制御装置およびこれを備える電子装置
本制御装置は、光線発信器と、該発信器の発信範囲内で前記発信器が発信し、この対から離れた所に置かれた移動体に反射される光線の受信器とで形成される、少なくとも1対の発信器−受信器(210、216〜219)を備え、前記受信器は、前記発信器から離れ、自らが受信する発信器からの光線を表す電子信号を供給するように適合され、本装置はさらに、少なくとも1つの前記対に対し、アクションを識別する少なくとも1つのシンボルを、前記発信器の発信円錐部と前記受信器の受信円錐部との交点の前に表示するように適合された表示手段であって、前記発信器および前記受信器は、各シンボルの表示領域の外部にある手段(211〜214)と、少なくとも1つの前記受信器が供給する電子信号に応じてアクションの制御信号を供給するように適合された制御手段であって、発信器−受信器の各対は、移動体が前記アクションを識別するシンボルの前にあるときに、少なくとも1つのシンボルと少なくとも1つの制御されたアクションとに関連付けられる手段とを含むことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置およびこれを備える電子装置に関する。本発明は、特に、ユーザの指または手を離れた所で通過させることにより制御される、マンマシンインタフェース、スイッチ、ポテンショメータ、および電力調整器または電圧調整器に適用される。
【0002】
さらに詳細には、本発明の目的である制御装置により、電子装置を制御する、または、移動体(例えば手など)をこの電圧調整器の前に通過させることによって、エネルギー源(電気、水、ガス、熱など)の流量を変化させることができる。本発明は、例えば、メディア(例えば音楽、固定画像または映像)の再生器/録画器、ランプもしくはその他のあらゆる照明システム(例えば調光器内にあるもの)、自動ロールシャッター(例えば機械作動用の接触を果たすもの)、水またはガスの栓(水量調節)、ラジエータもしくはその他の暖房設備(例えばサーモスタット)、換気システム(例えば空調装置、換気装置)、またはエレベータ内での階選択、リモートコントロールもしくはキーボードに使用できる。
【背景技術】
【0003】
照明システムに、スイッチ、電圧調整器もしくは調光器、線形式もしくは回転式ポテンショメータまたはボタンを、すべて手動制御で使用すること、または、水もしくはガスの流量の制御システムに、機械的栓を使用することが知られている。しかしながら、これらの機械設備は、可動式の機械部品を備え、この機械部品は機械部分の摩滅により損傷するため、その寿命は限られている。
【0004】
また、ユーザがタッチ画面をタッチして機能を制御するタッチインターフェースも知られている。しかしながら、これらの画面の感度は変化することがあり、押圧を繰り返すことで摩滅が起きる。
【0005】
さらに、機械設備を手動操作したりタッチ画面を押圧したりすると、醜い跡が残り、最終的には汚れてしまう。最後に、機械設備およびタッチ画面は、特に共同使用する場合には衛生面および感染リスクの面で欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、これらの欠点を改善することに焦点を当てている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために、本発明は、第一に、光線発信器と、該発信器の発信範囲内で前記発信器が発信し、この対から離れた所に置かれた移動体に反射される光線の受信器とで形成される、少なくとも1対の発信器−受信器を備える制御装置であって、前記受信器は、前記発信器から離れ、自らが受信する発信器からの光線を表す電子信号を供給するように適合される制御装置において、本装置がさらに、
− 少なくとも1つの前記対に対し、アクションを識別する少なくとも1つのシンボルを、前記発信器の発信円錐部と前記受信器の受信円錐部との交点の前に表示するように適合された表示手段であって、前記発信器および前記受信器は、各シンボルの表示領域の外部にある手段と、
− 少なくとも1つの前記受信器が供給する電子信号に応じてアクションの制御信号を供給するように適合された制御手段であって、発信器−受信器の各対は、移動体が前記アクションを識別するシンボルの前にあるときに、少なくとも1つのシンボルと少なくとも1つの制御されたアクションとに関連付けられる手段と
を含むことを特徴とする制御装置に焦点を当てている。
【0008】
このような措置により、例えばメディアの読み出し、読み出しの休止、高速の早送りまたは巻き戻し、停止など、アクションを制御させるために、ユーザは、このアクションを識別するシンボルの方へ自分の指を指すだけでよく、制御装置に触れる必要はない。
【0009】
本発明の目的である制御装置は接触を伴わないため、その人間工学性は、先行技術の装置と比して改良することができる。この人間工学性は、変形例で柔軟性を持たせることもできる。すなわち、例えば本装置により設定された状態で利用可能なアクションに応じて、設置者が、ユーザが、またはソフトウェアがこの人間工学性をパラメータ化することができる。例えば、アクションのトリガーに必要な範囲、時間、およびアクションをトリガーする動きは、設置時または設置後に、ユーザの要望により、またはソフトウェアごとに調節することができる。
【0010】
ユーザがアクションを起動させる機械部品がないため、制御装置の信頼性および寿命は、先行技術の装置よりも優れたものにすることができる。
【0011】
本発明の目的である制御装置は、とりわけ以下の環境における操作も回避する。
− 湿った環境:浴室、屋外、潜水下など、感電死のリスクがある場所、
− 汚れやすい環境:工場、公共の場所(交通機関、エレベータ)、および
− 清潔な環境:病院、農産物加工場、公共の場所。
【0012】
本発明の目的である制御装置を使用することにより、蛮行に遭うリスクも軽減され、本制御装置を遮蔽または隠すことができるため、汚れるリスクまたは感染リスクが軽減される。
【0013】
特定の特徴によれば、表示手段は、光を発信することによって少なくとも1つのシンボルを表示するように適合される。このような措置により、表示されたシンボルは、とりわけ周囲光が弱い環境でより見やすくなる。
【0014】
特定の特徴によれば、表示手段は、画面上に少なくとも1つのシンボルを表示するように適合される。このような措置により、異なるシンボルまたは同じシンボルの異なる色もしくはコントラストを、同じ表示手段で表示することができる。
【0015】
表示手段は、印刷、シルクスクリーン印刷、彫刻、または総体的に着色した少なくとも1つのシンボルを表示することもできることに注意されたい。
【0016】
特定の特徴によれば、少なくとも1つのシンボルの表示領域は、少なくとも3つの発信器および/または受信器で包囲され、各発信器と各受信器とを結ぶ線分は、シンボルの表示領域と重なる。
【0017】
したがって、本発明により、ユーザの指と画面との間の接触なしに動作するタッチ画面を構成することができ、これには、従来のタッチ画面と比して冒頭で述べた利点が備わる。送り出された光源と発信された振動の認識手段とを使用して、発信器数と受信器数の積に等しいタッチ領域数を区別できるマトリクス状のタッチ画面を構成することができ、これらの発信器および受信器は、画面の周囲に設置されることに注意されたい。
【0018】
特定の特徴によれば、制御手段は、反射する移動物体に反射したものではない周囲光の影響を排除するように適合された処理手段を備える。
【0019】
このような措置により、本発明の目的である制御装置は、周囲光線が同程度の強さでも、さらには移動体に反射して受信器へ向かう光線よりも大きい場合であっても、使用することができる。
【0020】
特定の特徴によれば、少なくとも1つの光線発信器は、断続的に光線を発信するように適合され、処理手段は、光線発信器が光線を発信しないときに、各受信器から供給される電子信号レベルを記憶するように適合され、アクションの制御信号は、受信した瞬間的な光線および記憶されたレベルに応じる。
【0021】
特定の特徴によれば、少なくとも1つの光線発信器は、断続的に光線を発信するように適合され、処理手段は、光線発信器が光線を発信しないときに、各受信器から供給される電子信号レベルを外挿するように適合され、アクションの制御信号は、受信した瞬間的な光線および外挿されたレベルに応じる。
【0022】
このような個々の措置により、処理手段は、各受信器が受信する通常の周囲光線を計算に入れることができ、各受信器に対して、反射する移動物体上での反射後に受信した光線を判断することができ、これによってこの光線の存在を判断する精度が増す。
【0023】
特定の特徴によれば、少なくとも1つの光線発信器または光線受信器は、少なくとも1つのマスクに関連付けられ、発信器が使用する少なくとも1つの波長を通すこのマスクの部分は、前記波長の光を検出することができる受信器の方向に延びる。
【0024】
これらの措置により、ノイズ信号は大幅に削減される。
【0025】
特定の特徴によれば、制御手段は、パルス幅変調した出力信号を供給するように適合される。
【0026】
特定の特徴によれば、上記で簡潔に説明したような制御装置は、遠隔でコマンドを受信または送信するための通信手段を備える。
【0027】
これらの措置により、制御装置は、駆動装置、外部電子回路または同等の制御装置と通信することができる。
【0028】
特定の特徴によれば、少なくとも1対の発信器−受信器において、発信器および受信器の軸は同軸である。実際、この措置によって制御装置の感度が向上するとともに、ノイズの発生および周囲光の雑音も減少することが本発明者により明らかになった。
【0029】
特定の特徴によれば、表示手段は、少なくとも1つの前記対に対し、アクションを識別する少なくとも1つのシンボルを表示し、前記シンボルを含む面に直交する軸であって、前記シンボルが規定する凸状領域を土台とする軸が、前記発信器の発信軸および/または前記受信器の受信軸と交差するように適合される。
【0030】
特定の特徴によれば、シンボルの表示領域に接触して置かれた指は検出されないため、この物体は、発信器が発信した光線を光線受信器の方向へ一切反射しない。したがって、ユーザの指が装置の表面に触れてこの表面を汚してしまうリスクが減少する。
【0031】
本発明は、第二に、アクションを実行するように適合された電子装置であって、少なくとも1つの前記アクションを制御する、本発明の目的である制御装置を備えることを特徴とする電子装置に焦点を当てている。
【0032】
本発明は、第二に、光線発信器と、該発信器の発信範囲内で前記発信器が発信し、この対から離れた所に置かれた移動体に反射される光線の受信器とで形成される、少なくとも1対の発信器−受信器を備える装置を用いた制御方法であって、前記受信器は、前記発信器から離れ、自らが受信する発信器からの光線を表す電子信号を供給するように適合される制御方法において、本方法がさらに、
− 少なくとも1つの前記対に対し、アクションを識別する少なくとも1つのシンボルを、前記発信器の発信円錐部と前記受信器の受信円錐部との交点の前に表示するステップであって、前記発信器および前記受信器は、各シンボルの表示領域の外部にあるステップと、
