説明

制御装置

【課題】リモートメンテナンスの際であっても、警備を効率的に行うことを可能にする制御装置を提供する。
【解決手段】複数のセンサ100a,100b,100cが接続される制御装置50は、ネットワークNT2を介してリモートメンテナンスサーバ400から、メンテナンス対象のセンサを特定する対象特定情報を含み当該センサに対するメンテナンスの実行を指示する制御信号を受信すると、当該制御信号に応じて、メンテナンス対象のセンサに対してメンテナンスを実行する。制御装置50は、センサに対してメンテナンスを実行している間に、他のセンサから検知結果を受信した場合、当該検知結果に応じて、警報を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、警備を行う対象の領域(警備対象領域)に配置される人体検知センサや画像センサなどの各種センサが接続され、各種センサの検知結果に基づいて警報を監視センタに送信する制御装置がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば、このような制御装置に記憶されているファームウェアの更新などを遠隔地から指示することにより制御装置をリモートメンテナンスする場合、制御装置をリブートする必要がある。このため、リモートメンテナンス中に警備の空白期間が発生する恐れがあった。これを回避するために、制御装置をリブートする際、警備対象領域に警備員を出動させたり技術員が立会わせたりすることがあるが、これは効率的ではなかった。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、リモートメンテナンスの際であっても、警備を効率的に行うことを可能にする制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数のセンサが接続され且つネットワークを介してサーバ装置が接続される制御装置であって、前記センサから送信された検知結果を受信する第1受信手段と、前記受信手段が受信した前記検知結果に応じて警報を送信する第1送信手段と、前記ネットワークを介してサーバ装置から、メンテナンス対象のセンサを特定する対象特定情報を含み当該センサに対するメンテナンスの実行を指示する制御信号を受信する第2受信手段と、前記第2受信手段が受信した前記制御信号に応じて、前記センサに対してメンテナンスを実行する実行手段とを備え、前記第1送信手段は、前記実行手段が前記センサに対してメンテナンスを実行している間に、他のセンサの前記対象特定情報を含む検知結果を前記受信手段が受信した場合、当該検知結果に応じて、前記警報を送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、リモートメンテナンスの際であっても、警備を効率的に行うことを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、一実施の形態にかかる警備システムの構成を例示する図である。
【図2】図2は、制御装置50の機能的構成を例示する図である。
【図3】図3は、メンテナンス対応処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】図4は、メンテナンス対応処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】図5は、発報対応処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる制御装置の一実施の形態を詳細に説明する。
【0009】
ここで、本実施の形態にかかる制御装置を含む警備システムの構成について図1を用い
て説明する。警備システムは、複数のセンサ100a,100b,100cが接続された制御装置50と、信号受信サーバ(SV)200と、リモートメンテナンスサーバ(SV)400と、中央処理サーバ(SV)500と、監視クライアント(CL)600と、リモートメンテナンスクライアント(CL)700とを備える。制御装置50は、警備対象領域内や警備対象領域近くの家庭や施設などに配設されており、信号受信サーバ200と、リモートメンテナンスサーバ400と、中央処理サーバ500とは、監視センタに配設されている。制御装置50と、信号受信サーバ200、リモートメンテナンスサーバ400及び中央処理サーバ500とは、ネットワークNT1を介して接続される。中央処理サーバ500と、監視クライアント600と、リモートメンテナンスクライアント700とは、ネットワークNT2を介して接続される。センサ100a,100b,100cは、警備対象領域に各々配設されている。尚、センサ100a,100b,100cを各々区別する必要がない場合には、単にセンサ100と記載する。また、この他、複数のセンサ100が制御装置50に接続され得る。各センサ100は、例えば、人体を検知する人体検知センサや、画像を検知結果として撮影する画像センサや、扉の開閉等を検知する開閉センサなどであり、検知結果を制御装置50に送信する。各センサ100には、各々を識別するための名称(センサ名)とIP(Internet Protocol )アドレスとが各々付与されている。また、各センサ100は、当該センサ100の機能を実現させるためのファームウェアを記憶している。制御装置50にもIPアドレスが付与されている。ネットワークNT1,NT2はそれぞれ、例えば、LAN(Local Area Network)、イントラネット、イーサネット(登録商標)又はインターネットなどである。ネットワークNT1,NT2はそれぞれ、本実施の形態においては、異なるネットワークであるとするが、同じネットワークであっても良い。
