説明

剪断ゲルおよび剪断ゲルを含む組成物

本発明は、剪断ゲルおよびこのようなゲルを含む外用組成物を目的とする。外用組成物は実質的にシリコーンエラストマー非含有であり、塗布によって優れた官能特性をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は剪断ゲルおよびこのようなゲルを含む組成物に関する。より特定的には本発明の目的はバイオポリマー粒子から調製された剪断ゲルである。剪断ゲルは、シリコーンエラストマー模擬物として外用組成物に使用することができ、使用されたときにこれらのゲルは意外にも、塗布によって優れた官能特性を与える外用組成物となる。
【背景技術】
【0002】
乾燥肌は大抵の消費者にとって多かれ少なかれ問題である。この状態は冬季に特に顕著である。スキンクリーム、シャンプー、シャワージェルおよび制汗剤のような身体手入れ製品には一般的に乾燥肌症状に対処する材料が配合されている。
【0003】
他の消費者の希望は肌の色がむらにならないことであり、特に加齢斑、雀斑、および、色素沈着過剰に起因するその他のしみを心配している。このような消費者の要求に応えるために、メラニン形成細胞中の色素産生を抑制する製品の開発を目指して様々な試作が行われてきた。
【0004】
また他の消費者の気懸かりは脂性肌、ニキビおよび/または皮膚の毛穴である。市販の外用組成物はこれらの状態も検討対象としている。
【0005】
外用組成物による皮膚状態の治療に顕著な進歩が見られたにもかかわらず、これまでに開発された製品は有意な官能効果が十分でなくまた望ましい天然成分を必ずしも使用していない。
【0006】
従って本発明の目的は、剪断ゲルおよびこのようなゲルを含む組成物である。剪断ゲルは、膨潤バイオポリマー粒子(すなわち、バイオポリマー)を含み、シリコーンエラストマー模擬物として外用組成物中に使用するのに適している。使用されたときに本発明の剪断ゲルは意外にも、塗布によって優れた官能特性、特に慣用のシリコーンエラストマー含有製品に比較してより優れた絹のような感触をもたらす外用組成物となる。さらに本発明の剪断ゲルは、スキンケア有効物質と相溶性のシリコーンエラストマー模擬物として作用するのに適しており、このようなゲルを含む組成物はほぼ等しい量のシリコーンエラストマーを含む組成物と同様の官能特性を有している。
【0007】
身体手入れ製品を製造するための様々な試みが開示されている。US 2006/0088495 A1にはジヒドロキシプロピルトリ(C−Cアルキル)アンモニウム塩を用いた湿潤用身体手入れ製品が記載されている。
【0008】
身体手入れ製品を製造するための他の試みも開示されている。US 6875425、7250158、7247294および7720805には皮膚明色化製品が記載されている。
【0009】
ゲル化剤を検討するまた別の試みも開示されている。US 5738897には消費者用製品に脂肪様特性を付与するように製造されたゲル化バイオポリマーが記載されている。EP 0432835 A1には、化学的に固化するゲル化剤を用いた流体組成物が記載されている。
【0010】
上記追加情報はいずれも、剪断ゲルをバイオポリマー粒子から調製すること、それによって得られた剪断ゲルがシリコーンエラストマー模擬物として外用組成物に使用するのに適していることについて記載していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0088495号明細書
【特許文献2】米国特許第6875425号明細書
【特許文献3】米国特許第7250158号明細書
【特許文献4】米国特許第7247294号明細書
【特許文献5】米国特許第7720805号明細書
【特許文献6】米国特許第5738897号明細書
【特許文献7】欧州特許出願公開第0432835号明細書
【発明の概要】
【0012】
第一の目的において本発明は、
(a)0.01から15重量%のバイオポリマー粒子と、
(b)水、極性溶媒または双方と、
から調製された剪断ゲルであって、バイオポリマー粒子が膨潤して、剪断ゲル中で1から約200ミクロンの膨潤直径を有しておりそのゲル化温度まで剪断を伴って冷却されたバイオポリマーが得られていることを特徴とする剪断ゲルを提供する。このような剪断ゲルはシリコーンエラストマー模擬物として外用組成物に使用するのに適したものである。
【0013】
第二の目的において本発明は、本発明の第一目的である剪断ゲルの製造方法を提供する。
第三の目的において本発明は、本発明の第一目的である剪断ゲルを含む外用組成物を提供する。
【0014】
この文中に使用した外用組成物は、哺乳類特にヒトの皮膚に塗布するための組成物を含意する。このような組成物は一般的にリーブオンまたはリンスオフとして分類され、コンディショナーまたはトニック、リップスティック、カラー化粧品、および、少なくとも皮膚の特性を改善する何らかの形態の外用組成物全般を含意する。好ましくは本発明の外用組成物がリーブオン組成物である。この文中に使用した明色化は、直接的な皮膚の明色化または白色化ならびに加齢斑または雀斑のような皮膚の斑点の明色化または白色化を意味する。この文中に使用した湿潤化は、柔軟でしなやかな皮膚および/または見た目に好ましい皮膚にすることを意味する。
【0015】
この文中に使用した「含んでいる」は、「本質的にから構成されている」、および、「から構成されている」、を含意する。「実質的に非含有」は、外用組成物の全重量を基準とし包含されるすべての範囲を含めて、約0.5重量%未満、好ましくは約0.3重量%未満、最も好ましくは0から約0.1重量%未満を意味する。
