説明

力強いアンビエンス照明システム

本発明は、通常、表示デバイスと併せて使用する、アンビエンス照明システムに関連する。アンビエンス照明システムは、AmbiLight型のシステムであっても良い。アンビエンス照明システムは、表示スクリーンのサブ領域に関連付けられた1つ以上の光源;サブ領域のイメージデータのコンテンツ特性を決定するためのコンテンツキャラクタライザー;及び表示スクリーンのサブ領域の決定されたコンテンツ特性に従って、1つ以上の光源の発せられたアンビエンスライトのカラーを制御する制御装置;を含む。サブ領域は、ある事前の位置から次の位置へと移動するよう構成され、制御装置は、次の位置のサブ領域のイメージデータの決定されたコンテンツ特性に従って、発せられたアンビエンスライトのカラーを制御するよう適合される。それによって、力強いアンビエンス照明が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンビエンス照明システムに、特に、表示デバイスと連結しての使用に適切な、視覚のアンビエンス照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
種々の技術に基づくテレビ受像機といった、多くの種々のタイプの表示デバイスが、ユーザーに知られており、利用可能である。表示デバイスは、通常、ビューアーにイメージ又はイメージ又はイメージシーケンスを表示するために使用される。1960年代において、最適な鑑賞のために、テレビが“より暗い”場所を必要とするという事実により、背面照明が導入された。背面照明は、その最も単純な形態において、視覚表示デバイスの後ろの表面上に投影された、例えば、電球から発された、白カラー光である。背面照明は、虹彩をリラックスさせ、眼精疲労を低減するために使用されるよう提案されてきた。近年、背面照明技術はより洗練され、表示デバイス上にある視覚情報に依存して、種々の明るさを有するカラーを発することができる、統合された背面照明特徴を有する、複数の表示デバイスが、市場にある。一般的な背面照明の利点は:より深く、より没入型の鑑賞体験、改善されたカラー、最善の画質のためのコントラスト及びディテール、並びに、よりリラックスした鑑賞のための低減された眼精疲労である。工業的に入手可能な、背面照明を有する表示デバイスの一例は、Philipsによって販売されるような、アンビエンス照明システム AmbilightTMである。
【0003】
通常のAmbilightTMシステムは、ユーザーに、TVスクリーンの周りの領域を明るくするように思われる、光を発するための、末端に配置された光源を含む。従来のAmbilightTMシステムにおいて、システムは、所謂LoungeLightモードで操作され得、Ambilightは、予め設定されたカラースキームの組からの、複数の予め設定されたカラー間で、ゆっくりと弱まる。いくつかのシステムにおいて、待機状態で静的なAmbilight効果を作り出すために、システムに壁紙イメージをアップロードすることも可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の発明者らは、一方で、アンビエンス照明システムによって得ることが可能な特別な室内雰囲気を作り出すアンビエンス照明システムの有利な条件を利用し、しかしながら他方で、ユーザーの嗜好に関連する効果に影響を及ぼす観点で、ユーザーにより柔軟性を供する、システムを供する必要があるということに気が付いた。この目的のために、より高い程度で、ユーザーが、個々のアンビエンス照明体系を生成することができる、現在のシステムで利用できるよりも、より多用途のシステムを供するアンビエンス照明システムを達成することが、より有利であろう。一般的に、本発明は好ましくは、上述された欠点又は従来技術の他の欠点の1つ以上を、個々に又は如何なる組み合わせで、軽減しようとする、緩和しようとする又は取り除こうとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これらの関心ごとの1つ以上をより良好に対処するために、本発明の第1の様態において、表示デバイスと連結しての使用に関し、
表示スクリーン及び
アンビエンスライトを発するよう適合された1つ以上の光源であって、前記1つ以上の光源は、そこから発された光が、ビューアーに対して視覚的に見えている照明領域を照らすような構成で配置され、前記1つ以上の光源は、各々、前記表示スクリーンのサブ領域(subregion)に関連する、光源;
