説明

前立腺上皮アンドロゲン受容体は、前立腺の成長および腫瘍の侵襲を抑制する

前立腺上皮中にのみARを欠く最初の条件付きノックアウトAR(pes−ARKO)マウスの生成が本発明に記載される。さらに、AR獲得実験および機能損失実験を通して、正常前立腺細胞と癌性前立腺細胞の中での新たな増殖および上皮ARの示差的役割が本発明で実証される。一実施形態において、本発明は、被験体における細胞増殖を阻害する方法を提供し、この方法は、上皮組織特異的プロモーターに作動可能に結合されたアンドロゲンまたはアンドロゲン受容体遺伝子を含むベクターを被験体に投与する工程を包含する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
上皮組織特異的プロモーターに作動可能に結合されたアンドロゲンまたはアンドロゲン受容体遺伝子を含むベクターを被験体に投与する工程を包含する、該被験体における細胞増殖を阻害する方法。
【請求項2】
上皮組織特異的プロモーターに作動可能に結合されたアンドロゲンまたはアンドロゲン受容体遺伝子を含むベクターを被験体に投与する工程を包含する、該被験体における癌を治療する方法。
【請求項3】
前記癌が前立腺癌である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
抗アンドロゲンまたは抗アンドロゲン受容体薬剤を前記被験体に投与する工程をさらに包含し、該薬剤が間質組織に標的化される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
抗アンドロゲンまたは抗アンドロゲン受容体薬剤を被験体に投与する工程を包含し、該薬剤が間質組織に標的化される、該被験体における癌を治療する方法。
【請求項6】
前記癌が前立腺癌である、請求項2〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記薬剤が抗アンドロゲンまたは抗アンドロゲン受容体抗体である、請求項4または5に記載の方法。
【請求項8】
前記薬剤が間質組織標的化部位を含む抗体融合タンパク質である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記薬剤が抗アンドロゲンまたは抗アンドロゲン受容体siRNAである、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記siRNAが配列番号13、20、または21に示される配列を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記薬剤がASC−J9である、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
アンドロゲン受容体プロモーターに作動可能に結合されたアンドロゲン受容体遺伝子を含むベクター。
【請求項13】
前記ベクターが上皮組織に標的化される、請求項12に記載のベクター。
【請求項14】
請求項12に記載のベクターを被験体に投与する工程を包含する、細胞増殖を阻害する方法。
【請求項15】
請求項12に記載のベクターを被験体に投与する工程を包含する、癌を治療する方法。
【請求項16】
前記癌が前立腺癌である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
アンドロゲンプロモーターに作動可能に結合されたアンドロゲン遺伝子を含むベクター。
【請求項18】
前記ベクターが上皮組織に標的化される、請求項17に記載のベクター。
【請求項19】
請求項17に記載のベクターを被験体に投与する工程を包含する、細胞増殖を阻害する方法。
【請求項20】
請求項17に記載のベクターを被験体に投与する工程を包含する、癌を治療する方法。
【請求項21】
前記癌が前立腺癌である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
上皮組織特異的プロモーターに作動可能に結合されたアンドロゲンまたはアンドロゲン受容体遺伝子を含むベクター。
【請求項23】
請求項22に記載のベクターを被験体に投与する工程を包含する、細胞増殖を阻害する方法。
【請求項24】
請求項22に記載のベクターを被験体に投与する工程を包含する、癌を治療する方法。
【請求項25】
前立腺成長を阻害する薬剤をスクリーニングする方法であって、該方法は、前立腺細胞に該薬剤を投与する工程、および該細胞上の上皮アンドロゲン受容体のレベルをモニタリングする工程を包含し、ここで、対照と比較した上皮アンドロゲン受容体の増加が、前立腺成長を阻害する薬剤であることを示す、方法。
【請求項26】
アンドロゲン依存性腫瘍増殖を阻害する薬剤をスクリーニングする方法であって、該方法は、前立腺細胞に該薬剤を投与する工程、および該細胞上の上皮アンドロゲン受容体のレベルをモニタリングする工程を包含し、ここで、対照と比較した上皮アンドロゲン受容体の増加が、アンドロゲン依存性腫瘍増殖を阻害する薬剤であることを示す、方法。
【請求項27】
前立腺成長を阻害する薬剤をスクリーニングする方法であって、該方法は、被験体から組織サンプルを入手する工程、該サンプルに該薬剤を投与する工程、および該組織中の上皮アンドロゲン受容体のレベルをモニタリングする工程を包含し、ここで、対照と比較した上皮アンドロゲン受容体の増加が、前立腺成長を阻害する薬剤であることを示す、方法。
【請求項28】
前立腺成長を阻害する薬剤をスクリーニングする方法であって、該方法は、前立腺細胞に該薬剤を投与する工程、および該細胞上の間質アンドロゲン受容体のレベルをモニタリングする工程を包含し、ここで、対照と比較した間質アンドロゲン受容体の減少が、前立腺成長を阻害する薬剤であることを示す、方法。
【請求項29】
アンドロゲン依存性腫瘍増殖を阻害する薬剤をスクリーニングする方法であって、該方法は、前立腺細胞に該薬剤を投与する工程、および該細胞上の間質アンドロゲン受容体のレベルをモニタリングする工程を包含し、ここで、対照と比較した間質アンドロゲン受容体の減少が、アンドロゲン依存性腫瘍増殖を阻害する薬剤であることを示す、方法。
【請求項30】
前立腺成長を阻害する薬剤をスクリーニングする方法であって、該方法は、被験体から組織サンプルを入手する工程、該サンプルに該薬剤を投与する工程、および該組織中の間質アンドロゲン受容体のレベルをモニタリングする工程を包含し、ここで、対照と比較した間質アンドロゲン受容体の減少が、前立腺成長を阻害する薬剤であることを示す、方法。
【請求項31】
AR遺伝子が破壊されており、該破壊された遺伝子は、プロモーターに作動可能に結合されているリコンビナーゼの作用によって産生される、細胞。
【請求項32】
前記細胞が、胚性幹細胞、胚性生殖細胞、乳房細胞、乳癌細胞、卵巣細胞、卵巣癌細胞、前立腺細胞、精巣細胞、骨細胞、脳細胞、神経細胞、または筋肉細胞である、請求項31に記載の細胞。
【請求項33】
前記細胞が前立腺癌細胞または前立腺癌細胞株である、請求項32に記載の細胞。
【請求項34】
前記プロモーターが組織特異的プロモーターである、請求項31に記載の細胞。
【請求項35】
前記組織特異的プロモーターが前立腺上皮特異的プロモーターである、請求項34に記載の細胞。
【請求項36】
