説明

副変速機構付き変速機

【課題】副変速機構付き変速機に関し、大型化を抑えつつ多段化とワイドレンジ化を実現する。
【解決手段】主軸13と、主軸13に対して同軸上に配設される出力軸14と、主軸13及び出力軸14に対して並行に配設されるカウンタ軸15と、主軸13とカウンタ軸15との間に変速ギヤ列を有する主変速部72と、主軸13と出力軸14とを連絡する遊星歯車機構41を含む副変速部73と、変速機ケース11とを備え、副変速部73は、カウンタ軸15に設けられた第1減速ギヤ52と、出力軸14に回転可能に支持されて第1減速ギヤ52と噛合する第2減速ギヤ53と、遊星歯車機構41を構成するリングギヤ45の回転を変速機ケース11に対して停止可能な回転停止手段51と、リングギヤ45を出力軸14及び第2減速ギヤ53のいずれか一方と選択的に結合可能な選択結合手段50とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、副変速機構付き変速機に関し、特に主変速機の出力側に副変速機としてのレンジギヤ段を備えた副変速機構付き変速機に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される変速機は、省燃費と発進性とを確保するために変速比の範囲(以下、オーバーオールレンジという)を広く確保することが要求される。ギヤ段数を一定に保ちつつオーバーオールレンジを拡大した場合、段間比が広くなるため変速時の回転数変化も大きくなる。そのため、ワイドレンジ化はギヤ段数の増加、すなわち多段化を伴うことになる。このような変速機の多段化を実現する手法として、主変速機の他に例えばスプリッタギヤ段やレンジギヤ段といわれる副変速機を設ける手法が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、主変速機の入力側に副変速機としてのスプリッタギヤ段を設け、さらに主変速機の出力側に副変速機としてのレンジギヤ段を設けた車両用多段変速機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−173775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述のような車両用多段変速機は、副変速機により主変速機のギヤ段数を2倍にすることが可能である。しかし、段間比を一定に保つためには主変速機のギヤ段数や段間比により変速比幅に制限を受けてしまうため、さらなるワイドレンジ化を図るには変速機の大型化を招くことになる。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、その目的は、副変速機構付き変速機において、変速機の大型化を抑えつつ、多段化とワイドレンジ化を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の副変速機構付き変速機は、エンジンからの回転動力が伝達される主軸と、前記主軸に対して同軸上に配設される出力軸と、前記主軸及び前記出力軸に対して並行に配設されるカウンタ軸と、前記主軸と前記カウンタ軸との間に変速ギヤ列を有する主変速部と、前記主軸と前記出力軸とを連絡する遊星歯車機構を含む副変速部と、少なくとも前記副変速部を収容する変速機ケースとを備え、前記副変速部は、前記カウンタ軸に設けられた第1減速ギヤと、前記出力軸に回転可能に支持されて前記第1減速ギヤと噛合する第2減速ギヤと、前記遊星歯車機構を構成するリングギヤの回転を前記変速機ケースに対して停止可能な回転停止手段と、前記リングギヤを前記出力軸及び前記第2減速ギヤのいずれか一方と選択的に結合可能な選択結合手段とを有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の副変速機構付き変速機は、エンジンからの回転動力が伝達される主軸と、前記主軸に対して同軸上に配設される出力軸と、前記主軸及び前記出力軸に対して並行に配設されるカウンタ軸と、前記主軸と前記カウンタ軸との間に変速ギヤ列を有する主変速部と、前記主軸と前記出力軸とを連絡する遊星歯車機構を含む副変速部と、少なくとも前記副変速部を収容するケースとを備え、前記副変速部は、前記カウンタ軸に回転可能に支持される第1減速ギヤと、前記出力軸に回転可能に支持されて前記第1減速ギヤと噛合する第2減速ギヤと、前記遊星歯車機構を構成するリングギヤを前記出力軸及び前記第2減速ギヤのいずれか一方と選択的に結合可能な第1選択結合手段と、前記第1減速ギヤを前記ケース及び前記カウンタ軸のいずれか一方と選択的に結合可能な第2選択結合手段とを有することを特徴とする。
