説明

包装体および積層包装材料

【課題】プリントの束が封入された状態では破れにくく、また裂けにくく、プリントを取り出す際には容易に開封することができる包装体およびプリントの自動包装を連続して安定して行うことができる帯状の長尺な筒状の積層包装材料を提供する。
【解決手段】互いに積層された矩形状の第1および第2のシートは、共に無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)と延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)とのラミネート材料からなり、第1および第2のシートの2枚のラミネート材料のCPPどうしが接合され、かつOPPの厚みは、20〜30μmであり、第2のシートには、その両側端部間の中心から外れた位置に第1および第2のシートの間の内部空間の側端部に略平行なミシン目が、また、第1のシートには、両側端部の間に短手方向に延在するスリットが長手方向に沿って所定間隔をあけて複数設けられていることにより、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部の空間に写真プリント、特に、その束を封入した包装体および写真プリントの束を連続して自動包装するのに好適な帯状の長尺な筒状の積層包装材料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ラボ店などにおいて顧客により注文された写真プリント(以下、単にプリントともいう)は、写真フィルムに撮影された画像からのプリントであっても、デジタルカメラ等(デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、カメラ付き携帯電話等)で撮影されたデジタル画像からのプリントであっても、DP袋と呼ばれる紙製の写真専用袋に入れられて、顧客に引き渡されている。
【0003】
特に、ネガフィルムなどの写真フィルムからのプリント注文の場合には、顧客(プリント注文者)からラボ店等の店頭でプリント注文が受け付けられると、DP袋に顧客の氏名や連絡先(住所、電話番号等)などの注文情報が記録され、DP袋内に写真フィルム(パトローネやカートリッジやネガ袋等)が収容される。この後、プリント作製が行われる際に、DP袋から写真フィルムが取り出されて、未現像フィルムの場合には、まず、現像処理が行われ、現像済フィルムとされた後、この現像済フィルムから、一方、現像済フィルムの場合には、DP袋から取り出されたそのままのフィルムから、(仕上がり)プリントが作製され、作製されたプリントとDP袋が照合され、プリントと現像済フィルムとが対応するDP袋に入れられて、顧客に引き渡されている。
【0004】
なお、デジタルカメラ等で撮影されたデジタル画像のプリント注文の場合においても、これらのデジタル画像が記録された画像記録媒体(例えば、スマートメディアTM、SDメモリーカードTM、メモリースティックTMなど)が、ラボ店等にその店頭で引き渡されると共に、DP袋に顧客の注文情報が記録され、DP袋内に画像記録媒体が収容される。この後、画像記録媒体から画像データが読み出されて(仕上がり)プリントが作製され、作製されたプリントとDP袋が照合され、プリントと画像記録媒体とが対応するDP袋に入れられて、顧客に引き渡されている。
【0005】
これに対し、近年、デジタルカメラ等で撮影されたデジタル画像のプリント注文や、写真フィルムに撮影された画像であってもデジタル画像データ化されて画像記録媒体(フレキシブルディスク(FD)、MOディスク、CD−R、フォトCDTM、DVDなど)に記録されている画像のプリント注文の場合には、ラボ店やコンビニエンスストア等の店頭に設置された受付機にデジタルカメラ等を接続し、あるいは、デジタルカメラ等の画像記録媒体や上述の種々の画像記録媒体等を装填して、必要な画像のデジタル画像データを顧客が直接入力してプリント注文をすることができ、また、顧客が扱っているPC(パーソナルコンピュータ)にデジタルカメラ等やこれらの種々の画像記録媒体等から必要なデジタル画像データを読み出し、インターネット等の通信手段を介して、ラボ店や、プリント作成業者に直接送信入力してプリント注文、いわゆるネット注文をすることができるようになっている。
【0006】
このような場合には、顧客から写真フィルムや画像記録媒体などをラボ店等に引き渡す必要がないので、プリントの引渡し時、プリントと共に写真フィルムや画像記録媒体などを顧客に返却する必要がない。したがって、写真フィルムや画像記録媒体などを収納しておく必要がないので、従来のDP袋を用いる必要がない。
このため、従来のDP袋を用いずに、透明なプリント収納袋を用い、写真プリントと注文情報が記録された注文情報プリントとを連続して自動的に作製し、連続して作製された写真プリントと注文情報プリントと一緒にして透明なプリント収納袋にその開口部から自動的に収納して、プリント収納袋の開口部を封止することができる写真処理機が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1に提案された写真処理機では、プリント作製から収納および包装までの工程を自動化して、従来のようなDP袋と作製された写真プリントとの照合の必要性をなくして、プリント収納袋への写真プリント等の挿入作業や収納作業を簡単にしている。
【特許文献1】特開2003−35938号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に提案された写真処理機で用いられるプリント収納袋は、単に、一端の開口端部が開口した矩形状の透明な袋に過ぎず、例えば、透明な熱可塑性樹脂材から成るロール状に巻いた長尺のプリント収納袋形成体を所定長さに引き出して開口端部とは反対側の他端部を長手方向と直交する短手方向に一対のヒータ付きローラで熱融着(ヒートシール)して封止・閉塞した後に、カッタで短手方向に切断し、長尺のプリント収納袋形成体から分離されたプリント収納袋に過ぎない。このため、特許文献1では、長尺のプリント収納袋形成体から分離されて、作製されたプリント収納袋への写真プリント等の挿入、収納および包装が、透明なプリント収納袋の開口端部側の両面を一対の吸着部によって吸着開口し、写真プリント等をローラ対等の搬送手段によって開口端部からプリント収納袋内に挿入して収納し、開口端部を短手方向に別の一対のヒータ付きローラで封止して閉塞することにより行われ、写真プリントの包装体とされている。
【0008】
すなわち、特許文献1は、プリント収納袋を作製するための長尺のプリント収納袋形成体として、単に、熱可塑性樹脂材からなるロール状の透明な筒状包装材料を開示しているに過ぎないし、プリント収納袋として、写真プリントの収納前に、他端部が熱融着閉塞された一端部が開口された袋であり、写真プリントの収納後に、一端側の開口端部が熱融着閉塞される袋であることを開示しているに過ぎず、写真プリントを収納した包装体とするために長尺のプリント収納袋形成体に適した構成、および、写真プリントを収納した包装体に適した構成については、何ら考慮されていないし、全く開示していないという問題があった。
【0009】
本発明の第1の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、仕上がり写真プリント、特にその束が封入された状態では破れにくく、また裂けにくく、写真プリント(の束)を取り出す際には容易に開封することができる包装体を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、仕上がり写真プリントの束の投入も容易であり、その束を投入する際にも、破れたり、また裂けたりすることがなく、写真プリントの自動包装を連続して安定して行うことができ、その結果、上記第1の目的を達成することができる単位包装材料を得ることができる帯状の長尺な筒状の積層包装材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記第1および第2の目的を達成するために、仕上がり写真プリントの束が封入された状態では破れにくく、また裂けにくく、写真プリントを取り出す際には容易に開封することができる包装体、および、このような包装体を得るのに好適な帯状の長尺な筒状の積層包装材料、すなわち、仕上がり写真プリントの束の投入も容易であり、その束を投入する際にも、破れたり、また裂けたりすることがなく、写真プリントの自動包装を連続して安定して行うことができる、自動包装に好適な帯状の長尺な筒状の積層包装材料について、鋭意研究を重ねた結果、以下の点を知見し、本発明に到ったものである。
【0011】
すなわち、特許文献1に開示の熱可塑性樹脂材からなるロール状の透明な長尺のプリント収納袋形成体およびこれによって作成された写真プリントを収納した包装体においては何ら考慮されていない、プリント収納袋形成体および包装体に適した構成材料の特性や構造や形状について詳細に考慮し、検討する必要がある。
一方、従来の一般的なロール状の透明な筒状包装材料は、インフレーション成形で製造されたものが多く、ロールの巻方向(長手方向)に対して筒状のフィルムが形成されている。そして、特許文献1に開示のプリント収納袋形成体と同様に、その筒状フィルムの横断面(短手方向)にヒートシールによって接合・封止したものや、横断面方向全体にミシン目を入れたものが知られている。このようなものとしては、スーパーマーケットで濡れものを入れるポリ袋(例えば、ポリエチレン製の薄膜の袋)などに使われているが、写真プリントを収納して包装体とするのにはそのまま使用することはできない。
【0012】
その結果、本発明の専用包装材料であるロール状の筒状包装材料としては、ロールの巻方向である長手方向に直交する短手方向(横断方向)に、従来知られている横断面全体のヒートシールやミシン目などの加工を行うのではなく、長手方向に所定間隔で片面のみの横断面に部分的なスリット加工を行い、また、ロールの長手方向に対しては、筒状フィルムを貫通することなく片面のみにミシン目に入れる必要がある。
こうした形態のロール状の筒状フィルムとしては、無延伸(無配向)ポリプロピレンフィルムと所定厚みの延伸(配向)ポリプロピレンフィルム、例えば二軸延伸ポリプロピレンフィルムとのラミネート材料を2枚用い、無延伸ポリプロピレンフィルムどうしを熱融着接合して筒状にした帯状の長尺な筒状の積層包装材料が必要である。
【0013】
また、本発明に係る帯状の積層包装材料の単位包装材料部分にスリットから写真プリントの束を投入して収納後にスリット部分を熱融着して封止した後に、切断して本発明の包装体とすることが必要である。
すなわち、本発明は、以上の知見から、これまで発明されたことのなく、また、実用化されたことがない、今まで全く検討されていない写真プリントの束を包装するのに適した特性や好ましい特性を持つ新規な包装材料、かつ、全く新規な形状の包装材料、およびこの包装材料によって写真プリントの束が包装された包装体を提供するものである。
【0014】
まず、上記第1の目的を達成するために、本発明の第1の態様は、互いに積層され、四周が接合された矩形状の第1および第2のシートからなり、それらの間に形成された矩形状の内部空間に写真プリントの束、好ましくは例えば、2枚以上の写真プリントの束が封入された包装体であって、前記第1および第2のシートは、共に無延伸ポリプロピレンフィルムと延伸ポリプロピレンフィルムとのラミネート材料からなり、前記第1および第2のシートの2枚の前記ラミネート材料の前記無延伸ポリプロピレンフィルムどうしが接合され、かつ前記ラミネート材料の前記延伸ポリプロピレンフィルムの厚みは、20〜30μmであり、前記第2のシートには、その両側端部間の中心から外れた位置に、前記内部空間の側端部に略平行なミシン目が設けられていることを特徴とする包装体を提供するものである。
【0015】
ここで、前記第1のシートの前記ラミネート材料の厚みは、40〜80μmであるのがこのましい。
また、前記第1のシートの長手方向およびこの長手方向に直交する短手方向における前記ラミネート材料の引裂き強度は、共に、10N/mm以上であるのが好ましい。
また、前記第1のシートの長手方向およびこの長手方向に直交する短手方向における前記ラミネート材料の引張り強度は、共に、40MPa以上であるのが好ましい。
また、前記第1および第2のシートは、共に、前記長手方向と直交する短手方向の引裂き強度が、前記長手方向の引裂き強度よりも大きいのが好ましい。
【0016】
また、前記矩形状の内部空間の短手方向の間隔は、封入された前記写真プリントの中の最も小さいサイズの写真プリントの対角線の長さより短く、前記ミシン目は、前記矩形状の内部空間の前記短手方向に直交する長手方向に沿って形成され、前記ミシン目と前記内部空間の側端部との間の間隔は、封入される前記写真プリントの束の最大厚さの半分より大きく、前記内部空間の短手方向の長さから前記写真プリントの短手方向の長さと前記最大厚さの半分との和を引いた差分よりも小さいのが好ましい。
すなわち、前記第1および第2のシートの間に形成される矩形状の内部空間は、その中に封入されるべき写真プリントが回転しない空間であるのが好ましく、前記ミシン目は、前記内部空間に封入された前記写真プリントの束が最大厚さであっても、必ず、封入された前記写真プリントのエッジの位置より確実に外側にくるような位置に設けられるのが好ましい。
あるいは、前記ミシン目と前記内部空間の側端部との間の間隔は、前記最もサイズに小さい写真プリントの短手方向の長さと前記内部空間の短手方向の長さとの差よりも大きいのが好ましく、すなわち、前記ミシン目は、前記内部空間に封入された前記写真プリントがいずれの位置にあっても、必ず、封入された前記写真プリント上にあるような位置に設けられるのが好ましい。
【0017】
また、上記第2の目的を達成するために、本発明の第2の態様は、長手方向に沿って積層され、前記長手方向に沿った両側端部どうしが接合された帯状の第1および第2のシートからなる長尺な筒状積層包装材料であって、前記第1および第2のシートは、共に、無延伸ポリプロピレンフィルムと延伸ポリプロピレンフィルムとのラミネート材料からなり、この2枚のラミネート材料の前記無延伸ポリプロピレンフィルムどうしが接合され、かつ前記ラミネート材料の前記延伸ポリプロピレンフィルムの厚みは20〜30μmであり、前記第1のシートには、前記両側端部の間に、前記長手方向と直交する短手方向に延在するスリットが前記長手方向に沿って所定間隔をあけて複数設けられており、前記第2のシートには、前記長手方向の両側端部間の中心から外れた位置に、前記長手方向に沿って前記内部空間の側端部に略平行なミシン目が設けられていることを特徴とする積層包装材料を提供するものである。
【0018】
ここで、積層された前記第1および第2のシートは、前記スリットを含む前記短手方向の位置において所定幅に熱融着されて、封止された前記所定幅の封止部が形成されると共に、前記封止部において前記短手方向に切断されるものであり、前記スリットは、先端に前記封止部を持つ、前記第1および第2のシートの間に形成される単位包装材料の矩形状の内部空間に、封入されるべき(2枚以上の)写真プリントの束を投入するためのものであるのが好ましい。