【0016】
本発明の外用組成物はたとえば、フォーム、リキッド、ローション、クリーム、清澄液体(serum)、ジェル、ソープバー、クレンジング製品(たとえば、ボディウォッシュ、フェイシャルウォッシュまたはシャンプーおよびコンディショナー)または化粧水の形態でもよく、あるいは、フェースマスクまたはパッチによって塗布されてもよい。さらに本発明の外用組成物は好ましくはリーブオン組成物である。皮膚は、顔、首、胸、背、腕、手、臀部、脚および頭皮の皮膚を含意する。この文中に指定したすべての範囲は、たとえば明白に言及されていない場合にも、その中に包含されるすべての範囲を暗黙のうちに含意する。この文中に使用したバイオポリマー粒子は、水、極性溶媒またはその双方によって膨潤する適当な高分子を意味しており、合成的に製造されてもよいが普通は生体によって産生される。本発明のバイオポリマー粒子はたとえば粗粒状、粉末状、結晶状など(US 5738897に記載のような凍結乾燥および/または噴霧乾燥を含む)であり、剪断ゲルの前駆物質として供給された材料を含意する。この文中で使用した膨潤直径は、水、極性溶媒または双方のような膨潤剤で飽和したバイオポリマー粒子の直径を意味する。この文中に使用したバイオポリマーは、膨潤バイオポリマー粒子を意味する。膨潤直径は、膨潤粒子の2点間の最長距離を用いて測定する。膨潤直径はたとえば、希釈剪断ゲルを位相対比下の光学顕微鏡(典型的には25×倍率)でまたはMalvern Mastersizerのようなサイズ分析装置で分析することによって測定し得る。シリコーンエラストマー模擬物は、表在的に塗布される消費者用製品に慣例的に添加されているシリコーンエラストマーペーストを模倣できる剪断ゲルを意味する。このようなシリコーンエラストマーペーストの一例はDow Corning(R) DC9045である。この文中に使用した剪断ゲルは、約1ミクロンから約200ミクロンの膨潤直径を有しているバイオマポリマーを含むゲルを意味しており、剪断ゲルはシリコーンエラストマー模擬物として使用するのに適している。剪断ゲルを膨潤剤で希釈する(約1重量部の剪断ゲルに対して約10重量部の膨潤剤)ことによって膨潤直径を測定する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に使用し得るバイオポリマーに関する唯一の制約は、バイオポリマーがヒトの皮膚に塗布するのに適した外用組成物に使用できるものでなければならないことである。本発明に使用するのに適したバイオポリマーの種類の非限定的代表例は多糖類、タンパク質およびそれらの混合物から成る群を含む。
【0018】
好ましくは、バイオポリマーが、たとえばカラゲナン、フルセララン、ペクチン、アルギン酸塩、寒天、アガロース、ゲラン、グルコマンナン(たとえばコンニャク)、ガラクトマンナン(たとえば、イナゴマメガム、グアー)、キサンタン、改質セルロース、グルカン(たとえば、デンプン、カードラン)、ゼラチン、ホエイプロテインの粒子またはそれらの混合物から調製できる。より好ましくは、使用されるバイオポリマー粒子は、寒天、アガロース、カラゲナンまたはそれらの混合物である。最も好ましい実施態様において、使用されるバイオポリマー粒子はアガロースである。
【0019】
本発明に使用するための適当なバイオポリマー粒子は、FMC Corporation、National Starch and Chemical Co.、Cyber Colloids Ltd.およびHispangar S.A.のような供給業者から市販されている。本発明に使用し得るバイオポリマー粒子の種類に関する追加の記述は、Food Gels,Chapter 1,Peter Harris編,Elsevier,1990ならびにUS 6673371および5738897に見出すことができよう。これらの文献の開示は参照によってここに組込まれるものとする。
【0020】
特に好ましい実施態様において、本発明に使用されるバイオポリマーは合成増粘剤と共に使用される。本発明の剪断ゲルに使用するのに適した合成増粘剤の種類の代表例は、ISP CorporationからGanex系列として販売されているブチル化ポリビニルピロリドンのようなアルキル化ポリビニルピロリドン、いずれもClariant A.G.からAristoflex系列として販売されているポリプロピレンテレフタレートおよびアクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム/VPコポリマーのようなテレフタレートポリエステル、ISP Corporationから入手可能なEZ Sperse系列に含まれているもののようなポリ(メチルビニル/エーテルマレイン酸)ナトリウム塩のモノアルキルエステル、ISP Corporationから入手可能なStyleze系列に含まれているもののような(3−ジメチルアミノプロピル)−メタクリルアミド/3−メタクリロイルアミドプロピル)−ラウリル−ジメチル−アンモニウムクロリドを含む。使用に適した他の増粘剤は、B.F.Goodrich CompanyからCarbopolという名称で入手できるアクリル酸/エチルアクリレートコポリマーおよびカルボキシビニルポリマーとして一般分類されているものを含む。このような増粘剤は本質的に、ポリアリルスクロースまたはポリアリルペンタエリトリトールのような架橋剤で架橋されたコロイド的に水溶性のポリ−アルケニルポリエーテル架橋アクリル酸ポリマーから成る。これらの増粘剤はたとえばCarbopol 934、940、950、951、980および981を含む。
