説明

勃起不全の処置用のPDE5阻害剤と組み合わせたsGC刺激剤またはsGC活性化剤

本発明は、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)およびホスホジエステラーゼ(PDE)並びにsGC刺激剤、sGC活性化剤およびPDE阻害剤の薬理に関する。より具体的には、本発明は、男性の勃起不全(MED)の処置、特に処置が困難な患者、および、PDE5阻害剤に応答しないか、完全には応答しない患者のMED処置用の医薬を製造するための、PDE5阻害剤と組み合わせたsGC刺激剤およびsGC活性化剤の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)およびホスホジエステラーゼ(PDE)並びにsGC刺激剤、sGC活性化剤およびPDE阻害剤の薬理に関する。より具体的には、本発明は、男性の勃起不全(MED)の処置、特に処置が困難な患者、および、PDE5阻害剤に応答しないか、完全には応答しない患者のMED処置用の医薬を製造するための、PDE5阻害剤と組み合わせたsGC刺激剤およびsGC活性化剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
環状ヌクレオチドの環状アデノシン一リン酸(cAMP)および環状グアノシン一リン酸(cGMP)は、数十年前に発見され、細胞内の最も重要なセカンドメッセンジャー経路の1つである。細胞内のcGMPプールの制御が生理および病態生理に実質的な影響を有することは、十分に確立されており、薬理的介入の1つの基本的な原理である (Eugenov et al. 2006)。心血管、肺またはCNSの障害の処置に加えて、cGMPの増加は、泌尿器系の障害にも非常に効果的な処置選択肢であるという十分な証拠がある (Sandner et al. 2007a)。PDE5阻害剤は、過活動膀胱(OAB)および下部尿路症状(LUTS)を特徴とする症候性BPHの処置に有用であり得ることが示された (Porst et al. 2007, Koehler and McVary 2008)。しかしながら、最も著しく、良好に確立されているのは、陰茎の機能に対するcGMPの効果である。
【0003】
ここ数年で、陰茎の機能および勃起不全(ED)の基本的な理解は非常に明確になり、様々な科学的出版物により網羅され、広く論評されている(De Tejada et al. 2004)。NO、オキシトシンおよびドーパミンを含む様々な神経伝達物質は、陰茎の勃起に必要な勃起促進性の神経伝達物質として認識されている。一酸化窒素は、直接または心因性の性的刺激の際に、陰茎の副交感、非アドレナリン作動性、非コリン作動性(NANC)ニューロンの神経終末において神経型NO合成酵素(nNOS)により、また、血管の内皮細胞および陰核海綿体の陰窩において内皮型NO合成酵素(eNOS)により合成され、平滑筋細胞の可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)を活性化する。このNO産生は、細胞内cGMPレベルの上昇をもたらし、それは、海綿体および陰茎の細動脈の平滑筋の弛緩を導く。動脈の平滑筋の弛緩は、陰茎体への血流の増加および海綿体組織の拡大を伴い、最終的に陰茎の勃起をもたらす(Schultheiss and Stief 1999, Lue 2000)(図2)。cGMPのレベルは、グアニル酸シクラーゼ(sGC)による合成とcGMPを加水分解するホスホジエステラーゼによる生理的に不活性のGMPへの加水分解の速度により調節される。PDE5はヒトの海綿体で最も顕著であり、PDE5の阻害はcGMPレベルの上昇を導く。
【0004】
従って、PDE5阻害剤によるcGMPレベルの上昇は、承認された第1選択の治療であり、代表的な勃起不全の処置である(Shabsigh et al. 2006, Sandner et al. 2007b)。
【0005】
しかしながら、NANC神経および/または内皮によるNOの放出は、糖尿病および/または冠動脈心疾患、高血圧症または脊髄損傷などの病態下で損なわれ、結果的にcGMP合成の低下を導く。限られた内皮または神経NO産生のために、これらの患者におけるPDE5阻害剤の効力は限られているか、または、PDE5阻害剤は無効である。PDE5阻害剤のクラスは、一般的なED集団において非常に有効な処置選択肢であるが、ED患者の30−50%はPDE5阻害剤に十分に応答しない(Sabsigh et. al. 2004, De Tejada 2004)。PDE5阻害の臨床的有効性は、cGMPのいくらかの代謝回転を誘導するために結局は最低限のNOシグナルを必要とし、そうでなければ、PDE5阻害は、細胞内cGMPを増加させ、血管弛緩を誘導することはできないであろう。即ち、根治的前立腺切除または重篤な糖尿病性ニューロパチーにおける海綿体の神経の完全な破壊は、PDE5阻害剤による処置の成功を主に制限する病態であり得る(De Tejada 2004)。従って、海綿体におけるcGMP産生を能動的に(例えば、NO供与体により)刺激するNO/cGMPシステム内の新しい処置原理は、研究のもう1つの道であり、PDE5耐性のEDも克服し得るかもしれない。しかしながら、軽度および中程度のED患者にも、グアニル酸シクラーゼの刺激および活性化は有益であろう。従って、NOに依存せずにsGCを活性化する化合物は、現在の治療よりかなり有利であり得る。
【0006】
sGCをNOに依存せずに活性化する2つの化合物のクラス、即ち、ヘムに依存するsGC刺激剤、例えば、式(2)の化合物であるBAY41−2272、式(1)の化合物であるBAY41−8543、および、式(3)の化合物であるBAY63−2521、並びに、ヘムに依存しないsGC活性化剤、例えば、式(5)の化合物であるBAY58−2667、および、式(6)の化合物であるHMR−1766が、最近同定された(総説として、Evgenov et al., 2006 参照)。
【0007】
グアニル酸シクラーゼの刺激をEDの処置に使用し得ることは、前臨床的に立証された。sGC刺激剤、例えば、YC−1(Ko et al. 1994, Mizusawa et al. 2002)、BAY41−2272(Stasch et al. 2001)、A−350619(Miller et al. 2003)またはBAY63−2521(Muenter et al. 2002)は、前臨床的に調査された。sGC刺激剤のBAY41−2272は、ヒトおよびウサギの海綿体組織をインビトロで弛緩させることができた(Kalsi et al. 2003, Baracat et al. 2003)。同化合物のみならず、BAY63−2521も、ウサギにおいて、インビボで静脈内および経口投与後に安定な勃起を誘導した(Bischoff et al. 2003; Muenter 2002)。加えて、BAY41−2272によるsGCの活性化は、PDE5阻害剤が中程度の効力である、重篤な糖尿病に誘導されるEDのラットにおいて有利であり得た(Kalsi et al. 2004)。これらの結果は、sGCの刺激によるcGMPの増加は、PDE5阻害剤の他に、代替的なEDの処置選択肢をもたらし得ることを示す。勃起は一酸化窒素(NO)およびcGMPレベルに決定的に依存するので、患者の30−40%は、低い内在性NO/cGMP産生のために、PDE5阻害剤に応答しない。この類のPDE5非応答者にとって、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)のsGC刺激剤による直接刺激または活性化は、この効力の欠如を克服し得るものであり得る。しかしながら、これらの化合物の使用は、様々な組織におけるsGCの広範な分布のために、全身の血圧に対する作用により明らかに制限される。
【発明の概要】
【0008】
従って、我々は、sGC刺激剤とsGC活性化剤、即ち、式(4)の化合物であるBAY60−4552と、PDE5阻害剤、即ちバルデナフィルの組合せを、動物モデルにおいてインビボで調査した。
