説明

動き検出回路

【課題】色信号が1フレームで大きく移動し、2フレーム後には2フレーム前と同じ位置に戻るような場合にも正確に動きを検出できるようにする。
【解決手段】色信号の差分信号を検出する色差分検出手段(12)を、入力画像データ(Va0)を入力とする水平BPF(1211)と、遅延画像データ(Vb0)を入力とする水平BPF(1212)と、一方の水平BPFの出力の位相を反転し(1215)、他方の水平BPFの出力から減算する色差分抽出手段(121)と、絶対値演算手段(1221)と前置フィルタ(1222)とROM(1223)からなる感度変換手段(122)から構成したことで、例えば、色信号が1フレームで大きく移動し、2フレーム後には2フレーム前と同じ位置に戻るような場合でも、色信号の動きを検出できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動き適応型3次元Y/C分離回路に用いられる動き検出回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばNTSC方式の3次元Y/C分離回路に用いられる従来の動き検出回路においては、現フレームの映像信号と1フレーム期間前の映像信号との差分から輝度の差分を求め、現フレームの映像信号と2フレーム期間前の映像信号との差分から輝度と色の差分を求め、これらの差分信号を基に動き検出信号を合成していた。その一例として下記の特許文献1に記載された動き検出回路においては、現フレームの映像信号と2フレーム期間前の映像信号との差分を動き量として検出し、現フレームの映像信号と2フレーム期間前の映像信号との間にエッジ信号の相関があるとき、現フレームの映像信号のエッジ信号のレベルに基づいて2フレーム間の動き量を制御し、この制御された動き量を2フレーム間の動き量とし、この2フレーム間の動き量と、映像信号と1フレーム期間前の映像信号との差分から求められる動き量との大きい方を動き量として出力する。また、下記の特許文献2に記載された動き検出回路においては、現フレームの映像信号と1フレーム期間前の映像信号との差分から低域周波数成分の動き量を検出する第1の動き量検出器と、現フレームの映像信号と2フレーム期間前の映像信号との差分から2フレーム間における動き量を検出する第2の動き量検出器とを有し、第1の動き量検出器で検出された動き量と第2の動き量検出器で検出された動き量のうちの大きい方を出力する。第2の動き量検出器においては、2フレーム間の差分を2サンプリングパルスの周期の期間遅延させ、2フレーム間の差分と、該2サンプリングパルスの周期遅延された信号とを、2サンプリングパルスの周期毎に選択して出力している。
【0003】
【特許文献1】特開平7−322285号公報(0007〜0021、第1図)
【特許文献2】特開平7−298290号公報(0007〜0019、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように1フレーム差分から輝度の差分を求め、2フレーム差分から輝度と色の差分を求める動き検出方法は、主にNTSC方式のテレビジョン信号が2フレームで色位相が同位相となる性質上、順当な方法である一方、色の差分を検出するために2フレームの時間差を要するため、色信号の1フレーム時間差信号を検出できず、色信号が1フレームで大きく移動し、2フレーム後には2フレーム前と同じ位置に戻るような場合、動きを検出できず、画像が崩れるという問題がある。
【0005】
以上NTSC方式について述べたが、他の方式例えばPAL方式にも同様の問題がある。即ち、PAL方式の場合には、色信号2フレーム時間差信号を検出できず、色信号が2フレームで大きく移動し、4フレーム後には4フレーム前と同じ位置に戻る場合に動きが検出できないと言う問題がある。
【0006】
本発明の目的は、3次元Y/C分離回路の動き検出回路において、色信号のαフレーム(NTSC方式の場合にはα=1、PAL方式の場合にはα=2)の時間差信号を検出できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の動き検出回路は、
入力映像信号と、前記入力映像信号を所定数のフレーム期間遅延した第1の遅延信号と、前記所定数の2倍のフレーム期間遅延した第2の遅延信号とを入力し、
前記入力映像信号及び前記第1の遅延信号から輝度信号の差分を検出する輝度差分検出手段と、
前記入力映像信号及び前記第1の遅延信号から色信号の差分を検出する色差分検出手段と、
前記入力映像信号及び前記第2の遅延信号から輝度信号と色信号の差分を検出する色輝度差分検出手段と、
前記輝度差分検出手段の出力と前記色差分検出手段の出力と前記色輝度差分検出手段の出力を合成する合成手段と、
前記入力映像信号及び前記第1の遅延信号から画像におけるエッジの有無を判定するエッジ検出手段と、
前記入力映像信号、前記第1の遅延信号及び前記第2の遅延信号からフレーム間において輝度信号が静止しているか否かを判定する静止判定手段とを備え、
前記輝度差分検出手段における検出感度が前記エッジ判定手段による判定結果に応じて調整され、
前記色差分検出手段における検出感度が、前記エッジ判定手段による判定結果及び前記静止判定手段による判定結果に応じて調整され、
前記色輝度差分検出手段は、その検出感度を、前記エッジ判定手段による判定結果及び前記静止判定手段による判定結果に応じて調整するか、所定の色輝度差分検出用傾き設定値とするかの選択が可能である
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、3次元Y/C分離回路の動き検出回路において、色信号のαフレーム(NTSC方式の場合にはα=1、PAL方式の場合にはα=2)の時間差信号を検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1の動き検出回路を示すブロック図である。動き検出回路1は、入力映像信号例えば複合カラーテレビジョン信号(入力画像データ)Va0と、入力画像データをαフレーム期間(NTSC方式の場合にはα=1、PAL方式の場合にはα=2)遅延した第1の遅延信号(第1の遅延画像データ)Vb0と、第1の遅延画像データVb0をαフレーム期間遅延した、即ち入力画像データを2αフレーム期間遅延した第2の遅延信号(第2の遅延画像データ)Vc0とを入力するものであり、輝度差分検出手段11と、色差分検出手段12と、色輝度差分検出手段13と、最大値回路16と、時空間拡大手段17と、エッジ検出手段14と、静止判定手段15とを備える。
【0010】
輝度差分検出手段11は、入力画像データVa0及び第1の遅延画像データVb0から輝度信号の差分を検出し、差分を表す輝度差分信号DFyを出力する。
色差分検出手段12は、入力画像データVa0及び第1の遅延画像データVb0から色信号の差分を検出し、差分を表す色差分信号DFcを出力する。
色輝度差分検出手段13は、入力画像データVa0及び第2の遅延画像データVc0から輝度信号及び色信号の差分を検出し、差分を表す色輝度差分信号DFycを出力する。
最大値回路16は、輝度差分信号DFy、色差分信号DFc、及び色輝度差分信号DFycを受け、これらの最大値を出力する。
時空間拡大手段17は、最大値回路16から出力される差分信号を時間方向及び空間方向に拡大し、動き信号MVSを出力する。
【0011】
エッジ検出手段14は、入力画像データVa0及び第1の遅延画像データVb0から画像におけるエッジの有無を判定する。
静止判定手段15は、入力画像データVa0、第1の遅延画像データVb0及び第2の遅延画像データVc0からフレーム間において輝度信号が静止しているか否かを判定する。
輝度差分検出手段11における検出感度は、エッジ判定結果14による判定結果に応じて調整される。
色差分検出手段12及び色輝度差分検出手段13における検出感度は、エッジ判定手段14による判定結果及び静止判定手段15による判定結果に応じて調整される。
【0012】
図2は、図1に示される輝度差分検出手段11の一例を示す。
図示の輝度差分検出手段11は、輝度差分抽出手段111と、感度変換手段112と、孤立点除去手段113と、傾き設定手段114とを備える。