【0010】
ここで、制御装置50と、信号受信サーバ200と、リモートメンテナンスサーバ400と、中央処理サーバ500と、監視クライアント600と、リモートメンテナンスクライアント700との各装置のハードウェア構成について説明する。各装置は、装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)等の制御部と、各種データや各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の主記憶部と、各種データや各種プログラムを記憶するHDD(Hard Disk Drive)やCD(Compact Disk)ドライブ装置等の補助記憶部と、他の装置との通信を制御する通信I/F(interface)と、これらを接続するバスとを備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。また、制御装置50とリモートメンテナンスクライアント700とには各々、情報を表示する表示部と、ユーザの指示入力を受け付けるキーボードやマウス等の操作入力部とが有線又は無線により各々接続される。
【0011】
リモートメンテナンスクライアント700は、各センサ100のファームウェアを記憶している。リモートメンテナンスクライアント700は、操作入力部を介して、メンテナンス対象の装置(メンテナンス対象装置という)とするセンサ100や制御装置50を特定する対象特定情報とメンテナンスの内容に対応するメンテナンス番号とを指定して、リモートメンテナンスの実行を指示する操作入力を受け付ける。対象特定情報とは、例えば、センサ100や制御装置50に付与された名称(センサ名や「制御装置」など)や、センサ100や制御装置50に付与されたIPアドレスである。ここでは、名称を用いる。そして、リモートメンテナンスクライアント700は、メンテナンス対象装置の名称及びメンテナンス番号を示しメンテナンスの実行を指示する制御信号を中央処理サーバ500にネットワークNT2を介して送信する。メンテナンスの内容は、例えば、センサ100や制御装置50などのメンテナンス対象装置の状態(ステータス)を確認するものや、メンテナンス対象装置の動作を確認するものや、メンテナンス対象装置をリセットするものや、メンテナンス対象装置に記憶されているファームウェアを更新するものなどである。また、実行が指示されたリモートメンテナンスの内容がファームウェアの更新である場合、リモートメンテナンスクライアント700は、中央処理サーバ500からの要求に応じ
て、更新対象のファームウェアを中央処理サーバ500にネットワークNT2を介して送信する。尚、メンテナンス対象装置とするセンサ100は、単数であっても複数であっても良い。
【0012】
信号受信サーバ200は、ネットワークNT1を介して制御装置50から、センサ100によって異常の発生が検知された旨を示す警報を受信すると、その旨を示す警備信号を中央処理サーバ500に送信する。
【0013】
中央処理サーバ500は、信号受信サーバ200から送信された警備信号を受信すると、監視クライアント600に送信する。また、中央処理サーバ500は、メンテナンスの内容と、メンテナンス番号とを対応付けて記憶しているメンテナンス内容テーブルを有している。中央処理サーバ500は、ネットワークNT2を介してリモートメンテナンスクライアント700からメンテナンス対象装置の名称及びメンテナンス番号を示しメンテナンスの実行を指示する制御信号を受信すると、メンテナンス内容テーブルを参照して、メンテナンスの内容を判断して、当該判断結果に応じて、制御信号の送信をリモートメンテナンスサーバ400に要求したり、更新対象のファームウェアの送信をリモートメンテナンスクライアント700に要求して当該ファームウェアを取得して当該ファームウェアの送信をリモートメンテナンスサーバ400に要求したりする。
【0014】
監視クライアント600は、中央処理サーバ500から警備信号を受信すると、例えば、異常が発生した旨を示すメッセージを表示部に表示させる。
【0015】
リモートメンテナンスサーバ400は、中央処理サーバ500の要求に応じて、ネットワークNT1を介して制御装置50に対して、メンテナンス対象装置の名称及びメンテナンス番号を示しメンテナンスの実行を指示する制御信号を送信したり、更新対象のファームウェアを送信したりする。
