加熱調理装置
【課題】筐体部の傾斜動作を利用してパイロットバーナのノズルを清掃することができ、当該ノズルに対する別途の清掃作業を不要とすることができる加熱調理装置を提供する。
【解決手段】上部に調理鍋Nを設置可能とされるとともに、水平面に対して傾斜することにより調理鍋Nと共に上下反転可能とされた筐体部1と、筐体部1内に配設されるとともに上部の調理鍋Nを加熱し得るバーナ手段3と、筐体1内に配設されるとともに、ノズルからガスを吐出させつつ点火してバーナ手段3に対して着火し得るパイロットバーナ4とを備えた加熱調理装置において、パイロットバーナ4のノズルに挿入可能とされて挿入過程にて当該ノズルに付着した異物を除去し得る清掃手段16を具備するとともに、当該清掃手段16は、筐体部1が傾斜した際に重力にてノズルに挿入するものである。
【解決手段】上部に調理鍋Nを設置可能とされるとともに、水平面に対して傾斜することにより調理鍋Nと共に上下反転可能とされた筐体部1と、筐体部1内に配設されるとともに上部の調理鍋Nを加熱し得るバーナ手段3と、筐体1内に配設されるとともに、ノズルからガスを吐出させつつ点火してバーナ手段3に対して着火し得るパイロットバーナ4とを備えた加熱調理装置において、パイロットバーナ4のノズルに挿入可能とされて挿入過程にて当該ノズルに付着した異物を除去し得る清掃手段16を具備するとともに、当該清掃手段16は、筐体部1が傾斜した際に重力にてノズルに挿入するものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上部に載置された調理鍋を加熱し得るバーナ手段を具備した加熱調理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
給食センターや大手食品メーカ等の厨房設備において、調理鍋に収容されたスープ等の液体を加熱するための所謂ブンゼン燃焼式の加熱調理装置は、上部に調理鍋を載置し得る筐体と、該筐体内に収容されて上部の調理鍋を加熱すべく一次空気と燃焼ガスとの混合ガスを燃焼させる複数のバーナ手段と、ノズルからガスを吐出させつつ点火してバーナ手段に対して着火し得るパイロットバーナとを主に備えていた(例えば特許文献1参照)。更には、従来より、水平面に対して傾斜することにより上下反転可能とされた筐体を具備した加熱調理装置もあり、当該筐体を上下反転させて大型の調理鍋の水洗い等を容易にしたものが提供されるに至っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−308316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の加熱調理装置においては、パイロットバーナのノズルに油カス等の異物が詰まり易いため、当該ノズルを頻繁に清掃する必要があった。然るに、パイロットバーナのノズルが詰まった際に当該ノズルに挿入可能なピン状部材を具備させ、その挿入過程で異物を除去することも考えられるが、ノズルの詰まりが生じる都度に当該ピン状部材を作動させるのは面倒であるとともに、加熱調理装置の管理者(例えば調理を行う物等)がピン状部材の有無や操作方法について把握していない場合があり、清掃機能を果たし得ない場合があった。本出願人は、上記不具合を勘案しつつ水平面に対して傾斜することにより上下反転可能とされた筐体部を具備した加熱調理装置に適用し、当該傾斜動作を利用してパイロットバーナのノズルを清掃し得るものを検討するに至った。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、筐体部の傾斜動作を利用してパイロットバーナのノズルを清掃することができ、当該ノズルに対する別途の清掃作業を不要とすることができる加熱調理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、上部に調理鍋を設置可能とされるとともに、水平面に対して傾斜することにより前記調理鍋と共に上下反転可能とされた筐体部と、該筐体部内に配設されるとともに上部の調理鍋を加熱し得るバーナ手段と、前記筐体内に配設されるとともに、ノズルからガスを吐出させつつ点火して前記バーナ手段に対して着火し得るパイロットバーナとを備えた加熱調理装置において、前記パイロットバーナのノズルに挿入可能とされて挿入過程にて当該ノズルに付着した異物を除去し得る清掃手段を具備するとともに、当該清掃手段は、前記筐体部が傾斜した際に重力にてノズルに挿入することを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の加熱調理装置において、前記筐体部の所定部位を中心として揺動自在な長尺状部材を有し、当該長尺部材の一端が前記筐体部の外側まで延設されて前記清掃手段をノズルに挿入させるための操作部とされたことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の加熱調理装置において、前記長尺状部材における前記操作部に対して揺動軸を挟んだ所定部位に所定重量の錘が形成され、前記筐体部が傾斜した際に当該錘の重量により当該長尺部材を揺動させ、前記清掃手段が前記ノズルに挿入可能とされたことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の加熱調理装置において、前記清掃手段に所定重量の錘を形成し、その自重により前記筐体部が傾斜した際に当該清掃手段が前記ノズルに挿入可能とされたことを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか1つに記載の加熱調理装置において、前記パイロットバーナの炎が消えたことを検知する検知手段を具備するとともに、当該検知手段による検知により前記バーナ手段及び当該パイロットバーナに対するガスの供給を強制的に停止する強制停止手段を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、ノズルに付着した異物を除去し得る清掃手段を具備するとともに、当該清掃手段は、筐体部が傾斜した際に重力にてノズルに挿入するので、筐体部の傾斜動作を利用してパイロットバーナのノズルを清掃することができ、当該ノズルに対する別途の清掃作業を不要とすることができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、筐体部の所定部位を中心として揺動自在な長尺状部材を有し、当該長尺部材の一端が筐体部の外側まで延設されて清掃手段をノズルに挿入させるための操作部とされたので、操作部を操作することにより、筐体部の傾斜タイミングに関わらず任意タイミングにてノズルを清掃することができる。
【0013】
請求項3の発明によれば、筐体部が傾斜した際に錘の重量により長尺部材を揺動させ、清掃手段がノズルに挿入可能とされたので、筐体部の傾斜時における長尺部材の揺動動作及び清掃手段によるノズルの清掃動作をよりスムーズ且つ正確に行わせることができる。
【0014】
請求項4の発明によれば、清掃手段に所定重量の錘を形成し、その自重により筐体部が傾斜した際に当該清掃手段がノズルに挿入可能とされたので、筐体部の傾斜時における清掃手段によるノズルの清掃動作をよりスムーズ且つ正確に行わせることができる。
【0015】
請求項5の発明によれば、パイロットバーナの炎が消えたことを検知する検知手段を具備するとともに、当該検知手段による検知によりバーナ手段及び当該パイロットバーナに対するガスの供給を強制的に停止する強制停止手段を具備したので、清掃手段がノズルに挿入して当該ノズルに対する清掃を行わせる際、パイロットバーナにおけるノズルが閉止されて当該パイロットバーナの炎が消えるので、それを検知手段が検知して強制停止手段によりガスの供給を強制的に停止することができる。よって、清掃手段に加えて検知手段及び強制停止手段を具備することにより、清掃機能と立ち消え防止機能とを併せて持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る加熱調理装置(調理鍋が載置され、上下反転する前の状態)を示す全体図
【図2】同加熱調理装置(調理鍋が載置され、上下反転した後の状態)を示す全体図
【図3】同加熱調理装置のバーナ手段を示す平面図
【図4】同加熱調理装置における筐体部(上下反転する前の状態)の内部を示す断面模式図
【図5】同加熱調理装置におけるガス供給手段を示す断面図
【図6】同加熱調理装置におけるパイロットバーナのノズル部を示す平面、正面及び側面図
【図7】同加熱調理装置におけるパイロットバーナのノズル部及び清掃手段を示す断面図
【図8】同加熱調理装置における長尺状部材を示す平面図及び正面図
【図9】同加熱調理装置における筐体部の内部を示す裏面図
【図10】同加熱調理装置における筐体部(上下反転した後の状態)の内部を示す断面模式図
【図11】同加熱調理装置における筐体部(上下反転する前であって長尺状部材を揺動させた後の状態)の内部を示す断面模式図
【図12】本発明の他の実施形態に係る加熱調理装置におけるパイロットバーナのノズル部及び清掃手段を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る加熱調理装置は、給食センターや大手食品メーカ等の厨房設備に配設され、調理鍋を加熱し得る所謂ブンゼン燃焼式のバーナを複数具備したものであって、図1に示すように、上部に調理鍋Nを設置可能な筐体部1を有するとともに、図2に示すように、ハンドルHを回動操作することにより、当該筐体部1が水平面に対して傾斜して調理鍋Nと共に上下反転可能とされている。尚、同図中符号Fは、調理鍋Nの蓋部を示している。
【0018】
かかる筐体部1の内部には、図3、4に示すように、複数のバーナ手段3と、パイロットバーナ4と、該パイロットバーナ4と近接して配設されたスパーク手段5及び熱電対6(検知手段)と、図示しないガス供給源と接続されたガス供給手段7と、パイロットバーナ4と接続されたノズル部15と、ノズル部15内に配設された清掃手段16と、長尺状部材17とが配設されている。尚、図4中符号2は、バーナ手段3を囲みつつ筐体部1の上部を覆うカバー部を示している。
【0019】
バーナ手段3は、炎を発生して調理鍋Nを加熱し得るものであり、炎口部を具備したブンゼン燃焼式の所謂キノコバーナ(メッケルバーナ)と呼ばれるものから成り、筐体部1内において複数配設されている。而して、各バーナ手段3は、配管C2を介してガス供給手段7と接続されており、当該ガス供給手段7から供給されたガスにてバーナ手段3のそれぞれの炎口部から炎を生じさせ、筐体部1上に配置された調理鍋の底を加熱して調理し得るよう構成されているのである。
【0020】
パイロットバーナ4は、ノズル部15と接続されて成るもので、当該ノズル部15におけるノズル15aからガスを吐出させつつ点火して当該バーナ手段3に対して着火し得るものである。ノズル部15は、配管C3を介してガス供給手段7と接続されており、当該ガス供給手段7から供給されたガスをノズル15aから吐出させつ点火させて、パイロットバーナ4にて炎を生じさせ得るものである。
【0021】
