動画記録装置
【課題】本発明は書き込み速度の遅い記録メディアに対してリアルタイムに動画記録を行う場合でも、画質を劣化させずに、連続して記録可能な時間を求めて、使用者に対して、撮影前にその時間を表示させることを目的とする。
【解決手段】記録メディアを脱着可能で、動画データを生成し、生成した動画データを前記記録メディアに記録可能な動画記録装置であって、前記記録メディアの書き込み速度を計測する書き込み速度計測手段と、前記書き込み速度計測手段にて計測された書き込み速度および前記メモリ手段の記憶容量に基づいて、前記メモリ手段に格納された動画データをリアルタイムに前記記録メディアに記録できる時間を動画記録時間として計算する動画記録時間計算手段と、前記動画記録時間を表示するための表示手段と、を備える。
【解決手段】記録メディアを脱着可能で、動画データを生成し、生成した動画データを前記記録メディアに記録可能な動画記録装置であって、前記記録メディアの書き込み速度を計測する書き込み速度計測手段と、前記書き込み速度計測手段にて計測された書き込み速度および前記メモリ手段の記憶容量に基づいて、前記メモリ手段に格納された動画データをリアルタイムに前記記録メディアに記録できる時間を動画記録時間として計算する動画記録時間計算手段と、前記動画記録時間を表示するための表示手段と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱着可能な記録メディアに、動画をリアルタイムに記録する動画記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
DSC(Digital Still Camera)等では静止画に加えて、動画も記録再生する機能が標準装備されてきている。静止画や動画の記録には大部分が脱着可能なカードタイプでその内部には半導体メモリを搭載した記録メディアを採用している。この記録メディアも近年高速化、大容量化が進んできており、動画データを長時間記録することが可能になってきている。
【0003】
動画データを記録する場合、動画用に生成されたデータをDSC内部のバッファメモリに一定時間分格納してから、記録メディアへの書き込みを行う。しかし、この時、バッファメモリがフルの状態になると、それ以上動画データを格納できなくなるため、その時点で動画記録を終了せざるを得ない。そのため、記録メディアの空き容量がなくなるまで可能な限り、動画を長時間記録するためには、動画データを生成しバッファメモリへ格納するのと同時に記録メディアへの書き込みを行うリアルタイム記録を行う。
【0004】
この時、バッファメモリはある程度の時間分格納可能なサイズを確保しておく必要がある。そして、限られたバッファメモリを使って長時間の動画記録に対応するために、動画データをバッファメモリの先頭アドレスから順次格納していき、ある一定の時間経過してバッファメモリの最終アドレスまで到達すると、再度先頭アドレスに戻って格納を繰り返し続けるリングバッファ形式にて行う。
【0005】
この時単位時間当たりに生成される動画データ量と、同じ時間内に記録メディアへ書き込まれる量を比較した場合、メディアへの書き込み量の方が多ければ、リングバッファに動画データを格納する時点で、リングバッファ内が記録メディアへ未書き込みの動画データでいっぱいになっているということは起こらないので、生成した動画データを順次リングバッファに格納し続けることができる。そのため、記録メディアの空き容量がなくなるまで、動画記録を継続することが可能となる。
【0006】
一方、単位時間当たりに生成される動画データ量よりも、同じ時間内に記録メディアへ書き込まれる量の方が少なければ、記録開始からある時間が経過すると、リングバッファへ動画データを複数回繰り返し格納していくうちに、バッファメモリがフルの状態になるので、それ以上リングバッファに動画データを格納することができなくなる。そのため、その時点で動画撮影は停止し、まだリングバッファに溜まっている記録メディアに未書き込みの動画データを記録メディアに書き込んで、動画記録を終了させる。
【0007】
このような、書き込み速度の遅い記録メディアの場合の問題を解決するのに、記録する動画データの量を削減する方法がある。その動画データ量を削減させるためのパラメータとしては、1秒当たりのフレーム数、記録する縦横の画素サイズ、圧縮率などがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−335486号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、動画記録時に、書き込み速度の遅い記録メディアにて、1秒当たりのフレーム数を少なくすると、記録された被写体の動きがぎこちなく、スムーズでないものになってしまう。
【0009】
また、記録する縦横の画素サイズを小さくしたり、圧縮率を高めたりすると、解像度が落ちて、画質が劣化してしまう。
【0010】
また、一般に、記録メディアの空き容量から記録可能時間を求め、これを表示手段に表示する動画記録装置が知られているが、記録可能時間が残っているのに、記録が終了してしまうという問題があった。記録可能時間は記録メディアの空き容量を1秒間当たりに生成される動画データのデータ量で割ることにより求めるのに対して、記録は、記録メディアの容量がなくなったときのみならず、バッファメモリがフルの状態になったときにも終了するからである。
【0011】
そこで、本発明は、画質を劣化させずに、記録メディアに対してリアルタイムに動画記録を行うことができ、かつ、動画データを記録可能な時間を求めて、使用者に対してその時間を表示できる動画記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の動画記録装置は、記録メディアを脱着可能で、動画データを生成し、生成した動画データを前記記録メディアに記録可能な動画記録装置であって、入力した画像信号に信号処理を行って動画データを生成する動画データ生成手段と、前記動画データを一時的に格納するメモリ手段と、前記メモリ手段に格納された動画データを、前記記録メディアに記録するための制御処理を行うメディア制御処理手段と、前記記録メディアの書き込み速度を計測する書き込み速度計測手段と、前記書き込み速度計測手段にて計測された書き込み速度および前記メモリ手段の記憶容量に基づいて、前記メモリ手段に格納された動画データをリアルタイムに前記記録メディアに記録できる時間を動画記録時間として計算する動画記録時間計算手段と、前記動画記録時間を表示するための表示手段と、を備える。