【0021】
本発明における使用に適した合成増粘剤の他の例は、Carbopol Ultrez 10、Carbopol Ultrez 21、Carbopol ETD2020、Carbopol 1342、Carbopol 1382およびPemulen TR−1(CTFA名称:アクリレート/10−30アルキルアクリレートクロスポリマー)という名称で販売されているものを含む。適当な増粘剤のまた別の例は、SeppicからSepigel 305およびSepiplusという名称で入手できるものを含む。所望ならば合成増粘剤の組合せを使用してもよい。この場合にはアクリレート由来および/またはテレフタレートポリエステルとして一般分類されるものが好ましい。
【0022】
本発明の剪断ゲルを製造するとき、剪断ゲルの全重量を基準とし内包するすべての範囲を含めて一般には約0.01から約15重量%、好ましくは約0.1から約10重量%、最も好ましくは約0.2から約7重量%のバイオポリマー粒子を使用する。合成ポリマーが望まれるとき、合成ポリマーは、外用組成物の全重量を基準とし内包するすべての範囲を含めて一般には約0.001から約6重量%、好ましくは約0.01から約4.0重量%、最も好ましくは約0.015から約2.5重量%を構成する。
【0023】
本発明の剪断ゲルを含む外用組成物はしばしば剪断ゲルと合成増粘剤とを、内包するすべての比の範囲を含めて約55対1から約1対55、好ましくは約15対1から約1対15の重量比で含むことができる。
【0024】
特に好ましい実施態様において、外用組成物は好ましくは合成ポリマーの少なくとも約1.5倍から約8倍の(重量の)剪断ゲルを含む。
【0025】
バイオポリマーは剪断ゲル中で、内包するすべての範囲を含めて一般には約1から約200ミクロン、好ましくは約4から約150ミクロン、最も好ましくは約8から約90ミクロンの膨潤直径を有している。
【0026】
本発明の剪断ゲルを製造するとき、バイオポリマー粒子と水または極性溶媒または双方とを配合して好ましくは混練する。一般には、得られたバイオポリマー粒子混合物を得られたバイオポリマーのゲル化温度とバイオポリマーの溶融温度をほぼ20パーセント上回る温度との間の温度に加熱する。好ましくは混合物を、内包するすべての範囲を含めて約35℃から約100℃の温度、最も好ましくは約60℃から約90℃の温度に加熱する。
【0027】
加熱によって非膨潤バイオポリマー粒子のない均質混合物が得られるまで加熱を行う必要がある。次に均質混合物をバイオポリマーのゲル化温度まで剪断を伴って冷却する。好ましくは、得られた剪断ゲルが周囲温度になるまで剪断を継続する。剪断は、業界の周知技術のいずれかを使用し、均質化を望んでいないならば好ましくは周囲圧力下で行う。剪断用の好ましい装置/ミキサーは典型的には、ESCO−Labor AG、Ross、Plough−Share、Sonic、BEE International、Microfluidics、Arde Barinco,Inc.、Serendip A.G.またはCherry Burrellのような供給業者によって市販されているものを含む。最も好ましい実施態様において、本発明の剪断ゲルは、たとえばミキサー(u−ミキサーなど)で混合され、その後に均質化処理される。
【0028】
剪断はブレード、パドルなどを含む装置で混練することによって実現し得る。均質化は、内包するすべての範囲を含めて好ましくは流速約0.5から約2.5、より好ましくは約0.5から約1.5L/分で動作する機械で実行する。ホモジナイザーの作業圧力は、内包するすべての範囲を含めて約1から約45,000psi、好ましくは約10から約20,000psiでなければならない。均質化の背圧は、一般には8,000psi未満、好ましくは内包するすべての範囲を含めて約0.001から約6000psiである。均質化ノズルは、内包するすべての範囲を含めて一般には約0.004から約0.01、好ましくは約0.006から約0.009インチである。
【0029】
別の実施態様において、本発明の剪断ゲルは、前駆物質であるブロック状または固体状のゲルの標本から製造されてもよく、これらはたとえば、切り分ける、切り刻むおよび/またはすりおろすなどの処理によって約6mm未満、好ましくは約1mm未満の体積を有する固体ゲルの破片またはフレークとなる。固体ゲルの破片またはフレークを水および/または極性溶媒で希釈すると、得られた混合物は約0.1から約15重量%のバイオポリマー(すなわち、膨潤ポリマーと固体ポリマー)を含む。本発明の剪断ゲルを製造するために、このような混合物を次に約45℃から約65℃の温度に剪断を伴って加熱し、ほぼ周囲温度まで剪断を伴って冷却する。好ましい実施態様において、前駆物質であるブロック状または固体状の標本を出発材料とする本発明の剪断ゲルはホモジナイザーで加熱および剪断することによって得られる。
【0030】
本発明に使用し得る極性溶媒の条件は、剪断ゲルを製造するためにバイオポリマー粒子と共に使用できることおよび親水性であることだけである。本発明において(水と共にまたは水無しで)使用し得る極性溶媒の種類の非限定的代表例は、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、グリセリン、エトキシル化グリセロール、プロポキシル化グリセロール、ポリアルキレングリコールたとえばポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、2−エトキシエタノール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサマトリオール、それらの混合物などである。