【0009】
我々は、我々の動物モデルにおいて、インビボで、以下のことを見出した:
・sGC刺激剤およびsGC活性化剤、即ちBAY60−4552は、ウサギおよびラットで、バルデナフィルの範囲で有意な勃起を誘起できた(実施例1)。
・sGC刺激剤およびsGC活性化剤、即ちBAY60−4552は、単独の処置として、PDE5耐性のEDモデルで、PDE5阻害剤、即ちバルデナフィルが効かなかったウサギにおいて、有効である(実施例1)。
・sGC刺激剤およびsGC活性化剤、即ちBAY60−4552は、単独の処置として、ウサギおよびラットの血圧の実質的な低下をもたらし(実施例5)、sGC刺激剤およびsGC活性化剤の単独での使用を制限した。
・sGC刺激剤およびsGC活性化剤、即ちBAY60−4552と、PDE5阻害剤、即ちバルデナフィルの組合せは、ウサギのPDE5阻害剤耐性のEDモデルにおいて有効である(実施例2)。
・sGC刺激剤およびsGC活性化剤、即ちBAY60−4552と、PDE5阻害剤、即ちバルデナフィルの組合せは、ウサギのPDE5阻害剤耐性のEDモデルにおいて、相加的効果を超える効果を示した(実施例2)。
・sGC刺激剤およびsGC活性化剤、即ちBAY60−4552と、PDE5阻害剤、即ちバルデナフィルの組合せは、ラットのPDE5阻害剤耐性のEDモデル、即ち、L−NAMEラットEDモデル(実施例3)および海綿体神経挫滅ラットEDモデル(実施例4)において有効である。
・sGC刺激剤およびsGC活性化剤、即ちBAY60−4552と、PDE5阻害剤、即ちバルデナフィルの組合せは、ウサギおよびラットの血圧に、相加的または相加を超える作用を示さない(実施例5)。
・sGC刺激剤および活性化剤、即ちBAY60−4552と、PDE5阻害剤、即ちバルデナフィルの組合せは安全であり、バルデナフィルと同様の血行動態プロフィールを有する(実施例5)。
・sGC刺激剤およびsGC活性化剤、即ちBAY60−4552と、PDE5阻害剤、即ちバルデナフィルの組合せは、ウサギEDモデルにおいて、バルデナフィルおよびシルデナフィルの範囲で、PDE5阻害剤、即ちバルデナフィルの処置に正常に応答するウサギの陰茎の機能に有効である(実施例6)。
・sGC刺激剤およびsGC活性化剤、即ちBAY60−4552と、PDE5阻害剤、即ちバルデナフィルの組合せは、PDE5阻害剤、即ちバルデナフィル、シルデナフィル、タダラフィルに正常に応答するウサギにおいて、有意に高い応答者率(responder rate)である(実施例7)。
・臨床試験(実施例8)
【0010】
従って、我々は、完全に予想外に、sGC刺激剤またはsGC活性化剤とPDE5阻害剤の組合せが、ウサギおよびラットの動物モデルにおいて、陰茎の勃起に相加的効果のみならず、相加を超える効果を有することを見出した。これらのモデルにおいて、PDE5阻害剤は役に立たず、sGC刺激剤およびsGC活性化剤は、中程度の効力しかない。
【0011】
加えて、全身の血圧には、相加を超える効果は見られなかった。sGC刺激剤およびsGC活性化剤単独と対照的に、組合せは、血圧のわずかな低下しか示さなかった。sGC刺激剤およびsGC活性化剤の全身の血圧に対する強い作用の故に、これも完全に予想外であった。
【0012】
加えて、我々は、この組合せは、低用量のみのsGC刺激剤成分を使用することにより、血行動態の副作用を回避することを見出した。
【0013】
最後に、この組合せにおける、単一の成分、即ち、sGC刺激剤またはsGC活性化剤およびPDE5阻害剤の最適な割合を、既に同定できた。同等の用量のsGC刺激剤またはsGC活性化剤とPDE5阻害剤を使用する場合、または、sGC刺激剤またはsGC活性化剤の用量を、PDE5阻害剤の用量の1/10倍および1/20倍まで下げる場合である。
【0014】
好ましい用量範囲は、0.1mgないし1mgのsGC刺激剤またはsGC活性化剤および2.5ないし20mgのPDE5阻害剤である。
好ましい用量は、1mgのsGC刺激剤またはsGC活性化剤および10mgのPDE5阻害剤である。
別の好ましい用量は、1mgのsGC刺激剤またはsGC活性化剤および20mgのPDE5阻害剤である。
別の好ましい用量は、0.5mgのsGC刺激剤またはsGC活性化剤および10mgのPDE5阻害剤である。
別の好ましい用量は、0.5mgのsGC刺激剤またはsGC活性化剤および20mgのPDE5阻害剤である。
【0015】
加えて、我々は、sGC刺激剤またはsGC活性化剤とPDE5阻害剤の組合せが、PDE5阻害剤が既に有効である動物モデルにおいて陰茎の勃起に対して完全な活性を有するが、PDE5阻害剤と比較して実質的に高い応答者率をもたらすことを示した。
【0016】
従って、この組合せは、一般的なED集団において、治療不成功に関してPDE5阻害剤よりも優位であり得る。
【0017】
要するに、我々は、sGC刺激剤またはsGC活性化剤とPDE5阻害剤の組合せが、ウサギおよびラットの動物モデルにおいて、陰茎の勃起に対して、相加的効果のみならず、相加を超える効果を有するが、血圧に対してこの相加を超える効果を示さないことを見出した。
【0018】
sGC刺激剤またはsGC活性化剤とPDE5阻害剤の組合せの相加を超える効力の故に、これらの組合せは、PDE5阻害剤が効くEDにおいて非常に有効であるが、より高い初試行の応答者率(first attempt responder rates)をもたらす。
【0019】
sGC刺激剤またはsGC活性化剤とPDE5阻害剤の組合せの相加を超える効力の故に、これらの組合せは、PDE5阻害剤が効かず、単独のsGC刺激剤および活性化剤は中程度の効果であるEDにおいて有効である。
【0020】
従って、sGC刺激剤またはsGC活性化剤とPDE5阻害剤の組合せは、既知のED処置と比較して、一般的なED集団においてEDの処置に実質的に有利であるが、処置が困難なED集団において特に実質的に有利である。
【0021】
本発明の開示
上記のPDE5阻害剤と組み合わせたsGC刺激剤またはsGC活性化剤により、特に、そして実質的に有利に処置できる、本発明の治療剤により対処される泌尿器系障害は、男性性機能不全(MED)を含む尿生殖器障害である。
【0022】
MEDは、「満足な性行為の実施のために陰茎の勃起を達成および/または維持できないこと」と定義される(NIH Consensus Development Panel on Impotence, 1993)。
MEDは、さらに、軽度、中程度および重度のMEDの患者を表す。
MEDは、また、心因性、器質性、血管性、内分泌性、神経性、動脈性(arteriogenic)、薬物誘導性、線維性の原因に起因するMEDを表す。
MEDは、また、早漏症(PE)などの射精障害、無オルガスム症(オルガスムを達成できないこと)または性的欲求低下障害(HSDD)などの欲求の障害を表す。
【0023】
一般に、軽度MEDの患者は、特定のsGC刺激剤またはsGC活性化剤とPDE5阻害剤の組合せで利益を得、これは、当分野で既知の処置方法、即ち、PDE5阻害剤よりも有利である。
【0024】
特に、中程度および重度のMED患者は、特定のsGC刺激剤またはsGC活性化剤とPDE5阻害剤の組合せで利益を得、この処置は、当分野で既知の処置方法、即ち、PDE5阻害剤よりも実質的に有利である。
【0025】
加えて、特定のsGC刺激剤またはsGC活性化剤とPDE5阻害剤の組合せは、低血圧の副作用に関して、当分野で既知の処置方法、即ち、NO供与体、sGC刺激剤またはsGC活性化剤よりも実質的に有利である。
【0026】
本発明は、泌尿器障害、特にMEDの処置に有用であり、効力において既知の処置方法よりも優れている、PDE5阻害剤と組み合わせたsGC刺激剤またはsGC活性化剤を提供する。
【0027】
本発明は、泌尿器障害、特にMEDの処置に有用であり、副作用のプロフィールにおいて既知の処置方法よりも優れている、PDE5阻害剤と組み合わせたsGC刺激剤またはsGC活性化剤を提供する。
