説明

動画像表示装置、動画像表示方法、プログラムおよび動画像処理表示システム

【課題】マシンへの負荷を抑制しつつ、ユーザが見たいアングルの動画像にリアルタイムに切り替えることができる動画像表示装置、動画像表示方法、プログラムおよび動画像処理表示システムを提供すること。
【解決手段】時間・アングル動画像データから、時間情報の時間順に時間情報とアングル情報とに対応するフレームをフレームごとに読み出す読み出し手段232と、時間情報の時間順にフレームごとに表示する表示手段24と、動画像のアングル切り替え指示を入力する指示入力手段と22とを備え、読み出し手段232は、指示入力手段22が指示座標内において隣り合う前記アングル情報を超えてアングル切り替えの指示を連続して入力すると、当該入力時の時間情報と、切り替え指示されたアングル情報とに対応するフレームを連続して読み出し、表示手段24は、読み出し手段232によって読み出されたフレームに連続して切り替えて表示することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画像を表示する動画像表示装置、動画像表示方法、プログラムおよび動画像を処理して表示する動画像処理表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、同一の被写体に対して複数のカメラで複数のアングルから撮影した動画像を、アングルごとに択一的に切り替えて表示する表示装置が利用されている(例えば、特許文献1参照。)。
これら表示装置の中で、第1の表示装置として、図29に示すように、Mpeg2などの動画圧縮方式に則って、複数のフレームを含むTS(Time Stamp)またはキーフレームと呼ばれる特定の単位から、アングルの切り替えが行われるようになっているものが知られている。
また、第2の表示装置として、図30に示すように、複数のアングルの動画像を個別に全て同時再生してシンクロさせつつ、所望のフレームのみを画面に表示した状態で、ユーザからのアングル切り替えの指示があると、表示するフレームを、同時再生している他のフレームの中から択一的に切り替えるようになっているものも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−051710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記第1の表示装置では、TSまたはキーフレームの単位でアングルの切り替えが可能であるものの、最小のフレーム単位でのアングルの切り替えができない。そのため、ユーザーがアングルの切り替えを指示してから、実際の表示が切り替わるまでにタイムラグが発生してしまい、ユーザーの感覚にマッチした自然なアングル切り替えができないという問題がある。なお、最小のフレーム単位でもTSまたはキーフレームの設定は理論上可能であるものの、その場合いたずらに容量が大きくなってしまい、そもそも圧縮する意味がない。
また、第2の表示装置では、複数のアングルの動画像に対して、複数の独立した動画像データを同時再生してシンクロさせることから、最小のフレーム単位でアングルの切り替えが可能であるものの、複数の独立した動画像データに対して同時に再生指示を出し続けながら、アングルの切り替え指示を出すため、同時再生する独立した動画像データが増えれば増えるほど、マシンへの負荷が増大してしまう。そのため、マシンの処理スピードが遅いと、ユーザのアングル切り替え指示に対してタイムラグが発生してしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、マシンへの負荷を抑制しつつ、ユーザが見たいアングルの動画像にリアルタイムに切り替えることができる動画像表示装置、動画像表示方法、プログラムおよび動画像処理表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、被写体に対して複数のカメラで複数のアングルから撮影した動画像を表示する動画像表示装置であって、時間軸における位置を示す時間情報と、前記アングルごとの位置を示すアングル情報とがフレームごとに対応づけられた時間・アングル動画像データから、前記時間情報の時間順に前記時間情報と前記アングル情報とに対応するフレームをフレームごとに読み出す読み出し手段と、前記読み出し手段が読み出したフレームを、前記時間情報の時間順にフレームごとに表示する表示手段と、前記動画像のアングル切り替え指示のための指示座標と前記アングル情報とが対応付けられた状態において、前記指示座標内におけるアングル切り替え指示の座標の変位を検知することにより前記動画像のアングル切り替え指示を入力する指示入力手段とを備え、前記指示入力手段は、前記指示座標内において隣り合う前記アングル情報を超えて前記アングル切り替え指示の座標が連続して変位すると、当該変位を連続して検知することによって前記アングル切り替え指示を連続して入力し、前記読み出し手段は、前記隣り合うアングル情報において入力された前記アングル切り替え指示の入力時の時間情報と前記隣り合うアングル情報とに対応するフレームと、前記隣り合うアングル情報を越えて入力された前記アングル切り替え指示の入力時の時間情報と前記隣り合うアングル情報を越えたアングル情報とに対応するフレームとを連続して読み出し、前記表示手段は、表示しているフレームから前記読み出し手段が読み出したフレームに連続して切り替えて表示することを特徴とする。
【0007】
この発明においては、読み出し手段が、時間・アングル動画像データから、時間情報の時間順に時間情報とアングル情報とに対応するフレームをフレームごとに読み出し、表示手段が、読み出し手段によって読み出されたフレームを、時間情報の時間順にフレームごとに表示する。そして、指示入力手段が、動画像のアングル切り替え指示のための指示座標とアングル情報とが対応付けられた状態において、指示座標内におけるアングル切り替え指示の座標の変位を検知することにより動画像のアングル切り替え指示を入力する。さらに、指示入力手段は、指示座標内において隣り合うアングル情報を超えてアングル切り替え指示の座標が連続して変位すると、当該変位を連続して検知することによってアングル切り替え指示を連続して入力し、読み出し手段は、隣り合うアングル情報において入力されたアングル切り替え指示の入力時の時間情報と隣り合うアングル情報とに対応するフレームと、隣り合うアングル情報を越えて入力されたアングル切り替え指示の入力時の時間情報と隣り合うアングル情報を越えたアングル情報とに対応するフレームとを連続して読み出し、表示手段は、表示しているフレームから読み出し手段が読み出したフレームに連続して切り替えて表示する。
これにより、他の時間・アングル動画像データのフレームを独立して再生することなく、タイムコードおよびアングルコードに基づいて、対応する一つの時間・アングル動画像データのフレームのみを再生表示し、フレームごとにアングル切り替え表示することができることから、マシンへの負荷を抑制しつつ、ユーザが見たいアングルの動画像にリアルタイムに切り替えることができる。
また、アングル切り替え指示の座標を連続して変位させるだけで、当該アングル切り替え指示の座標の変位に応じて動画像のアングルを連続的に切り替えることができる。
なお、アングル切り替え指示は、ある座標内の変位によって行われるものであり、その変位を決める座標が指示座標となる。
【0008】
また、本発明は、前記指示座標が、前記表示手段の近傍に設定された指示空間座標であって、前記指示入力手段は、前記指示空間座標内における前記動画像を見る見者の座標の連続した変位を検知する検知手段を備え、前記読み出し手段は、前記検知手段が前記変位を検知した時の前記見者の座標に対応する前記アングル情報と、当該変位した時の時間情報とに対応するフレームを連続して読み出し、前記表示手段は、前記読み出し手段が読み出したフレームに連続して切り替えて表示することを特徴とする
【0009】
この発明においては、検知手段が、指示空間座標内における見者の座標の連続した変位を検知する。そして、読み出し手段は、検知手段が変位を検知した時の見者の座標に対応するアングル情報と、当該変位した時の時間情報とに対応するフレームを連続して読み出し、表示手段は、読み出し手段が読み出したフレームに連続して切り替えて表示する。
この発明によれば、指示空間座標内において見者が連続して変位するだけで、当該見者の変位に応じて動画像のアングルを連続的に切り替えることができる。
【0010】
また、本発明は、前記アングル情報は、前記指示空間座標における前記表示手段に対するアングルと、表示される動画像のアングルとが適合するように、前記指示空間座標に対応付けられていることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、指示空間座標における見者の変位に合わせて、その座標ごとにマッチした自然なアングルの動画像を連続して切り替えて表示することができる。
【0012】
また、本発明は、前記指示座標が、前記表示手段における表示画面上の指示表示座標であって、前記指示入力手段は、前記表示画面上において前記アングル切り替え指示の座標を連続して変位させることによって前記アングル切り替え指示を連続して入力する変位手段を備え、前記読み出し手段は、前記変位手段によって変位した時の前記アングル切り替え指示の座標に対応する前記アングル情報と、当該変位した時の時間情報とに対応するフレームを連続して読み出し、前記表示手段は、前記読み出し手段が読み出したフレームに連続して切り替えて表示することを特徴とする。
【0013】
この発明においては、変位手段は、表示画面上においてアングル切り替え指示の座標を連続して変位させることによってアングル切り替え指示を連続して入力する。そして、読み出し手段は、変位手段によって変位した時のアングル切り替え指示の座標に対応するアングル情報と、当該変位した時の時間情報とに対応するフレームを連続して読み出し、表示手段は、読み出し手段が読み出したフレームに連続して切り替えて表示する。
この発明によれば、アングル切り替え指示の座標を連続して変位させるだけで、当該アングル切り替え指示の座標の変位に応じて動画像のアングルを連続的に切り替えることができる。
【0014】
また、本発明は、前記アングル情報は、前記指示表示座標における前記表示画面上のアングルと、表示される動画像のアングルとが適合するように、前記指示表示座標に対応付けられていることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、ユーザの視点の動きによりマッチした自然なアングル切り替えをスムーズに行うことができる。
【0016】
また、本発明は、前記アングル切り替え指示の移動量の大小と移動時間の長短とに応じて、前記フレームにブラー処理を行うブラー処理手段を備え、前記読み出し手段は、前記ブラー処理手段によってブラー処理されたフレームを読み出し、前記表示手段は、前記読み出し手段が読み出した、ブラー処理されたフレームを表示することを特徴とする。
【0017】
この発明においては、読み出し手段が、ブラー処理手段によってブラー処理されたフレームを読み出し、表示手段は、読み出し手段が読み出した、ブラー処理されたフレームを表示する。
この発明によれば、アングル変更による臨場感を増大させることができる。
【0018】
また、本発明は、前記時間・アングル動画像データは、前記時間情報と前記アングル情報とに基づいて、フレームごとに独立して構成されており、前記読み出し手段は、前記フレームを当該フレームごとに独立して読み出し、前記表示手段は、前記読み出し手段が読み出したフレームを当該フレームごとに独立して再生表示することを特徴とする。
【0019】
この発明においては、読み出し手段が、フレームを当該フレームごとに独立して読み出し、表示手段は、読み出し手段が読み出したフレームを当該フレームごとに独立して再生表示する。
この発明によれば、フレームごとのアングル切り替え表示を確実に行うことができる。
【0020】
また、本発明は、前記時間・アングル動画像データは、同一の時間情報が対応付けられて、かつ異なるアングル情報が対応付けられた各フレームが合成されてアングル合成フレームとして構成されており、前記読み出し手段は、前記アングル合成フレームを当該アングル合成フレームごとに独立して読み出し、前記表示手段は、前記読み出し手段が読み出したアングル合成フレームを当該アングル合成フレームごとに独立して再生し、当該再生したアングル合成フレームの中から、前記指示入力手段がアングル切り替え指示を入力したときのアングル情報に対応付けられたフレームのみを表示することを特徴とする。
【0021】
この発明においては、読み出し手段が、アングル合成フレームを当該アングル合成フレームごとに独立して読み出し、表示手段は、読み出し手段が読み出したアングル合成フレームを当該アングル合成フレームごとに独立して再生し、アングル情報に対応付けられたフレームのみを表示する。
この発明によれば、アングル変更の切り替え表示をより迅速に行うことができる。
【0022】