【0031】
本発明の剪断ゲルは、外用組成物の全重量を基準とし内包するすべての範囲を含めて、外用組成物の約1から約99重量%、好ましくは約3から約85重量%、最も好ましくは約8から約60重量%を構成できる。
【0032】
しかしながら、本発明の外用組成物の希釈剤、分散剤および/または担体として機能するように、商業的に許容される慣用のビヒクルを剪断ゲルと共に使用し得ることは理解されよう。したがって、本発明における使用に適した化粧品に許容されるビヒクルは、水基剤、無水、油基剤または多相エマルジョンを含むエマルジョンであろう。担体として水の使用を望む場合には、一般的に水が外用組成物のバランスを構成する。この文中に記載の剪断ゲルは驚異的に優れたシリコーンエラストマー模擬物なので、一般的に本発明にシリコーンエラストマーは好ましくない。しかしながら場合によってはシリコーンエラストマーを剪断ゲルと共に使用してもよい。
【0033】
場合によっては、担体として作用するように水に加えて有機溶媒を本発明の外用組成物に剪断ゲルと共に含有させてもよい。本発明における使用に適した有機溶媒の種類の非限定的代表例は、エチルおよびイソプロピルアルコールのようなアルカノール類、それらの混合物などを含む。
【0034】
本発明の剪断ゲルと共に担体として使用するのに適した他の任意の添加物質は、イソプロピルミリステート、セチルミリステート、2−オクチルドデシルミリステート、アボカド油、アーモンド油、オリーブ油、ヒマワリ種油、ネオペンチルグリコールジカプレート、それらの混合物などのようなエステル油を含む。一般的にこのようなエステル油は、エマルジョンが望まれるときに安定なエマルジョン、最も好ましくは油中水型エマルジョンが得られる量で使用される。使用に適した他の油は、ワックス、石油ゼリーを含むゼリーのような公知のものを含む炭化水素として一般分類されているものを含む。
【0035】
所望ならば皮膚緩和剤も本発明の外用組成物に担体として使用し得る。1−ヘキサデカノール(すなわち、セチルアルコール)のようなアルコール類はしばしば、シリコーン油および合成エステルと同様に皮膚緩和剤として一般分類されるので望ましい。使用に適したシリコーン油は、3から9、好ましくは4から5個のケイ素原子を含有する環状または直鎖状のポリジメチルシロキサンを含む。本発明に記載の新規な外用組成物中の皮膚緩和剤として有用な不揮発性シリコーン油は、ポリアルキルシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサンおよびポリエーテルシロキサンコポリマーを含む。本発明に有用な本質的に不揮発性のポリアルキルシロキサンはたとえばポリジメチルシロキサンを含む。
【0036】
場合によっては使用し得るエステル皮膚緩和剤は以下を含む。
(1)10から20個の炭素原子を有している脂肪酸のアルケニルまたはアルキルエステル。その例は、イソアラキジルネオペンタノエート、イソノニルイソナノノエート、オレイルミリステート、オレイルステアレートおよびオレイルオレエートを含む。
(2)エトキシル化脂肪アルコールの脂肪酸エステルのようなエーテル−エステル類。
(3)多価アルコールエステル類。エチレングリコールモノ−およびジ−脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ−およびジ−脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(200−6000)モノ−およびジ−脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ−およびジ−脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール2000モノオレエート、ポリプロピレングリコール2000モノステアレート、エトキシル化ポリプロピレングリコールモノステアレート、グリセロールモノ−およびジ−脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ−脂肪エステル、エトキシル化グリセリルモノ−ステアレート、1,3−ブチレングリコールモノステアレート、1,3−ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが好適な多価アルコールエステルである。
(4)蜜蝋、鯨蝋、ステアリルステアレートおよびアラキジルベヘネートのようなワックスエステル類。
(5)コレステロール脂肪酸エステルを代表例とするステロールエステル類。
【0037】
使用されるとき、皮膚緩和剤は、内包するすべての範囲を含めて外用組成物の一般には約0.1から約50重量%を構成する。
【0038】
10から30個の炭素原子を有している脂肪酸も化粧品に許容される担体として本発明の組成物に含有させ得る。このような脂肪酸の代表例は、ペラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキジン酸、ベヘン酸またはエルカ酸およびそれらの混合物を含む。ジメチルスルホキシドのような皮膚への浸透を増進すると考えられている化合物も任意の担体として使用し得る。
【0039】
この文中に記載した極性溶媒はまた保湿剤として本発明の望ましい外用組成物に添加し得る。したがってこのような極性溶媒は、剪断ゲルを製造するために使用されてもよく、単なる保湿剤として外用組成物に添加されてもよく、双方の役割で使用されてもよい。特に好ましい実施態様において本発明の外用組成物は外用組成物の全重量を基準として約50重量%未満の極性溶媒、好ましくは内包するすべての範囲を含めて約0.001から約25重量%の極性溶媒を含んでいる。
