加熱調理器
【課題】操作パネルが調理器本体に収納されている状態でも、可能な操作の内容を表示して、その可能な操作を受け付けることができるようにする。
【解決手段】操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態にあるか、その操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態にあるかを検知する状態検知部6を設け、予め操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態で可能な操作と操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態で可能な操作が設定されている可能操作切替部7が、状態検知部6の検知結果に応じて、その操作パネル4により表示される可能な操作の内容を切り替える。
【解決手段】操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態にあるか、その操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態にあるかを検知する状態検知部6を設け、予め操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態で可能な操作と操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態で可能な操作が設定されている可能操作切替部7が、状態検知部6の検知結果に応じて、その操作パネル4により表示される可能な操作の内容を切り替える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、加熱調理器の操作部に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、以下の特許文献1に開示されている加熱調理器では、加熱や火力調整等の操作を受け付ける操作パネルが、調理器本体の前面に配置されている。
また、この加熱調理器の操作パネルは、図18に示すように、調理器本体に対して、上端部が手前に引き出し自在に取り付けられている。
【0003】
したがって、加熱や火力調整等の操作を行わない場合(調理を行わない場合のほか、火加減を調整せずに調理を継続する場合などを含む)、操作パネルを調理器本体に収納することができる。
このため、加熱や火力調整等の操作を行わない場合、ユーザの脚や腰が、操作パネルにぶつかる状況の発生を未然に防ぐことができる。
一方、加熱操作を行う場合、操作パネルの上端部を手前に引き出せば、可能な操作の内容を示すディスプレイや、操作ボタンが現れるため、例えば、火加減などを調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−87034号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の加熱調理器は以上のように構成されているので、操作パネルを調理器本体に収納すれば、ユーザの脚や腰が、操作パネルにぶつかる状況の発生を未然に防ぐことができる。しかし、操作パネルを調理器本体に収納してしまうと、操作パネルの上部に配置されているディスプレイや操作ボタンが隠れてしまうため、現在の操作内容(例えば、火加減の状況)を確認することができず、また、加熱や火力調整等の操作を全く行うことができなくなってしまうなどの課題があった。
【0006】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、操作パネルが調理器本体に収納されていても、調理の状態を表示して調理の状態を確認できるとともに、可能な操作の内容を表示して、その可能な操作を受け付けることができる加熱調理器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る加熱調理器は、調理器本体の前面に配置され、その調理器本体に実装されているコイルやヒーター等の加熱手段に対する可能な操作の内容を表示して、その操作を受け付ける操作パネルと、調理器本体に対して、操作パネルの下端部を手前に引き出し自在に操作パネルを支持する回動機構と、操作パネルの下端部が手前に引き出されている状態にあるか、その操作パネルが調理器本体に収納されている状態にあるかを検知する状態検知手段とを設け、予め操作パネルの下端部が手前に引き出されている状態で可能な操作と操作パネルが調理器本体に収納されている状態で可能な操作が設定されている可能操作切替手段が、状態検知手段の検知結果に応じて、その操作パネルにより表示される可能な操作の内容を切り替えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、調理器本体の前面に配置され、その調理器本体に実装されている加熱手段に対する可能な操作の内容を表示して、その操作を受け付ける操作パネルと、調理器本体に対して、操作パネルの下端部を手前に引き出し自在に操作パネルを支持する回動機構と、操作パネルの下端部が手前に引き出されている状態にあるか、その操作パネルが調理器本体に収納されている状態にあるかを検知する状態検知手段とを設け、予め操作パネルの下端部が手前に引き出されている状態で可能な操作と操作パネルが調理器本体に収納されている状態で可能な操作が設定されている可能操作切替手段が、状態検知手段の検知結果に応じて、その操作パネルにより表示される可能な操作の内容を切り替えるように構成したので、操作パネルが調理器本体に収納されている状態でも、可能な操作の内容を表示して、その可能な操作を受け付けることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1による加熱調理器(操作パネルの下端部が手前に引き出されている状態)を示す斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態1による加熱調理器(操作パネルが調理器本体に収納されている状態)を示す斜視図である。
【図3】この発明の実施の形態1による加熱調理器(電源が切れている状態)を示す斜視図である。
【図4】この発明の実施の形態1による加熱調理器を示す構成図である。
【図5】この発明の実施の形態1による加熱調理器の回動機構を示す断面図である。
【図6】この発明の実施の形態2による加熱調理器(操作パネルの下端部が手前に引き出されている状態)を示す斜視図である。
【図7】この発明の実施の形態2による加熱調理器(操作パネルが調理器本体に収納されている状態)を示す斜視図である。
【図8】この発明の実施の形態2による加熱調理器(電源が切れている状態)を示す斜視図である
【図9】この発明の実施の形態2による加熱調理器を示す構成図である。
【図10】この発明の実施の形態3による加熱調理器を示す斜視図である。
【図11】この発明の実施の形態3による加熱調理器を示す構成図である。
【図12】この発明の実施の形態4による加熱調理器を示す斜視図である。
【図13】この発明の実施の形態4による加熱調理器を示す構成図である。
【図14】この発明の実施の形態5による加熱調理器を示す斜視図である。
【図15】この発明の実施の形態5による加熱調理器を示す構成図である。
【図16】この発明の実施の形態6による加熱調理器を示す斜視図である。
【図17】この発明の実施の形態6による加熱調理器を示す構成図である。
【図18】特許文献1に開示されている加熱調理器を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による加熱調理器(操作パネルの下端部が手前に引き出されている状態)を示す斜視図であり、図2はこの発明の実施の形態1による加熱調理器(操作パネルが調理器本体に収納されている状態)を示す斜視図である。
また、図3はこの発明の実施の形態1による加熱調理器(電源が切れている状態)を示す斜視図である。
図4はこの発明の実施の形態1による加熱調理器を示す構成図であり、図5はこの発明の実施の形態1による加熱調理器の回動機構を示す断面図である。
【0011】
図1から図5において、調理器本体1は天面1aに載置される調理器具(例えば、金属製の鍋やフライパン)やロースター内の食材に熱を加えるコイルやヒーター等の加熱手段2を実装している。
調理器制御回路3は操作パネル4により受け付けられた操作内容にしたがって加熱手段2の作動を制御する回路である。
【0012】
操作パネル4は調理器本体1の前面1bに配置されており、可能操作切替部7の制御の下、加熱手段2に対する可能な操作の内容を表示して、その可能な操作を受け付けるマンマシンインタフェースである。
また、操作パネル4は、可能な操作の内容を表示する表示面4aと、その可能な操作を受け付ける操作面4bとを備えており、その表示面4aと操作面4bがタッチパネルで一体的に構成されている(操作パネル4における表示面4aの一部の領域に、操作面4bが設けられている)。
図1(操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態)では、可能な操作の内容として、メニューの選択操作(「魚焼」、「グリル」、「オーブン」、「あたため」の選択操作)を受け付ける例を示している。
図2(操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態)では、可能な操作の内容として、加熱手段2の作動を停止する「停止」の操作のみを受け付ける例を示している。
【0013】
回動機構5は調理器本体1に対して、操作パネル4の下端部4cを手前に引き出し自在に操作パネル4を支持している機構であり、支持部材5a,5b及び接続部材5cから構成されている。
支持部材5aは上端部が調理器本体1と回動自在に接続されており、操作パネル4を支持している部材である。
支持部材5bは下端部が調理器本体1と回動自在に接続されている部材である。
接続部材5cは支持部材5aの下端部と支持部材5bの上端部とを接続している部材である。
ここでは、回動機構5が支持部材5a,5b及び接続部材5cから構成されている例を示しているが、これは一例に過ぎず、操作パネル4の下端部4cを手前に引き出し自在に操作パネル4を支持することが可能な機構であれば、他の機構であってもよいことは言うまでもない。
【0014】
状態検知部6は回動機構5における支持部材5a又は支持部材5bの角度を検知する角度センサなどから構成されており、その角度センサによって検知した角度を参照することで、操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態にあるか、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態にあるかを検知する処理を実施する。なお、状態検知部6は状態検知手段を構成している。
ここでは、状態検知部6が回動機構5における支持部材5a又は支持部材5bの角度を検知することで、操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態にあるか否かを検知しているものを示しているが、これは一例に過ぎず、例えば、操作パネル4の角度を検知することで、操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態にあるか否かを検知するようにしてもよい。
【0015】
可能操作切替部7は予め操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態で可能な操作と、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態で可能な操作とが設定されており、状態検知部6の検知結果に応じて、操作パネル4の表示面4aにより表示される可能な操作の内容を切り替える処理を実施する。なお、可能操作切替部7は可能操作切替手段を構成している。
【0016】
次に動作について説明する。
操作パネル4が調理器本体1に収納されており、加熱調理器の電源が投入されていない状態では、図3に示すように、操作パネル4の表示面4aには何も表示されない。
したがって、ユーザは、操作パネル4の表示面4aに何も表示されていないことを視認すれば、加熱調理器に電源が入っていないことを確認することができる。
【0017】
ユーザが調理を開始する際、操作パネル4の下端部4cを手前に引き出すと、加熱調理器の電源が自動的に投入され、加熱調理器を構成している各部(加熱手段2、調理器制御回路3、操作パネル4、状態検知部6及び可能操作切替部7)の動作が可能になる。
ここでは、加熱調理器の電源が自動的に投入されるものについて示したが、ユーザが、図示せぬ電源スイッチをONにすることで、加熱調理器の電源が投入されるものであってもよい。
【0018】
状態検知部6は、加熱調理器の電源が投入されると、回動機構5における支持部材5aまたは5bの角度を検知し、その角度を参照することで、操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態にあるか、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態にあるかを検知する。
例えば、調理器本体1の底面に対して、支持部材5bが基準角度(例えば、45度)より小さい角度(例えば、30度)にあれば、操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態にあると判定する。
一方、調理器本体1の底面に対して、支持部材5bが基準角度より大きい角度(例えば、90度)であれば、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態にあると判定する。
【0019】
可能操作切替部7には、予め、操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態で可能な操作と、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態で可能な操作とが設定されている。
例えば、可能な操作として、下記の操作が設定されている。
(1)操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態
・メニューの選択操作として、例えば、「魚焼」、「グリル」、「オーブン」、
あるいは、「あたため」の選択を受け付ける操作
・火加減を調節する操作
・タイマーを設定する操作など
(2)操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態
加熱手段2の作動を停止する「停止」の操作
【0020】
可能操作切替部7は、状態検知部6により操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態にあることを検知されると、引き出されている状態に対応する操作を操作パネル4の表示面4aに表示させる。
図1では、可能な操作として、メニューの選択操作(「魚焼」、「グリル」、「オーブン」、「あたため」)を操作パネル4の表示面4aに表示させている例を示している。
これにより、操作パネル4が、メニューの選択操作(「魚焼」、「グリル」、「オーブン」、「あたため」)を受け付けるようになり、例えば、ユーザが「魚焼」に触れれば、「魚焼」の操作を受け付け、ユーザが「あたため」に触れれば、「あたため」の操作を受け付ける。