− 少なくとも1つの前記受信器が供給する電子信号に応じてアクションの制御信号を供給する制御ステップであって、発信器−受信器の各対は、移動体が前記アクションを識別するシンボルの前にあるときに、少なくとも1つのシンボルと少なくとも1つの制御されたアクションとに関連付けられるステップ
とを含むことを特徴とする制御方法に焦点を当てている。
【0033】
本電子装置および本方法の利点、目的および特定の特徴は、上記で簡潔に説明したような本発明の目的である制御装置と類似しているため、ここでは再度記載しない。
【0034】
本発明のその他の利点、目的および特徴は、添付の図面を参照し、説明を目的とする非限定的な以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の目的である制御装置の第1の実施形態を示す概略図である。
【図2A】本発明の目的である制御装置の第2の実施形態の断面概略図である。
【図2B】本発明の目的である制御装置の第2の実施形態の正面概略図である。
【図3】図2に示す制御装置の実施形態に搭載した電子回路の機能全体を示すブロック図である。
【図4】図2および図3に示す制御装置が実施するステップのフローチャートである。
【図5】本発明の目的である制御装置の第3の実施形態を示す概略図である。
【図6】本発明の目的である制御装置の第4の実施形態を示す断面概略図である。
【図7】本発明の目的である制御装置の第5の実施形態を示す正面概略図である。
【図8】本発明の目的である制御装置の第6の実施形態を示す正面概略図である。
【図9】本発明の目的である制御装置の第7の実施形態を示す正面概略図である。
【図10】図6に示す装置の第4の実施形態の一変形例であり、互いに直交する別の2つの軸に沿い、かつ図6に示す断面軸を含む図である。
【図11】図6に示す装置の第4の実施形態の一変形例であり、互いに直交する別の2つの軸に沿い、かつ図6に示す断面軸を含む図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本明細書全体において、赤外光線の使用に関して記載する。しかしながら、本発明は、この種の光線に限定されるものではなく、むしろ、音波のなかでもとりわけ超音波の放射、およびインダクタンスの変動を判断するための電子分野にまで及ぶ。
【0037】
図1において、電子装置100は、制御装置105、マイクロプロセッサ110、電源を介する給電コード115、エネルギー源120および表示手段150を備えていることがわかる。
【0038】
制御装置105は、1つの赤外線発信器125および4つの赤外線受信器131〜134を備える。したがって、光線発信器125と、この発信器が発信する光線であって、発信器125の発信範囲で対から離れた所に置かれた移動体に反射する光線を受信する受信器のうちの1つとで形成される、4対の発信器−受信器(125−131、125−132、125−133および125−134)を構成する。各対において、受信器は、発信器から離れ、自らが受信する発信器からの光線を表す電子信号を供給するように適合されることに注意されたい。
【0039】
エネルギー源120は、例えば、電池、アキュムレータ、光センサもしくは電源に接続した変圧器、または電源に接続したツェナーダイオードに基づく回路もしくはスイッチングレギュレータである。
【0040】
赤外線発信器125および赤外線受信器131〜134は、赤外線発信器210および4つの赤外線受信器216〜219についてそれぞれ図2Aおよび図2Bで説明したように機能する。マイクロプロセッサ110は、赤外線受信器131〜134から受信した電子信号レベルをロジック電圧レベルに変換するロジック入力部を備える。
【0041】
基準レベルは、発信器125の発信範囲内に、例えば受信器131〜134から3センチメートルの所に置かれた指など、所定の距離内には赤外線を反射する移動物体がないことを表すものとして、製造時または設置時に決定されたレベルである。
【0042】
表示手段150は、発信器−受信器の各対に対し、発信器と受信器との間の中間距離で、アクションを識別する少なくとも1つのシンボル(図2Bの211〜214)を表示するように適合される。例えば、各シンボルは、発信器125および受信器131〜134を覆う、例えばプラスチック製の透明なプレートにシルクスクリーン印刷することで構成される。各シンボルは、好適な一実施形態では、例えば発光ダイオード(「LED」)を用いてバックライトで照明される。実施形態では、各照明は、強度および/または色をマイクロプロセッサ110が制御する。
【0043】
マイクロプロセッサ110は、少なくとも1つの前記受信器が発信した電子信号に応じて、アクションの制御信号を供給するように適合された制御手段を構成する。したがって、発信器−受信器の各対は、表示手段150が表示する少なくとも1つのシンボルと、移動体が前記アクションを識別するシンボルの前にあるときにマイクロプロセッサが制御する少なくとも1つのアクションとに関連付けられる。
【0044】
変形例では、単一の発信器、単一のシンボル、および単一の受信器、場合によっては単一のコンポーネントに組み合わせた発信器/受信器/シンボルによって、2つの安定した位置にある制御ボタンまたはスイッチを設けることができることがわかる。つまり、表示されたシンボルの正面を反射物体が通過するたびに、ボタンまたはスイッチは位置を変更する。
【0045】
図2Aおよび図2Bでは、赤外線発信器210を備える制御装置207、4つの赤外線受信器216〜219、マルチプレクサ220、デジタイザ225、コントローラ230、同期モジュール235、変圧器240、レギュレータ245、モデム250、および電荷260に接続される電力モジュール255は、電子装置200(部分的に破線で表示)に搭載され、電源用給電ケーブル205(外皮は図2Aの断面図に表示)に接続されていることがわかる。
【0046】
赤外線発信器210は、例えば120°の大きな発信角度を有する、例えば発光ダイオードである。その発信は、コントローラ230が制御する。4つの赤外線受信器216〜219は、公知のタイプのフォトダイオード、フォトトランジスタまたはフォトレジスタである。これらの赤外線発信器は、この実施形態では、垂直ライン上(発信器216および218)および水平ライン上(217および219)に規則的な間隔をあけて設置され、これらのラインは赤外線発信器210の位置で交差する。これらの赤外線発信器の出力部は、コントローラ230が制御するマルチプレクサ220の入力部に接続され、赤外線受信器216〜219から出力される信号をデジタイザ225に順次供給する。
【0047】
デジタイザ225は、マルチプレクサ220から出力される信号を受信し、デジタル化した信号をコントローラ230に供給する。クロック、RAMおよびROM(図示せず)を備えるコントローラ230は、公知のタイプのものである。コントローラは、自らのROMに保存されたプログラムを実行し、図4に示したフローチャートを実施する。
【0048】
同期モジュール235は、電源電圧がゼロになったことを示す信号をコントローラ230に供給するとともに、電力モジュール255の出力を制御する。
【0049】
コントローラ230が供給するコマンドに応じてエネルギーを分配する電力モジュール255は、(トライアックと、パルス幅変調PWMで出力される信号に接続されるその制御部とを備えた)調光器回路、トランジスタ、リレー、これらの同じコンポーネントに被害を及ぼすことなく電力を分散してエネルギーの流れをコントロールすることができるポテンショメータ、ポテンショメータを逐一コントロールするモータのいずれかを用いて構成される。
【0050】
調光器回路の場合、コントローラ230のパルス幅変調PWMの信号によって、かつ(例えばフォトカプラなどの光学手段によって)電力回路を制御回路から電気的に絶縁するトライアックを制御するコンポーネントを介して(同期を取るために電源がゼロであることを検出)、この調光器回路を制御することができる。
【0051】
変圧器240およびレギュレータ245は、コントローラ230および直流での給電を必要とするその他のコンポーネントに直流電圧を供給する。変圧器240は交流電圧を低下させ、レギュレータ245は交流電圧を調節された直流電圧に変換する。
【0052】
モデム250は、コントローラ230および電源に接続され、コントローラ230が電力線搬送通信する他のコントローラと通信するように電力線搬送で信号を実装する。変形例では、モデム250は、赤外線またはX線の発信器−受信器に接続され、他の同等のコントローラと通信する。
【0053】
マルチプレクサ220およびデジタイザ225があることによって、コントローラは、赤外線受信器216〜219が受信する光度のデジタル値を有し、これには、赤外線発信器210が発信する光度であって、この発信器および受信器の正面にある、すなわち発信範囲または受信範囲にそれぞれある物体が反射する光線の光度も含まれる。
【0054】
コントローラ230は、発信器210を断続的にオンにするよう制御し、発信器210がオフのときは受信器216〜219が受信した赤外線の光度のデジタル値を、発信器210がオンのときはこれらのデジタル値を連続的に取得して、マルチプレクサ220との同期を取るようにする。
【0055】
変形例では、ノイズ信号の中で認識できる可能性がある、発信された光信号を変調するために、パルス幅変調(「pulse width modulation」を表す英語の頭文字PWMとして知られる)を使用する。
【0056】
発信器がオンのときに受信される光度と発信器がオフのときに受信される光度とを比較することによって、コントローラ230は、周囲光の影響、つまり雑音を排除し、受信器210が発信する光量を決定し、この光量は各受信器216〜219の方へ反射される。
【0057】
変形例では、周囲光の影響を排除するため、コントローラ230は、受信器216〜219が受信した光度値から、長時間(例えば5秒)にわたるその平均値、または公知のタイプの外挿関数を用いた外挿値を差し引く。変形例では、信号は、閾値によって、または受信器が発信器のパルス幅変調PWMまたは他の発信器の信号を受信しているかどうかを知ることができる周波数によって、またはこの両方によって区別される。
【0058】
変形例では、発信器210が発信した光への露出差を補償するため、コントローラ230は、受信器216〜219が受信した光度のデジタル値に乗算係数を適用する。これらの係数は、例えば、制御装置から所定の距離、例えば30cmのところに設置した白壁で移動物体を代替して測定した光度の逆数である。
【0059】
次に、コントローラ230は、受信器216〜219が受信した光度レベルに応じて、制御装置の正面に位置する反射物体の位置を判断する。例えば、コントローラ230は、反射した最も強い光度を受信する受信器の番号のみを反射物体の位置として判断する。そのため、コントローラ230が判断した反射物体の位置は、受信器の値と同じ値をとることができる。
【0060】
変形例では、起動時に判断されたために古くなった限定値を回避するため、最後に測定した平均値を限界値として使用する。
【0061】
このようにして判断された位置に応じて、コントローラ230は、同期モジュール235が供給する同期信号を計算に入れて、パルス幅変調で電力モジュールを制御する。