【0040】
水、剪断ゲル、シリコーン、エステル、脂肪酸および/または保湿剤が集合的に1から99.9重量%、好ましくは80から99重量%の量の化粧品に許容される担体を構成する。
【0041】
界面活性剤もまた本発明の外用組成物中に存在し得る。界面活性剤の全濃度は組成物の約0から約40重量%、好ましくは約0から約20重量%、最適には約0.001から約5重量%の範囲であろう。
【0042】
界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性および両性活性剤から成る群から選択され得る。特に好ましい非イオン性界面活性剤は、疎水性基1モルあたり2から100モルのエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドと縮合したC10−C20の脂肪アルコールまたは酸疎水性基をもつもの、エチレングリコールのモノ−およびジ−脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ソルビタンモノ−およびジ−C−C20脂肪酸、ブロックコポリマー(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)、ポリオキシエチレンソルビタン、ならびに、それらの組合せである。アルキルポリグリコシドおよび糖脂肪アミド(たとえばメチルグルコンアミド)も適当な非イオン性界面活性剤である。
【0043】
好ましいアニオン性界面活性剤は、セッケン、アルキルエーテルスルフェートおよびスルホネート、アルキルスルフェートおよびスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルおよびジアルキルスルホスクシネート、C−C20アシルイセチオネート、アシルグルタメート、C−C20アルキルエーテルホスフェートおよびそれらの組合せを含む。特に好ましい実施態様においては使用される界面活性剤が非イオン性であり、特にICI Americas,Inc.からトゥイーン40として販売されているポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテートである。
【0044】
本発明の外用組成物に香料を使用し得る。使用し得る香料の種類の非限定的代表例は、Bauer,K.ら,Common Fragrance and Flavor Materials,VCH Publishers(1990)に記載されているもののようなテルペン類およびテルペン誘導体を含む。
【0045】
本発明に使用し得る芳香剤の種類の非限定的代表例は、ミルセン、ジヒドロミレノール、シトラール、タゲトン、シス−ゲラン酸、シトロネル酸、それらの混合物などを含む。
【0046】
本発明の外用組成物に使用される芳香剤の量は好ましくは約0.0%から約10%、より好ましくは約0.00001%から約5重量%、最も好ましくは約0.0001%から約2%の範囲である。
【0047】
様々な種類の任意成分/添加剤を本発明の外用組成物に使用し得る。一般的な例はタルク、シリカ、アルファ−ヒドロキシ酸、ベータ−ヒドロキシ酸、亜鉛塩および日光遮蔽剤を含むがこれらの種類に限定はされない。
【0048】
ベータ−ヒドロキシ酸はたとえばサリチル酸を含む。ジンクピリジオンは本発明の外用組成物に有用な亜鉛塩の一例である。
【0049】
日光遮蔽剤は紫外光線を遮断する目的で普遍的に使用されている材料を含む。代表的な化合物は、PABA、シンナメートおよびサリチレートの誘導体である。たとえば、アボベンゾフェノン(パルソール1789(R))、オクチルメトキシシンナメートおよび2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(オキシベンゾンとしても知られる)を使用できる。オクチルメトキシシンナメートおよび2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンはそれぞれパルソールMCXおよびベンゾフェノン−3という商標で市販されている。組成物中で使用される日光遮蔽剤の正確な量は太陽のUV放射に対する所望の防御度にしたがって変更できる。太陽光線を反射または散乱する添加剤も使用し得る。これらの添加剤は、酸化亜鉛および二酸化チタンのような酸化物を含む。
【0050】
多くの外用組成物、特に水を含有するものは潜在的に有害な微生物の増殖を防御しなければならない。したがってトリクロサンのような抗菌化合物および保存剤が一般的に必要である。適当な保存剤は、p−ヒドロキシ安息香酸のアルキルエステル、ヒダントイン誘導体、プロピオン酸塩、および、様々な第四級アンモニウム化合物を含む。本発明の特に好ましい保存剤は、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェノキシエタノールおよびベンジルアルコールである。保存剤は通常は外用組成物の約0.1から2重量%の範囲の量で使用されるであろう。
【0051】
本発明の外用組成物に使用し得るさらに別の任意成分/添加剤は、EDTAのようなキレート剤、pH調整剤(たとえばNaOH)、二酸(たとえば、マロン酸、セバシン酸)、ビタミンEのような抗酸化剤、レチノイン酸レチナール、レチノールおよびレチニルエステルを含むレチノイド類、共役リノール酸、ペトロセリン酸とそれらの混合物、ならびに、しわ防止効果、ニキビ防止効果、皮脂作用抑制効果をもつことが知られている他の慣用の成分を含む。
