説明

制御装置システム、制御装置および周辺装置

【課題】周辺装置からの操作により容易に制御装置のメンテナンスを行うことが可能な制御装置システム、制御装置および周辺装置を得ること。
【解決手段】制御装置と周辺装置とが通信可能に接続されて構成された制御装置システムであって、前記制御装置が、データを格納するための揮発性メモリと、前記揮発性メモリへ電源の供給または遮断が可能な電源装置と、前記周辺装置からの指示情報に従って前記電源装置から前記揮発性メモリへの電源の供給または遮断の切り替えを行う切り替え手段と、自装置全体の制御を行う制御手段と、を備え、前記周辺装置が、前記制御装置に対して、前記電源装置から前記揮発性メモリへの電源の供給または遮断を指示する指示手段と、自装置全体の制御を行う制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周辺装置からの操作により制御装置のメンテナンスを行うことが可能な制御装置システム、制御装置および周辺装置に関し、特に、制御装置が内蔵している揮発性メモリに対するバッテリ電源の供給および遮断が周辺装置からの操作により可能な制御装置システム、制御装置および周辺装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえばシーケンサでは、ユーザプログラムデータやデバイスメモリなどのバックアップを要するデータは、性能向上のために高速アクセスが可能な、シーケンサ内蔵の揮発性メモリであるバックアップRAM(Random Access Memory)に格納している。しかしながら、このバックアップRAMは、シーケンサの電源を切ると内容が失われてしまうため、シーケンサの電源のOFF時には、バッテリからバックアップRAMへ電力供給することでバックアップRAMに格納したデータを保持している。
【0003】
このような従来のシーケンサにおいては、たとえばCPUとバッテリ電源遮断指示レジスタと揮発性メモリと不揮発性メモリとバッテリ電源遮断回路とバッテリとを備えることにより、バッテリからバックアップRAM(揮発性メモリ)へ電力供給する機能を実現することができる。
【0004】
そして、この構成においては、CPUがバッテリ電源供給遮断指示レジスタを介してバッテリ電源供給遮断回路のオン・オフ制御を行う。そして、バッテリ電源供給遮断回路がオフになっている場合は、バッテリから揮発性メモリへの電源供給は実施されないため、消費電力が抑えられ、長時間の記憶保持が可能となる。
【0005】
このような揮発性メモリにデータを記憶する技術に関しては、たとえば記憶保持するデータの量に応じて、複数の半導体記憶素子の内で記憶保持電圧を供給する半導体記憶素子を選択し、選択された半導体記憶素子に対して電源の電力供給を行い記憶保持を行うことにより、電源の電力消費を抑え、長時間の記憶保持を可能とする技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。また、その他の技術としては、たとえばバックアップのための少ない記憶容量を有効に利用して、揮発性メモリに格納された重要なデータの消失を防止することを可能にする技術が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
【0006】
また、特許文献1では、揮発性メモリ(RAM)とバッテリ電源供給遮断回路(スイッチ)が2セット図示されており、データが一方のRAMにのみ格納される場合は、もう一方のRAMへのスイッチをオフすることで消費電力を抑えるようにしている。一方、特許文献2においては、揮発性メモリ(特許文献2ではRAM)から不揮発性メモリ(特許文献2ではフラッシュメモリ)へデータをバックアップしてから、RAMへの電源供給をオフして消費電力を抑えることが行われている。
【0007】
【特許文献1】特開平5−289787号公報
【特許文献2】特開平11−149332号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の技術によれば、バッテリ電源から揮発性メモリへの電力の供給および遮断の指示を制御装置(たとえばシーケンサ)に対して直接行う必要がある。このため、制御装置のプログラミングおよびメンテナンスを行う、制御装置の周辺装置からはこれらの指示操作が行えず、周辺装置からの操作により揮発性メモリへの電力の供給および遮断の操作を行うことができない、という問題があった。また、制御装置が設置されている場所まで行かなければ、これらの指示操作を行うことができない、という問題があった。
