説明

力センサユニット

【課題】 センサが破損するおそれを無くして、しかもタッチ位置の特定精度を高めることができる力センサユニットを提供する。
【解決手段】 相互間に所定の間隔をあけて、受圧部材3とベース部材5との間に、押圧力を加えた位置を特定するために必要な情報を出力する3個以上の力センサ71を配置する。3個以上の力センサ71は、それぞれ押圧力が受圧部材3の表面に加わっていない状態で所定のバイアス力を力センサ71に付与し、受圧部材3の表面に押圧力が加えられたときに、押圧力の大きさに比例してバイアス力を減少させるように構成された保持機構72を介して受圧部材3とベース部材5との間に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、力センサを用いた装置用の力センサユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特表2008−515089号公報には、力センサを用いた装置の一例として、パネルの四隅または周囲に力センサを配置した従来のタッチパネル入力装置が開示されている。この装置では、タッチパネルに加わる押圧力を4つの力センサで受け、各力センサから出力される押圧力に比例した信号のバランスを計算することにより、操作者がタッチしているパネルの位置を特定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2008−515089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の構造で、タッチ位置の特定精度を高めるためには、パネルに加えられる押圧力を高めて、力センサの出力を大きくすることによる。しかしながら力センサから大きな出力を得るために強い力でパネルを押すと、力センサが破損するおそれがあった。
【0005】
本発明の目的は、力センサが破損するおそれを無くした力センサユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の力センサユニットが用いられる装置は、押圧力が加わる表面を有する受圧部材と、受圧部材の裏面と対向するベース部材と、相互間に所定の間隔をあけて、受圧部材とベース部材との間に配置され、押圧力を加えた位置を特定するために必要な情報を出力する3個以上の力センサとを備えている。本発明では、3個以上の力センサを保持機構を介して受圧部材とベース部材との間に配置する。保持機構は、それぞれ押圧力が受圧部材の表面に加わっていない状態で所定のバイアス力を力センサに付与し、表面に押圧力を加えられたときに、押圧力の大きさに比例してバイアス力を減少させるように構成されている。このような保持機構を用いると、受圧部材に加わる押圧力が大きくなるほど、バイアス力が減少する。その結果、力センサに加わる力は、押圧力が大きくなるほど小さくなる。その結果、操作者が一般的な感覚で、受圧部材を強く押しても、力センサが破損することはない。そして押圧力を大きくしたときの力センサの出力の変化量は、押圧力に比例して大きくなるので、位置の特定精度は高まる。
【0007】
保持機構の具体的な構成は、任意である。例えば、保持機構は、受圧部材とベース部材との間のスペース内に位置決めされて力センサが取り付けられるセンサ取付部を備え、受圧部材及びベース部材の一方の部材に固定された第1のアタッチメント部材と、力センサを間に介してセンサ取付部と対向するバイアス力付与部を備えて、受圧部材及びベース部材の他方の部材に固定された第2のアタッチメント部材と、押圧力が受圧部材の表面に加わっていない状態で、バイアス力をバイアス力付与部を介して力センサに与えるバイアス力付与手段とを備えた構造とすることができる。このように第1及び第2のアタッチメント部材を用いると、保持機構の構造が簡単になる。
【0008】
また第1のアタッチメント部材は、センサ取付部と一体に形成されてベース部材に固定される固定部を有しているのが好ましい。またこの場合、力センサは第1のアタッチメント部材のセンサ取付部と第2のアタッチメント部材のバイアス力付与部との間に位置する。そしてバイアス力付与手段は、第2のアッタチメント部材のバイアス力付与部とベース部材との間に配置されている。バイアス力付与手段は、受圧部材に加わる押圧力によって復元可能に変形し、押圧力が除去されると元の形に復元して受圧部材を元の位置に戻す復帰力を受圧部材に与えるように構成されている。このような構成にすると、センサ取付部及びバイアス力付与部がベース部材に対する受圧部材のストッパとして機能する。したがって受圧部材に対して極端に大きな押圧力が加わったとしても、受圧部材が破損することはない。また受圧部材加わる押圧力が解除されると、受圧部材は元の位置に戻る。
【0009】