【0019】
また、前記第1のシートの前記ラミネート材料の厚みは、40〜80μmであるのが好ましい。
また、前記第1のシートの前記ラミネート材料の前記長手方向および前記短手方向の引裂き強度は、共に、10N/mm以上であるのが好ましい。
また、前記第1のシートの前記ラミネート材料の前記長手方向および前記短手方向の引張り強度は、共に、40MPa以上であるのが好ましい。
また、前記第1および第2のシートの前記ラミネート材料は、共に、前記長手方向と直交する短手方向の引裂き強度が、前記長手方向の引裂き強度よりも大きいのが好ましい。
【0020】
また、前記所定間隔の隣接する前記スリット間において前記第1および第2のシートの間に形成される単位包装材料の矩形状の内部空間の短手方向の間隔は、封入された前記写真プリントの中の最も小さいサイズの写真プリントの対角線の長さより短く、前記ミシン目と前記内部空間の側端部との間の間隔は、封入される前記写真プリントの束の最大厚さの半分より大きく、前記内部空間の短手方向の長さから前記写真プリントの短手方向の長さと前記最大厚さの半分との和を引いた差分よりも小さいのが好ましい。
すなわち、前記第1および第2のシートの間に形成される矩形状の内部空間は、その中に封入されるべき写真プリントが回転しない空間であるのが好ましく、前記ミシン目は、前記内部空間に封入された前記写真プリントの束が最大厚さであっても、必ず、封入された前記写真プリントのエッジの位置より確実に外側にくるような位置に設けられるのが好ましい。
あるいは、前記ミシン目と前記内部空間の側端部との間の間隔は、前記最もサイズに小さい写真プリントの短手方向の長さと前記内部空間の短手方向の長さとの差よりも大きいのが好ましく、すなわち、前記ミシン目は、前記内部空間に封入された前記写真プリントがいずれの位置にあっても、必ず、封入された前記写真プリント上にあるような位置に設けられるのが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
このような本発明の第1の態様によれば、仕上がり写真プリント、特に、その束が封入された状態では破れにくく、また裂けにくく、写真プリント(の束)を取り出す際には容易に開封することができる。
また、本発明の第2の態様によれば、仕上がり写真プリントの束の投入も容易であり、その束を投入する際にも、破れたり、また裂けたりすることがなく、写真プリントの自動包装を連続して安定して行うことができる。
【0022】
また、本発明において、第1のシートが所定厚みのラミネート材料である態様では、さらに、ヒートシールのサイクルタイムを短くでき、かつプリント投入時のプリント落下にも袋の底のヒートシール部等のフィルム強度を確保することができる。なお、本発明において、ヒートシールやヒータ側と反対側のフィルム包装材料である第2のシートの厚みを厚くするものでは、ヒートシールや開封機能を維持したままで、包装体の剛性を高めることができ、商品性を高めることができる。
また、本発明において、第1のシートのラミネート材料の引裂き強度が長手および短手の両方向で所定値以上である態様では、さらに、ミシン目が、包装時や顧客が開封する以前のハンドリングで不要に破けることがない。
また、本発明において、第1のシートのラミネート材料の引張強度が長手および短手の両方向で所定値以上である態様では、さらに、溶着時には境界面の強度が約半分に低下しても、投入時に破ける可能性が低くなり、投入時の包装材料の破断を防止することができる。
【0023】
また、本発明において、第1および第2のシートのラミネート材料の引裂き強度が長手方向より短手方向の方が大きいものでは、積層包装材料において、プリントの束の挿入時にスリットが不必要に裂けにくいし、包装体において、ミシン目の開封が容易である。
このようなラミネート材料では、延伸(配向)ポリプロピレンフィルム、例えば二軸延伸ポリプロピレンフィルムの延伸倍率を、ロールフィルムに加工した時に、ロールフィルムの長手方向(ロール巻方向)に引張り伸度が大きくなるように、すなわち、引張弾性率が小さくなるように配置する。このため、このロールフィルムの短手方向(ロール幅方向)では、その逆になり、すなわち、引張り伸度が小さくて伸び少なく、引張弾性率は高くなる。したがって、このような延伸倍率の配置は、幅方向(短手方向)に裂けにくく、巻方向(長手方向)に裂きやすい方向となる。
【0024】
その結果、このようなフィルムを用いる積層包装材料は、スリット加工した後、プリント挿入時にスリットが不必要に裂けにくい。なお、この延伸倍率の配置が反対のフィルムを用いた場合には、プリントの束を投入するためのスリット開封とその後のプリント投入でスリット部より裂け目が進行し、ヒートシールできる範囲を超えてしまい、袋が裂けてしまう。
また、このようなフィルムを用いる積層包装材料では、ミシン目が、長手方向、すなわちプリント投入時におけるフィルム開封やプリント投入に対して荷重が加わる方向とは反対の方向に形成されているので、プリント投入時などに裂けにくく、積層包装材料の状態でも、包装体の状態でも、ユーザが本発明の包装体を開封する前にミシン目が不用意に裂けることがない。また、このようなフィルムを用いる包装体では、ミシン目の開封が容易である。
【0025】
また、包装体および積層包装材料の内部空間の短手方向の長さが、好ましくは、スリットの長さが、所定サイズであるものでは、矩形状の内部空間の中に封入された写真プリントが回転しないので、内部空間に収納された写真プリントの束がバラけることがない。
また、ミシン目が所定位置に形成されたものでは、写真プリントの束の厚み方向のエッジで、積層包装材料(単位包装材料)の状態でも、包装体の状態でも、開封前にミシン目が不用意に裂けることがないし、包装体を開封後も、写真プリントの画像面を完全に覆うことができる、写真プリントの束の収納袋または保存袋としても使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の第1の態様に係る包装体および第2の態様に係る積層包装材料を添付の図面に示す好適実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の第2の態様の積層包装材料の一実施形態の概略を示す、表側、すなわち、スリット側から見た概略斜視図であり、(b)は、(a)の裏側、すなわち、ミシン目側から見た概略斜視図であり、(c)は、その短手(幅)方向の断面を示す概略断面図である。
図2(a)は、本発明の第1の態様の包装体の一実施形態の概略を示す、表側から見た概略平面図であり、(b)は、(a)の裏側、すなわち、ミシン目側から見た概略平面図であり、(c)は、その幅方向の断面を示す概略断面図である。
図3は、図2に示す包装体を作成する際の図1に示す積層包装材料の一形態の概略を示す模式図である。
図4は、図1に示す積層包装材料を用いる写真自動包装装置を備えた写真処理装置の一実施形態の概略を示す線図的断面図であり、図5(a)は、図4に示す写真自動包装装置の一実施形態の概略を示す線図的断面図であり、(b)は、(a)の部分上面図である。
【0027】
まず、上述した本発明の第2の態様の積層包装材料について説明する。
図1(a)および(b)に示すように、本発明の積層包装材料(以下、単に、包装材料という)10は、詳細は後述する写真自動包装装置(以下、パッカーという)50(図4および図5参照)において写真プリント(以下、単にプリントともいう)の束を自動包装するために用いられる透明な包装材料であって、長尺な帯状の透明な第1シート12と、この第1シート12と略同じ形状の透明な第2シート14とを互いにその幅方向(図中矢印yで示す短手方向)の両端側に、幅方向yに直交する図中矢印xで示す長手方向に沿った接合部16aおよび16bで張り合わせた長尺で透明な筒状包装材料であり、ロール状に券回された状態でパッカー50に供給される(図3参照)。
【0028】
図1(a)に示すように、第1シート12には、その長手方向xに所定間隔Lをおいて、接合部16aと接合部16bとの間には幅方向yに沿って、パッカー50で自動的にプリントPの束34(図2参照)を投入するためのスリット18が形成されている。ここで、隣接するスリット18の間の包装材料10は、詳細は後述するが、図2に示す包装体30を形成するための単位包装材料11を構成するもので、隣接する両スリット18間の間隔Lは、単位包装材料11の長手方向の長さL、すなわち、ほぼ包装体30の長手方向の長さLに相当する。
【0029】
なお、図3に示すように、包装材ロール110から巻き出された包装材料10の先端側においては、まず、第1および第2のシート12および14は、スリット18を含む短手方向の位置において所定幅に熱融着(ヒートシール)されて接合された後にスリット18部分で溶断され、接合部分より先端側の部分が切り取られ、包装材料10の先端側に所定幅の接合部16cが形成された状態とされる。
この包装材料10の状態において、先端に接合部16cを持つ包装材料10の単位包装材料11の第1シート12に形成されているスリット18から、第1および第2シート12および14の間に形成される矩形状の内部空間32に、プリントPの束34が投入された後、包装材料10の第1および第2のシート12および14は、スリット18を含む短手方向の位置において所定幅にヒートシールされて接合された後に、スリット18部分で溶断され、先端側に接合部16cを持ち、プリントPの束34が収納された単位包装材料11の後端側に接合部16dが形成された包装体30(図2参照)が作製されると共に、次の単位包装材料11の先端側に接合部16cが形成されて、次の包装体30の作製のための準備がなされる(図2、図4および図5参照)。
【0030】
一方、図1(b)に示すように、第2シート14には、その全長に亘り、その長手方向xに沿って、すなわち、内部空間32の側端部に略平行に、包装体30を開封するための点線状のミシン目20が形成され、ミシン目20を容易に目視可能とするためのミシン目点線20aが印刷により形成されている。ミシン目20は、第2シート14の長手方向xに平行な中心線(短手方向yの幅の中点を通る線)CLに平行に、中心線CLと接合部16aとの間の位置、すなわち中心線CLから外れた接合部16aに近い位置に形成されている。なお、ミシン目20の好ましい形成位置については後述する。
【0031】
また、第2シート14には、スリット18の近傍において、接合部16bの側の端部から内側に向かって、パッカー50において搬送されている包装材料10を、プリントPの束34を投入する停止位置(図5参照)などに位置決めするための包装材料搬送用位置決めマーク(以下、位置決めマークという)22が印刷により形成されている。ここで、位置決めマーク22の形成位置は、図示例の位置に限定されるわけではなく、包装材料10が用いられるパッカー50の構成に応じて適宜設定されるものである。
さらに、図1(a)および(b)に示すように、包装材料10の第1および第2シート12および14には、位置決めマーク22の反対側、すなわちミシン目20の側の接合部16aの近傍に空気抜き穴24が穿孔されている。空気抜き穴24は、図3に示す包装材料10の単位包装材料11の内部空間32にプリントPの束34を投入したスリット18をヒートシールする際に、単位包装材料11の内部空間3内の空気を抜くためのものであるので、空気を上手く抜くことができれば、その形成位置も、特に制限的ではなく、どこに設けても良いが、邪魔にならないように、接合部16aまたは16bの近傍に設けるのが好ましい。
【0032】
ここで、図1(c)に示すように、本発明の包装材料10に用いられる第1および第2シート12および14は、共に、透明な配向性のない(無配向の)無延伸ポリプロピレンフィルム(以下、CPPという)12aおよび14aと、透明な配向性のある(配向した)延伸(例えば、二軸延伸)ポリプロピレンフィルム(以下、OPPという)12bおよび14bとをそれぞれ接着して積層した、好ましくは、ドライラミネートした透明なフィルム状ラミネート材料である。なお、第2シート14のミシン目点線20aおよび位置決めマーク22などは、第2シート14のCPP14aまたはOPP14bのいずれか一方の接着・積層される側の表面に印刷されている。すなわち、CPP14aとOPP14bとは、ミシン目点線20aおよび位置決めマーク22などが印刷された側を内側にして接着・積層される。このため、本発明の包装材料10では、第2シート14に各色のグラビア印刷が可能であるし、第2シート14の表面が、第1シート12の表面や、外部の物と擦れたとしても、ミシン目点線20aおよび位置決めマーク22などの印刷が落ちたりすることはなく、優れた印刷適正を確保することができる。
ここで、本発明の包装材料10は、第1および第2シート12および14の2枚のラミネート材料のCPPどうし、すなわち、CPP12aと14aとを重ね合わせて、その長手方向xの両端側を熱融着(ヒートシール)などの接合方法によって接合し、2枚のラミネート材料の長手方向両端側に接合部16aおよび16bを形成したものである。
【0033】
次に、上述した本発明の第2の態様の積層包装材料を用いて作製された本発明の第1の態様の包装体について説明する。
図2(a)〜(c)に示す包装体30は、図1(a)および(b)に示す包装材料10における隣接するスリット18間の単位包装材料11の内部空間32にプリントPの束34を収納し、単位包装材料11の長手方向xの両端を幅方向に沿ってヒートシールなどの接合方法によって接合して、接合部16cおよび16dを形成することにより、内部空間32にプリントPの束34を包装したものである。
【0034】
包装体30は、図2(a)〜(c)に示すように、互いに積層された矩形状の第1および第2のシート12および14と、互いに積層された、共に矩形状の透明な第1シート12と第2のシート14との四周の接合部16a、16b、16cおよび16dと、これらの接合部16a、16b、16cおよび16dの内側において第1シート12と第2のシート14との間の形成される矩形状の内部空間32と、この内部空間32内に収納されるプリントPの束34と、内部空間32内のプリントPの束34を取り出すために第2シート14に形成された包装体30を開封するための点線状のミシン目20およびこのミシン目20を容易に目視可能とするための印刷されたミシン目点線20aと、ミシン目20に近い接合部16aの近傍に、第1および第2のシート12および14を貫通するように穿孔された空気抜き穴24とを有する。なお、包装体30は、さらに、第2シート14に印刷された位置決めマーク22も備える。
【0035】
以下に、包装体30および包装材料10の形状的な特徴について説明する。
図2(b)に示すように、包装体30は、その長手方向xの長さがLであり、幅方向yの長さが、Wである矩形状であり、その内部に形成される内部空間32は、その長手方向xの長さがLであり、幅方向yの長さが、Wである矩形状である。なお、図1(a)に示すように、包装体30を作製する包装材料10は、その幅方向yの長さが、Wである筒状であり、その内部に形成される内部空間32は、その幅方向yの長さが、Wである長尺状であり、包装材料10の単位包装材料11の長手方向xの長さは、Lである。したがって、接合部16aと接合部16bの接合幅Wsは、(W−W)/2となり、接合部16cと接合部16dの接合幅Wsは、(L−L)/2となる。ここで、接合幅Wsは、接合部16aおよび16bと、接合部16cおよび16dとで、それぞれ同じであっても、異なっていても良いし、各接合部毎に異なっていても良い。