【0052】
本発明の外用組成物に使用し得るまた別の任意の添加剤は皮膚明色化用添加剤である。本発明に使用し得る皮膚明色化用添加剤の非限定的代表例は、ナイアシンアミド、ビタミンCとその誘導体、12−ヒドロキシステアリン酸、レゾルシノールとその誘導体(たとえば、フェルラ酸、バニリン酸などでエステル化されたものを含む)、クズ、カミツレ、ノコギリソウの抽出物ならびに皮膚明色化資源のいずれかの混合物である。
【0053】
本発明の外用組成物における使用がしばしば好ましい任意の適当な添加剤は、微晶質セルロース、シリカ改質エチレン/メタクリレートコポリマー微小球、タルク改質エチレン/メタクリレートコポリマー微小球、それらの混合物などのような官能改質粒子である。本発明における使用に適した粒子の種類の他の例は、ポリエチレン、ポリプロピレンおよび/またはポリブチレン基剤のポリマーのようなポリオレフィン類、ポリアミド類(たとえばナイロン繊維)、それらの混合物などを含む。本発明における使用に適したまた別の好ましい粒子は、ポリウレタン、ポリスチレン、エポキシ樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、それらの混合物などを含む。
【0054】
好ましい実施態様において、本発明に使用された粒子はポリエチレンを含むか、または、タルク含有粒子であるかまたはそれらの混合物である。前者はしばしばCerapure(Shamrockにより市販されている)、Asensa(Honeywellにより市販されている)、Miperon(Mitsui Petrochemical Industries,Ltd.により市販されている)という名称で販売されている。別の好ましいポリエチレン基剤粒子は、CL−2080(Kobo Industriesにより市販されている)という名称で販売されている。本発明における使用に適したまた別の好ましい粒子は、シリカまたはタルクを含有するエチレンとメタクリレートとのコポリマーを含むもので、いずれもKobo Industriesによって商品化され、それぞれSPCAT−12およびDSPCS−12という名称で販売されている。Presperseから入手可能なポリスチレンおよびポリメチルメタクリレートを含む他の粒子(たとえばGanzpearl GS−0605およびGME0380という名称で販売されている)もしばしば好まれる。
【0055】
本発明における使用に適したさらに別の粒子はデンプンを含むものおよび乳を含むもののような天然の高分子スフェロイドを含む。前者はたとえばNational Starch and Chemicalから入手可能であり、後者はたとえばEngelhard Corporationから入手可能である。本発明における使用に適したまた別の天然高分子粒子はCelluflowおよびCellulo Beadsのようなセルロースを含む天然高分子粒子を含む。前者はChisso Corporationから入手可能であり、後者はKobo Industriesから入手可能である。
【0056】
使用されるとき、このような粒子は、内包するすべての範囲を含めて外用組成物の全重量の一般には約0.001から約10重量%、好ましくは約0.01から約8重量%、最も好ましくは約0.1から約6重量%を構成する。
【0057】
本発明の剪断ゲルと共に使用するための適当な他の好ましい任意添加剤は、ヒドロキシプロピルトリ(C−Cアルキル)アンモニウム塩のような湿潤剤を含む。これらの塩は、様々な合成手順で得ることができ、最も特別にはクロロヒドロキシプロピルトリ(C−Cアルキル)アンモニウム塩の加水分解によって得られる。最も好ましい種は、C−Cアルキルがメチル基を表す1,2−ジヒドロキシプロピルトリアンモニウムクロリドである。塩の量は、内包するすべての範囲を含めて外用組成物の約0.2から30重量%、好ましくは約0.5から約20重量%、最適には約1から約12重量%の範囲でよい。
【0058】
普通には第四級化アンモニウム基のC−Cアルキル成分はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルまたはヒドロキシエチルおよびそれらの混合物であろう。特に好ましいのはINCI命名法で「トリモニウム」基として知られたトリエチルアンモニウム基である。第四級アンモニウム塩にいかなるアニオンも使用できる。材料が化粧品的に許容されるという条件付きでアニオンは有機または無機でよい。典型的な無機アニオンはハライド、スルフェート、ホスフェート、ニトレートおよびボレートである。ハライド特にクロリドが最も好ましい。有機アニオン性対イオンは、メトスルフェート、トルオイルスルフェート、アセテート、シトレート、タータレート、ラクテート、グルコネートおよびベンゼンスルホネートを含む。
【0059】
特に上記のアンモニウム塩と共に使用し得るまた別の好ましい湿潤剤は、置換尿素、たとえば、ヒドロキシメチルウレア、ヒドロキシエチルウレア、ヒドロキシプロピルウレア、ビス(ヒドロキシメチル)ウレア、ビス(ヒドロキシエチル)ウレア、ビス(ヒドロキシプロピル)ウレア、N,N’−ジヒドロキシメチルウレア、N,N’−ジ−ヒドロキシエチルウレア、N,N’−ジ−ヒドロキシプロピルウレア、N,N,N’−トリ−ヒドロキシエチルウレア、テトラ(ヒドロキシメチル)ウレア、テトラ(ヒドロキシエチル)ウレア、テトラ(ヒドロキシプロピル)ウレア、N−メチル,N’−ヒドロキシエチルウレア、N−エチル−N’−ヒドロキシエチルウレア、N−ヒドロキシプロピル−N’−ヒドロキシエチルウレアおよびN,N’−ジメチル−N−ヒドロキシエチルウレアを含む。ヒドロキシプロピルという用語が出現する場合、これは3−ヒドロキシ−n−プロピル、2−ヒドロキシ−n−プロピル、3−ヒドロキシ−i−プロピルまたは2−ヒドロキシ−i−プロピルラジカルを上位概念的に意味する。ヒドロキシエチルウレアが最も好ましい。これはNational Starch & Chemical Division of ICIからHydrovanceという商標の50%水性液体として入手可能である。