【0013】
輝度差分抽出手段111は、入力画像データVa0の低域成分を抽出する水平低域通過フィルタ(水平LPF)1111と、第1の遅延画像データVb0の低域成分を抽出する水平低域通過フィルタ(水平LPF)1112と、水平LPF1112の出力を水平LPF1111の出力から減算する減算回路1113とを備える。
【0014】
感度変換手段112は、絶対値回路1121と、前置フィルタ1122と、ROM(リード・オンリー・メモリー)1123とを備える。
絶対値化回路1121は、輝度差分抽出手段111の出力信号を絶対値化し、絶対値化輝度差分信号ADyを出力する。
前置フィルタ1122は、絶対値化輝度差分信号ADyに存在する高周波ノイズ成分を除去し、フィルタリングされた絶対値化輝度差分信号FADyを出力する。
【0015】
ROM1123は、感度切片設定信号SXy及び傾き設定信号SGyに従って前置フィルタ1122の出力信号FADyに対して感度変換を行う。
【0016】
図3は前置フィルタ1122の一例を示す。前置フィルタ1122は、上記のように、絶対値化された輝度差分信号に存在する高周波ノイズ成分を除去するものであるが、複数の動作モードのいずれが選択可能であり、また高周波ノイズ成分を除去せず、入力をそのまま出力するモードで動作させることも可能である。
【0017】
図示の前置フィルタ1122は、第1の遅延手段2221と、第2の遅延手段2222と、低域通過フィルタ(水平LPF)2223と、中間値回路2224と、最大値回路2225と、選択手段2226とを備える。
【0018】
第1の遅延手段2221は、絶対値回路1121からの信号(絶対値化差分データ)ADyを1画素期間遅延し、第2の遅延手段2222は第1の遅延手段2221の出力を1画素期間遅延する。
【0019】
水平LPF2223は絶対値回路1121からの信号(絶対値化差分データ)ADy、第1の遅延手段2221の出力、第2の遅延手段2222の出力の3つを入力とし、絶対値差分データの低域成分を出力する。
中間値回路2224は絶対値回路1121からの信号(絶対値化差分データ)ADy、第1の遅延手段2221の出力、第2の遅延手段2222の出力の3つを入力とし、上記の3つの入力信号の中間値を出力する。
最大値回路2225は絶対値回路1121からの信号(絶対値化差分データ)ADy、第1の遅延手段2221の出力、第2の遅延手段2222の出力の3つを入力とし、上記の3つの入力信号の最大値を出力する。
【0020】
選択手段2226は、第1の遅延手段2221の出力と、水平LPF2223の出力と、中間値回路2224の出力と、最大値回路2225の出力とを入力し、前置フィルタ選択信号SPFyの値に応じて、いずれかを選択して出力する。
【0021】
例えば前置フィルタ選択信号SPFyが4つの値“00”、“01”、“10”、“11”のいずれかを取り得るものであり、“00”のときは第1の遅延手段2221の出力を選択し、“01”のときは水平LPF2223の出力を選択し、“10”のときは中間値回路2224の出力を選択し、“11”のときは最大値回路2225の出力を選択し、選択された信号を前置フィルタ1122の出力信号FADyとして出力する。前置フィルタ選択信号SPFyの値は、例えば使用者の好みに応じて、予め設定され、或いは別途用意されるものである。
【0022】
ROM1123は、例えば図4に示す入出力特性を有する。図4に示される入出力特性は、感度切片Xsy及び感度傾きGryにより定義されるものである。
感度切片Xsyは、例えば予め設定され、或いは別途用意される感度切片設定信号SXyにより設定され、感度傾きGryは、例えば傾き設定手段114から供給される傾き設定信号SGyにより設定される。
【0023】
傾き設定手段114は、エッジ検出手段14から出力されるエッジ信号EDGに応じて、検出されたエッジのレベルが大きいものであればあるほど、感度傾きGryがより小さな値となるように傾き設定信号SGyが調整される。これは一般的にエッジ部分では、動き信号と誤検出しやすいため、エッジが検出されたときは(エッジのレベルが大きいほど)、差分検出の感度を下げる方向に調整することとしているのである。
【0024】
図示の傾き設定手段114は、選択手段1141を備える。選択手段1141は、予め設定され、或いは別途用意される第1乃至第4の傾き設定信号SGy0〜SGy3のいずれかを選択して、傾き設定信号SGyとしてROM1123に供給する。
第1乃至第4の傾き設定信号SGy0〜SGy3で指定される感度傾きGry0〜Gry3は互いに異なり、例えば
Gry0<Gry1<Gry2<Gry3
の関係を有する。
例えば、エッジ信号EDGにより示されるエッジのレベルが大きいものであるほど、感度傾きGryがより小さな値となるように、傾き設定信号SGy0〜SGy3の選択が行われる。
【0025】
なお、図4では入出力特性が連続した直線で表されているが、例えばROM1123への入力信号が8ビットの場合には0〜255の値が、10ビットの場合は0〜1023の値が、出力信号0〜8へ変換される。
【0026】
孤立点除去手段113は、各画素についての入力(感度変換手段112の出力)の値を、当該各画素の周囲の画素についての入力の値と比較し、各画素(現画素)についての入力の値が周囲の画素についての入力の値と異なり孤立している場合に各画素についての入力の値を周囲の画素についての入力の値に合せるように変更して出力する。例えば、前後4画素ずつと比較し、中心画素のみが大きい場合、例えば、中心画素のみが他と比べて2倍以上の大きさを有する場合には、中心画素を1/2にし、中心画素のみ小さい場合、例えば、中心画素のみが他と比べて1/2以下の大きさしか持たない場合には、中心画素を2倍にする。なお、孤立点除去手段113を省略して、感度変換手段112の出力をそのまま輝度差分検出手段11の出力としても良い。
【0027】
図5は、図1に示される色差分検出手段12の一例を示す。
図示の色差分検出手段12は、色差分抽出手段121と、感度変換手段122と、水平拡大手段123と、傾き設定手段124とを備える。
【0028】
輝度差分抽出手段121は、入力画像データVa0の帯域成分を抽出する水平帯域通過フィルタ(水平BPF)1211と、第1の遅延画像データVb0の帯域成分を抽出する水平帯域通過フィルタ(水平BPF)1212と、水平BPF1212の出力の符号を反転する反転回路1215と、反転回路1215の出力を水平BPF1211の出力から減算する減算回路1213とを備える。
【0029】
感度変換手段122は、絶対値回路1221と、前置フィルタ1222と、ROM1223とを備える。
絶対値化回路1221は、色差分抽出手段121の出力信号を絶対値化し、絶対値化色差分信号ADcを出力する。
前置フィルタ1222は、絶対値化色差分信号ADcに存在する高周波ノイズ成分を除去し、フィルタリングされた絶対値化色差分信号FADcを出力する。
【0030】
ROM1223は、感度切片設定信号SXc及び傾き設定信号SGcに従って前置フィルタ1222の出力信号FADcに対して感度変換を行う。
【0031】
前置フィルタ1222は、図3に示される前置フィルタ1122と同様に構成される。ただし、絶対値化回路1121の出力ADyの代わりに、絶対値化回路1221の出力ADcが供給され、前置フィルタ選択信号SPFyの代わりに、前置フィルタ1222のための前置フィルタ選択信号SPFcが供給される。
【0032】
ROM1223は、図2のROM1123と同様に構成されており、その入出力特性は図4に示すのと同様のものである。但し、感度切片Xsy及び感度傾きGryの代わりに、感度切片Xsc及び感度傾きGrcにより入出力特性が定義され、これらの設定のため、感度切片設定信号SXy及び傾き設定信号SGyの代わりに感度切片設定信号SXc及び傾き設定信号SGcが供給される。感度切片設定信号SXcは、例えば予め設定され、或いは別途用意されるものであり、傾き設定信号SGcは例えば傾き設定手段124から供給される。
【0033】
傾き設定手段124は、静止判定回路15から出力されるフレーム間静止輝度信号STL及びエッジ検出手段14から出力されるエッジ信号EDGに応じて、傾き設定信号SGcを出力する。