また、本発明は、被写体に対して複数のカメラで複数のアングルから撮影した動画像を表示する動画像表示方法であって、読み出し手段が、時間軸における位置を示す時間情報と、前記アングルごとの位置を示すアングル情報とがフレームごとに対応づけられた時間・アングル動画像データから、前記時間情報の時間順に前記時間情報と前記アングル情報とに対応するフレームをフレームごとに読み出す読み出しステップと、表示手段が、前記読み出しステップによって読み出されたフレームを、前記時間情報の時間順にフレームごとに表示する表示ステップと、前記動画像のアングル切り替え指示のための指示座標と前記アングル情報とが対応付けられた状態において、前記指示座標内におけるアングル切り替え指示の座標の変位を検知することにより前記動画像のアングル切り替え指示を入力する指示入力手段が、前記指示座標内において隣り合う前記アングル情報を超えて前記アングル切り替え指示の座標が連続して変位すると、当該変位を連続して検知することによって前記アングル切り替え指示を連続して入力するアングル切り替え指示入力ステップと、前記読み出し手段が、前記隣り合うアングル情報において入力された前記アングル切り替え指示の入力時の時間情報と前記隣り合うアングル情報とに対応するフレームと、前記隣り合うアングル情報を越えて入力された前記アングル切り替え指示の入力時の時間情報と前記隣り合うアングル情報を越えたアングル情報とに対応するフレームとを連続して読み出す切り替え読み出しステップと、前記表示手段が、前記表示ステップによって表示されているフレームから前記切り替え読み出しステップによって読み出されたフレームに連続して切り替えて表示する切り替え表示ステップと含むことを特徴とする。
【0023】
この発明においては、読み出しステップにおいて、読み出し手段が、時間・アングル動画像データから、時間情報の時間順に時間情報とアングル情報とに対応するフレームをフレームごとに読み出し、表示ステップにおいて、表示手段が、読み出しステップによって読み出されたフレームを、時間情報の時間順にフレームごとに表示する。さらに、アングル切り替え指示入力ステップにおいて、指示入力手段が、指示座標内において隣り合うアングル情報を超えてアングル切り替え指示の座標が連続して変位すると、当該変位を連続して検知することによってアングル切り替え指示を連続して入力する。そして、切り替え読み出しステップにおいて、読み出し手段が、隣り合うアングル情報において入力されたアングル切り替え指示の入力時の時間情報と隣り合うアングル情報とに対応するフレームと、隣り合うアングル情報を越えて入力されたアングル切り替え指示の入力時の時間情報と隣り合うアングル情報を越えたアングル情報とに対応するフレームとを連続して読み出す。さらに、切り替え表示ステップにおいて、表示手段が、表示ステップによって表示されているフレームから切り替え読み出しステップによって読み出されたフレームに連続して切り替えて表示する。
これにより、他の時間・アングル動画像データのフレームを独立して再生することなく、タイムコードおよびアングルコードに基づいて、対応する一つの時間・アングル動画像データのフレームのみを再生表示し、フレームごとにアングル切り替え表示することができることから、マシンへの負荷を抑制しつつ、ユーザが見たいアングルの動画像にリアルタイムに切り替えることができる。
また、アングル切り替え指示の座標を連続して変位させるだけで、当該アングル切り替え指示の座標の変位に応じて動画像のアングルを連続的に切り替えることができる。
【0024】
また、本発明は、被写体に対して複数のカメラで複数のアングルから撮影した動画像を表示する動画像表示装置におけるプログラムであって、読み出し手段が、時間軸における位置を示す時間情報と、前記アングルごとの位置を示すアングル情報とがフレームごとに対応づけられた時間・アングル動画像データから、前記時間情報の時間順に前記時間情報と前記アングル情報とに対応するフレームをフレームごとに読み出す読み出しステップと、表示手段が、前記読み出しステップによって読み出されたフレームを、前記時間情報の時間順にフレームごとに表示する表示ステップと、前記動画像のアングル切り替え指示のための指示座標と前記アングル情報とが対応付けられた状態において、前記指示座標内におけるアングル切り替え指示の座標の変位を検知することにより前記動画像のアングル切り替え指示を入力する指示入力手段が、前記指示座標内において隣り合う前記アングル情報を超えて前記アングル切り替え指示の座標が連続して変位すると、当該変位を連続して検知することによって前記アングル切り替え指示を連続して入力するアングル切り替え指示入力ステップと、前記読み出し手段が、前記隣り合うアングル情報において入力された前記アングル切り替え指示の入力時の時間情報と前記隣り合うアングル情報とに対応するフレームと、前記隣り合うアングル情報を越えて入力された前記アングル切り替え指示の入力時の時間情報と前記隣り合うアングル情報を越えたアングル情報とに対応するフレームとを連続して読み出す切り替え読み出しステップと、前記表示手段が、前記表示ステップによって表示されているフレームから前記切り替え読み出しステップによって読み出されたフレームに連続して切り替えて表示する切り替え表示ステップとを前記動画像表示装置のコンピュータに実行させる。
【0025】
この発明においては、読み出しステップにおいて、読み出し手段が、時間・アングル動画像データから、時間情報の時間順に時間情報とアングル情報とに対応するフレームをフレームごとに読み出し、表示ステップにおいて、表示手段が、読み出しステップによって読み出されたフレームを、時間情報の時間順にフレームごとに表示する。さらに、アングル切り替え指示入力ステップにおいて、指示入力手段が、指示座標内において隣り合うアングル情報を超えてアングル切り替え指示の座標が連続して変位すると、当該変位を連続して検知することによってアングル切り替え指示を連続して入力する。そして、切り替え読み出しステップにおいて、読み出し手段が、隣り合うアングル情報において入力されたアングル切り替え指示の入力時の時間情報と隣り合うアングル情報とに対応するフレームと、隣り合うアングル情報を越えて入力されたアングル切り替え指示の入力時の時間情報と隣り合うアングル情報を越えたアングル情報とに対応するフレームとを連続して読み出す。さらに、切り替え表示ステップにおいて、表示手段が、表示ステップによって表示されているフレームから切り替え読み出しステップによって読み出されたフレームに連続して切り替えて表示する。
これにより、他の時間・アングル動画像データのフレームを独立して再生することなく、タイムコードおよびアングルコードに基づいて、対応する一つの時間・アングル動画像データのフレームのみを再生表示し、フレームごとにアングル切り替え表示することができることから、マシンへの負荷を抑制しつつ、ユーザが見たいアングルの動画像にリアルタイムに切り替えることができる。
また、アングル切り替え指示の座標を連続して変位させるだけで、当該アングル切り替え指示の座標の変位に応じて動画像のアングルを連続的に切り替えることができる。
【0026】
また、本発明は、被写体に対して複数のカメラで複数のアングルから撮影した動画像を処理する動画像処理装置と、この動画像処理装置によって処理された動画像を表示する動画像表示装置とがネットワークを介して接続された動画像処理表示システムであって、前記動画像処理装置は、前記複数のカメラから入力された動画像に対して、時間軸における位置を示す時間情報と、前記アングルごとの位置を示すアングル情報とにフレームごとに対応づけを行い時間・アングル動画像データを生成する時間・アングル動画像データ生成手段と、前記時間・アングル動画像データ生成手段によって生成された時間・アングル動画像データを、前記動画像表示装置に出力する出力手段とを備え、前記動画像表示装置は、前記出力手段から出力された時間・アングル動画像データから、前記時間情報の時間順に前記時間情報と前記アングル情報とに対応するフレームをフレームごとに読み出す読み出し手段と、前記読み出し手段が読み出したフレームを、前記時間情報の時間順にフレームごとに表示する表示手段と、前記動画像のアングル切り替え指示のための指示座標と前記アングル情報とが対応付けられた状態において、前記指示座標内におけるアングル切り替え指示の座標の変位を検知することにより前記動画像のアングル切り替え指示を入力する指示入力手段とを備え、前記指示入力手段は、前記指示座標内において隣り合う前記アングル情報を超えて前記アングル切り替え指示の座標が連続して変位すると、当該変位を連続して検知することによって前記アングル切り替え指示を連続して入力し、前記読み出し手段は、前記隣り合うアングル情報において入力された前記アングル切り替え指示の入力時の時間情報と前記隣り合うアングル情報とに対応するフレームと、前記隣り合うアングル情報を越えて入力された前記アングル切り替え指示の入力時の時間情報と前記隣り合うアングル情報を越えたアングル情報とに対応するフレームとを連続して読み出し、前記表示手段は、表示しているフレームから前記読み出し手段が読み出したフレームに連続して切り替えて表示することを特徴とする。
【0027】
この発明においては、時間・アングル動画像データ生成手段が、複数のカメラから入力された動画像に対して、時間軸における位置を示す時間情報と、アングルごとの位置を示すアングル情報とにフレームごとに対応づけを行い時間・アングル動画像データを生成する。そして、出力手段が、時間・アングル動画像データ生成手段によって生成された時間・アングル動画像データを、動画像表示装置に出力する。
さらに、読み出し手段が、時間・アングル動画像データから、時間情報の時間順に時間情報とアングル情報とに対応するフレームをフレームごとに読み出し、表示手段が、読み出し手段によって読み出されたフレームを、時間情報の時間順にフレームごとに表示する。そして、指示入力手段が、動画像のアングル切り替え指示のための指示座標とアングル情報とが対応付けられた状態において、指示座標内におけるアングル切り替え指示の座標の変位を検知することにより動画像のアングル切り替え指示を入力する。さらに、指示入力手段は、指示座標内において隣り合うアングル情報を超えてアングル切り替え指示の座標が連続して変位すると、当該変位を連続して検知することによってアングル切り替え指示を連続して入力し、読み出し手段は、隣り合うアングル情報において入力されたアングル切り替え指示の入力時の時間情報と隣り合うアングル情報とに対応するフレームと、隣り合うアングル情報を越えて入力されたアングル切り替え指示の入力時の時間情報と隣り合うアングル情報を越えたアングル情報とに対応するフレームとを連続して読み出し、表示手段は、表示しているフレームから読み出し手段が読み出したフレームに連続して切り替えて表示する。
これにより、他の時間・アングル動画像データのフレームを独立して再生することなく、タイムコードおよびアングルコードに基づいて、対応する一つの時間・アングル動画像データのフレームのみを再生表示し、フレームごとにアングル切り替え表示することができることから、マシンへの負荷を抑制しつつ、ユーザが見たいアングルの動画像にリアルタイムに切り替えることができる。
また、アングル切り替え指示の座標を連続して変位させるだけで、当該アングル切り替え指示の座標の変位に応じて動画像のアングルを連続的に切り替えることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、マシンへの負荷を抑制しつつ、ユーザが見たいアングルの動画像にリアルタイムに切り替えることができるだけでなく、アングル切り替え指示の座標を連続して変位させるだけで、当該アングル切り替え指示の座標の変位に応じて動画像のアングルを連続的に切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の実施形態における動画像処理表示システムを示す全体構成図である。
【図2】仮撮影時のカメラの設置位置と基準被写体とを示す説明図である。
【図3】図1の編集装置の仮撮影時の動作を示すフローチャートである。
【図4】サイズ合致処理の様子を示す説明図である。
【図5】傾き合致処理の様子を示す説明図である。
【図6】中心点合致処理の様子を示す説明図である。
【図7】タイミング合致処理の様子を示す説明図である。
【図8】図1の編集装置の撮影後の編集動作を示すフローチャートである。
【図9】図1の表示装置の動画像の表示動作を示すフローチャートである。
【図10】図1の表示装置の動画像の表示において、切り替えられるフレームの様子を示す説明図である。
【図11】図1の表示装置の動画像の表示において、順次切り替えられる画像の様子を示す説明図である。
【図12】本発明の第2の実施形態における動画像処理表示システムを示す全体構成図である。
【図13】図12の編集装置の撮影後の編集動作を示すフローチャートである。
【図14】アングル合成フレームの生成を示す説明図である。
【図15】同一のタイムコードにおける、異なるアングルコードに対応するフレームが縦横に配されたアングル合成フレームを示す説明図である。
【図16】図12の表示装置の動画像の表示動作を示すフローチャートである。
【図17】図12の表示装置の動画像の表示において、切り替えられるフレームの様子を示す説明図である。
【図18】本発明の第3の実施形態における動画像処理表示システムを示す全体構成図である。
【図19】図18の編集装置の撮影後の編集動作を示すフローチャートである。
【図20】カメラの位置情報を算出する様子を示す説明図である。
【図21】図18の表示装置の動画像の表示動作を示すフローチャートである。
【図22】本発明の第4の実施形態における動画像処理表示システムを示す全体構成図である。
【図23】図22の表示装置の動画像の表示動作を示すフローチャートである。
【図24】移動情報ー時間情報対応テーブルを示す説明図である。
【図25】図1の表示部における表示画面を示す説明図である。
【図26】本発明の第5の実施形態における動画像表示装置を示す構成図である。
【図27】図26の動画像表示装置と指示空間座標における見者の移動の様子を示す説明図である。
【図28】図26の表示装置の動画像の表示動作を示すフローチャートである。