【0036】
ここで、包装体30および包装材料10の各寸法L、W、LおよびWは、内部空間32に収納されるプリントPのサイズ、すなわち、長さLpおよび幅Wp、プリントpの厚さtp、プリントPの束34のプリント枚数などの応じて適宜設定される。なお、接合幅の各寸法Wsは、内部空間32に収納されるプリントPの各寸法やその束34の枚数に加え、包装体30および包装材料10の各寸法や材質等に応じて適宜設定される。
また、図2(b)に示すように、包装体30および包装材料10において、矩形状の内部空間32の幅方向yの長さW、すなわち、接合部16aと接合部16bとの間の幅方向yの長さWは、内部空間32に封入されるプリントPの束34の中の最も小さいサイズのプリントPsの対角線の長さDaより短い(W<Da)のが好ましい。こうすることにより、矩形状の内部空間32の中で封入されたプリントPが回転しないので、内部空間32内に収納されたプリントPの束34がバラけることがない。
【0037】
さらに、包装体30および包装材料10において、図2(b)および(c)に示すように、ミシン目20と接合部16aの内側端部との間の間隔Wは、内部空間32に収納されるプリントPの束34の最大厚さtmの半分より大きく、内部空間32の幅方向の長さWからプリントPの幅方向の長さWpと束34の最大厚さtmの半分との和を引いた差分(W−Wp−tm/2)よりも小さいのが好ましい。
tm<W<W−Wp−tm/2
こうすることにより、ミシン目20は、内部空間32に収納されるプリントPの束34が最大厚さtmであっても、必ず、収納されたプリントPのエッジの位置より確実に外側にくるような位置に設けられるので、プリントPの束34の厚み方向のエッジで、積層包装材料10(単位包装材料11)の状態でも、包装体30の状態でも、開封前にミシン目20が不用意に裂けることがないし、包装体30を開封後も、プリントPの画像面を包装体30の第1または第2シート12および14のいずれかで完全に覆うことができ、プリントPの束34の収納袋または保存袋としても使用することができる。
あるいは、上述したミシン目20と接合部16aの内側端部との間の間隔Wは、内部空間32に収納される最もサイズの小さい写真プリントPの短手方向の長さWと内部空間32の短手方向の長さWとの差よりも大きくても良い。すなわち、内部空間32に封入された写真プリントPがいずれの位置にあっても、ミシン目20が、必ず封入された写真プリントPの上にくるような位置に、ミシン目20を設けても良い。こうすることにより、ミシン目20は、封入されたプリントPのエッジの位置より確実に内側にくるような位置に設けられ、常に、封入された写真プリントPの上にあるので、プリントPのエッジによって、積層包装材料10(単位包装材料11)の状態でも、包装体30の状態でも、開封前にミシン目20が不用意に裂けることがない。
【0038】
ところで、図2(a)〜(c)に示すように、包装体30は、その内部空間32にプリントPの束34を収納して包装するものであるので、プリントPの束34は、例えば、2枚以上のプリントPを積み重ねた束であるのが好ましく、101枚以下のプリントPを積み重ねた束であるのが好ましく、例えば、図2(a)に示すように、注文情報および料金などが記録された1枚のオーダープリントPoと1枚以上の100枚以下の通常の写真プリントPとを積み重ねた束とするのがより好ましい。
なお、図2(a)に示す例では、包装体30に、プリントPの束34の一方の側、例えば上側にオーダープリントPoを配置して、透明な第1シート12を透して目視できるように収納し、図2(b)に示す例では、プリントPの束34の他方の側、例えば下側に、その画像面(乳剤面)を外側にしてプリントPを配置して、透明な第2シート14を透して目視できるように収納しているが、本発明はこれに限定されず、プリントPの束34をどのように配置しても良いし、束34とするプリントPの枚数も何枚であっても良く、プリントPの束34の包装体30への収納方法は、特に限定されない。
【0039】
例えば、図2(a)および(b)に示すプリントPの束34の収納配置を逆にしても良いし、プリントPの束34をオーダープリントPoを加えずに、通常の写真プリントPのみで作製しても良いし、オーダープリントPoの代わりにインデックスプリントを配置しても良いし、オーダープリントPoとインデックスプリントをそれぞれ外側に配置して、共に目視できるようにしても良い。また、図2(b)に示す例とは逆に、プリントPの束34の外側の写真プリントPの画像面が内側に来るように重ね、画像面が透明な第2シート14から目視できないようにしても良いし、通常の写真プリントPのみの束の場合や、インデックスプリントを束の外側に配置する場合にも、透明な第1シート12からも、透明な第2シート14からも、通常の写真プリントPおよびインデックスプリントの画像面が目視できないように配置しても良い。
【0040】
ここで、本発明の対象となるプリントサイズが、例えば、幅Wpが、89mm(×長さLp、114mm、119mm、127mm、130mm、140mm、158mm)、102mm(×長さLp、127mm、136mm、152mm、181mm、)、114mm(×長さLp、143mm、171mm、200mm)などであり、上述したように、内部空間32に収納する束34が1枚のオーダープリントPoと1枚以上100枚以下の通常のプリントPである場合には、包装体30および包装材料10のサイズは、例えば、外側の長さL=250mm、外側の幅W=170mm、内部空間32の長さL=244mmおよび内部空間32の幅W=160mm、接合部16aおよび16bの幅Ws=5mm、接合部16cおよび16dの幅Ws=3mm、接合部16aからミシン目20までの間隔W=30mmとすることができる。
なお、同様のプリントサイズのプリントPに対応する包装体30および包装材料10のサイズとして、外側の幅W=170mmおよび内部空間32の幅W=160mmの代わりに、W=180mmおよびW=170mmとしても良い。
【0041】
ここで、包装体30および包装材料10の内部空間32の幅W=160mmである時に、プリントPの厚みが、例えば、210μmの場合、最大厚みtmは21.21mmとなるので、接合部16aからミシン目20までの間隔Wは、例えば、プリント幅Wpが102mmの場合、10.6mm<W<47.4mm、プリント幅Wpが89mmの場合、10.6mm<W<60.4mm、プリント幅Wpが114mmの場合、10.6mm<W<35.4mmとなるし、例えば、プリントPの厚みが、250μmの場合、最大厚みtmは25.25mmとなるので、間隔Wは、例えば、プリント幅Wpが102mmの場合、12.6mm<W<45.4mm、プリント幅Wpが89mmの場合、12.6mm<W<58.4mm、プリント幅Wpが114mmの場合、10.6mm<W<33.4mmとなる。
したがって、この場合には、上述した例のように、接合部16aからミシン目20までの間隔Wを30mmとすることにより、プリントPの厚みが、210μmおよび250μmのいずれであっても、また、プリント幅Wpが89mm、102mmおよび114mmのいずれであっても、プリントPの束34の厚み方向のエッジによって、ミシン目20が不用意に裂けることがない。
【0042】
次に、包装体30および包装材料10の材質的な特徴について説明する。
なお、一般に、包装材料などの接合にはヒートシール(熱溶着)が用いられるが、ヒートシールにはCPPどうしの溶着が適しており、OPPは、溶着し難いが、十分なシール強度を得るためには必要であるために、CPPを内側としたCPPとOPPのラミネートフィルムを用いるのが一般的である。
このため、本発明の包装材料10および包装体30には、上述したように、第1および第2シート12および14として、共に、図1(c)に示すように、CPP12aおよび14aと、OPP12bおよび14bとをそれぞれドライラミネートによって接着・積層した透明なラミネートフィルム材料が用いられる。このような透明なラミネートフィルム材料を用いることにより、十分なるヒートシール性(熱溶着性)およびシール強度を確保することができる。
したがって、本発明の包装材料10および包装体30においては、第1シート12と第2シート14との接合には、ヒートシール(熱溶着)が用いるのが好ましい。こうして、本発明の包装材料10および包装体30においては、第1シート12および第2シート12の2枚のラミネート材料のCPPどうし、すなわち、CPP12aと14aとを重ね合わせて、接合部16a、16b、16cおよび16dを形成している。
【0043】
また、スリット18の開封性のために、スリット18が形成されている第1シート12のラミネートフィルム材料は、適度な厚み範囲があり、さらに、プリントPの投入時に、プリントPの落下に耐えられる強度が求められる。
ところで、本発明の包装体30および包装材料10においては、第1および第2シート12および14のラミネート材料のOPP(12bおよび14b)のフィルム厚みは、20〜30μmである必要がある。
この理由は、OPPのフィルム厚みが20μm未満では、包装材料10において、図3に示すように、先端が接合された接合部16cを持ち、垂下された状態の単位包装材料11のスリット18から内部空間32にプリントPの束34を落下させて投入する時の衝撃によって、先端(下端)のヒートシールされた接合部16cが破れて底抜け状態になり、または、その虞があり、強度不足となるからである。例えば、プリントサイズ114mm×171mmのプリントPの101枚の束の重さが約540gである時、このプリントPの束34の投入時の落下高さが200mm以上であると、OPPのフィルム厚みが20μm未満では、包装体(袋)30となる単位包装材料11の接合部(ヒートシール部)16cが破れて底抜け状態になってしまうからである。
【0044】
なお、OPPのフィルム厚みが20μmでプリント落下時に袋の底が抜ける高さは、約250mm、OPPのフィルム厚みが30μmで同様の高さは300mmである。15μmになると200mmでも底が抜けるものが発生する。したがって、上述したように、本発明では、OPPのフィルム厚みを、20〜30μmとするのである。
一方、OPPのフィルム厚みが30μm超では、包装材料10において、プリントPの束34が投入された単位包装材料11のスリット18を含む部分を所定幅でヒートシールすると共にスリット18に相当する部分を線状に溶断して接合部16d、および次の単位包装材料11の接合部16cを形成するためのヒートシールの温度が高くなり、装置コストが高くなり、また、ヒートシールのサイクルタイムが長くなり、生産性が低下するからである。
【0045】
ところで、本発明者らは、本発明の包装体(プリントパック)30および包装材料10に用いるために、透明なラミネートフィルム材料の種々の強度試験、特に、第1シート12と第2シート14とのシール部分(接合部16a〜16d)、特に、接合部16cについての強度試験を行い、本発明に要求されるラミネートフィルム材料の強度の点から見た材質的な特徴を明らかにした。
以下に、これらの強度試験および本発明に要求されるラミネートフィルム材料の特徴について説明する。
【0046】
まず、本発明者らは、本発明の包装体(プリントパック)30および包装材料10のための透明なラミネートフィルム材料として、OPP#30/CPP#20(OPP30μm厚みとCPP20μm厚みのドライラミネートフィルム)を用い、図3に示すように、包装材料10において、底部となる先端部に、所定のヒートシール条件で各ラミネートフィルム材料のCPP同士を熱融着(ヒートシール)することにより、接合部16cを形成し、垂下された状態の単位包装材料11に、投入口となるスリット18から写真プリントPの束34を自由落下させて、単位包装材料11のシール部(接合部16c)の強度試験を行い、底抜けを起こさない高さを測定した。
ヒートシール条件は、室温から各加熱温度150℃〜190℃までそれぞれ1秒以内で加熱し、各加熱温度で保持時間0〜1.5秒間だけ保持し、各加熱温度(150℃〜190℃)から90℃まで4.5秒以内で冷却するようにした。
シール部の強度試験は、重さが約540gであるプリントサイズ114mm×171mmのプリントPの101枚の束を、先端に接合部16cを形成した垂下単位包装材料11にスリット18から投入して落下させ、2回連続して底抜けを起こさなかった高さを合格高さとした。
このシール部の強度試験を、同一のヒートシール条件で熱融着した単位包装材料11について3回ずつ行なった。
その結果を表1に示す。
【0047】
【表1】

【0048】
ここで、底抜けは、第1シート12、または第2シート14と、接合部16cとの境界部分の破断によってほとんど生じていた、すなわち、溶融して溶着した部分と溶融しなかった部分の境目(エッジ部分)で破断が生じていたが、部分的に接合部16cの剥がれも見られた。
表1から、加熱温度が150℃および170℃で、加熱温度での保持時間無し(0秒)の場合を除いて、上述したように、合格高さは、平均的に、約300mmであることが分かるが、これらの場合でも、低い方の合格高さは、約250mm前後であるといえる。
しかしならが、ヒートシール条件によっては、最低合格高さが200mmの場合がみられた。
【0049】
ところで、上述したように、包装体(プリントパック)30の長手方向のサイズ(包装材料10のスリット18の間隔)Lが250mmであるので、合格高さは、250mm以上が必要であり、目標高さは、290mmとするのが好ましい。
表1に示すように、これらのヒートシール条件において、合格高さ250mm以上は、ほとんど達成されているし、目標高さ290mmもかなり達成されている。
なお、上述したように、ヒートシール条件によっては、最低合格高さが200mmの場合があるが、本発明の包装材料10を用いる写真自動包装装置(図4および図5参照)においては、包装材料10の先端の接合部16cを持つ単位包装材料11にスリット18からプリントPの束34を投入する時のプリントPの整列性の確保のために、単位包装材料11の下部を支え部材で支える構造であり、支え部材の表面にクッション材等が設けられているので、上述したシール部の強度試験で最低合格高さが200mmであっても、目標高さ290mmを達成することができた。
【0050】
次に、上述したシール部の強度試験において、約250mmの落下が限度となるOPP20μmの時(OPP#20/CPP#30(OPP20μm厚みとCPP30μm厚みのドライラミネートフィルム))のフィルム材料のシール部分(接合部16cおよび16d)の強さを示すシールずれ強度試験も行なった。