【0013】
これにより、記録メディアごとにその書き込み速度に応じて、動画を連続して記録可能な時間を計算してそれを表示するので、使用者に精度の高い残り記録時間を知らせることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように本発明によれば、記録メディアごとにその書き込み速度に応じて、動画を連続して記録可能な時間を計算してそれを表示するので、使用者に精度の高い残り記録時間を知らせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の動画記録装置は、記録メディアを脱着可能で、動画データを生成し、生成した動画データを前記記録メディアに記録可能な動画記録装置であって、入力した画像信号に信号処理を行って動画データを生成する動画データ生成手段と、前記動画データを一時的に格納するメモリ手段と、前記メモリ手段に格納された動画データを、前記記録メディアに記録するための制御処理を行うメディア制御処理手段と、前記記録メディアの書き込み速度を計測する書き込み速度計測手段と、前記書き込み速度計測手段にて計測された書き込み速度および前記メモリ手段の記憶容量に基づいて、前記メモリ手段に格納された動画データをリアルタイムに前記記録メディアに記録できる時間を動画記録時間として計算する動画記録時間計算手段と、前記動画記録時間を表示するための表示手段と、を備える。そのため、記録メディアごとにその書き込み速度に応じて、動画を連続して記録可能な時間を計算してそれを表示するので、使用者に精度の高い残り記録時間を知らせることができる。
【0016】
前記書き込み速度計測手段は、前記記録メディア制御処理手段が前記記録メディアの空き領域の容量を計測したときに書き込み速度を計測するものであってもよい。これにより、動画撮影前の段階で、記録時間を計算するために必要な記録メディアの書き込み速度の情報を取得することができる。
【0017】
また、前記書き込み速度計測手段は、前記記録メディアの空き領域に所定のデータサイズのダミーデータを書き込むのに要する時間を計測するようにしてもよい。空き領域を利用することにより、すでに記録されている他のデータに影響を及ぼすことはなく、書き込み速度を計測することができる。
【0018】
また、前記書き込み速度計測手段は、前記動画データ生成手段が生成する動画データの単位時間当たりのデータサイズに基づいて、前記ダミーデータのデータサイズを決定するようにしてもよい。これにより、書き込み速度計測手段での計測時間を短縮させることができる。
【0019】
また、前記書き込み速度計測手段は、前記記録メディア制御処理手段で計測された前記記録メディアの空き領域の容量が所定量未満の場合には書き込み速度の計測を行わないようにしてもよい。これにより、無駄な処理時間を削減することができる。
【0020】
また、前記書き込み速度計測手段は、前記記録メディアの空き領域の分布状況に応じて書き込み速度を調節するようにしてもよい。これにより、記録メディアの不連続に存在するクラスタへの書き込みが発生する場合に生じる、書き込み速度の低下を考慮して、動画記録時間を計算することができる。
【0021】
また、前記表示手段は、前記書き込み速度計測手段で計測した記録メディアの書き込み時間が所定の時間よりも長い場合、その旨を示す警告表示をするようにしてもよい。これにより、使用者に記録メディアの空き容量がなくなるまで動画を連続して記録することができないことを容易に知らせることができる。
【0022】
また、前記表示手段は、前記動画記録時間計算手段で算出された動画記録時間より実際に記録を開始して記録時間が短くなることが認識された場合、警告表示するようにしてもよい。実際に記録メディアに書き込みを行うと、途中でエラーが発生してリトライ処理により、当初見積もっていたメディア書き込み速度よりも遅くなる場合があり、また記録する1秒当たり動画データのサイズが可変長の場合、撮影する被写体によっては一時的にデータ量が見積もりを超える場合が起こり、リングバッファの状態を管理して、撮影前に表示していた残り記録時間よりも、早く動画記録が終了しなければならない事態が発生した場合でも、使用者にその旨を知らせるための警告表示を行うことができる。
(実施の形態)
以下に、本発明の実施の形態について図1〜6を用いて説明する。
【0023】
本発明の動画記録装置は、動画データを脱着可能な記録メディアに、リアルタイムに記録する動画記録装置である。図1は、本発明にかかる動画記録装置の構成を示すブロック図である。本発明の動画記録装置は、画像信号処理器101、音声信号処理器102、メモリ103、画像データ生成器104、メディア制御器105、記録メディア106、動画記録時間計算器202、表示器107、書き込み速度計測器201より構成される。
【0024】
図2は、メモリ103内における各データの格納領域の配置を示したものである。本発明の動画記録装置では、まず入力された画像信号を画像信号処理器101に入力する。画像信号処理器101では、入力された画像信号に所定の信号処理を行い、画像データとして一旦メモリ103の画像データ格納領域に格納する。また入力した音声信号は、音声信号処理器102に入力する。入力された音声信号にも所定の信号処理を行い、音声データとしてメモリ103の音声データ格納領域に格納する。画像データ生成器104では、メモリ103に格納された画像データ並びに音声データを所定のフォーマットに変換するための処理を行い、その動画データをメモリ103の別途用意した動画データ格納領域に格納していく。メモリ103の動画データ格納領域に画像データ生成器104でフォーマット変換された動画データが所定の時間分格納されたら、その動画データはメディア制御器105によって、記録メディア106に対し、書き込みを行っていく。
【0025】