前記表示スクリーンの前記サブ領域のイメージデータのコンテンツ特性を決定するよう適合された、コンテンツ特徴付け装置(characterizer);
前記表示スクリーンの前記サブ領域の決定された前記コンテンツ特性に従って、前記1つ以上の光源の、発せられたアンビエンスライトのカラーを制御するよう適合された制御装置;
を含み、
前記サブ領域は、ある事前の位置から次の位置へと移動するよう構成され、
前記コンテンツ特徴付け装置は、前記次の位置のサブ領域のイメージデータのコンテンツ特性を決定するよう適合され、
前記制御装置は、前記次の位置のサブ領域のイメージデータの決定された前記コンテンツ特性に従って、前記1つ以上の光源の発せられたアンビエンスライトのカラーを制御するよう構成される、
アンビエンス照明システムが提示される。
【発明の効果】
【0006】
サブ領域が、先の領域から次の領域へと移動する、サブ領域のコンテンツ特性に基づいて、発せられるアンビエンスライトのカラーを制御することにより、イメージコンテンツに基づく、絶え間なく変わる室内照明を保証する、力強いアンビエンス照明システムが供される。これは、アンビエンス照明のスタイルの視覚的に制限されない有利な条件を供する、多用途のシステムを保証する。イメージコンテンツは、ユーザーの嗜好に基づき得、それによって、ユーザーが、彼又は彼女の嗜好に従ってアンビエンスライト体験を調整することを可能にする、力強いアンビエンス照明システムを保証する。
【0007】
有利な実施形態において、アンビエンス照明システムは、光源が表示デバイスの周囲又は表示デバイスの後側に配置されるタイプであり、ビューアーに対して視覚的に見えている照明領域は、少なくとも部分的に、表示スクリーンを取り囲む。実施形態において、光源は、背面照明システムを供するために又はビューアーに向かって外側に光を発し、ゆえに照明システムを供するために、表示デバイスの後ろの壁上又はスクリーン上に光を発し得る。しかしながら、他の実施形態において、アンビエンス照明システムは、表示デバイスから離れて配置されても良い。アンビエンス照明の言葉は、本発明のコンテクストにおいて、広く解釈されるべきで、通常、入力信号に基づいて、部屋又は他の環境の一般的な照明に影響を及ぼす力強い光を発することができる如何なるシステムを含むよう解釈されるべきである。光源の制御は、数多くの方法で為すことができ、通常、当業者に知られている。一例において、制御装置は、各々のソースでの出力設定といった、操作可能な設定へと変換される、強度及びカラーといったような特性に関連する入力を受信する。
【0008】
有利な実施形態において、表示スクリーンのサブ領域のイメージデータは、静止イメージデータを含むベースイメージである。ベースイメージを選択することの、柔軟なユーザー制御を指示する多用途のシステムを容易にするために、アンビエンス照明システムは、更に、イメージを格納するためのメモリを含んでも良い。有利には、システムは、予めインストールされたイメージの格納及びイメージのアップロードを支持する。ユーザーは、それによって、イメージコンテンツが、彼又は彼女の選択のイメージに基づいているという可能性を有して供され、一方で、アンビエンス照明システムの供給者は、ユーザーが、発せられたアンビエンス照明の所定のスタイルを保証する具体的に選択されたイメージにアクセスできるようにされるということを、依然保証し得る。静止イメージデータの使用は、ユーザーは、使用されるカラー、カラーの分布などを直接見ることができるので、発せられた光の全体の雰囲気を制御する単純な手段を与える。一方で、動画データが、本発明の実施形態と組み合わされて使用されても良い。コンテンツが、サブ領域の移動からとイメージデータの移動からの両方で変化するので、動画データは、‘ダブルの’動的効果を与えるであろう。
【0009】
一般的には、表示スクリーンは、コンテンツ特性が抽出される(複数の)サブ領域に分割される。サブ領域は、表示スクリーンの如何なるサブ領域、セグメント又は領域に関連付けられても良い。サブ領域の形状又は携帯は、如何なる特定の形状又は形態に限定されず、具体的には、領域は、単一のコヒーレント領域に限定される必要はなく、分離した又は隣接した部分によって形成されても良い。有利な実施形態において、ディスプレイは、規則的な格子状のタイルに分割され、各々のタイルは、多くのスクリーンピクセルに及び、各々のタイルは、タイルに及ぶスクリーンピクセルのコンテンツ特性の平均値に関連付けられ、サブ領域は、タイルの集合(collection)として特徴付けられる。
【0010】