【0009】
また、上記従来の技術によれば、揮発性メモリへバッテリ電源から電力が供給されているか遮断されているかが判別することができないない。このため、バッテリ電源からの電力供給が遮断の状態で誤って電源を落としてしまい、揮発性メモリに格納されたデータが消失してしまう危険性がある、という問題もあった。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、制御装置におけるバッテリ電源から揮発性メモリへの電力の供給および遮断を、周辺装置からの操作により容易に行うことが可能な制御装置システム、制御装置および周辺装置得ることを目的とする。本発明においては、さらに、揮発性メモリへ格納したデータの誤った操作による消失が防止された制御装置システム、制御装置および周辺装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる制御装置システムは、制御装置と周辺装置とが通信可能に接続されて構成された制御装置システムであって、制御装置が、データを格納するための揮発性メモリと、揮発性メモリへ電源の供給または遮断が可能な電源装置と、周辺装置からの指示情報に従って電源装置から揮発性メモリへの電源の供給または遮断の切り替えを行う切り替え手段と、自装置全体の制御を行う制御手段と、を備え、周辺装置が、制御装置に対して、電源装置から揮発性メモリへの電源の供給または遮断を指示する指示手段と、自装置全体の制御を行う制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、制御装置と周辺装置とが通信可能に接続し、制御装置が、データを格納するための揮発性メモリと、揮発性メモリへ電源の供給または遮断が可能な電源装置と、周辺装置からの指示情報に従って電源装置から前記揮発性メモリへの電源の供給または遮断の切り替えを行う切り替え手段と、自装置全体の制御を行う制御手段と、を備え、周辺装置が、制御装置に対して電源装置から揮発性メモリへの電源の供給または遮断を指示する指示手段と、自装置全体の制御を行う制御手段と、を備え、周辺装置が、制御装置に対して、電源装置から揮発性メモリへの電源の供給または遮断を指示する指示を出し、制御装置は周辺装置からの指示に従って電源装置から揮発性メモリへの電源の供給または遮断を行うように構成されている。
【0013】
これにより、この発明によれば、制御装置と接続された周辺装置から制御装置に対して所望の指示を行うことができ、周辺装置から容易に制御装置の揮発性メモリへのバッテリ電源の供給および遮断が行える、という効果を奏する。
【0014】
また、この発明によれば、周辺装置は周辺装置と通信可能に接続されているため、制御装置の配置場所に出向いて操作を行う必要が無く、制御装置から離れた遠隔地からでも周辺装置を用いて容易に制御装置に対する操作を行うことができる。すなわち、この発明によれば、制御装置から離れた遠隔地からでも周辺装置を用いて容易に制御装置の揮発性メモリへのバッテリ電源の供給および遮断が行える、という効果を奏する。
【0015】
そして、このようにして制御装置の揮発性メモリへのバッテリ電源供給・遮断を制御することで、消費電力を抑えることが可能であり、バッテリの長寿命化を実現することができ、また、長時間の記憶保持が可能となる、という効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明にかかる制御装置システム、制御装置および周辺装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0017】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる制御装置システムの概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態にかかる制御装置システムは、制御装置7と周辺装置9とを備えて構成され、制御装置7は、CPU(制御部)1、バッテリ電源供給遮断指示レジスタ2と、揮発性メモリ3と、不揮発性メモリ4と、バッテリ電源供給遮断回路5と、バッテリ6と、通信回路8と、を構成要素として有して構成されている。
【0018】
また、この制御装置7の通信回路8には、該制御装置のプログラミングおよびメンテナンスを行う周辺装置9が、ネットワークNWを介して接続されており、制御装置7と周辺装置9とが通信可能とされている。なお、本実施の形態において、周辺装置9は制御装置7から離れた位置に配置されている。
