説明

加水分解されたクロロゲン酸を含む、コーヒー飲料を調製するための組成物

本発明は、飲料を調製するための組成物に関する。組成物は、コーヒー抽出物のクロロゲン酸をフェノール酸に加水分解することができる微生物及び/又は酵素を含む。発明の組成物によって調製された飲料が消費される場合、コーヒー抽出物中に存在するクロロゲン酸は加水分解されて、同様の従来の飲料と比較して、抗酸化及び/又は抗炎症性特性を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料を調製するための組成物に関する。組成物は、コーヒー抽出物のクロロゲン酸をフェノール酸に加水分解することができる微生物及び/又は酵素を含む。発明の組成物によって調製された飲料は、改良された抗酸化及び/又は抗炎症性特性を有する。
【背景技術】
【0002】
コーヒー並びにカフェイン及びジテルペン(例えば、カフェストール、カーウェオール)などのコーヒー活性化合物は、げっ歯動物において解毒酵素(例えば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼGST)を誘導することが示された(Cavin C.ら、1998年、「コーヒーに特有のジテルペンであるカフェストール及びカーウェオールは、二重機構によってアフラトキシンB1に誘導される遺伝毒性を防ぐ(The coffee−specific diterpenes cafestol and kahweol protect against aflatoxin B1−induced genotoxicity trough a dual mechanism.)。」、Carcinogenesis、19巻、1369〜1375頁、Cavin,C.ら、2003年、「コーヒーのジテルペンは、ラット及びヒトの培養系において、ベンゾ[a]ピレンの遺伝毒性を妨げる(Coffee diterpenes prevent benzo[a]pyrene genotoxicity in rat and human culture systems.)。」、Biochemical Biophysical Research Communication、306巻、488〜495頁、Huber,W.ら、2002年a、「コーヒー成分であるカーウェオール及びカフェストールによる、ラットの特定の器官における化学的予防酵素であるグルクロニルトランスフェラーゼ及びグルタチオントランスフェラーゼの強化(Enhancement of the chemoprotective enzymes glucuronyl transferase and glutathione transferase in specific organs of the rat by the coffee components kahweol and cafestol.)。」、Archive of Toxicology、76巻、209〜217頁)。コーヒーにより増進したGST活性は、5日間でコーヒー800mlを摂取した後のヒトにおいて、さらに実証された(Steinkellner,H.ら、2005年、「コーヒー摂取は、血漿においてGSTPを誘導し、(+/−)−抗−ベンゾ[a]ピレン−7,8−ジヒドロジオール−9,10−エポキシドによって誘導されるDNA損傷からリンパ球を保護する:対照ヒト介入試験の結果(Coffee consumption induces GSTP in plasma and protects lymphocytes against (+/−)−anti−benzo[a]pyrene−7,8−dihydrodiol−9,10−epoxide induced DNA−damage:results of controlled human intervention trials.)。」、Mut.Res.591巻、264〜275頁)。
【0003】
この種の抗酸化活性は、例えば癌、心臓病、退行性脳障害、及び老化に関与することがある損傷を与える遊離基を減少させることによって、「酸化ストレス」を防ぐことが知られている。
【0004】
食物及び飲料製品の健康上の利益を増進させるために、増進した抗酸化活性やその他の有益な生物活性を有する製品を生産することが望まれる。
【発明の概要】
【0005】
本発明者らは、驚くべきことに、クロロゲン酸を加水分解して、フェノール酸を生成することができる微生物又は酵素でコーヒー抽出物を処理すると、コーヒー抽出物の抗酸化及び/又は抗炎症性特性を向上することを見出した。さらに、ヒト又は動物が、クロロゲン酸を加水分解して、フェノール酸を生成することができる酵素又は微生物と組み合わせてコーヒー抽出物を摂取すると、この処理が生体内で起こり得ることが見出された。
【0006】