スクリーンをタイルに分割することによって、迅速なデータ収集及び処理を容易にするプラットフォームが供される。サブ領域の位置及びその移動は、位置アルゴリズムの使用によって決定され得る。
【0011】
本発明の第2の様態において、制御装置であって、当該制御装置が作動連結されるアンビエンス照明システムの発せられたアンビエンスライトのカラーを制御する、制御装置が、示される。制御装置は、
アンビエンス照明システムの関連付けられた表示スクリーンのサブ領域のコンテンツ特性を決定するよう適合されたコンテンツキャラクタライザー(characterizer)を含む又はそれに通信的に接続され;
前記サブ領域は、ある事前の位置から次の位置へと移動するよう較正され、
前記コンテンツキャラクタライザーは、前記次の位置のサブ領域のイメージデータのコンテンツ特性を決定するよう適合され、
前記制御装置は、前記の決定された、前記次の位置のサブ領域のイメージデータのコンテンツ特性に従って、1つ以上の光源の発せられたアンビエンスライトのカラーを制御するよう適合される。
【0012】
本発明の第3の様態において、第1の様態に従うアンビエンス照明システムを含む表示デバイスが示される。そのような表示デバイスは、LCDデバイス、プラズマデバイス、有機発光ダイオード(OLED)デバイス又は映写幕の形態であっても良い。
【0013】
本発明の第4の様態において、表示デバイスと併用して使用されたアンビエンス照明システムを作動する方法が示される。デバイスは、表示スクリーンを含む。アンビエンス照明システムは:
アンビエンスライトを発するよう適合された1つ以上の光源を含み、前記1つ以上の光源は、そこから発せられた光が、ビューアーに視覚的に見える照明領域を照らすような構成で配置され;
前記方法は:
(a)前記1つ以上の光源の各々を、前記表示スクリーンのサブ領域に関連付ける段階;
(b)前記表示スクリーンの前記サブ領域のコンテンツ特性を決定する段階;
(c)前記サブ領域の決定された前記コンテンツ特性に従って、前記1つ以上の光源の発されたアンビエンスライトのカラーを制御する段階;
(d)前記サブ領域を次の位置に移動させる段階;
(e)段階(b)から段階(e)を繰り返す段階;
を含む。
【0014】
段階(b)から段階(d)までは、如何なる順番で実行されても良い。
【0015】
本発明の第5の様態において、コンピュータデバイス上で動作するとき、本発明の第3の様態の方法ステップを実行するように、実装され得る、コンピュータプログラム製品が示される。
【0016】
一般的に、本発明の種々の様態は、本発明の範囲内において可能である如何なる方法で組み合わせられ、結合されても良い。本発明のこれら及び他の様態、特徴及び/又は利点は、この後に述べられる実施形態を参照して明らかになり、解明されるであろう。
【0017】
例だけの目的で、図面を参照して、本発明の実施形態が述べられるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、アンビエンス照明システムを具備するTV形態での表示デバイスの実施形態を説明する。
【図2】図2は、ディスプレイが規則的な格子状のタイルに分割されるアンビエンス照明システムの実施形態を説明する。
【図3】図3は、表示スクリーンのサブ領域のイメージデータが、静止イメージデータを含むベースイメージに基づいている、実施形態を説明する。
【図4】図4は、本発明の実施形態によって得られた結果のアンビエンス照明の例を示す。
【図5】図5は、本発明の実施形態によって得られたアンビエンス照明の概略図である。
【図6】図6は、本発明に係るアンビエンス照明システムの作動での一般的なステップの実施形態を概略的に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る、アンビエンス照明システムを具備する、TVの形態での、表示デバイス1の実施形態を説明する。一例として、表示デバイスは、Philipsによって販売される、AmbilightTM背面照明を有するフラットテレビであっても良い。この後において、少なくとも部分的に周辺的な背面照明システムを有するTVセットの形態での表示デバイスの実施形態に焦点が当てられるが、本発明はそのようなシステムに制限されず、それどころか、本発明の実施形態は、アンビエンス照明を備える如何なるタイプの視覚的表示システムで使用されても良い。代替の又は追加的なアンビエンス照明システムの例は、TVスクリーンに通信的に接続されているランプドライバを有するランプといった、分離型の照明光源であって、この分離型の照明光源によって発せられた照明又は光は、表示スクリーンのサブ領域のコンテンツ特性に従って変更する。この状況において、サブ領域の平均のコンテンツ特性は、分離型の照明光源を駆動するために使用され得る又は専用の若しくはグループのサブ領域が、分離型の照明光源に関連付けられても得る。