【図29】従来の表示装置において、切り替えられるフレームの様子を示す説明図である。
【図30】従来の他の表示装置において、切り替えられるフレームの様子を示す説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
(実施形態1)
以下、本発明の第1の実施形態における動画像表示装置、動画像表示方法、プログラムおよび動画像処理表示システムについて、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態としての動画像処理表示システム10を示す全体構成図である。
動画像処理表示システム10は、動画像を編集する編集装置(動画像処理装置)1と、動画像を表示する表示装置(動画像表示装置)2と、動画像のデータを記憶するサーバ3とを備えている。これら編集装置1と表示装置2とサーバ3とは、ネットワークを介して接続されている。
編集装置1は、装置全体を制御する制御部13と、外部から動画像データを入力する入力部(入力手段)11と、ユーザからの各種操作を受け付ける操作部12とを備えている。また、編集装置1は、動画像データなどを記憶する記憶部15と、通信処理を行う通信部(出力手段)14と、編集画面や動画像を表示する表示部16とを備えている。
【0031】
入力部11は、複数のカメラc1〜c9から出力される動画像を入力し、これら動画像を制御部13に出力する。
操作部12は、例えば画面上のポインタを移動させるマウスやタッチパッド、ボタンなどからなり、ユーザからの各種指示を受け付け、指示信号を制御部13に出力する。
記憶部15は、例えばハードディスクやメモリなどからなり、入力部11が入力した動画像データや後述する時間・アングル動画像データなどの他、各種プログラムや作業データなどを記憶する。
通信部14は、時間・アングル動画像データを、サーバ3に送信する。
表示部16は、例えばモニタなどからなり、動画像を編集するための編集画面を表示する。
【0032】
制御部13は、メイン制御部131と、動画像データに対して合致処理を行う合致処理演算部(サイズ合致手段、傾き合致手段、中心点合致手段、タイミング合致手段)132と、動画像データから時間・アングル動画像データを生成する動画像データ生成部(時間・アングル動画像データ生成手段)133とを備える。
メイン制御部131は、制御部13内全体の制御を行う。
合致処理演算部132は、入力部11が入力した動画像データに対して、後述するサイズ合致処理、傾き合致処理、中心点合致処理およびタイミング合致処理を行う。
動画像データ生成部133は、入力部11が入力した動画像データに対して、タイムコード(時間情報)およびアングルコード(アングル情報)を設定し、時間・アングル動画像データを生成する。
【0033】
また、表示装置2は、装置全体を制御する制御部23と、通信処理を行う通信部21と、ユーザからの各種操作を受け付ける操作部(指示入力手段,変位手段)22とを備えている。また、表示装置2は、動画像を表示する表示部(表示手段)24と、時間・アングル動画像データを記憶する記憶部25とを備えている。
通信部14は、サーバ3から送信された時間・アングル動画像データを受信し、当該時間・アングル動画像データを制御部23に出力する。
操作部22は、例えば画面上のポインタ(アングル切り替え指示表示)を移動させるマウスやタッチパッド、ボタンなどからなり、ユーザからの各種指示を受け付け、指示信号を制御部23に出力する。
表示部24は、例えばモニタなどからなり、記憶部25に記憶された時間・アングル動画像データなどの動画像を表示する。
記憶部25は、例えばハードディスクやメモリなどからなり、時間・アングル動画像データなどの他、各種プログラムや作業データなどを記憶する。
制御部23は、メイン制御部231と、時間・アングル動画像データのフレームの出力を制御するフレーム制御部(読み出し手段)232とを備えている。
メイン制御部231は、制御部23内全体の制御を行う。
フレーム制御部232は、タイムコードおよびアングルコードに基づいてフレームを読み出し、表示部24に出力する。
【0034】
サーバ3は、データを記憶する不図示の記憶部を備えている。そして、サーバ3は、編集装置1から送信される時間・アングル動画像データを記憶部に記憶し、表示装置2からの送信指示により、時間・アングル動画像データを表示装置2に送信する。
【0035】
次に、このように構成された第1の実施形態における動画像処理表示システム10の動作について説明する。
まず、カメラの設置と、基準被写体を利用した仮撮影について説明する。
図2に示すように、撮影する位置に合わせて、カメラc1〜c9と基準被写体100とが設置される。
カメラc1〜c9は、本番の被写体が位置する撮影位置Pを中心点として、円上に配置される。円の半径は例えば1m〜10mなどに設定される。また、カメラc1〜c9は、それぞれ撮影位置Pに向けられ、円上において互いに周方向に均等間隔を空けて配置される。なお、撮影位置Pに対して正面に設置されたのがカメラc5であり、カメラc1〜c4およびカメラc6〜c9は、カメラc5と撮影位置Pとを通る中心線に対して互いに線対称に設置される。
【0036】
基準被写体100は、合致処理を行うための基準の被写体として、撮影位置Pに設置されて一時的に利用されるものである。この基準被写体100は、透明なガラスやアクリルなどからなる球状部100aと、この球状部100aの中心点を通る金属製の基準軸部100bと、球状部100a内の中心点に固定された基準中心部100cとを備えている。
基準軸部100bは、中心点を通って球状部100aを貫通した状態で固定されている。なお、図2においては説明の便宜のため、基準軸部100bが水平方向に延ばされた状態が示されているが、実際には、基準軸部100bは、撮影位置Pにおいて床面に対して垂直に立てられた状態で設置される。
基準中心部100cは、不図示の光源部を備えており、所望のタイミングで発光するようになっている。
このように撮影位置Pに基準被写体100が設置された状態で、カメラc1〜c9により仮撮影を行う。このとき、基準中心部100cの光源部を所望のタイミングで瞬間的に発光させ、この発光した様子も仮撮影する。なお、動画品質としては、例えば1秒間に30フレームの30fpsとする。
【0037】
次いで、図3を参照して、編集装置1が、動画像データに対して合致処理などの前処理を行う動作について説明する。
ユーザが表示部16に表示された編集画面を見ながらマウス操作により、仮撮影の動画像データの取り込みを指示する。操作部12は、ユーザからの動画像データ取り込みの指示操作を受け付けると、制御部13に取り込み指示信号を出力する(ステップS1)。制御部13のメイン制御部131は、当該取り込み指示信号を入力すると、入力部11を介してカメラc1に出力指示信号を出力する(ステップS2)。カメラc1は、当該出力指示信号を入力すると、仮撮影時の動画像データとカメラ識別情報とを出力する(ステップS3)。なお、カメラ識別情報は、カメラc1に固有の識別コード(バイナリデータ)であり、動画像データの所定の位置に書き込まれるものである。また、カメラc1〜c9にそれぞれ固有のカメラ識別情報が設定されていることは言うまでもない。
【0038】
さらに、メイン制御部131は、カメラc1から出力された動画像データとカメラ識別情報とを入力部11を介して入力すると、それら動画像データとカメラ識別情報とを記憶部15に記憶する(ステップS4)。そして、メイン制御部131は、カメラc1〜c9の台数分の動画像データの取り込みが完了したか否かを判定する(ステップS5)。すなわち、メイン制御部131は、記憶部15に記憶されたカメラ識別情報の有無によって上記判定を行う。なお、本実施形態においては、メイン制御部131がカメラc1〜c9の台数分の動画像データの取り込みを自動判定することとしているが、これに限ることはなく、ユーザの指示操作に基づいて、メイン制御部131が台数分の動画像データを取り込んでも良い。
メイン制御部131は、動画像データの取り込みが完了していないと判定すると(ステップS5:NO)、入力部(カメラc1の隣の入力ポート)11からの出力を読み出して、ステップS4,5の動作を繰り返す。一方、メイン制御部131は、動画像データの取り込みが完了したと判定すると(ステップS5:YES)、サイズ合致処理指示信号を合致処理演算部132に出力する。
【0039】
合致処理演算部132は、当該サイズ合致処理指示信号を入力するとサイズ合致処理を行う(ステップS6)。すなわち、合致処理演算部132は、図4に示すように、カメラc1〜c9の動画像データを記憶部15から読み出し、それぞれの球状部100aの動画像サイズをすべて合致させるように、それぞれの動画像データに対して動画像サイズ情報を算出する。具体的には、合致処理演算部132が、画像認識処理によって、それぞれの球状部100aの動画像サイズがすべて合致するような拡大サイズを算出し、これら拡大サイズを動画像サイズ情報とする。なお、基準となる球状部100aの動画像サイズは、ユーザからの操作部12の操作によってあらかじめ設定されている。
合致処理演算部132は、それぞれの動画像サイズ情報をカメラ識別情報と対応させて記憶部15に記憶する。
【0040】
さらに、合致処理演算部132は、傾き合致処理を行う(ステップS7)。すなわち、合致処理演算部132は、図5に示すように、カメラc1〜c9の動画像データの基準軸部100bの動画像における傾きをすべて合致させるように、それぞれの動画像データに対して動画像傾き情報を算出する。具体的には、合致処理演算部132が、画像認識処理によって、それぞれの基準軸部100bが動画像において垂直方向(上下方向)にすべて合致するような修正角度を算出し、これら修正角度を動画像傾き情報とする。
合致処理演算部132は、それぞれの動画像傾き情報をカメラ識別情報と対応させて記憶部15に記憶する。
【0041】
さらに、合致処理演算部132は、中心点合致処理を行う(ステップS8)。すなわち、合致処理演算部132は、図6に示すように、カメラc1〜c9の動画像データの基準中心部100cの動画像における位置をすべて動画像の中心点に合致させるように、それぞれの動画像データに対して動画像中心点情報を算出する。具体的には、合致処理演算部132が、画像認識処理によって、それぞれの基準中心部100cが動画像において中心点にすべて合致するような中心差分情報(中心点からの座標上の差分)を算出し、これら中心差分情報を動画像中心点情報とする。
合致処理演算部132は、それぞれの動画像中心点情報をカメラ識別情報と対応させて記憶部15に記憶する。
【0042】
さらに、合致処理演算部132は、タイミング合致処理を行う(ステップS9)。すなわち、合致処理演算部132は、図7に示すように、カメラc1〜c9の動画像データのうち発光部が発光しているフレームを基準にしてすべてのタイミング(時間軸)を合致させるように、それぞれの動画像データに対して動画像タイミング情報を算出する。具体的には、合致処理演算部132が、画像認識処理によって、それぞれの発光しているフレーム(図7において黒丸で示すフレーム)が動画像の時間軸においてすべてタイミングが合致するようなタイミング差分情報(時間軸上の差分)を算出し、これらタイミング差分情報を動画像タイミング情報とする。
合致処理演算部132は、それぞれの動画像タイミング情報をカメラ識別情報と対応させて記憶部15に記憶する。
つまり、合致処理演算部132は、カメラc1〜c9のそれぞれの動画像データに対して、動画像サイズ情報、動画像傾き情報、動画像中心点情報および動画像タイミング情報をそれぞれのカメラ識別情報と対応させて記憶部15に記憶する。
このようにして、本番の被写体撮影の前処理動作が行われる。
なお、本実施形態においては、サイズ合致処理、傾き合致処理、中心点合致処理、タイミング合致処理を合致処理演算部132が画像認識処理によって自動で行うようにしているが、これに限ることはなく、合致処理演算部132が、それぞれの処理をユーザの指示操作に基づいて行うようにしても良い。例えば、ユーザが表示部16を目視しながら、マウス操作によって、サイズ、傾き、中心点およびタイミングを合致させるように編集してもよい。
【0043】
次いで、本番の被写体撮影時における編集装置1の動作について、図8を参照して説明する。
前処理動作のときのカメラc1〜c9の位置と角度を固定したまま、図2に示す撮影位置Pから基準被写体100を取り外して、本番撮影用の被写体を設置する。なお、本実施形態においては、被写体を人物とするので、当該人物に撮影位置Pに立ってもらう。
そして、カメラc1〜c9によって、例えば30fpsの動画品質で被写体の撮影を行う。
なお、本撮影時の動画像データの取り込み動作は、図3に示す仮撮影時の動画像データの取り込み動作(ステップS1〜S5)と同じであるので、ここでの説明は省略する。また、入力部11が、カメラc1〜c9から出力された動画像データとカメラ識別情報とを入力する動作が入力ステップとなる。
【0044】
ステップS5において、メイン制御部131が、動画像データの取り込みが完了したと判定した(ステップS5:YES)とする。
ユーザが、表示部16に表示された編集画面を見ながらマウス操作により、動画像データの編集を指示する。操作部12は、ユーザからの編集指示操作を受け付けると、編集指示信号を制御部13に出力する(ステップS10)。メイン制御部131は、当該編集指示信号を入力すると、合致処理演算部132に合致処理指示信号を出力する。合致処理演算部132は、当該合致処理指示信号を入力すると、記憶部15に記憶されたカメラc1のカメラ識別情報にアクセスし、当該カメラ識別情報に対応する動画像データを抽出する。そして、合致処理演算部132は、当該動画像データに対して、サイズ合致処理、傾き合致処理、中心点合致処理およびタイミング合致処理などの合致処理を行う(ステップS11)。
