説明

動線計測システム

【課題】施工が容易で且つ低コスト化が可能な位置検出システムを提供する。
【解決手段】移動体Aの移動空間内へ超音波を送波可能な音源を具備し天井面200の定位置に配置される音源ユニット1と、移動体Aに搭載され音源から送波された超音波を受波するとともに受波した超音波を電気信号である受波信号に変換する複数個の受波素子21aが同一基板21b上に配列された超音波アレイセンサからなる超音波受信装置21および上記基板21bに平行な面内における移動体Aの向きを検出する向き検出手段たるジャイロセンサを具備するセンサユニット2とを備える。センサユニット2は、超音波受信装置21である超音波アレイセンサの各受波素子21aで超音波を受波した時間の時間差と各受波素子21aの配置位置と向き検出手段により検出された移動体Aの向きとに基づいて超音波受信装置21に対して音源の存在する方位を求める位置演算部を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波を利用して移動体の位置情報を検出する位置検出システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物内に存在する移動体の位置を検出する位置検出システムとして、互いに離間して配置される第1の超音波発信器と第2の超音波発信器と、移動体に装着された超音波受信装置とを備え、第1の超音波発信器から間欠的に発信される超音波パルス信号および第2の超音波発信器から間欠的に発信される超音波パルス信号を超音波受信装置にて受信して移動体の位置を求めるようにした位置検出システムが提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平7−140241号公報(段落〔0009〕〜〔0022〕、図1〜図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に開示された位置検出システムは、位置検出対象の移動体の位置情報を求めるためには少なくとも第1の超音波発信器と第2の超音波発信器との2台の超音波発信器を設置する必要があり、しかも、第1の超音波発信器から間欠的に発信させる超音波パルス信号と第2の超音波発信器から間欠的に発信させる超音波パルス信号とを同期させるために別途の制御手段が必要となるので、コストが高くなってしまう。
【0004】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、施工が容易で且つ低コスト化が可能な位置検出システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、定位置に配置され位置検出対象の移動体の移動空間内へ超音波を送波可能な音源と、移動体に搭載され音源から送波された超音波を受波するとともに受波した超音波を電気信号である受波信号に変換する複数個の受波素子が同一基板上に配列された超音波アレイセンサからなる超音波受信装置と、前記基板に平行な面内における移動体の向きを検出する向き検出手段と、超音波受信装置である超音波アレイセンサの各受波素子で超音波を受波した時間の時間差と各受波素子の配置位置と向き検出手段により検出された移動体の向きとに基づいて超音波受信装置に対して音源の存在する方位を求める位置演算部とを備えることを特徴とする。
【0006】
この発明によれば、1つの音源を定位置に配置することにより移動体に搭載された超音波受信装置に対する音源の存在する方位を求めることができるので、従来のように2台の超音波発信器を設置し且つ両超音波発信器から発信させる超音波パルス信号を同期させる制御手段を設ける場合に比べて、施工が容易になるとともに低コスト化が可能になる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記音源は、支持基板と、支持基板の一表面側に形成された発熱体層と、支持基板の前記一表面側で支持基板と発熱体層との間に介在する熱絶縁層とを備え、発熱体層への通電に伴う発熱体層の温度変化に伴って超音波を発生する超音波発生素子からなることを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、前記音源として圧電式の超音波発生素子を用いる場合に比較して共振特性のQ値が小さいから、残響時間が短く発生期間の短い超音波を発生させることができ、前記音源から送波される超音波における残響成分に起因した不感帯を短くすることができる。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記受波素子は、超音波の音圧を静電容量の変化に変換する静電容量式のマイクロホンからなることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、前記受波素子の共振特性のQ値が圧電素子の共振特性のQ値に比べて小さいから、従来のように受波素子として圧電式の受波素子を用いる場合に比べて、前記受波素子で超音波を受波したときに発生する受波信号における残響時間を短くできるので、前記受波素子から出力される受波信号における残響成分に起因した不感帯を短くすることができる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、前記音源と前記超音波受信装置とのうち前記音源側に設けられトリガ信号を発信するトリガ信号発信器と、前記超音波受信装置側に設けられトリガ信号を受信するトリガ信号受信器と、トリガ信号発信器からのトリガ信号の送波開始タイミングおよび前記音源からの超音波の送波開始タイミングを制御する制御部とを備え、前記位置演算部は、トリガ信号受信器によりトリガ信号を受信した時刻と前記受波素子により超音波を受波した時刻との関係から前記超音波受信装置と前記音源との距離を求める距離演算手段を備えることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、前記超音波受信装置と前記音源との距離を求めることができるので、前記音源の存在する方位と前記音源までの距離とに基づいて前記超音波受信装置に対する前記音源の相対位置を求めることができる。