【0020】
図1は、表示スクリーン3、即ちTVスクリーンを有する照明デバイスと併せて使用されるアンビエンス照明システムを説明する。システムは、アンビエンスライトを発するよう適合された1つ以上の光源4−7を含む。光源は、そこから発せられた光が、ビューアーに視覚的に見える照明領域8を照らすような構成で配置される。示された実施形態において、頂部の光源5、底部の光源6及び2つの側部の光源、即ち右部の光源4及び左部の光源6、の4つの光源が存在する。光源の他の構成は、制限されないが、頂部及び側部の光源4−6を有する3つの光源、側部の光源4,6である2つの光源を含む。照明領域8は、TVセットの後ろの壁又はスクリーンである。実施形態において、光源は、また、フレームが、照明領域の一部を形成する又は照明領域であるように、TVのフレームに含まれる又は接続されても良い。図示された実施形態において、光源は、4つの個々の光源として示される。しかしながら、各々の光源は、多数の個々の制御されたユニットに基づいてもよく、又は、図示された光源の各々は、個々に制御されたユニットの集合の単純化された表示として理解されても良い。
【0021】
アンビエンス照明システムは、光源を制御するための制御装置9を含む。さらに、システムの通常のデータ処理のための、データ処理装置10が存在しても良い。制御装置及びデータ処理装置ユニット及び可能な他のユニットは、TVセットの電子的要素の一部であっても良い。そのような要素は、通常、TVセットのハウジング内、TVスクリーン又はイメージ表示領域3の後ろに配置される。ここでは、要素は、説明的な目的で、TVから分離して表示される。アンビエンス照明システムは更に、ユーザーからの入力コマンド2を受信するよう適合された入力ユニット18を含んでも良い。そのような入力コマンドは、ユーザーの好みの設定に関連し得る。
【0022】
さらに、アンビエンス照明システムは、表示スクリーンのサブ領域13、14のコンテンツ特性を決定するよう適合された、コンテンツキャラクタライザー12を含んでも良い。これらのサブ領域は、各々、光源又は光源15−17のセクションに関連付けられ得る。光源から発せられた光が、それが関連付けられるサブ領域からのコンテンツ特性に基づいているという意味で、である。有利な実施形態において、コンテンツ特性は、制限されないが:輝度の程度(measure)、コントラストの程度、彩度の程度、表示スクリーン上に表示されたコンテンツの3D深度の程度から成る群又はそれらの1つ以上の組み合わせから選択される。最新のTVセットのグラフィック処理装置は、多くの理由により、多くのコンテンツ特性評価基準(measures)を発生させ得る。実施形態において、他の目的で発生する、そのようなコンテンツ特性評価基準は、発せられたアンビエンスライトを制御することと関連して使用されても良い。しかしながら、一般的には、如何なる適切なコンテンツ特性が使用されても良い。
【0023】
電子的要素11は、機能的なユニットに関して説明される。一般的に、電子的要素は、プログラム可能な部分、及び、データ処理装置10といったプログラム可能な部分が種々の機能的なユニットとの間で共有され得る非プログラム可能な構成要素を含む集積回路として、実施され得る。例えば、データ処理装置の一部は、先と同様に、制御装置9に含まれ得る又は通信的に接続され得る、コンテンツキャラクタライザーとして実施されても良い。一般的には、制御装置及びコンテンツキャラクタライザーの機能性は、他の構成要素と同様に、データ処理透視10によって動作されるコンピュータプログラム製品によって実施され得る。データ処理装置10は、例えば、如何なる適切な形態で、計算機コードといった、コンピュータプログラム製品10Aを受信する機能性を有して、供され得る。
【0024】
光源4−7は、種々の実施形態において、種々のタイプの光源であっても良い。光源は例えば、例えば、冷陰極蛍光ランプ(CCFL)又は発光ダイオード(LED)であっても良いが、そのような光源に制限されない。CCFLタイプの光源に関して、制御ユニットは、CCFL光源を作動させるためのランプインバータを含むランプドライバを含むであろうが、LEDsを含む光源に関して、制御ユニットは、LED光源を作動させるランプドライバを含むであろう。