【0062】
移動物体が制御装置の正面にあるかどうかをコントローラ230が判断する間の段階以外では、コントローラ230は、モデム250を介して他の制御装置から受信する指示を計算に入れる。
【0063】
表示手段265は、発信器−受信器の各対に対し、アクションを識別する少なくとも1つのシンボル(図2Bの211〜214)を、発信器と受信器との間に表示するように適合される。例えば、各シンボルは、シルクスクリーン印刷によって、発信器125および受信器131〜134を覆う、例えばプラスチック材料製の透明なプレート内に構成される。各シンボルは、好適な一実施形態では、例えば発光ダイオード(「LED」)を用いてバックライトによって照明される。実施形態では、各照明は、所与の瞬間に利用可能なアクションに応じて、強度および/または色をマイクロプロセッサ110が制御する。
【0064】
図3には、図2Aおよび図2Bに示した制御装置の機能全体が示されている。この図3において、破線矢印は情報の流れを示し、実線矢印はエネルギーの流れを示す。図3には、電源装置305、光モジュール310、データ処理モジュール315、電力モジュール320および電荷325が示されている。
【0065】
図2Aおよび図2Bに関して説明したように、電源装置305は、例えばバッテリまたは電源に接続した変圧器を備える。光モジュール310は、赤外線発信器210および赤外線受信器216〜219を備える。赤外線発信器210による赤外線の発信はデータ処理モジュール315が制御し、赤外線受信器216〜219からの信号はデータ処理モジュール315に送信される。データ処理モジュール315は、赤外線信号の発信および受信スペクトル内で少なくとも部分的に反射する物体、例えば手または指が、光モジュール310の正面にあるかどうかを判断し、正面にある場合、この移動物体の位置を判断する。これらの情報に応じて、データ処理モジュールは、電力モジュール320が電荷325に供給する電力を制御する。
【0066】
図4には、制御装置の初期化ステップ400、次に、赤外線受信器が受信した光度の読み取りステップ402が示されている。ステップ404では、赤外線発信器のオンを制御する。次に、ステップ406では、赤外線受信器が受信した光度を読み取る。ステップ408では、このエネルギー源を冷却し、寿命を延長し、場合によっては電力消費を低下させるため、赤外線の発信器をオフにする。ステップ410では、ステップ406で読み取った値から、ステップ402で読み取ったこれに対応する値を差し引く。
【0067】
ステップ412では、差し引き結果を閾値と比較して、制御装置の正面にある物体への反射が起こったかどうかを判断する。すべての結果が閾値未満であれば、ステップ414で、制御命令が別の制御装置の一部から受信されたかどうかを判断する。命令が一切受信されなかった場合、ステップ402に戻る。命令が受信された場合、ステップ416で、例えば電力モジュールを制御してこの命令を実行し、この制御状態をもう1つのステップ416またはステップ420まで維持し、ステップ402に戻る。
【0068】
少なくとも1つの差し引き結果が閾値超であれば、ステップ418で、シンボルの正面にある物体の位置を判断し、ステップ420で、検討するシンボルまたは物体の位置に応じて、電力モジュールを制御し、この制御状態をもう1つのステップ420またはステップ416まで維持する。その後、ステップ402に戻る。
【0069】
図5では、制御装置507は、以下の点を除いて図2Aおよび図2Bに示した制御装置207と同じ素子を備える。
− 赤外線発信器210が、4つの赤外線発信器511〜514(この断面図では発信器511および513のみが見えている)に代替されている。
− 4つの赤外線受信器216〜219が、単一の赤外線受信器515に代替されている。
− 電源ケーブル205が、コネクタ505に代替されている。
− 同期モジュール235、変圧器240、レギュレータ245、モデム250、電力モジュール255および電荷260がない。
【0070】
制御装置507が発信したコマンドは、コネクタ505および制御装置507の電源装置を介して伝送される。
【0071】
赤外線発信器511〜514は、発信角度が並置されている。赤外線受信器515は、受信角度が大きく、例えば120°である。制御装置の動作は以下のとおりである:赤外線発信器511〜514を順次オンにし、異なる赤外線発信器を連続してオンにする2回のオンの間に、すべての発信器をオフにする段階を設ける。
【0072】
コントローラ230は、図2Aおよび図2Bに関して記載したものと同様に、受信器515が順次受信した光度に応じて、周囲光の影響、および場合によっては発信器のうちの1つの正面に置かれた移動物体の位置を判断する。
【0073】
この実施形態では、表示装置520によって、コントローラ230とユーザとの間の通信が可能になる。例えば、コントローラ230は、表示装置520に電力線搬送で受信したコマンドを表すメッセージ、電子装置の状態または動作モードを表示する。
【0074】
図2Aおよび図2Bに示した受信器の星形の配置は、突起がいくつある星形形状を取ってもよいことがわかる。中央の受信器があるこの星形配置は、例えば正方形、六角形、場合によっては中央の受信器または第1の多角形に組み込まれた第2の多角形と嵌合する形状など、多角形の配置に代替してもよい。
【0075】
変形例では、各赤外線受信器を赤外線発信器に接続し、この2つの機能を実行するコンポーネント内に搭載するようにする。
【0076】
ハードウェアおよび/またはソフトウェアを用いた方法を利用して、望まないアクションのトリガーを回避してもよい(例えば、複数のセンサが同時に「刺激」されれば、制御されるアクションはなくなる)。
【0077】
図6において、電子装置600は、制御装置605、コネクタ610およびエネルギー源620を備えていることがわかる。
【0078】
制御装置605は、赤外線発信器625、2つの赤外線受信器630および635、ならびにシンボル640および645の支持体、ならびにコントローラ650を備える表示装置を備える。シンボル640および645の支持体に支持されるシンボルは、ユーザの指がこのシンボルの正面にあるときに、コネクタ610を介してコントローラ650が電子装置600内でトリガーしたアクションに対応する。指の存在は、上記で説明したように、赤外線受信器630および635が発信した信号に応じて、コントローラ650が検出する。
【0079】
図6に示した実施形態では、受信器630および635は、発信器625の方を向いた軸を有する。図6に示した例では、これらの軸の向きは、発信器625の軸に対して約35°である。受信器の光学範囲は、ここでは約70°、すなわち受信器の軸に対して+/−35°である。発信器625は、ここでは約150°に及ぶ光学範囲を有する。
【0080】
このような配置は、発信器の軸上で受信器の軸が収束する点に相当する距離、およびこの距離内で、装置の感度を上げるのに有利である。実際、この面と装置の前方正面の面との間に置かれた反射物体は、ほぼ最大の感度に相当する方向から受信器の方へ光を反射する。
【0081】
本発明者は、さらに同等のいかなるものに関しても、1対の発信器−受信器のそれぞれの素子が傾斜することによって、範囲を広げることができ、それによってユーザの使用快適度ならびにノイズ、雑音および外部の光源への耐性を高めることができることを発見した。
【0082】
このそれぞれの傾斜を達成するため、当業者は、非導電材料製の傾斜台を設けるか、あるいはより単純に、該当するコンポーネントの足を、これらのコンポーネントとこれらを取り付ける電子回路との間で軽くねじってもよい。
【0083】
発信器−受信器の対の素子の好適なそれぞれの傾斜に関するこの教示は、このような2つの対しかない場合に限定されるものではなく、むしろ、本発明のあらゆる実施形態にも及び、特に、図1から図5に示した特定の実施形態にも及ぶ。
【0084】
したがって、本発明の目的である装置は、本装置から離れた所に置かれた物体を検出するように適合され、本装置と接触している物体は検出しないように適合されることが好ましい。よってこの物体は、光線受信器の方向へは光線を一切反射しない。したがって、指の跡および本装置の表面が汚れるリスクを回避する。
【0085】
図10および図11は、図6に示した本装置の第4の実施形態の一変形例を示し、互いに直交する別の2つの軸に沿い、かつ図6に示した断面軸を含む図である。図10は、概ねユーザが見るものを表した本装置の正面図である。図11は、断面側面図である。
【0086】
図10では、シンボル640および645の表示手段は、発信器と受信器との各対625および635ならびに625および630に対し、シンボル640および645を、発信器625の発信円錐部660と受信器630または635の受信円錐部655との交点の前に表示するように適合されることがわかる。したがって、発信器および受信器は、各シンボルの表示領域からさらに一層離れる。
【0087】
図11では、受信器630は、この断面図では、発信器625および受信器635ならびにシンボル640および645の支持体を備える表示装置を隠し、シンボル640は、この断面図ではシンボル645に隠れていることがわかる。図11には、発信器625の発信円錐部660および受信器630の受信円錐部655、受信円錐部655の軸665、および前記シンボルを含む面に直交する軸であって、前記シンボルが規定する凸状領域を土台とする軸670も示した。ここで凸部とは、数学的意味で、図(ここではシンボル)の2点の間にあるすべての点を含む表面または体積であることに留意されたい。前記シンボルを含む面に直交する軸であって、前記シンボルが規定する凸状領域を土台とする軸670は、受信器630の受信軸665と交差することがわかる。その他の実施形態では、前記シンボルを含む面に直交する軸であって、前記シンボルが規定する凸状領域を土台とする軸は、発信器の発信軸と交差する、または発信器の発信軸と受信器の受信軸と同時に交差する。
【0088】
図7では、本発明の目的である制御装置の第5の実施形態において、画面705は、複数の発信器710および715と複数の受信器720および725との間に配置されていることがわかる。画面705は、例えば図7に示した制御装置を備える電子装置により設定された状態で可能な制御に応じて、同時か断続的に、シンボル730、735、740および745を表示するように適合される。
【0089】
図8では、本発明の目的である制御装置の第6の実施形態において、画面805は、複数の発信器810および815と複数の受信器820および835との間に配置されていることがわかる。画面805は、例えば図8に示した制御装置を備える電子装置により設定された状態で可能な制御に応じて、同時か断続的に、シンボル840、845、850および855を表示するように適合される。
【0090】
変形例では、画面705または805の各領域は、1つのシンボルしか表示できない。その他の変形例では、画面705または805は、画面の各領域に異なるシンボルを表示することができる。特に、画面705または805はマトリクス状であることが好ましく、これによって模様、アイコン、文字、数字または画像、場合によって動画の形態をしたシンボルを表示でき、使用するスタイル、フォントは、電子装置ごとに、または同じ電子装置であっても構成ごとにもしくは国ごとに様々であってよい。