ここで、画像データ生成器104にて生成された動画データのメモリ103上への格納と、それを記録メディア106に記録する方法について図3を用いて説明する。図3は、図2の動画データ格納用領域の内部をさらに細分化したものである。なお、説明を簡略化するために、便宜上動画データ格納用領域に格納される動画データは画像データのみとし、音声データは省略する。
【0026】
動画データ格納用領域には、10秒分の動画データを格納するものとし、さらに1秒当たり動画データは30フレームで構成されるものとする。画像データ生成器104では、1/30秒ごとに生成された動画データを図3の1−1から順次格納していく。そして、単位時間ごと、例えば1秒分の動画データが格納されたら、メディア制御器105がその動画データを読み出して、記録メディア106への書き込みを行う。前述の処理を順次行い、画像データ生成器104では、10秒分の動画データを図3の10−30まで格納すると、次は動画データ格納領域の先頭1−1に戻って格納をまた繰り返す、リングバッファ形式にて行っていく。この時、記録メディアによっては、書き込み速度が遅くて、画像データ生成器104からリングバッファへ格納する時間よりも、リングバッファから記録メディアに書き込む時間の方が遅い場合があり、1秒分の動画データがリングバッファに格納されても、前の記録メディア書き込み処理が終了しないため、その場合は記録メディアに対しては書き込み処理が終了するまで待ち、その間画像データ生成器104では動画データをリングバッファの次の領域に引き続き格納していく。
【0027】
ここで動画撮影前に連続して記録可能な記録時間を表示するための、記録時間算出方法について説明する。まず、はじめに記録メディア106の空き領域を検索する。この場合メディア制御器105を介して記録メディア106のシステム領域にあるFAT(File Allocation Table)を読み出す。そこには記録メディアへのアクセス単位であるクラスタの全使用状況が記録されているので、そこから未使用領域の総クラスタ数を検出し、その数値にバイト数/クラスタを掛けることによって、空きバイト数を求めることができる。また、動画1秒当たりのデータサイズは、画像1フレーム当たりのバイト数に1秒当たりのフレーム数を掛けることによって決まる。また音声データも記録する場合は、1秒当たりの音声データ分も加える。そして記録メディアの空きバイト数から動画ファイル用ヘッダなどの付加情報分を差し引いて、それを動画1秒当たりのデータサイズで割ることにより、使用する記録メディアに対して、動画を連続して記録可能な時間が求められる。記録メディアの空き容量をS(バイト)、付加情報をI(バイト)、1秒当たりの動画データ量をU(バイト)とすると、記録可能時間T1(秒)は、式(1)T1=(S−I)/Uとなる。ここで求められた時間T1を、表示器107に表示することになるのだが、書き込み速度は、使用する記録メディアによって異なるので、記録メディアへの書き込み速度が、単位時間当たりに生成される動画データのサイズよりも小さければ、メモリ103上に確保したリングバッファ上に複数回動画データを格納していくうちに、まだ記録メディア106への書き込みが行われていない領域への上書きが発生することになるため、その時点で動画撮影を停止しなければならない。その結果、撮影前に表示していた記録可能時間よりも短い時間しか記録できなくなってしまう。
【0028】
そこで、書き込み速度計測器201によって、動画記録に使用する記録メディア106の書き込み速度を求め、それにより、動画記録時間計算器202にて記録メディアごとに、動画を連続して記録可能な時間を求める方法について説明する。
【0029】
はじめに、メディアの書き込み速度を求める方法について説明する。まず記録メディア106を検出すると、その時記録メディア106に対して所定の初期化処理を行い、その後前述のFATを読み出して、空き領域を検索する。そしてその空き領域が所定のサイズ以上存在していれば、そこにダミーデータの書き込みを行う。空き領域が所定のサイズ以上存在しなければ動画記録は行えないため、ダミーデータの書き込みは行わない。ここで、ダミーデータは、1秒当たりに生成される動画データ量U(バイト)以上のサイズを書き込む。ただし、ダミーデータのサイズが大きすぎると、時間が掛かってしまい、その間動画撮影が可能になるまでが待たされることになるため、その場合は、必要に応じて1秒当たりに生成される動画データ量より小さいサイズを書き込む。その時、書き込み開始前に、タイマーカウンタを設定し、書き込みを開始してから一定時間周期ごとにそのタイマーカウンタをインクリメントさせていく。そして所定サイズ分のデータの書き込みが終了すればそのタイマーカウンタを停止させる。その時のタイマーカウンタ値から書き込みに要した時間に換算して、それを書き込んだデータサイズで割ることにより、メディア書き込み速度v(バイト/秒)が求まる。この時記録メディアに対して、不連続なクラスタに書き込みを行うと、分割してデータを転送しなくてはならず、またそれぞれのデータ転送の前後にメディア制御器105と記録メディア106間で再度書き込み開始/終了を相互に知らせるための通信処理が必要となるため、連続したクラスタに一括してデータの書き込みを行うのに比べて、時間がかかってしまう。そこで記録メディアの空き容量の中、不連続なクラスタが所定の割合以上存在する場合は、前述のメディア書き込み速度から一定速度分差し引く。ここで、v≧Uならば、リングバッファに複数回動画データを格納しても、格納先に記録メディアへ未書き込みの動画データが存在することは起こらないため、記録メディアの空き容量がなくなるまで、動画を連続して記録することが可能となる。よって、式(1)によって求められたT1(秒)を表示させる。逆にx<uならば、記録開始から一定の時間T2(秒)経過すると、リングバッファへ動画データを複数回繰り返し格納していくうちに、バッファメモリがフルの状態になって、動画データの格納先に記録メディアへ未書き込みの動画データが存在するので、それ以上リングバッファに動画データを格納することができなくなる。よって、T1時間まで動画を連続して記録することができないため、メディア書き込み速度に応じた動画記録時間を求める必要がある。記録メディアへの書き込み速度を考慮した場合の記録時間T2(秒)は、1秒当たりに生成される動画データ量U(バイト/秒)、メディア書き込み速度v(バイト/秒)、動画データをリングバッファ1周当たりに格納可能な時間R(秒)、記録メディア書き込みまでの遅延時間をd(秒)(d=1、2、3・・・)とすると、次式(2)T2=((R−d)*v/(U−v))+Rで表される。図4は、式(2)をグラフ化したものである。この時、記録メディアの空き容量がなくなるまで動画を連続して記録することができないので、表示器107にはその旨を使用者に知らせるための警告を出す。ただし、T2>T1ならば、空き容量自体が存在しないため、この場合はT1(秒)を表示させる。図5、6は全体の処理の流れを表すフローチャートである。