したがって、本発明は、a)乾燥コーヒー抽出物、及びb)カフェオイルキナ酸及びジエステルを加水分解して、コーヒー酸を生成することができる微生物及び/又は酵素を含む飲料粉末に関する。さらなる態様において、本発明は、a)コーヒー抽出物を含む第1の部分、及びb)クロロゲン酸を加水分解して、フェノール酸を生成することができる微生物及び/又は酵素を含む第2の部分の少なくとも2つの部分を含む、飲料を調製するためのキットに関する。またさらなる態様において、本発明は、本発明の生成物の使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】クロロゲン酸を加水分解する処理をしていないネスカフェレッドカップ(NESCAFE RED CUP)(登録商標)(焙煎したコーヒー豆の抽出物)200及び400ug/ml、及びラクトバチルス・ジョンソニイ(Lactobacillus johnsonii)で処理したネスカフェプロテクト(NESCAFE PROTECT)(登録商標)200及び400ug/mlで処理したラットの初代培養肝細胞、並びにコーヒー抽出物で処理していない対照試料におけるGSTのサブユニット(GSTA4、GSTP1)及びヘム−オキシゲナーゼ−1(HO−1)のタンパク質発現を示すウェスタンブロットゲルの図である。詳細については、実施例1を参照されたい。
【図2】クロロゲン酸を加水分解する処理をしていないネスカフェレッドカップ(登録商標)(焙煎したコーヒー豆の抽出物)(RN)、クロロゲン酸を加水分解する処理をしていないネスカフェプロテクト(登録商標)(生及び焙煎したコーヒー豆の共抽出物)(P)、及びラクトバチルス・ジョンソニイで処理したネスカフェプロテクト(登録商標)(La1−P)を5%含む食餌を2週間与えた雄性のラットの肝臓中での解毒酵素発現の誘導(GSTP1、NQO1)を示すウェスタンブロットの図である。詳細については、実施例1を参照されたい。
【発明を実施するための形態】
【0008】
コーヒー飲料を調製するためにコーヒー抽出物と混合する組成物、例えばミルク、クリーム、コーヒーホワイトナー、及びコーヒークリーマーは、当技術分野においてよく知られている。かかる組成物は、例えばコーヒーの香り、外見、及び質感を改変するために、消費者によって使用される。組成物は、液体、又は、1杯のコーヒー、例えば淹れたてのコーヒー若しくは純粋な可溶性コーヒーを水中に溶解することによって調製されたコーヒーに溶解及び/又は懸濁させる、例えば粉末のような乾燥形態であってもよい。
【0009】
本発明の一実施形態において、コーヒー抽出物と混合する組成物は、コーヒークリーマー又はコーヒーホワイトナーである。クリーマーは、乳タンパク質及び/又は乳脂肪を例えばベースにしてもよく、クリーマーは、野菜タンパク質及び/又は野菜脂肪をベースにした非乳製品のクリーマーであってもよい。組成物は、例えば粉末のような乾燥形態であってもよく、水分量は例えば5%未満である。組成物は、液体の形態でもよい。
【0010】
本発明によるコーヒー抽出物と混合する組成物は、クロロゲン酸を加水分解して、フェノール酸を生成することができる微生物及び/又は酵素を含む。クロロゲン酸は、トランス桂皮酸とキナ酸の間に形成されるエステルのファミリーである。クロロゲン酸は、主にキナ酸の種々の位置に結合したフェノール基(例えばコーヒー基、フェルラ基、クマル基、メトキシ桂皮基)のモノ−及びジエステルとして、コーヒー中に天然に存在する。本発明の一実施形態において、微生物及び/又は酵素は、カフェオイルキナ酸及びジエステル(例えば3−、4−、若しくは5−カフェオイルキナ酸及びジエステル)、及び/又はフェルロイルキナ酸及びジエステル(例えば3−、4−、若しくは5−フェルロイルキナ酸及びジエステル)を加水分解して、コーヒー酸及びフェルラ酸をそれぞれ生成することができる。
【0011】
本発明の組成物は、貯蔵の間に、微生物及び/又は酵素が、発酵したり又は組成物と反応しないように配合調製するべきである。これは、例えば、乾燥粉末として組成物を配合調製することによって、及び/又は、組成物がコーヒー抽出物と混合されるとき又は消化の間にのみ微生物及び/又は酵素が放出されるように、微生物及び/又は酵素をカプセル封入することによって達成できる。
【0012】
本発明の組成物は、飲料を調製するためにコーヒー抽出物と混合する組成物中に含有するのに適切な任意の成分をさらに含んでもよい。通常の成分は、例えば、砂糖、人工甘味料、乳化剤、安定剤、増粘剤、流動化剤、着色料、香味料、芳香料等であってよい。適切な人工甘味料としては、サッカリン、チクロ、アセトスルファム、アスパルテームなどのL−アスパルチルをベースとする甘味料、及びこれらの混合物が挙げられる。適切な乳化剤としては、モノグリセリド、ジグリセリド、レシチン、モノ−ジグリセリドのジアセチル酒石酸エステル、乳化デンプン、及びそれらの混合物が挙げられる。適切な安定剤としては、リン酸二カリウム及びクエン酸ナトリウムが挙げられる。適切な流動化剤は、アルミノ珪酸ナトリウムである。一実施形態において、組成物は、乳タンパク質及び/又は野菜タンパク質を含む。さらなる実施形態において、組成物は、乳脂肪及び/又は野菜脂肪を含む。
【0013】
コーヒー抽出物