なお復帰力を大きくするために、センサ取付部と受圧部材に固定された第2のアタッチメント部材の固定部との間に、押圧力によって復元可能に変形し、押圧力が除去されると元の形に復元して受圧部材を元の位置に戻す復帰力を受圧部材に与える追加バイアス力付与手段を設けるのが好ましい。
【0010】
また第1及び第2のアタッチメント部材、バイアス力付与手段並びに追加バイアス力付与手段が組み合わされて1つの力センサユニットを構成しているのが好ましい。このような力センサユニットを用いると、タッチパネル入力装置の組立が容易になる。
【0011】
保持機構の構造は上記に限定されるものではない。例えば第1のアタッチメント部材の固定部を、センサ取付部と平行に延びる平行部と、センサ取付部の一端と平行部の一端とを連結する連結部とを備えた構造とし、第2のアタッチメント部材の固定部を、バイアス力付与部と平行に延びる平行部と、バイアス力付与部の一端と平行部の一端とを連結する連結部とを備えた構造とする。その上で第1及び第2のアタッチメント部材を、センサ取付部とバイアス力付与部とが対向し、第1のアタッチメント部材の連結部と第2のアタッチメント部材の連結部とが平行に並ぶように組み合わせる。そして第1のアタッチメント部材のセンサ取付部と第2のアタッチメント部材の平行部との間にバイアス力付与手段を配置する。この場合も、バイアス力付与手段は、受圧部材に加わる押圧力によって復元可能に変形し、押圧力が除去されると元の形に復元して受圧部材を元の位置に戻す復帰力を受圧部材に与えるように構成する。保持構造をこのように構成しても、前述の保持構造と同様に動作する。そしてセンサ取付部及びバイアス力付与部がベース部材に対する受圧部材のストッパとして機能する。
【0012】
バイアス力付与手段及び追加バイアス力付与手段は、バネまたは弾性部材から構成されているのが好ましい。
【0013】
本発明の好ましいタッチパネル入力装置用センサユニットは、保持機構が、受圧部材とベース部材との間のスペース内に位置決めされて力センサが取り付けられるセンサ取付部を備えて受圧部材及びベース部材の一方の部材に固定された第1のアタッチメント部材と、力センサを間に介してセンサ取付部と対向するバイアス力付与部を備えて、受圧部材及びベース部材の他方の部材に固定された第2のアタッチメント部材と、押圧力が受圧部材の表面に加わっていない状態で、バイアス力をバイアス力付与部を介して力センサに与えるバイアス力付与手段とを備えている。そして第1のアタッチメント部材は、センサ取付部と一体に形成されてベース部材に固定される固定部を有しており、第2のアタッチメント部材は、バイアス力付与部と一体に形成されて受圧部材に固定される固定部を有している。そして第1のアタッチメント部材のセンサ取付部と第2のアタッチメント部材のバイアス力付与部との間に力センサが位置する。また第2のアッタチメント部材のバイアス力付与部とベース部材との間にバイアス力付与手段が配置される。そしてセンサ取付部と受圧部材に固定された第2のアタッチメント部材の固定部との間に、押圧力によって復元可能に変形し、押圧力が除去されると元の形に復元して受圧部材を元の位置に戻す復帰力を受圧部材に与える追加バイアス力付与手段を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(A)乃至(C)は、タッチパネル入力装置に本発明の力センサユニットの第1の実施の形態を適用した例の平面図及び正面図及び右側面図である。
【図2】図1のタッチパネル入力装置の分解斜視図である。
【図3】図1(B)のIII−III線拡大断面図である。
【図4】図1に示した第1の実施の形態の力センサユニットの配置を説明するために用いる図である。
【図5】第2の実施の形態の主要部の構成を示す図である。
【図6】第3の実施の形態の主要部の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1(A)乃至(C)は、本発明の力センサユニットの第1の実施の形態を適用したタッチパネル入力装置1の平面図及び正面図及び右側面図であり、図2は図1のタッチパネル入力装置1の分解斜視図である。図3は、図1(B)のIII−III線拡大断面図である。このタッチパネル入力装置1は、操作者が押圧力を加える表面を有する受圧部材としてのパネル部材3と、パネル部材3の裏面と対向するベース部材5と、相互間に所定の間隔をあけて、パネル部材3とベース部材5との間に配置され、押圧力を加えた位置を特定するために必要な情報を出力する4個の本発明の実施の形態の力センサユニット7とを備えている。図2に示すようにパネル部材3は、アクリル製の透明なタッチパネル31とアクリル製の枠体32とから構成されている。タッチパネル31は、枠体32の上面に超音波溶着等によって接合されている。枠体32の長手方向の両端に位置する一対の側壁33には、幅方向(長手方向及び厚み方向と直交する方向)の両端部にそれぞれ2つの取付孔34が形成されている。
