように、算出部503が照明登録情報の設定内容に基づいて照明装置200の角度をするものとしている。これは、MFP100からリクエストがあるたびに算出されてそれに基づいてコマンドが生成されるものであってもよいし、照明登録情報の設定時に自動的に算出されてその角度も照明登録情報として設定されてもよい。
【0080】
なお、この例では、照明登録情報が制御装置500に記憶されているものとしている。しかしながら、照明登録情報もMFP100に記憶されており、照明のリクエストと共に当該照明登録情報に基づいて必要な照明の設定がMFP100から制御装置500に送信されてもよい。
【0081】
<動作フロー>
図14は、MFP100での、上記ステップS12,S13で表わされた制御処理の流れを表わすフローチャートである。図14のフローチャートに表わされる動作は、MFP100のCPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行し、図12の各機能を発揮させることによって実現される。
【0082】
図14を参照して、CPU10はトラブルやジョブ受信等のイベントの発生を検出すると(ステップS101でYES)、ステップS103でイベント登録情報を参照して、当該イベントに関連付けられた携帯端末300を特定する。
【0083】
CPU10は、特定された携帯端末300の位置情報と自身の位置情報とを比較して、特定された携帯端末300が当該MFP100から予め規定された所定範囲内に存在するか否かを判断する。
【0084】
その結果、所定範囲内に当該携帯端末300が存在すると判断された場合(ステップS105でYES)、ステップS107でCPU10はイベント登録情報を参照して、当該イベントに関連付けられた照明要の照明ポイントを特定し、ステップS109でその照明ポイントを特定したコマンドを生成して制御装置500にリクエストを発行する。
【0085】
CPU10は以上の動作を繰り返すことで、イベントが発生するたびに、上記ステップS103以降の動作を行なう。
【0086】
なお、上記動作において、発生したイベントに関連付けられた携帯端末300が所定範囲内に存在しなかった場合には(ステップS105でNO)、以降の動作を行なうことなく、当該携帯端末300が所定範囲内となるまで待機する。このとき、待機する上限時間を予め規定して、タイムアウトさせるようにしてもよい。または、所定時間待機しても当該携帯端末300が所定範囲内に存在しない場合には、予め登録されている携帯端末300のアドレスを用いて、当該携帯端末300に対してイベントの発生を通知するようにしてもよい。
【0087】
図15は、制御装置500での、上記ステップS2で表わされた制御処理の流れを表わすフローチャートである。図15のフローチャートに表わされる動作は、制御装置500のCPU50がROM51に記憶されるプログラムを読み出してRAM52上で実行し、図13の各機能を発揮させることによって実現される。
【0088】
図13を参照して、CPU50は、MFP100からコマンドを受信し、照明のリクエストが送信されたことを検出すると(ステップS201でYES)、ステップS203で当該コマンドを解析して点灯する照明ポイントを特定する。CPU50は、ステップS205で照明登録情報を参照して、点灯する照明ポイントについて設定された内容を特定する。そして、ステップS207でCPU50は、該当する照明装置200を設定された内容とさせるコマンドを生成して照明装置200に対して発行する。
【0089】
CPU50は以上の動作を繰り返すことで、MFP100からリクエストが発行されるたびに、上記ステップS203以降の動作を行なう。
【0090】
<実施の形態の効果>
照明システムにおいて以上の動作が行なわれることで、MFP100でトナー切れや用紙切れ、紙詰まりなどのトラブルや、プリントジョブやコピージョブの受信などの、ユーザーによるMFP100に対する直接の作業(消耗品の補給、メンテナンス、印刷用紙の取り出し等)が必要なイベントが発生すると、照明条件として、そのイベントに対処すると登録されたユーザーが当該MFP100から所定範囲内にきたタイミングで、予め当該イベントに関連付けて登録された位置が照明されることになる。たとえば、トナー切れの場合には、当該トナー切れに対処するユーザーと登録されたユーザーがMFP100から所定範囲内に来たときに、トナー設置部の扉や交換するトナーの保管場所や廃棄トナー置き場などが照明される。
【0091】
そのため、平常時に室内の照明が抑えられている場合であっても、作業の必要が生じた場合には作業に必要な範囲が照明されることになり、作業性を向上させることができる。
【0092】
さらに、本照明システムでは、イベントの発生に加えて、当該イベントに対処するユーザーがMFP100に近づいたタイミングで必要箇所の照明がなされるため、必要なタイミングのみ照明されることになり、照明時間を短くすることができる。