例えば、フレーム間静止輝度信号STLがフレーム間において輝度信号が静止していることを示す値(例えば“1”)を取るときは、傾きGrc=ゼロを指定する傾き設定信号SGcを出力する(これにより色差分検出手段12の出力は0となる)。フレーム間静止輝度信号STLがフレーム間において輝度信号が静止していないことを示す値(例えば“0”)を取るときは、エッジ信号EDGにより示されるエッジのレベルが大きいものであるほど、感度傾きGrcがより小さな値となるように、傾き設定信号SGcが調整される。これは、輝度差分検出手段11の傾き設定手段114について述べたのと同様、一般的にエッジ部分では、動き信号と誤検出しやすいため、エッジが検出されたときは、エッジのレベルが大きいほど、差分検出の感度を下げる方向に調整することとしているのである。
【0034】
図示の傾き設定手段124は、選択手段1241と、設定値記憶手段1242と、選択手段1243とを備える。
選択手段1241は、予め設定され、或いは別途用意される第1乃至第4の傾き設定信号SGc0〜SGc3のいずれかを選択して、選択された傾き設定信号SGceを出力する。
第1乃至第4の傾き設定信号SGc0〜SGc3の一つ、例えば第1の傾き設定信号SGc0は傾きゼロを指定するものである。また、第1乃至第4の傾き設定信号SGc0〜SGc3で指定される感度傾きGrc0〜Grc3は互いに異なり、例えば
Grc0<Grc1<Grc2<Grc3
の関係を有する。
例えば、エッジ信号EDGにより示されるエッジのレベルが大きいものであるほど、感度傾きGrcがより小さな値となるように、傾き設定信号SGc0〜SGc3の選択が行われる。
【0035】
設定値記憶手段1242は、所定の傾き設定値(色差分検出用傾き設定値)SGc4を記憶する。この傾き設定値SGc4は、予め設定され、或いは別途用意されるものであり、例えばユーザが設定値SGc4を入力乃至変更することも可能とすることができる。
選択手段1243は、選択手段1241の出力SGceと、設定値記憶手段1242に記憶された傾き設定値SGc4を表す第5の傾き設定信号SGc4(便宜上、傾き設定値自体と同じ符号で表す)とを入力とし、傾き選択信号SSGcの値に応じて、いずれかを選択して、選択された傾き設定信号SGcとしてROM1223に供給する。
第5の傾き設定信号SGc4で指定される感度傾きGrc4は、第1乃至第4の傾き設定信号SGc0〜SGc3で指定される感度傾きGrc0〜Grc3よりも大きい値とするのが望ましい。この場合、
Grc4>Grc3>Grc2>Grc1>Grc0
の関係がある。
傾き選択信号SSGcの値は、例えば図示しないレジスタに格納されたものであり、例えば使用者の好みに応じて、予め設定されるもの、或いは別途用意されるものである。
【0036】
フレーム間静止輝度信号STLがフレーム間において輝度信号が静止していることを示す値(例えば“1”)を取るときは、選択手段1241は、傾きGrc=ゼロを指定する第1の傾き設定信号SGc0を選択する。
フレーム間静止輝度信号STLがフレーム間において輝度信号が静止していないことを示す値(例えば“0”)を取るときは、エッジ信号EDGにより示されるエッジのレベルが大きいものであるほど、感度傾きGrcがより小さな値となるように、選択手段1241による傾き設定信号SGc0〜SGc3の選択が行われる。
【0037】
水平拡大手段123は、感度変換手段122から出力される動き信号を水平方向に拡大する。なお、水平拡大手段123を省略して、感度変換手段122の出力をそのまま色差分検出手段12の出力としても良い。
【0038】
図6は、図1に示される色輝度差分検出手段13の一例を示す。
図示の色輝度差分検出手段13は、色差分抽出手段131と、感度変換手段132と、水平拡大手段133と、傾き設定手段134とを備える。
【0039】
色輝度差分抽出手段131は、第2の遅延画像データVc0を入力画像データVa0から減算する減算回路1313を備える。
【0040】
感度変換手段132は、絶対値回路1321と、前置フィルタ1322と、ROM1323とを備える。
絶対値化回路1321は、輝度差分抽出手段131の出力信号を絶対値化し、絶対値化色輝度差分信号ADycを出力する。
前置フィルタ1322は、絶対値化色輝度差分信号ADycに存在する高周波ノイズ成分を除去し、フィルタリングされた絶対値化色輝度差分信号FADycを出力する。
【0041】
ROM1323は、感度切片設定信号SXyc及び傾き設定信号SGycに従って前置フィルタ1322の出力信号FADycに対して感度変換を行う。
【0042】
前置フィルタ1322は、図3に示される前置フィルタ1122と同様に構成される。ただし、絶対値化回路1121の出力ADyの代わりに、絶対値化回路1321の出力ADycが供給され、前置フィルタ選択信号SPFyの代わりに、前置フィルタ1322のための前置フィルタ選択信号SPFyc(図示しない)が供給される。
【0043】
ROM1323は、図2のROM1123と同様に構成されており、その入出力特性は図4に示すものと同様のものである。但し、感度切片Xsy及び感度傾きGryの代わりに、感度切片Xsyc及び感度傾きGrycにより入出力特性が定義され、これらの設定のため、感度切片設定信号SXy及び傾き設定信号SGyの代わりに感度切片設定信号SXyc及び傾き設定信号SGycが供給される。感度切片設定信号SXycは、例えば予め設定され、或いは別途用意されるものであり、傾き設定信号SGycは例えば傾き設定手段134から供給される。
【0044】
傾き設定手段134は、静止判定回路15から出力されフレーム間静止輝度信号STL及びエッジ検出手段14から出力されるエッジ信号EDGに応じて、傾き設定信号SGycを出力する。
例えば、フレーム間静止輝度信号STLがフレーム間において輝度信号が静止していることを示す値(例えば“1”)を取るときは、傾きGryc=ゼロを指定する傾き設定信号SGycを出力する(これにより色輝度差分検出手段13の出力は0となる)。フレーム間静止輝度信号STLがフレーム間において輝度信号が静止していないことを示す値(例えば“0”)を取るときは、エッジ信号EDGにより示されるエッジのレベルが大きいものであるほど、感度傾きGrycがより小さな値となるように、傾き設定信号SGycが調整される。これは、輝度差分検出手段11の傾き設定手段114について述べたのと同様、一般的にエッジ部分では、動き信号と誤検出しやすいため、エッジが検出されたときは、エッジのレベルが大きいほど、差分検出の感度を下げる方向に調整することとしているのである。
【0045】
図示の傾き設定手段134は、選択手段1341と、設定値記憶手段1342と、選択手段1343とを備える。
選択手段1341は、予め設定され、或いは別途用意される第1乃至第4の傾き設定信号SGyc0〜SGyc3のいずれかを選択して、傾き設定信号SGyceを出力する。
第1乃至第4の傾き設定信号SGyc0〜SGyc3の一つ、例えば第1の傾き設定信号SGyc0は傾きゼロを指定するものである。また、第1乃至第4の傾き設定信号SGyc0〜SGyc3で指定される傾きGryc0〜Gyyc3は互いに異なり、例えば
Gryc0<Gryc1<Gryc2<Gryc3
の関係を有する。
例えば、エッジ信号EDGにより示されるエッジのレベルが大きいものであるほど、感度傾きGrycがより小さな値となるように、傾き設定信号SGyc0〜SGyc3の選択が行われる。
【0046】
設定値記憶手段1342は、所定の傾き設定値(色輝度差分検出用傾き設定値)SGyc4を記憶する。この傾き設定値SGyc4は、予め設定され、或いは別途用意されるものであり、例えばユーザが設定値SGyc4を入力乃至変更することも可能とすることができる。
選択手段1343は、選択手段1341の出力SGyceと、設定値記憶手段1342に記憶された傾き設定値SGyc4を表す第5の傾き設定信号SGyc4(便宜上、傾き設定値自体と同じ符号で表す)とを入力とし、傾き選択信号SSGycの値に応じて、いずれかを選択して、選択された傾き設定信号SGycとしてROM1323に供給する。