本発明によるコーヒー抽出物は、水又は蒸気による生コーヒー豆及び/又は焙煎したコーヒー豆の抽出物である。コーヒー抽出物を生成する多数の方法が、当技術分野において、例えばEP0916267から知られている。コーヒー抽出物は、例えば純粋な可溶性コーヒーであってもよい。純粋な可溶性コーヒー製品は容易に入手可能であり、純粋な可溶性コーヒー製品を製造する多数の方法が、当術分野において、例えばEP106930から知られている。
【0014】
微生物
クロロゲン酸を加水分解することができる微生物は、例えば、本明細書の実施例中に開示されている通り確認することができる。適切な微生物は、酵母、真菌、又は細菌から選択することができる。適切な微生物は、例えば、例えばアスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)などのアスペルギルス(Aspergillus)、例えばL.ジョンソニイ(CNCM I−1225)などのラクトバチルス、例えばB.ラクティス(B.lactis)(CNCM I−3446)などのビフィズス菌(Bifidobacterium)、又は例えばサッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)などの酵母であってもよい。
【0015】
酵素
適切な酵素は、例えばエステル分解酵素、例えば、アスペルギルス・ジャポニクス(Aspergillus japonicus)に由来するクロロゲン酸エステラーゼ(日本のキッコーマン株式会社から市販されている)、アスペルギルス・オリザエからのタンナーゼ(EC3.1.1.20)(日本のキッコーマン株式会社から市販されている)、及びパラターゼ(Palatase)20000L(EC3.1.1.3)(デンマークのNovozymes A/Sから市販されている)である。酵素は、精製酵素として、又は例えば微生物の細胞可溶化物の形態で存在してもよい。適切な細胞は、例えば、上述の微生物の細胞であってもよい。細胞溶解物を作製する適切な方法は、当技術分野において知られている。
【0016】
微生物及び/又は酵素は、消化の間にコーヒー抽出物中に存在するかなりの量のクロロゲン酸をフェノール酸に加水分解するための十分な量で存在すべきである。必要とされる微生物及び/又は酵素の量は、例えば、本明細書中の実施例3に記載されているTIM消化モデルにおいて、消化実験の間に加水分解されるクロロゲン酸の量を測定することによって決定することができる。コーヒー抽出物中に存在するカフェオイルキナ酸(CQA)及び/又はフェルロイルキナ酸(FQA)の好ましくは少なくとも20%、例えば、少なくとも30%、少なくとも50%、又は少なくとも75%が加水分解される。
【0017】
部分のキット
一実施形態において、本発明は、a)コーヒー抽出物を含む第1の部分、及びb)クロロゲン酸を加水分解して、フェノール酸を生成することができる微生物及び/又は酵素を含む第2の部分の少なくとも2つの部分を含む、飲料を調製するためのキットに関する。2つの部分は、飲料の調製のために一緒に販売されるが、製品の包装において物理的に分離されている。消費される最終飲料は、消費直前に2つの部分を混合することによって調製される。1つ又は両方の部分が液体形態である場合、直接混合することができ、場合によっては、さらなる液体、例えば水又はミルクを添加してもよい。2つの部分は、液体、例えば水又はミルクに溶解又は懸濁させることによって混合されてもまたよい。液体を使用する場合、熱い飲料が望まれるか又は冷たい飲料が望まれるかによって、熱くても又は冷たくてもよい。熱い液体が使用される場合、好ましくは、飲料の摂取前に微生物及び/又は酵素を不活化させるほど高くない温度であり得る。
【0018】
キットの第1の部分は、コーヒー抽出物を含む。好ましい実施形態において、第1の部分は、乾燥形態、例えば粉末の形態である。コーヒー抽出物は、例えば、従来の純粋な可溶性コーヒー粉末、例えば噴霧乾燥又は凍結乾燥コーヒー抽出物であってよい。純粋な可溶性コーヒー粉末は容易に入手可能であり、当技術分野において広範に記載されている。第1の部分は、液体の形態であってもまたよい。液体コーヒー抽出物は、例えばすぐに飲めるコーヒー飲料として、容易に入手可能である。第1の部分は、その他の任意の適切な成分、例えばチコリ抽出物、芳香添加物、安定剤、塩、及び/又は甘味料をさらに含んでもよい。第1の部分は、任意の適切な方法で、例えば、小袋、ビン、又はカンに包装されてもよい。
【0019】