【0025】
示された例において、光源要素15のカラーは、それが関連付けられるサブ領域14からのコンテンツ特性に基づき得、光源要素16及び17のカラーは、それらが関連付けられるサブ領域13からのコンテンツ特性に基づき得る。この図において、光源は、端部関連のサブ領域に関連付けられる。一般的に、サブ領域は、表示スクリーン上の如何なる適切な領域で位置付けられても良い。
【0026】
実施形態において、コンテンツキャラクタライザー12は、一般的に、表示スクリーンの全てのサブ領域のコンテンツ特性を決定するよう実施される。決定されたコンテンツ特性に基づいて、制御装置は、サブ領域の決定されたコンテンツ特性に従って、光源の発せられたアンビエンスライトのカラーを制御する。
【0027】
図2は、ディスプレイが規則的な格子状のタイル20に分割される、アンビエンス照明システムの実施形態を説明し、各々のタイルは、スクリーンの解像度に依存する、多数のスクリーンピクセルに及ぶ。各々のタイルは、タイルがまたがるスクリーンピクセルのコンテンツ特性の平均値に関連付けられる。図示された実施形態において、ディスプレイは、36の水平方向及び20の垂直方向の重複しないタイルに分割される。一実施形態において、サブ領域は、100−114のタイルの集合として特徴付けられる。例えば、各々のサブ領域100−114は、5×5のタイルで架けられている(spanned)。
【0028】
一般的に、サブ領域は、ある事前の位置から次の位置へと移動するよう構成される。コンテンツキャラクタライザーは、次の位置のサブ領域のイメージデータ内のコンテンツ特性を決定するよう適合され、制御装置は、次の位置のサブ領域のイメージデータの決定されたコンテンツ特性に従って、1つ以上の光源の、発せられたアンビエンスライトのカラーを制御するよう適合される。一実施形態において、サブ領域の初期構成は、サブ領域の各々の、初期位置及び速度ベクトルを選択する、予め定義された位置アルゴリズムに従って選択されても良い。初期構成は、第1の事前の位置となるよう設定され得、各々のサブ領域に関する次の位置は、選択された速度ベクトルに基づいて決定される。次の、事前の位置は、続いて、かつての次の位置などとして設定され得る。これは、各々のサブ領域に関連付けられた速度ベクトルによって、図2で説明される。一実施形態において、サブ領域は先ず、スクリーンに沿って、左下の方向で、50Hzの信号に関して、フレームあたり1タイルの4/256thの速度で、移動するよう構成される。スクリーンの境界に‘当たった’とき、スクリーンの境界に垂直なベクトル成分の信号は変えられ、サブ領域が‘跳ね返る’ことをもたらす。結果は、サブ領域がスクリーン上の周辺をゆっくりと移動するようである。別の実施形態において、サブ領域は、一方のサイドでスクリーンから抜け出て、反対側で再進入する。しかしながら、これは、アンビエンスカラーでの急転(jump)を避けるために、端部で同様なカラーを有するコンテンツに関してだけ、使用され得る。実施形態において、位置アルゴリズムは、ランダム抽出又は擬似ランダム抽出を適用することによって、初期位置を選択しても良い。速度ベクトルは、一定の速度ベクトルとして選択され得るが、他の実施形態において、速度ベクトルは特定の速度領域内で選択され得る。速度ベクトルはまた、光源の調節の時定数を決定するために、例えば、速度の大きさ又は範囲を決定するような、ユーザー入力に基づいていても良い。
【0029】
他の実施形態において、サブ領域の次の位置は、選択アルゴリズムに従って次の位置を決定する、位置選択アルゴリズムに基づく。選択アルゴリズムは、例えば、ランダム若しくは擬似ランダムの手法で、又はサブ領域の所定の動的変調パターン(dynamic modulation patterns)に従って、次の位置を選択し得る。
【0030】
一実施形態において、サブ領域は、スクリーンのプリセットの領域で移動するよう制限されても良い。制限は、例えば、ユーザー入力に基づいていても良い。例えば、ユーザーは、サブ領域が移動することができる、特定の領域を選択しても良く、その上、ユーザーは、光源のあるグループを特定のユーザーが選択した領域に、光源の1つ以上の他のグループを、別の選択された領域に、関連付けても良い。
【0031】