ガス供給手段7は、配管C1を介して外部のガス供給源(不図示)と接続されたもので、図5に示すように、押圧部材10と、マイクロスイッチ11と、回転部材12と、強制停止手段を構成するソレノイド13及び閉止手段14とを有して構成されている。押圧部材10は、操作シャフト9を介して操作摘み8と連結されており、当該操作摘み8を押圧操作すると、図中左側へ摺動可能とされたものである。マイクロスイッチ11は、操作子11aを有するものであり、押圧部材10が図中左側へ摺動すると当該操作子11aが没入してマイクロスイッチ11がオンし得るよう構成されている。然るに、マイクロスイッチ11がオンすると、スパーク手段5にてスパークさせ、点火可能な状態となるよう構成されている。
【0022】
回転部材12は、押圧部材10と同様に操作シャフト9を介して操作摘み8と連結されており、当該操作摘み8を回転操作すると、軸周りに回転可能とされている。かかる回転部材12には、配管C2、C3と通じる連通孔がそれぞれ形成されており、当該回転部材12の回転角度により、配管C1からのガスを配管C2、C3に任意供給し得るよう構成されている。而して、操作摘み8を回転操作することにより、パイロットバーナ4及びバーナ手段3を点火させ、更にはバーナ手段3の火力調節を行い得るようになっている。
【0023】
ソレノイド13(強制停止手段)は、閉止手段14を動作してガスの流通を許容し或いは閉止させ得るものである。即ち、ソレノイド13の駆動により、閉止手段14がガス流路を閉止した状態(図5の上側半分で示した状態)とガス流通を許容した状態(同図の下側半分で示した状態)とで任意動作し、閉止した状態では配管C1からのガスが配管C2、C3に至ることが妨げられる故、バーナ手段3及びパイロットバーナ4に対するガスの供給が強制的に停止し得るようになっている。
【0024】
また、ソレノイド13は、検知手段としての熱電対6と電気的に接続されている。かかる熱電対6は、パイロットバーナ4の炎が形成される部位に配設され、炎による熱を検知して出力電圧を発生させ得るものであり、出力電圧に基づいて当該パイロットバーナ4の炎が消えたことを検知し得るよう構成されたものである。然るに、熱電対6による検知(パイロットバーナ4の炎が消えたことの検知)により、ソレノイド13が駆動し、バーナ手段3及びパイロットバーナ4に対するガスの供給を強制的に停止することができ、立ち消え防止を図ることができる。
【0025】
ここで、本実施形態におけるノズル部15には、図6、7に示すように、当接部16a、棒状部材16b、ピン状部材16cを具備した清掃手段16が配設されている。当接部16aは、後で詳述する長尺状部材17と当接される部位であり、棒状部材16bを図7中右側に摺動させ得るものである。尚、図7中上側半分は、棒状部材16bが摺動する前の状態、下側半分は、当該棒状部材16bが摺動した後の状態を示している。
【0026】
棒状部材16bは、スプリングSにて同図中左側へ付勢されているとともに、先端側にピン状部材16cが形成されて成るものである。ピン状部材16cは、パイロットバーナ4におけるノズル部15のノズル15aに挿入可能とされて挿入過程にて当該ノズル15aに付着した異物を除去し得るものである。即ち、当接部16aが長尺状部材17で押圧されて棒状部材16bが図中右側に摺動すると、ピン状部材16cがノズル15aに挿入して清掃可能とされているのである。
【0027】
然るに、本実施形態においては、ピン状部材16cがノズル15aに挿入された状態においては、当該ノズル15aが閉止するので、配管C3を介して導入されたガスは、パイロットバーナ4先端までの流通が規制されることとなる。よって、パイロットバーナ4にて炎が生じていても、ピン状部材16cがノズル15aに挿入すると、消火されるようになっている。また、当接部16aに対する押圧が解かれると、スプリングSの付勢力により清掃手段16は初期状態に戻ることとなる。
【0028】
尚、図12に示すように、棒状部材16bとピン状部材16cとの間にスプリングS1を介在させるようにしてもよい。この場合、ピン状部材16cがノズル15aに挿入する過程において当該ピン状部材16cに過大な力が付与されても、スプリングS1が縮むことによって棒状部材16bの摺動に対してピン状部材16cを停止させることができ、破損等を回避させることができる。
【0029】
長尺状部材17は、図8に示すように、筐体部1の所定部位(揺動軸L)を中心として揺動自在なプレス成形品から成るものであり、図9に示すように、当該長尺部材17の一端が筐体部1の外側まで延設されて清掃手段16のピン状部材16cをノズル15aに挿入させるための操作部17bとされている。より具体的には、長尺状部材17は、当接部16aと当接可能な突出部17aを有しており、操作部17bを下方へ押圧して操作すると、図11に示すように、当該長尺状部材17が所定部位(揺動軸L)を中心として揺動し、突出部17aが当接部16aを押圧し得るようになっている。
【0030】
更に、長尺状部材17における操作部17bに対して揺動軸Lを挟んだ所定部位(長尺状部材17の他端側)に所定重量の錘18が形成されており、図10に示すように、筐体部1が傾斜した際(上下反転した際)に当該錘18の重量により当該長尺部材17を揺動させ、清掃手段16の当接部16aを突出部17aが押圧することにより、ピン状部材16cがノズル15aに挿入可能とされている。即ち、操作部17bに対する操作を行わなくても、筐体部1を上下反転させれば、長尺状部材17は自然と揺動することとなり、自動的にノズル15aの清掃を行わせることができるのである。
【0031】
