包装体
【課題】 蓋ラベルを保型性シートより剥離することにより開口部が形成でき、形成された開口部の縁に波打ちやシワが発生することのない蓋ラベルが開閉自在に構成された包装体を提供することにある。
【解決手段】 内容物を密封包装する合成樹脂を主体とする軟質の積層シートから形成された包装袋と、その外面に固着された積層シートより硬質の保型性シートと、蓋基材層の一方の面に再剥離再接着可能な粘着剤層が設けられ、保型性シートに粘着剤層面を当接させて接着された蓋ラベルとを有する包装体であって、蓋ラベルが接着された領域内の積層シート及び保型性シートに切目線が閉じた形状となるように形成され、蓋ラベルが、切目線で囲まれた開口予定部を除いた部分の保型性シートとの間で剥離可能であると共に剥離した部分が再接着可能であるように開閉自在に構成されていることを特徴とする。
【解決手段】 内容物を密封包装する合成樹脂を主体とする軟質の積層シートから形成された包装袋と、その外面に固着された積層シートより硬質の保型性シートと、蓋基材層の一方の面に再剥離再接着可能な粘着剤層が設けられ、保型性シートに粘着剤層面を当接させて接着された蓋ラベルとを有する包装体であって、蓋ラベルが接着された領域内の積層シート及び保型性シートに切目線が閉じた形状となるように形成され、蓋ラベルが、切目線で囲まれた開口予定部を除いた部分の保型性シートとの間で剥離可能であると共に剥離した部分が再接着可能であるように開閉自在に構成されていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ウェットティッシュまたはキャンディ、チョコレートなどの菓子類等の包装体に関し、詳しくは、蓋ラベルを開けたときに開口部が形成され、ウェットティッシュまたはキャンディ、チョコレートなどの菓子類等を取り出すことができ、取り出し後は蓋ラベルを閉めることにより密封状態に保持できる蓋ラベルが開閉自在に構成された包装体に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、例えばウェットティッシュ等を収容するための包装体として、被包装物を、非通気性のシート状包装材をもって密封包装するとともに、該包装材の上片に、ほぼＵ字状の切込み線を付設し、かつその上方に、前記包装材より硬質のシート材料よりなり、かつ中央部に前記Ｕ字状の切込み線の端末部を除く部分より大寸の開口が形成された硬質シートを固着し、さらにその上方より、前記開口を覆う寸法のシート状外蓋を、接着剤をもって、前記硬質シートの上面及び硬質シートの開口より上方に臨む包装材の上面に、剥離可能でかつ再接着可能な程度に接着することにより、前記外蓋の剥離時に、前記切込み線の内部領域たる内蓋が、包装材との連設部分を残して、外蓋とともに包装材から引き剥がされ、その後に被包装物取り出し用の開口が形成されるようにした密封包装体が知られている（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
このような密封包装体は、プラスチック容器に収納されたものに比べ、嵩張ることもなく携帯用に適した便利な形態である。しかしながら、外蓋を開けたとき、硬質シートの開口縁と被包装物取り出し用の開口を形成する切込み線との間が、波打ちやシワが発生したりして商品価値を損なうという問題がある。
【特許文献１】特開平６−４８４７５号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
そこで本発明は、上記問題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、蓋ラベルを保型性シートより剥離することにより開口部が形成でき、形成された開口部の縁に波打ちやシワが発生することのない蓋ラベルが開閉自在に構成された包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明は、上記課題を達成するために、請求項１記載の本発明は、内容物を密封包装する合成樹脂を主体とする軟質の積層シートから形成された包装袋と、その外面に固着された前記積層シートより硬質の保型性シートと、蓋基材層の一方の面に再剥離再接着可能な粘着剤層が設けられ、前記保型性シートに前記粘着剤層面を当接させて接着された蓋ラベルとを有する包装体であって、前記蓋ラベルが接着された領域内の前記積層シート及び前記保型性シートに切目線が閉じた形状となるように形成され、前記蓋ラベルが、前記切目線で囲まれた開口予定部を除いた部分の前記保型性シートとの間で剥離可能であると共に剥離した部分が再接着可能であるように開閉自在に設けられていることを特徴とする包装体である。
【０００６】
また、請求項２記載の本発明は、請求項１記載の包装体において、前記切目線が、前記積層シート側から前記保型性シート側に向かって、前記積層シートを貫通すると共に前記保型性シートを半抜きするハーフカットであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【０００７】
本発明の包装体は、内容物を密封包装する合成樹脂を主体とする軟質の積層シートから形成された包装袋と、その外面に固着された積層シートより硬質の保型性シートと、蓋基材層の一方の面に再剥離再接着可能な粘着剤層が設けられ、保型性シートに粘着剤層面を当接させて接着された蓋ラベルとを有する包装体であって、蓋ラベルが接着された領域内の積層シート及び保型性シートに切目線が閉じた形状となるように形成され、蓋ラベルが、切目線で囲まれた開口予定部を除いた部分の保型性シートとの間で剥離可能であると共に剥離した部分が再接着可能であるように開閉自在な構成とすることにより、蓋ラベルの一端部側より保型性シートとの間で剥離でき、積層シート及び保型性シートに形成された切目線に囲まれた部分のみが切取られて蓋ラベルに接着したままとなって、積層シートと保型性シートの切目線に囲まれた部分に開口部が形成され、該開口部より内容物を容易に取り出せるという効果を奏するものである。また、開口部の開口縁には積層シートのみの部分がないので形成された開口部の縁に波打ちやシワが発生することがない。
【０００８】
また、請求項２記載の本発明は、切目線が、積層シート側から保型性シート側に向かって、積層シートを貫通すると共に保型性シートを半抜きするハーフカットとすることにより、積層シートのガスバリア性の低下を防ぐことができ内容物の保存性が向上するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００９】
上記の本発明について、図面等を用いて以下に説明する。
図１は本発明にかかる包装体の一実施形態を示す斜視図、図２は図１のＡ−Ａ線の断面図、図３は本発明にかかる包装体の蓋ラベルの開封状態を示す斜視図、図４は、その他の実施形態を示す図１のＡ−Ａ線に相当する断面図であり、図中の符号１は包装体、２は包装袋、３は保型性シート、４は蓋ラベル、５、５’は切目線、６は開口予定部、７は内容物、８は取出し口、２０は積層シート、２１は上端熱接着部、２２は下端熱接着部、２３はガセット部、４０は摘み部、４１は切刃、４２は蓋基材層、４３は粘着剤層、６０は切取り片をそれぞれ示す。
【００１０】
図１は本発明にかかる包装体の一実施形態を示す斜視図であって、本発明の包装体１は、内容物を密封包装する合成樹脂を主体とする軟質の積層シート２０から形成された包装袋２と、その外面に固着された積層シート２０より硬質の保型性シート３と、蓋基材層の一方の面に再剥離再接着可能な粘着剤層が設けられ、保型性シート３に粘着剤層面を当接させて接着された蓋ラベル４とを有している。蓋ラベル４は略矩形状で一端部側に外方に延設した摘み部４０が設けられている。蓋ラベル４には摘み部４０を摘み蓋ラベル４を剥離した際に、後述するように蓋ラベル４が保型性シート３から剥離されて保型性シート３から完全に分離されることを防ぐためのストッパーとして切刃４１、４１が剥離方向の蓋ラベル４の両端辺から設けられている。また、蓋ラベル４の表面には絵柄、文字や剥離方向を示す記号等が印刷されている。包装袋２は、内容物を密封包装する背貼り熱接着部（図示しない）と上端熱接着部２１と下端熱接着部２２を備え両側部にガセット部２３を有するガセット袋の形態である。なお、包装袋２の形態はピロー袋、三方シール袋、四方シール袋等の任意の形態とすることができるが、内容物の収納量を多くできると共に内容物が取り出しやすいガセット袋が好ましい形態である。
【００１１】
図２は図１のＡ−Ａ線の断面図であって、本発明の包装体１の要部を示す。包装体１は、合成樹脂を主体とする軟質の積層シート２０から形成された包装袋２の外面に積層シート２０より硬質の保型性シート３が固着され、蓋基材層４２の一方の面に再剥離再接着可能な粘着剤層４３を設けた蓋ラベル４が当該保型性シート３に粘着剤層４３面を当接させて接着されている。蓋ラベル４が接着された領域内には、包装袋２を構成する積層シート２０と当該積層シート２０に接着された保型性シート３とを貫通する切目線５が閉じた形状となるように例えば、長穴状に施されている。この切目線５で囲まれた部分が開口予定部６となるものである。蓋ラベル４は、保型性シート３との間で剥離可能で且つ、再接着可能なように開閉自在に構成されているために、後述するように蓋ラベル４を剥離すると開口予定部６を除く部分で剥離し、開口予定部６は剥離することなく、蓋ラベル４と一体となって接着されたままの状態となる。なお、図１、図２は、内容物７、例えば、一枚ずつ取り出し可能に折り畳まれたウェットティッシュを包装袋２で密封包装し、蓋ラベル４が上側に位置するように置いた状態を示す。
【００１２】
切目線５で囲まれた開口予定部６が、蓋ラベル４が剥離されると開口部（以下、取出し口という）を形成するために切目線５は閉じた形状となるように施す必要があるが、その形状は、円形、楕円形等の曲線状や、長方形、六角形等の角形状やあるいはこれらの組合せ等、任意である。このような切目線５は、積層シート２０に保型性シート３を固着したのちに例えば、所定の切目線５の切刃を搭載した打抜き装置で積層シート２０と保型性シート３を貫通するように施される。なお、切目線５には適宜刃止めを設けるのがよく、その刃止めは１．０ｍｍ以下が好ましい。開口予定部６の大きさにもよるが刃止めの数は少ないほうが取出し口の形成が容易となるので好ましい。また、摘み部４０は開封操作を容易にするので設けたほうが好ましく、さらには摘み部４０には、粘着剤層４３を除くか、もしくは粘着剤層４３の粘着力を無効にするのり殺しを設けることが好ましい。
【００１３】