一実施形態において、位置アルゴリズムは、サブ領域が移動する、ユーザーが定義可能な経路をサポートしても良い。次の位置は、したがって、ユーザー入力に従って選択されても良い。システムは、個々のグループの又は全てのサブ領域に関する経路又は軌道を、ユーザーが描くことができる、機器を有して実施されても良い。位置アルゴリズムは、また、ユーザー入力での経路を用いても良い。例えば、ユーザーは、テンプレートとなる経路を描く、又は如何なる他の手段で実行しても良く、位置アルゴリズムは、サブ領域の移動を断続敵意変更させるよう、伸ばす、回転する、拡大する、縮小するなどをしても良い。そのようなユーザーが定義可能な経路は、更に、生成されたアンビエンスライト雰囲気の詳細なユーザー制御を可能にするために、格納される及び/又はアップロードされても良い。生成された雰囲気は、その後、他のユーザーと共有されても良い。
【0032】
図3は、表示スクリーンのサブ領域のイメージデータが、静止イメージデータを含むベースイメージ30に基づいている実施形態を説明する。ベースイメージは、例えば、静的ビデオ信号の形態で供給されても良く、実施形態において、それは、イメージデータから直接、スクリーンコンテンツから、スクリーン上の表示イメージデータに適切な信号から、又は如何なる適切な手段から推定されても良い。アンビエンス照明システムは更に、イメージを格納するためのメモリを含んでも良い。メモリは、例えば、電子的要素11の一部であっても良く、電子的要素11に通信的に接続されても良い。図1において、メモリ19は、電子的要素11の一部として示される。メモリは、イメージの格納及びイメージの集合間の選択を支持する。一実施形態において、システムは、ユーザーがメモリによって格納されたイメージを選択し得るという機能性で供され得、イメージは、抽出されたコンテンツ特性に関するイメージイメージとして使用される。一実施形態において、アンビエンス照明システムは、表示スクリーン上に表示された動画データから静止イメージデータを抽出する、そのような抽出されたイメージデータをベースイメージへと構成する及び/又はメモリ内に抽出されたイメージを格納する、イメージ抽出器を含んでも良い。代替的な又は追加的な実施形態において、デジタル写真のようなイメージ又は他のイメージが、ベースイメージとして使用されても良い。データ処理装置は、標準的なイメージフォーマットを支持するモジュールを含んでも良い。
【0033】
図4は、本発明の実施形態によって得られた結果のアンビエンス照明の例を示す。図は、“スナップショット”を示し、使用の状況において、アンビエンス照明は、サブ領域の移動に従って、ゆっくりと調節されるであろう。
【0034】
図5は更に、本発明の実施形態によって得られた結果のアンビエンス照明を概略的に説明する。図5Aは、単純な静止イメージを表示する表示デバイス1を示す。イメージは、中央に配置された黒色のボックス50及び、3つの連続的な時間例t1−53でのサブ領域51を示す。したがって、図は、サブ領域が、暗い領域に亘る明るい領域から、明るい領域へと移動する、状況を説明する。図5Bは、水平軸に沿った時間の関数としての、垂直軸に沿った強度の形態で、結果のコンテンツ特性を概略的に説明する。サブ領域51に関連付けられた光源は、実施形態において、時間t1で明るい光を発し、光は、時間t2で明らかに薄暗くなり、時間t2と比較して時間t3でわずかに増大する。
【0035】
更なる実施形態において、1つ以上の光源は、各々、表示スクリーンの2つ以上のサブ領域に関連付けられ、制御装置は、2つ以上のサブ領域の結合されたコンテンツ特性に従って、1つ以上の光源の発せられたアンビエンスライトのカラーを制御するように、適合させた。一実施形態において、2つ(以上の)サブ領域は、光源を制御するよう使用された最終出力を定義しても良い:一方のサブ領域は、光源に近い又は光源に隣接しさえする領域に配置することができ、一方で、他方のサブ領域は、上で開示された実施形態に従って移動する。
【0036】
したがって、サブ領域のサブグループは移動する一方で、別のサブグループは、固定された位置のままである。第1のサブ領域は、例えば、その領域でのコンテンツの(局所的な)カラーを決定するために使用することができる。第2のサブ領域は、コンテンツに亘って移動し、例えば、明るさ、コントラスト又は他のコンテンツ特性を決定するために使用される。コンテンツ特性の組み合わせは、結果のカラーを与える。そのような実施形態は、TVディスプレイがついたままになっている(stays on)ときに、有利に使用することができる。この実施形態を使用して、例えば、RGB又は他の同等の構成要素の、コンテンツ特性のいくらかは、標準的なアンビエンス照明システムに類似する、スクリーン端部から得ることができるが、発せられたカラーは、コンテンツの移動している位置からの明るさ(又は他のコンテンツ特性の)情報を得ることにより、ダイナミックに作られる。