上記実施形態によれば、ノズル15aに付着した異物を除去し得る清掃手段16を具備するとともに、当該清掃手段16は、筐体部1が傾斜した際(上下反転した際)に重力にてノズル15aに挿入するので、筐体部1の傾斜動作を利用してパイロットバーナ4におけるノズル部15のノズル15aを清掃することができ、当該ノズル15aに対する別途の清掃作業を不要とすることができる。然るに、調理鍋Nを清掃すべく当該調理鍋Nを傾斜(上下反転)させると、意識せずにノズル15aの清掃が行われることとなり、パイロットバーナ4の詰まりによる不具合を抑制することができる。
【0032】
また、筐体部1の所定部位(揺動軸L)を中心として揺動自在な長尺状部材17を有し、当該長尺部材17の一端が筐体部1の外側まで延設されて清掃手段16をノズル15aに挿入させるための操作部17bとされたので、操作部17bを操作して長尺状部材17を揺動させることにより、筐体部1の傾斜タイミングに関わらず任意タイミングにてノズル15aを清掃することができる。
【0033】
更に、筐体部1が傾斜した際に錘18の重量により長尺部材17を揺動させ、清掃手段16のピン状部材16cがノズル15aに挿入可能とされたので、筐体部1の傾斜時における長尺部材17の揺動動作及び清掃手段16によるノズル15aの清掃動作をよりスムーズ且つ正確に行わせることができる。尚、筐体部1を傾斜(上下反転)させた際、長尺状部材17の自重にて清掃手段16の当接部16aを十分に押圧できれば、錘18を形成しなくてもよい。
【0034】
また更に、パイロットバーナ4の炎が消えたことを検知する熱電対6(検知手段)を具備するとともに、当該熱電対6による検知によりバーナ手段3及びパイロットバーナ4に対するガスの供給を強制的に停止するソレノイド13及び閉止手段14(強制停止手段)を具備したので、清掃手段16がノズル15aに挿入して当該ノズル15aに対する清掃を行わせる際、パイロットバーナ4におけるノズル15aが閉止されて当該パイロットバーナ4の炎が消えるので、それを熱電対6による出力電圧にて検知してソレノイド13及び閉止手段14(強制停止手段)によりガスの供給を強制的に停止することができる。
【0035】
よって、清掃手段16に加えて熱電対6(検知手段)及びソレノイド13及び閉止手段14(強制停止手段)を具備することにより、清掃機能と立ち消え防止機能とを併せて持たせることができる。尚、熱電対6に代えて、パイロットバーナ4の炎が消えたことを検知する他の形態の検知手段としてもよく、或いはソレノイド13及び閉止手段14に代えて、当該検知手段による検知によりバーナ手段3及びパイロットバーナ4に対するガスの供給を強制的に停止する他の形態の強制停止手段としてもよい。
【0036】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば清掃手段16に所定重量の錘を形成し、その自重により筐体部1が傾斜した際に当該清掃手段16がノズル15aに挿入可能とされたものとしてもよい。具体的には、例えば清掃手段16の当接部16a自体を所定の重量の錘とし、或いは所定重量の錘を当接部16aに直接形成させることにより、その自重により筐体部1が傾斜した際に当該清掃手段16のピン状部材16cがノズル15aに挿入して清掃を行わせることができるのである。この場合、筐体部1の傾斜時における清掃手段16によるノズル15aの清掃動作をよりスムーズ且つ正確に行わせることができるとともに、上記実施形態の如き長尺状部材17を不要とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
パイロットバーナのノズルに挿入可能とされて挿入過程にて当該ノズルに付着した異物を除去し得る清掃手段を具備するとともに、当該清掃手段は、筐体部が傾斜した際に重力にてノズルに挿入する加熱調理装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 筐体部
2 カバー部
3 バーナ手段
4 パイロットバーナ
5 スパーク手段
6 熱電対(検知手段)
7 ガス供給手段
8 操作摘み
9 操作シャフト
10 押圧部材
11 マイクロスイッチ
12 回転部材
13 ソレノイド(強制停止手段)
14 閉止手段(強制停止手段)
15 ノズル部
15a ノズル
16 清掃手段
17 長尺状部材
18 錘
N 調理鍋
【技術分野】
【0001】
本発明は、上部に載置された調理鍋を加熱し得るバーナ手段を具備した加熱調理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
給食センターや大手食品メーカ等の厨房設備において、調理鍋に収容されたスープ等の液体を加熱するための所謂ブンゼン燃焼式の加熱調理装置は、上部に調理鍋を載置し得る筐体と、該筐体内に収容されて上部の調理鍋を加熱すべく一次空気と燃焼ガスとの混合ガスを燃焼させる複数のバーナ手段と、ノズルからガスを吐出させつつ点火してバーナ手段に対して着火し得るパイロットバーナとを主に備えていた(例えば特許文献1参照)。更には、従来より、水平面に対して傾斜することにより上下反転可能とされた筐体を具備した加熱調理装置もあり、当該筐体を上下反転させて大型の調理鍋の水洗い等を容易にしたものが提供されるに至っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−308316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の加熱調理装置においては、パイロットバーナのノズルに油カス等の異物が詰まり易いため、当該ノズルを頻繁に清掃する必要があった。然るに、パイロットバーナのノズルが詰まった際に当該ノズルに挿入可能なピン状部材を具備させ、その挿入過程で異物を除去することも考えられるが、ノズルの詰まりが生じる都度に当該ピン状部材を作動させるのは面倒であるとともに、加熱調理装置の管理者(例えば調理を行う物等)がピン状部材の有無や操作方法について把握していない場合があり、清掃機能を果たし得ない場合があった。