【0028】
本発明は、泌尿器障害、特にMEDの処置に有用であり、sGC刺激剤またはsGC活性化剤がPDE5阻害剤と同じ範囲の用量であり、そしてPDE5阻害剤の用量の1/10および/または1/20まで減量する、PDE5阻害剤と組み合わせたsGC刺激剤またはsGC活性化剤を提供する。
【0029】
本発明は、泌尿器障害、特にMEDの処置に有用であり、sGC刺激剤またはsGC活性化剤の用量範囲が0.1ないし1mgであり、PDE5阻害剤の用量範囲が2.5ないし20mgである、PDE5阻害剤と組み合わせたsGC刺激剤またはsGC活性化剤を提供する。sGC刺激剤とPDE5阻害剤の併用投与を用いる最初の試験は、健康な男性の対象で実施した(実施例8)。
【0030】
グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤およびsGC活性化剤は、好ましくは、
・出典明示により本明細書の一部とするWO00/06569の実施例16としても記載されている、2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−(4−モルホリニル)−4,6−ピリミジンジアミン(1)、
・出典明示により本明細書の一部とするWO02/42301の実施例1としても記載されている、2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−(4−ピリジニル)−4−ピリミジンアミン(2)、
・出典明示により本明細書の一部とするWO03/095451の実施例8としても記載されている、メチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニル(メチル)カルバメート(3)、
・出典明示により本明細書の一部とするWO03/095451の実施例5としても記載されている、メチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニルカルバメート(4)、
および、
・出典明示により本明細書の一部とするWO01/019780の実施例8aとしても記載されている、4−({(4−カルボキシブチル)[2−(2−{[4−(2−フェニルエチル)ベンジル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル)安息香酸(5)、
並びに、
・WO00/02851に記載の5−クロロ−2−(5−クロロチオフェン−2−スルホニルアミノ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミドナトリウム塩(6)、
・WO00/02851に記載の2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド(7)
からなる群から選択される化合物である。
【0031】
【化1】

【0032】
化合物(1)、(2)、(3)、(4)、(6)および(7)は、安定狭心症または勃起不全の処置のために以前に記載された、既知の可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤である。
【0033】
【化2】

化合物(5)は、sGC活性化剤として知られている。
【0034】
泌尿器障害の併用処置に有用なPDE−5阻害剤は、特に、タダラフィル((6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレン−ジオキシフェニル)ピラジノ(1',2':1,6)ピリド(3,4−b)インドール−1,4−ジオン)、バルデナフィル(2−(2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イル−1−スルホニル)フェニル)−5−メチル−7−プロピル−3H−イミダゾ(5,1−f)(1,2,4)トリアジン−4−オン)、シルデナフィル(3−[2−エトキシ−5−(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル−フェニル]−7−メチル−9−プロピル−2,4,7,8−テトラザビシクロ[4.3.0]ノナ−3,8,10−トリエン−5−オン)、ウデナフィル5−[2−プロピルオキシ−5−(1−メチル−2−ピロリジニルエチルアミドスルホニル)フェニル]−メチル−3−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ(4,3−d)ピリミジン−7−オン、ダサンタフィル(Dasantafil)7−(3−ブロモ−4−メトキシベンジル)−1−エチル−8−[[(1,2)−2−ヒドロキシシクロペンチル]アミノ]−3−(2−ヒドロキシエチル)−3,7−ジヒドロ−1−プリン−2,6−ジオン、アバナフィル(Avanafil)4−{[(3−クロロ−4−メトキシフェニル)メチル]アミノ}−2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]−N−(ピリミジン−2−イルメチル)ピリミジン−5−カルボキサミド、ミロデナフィル(Mirodenafil)、ロデナフィル(Lodenafil)、UK369.003、UK371.800、Surface Logix のSLx2101、LAS34179トリアゾロ[1,2−]キサンチン、6−メチル−4−プロピル−2−[2−プロポキシ−5−(4−メチルピペラジノ)スルホニル]フェニル−、または、上述のPDE5阻害剤の塩、水和物または塩の水和物である。
【0035】
本発明の医薬組成物は、その意図する投与経路に適合するように製剤化される。投与経路の例には、非経腸、例えば、静脈内、皮内、皮下的経口(例えば、吸入)、経皮(局所)、経粘膜および直腸投与が含まれる。注射使用に適する医薬組成物には、滅菌水性液剤(水溶性の場合)または分散物、および、滅菌注射可能液剤または分散物の即時調製用の滅菌粉末が含まれる。担体は、例えば、水、エタノール、医薬的に許容し得るポリオール、例えばグリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール、および、これらの適する混合物を含有する溶媒または分散媒であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどの被覆の使用により、分散物の場合には必要な粒径の維持により、そして、界面活性剤の使用により維持できる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン類、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどにより達成できる。多くの場合で、等張化剤、例えば、糖類、ポリアルコール類、例えばマイトール(maitol)、ソルビトール、塩化ナトリウムを組成物に含めるのが好ましい。
【0036】
経口組成物は、一般的に、不活性の希釈剤または食用担体を含む。それらは、ゼラチンカプセルに封入できるか、または、錠剤に打錠できる。経口の治療的投与の目的で、活性化合物を、補助剤と共に組み込み、錠剤、トローチ剤またはカプセル剤の形態で使用できる。経口組成物は、洗口液として使用するために流体担体を使用して製造することもでき、ここで、流体担体中の化合物を口に適用し、よくすすぎ(swished)、吐き出すかまたは飲み込む。
【0037】
医薬的に適合する結合剤、および/または、補助物質を、組成物の一部として含めることができる。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは、以下の成分または類似の性質の化合物のいずれを含有してもよい:結晶セルロース、トラガカントゴムまたはゼラチンなどの結合剤;デンプンまたはラクトースなどの賦形剤、アルギン酸、プリモゲル(Primogel)またはコーンスターチなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムまたはステロート類(sterotes)などの滑沢剤;コロイド状二酸化ケイ素などの流動促進剤;スクロースまたはサッカリンなどの甘味剤;または、ペパーミント、サリチル酸メチル、またはオレンジ香料などの香味剤。