【0091】
一般に、実施形態において、画面は、少なくとも3つの発信器および/または受信器で包囲され、各発信器を各受信器に接続している線分は画面領域と重なり、この画面領域の上に表示手段がシンボルを表示するように適合される。
【0092】
したがって、本発明によって、ユーザの指と画面との間の接触なしに機能するタッチ画面を構成することができ、これには従来のタッチ画面に比して冒頭で述べた利点が備わる。送られた光源および発信された振動の認識手段を利用することで、発信器の数と受信器の数との積に等しいタッチ領域数を区別できる、マトリクス状のタッチ画面を構成することができ、これらの発信器および受信器は画面の周囲に設置されることに注意されたい。
【0093】
図9では、本発明の目的である制御装置の第7の実施形態905において、中央発信器910は、この中央発信器910と受信器915〜930との間に位置するシンボル940〜955に包囲されていることがわかる。この実施形態では、装置905の表面は、受信器915〜930の正面以外では、使用波長を通さない。しかしながら、中央発信器910の正面では、それぞれの受信器915〜930の方へ延びる領域955〜970の上では、装置905の表面は少なくとも部分的にこれらの波長を通す。したがって、発信器910が発信する光量は、シンボル935〜950および受信器955〜970の方向の方が他の方向よりも多い。したがって、領域955〜970はマスクを規定し、発信器が使用する少なくとも1つの波長を通すこのマスクの部分は、前記波長の光を検出できる受信器の方向に延びる。これらマスクは、発信器が使用する少なくとも1つの波長を通す部分が、前記波長の光を検出できる受信器の方向に延びる。これらのマスクは、例えば長方形または楕円形にすることができ、その最大の寸法は、検討する発信器と受信器とを結ぶ直線とほぼ同じである。変形例では、このようなマスクは、受信器の正面に設置され、場合によっては発信器の正面に設置されたこのようなマスクと組み合わせてもよい。
【0094】
それぞれの実施形態に対し、ユーザの指の存在の検出は、以下の複数のステップで行うことができる。
− 受信器が受信した光度の平均を算出。
− 受信した光値のうちの1つ、かつ1つのみがこの平均を超えているかどうかを検出。
− 超えている場合、例えば1ミリ秒後に前のステップを繰り返す。
【0095】
再度同じ受信器が、この受信器のみで測定した平均を超えるものを受信した場合、対応するシンボルがユーザに選択されたと考える。それ以外の場合は、これらのステップの最初に戻る。
【0096】
検出ステップを繰り返すことによって、バウンス現象を防ぐことできる点に注意されたい。
【0097】
上記で詳述した実施形態に関して説明したように、光線の各発信器および各受信器は、各シンボルの表示領域外にあることが好ましい。したがって、このシステムの構成は、簡略化され、コストを下げられる。特に、発信器および受信器は、表示されたシンボルの下にはなく、これには前述した利点がある。さらに、発信器が発信した光も受信器が受信した光もシンボルを通過しないため、シンボルの表示構成は、印刷であってもオンまたはオフによる表示であっても、発信器および受信器の技術的特徴には何ら影響されない。
【0098】
上記で説明した様々な実施形態は、例として挙げたものである。その他の実施形態は、上記で説明した実施形態と組み合わせて構成される。例えば、各発信器を各受信器に接続する線分が画面領域と重なり、この画面領域上で表示手段がシンボルを表示するように適合された、図8に示した実施形態は、少なくとも1つの光線発信器が少なくとも1つのマスクと関連づけられ、発信器の使用する少なくとも1つの波長を通すこのマスクの部分が前記波長の光を検出できる受信器の方向に延びる、図9に示した実施形態とうまく組み合わさる。
【0099】
本制御装置のおよびその機能の実施形態に関する本明細書は、光線発信器と、該発信器の発信範囲内で前記発信器が発信し、この対から離れた所に置かれた移動体に反射される光線の受信器とで形成される、少なくとも1対の発信器−受信器を備える装置を用いた制御方法であって、前記受信器は、前記発信器から離れ、自らが受信する発信器からの光線を表す電子信号を供給するように適合される制御方法において、本方法がさらに、
− 少なくとも1つの前記対に対し、アクションを識別する少なくとも1つのシンボルを、前記発信器の発信円錐部と前記受信器の受信円錐部との交点の前に表示し、前記発信器および前記受信器は、各シンボルの表示領域の外部にあるステップと、
− 少なくとも1つの前記受信器が供給する電子信号に応じてアクションの制御信号を供給する制御ステップであって、発信器−受信器の各対は、移動体が前記アクションを識別するシンボルの前にあるときに、少なくとも1つのシンボルと少なくとも1つの制御されたアクションとに関連付けられるステップ
とを含むことを特徴とする制御方法を定義するものである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置およびこれを備える電子装置に関する。本発明は、特に、ユーザの指または手を離れた所で通過させることにより制御される、マンマシンインタフェース、スイッチ、ポテンショメータ、および電力調整器または電圧調整器に適用される。
【0002】
さらに詳細には、本発明の目的である制御装置により、電子装置を制御する、または、移動体(例えば手など)をこの電圧調整器の前に通過させることによって、エネルギー源(電気、水、ガス、熱など)の流量を変化させることができる。本発明は、例えば、メディア(例えば音楽、固定画像または映像)の再生器/録画器、ランプもしくはその他のあらゆる照明システム(例えば調光器内にあるもの)、自動ロールシャッター(例えば機械作動用の接触を果たすもの)、水またはガスの栓(水量調節)、ラジエータもしくはその他の暖房設備(例えばサーモスタット)、換気システム(例えば空調装置、換気装置)、またはエレベータ内での階選択、リモートコントロールもしくはキーボードに使用できる。
【背景技術】
【0003】
照明システムに、スイッチ、電圧調整器もしくは調光器、線形式もしくは回転式ポテンショメータまたはボタンを、すべて手動制御で使用すること、または、水もしくはガスの流量の制御システムに、機械的栓を使用することが知られている。しかしながら、これらの機械設備は、可動式の機械部品を備え、この機械部品は機械部分の摩滅により損傷するため、その寿命は限られている。
【0004】
また、ユーザがタッチ画面をタッチして機能を制御するタッチインターフェースも知られている。しかしながら、これらの画面の感度は変化することがあり、押圧を繰り返すことで摩滅が起きる。
【0005】
さらに、機械設備を手動操作したりタッチ画面を押圧したりすると、醜い跡が残り、最終的には汚れてしまう。最後に、機械設備およびタッチ画面は、特に共同使用する場合には衛生面および感染リスクの面で欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、これらの欠点を改善することに焦点を当てている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために、本発明は、第一に、光線発信器と、該発信器の発信範囲内で前記発信器が発信し、この対から離れた所に置かれた移動体に反射される光線の受信器とで形成される、少なくとも1対の発信器−受信器を備える制御装置であって、前記受信器は、前記発信器から離れ、自らが受信する発信器からの光線を表す電子信号を供給するように適合される制御装置において、本装置がさらに、
− 少なくとも1つの前記対に対し、アクションを識別する少なくとも1つのシンボルを、前記発信器の発信円錐部と前記受信器の受信円錐部との交点の前に表示するように適合された表示手段であって、前記発信器および前記受信器は、各シンボルの表示領域の外部にある手段と、
− 少なくとも1つの前記受信器が供給する電子信号に応じてアクションの制御信号を供給するように適合された制御手段であって、発信器−受信器の各対は、移動体が前記アクションを識別するシンボルの前にあるときに、少なくとも1つのシンボルと少なくとも1つの制御されたアクションとに関連付けられる手段と
を含むことを特徴とする制御装置に焦点を当てている。
【0008】
このような措置により、例えばメディアの読み出し、読み出しの休止、高速の早送りまたは巻き戻し、停止など、アクションを制御させるために、ユーザは、このアクションを識別するシンボルの方へ自分の指を指すだけでよく、制御装置に触れる必要はない。
【0009】
本発明の目的である制御装置は接触を伴わないため、その人間工学性は、先行技術の装置と比して改良することができる。この人間工学性は、変形例で柔軟性を持たせることもできる。すなわち、例えば本装置により設定された状態で利用可能なアクションに応じて、設置者が、ユーザが、またはソフトウェアがこの人間工学性をパラメータ化することができる。例えば、アクションのトリガーに必要な範囲、時間、およびアクションをトリガーする動きは、設置時または設置後に、ユーザの要望により、またはソフトウェアごとに調節することができる。
【0010】
ユーザがアクションを起動させる機械部品がないため、制御装置の信頼性および寿命は、先行技術の装置よりも優れたものにすることができる。
【0011】
本発明の目的である制御装置は、とりわけ以下の環境における操作も回避する。
− 湿った環境:浴室、屋外、潜水下など、感電死のリスクがある場所、
− 汚れやすい環境:工場、公共の場所(交通機関、エレベータ)、および
− 清潔な環境:病院、農産物加工場、公共の場所。
【0012】
本発明の目的である制御装置を使用することにより、蛮行に遭うリスクも軽減され、本制御装置を遮蔽または隠すことができるため、汚れるリスクまたは感染リスクが軽減される。
【0013】
特定の特徴によれば、表示手段は、光を発信することによって少なくとも1つのシンボルを表示するように適合される。このような措置により、表示されたシンボルは、とりわけ周囲光が弱い環境でより見やすくなる。
【0014】
特定の特徴によれば、表示手段は、画面上に少なくとも1つのシンボルを表示するように適合される。このような措置により、異なるシンボルまたは同じシンボルの異なる色もしくはコントラストを、同じ表示手段で表示することができる。
【0015】
表示手段は、印刷、シルクスクリーン印刷、彫刻、または総体的に着色した少なくとも1つのシンボルを表示することもできることに注意されたい。
【0016】
特定の特徴によれば、少なくとも1つのシンボルの表示領域は、少なくとも3つの発信器および/または受信器で包囲され、各発信器と各受信器とを結ぶ線分は、シンボルの表示領域と重なる。
【0017】
したがって、本発明により、ユーザの指と画面との間の接触なしに動作するタッチ画面を構成することができ、これには、従来のタッチ画面と比して冒頭で述べた利点が備わる。送り出された光源と発信された振動の認識手段とを使用して、発信器数と受信器数の積に等しいタッチ領域数を区別できるマトリクス状のタッチ画面を構成することができ、これらの発信器および受信器は、画面の周囲に設置されることに注意されたい。