第5の傾き設定信号SGyc4で指定される感度傾きGryc4は、第1乃至第4の傾き設定信号SGyc0〜SGyc3で指定される感度傾きGryc0〜Gryc3よりも大きい値とするのが望ましい。この場合、
Gryc4>Gryc3>Gryc2>Gryc1>Gryc0
の関係がある。
傾き選択信号SSGycの値は、例えば図示しないレジスタに格納されたものであり、例えば使用者の好みに応じて、予め設定されるもの、或いは別途用意されるものである。
【0047】
フレーム間静止輝度信号STLがフレーム間において輝度信号が静止していることを示す値(例えば“1”)を取るときは、選択手段1341は、傾きGryc=ゼロを指定する第1の傾き設定信号SGyc0を選択する。
フレーム間静止輝度信号STLがフレーム間において輝度信号が静止していないことを示す値(例えば“0”)を取るときは、エッジ信号EDGにより示されるエッジのレベルが大きいものであるほど、感度傾きGrycがより小さな値となるように、選択手段1341による傾き設定信号SGyc0〜SGyc3の選択が行われる。
【0048】
水平拡大手段133は、感度変換手段132から出力される動き信号を水平方向に拡大する。なお、水平拡大手段133を省略して、感度変換手段132の出力をそのまま色輝度差分検出手段13の出力としても良い。
【0049】
図7は、図1に示されるエッジ検出手段14の一例を示す。図示のエッジ検出手段14には、入力画像データVa0及び第2の遅延画像データVc0を入力とし、これらにおけるエッジデータを抽出する。
図示のエッジ検出手段14は、第1乃至第4のライン遅延手段140a、140b、140c、140dと、第1及び第2の垂直LPF141a、141bと、第1乃至第6の水平LPF143a、143b、143c、143d、143e、143fと、第1乃至第4の遅延手段142a、142b、142c、142dと、第1及び第2の水平差分演算部144a、144cと、第1及び第2の垂直差分演算部144b、144dと、第1乃至第4のROM145a、145b、145c、145dと、第1及び第2の水平拡大手段146a、146bと、エッジ合成手段147とを有する。
【0050】
入力画像データVa0は、第1及び第2のライン遅延手段140a、140bでそれぞれ所定ライン(例えば、NTSC方式では1ライン、PAL方式では2ライン)遅延される。
垂直LPF141aは、入力画像データVa0と第1のライン遅延手段140aの出力と第2のライン遅延手段140bの出力を入力とし、垂直方向にフィルタリングを行い、低域成分、即ち輝度成分を抽出する。
【0051】
垂直LPF141aの出力FVa00は、第1の遅延手段142aにより所定数(例えば1個)の画素の期間遅延され、第2の遅延手段142bによりさらに所定数(例えば1個)の画素の期間遅延され、垂直LPF141aの出力FVa00、第1の遅延手段142aの出力FVa01、及び第2の遅延手段142bの出力FVa02は第1の水平差分演算部144aに入力される。
【0052】
第1の水平差分演算部144aは、垂直LPF141a、並びに第1及び第2の遅延手段142a、142bの出力を用いて水平差分を抽出することで水平エッジを抽出する。
【0053】
入力画像データVa0、第1のライン遅延手段140aの出力、第2のライン遅延手段140bの出力はまたそれぞれ、第1乃至第3の水平LPF143a、143b、143cに入力される。
第1乃至第3の水平LPF143a、143b、143cは、水平方向の低域成分を抽出するためのフィルタリングを行う。
【0054】
第1乃至第3の水平LPF143a、143b及び143cの出力FVa0、FVa1、FVa2はそれぞれ第1の垂直差分演算部144bに入力される。
第1の垂直差分演算部144bは、第1乃至第3の水平LPF143a、143b、143cの出力を用いて垂直差分を抽出し垂直エッジを抽出する。
【0055】
第1の遅延画像データVb0は、第3及び第4のライン遅延手段140c、140dでそれぞれ所定ライン(例えば、NTSC方式では1ライン、PAL方式では2ライン)遅延される。
垂直LPF141bは、第1の遅延画像データVb0と第3のライン遅延手段140cの出力と第4のライン遅延手段140dの出力を入力とし、垂直方向にフィルタリングを行い、低域成分、即ち輝度成分を抽出する。
【0056】
垂直LPF141bの出力FVb00は、第3の遅延手段142cにより所定数(例えば1個)の画素の期間遅延され、第4の遅延手段142dによりさらに所定数(例えば1個)の画素の期間遅延され、垂直LPF141bの出力FVb00、第3の遅延手段142cの出力FVb01、及び第4の遅延手段142dの出力FVb02は第2の水平差分演算部144cに入力される。
【0057】
第2の水平差分演算部144cは、垂直LPF141bの出力、並びに第3及び第4の遅延手段142c、142dの出力を用いて水平差分を抽出することで水平エッジを抽出する。
【0058】
第1の遅延画像データVb0、第3のライン遅延手段140cの出力、第4のライン遅延手段140dの出力はまたそれぞれ、第4乃至第6の水平LPF143d、143e、143fに入力される。
第4乃至第6の水平LPF143d、143e、143fは、水平方向の低域成分を抽出するためのフィルタリングを行う。
【0059】
第4乃至第6の水平LPF143d、143e及び143fの出力FVb0、FVb1、FVb2はそれぞれ第2の垂直差分演算部144dに入力される。
第2の垂直差分演算部144dは、第4乃至第6の水平LPF143d、143e、143fの出力を用いて垂直差分を抽出し、垂直エッジを抽出する。
【0060】
図8は、第1の水平差分演算部144aの一例を示す。図示の第1の水平差分演算部144aは、第1及び第2の減算回路1443a、1444a、最大値回路1445a、平均値回路1446a、及び選択回路1447aを備える。
【0061】
第1の減算回路1443aは、第1の遅延手段142aの出力FVa01から第2の遅延手段142bの出力FVa02を減じた値を出力する。
第2の減算回路1444aは、第1の遅延手段142aの出力FVa01から第1の垂直LPF141aの出力FVa00を減じた値を出力する。
最大値回路1445aは、第1及び第2の減算回路1443aおよび1444aの出力を受け、大きい方を出力する。
平均値回路1446aは、第1及び第2の減算回路1443aおよび1444aの出力を受け、両者の平均を出力する。
【0062】
選択手段1447aは、エッジ合成設定信号EDCに応じて2つの入力信号のうちの一方を第1の水平差分信号HDaとして出力する。
【0063】
図9は、第1の垂直差分演算部144bの一例を示す。図示の第1の垂直差分演算部144bは、第1及び第2の減算回路1443b、1444b、最大値回路1445b、平均値回路1446b、及び選択回路1447bを備える。
【0064】
第1の減算回路1443bは、第2の水平LPF143bの出力FVa1から第1の水平LPF143aの出力FVa0を減じた値を出力する。
第2の減算回路1444bは、第2の水平LPF143bの出力FVa1から第3の水平LPF143cの出力FVa2を減じた値を出力する。
最大値回路1445bは、第1及び第2の減算回路1443bおよび1444bの出力を受け、大きい方を出力する。
平均値回路1446bは、第1及び第2の減算回路1443bおよび1444bの出力を受け、両者の平均を出力する。
【0065】
選択手段1447bは、エッジ合成設定信号EDCに応じて2つの入力信号のうちの一方を第1の垂直差分信号VDaとして出力する。
【0066】
図10は、第2の水平差分演算部144cの一例を示す。図示の第2の水平差分演算部144cは、第1及び第2の減算回路1443c、1444c、最大値回路1445c、平均値回路1446c、及び選択回路1447cを備える。
【0067】
第1の減算回路1443cは、第3の遅延手段142cの出力FVb01から第4の遅延手段142dの出力FVb02を減じた値を出力する。
第2の減算回路1444cは、第3の遅延手段142cの出力FVb01から第2の垂直LPF141bの出力FVb00を減じた値を出力する。
最大値回路1445cは、第1及び第2の減算回路1443cおよび1444cの出力を受け、大きい方を出力する。