【0060】
本発明の外用組成物に使用し得る置換尿素の量は、組成物の全重量を基準とし内包するすべての範囲を含めて、約0.01から約20重量%、好ましくは約0.5から約15重量%、最も好ましくは約2から約10重量%の範囲である。
【0061】
アンモニウム塩と置換尿素とを使用するとき、最も特別に好ましい実施態様においては、外用組成物の全重量を基準とし内包するすべての範囲を含めて、少なくとも約0.01から約25重量%、好ましくは約0.2から約20重量%、最も好ましくは約1から約15重量%の量でグリセリンのような保湿剤が使用される。また別の特に好ましい実施態様においては、本発明の外用組成物がシリコーンエラストマーを実質的に含有しない。
【0062】
本発明の外用組成物の所期の用途は主として、ヒトの皮膚に表在的に塗布するための製品、特に少なくとも皮膚を湿潤する製品である。発明者らは、外用組成物がたとえばシリコーンエラストマーを実質的に含有しないときに優れた官能効果(たとえば絹の滑らかさ)を生み出す優れた基剤として記載の剪断ゲルを外用組成物に使用できることを予想外にも発見した。本発明の外用組成物の使用によって得られる他の有益効果は、皮膚の明色化、皮膚に対する皮脂作用の抑制、皮膚のしわ減少を含むであろう。特に好ましい実施態様において、本発明の外用組成物は、内包するすべての範囲を含めて、約4.5から約7.5のpHを有している。また別の特に好ましい実施態様において、本発明の剪断ゲルは添加剤を優先的に担持し、従って添加剤を捕捉したり封入したりする必要がない。さらに、本発明の剪断ゲルは、初期および周囲温度で24時間維持後の双方の時期に一般には約4000から約30000、好ましくは約8000から約25000、最も好ましくは約12000から約23000cpsの粘度を有している(Brookfield DV−1粘度計、RV−S06スピンドル、25℃、20rpmで測定)。
【0063】
本発明の外用組成物を製造するとき、所望の剪断ゲルおよび他の成分を通常は約50から約80℃の温度および大気圧下で特別な順序を考慮しないで混合する。
【0064】
本発明の組成物は、パッチ、ボトル、チューブ、ロールボールアプリケーター、噴射剤推進エアゾールデバイス、搾りだし容器また蓋付き広口ビンなどに包装できる。
【0065】
本発明を例示的に説明し本発明の理解を容易にするために以下の実施例を提示する。特許請求の範囲が実施例によって限定されることはない。
【実施例1】
【0066】
本発明の処理段階に合致する手順でアガロースと水とを剪断を伴って混合することによって2%w/wのアガロース剪断ゲルを製造した。使用した装置はArde Barinco Inc.によって市販されているU−ミキサーであった。本発明の処理段階に合致する手順を用いU−ミキサーによって与えられる剪断を伴ってアガロースを混練することによって3%w/wのアガロース剪断ゲルを製造した。この実施例で得られた剪断ゲルをさらにBee Internationalによって供給されているホモジナイザーでこの文中に記載の処理段階に合致する手順で処理した。
【0067】
本発明に合致する外用組成物を製造するために以下の成分を配合した。本発明に合致する膨潤直径を有しているバイオポリマーを含有する均質な最終用途製品を製造するために、得られた外用組成物を混練、均質化または双方によって処理した。合成増粘剤は添加の前または後に塩基で中和した。
【0068】
【表1】

*2%w/wアガロース剪断ゲル、溶媒は水
**ポリメチルメタクリレート(KOBO,ES−830)
***3%w/wアガロース剪断ゲル、溶媒は水
****メチルメタクリレートクロスポリマー(KOBO,MSP−825)
【実施例2】
【0069】
実施例1の外用組成物をパネリストによって評価した。パネリスト全員が約0.1mLの組成物を前腕の掌側のほぼ38cmの区画に塗布し、塗布の直後および約5分間の吸収後に吸収速度と3種類の皮膚感触(油脂性、粘着性および滑らかさ)とを評価した。パネリスト全員が、本発明に従って製造された外用組成物は剪断ゲル非含有の組成物よりも粘着性および油脂性が少ないと感じたと結論づけた。パネリストはまた、本発明に従って製造された外用組成物は剪断ゲル非含有の組成物よりも速やかに皮膚に吸収されると感じられたと結論づけた。さらに、パネリスト全員が、本発明の組成物は本発明の剪断ゲル非含有の組成物よりも全体的に滑らかに感じられたと結論づけた。
【実施例3】
【0070】
以下の成分を配合して本発明に合致する外用組成物を製造した。
【0071】
【表2】

【0072】
40%のシリコーンエラストマーブレンドを含有し剪断ゲルを含有しない市販のPond’s Fine Pore製品とこの実施例の外用組成物を比較した。パネリストによる複系比較(bilateral comparison)を実施すると、パネリスト全員が、剪断ゲルを用いて製造された本発明に合致する組成物は塗布後、シリコーンエラストマーブレンドを40%の量で含有する優れた市販製品と同等に滑らかであるという驚くべき結論に達した。