【0021】
調理器制御回路3は、操作パネル4により受け付けられた操作内容にしたがって加熱手段2の作動を制御する。
例えば、操作パネル4により受け付けられた操作が「魚焼」であれば、「魚焼」に適する火加減・調理時間で加熱手段2を制御する。
また、操作パネル4により受け付けられた操作が「あたため」であれば、「あたため」に適する火加減・調理時間で加熱手段2を制御する。
【0022】
その後は、操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態で調理を継続することができるが、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態でも調理を継続することができる。
状態検知部6は、加熱調理器の電源が投入されている間、常時、回動機構5における支持部材5aまたは5bの角度を検知しており、ユーザが操作パネル4の下端部4cを押し込むことで、操作パネル4を調理器本体1に収納すると、支持部材5aまたは5bの角度を参照することで、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態にあることを検知する。
【0023】
可能操作切替部7は、状態検知部6により操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態にあることを検知されると、図2に示すように、加熱調理の残り時間などを操作パネル4の表示面4aに表示させるとともに、可能な操作として、加熱手段2の作動を停止する「停止」の操作のみを操作パネル4の表示面4aに表示させる。
これにより、操作パネル4が、「停止」の操作のみを受け付けるようになり、ユーザが「停止」に触れれば、停止の操作を受け付ける。
【0024】
調理器制御回路3は、操作パネル4が「停止」の操作を受け付けると、加熱手段2の作動を停止する。
このように、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態でも、操作パネル4が「停止」の操作については受け付けるので、例えば、食材が焦げそうになっているときや、鍋が吹きこぼれそうになっているときや、火傷しそうになっている緊急時などには、加熱手段2の作動を停止することができる。
【0025】
操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態では、ユーザの脚や腰が操作パネル4にぶつかる状況の発生を未然に防ぐことができる。
また、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態では、「停止」の操作以外の操作(例えば、メニューの選択操作)を受け付けることがないので、ユーザが加熱調理中に、不意に操作パネル4に触れることで発生する誤操作を未然に防ぐことができる。
なお、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態では、メニューの選択操作等が操作パネル4の表示面4aに表示されないので、例えば、調理の残り時間などの調理状況を操作パネル4の表示面4aに大きく表示することができる(図2の例では、残り時間として、“8分”を大きく表示している)。
したがって、ユーザが加熱調理器から離れている場所に居ても、調理の残り時間などの調理状況を視認することができる。
【0026】
その後、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態で、調理が終了すると、加熱調理器の電源が自動的に切れて、操作パネル4の表示面4aには何も表示されない状態になる(図3を参照)。
したがって、ユーザは、操作パネル4の表示面4aに何も表示されていないことを視認すれば、加熱調理器に電源が入っていないことを確認することができる。
ここでは、加熱調理器の電源が自動的に切れるものについて示したが、ユーザが、図示せぬ電源スイッチをOFFにすることで、加熱調理器の電源が切れるものであってもよい。
【0027】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、調理器本体1の前面1bに配置され、その調理器本体1に実装されている加熱手段2に対する可能な操作の内容を表示して、その操作を受け付ける操作パネル4と、調理器本体1に対して、操作パネル4の下端部4cを手前に引き出し自在に操作パネル4を支持する回動機構5と、操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態にあるか、その操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態にあるかを検知する状態検知部6とを設け、予め操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態で可能な操作と操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態で可能な操作が設定されている可能操作切替部7が、状態検知部6の検知結果に応じて、その操作パネル4により表示される可能な操作の内容を切り替えるように構成したので、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態でも、可能な操作の内容を表示して、その可能な操作を受け付けることができる効果を奏する。
また、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態であっても、ユーザが触る頻度が高い操作パネル4の表示面4aや操作面4bの拭き掃除を行うことができる効果を奏する。
【0028】
また、この実施の形態1によれば、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態で可能な操作として、加熱手段2の作動を停止する操作のみが可能操作切替部7に設定されているように構成したので、緊急時には加熱手段2の作動を停止することができる一方、ユーザが加熱調理中に、不意に操作パネル4に触れることで発生する誤操作を未然に防ぐことができる効果を奏する。
【0029】
また、この実施の形態1によれば、操作パネル4が可能な操作の内容を表示する表示面4aと、その操作を受け付ける操作面4bとを備え、その表示面4aと操作面4bがタッチパネルで一体的に構成されているので、可能な操作の内容を迅速かつ容易に切り替えることができるとともに、清掃性を高めることができる効果を奏する。
【0030】
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2による加熱調理器(操作パネルの下端部が手前に引き出されている状態)を示す斜視図であり、図7はこの発明の実施の形態2による加熱調理器(操作パネルが調理器本体に収納されている状態)を示す斜視図である。
また、図8はこの発明の実施の形態2による加熱調理器(電源が切れている状態)を示す斜視図である。
図9はこの発明の実施の形態2による加熱調理器を示す構成図である。
図6〜図9において、図1〜図4と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
【0031】
操作パネル8は図1の操作パネル4と同様に、調理器本体1の前面1bに配置されており(回動機構5によって、調理器本体1に対して、操作パネル8の下端部8cが手前に引き出し自在に支持されている)、可能操作切替部9の制御の下、加熱手段2に対する可能な操作を受け付けるマンマシンインタフェースである。
ただし、図6の操作パネル8は、図1の操作パネル4と異なり、調理状況などを表示するスクリーン8aと、可能な操作を受け付ける複数の操作ボタン8bとから構成されている。
なお、操作パネル8を構成している複数の操作ボタン8bには、LEDランプが内蔵されている。
【0032】
可能操作切替部9は予め操作パネル8の下端部8cが手前に引き出されている状態で可能な操作と、操作パネル8が調理器本体1に収納されている状態で可能な操作とが設定されており、状態検知部6の検知結果に応じて、操作パネル8を構成している複数の操作ボタン8bのうち、操作を受け付ける操作ボタン8bのLEDランプを点灯して、操作を受け付けない操作ボタン8bのLEDランプを消灯する処理を実施する。なお、可能操作切替部9は可能操作切替手段を構成している。
【0033】
次に動作について説明する。
操作パネル8が調理器本体1に収納されており、加熱調理器の電源が投入されていない状態では、図8に示すように、操作パネル8のスクリーン8aには何も表示されない。また、全ての操作ボタン8bのLEDランプが消灯している。
したがって、ユーザは、操作パネル8のスクリーン8aに何も表示されていないことを視認すれば、加熱調理器に電源が入っていないことを確認することができる。
【0034】
ユーザが調理を開始する際、操作パネル8の下端部8cを手前に引き出すと、加熱調理器の電源が自動的に投入され、加熱調理器を構成している各部(加熱手段2、調理器制御回路3、状態検知部6、操作パネル8及び可能操作切替部9)の動作が可能になる。
ここでは、加熱調理器の電源が自動的に投入されるものについて示したが、ユーザが、図示せぬ電源スイッチをONにすることで、加熱調理器の電源が投入されるものであってもよい。
【0035】
状態検知部6は、加熱調理器の電源が投入されると、上記実施の形態1と同様に、回動機構5における支持部材5aまたは5bの角度を検知し、その角度を参照することで、操作パネル8の下端部8cが手前に引き出されている状態にあるか、操作パネル8が調理器本体1に収納されている状態にあるかを検知する。
【0036】
可能操作切替部9には、予め、操作パネル8の下端部8cが手前に引き出されている状態で可能な操作と、操作パネル8が調理器本体1に収納されている状態で可能な操作とが設定されている。
例えば、可能な操作として、下記の操作が設定されている。
(1)操作パネル8の下端部8cが手前に引き出されている状態
・メニューの選択操作として、例えば、「オート魚焼」、「グリル」、「オーブン」
、「あたため」、「空焼」の選択を受け付ける操作
・火加減を調節する操作
・タイマーを設定する操作など
(2)操作パネル8が調理器本体1に収納されている状態
加熱手段2の作動を停止する「停止」の操作
【0037】
可能操作切替部9は、状態検知部6により操作パネル8の下端部8cが手前に引き出されている状態にあることを検知されると、操作パネル8を構成している複数の操作ボタン8bのうち、引き出されている状態に対応する操作を受け付ける操作ボタン8bのLEDランプを点灯する。
図6では、メニューの選択(「オート魚焼」、「グリル」、「オーブン」、「あたため」、「空焼」)を受け付ける操作ボタン8b、火加減の調節を受け付ける操作ボタン8b(図中、左向,右向の三角印)、タイマーの設定を受け付ける操作ボタン8b(図中、左向,右向の三角印)などのLEDランプが点灯されている例を示している。
これにより、操作パネル4が、メニューの選択操作や、火加減の調節操作などを受け付けるようになり、例えば、ユーザが「オート魚焼」の操作ボタン8bを押せば、「オート魚焼」の操作を受け付け、ユーザが「グリル」の操作ボタン8bを押せば、「グリル」の操作を受け付ける。
【0038】
調理器制御回路3は、操作パネル8により受け付けられた操作内容にしたがって加熱手段2の作動等を制御する。
例えば、操作パネル8により受け付けられた操作が「オート魚焼」であれば、「オート魚焼」に適する火加減・調理時間で加熱手段2を制御する。
また、操作パネル8により受け付けられた操作が「グリル」であれば、「グリル」に適する火加減・調理時間で加熱手段2を制御する。
【0039】
その後は、操作パネル8の下端部8cが手前に引き出されている状態で調理を継続することができるが、操作パネル8が調理器本体1に収納されている状態でも調理を継続することができる。
状態検知部6は、加熱調理器の電源が投入されている間、常時、回動機構5における支持部材5aまたは5bの角度を検知しており、ユーザが操作パネル8の下端部8cを押し込むことで、操作パネル8を調理器本体1に収納すると、支持部材5aまたは5bの角度を参照することで、操作パネル8が調理器本体1に収納されている状態にあることを検知する。
【0040】
可能操作切替部9は、状態検知部6により操作パネル8が調理器本体1に収納されている状態にあることを検知されると、図7に示すように、操作パネル8を構成している複数の操作ボタン8bのうち、「停止」の操作を受け付ける操作ボタン8bのLEDランプのみを点灯し、他の操作ボタン8bのLEDランプを消灯する(LEDランプが消灯している操作ボタン8bは、ユーザが押しても操作を受け付けない)。
これにより、操作パネル8が、「停止」の操作のみを受け付けるようになり、ユーザが「停止」の操作を受け付ける操作ボタン8bを押せば、「停止」の操作を受け付ける。
【0041】
調理器制御回路3は、操作パネル8が「停止」の操作を受け付けると、加熱手段の作動を停止する。
このように、操作パネル8が調理器本体1に収納されている状態でも、操作パネル8が「停止」の操作については受け付けるので、例えば、食材が焦げそうになっているときや、鍋が吹きこぼれそうになっているときや、火傷しそうになっている緊急時などには、加熱手段2の作動を停止することができる。
【0042】
操作パネル8が調理器本体1に収納されている状態では、ユーザの脚や腰が操作パネル8にぶつかる状況の発生を未然に防ぐことができる。
また、操作パネル8が調理器本体1に収納されている状態では、「停止」の操作以外の操作(例えば、メニューの選択操作)を受け付けることがないので、ユーザが加熱調理中に、不意に操作パネル8に触れることで発生する誤操作を未然に防ぐことができる。
【0043】
その後、操作パネル8が調理器本体1に収納されている状態で、調理が終了すると、加熱調理器の電源が自動的に切れて、操作パネル8のスクリーン8aには何も表示されない状態になる(図8を参照)。
したがって、ユーザは、操作パネル8のスクリーン8aに何も表示されていないことを視認すれば、加熱調理器に電源が入っていないことを確認することができる。
ここでは、加熱調理器の電源が自動的に切れるものについて示したが、ユーザが、図示せぬ電源スイッチをOFFにすることで、加熱調理器の電源が切れるものであってもよい。
【0044】
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、予め操作パネル8の下端部8cが手前に引き出されている状態で可能な操作と操作パネル8が調理器本体1に収納されている状態で可能な操作が設定されている可能操作切替部9が、状態検知部6の検知結果に応じて、操作パネル8を構成している複数の操作ボタン8bのうち、操作を受け付ける操作ボタン8bのLEDランプを点灯して、操作を受け付けない操作ボタン8bのLEDランプを消灯するように構成したので、操作パネル8が調理器本体1に収納されている状態でも、可能な操作を受け付けることができる効果を奏する。
また、操作パネル8が調理器本体1に収納されている状態であっても、ユーザが触る頻度が高い操作パネル8のスクリーン8aや操作ボタン8bの拭き掃除を行うことができる効果を奏する。
【0045】
実施の形態3.