【0019】
また、周辺装置9は、CPU(制御部)12と、入力手段13と、表示手段14と、バッテリ電源供給遮断指示手段15とを備えて構成されている。ここで、バッテリ電源供給遮断指示手段15は、バッテリ6から揮発性メモリ3への電源の供給または遮断を制御装置7に対して指示する指示手段である。
【0020】
このような本実施の形態にかかる制御装置7においては、CPU(制御部)1によりバッテリ電源供給遮断指示レジスタ2を制御して、バッテリ電源供給遮断回路5のオン(供給)・オフ(遮断)の制御を行うことができる。ここで、バッテリ電源供給遮断回路5がオン(供給)状態である場合には、揮発性メモリ3に対してバッテリ6から電源(電力)が供給される。また、バッテリ電源供給回路が5オフ(遮断)状態である場合には、揮発性メモリ3に対してバッテリ6から電源(電流)は供給されない。
【0021】
バッテリ6から揮発性メモリ3へのバッテリ電源の遮断は、揮発性メモリ3から不揮発性メモリ4へデータをバックアップしてから実施する。また、制御装置における電源投入時には、不揮発性メモリ4にバックアップしたデータを揮発性メモリ3にリストアすることで運転を再開する。
【0022】
このように構成された制御装置7および周辺装置9において、周辺装置9から制御装置7への、バックアップ、リストア、バッテリ電源供給、バッテリ電源遮断の指示は以下に示すようにして実施される。
【0023】
図2は、周辺装置9における処理フローを説明するためのフローチャートである。まず、周辺装置9では表示画面に処理選択画面を表示する(ステップS101)。処理選択画面の一例としてはたとえば図3に示すような処理選択・状態表示画面28とすることができる。図3に示す画面は、入力手段13と表示手段14との機能を兼ねた、たとえばタッチパネルを採用した画面であり、バックアップボタン21、リストアボタン22、バッテリ電源供給ボタン23、バッテリ電源遮断ボタン24、終了ボタン25の各種の処理選択ボタンを有する。
【0024】
つぎに、周辺装置9では、上記のいずれかの処理選択ボタンが選択されたか否かを判断し(ステップS102)、いずれかの処理選択ボタンが選択されたと認識した場合には(ステップS102肯定)、選択された所定の機能の処理が行われる。
【0025】
ここで、バックアップボタン21が選択されたと認識した場合は(ステップS102肯定)、周辺装置9から制御装置7に対して「データのバックアップ」の指示が行われる(ステップS103)。すなわち、周辺装置9は「データのバックアップ」を指示するバックアップ指示情報を制御装置7に対して送信する。
【0026】
また、リストアボタン22が選択されたと認識した場合は(ステップS102肯定)、周辺装置9から制御装置7に対して「バックアップデータのリストア」の指示が行われる(ステップS104)。すなわち、周辺装置9は「バックアップデータのリストア」を指示するリストア指示情報を制御装置7に対して送信する。
【0027】
また、バッテリ電源供給ボタン23が選択されたと認識した場合は(ステップS102肯定)、周辺装置9から制御装置7に対して「バッテリ電源の供給」が指示される(ステップS105)。すなわち、周辺装置9は「バッテリ電源の供給」を指示するバッテリ電源供給指示情報を制御装置7に対して送信する。
【0028】
また、バッテリ電源遮断ボタン24が選択されたと認識した場合は(ステップS102肯定)、周辺装置9から制御装置7に対して「バッテリ電源の遮断」が指示される(ステップS106)。すなわち、周辺装置9は「バッテリ電源の遮断」を指示するバッテリ電源遮断指示情報を制御装置7に対して送信する。
【0029】
そして、終了ボタン25が選択されたと認識した場合は(ステップS102肯定)、周辺装置9は、処理選択・状態表示画面28の表示処理を終了し(ステップS107)、一連の処理を終了する。
【0030】
一方、ステップS102に戻って、周辺装置9ではいずれの処理選択ボタンも選択されたていないと認識した場合には(ステップS102否定)、ステップS101に戻って周辺装置9では処理選択画面の表示を継続する。
【0031】
つぎに、ステップS103〜ステップS106のいずれかの処理が実行されると、周辺装置9では、各処理が確実に終了したか否かを判断する(ステップS108)。ここで、ステップS108における判断の結果、各処理が確実に終了したと判断された場合には(ステップS108肯定)、周辺装置9は各処理に応じた完了画面を表示画面に表示し(ステップS109)、ステップS101に戻る。