【0018】
特定の特徴によれば、制御手段は、反射する移動物体に反射したものではない周囲光の影響を排除するように適合された処理手段を備える。
【0019】
このような措置により、本発明の目的である制御装置は、周囲光線が同程度の強さでも、さらには移動体に反射して受信器へ向かう光線よりも大きい場合であっても、使用することができる。
【0020】
特定の特徴によれば、少なくとも1つの光線発信器は、断続的に光線を発信するように適合され、処理手段は、光線発信器が光線を発信しないときに、各受信器から供給される電子信号レベルを記憶するように適合され、アクションの制御信号は、受信した瞬間的な光線および記憶されたレベルに応じる。
【0021】
特定の特徴によれば、少なくとも1つの光線発信器は、断続的に光線を発信するように適合され、処理手段は、光線発信器が光線を発信しないときに、各受信器から供給される電子信号レベルを外挿するように適合され、アクションの制御信号は、受信した瞬間的な光線および外挿されたレベルに応じる。
【0022】
このような個々の措置により、処理手段は、各受信器が受信する通常の周囲光線を計算に入れることができ、各受信器に対して、反射する移動物体上での反射後に受信した光線を判断することができ、これによってこの光線の存在を判断する精度が増す。
【0023】
特定の特徴によれば、少なくとも1つの光線発信器または光線受信器は、少なくとも1つのマスクに関連付けられ、発信器が使用する少なくとも1つの波長を通すこのマスクの部分は、前記波長の光を検出することができる受信器の方向に延びる。
【0024】
これらの措置により、ノイズ信号は大幅に削減される。
【0025】
特定の特徴によれば、制御手段は、パルス幅変調した出力信号を供給するように適合される。
【0026】
特定の特徴によれば、上記で簡潔に説明したような制御装置は、遠隔でコマンドを受信または送信するための通信手段を備える。
【0027】
これらの措置により、制御装置は、駆動装置、外部電子回路または同等の制御装置と通信することができる。
【0028】
特定の特徴によれば、少なくとも1対の発信器−受信器において、発信器および受信器の軸は同軸である。実際、この措置によって制御装置の感度が向上するとともに、ノイズの発生および周囲光の雑音も減少することが本発明者により明らかになった。
【0029】
特定の特徴によれば、表示手段は、少なくとも1つの前記対に対し、アクションを識別する少なくとも1つのシンボルを表示し、前記シンボルを含む面に直交する軸であって、前記シンボルが規定する凸状領域を土台とする軸が、前記発信器の発信軸および/または前記受信器の受信軸と交差するように適合される。
【0030】
特定の特徴によれば、シンボルの表示領域に接触して置かれた指は検出されないため、この物体は、発信器が発信した光線を光線受信器の方向へ一切反射しない。したがって、ユーザの指が装置の表面に触れてこの表面を汚してしまうリスクが減少する。
【0031】
本発明は、第二に、アクションを実行するように適合された電子装置であって、少なくとも1つの前記アクションを制御する、本発明の目的である制御装置を備えることを特徴とする電子装置に焦点を当てている。
【0032】
本発明は、第二に、光線発信器と、該発信器の発信範囲内で前記発信器が発信し、この対から離れた所に置かれた移動体に反射される光線の受信器とで形成される、少なくとも1対の発信器−受信器を備える装置を用いた制御方法であって、前記受信器は、前記発信器から離れ、自らが受信する発信器からの光線を表す電子信号を供給するように適合される制御方法において、本方法がさらに、
− 少なくとも1つの前記対に対し、アクションを識別する少なくとも1つのシンボルを、前記発信器の発信円錐部と前記受信器の受信円錐部との交点の前に表示するステップであって、前記発信器および前記受信器は、各シンボルの表示領域の外部にあるステップと、
− 少なくとも1つの前記受信器が供給する電子信号に応じてアクションの制御信号を供給する制御ステップであって、発信器−受信器の各対は、移動体が前記アクションを識別するシンボルの前にあるときに、少なくとも1つのシンボルと少なくとも1つの制御されたアクションとに関連付けられるステップ
とを含むことを特徴とする制御方法に焦点を当てている。
【0033】
本電子装置および本方法の利点、目的および特定の特徴は、上記で簡潔に説明したような本発明の目的である制御装置と類似しているため、ここでは再度記載しない。
【0034】
本発明のその他の利点、目的および特徴は、添付の図面を参照し、説明を目的とする非限定的な以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の目的である制御装置の第1の実施形態を示す概略図である。
【図2A】本発明の目的である制御装置の第2の実施形態の断面概略図である。
【図2B】本発明の目的である制御装置の第2の実施形態の正面概略図である。
【図3】図2に示す制御装置の実施形態に搭載した電子回路の機能全体を示すブロック図である。
【図4】図2および図3に示す制御装置が実施するステップのフローチャートである。
【図5】本発明の目的である制御装置の第3の実施形態を示す概略図である。
【図6】本発明の目的である制御装置の第4の実施形態を示す断面概略図である。
【図7】本発明の目的である制御装置の第5の実施形態を示す正面概略図である。
【図8】本発明の目的である制御装置の第6の実施形態を示す正面概略図である。
【図9】本発明の目的である制御装置の第7の実施形態を示す正面概略図である。
【図10】図6に示す装置の第4の実施形態の一変形例であり、互いに直交する別の2つの軸に沿い、かつ図6に示す断面軸を含む図である。
【図11】図6に示す装置の第4の実施形態の一変形例であり、互いに直交する別の2つの軸に沿い、かつ図6に示す断面軸を含む図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本明細書全体において、赤外光線の使用に関して記載する。しかしながら、本発明は、この種の光線に限定されるものではなく、むしろ、音波のなかでもとりわけ超音波の放射、およびインダクタンスの変動を判断するための電子分野にまで及ぶ。
【0037】
図1において、電子装置100は、制御装置105、マイクロプロセッサ110、電源を介する給電コード115、エネルギー源120および表示手段150を備えていることがわかる。
【0038】
制御装置105は、1つの赤外線発信器125および4つの赤外線受信器131〜134を備える。したがって、光線発信器125と、この発信器が発信する光線であって、発信器125の発信範囲で対から離れた所に置かれた移動体に反射する光線を受信する受信器のうちの1つとで形成される、4対の発信器−受信器(125−131、125−132、125−133および125−134)を構成する。各対において、受信器は、発信器から離れ、自らが受信する発信器からの光線を表す電子信号を供給するように適合されることに注意されたい。
【0039】
エネルギー源120は、例えば、電池、アキュムレータ、光センサもしくは電源に接続した変圧器、または電源に接続したツェナーダイオードに基づく回路もしくはスイッチングレギュレータである。
【0040】
赤外線発信器125および赤外線受信器131〜134は、赤外線発信器210および4つの赤外線受信器216〜219についてそれぞれ図2Aおよび図2Bで説明したように機能する。マイクロプロセッサ110は、赤外線受信器131〜134から受信した電子信号レベルをロジック電圧レベルに変換するロジック入力部を備える。
【0041】
基準レベルは、発信器125の発信範囲内に、例えば受信器131〜134から3センチメートルの所に置かれた指など、所定の距離内には赤外線を反射する移動物体がないことを表すものとして、製造時または設置時に決定されたレベルである。
【0042】
表示手段150は、発信器−受信器の各対に対し、発信器と受信器との間の中間距離で、アクションを識別する少なくとも1つのシンボル(図2Bの211〜214)を表示するように適合される。例えば、各シンボルは、発信器125および受信器131〜134を覆う、例えばプラスチック製の透明なプレートにシルクスクリーン印刷することで構成される。各シンボルは、好適な一実施形態では、例えば発光ダイオード(「LED」)を用いてバックライトで照明される。実施形態では、各照明は、強度および/または色をマイクロプロセッサ110が制御する。
【0043】
マイクロプロセッサ110は、少なくとも1つの前記受信器が発信した電子信号に応じて、アクションの制御信号を供給するように適合された制御手段を構成する。したがって、発信器−受信器の各対は、表示手段150が表示する少なくとも1つのシンボルと、移動体が前記アクションを識別するシンボルの前にあるときにマイクロプロセッサが制御する少なくとも1つのアクションとに関連付けられる。
【0044】
変形例では、単一の発信器、単一のシンボル、および単一の受信器、場合によっては単一のコンポーネントに組み合わせた発信器/受信器/シンボルによって、2つの安定した位置にある制御ボタンまたはスイッチを設けることができることがわかる。つまり、表示されたシンボルの正面を反射物体が通過するたびに、ボタンまたはスイッチは位置を変更する。
【0045】
図2Aおよび図2Bでは、赤外線発信器210を備える制御装置207、4つの赤外線受信器216〜219、マルチプレクサ220、デジタイザ225、コントローラ230、同期モジュール235、変圧器240、レギュレータ245、モデム250、および電荷260に接続される電力モジュール255は、電子装置200(部分的に破線で表示)に搭載され、電源用給電ケーブル205(外皮は図2Aの断面図に表示)に接続されていることがわかる。
【0046】
赤外線発信器210は、例えば120°の大きな発信角度を有する、例えば発光ダイオードである。その発信は、コントローラ230が制御する。4つの赤外線受信器216〜219は、公知のタイプのフォトダイオード、フォトトランジスタまたはフォトレジスタである。これらの赤外線発信器は、この実施形態では、垂直ライン上(発信器216および218)および水平ライン上(217および219)に規則的な間隔をあけて設置され、これらのラインは赤外線発信器210の位置で交差する。これらの赤外線発信器の出力部は、コントローラ230が制御するマルチプレクサ220の入力部に接続され、赤外線受信器216〜219から出力される信号をデジタイザ225に順次供給する。
【0047】
デジタイザ225は、マルチプレクサ220から出力される信号を受信し、デジタル化した信号をコントローラ230に供給する。クロック、RAMおよびROM(図示せず)を備えるコントローラ230は、公知のタイプのものである。コントローラは、自らのROMに保存されたプログラムを実行し、図4に示したフローチャートを実施する。
【0048】
同期モジュール235は、電源電圧がゼロになったことを示す信号をコントローラ230に供給するとともに、電力モジュール255の出力を制御する。
【0049】