次に、本発明の包装体１を構成する各材料について説明する。まず、包装袋２の積層シート２０は、基材層と熱接着性樹脂層が積層されて構成される。また、内容物により要求される性能から、基材層と熱接着性樹脂層との間に中間層を積層することもできる。基材層に用いる基材としては、印刷適性があって機械的強度を有する材料が用いられ、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチックフィルムやこれらのプラスチックフィルムに酸化アルミニウム、酸化珪素等の金属酸化物を蒸着したフィルムあるいは、これらの積層体等が使用できる。中間層は、遮光性あるいはガスバリアー性等が要求される場合に設けるものであり、基材層に用いるプラスチックフィルム、それらにアルミニウム等の金属物を蒸着したフィルム、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物あるいはアルミニウム箔等が使用できる。また、熱接着性樹脂層としては、熱により溶融して相互に溶着し得る熱接着性樹脂から形成された層であればよく、包装袋に要求される諸条件により適宜選択して用いればよいものであるが、たとえば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等で形成することができる。各層の積層方法としては、サンドイッチラミネーション法、ドライラミネーション法等の周知の積層方法を適宜用いて積層すればよい。
【００１４】
次に、蓋ラベル４について説明する。蓋基材層４２に用いる基材としては、印刷適性があって機械的強度を有する材料が用いられ、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン等のプラスチックフィルムや合成紙、あるいは、これらの積層体ないしはこれらとアルミニウム箔や蒸着を施したプラスチックフィルムを適宜組合わせた積層体等、あるいは、これらに紙等を適宜組み合わせた積層体等を用いることができる。また、蓋基材層４２上に例えば印刷を設ける場合には印刷面の保護と表面光沢付与のためにポリプロピレンフィルム等の表面保護層を設けてもよい。蓋ラベルの構成例を次に例示する。
・二軸延伸ポリプロピレン／印刷／二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム／粘着剤／離型紙
・二軸延伸ポリプロピレン／印刷／乳白色二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム／粘着剤／離型紙
・二軸延伸ポリプロピレン／印刷／合成紙（例えば、ユポ）／粘着剤／離型紙
【００１５】
蓋基材層４２の一方の面に設けられる粘着剤層４３としては、再剥離再接着可能な粘着剤が用いられ、天然ゴムラテックス、合成ゴムラテックスあるいはアクリル系樹脂、ゴム系樹脂等にテルペン樹脂やロジン等の粘着付与剤を配合した合成樹脂等の従来から使用されている粘着剤の中から適宜選んで、グラビアコート法、ロールコート法、あるいは、加熱溶融押し出し法等の周知の塗布方法で塗布することにより形成することができ、必要により増粘剤、分散剤、消泡剤、帯電防止剤、防腐剤等の添加剤を加えてもよい。粘着剤の塗布量は、固形分として１０〜３０ｇ／ｍ2 が適当である。また、粘着剤層４３の粘着剤には、シリカ等の粘着阻害剤等の添加剤を添加してもよい。
【００１６】
保型性シート３としては、包装袋２を構成する積層シート２０よりも剛性があり硬質のシートが用いられ、このような構成とすることにより、蓋ラベル４の開閉が容易となると共に、繰返し開閉しても包装袋２の取出し口の縁に波打ちやシワが発生することが防止できる。保型性シート３には、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ＡＢＳ、アクリル、塩化ビニル、ポリカーボネート、アセテート等が使用でき、厚さは５０〜１５０μｍである。また、蓋ラベル４の粘着剤層４３との接着力をコントロールするために保型性シート３の粘着剤層４３と接する面にはコーティングにより表面層を設けて粘着剤層４３の接着力が弱くなるようにしてもよい。
【００１７】
次に図１、図３を参照しながら包装体１の開閉方法について説明する。図１に示すように、蓋ラベル４の摘み部４０を摘み、包装袋２の上端熱接着部２１に向かって引張り上げると先ず、蓋ラベル４は保型性シート３との間で剥離し、切目線５に達すると切目線５に沿って開口予定部６の積層シート２０および保型性シート３が切取られ、切取られた開口予定部６の積層シート２０および保型性シート３は蓋ラベル４の粘着剤層４３に接着したまま蓋ラベル４と一体化された状態で切取り片６０が形成され、それ以外の領域は保型性シート３と蓋ラベル４との間で剥離し、包装袋２の上面には切目線５で囲まれた部分の積層シート２０と保型性シート３が切取られて取出し口８が形成され、該取出し口８より内容物７であるウェットティッシュを取り出すことができる。必要枚数を取り出した後に、開けた蓋ラベル４を元に戻すと蓋ラベル４に一体化された切取り片６０は取出し口８に嵌合され、それ以外の部分は保型性シート３に再接着されて図１に示す状態になり閉口できるものである。
【００１８】
図４は、その他の実施形態を示し、図１のＡ−Ａ線に相当する断面図である。図４に示すように切目線５’がハーフカットである。切目線５’は積層シート２０側から保型性シート３側に向かって積層シート２０を貫通すると共に保型性シート３を半抜きするハーフカットである。ハーフカットの深さは、深くするほうがよく、積層シート２０を貫通し、保型性シート３の厚さにおいて非貫通部分の厚さが５μｍ以下となるように施すのが好ましい。ハーフカットの深さが保型性シート３の非貫通部分の厚さが５μｍを超えると蓋ラベル４を剥離した際に、切目線５に沿って切取られず取出し口が形成されないことがある。