本出願人は、上記不具合を勘案しつつ水平面に対して傾斜することにより上下反転可能とされた筐体部を具備した加熱調理装置に適用し、当該傾斜動作を利用してパイロットバーナのノズルを清掃し得るものを検討するに至った。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、筐体部の傾斜動作を利用してパイロットバーナのノズルを清掃することができ、当該ノズルに対する別途の清掃作業を不要とすることができる加熱調理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、上部に調理鍋を設置可能とされるとともに、水平面に対して傾斜することにより前記調理鍋と共に上下反転可能とされた筐体部と、該筐体部内に配設されるとともに上部の調理鍋を加熱し得るバーナ手段と、前記筐体内に配設されるとともに、ノズルからガスを吐出させつつ点火して前記バーナ手段に対して着火し得るパイロットバーナとを備えた加熱調理装置において、前記パイロットバーナのノズルに挿入可能とされて挿入過程にて当該ノズルに付着した異物を除去し得る清掃手段を具備するとともに、当該清掃手段は、前記筐体部が傾斜した際に重力にてノズルに挿入することを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の加熱調理装置において、前記筐体部の所定部位を中心として揺動自在な長尺状部材を有し、当該長尺部材の一端が前記筐体部の外側まで延設されて前記清掃手段をノズルに挿入させるための操作部とされたことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の加熱調理装置において、前記長尺状部材における前記操作部に対して揺動軸を挟んだ所定部位に所定重量の錘が形成され、前記筐体部が傾斜した際に当該錘の重量により当該長尺部材を揺動させ、前記清掃手段が前記ノズルに挿入可能とされたことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の加熱調理装置において、前記清掃手段に所定重量の錘を形成し、その自重により前記筐体部が傾斜した際に当該清掃手段が前記ノズルに挿入可能とされたことを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか1つに記載の加熱調理装置において、前記パイロットバーナの炎が消えたことを検知する検知手段を具備するとともに、当該検知手段による検知により前記バーナ手段及び当該パイロットバーナに対するガスの供給を強制的に停止する強制停止手段を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、ノズルに付着した異物を除去し得る清掃手段を具備するとともに、当該清掃手段は、筐体部が傾斜した際に重力にてノズルに挿入するので、筐体部の傾斜動作を利用してパイロットバーナのノズルを清掃することができ、当該ノズルに対する別途の清掃作業を不要とすることができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、筐体部の所定部位を中心として揺動自在な長尺状部材を有し、当該長尺部材の一端が筐体部の外側まで延設されて清掃手段をノズルに挿入させるための操作部とされたので、操作部を操作することにより、筐体部の傾斜タイミングに関わらず任意タイミングにてノズルを清掃することができる。
【0013】
請求項3の発明によれば、筐体部が傾斜した際に錘の重量により長尺部材を揺動させ、清掃手段がノズルに挿入可能とされたので、筐体部の傾斜時における長尺部材の揺動動作及び清掃手段によるノズルの清掃動作をよりスムーズ且つ正確に行わせることができる。
【0014】
請求項4の発明によれば、清掃手段に所定重量の錘を形成し、その自重により筐体部が傾斜した際に当該清掃手段がノズルに挿入可能とされたので、筐体部の傾斜時における清掃手段によるノズルの清掃動作をよりスムーズ且つ正確に行わせることができる。
【0015】
請求項5の発明によれば、パイロットバーナの炎が消えたことを検知する検知手段を具備するとともに、当該検知手段による検知によりバーナ手段及び当該パイロットバーナに対するガスの供給を強制的に停止する強制停止手段を具備したので、清掃手段がノズルに挿入して当該ノズルに対する清掃を行わせる際、パイロットバーナにおけるノズルが閉止されて当該パイロットバーナの炎が消えるので、それを検知手段が検知して強制停止手段によりガスの供給を強制的に停止することができる。よって、清掃手段に加えて検知手段及び強制停止手段を具備することにより、清掃機能と立ち消え防止機能とを併せて持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る加熱調理装置(調理鍋が載置され、上下反転する前の状態)を示す全体図
【図2】同加熱調理装置(調理鍋が載置され、上下反転した後の状態)を示す全体図
【図3】同加熱調理装置のバーナ手段を示す平面図
【図4】同加熱調理装置における筐体部(上下反転する前の状態)の内部を示す断面模式図
【図5】同加熱調理装置におけるガス供給手段を示す断面図
【図6】同加熱調理装置におけるパイロットバーナのノズル部を示す平面、正面及び側面図
【図7】同加熱調理装置におけるパイロットバーナのノズル部及び清掃手段を示す断面図
【図8】同加熱調理装置における長尺状部材を示す平面図及び正面図