【0032】
一方、ステップS108に戻り、該ステップS108における判断の結果、各処理が確実に終了していないと判断された場合には(ステップS108肯定)、周辺装置9は所定の許容時間をタイムアウトしているか否かを判断する(ステップS110)。ここで、ステップS110における判断の結果、タイムアウトしている場合には(ステップS110肯定)、周辺装置9は表示画面にエラー表示を行い(ステップS111)、一連の処理を終了する。
【0033】
また、ステップS110における判断の結果、タイムアウトしていない場合には(ステップS110否定)、ステップS108に戻る。
【0034】
つぎに、周辺装置9から所定の指示が行われた場合の制御装置7の処理について図4を参照しながら説明する。図4は、周辺装置9から所定の指示が行われた場合の、制御装置7の処理の手順を説明するためのフローチャートである。制御装置7では、周辺装置9から所定の指示があるか否かを判断し(ステップS201)、いずれかの指示があると認識した場合には(ステップS201肯定)、指示に基づいて所定の機能の処理が行われる。
【0035】
ここで、周辺装置9から「データのバックアップ」が指示された場合、すなわち周辺装置から送信されたバックアップ指示情報を受信した場合には(ステップS201肯定)、制御装置7では該指示に基づいてデータのバックアップを行う(ステップS202)。
【0036】
また、周辺装置9から「バックアップデータのリストア」が指示された場合、すなわち周辺装置から送信されたリストア指示情報を受信した場合には(ステップS201肯定)、制御装置7では該指示に基づいてバックアップデータのリストアを行う(ステップS203)。
【0037】
また、周辺装置9から「バッテリ電源の供給」が指示された場合、すなわち周辺装置から送信されたバッテリ電源供給指示情報を受信した場合には(ステップS201肯定)、制御装置7では該指示に基づいて、バッテリ電源供給遮断指示レジスタをオン(供給)に設定し、バッテリ電源の供給を行う(ステップS204)。
【0038】
そして、周辺装置9から「バッテリ電源の遮断」が指示された場合、すなわち周辺装置から送信されたバッテリ電源遮断指示情報を受信した場合には(ステップS201肯定)、制御装置7では該指示に基づいて、バッテリ電源供給遮断指示レジスタをオフ(遮断)に設定し、バッテリ電源の遮断を行う(ステップS205)。
【0039】
以上のような本実施の形態にかかる制御装置システムによれば、周辺装置9から制御装置7に対して、バックアップ、リストア、バッテリ電源供給、バッテリ電源遮断の指示を行うことができる。すなわち、本実施の形態にかかる制御装置システムによれば、周辺装置9の画面を見ながら、容易に制御装置7に対する操作を行うことができ、周辺装置9からの操作により容易に制御装置7のメンテナンスを行うことができる、という効果を奏する。そして、本実施の形態にかかる制御装置システムによれば、周辺装置9の画面を見ながら、容易に制御装置7の揮発性メモリ3へのバッテリ電源の供給および遮断が行える、という効果を奏する。
【0040】
また、本実施の形態にかかる制御装置システムにおいては、周辺装置9はネットワークNWを介して制御装置7と通信可能に接続されるとともに該制御装置7から離れた位置に配置されている。この場合においても、本実施の形態においては、ユーザは制御装置7の配置場所に出向いて操作を行う必要が無く、制御装置7から離れた遠隔地からでも容易に制御装置7に対する操作を行うことができる、という効果を奏する。
【0041】
すなわち、本実施の形態にかかる制御装置システムによれば、制御装置7の配置場所に出向いて操作を行う必要が無く、制御装置7から離れた場所からでも容易に制御装置7の揮発性メモリ3へのバッテリ電源の供給および遮断が行える、という効果を奏する。特に、制御装置7の台数が多い場合にその効果は顕著となり、それぞれの各制御装置7の配置場所に出向いて操作を行う必要が無いため、その効果は非常に大きなものである。
【0042】
そして、本実施の形態にかかる制御装置システムによれば、以上のようにして制御装置7の揮発性メモリ3へのバッテリ電源供給・遮断を制御することで、消費電力を抑えることが可能であり、バッテリの長寿命化を実現することができ、また、長時間の記憶保持が可能となる、という効果を奏する。
【0043】
実施の形態2.