【0016】
ベース部材5は、ベース本体部51の長手方向の両端に、ベース本体部51よりも厚みが薄い一対のフランジ部52を備えている。そして一対のフランジ部52の幅方向(ベース本体部51の長手方向及び厚み方向と直交する方向)の両端部には、それぞれ2つずつ取付孔53が形成されている。またベース本体部51の側面には、幅方向の両端部に、それぞれ嵌合用凸部54が形成されている。枠体32の取付孔34とベース部材5のフランジ部52に設けた取付孔53等を利用して4個の力センサユニット7が、パネル部材3とベース部材5の四隅に取り付けられる。
【0017】
図3に示すように、本実施の形態の力センサユニット7は、力センサ71と保持機構72とから構成される。保持機構72は、第1のアタッチメント部材73と、第2のアタッチメント部材74と、バイアス力付与手段77と、追加バイアス力付与手段78とから構成される。第1のアタッチメント部材73は、パネル部材3の側壁33とベース部材5のフランジ部52との間のスペース内に位置決めされて力センサ71が取り付けられるセンサ取付部73aと、センサ取付部73aと一体に形成されてベース部材5のフランジ部52に固定される固定部73bを有している。固定部73bは、センサ取付部73aと平行に延びる平行部73cと、センサ取付部73aの一端と平行部73cの一端とを連結する連結部73dとを備えている。本実施の形態では、平行部73cがベース部材5のフランジ部52と接触し、連結部73dがベース本体部51の側面と接触している。平行部73cには、フランジ部52に設けた2つの取付孔53と整合する貫通孔73e(図2参照)が形成されている。整合した取付孔53と貫通孔73eにはネジ75が螺合されている。また連結部73dには、ベース本体部51の側壁に設けた一対の嵌合用凸部54が嵌合される一対の貫通孔73fが形成されている。
【0018】
第2のアタッチメント部材74は、パネル部材3の枠体32の側壁33の内壁面に固定される。第2のアタッチメント部材74は、力センサ71を間に介してセンサ取付部73aと対向するバイアス力付与部74aと固定部74bとを一体に備えている。固定部74bは、バイアス力付与部74aと平行に延びる平行部74cと、バイアス力付与部74aの一端と平行部74cの一端とを連結する連結部74dとを備えている。第1及び第2のアタッチメント部材73及び74は、センサ取付部73aとバイアス力付与部74aとが対向し、第1のアタッチメント部材73の連結部73dと第2のアタッチメント部材74の連結部74dとが平行に並ぶように組み合わされている。そして第1のアタッチメント部材73のセンサ取付部73aと第2のアタッチメント部材74の平行部74cとの間にバイアス力付与手段を配置している。本実施の形態では、平行部74cと連結部74dの一部が枠体32の側壁33の内壁部と接触している。平行部74cには、枠体32の側壁33の内壁部に設けた図示しない一対の嵌合用凸部と嵌合する貫通孔74f(図2)が形成されている。また連結部74dには、側壁33に設けた一対の取付孔34と整合する一対の貫通孔74eが形成されている。整合した取付孔34と貫通孔74eには、それぞれネジ76が螺合されている。
【0019】
力センサ71は第1のアタッチメント部材73のセンサ取付部73aに固定されて、センサ取付部73aと第2のアタッチメント部材74のバイアス力付与部74aとの間に位置する。本実施の形態では、力センサ71として、特許第3830906号等に開示されている半導体力センサを用いている。この半導体力センサは、ダイアフラム状の半導体基板の上に球体が配置された構造を有し、球体に加わる力に比例した信号を出力する。また第2のアタッチメント部材74のバイアス力付与部74aとベース部材5のフランジ部52上に位置する第1のアタッチメント部材73の平行部73cとの間に2本のコイルバネからなるバイアス力付与手段77が配置されている。2本のコイルバネの一端の内部には、2本のネジ75の先端部が挿入されている。バイアス力付与手段77は、パネル部材3に加わる押圧力によって復元可能に変形し、押圧力が除去されると元の形に復元してパネル部材3を元の位置に戻す復帰力をパネル部材3に与える。また本実施の形態では、センサ取付部73aとパネル部材3に固定された第2のアタッチメント部材74の固定部74bの平行部74cとの間に、押圧力によって復元可能に変形し、押圧力が除去されると元の形に復元してパネル部材3を元の位置に戻す復帰力をパネル部材3に与える2本のコイルバネからなる追加バイアス力付与手段78が設けられている。追加バイアス力付与手段78を構成する2本のコイルバネの一端の内部には、第2のアタッチメント部材74の平行部74cに設けられた貫通孔に嵌合されて突出する嵌合用凸部の先端が嵌合されている。
【0020】