【図9】同加熱調理装置における筐体部の内部を示す裏面図
【図10】同加熱調理装置における筐体部(上下反転した後の状態)の内部を示す断面模式図
【図11】同加熱調理装置における筐体部(上下反転する前であって長尺状部材を揺動させた後の状態)の内部を示す断面模式図
【図12】本発明の他の実施形態に係る加熱調理装置におけるパイロットバーナのノズル部及び清掃手段を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る加熱調理装置は、給食センターや大手食品メーカ等の厨房設備に配設され、調理鍋を加熱し得る所謂ブンゼン燃焼式のバーナを複数具備したものであって、図1に示すように、上部に調理鍋Nを設置可能な筐体部1を有するとともに、図2に示すように、ハンドルHを回動操作することにより、当該筐体部1が水平面に対して傾斜して調理鍋Nと共に上下反転可能とされている。尚、同図中符号Fは、調理鍋Nの蓋部を示している。
【0018】
かかる筐体部1の内部には、図3、4に示すように、複数のバーナ手段3と、パイロットバーナ4と、該パイロットバーナ4と近接して配設されたスパーク手段5及び熱電対6(検知手段)と、図示しないガス供給源と接続されたガス供給手段7と、パイロットバーナ4と接続されたノズル部15と、ノズル部15内に配設された清掃手段16と、長尺状部材17とが配設されている。尚、図4中符号2は、バーナ手段3を囲みつつ筐体部1の上部を覆うカバー部を示している。
【0019】
バーナ手段3は、炎を発生して調理鍋Nを加熱し得るものであり、炎口部を具備したブンゼン燃焼式の所謂キノコバーナ(メッケルバーナ)と呼ばれるものから成り、筐体部1内において複数配設されている。而して、各バーナ手段3は、配管C2を介してガス供給手段7と接続されており、当該ガス供給手段7から供給されたガスにてバーナ手段3のそれぞれの炎口部から炎を生じさせ、筐体部1上に配置された調理鍋の底を加熱して調理し得るよう構成されているのである。
【0020】
パイロットバーナ4は、ノズル部15と接続されて成るもので、当該ノズル部15におけるノズル15aからガスを吐出させつつ点火して当該バーナ手段3に対して着火し得るものである。ノズル部15は、配管C3を介してガス供給手段7と接続されており、当該ガス供給手段7から供給されたガスをノズル15aから吐出させつ点火させて、パイロットバーナ4にて炎を生じさせ得るものである。
【0021】
ガス供給手段7は、配管C1を介して外部のガス供給源(不図示)と接続されたもので、図5に示すように、押圧部材10と、マイクロスイッチ11と、回転部材12と、強制停止手段を構成するソレノイド13及び閉止手段14とを有して構成されている。押圧部材10は、操作シャフト9を介して操作摘み8と連結されており、当該操作摘み8を押圧操作すると、図中左側へ摺動可能とされたものである。マイクロスイッチ11は、操作子11aを有するものであり、押圧部材10が図中左側へ摺動すると当該操作子11aが没入してマイクロスイッチ11がオンし得るよう構成されている。然るに、マイクロスイッチ11がオンすると、スパーク手段5にてスパークさせ、点火可能な状態となるよう構成されている。
【0022】
回転部材12は、押圧部材10と同様に操作シャフト9を介して操作摘み8と連結されており、当該操作摘み8を回転操作すると、軸周りに回転可能とされている。かかる回転部材12には、配管C2、C3と通じる連通孔がそれぞれ形成されており、当該回転部材12の回転角度により、配管C1からのガスを配管C2、C3に任意供給し得るよう構成されている。而して、操作摘み8を回転操作することにより、パイロットバーナ4及びバーナ手段3を点火させ、更にはバーナ手段3の火力調節を行い得るようになっている。
【0023】
ソレノイド13(強制停止手段)は、閉止手段14を動作してガスの流通を許容し或いは閉止させ得るものである。即ち、ソレノイド13の駆動により、閉止手段14がガス流路を閉止した状態(図5の上側半分で示した状態)とガス流通を許容した状態(同図の下側半分で示した状態)とで任意動作し、閉止した状態では配管C1からのガスが配管C2、C3に至ることが妨げられる故、バーナ手段3及びパイロットバーナ4に対するガスの供給が強制的に停止し得るようになっている。
【0024】
また、ソレノイド13は、検知手段としての熱電対6と電気的に接続されている。かかる熱電対6は、パイロットバーナ4の炎が形成される部位に配設され、炎による熱を検知して出力電圧を発生させ得るものであり、出力電圧に基づいて当該パイロットバーナ4の炎が消えたことを検知し得るよう構成されたものである。然るに、熱電対6による検知(パイロットバーナ4の炎が消えたことの検知)により、ソレノイド13が駆動し、バーナ手段3及びパイロットバーナ4に対するガスの供給を強制的に停止することができ、立ち消え防止を図ることができる。
【0025】
ここで、本実施形態におけるノズル部15には、図6、7に示すように、当接部16a、棒状部材16b、ピン状部材16cを具備した清掃手段16が配設されている。当接部16aは、後で詳述する長尺状部材17と当接される部位であり、棒状部材16bを図7中右側に摺動させ得るものである。尚、図7中上側半分は、棒状部材16bが摺動する前の状態、下側半分は、当該棒状部材16bが摺動した後の状態を示している。
【0026】
棒状部材16bは、スプリングSにて同図中左側へ付勢されているとともに、先端側にピン状部材16cが形成されて成るものである。ピン状部材16cは、パイロットバーナ4におけるノズル部15のノズル15aに挿入可能とされて挿入過程にて当該ノズル15aに付着した異物を除去し得るものである。即ち、当接部16aが長尺状部材17で押圧されて棒状部材16bが図中右側に摺動すると、ピン状部材16cがノズル15aに挿入して清掃可能とされているのである。