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、前記音源と前記超音波受信装置とのうち前記超音波受信装置側に設けられトリガ信号を発信するトリガ信号発信器と、前記音源側に設けられトリガ信号を受信するトリガ信号受信器と、トリガ信号受信器にてトリガ信号を受信したときに前記音源から超音波を送波させる制御部とを備え、前記位置演算部は、トリガ信号発信器からトリガ信号が発信された時刻と前記受波素子により超音波を受波した時刻との関係から前記超音波受信装置と前記音源との距離を求める距離演算手段を備えることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、前記超音波受信装置と前記音源との距離を求めることができるので、前記音源の存在する方位と前記超音波受信装置と前記音源との距離とに基づいて前記超音波受信装置に対する前記音源の相対位置を求めることができる。
【0015】
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5の発明において、前記音源が複数あり、前記各音源と前記超音波受信装置とのうち前記各音源側に設けられそれぞれ固有の識別情報信号を発信する識別情報信号発信器と、前記超音波受信装置側に設けられ各識別情報信号を受信する識別情報信号受信器と、前記超音波受信装置側に設けられ識別情報信号受信部にて受信した識別情報信号に基づいて前記各音源を個別に特定する音源特定手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、前記超音波受信装置に対する前記各音源それぞれの存在する方位を前記音源ごとに特定して求めることができる。
【0017】
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、前記音源が複数あり、前記各音源と前記超音波受信装置とのうち前記各音源側に設けられそれぞれ固有の識別情報信号を発信する識別情報信号発信器と、前記超音波受信装置側に設けられ各識別情報信号を受信する識別情報信号受信器と、前記音源側に設けられ識別情報信号発信器からの識別情報信号の送信開始タイミングおよび前記音源からの超音波の送波開始タイミングを制御する制御部とを備え、前記位置演算部は、識別情報信号受信部にて受信した識別情報信号に基づいて前記各音源を個別に特定する音源特定手段と、識別情報信号受信部により識別情報信号を受信した時刻と前記受波素子により超音波を受波した時刻との関係から前記超音波受信装置と前記音源との距離を求める距離演算手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、前記超音波受信装置から前記各音源それぞれまでの距離を求めることができるので、前記各音源それぞれの存在する方位と前記超音波受信装置から前記各音源それぞれまでの距離とに基づいて前記超音波受信装置に対する前記各音源それぞれの相対位置を求めることができる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明では、1つの音源を定位置に配置することにより移動体に搭載された超音波受信装置に対する音源の存在する方位を求めることができるので、従来のように2台の超音波発信器を設置し且つ両超音波発信器から発信させる超音波パルス信号を同期させる制御手段を設ける場合に比べて、施工が容易になるとともに低コスト化が可能になるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本実施形態では、位置検出システムとして、図1(a)に示すように、位置検出対象の移動体Aが建物内で床面100上を移動する移動体(例えば、ショッピングカートなど)であり、移動体Aの移動空間内へ超音波を間欠的に送波可能な音源11(図2参照)を備えた音源ユニット1を施工面である天井面200の定位置に設置する一方で、音源11から送波された超音波を受波する超音波受信装置21(図2参照)を備えたセンサユニット2を移動体Aの上面に設置し、超音波受信装置21に対する音源1の相対位置を求め、移動体Aの移動状況(移動体Aの動き)を追跡する動線計測を行う動線計測システムを例示する。
【0021】