実施の形態2では、上述した実施の形態1の機能を備えるとともに、制御装置7においてバッテリ6から揮発性メモリ3へバッテリ電源が供給されているか、それともバッテリ電源の供給が遮断されているか、を確認する機能を備える場合について説明する。なお、本実施の形態にかかる制御装置システムの基本的な構成は実施の形態1の場合と同様であるため、図1を参照することとして、ここでは詳細な説明は省略する。
【0044】
図5は、本発明の実施の形態2にかかる周辺装置9の処理フローを説明するためのフローチャートである。図5に示したフローチャートでは、上述した実施の形態1において図2を用いて説明した処理に、バッテリ電源の供給・遮断情報に関連した処理工程(ステップS301〜ステップS304)が追加されている。
【0045】
以下、これらの工程について説明する。制御装置7では、揮発性メモリ3に対してバッテリ電源の供給を行っている場合には、揮発性メモリ3に対するバッテリ電源の供給・遮断状態を示すバッテリ電源の供給・遮断情報として、周辺装置9に対して「供給情報」を送信する。また、制御装置7では、揮発性メモリ3に対してバッテリ電源の供給を遮断している場合には、揮発性メモリ3に対するバッテリ電源の供給・遮断状態を示すバッテリ電源の供給・遮断情報として、周辺装置9に対して「遮断情報」を送信する。周辺装置9はこれらの「バッテリ電源の供給・遮断情報」を読み出す(ステップS301)。そして、この情報の読み出しを完了したか否かを判断する(ステップS302)。
【0046】
ここで、読み出しが完了していると判断した場合は(ステップS302肯定)、たとえば図6に示すような入力手段13と表示手段14との機能を兼ねた処理選択・状態表示画面28に表示し、ステップS101に移行する。図6に示す処理選択・状態表示画面28においては、実施の形態1で説明した図3に示した処理選択ボタンに加えて、バッテリ電源の供給・遮断情報の表示として「バッテリ電源供給中」26と「バッテリ電源遮断中」27との表示が追加されている。
【0047】
そして、制御装置7においてバッテリ6から揮発性メモリ3へのバッテリ電源の供給が行われている場合、すなわち読み出したバッテリ電源の供給・遮断情報が「供給情報」である場合は、処理選択・状態表示画面28に「バッテリ電源供給中」26の表示がされる。また、制御装置7においてバッテリ6から揮発性メモリ3へのバッテリ電源の供給が遮断されている場合、すなわち読み出したバッテリ電源の供給・遮断情報が「遮断情報」である場合は、処理選択・状態表示画面28に「バッテリ電源遮断中」27の表示がされる。
【0048】
また、図6においては、処理選択・状態表示画面28に「バッテリ電源供給中」26と「バッテリ電源遮断中」27と両方の表示がなされている状態を示しているが、実際には「バッテリ電源供給中」26の表示か、「バッテリ電源遮断中」27の表示のうちどちらか一方の表示がなされている。
【0049】
ステップS302に戻って、読み出しが完了していないと判断した場合は(ステップS302否定)、周辺装置9は所定の許容時間をタイムアウトしているか否かを判断する(ステップS303)。ステップS303における判断の結果、タイムアウトしている場合には(ステップS303肯定)、周辺装置9は表示画面にエラー表示を行い(ステップS304)、一連の処理を終了する。
【0050】
一方、ステップS303における判断の結果、タイムアウトしていない場合には(ステップS303否定)、ステップS301に移行する。
【0051】
なお、図5に示したフローチャートのステップS101〜ステップS111に関しては実施の形態1の場合と同様であるため、上記の説明を参照することとして、ここでは詳細な説明は省略する。
【0052】
以上のような本実施の形態にかかる制御装置システムによれば、実施の形態1の場合と同様に、周辺装置9から制御装置7に対して、バックアップ、リストア、バッテリ電源供給、バッテリ電源遮断の指示を行うことができる。すなわち、本実施の形態にかかる制御装置システムによれば、周辺装置9の画面を見ながら、容易に制御装置7に対する操作を行うことができ、周辺装置9からの操作により容易に制御装置7のメンテナンスを行うことができる、という効果を奏する。そして、本実施の形態にかかる制御装置システムによれば、周辺装置9の画面を見ながら、容易に制御装置7の揮発性メモリ3へのバッテリ電源の供給および遮断が行える、という効果を奏する。
【0053】
また、本実施の形態にかかる制御装置システムにおいては、実施の形態1の場合と同様に、周辺装置9はネットワークNWを介して制御装置7と通信可能に接続されるとともに該制御装置7から離れた位置に配置されている。この場合においても、本実施の形態においては、ユーザは制御装置7の配置場所に出向いて操作を行う必要が無く、制御装置7から離れた場所からでも容易に制御装置7に対する操作を行うことができる、という効果を奏する。