【0093】
つまり、本照明システムでは、作業性を確保しつつエネルギー消費量を抑えることが可能となる。
【0094】
<変形例>
イベント登録情報として、当該イベントに対する作業工程ごとに、照明条件と照明ポイントとが登録されていてもよい。
【0095】
一例として、トナー切れに対する作業工程として、(1)交換用トナーの取得、(2)トナー設置部の扉の開放、(3)トナーボトルの交換、(4)使用後トナーボトルの廃棄、が挙げられる。そこで、一例として、上記工程ごとに照明条件と照明ポイントとがイベント登録情報として登録されてもよい。この場合、照明条件として関連付けられたユーザーの存在に替えて、または加えて、センサー18からのセンサー信号に基づいて、トナー設置部の扉の開閉や、トナーボトルの交換の有無を用いることができる。
【0096】
図16および図17は、一例として、トナー切れが発生した場合の、変形例にかかるMFP100での動作の流れを表わしたフローチャートである。
【0097】
図16を参照して、トナー切れの発生が検知されると(ステップS301でYES)、ステップS303でCPU10はトナー切れを表わすフラグを立てて、ステップS305でセンサー信号に基づいて、トナー切れとなったトナーの色、つまり、交換対象のトナー色を特定する。そして、ステップS307でCPU10は、当該色のトナーについてのトナー切れに関連して登録された携帯端末300を特定する。
【0098】
CPU10は、イベントとして上記工程である「交換用トナーの取得」に対して登録されている照明条件として、特定された携帯端末300が所定範囲内に存在するか否かを判断する。そして、その結果、当該携帯端末300が所定範囲内に存在すると判断されると(ステップS309でYES)、ステップS311でCPU10は、イベントである「交換用トナーの取得」に対して登録されている照明ポイントとして、該当する色のトナーボトルの保管場所を点灯させるためのコマンドを生成し、照明のリクエストとして制御装置500に対して送信する。
【0099】
次にCPU10は、次のイベントである「トナー設置部の扉の開放」に対して登録されている照明条件として、センサー信号に基づいて、トナー設置部の扉が開放されたか否かを判断する。そして、その結果、トナー設置部の扉が未だ開放されていないと判断された場合(ステップS313でNO)、ステップS315でCPU10は、イベントである「トナー設置部の扉の開放」に対して登録されている照明ポイントとして、トナー設置部の扉を点灯させるためのコマンドを生成し、照明のリクエストとして制御装置500に対して送信する。
【0100】
一方、センサー信号に基づいてトナー設置部の扉が開放されたと判断された場合には(ステップS313でYES)、CPU10は、現在のイベントである「トナー設置部の扉の開放」に対して登録されている照明条件が満たされなくなったものとして、ステップS317で「トナー設置部の扉の開放」に対して登録されている照明ポイントであるトナー設置部の扉への照明を消灯させるためのコマンドを生成し、リクエストとして制御装置500に対して送信する。
【0101】
次に、図17を参照して、CPU10は、次のイベントである「トナーボトルの交換」に対して登録されている照明条件として、センサー信号に基づいて、該当する色のトナーボトルが交換されたか否かを判断する。そして、その結果、トナーボトルの交換が未だ交換されていないと判断された場合(ステップS319でNO)、ステップS321でCPU10は、イベントである「トナーボトルの交換」に対して登録されている照明ポイントとして、該当する色のトナーボトル部を点灯させるためのコマンドを生成し、照明のリクエストとして制御装置500に対して送信する。
【0102】
一方、センサー信号に基づいて該当する色のトナーボトルが交換されたと判断された場合には(ステップS319でYES)、CPU10は、現在のイベントである「トナーボトルの交換」に対して登録されている照明条件が満たされなくなったものとして、ステップS323で「トナーボトルの交換」に対して登録されている照明ポイントであるトナー設置部の扉への照明を消灯させるためのコマンドを生成し、リクエストとして制御装置500に対して送信する。
【0103】
次に、CPU10は、次のイベントである「使用後トナーボトルの廃棄」に対して登録されている照明条件として、上記特定された携帯端末300が所定範囲内に存在するか否かを判断する。そして、その結果、当該携帯端末300が所定範囲内に存在しなくなったと判断されると(ステップS325でNO)、ステップS327でCPU10は、イベントである「使用後トナーボトルの廃棄」に対して登録されている照明ポイントとして、廃棄トナーボトル置き場を点灯させるためのコマンドを生成し、照明のリクエストとして制御装置500に対して送信すると共に、先のイベントである「交換用トナーの取得」に対して登録されている照明条件が満たされなくなったものとして、ステップS329で「交換用トナーの取得」に対して登録されている照明ポイントである該当する色のトナーボトルの保管場所への照明を消灯させるためのコマンドを生成し、リクエストとして制御装置500に対して送信する。