このような構成にすると、センサ取付部73a及びバイアス力付与部74aがベース部材5に対するパネル部材3のストッパとして機能する。したがってパネル部材3に対して極端に大きな押圧力が加わったとしても、パネル部材3が破損することはない。またパネル部材に加わる押圧力が解除されると、バイアス力付与手段77と追加バイアス力付与手段78の復元力によりパネル部材3は元の位置に迅速に戻る。また本実施の形態では、第1及び第2のアタッチメント部材73及び74、バイアス力付与手段77並びに追加バイアス力付与手段78が組み合わされて1つの力センサユニットを構成している。このような力センサユニットを用いると、タッチパネル入力装置1の組立が容易になる。
【0021】
本実施の形態のタッチパネル入力装置1では、押圧力がパネル部材の表面に加わっていない状態で、バイアス力付与手段77並びに追加バイアス力付与手段78が協働して第2のアタッチメント部材74をベース部材5から離す(バイアス力付与部74aを力センサ71側に押し付ける)方向に付勢する。バイアス力付与手段77だけでも、必要なバイアスを得ることができるが、追加バイアス力付与手段78を用いると、より確実にバイアス力をバイアス力付与部74aに付与することができる。そしてパネル部材3の表面に押圧力が加わると、バイアス力付与手段77及び追加バイアス力付与手段78が変形(蓄勢)し、押圧力の大きさに比例してバイアス力を減少させる。その結果、パネル部材3に加わる押圧力が大きくなるほど、バイアス力が減少する。そして力センサ71に加わる力は、押圧力が大きくなるほど小さくなる。その結果、操作者が一般的な感覚で、パネル部材3を強く押しても、力センサが破損することはない。そして押圧力を大きくしたときの力センサ71の出力の変化量は、押圧力に比例して大きくなる。
【0022】
図1の装置では、図4に示すように、パネル部材3の長手方向に対向する2つの力センサユニット7は、パネル部材3の長手方向と直交する方向に延びる中心線Cに対して線対称になるように配置されている。このようにすれば共通の力センサユニット7を用いることができる。
【0023】
上記実施の形態では、バイアス力付与手段77及び追加バイアス力付与手段78を用いているが、図5に示す第2の実施の形態のように、保持機構172中に追加バイアス力付与手段78を用いずに、バイアス力付与手段77だけを用いるようにしてもよいのは勿論である。なおこの場合には、第2のアタッチメント部材174は、追加バイアス力付与手段を内部に配置する必要がないため、連結部174dの長さは図3及び図4の第2のアタッチメント部材74の連結部74dの長さよりも短くすることができる。そのため本実施の形態によれば、力センサユニット107の高さ寸法を小さくすることができる。
【0024】
また図6に示す第3の実施の形態のように、図3及び図4に示したバイアス力付与手段77を用いずに、保持機構272中に追加バイアス力付与手段278だけを用いるようにしてもよいのは勿論である。なおこの場合には、第2のアタッチメント部材274は、バイアス力付与手段77に相当するものを内部に配置する必要がないため、連結部273dの長さは図3及び図4の第1のアタッチメント部材73の連結部73dの長さよりも短くすることができる。そのため本実施の形態によれば、力センサユニット207の高さ寸法を小さくすることができる。第3の実施の形態では、追加バイアス力付与手段278が、特許請求の範囲のバイアス力付与手段を構成している。
【0025】
上記実施の形態では、バイアス力付与手段及び追加バイアス力付与手段を、コイルバネによって構成しているが、コイルバネに代えて弾性部材、スポンジ状部材、内部にエアが充填されたエアクッション部材等を用いることができるのは勿論である。
【0026】
図1の装置では、4個の力センサが用いられているが、パネル部材に押圧力を加えた位置を特定するために必要な情報を得られるのであれば、力センサの数は3個以上で任意である。
【0027】
上記の説明では、本発明の力センサユニットをタッチパネル入力装置に適用した場合について説明したが、本発明の力センサユニットは、スライドスイッチのように操作量に応じて出力が変化するスイッチ装置や、荷重を計測する荷重計測計等にも当然にして適用できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明によれば、受圧部材を強く押しても、力センサが破損することはなく、しかも押圧力を大きくしたときの力センサの出力の変化量を、押圧力に比例して大きくすることができる。
【符号の説明】
【0029】
1 タッチパネル入力装置
3 パネル部材
5 ベース部材
7 力センサユニット
31 タッチパネル
32 枠体
33 側壁
34 取付孔
51 ベース本体部
52 フランジ部
71 力センサ
72 保持機構
73 第1のアタッチメント部材