コントローラ230が供給するコマンドに応じてエネルギーを分配する電力モジュール255は、(トライアックと、パルス幅変調PWMで出力される信号に接続されるその制御部とを備えた)調光器回路、トランジスタ、リレー、これらの同じコンポーネントに被害を及ぼすことなく電力を分散してエネルギーの流れをコントロールすることができるポテンショメータ、ポテンショメータを逐一コントロールするモータのいずれかを用いて構成される。
【0050】
調光器回路の場合、コントローラ230のパルス幅変調PWMの信号によって、かつ(例えばフォトカプラなどの光学手段によって)電力回路を制御回路から電気的に絶縁するトライアックを制御するコンポーネントを介して(同期を取るために電源がゼロであることを検出)、この調光器回路を制御することができる。
【0051】
変圧器240およびレギュレータ245は、コントローラ230および直流での給電を必要とするその他のコンポーネントに直流電圧を供給する。変圧器240は交流電圧を低下させ、レギュレータ245は交流電圧を調節された直流電圧に変換する。
【0052】
モデム250は、コントローラ230および電源に接続され、コントローラ230が電力線搬送通信する他のコントローラと通信するように電力線搬送で信号を実装する。変形例では、モデム250は、赤外線またはX線の発信器−受信器に接続され、他の同等のコントローラと通信する。
【0053】
マルチプレクサ220およびデジタイザ225があることによって、コントローラは、赤外線受信器216〜219が受信する光度のデジタル値を有し、これには、赤外線発信器210が発信する光度であって、この発信器および受信器の正面にある、すなわち発信範囲または受信範囲にそれぞれある物体が反射する光線の光度も含まれる。
【0054】
コントローラ230は、発信器210を断続的にオンにするよう制御し、発信器210がオフのときは受信器216〜219が受信した赤外線の光度のデジタル値を、発信器210がオンのときはこれらのデジタル値を連続的に取得して、マルチプレクサ220との同期を取るようにする。
【0055】
変形例では、ノイズ信号の中で認識できる可能性がある、発信された光信号を変調するために、パルス幅変調(「pulse width modulation」を表す英語の頭文字PWMとして知られる)を使用する。
【0056】
発信器がオンのときに受信される光度と発信器がオフのときに受信される光度とを比較することによって、コントローラ230は、周囲光の影響、つまり雑音を排除し、受信器210が発信する光量を決定し、この光量は各受信器216〜219の方へ反射される。
【0057】
変形例では、周囲光の影響を排除するため、コントローラ230は、受信器216〜219が受信した光度値から、長時間(例えば5秒)にわたるその平均値、または公知のタイプの外挿関数を用いた外挿値を差し引く。変形例では、信号は、閾値によって、または受信器が発信器のパルス幅変調PWMまたは他の発信器の信号を受信しているかどうかを知ることができる周波数によって、またはこの両方によって区別される。
【0058】
変形例では、発信器210が発信した光への露出差を補償するため、コントローラ230は、受信器216〜219が受信した光度のデジタル値に乗算係数を適用する。これらの係数は、例えば、制御装置から所定の距離、例えば30cmのところに設置した白壁で移動物体を代替して測定した光度の逆数である。
【0059】
次に、コントローラ230は、受信器216〜219が受信した光度レベルに応じて、制御装置の正面に位置する反射物体の位置を判断する。例えば、コントローラ230は、反射した最も強い光度を受信する受信器の番号のみを反射物体の位置として判断する。そのため、コントローラ230が判断した反射物体の位置は、受信器の値と同じ値をとることができる。
【0060】
変形例では、起動時に判断されたために古くなった限定値を回避するため、最後に測定した平均値を限界値として使用する。
【0061】
このようにして判断された位置に応じて、コントローラ230は、同期モジュール235が供給する同期信号を計算に入れて、パルス幅変調で電力モジュールを制御する。
【0062】
移動物体が制御装置の正面にあるかどうかをコントローラ230が判断する間の段階以外では、コントローラ230は、モデム250を介して他の制御装置から受信する指示を計算に入れる。
【0063】
表示手段265は、発信器−受信器の各対に対し、アクションを識別する少なくとも1つのシンボル(図2Bの211〜214)を、発信器と受信器との間に表示するように適合される。例えば、各シンボルは、シルクスクリーン印刷によって、発信器125および受信器131〜134を覆う、例えばプラスチック材料製の透明なプレート内に構成される。各シンボルは、好適な一実施形態では、例えば発光ダイオード(「LED」)を用いてバックライトによって照明される。実施形態では、各照明は、所与の瞬間に利用可能なアクションに応じて、強度および/または色をマイクロプロセッサ110が制御する。
【0064】
図3には、図2Aおよび図2Bに示した制御装置の機能全体が示されている。この図3において、破線矢印は情報の流れを示し、実線矢印はエネルギーの流れを示す。図3には、電源装置305、光モジュール310、データ処理モジュール315、電力モジュール320および電荷325が示されている。
【0065】
図2Aおよび図2Bに関して説明したように、電源装置305は、例えばバッテリまたは電源に接続した変圧器を備える。光モジュール310は、赤外線発信器210および赤外線受信器216〜219を備える。赤外線発信器210による赤外線の発信はデータ処理モジュール315が制御し、赤外線受信器216〜219からの信号はデータ処理モジュール315に送信される。データ処理モジュール315は、赤外線信号の発信および受信スペクトル内で少なくとも部分的に反射する物体、例えば手または指が、光モジュール310の正面にあるかどうかを判断し、正面にある場合、この移動物体の位置を判断する。これらの情報に応じて、データ処理モジュールは、電力モジュール320が電荷325に供給する電力を制御する。
【0066】
図4には、制御装置の初期化ステップ400、次に、赤外線受信器が受信した光度の読み取りステップ402が示されている。ステップ404では、赤外線発信器のオンを制御する。次に、ステップ406では、赤外線受信器が受信した光度を読み取る。ステップ408では、このエネルギー源を冷却し、寿命を延長し、場合によっては電力消費を低下させるため、赤外線の発信器をオフにする。ステップ410では、ステップ406で読み取った値から、ステップ402で読み取ったこれに対応する値を差し引く。
【0067】
ステップ412では、差し引き結果を閾値と比較して、制御装置の正面にある物体への反射が起こったかどうかを判断する。すべての結果が閾値未満であれば、ステップ414で、制御命令が別の制御装置の一部から受信されたかどうかを判断する。命令が一切受信されなかった場合、ステップ402に戻る。命令が受信された場合、ステップ416で、例えば電力モジュールを制御してこの命令を実行し、この制御状態をもう1つのステップ416またはステップ420まで維持し、ステップ402に戻る。
【0068】
少なくとも1つの差し引き結果が閾値超であれば、ステップ418で、シンボルの正面にある物体の位置を判断し、ステップ420で、検討するシンボルまたは物体の位置に応じて、電力モジュールを制御し、この制御状態をもう1つのステップ420またはステップ416まで維持する。その後、ステップ402に戻る。
【0069】
図5では、制御装置507は、以下の点を除いて図2Aおよび図2Bに示した制御装置207と同じ素子を備える。
− 赤外線発信器210が、4つの赤外線発信器511〜514(この断面図では発信器511および513のみが見えている)に代替されている。
− 4つの赤外線受信器216〜219が、単一の赤外線受信器515に代替されている。
− 電源ケーブル205が、コネクタ505に代替されている。
− 同期モジュール235、変圧器240、レギュレータ245、モデム250、電力モジュール255および電荷260がない。
【0070】
制御装置507が発信したコマンドは、コネクタ505および制御装置507の電源装置を介して伝送される。
【0071】
赤外線発信器511〜514は、発信角度が並置されている。赤外線受信器515は、受信角度が大きく、例えば120°である。制御装置の動作は以下のとおりである:赤外線発信器511〜514を順次オンにし、異なる赤外線発信器を連続してオンにする2回のオンの間に、すべての発信器をオフにする段階を設ける。
【0072】
コントローラ230は、図2Aおよび図2Bに関して記載したものと同様に、受信器515が順次受信した光度に応じて、周囲光の影響、および場合によっては発信器のうちの1つの正面に置かれた移動物体の位置を判断する。
【0073】
この実施形態では、表示装置520によって、コントローラ230とユーザとの間の通信が可能になる。例えば、コントローラ230は、表示装置520に電力線搬送で受信したコマンドを表すメッセージ、電子装置の状態または動作モードを表示する。
【0074】
図2Aおよび図2Bに示した受信器の星形の配置は、突起がいくつある星形形状を取ってもよいことがわかる。中央の受信器があるこの星形配置は、例えば正方形、六角形、場合によっては中央の受信器または第1の多角形に組み込まれた第2の多角形と嵌合する形状など、多角形の配置に代替してもよい。
【0075】
変形例では、各赤外線受信器を赤外線発信器に接続し、この2つの機能を実行するコンポーネント内に搭載するようにする。
【0076】
ハードウェアおよび/またはソフトウェアを用いた方法を利用して、望まないアクションのトリガーを回避してもよい(例えば、複数のセンサが同時に「刺激」されれば、制御されるアクションはなくなる)。
【0077】
図6において、電子装置600は、制御装置605、コネクタ610およびエネルギー源620を備えていることがわかる。
【0078】
制御装置605は、赤外線発信器625、2つの赤外線受信器630および635、ならびにシンボル640および645の支持体、ならびにコントローラ650を備える表示装置を備える。シンボル640および645の支持体に支持されるシンボルは、ユーザの指がこのシンボルの正面にあるときに、コネクタ610を介してコントローラ650が電子装置600内でトリガーしたアクションに対応する。指の存在は、上記で説明したように、赤外線受信器630および635が発信した信号に応じて、コントローラ650が検出する。
【0079】
図6に示した実施形態では、受信器630および635は、発信器625の方を向いた軸を有する。図6に示した例では、これらの軸の向きは、発信器625の軸に対して約35°である。受信器の光学範囲は、ここでは約70°、すなわち受信器の軸に対して+/−35°である。発信器625は、ここでは約150°に及ぶ光学範囲を有する。
【0080】
このような配置は、発信器の軸上で受信器の軸が収束する点に相当する距離、およびこの距離内で、装置の感度を上げるのに有利である。実際、この面と装置の前方正面の面との間に置かれた反射物体は、ほぼ最大の感度に相当する方向から受信器の方へ光を反射する。
【0081】