【0038】
吸入による投与のために、適する噴霧剤、例えば二酸化炭素などのガスを含有する加圧容器またはディスペンサー、または噴霧器からのエアロゾルスプレーの形態で化合物を送達する。
【0039】
全身的投与は、経粘膜または経皮的手段によってもよい。経粘膜または経皮投与のために、浸透すべき障壁に適する浸透剤を製剤に使用する。そのような浸透剤は当分野で一般的に知られており、例えば、経粘膜投与のためには、界面活性剤、胆汁酸およびフシジン酸誘導体が含まれる。経粘膜投与は、点鼻薬または坐剤の使用により達成できる。経皮投与のためには、活性化合物を、当分野で一般的に知られている軟膏、膏薬、ゲル、またはクリームに製剤化する。
【0040】
これらの化合物を、直腸投与のために、坐剤(例えば、カカオバターおよび他のグリセリド類などの常套の坐剤基剤を用いて)または停留浣腸の形態で製造することもできる。
【0041】
ある実施態様では、インプラントおよびマイクロカプセル送達システムを含む制御放出製剤など、身体からの急速な排出に対して化合物を保護する担体を用いて活性化合物を調製する。エチレンビニルアセテート、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル類およびポリ乳酸などの、生体で分解可能な、生体に適合するポリマーを使用できる。
【0042】
他の実施態様では、本発明は、PDE5阻害剤と組み合わせたsGC刺激剤またはsGC活性化剤およびMED用の医薬組成物を製造するためのそれらの使用を提供し、これらの組合せは、以下のいずれかを含む;i)sGC刺激または活性化作用およびPDE−5阻害活性を有する化合物を含む医薬組成物、または、ii)1種のsGC刺激剤およびsGC活性化剤および少なくとも1種のPDE−5阻害剤を、1つの投与単位中に固定された組合せとして含む医薬組成物、または、iii)少なくとも2セットの医薬組成物を含む、部分からなるキット、この各セットは、PDE−5阻害剤を少なくとも1回投与量の単位で含む少なくとも1種の医薬製剤、および、sGC活性化剤またはsGC刺激剤を少なくとも1回投与量の単位で含む少なくとも1種の医薬製剤からなり、該医薬組成物の各投与単位は、組み合わせて、連続的に、単回投与または複数回投与で投与される。
【0043】
特に、本発明は以下のものを提供する:
2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−(4−モルホリニル)−4,6−ピリミジンジアミン(1)、
2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−(4−ピリジニル)−4−ピリミジンアミン(2)、
メチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニル(メチル)カルバメート(3)、および、
メチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニルカルバメート(4)、
並びに、
5−クロロ−2−(5−クロロチオフェン−2−スルホニルアミノ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミドナトリウム塩(6)、
2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド(7)、
および、
4−({(4−カルボキシブチル)[2−(2−{[4−(2−フェニルエチル)ベンジル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル)安息香酸(5)、
から選択される少なくとも1種の化合物、
および、
タダラフィル((6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレン−ジオキシフェニル)ピラジノ(1',2':1,6)ピリド(3,4−b)インドール−1,4−ジオン)、バルデナフィル(2−(2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イル−1−スルホニル)フェニル)−5−メチル−7−プロピル−3H−イミダゾ(5,1−f)(1,2,4)トリアジン−4−オン)、シルデナフィル(3−[2−エトキシ−5−(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル−フェニル]−7−メチル−9−プロピル−2,4,7,8−テトラザビシクロ[4.3.0]ノナ−3,8,10−トリエン−5−オン)、ウデナフィル5−[2−プロピルオキシ−5−(1−メチル−2−ピロリジニル−エチル−アミドスルホニル)フェニル]−メチル−3−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ(4,3−d)ピリミジン−7−オン、ダサンタフィル7−(3−ブロモ−4−メトキシベンジル)−1−エチル−8−[[(1,2)−2−ヒドロキシシクロペンチル]アミノ]−3−(2−ヒドロキシエチル)−3,7−ジヒドロ−1−プリン−2,6−ジオン、アバナフィル4−{[(3−クロロ−4−メトキシフェニル)メチル]アミノ}−2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]−N−(ピリミジン−2−イルメチル)ピリミジン−5−カルボキサミド、ミロデナフィル、ロデナフィル、UK369.003、UK371.800、Surface Logix のSLx2101、および/または、LAS34179トリアゾロ[1,2−]キサンチン、6−メチル−4−プロピル−2−[2−プロポキシ−5−(4−メチルピペラジノ)−スルホニル]フェニル、または上記のPDE5阻害剤の塩、水和物または塩の水和物から選択される少なくとも1種の化合物を含有する、MED、特に軽度、中程度および重度のMEDからなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の医薬組成物。
【0044】
MED、特に軽度、中程度および重度のMEDからなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の医薬組成物を製造するための、sGC刺激剤および活性化剤の使用。
MED、特に軽度、中程度および重度のMEDからなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の医薬組成物を製造するための、少なくとも1種のsGC刺激剤または活性化剤と少なくとも1種のPDE5阻害剤の組合せの使用。
【0045】
MED、特に軽度、中程度および重度のMEDからなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の医薬組成物を製造するための、2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−(4−モルホリニル)−4,6−ピリミジンジアミン(1)、2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−(4−ピリジニル)−4−ピリミジンアミン(2)、メチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニル(メチル)カルバメート(3)、メチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニルカルバメート(4)、5−クロロ−2−(5−クロロチオフェン−2−スルホニルアミノ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミドナトリウム塩(6)、2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド(7)および4−({(4−カルボキシブチル)[2−(2−{[4−(2−フェニルエチル)ベンジル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル)安息香酸(5)からなるsGC刺激剤および活性化剤の群から選択されるsGC刺激剤または活性化剤の使用。