【0027】
然るに、本実施形態においては、ピン状部材16cがノズル15aに挿入された状態においては、当該ノズル15aが閉止するので、配管C3を介して導入されたガスは、パイロットバーナ4先端までの流通が規制されることとなる。よって、パイロットバーナ4にて炎が生じていても、ピン状部材16cがノズル15aに挿入すると、消火されるようになっている。また、当接部16aに対する押圧が解かれると、スプリングSの付勢力により清掃手段16は初期状態に戻ることとなる。
【0028】
尚、図12に示すように、棒状部材16bとピン状部材16cとの間にスプリングS1を介在させるようにしてもよい。この場合、ピン状部材16cがノズル15aに挿入する過程において当該ピン状部材16cに過大な力が付与されても、スプリングS1が縮むことによって棒状部材16bの摺動に対してピン状部材16cを停止させることができ、破損等を回避させることができる。
【0029】
長尺状部材17は、図8に示すように、筐体部1の所定部位(揺動軸L)を中心として揺動自在なプレス成形品から成るものであり、図9に示すように、当該長尺部材17の一端が筐体部1の外側まで延設されて清掃手段16のピン状部材16cをノズル15aに挿入させるための操作部17bとされている。より具体的には、長尺状部材17は、当接部16aと当接可能な突出部17aを有しており、操作部17bを下方へ押圧して操作すると、図11に示すように、当該長尺状部材17が所定部位(揺動軸L)を中心として揺動し、突出部17aが当接部16aを押圧し得るようになっている。
【0030】
更に、長尺状部材17における操作部17bに対して揺動軸Lを挟んだ所定部位(長尺状部材17の他端側)に所定重量の錘18が形成されており、図10に示すように、筐体部1が傾斜した際(上下反転した際)に当該錘18の重量により当該長尺部材17を揺動させ、清掃手段16の当接部16aを突出部17aが押圧することにより、ピン状部材16cがノズル15aに挿入可能とされている。即ち、操作部17bに対する操作を行わなくても、筐体部1を上下反転させれば、長尺状部材17は自然と揺動することとなり、自動的にノズル15aの清掃を行わせることができるのである。
【0031】
上記実施形態によれば、ノズル15aに付着した異物を除去し得る清掃手段16を具備するとともに、当該清掃手段16は、筐体部1が傾斜した際(上下反転した際)に重力にてノズル15aに挿入するので、筐体部1の傾斜動作を利用してパイロットバーナ4におけるノズル部15のノズル15aを清掃することができ、当該ノズル15aに対する別途の清掃作業を不要とすることができる。然るに、調理鍋Nを清掃すべく当該調理鍋Nを傾斜(上下反転)させると、意識せずにノズル15aの清掃が行われることとなり、パイロットバーナ4の詰まりによる不具合を抑制することができる。
【0032】
また、筐体部1の所定部位(揺動軸L)を中心として揺動自在な長尺状部材17を有し、当該長尺部材17の一端が筐体部1の外側まで延設されて清掃手段16をノズル15aに挿入させるための操作部17bとされたので、操作部17bを操作して長尺状部材17を揺動させることにより、筐体部1の傾斜タイミングに関わらず任意タイミングにてノズル15aを清掃することができる。
【0033】
更に、筐体部1が傾斜した際に錘18の重量により長尺部材17を揺動させ、清掃手段16のピン状部材16cがノズル15aに挿入可能とされたので、筐体部1の傾斜時における長尺部材17の揺動動作及び清掃手段16によるノズル15aの清掃動作をよりスムーズ且つ正確に行わせることができる。尚、筐体部1を傾斜(上下反転)させた際、長尺状部材17の自重にて清掃手段16の当接部16aを十分に押圧できれば、錘18を形成しなくてもよい。
【0034】
また更に、パイロットバーナ4の炎が消えたことを検知する熱電対6(検知手段)を具備するとともに、当該熱電対6による検知によりバーナ手段3及びパイロットバーナ4に対するガスの供給を強制的に停止するソレノイド13及び閉止手段14(強制停止手段)を具備したので、清掃手段16がノズル15aに挿入して当該ノズル15aに対する清掃を行わせる際、パイロットバーナ4におけるノズル15aが閉止されて当該パイロットバーナ4の炎が消えるので、それを熱電対6による出力電圧にて検知してソレノイド13及び閉止手段14(強制停止手段)によりガスの供給を強制的に停止することができる。
【0035】
よって、清掃手段16に加えて熱電対6(検知手段)及びソレノイド13及び閉止手段14(強制停止手段)を具備することにより、清掃機能と立ち消え防止機能とを併せて持たせることができる。尚、熱電対6に代えて、パイロットバーナ4の炎が消えたことを検知する他の形態の検知手段としてもよく、或いはソレノイド13及び閉止手段14に代えて、当該検知手段による検知によりバーナ手段3及びパイロットバーナ4に対するガスの供給を強制的に停止する他の形態の強制停止手段としてもよい。
【0036】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば清掃手段16に所定重量の錘を形成し、その自重により筐体部1が傾斜した際に当該清掃手段16がノズル15aに挿入可能とされたものとしてもよい。具体的には、例えば清掃手段16の当接部16a自体を所定の重量の錘とし、或いは所定重量の錘を当接部16aに直接形成させることにより、その自重により筐体部1が傾斜した際に当該清掃手段16のピン状部材16cがノズル15aに挿入して清掃を行わせることができるのである。この場合、筐体部1の傾斜時における清掃手段16によるノズル15aの清掃動作をよりスムーズ且つ正確に行わせることができるとともに、上記実施形態の如き長尺状部材17を不要とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