【0104】
CPU10は、「使用後トナーボトルの廃棄」に対して登録されている照明ポイントへの照明を指示するコマンドを発行してからの経過時間を監視して、該経過時間が予め規定された時間に達したか否かを判断する。その結果、該経過時間が所定時間に達したと判断されると(ステップS331でYES)、CPU10は、イベントである「使用後トナーボトルの廃棄」に対して登録されている照明条件が満たされなくなったものとして、ステップS333で「使用後トナーボトルの廃棄」に対して登録されている照明ポイントである廃棄トナーボトル置き場への照明を消灯させるためのコマンドを生成し、リクエストとして制御装置500に対して送信する。
【0105】
以上、トナー切れに関して登録されているすべての工程が完了すると、ステップS335でCPU10はトナー切れ発生を表わすフラグを倒して、処理を最初へ戻す。
【0106】
以上の動作が繰り返されることで、1つのイベントについて、より細かく照明位置と照明タイミングとが制御されることになる。つまり、作業工程ごとに、前の工程が完了して次の工程に移行するタイミングで、必要な箇所のみが照明され、当該工程の作業が完了するとその照明が消灯されることになる。
【0107】
これにより、作業性を確保しつつよりエネルギー消費量を抑えることが可能となる。
また、先の工程の作業を完了すると次の工程に必要な箇所が照明されることで、次の工程を照明によって把握することができ、作業効率も向上させることができる。そのため、作業速度も上がり、よりエネルギー消費量を抑えることが可能となる。
【0108】
なお、以上の説明では、制御装置500がMFP100とは別個の装置として照明システムに設けられる例が示されている。しかしながら、他の例として、制御装置500がMFP100に含まれてもよい。すなわち、MFP100が照明装置200と通信するための通信I/Fを備えて、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み込んで実行することで、図13に表わされた各機能を発揮するようにしてもよい。
【0109】
このようにすることで、照明制御機能を備えたMFPが実現し、当該MFPをシステムに投入することで、別に制御装置を設けることなく、当該MFP100でのイベントに応じた照明制御が可能となる。
【0110】
さらに他の例として、以上の説明では照明条件が満たされたか否かをMFP100が判断した上で照明のリクエストを制御装置500に発行するものとしているが、MFP100からイベントの発生が制御装置500に通知され、制御装置500がイベント登録情報を参照して当該イベントに関連付けられた照明条件を満たすか否かを判断した上で、満たす場合に照明を行ない、満たさなくなった場合に消灯するようにしてもよい。この場合、CPU50がROM51に記憶されるプログラムを読み込んで実行することで、図12に表わされた各機能を発揮するようにしてもよい。
【0111】
たとえば、照明条件として特定の携帯端末300がMFP100から所定範囲に存在することが登録されている場合、制御装置500はネットワーク600を介してMFP100と該当する携帯端末300との位置情報を取得してその位置関係を特定して判断するようにしてもよい。
【0112】
また、照明条件としてトナー設置部の扉の開閉やトナーボトルの交換が登録されている場合には、制御装置500は、ネットワーク600を介してセンサー信号に基づいたこれら情報をMFP100から取得して判断するようにしてもよい。
【0113】
さらに、MFP100および制御装置500に上述の動作を実行させるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM、RAMおよびメモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0114】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0115】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0116】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0117】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0118】