【0054】
すなわち、本実施の形態にかかる制御装置システムによれば、制御装置7の配置場所に出向いて操作を行う必要が無く、制御装置7から離れた場所からでも容易に制御装置7の揮発性メモリ3へのバッテリ電源の供給および遮断が行える、という効果を奏する。特に、制御装置7の台数が多い場合にその効果は顕著となり、それぞれの各制御装置7の配置場所に出向いて操作を行う必要が無いため、その効果は非常に大きなものである。
【0055】
そして、本実施の形態にかかる制御装置システムによれば、以上のようにして制御装置7の揮発性メモリ3へのバッテリ電源供給・遮断を制御することで、実施の形態1の場合と同様に消費電力を抑えることが可能であり、バッテリの長寿命化を実現することができ、また、長時間の記憶保持が可能となる、という効果を奏する。
【0056】
また、以上のような本実施の形態にかかる制御装置システムによれば、制御装置7における揮発性メモリ3へのバッテリ電源の供給状態・遮断状態を周辺装置9が備える表示手段に画面表示する。すなわち、この制御装置システムによれば、制御装置7においてバッテリ6から揮発性メモリ3へバッテリ電源が供給されているか、それともバッテリ電源の供給が遮断されているか、の情報を、周辺装置9の備える画面に表示する。そして、ユーザは、制御装置7において揮発性メモリ3へバッテリ6から電力が供給されているのか、それとも供給が遮断されているのかを、周辺装置9を用いて確認することができる。
【0057】
これにより、ユーザは「揮発性メモリ3へ電源が供給されている場合はそのまま制御装置7の電源をオフすることができるが、揮発性メモリ3への電源の供給が遮断されている場合にはバックアップを実施してから制御装置37の電源をオフしなければならない」、といった判断を行うことができ、制御装置7の電源オフに至るまでの操作を確実に実施することができる。
【0058】
したがって、誤った操作による揮発性メモリ3へ格納したデータの消失を未然に防止することができる、という効果を奏する。すなわち、バッテリ6からの揮発性メモリ3への電力供給が遮断の状態で誤って制御装置7の電源を落としてしまい、揮発性メモリ3に格納されたデータが消失してしまうという従来の問題を解消することができる。
【0059】
実施の形態3.
実施の形態3では、上述した実施の形態1の機能を備えるとともに、制御装置7においてバッテリ6から揮発性メモリ3へバッテリ電源が供給されているか、それともバッテリ電源の供給が遮断されているか、を確認する機能を備える場合の他の例について説明する。
【0060】
図7は、本発明の実施の形態3にかかる制御装置システムの概略構成を示すブロック図である。図7に示すように、本実施の形態にかかる制御装置システムは、制御装置37と周辺装置9とを備えて構成される。本実施の形態にかかる制御装置は、実施の形態1で説明した図1に示した構成要素に加えて、表示指示レジスタ10および表示手段11を備えて構成される。すなわち、図7に示すように、本実施の形態にかかる制御装置37は、CPU(制御部)1、バッテリ電源供給遮断指示レジスタ2と、揮発性メモリ3と、不揮発性メモリ4と、バッテリ電源供給遮断回路5と、バッテリ6と、通信回路8と、表示指示レジスタ10と、表示手段11と、を有して構成されている。
【0061】
また、この制御装置37の通信回路8には、実施の形態1の場合と同様に、該制御装置37のプログラミングおよびメンテナンスを行う周辺装置9が、ネットワークNWを介して接続されており、制御装置37と周辺装置9とが通信可能とされている。なお、本実施の形態において、周辺装置9は制御装置37から離れた位置に配置されている。
【0062】
また、周辺装置9は、CPU(制御部)12と、入力手段13と、表示手段14と、バッテリ電源供給遮断指示手段15とを備えて構成されている。ここで、バッテリ電源供給遮断指示手段15は、バッテリ6から揮発性メモリ3への電源の供給または遮断を制御装置7に対して指示する指示手段である。
【0063】
このような本実施の形態にかかる制御装置37においては、実施の形態1の場合と同様にCPU(制御部)1によりバッテリ電源供給遮断指示レジスタ2を制御して、バッテリ電源供給遮断回路5のオン(供給)・オフ(遮断)の制御を行うことができる。ここで、バッテリ電源供給遮断回路5がオン(供給)状態である場合には、揮発性メモリ3に対してバッテリ6から電源(電力)が供給される。また、バッテリ電源供給回路が5オフ(遮断)状態である場合には、揮発性メモリ3に対してバッテリ6から電源(電流)は供給されない。
【0064】