パイロットバーナのノズルに挿入可能とされて挿入過程にて当該ノズルに付着した異物を除去し得る清掃手段を具備するとともに、当該清掃手段は、筐体部が傾斜した際に重力にてノズルに挿入する加熱調理装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 筐体部
2 カバー部
3 バーナ手段
4 パイロットバーナ
5 スパーク手段
6 熱電対(検知手段)
7 ガス供給手段
8 操作摘み
9 操作シャフト
10 押圧部材
11 マイクロスイッチ
12 回転部材
13 ソレノイド(強制停止手段)
14 閉止手段(強制停止手段)
15 ノズル部
15a ノズル
16 清掃手段
17 長尺状部材
18 錘
N 調理鍋
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に調理鍋を設置可能とされるとともに、水平面に対して傾斜することにより前記調理鍋と共に上下反転可能とされた筐体部と、
該筐体部内に配設されるとともに上部の調理鍋を加熱し得るバーナ手段と、
前記筐体内に配設されるとともに、ノズルからガスを吐出させつつ点火して前記バーナ手段に対して着火し得るパイロットバーナと、
を備えた加熱調理装置において、
前記パイロットバーナのノズルに挿入可能とされて挿入過程にて当該ノズルに付着した異物を除去し得る清掃手段を具備するとともに、当該清掃手段は、前記筐体部が傾斜した際に重力にてノズルに挿入することを特徴とする加熱調理装置。
【請求項2】
前記筐体部の所定部位を中心として揺動自在な長尺状部材を有し、当該長尺部材の一端が前記筐体部の外側まで延設されて前記清掃手段をノズルに挿入させるための操作部とされたことを特徴とする請求項1記載の加熱調理装置。
【請求項3】
前記長尺状部材における前記操作部に対して揺動軸を挟んだ所定部位に所定重量の錘が形成され、前記筐体部が傾斜した際に当該錘の重量により当該長尺部材を揺動させ、前記清掃手段が前記ノズルに挿入可能とされたことを特徴とする請求項2記載の加熱調理装置。
【請求項4】
前記清掃手段に所定重量の錘を形成し、その自重により前記筐体部が傾斜した際に当該清掃手段が前記ノズルに挿入可能とされたことを特徴とする請求項1記載の加熱調理装置。
【請求項5】
前記パイロットバーナの炎が消えたことを検知する検知手段を具備するとともに、当該検知手段による検知により前記バーナ手段及び当該パイロットバーナに対するガスの供給を強制的に停止する強制停止手段を具備したことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載の加熱調理装置。
【請求項1】
上部に調理鍋を設置可能とされるとともに、水平面に対して傾斜することにより前記調理鍋と共に上下反転可能とされた筐体部と、
該筐体部内に配設されるとともに上部の調理鍋を加熱し得るバーナ手段と、
前記筐体内に配設されるとともに、ノズルからガスを吐出させつつ点火して前記バーナ手段に対して着火し得るパイロットバーナと、
を備えた加熱調理装置において、
前記パイロットバーナのノズルに挿入可能とされて挿入過程にて当該ノズルに付着した異物を除去し得る清掃手段を具備するとともに、当該清掃手段は、前記筐体部が傾斜した際に重力にてノズルに挿入することを特徴とする加熱調理装置。
【請求項2】
前記筐体部の所定部位を中心として揺動自在な長尺状部材を有し、当該長尺部材の一端が前記筐体部の外側まで延設されて前記清掃手段をノズルに挿入させるための操作部とされたことを特徴とする請求項1記載の加熱調理装置。
【請求項3】
前記長尺状部材における前記操作部に対して揺動軸を挟んだ所定部位に所定重量の錘が形成され、前記筐体部が傾斜した際に当該錘の重量により当該長尺部材を揺動させ、前記清掃手段が前記ノズルに挿入可能とされたことを特徴とする請求項2記載の加熱調理装置。
【請求項4】
前記清掃手段に所定重量の錘を形成し、その自重により前記筐体部が傾斜した際に当該清掃手段が前記ノズルに挿入可能とされたことを特徴とする請求項1記載の加熱調理装置。
【請求項5】
前記パイロットバーナの炎が消えたことを検知する検知手段を具備するとともに、当該検知手段による検知により前記バーナ手段及び当該パイロットバーナに対するガスの供給を強制的に停止する強制停止手段を具備したことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載の加熱調理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−167322(P2011−167322A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−33136(P2010−33136)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(592190497)桐山工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(592190497)桐山工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
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