【0009】
また、前記主変速部の入力側に高速段及び低速段の2段変速が可能なスプリッタギヤ段をさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の副変速機構付き変速機によれば、変速機の大型化を抑えつつ、多段化とワイドレンジ化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る副変速機構付き変速機を示すスケルトン図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る副変速機構付き変速機のレンジギヤ段を低速段位置にした状態を示すスケルトン図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る副変速機構付き変速機のレンジギヤ段を高速段位置にした状態を示すスケルトン図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る副変速機構付き変速機のレンジギヤ段を中速段位置にした状態を示すスケルトン図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る副変速機構付き変速機の各レンジにおけるギヤ段とアウトプットシャフト回転数との関係を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る副変速機構付き変速機において、レンジギヤ段の減速比を大きく設定した場合の各レンジにおけるギヤ段とアウトプットシャフト回転数との関係を示す図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る副変速機構付き変速機を示すスケルトン図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1〜6に基づいて、本発明の一実施形態に係る副変速機構付き変速機を説明する。同一の部品には同一の符号を付してあり、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0013】
本発明の一実施形態に係る副変速機構付き変速機(以下、単に変速機という)10は、エンジン1の回転動力を変速して車両の駆動輪(不図示)に伝達するものである。図1に示すように、エンジン1と変速機10との間にはクラッチ3が設けられている。また、クラッチ3は、エンジン1のクランクシャフト2に接続されたドライブプレート6、ドライブプレート6に対向配置されたドリブンプレート7及び、ドリブンプレート7をドライブプレート6との間に挟むプレッシャプレート8を有する。
【0014】
図1に示すように、変速機10の変速機ケース11は前方ケース部11aと後方ケース部11bとを有する。前方ケース部11aには、主変速機としてのメインギヤ段72及び、このメインギヤ段72の入力側に接続された副変速機としてのスプリッタギヤ段71が収容されている。また、後方ケース部11bには、メインギヤ段72の出力側に接続された副変速機としてのレンジギヤ段73が収容されている。以下、変速機10の詳細な構成について説明する。
【0015】
変速機10は、インプットシャフト12、このインプットシャフト12に対して同軸上に配設されたメインシャフト(主軸)13、メインシャフト13に対して同軸上に配設されたアウトプットシャフト(出力軸)14及び、これらのシャフト12,13,14に対して並行に配設されたカウンタシャフト(カウンタ軸)15を有する。
【0016】
インプットシャフト12は、その前端側を前方ケース部11a外方に突出させた状態で、図示しない軸受けにより変速機ケース11に回転可能に支持されている。また、インプットシャフト12の前端部にはドリブンプレート7が連結され、後端部には第1スプライン16が固設されている。また、前方ケース部11a内に収容されたインプットシャフト12には、インプットギヤ17が相対回転可能に支持されている。さらに、インプットギヤ17の後方側部には、当該ギヤを選択しうる第1ギヤスプライン18が固設されている。
【0017】