ここで、シールずれ強度試験は、シール部分が正しくスリット位置で切断されたもの(シール状態の良いシール部分A)と、シール部分内にスリット位置がずれたもの(シール状態にずれがあるシール部分B)と、の両方の場合について、それぞれ、上述のシール部の強度試験と同じヒートシール条件でシールされた15mm幅のフィルム材料を引き剥がすように、両側から引っ張り、シールが剥がれる力またはシール部分が破断する力を測定した。このシールずれ強度試験は、同一のヒートシール条件で3回ずつ行われ、シール部分を剥がす時または破断する時の最大引張力(剥がすのに必要な最低引張力)を測定し、最大引張強さを求めた。
その結果を表2に示す。
また、参考のために、包装材料用のOPP#20/CPP#30のフィルム材料のヒートシールしていない部分の縦方向および横方向(包装材料10とした時の長手方向および短手方向)の引張強さも測定した。その結果も表2に合わせて示す。
【0051】
【表2】

【0052】
なお、全てのシールずれ強度試験で、シール部分の剥がれは起こらず、溶融して溶着した部分と溶融しなかった部分の境目(エッジ部分)で破断が生じていた。
表2から明らかなように、シール部分Bにおける最大引張強さは、25.1MPa〜32.7MPaであり、その平均引張強さは、27.6MPaであり、シール部分Aにおける最大引張強さは、23.5MPa〜32.5MPaであり、その平均引張強さは、28.5MPaであり、全体の平均引張強さは、28.0MPaであり、両シール部分における最大引張強さに大きな差はなく、シール強度に大きな差がないことが分かった。
しかしながら、包装材料用のフィルム材料のヒートシールしていない部分の縦方向および横方向の引張強さは、異方性があったが、それぞれ、47.1MPaおよび64.3MPaであったので、これに比べ、シール部分Aおよびシール部分Bの全平均最大引張強さは、28.0MPaとかなり小さく、ヒートシールによって強度がかなり低下していることが分かる。
【0053】
また、表2からも明らかなように、同じ厚さの包装材料用のフィルム材料でも、ヒートシール条件によって安定した強度が得られるヒートシール温度は170℃以上であり、ヒートシール温度が190℃を超えるとヒータ回りの部品の寿命が著しく低下するため好ましくない。
従って、本発明の包装材料10および包装体30を作製するための包装材料用のフィルム材料は、170℃〜190℃のヒートシール温度でヒートシールした時に必要なシール強度が得られるものであるのが好ましい。
【0054】
次に、本発明に用いられる包装材料用のフィルム材料(OPPとCPPのドライラミネートフィルム)のフィルム材質A〜Dを変えて、具体的には、OPPとCPPの厚みの組み合わせを変え、または、シールのための加熱位置を変えて、フィルム材料のシール部分(第1シート12と第2シート14との接合部16a〜16d)の引き剥がし強度を測定した。この引き剥がし強度測定においては、ヒートシール条件として、シール温度180℃、昇温保持時間1秒、90℃までの冷却時間4.5秒とし、シールされた15mm幅のフィルム材料を両側から引っ張ってシール部分が引き剥がされる力(N)またはシール部分が破断する力(N)を引き剥がし強度(N/15mm)として測定した。なお、この測定は、各フィルム材料のフィルム材質A〜D毎に4回行った。
その結果を平均値とともに表3に示す。
【0055】
ここで、フィルム材料のフィルム材質A〜Dは、以下の通りである。
フィルム材質A:OPP#20/CPP#30;スリット側ヒータ;全厚50μm
フィルム材質B:OPP#20/CPP#30;反スリット側ヒータ;全厚50μm
フィルム材質C:OPP#30/CPP#30;スリット側ヒータ;全厚60μm
フィルム材質A:OPP#20/CPP#40;スリット側ヒータ;全厚60μm
なお、「スリット側ヒータ」は、フィルム材料を用いた包装材料10のスリット18の側にヒータを配置してヒートシールした場合を示し、「反スリット側ヒータ」は、フィルム材料を用いた包装材料10のスリット18の反対側にヒータを配置してヒートシールした場合を示す。また、「全厚50μm」および「全厚60μm」は、それぞれフィルム材料の総厚みが50μmおよび60μmであることを示す。
【0056】
【表3】

【0057】
表3から明らかなように、フィルム材料の総厚みを厚くすると、引き剥がし強度は向上するし、CPPよりもOPPが厚い方が引き剥がし強度は向上することが分かる。
また、OPPの厚さを厚くすればヒートシール部分の強度は増す、例えば、OPP20μmから30μmへなど10μmで17%程度向上するが、OPPの厚みの増加に従ってヒートシール温度やサイクルタイムは増加し、OPP30μmを超えると、実質的にサイクルタイムが長くなり効率的なヒートシールが難しくなってくる。
また、ラミネート状態のフィルム材料において、ヒートシールのためのヒータ側のフィルム厚さが80μmを超えると、ヒートシールサイクルタイムが著しく長くなるため好ましくない。なお、ヒートシールのサイクルタイムは、フィルム厚みが50μmで加熱180℃、昇温保持時間1秒、冷却時間4.5秒で計5.5秒であったが、80μmでは190℃でも計8秒必要であり、100μmでは10秒を超えた。
【0058】
また、ヒートシールのためのヒータによる加熱は、プリントPの投入口となるスリット18側より行っているが、スリット18側とその反対側とでフィルム厚みが異なる場合には、フィルム厚みの薄い側にヒートシールのためのヒータを配置して、フィルム材料のヒートシールと溶断を行うのが好ましい。片面に厚いフィルム材料を用いることで、プリントPの包装後の包装体30の剛性が高くなり、プリントPの枚数が少ない包装状態でも、内部のプリントPが折れにくくなるので好ましい。この場合でも、ヒータ側のフィルム材料のOPP部分が20〜30μmの厚みの範囲にあり、ラミネート状態で80μmを超えないように、OPPとCPPとがラミネートされたフィルム材料とするのが好ましい。なお、ラミネートフィルム材料の厚みが40μmより薄くなると、プリントPの包装後の包装体30の剛性が低くなり、プリントPの枚数が少ない包装状態では、内部のプリントPが折れやすくなり、また、OPPとラミネートされるCPPの厚みが薄くなりすぎ、2枚のラミネートフィルム材料をそのCPP同士を合わせて精度良くヒートシール部に搬送してヒートシールする際に、良好なヒートシールができなくなる虞があるからである。
以上から、本発明においては、少なくとも、第1のシート12として用いるラミネートフィルム材料の厚みは、40〜80μmであるのが好ましい。特に、好ましくは、OPPとCPPとのいずれも20〜30μmの厚みとした40〜60μmの厚みのOPP/CPPラミネートフィルム材料であるのが良い。
【0059】
次に、包装材料として用いることのできる3種のフィルム材料自体の材料特性の内、ヘイズ、引張強度および引裂強度を測定した。
ここで、測定した3種のフィルム材料は、本発明には用いることができないOPP#40(厚さ40μmのOPPのみからなる)のフィルム材料と、本発明には用いられるOPP#20/CPP#20(厚さ20μmのOPPと厚さ20μmのCPPとからなる)ラミネートフィルム材料およびOPP#20/CPP#30(厚さ20μmのOPPと厚さ30μmのCPPとからなる)ラミネートフィルム材料であった。
また、ヘイズは、JIS K 7105の試験方法に従い、測定機器として、(株)島津製作所UV−200積分球を用いて測定した。
また、引張強度および引裂強度は、それぞれ、JIS K 7027およびJIS K 7028の試験方法に従い、測定機器として、(株)島津製作所オートグラフH−500Nを用いて測定した。
その結果を表4に示す。
【0060】
【表4】

【0061】
上述した表2に示すように、OPP#20/CPP#30のラミネートフィルム材料のヒートシール部の境目の引張り強さは、その平均で約28MPaであった。表4に示すように、ヒートシールしていない元のラミネートフィルム材料自体の引張り強さは、弱い方向(縦方向)で、約41MPaであることから、少なくとも、包装材料10の第1および第2シートとして用いるラミネートフィルム材料の引張り強度は、いずれの方向においても、40MPa以上であるのが好ましい。これは、プリント投入時に、単位包装材料11に破れが生じない落下高さを確保するためには必要な条件とするのが好ましい。
【0062】
さらに、本発明の包装材料10および包装体30には、ミシン目20が入れられているため、このミシン目20の部分が、顧客の開封以前に裂けることを防止しなければならない。表4に示すように、OPP単独では、引裂強度が縦方向で9.3N/mmおよび横方向で8.4N/mmと著しく弱く、裂けやすいため、ミシン目20を入れる時には注意が必要であった。このように、OPP単独では裂けやすいため、CPPとラミネートすることによって、引裂強度を改善した。OPP40μmのみからなるフィルム材料の場合、引裂強度が弱いため、ミシン目20を入れると、包装時に破断した。
したがって、本発明の包装材料および包装体に用いるラミネートフィルム材料は、その引裂強度が、10N/mm以上であるのが好ましい。その理由は、上述したように、ラミネートフィルム材料の引裂強度が、10N/mm未満では、包装時に破断しやすいからである。
【0063】
ところで、本発明の包装材料10および包装体30の第1および第2のシートとして用いられるラミネートフィルム材料では、OPPの延伸倍率を、ロールフィルムに加工した時に、ロールフィルムの長手方向(ロール巻方向)に引張り伸度が大きくなるように、すなわち引張弾性率が小さくなるように配置するのが好ましい。このため、このラミネートフィルム材料のロールフィルムの短手方向(ロール幅方向)では、その逆になり、すなわち引張り伸度が小さくて伸び少なく、引張弾性率は高くなる。したがって、このような延伸倍率の配置は、幅方向(短手方向)に裂けにくく、巻方向(長手方向)に裂きやすい方向となる。
【0064】
このため、本発明に用いられるラミネートフィルム材料は、表4に示すように、縦方向の引裂強度(18.2N/mm、19.0N/mm)に比べ、横方向の引裂強度(54.5N/mm、75.1N/mm)と極めて大きく、大きな異方性がある。
これに対し、本発明の包装材料10および包装体30においては、第1シート12の短手方向にはスリット18が形成されるので、スリット18の端部が裂けることがないように、また、第2シート12の長手方向にはミシン目20が形成されるので、ミシン目20が容易に開封できるように、第1シート12および第2シート14では、共に、短手方向の引裂き強度が、長手方向の引裂き強度よりも大きいのが好ましい。
従って、本発明の包装材料10および包装体30の第1および第2のシート12、14には、上述したラミネートフィルム材料の引裂強度の大きい横方向が、第1および第2のシート12、14の短手方向となり、その引裂強度の小さい縦方向が、長手方向となるように、ラミネートフィルム材料を用いるのが好ましい。
【0065】
次に、本発明の積層包装材料が用いられ、本発明の包装体が作製される写真自動包装装置を用いた写真処理装置について説明する。
図4は、図1に示す本発明の積層包装材料を用いて、図2に示す本発明の包装体を作製する写真自動包装装置を備えた写真処理装置の一実施形態の概略を示す線図的断面図である。
同図に示す写真処理装置(以下、単にプリンタという)40は、デジタルカメラや携帯電話等で撮影された画像(画像データ)に所定の処理を施したプリント用画像や、写真フィルムに撮影された画像を光電的に読み取って、この画像に所定の処理を施したプリント用画像を取得して、このプリント用画像に応じて変調した光ビームによって感光材料A(印画紙)を像様に露光して潜像を形成し、露光済の感光材料Aに所定の現像処理を施して(仕上がり写真)プリントPを作製し、さらに、図1(a)〜(c)に示す本発明の積層包装材料(包装材料)10を用いて1件毎にプリントPの束34を自動包装(パッキング)し、図2(a)〜(c)に示す本発明の包装体(以下、プリントパックという)30とするものである。
図示例において、プリンタ40は、画像形成装置として機能する、感光材料Aにプリント用画像の露光焼付を行う露光焼付装置42および露光済感光材料Aを現像処理するプロセサ48と、写真自動包装装置(以下、単にパッカーという)50とを有する。
なお、特に説明はしないが、感光材料Aは、搬送ローラ対やガイド等の公知の搬送手段によって、各部位に搬送される。
【0066】
露光焼付装置42は、感光材料Aを、作製されるプリントに応じたプリントサイズに切断して、切断済のカットシート状感光材料Aにバックプリントを記録して、前述のプリント用画像(データ)に応じて変調された光ビームLによって感光材料Aを像様に露光して潜像を記録し、露光済の感光材料Aをプロセサ48に供給するものである。
露光焼付装置42には、感光材料Aを巻回してなる感光材料ロール42aを収容するマガジン42bが所定位置に装填され、さらに、バックプリンタ42cと、露光ユニット42dと、2つの副走査搬送ローラ対42eとが設けられている。
図示例のプリンタ40は、2個のマガジン42bを装填可能となっている。感光材料Aは、マガジン42bから引き出されて、カッタ42fによってプリントサイズに応じて切断され、カットシート状感光材料Aとされた後、バックプリンタ42cによってバックプリントを記録され、副走査搬送ローラ対42eに供給される。
【0067】
前述のプリント用画像は、露光ユニット42dに供給される。
露光ユニット42dは、プリント用画像に応じて変調した光ビームL(記録光)を主走査方向(図4においては、紙面に垂直方向)に偏向して、所定の露光位置に入射する。一方、感光材料Aは、搬送方向に露光位置を挟んで配置される副走査搬送ローラ対42eによって、前記露光位置に位置されつつ、主走査方向と直交する副走査方向に走査搬送される。したがって、感光材料Aは、画像に応じて変調された光ビームLによって二次元的に走査露光され、全面に潜像を記録される。
潜像を記録された感光材料Aは、次いで、プロセサ48に供給される。
【0068】
プロセサ48は、プリント用画像が潜像として形成されている感光材料Aを、現像処理し、乾燥して、後段のパッカー50に送り出すもので、現像部44および乾燥部45、排出部46を有する。
露光焼付装置42で潜像を形成され、プロセサ48に供給された感光材料Aは、まず、現像部44において、現像槽44aで潜像が現像されて顕像とされ、漂白/定着槽44bbで漂白および定着が行われ、4つの水洗槽44cで水洗されて、乾燥部45に搬送される。現像済の感光材料Aは、次いで、乾燥部45においてヒータや温風等によって乾燥され、排出部46の出口ローラ対46bから、(仕上がり写真)プリントPとしてパッカー50に排出される。
ここで、図示例のプリンタ40においては、例えば、ハガキサイズよりも大きなプリントなど、所定サイズよりも大型のプリントPは、パッカー50には搬送せず、排出部46から上方の大サイズプリント排出部46aに排出する。
なお、この搬送路の切り替えは、例えば切り替えガイドを用いる方法等の公知の方法で行えばよい。
【0069】