10,20,30,50 CPU、11,21,31,51 ROM、12,22,32,52 RAM、13 スキャナー、14 プリンター、15,35 操作パネル、16,23,34,53 メモリー、17,36,56 ネットワークコントローラー、18 センサー、24,191 電子コンパス、25,37,192 GPSコントローラー、26,57 通信I/F、27 照明部、28 移動装置、500 制御装置、54 表示装置、55 入力装置、101 検出部、102,502 特定部、103 取得部、104 判断部、105,504 生成部、106 要求部、161 イベント登録情報記憶部、200,200A,200B,200C 照明装置、201,201A,201B,201C レール、291 角度調整装置、292 絞り装置、300,300A,300B,300C 携帯端末、400 アクセスポイント、501 入力部、503 算出部、505 出力部、531 照明登録情報記憶部、600 ネットワーク。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置を制御するための制御装置であって、
画像形成装置と通信するための第1の通信手段と、
前記照明装置と通信するための第2の通信手段と、
前記画像形成装置からの情報に基づいて前記照明装置を制御するための制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記画像形成装置でユーザーによる当該画像形成装置に対する作業が必要なイベントが発生し、かつ、当該イベントに関連付けられた照明条件が満たされると、予め前記イベントに関連付けられている照明状態で点灯させ、前記照明条件が満たされなくなると消灯させるよう、前記照明装置を制御する、制御装置。
【請求項2】
予めイベントごとに照明状態を記憶するための記憶手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記画像形成装置で発生したイベントに応じて前記記憶手段から照明状態を読み出す、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記画像形成装置から前記イベントの発生と前記イベントに関連付けられた前記照明条件が満たされたこととの通知を受け付ける、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記照明条件は、所定の携帯端末と前記画像形成装置との間の位置関係で規定され、
前記制御手段は、前記画像形成装置から前記イベントの発生の通知を受け付けると前記画像形成装置と前記イベントに関連付けられた携帯端末とのそれぞれの位置情報を取得して、その位置関係に基づいて前記照明条件を満たしているか否かを判断する、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項5】
前記照明装置は照明位置を可変とする機構を含み、
前記制御手段は、前記イベントに関連付けられた照明状態で表わされる照明位置となるよう、前記照明装置に対して位置を移動させる制御信号を出力する、請求項1〜4のいずれかに記載の制御装置。
【請求項6】
前記イベントは順に実行される、複数の作業工程を含み、
前記制御手段は、前記作業工程ごとに当該作業工程に関連付けられた照明条件が満たされると当該作業工程に関連付けられている照明状態で点灯させ、前記照明条件が満たされなくなると消灯させるよう、前記複数の作業工程の順に従って前記照明装置を制御する、請求項1〜5のいずれかに記載の制御装置。
【請求項7】
照明装置と通信するための通信手段と、
前記照明装置を制御するための制御手段とを備え、
前記制御手段は、ユーザーによる当該画像形成装置に対する作業が必要なイベントが発生すると、予め当該イベントに関連付けられている照明条件が満たされるか否かを判断し、前記照明条件が満たされる場合に、予め前記イベントに関連付けられている照明状態で点灯させ、前記照明条件が満たされなくなると消灯させるよう、前記照明装置を制御する、画像形成装置。
【請求項8】
照明装置の制御方法であって、
画像形成装置での、ユーザーによる当該画像形成装置に対する作業が必要なイベントの発生を検知するステップと、
予め前記イベントに関連付けられている照明条件が満たされているか否かを判断するステップと、
前記照明条件が満たされているときに、予め前記イベントに関連付けられている照明状態で前記照明装置を点灯させるステップと、
前記照明条件が満たされなくなると、前記照明装置を消灯させるステップとを備える、制御方法。
【請求項9】
照明装置および画像形成装置と電気的に通信可能な制御装置に、前記照明装置の制御を実行させるためのプログラムであって、
前記画像形成装置からの情報に基づいて、前記画像形成装置でユーザーによる当該画像形成装置に対する作業が必要なイベントが発生し、かつ、当該イベントに関連付けられた照明条件が満たされた場合に、予め前記イベントに関連付けられている照明状態で前記照明装置を点灯させるステップと、