カウンタシャフト15は、前端側を前方ケース11a外方に突出させた状態で、図示しない軸受けにより変速機ケース11に回転可能に支持されている。また、カウンタシャフト15の前端部は、カウンタシャフトブレーキ58に連結されている。また、前方ケース部11a内に収容されたカウンタシャフト15には、前方側から順にインプットギヤ17と噛合するインプットカウンタギヤ19、3速カウンタギヤ20、2速カウンタギヤ21、1速カウンタギヤ22及び、リバースカウンタギヤ23が固設されている。さらに、後方ケース部11b内に収容されたカウンタシャフト15には、後述するアウトプット減速ギヤ53と噛合するカウンタ減速ギヤ52が固設されている。なお、本実施形態のカウンタ減速ギヤ52は、本発明の第1減速ギヤに相当する。
【0018】
メインシャフト13は、前方側を前方ケース部11a内に収容させるとともに、後方側を後方ケース部11b内に収容させた状態で、図示しない軸受けにより変速機ケース11に回転可能に支持されている。メインシャフト13の後方端部には、後述する遊星歯車機構41を構成するサンギヤ42が固設されている。また、前方ケース部11a内に収容されたメインシャフト13には、前方側から順に3速メインギヤ24、2速メインギヤ25、1速メインギヤ26及び、リバースメインギヤ27が相対回転可能に設けられている。この3速メインギヤ24は3速カウンタギヤ20と噛合し、2速メインギヤ25は2速カウンタギヤ21と噛合し、1速メインギヤ26は1速カウンタギヤ22と噛合する。また、リバースメインギヤ27は、アイドラギヤ28を介してリバースカウンタギヤ23と噛合する。
【0019】
3速メインギヤ24の前方側部には第2ギヤスプライン30が固設され、後方側部には第3ギヤスプライン31が固設されている。また、2速メインギヤ25の前方側部には第4ギヤスプライン32が固設され、1速メインギヤ26の後方側部には第5ギヤスプライン33が固設されている。また、リバースメインギヤ27の前方側部には第6ギヤスプライン34が固設されている。
【0020】
第3ギヤスプライン31と第4ギヤスプライン32との間に位置するメインシャフト13には、第2スプライン35が固設されている。また、第5ギヤスプライン33と第6ギヤスプライン34との間に位置するメインシャフト13には、第3スプライン36が固設されている。
【0021】
第1スプライン16には、軸方向に移動して隣接する第1スプライン16と第1ギヤスプライン18もしくは、第1スプライン16と第2ギヤスプライン30に係合可能な第1スリーブ37が設けられている。また、第2スプライン35には、軸方向に移動して隣接する第2スプライン35と第3ギヤスプライン31もしくは、第2スプライン35と第4ギヤスプライン32に係合可能な第2スリーブ38が設けられている。また、第3スプライン36には、軸方向に移動して隣接する第3スプライン36と第5ギヤスプライン33もしくは、第3スプライン36と第6ギヤスプライン34に係合可能な第3スリーブ39が設けられている。
【0022】
遊星歯車機構41は、サンギヤ42と、サンギヤ42の外周に配設されて噛合する複数の遊星ギヤ43と、各遊星ギヤ43を軸支するキャリア44と、内周面に各遊星ギヤ43と噛合する歯が形成されたリングギヤ45とを備える。サンギヤ42はメインシャフト13の後方端部に固設され、キャリア44はアウトプットシャフト14の前方端部に固設されている。リングギヤ45と変速機ケース11との間には、リングギヤ45の回転を変速機ケース11に停止可能なブレーキ(回転停止手段)51が設けられている。また、リングギヤ45の後方側部には軸方向に延びる筒部46が一体的に形成され、この筒部46はアウトプットシャフト14の外周に相対回転可能に嵌め込まれている。すなわち、筒部46は、アウトプットシャフト14とともに二重軸を構成する。
【0023】
筒部46の後方端部には、リングギヤスプライン47が固設されている。また、筒部46には、カウンタ減速ギヤ52と噛合するアウトプット減速ギヤ53が相対回転可能に支持されている。さらに、このアウトプット減速ギヤ53の後方側部には、第7ギヤスプライン48が固設されている。なお、本実施形態のアウトプット減速ギヤ53は、本発明の第2減速ギヤに相当する。
【0024】
アウトプットシャフト14は、後端側を後方ケース部11b外方に突出させた状態で、図示しない軸受けにより変速機ケース11に回転可能に支持されている。また、アウトプットシャフト14の後端部は、図示しないプロペラシャフトに連結されている。さらに、リングギヤスプライン47よりも後方に位置するアウトプットシャフト14には、第4スプライン49が固設されている。
【0025】