パッカー50は、プロセサ48の排出部46の出口ローラ対46bから排出されたプリントPを1件毎に集積して、プリントの束(プリント積層体)34を包装して、プリントパック30とする自動包装する写真自動包装装置(パッキング装置)であり、集積部56と、搬送部58と、投入部60と、図1に示す本発明の積層包装材料10が適用される包装材料10の供給部62と、包装材料10のスリット18の開口用ファン63と、包装材料10の保持部64と、包装材料10のシール/カット部66と、プリント投入負荷軽減台68と、製品収容部70とを有する。ここで、開口用ファン63、保持部64、シール/カット部66およびプリント投入負荷軽減台68は、包装部を構成する。
【0070】
図5(a)に、集積部56、搬送部58、投入部60、供給部62および包装部の詳細を含むパッカー50の一実施形態の概略を拡大して示す線図的正面断面図であり、図5(b)は、図5(a)に示すパッカー50の部分平面図である。
なお、図4および図5においては、集積部56、搬送部58および投入部60の各部におけるプリントPの搬送の様子を分かり易くするために、上記各部にプリントPの束、すなわち積層体(以下、プリント積層体ともいう)34を示しているが、実際のプリントPの搬送時には、必ずしも上記各部にプリントPが搬送されているわけではない。例えば、本実施形態においては、後述するように、搬送部58から投入部60へのプリントPの搬送およびそれに続く包装材料10へのプリントPの投入は連続的に行われるので、搬送部58にプリントPの積層体34が搬送されたときには、投入部60および包装材料10はプリント投入待機状態となり、他のプリント積層体34は、搬送・投入されていない。
【0071】
集積部56は、出口ローラ対46bから排出されたプリントPを集積すると共に、搬送方向と直交する方向(以下、幅方向とする)にプリントPを揃えて、下流の搬送部58に搬送するものである。
図示例において、集積部56は、コンベア72と、幅寄せガイド74と、後述する幅寄せガイド74の駆動手段および付勢手段(共に図示せず)とを有する。幅寄せガイド74は、図5(b)に示すように、コンベア72の幅方向の両側に配置されている。
【0072】
コンベア72は、1対のローラ76,76と、このローラ76,76に張架されるエンドレスベルト78とからなる公知のベルトコンベアで、プリントPを集積してその下流の搬送部58へ搬送する。エンドレスベルト78は、出口ローラ対46b(プリント排出部)から排出されたプリントPを集積する集積台として機能する。ローラ76,76は、それぞれ、その回転軸が、幅方向の両側に設けられた支持板76a,76a(図5(b)参照)に、それぞれ支承されている。
コンベア72は、出口ローラ対46bから排出されたプリントPがエンドレスベルト78上に集積されるように、天地方向には出口ローラ対46bの下方で、かつ、プリントPの搬送方向には、上流側のローラ76(すなわち、エンドレスベルト78の搬送面の上流側端部)が出口ローラ対46bとほぼ同位置(図示例ではわずかに下流の位置)か、それよりも上流に配置される。また、エンドレスベルト78の幅は、対応するプリントPの幅方向の最小サイズよりも狭くなっており、後述する幅寄せガイド74をプリントPの幅方向端部に当接させて、幅寄せガイド74による幅寄せを確実に行えるようにしている。
【0073】
集積部56のコンベア72においては、出口ローラ対46bから排出されたプリントPが、所定位置よりも下流側に行ってしまうのを防止するために、エンドレスベルト78の表面(外周面)に、プリントPの排出時に排出位置(集積位置)よりも下流に位置する、突起や壁部などの規制部材78aを設けるのが好ましい。
また、コンベア72によるプリントPの搬送をより確実するために、エンドレスベルト78の表面に、プリントPの排出時に出口ローラ対46bによるプリントPの排出位置(プリントPの集積位置)よりも上流側に位置する、突起や壁部などの押圧部材78bを有するのが好ましい。
【0074】
幅寄せガイド74,74は、コンベア72のエンドレスベルト78の幅方向の両側に、エンドレスベルト78を挟むようにして、そのガイド面を対向させて配置される一対の板状ガイド部材(規制部材)である。幅寄せガイド74,74は、プリントPの幅よりも広い間隔を空けて配置されている。また、幅寄せガイド74,74は、集積部56において集積する最大集積枚数に対応する最大積層高さを超える高さを有しているのが好ましい。なお、集積部56における最大集積枚数は、プリントパック30におけるプリントPの最大収容枚数、例えば101枚等に応じて決定される。
2枚の幅寄せガイド74,74は、ソレノイド等を用いる公知の駆動手段によって、図5(b)に矢印aで示す方向に同期して往復動されることにより、図5(b)中に点線で示すように、コンベア72上に排出/集積されたプリントPを幅方向の両側から挟むようにプリントPの端部に当接して、出口ローラ対46bから排出されたプリントPを幅方向に移動させて、プリントPの幅方向の位置を規制し、集積されたプリントPを幅方向に揃える、すなわち、幅寄せする。
【0075】
集積部56においては、この幅寄せガイド74,74は、プリントPの集積台となるエンドレスベルト78上に所定枚数のプリントPが集積されるごとに、すなわち、エンドレスベルト78上に所定枚数のプリントPが排出され集積された後、次のプリントPが排出される前に、エンドレスベルト78に集積されたプリントPを一対の幅寄せガイド74,74で挟む位置まで、幅寄せガイド74,74を往復動させて、プリントPの幅方向の端部を揃える。
なお、集積部56における幅寄せガイド74,74の駆動タイミング、すなわちプリントPを揃えるタイミング、またはプリントPの枚数には特に限定はなく、積層されたプリントPを移動して幅方向の位置を揃えることができる枚数に応じて適宜設定すれば良く、出口ローラ対46bから排出されて、設定された所定枚数のプリントPが集積された後、次のプリントPが排出される前に、幅寄せガイド74を駆動して、プリントPを揃えればよい。例えば、プリントPが1枚排出されるごとに、幅寄せガイド74を駆動してもよいし、2枚以上の所定の枚数が排出されるごとに駆動してもよい。
【0076】
なお、プリントPにかかる負担を考えると、幅寄せガイド74,74による押圧力は、小さい方が好ましい。特に、図示例のような写真プリントは、比較的、表面の摩擦係数が大きいので、あまり枚数を重ねると、幅寄せに大きな力が必要になる。また、少ない枚数毎に幅寄せを行う方が、確実かつ整然とプリントを揃えることができる。
以上の点を考慮すると、集積部56では、5枚以下の適宜設定された枚数のプリントPが排出される毎に、幅寄せガイド74を駆動してプリントPを揃えるのが好ましく、特に2枚毎、中でも特に1枚のプリントが排出される毎に、幅寄せガイド74を駆動してプリントPを揃えるのが好ましい。なお、より確実に幅寄せを行うために、1度の幅寄せガイド74の駆動のタイミングにつき、幅寄せガイド74をプリントPに複数回当接させるようにしてもよい。
【0077】
また、幅寄せガイド74,74は、プリント積層体34を軽く押圧するように内側に向けて付勢されているのが好ましいが、高さ方向には自由度があり、すなわちガイド面が高さ方向に傾斜可能であるのがより好ましい。例えば、幅寄せガイド74,74の下側に弱いばねを、上側に強いばねを用いることにより、幅寄せガイド74,74を上方に向かって内側に傾斜させて、プリントPのカールの分だけ両幅寄せガイド74,74間の間隔が狭くなるよう構成し、最少枚数を変形させずに、全部のプリントPを適切に幅寄せすることができる。この理由は、プリントPは、出口ローラ対46bから排出され、エンドレスベルト78上に集積された直後では幅方向にカールしているが、時間が経つにつれて伸びていくので、プリント積層体34は、上方に向かって幅が狭くなるが、時間が経つにつれて同じ幅になるからである。
また、幅寄せガイド74の付勢手段としては、ばね以外にも、必要な付勢力およびたわみ量(ストローク)を得られるものであれば、気体または液体を用いたシリンダーや、弾性部材等を利用することもできる。
【0078】
次に、搬送部58は、集積部56で集積され、幅方向に揃えられたプリント積層体34を受け取って、下流の投入部60へ搬送する部位であり、コンベア80と、カール潰しローラ82と、図示しないコンベア80の揺動手段とを有する。
コンベア80は、エンドレスベルト84と、このエンドレスベルト84を張架する1対のローラ86,86とからなる、公知のベルトコンベアである。図示例において、搬送部58は、幅方向に平行に配置されて同期駆動される2組のコンベア80,80を有している。各コンベア80のローラ86,86は、それぞれその回転軸が、幅方向の両側に設けられた支持板86a,86a(図5(b)参照)に、それぞれ支承されている。なお、2つのコンベア80,80の各支持板86aは、一体的な部材となっている。また、両コンベア80,80のエンドレスベルト84,84の搬送面は、同一平面とされており、プリントPの最小幅より狭い間隔で配置されている。
【0079】
図示例において、2組のコンベア80,80は、集積部56のコンベア72を幅方向に挟む位置に配されており、その上流側のローラ86,86の回転軸と、集積部56のコンベア72の下流側のローラ76の回転軸とが、幅方向に延在する直線状(同軸)になるように配置されている。また、ローラ76およびローラ86のローラ径は略同一とされており、コンベア80のベルト搬送面をほぼ水平にした状態(図5(a)に実線で示す)において、エンドレスベルト78およびエンドレスベルト84による搬送面は、略同一平面とされている。これにより、集積部56と搬送部58とで搬送領域を重ねて、集積部56から搬送部58へのプリント積層体34の搬送を確実にしている。それと共に、コンベア80および集積部56のコンベア72によるプリントPの搬送方向は、略直線状となっており、集積部56から搬送部58にプリント積層体34を搬送する際の搬送路が、直線状に構成されている。
【0080】
後述するが、コンベア80は、投入部60にプリント積層体34を搬送する際には、下流側のローラ86を中心にして矢印b方向に上流側を持ち上げて、搬送方向を斜め下方にするように傾斜することができる(図5(a)に点線で示す)。
この際に、プリント積層体34が搬送方向に崩れるのを防止するために、コンベア80のエンドレスベルト84の表面(外周面)には、プリントパック30におけるプリントPの最大収容枚数等に応じた最大積層高さよりも高い壁部88が立設される。コンベア80は、この壁部88が、集積部56からプリント積層体34を受け取る際にプリント積層体34よりも下流側に位置し、かつ、搬入終了時にコンベア80の上面に位置するように、駆動を制御される。
また、集積部56のコンベア72と同様に、プリント積層体34の搬送をより確実するために、エンドレスベルト84の表面に、プリント積層体34が完全にコンベア80に載った時点でプリント積層体34よりも上流に位置する、突起や壁部などの押圧部材84aを有するのが好ましい。
【0081】
搬送部58は、好ましい態様として、カール潰しローラ82を有している。
上述のように、プロセサ48の出口ローラ対46bから排出された直後のプリントPは大きくカールしており、時間が経つとともにカール量が減少する。そのため、プリント積層体34の各プリントPは、異なるカールを有している場合がある。
カール潰しローラ82は、プリント積層体34の幅方向中央部を上方から押圧することにより、プリントPのカールを潰して矯正しつつ、各プリントPのカールが異なることによって嵩んだプリント積層体34の高さを押さえ込む。
このように、カール潰しローラ82などのカール矯正手段を有することにより、プリントPのカールによって、プリント積層体34が包装材料10に入り難くなることを防止でき、より確実にプリント積層体34を包装材料10に投入できる。
また、プリント積層体34は、先の工程の集積部56において、幅方向の中央を基準にして位置が揃えられているので、カール潰しローラ82によって押圧されたプリント積層体34のエッジは揃った状態となっている。
【0082】
図示例において、カール潰しローラ82は、エンドレスベルト84,84によって搬送されるプリント積層体34の幅方向の中央部に対応する位置に、エンドレスベルト84,84による搬送面に対向して設けられている。カール潰しローラ82は、棒状のアーム90の一端に軸支されている。アーム90の他端は、固定軸92に揺動可能に支持されており、図示しない駆動源によってアーム90を揺動することにより、図中に矢印cに示すように、カール潰しローラ82を固定軸92を中心に回動させて上下動させる。
集積部56から搬送部58にプリント積層体34が搬入される前は、カール潰しローラ82は、上方に移動している。集積部56から搬送部58にプリント積層体34が搬送されたら、カール潰しローラ82を下方に移動して、上方からプリント積層体34を押圧して、カールを矯正する。
なお、カール潰しローラ82は、従動ローラ(アイドルローラ)であってもよいし、後述する投入部60へのプリント積層体34の搬送に同期して回転駆動される駆動ローラであってもよい。
【0083】
搬送部58のコンベア80は、下流側のローラ86の回転軸を中心に揺動可能となっており、図示しない駆動源によって例えば上流側のローラ86を持ち上げることにより、図5(a)に点線で示すように、下流側を下方にして斜めになり、後述する投入部60のコンベア96と同角度(略同角度)となる。なお、このコンベア80の揺動に同期してカール潰しローラ82も移動し、カール潰しローラ82は、コンベア80が斜めになった状態でもプリント積層体34を押圧している。また、後述するが、コンベア80と投入部60のコンベア96とは、ローラの回転軸が直線状(同軸)となるように配置されるので、両者が同角度となった状態で、搬送経路が直線状になる。
【0084】
搬送部58においては、コンベア80を水平にした状態で集積部56からプリント積層体34を受け取り、その後、コンベア80の上流側を持ち上げて投入部60のコンベア96と同角度とし、この状態で投入部60にプリント積層体34を搬送する。これにより、搬送部58は、投入部60と(略)同角度の斜め下方への搬送で、直線状の搬送経路でプリント積層体34を投入部60に搬送する。
このようにして、両者の搬送方向を直線状にすることにより、プリント積層体34を搬送部58から投入部60に搬送する際に、プリント積層体34が崩れる事を防止できる。
【0085】
投入部60は、搬送部58から受け取ったプリント積層体34を、プリントPの幅方向と直交する方向に、かつ斜め下方に搬送することにより、プリント包装袋となる包装材料10に投入(挿入)するものである。図示例において、投入部60は、コンベア96と、シャッタ98と、ガイド板100と、ガイド板100(またはその支持部材)に軸支される2つのカール潰しローラ102とを有する。なお、ここで用いられる包装材料10としては、図1に示す本発明の積層包装材料10が適用される。
【0086】