音源ユニット1には、上述の音源11と、音源11を駆動するドライバ12と、光もしくは電波からなるトリガ信号を発信するトリガ信号発信器13と、トリガ信号発信器13を駆動するドライバ14と、固有の識別情報信号を発信する識別情報信号発信器15と、識別情報信号発信器15を駆動するドライバ16と、各ドライバ12,14,16を制御する制御部17とを備えている。ここにおいて、音源11からの超音波の送波開始タイミング、トリガ信号発信器13からのトリガ信号の送信開始タイミング、識別情報信号発信器15からの識別情報信号の送信タイミングは、制御部17により制御される。なお、制御部17は、マイクロコンピュータを主構成とし、上述の制御部17の機能はマイクロコンピュータに適宜のプログラムを搭載することにより実現される。
【0022】
一方、センサユニット2には、上述の超音波受信装置21と、トリガ信号発信器13から送信されたトリガ信号を受信したときにトリガ受信信号を出力するトリガ信号受信器23と、識別情報信号発信器15から送信された識別情報信号を受信する識別情報信号受信器25と、移動体Aの上面に平行な面内における移動体Aの向き(姿勢角)に関する情報を得るためのジャイロセンサ29と、超音波受信装置21から出力される受波信号が入力される度に超音波受信装置21の出力およびトリガ信号受信器23の出力およびジャイロセンサ29の出力を用いて超音波受信装置21と音源11との相対位置を求めて出力する位置演算部22と、トリガ信号受信器23からのトリガ受信信号を受けた時刻(以下、トリガ受信時刻と称す)を出力するタイマ26と、位置演算部22から出力される演算結果(超音波受信装置21に対する音源11の相対位置のデータ)をタイマ26から出力されたトリガ受信時刻と対応付けて時系列的に記憶するメモリ24とを備えている。ここにおいて、メモリ24に格納されているトリガ受信時刻、トリガ受信時刻毎の音源11の存在する方位および音源11までの距離および移動体Aの向き(要するに、各音源11それぞれの時系列的な相対位置の変化に関するデータ)は制御部27により出力部28のデータ転送形式のデータ列に変換され出力部28を通して外部のコンピュータなどの管理装置へ出力される。出力部28としては、例えば、TIA/EIA−232−EやUSBなどのようなシリアル転送方式のインタフェースや、SCSIなどのようなパラレル転送方式のインタフェースなどを採用することができる。なお、制御部27の機能はマイクロコンピュータに適宜のプログラムを搭載することにより実現される。
【0023】
音源ユニット1の音源11としては、圧電効果による機械的振動を利用した圧電式の超音波発生素子を用いてもよいが、このような圧電式の超音波発生素子(圧電素子)は共振特性のQ値(機械的品質係数Q)が一般的に100よりも高くて残響時間が長くなってしまう。そこで、音源11から残響時間の短い超音波を間欠的に発生させる(つまり、発生期間の短い超音波を間欠的に発生させる)には、音源11として、図3に示すように、単結晶のp形のシリコン基板からなる支持基板31の一表面(図3における上面)側に多孔質シリコン層からなる熱絶縁層(断熱層)32が形成され、熱絶縁層32上に金属薄膜(例えば、タングステン薄膜)からなる発熱体層33が形成され、支持基板31の上記一表面側に発熱体層33と電気的に接続された一対のパッド34,34が形成された熱励起式の超音波発生素子を用いることが望ましい。なお、支持基板31の平面形状は長方形状であって、熱絶縁層32、発熱体層33それぞれの平面形状も長方形状に形成してある。
【0024】
熱励起式の超音波発生素子では、発熱体層33の両端のパッド34,34間に通電して発熱体層33に温度変化を生じさせると、発熱体層33に接触している空気に温度変化が生じる。発熱体層33に接触している空気は、発熱体層33の温度上昇時には膨張し発熱体層33の温度下降時には収縮するから、発熱体層33への通電を適宜に制御することによって空気中を伝搬する超音波を発生させることができる。
【0025】
上述の圧電式の超音波発生素子では、共振特性のQ値が高いので、図5に示すような超音波波形のような残響時間が長くなってしまうが、上述の熱励起式の超音波発生素子では、一対のパッド34,34を介した発熱体層33への通電に伴う発熱体層33の温度変化に伴って超音波を発生するものであり、発熱体層33へ与える駆動電圧あるいは駆動電流の波形を例えば周波数がf1の正弦波波形とした場合、当該周波数f1の略2倍の周波数の超音波を発生させることができ、例えば正弦波波形の半周期の孤立波を駆動電圧としてドライバ12から一対のパッド34,34間へ与えることによって、図4に示すような残響時間が短く且つ発生期間の短い略1周期の超音波を発生させることができる。要するに、圧電式の超音波発生素子は、固有の共振周波数をもつので周波数帯域が狭いが、熱励起式の超音波発生素子では、発生させる超音波の周波数を広範囲にわたって変化させることができ、駆動電圧もしくは駆動電流の波形を孤立波とすれば、図4に示すような略1周期の超音波を発生させることができる。
【0026】