【0030】
次に、動画記録中の残り記録時間表示方法について説明する。動画記録を開始すると、所定時間経過するごとに更新した時間を表示する。この時実際に記録メディアに書き込みを行うと、途中でエラーが発生してリトライ処理などを行うと、当初見積もっていたメディア書き込み速度よりも遅くなる場合がある。また記録する1秒当たり動画データのサイズが可変長の場合、撮影する被写体によっては一時的にデータ量が見積もりを超える場合が起こりうる。そこで、リングバッファの状態を管理して、撮影前に表示していた残り記録時間よりも、早く動画記録が終了しなければならない事態が発生した場合には、使用者にその旨を知らせるための警告表示を行う。その場合例えば、表示器107で、残り記録時間を表示している時はその表示の色を変化させる、または点滅させるかもしくは途中で記録を終了することを告げる警告メッセージを表示する手段などがある。
【0031】
以上の構成によって、記録メディアごとにその書き込み速度に応じて、動画を連続して記録可能な時間を計算し、それを表示するので、書き込み速度の遅い記録メディアにおいても、動画データ量を圧縮して画質を劣化させることなく、使用者に良好な画質でかつ精度の高い残り記録時間を撮影前に知らせることができる。
【0032】
なお、記録メディアは、書き込み可能な任意のメディアでよい。また、記録する画像の1秒当たりのフレーム数、記録する縦横の画素サイズ、圧縮率の各パラメータも任意の値でよい。また、書き込み速度を計測する時に書き込むダミーデータのサイズも任意のサイズでよく、タイマーカウンタをインクリメントする場合の周期も任意の時間でよい。また、不連続なクラスタが存在する割合、並びにその時メディア書き込み速度から差し引く速度の量も任意の割合でよい。また、記録するデータは、画像データを例に説明したが、音声など任意のデータを記録することができる。また記録する動画データのファイルフォーマットも、任意のフォーマットで構わない。またリングバッファのサイズも、使用するメモリの物理的サイズに応じて、調節することが可能で、限定されるものではない。また、撮影前に表示していた残り記録時間よりも、早く動画記録が終了する場合に、使用者へ警告する手段として、警告音などを出して知らせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明にかかる動画記録装置は、書き込み速度の遅い記録メディアに対してリアルタイムに動画記録を行う場合でも、画質を劣化させずに、連続して記録可能な時間を求めて、使用者に対して、撮影前にその時間を表示させることが可能になるため、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ、カメラ付き携帯電話端末等に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態による動画記録装置を示すブロック図
【図2】メモリ内の各データ格納配置状況を示す模式図
【図3】動画データを格納するメモリ内のリングバッファを示す模式図
【図4】記録メディアの書き込み速度と動画を連続して記録可能な時間の関係を示す関数を示す相関図
【図5】本発明の実施の形態による全体の処理の流れを表すフローチャート
【図6】本発明の実施の形態による全体の処理の流れを表すフローチャート
【符号の説明】
【0035】
101 画像信号処理器
102 音声信号処理器
103 メモリ
104 画像データ生成器
105 メディア制御器
106 記録メディア
107 表示器
201 書き込み速度計測器
202 動画記録時間計算器
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱着可能な記録メディアに、動画をリアルタイムに記録する動画記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
DSC(Digital Still Camera)等では静止画に加えて、動画も記録再生する機能が標準装備されてきている。静止画や動画の記録には大部分が脱着可能なカードタイプでその内部には半導体メモリを搭載した記録メディアを採用している。この記録メディアも近年高速化、大容量化が進んできており、動画データを長時間記録することが可能になってきている。
【0003】
動画データを記録する場合、動画用に生成されたデータをDSC内部のバッファメモリに一定時間分格納してから、記録メディアへの書き込みを行う。しかし、この時、バッファメモリがフルの状態になると、それ以上動画データを格納できなくなるため、その時点で動画記録を終了せざるを得ない。そのため、記録メディアの空き容量がなくなるまで可能な限り、動画を長時間記録するためには、動画データを生成しバッファメモリへ格納するのと同時に記録メディアへの書き込みを行うリアルタイム記録を行う。
【0004】
この時、バッファメモリはある程度の時間分格納可能なサイズを確保しておく必要がある。そして、限られたバッファメモリを使って長時間の動画記録に対応するために、動画データをバッファメモリの先頭アドレスから順次格納していき、ある一定の時間経過してバッファメモリの最終アドレスまで到達すると、再度先頭アドレスに戻って格納を繰り返し続けるリングバッファ形式にて行う。
【0005】
この時単位時間当たりに生成される動画データ量と、同じ時間内に記録メディアへ書き込まれる量を比較した場合、メディアへの書き込み量の方が多ければ、リングバッファに動画データを格納する時点で、リングバッファ内が記録メディアへ未書き込みの動画データでいっぱいになっているということは起こらないので、生成した動画データを順次リングバッファに格納し続けることができる。そのため、記録メディアの空き容量がなくなるまで、動画記録を継続することが可能となる。