【0045】
すなわち、合致処理演算部132は、サイズ合致処理として、カメラ識別情報に対応する動画像サイズ情報を読み出し、図4に示すように、動画像のサイズ補正をフレームごとに行う。具体的には、合致処理演算部132が、現行動画像データの動画像サイズに動画像サイズ情報を乗算することにより、あらかじめ決められたサイズまで現行動画像データを拡大または縮小させる。
さらに、合致処理演算部132は、傾き合致処理として、カメラ識別情報に対応する動画像傾き情報を読み出し、図5に示すように、動画像の傾き補正をフレームごとに行う。具体的には、合致処理演算部132が、現行動画像データの傾き角度に動画像傾き情報を加算することにより、現行動画像データの傾きを垂直に補正する。
さらに、合致処理演算部132は、中心点合致処理として、カメラ識別情報に対応する動画像中心点情報を読み出し、図6に示すように、動画像の中心点の位置補正をフレームごとに行う。具体的には、合致処理演算部132が、現行動画像データの中心点の位置に動画像中心点情報を加算することにより、現行動画像データの中心点の位置を補正する。
そして、合致処理演算部132は、タイミング合致処理として、カメラ識別情報に対応する動画像タイミング情報を読み出し、図7に示すように、動画像のタイミング補正をフレームごとに行う。具体的には、合致処理演算部132が、現行動画像データのタイミング情報に動画像タイミング情報を加算することにより、現行動画像データのタイミングを補正する。
なお、カメラc1〜c9の全ての動画像データに対して、これら合致処理を行うことにより、全ての動画像データのサイズ、傾き、中心点位置およびタイミングが合致することになる。
【0046】
そして、合致処理演算部132は、合致処理を完了すると、メイン制御部131に完了信号を出力する。メイン制御部131は、当該完了信号を入力すると、動画像データ生成部133に生成指示信号を出力する。
動画像データ生成部133は、当該生成指示信号を入力すると、合致処理された動画像データから時間・アングル動画像データを生成する(ステップS12:時間・アングル動画像データ生成ステップ)。
すなわち、動画像データ生成部133は、合致処理された動画像データのフレームごとに、最初のフレームから最後のフレームにかけて順にタイムコード(TC)を設定する。なお、タイムコードとは、各フレームの時間軸における位置を識別するための識別コード(バイナリデータ)であって、フレームごとの所定の位置に書き込まれるものである。さらに、動画像データ生成部133は、合致処理された動画像データに対して、固有のアングルコード(AC)を設定する。なお、アングルコードとは、カメラc1〜c9にそれぞれ固有の識別コード(バイナリデータ)であって、アングルごとの位置を示すものであり、動画像データの所定の位置に書き込まれるものである。アングルコードは、新たに生成してもよいが、ここでは新たに生成することなく、すでに書き込まれたカメラ識別情報をアングルコードとして兼用するものとする。このように、時間・アングル動画像データとは、タイムコードとアングルコードがフレームごとに設定された動画像データをいう。
動画像データ生成部133は、生成した時間・アングル動画像データに関して生成終了フラグをオンにした状態で記憶部15に記憶すると、生成終了信号をメイン制御部131に出力する。
【0047】
メイン制御部131は、当該生成終了信号を入力すると、カメラc1〜c9の台数分の時間・アングル動画像データの生成が完了したか否かを判定する(ステップS13)。すなわち、メイン制御部131は、記憶部15に記憶された時間・アングル動画像データの生成終了フラグのオンオフによって上記判定を行う。メイン制御部131は、時間・アングル動画像データの生成が完了していないと判定すると(ステップS13:NO)、次のカメラ識別情報に基づいて記憶部15から動画像データを読み出す。そして、合致処理演算部132および動画像データ生成部133によるステップS11,12の動作を繰り返す。一方、メイン制御部131は、時間・アングル動画像データの生成が完了したと判定すると(ステップS13:YES)、操作部12の出力を読み出す(ステップS14)。
メイン制御部131は、ユーザからの送信指示操作により操作部12が出力した送信指示信号を読み出すと、カメラc1〜c9の時間・アングル動画像データを記憶部15から読み出して、通信部14を介してサーバ3に送信する(ステップS15:出力ステップ)。
これにより、サーバ3に時間・アングル動画像データが記憶される。
【0048】
次いで、表示装置2における時間・アングル動画像データの表示動作について、図9を参照して説明する。
操作部22は、ユーザからの動画像の取り込み指示操作を受け付け、取り込み指示信号を制御部23に出力する(ステップS21)。制御部23のメイン制御部231は、当該取り込み指示信号を入力すると、通信部21を介してサーバ3から時間・アングル動画像データを入力し記憶部25に記憶する(ステップS22)。そして、操作部22は、ユーザからの動画像の表示指示操作を受け付け、表示指示信号を制御部23に出力する(ステップS23)。
【0049】
メイン制御部231は、当該表示指示信号を入力すると、フレーム制御信号をフレーム制御部232に出力する。フレーム制御部232は、当該フレーム制御信号を入力すると、図10に示すように、カメラc1のアングルコード(AC1)にアクセスし、当該アングルコードに対応する時間・アングル動画像データのうち最初のタイムコード(TC1)が設定されたフレームを読み出す(読み出しステップ)。そして、フレーム制御部232は、当該フレームを表示部24に出力する(ステップS24)。表示部24は、当該フレームを再生処理し画面に表示する(ステップS25:表示ステップ)。それから、同様にして、フレーム制御部232は、同じアングルコード(AC1)のフレームを、タイムコードの順番に連続して出力し、表示部24が、30fpsの品質で当該フレームを連続して再生処理することにより、動画像として表示される。
【0050】
ユーザが操作部22を操作してアングル変更を指示すると、操作部22が表示部24の表示画面上のポインタの座標情報を制御部23に出力する(ステップS26:アングル切り替え指示入力ステップ)。メイン制御部231は、当該座標情報を入力し、フレーム制御部232に出力する。
なお、表示部24の表示画面上の座標は、各アングルコードに対応付けられている。すなわち、図25に示すように、表示画面上のx軸方向(横方向)の座標において、例えば0〜19をAC1とし、20〜39をAC2とし、40〜59をAC3とし、60〜79をAC4とし、80〜99をAC5とし、100〜119をAC6とし、120〜139をAC7とし、140〜159をAC8とし、160〜179をAC9として、20ごとに別のアングルコードが対応付けられている。そして、これら対応関係が対応テーブルとして記憶部25に記憶されている。これらアングルコードは、図2に示すカメラc1〜c9の周方向における左周りの順番ごとに、表示画面上のx軸の左から右に向かって順番に割り振られている。すなわち、図2に示す撮影位置Pと、図25に示す表示画面上の表示エリアの表示中心点P1とが揃えられており、アングルコードは、実際のカメラc1〜c9の配列の順番と表示画面上の座標上の順番が適合するように対応付けされている。換言すると、アングルコードは、指示表示座標における表示中心点P1に対する表示画面上のアングルと、表示される動画像のアングルとが適合するように、指示表示座標に対応付けられている。なお、図25において、AC1〜AC9を表示しているが、これは説明の便宜のためであって、実際の表示画面ではそれらAC1〜AC9は表示されていないことは言うまでもない。
さて、ユーザは、マウスの操作により、表示画面上においてポインタを横方向に移動させるという動作によって、アングル変更を指示する。つまり、ポインタの座標情報がアングル切り替え指示信号となる。このように、表示部24の表示画面上の座標は、ユーザによるアングル切り替え指示のための指示表示座標および指示座標として機能する。
フレーム制御部232は、操作部22から出力された座標情報を入力すると、座標情報から変更後のアングルコードを記憶部25に記憶された対応テーブルから抽出し、同じタイムコードにおける変更後のアングルコードのフレームを読み出して(切り替え読み出しステップ)表示部24に出力する(ステップS27)。なお、このとき、フレーム制御部232は、ポインタの始点から終点までの全体移動に対して、当該全体移動の距離よりも小さな分割単位に分割して、その分割単位の移動ごとにアングルコードを抽出する。つまり、フレーム制御部232は、ポインタの始点から終点までの全体移動に至るまでの間、分割単位ごとにアングルコードを連続して抽出する。換言すれば、指示表示座標において隣り合うアングルコードを越えて連続してポインタが移動すると、操作部22は、フレーム制御部232に座標情報を連続して出力し、フレーム制御部232は、それら座標情報に対応するアングルコードを連続して抽出する。
そして、表示部24は、変更後のフレームに連続して切り替えて表示する(ステップS28:切り替え表示ステップ)。
【0051】
例えば、図10に示すように、タイムコードTC2においてアングルコードAC1のフレームが表示部24に表示されているときに、ユーザの操作により、ポインタが始点(15,0)から終点(25,0)まで移動したとする。フレーム制御部232は、1ポイントごとの分割単位として、始点(15,0)と横方向に隣り合う(16,0)に対応するアングルコードを抽出する。このときのアングルコードは、AC1であり、変化なしとなる。フレーム制御部232は、1ポイントごとにステップS27を繰り返し、例えばポインタが(20,0)の座標に移動したとき、アングルコードの抽出をAC2に切り替える。そして、フレーム制御部232は、同じタイムコードTC2におけるアングルコードAC2のフレームを読み出して表示部24に出力する。
また、タイムコードTC3およびアングルコードAC3のフレームが表示部24に表示されているときに、30fpsの時間内に、隣り合うアングルコードを超えて、AC3からAC5にポインタ移動によるユーザからのアングル変更の指示があると、フレーム制御部232は、上記と同様に、1ポイントごとの分割単位としてアングルコードを抽出する。すなわち、フレーム制御部232は、ポインタが(30,0)から(50,0)に移動する場合において、ポインタが(30,0)から1ポイントずつ(40,0)に移動したときに、同じタイムコードTC3における隣り合うアングルコードAC4のフレームを表示部24に出力し、さらに、(50,0)に移動したときに、同じタイムコードTC3におけるAC4に隣り合うアングルコードAC5のフレームを表示部24に出力する。これにより、図11に示すように、同じタイムコードにおいて、30fpsの時間内に、隣り合うアングルコードを超えてアングル変更の指示があると、同じタイムコードにおける、隣り合うアングルコードのフレームから変更指示後のアングルコードのフレームまで、途中のフレームを含めて順番に連続して表示部24に表示される。
【0052】
以上より、本実施形態における表示装置2、動画像表示方法、プログラムおよび動画像処理表示システム10によれば、他の時間・アングル動画像データのフレームを独立して再生することなく、タイムコードおよびアングルコードに基づいて、対応する一つの時間・アングル動画像データのフレームのみを再生表示し、フレームごとにアングル切り替え表示することができることから、マシンへの負荷を抑制しつつ、ユーザが見たいアングルの動画像にリアルタイムに切り替えることができる。
また、フレーム制御部232が、指示表示座標において隣り合うアングルコードを越えて連続してポインタが移動すると、ポインタの座標情報に対応するアングルコードを連続して抽出することから、ユーザが単にポインタを横方向に移動させるという一連の動作を行うだけで、ポインタの移動に応じてアングルを連続的に順次切り替えることができる。そのため、ユーザの視点の動きにマッチした自然なアングル切り替えをスムーズに行うことができる。
また、表示中心点P1に対する表示画面上のアングルと、表示される動画像のアングルとが適合するように、アングルコードが指示表示座標に対応付けられていることから、表示中心点P1に対するポインタの位置と表示される動画像のアングルとを適合させることができ、ユーザの視点の動きによりマッチした自然なアングル切り替えをスムーズに行うことができる。
また、フレーム制御部232が、他のフレームを再生することなく、タイムコードおよびアングルコードに基づいて、対応するフレームを当該フレームごとに独立して読み出し、表示部24が、そのフレームごとに独立して連続して再生表示することから、フレームごとのアングル切り替え表示を確実に行うことができる。
【0053】
また、動画像データ生成部133が、動画像データから時間・アングル動画像データを生成することから、タイムコードおよびアングルコードがフレームごとに対応付けられた動画像データを生成することができ、表示装置2において、フレームごとのアングル切り替え表示を確実に行わせることができる。
また、動画像データ生成部133が、動画像データから時間・アングル動画像データを生成することから、タイムコードおよびアングルコードがフレームごとに対応付けられた動画像データを、フレームごとに独立させることができ、表示装置2において、フレームごとに独立した再生表示により、アングル切り替え表示を確実に行わせることができる。