コンベア96は、1対のローラ104,104と、このローラ104,104に張架されるエンドレスベルト106とからなる、公知のベルトコンベアで、搬送方向を下方に向けて斜めに配置されている。ローラ104は、前述のローラ76、86を軸支する支持板76a、86aと同様の支持板(図示せず)に軸支されている。コンベア96は、搬送部58の2組のコンベア80,80に幅方向に挟まれる位置に配されており、前述の集積部56と搬送部58との配置関係と同様に、投入部60のコンベア96の上流側のローラ104の回転軸と、搬送部58のコンベア80の下流側のローラ86の回転軸とが、幅方向に延在する直線状(同軸)となるように配置される。また、ローラ86ローラ104のローラ径は略同一とされており、図5(a)に破線で示すように、搬送部58のコンベア80を傾斜させた状態において、エンドレスベルト84およびエンドレスベルト106による搬送面は、略同一平面とされている。これにより、搬送部58と投入部60(両者のコンベア)で搬送領域を重ね、確実な搬送を可能にしていると共に、搬送部58と投入部60におけるプリント積層体34の搬送経路をより好適に直線状にすることを可能にしている。
図示例のプリンタ40においては、この斜め下方の搬送と重力落下とによって、プリント積層体34を包装材料10のプリント挿入口である(図1に示す本発明の積層包装材料10)のスリット18に投入する。
【0087】
搬送されたプリント積層体34が崩れるのを防止し、かつ、落下するのを防止するために、コンベア96のエンドレスベルト106の表面には、プリントパック30におけるプリントPの最大収容枚数等に応じた最大積層高さを超える高さを有する、壁部108が立設されるのが好ましい。コンベア96は、この壁部108が、搬送部58からプリント積層体34を受け取る際にプリント積層体34よりも下流側に位置し、かつ、搬入終了時にコンベア96の上面に位置するように、駆動を制御される。
また、集積部56のコンベア72等と同様に、プリント積層体34の搬送をより確実にするために、エンドレスベルト106の表面に、プリント積層体34が完全にコンベア96に載った時点で、プリント積層体34よりも上流に位置する、突起や壁部などの押圧部材106aを有するのが好ましい。
【0088】
ここで、プリント積層体34を包装材料10に投入する際のコンベア96の搬送速度には、特に限定はないが、プリント積層体34の自由落下速度よりも高速とするのが好ましい。
これにより、包装材料10への投入時にプリント積層体34が崩れるのを、より確実に防止でき、整然と積層した状態で、より確実にプリント積層体34を包装材料10に投入することが可能になる。
また、押圧部材106aによってプリント積層体34の後端を押し出すように、コンベア96を駆動することにより、プリント積層体34の搬送方向の乱れを少なくし、確実かつ高速に、プリント積層体34を包装材料10へ投入することができ、プリントパック30におけるプリントPの長さ方向の乱れを小さくすることができる。
【0089】
ガイド板100は、プリントPの全幅に亘る幅を有する板状の部材であり、プリント積層体34の最大枚数およびカール量に応じた最大高さ分だけエンドレスベルトと離間して配置される。
図示例においては、ガイド板100は、上流側(プリント搬入部分)の所定区間において、搬送方向に向かって漸次下方(コンベア96の搬送面に近付く方向)に傾斜し、次いで、コンベア96の搬送面に平行となる形状を有する。なお、ガイド板100の幅方向の中央部には、押圧部材106aおよび壁部108が通過するためにスリット状の開口が形成される。
【0090】
このガイド板100は、投入部60に搬送されたプリント積層体34の上端に当接して高さを規制すると共に、カール潰しローラ102を軸支し、かつ、搬送部58から搬送されるプリント積層体34を上流側のカール潰しローラ102の下方に案内する。
前述のように、プリントPは、上面を凹にして幅方向に湾曲したカール形状となっているので、ガイド板100には、プリントPの幅方向の端部が当接する。したがって、このガイド板100がプリントPの画像面等を損傷して、プリントPの製品としての品質を低下させることは無い。
また、カール潰しローラ102は、先のカール潰しローラ82と同様に、プリント積層体34を上方から押圧することにより、プリントのカールを矯正する。なお、カール潰しローラ102は、好ましい態様として設けられるものであり、プリントPの紙質等によってカールの少ない場合には、カール潰しローラ102を設けなくともよい。
【0091】
シャッタ98は、主に、包装材料10へのプリント積層体34の投入時における幅方向および落下方向のガイド部材として作用するものである。
図示例において、シャッタ98は、幅方向の端部を軸支されて、図5(b)に矢印cで示すように中央から両側に向けて開く2枚の扉98aで構成される、いわゆる観音開きによって開閉するシャッタである。また、扉98aは、開放状態で搬送方向より見た際に、略L字状の断面形状を有する。
2枚の扉98aは、開放した状態で、少なくともその先端部が包装材料10のスリット18から包装材料10の内部空間32に挿入される。これにより、シャッタ98によるガイドとしての機能を、より好適なものにしている。
【0092】
このように、図示例のパッカー50においては、集積部56から搬送部58へプリント積層体34を移送した後、搬送部58の搬送路が投入部60の搬送路と直線的になるように搬送部58を傾斜させて、投入部60と同角度の斜め下方への搬送によって、直線状の搬送経路で投入部60にプリント積層体34を搬送している。この構成により、この搬送時にプリント積層体34が乱れたり崩れたりすることを防止でき、より確実なプリント投入が可能となる。
また、搬送部58と投入部60とを直線的な搬送路とすることにより、搬送部58から投入部60へのプリント積層体34の移送に続けて投入部60から包装材料10へのプリント積層体34の投入を行っている。この構成によれば、プリント積層体34が搬送方向に乱れるのを抑制しつつ、高速で確実に包装材料10に投入できる。
また、図示例のように、集積部56と投入部60との間に搬送部58を設け、この搬送部58を傾けて投入部60にプリント積層体34を搬送する構成とすることにより、集積部56で1件分のプリントを集積して搬送部58に搬送した後、直ちに次の件のプリントPの集積を行うことができるので、円滑で効率の良いプリント生産が可能になる。
【0093】
しかしながら、本実施形態のパッカーにおいては、これには限定されず、プリントの集積後から投入までの工程を他の構成によって行ってもよい。
例えば、投入部60に代えて、搬送部58から包装材料10のスリット18へプリント積層体34を案内する投入ガイドを設け、搬送部58のエンドレスベルト84によって搬送され押圧部材84aによって押し出されたプリント積層体34が、この投入ガイドに沿って落下することにより、包装材料10へ投入されるようにしてもよい。
また、搬送部58を設けることなく、集積部56に続けて投入ガイドを有する投入部を配置してもよい。
【0094】
また、例えば、集積部56において、コンベア72に代えてプリントPの投入方向に傾斜可能な集積台を設け、出口ローラ対46bから排出されたプリントPを上述のように幅寄せしながら集積し、集積後に集積台を傾けることによりその先端部(プリントPの搬送方向下流側端部)を包装材料10のスリット18へ向けて、集積したプリント積層体34を包装材料10に投入する構成としてもよい。
【0095】
また、本実施形態のように、プリント積層体34を落下させて包装材料10に投入することにより、複雑な装置構成を有することなくプリントパック30を作製することができるが、本実施形態のパッカーはこれには限定されず、包装材料10へのプリント積層体34の挿入は、各種の形態によって行うことができる。
例えば、プリント積層体34の載置台を水平にしたまま、プリント積層体34を後方から押し出すことにより、包装材料10に挿入してもよいし、プリント積層体34の把持手段を設け、把持手段により把持したプリント積層体34を包装材料10に挿入するようにしてもよい。
何れの場合にも、プリントPの集積時に、その幅方向の位置が揃えられているので、小型の包装袋に、整頓した状態で、プリント積層体34を挿入して、プリントパックを作製することができる。
【0096】
次に、図5に示すように、包装材料10の供給部62は、包装材ロール110から包装材料10を巻き出して、その保持部64の保持位置、すなわち投入部60によるプリント投入位置に供給するものである。供給部62は、包装材ロール110から巻き出された包装材料10を保持部64の保持位置に搬送する挟持搬送ローラ対112と、所定間隔離間して配置され、包装材ロール110を回転可能に載置する2つの送出しローラ114と、挟持搬送ローラ対112と送出しローラ114との間に配置されるアイドルローラ116と、挟持搬送ローラ対112とアイドルローラ116との間に上下動可能に配置されるダンサーローラ118と、挟持搬送ローラ対112と包装材料10の支持部との間に配置される送り量検出センサ120と、ダンサーローラ118の通過する位置に配置されるループ検出センサ122とを備える。
図5に示すパッカー50に用いられる包装材料10は、図1および図3に示すように、
2枚の透明かつ長尺な第1シート12および第2シート14を重ね合わせて幅方向の端部16aおよび16bで接着してなる筒状の透明な帯状シートであって、一面には、1つのプリントパック30に対応する間隔Lで、長手方向と直交する方向に延在してスリット18が形成されている。包装材料10は、図3に示すように、スリット18が形成されている第1シート12側が上側になるように、ロール状に巻回された包装材料ロール110としてパッカー50に供給され、包装材料供給部62に装填される。
【0097】
包装材料10の供給部62において、2つの送出しローラ114は、その間に包装材料ロール110を、包装材料10のスリット18を有する面を投入部60に向けた状態で、載置して、回転可能に支持するもので、包装材料10の装填部を構成する。2つの送出しローラ114は、矢印d方向に回転して、包装材料ロール110を矢印e方向に回転させることにより、包装材料ロール110から包装材料10を矢印f方向に巻き出してアイドルローラ116に送る。
なお、図5において、実線で示される包装材料ロール110は、その巻径は大きく、使用始めの状態を示し、点線で示される包装材料ロール110は、その巻径が小さく、使用終了に近い状態を示す。ここから分かるように、2つの送出しローラ114は、その間の隙間が、使用終了状態の包装材料ロール110の巻径、すなわち、最小巻径よりも狭く、包装材料ロール110の使用終了まで、包装材料ロール110が落下することのないように、包装材料ロール110を支持できるように配置される。なお、送出しローラ114の径は、包装材料ロール110を回転可能に支持できれば、特に制限されない。
【0098】
アイドルローラ116は、巻径が変わる包装材料ロール110から巻き出される包装材料10の送出し位置が一定となるように配置位置が固定された従動ローラである。アイドルローラ116を経た包装材料10は、ダンサーローラ118に送られる。
ダンサーローラ118は、挟持搬送ローラ対112とアイドルローラ116との間に張架された包装材料10によって支持され、包装材料ロール110の巻径の変化に応じて矢印gで示す上下方向に移動(揺動)して、包装材料ロール110の巻径の変化よる負荷変動、すなわち包装材料10にかかる張力の変動を緩和し、挟持搬送ローラ対112に搬送される包装材料10にかかる張力(テンション)を一定になるように調整し、その結果、挟持搬送ローラ112による包装材料10の搬送量(送り量)を一定にするとともに、挟持搬送ローラ対112による包装材料10の搬送と停止との影響(速度差)が包装材料ロール110からの包装材料10の巻き出しに及ばないようにするためのものである。
なお、アイドルローラ116およびダンサーローラ118は、2つの送出しローラ114に載置された包装材料ロール110から挟持搬送ローラ対112に包装材料10を案内する搬送案内部を構成する。
【0099】
挟持搬送ローラ対112は、包装材料ロール110から巻き出された包装材料10を保持部64における包装材料10の保持位置(プリント投入位置)および包装材料10のシール/カット部66における包装材料10の保持位置(ヒートシール位置)に停止させることができるように所定の搬送量で正確に送出すためのものである。
送り量検出センサ120は、挟持搬送ローラ対112によって搬送される包装材料10の搬送量を検出するためのものであり、ループ検出センサ122は、ダンサーローラ118の位置を検出し、包装材料ロール110から包装材料10ほとんど全て巻き出され、ダンサーローラ118が、包装材料10によって支持されなくなるタイミングを予め検出するためのものである。
【0100】
供給部62は、以上の構成により、包装材料10を包装材料ロール110から最後まで巻き出すことができるし、挟持搬送ローラ対112によって、巻き出された包装材料10を、そのスリット18を有する面を投入部60に向けて、所定の経路で、包装材料10の保持部64およびシール/カット部66の所要の位置に正確に搬送することができる。なお、供給部62において、2つの送出しローラ114に載置された包装材料ロール110から保持部64に至る包装材料10の所定の搬送経路には、アイドルローラ116、ダンサーローラ118および搬送ローラ対112の他、図示しない搬送ガイドや搬送ローラ等を有していても良い。
供給部62における包装材料10の搬送は、例えば、包装材料10のスリット18が投入部60のコンベア96の下端よりも若干下方に来た位置等、スリット18が投入部60からのプリント積層体34の投入に対応する位置に来た時点で停止する。このとき、上述した送り量検出センサ120によって、包装材料10の位置決めマーク22等を検出することによっても、包装材料10の停止位置の制御を行うことができる。
【0101】
包装材料10のスリット18の開口用ファン63は、挟持搬送ローラ対112によって保持部64に搬送されている包装材料10の末端の単位包装材料11(下端が接合部16cで封止されている;図3参照)のスリット18を、上方からの風を吹き付けて図5中矢印h方向に開かせ、さらに単位包装材料11を膨らませ、スリット18の開き方を大きくして、投入部60からプリント積層体(束)34が投入可能な状態にスリット18を開口させるためのものである。
なお、スリット18の開口手段としては、この開口用ファン63に限定されず、単位包装材料11のスリット18の直下の第1シート12を保持(例えば、吸引保持)して、単位包装材料11の第1シート12を外側に、すなわち開く方向に移動することで、単位包装材料11のスリット18を開口させても良い。さらに、開口用ファン63と第1シートを保持する開口手段とを併用しても良い。
開口用ファン63は、単位包装材料11へのプリントの束34の投入が終わると、送風を停止する。
【0102】
保持部64は、プリント包装袋となる包装材料10の末端の単位包装材料11のプリント挿入口(スリット18)を上方に向けて開口させた状態で、単位包装材料11(プリントパック30を作製する部分)を垂下して保持するもので、単位包装材料11の両側端の接合部16aおよび16bを含む位置を把持する2組の把持部材64aおよび64bを有する。