平均値回路1446aは、第1及び第2の減算回路1443cおよび1444cの出力を受け、両者の平均を出力する。
【0068】
選択手段1447cは、エッジ合成設定信号EDCに応じて2つの入力信号のうちの一方を第2の水平差分信号HDbとして出力する。
【0069】
図11は、第2の垂直差分演算部144dの一例を示す。図示の第2の垂直差分演算部144dは、第1及び第2の減算回路1443d、1444d、最大値回路1445d、平均値回路1446d、及び選択回路1447dを備える。
【0070】
第1の減算回路1443dは、第5の水平LPF143eの出力から第4の水平LPF143dの出力を減じた値を出力する。
第2の減算回路1444dは、第5の水平LPF143eの出力から第6の水平LPF143fの出力を減じた値を出力する。
最大値回路1445dは、第1及び第2の減算回路1443dおよび1444dの出力を受け、大きい方を出力する。
平均値回路1446dは、第1及び第2の減算回路1443dおよび1444dの出力を受け、両者の平均を出力する。
【0071】
選択手段1447dは、エッジ合成設定信号EDCに応じて2つの入力信号のうちの一方を第2の垂直差分信号VDbとして出力する。
【0072】
エッジ合成設定信号EDCは、例えば使用者の好みに応じて、予め設定され、或いは別途用意されるものであり、第1の値、例えば“1”を取るときは、選択手段1447a、1447b、1447c、1447dは、それぞれ最大値回路1445a、1445b、1445c、1445dの出力を選択し、第2の値、例えば“0”を取るときは、選択手段1447a、1447b、1447c、1447dは、平均値回路1446a、1446b、1446c、1446dの出力を選択する。最大値回路1447a、1447b、1447c、1447dの出力を選択すれば、突出して大きい部分を最大値としてエッジ検出することとなるので、検出が容易となるが、平均値回路1446a、1446b、1446c、1446dの出力を選択した方が誤検出が少ないと言う利点がある。
【0073】
第1の水平差分演算部144aの出力HDaは第1のROM145aに入力され、ROM145aにおいて4段階のエッジ信号に変換される。即ち、第1のROM145aは3つの閾値を有する弁別手段として作用するものであり、
その入力(第1の水平差分演算部144aの出力)HDaが第1の閾値THa1未満であれば、その出力SVDaが第1の値SVDa0、例えば“0”となり、その入力HDaが上記第1の閾値THa1以上で、第2の閾値THa2未満であれば、その出力SVDaが第2の値SVDa1、例えば“1”となり、その入力HDaが上記第2の閾値THa2以上で、第3の閾値THa3未満であれば、その出力SVDaが第3の値SVDa2、例えば“2”となり、その入力HDaが上記第3の閾値THa3以上であれば、その出力SVDaが第4の値SVDa3、例えば“3”となる。
ここで、THa1<THa2<THa3であり、SVDa0<SVDa1<SVDa2<SVDa3の関係がある。
【0074】
ROM145aの出力SVDaは水平拡大手段146aに入力される。水平拡大手段146aは、ROM145aの出力SVDaを水平方向に拡大する。水平拡大手段146aの出力は符号EHDaで表される。
【0075】
第1の垂直差分演算部144bの出力VDaは第2のROM145bに入力され、ROM145bにおいて4段階のエッジ信号に変換される。即ち、第2のROM145bは3つの閾値を有する弁別手段として作用するものであり、その入力(第1の垂直差分演算部144bの出力)VDaが第1の閾値TVa1未満であれば、その出力SVDaが第1の値SVDa0、例えば“0”となり、その入力VDaが上記第1の閾値TVa1以上で、第2の閾値TVa2未満であれば、その出力SVDaが第2の値SVDa1、例えば“1”となり、その入力VDaが上記第2の閾値TVa2以上で、第3の閾値TVa3未満であれば、その出力SVDaが第3の値SVDa2、例えば“2”となり、その入力VDaが上記第3の閾値TVa3以上であれば、その出力SVDaが第4の値SVDa3、例えば“3”となる。ここで、TVa1<TVa2<TVa3であり、SVDa0<SVDa1<SVDa2<SVDa3の関係がある。
【0076】
第2の水平差分演算部144cの出力HDbは、第3のROM145cに入力され、ROM145cにおいて4段階のエッジ信号に変換される。即ち、第3のROM145cは、3つの閾値を有する弁別手段として作用するものであり、その入力(第2の水平差分演算部144cの出力)HDbが第1の閾値THb1未満であれば、その出力SHDbが第1の値SHDb0、例えば“0”となり、その入力HDbが上記第1の閾値THb1以上で、第2の閾値THb2未満であれば、その出力SHDbが第2の値SHDb1、例えば“1”となり、その入力HDbが上記第2の閾値THb2以上で、第3の閾値THb3未満であれば、その出力SHDbが第3の値SHDb2、例えば“2”となり、その入力HDbが上記第3の閾値THb3以上であれば、その出力SHDbが第4の値SHDb3、例えば“3”となる。ここで、THb1<THb2<THb3であり、SHDb0<SHDb1<SHDb2<SHDb3の関係がある。
【0077】
ROM145cの出力SHDbは水平拡大手段146bに入力される。水平拡大手段146bは、ROM145cの出力SHDbを水平方向に拡大する。水平拡大手段146bの出力は符号EHDbで表される。
【0078】
第2の垂直差分演算部144dの出力VDbは第4のROM145dに入力され、ROM145dにおいて4段階のエッジ信号に変換される。第4のROM145dは、3つの閾値を有する弁別手段として作用するものであり、その入力(第2の垂直差分演算部144dの出力)VDbが第1の閾値TVb1未満であれば、その出力SVDbが第1の値SVDb0、例えば“0”となり、その入力VDbが上記第1の閾値TVb1以上で、第2の閾値TVb2未満であれば、その出力SVDbが第2の値SVDb1、例えば“1”となり、その入力VDbが上記第2の閾値TVb2以上で、第3の閾値TVb3未満であれば、その出力SVDbが第3の値SVDb2、例えば“2”となり、その入力VDbが上記第3の閾値TVb3以上であれば、その出力SVDbが第4の値SVDb3、例えば“3”となる。ここで、TVb1<TVb2<TVb3であり、SVDb0<SVDb1<SVDb2<SVDb3の関係がある。
【0079】
第1及び第2の水平拡大手段146aおよび146bの出力EHDa、EHDbと、第2及び第4のROM145b及び145dの出力SVDa、SVDbはそれぞれエッジ合成部147に入力される。
【0080】
図12はエッジ合成部147の一例を示す。図示のエッジ合成部147は、第1乃至第3の最大値回路1471、1472、1475と、第1乃至第3の選択手段1473、1474、1477と、平均値回路1476とを備える。
【0081】
第1の最大値回路1471は、第1の水平拡大手段146aの出力EHDaと第2の水平拡大手段146bの出力EHDbを受け、大きい方を出力する。
第2の最大値回路1472は、第2のROM145bの出力SVDaと第4のROM145dの出力SVDbを受け、大きい方を出力する。
第1の選択手段1473は、第1の水平拡大回路146aの出力EHDaと、第1の最大値回路1471の出力を受け、いずれかを選択して出力する。
第2の選択手段1474は、第2のROM145bの出力SVDaと、第2の最大値回路1472の出力を受け、いずれかを選択して出力する。
第3の最大値回路1475は、第1の選択手段1473の出力と、第2の選択手段1474の出力を受け、両者のうちの大きい方を出力する。
平均値回路1476は、第1の選択手段1473の出力と、第2の選択手段1474の出力を受け、両者の平均を出力する。
第3の選択手段1477は、第3の最大値回路1475の出力と、平均値回路1476の出力を受け、いずれかを選択して出力する。
【0082】
第1及び第2の選択手段1473および1474における選択は、エッジ合成設定信号ECaにより制御される。