【0016】
センサ100は、当該センサを特定する対象特定情報を含む検知結果を制御装置50に送信する。尚、制御信号に含まれる対象特定情報はメンテナンス対象装置の名称であるとしたが、検知結果に含まれる対象特定情報はこれに合わせてセンサ100の名称であるとしても良いし、センサ100のIPアドレスであっても良い。検知結果を制御装置50に送信したとき、センサ100は、メンテナンスの実行中につき検知結果を受信できない旨を示す受信不可メッセージを制御装置50から受信すると、制御装置50に受信されなかった検知結果を、検知した時刻(検知時刻)と対応付けて記憶する。
【0017】
次に、制御装置50の機能的構成について図2を用いて説明する。制御装置50は、信号受信部51と、メンテナンス実行部52と、検知結果処理部53と、メンテナンス対象テーブル54と、メンテナンス内容テーブル55とを有する。信号受信部51と、メンテナンス実行部52と、検知結果処理部53とは、制御装置50のCPUが主記憶部や補助記憶部に記憶された各種プログラムの実行時にRAMなどの主記憶部上に生成されるものである。メンテナンス対象テーブル54と、メンテナンス内容テーブル55とは、HDDなどの補助記憶部に記憶されるものである。
【0018】
メンテナンス対象テーブル54は、メンテナンス対象となり得るセンサ100のセンサ名(「画像センサ」など)及び制御装置50自身の名称(「制御装置」など)と、センサ100及び制御装置50のIPアドレスとを各々対応付けて記憶している。メンテナンス内容テーブル55は、中央処理サーバ500が有するメンテナンス内容テーブルと同様に、メンテナンスの内容と、メンテナンス番号とを対応付けて記憶している。
【0019】
信号受信部51は、中央処理サーバ500から制御信号やファームウェアを受信する。
メンテナンス実行部52は、信号受信部51が受信した制御信号に応じて、メンテナンス対象テーブル54及びメンテナンス内容テーブル55を参照して、メンテナンス対象装置及びメンテナンスの内容を特定し、当該メンテナンスの内容に応じて、当該メンテナンス対象装置に対してメンテナンスを実行する。
【0020】
検知結果処理部53は、センサ100から送信された検知結果を受信して、当該検知結果に応じて、当該センサ100によって異常の発生が検知された旨を示す警報を信号受信サーバ200に送信する。尚、メンテナンス対象装置として制御装置50自身に対してメンテナンス実行部52がメンテナンスを実行中に、センサ100から検知結果が送信された場合、検知結果処理部53は、メンテナンスの実行中につき検知結果を受信できない旨を示す受信不可メッセージを当該センサ100に送信する。そして、メンテナンス実行部52がメンテナンスの実行を終了すると、検知結果処理部53は、各センサ100にアクセスして、メンテナンスの実行中に記憶された検知結果があるか否かを判断し、当該検知結果がある場合、当該検知結果を取得して、当該検知結果に応じて、当該検知結果の検知時刻を含む警報を信号受信サーバ200に送信する。尚、ネットワークNT1の断線などにより、警報を信号受信サーバ200に送信できない場合、検知結果処理部53は、一定期間後に、当該警報を信号受信サーバ200に改めて送信する。
【0021】
次に、本実施の形態にかかる制御装置50の行うメンテナンス対応処理の手順について説明する。まず、メンテナンス対象装置がセンサ100aであり、メンテナンスの内容が、センサ100aの状態を確認するものや、センサ100の動作を確認するものや、センサ100をリセットするものである場合のメンテナンス対応処理の手順について図3を用いて説明する。リモートメンテナンスクライアント700においてユーザが操作入力部を介して、メンテナンス対象装置とするセンサ100aのセンサ名とメンテナンスの内容に対応するメンテナンス番号とを指定して、リモートメンテナンスの実行を指示する操作入力を行うと、リモートメンテナンスクライアント700は、当該操作入力を受け付け、指定されたセンサ名及びメンテナンス番号を示しメンテナンスの実行を指示する制御信号を中央処理サーバ500にネットワークNT2を介して送信する(ステップS1)。中央処理サーバ500は、当該制御信号をリモートメンテナンスクライアント700から受信すると、当該メンテナンス信号によって示されるメンテナンス番号を用いてメンテナンス内容テーブルを参照して、メンテナンスの内容を判断する。メンテナンスの内容が、センサ100の状態を確認するものや、センサ100の動作を確認するものや、センサ100をリセットするものであると判断した場合、中央処理サーバ500は、制御信号の送信をリモートメンテナンスサーバ400に要求する(ステップS2)。リモートメンテナンスサーバ400は、中央処理サーバ500からの要求に応じて、当該制御信号を制御装置50にネットワークNT1を介して送信する(ステップS3)。制御装置50は、当該制御信号をリモートメンテナンスサーバ400から受信すると(ステップS4)、当該制御信号によって示されるセンサ名を用いてメンテナンス対象テーブル54を参照して、メンテナンス対象装置のセンサ100のIPアドレスを特定すると共に、当該制御信号によって示されるメンテナンス番号を用いてメンテナンス内容テーブル55を参照して、メンテナンスの内容を特定する(ステップS5)。メンテナンスの内容が、センサ100の状態を確認するものや、センサ100の動作を確認するものや、センサ100をリセットするものであると特定した場合、制御装置50は、特定したIPアドレスのセンサ100aにアクセスして、当該内容に応じたメンテナンスを実行する(ステップS6)。