図10はこの発明の実施の形態3による加熱調理器を示す斜視図であり、図11はこの発明の実施の形態3による加熱調理器を示す構成図である。
図10及び図11において、図1〜図4と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
ロースター11は調理器本体1に内蔵されており、例えば、食材を炙り焼きする場合に使用される。
ロースター扉12はロースター11の扉である。
【0046】
扉開閉検知センサ13は調理器本体1に内蔵されており、ロースター扉12の開閉を検知するためのセンサである。なお、扉開閉検知センサ13は扉開閉検知手段を構成している。
案内情報表示処理部14は予めロースター扉12が開いている状態に対応する案内情報と、ロースター扉12が閉じている状態に対応する案内情報とが設定されており、扉開閉検知センサ13の検知結果に対応する案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する処理を実施する。なお、案内情報表示処理部14は情報表示手段を構成している。
【0047】
次に動作について説明する。
案内情報表示処理部14には、予めロースター扉12が開いている状態に対応する案内情報と、ロースター扉12が閉じている状態に対応する案内情報とが設定されている。
例えば、下記に示すような案内情報が設定されている。
(1)操作パネル4が調理器本体1に収納されているとき、ロースター扉12が開けられた場合の案内情報の一例
・案内情報 → 「操作パネルを手前に引き出してください」
・案内情報 → 「ロースターにアルミホイルを敷くと掃除が楽になります」
・案内情報 → 「水あり、水なしのどちらでも調理ができます」
(2)ロースター扉12が開いているとき、操作パネル4で加熱開始操作が行われた場合の案内情報の一例
・案内情報 → 「ロースター扉を閉めてください」
【0048】
(3)ロースター11による加熱調理中、ロースター扉12が開けられたことにより、加熱調理が自動的に中断された場合の案内情報の一例
・案内情報 → 「加熱調理を一時中断しました」
(4)加熱調理が自動的に中断された後、ロースター扉12が閉められた場合の案内情報の一例
・案内情報 → 「調理を再開しますか? 調理を再開する場合は、操作パネルを手前に引き出してください」
【0049】
扉開閉検知センサ13は、ロースター扉12の開閉を検知し、その検知結果を案内情報表示処理部14に出力する。
状態検知部6は、上記実施の形態1と同様に、操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態にあるか、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態にあるかを検知して、その検知結果を案内情報表示処理部14に出力する。
【0050】
案内情報表示処理部14は、扉開閉検知センサ13及び状態検知部6から検知結果を受けると、その検知結果に対応する案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する。
例えば、扉開閉検知センサ13の検知結果が、ロースター扉12が「閉」→「開」のように遷移したとき、状態検知部6の検知結果が、操作パネル4が調理器本体1に収納されている旨を示していれば、例えば、「操作パネルを手前に引き出してください」などの案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する。
【0051】
また、扉開閉検知センサ13の検知結果が、ロースター11による加熱調理中に、ロースター扉12が「閉」→「開」のように遷移して、加熱調理が自動的に中断された場合には、例えば、「調理を一時中断しました」などの案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する。
加熱調理が自動的に中断された後、扉開閉検知センサ13の検知結果が、ロースター扉12が「開」→「閉」のように遷移すると、例えば、「調理を再開しますか? 調理を再開する場合は、操作パネルを手前に引き出してください」などの案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する。
なお、加熱調理が自動的に中断された後、一定時間経過しても、ユーザが何の操作も行わない場合、加熱調理器の電源が自動的に切れる。
【0052】
ここでは、案内情報表示処理部14が案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示するものについて示したが、案内情報表示処理部14が音声合成処理を実施することで、その案内情報を音声で出力するようにしてもよい。
また、ここでは、案内情報表示処理部14が扉開閉検知センサ13の検知結果だけでなく、状態検知部6の検知結果も利用して、操作パネル4の表示面4aに表示する適正な案内情報を選択しているが、状態検知部6の検知結果については必ずしも利用する必要はなく、扉開閉検知センサ13の検知結果だけを利用して、操作パネル4の表示面4aに表示する適正な案内情報を選択するようにしてもよい。
【0053】
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、ロースター扉12の開閉を検知する扉開閉検知センサ13と、予めロースター扉12が開いている状態に対応する案内情報とロースター扉12が閉じている状態に対応する案内情報が設定されており、扉開閉検知センサ13の検知結果に対応する案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する案内情報表示処理部14とを設けるように構成したので、加熱調理器の操作性や安全性などを高めることができる効果を奏する。
【0054】
実施の形態4.
図12はこの発明の実施の形態4による加熱調理器を示す斜視図であり、図13はこの発明の実施の形態4による加熱調理器を示す構成図である。
図12及び図13において、図1〜図4、図10及び図11と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
カメラ15は例えばCCDイメージセンサなどの撮像素子から構成されており、調理器本体1に内蔵されているロースター11の内部を撮影する。
映像表示処理部16はカメラ15により撮影された映像を操作パネル4の表示面4aに表示する処理を実施する。
ただし、映像表示処理部16はカメラ15により撮影された映像を表示する際、明るさなどの補正を行って、見易い映像に変換してから表示する機能を備えていてもよい。
なお、映像表示処理部16は映像表示手段を構成している。
【0055】
次に動作について説明する。
カメラ15は、ロースター11の内部を撮影し、その撮像結果である映像信号を映像表示処理部16及び可能操作切替部7に出力する。
【0056】
可能操作切替部7は、カメラ15から映像信号を受けると、その映像信号を解析して、ロースター11の内部に置かれている食材を判別する。
例えば、小魚のテンプレート画像、魚の切身のテンプレート画像、ステーキ肉のテンプレート画像などを予め用意し、カメラ15から出力された映像信号が示す画像と、予め用意している複数のテンプレート画像間でパターンマッチングすることで、その映像信号が示す画像が、いかなる食材の画像であるかを判別する。
【0057】
可能操作切替部7は、状態検知部6により操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態にあることを検知されると、上記実施の形態1と同様に、引き出されている状態に対応する操作を操作パネル4の表示面4aに表示させる。
ただし、上記実施の形態1では、引き出されている状態に対応する操作として、メニューの選択操作(「魚焼」、「グリル」、「オーブン」、「あたため」)を操作パネル4の表示面4aに表示させている例を示しているが、この実施の形態4では、ロースター11の内部に置かれている食材を判別しているので、可能操作切替部7が、その食材の調理に最も適する調理方法を自動的に選択する。
【0058】
例えば、ロースター11の内部に置かれている食材が「小魚」であれば、可能操作切替部7が、調理方法として「魚焼」を自動的に選択し、好みの「焼き加減」の選択を受け付ける操作を操作パネル4の表示面4aに表示させる。
したがって、上記実施の形態1では、ユーザが調理方法として「魚焼」を選択する操作を行ってから、好みの「焼き加減」を選択する操作を行う必要があるが、この実施の形態4では、ユーザが好みの「焼き加減」を選択する操作のみを行えばよく、少ない操作手順で操作を完了することができる。
【0059】
その後、加熱調理が開始されてから、操作パネル4が調理器本体1に収納されると、上記実施の形態1と同様に、状態検知部6により操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態にあることが検知される。
可能操作切替部7は、状態検知部6により操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態にあることを検知されると、上記実施の形態1と同様に、加熱調理の残り時間などを操作パネル4の表示面4aに表示させるとともに、可能な操作として、加熱手段2の作動を停止する「停止」の操作のみを操作パネル4の表示面4aに表示させる。
【0060】
映像表示処理部16は、カメラ15から映像信号を受けると、その映像信号にしたがって、ロースター11の内部に置かれている食材の映像を操作パネル4の表示面4aに表示させる。
図12では、ロースター11の内部に置かれている小魚の映像が操作パネル4の表示面4aに表示されている例を示している。
したがって、この実施の形態4では、加熱調理の残り時間の他に、小魚の映像が表示されるので、ユーザがロースター11の内部を覗き込まなくても、小魚の焼き上がり状況を確認することができる。
【0061】
図12及び図13の例では、図11に示すような扉開閉検知センサ13及び案内情報表示処理部14が実装されていないが、扉開閉検知センサ13及び案内情報表示処理部14を実装していてもよい。
扉開閉検知センサ13及び案内情報表示処理部14を実装している場合、例えば、下記に示すような処理が可能になる。
【0062】
扉開閉検知センサ13の検知結果が、ロースター11による加熱調理中に、ロースター扉12が「閉」→「開」のように遷移して、加熱調理が自動的に中断された場合には、例えば、「調理を一時中断しました」などの案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する。
加熱調理が自動的に中断された後、扉開閉検知センサ13の検知結果が、ロースター扉12が「開」→「閉」のように遷移し、カメラ15により撮影された映像が、調理中の食材の映像であれば、例えば、「調理を再開します。中止する場合には、停止ボタンを押してください」などの案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する。
【0063】
以上で明らかなように、この実施の形態4によれば、調理器本体1に内蔵されているロースター11の内部を撮影するカメラ15と、カメラ15により撮影された映像を操作パネル4の表示面4aに表示する映像表示処理部16とを設けるように構成したので、加熱調理器の操作性や安全性などを高めることができる効果を奏する。
【0064】
なお、この実施の形態4では、カメラ15がCCDイメージセンサなどの撮像素子から構成されているものを示したが、ロースター11の内部に置かれている食材を判別することができるものであればよく、例えば、サーモセンサや赤外線センサなどからなるカメラを用いてもよい。
【0065】
実施の形態5.