エッジ合成設定信号ECaは、例えば使用者の好みに応じて、予め設定され、或いは別途用意されるものであり、第1の値、例えば“1”を取るときは、選択手段1473、1474は、それぞれ最大値回路1471、1472の出力を選択し、第2の値、例えば“0”を取るときは、選択手段1473、1474は、それぞれ水平拡大回路146aの出力EHDa、ROM145bの出力SVDaを選択する。最大値回路1471、1472の出力を選択すれば、突出して大きい部分を最大値としてエッジ検出することとなるので、検出が容易となるが、水平拡大回路146aの出力EHDa、ROM145bの出力SVDaを選択した方が誤検出が少ないと言う利点がある。
【0083】
選択手段1477における選択は、エッジ合成設定信号ECbにより制御される。エッジ合成設定信号ECbは、例えば使用者の好みに応じて、予め設定され、或いは別途用意されるものであり、第1の値、例えば“1”を取るときは、選択手段1477は、最大値回路1475の出力を選択し、第2の値、例えば“0”を取るときは、選択手段1477は、平均値回路1476の出力を選択する。最大値回路1475の出力を選択すれば、突出して大きい部分を最大値としてエッジ検出することとなるので、検出が容易となるが、平均値回路1476の出力を選択した方が誤検出が少ないと言う利点がある。
選択手段1477の出力は、エッジ検出手段14の出力信号であるエッジデータEDGとして出力される。
【0084】
図13は図1に示される静止判定手段15の一例を示す。
図示の静止判定手段15は、フレーム間差分検出手段151と、色副搬送波周波数帯検出手段152と、合成手段153と、選択手段154とを備える。
【0085】
フレーム間差分検出手段151には、入力画像データVa0と、第1の遅延画像データVb0と、第2の遅延画像データVc0とが入力される。
フレーム間差分検出部151は、入力画像データVa0と、第1の遅延画像データVb0及び第2の遅延画像データVc0の間の差分を検出するものであり、差分検出手段1511と、前置フィルタ1512と、比較手段1513と、孤立点除去手段1514とを備える。
【0086】
差分検出手段1511は、例えば図14に示すように、入力画像データVa0と第1の遅延画像データVb0の差を求める減算回路15111と、入力画像データVa0と第2の遅延画像データVc0の差を求める減算回路15112と、減算回路15111の出力と減算回路15112の出力を合成する手段、例えば両者のうちの大きい方を差分信号Dabcとして出力する合成手段15113とを備える。
【0087】
前置フィルタ1512は、差分検出手段1511の出力の高周波ノイズ成分を除去する。前置フィルタ1512は、例えば図2の前置フィルタ1122と同様に構成され、前置フィルタ選択信号SPFs(図2の選択信号SPFyの代わりに供給される)によりその動作モードが選択される。
【0088】
比較手段1513は、前置フィルタ1512の出力信号を入力し、予め設定された閾値(フレーム間差検出レベル)THDとの比較結果に従って信号を出力する。
即ち、フレーム間差検出レベルTHDより小さい場合にフレーム間において輝度信号が静止していると判断して出力を“1”とし、フレーム間差検出レベルTHD以上であればフレーム間において輝度信号が静止していないと判断して出力を“0”とする。
【0089】
孤立点除去手段1514は、各画素についての入力(比較手段1513の出力)の値を、当該各画素の周囲の画素についての入力の値と比較し、各画素(現画素)についての入力の値が“1”であり、周囲の画素についての入力の値が“0”である場合には、各画素についての入力の値を“0”に変更して出力する。なお、孤立点除去手段1514を設けず、比較手段1513の出力をそのままフレーム間差分検出手段151の出力としても良い。
【0090】
入力画像データVa0は色搬送波周波数帯検出手段152にも入力される。
色副搬送波周波数帯検出手段152は、色周波数帯輝度信号を検出するものであり、水平BPF1521と、比較手段1522と、水平拡大手段1523とを備える。
【0091】
水平BPF1521は、入力画像データVa0を受け、その色信号帯域付近の成分を抽出する。
比較手段1522は、水平BPF1521の出力を、所定の閾値(色搬送波検出レベル)THEと比較し、色搬送波検出レベルTHEより大きい場合に色周波数帯輝度信号と判断し、出力を“1”とする。
【0092】
水平拡大手段1523は、比較手段1522の出力信号を水平方向に拡大する。具体的には、各画素についての入力信号(比較手段1522の出力信号)の値が“0”で、その前または後の画素についての入力信号(比較手段1522の出力信号)の値が“1”のときは各画素についての入力信号の値が“0”であってもその出力信号の値を“1”とする。なお、水平拡大手段1523を設けず、比較手段1522の出力をそのまま色副搬送波周波数帯検出手段152の出力としても良い。
【0093】
合成手段153は、フレーム間差分検出部151の出力と色搬送波周波数帯検出手段152の出力を合成する。合成手段153は、例えば2つの入力信号のどちらか一方でも“1”を取る場合に、出力信号を“1”とする論理和回路で構成される。
【0094】
選択手段154は、静止判定設定信号STJに応じて合成手段153の出力又は値“0”の一方を選択する選択手段154により合成結果である判定信号か、値“0”を選択して出力する。静止判定設定信号STJは、予め設定され、或いは別途用意されるものであり、第1の値、例えば“1”を取るときは、選択手段154は、合成回路153の出力を選択し、第2の値、例えば“0”を取るときは、選択手段154は、“0”を選択する。静止判定設定信号STJは通常の動作時には“1”とされるが、例えばテスト時に“0”とされる。
【0095】
実施の形態1における動き検出回路1においては、入力画像データVa0と、入力画像データVa0をαフレーム期間(NTSC方式の場合にはα=1、PAL方式の場合にはα=2)遅延した第1の遅延画像データVb0と、第1の遅延画像データVb0をαフレーム期間遅延した、即ち入力画像データVa0を2αフレーム期間遅延した第2の遅延画像データVc0が入力され、輝度差分検出手段11及び色差分検出手段12には、入力画像データ及び第1の遅延画像データ、即ち相互間にαフレーム期間の差がある2つ信号が入力され、色輝度差分検出手段13には、入力画像データ及び第2の遅延画像データ、即ち相互間に2αフレーム期間の差がある2つ信号が入力される。
【0096】
輝度差分検出手段11においては、2つの入力信号の輝度信号成分がそれぞれ水平LPF1111及び1112により抽出され、減算回路1113を用いた減算により輝度信号のαフレーム間の差分信号が抽出され、絶対値回路1121により絶対値化され、前置フィルタ1122により、高周波ノイズ成分が除去される。前置フィルタ1122における高周波ノイズ成分の除去には、水平LPF2223、中間値回路2224、及び最大値回路2225の3つの手段のうちのひとつが用いられる。これらのうちのいずれを用いるかは、前置フィルタ選択信号SPFyにより選択される。なお、前置フィルタ選択信号SPFyにより、上記3つの手段による高周波ノイズ成分除去を行わないモードを選択することも可能である。
【0097】
前置フィルタ1122の出力に対してROM1123により感度の変換が行われる。感度変換特性は、感度切片設定信号SXy及び傾き設定信号SGyにより、感度変換特性が調整される。
【0098】
ROM1123の出力信号は、孤立点除去手段113により周囲から孤立して動き信号であると判断することを避けるよう調整される。
孤立点除去手段113の出力(輝度差分信号DFy)は、輝度差分検出手段11で検出された動きデータとして出力される。
【0099】
色差分検出手段12においては、2つの入力信号の色信号成分がそれぞれ水平BPF1211及び1212により抽出され、水平BPF1212の出力を反転回路1215で反転し信号を、減算回路1213で水平BPF1211の出力から減算することにより色信号のαフレーム間の差分信号が抽出される。
反転回路1215での反転は、αフレーム間で色信号の位相が反転することに対する補償としての意味をもつ。
【0100】