【0006】
一方、単位時間当たりに生成される動画データ量よりも、同じ時間内に記録メディアへ書き込まれる量の方が少なければ、記録開始からある時間が経過すると、リングバッファへ動画データを複数回繰り返し格納していくうちに、バッファメモリがフルの状態になるので、それ以上リングバッファに動画データを格納することができなくなる。そのため、その時点で動画撮影は停止し、まだリングバッファに溜まっている記録メディアに未書き込みの動画データを記録メディアに書き込んで、動画記録を終了させる。
【0007】
このような、書き込み速度の遅い記録メディアの場合の問題を解決するのに、記録する動画データの量を削減する方法がある。その動画データ量を削減させるためのパラメータとしては、1秒当たりのフレーム数、記録する縦横の画素サイズ、圧縮率などがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−335486号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、動画記録時に、書き込み速度の遅い記録メディアにて、1秒当たりのフレーム数を少なくすると、記録された被写体の動きがぎこちなく、スムーズでないものになってしまう。
【0009】
また、記録する縦横の画素サイズを小さくしたり、圧縮率を高めたりすると、解像度が落ちて、画質が劣化してしまう。
【0010】
また、一般に、記録メディアの空き容量から記録可能時間を求め、これを表示手段に表示する動画記録装置が知られているが、記録可能時間が残っているのに、記録が終了してしまうという問題があった。記録可能時間は記録メディアの空き容量を1秒間当たりに生成される動画データのデータ量で割ることにより求めるのに対して、記録は、記録メディアの容量がなくなったときのみならず、バッファメモリがフルの状態になったときにも終了するからである。
【0011】
そこで、本発明は、画質を劣化させずに、記録メディアに対してリアルタイムに動画記録を行うことができ、かつ、動画データを記録可能な時間を求めて、使用者に対してその時間を表示できる動画記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の動画記録装置は、記録メディアを脱着可能で、動画データを生成し、生成した動画データを前記記録メディアに記録可能な動画記録装置であって、入力した画像信号に信号処理を行って動画データを生成する動画データ生成手段と、前記動画データを一時的に格納するメモリ手段と、前記メモリ手段に格納された動画データを、前記記録メディアに記録するための制御処理を行うメディア制御処理手段と、前記記録メディアの書き込み速度を計測する書き込み速度計測手段と、前記書き込み速度計測手段にて計測された書き込み速度および前記メモリ手段の記憶容量に基づいて、前記メモリ手段に格納された動画データをリアルタイムに前記記録メディアに記録できる時間を動画記録時間として計算する動画記録時間計算手段と、前記動画記録時間を表示するための表示手段と、を備える。
【0013】
これにより、記録メディアごとにその書き込み速度に応じて、動画を連続して記録可能な時間を計算してそれを表示するので、使用者に精度の高い残り記録時間を知らせることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように本発明によれば、記録メディアごとにその書き込み速度に応じて、動画を連続して記録可能な時間を計算してそれを表示するので、使用者に精度の高い残り記録時間を知らせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の動画記録装置は、記録メディアを脱着可能で、動画データを生成し、生成した動画データを前記記録メディアに記録可能な動画記録装置であって、入力した画像信号に信号処理を行って動画データを生成する動画データ生成手段と、前記動画データを一時的に格納するメモリ手段と、前記メモリ手段に格納された動画データを、前記記録メディアに記録するための制御処理を行うメディア制御処理手段と、前記記録メディアの書き込み速度を計測する書き込み速度計測手段と、前記書き込み速度計測手段にて計測された書き込み速度および前記メモリ手段の記憶容量に基づいて、前記メモリ手段に格納された動画データをリアルタイムに前記記録メディアに記録できる時間を動画記録時間として計算する動画記録時間計算手段と、前記動画記録時間を表示するための表示手段と、を備える。そのため、記録メディアごとにその書き込み速度に応じて、動画を連続して記録可能な時間を計算してそれを表示するので、使用者に精度の高い残り記録時間を知らせることができる。
【0016】
前記書き込み速度計測手段は、前記記録メディア制御処理手段が前記記録メディアの空き領域の容量を計測したときに書き込み速度を計測するものであってもよい。これにより、動画撮影前の段階で、記録時間を計算するために必要な記録メディアの書き込み速度の情報を取得することができる。
【0017】
また、前記書き込み速度計測手段は、前記記録メディアの空き領域に所定のデータサイズのダミーデータを書き込むのに要する時間を計測するようにしてもよい。空き領域を利用することにより、すでに記録されている他のデータに影響を及ぼすことはなく、書き込み速度を計測することができる。
【0018】
また、前記書き込み速度計測手段は、前記動画データ生成手段が生成する動画データの単位時間当たりのデータサイズに基づいて、前記ダミーデータのデータサイズを決定するようにしてもよい。これにより、書き込み速度計測手段での計測時間を短縮させることができる。
【0019】
また、前記書き込み速度計測手段は、前記記録メディア制御処理手段で計測された前記記録メディアの空き領域の容量が所定量未満の場合には書き込み速度の計測を行わないようにしてもよい。これにより、無駄な処理時間を削減することができる。
【0020】
また、前記書き込み速度計測手段は、前記記録メディアの空き領域の分布状況に応じて書き込み速度を調節するようにしてもよい。これにより、記録メディアの不連続に存在するクラスタへの書き込みが発生する場合に生じる、書き込み速度の低下を考慮して、動画記録時間を計算することができる。
【0021】