【００１９】
次に、本発明について、以下に実施例を挙げてさらに詳しく説明する。
【実施例１】
【００２０】
＜保型性シート用部材と蓋ラベルの作製＞
保型性シート３に厚さ１００μｍの透明なポリエチレンテレフタレートフィルム（ＰＥＴ）を用いて、その片面に強接着性のアクリル系粘着剤を固形分で２５ｇ／ｍ2 コートし、グラシン紙４０ｇ／ｍ2 の片面に厚さ２０μｍのポリエチレンをラミネートして、ポリエチレン面に離型処理をした離型紙の離型処理面と貼り合せ所定寸法に打抜いて矩形状の保型性シート用部材を作製した。次いで、蓋基材層４２に厚さ８０μｍのポリプロピレン系の合成紙（株式会社ユポ・コーポレーション製）の片面に再剥離再接着可能な弱接着性のアクリル系粘着剤をコートして粘着剤層を形成し、グラシン紙の片面にポリエチレンをラミネートして、ポリエチレン面に離型処理をした離型紙の離型処理面と貼り合せた基材（リンテック株式会社製、商品名：ユポ８０（ＵＶ）ＭＷ２）を用い、該基材の合成紙面に厚さ４０μｍの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを貼り合せた後、所定寸法に打抜いて離型紙付の蓋ラベル４を作製した。
【００２１】
＜包装体の作製＞
次いで厚さ１２μｍの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムと厚さ７μｍのアルミニウム箔と厚さ４０μｍの線状低密度ポリエチレンフィルム（ＬＬＤＰＥ）をドライラミネーション法で積層し、積層シート２０を作製した。次いで積層シート２０の所定位置に上記で作製した保型性シート用部材の離型紙を剥離して取り除き露出した強接着性の粘着剤面を当接して保型性シートを固着した。次いで、所定寸法の長穴形状の切刃を備えた打抜き型で積層シートのＬＬＤＰＥ面から積層シートと保型性シートとを貫通する切目線を施した。その後、上記で作製した離型紙付の蓋ラベル４の離型紙を剥離して取り除き、露出した粘着剤層面を保型性シート面に当接させ、切目線を被覆するように接着し、ガセット袋形態の包装袋を作製し、ウェットティッシュを密封包装して直方体状の包装体１を作製した。
包装体の外寸 ：高さ６０ｍｍ×幅８０ｍｍ×長さ１００ｍｍ
長さは上端熱接着部、下端熱接着部の方向を示す。
保型性シート外寸 ：幅６０ｍｍ×長さ８０ｍｍ
開口部外寸 ：幅２０ｍｍ×長さ４５ｍｍの長穴状
蓋ラベル外寸 ：幅４０ｍｍ×長さ８０ｍｍ（摘み部の長さ１０ｍｍ含む）
【実施例２】
【００２２】
実施例１の切目線を積層シートを貫通し、保型性シートを半抜きするハーフカットとし、それ以外は実施例１と同じ包装体を作製した。ハーフカット深さは、顕微鏡で切目線部分の断面を撮影して４辺部分の非貫通部の厚さを測定して表すこととし、保型性シートの非貫通部分の厚さを１〜２μｍとした。
【実施例３】
【００２３】
実施例２のハーフカット深さを変更し、保型性シートの非貫通部分の厚さを２〜３μｍとした。
【実施例４】
【００２４】
実施例２のハーフカット深さを変更し、保型性シートの非貫通部分の厚さが、４〜５μｍとした。
【００２５】
実施例１および実施例２で作製した包装体を温度２５℃、湿度５０％の環境下で７日間保存後、蓋ラベルの摘み部を摘み、包装袋の上端熱接着部に向かって引張り上げると蓋ラベルは保型性シートとの間で剥離し、切目線に達すると切目線に沿って開口予定部の積層シートおよび保型性シートが切取られ、蓋ラベルと一体化された状態で切取り片が形成され、包装袋の上面には取出し口を形成することができた。また、取出し口の開口縁には積層シートがなく、美麗なものであった。実施例２、３も実施例１と同様に、蓋ラベルを引張り上げることにより包装袋の上面に取出し口を容易に形成することができた。実施例４は実施例２、３に比べ、蓋ラベルを引張り上げるのに力を要したが、包装袋の上面に取出し口を形成することができた。
【図面の簡単な説明】
【００２６】
【図１】本発明にかかる包装体の一実施形態を示す斜視図である。
【図２】図１のＡ−Ａ線の断面図である。
【図３】本発明にかかる包装体の蓋ラベルの開封状態を示す斜視図である。
【図４】その他の実施形態を示す図１のＡ−Ａ線に相当する断面図である。
【符号の説明】
【００２７】
１ 包装体
２ 包装袋
３ 保型性シート
４ 蓋ラベル
５、５’ 切目線
６ 開口予定部
７ 内容物
８ 取出し口
２０ 積層シート
２１ 上端熱接着部
２２ 下端熱接着部
２３ ガセット部
４０ 摘み部
４１ 切刃
４２ 蓋基材層
４３ 粘着剤層
６０ 切取り片