リングギヤスプライン47には、軸方向に移動して隣接するリングギヤスプライン47と第7ギヤスプライン48もしくは、リングギヤスプライン47と第4スプライン49に係合可能な第4スリーブ50(選択結合手段)が設けられている。
【0026】
各スリーブ37,38,39,50には図示しないシフトアームが係合され、このシフトアームは図示しないアクチュエータに接続されている。すなわち、アクチュエータにより各スリーブ37,38,39,50を軸方向に移動させてスプライン同士を選択的に結合させることにより、任意のギヤ段への変速動作が行われるように構成されている。以下、本発明の一実施形態に係る変速機10の変速動作について、スプリッタギヤ段71、メインギヤ段72及び、レンジギヤ段73の順で説明する。
【0027】
スプリッタギヤ段71では、第1スリーブ37が第1スプライン16上に位置(ニュートラル位置)するときは、インプットシャフト12の回転はインプットギヤ17に伝わらない。すなわち、カウンタシャフト15とメインシャフト13とアウトプットシャフト14とは停止状態になる。
【0028】
一方、第1スリーブ37が第1スプライン16及び第1ギヤスプライン18上(高速段位置)に移動されると、インプットシャフト12の回転はインプットギヤ17及びインプットカウンタギヤ19を介してカウンタシャフト15に増速されて伝達される。
【0029】
さらに、第1スリーブ37が第1スプライン16および第2ギヤスプライン30の上(低速段位置)に切換移動されると、インプットシャフト12の回転は3速メインギヤ24および3速カウンタギヤ20を介してカウンタシャフト15に減速されて伝達される。すなわち、スプリッタギヤ段71では、高速段及び低速段の2段変速が行われる。
【0030】
メインギヤ段72では、第2スリーブ38及び第3スリーブ39が、それぞれ第2スプライン35及び第3スプライン36上(ニュートラル位置)に位置するときは、各メインギヤ24〜27はメインシャフト13上を空回りする。すなわち、メインシャフト13は回転しない。
【0031】
一方、第3スリーブ39が第5ギヤスプライン33と第3スプライン36上に位置すると1速となり、メインシャフト13は1速相当で回転する。また、第2スリーブ38が第2スプライン35と第4ギヤスプライン32上に位置すると2速となり、メインシャフト13は2速相当で回転する。同様に、第2スリーブ38が第3ギヤスプライン31と第2スプライン35上に位置すると3速となり、メインシャフト13は3速相当で回転する。すなわち、スプリッタギヤ段71及びメインギヤ段72により6段変速(2×3=6)が行われる。
【0032】
レンジギヤ段73では、メインシャフト13の後方端部に固設されたサンギヤ42がメインシャフト13と同速度で回転する。そして、図2に示すように、第4スリーブ50がリングギヤスプライン47上に位置し、かつ、ブレーキ51がリングギヤ45の回転を停止させると(低速段位置)、サンギヤ42の回転は遊星歯車機構41の所定の減速比で減速されてアウトプットシャフト14に伝達される(以下、レンジLともいう)。
【0033】
一方、図3に示すように、第4スリーブ50がリングギヤスプライン47及び第4スプライン49上に移動され、かつ、ブレーキ51がリングギヤ45の回転停止を開放すると(高速段位置)、サンギヤ42の回転は直結状態でアウトプットシャフト14に伝達される(以下、レンジHともいう)。
【0034】
さらに、図4に示すように、第4スリーブ50が第7ギヤスプライン48及びリングギヤスプライン47上に切換移動され、かつ、ブレーキ51がリングギヤ45の回転停止を開放すると(中速段位置)、カウンタシャフト15の回転がカウンタ減速ギヤ52及びアウトプット減速ギヤ53を介してリングギヤ45に伝達される。そして、リングギヤ45は、低速段位置や高速段位置とは異なる回転数で駆動される(以下、レンジSともいう)。すなわち、本実施形態の変速機10は、スプリッタギヤ段71、メインギヤ段72及び、レンジギヤ段73により18段変速(2×3×3=18)が可能に構成されている。
【0035】
以上説明したように、本発明の一実施形態による変速機10によれば、カウンタシャフト15の回転をレンジギヤ段73の遊星歯車機構41を構成するリングギヤ45に伝達することにより、図5に示すように低速段(レンジL)及び高速段(レンジH)の各ギヤ比の間に中速域の複数のギヤ段(レンジS)を設けることが可能となる。すなわち、従来例にカウンタ減速ギヤ52、アウトプット減速ギヤ53及び、ブレーキ51を追加した簡素な構成で、変速機10の変速段数を大幅に増加(従来例に比べて1.5倍)させることができる。