第2の部分は、クロロゲン酸を加水分解して、フェノール酸を生成することができる微生物及び/又は酵素を含む。この部分は、本明細書中に記載されている通り、好ましくはコーヒー抽出物と混合する組成物の形態、好ましくはコーヒーホワイトナー又はコーヒークリーマーの形態であってもよい。第2の部分は、その他の任意の適切な成分、例えばコーヒー抽出物と混合する組成物の成分として、本明細書中に記述されている成分などのコーヒークリーマー又はコーヒーホワイトナー中に、通常見出される成分も含んでもよい。第2の部分は、乾燥形態で、例えば粉末として、又は液体形態であってもよく、任意の適切な方法で、例えば小袋、ビン、又はカンに包装されてもよい。第2の部分は、微生物及び/又は酵素が、貯蔵の間に、発酵したり又はその他の成分と反応したりしないように配合調製されるべきである。これは、例えば乾燥粉末として組成物を配合調製することによって、及び/又は、組成物がコーヒー抽出物と混合するとき若しくは消化の間にのみ、微生物及び/又は酵素が放出されるように、微生物及び/又は酵素をカプセル封入することによって達成できる。
【0020】
少なくとも2つの部分は、任意の適切な方法で一緒に包装することができる。2つの部分は、貯蔵の間、物理的に分離されたままであり、例えば、容器を開けたときに混合される連結した容器に包装してもよく、又は、2つの部分を、飲料の調製のために一緒に販売される分離した容器に包装してもよい。
【0021】
飲料粉末
一実施形態において、本発明は、a)乾燥コーヒー抽出物、及びb)クロロゲン酸を加水分解して、フェノール酸を生成することができる微生物及び/又は酵素を含む、飲料粉末に関する。
【0022】
本発明による飲料粉末は、液体、例えば水又はミルクに粉末を溶解又は懸濁することによる飲料の調製のために使用される粉末である。粉末から調製される飲料は、ブラックコーヒー、カフェラテ、カフェマキアート、カプチーノ、又は他のいかなるコーヒーベースの飲料であっても、例えばよい。
【0023】
乾燥コーヒー抽出物は、例えば、従来の純粋な可溶性コーヒー粉末、例えば噴霧乾燥又は凍結乾燥コーヒー抽出物であってもよい。純粋な可溶性コーヒー粉末は容易に入手可能であり、当技術分野において広範に記載されている。
【0024】
微生物及び/又は酵素は、乾燥粉末形態で、例えば凍結乾燥粉末として存在する。微生物及び/又は酵素はカプセル封入してもよい。
【0025】
飲料粉末は、微生物及び/又は酵素が、貯蔵の間に、発酵したり又はコーヒーの抽出物及び/又はその他の成分と反応しないように配合調製するべきである
【0026】
本発明の好ましい実施形態において、飲料粉末は、乾燥形態での本明細書中に記載された通りのコーヒー抽出物と混合される組成物を含む。本発明のより好ましい実施形態において、飲料粉末はクリーマーを含む。
【0027】
飲料粉末は、望ましい飲料を調製するために適切なその他のいかなる成分を含んでもよい。適切な成分は、例えば、当技術分野においてよく知られており、砂糖、人工甘味料、乳化剤、安定剤、増粘剤、流動化剤、着色料、香味料、芳香料等であってよい。適切な人工甘味料としては、サッカリン、チクロ、アスパルテームなどL−アスパルチルをベースとする甘味料、及びこれらの混合物が挙げられる。適切な乳化剤としては、モノグリセリド、ジグリセリド、レシチン、モノ−ジグリセリドのジアセチル酒石酸エステル(データエステル)、乳化デンプン、及びそれらの混合物が挙げられる。適切な安定剤としては、リン酸二カリウム及びクエン酸ナトリウムが挙げられる。適切な流動化剤は、アルミノ珪酸ナトリウムである。一実施形態において、飲料粉末は、乳タンパク質及び/又は野菜タンパク質を含む。別の実施形態において、飲料粉末は、乳脂肪又は野菜脂肪を含む。さらなる実施形態において、飲料粉末は甘味料を含む。
【0028】
発明の生成物の使用
本発明の生成物は、例えば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)などの解毒酵素を誘導することによって、及びNrf2−仲介遺伝子発現経路を増加させることによって、本発明の生成物から調製される飲料を摂取するヒト又は動物において、生体内で抗酸化能力を強化するために使用することができる。増加したNrf2活性関連遺伝子は、解毒作用を強化し、酸化ストレスに対する内因性防御を刺激することが報告された。
【0029】
本発明の生成物は、例えばプロスタグランジンE2レベルを低下させることによって、炎症を抑制するために使用することができる。
【0030】
多くの健康問題及び障害は、酸化ストレス及び炎症に関連している。本発明の生成物は、本発明の生成物から調製される飲料を摂取するヒト又は動物における、かかる問題又は障害などを治療又は予防するために使用することができる。関連する問題及び障害は、例えば、例えば紫外線放射によって引き起こされる光損傷、アトピー性皮膚炎、湿疹、落屑性、掻痒性、アレルギー性症状などの皮膚障害、脳障害、炎症、肥満、並びに、例えば皮膚癌及び肺癌などの癌である。
【0031】
本発明の生成物は、例えば血糖値を低下させることによる及び/又はレプチン、インシュリン、及び/又はc−ペプチドの血中濃度を上昇させることによる抗糖尿病薬として、例えば骨ミネラル濃度を上昇させることによる、例えばエストロゲン及び/又はプロゲステロンの血清濃度及び/又はアルカリホスファターゼ活性を上昇させることによる骨再構築剤として、例えば抗血管新生効果を有する抗転移薬としても使用することができる。
【実施例】
【0032】