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ウェットティッシュまたはキャンディ、チョコレートなどの菓子類等の包装体に関し、詳しくは、蓋ラベルを開けたときに開口部が形成され、ウェットティッシュまたはキャンディ、チョコレートなどの菓子類等を取り出すことができ、取り出し後は蓋ラベルを閉めることにより密封状態に保持できる蓋ラベルが開閉自在に構成された包装体に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、例えばウェットティッシュ等を収容するための包装体として、被包装物を、非通気性のシート状包装材をもって密封包装するとともに、該包装材の上片に、ほぼＵ字状の切込み線を付設し、かつその上方に、前記包装材より硬質のシート材料よりなり、かつ中央部に前記Ｕ字状の切込み線の端末部を除く部分より大寸の開口が形成された硬質シートを固着し、さらにその上方より、前記開口を覆う寸法のシート状外蓋を、接着剤をもって、前記硬質シートの上面及び硬質シートの開口より上方に臨む包装材の上面に、剥離可能でかつ再接着可能な程度に接着することにより、前記外蓋の剥離時に、前記切込み線の内部領域たる内蓋が、包装材との連設部分を残して、外蓋とともに包装材から引き剥がされ、その後に被包装物取り出し用の開口が形成されるようにした密封包装体が知られている（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
このような密封包装体は、プラスチック容器に収納されたものに比べ、嵩張ることもなく携帯用に適した便利な形態である。しかしながら、外蓋を開けたとき、硬質シートの開口縁と被包装物取り出し用の開口を形成する切込み線との間が、波打ちやシワが発生したりして商品価値を損なうという問題がある。
【特許文献１】特開平６−４８４７５号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
そこで本発明は、上記問題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、蓋ラベルを保型性シートより剥離することにより開口部が形成でき、形成された開口部の縁に波打ちやシワが発生することのない蓋ラベルが開閉自在に構成された包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明は、上記課題を達成するために、請求項１記載の本発明は、内容物を密封包装する合成樹脂を主体とする軟質の積層シートから形成された包装袋と、その外面に固着された前記積層シートより硬質の保型性シートと、蓋基材層の一方の面に再剥離再接着可能な粘着剤層が設けられ、前記保型性シートに前記粘着剤層面を当接させて接着された蓋ラベルとを有する包装体であって、前記蓋ラベルが接着された領域内の前記積層シート及び前記保型性シートに切目線が閉じた形状となるように形成され、前記蓋ラベルが、前記切目線で囲まれた開口予定部を除いた部分の前記保型性シートとの間で剥離可能であると共に剥離した部分が再接着可能であるように開閉自在に設けられていることを特徴とする包装体である。
【０００６】
また、請求項２記載の本発明は、請求項１記載の包装体において、前記切目線が、前記積層シート側から前記保型性シート側に向かって、前記積層シートを貫通すると共に前記保型性シートを半抜きするハーフカットであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【０００７】
本発明の包装体は、内容物を密封包装する合成樹脂を主体とする軟質の積層シートから形成された包装袋と、その外面に固着された積層シートより硬質の保型性シートと、蓋基材層の一方の面に再剥離再接着可能な粘着剤層が設けられ、保型性シートに粘着剤層面を当接させて接着された蓋ラベルとを有する包装体であって、蓋ラベルが接着された領域内の積層シート及び保型性シートに切目線が閉じた形状となるように形成され、蓋ラベルが、切目線で囲まれた開口予定部を除いた部分の保型性シートとの間で剥離可能であると共に剥離した部分が再接着可能であるように開閉自在な構成とすることにより、蓋ラベルの一端部側より保型性シートとの間で剥離でき、積層シート及び保型性シートに形成された切目線に囲まれた部分のみが切取られて蓋ラベルに接着したままとなって、積層シートと保型性シートの切目線に囲まれた部分に開口部が形成され、該開口部より内容物を容易に取り出せるという効果を奏するものである。また、開口部の開口縁には積層シートのみの部分がないので形成された開口部の縁に波打ちやシワが発生することがない。
【０００８】
また、請求項２記載の本発明は、切目線が、積層シート側から保型性シート側に向かって、積層シートを貫通すると共に保型性シートを半抜きするハーフカットとすることにより、積層シートのガスバリア性の低下を防ぐことができ内容物の保存性が向上するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００９】
上記の本発明について、図面等を用いて以下に説明する。
図１は本発明にかかる包装体の一実施形態を示す斜視図、図２は図１のＡ−Ａ線の断面図、図３は本発明にかかる包装体の蓋ラベルの開封状態を示す斜視図、図４は、その他の実施形態を示す図１のＡ−Ａ線に相当する断面図であり、図中の符号１は包装体、２は包装袋、３は保型性シート、４は蓋ラベル、５、５’は切目線、６は開口予定部、７は内容物、８は取出し口、２０は積層シート、２１は上端熱接着部、２２は下端熱接着部、２３はガセット部、４０は摘み部、４１は切刃、４２は蓋基材層、４３は粘着剤層、６０は切取り片をそれぞれ示す。
【００１０】