【0022】
次に、メンテナンス対象装置がセンサ100であり、メンテナンスの内容がファームウェアの更新である場合のメンテナンス対応処理の手順について図4を用いて説明する。ステップS1〜S5は上述と同様である。尚、ステップS2で、メンテナンスの内容がファームウェアの更新であると判断した場合、中央処理サーバ500は、制御信号の送信をリモートメンテナンスサーバ400に要求すると共に、ステップS10で、制御信号によっ
て示されるセンサ名のセンサ100に対する更新対象のファームウェアの送信を要求する要求メッセージをリモートメンテナンスクライアント700に対して送信する。リモートメンテナンスクライアント700は、当該要求メッセージを受信すると、当該要求メッセージに応じて、該当するファームウェアを中央処理サーバ500に送信する(ステップS11)。中央処理サーバ500は、当該ファームウェアを受信すると、当該ファームウェアの送信をリモートメンテナンスサーバ400に要求する(ステップS12)。リモートメンテナンスサーバ400は、中央処理サーバ500からの要求に応じて、例えばFTPプロトコルにより当該ファームウェアを制御装置50にネットワークNT1を介して送信する(ステップS13)。
【0023】
一方、制御装置50は、ステップS4で、制御信号をリモートメンテナンスサーバ400から受信すると、当該制御信号によって示されるセンサ名を用いてメンテナンス対象テーブル54を参照して、メンテナンス対象のセンサ100のIPアドレスを特定すると共に、当該制御信号によって示されるメンテナンス番号を用いてメンテナンス内容テーブル55を参照して、メンテナンスの内容を特定する。メンテナンスの内容がファームウェアの更新であると特定した場合、制御装置50は、ファームウェアの受信を待機する。そして、制御装置50は、当該ファームウェアをリモートメンテナンスサーバ400から受信すると(ステップS14)、ステップS6では、ステップS5で特定したIPアドレスのセンサ100にアクセスして、当該ファームウェアを送信して当該ファームウェアのインストールを当該センサ100aに実行させることにより、メンテナンスを実行する。
【0024】
以上のようなメンテナンスを実行している間、制御装置50は、他のセンサ100から検知結果が送信されると、当該検知結果に含まれる対象特定情報を用いて、メンテナンス対象テーブル54を参照して、当該センサ100がメンテナンス対象以外のセンサ100であると判断すると、当該検知結果を受信して、当該検知結果に応じて、警報を当該信号受信サーバ200に送信する。信号受信サーバ200は警報を受信した場合、警備信号を中央処理サーバ500に送信する。中央処理サーバ500は、警備信号を受信した場合、監視クライアント600に送信する。監視クライアント600は、中央処理サーバ500から警備信号を受信すると、例えば、異常が発生した旨を示すメッセージを表示部に表示させる。この表示を見た監視員は、真報判断を行ったり、対応を検討したりすることができる。
【0025】
次に、メンテナンス対象装置が制御装置50であり、制御装置50が自身に対してメンテナンスを実行している場合にセンサ100からの検知結果に応じて警報を送信する発報対応処理の手順について図5を用いて説明する。ステップS1〜S5は上述と同様である。但し、ステップS4では、制御装置50は、制御装置50の名称及びメンテナンス番号を示しメンテナンスの実行を指示する制御信号をリモートメンテナンスサーバ400から受信し、ステップS5では、当該制御信号によって示される制御装置50の名称を用いて、メンテナンス対象テーブル54を参照して、自身がメンテナンス対象装置であることを判断する。そして、制御装置50は、当該制御信号によって示されるメンテナンス番号を用いてメンテナンス内容テーブル55を参照して、メンテナンスの内容を特定して、ステップS6では、自身に対してメンテナンスを実行する。尚、ここでは図示しないが、メンテナンスの内容がファームウェアの更新である場合、メンテナンス対象装置がセンサ100である場合と同様にして、図4のステップS10〜S13が行われて、ステップS14で、制御装置50は、更新対象のファームウェアを中央処理サーバ500から受信し、ステップS6では、これを用いてメンテナンスを実行する。
【0026】