【0046】
MED、特に軽度、中程度および重度のMEDからなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の医薬組成物を製造するための、2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−(4−モルホリニル)−4,6−ピリミジンジアミン(1)、2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−(4−ピリジニル)−4−ピリミジンアミン(2)、メチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニル(メチル)カルバメート(3)、メチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニルカルバメート(4)、5−クロロ−2−(5−クロロチオフェン−2−スルホニルアミノ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミドナトリウム塩(6)、2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド(7)および4−({(4−カルボキシブチル)[2−(2−{[4−(2−フェニルエチル)ベンジル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル)安息香酸(5)からなるsGC刺激剤および活性化剤の群から選択される少なくとも1種のsGC刺激剤および活性化剤と、バルデナフィル(2−(2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イル−1−スルホニル)フェニル)−5−メチル−7−プロピル−3H−イミダゾ(5,1−f)(1,2,4)トリアジン−4−オン)、シルデナフィル(3−[2−エトキシ−5−(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル−フェニル]−7−メチル−9−プロピル−2,4,7,8−テトラザビシクロ[4.3.0]ノナ−3,8,10−トリエン−5−オン)、および、タダラフィル((6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレン−ジオキシフェニル)からなるPDE5阻害剤の群から選択される少なくとも1種のPDE5阻害剤の組合せの使用。
【0047】
可溶性グアニル酸シクラーゼの刺激剤および活性化剤が、2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−(4−モルホリニル)−4,6−ピリミジンジアミン(1)、
2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−(4−ピリジニル)−4−ピリミジンアミン(2)、メチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニル(メチル)カルバメート(3)、
メチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニルカルバメート(4)、5−クロロ−2−(5−クロロチオフェン−2−スルホニルアミノ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミドナトリウム塩(6)、2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド(7)、
および、
4−({(4−カルボキシブチル)[2−(2−{[4−(2−フェニルエチル)ベンジル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル)安息香酸(5)からなる化合物の群から選択される、上記の疾患の処置用の医薬組成物の製造方法。
【0048】
MED、特に軽度、中程度および重度のMEDからなる疾患の群に含まれる疾患を有する哺乳動物における可溶性グアニル酸シクラーゼの刺激および活性化のための、上記の医薬組成物の使用。
【0049】
MED、特に軽度、中程度および重度のMEDからなる疾患の群に含まれる疾患を有する哺乳動物における、可溶性グアニル酸シクラーゼの刺激および活性化のための、そして、PDE活性の制御のための、上記の医薬組成物の使用。
【0050】
MED、特に軽度、中程度および重度のMEDからなる疾患の群に含まれる疾患の処置用の、部分からなるキット。
【0051】
少なくともメチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニルカルバメート(4)および/または4−({(4−カルボキシブチル)[2−(2−{[4−(2−フェニルエチル)ベンジル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル)安息香酸(5)、および、少なくともシルデナフィル、タダラフィル、ウデナフィル、ダサンタフィル、アバナフィル、ミロデナフィル、ロデナフィル、UK369.003、UK371.800、SLx2101およびLAS34179、および、好ましくはバルデナフィル、または、上述のPDE5阻害剤の塩、水和物または塩の水和物を含有する、軽度、中程度および重度のMEDを含む男性の勃起不全の処置用の医薬組成物。
【0052】
単独での、そしてバルデナフィルとの組合せにおける、sGC刺激剤およびsGC活性化剤の効果を明らかにするために、実験を実施する。
【0053】
特に、単独での、そして、PDE5阻害剤、即ちバルデナフィルとの組合せにおける、sGC刺激剤およびsGC活性化剤、即ちBAY60−4552を、インビボで、PDE5阻害剤が無効である3つの動物モデル(実施例1、2、3、4)で試験した。加えて、単独での、そして、PDE5阻害剤、即ちバルデナフィルとの組合せにおける、sGC刺激剤およびsGC活性化剤、即ちBAY60−4552を、インビボで、血行動態作用について、覚醒している動物で試験した(実施例5)。
【0054】
sGC刺激剤およびsGC活性化剤、即ちBAY60−4552と、PDE5阻害剤、即ちバルデナフィルの組合せは、ウサギおよびラットのインビボモデルにおいて、PDE5阻害剤耐性のEDで有効である(実施例1、2、3、4、5)。
【0055】
sGC刺激剤およびsGC活性化剤、即ちBAY60−4552と、PDE5阻害剤、即ちバルデナフィルの組合せは、インビボのウサギおよびラットのPDE5阻害剤耐性のEDモデルで、相加を超える効果を示した(実施例3)。
【0056】
sGC刺激剤およびsGC活性化剤、即ちBAY60−4552は、単独の処置として、ウサギおよびラットの血圧の実質的な低下をもたらした。
【0057】
sGC刺激剤およびsGC活性化剤、即ちBAY60−4552と、PDE5阻害剤、即ちバルデナフィルの組合せは、ウサギおよびラットの血圧に、相加的作用または相加を超える作用を示さない(即ち、実施例5)。
【0058】
sGC刺激剤および活性化剤、即ちBAY60−4552と、PDE5阻害剤、即ちバルデナフィルの組合せは安全であり、バルデナフィルと同様の血行動態プロフィールを有する。
【0059】