本発明者は、さらに同等のいかなるものに関しても、1対の発信器−受信器のそれぞれの素子が傾斜することによって、範囲を広げることができ、それによってユーザの使用快適度ならびにノイズ、雑音および外部の光源への耐性を高めることができることを発見した。
【0082】
このそれぞれの傾斜を達成するため、当業者は、非導電材料製の傾斜台を設けるか、あるいはより単純に、該当するコンポーネントの足を、これらのコンポーネントとこれらを取り付ける電子回路との間で軽くねじってもよい。
【0083】
発信器−受信器の対の素子の好適なそれぞれの傾斜に関するこの教示は、このような2つの対しかない場合に限定されるものではなく、むしろ、本発明のあらゆる実施形態にも及び、特に、図1から図5に示した特定の実施形態にも及ぶ。
【0084】
したがって、本発明の目的である装置は、本装置から離れた所に置かれた物体を検出するように適合され、本装置と接触している物体は検出しないように適合されることが好ましい。よってこの物体は、光線受信器の方向へは光線を一切反射しない。したがって、指の跡および本装置の表面が汚れるリスクを回避する。
【0085】
図10および図11は、図6に示した本装置の第4の実施形態の一変形例を示し、互いに直交する別の2つの軸に沿い、かつ図6に示した断面軸を含む図である。図10は、概ねユーザが見るものを表した本装置の正面図である。図11は、断面側面図である。
【0086】
図10では、シンボル640および645の表示手段は、発信器と受信器との各対625および635ならびに625および630に対し、シンボル640および645を、発信器625の発信円錐部660と受信器630または635の受信円錐部655との交点の前に表示するように適合されることがわかる。したがって、発信器および受信器は、各シンボルの表示領域からさらに一層離れる。
【0087】
図11では、受信器630は、この断面図では、発信器625および受信器635ならびにシンボル640および645の支持体を備える表示装置を隠し、シンボル640は、この断面図ではシンボル645に隠れていることがわかる。図11には、発信器625の発信円錐部660および受信器630の受信円錐部655、受信円錐部655の軸665、および前記シンボルを含む面に直交する軸であって、前記シンボルが規定する凸状領域を土台とする軸670も示した。ここで凸部とは、数学的意味で、図(ここではシンボル)の2点の間にあるすべての点を含む表面または体積であることに留意されたい。前記シンボルを含む面に直交する軸であって、前記シンボルが規定する凸状領域を土台とする軸670は、受信器630の受信軸665と交差することがわかる。その他の実施形態では、前記シンボルを含む面に直交する軸であって、前記シンボルが規定する凸状領域を土台とする軸は、発信器の発信軸と交差する、または発信器の発信軸と受信器の受信軸と同時に交差する。
【0088】
図7では、本発明の目的である制御装置の第5の実施形態において、画面705は、複数の発信器710および715と複数の受信器720および725との間に配置されていることがわかる。画面705は、例えば図7に示した制御装置を備える電子装置により設定された状態で可能な制御に応じて、同時か断続的に、シンボル730、735、740および745を表示するように適合される。
【0089】
図8では、本発明の目的である制御装置の第6の実施形態において、画面805は、複数の発信器810および815と複数の受信器820および835との間に配置されていることがわかる。画面805は、例えば図8に示した制御装置を備える電子装置により設定された状態で可能な制御に応じて、同時か断続的に、シンボル840、845、850および855を表示するように適合される。
【0090】
変形例では、画面705または805の各領域は、1つのシンボルしか表示できない。その他の変形例では、画面705または805は、画面の各領域に異なるシンボルを表示することができる。特に、画面705または805はマトリクス状であることが好ましく、これによって模様、アイコン、文字、数字または画像、場合によって動画の形態をしたシンボルを表示でき、使用するスタイル、フォントは、電子装置ごとに、または同じ電子装置であっても構成ごとにもしくは国ごとに様々であってよい。
【0091】
一般に、実施形態において、画面は、少なくとも3つの発信器および/または受信器で包囲され、各発信器を各受信器に接続している線分は画面領域と重なり、この画面領域の上に表示手段がシンボルを表示するように適合される。
【0092】
したがって、本発明によって、ユーザの指と画面との間の接触なしに機能するタッチ画面を構成することができ、これには従来のタッチ画面に比して冒頭で述べた利点が備わる。送られた光源および発信された振動の認識手段を利用することで、発信器の数と受信器の数との積に等しいタッチ領域数を区別できる、マトリクス状のタッチ画面を構成することができ、これらの発信器および受信器は画面の周囲に設置されることに注意されたい。
【0093】
図9では、本発明の目的である制御装置の第7の実施形態905において、中央発信器910は、この中央発信器910と受信器915〜930との間に位置するシンボル940〜955に包囲されていることがわかる。この実施形態では、装置905の表面は、受信器915〜930の正面以外では、使用波長を通さない。しかしながら、中央発信器910の正面では、それぞれの受信器915〜930の方へ延びる領域955〜970の上では、装置905の表面は少なくとも部分的にこれらの波長を通す。したがって、発信器910が発信する光量は、シンボル935〜950および受信器955〜970の方向の方が他の方向よりも多い。したがって、領域955〜970はマスクを規定し、発信器が使用する少なくとも1つの波長を通すこのマスクの部分は、前記波長の光を検出できる受信器の方向に延びる。これらマスクは、発信器が使用する少なくとも1つの波長を通す部分が、前記波長の光を検出できる受信器の方向に延びる。これらのマスクは、例えば長方形または楕円形にすることができ、その最大の寸法は、検討する発信器と受信器とを結ぶ直線とほぼ同じである。変形例では、このようなマスクは、受信器の正面に設置され、場合によっては発信器の正面に設置されたこのようなマスクと組み合わせてもよい。
【0094】
それぞれの実施形態に対し、ユーザの指の存在の検出は、以下の複数のステップで行うことができる。
− 受信器が受信した光度の平均を算出。
− 受信した光値のうちの1つ、かつ1つのみがこの平均を超えているかどうかを検出。
− 超えている場合、例えば1ミリ秒後に前のステップを繰り返す。
【0095】
再度同じ受信器が、この受信器のみで測定した平均を超えるものを受信した場合、対応するシンボルがユーザに選択されたと考える。それ以外の場合は、これらのステップの最初に戻る。
【0096】
検出ステップを繰り返すことによって、バウンス現象を防ぐことできる点に注意されたい。
【0097】
上記で詳述した実施形態に関して説明したように、光線の各発信器および各受信器は、各シンボルの表示領域外にあることが好ましい。したがって、このシステムの構成は、簡略化され、コストを下げられる。特に、発信器および受信器は、表示されたシンボルの下にはなく、これには前述した利点がある。さらに、発信器が発信した光も受信器が受信した光もシンボルを通過しないため、シンボルの表示構成は、印刷であってもオンまたはオフによる表示であっても、発信器および受信器の技術的特徴には何ら影響されない。
【0098】
上記で説明した様々な実施形態は、例として挙げたものである。その他の実施形態は、上記で説明した実施形態と組み合わせて構成される。例えば、各発信器を各受信器に接続する線分が画面領域と重なり、この画面領域上で表示手段がシンボルを表示するように適合された、図8に示した実施形態は、少なくとも1つの光線発信器が少なくとも1つのマスクと関連づけられ、発信器の使用する少なくとも1つの波長を通すこのマスクの部分が前記波長の光を検出できる受信器の方向に延びる、図9に示した実施形態とうまく組み合わさる。
【0099】
本制御装置のおよびその機能の実施形態に関する本明細書は、光線発信器と、該発信器の発信範囲内で前記発信器が発信し、この対から離れた所に置かれた移動体に反射される光線の受信器とで形成される、少なくとも1対の発信器−受信器を備える装置を用いた制御方法であって、前記受信器は、前記発信器から離れ、自らが受信する発信器からの光線を表す電子信号を供給するように適合される制御方法において、本方法がさらに、
− 少なくとも1つの前記対に対し、アクションを識別する少なくとも1つのシンボルを、前記発信器の発信円錐部と前記受信器の受信円錐部との交点の前に表示し、前記発信器および前記受信器は、各シンボルの表示領域の外部にあるステップと、
− 少なくとも1つの前記受信器が供給する電子信号に応じてアクションの制御信号を供給する制御ステップであって、発信器−受信器の各対は、移動体が前記アクションを識別するシンボルの前にあるときに、少なくとも1つのシンボルと少なくとも1つの制御されたアクションとに関連付けられるステップ
とを含むことを特徴とする制御方法を定義するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1対の発信器−受信器(125、131、134、210、216〜219、511、513、515、625〜635、710〜725、810〜835、910〜930)を備え、光線発信器と、該発信器の発信範囲内で前記発信器が発信し、前記対から離れた所に置かれた移動体に反射される光線の受信器とで形成される、制御装置であって、前記受信器は、前記発信器から離れ、自らが受信する前記発信器からの光線を表す電子信号を供給するように適合される制御装置において、本装置がさらに、
− 少なくとも1つの前記対に対し、アクションを識別する少なくとも1つのシンボルを、前記発信器の発信円錐部と前記受信器の受信円錐部との交点の前に表示するように適合された表示手段であって、前記発信器および前記受信器は、各シンボルの表示領域の外部にある手段(132、133、211〜214、640、645、705、805、935〜950)と、
− 少なくとも1つの前記受信器が供給する前記電子信号に応じてアクションの制御信号を供給するように適合された制御手段であって、発信器−受信器の各対は、前記移動体が前記アクションを識別する前記シンボルの前にあるときに、少なくとも1つのシンボルと少なくとも1つの制御されたアクションとに関連付けられる手段(110、230、315、650)と
を含むことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記表示手段は、少なくとも1つのシンボルを画面(750、805)に表示するように適合されることを特徴とする、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
少なくとも1つのシンボルの前記表示領域(705、805)は、少なくとも3つの発信器および/または受信器(710〜725、810〜835)に包囲され、各発信器と各受信器とを結ぶ線分は、シンボルの表示領域(730〜745、840〜855)と重なることを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、反射する移動物体に反射したものではない周囲光の影響を排除するように適合された処理手段を備えることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