図１は本発明にかかる包装体の一実施形態を示す斜視図であって、本発明の包装体１は、内容物を密封包装する合成樹脂を主体とする軟質の積層シート２０から形成された包装袋２と、その外面に固着された積層シート２０より硬質の保型性シート３と、蓋基材層の一方の面に再剥離再接着可能な粘着剤層が設けられ、保型性シート３に粘着剤層面を当接させて接着された蓋ラベル４とを有している。蓋ラベル４は略矩形状で一端部側に外方に延設した摘み部４０が設けられている。蓋ラベル４には摘み部４０を摘み蓋ラベル４を剥離した際に、後述するように蓋ラベル４が保型性シート３から剥離されて保型性シート３から完全に分離されることを防ぐためのストッパーとして切刃４１、４１が剥離方向の蓋ラベル４の両端辺から設けられている。また、蓋ラベル４の表面には絵柄、文字や剥離方向を示す記号等が印刷されている。包装袋２は、内容物を密封包装する背貼り熱接着部（図示しない）と上端熱接着部２１と下端熱接着部２２を備え両側部にガセット部２３を有するガセット袋の形態である。なお、包装袋２の形態はピロー袋、三方シール袋、四方シール袋等の任意の形態とすることができるが、内容物の収納量を多くできると共に内容物が取り出しやすいガセット袋が好ましい形態である。
【００１１】
図２は図１のＡ−Ａ線の断面図であって、本発明の包装体１の要部を示す。包装体１は、合成樹脂を主体とする軟質の積層シート２０から形成された包装袋２の外面に積層シート２０より硬質の保型性シート３が固着され、蓋基材層４２の一方の面に再剥離再接着可能な粘着剤層４３を設けた蓋ラベル４が当該保型性シート３に粘着剤層４３面を当接させて接着されている。蓋ラベル４が接着された領域内には、包装袋２を構成する積層シート２０と当該積層シート２０に接着された保型性シート３とを貫通する切目線５が閉じた形状となるように例えば、長穴状に施されている。この切目線５で囲まれた部分が開口予定部６となるものである。蓋ラベル４は、保型性シート３との間で剥離可能で且つ、再接着可能なように開閉自在に構成されているために、後述するように蓋ラベル４を剥離すると開口予定部６を除く部分で剥離し、開口予定部６は剥離することなく、蓋ラベル４と一体となって接着されたままの状態となる。なお、図１、図２は、内容物７、例えば、一枚ずつ取り出し可能に折り畳まれたウェットティッシュを包装袋２で密封包装し、蓋ラベル４が上側に位置するように置いた状態を示す。
【００１２】
切目線５で囲まれた開口予定部６が、蓋ラベル４が剥離されると開口部（以下、取出し口という）を形成するために切目線５は閉じた形状となるように施す必要があるが、その形状は、円形、楕円形等の曲線状や、長方形、六角形等の角形状やあるいはこれらの組合せ等、任意である。このような切目線５は、積層シート２０に保型性シート３を固着したのちに例えば、所定の切目線５の切刃を搭載した打抜き装置で積層シート２０と保型性シート３を貫通するように施される。なお、切目線５には適宜刃止めを設けるのがよく、その刃止めは１．０ｍｍ以下が好ましい。開口予定部６の大きさにもよるが刃止めの数は少ないほうが取出し口の形成が容易となるので好ましい。また、摘み部４０は開封操作を容易にするので設けたほうが好ましく、さらには摘み部４０には、粘着剤層４３を除くか、もしくは粘着剤層４３の粘着力を無効にするのり殺しを設けることが好ましい。
【００１３】
次に、本発明の包装体１を構成する各材料について説明する。まず、包装袋２の積層シート２０は、基材層と熱接着性樹脂層が積層されて構成される。また、内容物により要求される性能から、基材層と熱接着性樹脂層との間に中間層を積層することもできる。基材層に用いる基材としては、印刷適性があって機械的強度を有する材料が用いられ、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチックフィルムやこれらのプラスチックフィルムに酸化アルミニウム、酸化珪素等の金属酸化物を蒸着したフィルムあるいは、これらの積層体等が使用できる。中間層は、遮光性あるいはガスバリアー性等が要求される場合に設けるものであり、基材層に用いるプラスチックフィルム、それらにアルミニウム等の金属物を蒸着したフィルム、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物あるいはアルミニウム箔等が使用できる。また、熱接着性樹脂層としては、熱により溶融して相互に溶着し得る熱接着性樹脂から形成された層であればよく、包装袋に要求される諸条件により適宜選択して用いればよいものであるが、たとえば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等で形成することができる。各層の積層方法としては、サンドイッチラミネーション法、ドライラミネーション法等の周知の積層方法を適宜用いて積層すればよい。
【００１４】
次に、蓋ラベル４について説明する。蓋基材層４２に用いる基材としては、印刷適性があって機械的強度を有する材料が用いられ、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン等のプラスチックフィルムや合成紙、あるいは、これらの積層体ないしはこれらとアルミニウム箔や蒸着を施したプラスチックフィルムを適宜組合わせた積層体等、あるいは、これらに紙等を適宜組み合わせた積層体等を用いることができる。また、蓋基材層４２上に例えば印刷を設ける場合には印刷面の保護と表面光沢付与のためにポリプロピレンフィルム等の表面保護層を設けてもよい。蓋ラベルの構成例を次に例示する。
・二軸延伸ポリプロピレン／印刷／二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム／粘着剤／離型紙
・二軸延伸ポリプロピレン／印刷／乳白色二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム／粘着剤／離型紙