本発明の好ましい実施態様は、2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−(4−モルホリニル)−4,6−ピリミジンジアミン(1)、2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−(4−ピリジニル)−4−ピリミジンアミン(2)、メチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニル(メチル)カルバメート(3)、メチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニルカルバメート(4)、5−クロロ−2−(5−クロロチオフェン−2−スルホニルアミノ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミドナトリウム塩(6)、2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド(7)、および/または、4−({(4−カルボキシブチル)[2−(2−{[4−(2−フェニルエチル)ベンジル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル)安息香酸(5)を含む群から選択される少なくとも1種のsGC刺激剤または活性化剤と、バルデナフィル、シルデナフィル、タダラフィル、ウデナフィル、ダサンタフィル、アバナフィル、ミロデナフィル、ロデナフィル、UK369.003、UK371.800、SLx2101およびLAS34179を含む群から選択されるPDE5阻害剤の組合せであって、該組合せは、0.1ないし1mgのsGC刺激剤または活性化剤および2.5ないし20mgのPDE5阻害剤を含む。
【0060】
本発明の他の好ましい実施態様は、sGC刺激剤がメチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニル(メチル)カルバメート(3)またはメチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニルカルバメートである請求項1に記載の組合せである。
【0061】
本発明の他の好ましい実施態様は、PDE5阻害剤がバルデナフィルまたはシルデナフィルである上記の組合せである。
本発明の他の好ましい実施態様は、医薬として使用するための請求項1ないし3に記載の組合せである。
本発明の他の好ましい実施態様は、男性性機能不全(MED)の処置用の医薬を製造するための、上記の組合せの使用である。
本発明の他の好ましい実施態様は、性機能不全(MED)において使用するための上記の組合せである。
【0062】
本発明の他の好ましい実施態様は、患者がPDE5阻害剤耐性である場合の男性性機能不全(MED)の処置用の医薬を製造するための、上記の組合せの使用である。
本発明の他の好ましい実施態様は、患者がPDE5阻害剤耐性である場合の男性性機能不全(MED)において使用するための、上記の組合せである。
本発明の他の好ましい実施態様は、少なくとも1種の上記の組合せを含む医薬製剤である。
本発明の他の好ましい実施態様は、男性性機能不全(MED)において使用するための、少なくとも1種の上記の組合せを含む医薬製剤である。
本発明の他の好ましい実施態様は、患者がPDE5阻害剤耐性である場合の男性性機能不全(MED)において使用するための、少なくとも1種の上記の組合せを含む医薬製剤である。
【実施例】
【0063】
実験の部:
実施例1
以前に記載された覚醒しているウサギEDモデル(Bischoff and Schneider 2001)を、勃起機能の調査のために使用した。簡潔に述べると:覚醒している雄のチンチラウサギ(3−4kg)を、試験化合物または媒体で、胃管を通して経口で処置し、続いて、経口投与の90分後にNO供与体のニトロプルシドナトリウム(SNP)を耳静脈に静脈注射した。SNP注射は、一般的なED集団およびPDE5非応答者のED集団に対応して、各々高用量の設定(0.2mg/kg SNP i.v)および低用量の設定(0.02mg/kg SNP i.v.)で行った。陰茎の長さを、SNPの注射後、5分間隔で定量した。試験化合物、即ち、媒体、PDE5阻害剤、即ちバルデナフィル、sGC刺激剤、即ちBAY60−4552、または、PDE5阻害剤、即ちバルデナフィルと、sGC刺激剤、即ちBAY60−4552の組合せの経口投与後に、勃起機能を測定した。
【0064】
PDE5耐性のED集団の低いNO/cGMP産生を反映するために、試験化合物の投与の90分後に耳静脈に注射するSNPの用量を、0.02mg/kg SNP i.v.まで、10倍減らした。高SNP用量を用いる以前の実験と対照的に、バルデナフィルは、他のPDE5阻害剤であるシルデナフィルおよびタダラフィル(示さない)と同様に、生理的に意味のある勃起をもたらせなかった。対照的に、3および10mg/kgのBAY60−4552は、NO供給が損なわれているにも拘わらず、ウサギにおいて生理的に意味のある勃起を誘導できた。これらの結果は、sGC刺激剤BAY60−4552は、低NO/cGMP条件を克服でき、PDE5耐性EDの処置に有用であり得ることを立証する(図1)。
【0065】
実施例2
1mg/kgバルデナフィル(これは、上述のモデルで効果がない)と、3mg/kgBAY60−4552の組合せを、実施例1に記載の低SNPモデルで試験した。これと、他の試験したsGC刺激剤とバルデナフィルの組合せは、陰茎の勃起に相加を超える効果をもたらす。バルデナフィル0.3mg/kgを、3、1、0.3.mg/kgBAY60−4552と組み合わせると、用量依存的な陰茎の勃起が誘導された(図2a)。加えて、バルデナフィル1mg/kgを、3、1、0.3および0.1mg/kgのBAY60−4552と組み合わせると、用量依存的な陰茎の勃起が誘導された(図2b)。1mg/kgバルデナフィルと0.1mg/kgBAY60−4552を含有するFDCは、依然として意味のある勃起をもたらし、それは、単独の処置としてのBAY60−4552(示さない)のものよりも高かった。これらのデータは、sGC刺激剤、即ちBAY60−4552と、PDE5阻害剤、即ちバルデナフィルの組合せの、陰茎の機能に対する相加を超える効果を示す。これらの結果は、また、単独のPDE5阻害剤またはsGC刺激剤もしくはsGC活性化剤の処置に対する優位性を示す。
【0066】
実施例3
陰茎の勃起を反映する陰茎海綿体内圧を、以前に記載された通りに測定した(Giuliano et al. 1993, Sandner 2008b)。簡潔に述べると:雄の Wistar ラット(150−250g)を、イソフルランで麻酔し、開腹後に、圧力カテーテルを海綿体に植え込み、電場刺激(EFS)のために海綿体神経を注意深く調製した。圧力トランスデューサー(MLT0698)により陰茎海綿体内圧を記録し、PowerLab(登録商標)システムで増幅および保存する。EDの誘導および試験化合物の投与のために、静脈カテーテルを大腿静脈に埋め込む。NOシンターゼを妨害するL−NAMEの注射(3mg/kgボーラスi.v)を実施し、EDを誘導した。L−NAME注射の10分後、試験化合物(プラセボ、BAY60−4552、バルデナフィルおよび組合せ)を投与した。
【0067】
最初の一連の実験では、L−NAMEはICPの上昇を妨害できた。10μg/kgのBAY60−4552によるFDCは、L−NAME−媒体群と比較すると、有意な効果をもたらした。30μg/kgの組合せは、相加を超える効果を示し、ICPから導かれるAUCを、非L−NAME処置対照で見られるよりも常に高めた(図3)。これらのデータは、BAY60−4552とバルデナフィルの組合せは、L−NAMEのED−モデルにおいて非常に有効であり、PDE5非応答者集団も反映する疾患モデルで勃起機能を完全に回復できることを立証した。これらのデータは、さらに、この処置が困難な患者において、上述の組合せが現在のEDの処置選択肢よりも実質的に有利であることを示す。
【0068】
実施例4