バッテリ6から揮発性メモリ3へのバッテリ電源の遮断は、揮発性メモリ3から不揮発性メモリ4へデータをバックアップしてから実施する。また、制御装置37における電源投入時には、不揮発性メモリ4にバックアップしたデータを揮発性メモリ3にリストアすることで運転を再開する。
【0065】
なお、本実施の形態にかかる制御装置37における基本的な処理は実施の形態1の制御装置7と同様である。また、周辺装置9の処理は実施の形態1の制御装置7と同様である。したがって、これらについては上記の説明を参照することとして、ここでは詳細な説明は省略する。
【0066】
ここで、本実施の形態にかかる制御装置37の特徴的な処理について説明する。本実施の形態にかかる制御装置37では、CPU(制御部)1がバッテリ電源供給遮断指示レジスタ2の状態に応じて表示指示レジスタ10を制御し、表示指示レジスタ10に指定された内容を表示手段11に表示させる。そして、ユーザは、制御装置37において揮発性メモリ3に対してバッテリ電源が供給されている状態であるか、それとも電源の供給が遮断されている状態であるか、を表示手段11を用いて確認することができる。
【0067】
以上のような本実施の形態にかかる制御装置システムによれば、実施の形態1の場合と同様に、周辺装置9から制御装置37に対して、バックアップ、リストア、バッテリ電源供給、バッテリ電源遮断の指示を行うことができる。すなわち、本実施の形態にかかる制御装置システムによれば、周辺装置9の画面を見ながら、容易に制御装置37に対する操作を行うことができ、周辺装置9からの操作により容易に制御装置37のメンテナンスを行うことができる、という効果を奏する。そして、本実施の形態にかかる制御装置システムによれば、周辺装置9の画面を見ながら、容易に制御装置37の揮発性メモリ3へのバッテリ電源の供給および遮断が行える、という効果を奏する。
【0068】
また、本実施の形態にかかる制御装置システムにおいては、実施の形態1の場合と同様に、周辺装置9はネットワークNWを介して制御装置37と通信可能に接続されるとともに該制御装置37から離れた位置に配置されている。この場合においても、本実施の形態においては、ユーザは制御装置37の配置場所に出向いて操作を行う必要が無く、制御装置37から離れた場所からでも容易に制御装置7に対する操作を行うことができる、という効果を奏する。
【0069】
すなわち、本実施の形態にかかる制御装置システムによれば、制御装置37の配置場所に出向いて操作を行う必要が無く、制御装置37から離れた場所からでも容易に制御装置37の揮発性メモリ3へのバッテリ電源の供給および遮断が行える、という効果を奏する。特に、制御装置37の台数が多い場合にその効果は顕著となり、それぞれの各制御装置37の配置場所に出向いて操作を行う必要が無いため、その効果は非常に大きなものである。
【0070】
そして、本実施の形態にかかる制御装置システムによれば、以上のようにして制御装置37の揮発性メモリ3へのバッテリ電源供給・遮断を制御することで、実施の形態1の場合と同様に消費電力を抑えることが可能であり、バッテリの長寿命化を実現することができ、また、長時間の記憶保持が可能となる、という効果を奏する。
【0071】
また、以上のような本実施の形態にかかる制御装置システムによれば、制御装置37における揮発性メモリ3へのバッテリ電源の供給状態・遮断状態を、制御装置37が備える表示手段に画面表示する。すなわち、この制御装置システムによれば、制御装置37においてバッテリ6から揮発性メモリ3へバッテリ電源が供給されているか、それともバッテリ電源の供給が遮断されているか、の情報を制御装置37の備える画面に表示する。そして、ユーザは、制御装置37において揮発性メモリ3へバッテリ6から電力が供給されているのか、それとも供給が遮断されているのかを、制御装置本体の表示手段11を見て確認することができる。
【0072】
これにより、ユーザは「揮発性メモリ3へ電源が供給されている場合はそのまま制御装置37の電源をオフすることができるが、揮発性メモリ3への電源の供給が遮断されている場合にはバックアップを実施してから制御装置37の電源をオフしなければならない」、といった判断を行うことができ、制御装置37の電源オフに至るまでの操作を確実に実施することができる。
【0073】
したがって、誤った操作による揮発性メモリ3へ格納したデータの消失を未然に防止することができる、という効果を奏する。すなわち、バッテリ6からの揮発性メモリ3への電力供給が遮断の状態で誤って制御装置37の電源を落としてしまい、揮発性メモリ3に格納されたデータが消失してしまうという従来の問題を解消することができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