図14はこの発明の実施の形態5による加熱調理器を示す斜視図であり、図15はこの発明の実施の形態5による加熱調理器を示す構成図である。
図14及び図15において、図1〜図4、図10及び図11と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
重量センサ17はロースター11の底部に設置されており、ロースター11に載せられている食材の重量を測定するためのセンサである。なお、重量センサ17は重量測定手段を構成している。
【0066】
案内情報表示処理部18は図11の案内情報表示処理部14と同様に、予めロースター扉12が開いている状態に対応する案内情報と、ロースター扉12が閉じている状態に対応する案内情報とが設定されており、扉開閉検知センサ13の検知結果に対応する案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する処理を実施する。
また、案内情報表示処理部18は予め食材の重量に対応する案内情報が設定されており、重量センサ17により測定された重量に対応する案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する処理を実施する。なお、案内情報表示処理部18は情報表示手段を構成している。
【0067】
次に動作について説明する。
重量センサ17は、ロースター11に載せられている食材の重量を測定し、その測定結果を案内情報表示処理部18に出力する。
案内情報表示処理部18は、図11の案内情報表示処理部14と同様に、扉開閉検知センサ13及び状態検知部6から検知結果を受けると、その検知結果に対応する案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する。
例えば、扉開閉検知センサ13の検知結果が、ロースター11による加熱調理中に、ロースター扉12が「閉」→「開」にように遷移して、加熱調理が自動的に中断された場合には、例えば、「調理を一時中断しました」などの案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する。
【0068】
案内情報表示処理部18は、加熱調理が自動的に中断された後、扉開閉検知センサ13の検知結果が、ロースター扉12が「開」→「閉」のように遷移すると、重量センサ17の測定結果が、食材がロースター11に載せられている旨を示していれば、ロースター11から食材が取り出されていないため、例えば、「調理を再開します。中止する場合には、停止ボタンを押してください」などの案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する。
【0069】
ここでは、重量センサ17の測定結果が、食材がロースター11に載せられている旨を示していれば、案内情報表示処理部18が、「調理を再開します。中止する場合には、停止ボタンを押してください」などの案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示するものについて示したが、下記に示すような案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示するようにしてもよい。
例えば、0〜Aグラムの重さの食材については、「調理時間を○○分に自動設定しました」などの案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示し、Aグラム〜Bグラムの重さの食材については、「調理時間を△△分に自動設定しました」などの案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する。ただし、Aグラム<Bグラム、○○分<△△分である。
【0070】
以上で明らかなように、この実施の形態5によれば、ロースター11に載せられている食材の重量を測定する重量センサ17と、予め食材の重量に対応する案内情報が設定されており、重量センサ17により測定された重量に対応する案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する案内情報表示処理部18とを設けるように構成したので、適正な案内情報を提示することができる効果を奏する。
【0071】
実施の形態6.
図16はこの発明の実施の形態6による加熱調理器を示す斜視図であり、図17はこの発明の実施の形態6による加熱調理器を示す構成図である。
図16及び図17において、図1〜図4、図10及び図11と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
温度センサ19はロースター扉12の温度を測定するためのセンサである。なお、温度センサ19は温度測定手段を構成している。
【0072】
案内情報表示処理部20は図11の案内情報表示処理部14と同様に、予めロースター扉12が開いている状態に対応する案内情報と、ロースター扉12が閉じている状態に対応する案内情報とが設定されており、扉開閉検知センサ13の検知結果に対応する案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する処理を実施する。
また、案内情報表示処理部20は予めロースター扉12の温度に対応する案内情報が設定されており、温度センサ19により測定された温度に対応する案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する処理を実施する。なお、案内情報表示処理部20は情報表示手段を構成している。
【0073】
次に動作について説明する。
温度センサ19は、ロースター扉12の温度を測定し、その測定結果を案内情報表示処理部20に出力する。
案内情報表示処理部20は、図11の案内情報表示処理部14と同様に、扉開閉検知センサ13の検知結果に対応する案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する。
ただし、案内情報表示処理部20は、図11の案内情報表示処理部14と異なり、温度センサ19により測定された温度に対応する案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する。
【0074】
具体的には、以下に示すような案内情報を表示する。
例えば、上記実施の形態1では、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態で調理が終了すると、加熱調理器の電源が自動的に切れて、操作パネル4の表示面4aには何も表示されない状態になるが、この実施の形態6では、加熱調理器の電源が自動的に切れても、ロースター扉12の温度が余熱によって、危険温度以上になっている場合には、案内情報表示処理部20が「高温のため、絶対に手を触れないでください」などの案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する。
また、ロースター扉12の温度が危険温度未満であるが、注意温度以上であれば(危険温度>注意温度)、案内情報表示処理部20が「高温注意」などの案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する。
ただし、ロースター扉12の温度が注意温度未満であれば、操作パネル4の表示面4aには何も表示しない。
【0075】
以上で明らかなように、この実施の形態6によれば、ロースター扉12の温度を測定する温度センサ19と、予めロースター扉12の温度に対応する案内情報が設定されており、温度センサ19により測定された温度に対応する案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する案内情報表示処理部20とを設けるように構成したので、加熱調理器の安全性などを高めることができる効果を奏する。
【符号の説明】
【0076】
1 調理器本体、1a 天面、1b 前面、2 加熱手段、3 調理器制御回路、4 操作パネル、4a 表示面、4b 操作面、4c 下端部、5 回動機構、5a,5b 支持部材、5c 接続部材、6 状態検知部(状態検知手段)、7 可能操作切替部(可能操作切替手段)、8 操作パネル、8a スクリーン、8b 操作ボタン、8c 下端部、9 可能操作切替部(可能操作切替手段)、11 ロースター、12 ロースター扉、13 扉開閉検知センサ(扉開閉検知手段)、14 案内情報表示処理部(情報表示手段)、15 カメラ、16 映像表示処理部(映像表示手段)、17 重量センサ(重量測定手段)、18 案内情報表示処理部(情報表示手段)、19 温度センサ(温度測定手段)、20 案内情報表示処理部(情報表示手段)。
【技術分野】
【0001】
この発明は、加熱調理器の操作部に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、以下の特許文献1に開示されている加熱調理器では、加熱や火力調整等の操作を受け付ける操作パネルが、調理器本体の前面に配置されている。
また、この加熱調理器の操作パネルは、図18に示すように、調理器本体に対して、上端部が手前に引き出し自在に取り付けられている。
【0003】
したがって、加熱や火力調整等の操作を行わない場合(調理を行わない場合のほか、火加減を調整せずに調理を継続する場合などを含む)、操作パネルを調理器本体に収納することができる。
このため、加熱や火力調整等の操作を行わない場合、ユーザの脚や腰が、操作パネルにぶつかる状況の発生を未然に防ぐことができる。
一方、加熱操作を行う場合、操作パネルの上端部を手前に引き出せば、可能な操作の内容を示すディスプレイや、操作ボタンが現れるため、例えば、火加減などを調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−87034号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の加熱調理器は以上のように構成されているので、操作パネルを調理器本体に収納すれば、ユーザの脚や腰が、操作パネルにぶつかる状況の発生を未然に防ぐことができる。しかし、操作パネルを調理器本体に収納してしまうと、操作パネルの上部に配置されているディスプレイや操作ボタンが隠れてしまうため、現在の操作内容(例えば、火加減の状況)を確認することができず、また、加熱や火力調整等の操作を全く行うことができなくなってしまうなどの課題があった。
【0006】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、操作パネルが調理器本体に収納されていても、調理の状態を表示して調理の状態を確認できるとともに、可能な操作の内容を表示して、その可能な操作を受け付けることができる加熱調理器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る加熱調理器は、調理器本体の前面に配置され、その調理器本体に実装されているコイルやヒーター等の加熱手段に対する可能な操作の内容を表示して、その操作を受け付ける操作パネルと、調理器本体に対して、操作パネルの下端部を手前に引き出し自在に操作パネルを支持する回動機構と、操作パネルの下端部が手前に引き出されている状態にあるか、その操作パネルが調理器本体に収納されている状態にあるかを検知する状態検知手段とを設け、予め操作パネルの下端部が手前に引き出されている状態で可能な操作と操作パネルが調理器本体に収納されている状態で可能な操作が設定されている可能操作切替手段が、状態検知手段の検知結果に応じて、その操作パネルにより表示される可能な操作の内容を切り替えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、調理器本体の前面に配置され、その調理器本体に実装されている加熱手段に対する可能な操作の内容を表示して、その操作を受け付ける操作パネルと、調理器本体に対して、操作パネルの下端部を手前に引き出し自在に操作パネルを支持する回動機構と、操作パネルの下端部が手前に引き出されている状態にあるか、その操作パネルが調理器本体に収納されている状態にあるかを検知する状態検知手段とを設け、予め操作パネルの下端部が手前に引き出されている状態で可能な操作と操作パネルが調理器本体に収納されている状態で可能な操作が設定されている可能操作切替手段が、状態検知手段の検知結果に応じて、その操作パネルにより表示される可能な操作の内容を切り替えるように構成したので、操作パネルが調理器本体に収納されている状態でも、可能な操作の内容を表示して、その可能な操作を受け付けることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1による加熱調理器(操作パネルの下端部が手前に引き出されている状態)を示す斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態1による加熱調理器(操作パネルが調理器本体に収納されている状態)を示す斜視図である。