【0037】
図6は、本発明に係るアンビエンス照明システムの作動での、一般的な段階の実施形態を概略的に説明する。アンビエンス照明システムは、例えば、図1と併せて開示されたようなシステムであり得る。方法は:
段階60:1つ以上の光源の各々を、表示スクリーンのサブ領域に関連付ける段階;
段階61:前記表示スクリーンの前記サブ領域のコンテンツ特性を決定する段階;
段階62:前記サブ領域の決定された前記コンテンツ特性に従って、前記1つ以上の光源の発せられたアンビエンスライトのカラーを制御する段階;
段階63:前記サブ領域を次の位置へと移動させる段階;及び
段階64:段階61から段階63までを繰り返す段階;
を含む。
【0038】
本発明の実施形態は、表示デバイスが、動画データを示すために使用されないという意味において、例えば、表示デバイスのオフ状態と組み合わされて使用されても良い。一般的に、本発明の実施形態は、例えば、インターネットブラウジング又は他のモードに関して、デジタル写真を見るための写真ブラウジングに関連して、種々のアプリケーションで使用され得る。ベースイメージは、本発明の実施形態の適用の間、表示スクリーン上に表示される必要はないが、表示されても良い。
【0039】
本発明は、図面及び先述の説明で、詳細に説明され、述べられてきたが、そのような説明及び記述は、説明的又は例示的であり、制限的ではないと考えられるべきである;本発明は、開示された実施形態に制限されない。開示された実施形態の他の変更は、図面、開示及び添付の特許請求の範囲の研究から、クレーム化された発明を実施するときに、当業者が、理解し、達成することができる。特許請求の範囲において、“含む”の言葉は、他の要素又は段階を除外せず、冠詞“a”又は“an”は、複数を除外しない。単一の処理装置又は他のユニットは、特許請求の範囲で引用された複数のアイテムの機能性を満たしても良い。ある手段が、互いに異なる独立請求項で引用されるという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用することができないということを示さない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に又はその一部として供給された、固体素子媒体又は光学記憶媒体といった、適切な媒体上に格納/分配されても良いが、インターネット又は他の有線又は無線の遠隔通信システムを介してといった、他の形態で分配されても良い。特許請求の範囲内の如何なる参照符号は、範囲を制限すrものとして考えられるべきでない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示スクリーンを含む表示デバイスと併せての使用のためのアンビエンス照明システムであって、当該システムは、
アンビエンスライトを発するよう適合された1つ以上の光源であって、当該1つ以上の光源は、該1つ以上の光源から発せられた光が、ビューアーに視覚的に見える照明領域を照らすような構成で配置され、当該1つ以上の光源は、各々、前記表示スクリーンのサブ領域に関連付けられる、1つ以上の光源;
前記表示スクリーンの前記サブ領域のイメージデータのコンテンツ特性を決定するよう適合された、コンテンツキャラクタライザー;及び
前記表示スクリーンの前記サブ領域の決定された前記コンテンツ特性に従って、前記1つ以上の光源の発せられたアンビエンスライトのカラーを制御するよう適合された、制御装置;
を含み、
前記サブ領域は、ある事前の位置から次の位置へと移動するよう構成され、
前記コンテンツキャラクタライザーは、前記次の位置の前記サブ領域の前記イメージデータの前記コンテンツ特性を決定するよう適合され、
前記制御装置は、前記次の位置の前記サブ領域の前記イメージデータの決定された前記コンテンツ特性に従って、前記1つ以上の光源の発せられたアンビエンスライトのカラーを制御するよう適合される、
アンビエンス照明システム。
【請求項2】
前記表示スクリーンの前記サブ領域の前記イメージデータは、静止イメージデータを含むベースイメージに基づいている、請求項1に記載のアンビエンス照明システム。
【請求項3】
イメージを格納するメモリを更に含み、
前記ベースイメージは、前記メモリによって格納されたイメージから選択可能である、
請求項2に記載のアンビエンス照明システム。
【請求項4】
前記メモリは、イメージのアップロードを支持する、
請求項3に記載のアンビエンス照明システム。