各組の把持部材64a,64bは、単位包装材料11のスリット18が所定位置にくると、単位包装材料11のスリット18の近傍であって、スリット18の開閉を妨げない位置であって、単位包装材料11の両側端の接合部16aまたは16bを含む位置を把持する。例えば、2組の把持部材64a,64bは、それぞれ単位包装材料11のスリット18の両側端部分、すなわち接合部16aおよび16bを把持する。把持部材64a,64bとしては、ピンチアーム等の公知の把持具や把持手段を用いることができる。また、把持部材64a,64bによる把持力は、把持部から垂下する袋状の単位包装材料11にプリントPが投入されたときの重量を支えるのに十分な大きさとすればよい。
【0103】
また、把持部材64a,64bは、単位包装材料11へのプリントPの束34の投入が終わると、プリントPの束34を収容した単位包装材料11を把持したまま、下方に移動し、この単位包装材料11のスリット18がシール/カット部66に対応する位置にくるように、単位包装材料11を下方に移動させて停止し、後述する単位包装材料11のスリット18部分のシール/カットが終わると、プリントPの束34を収容した単位包装材料11の上端の16dが形成されたプリントパック30を解放すると共に、再び、上方に移動して、次のプリント包装袋となるべく供給された、末端の接合部16cが形成された次の単位包装材料11の所定部分(スリット18の近傍)を把持する。
【0104】
シール/カット部66は、プリントPの束34を収容した単位包装材料11のスリット18の近傍を長手方向に所定幅を融着して、プリントPの束34が挿入された単位包装材料11を封止(ヒートシール)して図中上端の接合部16dを形成してプリントパック30を作製し、長尺な包装材料10から切り離すと共に、長尺な包装材料10の末端を封止する接合部16cが形成された単位包装材料11を作製するものである。好ましい形態として、シール/カット部66は、包装材料10の単位包装材料11の短手方向(幅方向)に延在し、単位包装材料11のスリット18部分の熱融着と切断(溶断)を同時に行うことのできる溶断ヒータ66aと、この溶断ヒータ66aがその先端に取り付けられ、水平に往復動するヒートシール開閉ブロック66bと、単位包装材料11のスリット18部分を確実に隙間が生じないように溶断ヒータ66aに押し付ける押付スポンジ等の押付材66cと、この押付材66cがその先端に取り付けられ、水平に往復動するヒートシール開閉ブロック66dとを備える。
ここで、図4および図5に示すように、溶断ヒータ66aは、その中心(単位包装材料11の搬送方向(図中上下方向)の中心)に、短手方向(幅方向)に延在する微小な凸部を有する。なお、溶断ヒータ66aが取り付けられる開閉ブロック66b、単位包装材料11を溶断ヒータ66aに押し付ける押付材66cおよび押付材66cが取り付けられ開閉ブロック66dは、溶断ヒータ66aと同様に単位包装材料11の幅方向に延在する。
【0105】
開閉ブロック66bおよび66dは、互いに開閉するように水平に往復動して、単位包装材料11のスリット18部分のヒートシール時には、溶断ヒータ66aと押付材66cとの間に単位包装材料11を所定の圧力で挟み、溶断ヒータ66aを押付材66cで支持された単位包装材料11のスリット18部分を隙間なく確実に当接させ、かつ均等な圧力で押し付け、ヒートシール以外の時には、単位包装材料11から互いに離間するように、溶断ヒータ66aと押付材66cとを開閉するものである。
なお、押付材66cは、溶断ヒータ66aを単位包装材料11のスリット18部分を隙間なく確実に当接させ、かつ均等な圧力で押し付けることができるように、その裏側から単位包装材料11を支持することができればどのようなものでも良いが、当接の確実化や押付圧の均一化のためには、スポンジ等の柔軟性材料が好ましい。
図示例では、シール/カット部66の溶断ヒータ66aによる単位包装材料11のヒートシールを、スリット18が形成されている第1シート12側から行なっているが、本発明はこれに限定されず、第2シート14側から行なっても良いが、第1シート12と第2シート14との厚みの薄い側からヒートシールを行なうようにするのが、ヒートシールのサイクルタイムを短くできるので、生産性の点から好ましい。
【0106】
ここで、保持部64からシール/カット部66への包装材料10の送り出しは、単位包装材料11を把持している把持部材64a,64bの移動によって行なわれ、溶断ヒータ66aのヒータ中心の凸部がスリット18と一致する位置で停止する。次いで、シール/カット部66の溶断ヒータ66aを包装材料10に押圧して、スリット18の上部(接合部16cとなる)および下部(接合部16dとなる)で包装材料10をヒートシール(閉塞)し、かつ、溶断ヒータ66aの中央の凸部によってスリット18で包装材料10の単位包装材料11を切断(溶断)する。
これにより、次にプリントPの束34を収容する包装材料10の単位包装材料11の下端(包装材料ロール110に繋がる包装材料10の下端)を閉塞して接合部16cを形成し、かつ、1件のプリントP束34を収容する単位包装材料11の上端を閉塞して接合部16を形成しかつ切断して、1個のプリントパック30を完成させる。
なお、シール/カット部66は、上記のものには限定されず、ヒートシーラとカッタを別々に有し、包装材料10のスリット18のヒートシールとプリントパック30の包装材料10からの切断とを別々に行うものであってもよいし、スリット18の近傍を所定幅で接着剤を用いて接着するものであってもよい。
【0107】
プリント投入負荷軽減台68は、投入部60によるプリントの投入時に、保持部64によって保持された包装材料10の単位包装材料11の袋状部分の下部(下端の接合部16c)を持ち上げた状態で支持するものである。プリント投入負荷軽減台68は、基台68a、衝撃吸収材68bおよび軸68cを有している。
基台68aは、包装材料10の幅と同程度の幅を有する平板であり、その上面(単位包装材料11の支持面)には、プリントPが投入されたときのプリントPのエッジの損傷を防止し、プリントPの跳ね返りによる乱れを抑制するための、衝撃吸収材68bが設けられている。基台68aは、衝撃吸収材68bの表面が、把持部材64a,64bによって把持されて垂下されるときの単位包装材料11の下端の接合部16cよりも上方となるように配置される。したがって、プリント投入負荷軽減台68は、プリントパック30となる単位包装材料11の底部を持ち上げた状態で支持する。
【0108】
基台68aの幅方向に延びる一辺(図示例では右側の辺)は、軸68cによって揺動可能に支持されている。基台68aは、プリント投入時に単位包装材料11の底部を支持する第1の位置(図4および図5に実線で示す)と、プリント投入後の単位包装材料11の底部の支持を解除し、ヒートシールおよび溶断によって形成されたプリントパック30の搬送路から退避した第2の位置(図4および図5に点線で示す)との間で揺動可能になっている。
このプリント投入負荷軽減台68によって単位包装材料11の底部を支えた状態で、単位包装材料11の内部空間32にプリント積層体である束34を投入することにより、包装材料10の単位包装材料11の破れを防止すると共に、プリントPの束34の投入によるプリントPと包装材料10との摩擦負荷を軽減することができる。そのため、プリント積層体34を投入方向に大きく乱すことなく、速やかにかつ確実に、単位包装材料11の内部空間32に挿入することができる。
【0109】
プリント投入負荷軽減台68は、プリントPの束34の単位包装材料11への投入時には、その支持面が水平になる第1の位置(図4および図5に実線で示す)時に単位包装材料11の底部を支える。
プリント投入後には、保持部64の把持手段64a、64bによる単位包装材料11の下方への移動に伴って、プリント投入負荷軽減台68が傾斜する。単位包装材料11のスリット18がシール/カット部66の位置に来ると、単位包装材料11がヒートシールおよびカットされる。このとき、プリント投入負荷軽減台68は、単位包装材料11から離れているか、触れていてもほとんど支持していない状態となっており、単位包装材料11の内部空間32内のプリントPは揃って単位包装材料11の底(接合部16c)に達しているため、シール部(スリット18の近傍)にプリントPが挟み込まれることはない。
その後、プリント投入負荷軽減台68は、さらに移動して、シール/カット部66によってカットされてプリントパック30となったものが製品収容部70へ落下する経路から退避する(第2の位置。図4および図5に点線で示す)。あるいは、プリント投入負荷軽減台68をやや斜めの状態にして、その支持面で、プリントパック30を製品収容部70へ案内するようにしてもよい。
【0110】
製品収容部70は、図中点線で示す第2の位置である退避位置にあるプリント投入負荷軽減台68の下方に垂直方向に対して少し傾斜して配置されるプリントパック30の排出ガイド90aと、排出ガイド90aの下方にさらに傾斜して水平方向に対して少し傾斜するように配置される排出ガイド90bと、排出ガイド90bによって案内されたプリントパック30を受け取って収納する受け箱70cと、排出ガイド90aの位置に配置されるプリントパック30の残留検出センサ124とを備える。
製品収容部70では、プリント投入負荷軽減台68が図中点線で示す第2の位置に退避することにより、落下するプリントパック30は、排出ガイド90aおよび排出ガイド90bによって、垂直下方から水平方向に方向転換するようにスムーズに案内されて、受け箱70cに収納されるので、落下による衝撃が少なく、プリントパック(包装体)30のシール部(接合部16a,16b,16c,16d)が破れたり、ミシン目20が破れたりする虞が少ない。
また、製品収容部70の受け箱70cに、誤って、能力以上のプリントパック30が収納され、排出ガイド90aにプリントパック30に残留したとしても、残留検出センサ124によって残留しているプリントパック30を検出することができるので、製品収容部70におけるプリントパック30の収納状態を監視することができる。
【0111】
次に、プリンタ40におけるパッカー50の作用を説明する。
上述したように、プリントPは、プロセサ48の排出部46を搬送されて出口ローラ対46bによって集積部56(コンベア72のエンドレスベルト78上)に排出、集積される。
集積部56では、1枚毎等の所定のタイミングで、集積されたプリントPを幅寄せガイド74,74で挟んで、プリントPを幅方向に揃える。
このように、集積部56において幅寄せを行うことにより、プリントの積層体を、乱れることなく整然と積層した状態で投入できるので、プリントサイズや最大収容枚数などに応じた小型の包材(袋体)であっても、整然とプリントを積層した状態で、確実に収容することができる。
【0112】
パッカー50では、例えば、ソート情報等によって、1件(あるいは、プリントパック30に収容可能な最大枚数)のプリントPが集積部56に集積されたことを検知すると、集積部56のコンベア72と搬送部58のコンベア80とを同期して駆動して、集積部56から搬送部58にプリントPの積層体(束)34を搬送する。
搬送部58にプリント積層体34が搬送されたら、カール潰しローラ82を下方に移動して、プリント積層体34を上方から押圧してカールを矯正し、次いで、上流側のローラ86を持ち上げることにより、図5(a)に点線で示すように、コンベア80を斜めにする。
【0113】
一方、供給部62から供給された包装材料10の末端の単位包装材料11は、開口用ファン63からの送風によってスリット18が開口され、把持部材64a,64bによってスリット18の近傍が把持され、垂下した状態で待機している。このとき、単位包装材料11の下端部(接合部16c)は、プリント投入負荷軽減台68のプリント投入負荷軽減台68によってやや持ち上げられた状態で支えられている。
搬送部58のコンベア80が、投入部60のコンベア96と同角度になったら、シャッタ98を開放し、次いで、コンベア80とコンベア96を同期して駆動して、プリント積層体34を搬送部58から投入部60へ搬送し、続けて投入部60によって斜め下方へ搬送して、開口されたスリット18から単位包装材料11の内部空間32にプリント積層体34を投入する。このとき、シャッタ98の開放によって、シャッタ98の扉98aは、少なくとも先端部が単位包装材料11内に挿入され、プリント積層体34を投入するガイドとして作用する。
【0114】
なお、搬送部58から投入部60を経て単位包装材料11への投入に至るまでのプリント積層体34の搬送は、上記のように連続的に行うことには限定されず、搬送部58と投入部60との間で断続的に行ってもよい。例えば、搬送部58を傾斜させ、搬送部58から投入部60へプリント積層体34を搬送した後、壁部108がシャッタ98よりも上流側の所定位置に来た時点で投入部60(コンベア96)での搬送を一旦停止し、シャッタ98を開放し、次いで(または同期して)、コンベア96による搬送を再開することで、プリント積層体34を包装材料10の単位包装材料11のスリット18から投入するようにしてもよい。
【0115】
プリント積層体34(1件のプリントP)を単位包装材料11に収容すると、開口用ファン63が送風を停止し、次いで、供給部62内の包装材料ロール110が回転して、単位包装材料11のスリット18がシール/カット部66に至る位置まで、包装材料10を送り出す。このとき、把持手段64aは、包装材料10を把持したまま下方へ移動する。また、プリント投入負荷軽減台68も、下方へ移動し、単位包装材料11から離れる。
スリット18が所定の位置に移動すると、シール/カット部66は、単位包装材料11のスリット18の部分を熱融着および溶断する。それとともに、把持部材64a,64bは、単位包装材料11を解放し、開口部が封じられてプリントパック30となった完成品が製品収容部70に収容される。
本発明の積層包装材料が用いられ、本発明の包装体が作製される写真自動包装装置およびこれを用いた写真処理装置は、基本的に以上のように構成される。
【0116】
次に、図6を参照して本発明の積層包装材料を製造する方法について説明するが、本発明の積層包装材料の製造方法は、これに限定されるわけではない。
図6(a)、(b)および(c)は、それぞれ図1に示す積層包装材料の製造工程の中の印刷工程、ラミネート工程および袋加工工程の一例を示す模式的断面図である。
図1に示す本発明の積層包装材料10を製造する際には、まず、第1シート12および第2シート14を製造するために、無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)12aおよび14aの原紙となる所定厚みのCPP、例えば30μm厚のCPP#30と、延伸(二軸延伸)ポリプロピレンフィルム(OPP)12bおよび14bの原紙となる所定厚みのOPP、例えば20μm厚のOPP#20とを用意する。
【0117】
次に、OPPおよびCPPの一方の基材の裏面に、積層包装材料10となった時のミシン目点線20aおよび位置決めマーク22(図1参照)などを印刷、例えばグラビア印刷する。