【図3】この発明の実施の形態1による加熱調理器(電源が切れている状態)を示す斜視図である。
【図4】この発明の実施の形態1による加熱調理器を示す構成図である。
【図5】この発明の実施の形態1による加熱調理器の回動機構を示す断面図である。
【図6】この発明の実施の形態2による加熱調理器(操作パネルの下端部が手前に引き出されている状態)を示す斜視図である。
【図7】この発明の実施の形態2による加熱調理器(操作パネルが調理器本体に収納されている状態)を示す斜視図である。
【図8】この発明の実施の形態2による加熱調理器(電源が切れている状態)を示す斜視図である
【図9】この発明の実施の形態2による加熱調理器を示す構成図である。
【図10】この発明の実施の形態3による加熱調理器を示す斜視図である。
【図11】この発明の実施の形態3による加熱調理器を示す構成図である。
【図12】この発明の実施の形態4による加熱調理器を示す斜視図である。
【図13】この発明の実施の形態4による加熱調理器を示す構成図である。
【図14】この発明の実施の形態5による加熱調理器を示す斜視図である。
【図15】この発明の実施の形態5による加熱調理器を示す構成図である。
【図16】この発明の実施の形態6による加熱調理器を示す斜視図である。
【図17】この発明の実施の形態6による加熱調理器を示す構成図である。
【図18】特許文献1に開示されている加熱調理器を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による加熱調理器(操作パネルの下端部が手前に引き出されている状態)を示す斜視図であり、図2はこの発明の実施の形態1による加熱調理器(操作パネルが調理器本体に収納されている状態)を示す斜視図である。
また、図3はこの発明の実施の形態1による加熱調理器(電源が切れている状態)を示す斜視図である。
図4はこの発明の実施の形態1による加熱調理器を示す構成図であり、図5はこの発明の実施の形態1による加熱調理器の回動機構を示す断面図である。
【0011】
図1から図5において、調理器本体1は天面1aに載置される調理器具(例えば、金属製の鍋やフライパン)やロースター内の食材に熱を加えるコイルやヒーター等の加熱手段2を実装している。
調理器制御回路3は操作パネル4により受け付けられた操作内容にしたがって加熱手段2の作動を制御する回路である。
【0012】
操作パネル4は調理器本体1の前面1bに配置されており、可能操作切替部7の制御の下、加熱手段2に対する可能な操作の内容を表示して、その可能な操作を受け付けるマンマシンインタフェースである。
また、操作パネル4は、可能な操作の内容を表示する表示面4aと、その可能な操作を受け付ける操作面4bとを備えており、その表示面4aと操作面4bがタッチパネルで一体的に構成されている(操作パネル4における表示面4aの一部の領域に、操作面4bが設けられている)。
図1(操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態)では、可能な操作の内容として、メニューの選択操作(「魚焼」、「グリル」、「オーブン」、「あたため」の選択操作)を受け付ける例を示している。
図2(操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態)では、可能な操作の内容として、加熱手段2の作動を停止する「停止」の操作のみを受け付ける例を示している。
【0013】
回動機構5は調理器本体1に対して、操作パネル4の下端部4cを手前に引き出し自在に操作パネル4を支持している機構であり、支持部材5a,5b及び接続部材5cから構成されている。
支持部材5aは上端部が調理器本体1と回動自在に接続されており、操作パネル4を支持している部材である。
支持部材5bは下端部が調理器本体1と回動自在に接続されている部材である。
接続部材5cは支持部材5aの下端部と支持部材5bの上端部とを接続している部材である。
ここでは、回動機構5が支持部材5a,5b及び接続部材5cから構成されている例を示しているが、これは一例に過ぎず、操作パネル4の下端部4cを手前に引き出し自在に操作パネル4を支持することが可能な機構であれば、他の機構であってもよいことは言うまでもない。
【0014】
状態検知部6は回動機構5における支持部材5a又は支持部材5bの角度を検知する角度センサなどから構成されており、その角度センサによって検知した角度を参照することで、操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態にあるか、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態にあるかを検知する処理を実施する。なお、状態検知部6は状態検知手段を構成している。
ここでは、状態検知部6が回動機構5における支持部材5a又は支持部材5bの角度を検知することで、操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態にあるか否かを検知しているものを示しているが、これは一例に過ぎず、例えば、操作パネル4の角度を検知することで、操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態にあるか否かを検知するようにしてもよい。
【0015】
可能操作切替部7は予め操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態で可能な操作と、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態で可能な操作とが設定されており、状態検知部6の検知結果に応じて、操作パネル4の表示面4aにより表示される可能な操作の内容を切り替える処理を実施する。なお、可能操作切替部7は可能操作切替手段を構成している。
【0016】
次に動作について説明する。
操作パネル4が調理器本体1に収納されており、加熱調理器の電源が投入されていない状態では、図3に示すように、操作パネル4の表示面4aには何も表示されない。
したがって、ユーザは、操作パネル4の表示面4aに何も表示されていないことを視認すれば、加熱調理器に電源が入っていないことを確認することができる。
【0017】
ユーザが調理を開始する際、操作パネル4の下端部4cを手前に引き出すと、加熱調理器の電源が自動的に投入され、加熱調理器を構成している各部(加熱手段2、調理器制御回路3、操作パネル4、状態検知部6及び可能操作切替部7)の動作が可能になる。
ここでは、加熱調理器の電源が自動的に投入されるものについて示したが、ユーザが、図示せぬ電源スイッチをONにすることで、加熱調理器の電源が投入されるものであってもよい。
【0018】
状態検知部6は、加熱調理器の電源が投入されると、回動機構5における支持部材5aまたは5bの角度を検知し、その角度を参照することで、操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態にあるか、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態にあるかを検知する。
例えば、調理器本体1の底面に対して、支持部材5bが基準角度(例えば、45度)より小さい角度(例えば、30度)にあれば、操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態にあると判定する。
一方、調理器本体1の底面に対して、支持部材5bが基準角度より大きい角度(例えば、90度)であれば、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態にあると判定する。
【0019】
可能操作切替部7には、予め、操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態で可能な操作と、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態で可能な操作とが設定されている。
例えば、可能な操作として、下記の操作が設定されている。
(1)操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態
・メニューの選択操作として、例えば、「魚焼」、「グリル」、「オーブン」、
あるいは、「あたため」の選択を受け付ける操作
・火加減を調節する操作
・タイマーを設定する操作など
(2)操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態
加熱手段2の作動を停止する「停止」の操作
【0020】
可能操作切替部7は、状態検知部6により操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態にあることを検知されると、引き出されている状態に対応する操作を操作パネル4の表示面4aに表示させる。
図1では、可能な操作として、メニューの選択操作(「魚焼」、「グリル」、「オーブン」、「あたため」)を操作パネル4の表示面4aに表示させている例を示している。
これにより、操作パネル4が、メニューの選択操作(「魚焼」、「グリル」、「オーブン」、「あたため」)を受け付けるようになり、例えば、ユーザが「魚焼」に触れれば、「魚焼」の操作を受け付け、ユーザが「あたため」に触れれば、「あたため」の操作を受け付ける。
【0021】
調理器制御回路3は、操作パネル4により受け付けられた操作内容にしたがって加熱手段2の作動を制御する。
例えば、操作パネル4により受け付けられた操作が「魚焼」であれば、「魚焼」に適する火加減・調理時間で加熱手段2を制御する。
また、操作パネル4により受け付けられた操作が「あたため」であれば、「あたため」に適する火加減・調理時間で加熱手段2を制御する。
【0022】
その後は、操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態で調理を継続することができるが、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態でも調理を継続することができる。
状態検知部6は、加熱調理器の電源が投入されている間、常時、回動機構5における支持部材5aまたは5bの角度を検知しており、ユーザが操作パネル4の下端部4cを押し込むことで、操作パネル4を調理器本体1に収納すると、支持部材5aまたは5bの角度を参照することで、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態にあることを検知する。
【0023】
可能操作切替部7は、状態検知部6により操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態にあることを検知されると、図2に示すように、加熱調理の残り時間などを操作パネル4の表示面4aに表示させるとともに、可能な操作として、加熱手段2の作動を停止する「停止」の操作のみを操作パネル4の表示面4aに表示させる。
これにより、操作パネル4が、「停止」の操作のみを受け付けるようになり、ユーザが「停止」に触れれば、停止の操作を受け付ける。
【0024】
調理器制御回路3は、操作パネル4が「停止」の操作を受け付けると、加熱手段2の作動を停止する。
このように、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態でも、操作パネル4が「停止」の操作については受け付けるので、例えば、食材が焦げそうになっているときや、鍋が吹きこぼれそうになっているときや、火傷しそうになっている緊急時などには、加熱手段2の作動を停止することができる。
【0025】
操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態では、ユーザの脚や腰が操作パネル4にぶつかる状況の発生を未然に防ぐことができる。
また、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態では、「停止」の操作以外の操作(例えば、メニューの選択操作)を受け付けることがないので、ユーザが加熱調理中に、不意に操作パネル4に触れることで発生する誤操作を未然に防ぐことができる。
