説明

包含物を含有するセラミック要素

【課題】潤滑性材料の包含物(インクルージョン)を有するセラミック体とその形成方法の提供。
【解決手段】セラミック要素は、第1セラミック材料を含む組成物から形成される焼結セラミック体と、該セラミック体中の複数の包含物であって、各包含物がグラファイト及び第2セラミック材料を含む包含物とを含む。特に潤滑性及び(又は)グラファイト含有のセラミック体を形成するための種々の技術、ならびにそれらによって形成されるセラミック体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にセラミック材料に関し、さらに詳細に述べると、潤滑性材料の包含物(インクルージョン)を有するセラミック体とその形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炭化ケイ素などのセラミック材料は、耐食性及び耐磨耗性などの特性を有する所以で、多様な産業用途における特定の使用が見出されているとともに、かかるセラミックスは、多くの場合、一部の用途に対して潤滑性が十分でない。従って、特に、炭化ケイ素セラミック体の分野において、摩擦係数、特に高温での潤滑性を改善するための試みの中にグラファイトの添加が組み込まれてきた。このようなセラミック要素は、乾燥環境及び自動車用ポンプシールなどの湿潤環境での密封材(シーラント)としての使用を含む、多様な用途において実用的な使用が見出されている。
【0003】
グラファイトを充填したグラファイト含有炭化ケイ素体は、種々の技術を通して製造されてきた。例えば、かかる物体は、前駆体、一般的に炭素が、高温運転の間に溶融ケイ素と反応して炭化ケイ素を形成するいわゆる反応結合処理により形成されてきた。かかる反応結合体は、一般的に、反応後にセラミック体中に残った第2相として、炭素グラファイトを追加的に含有する。
【0004】
別の技術は、粉末加工技術を通して形成された成形体の常圧又は加圧焼結を一般的に含む直接固相焼結法を利用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の製造技術及び得られるグラファイト含有炭化ケイ素体は、高度の潤滑性を必要とするセラミック要素における改善を示す一方で、さらに改善されたセラミック要素及びそれらを製造するための方法に対する必要性が、該技術分野において存在し続けている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1実施形態によれば、セラミック要素は、その内部に複数の包含物を有する焼結セラミック体を含む形で提供される。セラミック体は、第1セラミック材料を含む組成物から形成される。加えて、包含物は、グラファイト及び第2セラミック材料を含む。
【0007】
本発明の別の実施形態によれば、セラミック要素は、その内部に焼結セラミック体及び複数の包含物を含む形で提供される。焼結セラミック体は、第1セラミック材料を含み、また、各包含物は、潤滑性材料から形成される第1相及び第2セラミック材料から形成される第2相を含む。
【0008】
さらに別の実施形態によれば、セラミック要素を形成するための方法が提供される。本方法は、第1セラミック材料を提供すること、グラファイト及び第2セラミック材料からなる顆粒を形成すること、第1セラミック材料及び顆粒を含有する成形体を形成すること、及び成形体を焼結することを必要とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、セラミック要素を提供するための本発明の1実施形態による特定の製造技術を示したフローシートである。
【図2】図2は、セラミック体中の包含物を示したセラミック要素の模式構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
当業者であれば、添付の図面を参照することにより、本発明をよりよく理解でき、また、本発明の多くの目的、構成要件、及び利点を明らかにすることが可能であろう。なお、図面において、同じ参照番号を使用することで類似の又は同一の物品を指すこととする。
【0011】
本発明の実施形態によれば、セラミック体、及び特に潤滑性及び(又は)グラファイト含有のセラミック体を形成するための種々の技術、ならびにそれらによって形成されるセラミック体が提供される。これに関連して、図1を参照すると、本発明の1実施形態によるセラミック体を形成するプロセスが示されている。第1に、混合工程110で種々の材料が一緒に混合される。一般的に、これらの材料は、一緒に混合されてスラリーを形成し、また、一般的に微細粒子含有粉末形態の炭化ケイ素112及び同じく一般的に微細粒子含有粉末形態の炭素グラファイト114を含む。この技術分野において理解されるように、炭素のグラファイト形態は、構造中で黒鉛状面形態の炭素原子が六方晶系配列の強方向性共有結合により一緒に保持され、かつ層間の結合が弱いファンデアワールス力により提供される特定の板状又は層状結晶構造を有する。この結晶構造は、グラファイトの潤滑性に大きく寄与する。炭化ケイ素は、アルファ、ベータ、又はアルファ及びベータ炭化ケイ素の組合せであってもよい。