73a センサ取付部
73b 固定部
74 第2のアタッチメント部材
74a バイアス力付与部
74b 固定部
77 バイアス力付与手段
78 追加バイアス力付与手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
押圧力が加わる表面を有する受圧部材と、
前記受圧部材の裏面と対向するベース部材と、
相互間に所定の間隔をあけて、前記受圧部材と前記ベース部材との間に配置され、前記押圧力を検出する1個以上の力センサを備えた装置に用いる力センサユニットであって、
前記力センサを前記受圧部材と前記ベース部材との間に保持する保持機構を備え、
前記保持機構は、前記押圧力が前記受圧部材の前記表面に加わっていない状態で所定のバイアス力を前記力センサに付与し、前記表面に押圧力が加えられたときに、前記押圧力の大きさに比例して前記バイアス力を減少させるように構成されていることを特徴とする力センサユニット。
【請求項2】
前記保持機構は、前記受圧部材と前記ベース部材との間のスペース内に位置決めされて前記力センサが取り付けられるセンサ取付部を備えて前記受圧部材及び前記ベース部材の一方の部材に固定された第1のアタッチメント部材と、
前記力センサを間に介して前記センサ取付部と対向するバイアス力付与部を備えて、前記受圧部材及び前記ベース部材の他方の部材に固定された第2のアタッチメント部材と、
前記押圧力が前記受圧部材の前記表面に加わっていない状態で、バイアス力を前記バイアス力付与部を介して前記力センサに与えるバイアス力付与手段とを備えている請求項1に記載の力センサユニット。
【請求項3】
前記第1のアタッチメント部材は、前記センサ取付部と一体に形成されて前記ベース部材に固定される固定部を有しており、
前記第2のアタッチメント部材は、前記バイアス力付与部と一体に形成されて前記受圧部材に固定される固定部を有しており、
前記第1のアタッチメント部材の前記センサ取付部と前記第2のアタッチメント部材の前記バイアス力付与部との間に前記力センサが位置し、
前記第2のアッタチメント部材の前記バイアス力付与部と前記ベース部材との間に前記バイアス力付与手段が配置され、
前記バイアス力付与手段は、前記受圧部材に加わる前記押圧力によって復元可能に変形し、前記押圧力が除去されると元の形に復元して前記受圧部材を元の位置に戻す復帰力を前記受圧部材に与えるように構成されている請求項2に記載の力センサユニット。
【請求項4】
前記センサ取付部と前記受圧部材に固定された前記第2のアタッチメント部材の前記固定部との間には、前記押圧力によって復元可能に変形し、前記押圧力が除去されると元の形に復元して前記受圧部材を元の位置に戻す復帰力を前記受圧部材に与える追加バイアス力付与手段を備えている請求項3に記載の力センサユニット。
【請求項5】
前記第1及び第2のアタッチメント部材、前記バイアス力付与手段並びに前記追加バイアス力付与手段が組み合わされて1つの力センサユニットを構成している請求項4に記載の力センサユニット。
【請求項6】
前記第1のアタッチメント部材の前記固定部は、前記センサ取付部と平行に延びる平行部と、前記センサ取付部の一端と前記平行部の一端とを連結する連結部とを備えており、
前記第2のアタッチメント部材の前記固定部は、前記バイアス力付与部と平行に延びる平行部と、前記バイアス力付与部の一端と前記平行部の一端とを連結する連結部とを備えており、
前記第1及び第2のアタッチメント部材は、前記センサ取付部と前記バイアス力付与部とが対向し、前記第1のアタッチメント部材の前記連結部と前記第2のアタッチメント部材の前記連結部とが平行に並ぶように組み合わされ、
前記第1のアタッチメント部材の前記センサ取付部と前記第2のアタッチメント部材の前記平行部との間に前記バイアス力付与手段が配置され、
前記バイアス力付与手段は、前記受圧部材に加わる前記押圧力によって復元可能に変形し、前記押圧力が除去されると元の形に復元して前記受圧部材を元の位置に戻す復帰力を前記受圧部材に与えるように構成されている請求項2に記載の力センサユニット。
【請求項7】
前記バイアス力付与手段が、バネまたは弾性部材から構成されている請求項2乃至6のいずれか1項に記載の力センサユニット。
【請求項8】
前記追加バイアス力付与手段が、バネまたは弾性部材から構成されている請求項4に記載の力センサユニット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−155703(P2012−155703A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−273379(P2011−273379)
【出願日】平成23年12月14日(2011.12.14)
【出願人】(000242633)北陸電気工業株式会社 (49)
【Fターム(参考)】