【実施例4】
【0073】
以下の成分を配合して、剪断ゲルを40重量%の量で含有する本発明に合致した外用組成物を製造した。剪断ゲルおよび外用組成物は実施例1に記載の手順と同様の手順で製造した。
【0074】
【表3】

【0075】
この実施例の外用組成物をパネリストが塗布した。全員が、組成物は滑らかな皮膚感触を与えることができまた40重量%という量の剪断ゲルを使用したという事実にもかかわらず粘着性でないと結論づけた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)0.01から15重量%のバイオポリマー粒子と、
(b)水、極性溶媒または双方と、
から調製された剪断ゲルであって、バイオポリマー粒子が膨潤して、剪断ゲル中で1から200ミクロンの膨潤直径を有しておりそのゲル化温度まで剪断を伴って冷却されたバイオポリマーが得られていること、および、剪断ゲルが外用組成物中でシリコーンエラストマー模擬物として使用するのに適したものであることを特徴とする剪断ゲル。
【請求項2】
バイオポリマーが、カラゲナン、フルセララン、ペクチン、アルギン酸塩、寒天、アガロース、ゲラン、グルコマンナン、ガラクトマンナン、キサンタン、改質セルロース、グルカン、ゼラチン、ホエイプロテインまたはそれらの混合物から成る群から選択される請求項1に記載の剪断ゲル。
【請求項3】
バイオポリマーが寒天またはアガロースを含む請求項2に記載の剪断ゲル。
【請求項4】
バイオポリマーが剪断ゲル中で8から150ミクロンの膨潤直径を有している請求項1から3のいずれか一項に記載の剪断ゲル。
【請求項5】
バイオポリマーが水で膨潤している請求項1から4のいずれか一項に記載の剪断ゲル。
【請求項6】
バイオポリマーが極性溶媒で膨潤している請求項1から5のいずれか一項に記載の剪断ゲル。
【請求項7】
(i)請求項1から6のいずれか一項に記載の剪断ゲルと、
(ii)添加剤と、
を含む外用組成物。
【請求項8】
剪断ゲルが0.01から12重量%のバイオポリマー粒子から調製される請求項7に記載の外用組成物。
【請求項9】
外用組成物が化粧品に許容される担体をさらに含む請求項7または8に記載の外用組成物。
【請求項10】
極性溶媒が、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、グリセロール、エトキシル化グリセロール、プロポキシル化グリセロール、ポリアルキレングリコールたとえばポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、2−エトキシエタノール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサマトリオールおよびそれらの混合物から成る群から選択される請求項7から9のいずれか一項に記載の外用組成物。
【請求項11】
剪断ゲルが外用組成物の1から99重量%を構成する請求項7から10のいずれか一項に記載の外用組成物。
【請求項12】
外用組成物がシリコーンエラストマーを実質的に含有しない請求項7から11のいずれか一項に記載の外用組成物。
【請求項13】
化粧品に許容される担体がジメチコーンを含む請求項7から12のいずれか一項に記載の外用組成物。
【請求項14】
添加剤が、皮膚明色化用添加剤、しわ抑制剤、日光遮蔽剤、ビタミンまたは湿潤剤を含む請求項7から13のいずれか一項に記載の外用組成物。
【請求項15】
添加剤が、ヒドロキシプロピルトリ(C−Cアルキル)アンモニウム塩、置換尿素、グリセリンまたはそれらの混合物を含む請求項7から14のいずれか一項に記載の外用組成物。
【請求項16】
外用組成物がさらに、界面活性剤、官能改質粒子、合成増粘剤またはそれらの混合物を含む請求項7から15のいずれか一項に記載の外用組成物。
【請求項17】
(a)バイオポリマー粒子と水または極性溶媒または双方を配合および混練する段階と、
(b)得られた混合物をバイオポリマーのゲル化温度とバイオポリマーの溶融温度をほぼ20%上回る温度との間の温度に加熱して、未膨潤バイオポリマー粒子のない均質混合物を調製する段階と、
(c)均質混合物をバイオポリマーのゲル化温度まで剪断を伴って冷却し、最後に剪断ゲルをほぼ周囲温度で回収する段階と、
を含む請求項1から6のいずれか一項に記載の剪断ゲルの製造方法。
【請求項18】
(a)前駆物質であるブロック状または固体状のゲル標本の切り刻み、切り分けおよび/またはすりおろし処理によって6mm未満の体積を有するゲル破片またはフレークを得る段階と、
(b)破片またはフレークを水および/または極性溶媒で希釈して混合物を調製する段階と、
(c)混合物を45℃から65℃までの温度に剪断を伴って加熱する段階と、
(d)加熱した混合物をほぼ周囲温度まで剪断を伴って冷却して、剪断ゲルを製造する段階と、
を含む請求項1から6のいずれか一項に記載の剪断ゲルの製造方法。

【公表番号】特表2012−518670(P2012−518670A)
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−551478(P2011−551478)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【国際出願番号】PCT/EP2010/052230
【国際公開番号】WO2010/097370
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】