【0012】
炭素材料の粒径は、サブミクロンの粒径〜約30ミクロン、最も一般的には約1〜約20ミクロンのように広く変動することが可能である。同様に、炭化ケイ素の粒径もまた、0.1ミクロンのオーダー〜約20ミクロン、一般的には約0.05ミクロンのオーダー〜約5.0ミクロンのように変動することが可能である。特定の実施形態では、約1ミクロンのオーダーの粒径を有する炭化ケイ素粉末を利用する。
【0013】
さらに、焼結用及び(又は)処理用添加剤116ならびに任意の結合剤118及び流体120を混合物に添加することが可能である。代表的な焼結助剤にはホウ素及び炭素系焼結助剤が挙げられる。特定の例としては、B4Cとして添加されるホウ素が挙げられる一方で、炭素焼結助剤は、例えばフェノール樹脂のような炭素含有ポリマーから誘導することが可能である。代表的な濃度として、0.5重量%ホウ素及び3.0重量%炭素が挙げられる。炭素の重量%は、フェノール樹脂の減少を通じて1.0〜2.0重量%のオーダーで低下させてもよい。しかし、こうしたケースにおいて、圧粉体強度のための追加の結合剤が添加されなければならないことがある。一般的に、流体120は、スラリーとしても知られる水性混合物を形成する水である。炭化ケイ素112は、炭化ケイ素112とグラファイト114の合計量に関して、約5重量%〜約65重量%の範囲内で存在させることができ、残るグラファイトは、炭化ケイ素とグラファイトの合計量に関して約35重量%〜約95重量%の範囲内に存在する。最も一般的には、炭化ケイ素は、約10重量%〜約50重量%量で存在し、バランス分は実質的にグラファイトである。
【0014】
混合工程110で安定なスラリーを形成した後、そのスラリーを造粒して、主要成分である炭化ケイ素112及びグラファイト114ならびに任意の処理用/焼結用添加剤116及び結合剤118を含有する複合顆粒を形成する。工程122での造粒は種々の技術により行うことが可能であり、最も一般的に用いられる技術は、この技術分野においてよく理解されている噴霧乾燥である。噴霧乾燥に代えて、これもまた技術分野において理解されている滴下成形などのキャスティングにより複合顆粒を形成することも可能である。
【0015】
造粒工程は、複合顆粒が約10ミクロン〜約400ミクロン、一般的に約10ミクロン〜約200ミクロン、さらに一般的に約20ミクロン〜約150ミクロンの範囲内の平均顆粒径を有するように行われる。複合顆粒は、二つの主たる相、炭化ケイ素原料の相及びグラファイト原料の相を含有する安定な凝集物である。
【0016】
複合顆粒の形成後、混合工程124で顆粒を追加成分と混合する。混合工程110と同じように、焼結用/処理用添加剤、結合剤及び流体(一般的に水)を混合して、造粒工程122からの複合顆粒を含有するスラリーを形成する。加えて、炭化ケイ素もまたスラリーに添加する。炭化ケイ素126は、炭化ケイ素112と本質的に同じ材料から形成されてよい。よって、炭化ケイ素は、一般に、粉末の形態をとり、また、アルファ炭化ケイ素、ベータ炭化ケイ素又はそれらの混合物を含むことができる。混合物において、複合顆粒の相対的な重量%は、一般に、炭化ケイ素126と複合顆粒の合計量の約35重量%以下である。従って、包含物を形成するところの複合顆粒は、一般に、本発明の実施形態によれば、セラミック要素の最終形態の約35重量%以下を構成する。最も一般的には、複合顆粒は、約25重量%以下の量、一般に、約5重量%〜約25重量%の範囲内の量で存在する。
【0017】
混合工程124によりスラリーを形成した後、一般に、工程128によりスラリーを造粒し、工程122と同じ手法で第2顆粒を形成する。造粒工程122と同様に、工程128での造粒は、代替造粒形態を行ってもよいが、一般的には噴霧乾燥により行われる。造粒工程128からの得られた第2顆粒は、一般に、SiC源128からのSiCが厚く被覆されたSiC/C複合顆粒を含んでいる。
【0018】
別法によれば、混合工程124を完全に乾燥状態において行ってもよく、この方法は、炭化ケイ素材料126を工程122からの複合顆粒と混合して、成形工程130での次の成形のための緻密な乾燥混合物を形成することを包含する。関連して、造粒工程128はバイパスされ、また、一般に、炭化ケイ素126もまた、工程122からの複合顆粒との均一な混合のために粒状形態にあるであろう。この場合に、顆粒形成性炭化ケイ素126は、一般に、工程122で形成される複合顆粒に類似の手法で望ましい焼結用/処理用添加剤を含有するであろう。
【0019】