実施例1
ラクトバチルス・ジョンソニイの新鮮細胞によるネスカフェプロテクト(登録商標)の処理
L.ジョンソニイ(CNCM I−1225)の細胞を成長させ(7.0E08cfu/ml)、遠心分離した(5000g、10分)。0.61g/mlの濃度で、リン酸緩衝液(50mM、pH7.0)中にペレットを再懸濁した。ネスカフェプロテクト(登録商標)(生及び焙煎したコーヒー豆の乾燥共抽出物)30mg/mlを添加し、混合物を37℃でインキュベートした。異なる反応時間で試料を抜き出し、遠心分離し(3000g、5分)、0.45μm孔径のシリンジフィルター(Millipore SLHA025BS)を通して濾過し、HPLCによって分析した。
【0033】
同一の反応条件下であるが細菌なしで、平行して反応対照を実施した。
【0034】
ラクトバチルス・ジョンソニイ抽出物(溶解細胞)によるネスカフェプロテクト(登録商標)の処理
L.ジョンソニイ(CNCM I−1225)の細胞を成長させ(7.0E08cfu/ml)、遠心分離した(5000g、10分)。0.61g/mlの濃度で、リン酸緩衝液(50mM、pH7.0)中にペレットを再懸濁した。次に、ガラスビーズ法を使用して、細胞を溶解させた。細胞調製物600μlをスクリューキャップチューブに入れ、0℃でガラスビーズ600μlを添加した。次に、チューブをミニビードビーター(Mini−Beadbeater)中に強振動下で1分間入れ、氷で冷却し、ミニビードビーター中に、さらに1分間入れた。次に、ネスカフェプロテクト(登録商標)(30mg/ml、リン酸緩衝液pH7.0)の溶液900μlに、粗細胞抽出物を添加し、混合物を37℃でインキュベートした。異なる反応時間で試料を抜き出し、遠心分離し(3000g、5分)、0.45μm孔径のシリンジフィルター(Millipore SLHA025BS)を通して濾過し、HPLCによって分析した。
【0035】
ラクトバチルス・ジョンソニイの噴霧乾燥調製物でのネスカフェプロテクト(登録商標)の処理
ネスカフェプロテクト(登録商標)30mgを、リン酸緩衝液(50mM、pH7.0)1ml又は水1mlに溶解した。この溶液に、ラクトバチルス・ジョンソニイ(CNCM I−1225)の噴霧乾燥調製物(3.3E9cfu/g)10mgを添加した。次に、混合物を37℃でインキュベートし、異なる反応時間で試料を抜き出した。遠心分離(3000g、5分)及び濾過(0.45μm孔径のシリンジフィルター、Millipore SLHA025BS)後、HPLCによって、試料を分析した。
【0036】
ラクトバチルス・ジョンソニイ(CNCM I−1225)の噴霧乾燥調製物での生コーヒー抽出物の処理
乾燥生コーヒー抽出物30mgを、リン酸緩衝液(50mM、pH7.0)1ml又は水1mlに溶解した。この溶液に、ラクトバチルス・ジョンソニイの噴霧乾燥調製物(3.3E9cfu/g)10mgを添加した。次に、混合物を37℃でインキュベートし、異なる反応時間で試料を抜き出した。遠心分離(3000g、5分)及び濾過(0.45μm孔径のシリンジフィルター、Millipore SLHA025BS)後、HPLCによって、試料を分析した。
【0037】
ラクトバチルス・ジョンソニイ(CNCM I−1225)の濃縮調製物でのネスカフェ(NESCAFE)(登録商標)の処理
ネスカフェスペシャルフィルター(NESCAFE SPECIAL FILTRE)(登録商標)(焙煎したコーヒー豆の乾燥抽出物)400mgを沸騰水1mlに溶解し、室温で37℃まで、この溶液を冷却した。このコーヒー溶液250μlに、ラクトバチルス・ジョンソニイの異なる量の濃縮調製物(50μl、100μl、350μl、750μl)を添加し、水で1mlになるまで量を調整した。次に、混合物を37℃で2時間及び4時間インキュベートした。遠心分離(3000g、5分)及び濾過後、HPLCによって、試料を分析した。
【0038】
HPLC分析
コーヒー試料を1%w/wに希釈し、CC250/4Nucleosil 100−5−C18カラム(Macherey−Nagel)でRP−HPLCによって分析した。溶離系は、流量1mL/分で、Millipore水、0.1%TFA、及びCHCNであった。この方法により、外部標準検量線を使用して、カフェオイルキナ酸(CQA)、フェルロイルキナ酸(FQA)、ジカフェオイルキナ酸(diCQA)、フェルオイルキナ酸−ラクトン、コーヒー酸(CA)、及びフェルラ酸(FA)を同時に測定(325mmでの吸光度)できた。時間0(t0)での基準、又は細菌なしでの同時間の基準に対して結果を示した。
【0039】
抗酸化剤応答配列(ARE)ルシフェラーゼ分析
ネオマイシン選択可能マーカーを含むpcDNA3.1プラスミドと一緒に、ラットのグルタチオン−S−トランスフェラーゼA2(GSTA2)中に存在するARE8コピーを含むpGL−8xAREを、ヒトMCF7細胞に安定的に形質移入した(Wangら、Cancer Res.、66巻、10983〜10994頁、2006年)。ARE(抗酸化剤応答配列)は、解毒作用及び酸化ストレスに対する内因性防御に関与する遺伝子を制御する転写因子Nrf2の結合部位である。プラスミドpGL−8xAREは、Nrf2活性の監視を可能にする、8個のNrf2結合部位の下流にルシフェラーゼ遺伝子を含む。