また、前記表示手段は、前記書き込み速度計測手段で計測した記録メディアの書き込み時間が所定の時間よりも長い場合、その旨を示す警告表示をするようにしてもよい。これにより、使用者に記録メディアの空き容量がなくなるまで動画を連続して記録することができないことを容易に知らせることができる。
【0022】
また、前記表示手段は、前記動画記録時間計算手段で算出された動画記録時間より実際に記録を開始して記録時間が短くなることが認識された場合、警告表示するようにしてもよい。実際に記録メディアに書き込みを行うと、途中でエラーが発生してリトライ処理により、当初見積もっていたメディア書き込み速度よりも遅くなる場合があり、また記録する1秒当たり動画データのサイズが可変長の場合、撮影する被写体によっては一時的にデータ量が見積もりを超える場合が起こり、リングバッファの状態を管理して、撮影前に表示していた残り記録時間よりも、早く動画記録が終了しなければならない事態が発生した場合でも、使用者にその旨を知らせるための警告表示を行うことができる。
(実施の形態)
以下に、本発明の実施の形態について図1〜6を用いて説明する。
【0023】
本発明の動画記録装置は、動画データを脱着可能な記録メディアに、リアルタイムに記録する動画記録装置である。図1は、本発明にかかる動画記録装置の構成を示すブロック図である。本発明の動画記録装置は、画像信号処理器101、音声信号処理器102、メモリ103、画像データ生成器104、メディア制御器105、記録メディア106、動画記録時間計算器202、表示器107、書き込み速度計測器201より構成される。
【0024】
図2は、メモリ103内における各データの格納領域の配置を示したものである。本発明の動画記録装置では、まず入力された画像信号を画像信号処理器101に入力する。画像信号処理器101では、入力された画像信号に所定の信号処理を行い、画像データとして一旦メモリ103の画像データ格納領域に格納する。また入力した音声信号は、音声信号処理器102に入力する。入力された音声信号にも所定の信号処理を行い、音声データとしてメモリ103の音声データ格納領域に格納する。画像データ生成器104では、メモリ103に格納された画像データ並びに音声データを所定のフォーマットに変換するための処理を行い、その動画データをメモリ103の別途用意した動画データ格納領域に格納していく。メモリ103の動画データ格納領域に画像データ生成器104でフォーマット変換された動画データが所定の時間分格納されたら、その動画データはメディア制御器105によって、記録メディア106に対し、書き込みを行っていく。
【0025】
ここで、画像データ生成器104にて生成された動画データのメモリ103上への格納と、それを記録メディア106に記録する方法について図3を用いて説明する。図3は、図2の動画データ格納用領域の内部をさらに細分化したものである。なお、説明を簡略化するために、便宜上動画データ格納用領域に格納される動画データは画像データのみとし、音声データは省略する。
【0026】
動画データ格納用領域には、10秒分の動画データを格納するものとし、さらに1秒当たり動画データは30フレームで構成されるものとする。画像データ生成器104では、1/30秒ごとに生成された動画データを図3の1−1から順次格納していく。そして、単位時間ごと、例えば1秒分の動画データが格納されたら、メディア制御器105がその動画データを読み出して、記録メディア106への書き込みを行う。前述の処理を順次行い、画像データ生成器104では、10秒分の動画データを図3の10−30まで格納すると、次は動画データ格納領域の先頭1−1に戻って格納をまた繰り返す、リングバッファ形式にて行っていく。この時、記録メディアによっては、書き込み速度が遅くて、画像データ生成器104からリングバッファへ格納する時間よりも、リングバッファから記録メディアに書き込む時間の方が遅い場合があり、1秒分の動画データがリングバッファに格納されても、前の記録メディア書き込み処理が終了しないため、その場合は記録メディアに対しては書き込み処理が終了するまで待ち、その間画像データ生成器104では動画データをリングバッファの次の領域に引き続き格納していく。
【0027】
ここで動画撮影前に連続して記録可能な記録時間を表示するための、記録時間算出方法について説明する。まず、はじめに記録メディア106の空き領域を検索する。この場合メディア制御器105を介して記録メディア106のシステム領域にあるFAT(File Allocation Table)を読み出す。そこには記録メディアへのアクセス単位であるクラスタの全使用状況が記録されているので、そこから未使用領域の総クラスタ数を検出し、その数値にバイト数/クラスタを掛けることによって、空きバイト数を求めることができる。また、動画1秒当たりのデータサイズは、画像1フレーム当たりのバイト数に1秒当たりのフレーム数を掛けることによって決まる。また音声データも記録する場合は、1秒当たりの音声データ分も加える。そして記録メディアの空きバイト数から動画ファイル用ヘッダなどの付加情報分を差し引いて、それを動画1秒当たりのデータサイズで割ることにより、使用する記録メディアに対して、動画を連続して記録可能な時間が求められる。記録メディアの空き容量をS(バイト)、付加情報をI(バイト)、1秒当たりの動画データ量をU(バイト)とすると、記録可能時間T1(秒)は、式(1)T1=(S−I)/Uとなる。ここで求められた時間T1を、表示器107に表示することになるのだが、書き込み速度は、使用する記録メディアによって異なるので、記録メディアへの書き込み速度が、単位時間当たりに生成される動画データのサイズよりも小さければ、メモリ103上に確保したリングバッファ上に複数回動画データを格納していくうちに、まだ記録メディア106への書き込みが行われていない領域への上書きが発生することになるため、その時点で動画撮影を停止しなければならない。その結果、撮影前に表示していた記録可能時間よりも短い時間しか記録できなくなってしまう。
【0028】
そこで、書き込み速度計測器201によって、動画記録に使用する記録メディア106の書き込み速度を求め、それにより、動画記録時間計算器202にて記録メディアごとに、動画を連続して記録可能な時間を求める方法について説明する。
【0029】