なお、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態では、メニューの選択操作等が操作パネル4の表示面4aに表示されないので、例えば、調理の残り時間などの調理状況を操作パネル4の表示面4aに大きく表示することができる(図2の例では、残り時間として、“8分”を大きく表示している)。
したがって、ユーザが加熱調理器から離れている場所に居ても、調理の残り時間などの調理状況を視認することができる。
【0026】
その後、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態で、調理が終了すると、加熱調理器の電源が自動的に切れて、操作パネル4の表示面4aには何も表示されない状態になる(図3を参照)。
したがって、ユーザは、操作パネル4の表示面4aに何も表示されていないことを視認すれば、加熱調理器に電源が入っていないことを確認することができる。
ここでは、加熱調理器の電源が自動的に切れるものについて示したが、ユーザが、図示せぬ電源スイッチをOFFにすることで、加熱調理器の電源が切れるものであってもよい。
【0027】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、調理器本体1の前面1bに配置され、その調理器本体1に実装されている加熱手段2に対する可能な操作の内容を表示して、その操作を受け付ける操作パネル4と、調理器本体1に対して、操作パネル4の下端部4cを手前に引き出し自在に操作パネル4を支持する回動機構5と、操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態にあるか、その操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態にあるかを検知する状態検知部6とを設け、予め操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態で可能な操作と操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態で可能な操作が設定されている可能操作切替部7が、状態検知部6の検知結果に応じて、その操作パネル4により表示される可能な操作の内容を切り替えるように構成したので、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態でも、可能な操作の内容を表示して、その可能な操作を受け付けることができる効果を奏する。
また、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態であっても、ユーザが触る頻度が高い操作パネル4の表示面4aや操作面4bの拭き掃除を行うことができる効果を奏する。
【0028】
また、この実施の形態1によれば、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態で可能な操作として、加熱手段2の作動を停止する操作のみが可能操作切替部7に設定されているように構成したので、緊急時には加熱手段2の作動を停止することができる一方、ユーザが加熱調理中に、不意に操作パネル4に触れることで発生する誤操作を未然に防ぐことができる効果を奏する。
【0029】
また、この実施の形態1によれば、操作パネル4が可能な操作の内容を表示する表示面4aと、その操作を受け付ける操作面4bとを備え、その表示面4aと操作面4bがタッチパネルで一体的に構成されているので、可能な操作の内容を迅速かつ容易に切り替えることができるとともに、清掃性を高めることができる効果を奏する。
【0030】
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2による加熱調理器(操作パネルの下端部が手前に引き出されている状態)を示す斜視図であり、図7はこの発明の実施の形態2による加熱調理器(操作パネルが調理器本体に収納されている状態)を示す斜視図である。
また、図8はこの発明の実施の形態2による加熱調理器(電源が切れている状態)を示す斜視図である。
図9はこの発明の実施の形態2による加熱調理器を示す構成図である。
図6〜図9において、図1〜図4と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
【0031】
操作パネル8は図1の操作パネル4と同様に、調理器本体1の前面1bに配置されており(回動機構5によって、調理器本体1に対して、操作パネル8の下端部8cが手前に引き出し自在に支持されている)、可能操作切替部9の制御の下、加熱手段2に対する可能な操作を受け付けるマンマシンインタフェースである。
ただし、図6の操作パネル8は、図1の操作パネル4と異なり、調理状況などを表示するスクリーン8aと、可能な操作を受け付ける複数の操作ボタン8bとから構成されている。
なお、操作パネル8を構成している複数の操作ボタン8bには、LEDランプが内蔵されている。
【0032】
可能操作切替部9は予め操作パネル8の下端部8cが手前に引き出されている状態で可能な操作と、操作パネル8が調理器本体1に収納されている状態で可能な操作とが設定されており、状態検知部6の検知結果に応じて、操作パネル8を構成している複数の操作ボタン8bのうち、操作を受け付ける操作ボタン8bのLEDランプを点灯して、操作を受け付けない操作ボタン8bのLEDランプを消灯する処理を実施する。なお、可能操作切替部9は可能操作切替手段を構成している。
【0033】
次に動作について説明する。
操作パネル8が調理器本体1に収納されており、加熱調理器の電源が投入されていない状態では、図8に示すように、操作パネル8のスクリーン8aには何も表示されない。また、全ての操作ボタン8bのLEDランプが消灯している。
したがって、ユーザは、操作パネル8のスクリーン8aに何も表示されていないことを視認すれば、加熱調理器に電源が入っていないことを確認することができる。
【0034】
ユーザが調理を開始する際、操作パネル8の下端部8cを手前に引き出すと、加熱調理器の電源が自動的に投入され、加熱調理器を構成している各部(加熱手段2、調理器制御回路3、状態検知部6、操作パネル8及び可能操作切替部9)の動作が可能になる。
ここでは、加熱調理器の電源が自動的に投入されるものについて示したが、ユーザが、図示せぬ電源スイッチをONにすることで、加熱調理器の電源が投入されるものであってもよい。
【0035】
状態検知部6は、加熱調理器の電源が投入されると、上記実施の形態1と同様に、回動機構5における支持部材5aまたは5bの角度を検知し、その角度を参照することで、操作パネル8の下端部8cが手前に引き出されている状態にあるか、操作パネル8が調理器本体1に収納されている状態にあるかを検知する。
【0036】
可能操作切替部9には、予め、操作パネル8の下端部8cが手前に引き出されている状態で可能な操作と、操作パネル8が調理器本体1に収納されている状態で可能な操作とが設定されている。
例えば、可能な操作として、下記の操作が設定されている。
(1)操作パネル8の下端部8cが手前に引き出されている状態
・メニューの選択操作として、例えば、「オート魚焼」、「グリル」、「オーブン」
、「あたため」、「空焼」の選択を受け付ける操作
・火加減を調節する操作
・タイマーを設定する操作など
(2)操作パネル8が調理器本体1に収納されている状態
加熱手段2の作動を停止する「停止」の操作
【0037】
可能操作切替部9は、状態検知部6により操作パネル8の下端部8cが手前に引き出されている状態にあることを検知されると、操作パネル8を構成している複数の操作ボタン8bのうち、引き出されている状態に対応する操作を受け付ける操作ボタン8bのLEDランプを点灯する。
図6では、メニューの選択(「オート魚焼」、「グリル」、「オーブン」、「あたため」、「空焼」)を受け付ける操作ボタン8b、火加減の調節を受け付ける操作ボタン8b(図中、左向,右向の三角印)、タイマーの設定を受け付ける操作ボタン8b(図中、左向,右向の三角印)などのLEDランプが点灯されている例を示している。
これにより、操作パネル4が、メニューの選択操作や、火加減の調節操作などを受け付けるようになり、例えば、ユーザが「オート魚焼」の操作ボタン8bを押せば、「オート魚焼」の操作を受け付け、ユーザが「グリル」の操作ボタン8bを押せば、「グリル」の操作を受け付ける。
【0038】
調理器制御回路3は、操作パネル8により受け付けられた操作内容にしたがって加熱手段2の作動等を制御する。
例えば、操作パネル8により受け付けられた操作が「オート魚焼」であれば、「オート魚焼」に適する火加減・調理時間で加熱手段2を制御する。
また、操作パネル8により受け付けられた操作が「グリル」であれば、「グリル」に適する火加減・調理時間で加熱手段2を制御する。
【0039】
その後は、操作パネル8の下端部8cが手前に引き出されている状態で調理を継続することができるが、操作パネル8が調理器本体1に収納されている状態でも調理を継続することができる。
状態検知部6は、加熱調理器の電源が投入されている間、常時、回動機構5における支持部材5aまたは5bの角度を検知しており、ユーザが操作パネル8の下端部8cを押し込むことで、操作パネル8を調理器本体1に収納すると、支持部材5aまたは5bの角度を参照することで、操作パネル8が調理器本体1に収納されている状態にあることを検知する。
【0040】
可能操作切替部9は、状態検知部6により操作パネル8が調理器本体1に収納されている状態にあることを検知されると、図7に示すように、操作パネル8を構成している複数の操作ボタン8bのうち、「停止」の操作を受け付ける操作ボタン8bのLEDランプのみを点灯し、他の操作ボタン8bのLEDランプを消灯する(LEDランプが消灯している操作ボタン8bは、ユーザが押しても操作を受け付けない)。
これにより、操作パネル8が、「停止」の操作のみを受け付けるようになり、ユーザが「停止」の操作を受け付ける操作ボタン8bを押せば、「停止」の操作を受け付ける。
【0041】
調理器制御回路3は、操作パネル8が「停止」の操作を受け付けると、加熱手段の作動を停止する。
このように、操作パネル8が調理器本体1に収納されている状態でも、操作パネル8が「停止」の操作については受け付けるので、例えば、食材が焦げそうになっているときや、鍋が吹きこぼれそうになっているときや、火傷しそうになっている緊急時などには、加熱手段2の作動を停止することができる。
【0042】
操作パネル8が調理器本体1に収納されている状態では、ユーザの脚や腰が操作パネル8にぶつかる状況の発生を未然に防ぐことができる。
また、操作パネル8が調理器本体1に収納されている状態では、「停止」の操作以外の操作(例えば、メニューの選択操作)を受け付けることがないので、ユーザが加熱調理中に、不意に操作パネル8に触れることで発生する誤操作を未然に防ぐことができる。
【0043】
その後、操作パネル8が調理器本体1に収納されている状態で、調理が終了すると、加熱調理器の電源が自動的に切れて、操作パネル8のスクリーン8aには何も表示されない状態になる(図8を参照)。
したがって、ユーザは、操作パネル8のスクリーン8aに何も表示されていないことを視認すれば、加熱調理器に電源が入っていないことを確認することができる。
ここでは、加熱調理器の電源が自動的に切れるものについて示したが、ユーザが、図示せぬ電源スイッチをOFFにすることで、加熱調理器の電源が切れるものであってもよい。
【0044】
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、予め操作パネル8の下端部8cが手前に引き出されている状態で可能な操作と操作パネル8が調理器本体1に収納されている状態で可能な操作が設定されている可能操作切替部9が、状態検知部6の検知結果に応じて、操作パネル8を構成している複数の操作ボタン8bのうち、操作を受け付ける操作ボタン8bのLEDランプを点灯して、操作を受け付けない操作ボタン8bのLEDランプを消灯するように構成したので、操作パネル8が調理器本体1に収納されている状態でも、可能な操作を受け付けることができる効果を奏する。
また、操作パネル8が調理器本体1に収納されている状態であっても、ユーザが触る頻度が高い操作パネル8のスクリーン8aや操作ボタン8bの拭き掃除を行うことができる効果を奏する。
【0045】
実施の形態3.