根治的前立腺切除後の患者は、海綿体神経が少なくとも部分的に破壊され、手術中に除去され、海綿体においてNOを産生し、cGMP上昇を誘導することができなくなるので、PDE5阻害剤に応答しない。麻酔したラットにおいてこの神経破壊を模倣し、PDE5阻害剤による処置に応答しないか、または完全には応答しない、処置が困難なED集団のEDモデルを作ることができる。
【0069】
両側性の神経挫滅は、偽手術動物と比較すると、有意な勃起不全をもたらした。PDE5阻害剤、即ちバルデナフィルと、sGC刺激剤、即ちBAY60−4552の組合せの投与は、これらの動物の完全な回復をもたらし、ICPは偽手術群と有意に異ならなかった。このモデル内で、同じ用量のPDE5阻害剤、即ち30μg/kgのバルデナフィルと、sGC刺激剤、即ち30μg/kgのBAY60−4552は、完全な回復をもたらした(図4)。これらのデータは、PDE5阻害剤、即ちバルデナフィルと、sGC刺激剤または/およびsGC活性化剤、即ちBAY60−4552の組合せは、海綿体神経の損傷後にも有意な勃起を誘導できることを示す。これらのデータは、さらに、この処置が困難な患者、即ち、前立腺切除後の患者において、上述の組合せが現在のEDの処置選択肢よりも実質的に有利であることを示す。
【0070】
実施例5
単独および組合せのバルデナフィル、BAY60−4552の血行動態的作用を、覚醒している雄のチンチラウサギにおいて、以前に記載された通りに注意深く分析した(Sandner 2008a)。簡潔に述べると、遠隔測定用インプラント(C50 PXT-DSI(登録商標))を使用した。シグナルをRMC1-DSI(登録商標)レシーバープレートで受け取り、PONEMAH(登録商標)生理学プラットフォームソフトウェアで編集し、分析した。
【0071】
PDE5阻害剤、即ちバルデナフィル(1mg/kg p.o.)の投与は、平均動脈圧のわずかな低下をもたらし(−4mmHg)、心拍数の増加を伴った(+14bpm)。単独のsGC刺激剤、即ちBAY60−4552は、用量依存的に、1、3および10mg/kgの用量で、各々−5、−11、−22mmHgの血圧の低下をもたらし、これは、+24、+51および+103bpmの心拍数の増加を伴った。PDE5阻害剤、即ちバルデナフィルと、sGC刺激剤、即ちBAY60−4552の組合せは、1+0.1および0.3+0.3mg/kgの組合せで、各々、−3および−4mmHgの血圧の低下および+7および+24bpmの心拍数の増加をもたらした。従って、ED機能におけるFDCの効力の増加は、バルデナフィルと比較して、血行動態の副作用を伴わなかった(図5)。
【0072】
実施例6
以前に記載された覚醒しているウサギのEDモデル(Bischoff and Schneider 2001)を、実施例1に記載の通りに勃起機能の調査に使用した。SNP注射は、PDE5阻害剤が完全に有効である一般的なED集団に対応する、高用量の設定(0.2mg/kg SNP i.v)で行った。陰茎の長さを、SNPの注射後、5分間隔で定量した。試験化合物、即ち、媒体、PDE5阻害剤、即ちバルデナフィル、または、PDE5阻害剤、即ちバルデナフィルと、sGC刺激剤、即ちBAY60−4552の組合せの経口投与後に、勃起機能を測定した。
【0073】
PDE5阻害剤、即ちバルデナフィル、および、PDE5阻害剤およびsGC刺激剤または活性化剤、即ちバルデナフィル+BAY60−4552は、同様の効力の範囲を示し、それは、これらの実験で見られた効果の上限であった。
【0074】
実施例7
実施例1および実施例6に記載の覚醒しているウサギのEDモデルを、応答者率の評価に使用した。SNP注射は、PDE5阻害剤が完全に有効である一般的なED集団に対応する、高用量の設定(0.2mg/kg SNP i.v)で行った。陰茎の長さを、SNPの注射後、5分間隔で定量した。「応答なし」を、SNP注射後の全観察期間で、5mmの陰茎の長さと定義した。PDE5阻害剤、即ちバルデナフィル、シルデナフィル、タダラフィル、または、sGC刺激剤またはsGC活性化剤、即ちBAY60−4552と、PDE5阻害剤、即ちバルデナフィルの組合せによる処置の後に、陰茎の長さを定量した。
【0075】
高SNPでのウサギEDモデル(PDE5阻害剤が有意な勃起を示す(図6))における初回の失敗を計測すると、併用療法を受けた群において有意に高い応答者率が測定された(表1)。
【0076】
実施例8
PDE5阻害剤「バルデナフィル」(錠剤製剤)の様々な単回用量の同時投与が、sGC刺激剤「BAY60−4552」(経口液剤)の単回経口用量の安全性、耐容性、薬物動態および薬力学に与える影響を調査するために、健康な男性の対象で第I相試験(#14441)を実施した。試験は、無作為化、単盲検、プラセボ対照、グループ比較、用量上昇の試験として設定した。5つの用量段階(DS)で、1.0mgのBAY60−4552を、2.5mg(DS1)、5.0mg(DS2)、10mg(DS3)および20mgのバルデナフィル(DS4)と同時投与し、DS5で、2.0mgのBAY60−4552を、20mgのバルデナフィルと同時投与した。各用量段階を、バルデナフィルおよびBAY60−4552の組合せで処置される9人の健康な男性の対象で実施し、3人をプラセボで各々処置した。
【0077】
今日までに、最大の同時投与用量は、2.0mgのBAY60−4552と20mgのバルデナフィルであった。5つの用量段階は、すべて、安全であり、良好に耐容された。死亡例はなかった。有害事象は、すべて、軽度または中程度であった。最も頻繁な治療により発現した薬物に関連する有害事象は、頭痛、紅潮、自発性の勃起、鼻閉、疲労、起立性の反応および眼内の圧迫感であった。これらの有害事象は、すべて、バルデナフィルまたはBAY60−4552を用いて実施された過去の試験において報告された。
【0078】
BAY60−4552とバルデナフィルの同時投与後、各用量段階で1回ないし2回の自発性の勃起が観察された。プラセボ処置後には、自発性の勃起は観察されなかった。自発性の勃起の発生率は、バルデナフィルまたはBAY60−4552のいずれの用量にも関連しなかった。プラセボと比較して、△心拍数(薬物摂取の1時間後)は、投与されたBAY60−4552またはバルデナフィルの用量と関係なく、約10回/分増加した(図a)。拡張期血圧に対する作用は図b)に示されており、主にBAY60−4552の投与量に関連した。図cは、cGMPレベルの変化を示す。sGC刺激剤とPDE5阻害剤の同時投与後に観察されたバイタルサインの変化の範囲は、5mg、10mgまたは20mgのバルデナフィルを単独で与えた場合よりも小さいか、または同等であった(試験#0094を参照)。
【0079】
心電図(ECG)、心拍数、血圧および臨床検査パラメーター、血液学および尿検査に、臨床的に意味のある変化はなかった。
【0080】
1mgまたは2mgのBAY60−4552と組み合わせたバルデナフィルは、2.5mgないし10mgの範囲で用量に比例するAUCおよびCmaxを示したが、比例的な曝露(exposure)よりもわずかに高いものが20mgのバルデナフィルのレベルで観察された。バルデナフィルは、急速に吸収され(中央値のtmax0.75ないし1時間)、3ないし5時間の半減期で排出された。BAY60−4552の曝露は、1mgないし2mgの用量をバルデナフィル(2.5mgないし20mg)と組み合わせて投与した後で、用量に比例して増加した。BAY60−4552は、0.5ないし1時間(中央値のtmax)後に最大血漿濃度に達し、13ないし14時間の半減期で排出された。同時投与後のバルデナフィルとBAY60−4552の曝露は、各化合物を単独で投与した後に収集された背景のデータと一致した。これは、バルデナフィルもBAY60−4552も、関与する代謝酵素の阻害剤または誘発剤ではないという事実に基づく、両化合物間に薬物動態的相互作用がないという予想を支持する。BAY60−4552の薬物動態は、時間線形である。
【0081】