このようなメンテナンスの実行中に、センサ100が検知結果を送信すると(ステップS20)、制御装置50は、メンテナンスの実行中につき検知結果を受信できない旨を示す受信不可メッセージを当該センサ100に送信する(ステップS21)。当該センサ1
00は、当該受信不可メッセージを制御装置50から受信すると(ステップS22)、制御装置50に受信されなかった検知結果を検知時刻と対応付けて記憶する(ステップS23)。一方、制御装置50は、メンテナンスの実行が終了すると、各センサ100にアクセスして、メンテナンスの実行中に記憶された検知結果があるか否かを判断し、当該検知結果がある場合、当該検知結果及び検知時刻を取得する(ステップS24)。そして、制御装置50は、当該検知結果に応じて、当該検知結果の検知時刻を含む警報を信号受信サーバ200に送信する(ステップS25)。
【0027】
尚、制御装置50に対するメンテナンスの内容として、例えば、機器状態の読み出しや通信試験、バッテリー試験がある。このようなメンテナンスを実行している場合には、制御装置50は、ステップS20でセンサ100から送信された検知結果を受信して、ステップS21,S24を行わずに、当該検知結果に応じて、信号受信サーバ200に警報を送信するようにしても良い。
【0028】
以上のような構成によれば、他のセンサ100に影響を与えることなくセンサ100に対するリモートメンテナンスを実行することができ、他のセンサ100からの検知結果に応じて、制御装置50は、警報を送信することができる。このため、リモートメンテナンスの際であっても、警備を効率的に行うことが可能になる。
【0029】
また、制御装置50が自身に対してメンテナンスの実行中であっても、センサ100がその間に検知した結果(検知結果)を蓄積して、制御装置50がメンテナンスの実行終了後に当該検知結果を取得して警報を送信することにより、センサ100の検知結果を把握可能になる。従って、監視センタでは、制御装置50のリモートメンテナンスに際しても、警備対象領域で何が起こったのかを把握することが可能になる。
【0030】
[変形例]
なお、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、以下に例示するような種々の変形が可能である。
【0031】
上述した実施の形態において、制御装置50で実行される各種プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また当該各種プログラムを、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成しても良い。信号受信サーバ200、メディア受信サーバ300、リモートメンテナンスサーバ400、中央処理サーバ500、監視クライアント600及びリモートメンテナンスクライアント700で各々実行される各種プログラムについても同様である。
【0032】
上述した実施の形態において、制御装置50は、自身に対するメンテナンスの実行終了後に、図5のステップS24で、各センサ100にアクセスして、メンテナンスの実行中に受信できなかった検知結果を取得するようにしたが、これに限らず、センサ100が、検知結果を定期的に送信するようにしても良い。このようにすることでも、制御装置50のメンテナンスの実行終了後のタイミングでは、センサ100からの検知結果を制御装置50は受信することができる。
【0033】
上述した実施の形態において、制御装置50は、センサ100から検知結果を受信したときに警報を送信する先は、信号受信サーバ200であるとしたが、これに限らず、各センサ100に対応する各サーバであっても良い。
【0034】
上述した実施の形態において、制御信号が示す対象特定情報がメンテナンス対象装置の名称である例について説明したが、これはIPアドレスであっても良い。この場合、制御装置50は、メンテナンス対象テーブル54を有さなくても良い。
【0035】
また、上述した実施の形態において、各センサ100には、各々IPアドレスに加え、階層的なアドレスを更に付与するようにしても良い。例えば、複数のセンサ100をグループ分けし、また、メイングループ及び複数のサブグループに分け、メイングループに属するセンサ100に対してグループアドレスとしてメインアドレスを付与し、サブグループに属するセンサ100に対してグループアドレスとしてサブアドレスをサブグループ毎に付与するようにする。センサ100のグループ分けは、例えば、センサ100の配設されている場所に応じて行うようにしても良く、警備対象領域において、同じ領域内に配設されるセンサ100を同じグループにするようにしても良い。このようなメインアドレス及びサブアドレスは、センサ100のセンサ名及びIPアドレスと対応付けて上述のメンテナンス対象テーブル54に予め記憶させておく。この場合、例えば、制御装置50は、リモートメンテナンスサーバ400から制御信号を受信して、メンテナンス対象のセンサ100に対してメンテナンスを実行中に、他のセンサ100から検知結果が送信されると、メンテナンス対象テーブル54を参照して、当該検知結果に含まれる対象特定情報(上述したようにセンサ名やIPアドレスである)に対応付けられているサブアドレスが、メンテナンス対象のセンサ100のサブアドレスと同一か否かを判断する。これにより、制御装置50は、メンテナンス対象のセンサ100と、検知結果を送信したセンサ100とが同一のサブグループに属するか否かを判断する。そして、制御装置50は、これらのセンサ100が同一のサブグループに属すると判断した場合、図5のS21,S24,S25の処理を行い、一方、これらのセンサ100が異なるグループに属すると判断した場合、センサ100から送信された検知結果を受信して、信号受信サーバ200に警報を送信するようにしても良い。