上述の熱励起式の超音波発生素子は、支持基板31としてp形のシリコン基板を用いており、熱絶縁層32を多孔度が略70%の多孔質シリコン層により構成しているので、支持基板31として用いるシリコン基板の一部をフッ化水素水溶液とエタノールとの混合液からなる電解液中で陽極酸化処理することにより熱絶縁層32となる多孔質シリコン層を形成することができる。ここに、陽極酸化処理の条件(例えば、電流密度、通電時間など)を適宜設定することにより、熱絶縁層32となる多孔質シリコン層の多孔度や厚みそれぞれを所望の値とすることができる。多孔質シリコン層は、多孔度が高くなるにつれて熱伝導率および熱容量が小さくなり、例えば、熱伝導率が148W/(m・K)、熱容量が1.63×10J/(m・K)の単結晶のシリコン基板を陽極酸化して形成される多孔度が60%の多孔質シリコン層は、熱伝導率が1W/(m・K)、熱容量が0.7×10J/(m・K)であることが知られている。本実施形態では、上述のように熱絶縁層32を多孔度が略70%の多孔質シリコン層により構成してあり、熱絶縁層32の熱伝導率が0.12W/(m・K)、熱容量が0.5×10J/(m・K)となっている。なお、熱絶縁層32の熱伝導度および熱容量を支持基板31の熱伝導度および熱容量に比べて小さくし、熱絶縁層32の熱伝導度と熱容量との積を支持基板31の熱伝導度と熱容量との積に比べて十分に小さくすることにより、発熱体層33の温度変化を空気に効率よく伝達することができ発熱体層33と空気との間で効率的な熱交換が起こり、且つ、支持基板31が熱絶縁層32からの熱を効率よく受け取って熱絶縁層32の熱を逃がすことができて発熱体層33からの熱が熱絶縁層32に蓄積されるのを防止することができる。
【0027】
また、発熱体層33は、高融点金属の一種であるタングステンにより形成してあり、熱伝導率が174W/(m・K)、熱容量が2.5×10J/(m・K)となっている。発熱体層33の材料はタングステンに限らず、例えば、タンタル、モリブデン、イリジウムなどを採用してもよい。
【0028】
なお、上述の熱励起式の超音波発生素子では、支持基板31の厚さを525μm、熱絶縁層32の厚さを10μm、発熱体層33の厚さを50nm、各パッド34の厚さを0.5μmとしてあるが、これらの厚さは一例であって特に限定するものではない。また、支持基板31の材料としてSiを採用しているが、支持基板31の材料はSiに限らず、例えば、Ge,SiC,GaP,GaAs,InPなどの陽極酸化処理による多孔質化が可能な他の半導体材料でもよい。
【0029】
トリガ信号発信器13は、トリガ信号として光を採用する場合には、例えば、発光ダイオードを用いればよく、トリガ信号として電波を採用する場合には、例えば、電波発信器を用いればよい。ここにおいて、光や電波は音波に対して十分に高速なので、音源ユニット1からセンサユニット2までの音波の到達時間のレンジでは、光や電波の到達時間はゼロとみなすことができる。
【0030】
識別情報信号発信器15としては、識別情報信号として光を採用する場合には、例えば、発光ダイオードを用いればよく、識別情報信号として電波を採用する場合には、例えば、電波発信器を用いればよく、識別情報信号として音波を採用する場合には、例えば、熱励起式の音波発生素子を用いればよい。
【0031】
センサユニット2の超音波受信装置21は、図1(b)に示すように、音源11から送波された超音波を受波するとともに受波した超音波を電気信号である受波信号に変換する複数個(図示例では、4個であるが、個数は特に限定するものではない)の受波素子21aが同一基板21b上で2次元的に配列された超音波アレイセンサにより構成されている。ここにおいて、受波素子21aの中心間距離(配列ピッチ)Lは音源11から発生させる超音波の波長程度(例えば、超音波の波長の0.5〜5倍程度)に設定することが望ましく、超音波の波長の0.5倍よりも小さいと超音波が隣り合う受波素子21aそれぞれへ到達する時間の時間差が小さくなり、当該時間差の検出が困難となる。受波素子21aとしては、例えば、超音波を圧電効果により電気信号に変換する圧電式の受波素子(圧電素子)や、超音波を静電容量の変化に変換する静電容量式の受波素子などの超音波用の受波素子として広く知られているものを採用することが考えられるが、音源11と同様に残響を少なくするために、静電容量式の受波素子の構造を採用することが望ましい。
【0032】
本実施形態では、受波素子21aとして、図6に示すような静電容量式のマイクロホンを採用している。図6に示す構成の静電容量式のマイクロホンは、マイクロマシニング技術を利用して形成されており、シリコン基板に厚み方向に貫通する窓孔41aを設けることで形成された矩形枠状のフレーム41と、フレーム41の一表面側においてフレーム41の対向する2つの辺に跨る形で配置されるカンチレバー型の受圧部42とを備えている。ここにおいて、フレーム41の一表面側には熱酸化膜45と熱酸化膜45を覆うシリコン酸化膜46とシリコン酸化膜46を覆うシリコン窒化膜47とが形成されており、受圧部42の一端部がシリコン窒化膜47とを介してフレーム41に支持され、他端部が上記シリコン基板の厚み方向においてシリコン窒化膜47に対向している。また、シリコン窒化膜47における受圧部42の他端部との対向面に金属薄膜(例えば、クロム膜など)からなる固定電極43aが形成され、受圧部42の他端部におけるシリコン窒化膜47との対向面とは反対側に金属薄膜(例えば、クロム膜など)からなる可動電極43bが形成されている。なお、フレーム41の他表面にはシリコン窒化膜48が形成されている。また、受圧部42は、上記各シリコン窒化膜47,48とは別工程で形成されるシリコン窒化膜により構成されている。
【0033】
図6に示した構成の静電容量式のマイクロホンからなる受波素子21aでは、固定電極43aと可動電極43bとを電極とするコンデンサが形成されるから、受圧部42が音波の圧力を受けることにより固定電極43aと可動電極43bとの間の距離が変化し、固定電極43aと可動電極43bとの間の静電容量が変化する。したがって、固定電極43aおよび可動電極43bに設けたパッド(図示せず)間に直流バイアス電圧を印加しておけば、パッドの間には超音波の音圧に応じて微小な電圧変化が生じるから、超音波の音圧を電気信号に変換することができる。