また、合致処理演算部132が、サイズ合致処理、傾き合致処理、中心点合致処理およびタイミング合致処理を行うことから、画面上の被写体のサイズ、傾き、中心点および被写体の動きのタイミングを合致させることができ、表示装置2において、ユーザの間隔によりマッチした自然なアングル切り替え表示を行うことができる。
【0054】
(実施形態2)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図12から図17は、本発明の第2の実施形態を示したものである。
図12から図17において、図1から図11に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは主として異なる点について説明する。
【0055】
動画像処理表示システム10aは、編集装置(動画像処理装置)1aと表示装置(動画像表示装置)2aとサーバ3とを備えている。これら編集装置1aと表示装置2aとサーバ3とは、ネットワークを介して接続されている。
編集装置1aは、装置全体を制御する制御部13aを備えている。また、編集装置1aは、入力部11と操作部12と通信部14と記憶部15と表示部16とを備えている。
制御部13aは、メイン制御部131aと、アングル合成フレームを生成するアングル合成フレーム生成部(アングル合成フレーム生成手段)134と、アングル合成フレームの圧縮処理を行う圧縮処理演算部(圧縮処理手段)135とを備えている。また、制御部13aは、合致処理演算部132と、動画像データ生成部133とを備えている。
【0056】
メイン制御部131aは、制御部13a内全体の制御を行う。
アングル合成フレーム生成部134は、記憶部15に記憶された動画像データから、同じタイムコードにおける異なるアングルコードのフレームを抽出し、それらフレームを縦横に配置して合成したアングル合成フレームを生成する。
圧縮処理演算部135は、アングル合成フレームの圧縮処理を行う。圧縮処理としては、例えば、離散コサイン変換や動き補償フレーム間予測を利用することにより、アングル合成フレーム内の冗長情報を削除する方法などがある。
【0057】
表示装置2aは、装置全体を制御する制御部23aと、動画像を表示する表示部(表示手段)24aとを備えている。また、表示装置2aは、通信部21と操作部22と記憶部25とを備えている。
表示部24aは、例えばモニタなどからなり、記憶部25に記憶されたアングル合成フレームなどの動画像を表示する。
制御部23aは、メイン制御部231aと、アングル合成フレームの出力を制御する合成フレーム制御部(読み出し手段)232aと、圧縮されたアングル合成フレームの解凍処理を行う解凍処理演算部233とを備えている。
メイン制御部231aは、制御部23a内全体の制御を行う。
解凍処理演算部233は、圧縮されたアングル合成フレームの解凍処理を行い、合成フレーム制御部232aに出力する。
合成フレーム制御部232aは、解凍されたアングル合成フレームを読み出して、表示部24aに出力する。
【0058】
次に、このように構成された第2の実施形態における動画像処理表示システム10aの動作について説明する。
なお、カメラや基準被写体100の設置、合致処理などの前処理については、上記第1の実施形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。
以下では、本番の被写体撮影時における編集装置1aの動作について、図13を参照して説明する。
図13において、ステップS31〜S39までは、図8におけるステップS1〜S13までの処理と同様であるので、ここでの説明は省略する。
さて、メイン制御部131aは、時間・アングル動画像データの生成が完了したと判定すると(ステップS39:YES)、アングル合成フレーム生成部134に合成指示信号を出力する。
【0059】
アングル合成フレーム生成部134は、当該合成指示信号を入力すると、記憶部15に記憶された時間・アングル動画像データを読み出し、アングル合成フレームを生成する(ステップS40)。すなわち、アングル合成フレーム生成部134は、最初のタイムコードの全てのアングルコードに対応するフレームを抽出し、あらかじめ決められた所定の位置に配置する。例えば、図14に示すように、タイムコードTC1における9つのアングルコードAC1〜AC9に対して、左上から右上にかけてアングルコードAC1〜AC3があらかじめ決められ、左中から右中にかけてアングルコードAC4〜AC6、左下から右下にかけてアングルコードAC7〜AC9があらかじめ決められている。したがって、アングル合成フレーム生成部134は、最初にアングルコードAC1に対応するフレームを、あらかじめ決められたアングルコードAC1の位置(左上の位置)に配置する。
【0060】
そして、アングル合成フレーム生成部134は、同一のタイムコードTC1から残りのアングルコードAC2〜AC9まで同様の処理を行い、図15に示すように、一つのアングル合成フレームを生成する。アングル合成フレームは、同一のタイムコードにおける全てのアングルコードAC1〜AC9が縦横に配置されたデータである。
アングル合成フレーム生成部134は、同一のタイムコードにおいてアングル合成フレームを生成すると、直後のタイムコードにおいても同様の処理を行い、さらに全てのタイムコードに対して同様の処理を行う。すなわち、タイムコードの数だけアングル合成フレームが生成され、記憶部15に記憶される。
アングル合成フレーム生成部134は、全てのアングル合成フレームの生成と記憶が完了すると、圧縮処理演算部135に圧縮指示信号を出力する。
【0061】
圧縮処理演算部135は、当該圧縮指示信号を入力すると、記憶部15から最初のアングル合成フレームを読み出し、圧縮処理を行う(ステップS41)。すなわち、圧縮処理演算部135は、最初のタイムコードにおけるアングル合成フレーム内の冗長情報を削除したのち、当該圧縮したアングル合成フレームを記憶部15に記憶する。そして、圧縮処理演算部135は、全てのアングル合成フレームに対して、順番に圧縮処理を行い記憶部15に記憶すると、圧縮完了信号をメイン制御部131aに出力する。
メイン制御部131aは、当該圧縮完了信号を入力すると、操作部12の出力を読み出す。
ユーザが操作部12を操作して送信を指示すると、操作部12が送信信号を出力する。メイン制御部131aは、当該送信信号を入力すると、記憶部15に記憶された、圧縮されたアングル合成フレームを抽出し、通信部14を介してサーバ3に送信する(ステップS42)。
これにより、サーバ3に圧縮されたアングル合成フレームが記憶される。
【0062】
次いで、表示装置2aにおけるアングル合成フレームの表示動作について、図16を参照して説明する。
なお、図16において、ステップS51〜S53までは、図9におけるステップS21〜S23までの処理とほぼ同様であるので、ここでの説明は省略する。
さて、操作部22が制御部23aに表示信号を出力すると(ステップS53)、メイン制御部231aは、当該表示信号を入力し、解凍処理演算部233に解凍処理指示信号を出力する。解凍処理演算部233は、当該解凍処理指示信号を入力すると、最初のタイムコードに対応する圧縮されたアングル合成フレームを記憶部25から読み出し、解凍処理を行う(ステップS54)。そして、解凍処理演算部233は、解凍したアングル合成フレームを記憶部25に記憶し、解凍完了信号をメイン制御部231aに出力する。
メイン制御部231aは、当該解凍完了信号を入力すると、解凍されたアングル合成フレームを読み出し、表示部24aに出力する(ステップS55)。表示部24aは、図15に示すように、アングル合成フレーム全体を再生処理し、アングルコードAC1に対応する左上のフレームのみを表示する(ステップS56)。
それから、同様にして、メイン制御部231aは、解凍処理演算部233が解凍したアングル合成フレームをタイムコードの順番に表示部24aに連続的に出力し、表示部24aが当該アングル合成フレーム全体をタイムコードの順番に連続的に再生処理し、同じアングルコードAC1に対応するフレームのみを表示する。
【0063】
この状態で、ユーザが操作部22を操作してアングル変更を指示すると、操作部22が画面上のポインタの座標情報を制御部23aに出力する(ステップS57)。メイン制御部231aは、当該座標情報を入力し、合成フレーム制御部232aに出力する。合成フレーム制御部232aは、座標情報を入力すると、座標情報から変更後のアングルコードを抽出し、表示部24aに出力する(ステップS58)。表示部24aは、当該変更後のアングルコードを入力すると、再生中のアングル合成フレームのうち現在表示しているフレームから、同じアングル合成フレームのうち変更後のアングルコードに対応するフレームへと切り替え表示する(ステップS59)。例えば、合成フレーム制御部232aは、図17に示すように、タイムコードTC1において、アングルコードAC1のみのフレームを表示しているとする。なお、図17において、タイムコードごとに上からアングルコードAC1〜AC9が各フレームに設定されており、白色のフレームが表示されるものとする。
【0064】
操作部22から、アングルコードAC1からAC2への変更指示があると、合成フレーム制御部232aは、アングルコードAC2への変更指示信号を表示部24aに出力する。表示部24aは、変更指示信号を入力すると、30fpsの時間内での変更指示の場合、再生中のアングル合成フレームのアングルコードAC2のフレームの表示に切り替える。また、タイムコードTC2においてアングルコードAC2のフレームが表示されているときに、30fpsの時間内に、隣り合うアングルコードを超えて、AC2からAC6にカーソル移動によるユーザからのアングル変更の指示があると、合成フレーム制御部232aは、アングル変更指示信号を表示部24aに出力する。表示部24aは、再生中のアングル合成フレームのアングルコードAC2からAC3、AC4、AC5、AC6へと、隣り合うアングルコードを順番に表示する。これにより、図11に示すように、同じタイムコードにおいて、30fpsの時間内に、隣り合うアングルコードを超えてアングル変更の指示があると、同じタイムコードにおける、隣り合うアングルコードのフレームから変更指示後のアングルコードのフレームまで、途中のフレームを含めて順番に連続して表示部24aに表示される。
【0065】
以上より、本実施形態における表示装置2a、動画像表示方法、プログラムおよび動画像処理表示システム10aによれば、合成フレーム制御部232aが、アングル合成フレームごとに読み出して、表示部24aが、アングル合成フレームごとに再生し、所定のフレームのみを表示することから、アングル変更の切り替え表示をより迅速に行うことができる。
また、アングル合成フレーム生成部134が、アングル合成フレームを生成することから、表示装置2において、アングル変更の切り替え表示をより迅速に行わせることができる。
また、圧縮処理演算部135が、アングル合成フレームを圧縮することから、時間・アングル動画像データの容量を減らすことができ、各機器の負荷を減少させることができる。
【0066】
(実施形態3)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図18から図21は、本発明の第3の実施形態を示したものである。
図18から図21において、図1から図11に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは主として異なる点について説明する。
【0067】
動画像処理表示システム10bは、編集装置(動画像処理装置)1bと表示装置(動画像表示装置)2bとサーバ3とを備えている。これら編集装置1bと表示装置2bとサーバ3とは、ネットワークを介して接続されている。
編集装置1bは、装置全体を制御する制御部13bを備えている。また、編集装置1bは、入力部11と操作部12と通信部14と記憶部15と表示部16とを備えている。
制御部13bは、メイン制御部131bと、カメラc1〜c9の位置情報を設定する位置情報設定部136とを備えている。また、制御部13bは、合致処理演算部132と、動画像データ生成部133とを備えている。
【0068】
メイン制御部131bは、制御部13b内全体の制御を行う。
位置情報設定部136は、カメラc1〜c9の位置情報を算出し、当該位置情報をアングルコードごとに対応付けて記憶部15に記憶する。なお、位置情報の算出方法は、適宜変更可能である。例えば、ユーザが操作部12を操作して所定のパラメータを入力し、当該パラメータを利用して所定の関数に基づいて位置情報を算出したり、ユーザが操作部12を操作してカメラc1〜c9の座標情報を入力し、当該座標情報をそのまま位置情報として設定するようにしてもよい。
【0069】
表示装置2bは、装置全体を制御する制御部23bと、動画像を表示する表示部(表示手段)24bとを備えている。また、表示装置2bは、通信部21と操作部22と記憶部25とを備えている。
表示部24bは、例えばモニタなどからなり、記憶部25に記憶された時間・アングル動画像データなどの動画像を表示する。
制御部23bは、メイン制御部231bと、時間・アングル動画像データの出力を制御するフレーム制御部(読み出し手段、移動情報算出手段)232bとを備えている。
メイン制御部231bは、制御部23b内全体の制御を行う。
フレーム制御部232bは、タイムコードおよびアングルコードに基づいてフレームを読み出し、表示部24bに出力する。また、フレーム制御部232bは、記憶部25に記憶された位置情報を利用して、アングル変更の制御を行う。
【0070】
次に、このように構成された第3の実施形態における動画像処理表示システム10bの動作について説明する。
