説明

包装ボックス

【課題】 物品を包装するとともに開封時にサプライズ効果を演出する包装ボックスにおいて、人や物品に損傷を与えることなく開封すること。
【解決手段】 包装ボックス100において、物品1を保持する台座50が設けられる支持板10と、支持板10の後縁部に起伏可能に連結される前開き状の筒体をなし、支持板10に対して後方から立ち上がる起立状態への起立過程で支持板10上の台座を後方から包み込み可能にする内カバー20と、支持板10の前縁部に起伏可能に連結される後開き状の筒体をなし、支持板10に対して前方から立ち上がる起立状態への起立過程で支持板10上の台座50をすでに包み込んでいる起立状態の内カバー20を前方から包み込む外カバー30とを有してなるもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、花、宝石等のギフト用物品等を包装するとともに開封時にサプライズ効果を演出する包装ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
包装ボックスとして、特許文献1に記載の花用ギフトパッケージがある。特許文献1に記載の花用ギフトパッケージは、花の基端部を支持する支持部材と、複数の板状体を互いに折り曲げ可能に連結することで構成されており、該複数の板状体を筒状にすることで前記支持部材の周りを取り囲んで前記花を収容する周壁を構成する一方、該複数の板状体を展開することで該支持部材に支持された該花を外部に露出させる周壁部材と、該周壁部材の展開に連動して前記支持部材の支持方向を変化させることにより、該支持部材で支持された前記花を前記周壁内に収容された状態から起き上がらせる連動起立手段とを有する。そして、前記連動起立手段が、前記複数の板状体において前記支持部材が起き上がる際の支点が接触する板状体の左右両側に位置する板状体のそれぞれと該支持部材を連結し、該二つの板状体の展開に伴って引っ張られることにより、該支持部材を起き上がらせて、該支持部材の支持方向を変化させる駆動力伝達テープを含んで構成されるものである。
【0003】
特許文献1に記載の花用ギフトパッケージにあっては、周壁部材の展開、即ち、周壁部材を構成する複数の板状体の展開に連動して支持部材の支持方向が変化せしめられることで、支持部材によって支持された花が周壁内に収容された状態から起き上がるようになっていることから、花用ギフトパッケージを開封した人、又は周辺の人を、驚かせつつも、喜ばせることが可能になるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許4180640
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の花用ギフトパッケージの開封時には、周壁部材の板状体を展開して支持部材に支持されている花を外部に露出させると同時に、支持部材及び花が周壁部材の周囲に起き上がる。このとき、支持部材及び花は周壁部材の周囲の外方スペースに突然と飛び出る如くに浮き上がるものであり、起き上がった花が開封した人、又はその周囲のスペースで目を凝らして待機していた人の顔面等に当たり、人や花に損傷を与えるおそれがある。
【0006】
本発明の課題は、物品を包装するとともに開封時にサプライズ効果を演出する包装ボックスにおいて、人や物品に損傷を与えることなく開封することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、物品を保持する台座が設けられる支持板と、支持板の後縁部に起伏可能に連結される前開き状の筒体をなし、支持板に対して後方から立ち上がる起立状態への起立過程で支持板上の台座を後方から包み込み可能にする内カバーと、支持板の前縁部に起伏可能に連結される後開き状の筒体をなし、支持板に対して前方から立ち上がる起立状態への起立過程で支持板上の台座をすでに包み込んでいる起立状態の内カバーを前方から包み込む外カバーとを有してなるようにしたものである。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において更に、前記外カバーが前面板と両側面板を有し、前面板の下縁部が支持板の前縁部に連結され、前面板の両側縁部に連結される両側面板が該前面板の側方にて後開き状をなすように展開可能にされてなり、両側面板の下縁部と支持板の両側縁部とをつなぎ板により連結し、つなぎ板は、外カバーの伏せ状態で展開されて前面板と支持板を同一面上に維持し、外カバーの起立状態で側面板と支持板上の台座の側面との間に折り込まれるようにしたものである。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において更に、前記内カバーと外カバーのそれぞれが、支持板の後縁部と前縁部のそれぞれに対し、それらの起立状態から概ね180度反転されて展示状態を形成し、支持板から取外された物品の台座が外カバーの前面板に取着されて該物品を展示可能にするようにしたものである。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに係る発明において更に、前記台座が、磁力により支持板に着脱されるようにしたものである。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項3又は4に係る発明において更に、前記台座が、磁力により、展示状態にある外カバーの前面板に着脱されるようにしたものである。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項4に係る発明において更に、前記内カバーが、支持板上の台座を包み込む起立状態で、該台座の前面まわりにまで延びる抱き付き片を備えてなるようにしたものである。
【発明の効果】
【0013】
(請求項1)
(a)包装ボックスは、支持板に対して後方から立ち上がる起立状態の内カバーにより支持板上の台座を後方から包み込み、更に、支持板に対して前方から立ち上がる起立状態の外カバーにより上記内カバーを前方から包み込むことにより、台座上の物品を包装する。
【0014】
そして、包装ボックスの開封時には、一方の片手で外カバーを持ち、外カバーが支持板に対して面一をなすように該外カバーを前方へ伏せる如くに展開する(伏せ状態という)と同時に、他方の片手で内カバーを支持板に対して後方へ展開する(伏せ状態という)ことにより、支持板上の台座を外部に露出させ、台座上の物品を開封する。このとき、支持板は概ね水平をなし、支持板上の台座に保持されている花等の物品は周囲に対して立ち上がり状をなす。
【0015】
包装ボックスの上述の開封時に、支持板上の台座に保持されている物品は、支持板に対して起立状態にある内カバーと外カバーにより包み込まれていた包装状態から、それらの内カバーと外カバーが単に前後両側で展開されて開封状態とされ、支持板上の台座に保持されていた当初の立ち上がり状態のまま露出される。物品は内カバー及び外カバーが存在していなかったそれらの周囲の外方スペースに飛び出る如くに露出されるものでないから、開封した人、又はその周囲のスペースで目を凝らして待機していた人の顔面等に物品が当たる等がなく、人や物品に損傷を与えることなく開封できる。
【0016】
(請求項2)
(b)前記外カバーが前面板と両側面板を有し、前面板の下縁部が支持板の前縁部に連結され、前面板の両側縁部に連結される両側面板が該前面板の側方にて後開き状をなすように展開可能にされてなり、両側面板の下縁部と支持板の両側縁部とをつなぎ板により連結し、つなぎ板は、外カバーの伏せ状態で展開されて前面板と支持板を同一面上に維持し、外カバーの起立状態で側面板と支持板上の台座の側面との間に折り込まれる。外カバーが前方へ伏せる如くに展開された開封状態で、つなぎ板は外カバーの前面板と支持板を同一面上に維持する。これにより、上述(a)の開封状態で、一方の片手で外カバーを水平に持つとき(他方の片手が内カバーから離れて例えば物品を取りに行っても)、支持板はつなぎ板の存在によって確実に水平を維持し、支持板上の台座に保持されている花等の物品を周囲に対して確実に立ち上がり状に保つ。
【0017】
(請求項3)
(c)前記内カバーと外カバーのそれぞれが、支持板の後縁部と前縁部のそれぞれに対し、それらの起立状態から概ね180度反転されて展示状態を形成する。そして、支持板から取外された物品の台座を、この展示状態にある外カバーの前面板に取着して該物品を展示可能にする。包装ボックスをスタンド型の展示状態にして活用できる。
【0018】
(請求項4)
(d)前記台座が、磁力により支持板に着脱される。内カバーと外カバーが前後両側へ展開された開封状態で、台座及び物品を支持板から簡易に取外し、プレゼント等することができる。
【0019】
(請求項5)
(e)上述(d)で支持板から取外した台座及び物品を前述(c)の如くの展示状態にある外カバーの前面板に簡易に磁着して該物品を展示することもできる。
【0020】
(請求項6)
(f)前記内カバーが、支持板上の台座を包み込む起立状態で、該台座の前面まわりにまで延びる抱き付き片を備える。内カバーと外カバーの包装状態で台座が上述(d)の支持板への磁着位置からずれていたとき、内カバーを後方へ展開する開封過程で、内カバーの抱き付き片が台座を引き起こして該台座を支持板への正しい磁着位置にセットし直し、台座を支持板に磁着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は包装ボックスの開封手順を示す模式図である。
【図2】図2は包装ボックスの展開図である。
【図3】図3は台座の展開図である。
【図4】図4は中子の展開図である。
【図5】図5は包装ボックスの組立手順を示す模式図である。
【図6】図6は包装ボックスの展示状態を示す模式図である。
【図7】図7は台座による花の保持構造を示す模式図である。
【図8】図8は包装ボックスの展示状態の変形例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
包装ボックス100は、図1に示す如く、物品として例えば花1を包装するとともに、開封によって予期されていない花1が包装ボックス100の内側に立っていたり(図1(B))、包装ボックス100から花1を取外してプレゼントできる(図1(C))等のサプライズ効果を演出するものである。
【0023】
包装ボックス100は、本実施例では板紙からなり(但し、プラスチック製であっても良い)、支持板10と内カバー20と外カバー30とを有する。支持板10は、矩形板状をなし、花1を保持する台座50が設けられる。内カバー20は、支持板10の後縁部11に起伏可能に連結される前開き状の筒体をなし、支持板10に対して後方から立ち上がる起立状態への起立過程で支持板10上の台座50を後方から包み込み可能にする。外カバー30が、支持板10の前縁部12に起伏可能に連結される後開き状の筒体をなし、支持板10に対して前方から立ち上がる起立状態への起立過程で、支持板10上の台座50を既に包み込んでいる起立状態の内カバー20を前方から包み込む。尚、本実施例では、支持板10に対して内カバー20が存在する側を後方、支持板10に対して外カバー30が存在する側を前方というものとする。
【0024】
内カバー20は、図2に示す如く、後面板21と両側面板22と天面板23を有し、本実施例では更に折返し板24を有する。後面板21の下縁部が支持板10の後縁部11に連結され、両側面板22と天面板23が後面板21の両側縁部と上縁部のそれぞれから立ち上げられ、両側面板22の上縁部に設けられる糊付フラップ22Aが天面板23の裏面に糊付けされる。折返し板24が天面板23の先端部から折返されて天面板23の内面との間に糊付フラップ22Aを挟み、折返し板24の先端部に設けられる糊付フラップ24Aが後面板21の内面に糊付けされる。これにより、両側面板22と天面板23により前面開口部25を囲んだ前開き状の筒体としての内カバー20が形成される。
【0025】
内カバー20が備える抱き付き片26、吊下げ片27については後述する。
【0026】
外カバー30は、図2に示す如く、前面板31と両側面板32とを有し、本実施例では更に両包み込み片33を有する。前面板31の下縁部が支持板10の前縁部12に連結され、前面板31の両側縁部に連結される両側面板32が前面板31の側方にて後開き状をなすように展開可能にされる。両包み込み片33のそれぞれが各側面板32の側縁部に連結され、両包み込み片33は内カバー20の後面板21まわりで互いに重ねられて内カバー20を包み込む。
【0027】
包装ボックス100は、外カバー30の両側面板32の下縁部32Aと支持板10の両側縁部13とをL字状のつなぎ板40により連結している。包装ボックス100の展開状態で、つなぎ板40は、側面板32の下縁部32Aと支持板10の側縁部13の交差部から、それらの下縁部32A、側縁部13に対して45度をなす谷折り罫線41を備える。これにより、つなぎ板40は、外カバー30の伏せ状態(支持板10に対して面一をなす)で谷折り罫線41を谷折りされずに展開されて、前面板31と支持板10を同一面上に維持するように突張る。他方、つなぎ板40は、外カバー30の起立状態で、谷折り罫線41を谷折りされ、側面板32と支持板10上の台座50の側面(本実施例では台座50を包み込んでいる起立状態の内カバー20の側面板22)との間に折り込まれる。
【0028】
台座50は、本実施例では、支持板10に着脱される。台座50は、図3に示す如く、板紙からなり(但し、プラスチック製であっても良い)、底板51と4個の胴板52と蓋板52と蓋板53とを有し、六面体をなす。蓋板53の中央に孔53A(図7)を備える。
【0029】
台座50は、中子60を内蔵する(図7)。中子60は、図4に示す如く、板紙からなり(但し、プラスチック製であっても良い)、段板61と4個の脚板62とを有し、台座50の胴板52の内側に脚板62を沿わせて立設し、台座50の高さ方向の中間に段板61を位置付け、段板61の中央に孔61A(図7)を備える。花1の茎1Aが台座50の蓋板53の孔53Aから、中子60の段板61の孔61Aに差し込まれ、花1を垂直に保持する。
【0030】
台座50は、磁力により支持板10に着脱される。即ち、台座50の底板51の裏面に磁石51Mが貼着され、台座50の磁石51Mが支持板10の上面に貼着してある鉄板10Fに磁着する。
【0031】
台座50は、磁力により、後述する如くの展示状態にある外カバー30の前面板31に着脱される。即ち、台座50の胴板52の裏面に磁石52Mが貼着され、台座50の磁石52Mが外カバー30の前面板31の適宜高さ位置に貼着してある鉄板30F(図6(C))に磁着する。
【0032】
尚、内カバー20は、支持板10上の台座50を包み込む起立状態で、台座50の前面まわりにまで延び、台座50の胴板52に抱き付く舌片状の抱き付き片26を、両側面板22の下端側の側縁部に備える。
【0033】
内カバー20は、後述する展示状態で用いられる吊り下げ片27を、折返し板24に備える。折返し板24から切り起こされる吊り下げ片27が、天面板23の先端部の側から立ち上げられ、吊り下げに供される(図8)。
【0034】
包装ボックス100は、後述する展示状態で、支持板10の後縁部11と前縁部12のそれぞれに対し、それらの起立状態から概ね180度反転された内カバー20と外カバー30を互いに磁着して展示状態を形成するための、磁石20M、30M(一方は鉄板でも可)(図6(B))を、それらの後面板21と前面板31の上端側の外面に備える。
【0035】
以下、包装ボックス100の組立手順、開封手順、展示手順について説明する。
(A)包装ボックス100の組立手順(図5)
(1)包装ボックス100の支持板10、内カバー20、外カバー30、つなぎ板40を展開する(図5(A))。
【0036】
(2)花1の茎1Aが差し込まれた台座50を支持板10の上に磁着させておく(図5(B))。
【0037】
(3)内カバー20を支持板10に対して後方から立ち上げて起立状態とし(図5(B))、支持板10上の台座50を後方から包み込む(図5(C))。その後、内カバー20の抱き付き片26で、支持板10上の台座50の前面まわりを抱き込む。
【0038】
(4)支持板10及び内カバー20を外カバー30に対して倒す(図5(D))。これは換言すれば、外カバー30を支持板10に対して前方から立ち上げて起立状態とするものであり、この起立状態で、支持板10上の台座50を上述(3)で既に包み込んでいる起立状態の内カバー20を、前方から包み込むものになる。このとき、つなぎ板40は、谷折り罫線41を前述の如くに谷折りされる。これにより、外カバー30の前面板31、両側面板32により内カバー20を包み込み、最後に両包み込み片33を重ねて内カバー20を包み込み(図5(E))、包装ボックス100の包装を完了する(図5(F))。
【0039】
即ち、包装ボックス100にあっては、支持板10に対して後方から立ち上がる起立状態の内カバー20により支持板10上の台座50を後方から包み込み、更に、支持板10に対して前方から立ち上がる起立状態の外カバー30により上記内カバー20を前方から包み込むことにより、台座50上の花1を包装する。
【0040】
(B)包装ボックス100の開封手順(図1)
(1)一方の片手で外カバー30を持ち、外カバー30が支持板10に対して面一をなすように該外カバー30を前方へ伏せる如くに展開する(伏せ状態という)と同時に、他方の片手で内カバー20を支持板10に対して後方へ展開する(伏せ状態という)ことにより、支持板10上の台座50を外部に露出させ、台座50上の花1を開封する。このとき、支持板10は概ね水平をなし、支持板10上の台座50に保持されている花1は周囲に対して立ち上がり状をなす(図1(A)、(B))。
【0041】
即ち、包装ボックス100の開封時には、支持板10上の台座50に保持されている花1は、支持板10に対して起立状態にある内カバー20と外カバー30により包み込まれていた包装状態から、それらの内カバー20と外カバー30が単に前後両側で展開されて開封状態とされ、支持板10上の台座50に保持されていた当初の立ち上がり状態のまま露出される。花1は内カバー20及び外カバー30が存在していなかったそれらの周囲の外方スペースに飛び出る如くに露出されるものでないから、開封した人、又はその周囲のスペースで目を凝らして待機していた人の顔面等に花1が当たる等がなく、人や花1に損傷を与えることなく開封できる。
【0042】
また、包装ボックス100にあっては、前記外カバー30が前面板31と両側面板32を有し、前面板31の下縁部が支持板10の前縁部12に連結され、前面板31の両側縁部に連結される両側面板32が該前面板31の側方にて後開き状をなすように展開可能にされてなり、両側面板32の下縁部と支持板10の両側縁部13とをつなぎ板40により連結し、つなぎ板40は、外カバー30の伏せ状態で展開されて前面板31と支持板10を同一面上に維持し、外カバー30の起立状態で側面板32と支持板10上の台座50の側面との間に折り込まれる。外カバー30が前方へ伏せる如くに展開された開封状態で、つなぎ板40は外カバー30の前面板31と支持板10を同一面上に維持する。これにより、上述の開封状態で、一方の片手で外カバー30を水平に持つとき(他方の片手が図1(C)に示す如くに内カバー20から離れて例えば台座50と花1を取りに行っても)、支持板10はつなぎ板40の存在によって確実に水平を維持し、支持板10上の台座50に保持されている花等の花1を周囲に対して確実に立ち上がり状に保つ。
【0043】
また、包装ボックス100にあっては、前記内カバー20が、支持板10上の台座50を包み込む起立状態で、該台座50の前面まわりにまで延びる抱き付き片26を備える。内カバー20と外カバー30の包装状態で台座50が上述の支持板10への磁着位置からずれていたとき、内カバー20を後方へ展開する開封過程で、内カバー20の抱き付き片26が台座50を引き起こして該台座50を支持板10への正しい磁着位置にセットし直し、台座50を支持板10に磁着させることができる。
【0044】
(2)内カバー20と外カバー30が前後両側へ展開された開封状態で、台座50及び花1を支持板10から簡易に取外し、プレゼント等することができる(図1(C))。
【0045】
(C)包装ボックス100の展示状態(図6、図8)
(1)内カバー20と外カバー30のそれぞれを、支持板10の後縁部11と前縁部12のそれぞれに対し、それらの前述(A)の起立状態から概ね180度反転する(図6(A)、(B))。そして、内カバー20と外カバー30の上端側の裏面に設けてある磁石20M、30Mを互いに磁着させ、展示状態を形成する(図6(B))。
【0046】
(2)包装ボックス100から取外した花1の台座50が、上述(1)の外カバー30の前面板31に取着されて花1を展示可能にする(図6(C)、(D))。台座50の磁石52Mが外カバー30の鉄板30Fに被着される。
【0047】
即ち、包装ボックス100にあっては、支持板10から取外された花1の台座50を、この展示状態にある外カバー30の前面板31に取着して該花1を展示可能にする。包装ボックス100をスタンド型の展示状態にして活用できる。
【0048】
尚、包装ボックス100にあっては、内カバー20に設けてある吊り下げ片27を天面板31の上端部の側から立ち上げ、図8に示す如く、壁掛け用フック等に吊り下げ展示することもできる。
【0049】
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本発明の包装ボックスは花に限らず、台座上の宝石等を包装するものでも良い。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、包装ボックスにおいて、物品を保持する台座が設けられる支持板と、支持板の後縁部に起伏可能に連結される前開き状の筒体をなし、支持板に対して後方から立ち上がる起立状態への起立過程で支持板上の台座を後方から包み込み可能にする内カバーと、支持板の前縁部に起伏可能に連結される後開き状の筒体をなし、支持板に対して前方から立ち上がる起立状態への起立過程で支持板上の台座をすでに包み込んでいる起立状態の内カバーを前方から包み込む外カバーとを有してなるようにしたものである。これにより、物品を包装するとともに開封時にサプライズ効果を演出する包装ボックスにおいて、人や物品に損傷を与えることなく開封することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 花(物品)
10 支持板
11 後縁部
12 前縁部
13 側縁部
20 内カバー
21 後面板
22 側面板
23 天面板
26 抱き付き片
30 外カバー
31 前面板
32 側面板
33 包み込み片
40 つなぎ板
41 谷折り罫線
50 台座
100 包装ボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を保持する台座が設けられる支持板と、
支持板の後縁部に起伏可能に連結される前開き状の筒体をなし、支持板に対して後方から立ち上がる起立状態への起立過程で支持板上の台座を後方から包み込み可能にする内カバーと、
支持板の前縁部に起伏可能に連結される後開き状の筒体をなし、支持板に対して前方から立ち上がる起立状態への起立過程で支持板上の台座をすでに包み込んでいる起立状態の内カバーを前方から包み込む外カバーとを有してなることを特徴とする包装ボックス。
【請求項2】
前記外カバーが前面板と両側面板を有し、前面板の下縁部が支持板の前縁部に連結され、前面板の両側縁部に連結される両側面板が該前面板の側方にて後開き状をなすように展開可能にされてなり、
両側面板の下縁部と支持板の両側縁部とをつなぎ板により連結し、つなぎ板は、外カバーの伏せ状態で展開されて前面板と支持板を同一面上に維持し、外カバーの起立状態で側面板と支持板上の台座の側面との間に折り込まれる請求項1に記載の包装ボックス。
【請求項3】
前記内カバーと外カバーのそれぞれが、支持板の後縁部と前縁部のそれぞれに対し、それらの起立状態から概ね180度反転されて展示状態を形成し、支持板から取外された物品の台座が外カバーの前面板に取着されて該物品を展示可能にする請求項1又は2に記載の包装ボックス。
【請求項4】
前記台座が、磁力により支持板に着脱される請求項1〜3のいずれかに記載の包装ボックス。
【請求項5】
前記台座が、磁力により、展示状態にある外カバーの前面板に着脱される請求項3又は4に記載の包装ボックス。
【請求項6】
前記内カバーが、支持板上の台座を包み込む起立状態で、該台座の前面まわりにまで延びる抱き付き片を備えてなる請求項4に記載の包装ボックス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−162275(P2012−162275A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22032(P2011−22032)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(592140621)アイパックスイケタニ株式会社 (4)
【Fターム(参考)】