成形工程130で、工程124で形成された乾燥混合物又は工程128で形成された粒状生成物のいずれかを成形して、工程132で焼結するための素地材料を形成する。種々の成形技術を用いることが可能であるが、それらの中で最も一般的なものは、例えば、常温圧縮成形としても知られる室温での金型加圧成形のような加圧成形を包含する。常温アイソスタティック成形(CIP)、押出し成形、射出成形及びゲル・キャスティングは、焼結の前に素地材料を形成するために用いられるその他の技術である。成形後、得られた成形体を工程132で焼結して成形体の密度を高める。焼結は、約1850℃〜約2350℃、例えば1950℃〜約2200℃のような範囲内の温度で常圧焼結により行ってもよい。焼結はまた、成形体が高圧にさらされる環境の中で、例えばホットプレス法及び熱間等静圧圧縮成形によって行ってもよい。これらのケースにおいて、焼結温度は、緻密化をより低い温度で行うことを可能とするため、圧力の付与によりより低くしてもよい。焼結は、例えば希ガス又は窒素のような不活性環境下で行ってもよい。
【0020】
上述のプロセスフローの結果として形成されるセラミック要素は、一般に、焼結セラミック体を形成する球状の連続マトリクス相を含有し、また、この球状マトリクス相は、混合工程124で組み込まれたセラミック材料を含む組成物を有する。上述の実施形態において、その材料は炭化ケイ素126である。上述の実施形態は、炭化ケイ素を含む組成物を有するセラミック体の形成に焦点を合わせたが、セラミック要素の末端用途に応じて、例えばジルコニア(ZrO2)、アルミナ(Al23)及びその組合せのようなその他の基材もまた利用することが可能である。最も一般的には、混合工程110でグラファイト114と共に添加されるセラミック材料は、一般に、混合工程124で組み込まれたセラミック材料と同じものである。上述の実施形態に従うと、その同じ材料は、上記したように例えばジルコニア及びアルミナのような材料もまた用いることが可能であるが、炭化ケイ素である。
【0021】
さらに、特定の実施形態では、所望とする最終セラミック材料に対する前駆体である、複合顆粒を形成するために用いられる前駆体材料の利用も推奨される。一例として、炭化ケイ素112の代りに、高温焼結運転の間に炭化ケイ素に転化し得るシリカ(SiO2)を使用してもよい。
【0022】
焼結後に形成されるセラミック要素は、セラミック体の球状マトリクス相中に分散された複数の包含物を有し、また、各包含物は、グラファイト相及びセラミック相を含み、かつグラファイト−リッチ(濃厚)領域を規定する。上述の実施形態において、包含物のセラミック相は、炭化ケイ素である。包含物は、走査型電子顕微鏡法を含む種々の公知の評価技術の任意のいずれかにより、最終形成セラミック要素中においてそうであることを容易に識別可能である。包含物は、一般的に、約10〜約400ミクロンの範囲内、例えば約20〜200ミクロンの範囲内の平均径を有する。特定の実施形態は、約30〜150ミクロンの範囲内の平均径を有する包含物を有する。特定の実施形態では、75〜100ミクロンの包含物を有することが判明している。
【0023】
セラミック要素は、一般的に、理論密度の約85%を超え、最も一般的には理論密度の約90%を超える比較的高い密度を有する。特定の実施例では、例えば理論密度の93%を超え、さらには95%を超えるようななお一層高い密度が実証されている。
【0024】
一般的に、セラミック要素中のグラファイトの全体含量は、約2重量%〜約20重量%グラファイトの範囲内、例えば約5重量%〜約15重量%グラファイトの範囲内である。本発明の特定の態様によれば、包含物は、グラファイトが中に組み込まれる骨格構造を有する連結包含物マトリクス相を形成する、例えば炭化ケイ素112のようなセラミック材料から形成される第1相を含む多相構造を本質的に有する。包含物のセラミック材料のこの骨格構造又は連続マトリクス相は、各包含物中にグラファイト(又は他の潤滑性材料)を固定するように有利に機能し、グラファイトの機械的安定性を増強する。この関連で、複数の包含物12がその中に組み込まれた球状マトリクス相10を有する焼結セラミック体を有するセラミック要素1を示す図2を参照されたい。各包含物12は、グラファイト16がその中に組み込まれた連続マトリクス相14を含む。上述の実施形態との関連で、球状マトリクス相10及び包含物12中の連続マトリクス相は、両方とも炭化ケイ素から形成される。
【0025】