【請求項5】
前記メモリは予めインストールされたイメージを格納する、請求項3に記載のアンビエンス照明システム。
【請求項6】
前記表示スクリーン上に表示された動画データから静止イメージデータを抽出し、抽出された前記イメージデータをベースイメージへと構成し、及び/又は、前記メモリ内に抽出された前記イメージを格納する、イメージ抽出器を更に含む、アンビエンス照明システム。
【請求項7】
前記表示スクリーンは、規則的な格子状のタイルへと分割され、各々の前記タイルは、多数のスクリーンピクセルに亘り、各々の前記タイルは、前記タイルが亘る前記スクリーンピクセルのコンテンツ特性の平均値に関連付けられ、
前記サブ領域は、前記タイルの集合として特徴付けられる、
アンビエンス照明システム。
【請求項8】
前記サブ領域の初期構成は、予め定義された位置アルゴリズムに従って選択され、
前記位置アルゴリズムは、前記サブ領域の各々の初期位置及び速度ベクトルを選択し、
各々の前記サブ領域の前記次の位置は、選択された前記速度ベクトルに基づいて決定される、
請求項7に記載のアンビエンス照明システム。
【請求項9】
前記サブ領域の前記次の位置は、選択アルゴリズムに従って前記次の位置を決定する、位置アルゴリズムに基づいている、
請求項7に記載のアンビエンス照明システム。
【請求項10】
前記光源は、前記表示デバイスの外周又は前記表示デバイスの後側に位置され、
前記ビューアーに視覚的に見える前記照明領域は、前記表示スクリーンを少なくとも部分的に囲む、
請求項1に記載のアンビエンス照明システム。
【請求項11】
制御装置であって、当該制御装置に作動連結されるアンビエンス照明システムの発せられたアンビエンスライトのカラーを制御する制御装置であって、
前記アンビエンス照明システムは、1つ以上の光源を含み、
前記制御装置は、前記アンビエンス照明システムに関連付けられた表示スクリーンのサブ領域のコンテンツ特性を決定するよう適合されたコンテンツキャラクタライザー;を含む又は通信接続され、
前記サブ領域は、ある事前の位置から次の位置へと移動するよう構成され、
前記コンテンツキャラクタライザーは、前記次の位置の前記サブ領域のイメージデータの前記コンテンツ特性を決定するよう適合され、
前記制御装置は、前記次の位置の前記サブ領域の前記イメージでターの決定された前記コンテンツ特性に従って前記1つ以上の光源の発せられたアンビエンスライトのカラーを制御するよう適合される、
制御装置。
【請求項12】
請求項1に記載のアンビエンス照明システムを含む表示デバイス。
【請求項13】
前記表示デバイスは:LCDデバイス、プラズマデバイス、有機発光ダイオード(OLED)デバイス又は映写幕の群から選択される、請求項8に記載の表示デバイス。
【請求項14】
表示スクリーンを含む表示デバイスと併せて使用されたアンビエンス照明システムを作動する方法であって、
前記アンビエンス照明システムは:アンビエンスライトを発するよう適合された1つ以上の光源を含み、前記1つ以上の光源は、前記光源から発せられた光が、ビューアーに視覚的に見える照明領域を照らすような構成で配置され、
前記方法は:
a)前記1つ以上の光源の各々を、前記表示スクリーンのサブ領域に関連付ける段階;
b)前記表示スクリーンの前記サブ領域のイメージデータのコンテンツ特性を決定する段階;
c)前記サブ領域の決定された前記コンテンツ特性に従って、前記1つ以上の光源の発せられたアンビエンスライトのカラーを制御する段階;
d)前記サブ領域を次の位置へと移動させる段階;及び
e)段階b)から段階e)までを繰り返す段階;
を含む、方法。
【請求項15】
コンピュータデバイス上で作動するときに、請求項14に記載の方法を実行するよう、適合されたコンピュータプログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−513830(P2013−513830A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543925(P2012−543925)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際出願番号】PCT/IB2010/055119
【国際公開番号】WO2011/073811
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(512146339)ティーピー ビジョン ホールディング ビー ヴィ (25)
【Fターム(参考)】