【0040】
コーヒーでの処理のために、DMEM成長培地の96ウェルマイクロタイタープレートにAREc32細胞を播種した。異なるコーヒーで24時間処理した後、ホタルルシフェラーゼ活性を測定した。
【0041】
タンパク質発現
コラゲナーゼ溶液でのスプラーグドーリーラットの肝臓の灌流によって、初代培養肝細胞を得た(Sidhuら、Arch.Biochem.Biophys.301巻、103〜113頁、1993年)。トリパンブルー排除試験によって測定された細胞生存率は90〜95%の間の範囲であることがわかった。2mM L−グルタミン酸、10mMヘペスpH7.4を、ITS+、ペニシリン/ストレプトマイシン15000U、100nMデキサメタゾン、及び5%ウシ胎仔血清(ハイ−クローン)を補ったウィリアムス培地3mlで、60mmプラスチック組織培養皿上に、1.5×10細胞/cmの密度で細胞を播種した。肝細胞を2時間付着させ、次に、EBSSで洗浄して、細胞片及び付着しなかった細胞を除去した。デキサメタゾン25nMを含む、新鮮な血清を含まない培地を添加し、次に、マトリゲルのオーバーレイ(233g/ml)を適用した。培地交換に続いて、2日に一度、新鮮なマトリゲルを培養物に添加した。解毒酵素及び抗酸化タンパク質発現についてのコーヒーの効果を研究するために、タンパク質抽出及びウェスタンブロット分析の前に、48時間の細胞播種の24時間後に、培地に試験材料を添加した(Cavinら、Food Chem Tox.、46巻、1239〜48頁、2008年)。
【0042】
プロスタグランジンE2の生成のアッセイ
ヒト結腸HT−29細胞を、異なるコーヒーで15時間処理し、続いて炎症誘発剤TNF−α(10ng/ml)と一緒に6時間共培養した。競合酵素免疫測定法(EIA)を使用して、HT−29細胞中のPGE2生成の分析を測定した(Cavinら、BBRC、327巻、742〜49頁、2005年)。
【0043】
結果
フェノール酸生成のためのクロロゲン酸の加水分解
実験1:様々な反応時間及び細胞調製物量による、L.ジョンソニイ新鮮細胞でのネスカフェプロテクト(登録商標)の処理。結果を表1に示す。
【0044】
【表1】

【0045】
実験2:様々な反応時間及び細胞調製物量による、L.ジョンソニイ抽出物(溶解細胞)によるネスカフェプロテクト(登録商標)の処理。結果を表2に示す。
【0046】
【表2】

【0047】
実験3:ラクトバチルス・ジョンソニイの噴霧乾燥調製物によるネスカフェプロテクト(登録商標)の処理。結果を表3に示す。
【0048】
【表3】

【0049】
実験4:ラクトバチルス・ジョンソニイの噴霧乾燥調製物での生コーヒー抽出物の処理。結果を表4に示す。
【0050】
【表4】

【0051】
実験5:ラクトバチルス・ジョンソニイの濃縮調製物でのネスカフェ(登録商標)の処理。結果を表5に示す。
【0052】
【表5】

【0053】
表6は、クロロゲン酸を加水分解するための処理をしなかった生コーヒー豆の抽出物(対照試料)の2つの異なる試料における、いくつかの化合物の絶対濃度を示す。
【0054】
【表6】

【0055】
タンパク質の発現
ラット初代培養肝細胞において、ネスカフェレッドカップ(登録商標)(焙煎したコーヒー豆の抽出物)200ug/mlは48時間の処理後、ウェスタンブロットにより、400ug/mlで、GSTサブユニット(GSTA4、GSTP1)及びヘム−オキシゲナーゼ−1(HO−1)のタンパク質発現の増加をもたらさず、GSTP1及びHO−1発現の弱い誘導をもたらした。対照的に、GSTA4、GSTP1、及びHO−1について、L.ジョンソニイで処理したネスカフェプロテクト(登録商標)200ug/ml及び400ug/mlの両方で、異なるタンパク質発現のより強い誘導を観察した。結果を、ウェスタンブロットゲルとして図1に示す。
【0056】
ネスカフェレッドカップ(登録商標)対ネスカフェプロテクト(登録商標)及びL.ジョンソニイで処理したネスカフェプロテクト(登録商標)を5%有する食餌を2週間与えたオスのラットの肝臓において得られたデータは、ラット初代培養肝細胞において観察された効果を確認した。未処理のネスカフェプロテクト(登録商標)(GSTP1、NQO1)及び未処理のネスカフェレッドカップ(登録商標)(GSTP1、NQO1)と比較して、解毒酵素発現の最強の誘導(GSTP1、NQO1)が、L.ジョンソニイで処理したネスカフェプロテクト(登録商標)について見られた。結果を、ウェスタンブロットゲルとして図2に示す。
【0057】
抗酸化剤応答配列(ARE)ルシフェラーゼ分析