前記照明条件が満たされなくなると前記照明装置を消灯させるステップとを前記制御装置に実行させる、制御プログラム。
【請求項1】
照明装置を制御するための制御装置であって、
画像形成装置と通信するための第1の通信手段と、
前記照明装置と通信するための第2の通信手段と、
前記画像形成装置からの情報に基づいて前記照明装置を制御するための制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記画像形成装置でユーザーによる当該画像形成装置に対する作業が必要なイベントが発生し、かつ、当該イベントに関連付けられた照明条件が満たされると、予め前記イベントに関連付けられている照明状態で点灯させ、前記照明条件が満たされなくなると消灯させるよう、前記照明装置を制御する、制御装置。
【請求項2】
予めイベントごとに照明状態を記憶するための記憶手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記画像形成装置で発生したイベントに応じて前記記憶手段から照明状態を読み出す、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記画像形成装置から前記イベントの発生と前記イベントに関連付けられた前記照明条件が満たされたこととの通知を受け付ける、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記照明条件は、所定の携帯端末と前記画像形成装置との間の位置関係で規定され、
前記制御手段は、前記画像形成装置から前記イベントの発生の通知を受け付けると前記画像形成装置と前記イベントに関連付けられた携帯端末とのそれぞれの位置情報を取得して、その位置関係に基づいて前記照明条件を満たしているか否かを判断する、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項5】
前記照明装置は照明位置を可変とする機構を含み、
前記制御手段は、前記イベントに関連付けられた照明状態で表わされる照明位置となるよう、前記照明装置に対して位置を移動させる制御信号を出力する、請求項1〜4のいずれかに記載の制御装置。
【請求項6】
前記イベントは順に実行される、複数の作業工程を含み、
前記制御手段は、前記作業工程ごとに当該作業工程に関連付けられた照明条件が満たされると当該作業工程に関連付けられている照明状態で点灯させ、前記照明条件が満たされなくなると消灯させるよう、前記複数の作業工程の順に従って前記照明装置を制御する、請求項1〜5のいずれかに記載の制御装置。
【請求項7】
照明装置と通信するための通信手段と、
前記照明装置を制御するための制御手段とを備え、
前記制御手段は、ユーザーによる当該画像形成装置に対する作業が必要なイベントが発生すると、予め当該イベントに関連付けられている照明条件が満たされるか否かを判断し、前記照明条件が満たされる場合に、予め前記イベントに関連付けられている照明状態で点灯させ、前記照明条件が満たされなくなると消灯させるよう、前記照明装置を制御する、画像形成装置。
【請求項8】
照明装置の制御方法であって、
画像形成装置での、ユーザーによる当該画像形成装置に対する作業が必要なイベントの発生を検知するステップと、
予め前記イベントに関連付けられている照明条件が満たされているか否かを判断するステップと、
前記照明条件が満たされているときに、予め前記イベントに関連付けられている照明状態で前記照明装置を点灯させるステップと、
前記照明条件が満たされなくなると、前記照明装置を消灯させるステップとを備える、制御方法。
【請求項9】
照明装置および画像形成装置と電気的に通信可能な制御装置に、前記照明装置の制御を実行させるためのプログラムであって、
前記画像形成装置からの情報に基づいて、前記画像形成装置でユーザーによる当該画像形成装置に対する作業が必要なイベントが発生し、かつ、当該イベントに関連付けられた照明条件が満たされた場合に、予め前記イベントに関連付けられている照明状態で前記照明装置を点灯させるステップと、
前記照明条件が満たされなくなると前記照明装置を消灯させるステップとを前記制御装置に実行させる、制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−114834(P2013−114834A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258577(P2011−258577)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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