・二軸延伸ポリプロピレン／印刷／合成紙（例えば、ユポ）／粘着剤／離型紙
【００１５】
蓋基材層４２の一方の面に設けられる粘着剤層４３としては、再剥離再接着可能な粘着剤が用いられ、天然ゴムラテックス、合成ゴムラテックスあるいはアクリル系樹脂、ゴム系樹脂等にテルペン樹脂やロジン等の粘着付与剤を配合した合成樹脂等の従来から使用されている粘着剤の中から適宜選んで、グラビアコート法、ロールコート法、あるいは、加熱溶融押し出し法等の周知の塗布方法で塗布することにより形成することができ、必要により増粘剤、分散剤、消泡剤、帯電防止剤、防腐剤等の添加剤を加えてもよい。粘着剤の塗布量は、固形分として１０〜３０ｇ／ｍ2 が適当である。また、粘着剤層４３の粘着剤には、シリカ等の粘着阻害剤等の添加剤を添加してもよい。
【００１６】
保型性シート３としては、包装袋２を構成する積層シート２０よりも剛性があり硬質のシートが用いられ、このような構成とすることにより、蓋ラベル４の開閉が容易となると共に、繰返し開閉しても包装袋２の取出し口の縁に波打ちやシワが発生することが防止できる。保型性シート３には、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ＡＢＳ、アクリル、塩化ビニル、ポリカーボネート、アセテート等が使用でき、厚さは５０〜１５０μｍである。また、蓋ラベル４の粘着剤層４３との接着力をコントロールするために保型性シート３の粘着剤層４３と接する面にはコーティングにより表面層を設けて粘着剤層４３の接着力が弱くなるようにしてもよい。
【００１７】
次に図１、図３を参照しながら包装体１の開閉方法について説明する。図１に示すように、蓋ラベル４の摘み部４０を摘み、包装袋２の上端熱接着部２１に向かって引張り上げると先ず、蓋ラベル４は保型性シート３との間で剥離し、切目線５に達すると切目線５に沿って開口予定部６の積層シート２０および保型性シート３が切取られ、切取られた開口予定部６の積層シート２０および保型性シート３は蓋ラベル４の粘着剤層４３に接着したまま蓋ラベル４と一体化された状態で切取り片６０が形成され、それ以外の領域は保型性シート３と蓋ラベル４との間で剥離し、包装袋２の上面には切目線５で囲まれた部分の積層シート２０と保型性シート３が切取られて取出し口８が形成され、該取出し口８より内容物７であるウェットティッシュを取り出すことができる。必要枚数を取り出した後に、開けた蓋ラベル４を元に戻すと蓋ラベル４に一体化された切取り片６０は取出し口８に嵌合され、それ以外の部分は保型性シート３に再接着されて図１に示す状態になり閉口できるものである。
【００１８】
図４は、その他の実施形態を示し、図１のＡ−Ａ線に相当する断面図である。図４に示すように切目線５’がハーフカットである。切目線５’は積層シート２０側から保型性シート３側に向かって積層シート２０を貫通すると共に保型性シート３を半抜きするハーフカットである。ハーフカットの深さは、深くするほうがよく、積層シート２０を貫通し、保型性シート３の厚さにおいて非貫通部分の厚さが５μｍ以下となるように施すのが好ましい。ハーフカットの深さが保型性シート３の非貫通部分の厚さが５μｍを超えると蓋ラベル４を剥離した際に、切目線５に沿って切取られず取出し口が形成されないことがある。
【００１９】
次に、本発明について、以下に実施例を挙げてさらに詳しく説明する。
【実施例１】
【００２０】
＜保型性シート用部材と蓋ラベルの作製＞
保型性シート３に厚さ１００μｍの透明なポリエチレンテレフタレートフィルム（ＰＥＴ）を用いて、その片面に強接着性のアクリル系粘着剤を固形分で２５ｇ／ｍ2 コートし、グラシン紙４０ｇ／ｍ2 の片面に厚さ２０μｍのポリエチレンをラミネートして、ポリエチレン面に離型処理をした離型紙の離型処理面と貼り合せ所定寸法に打抜いて矩形状の保型性シート用部材を作製した。次いで、蓋基材層４２に厚さ８０μｍのポリプロピレン系の合成紙（株式会社ユポ・コーポレーション製）の片面に再剥離再接着可能な弱接着性のアクリル系粘着剤をコートして粘着剤層を形成し、グラシン紙の片面にポリエチレンをラミネートして、ポリエチレン面に離型処理をした離型紙の離型処理面と貼り合せた基材（リンテック株式会社製、商品名：ユポ８０（ＵＶ）ＭＷ２）を用い、該基材の合成紙面に厚さ４０μｍの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを貼り合せた後、所定寸法に打抜いて離型紙付の蓋ラベル４を作製した。
【００２１】
＜包装体の作製＞
次いで厚さ１２μｍの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムと厚さ７μｍのアルミニウム箔と厚さ４０μｍの線状低密度ポリエチレンフィルム（ＬＬＤＰＥ）をドライラミネーション法で積層し、積層シート２０を作製した。次いで積層シート２０の所定位置に上記で作製した保型性シート用部材の離型紙を剥離して取り除き露出した強接着性の粘着剤面を当接して保型性シートを固着した。次いで、所定寸法の長穴形状の切刃を備えた打抜き型で積層シートのＬＬＤＰＥ面から積層シートと保型性シートとを貫通する切目線を施した。その後、上記で作製した離型紙付の蓋ラベル４の離型紙を剥離して取り除き、露出した粘着剤層面を保型性シート面に当接させ、切目線を被覆するように接着し、ガセット袋形態の包装袋を作製し、ウェットティッシュを密封包装して直方体状の包装体１を作製した。