減算回路1213から出力される差分信号は絶対値回路1221により絶対値化され、前置フィルタ1222により、高周波ノイズ成分が除去される。
前置フィルタ1222の出力FADcに対してROM1223により感度の変換が行われる。感度変換特性は、感度切片設定信号SXc及び傾き設定信号SGcにより、感度変換特性が調整される。
【0101】
ROM1223の出力信号は、水平拡大手段123により水平方向に拡大される。水平拡大手段123の出力(色差分信号DFc)は、輝度差分検出手段12で検出された動きデータとして出力される。
【0102】
色輝度差分検出手段13においては、2つ入力信号に対して減算回路1313を用いた減算をおこなうことで2αフレーム間の差分信号が抽出され、絶対値回路1321により絶対値化され、前置フィルタ1322により高周波ノイズ成分が除去される。
【0103】
前置フィルタ1322の出力FADycに対してROM1323により感度の変換が行われる。感度変換特性は、感度切片設定信号SXyc及び傾き設定信号SGycにより、感度変換特性が調整される。
【0104】
ROM1323から出力される動き信号は、水平拡大手段133により水平方向に拡大される。水平拡大手段133の出力(輝度色差分信号DFyc)は、色輝度差分検出手段13で検出された動きデータとして出力される。
【0105】
エッジ検出手段14では、入力画像データ及び第1の遅延画像データVb0におけるエッジデータを抽出する。
入力画像データに関しては、第1及び第2のライン遅延手段140a,140bで遅延された遅延画像データと入力画像データVa0(即ち3ライン分のデータ)を用いて垂直LPF141aで抽出した輝度成分について、第1及び第2の遅延手段142a、142bの出力を用いて第1の水平差分演算部144aで水平差分を抽出することで水平エッジを抽出し、第1乃至第3の水平LPF143a、143b、143cのそれぞれの出力を用いて第1の垂直差分演算部144bで垂直差分を抽出し垂直エッジを抽出する。
【0106】
第1の水平差分演算部144aで検出された入力画像データの水平エッジについては、ROM145aにより4段階のエッジ信号に変換され、第1の垂直差分演算部144bで検出された入力画像データの垂直エッジについては、ROM145bにより4段階のエッジ信号に変換される。
【0107】
遅延画像データVb0に関しては、第3及び第4のライン遅延手段140c,140dで遅延された信号Vb1,Vb2と遅延画像データVb0(即ち3ライン分のデータ)を用いて垂直LPF141bで抽出した輝度成分について、第3及び第4の遅延手段142c、142dの出力を用いて第2の水平差分演算部144cで水平差分を抽出することで水平エッジを抽出し、第4乃至第6の水平LPF143d、143e、143fのそれぞれの出力を用いて第2の垂直差分演算部144dで垂直差分を抽出し垂直エッジを抽出する。
第2の水平差分演算部144cで検出された遅延画像データVb0の水平エッジについては、ROM145cにより4段階のエッジ信号に変換され、第2の垂直差分演算部144dで検出された遅延画像データVb0の垂直エッジについては、ROM145dにより4段階のエッジ信号に変換される。
【0108】
上記4つのエッジ信号は、エッジ合成部147において、エッジ合成設定信号ECa、エッジ合成設定信号ECbに応じて合成される。
合成手段147の出力はエッジデータEDGとして、輝度差分検出手段11、色差分検出手段12及び色輝度差分検出手段13に入力され、それぞれの検出手段のROM1123,1223,1323における感度変換の調整に用いられる。
【0109】
静止判定手段15では、フレーム間において輝度信号が静止しているか否かを判定し、判定結果を判定信号STLとして出力する。
フレーム間差分検出部151では、入力画像データVa0と第1の遅延画像データVb0の差分及び、入力画像データVa0と第2の遅延画像データVc0との差分を求め、さらにこれらの差分のうちの最大値を選択するなどの処理により合成し、前置フィルタ1512により高周波ノイズ成分を除去し、比較手段1513において、予め設定された閾値(フレーム間差検出レベル)THDとの比較結果を示す信号が出力される。即ち、前置フィルタ1512の出力がフレーム間差検出レベルTHDより小さい場合にフレーム間において輝度信号が静止していると判断し出力を“1”とされる。
孤立点除去手段1514では、前後画素に対し1点のみ“1”の信号となる場合に、“0”として出力するものである。
【0110】
色副搬送波周波数帯検出手段152では、入力画像データを水平BPF1521により色信号帯域付近の成分を抽出し、比較手段1522において、色搬送波検出レベルTHEよりも大きい場合に色周波数帯輝度信号と判断して、出力を“1”とする。
水平拡大手段1523では、比較手段1522の出力信号が水平方向に拡大される。
水平拡大手段1523の出力信号は、色搬送波周波数帯検出手段152の出力STLとして合成手段153に出力される。
合成手段153では、2つの入力信号のどちらか一方でも“1”を取る場合に、出力信号を“1”とする。
選択手段154では、静止判定設定信号STJに応じて合成手段153の出力又は値“0”の一方を選択する選択手段154により合成結果である判定信号か、値“0”を選択して出力する。
【0111】
上記動き検出の構成によれば、例えばNTSC信号の場合、輝度信号の差分信号を検出する輝度差分検出手段11により輝度の1フレーム間の動きを検出し、色信号の差分信号を検出する色差分検出手段12により色副搬送波周波数に近い成分の1フレーム間の動きを検出し、色輝度差分検出手段13により色信号ならびに輝度信号の2フレーム間の動きを検出することができる。
これにより、例えば、色信号が1フレームで大きく移動し、2フレーム後には2フレーム前と同じ位置に戻るような場合でも、検出漏れをすることなく、正確に信号の動きを検出することができる。
【0112】
また、上記動き検出の構成によれば、例えば輝度斜め成分の多い静止入力信号の場合、輝度信号が色の搬送周波数成分付近まで存在するため、色信号の差分信号を検出する色差分検出手段12において色信号が無いにもかかわらず検出成分が多くなる傾向がある。この誤検出を少なくするためには、フレーム間差分検出手段151の比較回路1513で差分値と比較する閾値(フレーム間差検出レベル)THDの値を大きく取ることで、該閾値THD以下であれば“0”を出力する。これにより、輝度斜め成分の多い静止入力信号の場合でも、誤検出をしにくくなる。
【0113】
ただし、上記のように比較回路1513で差分値と比較する閾値THDの値を大きく取る場合、色の動きがある画像で動きにもかかわらず、静止信号と判断してしまう静止誤判別を起こしやすい。これに対する対策としては、色輝度差分検出手段13における選択手段1343が、動きと判定しやすいよう大きい値の、第5の傾き設定信号SGyc4を選択して、SGycとして出力するよう設定することで、動き信号MVSの値の決定(動き検出)における誤りが発生を防ぐことができる。
【0114】
色差分検出手段12においても、必要に応じて、選択手段1443の状態を切り換えることにより、第5の傾き設定信号SGc4を選択して出力することが可能である。
【0115】
上記実施の形態においては、輝度差分検出手段11においては孤立点除去を、色差分抽出手段12においては水平拡大を、色輝度差分検出手段13においては水平拡大をおこなっているが、特定の動きを検出するためには、
それぞれの検出手段において孤立点除去と水平拡大の入れ替え(一方の代わりに他方を用いる)、あるいは両方を使用するという構成に変更しても良い。
【0116】
上記の実施の形態では、輝度差分検出手段11の出力と色差分検出手段12の出力と色輝度差分検出手段13の出力の最大値を検出する最大値回路16を用いているが、輝度差分検出手段11の出力と色差分検出手段12の出力と色輝度差分検出手段13の出力を他の方法で合成する合成回路を用いても良い。