これまでの研究は、別個および単回投与の2.0mgのBAY60−4552と、単回投与の20mgのバルデナフィルは、各々、心拍数および血圧に臨床的に意味のある作用がないことを示した。同時投与のBAY60−4552とバルデナフィル(ラット、ウサギ)についての前臨床データに基づき、高用量でさえ、心血管系に対する作用は少なく、臨床的に意味のあるものではないと予想される。
【0082】
参考文献:
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【図面の簡単な説明】
【0083】
表1:高SNP(0.2mg/kgi.v.)ウサギEDモデルにおいて、PDE5阻害剤のバルデナフィル、シルデナフィル、タダラフィルおよび組合せに応答しない動物の数。
【図1】図1:雄の覚醒しているウサギの陰茎の勃起に対するPDE5阻害剤バルデナフィル□(1mg/kgp.o.)およびsGC刺激剤BAY60−4552(■3mg/kgおよび□10mg/kgp.o.)のNO依存的効力。
【図2A】図2A:覚醒している雄のウサギにおける低SNP(0.02mg/kgi.v.)での陰茎の勃起に対する、PDE5阻害剤バルデナフィル、シルデナフィル、タダラフィル、sGC刺激剤BAY60−4552およびバルデナフィルとBAY60−4552の組合せの効果。
【図2B】図2B:覚醒している雄のウサギにおける低SNP(0.02mg/kgi.v.)での陰茎の勃起に対する、PDE5阻害剤バルデナフィル、シルデナフィル、タダラフィル、sGC刺激剤BAY60−4552およびバルデナフィルとBAY60−4552の組合せの効果。
【図3】図3:L−NAME処置した麻酔したEDのラットの陰茎海綿体内圧(ICP)に対する、BAY60−4552およびバルデナフィルの固定用量の組合せ(0.03mg/kgのバルデナフィルi.v.+各々0.03または0.01mg/kgのBAY60−4552i.v.)の効果。データは、平均+SEMである。
【図4】図4:麻酔した両側性海綿体神経挫滅に誘導されるEDのラットにおける、漸増する刺激周波数の海綿体神経の刺激により誘発される勃起反応に対する、BAY60−4552およびバルデナフィルの固定用量の組合せ(0.03mg/kgのBAY60−4552i.v.+0.03mg/kgのバルデナフィルi.v.)の効果。データは、平均+SEMである。
【図5】図5:心拍数(上のパネル)および平均動脈圧(下のパネル)に対する、媒体(プラセボ)、PDE5阻害剤バルデナフィル、sGC刺激剤BAY60−4552およびバルデナフィルとBAY60−4552の組合せ[mg/kg p.o.]の作用。データは、平均+SEMである。
【図6】図6:覚醒している雄のウサギの高SNP(0.2mg/kg i.v.)での陰茎の勃起に対するPDE5阻害剤バルデナフィルおよびシルデナフィル、並びにバルデナフィルとBAY60−4552の組合せの効果。
【図7】図7:心拍数の変化(ベースラインと比較)。心拍数は、1分間のECG間隔から手動で算出した。
【図8】図8:拡張期血圧の変化(ベースラインと比較)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−(4−モルホリニル)−4,6−ピリミジンジアミン(1)、2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−(4−ピリジニル)−4−ピリミジンアミン(2)、メチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニル(メチル)カルバメート(3)、メチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニルカルバメート(4)、5−クロロ−2−(5−クロロチオフェン−2−スルホニルアミノ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミドナトリウム塩(6)、2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド(7)、および/または、4−({(4−カルボキシブチル)[2−(2−{[4−(2−フェニルエチル)ベンジル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル)安息香酸(5)を含む群から選択される少なくとも1種のsGC刺激剤または活性化剤と、バルデナフィル、シルデナフィル、タダラフィル、ウデナフィル、ダサンタフィル、アバナフィル、ミロデナフィル、ロデナフィル、UK369.003、UK371.800、SLx2101およびLAS34179を含む群から選択されるPDE5阻害剤の組合せであって、0.1ないし1mgのsGC刺激剤または活性化剤および2.5ないし20mgのPDE5阻害剤を含む組合せ。
【請求項2】
sGC刺激剤が、メチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニル(メチル)カルバメート(3)またはメチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニルカルバメート(4)である、請求項1に記載の組合せ。
【請求項3】
PDE5阻害剤がバルデナフィルまたはシルデナフィルである、請求項1または請求項2に記載の組合せ。
【請求項4】
医薬として使用するための、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の組合せ。
【請求項5】
男性性機能不全(MED)の処置用の医薬を製造するための、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の組合せの使用。
【請求項6】
性機能不全(MED)において使用するための、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の組合せ。
【請求項7】
患者がPDE5阻害剤耐性である場合の男性性機能不全(MED)の処置用の医薬を製造するための、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の組合せの使用。
【請求項8】
患者がPDE5阻害剤耐性である場合の男性性機能不全(MED)において使用するための、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の組合せ。
【請求項9】
少なくとも1種の請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の少なくとも1種の組合せを含む医薬製剤。
【請求項10】
男性性機能不全(MED)において使用するための、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の少なくとも1種の組合せを含む医薬製剤。
【請求項11】
患者がPDE5阻害剤耐性である場合の男性性機能不全(MED)において使用するための、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の少なくとも1種の組合せを含む医薬製剤。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−515176(P2012−515176A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545666(P2011−545666)
【出願日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際出願番号】PCT/EP2010/000029
【国際公開番号】WO2010/081647
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(507113188)バイエル・ファルマ・アクチェンゲゼルシャフト (141)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Pharma Aktiengesellschaft
【Fターム(参考)】