図10はこの発明の実施の形態3による加熱調理器を示す斜視図であり、図11はこの発明の実施の形態3による加熱調理器を示す構成図である。
図10及び図11において、図1〜図4と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
ロースター11は調理器本体1に内蔵されており、例えば、食材を炙り焼きする場合に使用される。
ロースター扉12はロースター11の扉である。
【0046】
扉開閉検知センサ13は調理器本体1に内蔵されており、ロースター扉12の開閉を検知するためのセンサである。なお、扉開閉検知センサ13は扉開閉検知手段を構成している。
案内情報表示処理部14は予めロースター扉12が開いている状態に対応する案内情報と、ロースター扉12が閉じている状態に対応する案内情報とが設定されており、扉開閉検知センサ13の検知結果に対応する案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する処理を実施する。なお、案内情報表示処理部14は情報表示手段を構成している。
【0047】
次に動作について説明する。
案内情報表示処理部14には、予めロースター扉12が開いている状態に対応する案内情報と、ロースター扉12が閉じている状態に対応する案内情報とが設定されている。
例えば、下記に示すような案内情報が設定されている。
(1)操作パネル4が調理器本体1に収納されているとき、ロースター扉12が開けられた場合の案内情報の一例
・案内情報 → 「操作パネルを手前に引き出してください」
・案内情報 → 「ロースターにアルミホイルを敷くと掃除が楽になります」
・案内情報 → 「水あり、水なしのどちらでも調理ができます」
(2)ロースター扉12が開いているとき、操作パネル4で加熱開始操作が行われた場合の案内情報の一例
・案内情報 → 「ロースター扉を閉めてください」
【0048】
(3)ロースター11による加熱調理中、ロースター扉12が開けられたことにより、加熱調理が自動的に中断された場合の案内情報の一例
・案内情報 → 「加熱調理を一時中断しました」
(4)加熱調理が自動的に中断された後、ロースター扉12が閉められた場合の案内情報の一例
・案内情報 → 「調理を再開しますか? 調理を再開する場合は、操作パネルを手前に引き出してください」
【0049】
扉開閉検知センサ13は、ロースター扉12の開閉を検知し、その検知結果を案内情報表示処理部14に出力する。
状態検知部6は、上記実施の形態1と同様に、操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態にあるか、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態にあるかを検知して、その検知結果を案内情報表示処理部14に出力する。
【0050】
案内情報表示処理部14は、扉開閉検知センサ13及び状態検知部6から検知結果を受けると、その検知結果に対応する案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する。
例えば、扉開閉検知センサ13の検知結果が、ロースター扉12が「閉」→「開」のように遷移したとき、状態検知部6の検知結果が、操作パネル4が調理器本体1に収納されている旨を示していれば、例えば、「操作パネルを手前に引き出してください」などの案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する。
【0051】
また、扉開閉検知センサ13の検知結果が、ロースター11による加熱調理中に、ロースター扉12が「閉」→「開」のように遷移して、加熱調理が自動的に中断された場合には、例えば、「調理を一時中断しました」などの案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する。
加熱調理が自動的に中断された後、扉開閉検知センサ13の検知結果が、ロースター扉12が「開」→「閉」のように遷移すると、例えば、「調理を再開しますか? 調理を再開する場合は、操作パネルを手前に引き出してください」などの案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する。
なお、加熱調理が自動的に中断された後、一定時間経過しても、ユーザが何の操作も行わない場合、加熱調理器の電源が自動的に切れる。
【0052】
ここでは、案内情報表示処理部14が案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示するものについて示したが、案内情報表示処理部14が音声合成処理を実施することで、その案内情報を音声で出力するようにしてもよい。
また、ここでは、案内情報表示処理部14が扉開閉検知センサ13の検知結果だけでなく、状態検知部6の検知結果も利用して、操作パネル4の表示面4aに表示する適正な案内情報を選択しているが、状態検知部6の検知結果については必ずしも利用する必要はなく、扉開閉検知センサ13の検知結果だけを利用して、操作パネル4の表示面4aに表示する適正な案内情報を選択するようにしてもよい。
【0053】
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、ロースター扉12の開閉を検知する扉開閉検知センサ13と、予めロースター扉12が開いている状態に対応する案内情報とロースター扉12が閉じている状態に対応する案内情報が設定されており、扉開閉検知センサ13の検知結果に対応する案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する案内情報表示処理部14とを設けるように構成したので、加熱調理器の操作性や安全性などを高めることができる効果を奏する。
【0054】
実施の形態4.
図12はこの発明の実施の形態4による加熱調理器を示す斜視図であり、図13はこの発明の実施の形態4による加熱調理器を示す構成図である。
図12及び図13において、図1〜図4、図10及び図11と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
カメラ15は例えばCCDイメージセンサなどの撮像素子から構成されており、調理器本体1に内蔵されているロースター11の内部を撮影する。
映像表示処理部16はカメラ15により撮影された映像を操作パネル4の表示面4aに表示する処理を実施する。
ただし、映像表示処理部16はカメラ15により撮影された映像を表示する際、明るさなどの補正を行って、見易い映像に変換してから表示する機能を備えていてもよい。
なお、映像表示処理部16は映像表示手段を構成している。
【0055】
次に動作について説明する。
カメラ15は、ロースター11の内部を撮影し、その撮像結果である映像信号を映像表示処理部16及び可能操作切替部7に出力する。
【0056】
可能操作切替部7は、カメラ15から映像信号を受けると、その映像信号を解析して、ロースター11の内部に置かれている食材を判別する。
例えば、小魚のテンプレート画像、魚の切身のテンプレート画像、ステーキ肉のテンプレート画像などを予め用意し、カメラ15から出力された映像信号が示す画像と、予め用意している複数のテンプレート画像間でパターンマッチングすることで、その映像信号が示す画像が、いかなる食材の画像であるかを判別する。
【0057】
可能操作切替部7は、状態検知部6により操作パネル4の下端部4cが手前に引き出されている状態にあることを検知されると、上記実施の形態1と同様に、引き出されている状態に対応する操作を操作パネル4の表示面4aに表示させる。
ただし、上記実施の形態1では、引き出されている状態に対応する操作として、メニューの選択操作(「魚焼」、「グリル」、「オーブン」、「あたため」)を操作パネル4の表示面4aに表示させている例を示しているが、この実施の形態4では、ロースター11の内部に置かれている食材を判別しているので、可能操作切替部7が、その食材の調理に最も適する調理方法を自動的に選択する。
【0058】
例えば、ロースター11の内部に置かれている食材が「小魚」であれば、可能操作切替部7が、調理方法として「魚焼」を自動的に選択し、好みの「焼き加減」の選択を受け付ける操作を操作パネル4の表示面4aに表示させる。
したがって、上記実施の形態1では、ユーザが調理方法として「魚焼」を選択する操作を行ってから、好みの「焼き加減」を選択する操作を行う必要があるが、この実施の形態4では、ユーザが好みの「焼き加減」を選択する操作のみを行えばよく、少ない操作手順で操作を完了することができる。
【0059】
その後、加熱調理が開始されてから、操作パネル4が調理器本体1に収納されると、上記実施の形態1と同様に、状態検知部6により操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態にあることが検知される。
可能操作切替部7は、状態検知部6により操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態にあることを検知されると、上記実施の形態1と同様に、加熱調理の残り時間などを操作パネル4の表示面4aに表示させるとともに、可能な操作として、加熱手段2の作動を停止する「停止」の操作のみを操作パネル4の表示面4aに表示させる。
【0060】
映像表示処理部16は、カメラ15から映像信号を受けると、その映像信号にしたがって、ロースター11の内部に置かれている食材の映像を操作パネル4の表示面4aに表示させる。
図12では、ロースター11の内部に置かれている小魚の映像が操作パネル4の表示面4aに表示されている例を示している。
したがって、この実施の形態4では、加熱調理の残り時間の他に、小魚の映像が表示されるので、ユーザがロースター11の内部を覗き込まなくても、小魚の焼き上がり状況を確認することができる。
【0061】
図12及び図13の例では、図11に示すような扉開閉検知センサ13及び案内情報表示処理部14が実装されていないが、扉開閉検知センサ13及び案内情報表示処理部14を実装していてもよい。
扉開閉検知センサ13及び案内情報表示処理部14を実装している場合、例えば、下記に示すような処理が可能になる。
【0062】
扉開閉検知センサ13の検知結果が、ロースター11による加熱調理中に、ロースター扉12が「閉」→「開」のように遷移して、加熱調理が自動的に中断された場合には、例えば、「調理を一時中断しました」などの案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する。
加熱調理が自動的に中断された後、扉開閉検知センサ13の検知結果が、ロースター扉12が「開」→「閉」のように遷移し、カメラ15により撮影された映像が、調理中の食材の映像であれば、例えば、「調理を再開します。中止する場合には、停止ボタンを押してください」などの案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する。
【0063】
以上で明らかなように、この実施の形態4によれば、調理器本体1に内蔵されているロースター11の内部を撮影するカメラ15と、カメラ15により撮影された映像を操作パネル4の表示面4aに表示する映像表示処理部16とを設けるように構成したので、加熱調理器の操作性や安全性などを高めることができる効果を奏する。
【0064】
なお、この実施の形態4では、カメラ15がCCDイメージセンサなどの撮像素子から構成されているものを示したが、ロースター11の内部に置かれている食材を判別することができるものであればよく、例えば、サーモセンサや赤外線センサなどからなるカメラを用いてもよい。
【0065】
実施の形態5.