また、上記の実施の形態では、差分信号を時間方向及び空間方向に拡大する時空間拡大手段17を用いているが、代わりに、時間方向にのみ拡大する拡大手段を用いてもよく、空間方向にのみ拡大する拡大手段を用いても良い。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明の活用例として、テレビジョン信号を輝度信号と色信号に分離する輝度信号色信号分離回路、または輝度信号色信号分離回路における動き検出回路に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】この発明の実施の形態1の動き検出装置を示すブロック図である。
【図2】図1に示される輝度差分検出手段11の一例を示すブロック図である。
【図3】図2に示される前置フィルタ1122の一例を示すブロック図である。
【図4】図2に示されるROM1123の感度特性の一例を示す説明図である。
【図5】図1に示される色差分検出手段12の一例を示すブロック図である。
【図6】図1に示される色輝度差分検出手段13の一例を示すブロック図である。
【図7】図1に示されるエッジ検出手段14の一例を示すブロック図である。
【図8】図7に示される第1の水平差分演算部144aの一例を示すブロック図である。
【図9】図7に示される第1の垂直差分演算部144bの一例を示すブロック図である。
【図10】図7に示される第2の水平差分演算部144cの一例を示すブロック図である。
【図11】図7に示される第2の垂直差分演算部144dの一例を示すブロック図である。
【図12】図7に示されるエッジ合成手段147の一例を示すブロック図である。
【図13】図1に示される静止判定手段15の一例を示すブロック図である。
【図14】図13に示される差分検出手段1511の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0119】
11 輝度差分検出手段、 12 色差分検出手段、 13 色輝度差分検出手段、 14 エッジ検出手段、 15 静止判定手段、 16 最大値回路、 17 時空間拡大手段、 111 輝度差分抽出手段、 112 感度変換手段、 113 孤立点除去手段、 114 傾き設定手段、 121 色差分抽出手段、 122 感度変換手段、 123 水平拡大手段、 124 傾き設定手段、 131 色輝度差分抽出手段、 132 感度変換手段、 133 水平拡大手段、 134 傾き設定手段、 141a、141b 垂直LPF、 142a、142b、142c、142d 遅延手段、 143a、143b、143c、143d、143e、143f 水平LPF、 144a、144c 水平差分検出部、 144b、144d 垂直差分検出部、 145a、145b、145c、145d ROM、 146a、146b 水平拡大手段、 147 エッジ合成手段、 151 フレーム間差分検出手段、 152 色副搬送波周波数帯検出手段、 1111、1112 水平LPF、 1113 減算回路、 1121 絶対値回路、 1122 前置フィルタ、 1123 ROM、 1141 選択手段、 1213 減算回路、 1215 反転回路、 1221 絶対値回路、 1222 前置フィルタ、 1223 ROM、 1313 減算回路、 1321 絶対値回路、 1322 前置フィルタ、 1323 ROM、 2221、2222 遅延回路、 2223 水平LPF、 2224 中間値回路、 2225 最大値回路、 2226 選択手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力映像信号と、前記入力映像信号を所定数のフレーム期間遅延した第1の遅延信号と、前記所定数の2倍のフレーム期間遅延した第2の遅延信号とを入力し、
前記入力映像信号及び前記第1の遅延信号から輝度信号の差分を検出する輝度差分検出手段と、
前記入力映像信号及び前記第1の遅延信号から色信号の差分を検出する色差分検出手段と、
前記入力映像信号及び前記第2の遅延信号から輝度信号と色信号の差分を検出する色輝度差分検出手段と、
前記輝度差分検出手段の出力と前記色差分検出手段の出力と前記色輝度差分検出手段の出力を合成する合成手段と、
前記入力映像信号及び前記第1の遅延信号から画像におけるエッジの有無を判定するエッジ検出手段と、
前記入力映像信号、前記第1の遅延信号及び前記第2の遅延信号からフレーム間において輝度信号が静止しているか否かを判定する静止判定手段とを備え、
前記輝度差分検出手段における検出感度が前記エッジ判定手段による判定結果に応じて調整され、
前記色差分検出手段における検出感度が、前記エッジ判定手段による判定結果及び前記静止判定手段による判定結果に応じて調整され、
前記色輝度差分検出手段は、その検出感度を、前記エッジ判定手段による判定結果及び前記静止判定手段による判定結果に応じて調整するか、所定の色輝度差分検出用傾き設定値とするかの選択が可能である
ことを特徴とする動き検出回路。
【請求項2】
前記色差分検出手段は、その検出感度を、前記エッジ判定手段による判定結果及び前記静止判定手段による判定結果に応じて調整するか、所定の色差分検出用傾き設定値とするかの選択が可能であることを特徴とする請求項1に記載の動き検出回路。
【請求項3】
前記色輝度差分検出手段は、前記所定の色輝度差分検出用傾き設定値を記憶する手段と、前記エッジ判定手段による判定結果及び前記静止判定手段による判定結果に応じて定められた傾き設定値のいずれを選択する手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の動き検出回路。
【請求項4】
前記色差分検出手段は、前記所定の色輝度差分検出用傾き設定値を記憶する手段と、前記エッジ判定手段による判定結果及び前記静止判定手段による判定結果に応じて定められた傾き設定値のいずれを選択する手段とを備えることを特徴とする請求項2に記載の動き検出回路。
【請求項5】
前記色差分検出手段が、
前記入力映像信号を入力とする第1の水平帯域通過フィルタと、
前記第1の遅延信号を入力とする第2の水平帯域通過フィルタと、
前記第1及び第2の水平帯域通過フィルタの一方の出力の位相を反転する反転手段と、
前記反転手段の出力と、前記第1及び第2の水平帯域通過フィルタの他方の出力との差を求める減算回路と、
前記減算回路の出力の高周波ノイズ成分を除去する前置フィルタと、
前記前置フィルタの出力を受けて、感度変換を行うROMと
を有することを特徴とする請求項1に記載の動き検出回路。
【請求項6】
前記静止判定手段が、前記入力映像信号と、前記第1及び第2の遅延信号の間の差分が所定の第1の閾値以上であることを検出するフレーム間差分手段と、
前記入力映像信号の色副搬送周波数帯の輝度信号が所定の第2の閾値以上であることを検出する色副搬送波周波数帯検出手段と、
前記フレーム間差分手段により、前記入力映像信号と、前記第1及び第2の遅延信号の間の差分が前記所定の閾値以上であることが検出されたとき、又は前記色副搬送波周波数帯検出手段により、前記入力映像信号の色副搬送周波数帯の輝度信号が前記所定の閾値以上であることが検出されたときに、前記フレーム間において輝度信号が静止していることを示す信号を生成する合成手段と
を有することを特徴とする請求項1に記載の動き検出回路。
【請求項7】
前記合成手段から出力される差分信号を時間方向あるいは空間方向に拡大する時空間拡大手段をさらに備える請求項1に記載の動き検出回路。
【請求項8】
前記合成手段が、前記輝度差分検出手段の出力と前記色差分検出手段の出力と前記色輝度差分検出手段の出力のうちの最も大きいものを出力することを特徴とする請求項1に記載の動き検出回路。
【請求項9】
前記入力映像信号が複合カラーテレビジョン信号であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の動き検出回路。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2009−55171(P2009−55171A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−218145(P2007−218145)
【出願日】平成19年8月24日(2007.8.24)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】