少なくとも1つの光線発信器は、断続的に光線を発信するように適合され、前記処理手段は、前記光線発信器が光線を発信しないときに、各受信器から供給される電子信号レベルを記憶するように適合され、アクションの制御信号は、受信した瞬間的な光線および記憶されたレベルに応じることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
少なくとも1つの光線発信器または光線受信器は、少なくとも1つのマスク(955〜970)に関連付けられ、前記発信器が使用する少なくとも1つの波長を通す前記マスクの部分は、前記波長の光を検出することができる受信器の方向に延びることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御手段は、パルス幅変調した出力信号を供給するように適合されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
遠隔でコマンドを受信または送信するための通信手段を備えることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
少なくとも1対の発信器−受信器において、前記発信器による光発信軸および前記受信器による光受信軸は同軸であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記表示手段(132、133、211〜214、640、645、705、805、935〜950)は、少なくとも1つの前記対に対し、アクションを識別する少なくとも1つのシンボルを表示し、前記シンボルを含む面に直交する軸であって、前記シンボルが規定する凸状領域を土台とする軸が、前記発信器の前記発信軸および/または前記受信器の前記受信軸と交差するように適合されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項11】
シンボルの前記表示領域に接触して置かれた指は検出されないため、前記物体は、発信器が発信した光線を光線受信器の方向へ一切反射しないことを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項12】
アクションを実行するように適合された電子装置であって、少なくとも1つの前記アクションを制御する、請求項1から11のいずれか一項に記載の制御装置を備えることを特徴とする電子装置(100)。
【請求項13】
少なくとも1対の発信器−受信器(125、131、134、210、216〜219、511、513、515、625〜635、710〜725、810〜835、910〜930)を備え、光線発信器と、該発信器の発信範囲内で前記発信器が発信し、前記対から離れた所に置かれた移動体に反射される光線の受信器とで形成される装置を用いた制御方法であって、前記受信器は、前記発信器から離れ、自らが受信する前記発信器からの光線を表す電子信号を供給するように適合される制御方法において、本方法がさらに、
−少なくとも1つの前記対に対し、アクションを識別する少なくとも1つのシンボルを、前記発信器の発信円錐部と前記受信器の受信円錐部との交点の前に表示するステップであって、前記発信器および前記受信器は、各シンボルの表示領域の外部にあるステップと、
−少なくとも1つの前記受信器が供給する電子信号に応じてアクションの制御信号を供給する制御ステップであって、発信器−受信器の各対は、前記移動体が前記アクションを識別する前記シンボルの前にあるときに、少なくとも1つのシンボルと少なくとも1つの制御されたアクションとに関連付けられるステップ(110、230、315、650)
とを含むことを特徴とする制御方法。
【請求項1】
少なくとも1対の発信器−受信器(125、131、134、210、216〜219、511、513、515、625〜635、710〜725、810〜835、910〜930)を備え、光線発信器と、該発信器の発信範囲内で前記発信器が発信し、前記対から離れた所に置かれた移動体に反射される光線の受信器とで形成される、制御装置であって、前記受信器は、前記発信器から離れ、自らが受信する前記発信器からの光線を表す電子信号を供給するように適合される制御装置において、本装置がさらに、
− 少なくとも1つの前記対に対し、アクションを識別する少なくとも1つのシンボルを、前記発信器の発信円錐部と前記受信器の受信円錐部との交点の前に表示するように適合された表示手段であって、前記発信器および前記受信器は、各シンボルの表示領域の外部にある手段(132、133、211〜214、640、645、705、805、935〜950)と、
− 少なくとも1つの前記受信器が供給する前記電子信号に応じてアクションの制御信号を供給するように適合された制御手段であって、発信器−受信器の各対は、前記移動体が前記アクションを識別する前記シンボルの前にあるときに、少なくとも1つのシンボルと少なくとも1つの制御されたアクションとに関連付けられる手段(110、230、315、650)と
を含むことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記表示手段は、少なくとも1つのシンボルを画面(750、805)に表示するように適合されることを特徴とする、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
少なくとも1つのシンボルの前記表示領域(705、805)は、少なくとも3つの発信器および/または受信器(710〜725、810〜835)に包囲され、各発信器と各受信器とを結ぶ線分は、シンボルの表示領域(730〜745、840〜855)と重なることを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、反射する移動物体に反射したものではない周囲光の影響を排除するように適合された処理手段を備えることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
少なくとも1つの光線発信器は、断続的に光線を発信するように適合され、前記処理手段は、前記光線発信器が光線を発信しないときに、各受信器から供給される電子信号レベルを記憶するように適合され、アクションの制御信号は、受信した瞬間的な光線および記憶されたレベルに応じることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
少なくとも1つの光線発信器または光線受信器は、少なくとも1つのマスク(955〜970)に関連付けられ、前記発信器が使用する少なくとも1つの波長を通す前記マスクの部分は、前記波長の光を検出することができる受信器の方向に延びることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御手段は、パルス幅変調した出力信号を供給するように適合されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
遠隔でコマンドを受信または送信するための通信手段を備えることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
少なくとも1対の発信器−受信器において、前記発信器による光発信軸および前記受信器による光受信軸は同軸であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記表示手段(132、133、211〜214、640、645、705、805、935〜950)は、少なくとも1つの前記対に対し、アクションを識別する少なくとも1つのシンボルを表示し、前記シンボルを含む面に直交する軸であって、前記シンボルが規定する凸状領域を土台とする軸が、前記発信器の前記発信軸および/または前記受信器の前記受信軸と交差するように適合されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項11】
シンボルの前記表示領域に接触して置かれた指は検出されないため、前記物体は、発信器が発信した光線を光線受信器の方向へ一切反射しないことを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項12】
アクションを実行するように適合された電子装置であって、少なくとも1つの前記アクションを制御する、請求項1から11のいずれか一項に記載の制御装置を備えることを特徴とする電子装置(100)。
【請求項13】
少なくとも1対の発信器−受信器(125、131、134、210、216〜219、511、513、515、625〜635、710〜725、810〜835、910〜930)を備え、光線発信器と、該発信器の発信範囲内で前記発信器が発信し、前記対から離れた所に置かれた移動体に反射される光線の受信器とで形成される装置を用いた制御方法であって、前記受信器は、前記発信器から離れ、自らが受信する前記発信器からの光線を表す電子信号を供給するように適合される制御方法において、本方法がさらに、
−少なくとも1つの前記対に対し、アクションを識別する少なくとも1つのシンボルを、前記発信器の発信円錐部と前記受信器の受信円錐部との交点の前に表示するステップであって、前記発信器および前記受信器は、各シンボルの表示領域の外部にあるステップと、
−少なくとも1つの前記受信器が供給する電子信号に応じてアクションの制御信号を供給する制御ステップであって、発信器−受信器の各対は、前記移動体が前記アクションを識別する前記シンボルの前にあるときに、少なくとも1つのシンボルと少なくとも1つの制御されたアクションとに関連付けられるステップ(110、230、315、650)
とを含むことを特徴とする制御方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2013−517730(P2013−517730A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549404(P2012−549404)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際出願番号】PCT/FR2011/050109
【国際公開番号】WO2011/089363
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(512190538)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際出願番号】PCT/FR2011/050109
【国際公開番号】WO2011/089363
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(512190538)
【Fターム(参考)】
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