【0036】
上述した実施の形態において、各センサ100に対してIPアドレスが付与されるようにしたが、これに限らず、各々を識別するための唯一なアドレスが付与されるようにしても良い。
【符号の説明】
【0037】
50 制御装置
51 信号受信部
52 メンテナンス実行部
53 検知結果処理部
54 メンテナンス対象テーブル
55 メンテナンス内容テーブル
100,100a,100b,100c センサ
200 信号受信サーバ
400 リモートメンテナンスサーバ
500 中央処理サーバ
600 監視クライアント
700 リモートメンテナンスクライアント
NT1,NT2 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセンサが接続され且つネットワークを介してサーバ装置が接続される制御装置であって、
前記センサから送信された検知結果を受信する第1受信手段と、
前記受信手段が受信した前記検知結果に応じて警報を送信する第1送信手段と、
前記ネットワークを介してサーバ装置から、メンテナンス対象のセンサを特定する対象特定情報を含み当該センサに対するメンテナンスの実行を指示する制御信号を受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段が受信した前記制御信号に応じて、前記センサに対してメンテナンスを実行する実行手段とを備え、
前記第1送信手段は、前記実行手段が前記センサに対してメンテナンスを実行している間に、他のセンサの前記対象特定情報を含む検知結果を前記受信手段が受信した場合、当該検知結果に応じて、前記警報を送信する
ことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記第2受信手段は、メンテナンス対象の前記制御装置を特定する対象特定情報を含み当該制御装置に対するメンテナンスの実行を指示する制御信号をサーバ装置から受信し、
前記実行手段は、前記制御装置に対してメンテナンスを実行し、
前記実行手段が前記制御装置に対してメンテナンスを実行している間に、前記センサの前記対象特定情報を含む前記検知結果が送信された場合、当該検知結果を受信できない旨のメッセージを当該センサに対して送信する第2送信手段と、
前記実行手段が前記制御装置に対するメンテナンスの実行を終了した後、前記センサに記憶された前記検知結果を取得する取得手段とを更に備える
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
各前記センサには、各前記センサを各々識別するためのアドレスが各々付与されており、
前記受信手段は、メンテナンス対象のセンサに付与された前記アドレスを含む前記制御信号を受信する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
各前記センサは、グループ分けされており、各前記センサには、グループアドレスが更に付与されており、
前記センサに付与された前記アドレス及び前記グループアドレスの対応関係を記憶する記憶手段を更に備え、
前記第1送信手段は、前記実行手段が前記センサに対してメンテナンスを実行している間に、当該センサに付与された前記グループアドレスと異なる前記グループアドレスが付与された他のセンサから検知結果を前記受信手段が受信した場合、前記警報を送信する
ことを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
各前記センサには、IP(Internet Protocol )アドレスが各々付与されており、
前記受信手段は、メンテナンス対象のセンサに付与された前記IPアドレスを含む前記制御信号を受信する
ことを特徴とする請求項3又4に記載の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−215819(P2011−215819A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82773(P2010−82773)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000202361)綜合警備保障株式会社 (266)
【Fターム(参考)】