前記前立腺上皮特異的プロモーターが、プロバシンプロモーター、前立腺分泌タンパク質−94(PSP94)プロモーター、およびNkx3.1プロモーターからなる群より選択される、請求項35に記載の細胞。
【請求項37】
前記組織特異的プロモーターが前立腺間質特異的プロモーターである、請求項34に記載の細胞。
【請求項38】
前記前立腺間質特異的プロモーターがARA55プロモーターまたはトランスジェリン(transgelin)プロモーターである、請求項37に記載の細胞。
【請求項39】
前記プロモーターが上皮前立腺細胞と間質前立腺細胞との両方において発現される、請求項31に記載の細胞。
【請求項40】
前記プロモーターがMxプロモーターである、請求項39に記載の細胞。
【請求項41】
前記AR遺伝子がマウスAR遺伝子である、請求項31に記載の細胞。
【請求項42】
前記AR遺伝子の残基857において置換をさらに含む、請求項41に記載の細胞。
【請求項43】
前記置換がThrからAlaの置換(T857A)である、請求項42に記載の細胞。
【請求項44】
前記AR遺伝子がヒトAR遺伝子である、請求項31に記載の細胞。
【請求項45】
前記AR遺伝子の残基877において置換をさらに含む、請求項44に記載の細胞。
【請求項46】
前記置換がThrからAlaの置換(T877A)である、請求項45に記載の細胞。
【請求項47】
前記リコンビナーゼがCreリコンビナーゼである、請求項31に記載の細胞。
【請求項48】
前記破壊されたAR遺伝子が第1および第2のloxP部位を含む、請求項31に記載の細胞。
【請求項49】
前記破壊されたAR遺伝子がナンセンス変異を含む、請求項31に記載の細胞。
【請求項50】
前記第1および第2のloxP部位が前記ナンセンス変異に隣接する、請求項49に記載の細胞。
【請求項51】
前記破壊されたAR遺伝子がミスセンス変異を含む、請求項31に記載の細胞。
【請求項52】
第1および第2のloxP部位が前記ミスセンス変異に隣接する、請求項51に記載の細胞。
【請求項53】
前記破壊されたAR遺伝子が遺伝子カセットを含む、請求項31に記載の細胞。
【請求項54】
第1および第2のloxP部位が前記遺伝子カセットに隣接する、請求項53に記載の細胞。
【請求項55】
請求項31〜54に記載の細胞を含むトランスジェニック哺乳動物。
【請求項56】
前記哺乳動物がマウスである、請求項55に記載のトランスジェニック哺乳動物。
【請求項57】
前記マウスがトランスジェニックマウス前立腺腺癌(adenocarsinoma)(TRAMP)マウスである、請求項56に記載のトランスジェニック哺乳動物。
【請求項58】
破壊されたAR遺伝子を含むトランスジェニック哺乳動物であって、該破壊された遺伝子は、プロモーターに作動可能に結合されているリコンビナーゼの作用によって産生される、トランスジェニック哺乳動物。
【請求項59】
前記プロモーターが組織特異的プロモーターである、請求項58に記載の哺乳動物。
【請求項60】
前記組織特異的プロモーターが前立腺上皮特異的プロモーターである、請求項59に記載の哺乳動物。
【請求項61】
前記前立腺上皮特異的プロモーターが、プロバシンプロモーター、前立腺分泌タンパク質−94(PSP94)プロモーター、およびNkx3.1プロモーターからなる群より選択される、請求項60に記載の哺乳動物。
【請求項62】
前記組織特異的プロモーターが前立腺間質特異的プロモーターである、請求項59に記載の哺乳動物。
【請求項63】
前記前立腺間質特異的プロモーターがARA55プロモーターまたはトランスジェリンプロモーターである、請求項62に記載の哺乳動物。
【請求項64】
前記プロモーターがMxプロモーターである、請求項58に記載の哺乳動物。
【請求項65】
前記AR遺伝子がマウスAR遺伝子である、請求項58に記載の哺乳動物。
【請求項66】
前記AR遺伝子の残基857において置換をさらに含む、請求項65に記載の哺乳動物。
【請求項67】
前記置換がThrからAlaの置換(T857A)である、請求項66に記載の哺乳動物。
【請求項68】
前記AR遺伝子がヒトAR遺伝子である、請求項58に記載の哺乳動物。
【請求項69】
前記AR遺伝子の残基877において置換をさらに含む、請求項58に記載の哺乳動物。
【請求項70】
前記置換がThrからAlaの置換(T877A)である、請求項69に記載の哺乳動物。
【請求項71】
前記リコンビナーゼがCreリコンビナーゼである、請求項58に記載の哺乳動物。
【請求項72】
前記破壊されたAR遺伝子が第1および第2のloxP部位を含む、請求項58に記載の哺乳動物。
【請求項73】
前記破壊されたAR遺伝子がナンセンス変異を含む、請求項58に記載の哺乳動物。
【請求項74】
第1および第2のloxP部位が前記ナンセンス変異に隣接する、請求項73に記載の哺乳動物。
【請求項75】
前記破壊されたAR遺伝子がミスセンス変異を含む、請求項58に記載の哺乳動物。
【請求項76】
第1および第2のloxP部位が前記ミスセンス変異に隣接する、請求項75に記載の細胞。
【請求項77】
前記破壊されたAR遺伝子が遺伝子カセットを含む、請求項58に記載の哺乳動物。
【請求項78】
第1および第2のloxP部位が前記遺伝子カセットに隣接する、請求項77に記載の哺乳動物。
【請求項79】
前記哺乳動物がマウスである、請求項58に記載の哺乳動物。
【請求項80】
前記マウスがトランスジェニックマウス前立腺腺癌(adenocarsinoma)(TRAMP)マウスである、請求項78に記載のトランスジェニック哺乳動物。
【請求項81】
請求項58に記載のマウスを含む前立腺癌のモデル。
【請求項82】
アンドロゲン受容体(AR)陰性前立腺転移性細胞であり、ARプロモーターの制御下でAR遺伝子で安定にトランスフェクトされている、細胞。
【請求項83】
前記細胞がPC−3細胞である、請求項82に記載の細胞。
【請求項84】
アンドロゲン受容体(AR)陽性前立腺転移性細胞であり、AR siRNAで安定にトランスフェクトされている、細胞。
【請求項85】
前記細胞がWRMY1細胞、CW22R−AR+/+細胞、またはCW22R−AR+/−細胞である、請求項84に記載の細胞。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図1e】
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【図1f】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図4−4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図6d】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図9−3】
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【図9−4】
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【図9−5】
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【図10−1】
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【図10−2】
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【図10−3】
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【図11a】
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【図11b】
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【図12a】
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【図12b】
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【図12c】
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【図12d】
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【図12e】
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【図12f】
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【図13】
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【図14】
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【図15−1】
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【図15−2】
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【図15−3】
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【図15−4】
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【図15−5】
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【図15−6】
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【図16】
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【図17−1】
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【図17−2】
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【図18a】
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【図18b】
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【図18c】
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【図18d】
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【図18e】
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【図18f】
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【図19a】
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【図19b】
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【図19c】
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【図19d】
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【図20a】
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【図20b】
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【図20c】
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【図20d】
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【図20e】
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【図20f】
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【図21a】
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【図21b】
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【図21c】
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【図21d】
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【図21e】
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【図21f】
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【図21g】
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【図22a】
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【図22b】
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【図22c】
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【図22d】
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【公表番号】特表2009−537142(P2009−537142A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−511106(P2009−511106)
【出願日】平成19年5月21日(2007.5.21)
【国際出願番号】PCT/US2007/012083
【国際公開番号】WO2007/136837
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(507245021)ユニバーシティー オブ ロチェスター (9)
【Fターム(参考)】