【0036】
また、レンジギヤ段73の減速比を大きく設定した場合、低速段(レンジL)の回転数は全域で低下する(図6参照)。すなわち、レンジギヤ段73の減速比を大きく設定するなど、減速比を適切に調整すれば、変速機10の段間比を一定に保ちつつワイドレンジ化を容易に実現することが可能となる。
【0037】
また、シャフト間距離を長く変更することなく、カウンタ減速ギヤ52やアウトプット減速ギヤ53を追加するのみで多段化やワイドレンジ化が実現されるので、変速機10の大型化を効果的に抑えることが可能となる。
【0038】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
【0039】
例えば、図7に示すように、カウンタシャフト15にカウンタ減速ギヤ52を回転可能に設け、変速機ケース11に固設されたスプライン54とカウンタ減速ギヤ52の後方側部に固設されたスプライン55もしくは、このスプライン55とカウンタシャフト15に固設されたスプライン56に係合可能なスリーブ57(第2選択結合手段)を設けた構成としてもよい。この場合、リングギヤ45の回転を停止するブレーキ51は省略してもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 エンジン
10 変速機(副変速機構付き変速機)
11 変速機ケース
13 メインシャフト(主軸)
14 アウトプットシャフト(出力軸)
15 カウンタシャフト(カウンタ軸)
41 遊星歯車機構
45 リングギヤ
50 第4スリーブ(選択結合手段)
51 ブレーキ(回転停止手段)
52 カウンタ減速ギヤ(第1減速ギヤ)
53 アウトプット減速ギヤ(第2減速ギヤ)
71 スプリッタギヤ段(副変速部)
72 メインギヤ段(主変速部)
73 レンジギヤ段(副変速部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンからの回転動力が伝達される主軸と、前記主軸に対して同軸上に配設される出力軸と、前記主軸及び前記出力軸に対して並行に配設されるカウンタ軸と、前記主軸と前記カウンタ軸との間に変速ギヤ列を有する主変速部と、前記主軸と前記出力軸とを連絡する遊星歯車機構を含む副変速部と、少なくとも前記副変速部を収容する変速機ケースとを備え、
前記副変速部は、前記カウンタ軸に設けられた第1減速ギヤと、前記出力軸に回転可能に支持されて前記第1減速ギヤと噛合する第2減速ギヤと、前記遊星歯車機構を構成するリングギヤの回転を前記変速機ケースに対して停止可能な回転停止手段と、前記リングギヤを前記出力軸及び前記第2減速ギヤのいずれか一方と選択的に結合可能な選択結合手段とを有することを特徴とする副変速機構付き変速機。
【請求項2】
エンジンからの回転動力が伝達される主軸と、前記主軸に対して同軸上に配設される出力軸と、前記主軸及び前記出力軸に対して並行に配設されるカウンタ軸と、前記主軸と前記カウンタ軸との間に変速ギヤ列を有する主変速部と、前記主軸と前記出力軸とを連絡する遊星歯車機構を含む副変速部と、少なくとも前記副変速部を収容するケースとを備え、 前記副変速部は、前記カウンタ軸に回転可能に支持される第1減速ギヤと、前記出力軸に回転可能に支持されて前記第1減速ギヤと噛合する第2減速ギヤと、前記遊星歯車機構を構成するリングギヤを前記出力軸及び前記第2減速ギヤのいずれか一方と選択的に結合可能な第1選択結合手段と、前記第1減速ギヤを前記ケース及び前記カウンタ軸のいずれか一方と選択的に結合可能な第2選択結合手段とを有することを特徴とする副変速機構付き変速機。
【請求項3】
前記主変速部の入力側に高速段及び低速段の2段変速が可能なスプリッタギヤ段をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載の副変速機構付き変速機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−172792(P2012−172792A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37007(P2011−37007)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000000170)いすゞ自動車株式会社 (1,721)
【Fターム(参考)】