図6(a)に示すように、基材ロール130から基材が巻き出され、版胴132に送られる。版胴132の外周表面に取り付けられた版(図示せず)の、ミシン目点線20aおよび位置決めマーク22などの画像に対応する部分には、インク溜134からインクローラ136aおよび136bを介してインクが付けられているので、基材ロール130から巻き出された基材が、版胴132を通過する際に、押付ローラ138によって版胴132に押し付けられ、版胴132に被着された版に付けられているインクが基材裏側表面に転写され、基材裏面にミシン目点線20aおよび位置決めマーク22などが印刷される。印刷が終了した基材は、巻取ロール142に巻き取られる。なお、多色刷りの場合には、各色のインクに対して、版胴、インク溜、インクロールが設けられ、各色の画像が基材裏面上に印刷された後に、巻取ロール142に巻き取られる。この時、巻取ロール142への印刷済基材の巻取は、印刷面を裏側にして巻き取っても、表側にして巻き取っても良い。
こうして、基材への印刷が終了する。
【0118】
次に、OPPとCPPとをドライラミネート加工して、張り合わせる。
図6(b)に示すように、OPPおよびCPPの一方の基材144aを基材ロール144から巻き出し、接着剤溜146に浸漬された下側の塗布ロール148aと上側のニップロール148bとからなるローラ対を通過させて、基材144aの表面に接着剤を均一に塗布した後、ローラ150aと150bとの間に配置される接着剤乾燥機150を通過させて、基材144aの上表面に塗布された接着剤を乾燥、特に加熱乾燥させた後、ドライラミネートロール対152に送る。一方、OPPおよびCPPの他方の基材154aを基材ロール154から巻き出し、ドライラミネートロール対152に送る。
【0119】
こうして、ドライラミネートロール対152において、一方の基材144aの接着剤が塗布・乾燥された上表面と、基材ロール154から巻き出された他方の基材154aの表面とを重ね合わせて張り合わせ、ドライラミネート加工を行い、OPPとCPPとがドライラミネートされた透明なフィルム状ラミネート材料を製造し、巻取ロール156に巻き取る。
なお、基材144aまたは基材154aの一方が、印刷済基材である場合には、これらの基材の上表面に印刷面がくるような基材ロールを用い、印刷された側が内側になるように、接着剤塗付・乾燥後基材144aと基材154aとをドライラミネート加工して張り合わせるのが好ましい。
こうして、本発明の包装材料10の第1シート12として用いられる、OPPとCPPとがドライラミネートされた基材および第2シート14として用いられるOPPとCPPとがドライラミネートされ、ミシン目点線20aおよび位置決めマーク22などが印刷された基材が製造される。
【0120】
こうして製造された第1シート12および第2シート14から、互いのCPPどうし、すなわち、CPP12aとCPP14aとを重ね合わせて、その長手方向の両端側をヒートシールによって接合するとともに、種々の処理を行い、本発明の包装材料10を製造する。
図6(c)に示すように、上表面側がCPP12aとなるように第1シート12が券回された基材ロール158から第1シート12を巻き出すとともに、上表面側がCPP14aとなるように第2シート14が券回された基材ロール160から第2シート14を巻き出し、第1シート12のCPP12aと第2シート14のCPP14aとが対向して重ね合わせ、図示しないダンサーローラなどからなる速度差および張力(テンション)調整部
160によって、重ね合わせられた第1シート12と第2シート14との搬送および停止の繰り返しの影響や、張力が調整され、挟持搬送ローラ対164に送られる。
【0121】
重ね合わせられた第1シート12と第2シート14とは、挟持搬送ローラ対164および174との間において、カッタ166によって上面側から第1シート12のみの短手方向にスリット18が所定間隔で形成され、ミシン目カッタ168によって裏面側から第2シート14のみの長手方向に沿って印刷されたミシン目点線20a上にミシン目20が形成され、ヒートシール部170によって両シート12および14の長手方向の両端部がヒートシールされ、冷却後、穿孔パンチ172によって両シート12および14を貫通する空気抜き穴24が穿孔され、本発明の包装材料10として製造され、挟持搬送ローラ対174を経て、基材ロール176に巻き取られる。
【0122】
ここで、第1シート12と第2シート14が重ね合わせられた状態で搬送される時、カッタ166に対向する短手方向の部分においてのみ、搬送を停止した、重ね合わせられた第1シート12と第2シート14との間に、鉄板などの金属板が入り、第1シート12を所定の位置において短手方向に切断したカッタ166の刃を受けるようになっている。こうして、第1シート12のみにスリット18を短手方向に形成することができる。
一方、第1シート12と第2シート14が重ね合わせられた状態で搬送される時、ミシン目カッタ168に対向する長手方向に沿った部分においてのみ、重ね合わせられた第1シート12と第2シート14との間に、鉄板などの金属板が入っており、第2シート12を所定の位置において長手方向に沿ってミシン目20を入れた刃を受けるようになっている。こうして、第2シート14のみにミシン目20を長手方向に形成することができる。
【0123】
ヒートシール部170においては、第1および第2の両シート12および14の長手方向の両端部がヒートシールされ、冷却されて、接合部16aおよび16bが形成される。
穿孔パンチ172は、長手方向の両端部がヒートシールされて、接合部16aおよび16bが形成された第1および第2シート12および14を貫通する空気抜き穴24を穿孔する。
こうして製造された本発明の包装材料10は、基材ロール176に巻き取られ、こうして製造された基材ロール176は、図3〜図5に示す包装材料ロール110として用いられる。
本発明の積層包装材料は、基本的に以上のように製造される。
【0124】
以上、本発明の包装体および積層包装材料について種々の実施形態および実施例を挙げて詳細に説明したが、本発明は、これらの種々の実施形態および実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
【0125】
例えば、以上の例では、本発明の積層包装材料を、感光材料(印画紙)を露光して作成した写真プリントを自動包装するために用い、プリントパックとし、本発明の包装体をとしているが、本発明は、これに限定はされず、本発明の積層包装材料を、インクジェットプリンタや電子写真プリンタ等、各種方式のプリンタから出力される、インクジェットによるプリント、電子写真によるプリント等、各種のプリントを自動包装するために用いても良いし、本発明の包装体をこれらのプリントのプリントパックとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】(a)は、本発明の第2の態様の積層包装材料の一実施形態の概略を示す、表側、すなわち、スリット側から見た概略斜視図であり、(b)は、(a)の裏側、すなわち、ミシン目側から見た概略斜視図であり、(c)は、その短手(幅)方向の断面を示す概略断面図である。
【図2】(a)は、本発明の第1の態様の包装体の一実施形態の概略を示す、表側から見た概略平面図であり、(b)は、(a)の裏側、すなわち、ミシン目側から見た概略平面図であり、(c)は、その幅方向の断面を示す概略断面図である。
【図3】図2に示す包装体を作成する際の図1に示す積層包装材料の一使用形態の概略を示す模式図である。
【図4】図1に示す積層包装材料を用いる写真自動包装装置を備えた写真処理装置の一実施形態の概略を示す線図的正面断面図である。
【図5】(a)は、図4に示す写真自動包装装置の一実施形態の概略を示す線図的正面断面図であり、(b)は、(a)の部分上面図である。
【図6】(a)、(b)および(c)は、それぞれ図1に示す積層包装材料の製造工程の中の印刷工程、ラミネート工程および袋加工工程の一例を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
【0127】
10 積層包装材料
11 単位包装材料
12 第1シート
12a,14a 無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)
12b,14b 延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)
14 第2シート
16a、16b、16cおよび16d 接合部
18 スリット
20 ミシン目
20a ミシン目点線
22 包装材料搬送用位置決めマーク
24 空気抜き穴
30 包装体(プリントパック)
32 内部空間
34 プリントPの束(プリント積層体)
40 写真処理装置(フォトプリンタ)
42 露光焼付装置
42a 感光材料ロール
42b マガジン
42c バックプリンタ
42d 露光ユニット
42e 副走査搬送ローラ対
42f カッタ
44 現像部
44a 現像槽
44b 漂白/定着槽
44c 水洗槽
45 乾燥部
46 排出部
46a 大サイズプリント排出部
46b 出口ローラ対
48 感光材料処理装置(プロセサ)
50 写真自動包装装置(パッカー)
56 集積部
58 搬送部
60 投入部
62 供給部
63 開口用ファン
64 保持部
66 シール/カット部
68 プリント投入負荷軽減台
70 製品収容部
72,80,96 コンベア
74 幅寄せガイド
76,86,104 ローラ
78,84,106 エンドレスベルト
78a 規制部材
78b,84a 押圧部材
82,102 カール潰しローラ
84a 押圧部材
88,108 壁部
90 アーム
92 軸
98 シャッタ
98a 扉
100 ガイド板
110 包装材料ロール
112 搬送ローラ対
114 送出しローラ
116 アイドルローラ
118 ダンサーローラ
120 送り量検出センサ
122 ループ検出センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに積層され、四周が接合された矩形状の第1および第2のシートからなり、それらの間に形成された矩形状の内部空間に写真プリントの束が封入された包装体であって、
前記第1および第2のシートは、共に無延伸ポリプロピレンフィルムと延伸ポリプロピレンフィルムとのラミネート材料からなり、前記第1および第2のシートの2枚の前記ラミネート材料の前記無延伸ポリプロピレンフィルムどうしが接合され、かつ前記ラミネート材料の前記延伸ポリプロピレンフィルムの厚みは、20〜30μmであり、
前記第2のシートには、その両側端部間の中心から外れた位置に、前記内部空間の側端部に略平行なミシン目が設けられていることを特徴とする包装体。
【請求項2】
前記第1のシートの前記ラミネート材料の厚みは、40〜80μmである請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
前記第1のシートの長手方向およびこの長手方向に直交する短手方向における前記ラミネート材料の引裂き強度は、共に、10N/mm以上である請求項1または2に記載の包装体。
【請求項4】
前記第1のシートの長手方向およびこの長手方向に直交する短手方向における前記ラミネート材料の引張り強度は、共に、40MPa以上である請求項1〜3のいずれかに記載の包装体。
【請求項5】
前記第1および第2のシートは、共に、前記長手方向と直交する短手方向の引裂き強度が、前記長手方向の引裂き強度よりも大きい請求項1〜4のいずれかに記載の包装体。
【請求項6】
前記矩形状の内部空間の短手方向の間隔は、封入された前記写真プリントの中の最も小さいサイズの写真プリントの対角線の長さより短く、
前記ミシン目は、前記矩形状の内部空間の前記短手方向に直交する長手方向に沿って形成され、
前記ミシン目と前記内部空間の側端部との間の間隔は、封入される前記写真プリントの束の最大厚さの半分より大きく、前記内部空間の短手方向の長さから前記写真プリントの短手方向の長さと前記最大厚さの半分との和を引いた差分よりも小さい請求項1〜5のいずれかに記載の包装体。
【請求項7】
長手方向に沿って積層され、前記長手方向に沿った両側端部どうしが接合された帯状の第1および第2のシートからなる長尺な筒状積層包装材料であって、
前記第1および第2のシートは、共に、無延伸ポリプロピレンフィルムと延伸ポリプロピレンフィルムとのラミネート材料からなり、この2枚のラミネート材料の前記無延伸ポリプロピレンフィルムどうしが接合され、かつ、前記ラミネート材料の前記延伸ポリプロピレンフィルムの厚みは20〜30μmであり、
前記第1のシートには、前記両側端部の間に、前記長手方向と直交する短手方向に延在するスリットが前記長手方向に沿って所定間隔をあけて複数設けられており、
前記第2のシートには、前記長手方向の両側端部間の中心から外れた位置に、前記長手方向に沿って前記内部空間の側端部に略平行なミシン目が設けられていることを特徴とする積層包装材料。
【請求項8】
積層された前記第1および第2のシートは、前記スリットを含む前記短手方向の位置において所定幅に熱融着されて接合された前記所定幅の封止部が形成されると共に、前記封止部において前記短手方向に切断されるものであり、
前記スリットは、先端に前記封止部を持つ、前記第1および第2のシートの間に形成される単位包装材料の矩形状の内部空間に、封入されるべき写真プリントの束を投入するためのものである請求項7に記載の積層包装材料。
【請求項9】
前記第1のシートの前記ラミネート材料の厚みは、40〜80μmである請求項7または8に記載の積層包装材料。
【請求項10】
前記第1のシートの前記ラミネート材料の前記長手方向および前記短手方向の引裂き強度は、共に、10N/mm以上である請求項7〜9のいずれかに記載の積層包装材料。
【請求項11】
前記第1のシートの前記ラミネート材料の前記長手方向および前記短手方向の引張り強度は、共に、40MPa以上である請求項7〜10のいずれかに記載の積層包装材料。
【請求項12】
前記第1および第2のシートの前記ラミネート材料は、共に、前記長手方向と直交する短手方向の引裂き強度が、前記長手方向の引裂き強度よりも大きい請求項7〜11のいずれかに記載の積層包装材料。
【請求項13】
前記所定間隔の隣接する前記スリット間において前記第1および第2のシートの間に形成される単位包装材料の矩形状の内部空間の短手方向の間隔は、封入された前記写真プリントの中の最も小さいサイズの写真プリントの対角線の長さより短く、
前記ミシン目と前記内部空間の側端部との間の間隔は、封入される前記写真プリントの束の最大厚さの半分より大きく、前記内部空間の短手方向の長さから前記写真プリントの短手方向の長さと前記最大厚さの半分との和を引いた差分よりも小さい請求項7〜12のいずれかに記載の積層包装材料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−76710(P2007−76710A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−268572(P2005−268572)
【出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】