加えて、本発明の別の態様によると、最終的に包含物12を形成するセラミック/グラファイト顆粒を形成するためのセラミック材料の組み込みは、セラミック要素の焼結及び高密度化を補助できる。詳細には、単相グラファイト顆粒が焼結工程の間にピンニングセンターとして作用する傾向にあり、セラミック要素の望ましい収縮及び開孔率の減少を防止することが見出された。従って、単相グラファイト顆粒は、効果的な焼結を防止する傾向にある。例えば炭化ケイ素のようなセラミック相を含有する複合顆粒の使用は、包含物の収縮を可能とし、従って、別途単相グラファイトのピン止め効果を弱める。従って、上述の比較的高い密度は、本明細書において記載される比較的高いグラファイト添加によってさえも達成することができる。明確に説明すると、セラミック/グラファイト顆粒のセラミック材料は、球状マトリクス相の焼結及び高密度化と併せて有利に収縮し高密度化する、上述のような粉末形態などにおける未焼結形態で存在する。
【0026】
本発明の実施形態によれば、得られるセラミック要素は、自動車用途での実用的な使用を見出す送水ポンプシールなどの密封材としての特定用途を見出すことが可能である。密封材は、かなり一般的な環状形、密封しようとする部品の輪郭に合わせる外部輪郭を有する形、及びガス及び液体を含む流体通過用の内部周縁を有する種々の幾何学図形のいずれの形であってもよい。
【実施例】
【0027】
実施例1
ヘキサロイ(Hexoloy)SA炭化ケイ素925g及び合成グラファイト(d50=6μm)75gを含む1Kgバッチを調製し、92.5%SiC及び7.5%グラファイトのバッチを形成した。詳細を以下に示す。
【0028】
固形物75gを含有するヘキサロイSAスラリーの所定量を、固形物75gを含有する合成グラファイト粉末スラリーと混合した。結合剤、界面活性剤及びポリマー炭素源を混合スラリーに添加し、混合する。次に、この材料を噴霧乾燥する。
【0029】
固形物850gを含有する第2のヘキサロイSAスラリーの第2の量を、既に作製された上述の噴霧乾燥材料からの固形物150gを含有するスラリーと混合する。この混合スラリーに、結合剤、界面活性剤及びポリマー炭素源を添加し、一緒に混合する。次に、この混成スラリーを噴霧乾燥して最終バッチ製品を作りだす。
【0030】
バッチ材料の調製後、素地材料を形成し、乾燥し、そして米国特許第4,179,299号に開示されている技法に従って焼結した。すなわち、静止したAr雰囲気中、2200℃で1時間にわたり素地材料を焼結して焼結体を形成した。追加の処理の詳細は、米国特許第4,179,299号に記載されている。
【0031】
第1表は、ヘキサロイSAとして知られるサン−ゴバン・セラミックス・アンド・プラスチックス(Saint−Gobain Ceramics and Plastics)からの最新技術の炭化ケイ素材料である比較実施例1に対する、上述実施例1の密度、摩擦及び磨耗特性を比較する。
【0032】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1セラミック材料を含む組成物から形成された焼結セラミック体と、該セラミック体中の複数の包含物であって、各包含物がグラファイト及び第2セラミック材料を含み、そして前記第2セラミック材料が前記第1セラミック材料と同じ材料である複数の包含物とを含む、セラミック要素。
【請求項2】
前記第1及び第2セラミック材料が、SiC、ZrO2、B4C、AlN及びAl23ならびにそれらの組合せからなる群からの材料を含む、請求項1に記載のセラミック要素。
【請求項3】
前記第1及び第2セラミック材料がSiCを含む、請求項1に記載のセラミック要素。
【請求項4】
前記第1及び第2セラミック材料がアルファSiCを含む、請求項1に記載のセラミック要素。
【請求項5】
前記第2セラミック材料がSiCを含み、該SiCが、焼結の間にSiO2からSiCへの転化により形成されたものである、請求項1に記載のセラミック要素。
【請求項6】
前記包含物が、約10〜約400ミクロンの範囲内の平均径を有する、請求項1に記載のセラミック要素。
【請求項7】
前記包含物が、約20〜約200ミクロンの範囲内の平均径を有する、請求項6に記載のセラミック要素。
【請求項8】
前記包含物が、約30〜約150ミクロンの範囲内の平均径を有する、請求項7に記載のセラミック要素。
【請求項9】
該要素が、理論密度の約90%以上の密度を有する、請求項1に記載のセラミック要素。
【請求項10】
前記包含物が、グラファイト及び第2セラミック材料を含有する顆粒から形成されたものである、請求項1に記載のセラミック要素。
【請求項11】
前記顆粒が、セラミック体及び顆粒を形成する組成物全体の約35重量%以下の量で存在する、請求項10に記載のセラミック要素。
【請求項12】
前記顆粒が、セラミック体及び顆粒を形成する組成物全体の約25重量%以下の量で存在する、請求項10に記載のセラミック要素。
【請求項13】
前記顆粒が、セラミック体及び顆粒を形成する組成物全体の約5%〜約25重量%の量で存在する、請求項10に記載のセラミック要素。
【請求項14】
前記顆粒が、約5重量%〜約65重量%の第2セラミック材料を含有し、そして前記顆粒のバランス分が実質的にグラファイトである、請求項10に記載のセラミック要素。