図14はこの発明の実施の形態5による加熱調理器を示す斜視図であり、図15はこの発明の実施の形態5による加熱調理器を示す構成図である。
図14及び図15において、図1〜図4、図10及び図11と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
重量センサ17はロースター11の底部に設置されており、ロースター11に載せられている食材の重量を測定するためのセンサである。なお、重量センサ17は重量測定手段を構成している。
【0066】
案内情報表示処理部18は図11の案内情報表示処理部14と同様に、予めロースター扉12が開いている状態に対応する案内情報と、ロースター扉12が閉じている状態に対応する案内情報とが設定されており、扉開閉検知センサ13の検知結果に対応する案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する処理を実施する。
また、案内情報表示処理部18は予め食材の重量に対応する案内情報が設定されており、重量センサ17により測定された重量に対応する案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する処理を実施する。なお、案内情報表示処理部18は情報表示手段を構成している。
【0067】
次に動作について説明する。
重量センサ17は、ロースター11に載せられている食材の重量を測定し、その測定結果を案内情報表示処理部18に出力する。
案内情報表示処理部18は、図11の案内情報表示処理部14と同様に、扉開閉検知センサ13及び状態検知部6から検知結果を受けると、その検知結果に対応する案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する。
例えば、扉開閉検知センサ13の検知結果が、ロースター11による加熱調理中に、ロースター扉12が「閉」→「開」にように遷移して、加熱調理が自動的に中断された場合には、例えば、「調理を一時中断しました」などの案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する。
【0068】
案内情報表示処理部18は、加熱調理が自動的に中断された後、扉開閉検知センサ13の検知結果が、ロースター扉12が「開」→「閉」のように遷移すると、重量センサ17の測定結果が、食材がロースター11に載せられている旨を示していれば、ロースター11から食材が取り出されていないため、例えば、「調理を再開します。中止する場合には、停止ボタンを押してください」などの案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する。
【0069】
ここでは、重量センサ17の測定結果が、食材がロースター11に載せられている旨を示していれば、案内情報表示処理部18が、「調理を再開します。中止する場合には、停止ボタンを押してください」などの案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示するものについて示したが、下記に示すような案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示するようにしてもよい。
例えば、0〜Aグラムの重さの食材については、「調理時間を○○分に自動設定しました」などの案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示し、Aグラム〜Bグラムの重さの食材については、「調理時間を△△分に自動設定しました」などの案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する。ただし、Aグラム<Bグラム、○○分<△△分である。
【0070】
以上で明らかなように、この実施の形態5によれば、ロースター11に載せられている食材の重量を測定する重量センサ17と、予め食材の重量に対応する案内情報が設定されており、重量センサ17により測定された重量に対応する案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する案内情報表示処理部18とを設けるように構成したので、適正な案内情報を提示することができる効果を奏する。
【0071】
実施の形態6.
図16はこの発明の実施の形態6による加熱調理器を示す斜視図であり、図17はこの発明の実施の形態6による加熱調理器を示す構成図である。
図16及び図17において、図1〜図4、図10及び図11と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
温度センサ19はロースター扉12の温度を測定するためのセンサである。なお、温度センサ19は温度測定手段を構成している。
【0072】
案内情報表示処理部20は図11の案内情報表示処理部14と同様に、予めロースター扉12が開いている状態に対応する案内情報と、ロースター扉12が閉じている状態に対応する案内情報とが設定されており、扉開閉検知センサ13の検知結果に対応する案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する処理を実施する。
また、案内情報表示処理部20は予めロースター扉12の温度に対応する案内情報が設定されており、温度センサ19により測定された温度に対応する案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する処理を実施する。なお、案内情報表示処理部20は情報表示手段を構成している。
【0073】
次に動作について説明する。
温度センサ19は、ロースター扉12の温度を測定し、その測定結果を案内情報表示処理部20に出力する。
案内情報表示処理部20は、図11の案内情報表示処理部14と同様に、扉開閉検知センサ13の検知結果に対応する案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する。
ただし、案内情報表示処理部20は、図11の案内情報表示処理部14と異なり、温度センサ19により測定された温度に対応する案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する。
【0074】
具体的には、以下に示すような案内情報を表示する。
例えば、上記実施の形態1では、操作パネル4が調理器本体1に収納されている状態で調理が終了すると、加熱調理器の電源が自動的に切れて、操作パネル4の表示面4aには何も表示されない状態になるが、この実施の形態6では、加熱調理器の電源が自動的に切れても、ロースター扉12の温度が余熱によって、危険温度以上になっている場合には、案内情報表示処理部20が「高温のため、絶対に手を触れないでください」などの案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する。
また、ロースター扉12の温度が危険温度未満であるが、注意温度以上であれば(危険温度>注意温度)、案内情報表示処理部20が「高温注意」などの案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する。
ただし、ロースター扉12の温度が注意温度未満であれば、操作パネル4の表示面4aには何も表示しない。
【0075】
以上で明らかなように、この実施の形態6によれば、ロースター扉12の温度を測定する温度センサ19と、予めロースター扉12の温度に対応する案内情報が設定されており、温度センサ19により測定された温度に対応する案内情報を操作パネル4の表示面4aに表示する案内情報表示処理部20とを設けるように構成したので、加熱調理器の安全性などを高めることができる効果を奏する。
【符号の説明】
【0076】
1 調理器本体、1a 天面、1b 前面、2 加熱手段、3 調理器制御回路、4 操作パネル、4a 表示面、4b 操作面、4c 下端部、5 回動機構、5a,5b 支持部材、5c 接続部材、6 状態検知部(状態検知手段)、7 可能操作切替部(可能操作切替手段)、8 操作パネル、8a スクリーン、8b 操作ボタン、8c 下端部、9 可能操作切替部(可能操作切替手段)、11 ロースター、12 ロースター扉、13 扉開閉検知センサ(扉開閉検知手段)、14 案内情報表示処理部(情報表示手段)、15 カメラ、16 映像表示処理部(映像表示手段)、17 重量センサ(重量測定手段)、18 案内情報表示処理部(情報表示手段)、19 温度センサ(温度測定手段)、20 案内情報表示処理部(情報表示手段)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱手段を実装している調理器本体と、上記調理器本体の前面に配置され、上記調理器本体に実装されている加熱手段に対する可能な操作の内容を表示して、上記操作を受け付ける操作パネルと、上記調理器本体に対して、上記操作パネルの下端部を手前に引き出し自在に上記操作パネルを支持する回動機構と、上記操作パネルの下端部が手前に引き出されている状態にあるか、上記操作パネルが上記調理器本体に収納されている状態にあるかを検知する状態検知手段と、予め上記操作パネルの下端部が手前に引き出されている状態で可能な操作と上記操作パネルが上記調理器本体に収納されている状態で可能な操作が設定されており、上記状態検知手段の検知結果に応じて、上記操作パネルにより表示される可能な操作の内容を切り替える可能操作切替手段とを備えた加熱調理器。
【請求項2】
可能操作切替手段には、操作パネルが調理器本体に収納されている状態で可能な操作として、加熱手段の作動を停止する操作のみが設定されていることを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
【請求項3】
操作パネルは、可能な操作の内容を表示する表示面と、上記操作を受け付ける操作面とを備えており、上記表示面と上記操作面がタッチパネルで一体的に構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の加熱調理器。
【請求項4】
操作パネルは、可能な操作を受け付ける複数の操作ボタンを備えていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の加熱調理器。
【請求項5】
可能操作切替手段は、操作パネルを構成している複数の操作ボタンのうち、操作を受け付ける操作ボタンを点灯して、操作を受け付けない操作ボタンを消灯することを特徴とする請求項4記載の加熱調理器。
【請求項6】
調理器本体に内蔵されているロースターの扉の開閉を検知する扉開閉検知手段と、予め上記ロースターの扉が開いている状態に対応する案内情報と上記ロースターの扉が閉じている状態に対応する案内情報が設定されており、上記扉開閉検知手段の検知結果に対応する案内情報を操作パネルに表示する情報表示手段とを設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の加熱調理器。
【請求項7】
調理器本体に内蔵されているロースターの内部を撮影するカメラと、上記カメラにより撮影された映像を操作パネルに表示する映像表示手段とを設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の加熱調理器。
【請求項8】
調理器本体に内蔵されているロースターに載せられている食材の重量を測定する重量測定手段と、予め食材の重量に対応する案内情報が設定されており、上記重量測定手段により測定された重量に対応する案内情報を操作パネルに表示する情報表示手段とを設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の加熱調理器。
【請求項9】
調理器本体に内蔵されているロースターの扉の温度を測定する温度測定手段と、予めロースターの扉の温度に対応する案内情報が設定されており、上記温度測定手段により測定された温度に対応する案内情報を操作パネルに表示する情報表示手段とを設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の加熱調理器。
【請求項1】
加熱手段を実装している調理器本体と、上記調理器本体の前面に配置され、上記調理器本体に実装されている加熱手段に対する可能な操作の内容を表示して、上記操作を受け付ける操作パネルと、上記調理器本体に対して、上記操作パネルの下端部を手前に引き出し自在に上記操作パネルを支持する回動機構と、上記操作パネルの下端部が手前に引き出されている状態にあるか、上記操作パネルが上記調理器本体に収納されている状態にあるかを検知する状態検知手段と、予め上記操作パネルの下端部が手前に引き出されている状態で可能な操作と上記操作パネルが上記調理器本体に収納されている状態で可能な操作が設定されており、上記状態検知手段の検知結果に応じて、上記操作パネルにより表示される可能な操作の内容を切り替える可能操作切替手段とを備えた加熱調理器。
【請求項2】
可能操作切替手段には、操作パネルが調理器本体に収納されている状態で可能な操作として、加熱手段の作動を停止する操作のみが設定されていることを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
【請求項3】
操作パネルは、可能な操作の内容を表示する表示面と、上記操作を受け付ける操作面とを備えており、上記表示面と上記操作面がタッチパネルで一体的に構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の加熱調理器。
【請求項4】
操作パネルは、可能な操作を受け付ける複数の操作ボタンを備えていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の加熱調理器。
【請求項5】
可能操作切替手段は、操作パネルを構成している複数の操作ボタンのうち、操作を受け付ける操作ボタンを点灯して、操作を受け付けない操作ボタンを消灯することを特徴とする請求項4記載の加熱調理器。
【請求項6】
調理器本体に内蔵されているロースターの扉の開閉を検知する扉開閉検知手段と、予め上記ロースターの扉が開いている状態に対応する案内情報と上記ロースターの扉が閉じている状態に対応する案内情報が設定されており、上記扉開閉検知手段の検知結果に対応する案内情報を操作パネルに表示する情報表示手段とを設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の加熱調理器。
【請求項7】
調理器本体に内蔵されているロースターの内部を撮影するカメラと、上記カメラにより撮影された映像を操作パネルに表示する映像表示手段とを設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の加熱調理器。
【請求項8】
調理器本体に内蔵されているロースターに載せられている食材の重量を測定する重量測定手段と、予め食材の重量に対応する案内情報が設定されており、上記重量測定手段により測定された重量に対応する案内情報を操作パネルに表示する情報表示手段とを設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の加熱調理器。
【請求項9】
調理器本体に内蔵されているロースターの扉の温度を測定する温度測定手段と、予めロースターの扉の温度に対応する案内情報が設定されており、上記温度測定手段により測定された温度に対応する案内情報を操作パネルに表示する情報表示手段とを設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の加熱調理器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−33312(P2011−33312A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−182513(P2009−182513)
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】
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