ラットGSTA2−AREレポーター構築体の数コピーで、安定的に形質移入されたヒト乳癌細胞(AREc32)を使用して、コーヒーによるNrf2−ARE経路の活性化を実証した。クロロゲン酸を加水分解するための処理をしていない生コーヒー抽出物、及びL.ジョンソニイで24時間処理した異なる生コーヒー抽出物は、Nrf2−ルシフェラーゼレポーター活性における用量依存的上昇をもたらした(表7を参照されたい)。
【0058】
【表7】

【0059】
プロスタグランジンE2生成のアッセイ
ヒト結腸HT−29細胞で、L.ジョンソニイで処理した生コーヒー抽出物の潜在的な抗炎症性効果を分析した。炎症誘発剤TNF−αによる処理後、結腸細胞においてプロスタグランジンE2(PGE)レベルが誘導される。この研究において、異なるコーヒー抽出物(クロロゲン酸を加水分解するための処理をしていない生コーヒー抽出物、及びL.ジョンソニイで24時間処理した異なる生コーヒー抽出物)で、細胞を24時間前処理した。実験の最後の6時間に、TNF−α(10ng/ml)を添加した。データ(表8を参照されたい)は、TNF−αで処理した対照細胞と比較した、PGE生成のコーヒーによる明白な用量依存的減少を示した。
【0060】
【表8】

【0061】
実施例2
コーヒー試料
100%ロブスタ生豆からの生コーヒー抽出物
ネスカフェプロテクト(登録商標)、生及び焙煎したコーヒー豆の乾燥共抽出物
【0062】
酵素及び細胞
微生物 培地
ラクトバチルス・ジョンソニイ(CNCM I−1225) MRS
ビフィズス菌ラクティスBB12(CNCM I−3446) MRS+システイン
ビフィズス菌ロングム(Bifidobacterium longum)BB536(ATCC BAA−999) MRS+システイン
【0063】
アスペルギルス・ジャポニクス(日本のキッコーマン株式会社)由来のクロロゲン酸エステラーゼ(24U/g)。
アスペルギルス・オリザエ(日本のキッコーマン株式会社)からのタンナーゼ
【0064】
細菌細胞の調製
攪拌せずに、嫌気性環境で、37℃での培地における16時間の培養に対応する静止期に十分到達した後で、試験した菌株を採取した(5000gで10分間の遠心分離)。菌株の最初の活性化のために、凍結保存培養物を新鮮な培地中に植菌し、一晩成長させた。この前培養物を使用して、培養物を植菌した。
【0065】
細菌細胞でのコーヒー抽出物の処理
細菌の培養及び遠心分離の後で、0.61g/mlの濃度で、リン酸緩衝液(pH7.0)中にペレットを再懸濁した。この細胞調製物200μlに、コーヒー溶液(3%)800μlを添加し、37℃で、4時間、16時間、及び24時間、混合物をインキュベートした。
【0066】
クロロゲン酸エステラーゼでのコーヒー抽出物の培養
コーヒー溶液(3%)800μlに、リン酸緩衝液(pH7.0)200μl中のクロロゲン酸エステラーゼ(25mg)の溶液を添加した。次に、37℃で、4時間、16時間、及び24時間、混合物をインキュベートした。反応時間の後で、熱処理(3分、90℃)によって酵素活性を止め、分析の前に混合物を濾過した。
【0067】
AREルシフェラーゼ分析
実施例1の通り
【0068】
結果
ラットGSTA2−AREレポーター構築体の数コピーで、安定的に形質移入されたヒト乳癌細胞(AREc32)を使用して、コーヒーによる抗酸化Nrf2−ARE経路の活性化を実証した。クロロゲン酸を加水分解するための処理をしていない(未処理)生コーヒー抽出物、ラクトバチルス・ジョンソニイ(Lj)で24時間処理した生コーヒー抽出物、ビフィズス菌ラクティス(Bl)で24時間処理した生コーヒー抽出物、及びクロロゲン酸エステラーゼ(CE)で4時間処理した生コーヒー抽出物は全て、Nrf2−ルシフェラーゼレポーター活性における用量依存的上昇をもたらした(表9)。
【0069】
【表9】

【0070】
異なる微生物及びクロロゲン酸エステラーゼで、生コーヒー抽出物を処理して、クロロゲン酸を加水分解した。結果を表10に示す。
【0071】
【表10】

【0072】
異なる微生物及びクロロゲン酸エステラーゼで、ネスカフェプロテクト(登録商標)を処理し、クロロゲン酸を加水分解した。結果を表11に示す。
【0073】
【表11】

【0074】
実施例3
胃小腸モデル(TIM)
胃小腸モデルであるTIM−1は、胃、十二指腸、空腸、及び回腸をそれぞれ表わす4つの連結した区画を含む。各区画は、可撓性の内壁を有するガラスの外壁からなる。可撓性の壁は、壁を圧迫する37℃の水で囲まれており、胃−腸管におけるぜん動運動によって分泌された酵素で、食物の混合を確実に行う。
【0075】
胃−腸管の平均的な生理的条件下で、モデル内での実験を実施した。実験の間、温度を37℃で維持し、唾液、胃液、胆汁、及び膵液の分泌を模擬実験した。モデル内の消化過程を6時間監視した。最初の3.5時間に、胃の内容物は小腸「幽門弁」内へ徐々に送達された。実験の終了時には、約80%の小腸内容物が回盲弁を介して「大腸」内へ徐々に送達された。胃のpHは、1MのHClの分泌によって、約5時間で、6.5から2.0へ徐々に低下した。小腸内容物のpHは、十二指腸内で6.5、空腸内で6.8、及び回腸内で7.2を維持した。約5000ダルトンの分子量カットオフを有する中空繊維膜を通して、透析液を汲み出すことによって、空腸及び回腸の区画から、消化産物及び水を吸収した。