【0034】
なお、受波素子21aとして用いる静電容量式のマイクロホンの構造は図6の構造に特に限定するものではなく、例えば、シリコン基板などをマイクロマシニング技術などにより加工して形成され、超音波を受けるダイヤフラム部からなる可動電極と、ダイヤフラム部に対向する背板部からなる固定電極との間に、超音波を受けていない状態でのダイヤフラム部と背板部とのギャップ長を規定する絶縁膜からなるスペーサ部が介在し、背板部に複数の排気孔が貫設された構造を有するものでもよい。このような静電容量式のマイクロホンでは、ダイヤフラム部が超音波を受けて変形してダイヤフラム部と背板部との距離が変化することにより、可動電極と固定電極との間の静電容量が変化する。
【0035】
ところで、図3に示した熱励起式の音波発生素子からなる音源11は共振特性のQ値が1程度であり、図6に示した静電容量式のマイクロホンからなる受波素子21aの共振特性のQ値は3〜4程度であり、圧電素子に比べてQ値が十分に小さく、従来のように送波素子および受波素子に圧電素子を用いている場合に比べて、音源11から送波される超音波における残響成分に起因した不感帯を短くすることができるとともに、受波素子21aで超音波を受波したときに発生する受波信号における残響時間を短くできて受波素子21aから出力される受波信号における残響成分に起因した不感帯を短くすることができるので、角度分解能を改善することができる。なお、静電容量式のマイクロホンでは、圧電素子のような共振特性の高いQ値を持たないから、受波周波数の範囲を広くとることが可能になる。また、音源11および受波素子21aそれぞれの共振特性のQ値はいずれも10以下が望ましく、いずれも5以下がより望ましい。
【0036】
トリガ信号受信器23は、トリガ信号発信器13から送信するトリガ信号として光を採用する場合には、例えば、フォトダイオードを用いればよく、トリガ信号として電波を採用する場合には、例えば、電波受信アンテナを用いればよい。要するに、トリガ信号受信器23は、トリガ信号を受信してトリガ信号を電気信号(トリガ受信信号)に変換して出力できるものであればよい。
【0037】
識別情報信号受信器25は、識別情報信号発信器15から送信する識別情報信号として光を採用する場合には、例えば、フォトダイオードを用いればよく、識別情報信号として電波を採用する場合には、例えば、電波受信アンテナを用いればよく、識別情報信号として音波を採用する場合には、例えば、静電容量式の受波素子を用いればよい。要するに、識別情報信号受信器25は、識別情報信号を受信して識別情報信号を電気信号からなる識別情報に変換して出力できるものであればよい。
【0038】
位置演算部22は、超音波受信装置21である超音波アレイセンサの各受波素子21aで音波を受波した時間の時間差と各受波素子21aの配置位置とに基づいて超音波受信装置21に対して音源11の存在する方位を示す方位角θ(超音波の到来方向)を求める機能を有している。
【0039】
以下、位置演算部22について説明するが、説明を簡単にするために、超音波受信装置21の受波素子21aが図7に示すように同一平面上において1次元的に等間隔で配列されている例について説明する。受波素子21aが配列された面に対する超音波の波面の角度がθである場合を想定すると、超音波の到来方向(すなわち、超音波受信装置21に対して音源11の存在する方位角)はθになり、音速をc、超音波の波面が隣り合う受波素子21aのうちの一方の受波素子21aに到達する時刻における超音波の波面と他方の受波素子21aの中心との間の距離(遅延距離)をd、隣り合う受波素子21aの中心間距離をLとすれば、超音波の波面が隣り合う受波素子21a間に到達する時間差Δt(図8参照)は、Δt=d/c=L・sinθ/cになる。
【0040】
図8(a)〜(c)は上述の熱励起式の超音波発生素子の発熱体層33へ正弦波波形の半周期の波形の駆動電圧を与えたときの図7の各受波素子21aそれぞれの受波信号を示しており、図8(a)が図7の一番上の受波素子21aの受波信号、図8(b)が図7の真ん中の受波素子21aの受波信号、図8(c)が図7の一番下の受波素子21aの受波信号を示している。ここにおいて、位置演算部22は、音源11の存在する方位を求める演算機能を有する信号処理部22cを備えている。信号処理部22cは、超音波受信装置21の各受波素子21aから出力された電気信号である受波信号をそれぞれ各受波素子21aの配列パターンに応じた遅延時間で遅延させた受波信号を組にして出力する遅延手段と、遅延手段により遅延された受波信号の組を加算する加算器と、加算器の出力波形のピーク値と適宜の閾値との大小関係を比較し閾値を超えるピーク値が得られたときに遅延手段で設定されている遅延時間に対応する方向を音源11の存在する方位(超音波の到来方向)と判断する判断手段とを備えているので、超音波受信装置21に対して音源11の存在する方位(超音波の到来方向)を検出することができる。