はじめに、メディアの書き込み速度を求める方法について説明する。まず記録メディア106を検出すると、その時記録メディア106に対して所定の初期化処理を行い、その後前述のFATを読み出して、空き領域を検索する。そしてその空き領域が所定のサイズ以上存在していれば、そこにダミーデータの書き込みを行う。空き領域が所定のサイズ以上存在しなければ動画記録は行えないため、ダミーデータの書き込みは行わない。ここで、ダミーデータは、1秒当たりに生成される動画データ量U(バイト)以上のサイズを書き込む。ただし、ダミーデータのサイズが大きすぎると、時間が掛かってしまい、その間動画撮影が可能になるまでが待たされることになるため、その場合は、必要に応じて1秒当たりに生成される動画データ量より小さいサイズを書き込む。その時、書き込み開始前に、タイマーカウンタを設定し、書き込みを開始してから一定時間周期ごとにそのタイマーカウンタをインクリメントさせていく。そして所定サイズ分のデータの書き込みが終了すればそのタイマーカウンタを停止させる。その時のタイマーカウンタ値から書き込みに要した時間に換算して、それを書き込んだデータサイズで割ることにより、メディア書き込み速度v(バイト/秒)が求まる。この時記録メディアに対して、不連続なクラスタに書き込みを行うと、分割してデータを転送しなくてはならず、またそれぞれのデータ転送の前後にメディア制御器105と記録メディア106間で再度書き込み開始/終了を相互に知らせるための通信処理が必要となるため、連続したクラスタに一括してデータの書き込みを行うのに比べて、時間がかかってしまう。そこで記録メディアの空き容量の中、不連続なクラスタが所定の割合以上存在する場合は、前述のメディア書き込み速度から一定速度分差し引く。ここで、v≧Uならば、リングバッファに複数回動画データを格納しても、格納先に記録メディアへ未書き込みの動画データが存在することは起こらないため、記録メディアの空き容量がなくなるまで、動画を連続して記録することが可能となる。よって、式(1)によって求められたT1(秒)を表示させる。逆にx<uならば、記録開始から一定の時間T2(秒)経過すると、リングバッファへ動画データを複数回繰り返し格納していくうちに、バッファメモリがフルの状態になって、動画データの格納先に記録メディアへ未書き込みの動画データが存在するので、それ以上リングバッファに動画データを格納することができなくなる。よって、T1時間まで動画を連続して記録することができないため、メディア書き込み速度に応じた動画記録時間を求める必要がある。記録メディアへの書き込み速度を考慮した場合の記録時間T2(秒)は、1秒当たりに生成される動画データ量U(バイト/秒)、メディア書き込み速度v(バイト/秒)、動画データをリングバッファ1周当たりに格納可能な時間R(秒)、記録メディア書き込みまでの遅延時間をd(秒)(d=1、2、3・・・)とすると、次式(2)T2=((R−d)*v/(U−v))+Rで表される。図4は、式(2)をグラフ化したものである。この時、記録メディアの空き容量がなくなるまで動画を連続して記録することができないので、表示器107にはその旨を使用者に知らせるための警告を出す。ただし、T2>T1ならば、空き容量自体が存在しないため、この場合はT1(秒)を表示させる。図5、6は全体の処理の流れを表すフローチャートである。
【0030】
次に、動画記録中の残り記録時間表示方法について説明する。動画記録を開始すると、所定時間経過するごとに更新した時間を表示する。この時実際に記録メディアに書き込みを行うと、途中でエラーが発生してリトライ処理などを行うと、当初見積もっていたメディア書き込み速度よりも遅くなる場合がある。また記録する1秒当たり動画データのサイズが可変長の場合、撮影する被写体によっては一時的にデータ量が見積もりを超える場合が起こりうる。そこで、リングバッファの状態を管理して、撮影前に表示していた残り記録時間よりも、早く動画記録が終了しなければならない事態が発生した場合には、使用者にその旨を知らせるための警告表示を行う。その場合例えば、表示器107で、残り記録時間を表示している時はその表示の色を変化させる、または点滅させるかもしくは途中で記録を終了することを告げる警告メッセージを表示する手段などがある。
【0031】
以上の構成によって、記録メディアごとにその書き込み速度に応じて、動画を連続して記録可能な時間を計算し、それを表示するので、書き込み速度の遅い記録メディアにおいても、動画データ量を圧縮して画質を劣化させることなく、使用者に良好な画質でかつ精度の高い残り記録時間を撮影前に知らせることができる。
【0032】
なお、記録メディアは、書き込み可能な任意のメディアでよい。また、記録する画像の1秒当たりのフレーム数、記録する縦横の画素サイズ、圧縮率の各パラメータも任意の値でよい。また、書き込み速度を計測する時に書き込むダミーデータのサイズも任意のサイズでよく、タイマーカウンタをインクリメントする場合の周期も任意の時間でよい。また、不連続なクラスタが存在する割合、並びにその時メディア書き込み速度から差し引く速度の量も任意の割合でよい。また、記録するデータは、画像データを例に説明したが、音声など任意のデータを記録することができる。また記録する動画データのファイルフォーマットも、任意のフォーマットで構わない。またリングバッファのサイズも、使用するメモリの物理的サイズに応じて、調節することが可能で、限定されるものではない。また、撮影前に表示していた残り記録時間よりも、早く動画記録が終了する場合に、使用者へ警告する手段として、警告音などを出して知らせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明にかかる動画記録装置は、書き込み速度の遅い記録メディアに対してリアルタイムに動画記録を行う場合でも、画質を劣化させずに、連続して記録可能な時間を求めて、使用者に対して、撮影前にその時間を表示させることが可能になるため、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ、カメラ付き携帯電話端末等に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態による動画記録装置を示すブロック図
【図2】メモリ内の各データ格納配置状況を示す模式図