【0076】
コーヒー抽出物消化模擬実験
ネスカフェプロテクト(登録商標)(生及び焙煎したコーヒー豆の共抽出物)4.5gを、酢酸緩衝液(20mM、pH6.5)310mlに溶解した。出発残留物(ペプシン5g及びリパ−ゼ酵素5g溶液)10ml添加後、TIMの胃の区画内へ溶液を注入した。消化の間、全透析液を0〜2、2〜4、及び4〜6時間の間に収集した。6時間の実験の後で、胃、十二指腸、空腸、及び回腸の区画からの残留物を分析し、クロロゲン酸の物質収支を算出した。実施例1に記載の通り、孔径0.45μmのシリンジフィルター(Millipore SLHA025BS)に試料を通過させ、HPLCによって分析した。ラクトバチルス・ジョンソニイ(CNCM I−1225)での実験では、出発残留物10mlを添加した後で、L.ジョンソニイの噴霧乾燥調製物を全部で3.3E9cfu含む酢酸緩衝液(20mM、pH6.5)310mlを、胃の区画内に入れた。次に、消化模擬実験を始めた15分後に、ネスカフェプロテクト4.5gを含む酢酸緩衝液10mlを、注射器によって胃の区画内へ注入した。消化の間、空腸及び回腸の区画に連結した半透性の中空繊維膜を通過させた後、0〜2、2〜4、及び4〜6時間の間に、全透析液を収集した。0〜2、2〜4、及び4〜6時間の間、全回腸送達物を収集した。ネスカフェプロテクト(商標登録)の添加の直後及び1時間の時点で、胃の区画からアリコート(1ml)を取った。6時間後、胃、十二指腸、空腸、及び回腸の区画からの残留物をHPLCによって分析して、5−カフェオイルキナ酸の物質収支を算出した。ネスカフェクール(NESCAFE COOL)(登録商標)(クリーマー及び甘味料を有する焙煎したコーヒーの抽出物)、及びクリーマーを添加した、焙煎及び挽いたコーヒーの通常のフィルターで淹れたもの、及び市販されている5−カフェオイルキナ酸(5−CQA)で、同様の試みを行った。
【0077】
結果
L.ジョンソニイの添加で、実験の間に加水分解された5−カフェオイルキナ酸(5−CQA)のパーセントを、表12に示す。L.ジョンソニイを添加しない対照実験において、5−カフェオイルキナ酸(5−CQA)の加水分解は観察されなかった。
【0078】
【表12】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)乾燥コーヒー抽出物、及び
b)カフェオイルキナ酸及びジエステルを加水分解して、コーヒー酸を生成することができる微生物及び/又は酵素
を含む、飲料粉末。
【請求項2】
クリーマーを含む、請求項1に記載の飲料粉末。
【請求項3】
甘味料を含む、請求項1又は2に記載の飲料粉末。
【請求項4】
乳タンパク質及び/又は乳脂肪を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の飲料粉末。
【請求項5】
カフェオイルキナ酸及びジエステルを加水分解して、コーヒー酸を生成することができる微生物が、乳酸菌である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の飲料粉末。
【請求項6】
a)コーヒー抽出物を含む第1の部分、及び
b)クロロゲン酸を加水分解して、フェノール酸を生成することができる微生物及び/又は酵素を含む第2の部分
の少なくとも2つの部分を含む、飲料を調製するためのキット。
【請求項7】
第1の部分が純粋な可溶性コーヒーを含む、請求項6に記載のキット。
【請求項8】
第2の部分が、乳タンパク質及び/又は野菜タンパク質を含む、請求項6又は7に記載のキット。
【請求項9】
第2の部分が、クリーマー及び/又は甘味料を含む、請求項6〜8のいずれか一項に記載のキット。
【請求項10】
クロロゲン酸を加水分解して、フェノール酸を生成することができる微生物が、乳酸菌である、請求項6〜9のいずれか一項に記載のキット。
【請求項11】
飲料粉末又はキットから調製された飲料を消費するヒト又は動物において、生体内で抗酸化能力を強化するための、請求項1〜5のいずれか一項に記載の飲料粉末又は請求項6〜10のいずれか一項に記載のキットの使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−518569(P2011−518569A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506625(P2011−506625)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際出願番号】PCT/EP2009/052932
【国際公開番号】WO2009/132887
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】