ここで、位置演算部22は、上述の信号処理部22cの他に、超音波受信装置21の各受波素子21aから出力されるアナログの受波信号をディジタルの受波信号に変換して出力するA/D変換部22aと、ジャイロセンサ29から出力されるアナログのセンサ信号をディジタルのセンサ信号に変換して出力するA/D変換部22dと、トリガ信号受信器23からのトリガ受信信号が入力された時点から所定の受波期間だけ各A/D変換部22a,22dの出力が格納されるデータ格納部22bとを備えており、上述の信号処理部22cは、データ格納部22bにトリガ受信信号が入力されたときに受波期間を設定し、受波期間にのみ各A/D変換部22a,22dを作動させ、受波期間にデータ格納部22bに格納された受波信号のデータに基づいて音源11の存在する方位を求める。なお、信号処理部22cはマイクロコンピュータなどにより構成される。また、データ格納部22bには、〔受波素子21aの個数×各受波素子21aからの受波信号のデータ数〕+〔ジャイロセンサ29の個数×ジャイロセンサ29からのセンサ信号のデータ数〕の数だけデータが格納されることになるので、例えば、受波素子21aの個数を7個、ジャイロセンサ29の個数を1個、受波期間を30ms、各A/D変換部22a,22dのサンプリング周期を1μsとした場合には、1データを1ワードとして240kワードの容量が必要となるから、256kワードのSRAMなどを使用すればよい。
【0041】
ところで、本実施形態では、音源11として上述の熱励起式の超音波発生素子を用いているので、図9に示すように、超音波受信装置21の各受波素子21aへ2つの方位から超音波が到来する場合に方位角がθの方位から到来する超音波の方が方位角θの方位から到来する超音波に比べて先に到達するとすれば、図10(a)〜(c)に示すように各受波素子21aそれぞれから出力される2つの受波信号が重なりにくく、各音源11それぞれからの存在する方位角(超音波の到来方向)θ,θを求めることができる。ここで、図10は、(a)が図9の一番上の受波素子21aの2つの受波信号、(b)が図9の真ん中の受波素子21aの2つの受波信号、(c)が図9の一番下の受波素子21aの2つの受波信号を示しており、(a)〜(c)それぞれにおける左側の受波信号がθの方位から到来した超音波に対応し、右側の受波信号がθの方位から到来した超音波に対応している。なお、θの方位からの超音波の波面が隣り合う受波素子21aのうちの一方の受波素子21aに到達する時刻における超音波の波面と他方の受波素子21aの中心との間の距離(遅延距離)をd(図9参照)とすれば、超音波の波面が隣り合う受波素子21a間に到達する時間差Δt(図10参照)は、Δt=d/c=L・sinθ/cになり、θの方位からの超音波の波面が隣り合う受波素子21aのうちの一方の受波素子21aに到達する時刻における超音波の波面と他方の受波素子21aの中心との間の距離(遅延距離)をd(図9参照)とすれば、超音波の波面が隣り合う受波素子21a間に到達する時間差Δt(図10参照)は、Δt=d/c=L・sinθ/cになる。
【0042】
また、位置演算部22の信号処理部22cは、トリガ信号受信器23によりトリガ信号を受信した時刻と受波素子21aにより超音波を受波した時刻との関係から超音波受信装置21と音源11との距離を求める距離演算手段と、超音波受信装置21に対して音源11の存在する方位(つまり、超音波の到来方向)と距離演算手段により求めた超音波受信装置21から音源11までの距離とジャイロセンサ29により検出された移動体Aの向き(言い換えれば、超音波受信装置21の上記基板21bの一表面に平行な面内における超音波受信装置21の向き)とに基づいて超音波受信装置21に対する音源11の相対位置を求める位置演算手段とを備えている。
【0043】
ここにおいて、上述のようにトリガ信号として光もしくは電波のように音波に比べて十分に高速な信号を採用していることにより、音源ユニット1からセンサユニット2までのトリガ信号の到達時間は音源ユニット1からセンサユニット2までの到達時間に比べて十分に短く(無視できる程度に短く)、トリガ信号の到達時間をゼロとみなすことができるので、距離演算手段では、図12(a)〜(c)に示すようにトリガ受信信号STを受信した時刻と当該トリガ信号STの受信後に最初に受波素子21aからの受波信号SPを受信した時刻との時間差Tと、音速とによって超音波受信装置21と音源11との間の距離を求めるようにしてある。また、本実施形態の位置検出システムでは、天井面200に音源ユニット1を配置することによって音源11が定位置に配置される一方で移動体Aの上面に超音波受信装置21を具備するセンサユニット2を搭載しているので、超音波受信装置21に対して音源11の存在する方位および超音波受信装置21と音源11との距離だけでは超音波受信装置21と音源11との相対位置が一意に決まらない。例えば、超音波受信装置21に対して音源11の存在する方位(方位角θ)が同じあっても、図11(a)に示すように音源ユニット1の右斜め下方に移動体Aが存在し且つ移動体Aの向きが図面中の右向きである場合と、図11(b)に示すように音源ユニット1の左斜め下方に移動体Aが存在し且つ移動体Aの向きが図面中の左向きである場合との2つの場合があり得る。そこで、本実施形態の位置検出システムの位置演算部22における信号処理部22cの位置演算手段では、上述のように、超音波受信装置21に対して音源11の存在する方位と距離演算手段により求めた超音波受信装置21から音源11までの距離とジャイロセンサ29からのセンサ信号とに基づいて超音波受信装置21に対する音源11の相対位置を求めるようにしてある。
【0044】