なお、カメラや基準被写体の設置、合致処理などの前処理については、上記第1の実施形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。
以下では、本番の被写体撮影時における編集装置1bの動作について、図19を参照して説明する。
図19において、ステップS61〜S69までは、図8におけるステップS1〜S13までの処理と同様であるので、ここでの説明は省略する。
さて、メイン制御部131bは、時間・アングル動画像データの生成が完了したと判定すると(ステップS69:YES)、操作部12の出力を読み出す。
【0071】
ユーザが操作部12を操作して位置情報に関するパラメータを入力すると、メイン制御部131bは、操作部12から出力されたパラメータを入力し、記憶部15に記憶した後、位置情報設定指示信号を位置情報設定部136に出力する。位置情報設定部136は、当該位置情報設定指示信号を入力すると、記憶部15からパラメータを読み出し、カメラc1〜c9の位置情報を算出する(ステップS70)。位置情報の算出は、例えば以下のようにして行う。図20に示すように、パラメータとしては、カメラc1〜c9が配置された円の半径rと、プラスのx軸からのカメラ設置角度θとの2種類がある。位置情報設定部136は、これら半径rと角度θのパラメータを入力すると、まずカメラc1の位置情報を算出する。
【0072】
カメラの座標は、以下の式により表される。
カメラの座標(x,y)=(r cosθ,-r sinθ)
例えば、半径が1m、
カメラc1の角度θ1が162°、
カメラc2の角度θ2が144°、
カメラc3の角度θが126°、
カメラc4の角度θが108°、
カメラc5の角度θが90°だとすると、
カメラc1の座標(x,y)≒(-0.95,-0.31)、
カメラc2の座標(x,y)≒(-0.81,-0.59)、
カメラc3の座標(x,y)≒(-0.59,-0.81)、
カメラc4の座標(x,y)≒(-0.31,-0.95)、
カメラc5の座標(x,y)≒(0.00,-1.00)となる。
【0073】
位置情報設定部136は、これら座標を位置情報として、アングルコードごとに対応付けて記憶部15に記憶する(ステップS71)。
メイン制御部131bは、ユーザからの送信指示により操作部12が出力した送信指示信号を読み出すと、カメラc1〜c9の時間・アングル動画像データと位置情報とを記憶部15から読み出して、通信部14を介してサーバ3に送信する(ステップS72)。
これにより、サーバ3に時間・アングル動画像データと位置情報とが記憶される。
【0074】
次いで、表示装置2bにおける時間・アングル動画像データの表示動作について、図21を参照して説明する。
なお、図21において、ステップS81〜S86までは、図9におけるステップS21〜S26までの処理とほぼ同様であるので、ここでの説明は省略する。
なお、表示部24bは、カメラc1の動画像データを表示しているものとする。
操作部22が制御部23bに座標情報を出力すると(ステップS86)、メイン制御部231bは、当該座標情報を入力し、フレーム制御部232bに出力する。フレーム制御部232bは、当該座標情報を入力すると、ポインタの移動情報を算出する(ステップS87)。すなわち、フレーム制御部232bは、ポインタの始点の座標と移動後の座標とを抽出し、横方向の差分を演算して所定の係数を乗ずることにより、移動情報を算出する。なお、このとき、フレーム制御部232bは、ポインタの始点から終点までの全体移動に対して、当該全体移動の距離よりも小さな分割単位に分割して、その分割単位の移動ごとに移動情報を算出する。つまり、フレーム制御部232bは、ポインタの始点から終点までの全体移動に至るまでの間、分割単位ごとに複数の移動情報を連続して算出する。
【0075】
例えば、ユーザがマウスを右に動かして、始点(0,0)から(100,0)にポインタを連続して移動させたとする(画面上右に5cm移動)。まず、フレーム制御部232bは、1ポイントごとの分割単位として、始点(0,0)と横方向に隣り合う(1,0)との差分1を算出し、係数0.005を乗じ移動情報0.005を算出する。
さらに、フレーム制御部232bは、カメラc1の位置情報(-0.95,-0.31)のうちx座標から+0.005(カメラ位置上右に0.5cmに相当)を加算する。つまり、加算結果は-0.95+0.005=-0.945となる。そして、フレーム制御部232bは、加算結果-0.945と一番距離の近いx座標を有する位置情報を抽出する(ステップS88)。例えば、このときの加算結果-0.945とカメラc1のx座標との差分は0.005、カメラc2のx座標との差分は0.135(0.945-0.81)となり、加算結果-0.945と一番近いx座標は-0.95を有するカメラc1となる。さらに、フレーム制御部232bは、ポインタが1ポイント移動するごとに同様の処理を繰り返す。なお、14回目の処理で、加算結果は0.95-(0.005×14)=0.88,カメラc1との距離:0.95-0.88=0.07、カメラc2との距離:0.88-0.81=0.07となり、カメラc1とカメラc2との距離が等しくなる。フレーム制御部232bは、距離が等しいときは、変更前のカメラc1のままのアングルコードを維持する。さらに、15回目の処理で、加算結果は0.95-(0.005×15)=0.875,カメラc1との距離:0.95-0.875=0.075、カメラc2との距離:0.875-0.81=0.065となり、カメラc2の方が近くなる。そのため、フレーム制御部232bは、カメラc2の位置情報から、同じタイムコードにおけるアングルコードAC2のフレームを抽出し、表示部24bに出力する(ステップS89)。
【0076】
そして、表示部24bは、アングルコードAC1のフレームからアングルコードAC2のフレームに切り替えて表示する(ステップS90)。すなわち、ポインタが連続して右に5cm移動すると、その間、フレーム制御部232bが、ポインタが右に1ポイント移動するたび、カメラの位置情報を0.5cm間隔でチェックし、位置情報が切り替わるたびに、表示部24bが隣り合うカメラのフレーム表示に切り替える。すなわち、現在表示されているフレームから、ポインタが5cm動いた後のフレームへと直接切り替え表示されるのではなく、図11に示すように、ポインタが5cm動く間の途中に配されているカメラのフレームが連続的に切り替え表示されていく。なお、表示装置2bは、ポインタが右に5cm、座標(100,0)に移動するまで、ステップS86〜S90の処理を繰り返す。
【0077】
以上より、本実施形態における表示装置2b、動画像表示方法、プログラムおよび動画像処理表示システム10bによれば、フレーム制御部232bが、ポインタの移動情報とカメラの位置情報とに基づいて、フレームを抽出することから、カメラc1〜c9の設置位置に応じて、より自然にアングル変更の切り替え表示を行うことができる。
また、位置情報設定部136が、カメラc1〜c9の位置情報を算出することから、表示装置2bにおいて、カメラc1〜c9の設置位置に応じて、より自然にアングル変更の切り替え表示を行わせることができる。
【0078】
(実施形態4)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図22から図24は、本発明の第4の実施形態を示したものである。
図22から図24において、図1から図11に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは主として異なる点について説明する。
【0079】
動画像処理表示システム10cは、編集装置(動画像処理装置)1と表示装置(動画像表示装置)2cとサーバ3とを備えている。これら編集装置1と表示装置2cとサーバ3とは、ネットワークを介して接続されている。
編集装置1は、上記第1の実施形態における編集装置1と同一であるのでここでの説明は省略する。
表示装置2cは、装置全体を制御する制御部23cと、動画像を表示する表示部(表示手段)24cとを備えている。また、表示装置2cは、通信部21と操作部22と記憶部25とを備えている。
表示部24cは、例えばモニタなどからなり、記憶部25に記憶された時間・アングル動画像データなどの動画像を表示する。
【0080】
制御部23cは、メイン制御部231cと、時間・アングル動画像データの出力を制御するフレーム制御部(読み出し手段)232cと、フレームに対してブラー処理を行うブラー処理演算部(ブラー処理手段)234とを備えている。
メイン制御部231cは、制御部23c内全体の制御を行う。
フレーム制御部232cは、タイムコードおよびアングルコードに基づいてフレームを読み出し、表示部24cに出力する。また、フレーム制御部232cは、ブラー処理演算部234によってブラー処理されたフレームを記憶部25から読み出し、表示部24cに出力する。
ブラー処理演算部234は、メイン制御部231cから出力されたブラー処理信号を入力すると、記憶部25からフレームを抽出し、操作部22における画面上のポインタの移動時間の長短および移動量の大小に応じたブラー処理を行う。
【0081】
次に、このように構成された第4の実施形態における動画像処理表示システム10cの動作について説明する。
なお、カメラや基準被写体の設置、合致処理などの前処理および編集装置1の編集動作については、上記第1の実施形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。
以下では、表示装置2cにおける時間・アングル動画像データの表示動作について、図23を参照して説明する。
なお、図23において、ステップS91〜S96までは、図9におけるステップS21〜S26までの処理と同様であるので、ここでの説明は省略する。
なお、表示部24cは、カメラc1の動画像データを表示しているものとする。
操作部22が座標情報を出力すると(ステップS96)、メイン制御部231cは、当該座標情報を入力し、フレーム制御部232cに出力する。
【0082】
フレーム制御部232cは、当該座標情報を入力すると、当該入力したときの入力時間と座標情報を記憶部25に記憶し、座標情報からアングルコードを抽出する。すなわち、フレーム制御部232cは、上記第1の実施形態におけるステップS27(図9に示す)と同様に、ポインタの座標情報からアングルコードを抽出する(ステップS97)。フレーム制御部232cは、アングルコードが切り替わったと判定すると、ポインタの移動情報を算出し(ステップS98)、記憶部25に記憶する。例えば、フレーム制御部232cは、ポインタの始点の座標と移動後の座標とを抽出し、横方向の差分を演算することにより、移動情報を算出する。なお、このとき、フレーム制御部232cは、ポインタの始点から終点までの全体移動に対して、隣り合うアングルコードに切り替わったときの小さな切り替え分割単位に分割して、その切り替え分割単位の移動ごとに移動情報を算出する。つまり、フレーム制御部232cは、ポインタの始点から終点までの全体移動に至るまでの間、切り替え分割単位ごとに複数の移動情報を連続して算出する。
さらに、フレーム制御部232cは、ポインタの時間情報を算出し(ステップS99)、記憶部25に記憶する。このときも、フレーム制御部232cは、ポインタの始点から終点までの全体移動に至るまでの間、切り替え分割単位ごとに複数の時間情報を連続して算出する。
【0083】
例えば、ユーザがマウスを右に動かして、始点(0,0)から終点(100,0)にポインタを連続して移動させたとする(画面上右に5cm移動)。まず、フレーム制御部232cは、1ポイントごとの分割単位として、始点(0,0)と横方向に隣り合う(1,0)に対応するアングルコードを抽出する。このときのアングルコードはAC1であり、変化なしとなる。フレーム制御部232cは、1ポイントごとにステップS97を繰り返し、例えばポインタが(20,0)の座標に移動したとき、アングルコードの抽出をAC2に切り替える。そして、フレーム制御部232cは、アングルコードが切り替わったと判定すると、始点(0,0)から(20,0)までの横方向の差分20ポイントを算出して移動情報とする。さらに、フレーム制御部232cは、始点(0,0)における入力時間とアングルコードが切り替わったときの切り替え時間との差分0.2秒を算出して時間情報とする。
【0084】
フレーム制御部232cは、移動情報と時間情報の算出が完了すると、フレームが切り替えられたときのタイムコード、アングルコードおよび完了信号をメイン制御部231cに出力する。メイン制御部231cは、これらタイムコード、アングルコードおよび完了信号を入力すると、タイムコード、アングルコードおよびブラー処理信号をブラー処理演算部234に出力する。
ブラー処理演算部234は、これらタイムコード、アングルコードおよびブラー処理信号を入力すると、当該タイムコードおよびアングルコードに対応するフレームに対してブラー処理を行う(ステップS100)。すなわち、ブラー処理演算部234は、記憶部25に記憶された移動情報(20ポイント)および時間情報(0.2秒)を読み出して、これら移動情報および時間情報に対応するブラーレベルを算出する。例えば、ブラー処理演算部234は、図24に示すように、移動情報−時間情報対応テーブルから、移動情報20(20〜39ポイント)と時間情報0.2とから、レベル11を抽出する。
そして、ブラー処理演算部234は、抽出するフレームにレベル11のブラー処理を行い、フレーム制御部232cに出力する。フレーム制御部232cは、当該フレームを表示部24cに出力する(ステップS101)。これらの動作をポインタが止まるまで繰り返す。