【図3】動画データを格納するメモリ内のリングバッファを示す模式図
【図4】記録メディアの書き込み速度と動画を連続して記録可能な時間の関係を示す関数を示す相関図
【図5】本発明の実施の形態による全体の処理の流れを表すフローチャート
【図6】本発明の実施の形態による全体の処理の流れを表すフローチャート
【符号の説明】
【0035】
101 画像信号処理器
102 音声信号処理器
103 メモリ
104 画像データ生成器
105 メディア制御器
106 記録メディア
107 表示器
201 書き込み速度計測器
202 動画記録時間計算器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録メディアを脱着可能で、動画データを生成し、生成した動画データを前記記録メディアに記録可能な動画記録装置であって、
入力した画像信号に信号処理を行って動画データを生成する動画データ生成手段と、
前記動画データを一時的に格納するメモリ手段と、
前記メモリ手段に格納された動画データを、前記記録メディアに記録するための制御処理を行うメディア制御処理手段と、
前記記録メディアの書き込み速度を計測する書き込み速度計測手段と、
前記書き込み速度計測手段にて計測された書き込み速度および前記メモリ手段の記憶容量に基づいて、前記メモリ手段に格納された動画データをリアルタイムに前記記録メディアに記録できる時間を動画記録時間として計算する動画記録時間計算手段と、
前記動画記録時間を表示するための表示手段と、
を備えた動画記録装置。
【請求項2】
前記書き込み速度計測手段は、前記記録メディア制御処理手段が前記記録メディアの空き領域の容量を計測したときに書き込み速度を計測する、
ことを特徴とする請求項1に記載の動画記録装置。
【請求項3】
前記書き込み速度計測手段は、前記記録メディアの空き領域に所定のデータサイズのダミーデータを書き込むのに要する時間を計測する、
ことを特徴とする請求項1に記載の動画記録装置。
【請求項4】
前記書き込み速度計測手段は、前記動画データ生成手段が生成する動画データの単位時間当たりのデータサイズに基づいて、前記ダミーデータのデータサイズを決定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の動画記録装置。
【請求項5】
前記書き込み速度計測手段は、前記記録メディア制御処理手段で計測された前記記録メディアの空き領域の容量が所定量未満の場合には書き込み速度の計測を行わない、
ことを特徴とする請求項1に記載の動画記録装置。
【請求項6】
前記書き込み速度計測手段は、前記記録メディアの空き領域の分布状況に応じて書き込み速度を調節する、
ことを特徴とする請求項2記載の動画記録装置。
【請求項7】
前記表示手段は、前記書き込み速度計測手段で計測した記録メディアの書き込み時間が所定の時間よりも長い場合、その旨を示す警告表示をする、
ことを特徴とする請求項1に記載の動画記録装置。
【請求項8】
前記表示手段は、前記動画記録時間計算手段で算出された動画記録時間より実際に記録を開始して記録時間が短くなることが認識された場合、警告表示する、
ことを特徴とする請求項2記載の動画記録装置。
【請求項1】
記録メディアを脱着可能で、動画データを生成し、生成した動画データを前記記録メディアに記録可能な動画記録装置であって、
入力した画像信号に信号処理を行って動画データを生成する動画データ生成手段と、
前記動画データを一時的に格納するメモリ手段と、
前記メモリ手段に格納された動画データを、前記記録メディアに記録するための制御処理を行うメディア制御処理手段と、
前記記録メディアの書き込み速度を計測する書き込み速度計測手段と、
前記書き込み速度計測手段にて計測された書き込み速度および前記メモリ手段の記憶容量に基づいて、前記メモリ手段に格納された動画データをリアルタイムに前記記録メディアに記録できる時間を動画記録時間として計算する動画記録時間計算手段と、
前記動画記録時間を表示するための表示手段と、
を備えた動画記録装置。
【請求項2】
前記書き込み速度計測手段は、前記記録メディア制御処理手段が前記記録メディアの空き領域の容量を計測したときに書き込み速度を計測する、
ことを特徴とする請求項1に記載の動画記録装置。
【請求項3】
前記書き込み速度計測手段は、前記記録メディアの空き領域に所定のデータサイズのダミーデータを書き込むのに要する時間を計測する、
ことを特徴とする請求項1に記載の動画記録装置。
【請求項4】
前記書き込み速度計測手段は、前記動画データ生成手段が生成する動画データの単位時間当たりのデータサイズに基づいて、前記ダミーデータのデータサイズを決定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の動画記録装置。
【請求項5】
前記書き込み速度計測手段は、前記記録メディア制御処理手段で計測された前記記録メディアの空き領域の容量が所定量未満の場合には書き込み速度の計測を行わない、
ことを特徴とする請求項1に記載の動画記録装置。
【請求項6】
前記書き込み速度計測手段は、前記記録メディアの空き領域の分布状況に応じて書き込み速度を調節する、
ことを特徴とする請求項2記載の動画記録装置。
【請求項7】
前記表示手段は、前記書き込み速度計測手段で計測した記録メディアの書き込み時間が所定の時間よりも長い場合、その旨を示す警告表示をする、
ことを特徴とする請求項1に記載の動画記録装置。
【請求項8】
前記表示手段は、前記動画記録時間計算手段で算出された動画記録時間より実際に記録を開始して記録時間が短くなることが認識された場合、警告表示する、
ことを特徴とする請求項2記載の動画記録装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2006−166069(P2006−166069A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−355133(P2004−355133)
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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