なお、信号処理部22cの距離演算手段や位置演算手段は、当該信号処理部22cを構成するマイクロコンピュータに適宜のプログラムを搭載することにより実現される。また、本実施形態では、ジャイロセンサ29が、超音波アレイセンサの基板21bに平行な面内における移動体Aの向きを検出する向き検出手段を構成しているが、向き検出手段は、ジャイロセンサ29に限らず、例えば、地磁気センサなどを採用してもよい。
【0045】
しかして、本実施形態の位置検出システムでは、1つの音源ユニット1を定位置に配置することにより移動体Aに搭載された超音波受信装置21に対する音源11の存在する方位を求めることができるので、従来のように2台の超音波発信器を設置し且つ両超音波発信器から発信させる超音波パルス信号を同期させる制御手段を設ける場合に比べて、施工が容易になるとともに低コスト化が可能になる。
【0046】
ところで、本実施形態の位置検出システムを適用する建物の床面100が平坦であって床面100から天井面200までの高さが一定であり、かつ、移動体Aの大きさが一定(つまり、床面100から移動体Aの上面までの高さが一定)であれば、天井面200に平行な面であって音源11を含む平面と、天井面200に平行な面であって超音波受信装置21を含む平面との間の距離は床面100上の移動体Aの位置によらず一定距離となるので、当該一定距離をあらかじめ既知の距離情報として位置演算手段に記憶させておくことにより、位置演算手段では、当該距離情報と音源11の存在する方位と移動体Aの向きとに基づいて音源11の相対位置を求めることができるから、上述の距離演算手段が不要となる。これに対して、位置演算部22が上述の距離演算手段を備えていることにより、図13に示すように建物の床面100に段差100bが存在するような場合でも、センサユニット2の超音波受信装置21と音源ユニット1の音源11との間の距離を精度良く求めることができ、超音波受信装置21に対する音源11の相対位置を精度良く求めることができる。
【0047】
また、制御部27は、識別情報信号受信部25から出力されメモリ24に記憶された識別情報に基づいて音源11を個別に特定する音源特定手段を備えており、天井面200に複数の音源ユニット1が配置されている場合であっても、超音波受信装置21に対する各音源11それぞれの相対位置を求めることができる。ここにおいて、例えば、音源ユニット1が4つ存在する場合には、各音源ユニット1それぞれの識別情報信号発信器15から送信する識別情報信号を図14(a)〜(d)に示すように異なるパルス列からなる識別情報信号としておくことにより、メモリ24には識別情報と位置演算部22の信号処理部22cの演算結果とが対応付けて格納される。したがって、制御部27では、位置演算部22により得られた超音波受信装置21に対する音源11の相対位置のデータがどの音源ユニット1に関するものか識別することができる。なお、識別情報信号として光もしくは電波を採用し、超音波受信装置21により超音波を検出可能な検知エリア内に1つの音源ユニット1が存在する場合を想定すると、センサユニット2の識別情報信号受信器25から出力される識別情報と、各受波素子21aそれぞれから出力される受波信号との関係は図15(a)〜(c)に示すようになるので、識別情報信号発信器15を上述のトリガ信号発信器13に兼用する(識別情報信号をトリガ信号として兼用する)こともでき、この場合には上述の音源特定手段を位置演算部22に設けてもよい。ここで、図15(a)は図7の一番上の受波素子21aの受波信号、図15(b)は図7の真ん中の受波素子21aの受波信号、図15(c)は図7の一番下の受波素子21aの受波信号を示している。
【0048】
なお、上記実施形態では、音源ユニット1にトリガ信号発信器13を設けるとともにセンサユニット2にトリガ信号受信器23を設けてあるが、トリガ信号発信器13をセンサユニット2側に設けるとともにトリガ信号受信器23を音源ユニット1側に設けて、制御部17がトリガ信号受信器23の出力に基づいて音源11から超音波が送波されるようにドライバ12を制御するようにし、位置演算部22における信号処理部22cの距離演算手段が、トリガ信号発信器13からトリガ信号が発信された時刻と受波素子21aにより超音波を受波した時刻との関係から音源11までの距離を求めるようにしてもよい。ここにおいて、制御部17は、トリガ信号受信器23から出力されたトリガ受信信号が入力されたときに直ちにドライバ12を制御するようにしてもよいし、所定時間後にドライバ12を制御するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】実施形態を示し、(a)は位置検出システムの概略構成図、(b)は超音波アレイセンサの概略斜視図である。
【図2】同上のブロック図である。
【図3】同上における熱励起式の超音波発生素子の概略断面図である。
【図4】同上における熱励起式の超音波発生素子の動作説明図である。
【図5】同上における圧電式の超音波発生素子の動作説明図である。
【図6】同上における静電容量式のマイクロホンを示し、(a)は一部破断した概略斜視図、(b)は概略断面図である。
【図7】同上の動作説明図である。
【図8】同上の動作説明図である。
【図9】同上の動作説明図である。
【図10】同上の動作説明図である。
【図11】同上の動作説明図である。
【図12】同上の動作説明図である。
【図13】同上の動作説明図である。
【図14】同上の動作説明図である。
【図15】同上の動作説明図である。
【符号の説明】