【0085】
表示部24cは、フレーム制御部232cから出力された、ブラー処理されたフレームを切り替えて表示する(ステップS102)。
なお、ポインタの移動情報が大きく時間情報が小さいほど、ブラーレベルが大きくなって、ブラー表示が強くなり、ポインタの移動情報が小さく時間情報が大きいほど、ブラーレベルが小さくなって、ブラー表示が弱くなる。すなわち、ポインタの移動情報が切り替えレベルの大小を意味し、ポインタの時間情報が切り替え時間の長短を意味することになる。
なお、ポインタの全体移動の終点に対応する最後のフレームに関しては、ブラー処理演算部234は、ブラー処理を行ったフレームと終了信号とをフレーム制御部232cに出力し、次のタイムコードのフレームからは、フレーム制御部232cが、記憶部25からフレームを読み出して、ブラー処理を行わずにそのまま表示部24cに出力する。
【0086】
以上より、本実施形態における表示装置2c、動画像表示方法、プログラムおよび動画像処理表示システム10cによれば、ブラー処理演算部234が、所定のフレームに対してブラー処理を行い、表示部24cが、ブラー処理されたフレームを表示することから、アングル変更による臨場感を増大させることができる。
また、ブラー処理演算部234が、ポインタの移動情報と時間情報とに基づいてブラー処理のレベルを算出することから、ユーザによるポインタの移動時間と移動量に合わせて、ブラーのレベルを変更することができ、より臨場感を増大させることができる。
【0087】
(実施形態5)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図26から図28は、本発明の第5の実施形態を示したものである。
図26から図28において、図1から図11に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは主として異なる点について説明する。
【0088】
表示装置(動画像表示装置)2dは、例えばデジタルサイネージなどのように、街頭に設置されて広告表示などに利用されるものである。
この表示装置2dは、装置全体を制御する制御部23dと、記憶部25と、動画像を表示する表示部(表示手段)24dと、所定空間を撮像する受像部(指示入力手段)26とを備えている。
表示部24dは、例えば液晶や有機ELなどのモニタからなり、記憶部25に記憶された時間・アングル動画像データなどの動画像を表示する。
記憶部25には、広告用の時間・アングル動画像データが記憶されている。
受像部26は、例えばカメラなどからなり、表示部24dの上辺部に設けられる。また、受像部26は、表示部24dの前方の所定空間を撮像して撮像データを生成する。
制御部23cは、メイン制御部231dと、時間・アングル動画像データの出力を制御するフレーム制御部(読み出し手段)232dと、画像処理によって人の動きを検知する画像処理部(検知手段)235とを備えている。
メイン制御部231dは、制御部23d内全体の制御を行う。
フレーム制御部232dは、タイムコードおよびアングルコードに基づいて記憶部25からフレームを読み出し、表示部24dに出力する。
画像処理部235は、受像部26が出力した撮像データに対して画像処理を行い、所定空間内の人の動きを検知する。
【0089】
なお、所定空間とは、表示部24dの近傍を通り過ぎる見者が、少なくとも表示部24dが表示する動画像を視認することができる空間のうち、受像部26が撮像できる範囲をいう。そのため、所定空間は、表示部24dの近傍の空間、例えば前方の空間に設定される。この所定空間は、見者がアングル切り替え指示を行うための指示空間座標および指示座標として機能する。そして、図27に示すように、指示空間座標のx軸方向(横方向)の座標において、例えば0〜19をAC1とし、20〜39をAC2とし、40〜59をAC3とし、60〜79をAC4とし、80〜99をAC5とし、100〜119をAC6とし、120〜139をAC7とし、140〜159をAC8とし、160〜179をAC9として、20ごとに別のアングルコードが対応付けられている。そして、これら対応関係が対応テーブルとして記憶部25に記憶されている。アングルコードの切り替えは、指示空間座標において例えば50cmごとに設定される。これらアングルコードは、図2に示すカメラc1〜c9の周方向における左周りの順番ごとに、指示空間座標のx軸の左から右に向かって順番に割り振られている。すなわち、図2に示す撮影位置Pと、図27に示す表示画面上の表示エリアの表示中心点P1とが揃えられており、アングルコードは、実際のカメラc1〜c9の配列の順番と指示空間座標の座標上の順番が適合するように対応付けされている。換言すると、アングルコードは、指示空間座標における表示中心点P1に対するアングルと、表示される動画像のアングルとが適合するように、指示空間座標に対応付けられている。なお、図27において、AC1〜AC9を表示しているが、これは説明の便宜のためであって、実際の指示空間座標にはそれらAC1〜AC9は表示されていないことは言うまでもない。
そして、この指示空間座標内を見者が移動することによって、当該見者がアングル切り替え指示を行う。このとき、見者がアングル切り替え指示を意識しているか否かは問わず、あくまでも、指示空間座標内の移動という動作が見者によるアングル切り替え指示となる。すなわち、画像処理部235は、指示空間座標内における見者の座標の連続した変位を、アングル切り替え指示の座標の連続した変位として検知する。
【0090】
次に、このように構成された第5の実施形態における表示装置2dの動作について説明する。
以下では、表示装置2dにおける時間・アングル動画像データの表示動作について、図28を参照して説明する。
なお、表示部24dは、カメラc5の動画像データを表示しているものとする。
メイン制御部231dは、受像部26の出力を読み出す(ステップS200)。そして、メイン制御部231dは、受像部26から出力された撮像データを入力し、当該撮像データを記憶部25に記憶する。さらに、メイン制御部231dは、画像処理部235に対して検知指示信号を出力する。
画像処理部235は、メイン制御部231dから出力された検知指示信号を入力すると、記憶部25から撮像データを読み出し、画像処理によって指示空間座標内における見者の位置を検知する(ステップS201)。例えば、画像処理部235は、撮像データの前後のフレームの変化によって、指示空間座標内における人の動きを検知する。
【0091】
そして、画像処理部235は、見者が指示空間座標内に存在しているか否かを判定する(ステップS202)。すなわち、画像処理部235は、画像処理によって人の動きを検知することによって、見者が指示空間座標内に存在しているか否かを判定する。そして、画像処理部235は、見者が指示空間座標内に存在していないと判定すると(ステップS202:NO)、検知維持信号をメイン制御部231dに出力し、これによりメイン制御部231dは、ステップS200に戻って処理を繰り返す。
一方、画像処理部235は、見者が指示空間座標内に存在していると判定すると(ステップS202:YES)、指示空間座標内における見者の座標情報をフレーム制御部232dに出力する。そして、フレーム制御部232dは、当該座標情報を入力すると、当該座標情報を入力した時に表示部24dに表示されているフレームのタイムコードを読み出し、当該座標情報に対応するアングルコードを記憶部25に記憶された対応テーブルから抽出する。さらに、フレーム制御部232dは、これらタイムコードとアングルコードとに対応するフレームを記憶部25から読み出して、表示部24dに出力する(ステップS203)。
【0092】
表示部24dは、フレーム制御部232dから出力されたフレームを再生し表示画面に表示する(ステップS204)。
さらに、メイン制御部231dは、ステップS200と同様に、受像部26の出力を読み出す(ステップS205)。そして、画像処理部235は、ステップS201と同様に、画像処理によって指示空間座標内における見者の位置を検知する(ステップS206)。
そして、画像処理部235は、ステップS202と同様に、見者が指示空間座標内に存在しているか否かを判定する(ステップS207)。画像処理部235は、見者が指示空間座標内に存在していると判定すると(ステップS207:YES)、表示信号をメイン制御部231dに出力し、これによりメイン制御部231dは、ステップS203に戻って処理を繰り返す。
一方、画像処理部235は、見者が指示空間座標内に存在していないと判定すると(ステップS207:NO)、処理を終了する。
【0093】
例えば、図27に示すように、見者が表示部24dの正面に対して、左から右に通り過ぎていくものとする。指示空間座標内においてアングルコードAC1が対応付けられた領域に見者が入ってくると、その動きを画像処理部235が検知して、表示部24dがアングルコードAC1に対応するフレームを表示する。このとき表示される動画像のアングルは、指示空間座標における表示中心点P1に対するアングルとマッチしているため、現地点から見者が表示部24dを見たときに表示される動画像は、見者にとって自然なアングルとして表示される。
さらに、見者がアングルコードAC2が対応付けられた領域に入ると、表示部24dがアングルコードAC2に対応するフレームを表示する。すなわち、見者がアングルコードAC1〜AC9まで連続して歩いて行くと、表示部24dは、通過地点に対応するアングルの動画像を連続して切り替えて表示していく。
【0094】
以上より、本実施形態における表示装置2dによれば、上記第1の実施形態における表示装置2と同様の効果を奏することができるだけでなく、見者のアングル変更の意識の有無にかかわらず、見者が連続的に移動するという一連の動作を行うだけで、表示する動画像のアングルを切り替えることができる。したがって、表示部24dの近傍を通り過ぎる見者に関心や注意を喚起させることができる。
また、指示空間座標における表示中心点P1に対するアングルと、表示される動画像のアングルとが適合するように、アングルコードが指示空間座標に対応付けられていることから、指示空間座標における見者の移動に合わせて、その場所ごとにマッチした自然なアングルの動画像を連続して切り替えて表示することができる。
【0095】
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、出力手段としての通信部14がサーバ3に各データを送信するとしているが、これに限ることはなく、適宜変更可能である。例えば、外付けハードディスクや、DVD、USBなどの外部記憶媒体に各データを出力するようにしてもよい。
また、同様に、通信部21についても適宜変更可能である。例えば、外付けハードディスクや、DVD、USBなどの外部記憶媒体に各データを出力するようにしてもよい。
また、通信部14が動画像のための各データを送信するとしているが、これに限ることはなく、制御部13,13a,13bを介して、動画像を表示部16に表示してもよい。この場合、編集装置1,1a,1bが、動画像処理装置と動画像表示装置を兼用することになる。
【0096】
また、カメラc1〜c9の配置は円上にすることなく、適宜変更可能である。例えば、カメラc1〜c9を直線上に配置しても良いし、任意の曲線上に配置しても良い。さらに、カメラc1〜c9を高さ方向に配置しても良いし、縦横や前後に配置しても良い。また、カメラの設置角度・位置・設置数などは適宜変更可能である。
また、画像品質として30fpsとしているが、適宜変更可能である。例えば、10fps〜120fpsなどとしても良い。
また、アングルコードAC1から表示するものとしているが、最初に表示するためのアングルコードは適宜変更可能である。例えば、被写体に対して正面のアングルコードAC5にしても良いし、右端のアングルコードAC9などにしても良い。
また、時間情報をタイムコードとし、アングル情報としてアングルコードとしているが、時間情報およびアングル情報としては適宜変更可能である。
また、サイズ合致処理、傾き合致処理、中心点合致処理およびタイミング合致処理を行うとしているが、これに限ることはなく、それら合致処理の少なくともいずれか一つを行うようにすれば良い。
【0097】
また、操作部12,22として、マウスなどを例示しているが、これに限ることはなく、適宜変更可能である。例えば、アングル切り替え指示表示を表示させずに、タッチパネルなどのように、表示画面と指との接触位置を移動させるようにして、アングル切り替え指示を行っても良い。この場合、指示表示座標における接触位置が、アングル切り替え指示の座標として機能する。
また、上記実施形態5において、見者の移動を画像認識により検知するものとしているが、これに限ることはなく、適宜変更可能である。例えば、見者から発せられる赤外線によって見者の移動を検知する赤外線検知部や、見者の携帯端末のGPS機能を利用した位置検出部などであっても良い。さらに、見者が表示部24dの傾きや角度を変化させたときに、その変化に応じて、動画像のアングルを連続して切り替えることができるように、傾き検知部や角度検知部などであっても良い。
また、画像処理部235が、見者の身体全体の移動を検知するとしているが、これに限ることはなく、適宜変更可能である。例えば、見者の身体の少なくとも一部の移動を検知するものであっても良い。具体的には、指示空間座標内において、見者が手を左から右にスライド移動させたときの手の動きをアングル切り替え指示として検知するようにしても良い。これにより、手などの身体を動かすとその動きに合わせて動画像のアングルを連続して変化させることができるため、見者が動画像のアングルの変化を見ながら、手を動かすなどのアングル切り替え指示をリアルタイムに行うことができる。