【請求項15】
前記顆粒が、約10重量%〜約50重量%の第2セラミック材料を含有し、そして前記顆粒のバランス分が実質的にグラファイトである、請求項10に記載のセラミック要素。
【請求項16】
前記第2セラミック材料が、未焼結形態の顆粒中に提供され、そしてセラミック体の焼結と共に焼結されたものである、請求項10に記載のセラミック要素。
【請求項17】
該セラミック要素が,約2重量%〜約20重量%のグラファイトを含む、請求項1に記載のセラミック要素。
【請求項18】
該セラミック要素が,約5重量%〜約15重量%のグラファイトを含む、請求項1に記載のセラミック要素。
【請求項19】
第1セラミック材料を含む組成物から形成された焼結セラミック体、及び 該セラミック体中の複数の包含物であって、各包含物がグラファイト及び第2セラミック材料を含み、第2セラミック材料が包含物中に連続マトリクス相を形成し、そしてその連続マトリクス相中にグラファイトが組み込まれている、複数の包含物、を含む、セラミック要素。
【請求項20】
該セラミック要素が密封材である、請求項1又は19に記載のセラミック要素。
【請求項21】
前記密封材が環状である、請求項20に記載のセラミック要素。
【請求項22】
前記密封材がウオーター・ポンプ・シールである、請求項20に記載のセラミック要素。
【請求項23】
第1セラミック材料を含む組成物から形成された焼結セラミック体と、 該セラミック体中の複数の包含物であって、各包含物が、
(i)潤滑性材料を含む第1相、及び
(ii)第2セラミック材料を含む第2相であって、その第2相が中に組み込まれて連続マトリクス相を形成した第2相を含む、複数の包含物とを含む、セラミック要素。
【請求項24】
セラミック要素を形成するための方法であって、
第1セラミック材料を提供することと、
グラファイト及び第2セラミック材料からなる顆粒であって、前記第1及び第2セラミック材料が同じ材料である顆粒を形成することと、
前記第1セラミック材料及び前記顆粒を含有する成形体を形成することと、
前記成形体を焼結することと、
を含む、セラミック要素を形成する方法。
【請求項25】
前記第2セラミック材料の微細粒子をグラファイトの微細粒子とともに造粒することにより前記顆粒を形成する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記造粒をキャスティング又は噴霧乾燥により実施する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記造粒を噴霧乾燥により実施する、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記顆粒及び前記第2セラミック材料を混合して混合物を形成することをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記混合物がスラリーの形態であり、そして、そのスラリーを造粒して成形体を形成するための造粒製品を形成する工程をさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記顆粒が、約5〜約65重量%の前記第2セラミック材料を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
前記顆粒が、約10ミクロン〜約400ミクロンの範囲内の平均径を有する、請求項24に記載の方法。
【請求項32】
前記成形体を加圧成形により形成する、請求項24に記載の方法。
【請求項33】
前記焼結を常圧焼結により実施する、請求項24に記載の方法。
【請求項34】
前記第1及び第2セラミック材料がSiCを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項35】
前記第1及び第2セラミック材料が、アルファSiC、ベータSiC又はアルファSiC及びベータSiCの組合せを含む、請求項34に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−132549(P2010−132549A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−2963(P2010−2963)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【分割の表示】特願2006−514356(P2006−514356)の分割
【原出願日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【出願人】(593150863)サン−ゴバン セラミックス アンド プラスティクス,インコーポレイティド (139)
【Fターム(参考)】