【0050】
A 移動体
1 音源ユニット
2 センサユニット
11 音源
12 ドライバ
13 トリガ信号発信器
15 識別情報信号発信器
17 制御部
21 超音波受信装置(超音波アレイセンサ)
21a 受波素子
21b 基板
22 位置演算部
23 トリガ信号受信器
24 メモリ
25 識別情報信号受信器
27 制御部
28 出力部
29 ジャイロセンサ(向き検出手段)
31 支持基板
32 熱絶縁層
33 発熱体層
100 床面
200 天井面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
定位置に配置され位置検出対象の移動体の移動空間内へ超音波を送波可能な音源と、移動体に搭載され音源から送波された超音波を受波するとともに受波した超音波を電気信号である受波信号に変換する複数個の受波素子が同一基板上に配列された超音波アレイセンサからなる超音波受信装置と、前記基板に平行な面内における移動体の向きを検出する向き検出手段と、超音波受信装置である超音波アレイセンサの各受波素子で超音波を受波した時間の時間差と各受波素子の配置位置と向き検出手段により検出された移動体の向きとに基づいて超音波受信装置に対して音源の存在する方位を求める位置演算部とを備えることを特徴とする位置検出システム。
【請求項2】
前記音源は、支持基板と、支持基板の一表面側に形成された発熱体層と、支持基板の前記一表面側で支持基板と発熱体層との間に介在する熱絶縁層とを備え、発熱体層への通電に伴う発熱体層の温度変化に伴って超音波を発生する超音波発生素子からなることを特徴とする請求項1記載の位置検出システム。
【請求項3】
前記受波素子は、超音波の音圧を静電容量の変化に変換する静電容量式のマイクロホンからなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の位置検出システム。
【請求項4】
前記音源と前記超音波受信装置とのうち前記音源側に設けられトリガ信号を発信するトリガ信号発信器と、前記超音波受信装置側に設けられトリガ信号を受信するトリガ信号受信器と、トリガ信号発信器からのトリガ信号の送波開始タイミングおよび前記音源からの超音波の送波開始タイミングを制御する制御部とを備え、前記位置演算部は、トリガ信号受信器によりトリガ信号を受信した時刻と前記受波素子により超音波を受波した時刻との関係から前記超音波受信装置と前記音源との距離を求める距離演算手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の位置検出システム。
【請求項5】
前記音源と前記超音波受信装置とのうち前記超音波受信装置側に設けられトリガ信号を発信するトリガ信号発信器と、前記音源側に設けられトリガ信号を受信するトリガ信号受信器と、トリガ信号受信器にてトリガ信号を受信したときに前記音源から超音波を送波させる制御部とを備え、前記位置演算部は、トリガ信号発信器からトリガ信号が発信された時刻と前記受波素子により超音波を受波した時刻との関係から前記超音波受信装置と前記音源との距離を求める距離演算手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の位置検出システム。
【請求項6】
前記音源が複数あり、前記各音源と前記超音波受信装置とのうち前記各音源側に設けられそれぞれ固有の識別情報信号を発信する識別情報信号発信器と、前記超音波受信装置側に設けられ各識別情報信号を受信する識別情報信号受信器と、前記超音波受信装置側に設けられ識別情報信号受信部にて受信した識別情報信号に基づいて前記各音源を個別に特定する音源特定手段とを備えることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の位置検出システム。
【請求項7】
前記音源が複数あり、前記各音源と前記超音波受信装置とのうち前記各音源側に設けられそれぞれ固有の識別情報信号を発信する識別情報信号発信器と、前記超音波受信装置側に設けられ各識別情報信号を受信する識別情報信号受信器と、前記音源側に設けられ識別情報信号発信器からの識別情報信号の送信開始タイミングおよび前記音源からの超音波の送波開始タイミングを制御する制御部とを備え、前記位置演算部は、識別情報信号受信部にて受信した識別情報信号に基づいて前記各音源を個別に特定する音源特定手段と、識別情報信号受信部により識別情報信号を受信した時刻と前記受波素子により超音波を受波した時刻との関係から前記超音波受信装置と前記音源との距離を求める距離演算手段とを備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の位置検出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−108188(P2007−108188A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−337380(P2006−337380)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【分割の表示】特願2005−145954(P2005−145954)の分割
【原出願日】平成17年5月18日(2005.5.18)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】