以上のように、本発明にかかる制御装置システムは、周辺装置からの操作により制御装置のメンテナンスを行う制御装置システム有用であり、特に、データのバックアップが必要であり且つ長期間使用される制御装置に適している。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる制御装置システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる周辺装置の処理のフローを示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態1にかかる周辺装置の処理選択・状態表示画面の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1にかかる制御装置の処理のフローを示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態2にかかる周辺装置の処理のフローを示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態2にかかる周辺装置の処理選択・状態表示画面の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態3にかかる制御装置システムの概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0076】
1 CPU(制御部)
2 バッテリ電源供給遮断指示レジスタ
3 揮発性メモリ
4 不揮発性メモリ
5 バッテリ電源供給遮断回路
6 バッテリ
7 制御装置
8 通信回路
9 周辺装置
10 表示指示レジスタ
11 表示手段
12 CPU(制御部)
13 入力手段
14 表示手段
15 バッテリ電源供給遮断指示手段
21 バックアップボタン
22 リストアボタン
23 バッテリ電源供給ボタン
24 バッテリ電源遮断ボタン
25 終了ボタン
26 バッテリ電源供給中表示
27 バッテリ電源遮断中表示
28 処理選択・状態表示画面
37 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置と周辺装置とが通信可能に接続されて構成された制御装置システムであって、
前記制御装置が、
データを格納するための揮発性メモリと、
前記揮発性メモリへ電源の供給または遮断が可能な電源装置と、
前記周辺装置からの指示情報に従って前記電源装置から前記揮発性メモリへの電源の供給または遮断の切り替えを行う切り替え手段と、
自装置全体の制御を行う制御手段と、
を備え、
前記周辺装置が、
前記制御装置に対して、前記電源装置から前記揮発性メモリへの電源の供給または遮断を指示する指示手段と、
自装置全体の制御を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする制御装置システム。
【請求項2】
前記制御装置が、前記電源装置から前記揮発性メモリへの電源供給状態を示す表示手段を有すること
を特徴とする請求項1に記載の制御装置システム。
【請求項3】
前記周辺装置が、前記制御装置における前記電源装置から前記揮発性メモリへの電源供給状態を示す表示手段を有すること
を特徴とする請求項1に記載の制御装置システム。
【請求項4】
周辺装置と通信可能に接続され、
データを格納するための揮発性メモリと、
前記揮発性メモリへ電源の供給または遮断が可能な電源装置と、
前記周辺装置からの指示情報に従って前記電源装置から前記揮発性メモリへの電源の供給または遮断の切り替えを行う切り替え手段と、
自装置全体の制御を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項5】
前記電源装置から前記揮発性メモリへの電源供給状態を示す表示手段を有すること
を特徴とする請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
揮発性メモリおよび該揮発性メモリへの電源の供給または遮断が可能な電源装置を備えた制御装置と通信可能な周辺装置であって、
前記制御装置に対して、前記電源装置から前記揮発性メモリへの電源の供給または遮断を指示する指示手段と、
自装置全体の制御を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする周辺装置。
【請求項7】
前記制御装置における前記電源装置から前記揮発性メモリへの電源供給状態を示す表示手段を有すること
を特徴とする請求項6に記載の周辺装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate