包装三角おにぎり
【課題】包装三角おにぎりの底部両端の耳部を、その機能を損なうことなく、又、邪魔にならぬ様に処理する。
【解決手段】中央部で左右に分断可能なミシン目17入りの包装シート1で包装された三角おにぎりの底面側の両端に生じるシートの耳部18、18は、底面側に折り返して熱溶着されている。包装おにぎりを通い箱に詰めたり、陳列棚に陳列する際に耳部18が邪魔にならない。耳部18を不用意に摘むことはできず、耳部18が何かに引っ掛かることもないから、分断可能部12がミシン目17であっても、不用意に包装が解けてしまうことを防止できる。
【解決手段】中央部で左右に分断可能なミシン目17入りの包装シート1で包装された三角おにぎりの底面側の両端に生じるシートの耳部18、18は、底面側に折り返して熱溶着されている。包装おにぎりを通い箱に詰めたり、陳列棚に陳列する際に耳部18が邪魔にならない。耳部18を不用意に摘むことはできず、耳部18が何かに引っ掛かることもないから、分断可能部12がミシン目17であっても、不用意に包装が解けてしまうことを防止できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、略矩形の包装シートを、三角おにぎり飯の形状に沿わせて包んだ包装三角おにぎり(以下、「包装おにぎり」と呼ぶ)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図12は従来のこの種包装おにぎりの正面図、図13は側面図である。
従来の包装おにぎり(5a)は、正面から見ると正三角形図であり、底面から頂部まで同じ厚みに形成されている。
包装シートの幅方向の中央部には、ミシン目(17)やカットテープによる分断可能部(12)が形成されている。
包装おにぎりの底面側両端には、包装シートの耳部(18)(18)が三角形、又は略台形の形状を呈して突出している(特許文献1)。この耳部(18)(18)は、包装シートの幅長さが、三角おにぎり飯の底面の幅長さよりも大きいから、後記する手順で三角おにぎり飯を包装すると必然的に形成されてしまうものである。
【0003】
【特許文献1】特開2002−354996号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
工場生産された包装おにぎりを、店頭出荷向けの通い箱に密に詰める際に、包装おにぎりの耳部(18)(18)が邪魔になる。又、陳列棚に包装おにぎり並べる際は、左右に隣り合う包装おにぎりどうしが接触するほどに詰めて並べられるため、やはり耳部(18)(18)が邪魔になる。
特に、三角面を正面にして横方向に隣り合う一方のおにぎりが、他方のおにぎりの耳部(18)に載っていると、載られてる方のおにぎりを上向きに取り出す際、載っている方のおにぎりが倒れ落ちて変形してしまうことがある。横方向に隣り合うおにぎりが、相手おにぎりの耳部(18)に載らない様に間隔を開いて陳列すると、陳列できるおにぎりの個数が少なくなる。
【0005】
又、不用意に耳部(18)を摘んで持ち上げたり、耳部(18)が突起物に引っ掛かると、包装シートの分断可能部(12)がミシン目(17)であった場合、ミシン目(17)が簡単に裂けて包装が解けてしまい、商品にならなくなる。
耳部(18)は、耳部からの異物の挿入を防止すること及び外気の侵入を防止するため、耳部が口を開かない様に、耳部を裏表から熱溶着して閉じることが行われているが、耳部(18)を熱溶着器具で挟む際に、耳部(18)がフラついて位置決めが難しく、溶着に失敗することがあった。
本発明は、上記問題を解決でき、しかも三角おにぎり飯の型崩れを防止できる包装おにぎりを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、略矩形の包装シート(1)に対して、該包装シート(1)の長手方向の略中央部に三角おにぎり飯(3)が位置し、包装シート(1)の一端側が三角おにぎり飯(3)の一方の三角面(31)及び厚み方向の側面に被さると共に、該一端側の両側が包装シート(1)の他端側内面に重なり、包装シート(1)の該他端側が三角おにぎり飯(3)の他方の三角面(32)及び厚み方向の側面に重なり、該他端側の両側が該三角面(32)とは反対側の三角面(31)上で重なる様に折り畳まれ、包装シート(1)は、該シート(1)を幅方向に2分するための分断可能部(12)を有する包装三角おにぎりにおいて、三角おにぎり飯(3)の底面側の両端に生じる包装シート(1)の耳部(18)(18)は、底面側に折り返して溶着等で接合されている。
【発明の効果】
【0007】
包装おにぎり(5)は、三角おにぎり飯(3)の底面側の両端に生じるシートの耳部(18)(18)は、底面側に折り返して溶着等で係止されており、外向きに突出していないから、通い箱に包装おにぎりを詰めたり、陳列棚に陳列する際に耳部(18)が邪魔にならない。隣り合うおにぎりが相手おにぎりの耳部(18)の上に載ることによる問題は生じない。
又、耳部(18)を不用意に摘んでしまう虞れはなく、耳部(18)が突起物に引っ掛かることもないから、分断可能部(12)がミシン目(17)であっても、不用意に包装が解けてしまうことを防止できる。
【0008】
更に、耳部(18)を包装おにぎり(5)の底部に折り返して接合することにより、包装おにぎりの底部両端が補強されて、陳列棚上に、おにぎりの底部両端が、左右に隣り合うおにぎりに当たって並べられても、包装おにぎの底部両端が型崩れすることを防止して、商品価値を低下させることを防止できる。又、耳部(18)の折り返し接合により、耳部(18)が口を開くことはなく、耳部(18)からの異物の挿入や外気の流入を防止できる。
【0009】
耳部(18)を溶着しておにぎりの底面に接合する場合、耳部(18)をおにぎりの底面に押し当てて確実に位置決めして溶着できるので、溶着を失敗することを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明で用いる公知の包装シート(1)の一例を示し、図3はその分解図である。
包装シート(1)は、 外フィルム(11)と、内フィルム(14)との間にシート状食品(2)を挟み、両フィルム(11)(14)の外周部どうし及びシート状食品(2)を包囲して両フィルム(11)(14)どうしを熱溶着(10)して形成されている。
【0011】
図2に示す如く、内フィルム(14)は、2枚のフィルム片(15)(16)を、その長手方向に沿う内側縁を重ね合わせて形成されている。
【0012】
外フィルム(11)の幅中心部に、所謂ミシン目(17)と呼ばれる断続的な切込みを長手方向に施し、外フィルム(11)を長手方向に沿って切り離して、幅方向に2分できる分断可能部(12)を形成している。
【0013】
シート状食品(2)は、実施例ではシート状海苔(21)であるが、これに限らずシート状で折り曲げ可能な食品であれば、種類は問わない。
【0014】
図4は、上記包装シート(1)の内フィルム(14)面に三角おにぎり飯(3)を載せた状態を示している。
実施例の三角おにぎり飯(3)は、底部の幅長さXよりも高さYの方が大である2等辺三角形を呈し、図7に示す如く、底部から頂部へ厚みが徐々に小さくなっている。
【0015】
包装シート(1)の長さLは、 三角おにぎり飯(3)の高さYの2倍に、三角おにぎり飯(3)の底部厚みZを加えた長さよりも少し大きい。外フィルム(11)の幅長さWは、三角おにぎり飯(3)の底部の幅長さXに対して十分に余裕がある。
【0016】
三角おにぎり飯(3)の包装手順は、図4に示し公知の如く、該包装シート(1)の長手方向の略中央部に三角おにぎり飯(3)の底面を位置させる。図5に示す如く、包装シート(1)の一端側(1a)が三角おにぎり飯(3)の一方の三角面(31)及び厚み方向の側面に被せると共に、該一端側(1a)の両側(1a′)(1a′)を包装シート(1)の他端側(1b)内面に重ねる。包装シート(1)の該他端側(1b)を三角おにぎり飯(3)の前記三角面(31)とは反対側の三角面(32)及び厚み方向の側面に被せると共に、該他端側(1b)の両側(1b′)(1b′)を、該三角面(32)とは反対側の三角面(32)上で重なる様に折り畳む。該三角面(31)上にて、シートの折畳み端部にラベル貼(4)を貼り付け、或いは、熱溶着によって折り畳み端部を止着する。
【0017】
包装シート(1)の幅長さWは、三角おにぎり飯(3)の底部の幅長さXよりも長いから、包装おにぎり(5)の底部の両端には三角形、又は台形を呈する耳部(18)(18)が突出する。
該耳部(18)(18)を底面に折り返して、スポット熱溶着等で接合する。
実施例では、図10に示す如く、略三角形の耳部(18)(18)の傾斜二辺の夫々の略中間部を、該辺を横切る様に線状に剥離可能に熱溶着(18a)(18a)している。耳部(18)(18)の先端側は未溶着のままであり該未溶着部(18b)は、手指で摘むことができる。
【0018】
然して、包装おにぎり(5)は、三角おにぎり飯(3)の底面側の両端に生じる包装シート(1)の耳部(18)(18)は、底面側に折り返して溶着等で係止されており、外向きに突出していないから、通い箱に包装おにぎりを詰めたり、陳列棚に三角面を正面にして横方向に隙間なく陳列する際に耳部(18)が邪魔にならない。
又、耳部(18)を不用意に摘む虞れはなく、耳部(18)が突起物に引っ掛かることもないから、分断可能部(12)がミシン目(17)であっても、不用意に包装が解けてしまうことを防止できる。
【0019】
更に、耳部(18)を包装おにぎりの底部に折り返して接合することにより、包装おにぎりの底部両端が補強されて、陳列棚上に、おにぎりの底部両端が、左右に隣り合うおにぎりに当たって並べられても、包装おにぎの底部両端が型崩れすることを防止して、商品価値を低下させることを防止できる。
【0020】
包装おにぎり(5)の包装を解くには、耳部(18)(18)の先端側未溶着部(18b)を摘んで、熱溶着(18a)を剥離して、外側に引っ張る。
外フィルム(11)はミシン目(17)で裂けて2分され、最初から2つに別れている内フィルム(14)のフィルム片(15)(16)と一緒に引っ張り出すことができる。シート状海苔(21)だけが残って三角おにぎり飯(31)に直に被さる。
実施例の様に、耳部(18)の先端を未溶着部(18b)とし、耳部(18)の熱溶着(18b)を剥離可能としたため、該耳部(18)の先端を摘んで外側に引っ張って包装を簡単に解くことができるのである。
【0021】
実施例の場合、三角おにぎり飯(3)、即ち、包装おにぎり(5)は頂部側の厚みが小さくなっているから、図12に示す如く、三角面どうしが対向して隣り合うおにぎり(5)(5)の底部が少し押し合う程度に通い箱(6)に一杯に詰めても、隣り合う包装おにぎり(5)(5)の上部間には隙間Sが生じて、おにぎりどうしの接触面積が小さい。このため、包装おにぎり(5)(5)間の隙間Sから手指を入れて、おにぎりを簡単につまみ上げることができ、おにぎりを型崩れさせることを防止できる。
【0022】
三角おにぎり飯(3)、即ち、包装おにぎり(5)は、底部分の幅長さXよりも頂部までの高さYの方が大きいから、従来の底部分の幅長さと高さがほぼ同じである包装おにぎり(5a)に較べて大きく見せることができ、従来品との差別化を図り、購買意欲をかき立てることができる。
【0023】
本発明の実施に際し、包装シート(1)は、上記の如く、外フィルム(11)と、内フィルム(14)との間にシート状食品(2)を挟んだ複数層の包装シートでもよく、或いは1枚ものの包装シート(実施例における外フィルム(11))でもよい。
【0024】
外フィルム(11)の分断可能部(12)は、外フィルム(11)の幅中心部にカットテープと呼ばれる細幅テープを外フィルム(11)の全長に亘って接着し、該カットテープの一端を引っ張ることによって、外フィルム(11)を長手方向に沿って切り離して、幅方向に2分可能としてもよい。
【0025】
又、外フィルム(11)を長手方向に裂け易い方向性フィルムとして、一端側中央部に、2つの短い切込み(図示せず)を施こし、切込みの延長上が外フィルム(11)の全長に亘る分断可能部とすることもできる。
【0026】
尚、本発明の実施に際して、図12、図13に示す従来例の様に、正面からは見れば略正三角形で、底面から頂部まで同じ厚みに形成されているおにぎりでも実施できるのは勿論である。
【0027】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】包装シートの斜視図である。
【図2】図1A−A線に沿う断面図である。
【図3】包装シートの分解斜視図である。
【図4】包装シートに三角おにぎり飯を載せた状態の斜視図である。
【図5】包装途上の斜視図である。
【図6】包装おにぎりの正面図である。
【図7】包装おにぎりの左側面図である。
【図8】包装おにぎりの背面図である。
【図9】包装おにぎりの平面図である。
【図10】包装おにぎりの底面図である。
【図11】包装おにぎりを通い箱に詰めた状態の断面図である。
【図12】従来例の包装おにぎりの正面図である。
【図13】従来例の包装おにぎりの側面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 包装シート
11 外フィルム
14 内フィルム
18 耳部
2 シート状食品
21 シート状海苔
3 三角おにぎり飯
4 シート状食品
5 包装三角おにぎり
【技術分野】
【0001】
本発明は、略矩形の包装シートを、三角おにぎり飯の形状に沿わせて包んだ包装三角おにぎり(以下、「包装おにぎり」と呼ぶ)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図12は従来のこの種包装おにぎりの正面図、図13は側面図である。
従来の包装おにぎり(5a)は、正面から見ると正三角形図であり、底面から頂部まで同じ厚みに形成されている。
包装シートの幅方向の中央部には、ミシン目(17)やカットテープによる分断可能部(12)が形成されている。
包装おにぎりの底面側両端には、包装シートの耳部(18)(18)が三角形、又は略台形の形状を呈して突出している(特許文献1)。この耳部(18)(18)は、包装シートの幅長さが、三角おにぎり飯の底面の幅長さよりも大きいから、後記する手順で三角おにぎり飯を包装すると必然的に形成されてしまうものである。
【0003】
【特許文献1】特開2002−354996号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
工場生産された包装おにぎりを、店頭出荷向けの通い箱に密に詰める際に、包装おにぎりの耳部(18)(18)が邪魔になる。又、陳列棚に包装おにぎり並べる際は、左右に隣り合う包装おにぎりどうしが接触するほどに詰めて並べられるため、やはり耳部(18)(18)が邪魔になる。
特に、三角面を正面にして横方向に隣り合う一方のおにぎりが、他方のおにぎりの耳部(18)に載っていると、載られてる方のおにぎりを上向きに取り出す際、載っている方のおにぎりが倒れ落ちて変形してしまうことがある。横方向に隣り合うおにぎりが、相手おにぎりの耳部(18)に載らない様に間隔を開いて陳列すると、陳列できるおにぎりの個数が少なくなる。
【0005】
又、不用意に耳部(18)を摘んで持ち上げたり、耳部(18)が突起物に引っ掛かると、包装シートの分断可能部(12)がミシン目(17)であった場合、ミシン目(17)が簡単に裂けて包装が解けてしまい、商品にならなくなる。
耳部(18)は、耳部からの異物の挿入を防止すること及び外気の侵入を防止するため、耳部が口を開かない様に、耳部を裏表から熱溶着して閉じることが行われているが、耳部(18)を熱溶着器具で挟む際に、耳部(18)がフラついて位置決めが難しく、溶着に失敗することがあった。
本発明は、上記問題を解決でき、しかも三角おにぎり飯の型崩れを防止できる包装おにぎりを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、略矩形の包装シート(1)に対して、該包装シート(1)の長手方向の略中央部に三角おにぎり飯(3)が位置し、包装シート(1)の一端側が三角おにぎり飯(3)の一方の三角面(31)及び厚み方向の側面に被さると共に、該一端側の両側が包装シート(1)の他端側内面に重なり、包装シート(1)の該他端側が三角おにぎり飯(3)の他方の三角面(32)及び厚み方向の側面に重なり、該他端側の両側が該三角面(32)とは反対側の三角面(31)上で重なる様に折り畳まれ、包装シート(1)は、該シート(1)を幅方向に2分するための分断可能部(12)を有する包装三角おにぎりにおいて、三角おにぎり飯(3)の底面側の両端に生じる包装シート(1)の耳部(18)(18)は、底面側に折り返して溶着等で接合されている。
【発明の効果】
【0007】
包装おにぎり(5)は、三角おにぎり飯(3)の底面側の両端に生じるシートの耳部(18)(18)は、底面側に折り返して溶着等で係止されており、外向きに突出していないから、通い箱に包装おにぎりを詰めたり、陳列棚に陳列する際に耳部(18)が邪魔にならない。隣り合うおにぎりが相手おにぎりの耳部(18)の上に載ることによる問題は生じない。
又、耳部(18)を不用意に摘んでしまう虞れはなく、耳部(18)が突起物に引っ掛かることもないから、分断可能部(12)がミシン目(17)であっても、不用意に包装が解けてしまうことを防止できる。
【0008】
更に、耳部(18)を包装おにぎり(5)の底部に折り返して接合することにより、包装おにぎりの底部両端が補強されて、陳列棚上に、おにぎりの底部両端が、左右に隣り合うおにぎりに当たって並べられても、包装おにぎの底部両端が型崩れすることを防止して、商品価値を低下させることを防止できる。又、耳部(18)の折り返し接合により、耳部(18)が口を開くことはなく、耳部(18)からの異物の挿入や外気の流入を防止できる。
【0009】
耳部(18)を溶着しておにぎりの底面に接合する場合、耳部(18)をおにぎりの底面に押し当てて確実に位置決めして溶着できるので、溶着を失敗することを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明で用いる公知の包装シート(1)の一例を示し、図3はその分解図である。
包装シート(1)は、 外フィルム(11)と、内フィルム(14)との間にシート状食品(2)を挟み、両フィルム(11)(14)の外周部どうし及びシート状食品(2)を包囲して両フィルム(11)(14)どうしを熱溶着(10)して形成されている。
【0011】
図2に示す如く、内フィルム(14)は、2枚のフィルム片(15)(16)を、その長手方向に沿う内側縁を重ね合わせて形成されている。
【0012】
外フィルム(11)の幅中心部に、所謂ミシン目(17)と呼ばれる断続的な切込みを長手方向に施し、外フィルム(11)を長手方向に沿って切り離して、幅方向に2分できる分断可能部(12)を形成している。
【0013】
シート状食品(2)は、実施例ではシート状海苔(21)であるが、これに限らずシート状で折り曲げ可能な食品であれば、種類は問わない。
【0014】
図4は、上記包装シート(1)の内フィルム(14)面に三角おにぎり飯(3)を載せた状態を示している。
実施例の三角おにぎり飯(3)は、底部の幅長さXよりも高さYの方が大である2等辺三角形を呈し、図7に示す如く、底部から頂部へ厚みが徐々に小さくなっている。
【0015】
包装シート(1)の長さLは、 三角おにぎり飯(3)の高さYの2倍に、三角おにぎり飯(3)の底部厚みZを加えた長さよりも少し大きい。外フィルム(11)の幅長さWは、三角おにぎり飯(3)の底部の幅長さXに対して十分に余裕がある。
【0016】
三角おにぎり飯(3)の包装手順は、図4に示し公知の如く、該包装シート(1)の長手方向の略中央部に三角おにぎり飯(3)の底面を位置させる。図5に示す如く、包装シート(1)の一端側(1a)が三角おにぎり飯(3)の一方の三角面(31)及び厚み方向の側面に被せると共に、該一端側(1a)の両側(1a′)(1a′)を包装シート(1)の他端側(1b)内面に重ねる。包装シート(1)の該他端側(1b)を三角おにぎり飯(3)の前記三角面(31)とは反対側の三角面(32)及び厚み方向の側面に被せると共に、該他端側(1b)の両側(1b′)(1b′)を、該三角面(32)とは反対側の三角面(32)上で重なる様に折り畳む。該三角面(31)上にて、シートの折畳み端部にラベル貼(4)を貼り付け、或いは、熱溶着によって折り畳み端部を止着する。
【0017】
包装シート(1)の幅長さWは、三角おにぎり飯(3)の底部の幅長さXよりも長いから、包装おにぎり(5)の底部の両端には三角形、又は台形を呈する耳部(18)(18)が突出する。
該耳部(18)(18)を底面に折り返して、スポット熱溶着等で接合する。
実施例では、図10に示す如く、略三角形の耳部(18)(18)の傾斜二辺の夫々の略中間部を、該辺を横切る様に線状に剥離可能に熱溶着(18a)(18a)している。耳部(18)(18)の先端側は未溶着のままであり該未溶着部(18b)は、手指で摘むことができる。
【0018】
然して、包装おにぎり(5)は、三角おにぎり飯(3)の底面側の両端に生じる包装シート(1)の耳部(18)(18)は、底面側に折り返して溶着等で係止されており、外向きに突出していないから、通い箱に包装おにぎりを詰めたり、陳列棚に三角面を正面にして横方向に隙間なく陳列する際に耳部(18)が邪魔にならない。
又、耳部(18)を不用意に摘む虞れはなく、耳部(18)が突起物に引っ掛かることもないから、分断可能部(12)がミシン目(17)であっても、不用意に包装が解けてしまうことを防止できる。
【0019】
更に、耳部(18)を包装おにぎりの底部に折り返して接合することにより、包装おにぎりの底部両端が補強されて、陳列棚上に、おにぎりの底部両端が、左右に隣り合うおにぎりに当たって並べられても、包装おにぎの底部両端が型崩れすることを防止して、商品価値を低下させることを防止できる。
【0020】
包装おにぎり(5)の包装を解くには、耳部(18)(18)の先端側未溶着部(18b)を摘んで、熱溶着(18a)を剥離して、外側に引っ張る。
外フィルム(11)はミシン目(17)で裂けて2分され、最初から2つに別れている内フィルム(14)のフィルム片(15)(16)と一緒に引っ張り出すことができる。シート状海苔(21)だけが残って三角おにぎり飯(31)に直に被さる。
実施例の様に、耳部(18)の先端を未溶着部(18b)とし、耳部(18)の熱溶着(18b)を剥離可能としたため、該耳部(18)の先端を摘んで外側に引っ張って包装を簡単に解くことができるのである。
【0021】
実施例の場合、三角おにぎり飯(3)、即ち、包装おにぎり(5)は頂部側の厚みが小さくなっているから、図12に示す如く、三角面どうしが対向して隣り合うおにぎり(5)(5)の底部が少し押し合う程度に通い箱(6)に一杯に詰めても、隣り合う包装おにぎり(5)(5)の上部間には隙間Sが生じて、おにぎりどうしの接触面積が小さい。このため、包装おにぎり(5)(5)間の隙間Sから手指を入れて、おにぎりを簡単につまみ上げることができ、おにぎりを型崩れさせることを防止できる。
【0022】
三角おにぎり飯(3)、即ち、包装おにぎり(5)は、底部分の幅長さXよりも頂部までの高さYの方が大きいから、従来の底部分の幅長さと高さがほぼ同じである包装おにぎり(5a)に較べて大きく見せることができ、従来品との差別化を図り、購買意欲をかき立てることができる。
【0023】
本発明の実施に際し、包装シート(1)は、上記の如く、外フィルム(11)と、内フィルム(14)との間にシート状食品(2)を挟んだ複数層の包装シートでもよく、或いは1枚ものの包装シート(実施例における外フィルム(11))でもよい。
【0024】
外フィルム(11)の分断可能部(12)は、外フィルム(11)の幅中心部にカットテープと呼ばれる細幅テープを外フィルム(11)の全長に亘って接着し、該カットテープの一端を引っ張ることによって、外フィルム(11)を長手方向に沿って切り離して、幅方向に2分可能としてもよい。
【0025】
又、外フィルム(11)を長手方向に裂け易い方向性フィルムとして、一端側中央部に、2つの短い切込み(図示せず)を施こし、切込みの延長上が外フィルム(11)の全長に亘る分断可能部とすることもできる。
【0026】
尚、本発明の実施に際して、図12、図13に示す従来例の様に、正面からは見れば略正三角形で、底面から頂部まで同じ厚みに形成されているおにぎりでも実施できるのは勿論である。
【0027】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】包装シートの斜視図である。
【図2】図1A−A線に沿う断面図である。
【図3】包装シートの分解斜視図である。
【図4】包装シートに三角おにぎり飯を載せた状態の斜視図である。
【図5】包装途上の斜視図である。
【図6】包装おにぎりの正面図である。
【図7】包装おにぎりの左側面図である。
【図8】包装おにぎりの背面図である。
【図9】包装おにぎりの平面図である。
【図10】包装おにぎりの底面図である。
【図11】包装おにぎりを通い箱に詰めた状態の断面図である。
【図12】従来例の包装おにぎりの正面図である。
【図13】従来例の包装おにぎりの側面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 包装シート
11 外フィルム
14 内フィルム
18 耳部
2 シート状食品
21 シート状海苔
3 三角おにぎり飯
4 シート状食品
5 包装三角おにぎり
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略矩形の包装シート(1)に対して、該包装シート(1)の長手方向の略中央部に三角おにぎり飯(3)が位置し、包装シート(1)の一端側が三角おにぎり飯(3)の一方の三角面(31)及び厚み方向の側面に被さると共に、該一端側の両側が包装シート(1)の他端側内面に重なり、包装シート(1)の該他端側が三角おにぎり飯(3)の他方の三角面(32)及び厚み方向の側面に重なり、該他端側の両側が該三角面(32)とは反対側の三角面(31)上で重なる様に折り畳まれ、包装シート(1)は、該シート(1)を幅方向に2分するための分断可能部(12)を有する包装三角おにぎりにおいて、三角おにぎり飯(3)の底面側の両端に生じる包装シート(1)の耳部(18)(18)は、底面側に折り返して溶着等で接合されている包装三角おにぎり。
【請求項2】
展開状態の包装シート(1)は、外フィルム(11)と内フィルム(14)との間にシート状食品(2)を挟んで形成され、外フィルム(11)は、該フィルムを幅方向に2分するための分断可能部(12)を有し、内フィルム(14)は、外フィルム(11)の分断可能部(12)の近傍にて、2枚のフィルム片(15)(16)の内端どうしを重ねており、外フィルム(11)と内フィルム(14)の外周部が溶着されている請求項1に記載の包装三角おにぎり。
【請求項3】
包装シートの耳部(18)(18)は、三角おにぎり飯(3)の底面側に折り返し、折返し先端側は手指でつまみむことができる程度の未溶着部(18b)を残して剥離可能に底面に溶着されている請求項1又は2に記載の包装三角おにぎり。
【請求項4】
分断可能部(12)を縦向きにして包装三角おにぎりを立てた状態で、底部側から頂部側へ厚みが小さくなっており、三角おにぎり飯(3)は、底部分の幅長さよりも頂部までの高さの方が大きい請求項1乃至3の何れかに記載の包装三角おにぎり。
【請求項1】
略矩形の包装シート(1)に対して、該包装シート(1)の長手方向の略中央部に三角おにぎり飯(3)が位置し、包装シート(1)の一端側が三角おにぎり飯(3)の一方の三角面(31)及び厚み方向の側面に被さると共に、該一端側の両側が包装シート(1)の他端側内面に重なり、包装シート(1)の該他端側が三角おにぎり飯(3)の他方の三角面(32)及び厚み方向の側面に重なり、該他端側の両側が該三角面(32)とは反対側の三角面(31)上で重なる様に折り畳まれ、包装シート(1)は、該シート(1)を幅方向に2分するための分断可能部(12)を有する包装三角おにぎりにおいて、三角おにぎり飯(3)の底面側の両端に生じる包装シート(1)の耳部(18)(18)は、底面側に折り返して溶着等で接合されている包装三角おにぎり。
【請求項2】
展開状態の包装シート(1)は、外フィルム(11)と内フィルム(14)との間にシート状食品(2)を挟んで形成され、外フィルム(11)は、該フィルムを幅方向に2分するための分断可能部(12)を有し、内フィルム(14)は、外フィルム(11)の分断可能部(12)の近傍にて、2枚のフィルム片(15)(16)の内端どうしを重ねており、外フィルム(11)と内フィルム(14)の外周部が溶着されている請求項1に記載の包装三角おにぎり。
【請求項3】
包装シートの耳部(18)(18)は、三角おにぎり飯(3)の底面側に折り返し、折返し先端側は手指でつまみむことができる程度の未溶着部(18b)を残して剥離可能に底面に溶着されている請求項1又は2に記載の包装三角おにぎり。
【請求項4】
分断可能部(12)を縦向きにして包装三角おにぎりを立てた状態で、底部側から頂部側へ厚みが小さくなっており、三角おにぎり飯(3)は、底部分の幅長さよりも頂部までの高さの方が大きい請求項1乃至3の何れかに記載の包装三角おにぎり。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−223607(P2007−223607A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−43337(P2006−43337)
【出願日】平成18年2月21日(2006.2.21)
【出願人】(591154751)
【出願人】(598157096)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月21日(2006.2.21)
【出願人】(591154751)
【出願人】(598157096)
【Fターム(参考)】
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