包装体の外寸 ：高さ６０ｍｍ×幅８０ｍｍ×長さ１００ｍｍ
長さは上端熱接着部、下端熱接着部の方向を示す。
保型性シート外寸 ：幅６０ｍｍ×長さ８０ｍｍ
開口部外寸 ：幅２０ｍｍ×長さ４５ｍｍの長穴状
蓋ラベル外寸 ：幅４０ｍｍ×長さ８０ｍｍ（摘み部の長さ１０ｍｍ含む）
【実施例２】
【００２２】
実施例１の切目線を積層シートを貫通し、保型性シートを半抜きするハーフカットとし、それ以外は実施例１と同じ包装体を作製した。ハーフカット深さは、顕微鏡で切目線部分の断面を撮影して４辺部分の非貫通部の厚さを測定して表すこととし、保型性シートの非貫通部分の厚さを１〜２μｍとした。
【実施例３】
【００２３】
実施例２のハーフカット深さを変更し、保型性シートの非貫通部分の厚さを２〜３μｍとした。
【実施例４】
【００２４】
実施例２のハーフカット深さを変更し、保型性シートの非貫通部分の厚さが、４〜５μｍとした。
【００２５】
実施例１および実施例２で作製した包装体を温度２５℃、湿度５０％の環境下で７日間保存後、蓋ラベルの摘み部を摘み、包装袋の上端熱接着部に向かって引張り上げると蓋ラベルは保型性シートとの間で剥離し、切目線に達すると切目線に沿って開口予定部の積層シートおよび保型性シートが切取られ、蓋ラベルと一体化された状態で切取り片が形成され、包装袋の上面には取出し口を形成することができた。また、取出し口の開口縁には積層シートがなく、美麗なものであった。実施例２、３も実施例１と同様に、蓋ラベルを引張り上げることにより包装袋の上面に取出し口を容易に形成することができた。実施例４は実施例２、３に比べ、蓋ラベルを引張り上げるのに力を要したが、包装袋の上面に取出し口を形成することができた。
【図面の簡単な説明】
【００２６】
【図１】本発明にかかる包装体の一実施形態を示す斜視図である。
【図２】図１のＡ−Ａ線の断面図である。
【図３】本発明にかかる包装体の蓋ラベルの開封状態を示す斜視図である。
【図４】その他の実施形態を示す図１のＡ−Ａ線に相当する断面図である。
【符号の説明】
【００２７】
１ 包装体
２ 包装袋
３ 保型性シート
４ 蓋ラベル
５、５’ 切目線
６ 開口予定部
７ 内容物
８ 取出し口
２０ 積層シート
２１ 上端熱接着部
２２ 下端熱接着部
２３ ガセット部
４０ 摘み部
４１ 切刃
４２ 蓋基材層
４３ 粘着剤層
６０ 切取り片
【特許請求の範囲】
【請求項１】
内容物を密封包装する合成樹脂を主体とする軟質の積層シートから形成された包装袋と、その外面に固着された前記積層シートより硬質の保型性シートと、
蓋基材層の一方の面に再剥離再接着可能な粘着剤層が設けられ、前記保型性シートに前記粘着剤層面を当接させて接着された蓋ラベルとを有する包装体であって、
前記蓋ラベルが接着された領域内の前記積層シート及び前記保型性シートに切目線が閉じた形状となるように形成され、
前記蓋ラベルが、前記切目線で囲まれた開口予定部を除いた部分の前記保型性シートとの間で剥離可能であると共に剥離した部分が再接着可能であるように開閉自在に設けられていることを特徴とする包装体。
【請求項２】
前記切目線が、前記積層シート側から前記保型性シート側に向かって、前記積層シートを貫通すると共に前記保型性シートを半抜きするハーフカットであることを特徴とする請求項１記載の包装体。
【請求項１】
内容物を密封包装する合成樹脂を主体とする軟質の積層シートから形成された包装袋と、その外面に固着された前記積層シートより硬質の保型性シートと、
蓋基材層の一方の面に再剥離再接着可能な粘着剤層が設けられ、前記保型性シートに前記粘着剤層面を当接させて接着された蓋ラベルとを有する包装体であって、
前記蓋ラベルが接着された領域内の前記積層シート及び前記保型性シートに切目線が閉じた形状となるように形成され、
前記蓋ラベルが、前記切目線で囲まれた開口予定部を除いた部分の前記保型性シートとの間で剥離可能であると共に剥離した部分が再接着可能であるように開閉自在に設けられていることを特徴とする包装体。
【請求項２】
前記切目線が、前記積層シート側から前記保型性シート側に向かって、前記積層シートを貫通すると共に前記保型性シートを半抜きするハーフカットであることを特徴とする請求項１記載の包装体。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２００９−２４９０３２（Ｐ２００９−２４９０３２Ａ）
【公開日】平成２１年１０月２９日（２００９．１０．２９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−１０３２７７（Ｐ２００８−１０３２７７）
【出願日】平成２０年４月１１日（２００８．４．１１）
【出願人】（０００００２８９７）大日本印刷株式会社 (14,506)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年１０月２９日（２００９．１０．２９）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年４月１１日（２００８．４．１１）
【出願人】（０００００２８９７）大日本印刷株式会社 (14,506)
【Ｆターム（参考）】
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