また、表示部24,24a,24b,24c,24dとしては、液晶、プラズマ、有機ELなどのモニタだけでなく、ホログラムなどによる立体的な表示であってもよい。
また、画像処理部235が見者の移動を検知するものとしているが、これに限ることはなく、適宜変更可能である。例えば、人でなくても、ネコや犬などのような動物であっても良い。
また、上記実施形態1〜5と上記変形例を自由に組み合わせることができることは言うまでもない。
【0098】
また、第1〜第5の実施形態における制御部13,13a,13bおよび制御部23,23a,23b,23c,23dの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより動画像の処理や表示を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0099】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM、DVD等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【符号の説明】
【0100】
1,1a,1b 編集装置(動画像処理装置)
2,2a,2b,2c,2d 表示装置(動画像表示装置)
10,10a,10b,10c 動画像処理表示システム
11 入力部(入力手段)
14 通信部(出力手段)
22 操作部(指示入力手段,変位手段)
24,24a,24b,24c,24d 表示部(表示手段)
26 受像部(指示入力手段)
132 合致処理手段(サイズ合致手段、傾き合致手段、中心点合致手段、タイミング合致手段)
133 動画像データ生成部(時間・アングル動画像データ生成手段)
134 アングル合成フレーム生成部(アングル合成フレーム生成手段)
135 圧縮処理演算部(圧縮処理手段)
232,232c,232d フレーム制御部(読み出し手段)
232a 合成フレーム制御部(読み出し手段)
232b フレーム制御部(読み出し手段、移動情報算出手段)
234 ブラー処理演算部(ブラー処理手段)
235 画像処理部(検知手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体に対して複数のカメラで複数のアングルから撮影した動画像を表示する動画像表示装置であって、
時間軸における位置を示す時間情報と、前記アングルごとの位置を示すアングル情報とがフレームごとに対応づけられた時間・アングル動画像データから、前記時間情報の時間順に前記時間情報と前記アングル情報とに対応するフレームをフレームごとに読み出す読み出し手段と、
前記読み出し手段が読み出したフレームを、前記時間情報の時間順にフレームごとに表示する表示手段と、
前記動画像のアングル切り替え指示のための指示座標と前記アングル情報とが対応付けられた状態において、前記指示座標内におけるアングル切り替え指示の座標の変位を検知することにより前記動画像のアングル切り替え指示を入力する指示入力手段と
を備え、
前記指示入力手段は、前記指示座標内において隣り合う前記アングル情報を超えて前記アングル切り替え指示の座標が連続して変位すると、当該変位を連続して検知することによって前記アングル切り替え指示を連続して入力し、
前記読み出し手段は、前記隣り合うアングル情報において入力された前記アングル切り替え指示の入力時の時間情報と前記隣り合うアングル情報とに対応するフレームと、前記隣り合うアングル情報を越えて入力された前記アングル切り替え指示の入力時の時間情報と前記隣り合うアングル情報を越えたアングル情報とに対応するフレームとを連続して読み出し、
前記表示手段は、表示しているフレームから前記読み出し手段が読み出したフレームに連続して切り替えて表示することを特徴とする動画像表示装置。
【請求項2】
前記指示座標が、前記表示手段の近傍に設定された指示空間座標であって、
前記指示入力手段は、前記指示空間座標内における前記動画像を見る見者の座標の連続した変位を検知する検知手段を備え、
前記読み出し手段は、前記検知手段が前記変位を検知した時の前記見者の座標に対応する前記アングル情報と、当該変位した時の時間情報とに対応するフレームを連続して読み出し、
前記表示手段は、前記読み出し手段が読み出したフレームに連続して切り替えて表示することを特徴とする請求項1に記載の動画像表示装置。
【請求項3】
前記アングル情報は、前記指示空間座標における前記表示手段に対するアングルと、表示される動画像のアングルとが適合するように、前記指示空間座標に対応付けられていることを特徴とする請求項2に記載の動画像表示装置。
【請求項4】
前記指示座標が、前記表示手段における表示画面上の指示表示座標であって、
前記指示入力手段は、前記表示画面上において前記アングル切り替え指示の座標を連続して変位させることによって前記アングル切り替え指示を連続して入力する変位手段を備え、
前記読み出し手段は、前記変位手段によって変位した時の前記アングル切り替え指示の座標に対応する前記アングル情報と、当該変位した時の時間情報とに対応するフレームを連続して読み出し、
前記表示手段は、前記読み出し手段が読み出したフレームに連続して切り替えて表示することを特徴とする請求項1に記載の動画像表示装置。
【請求項5】
前記アングル情報は、前記指示表示座標における前記表示画面上のアングルと、表示される動画像のアングルとが適合するように、前記指示表示座標に対応付けられていることを特徴とする請求項4に記載の動画像表示装置。
【請求項6】
前記アングル切り替え指示の移動量の大小と移動時間の長短とに応じて、前記フレームにブラー処理を行うブラー処理手段を備え、
前記読み出し手段は、前記ブラー処理手段によってブラー処理されたフレームを読み出し、
前記表示手段は、前記読み出し手段が読み出した、ブラー処理されたフレームを表示することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の動画像表示装置。
【請求項7】
前記時間・アングル動画像データは、前記時間情報と前記アングル情報とに基づいて、フレームごとに独立して構成されており、
前記読み出し手段は、前記フレームを当該フレームごとに独立して読み出し、
前記表示手段は、前記読み出し手段が読み出したフレームを当該フレームごとに独立して再生表示することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の動画像表示装置。
【請求項8】
前記時間・アングル動画像データは、同一の時間情報が対応付けられて、かつ異なるアングル情報が対応付けられた各フレームが合成されてアングル合成フレームとして構成されており、
前記読み出し手段は、前記アングル合成フレームを当該アングル合成フレームごとに独立して読み出し、
前記表示手段は、前記読み出し手段が読み出したアングル合成フレームを当該アングル合成フレームごとに独立して再生し、当該再生したアングル合成フレームの中から、前記指示入力手段がアングル切り替え指示を入力したときのアングル情報に対応付けられたフレームのみを表示することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の動画像表示装置。
【請求項9】
被写体に対して複数のカメラで複数のアングルから撮影した動画像を表示する動画像表示方法であって、
読み出し手段が、時間軸における位置を示す時間情報と、前記アングルごとの位置を示すアングル情報とがフレームごとに対応づけられた時間・アングル動画像データから、前記時間情報の時間順に前記時間情報と前記アングル情報とに対応するフレームをフレームごとに読み出す読み出しステップと、
表示手段が、前記読み出しステップによって読み出されたフレームを、前記時間情報の時間順にフレームごとに表示する表示ステップと、
前記動画像のアングル切り替え指示のための指示座標と前記アングル情報とが対応付けられた状態において、前記指示座標内におけるアングル切り替え指示の座標の変位を検知することにより前記動画像のアングル切り替え指示を入力する指示入力手段が、前記指示座標内において隣り合う前記アングル情報を超えて前記アングル切り替え指示の座標が連続して変位すると、当該変位を連続して検知することによって前記アングル切り替え指示を連続して入力するアングル切り替え指示入力ステップと、
前記読み出し手段が、前記隣り合うアングル情報において入力された前記アングル切り替え指示の入力時の時間情報と前記隣り合うアングル情報とに対応するフレームと、前記隣り合うアングル情報を越えて入力された前記アングル切り替え指示の入力時の時間情報と前記隣り合うアングル情報を越えたアングル情報とに対応するフレームとを連続して読み出す切り替え読み出しステップと、
前記表示手段が、前記表示ステップによって表示されているフレームから前記切り替え読み出しステップによって読み出されたフレームに連続して切り替えて表示する切り替え表示ステップと
を含むことを特徴とする動画像表示方法。
【請求項10】
被写体に対して複数のカメラで複数のアングルから撮影した動画像を表示する動画像表示装置におけるプログラムであって、
読み出し手段が、時間軸における位置を示す時間情報と、前記アングルごとの位置を示すアングル情報とがフレームごとに対応づけられた時間・アングル動画像データから、前記時間情報の時間順に前記時間情報と前記アングル情報とに対応するフレームをフレームごとに読み出す読み出しステップと、
表示手段が、前記読み出しステップによって読み出されたフレームを、前記時間情報の時間順にフレームごとに表示する表示ステップと、
前記動画像のアングル切り替え指示のための指示座標と前記アングル情報とが対応付けられた状態において、前記指示座標内におけるアングル切り替え指示の座標の変位を検知することにより前記動画像のアングル切り替え指示を入力する指示入力手段が、前記指示座標内において隣り合う前記アングル情報を超えて前記アングル切り替え指示の座標が連続して変位すると、当該変位を連続して検知することによって前記アングル切り替え指示を連続して入力するアングル切り替え指示入力ステップと、
前記読み出し手段が、前記隣り合うアングル情報において入力された前記アングル切り替え指示の入力時の時間情報と前記隣り合うアングル情報とに対応するフレームと、前記隣り合うアングル情報を越えて入力された前記アングル切り替え指示の入力時の時間情報と前記隣り合うアングル情報を越えたアングル情報とに対応するフレームとを連続して読み出す切り替え読み出しステップと、
前記表示手段が、前記表示ステップによって表示されているフレームから前記切り替え読み出しステップによって読み出されたフレームに連続して切り替えて表示する切り替え表示ステップと
を前記動画像表示装置のコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項11】
被写体に対して複数のカメラで複数のアングルから撮影した動画像を処理する動画像処理装置と、この動画像処理装置によって処理された動画像を表示する動画像表示装置とがネットワークを介して接続された動画像処理表示システムであって、
前記動画像処理装置は、
前記複数のカメラから入力された動画像に対して、時間軸における位置を示す時間情報と、前記アングルごとの位置を示すアングル情報とにフレームごとに対応づけを行い時間・アングル動画像データを生成する時間・アングル動画像データ生成手段と、
前記時間・アングル動画像データ生成手段によって生成された時間・アングル動画像データを、前記動画像表示装置に出力する出力手段とを備え、
前記動画像表示装置は、
前記出力手段から出力された時間・アングル動画像データから、前記時間情報の時間順に前記時間情報と前記アングル情報とに対応するフレームをフレームごとに読み出す読み出し手段と、
前記読み出し手段が読み出したフレームを、前記時間情報の時間順にフレームごとに表示する表示手段と、
前記動画像のアングル切り替え指示のための指示座標と前記アングル情報とが対応付けられた状態において、前記指示座標内におけるアングル切り替え指示の座標の変位を検知することにより前記動画像のアングル切り替え指示を入力する指示入力手段と
を備え、
前記指示入力手段は、前記指示座標内において隣り合う前記アングル情報を超えて前記アングル切り替え指示の座標が連続して変位すると、当該変位を連続して検知することによって前記アングル切り替え指示を連続して入力し、
前記読み出し手段は、前記隣り合うアングル情報において入力された前記アングル切り替え指示の入力時の時間情報と前記隣り合うアングル情報とに対応するフレームと、前記隣り合うアングル情報を越えて入力された前記アングル切り替え指示の入力時の時間情報と前記隣り合うアングル情報を越えたアングル情報とに対応するフレームとを連続して読み出し、
前記表示手段は、表示しているフレームから前記読み出し手段が読み出したフレームに連続して切り替えて表示することを特徴とする動画像処理表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2013−85216(P2013−85216A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−75900(P2012−75900)
【出願日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【特許番号】特許第5096628号(P5096628)
【特許公報発行日】平成24年12月12日(2012.12.12)
【出願人】(511235799)
【Fターム(参考)】