説明

包装体

【課題】商品の運搬や陳列などの際に情報伝達票によって透光性フィルムや被包装物品に欠陥が生じることを防止することができる包装体を提供する。
【解決手段】複数の被包装物品20が整列集合されて構成された被包装物品集合体11と、被包装物品集合体11の表面上に配置され、情報が表示されたシート状の情報伝達票21と、情報伝達票21の少なくとも一部を被覆し、被包装物品集合体11に貼り付けられた袋状の被覆フィルム27bと、この被覆フィルム27bに被覆された情報伝達票21と被包装物品集合体11とを一体的に包装する透光性フィルム23と、を備える包装体1a。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装体に関し、更に詳しくは、商品の運搬や陳列などの際に情報伝達票によって透光性フィルムや被包装物品に欠陥が生じることを防止することができる包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トイレットペーパーやペーパータオルなどのロール状ペーパー、カートンティシュなどの被包装物品は、複数の被包装物品が一つの集合体(被包装物品集合体)としてまとめられて販売されている。このとき、被包装物品集合体は、保管や運搬する際の利便性を向上させる目的、また、被包装物品を雨水や埃などの汚れから保護する目的で、透光性の樹脂フィルムなどによって包装され、包装体として販売されている。そして、この包装体には、商品陳列時に消費者の購買意欲を促進する目的で広告や懸賞応募はがきなどの情報表示票が貼り付けられて販売されることがある(特許文献1参照)。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の包装体は、その外面(樹脂フィルムの表面)に情報表示票が貼り付けられたものである。このような包装体は、商品の運搬や陳列などの際に情報表示票が剥がれ易く、紛失してしまうという問題があった。そこで、弱粘着剤により被包装物品集合体の表面に、情報伝達票を貼り付けた後、この情報伝達票と被包装物品集合体とを一体的に透光性の樹脂フィルムで包装した包装体が知られている(特許文献2参照)。
【0004】
例えば、図10は、透光性の樹脂フィルムでカートンティシュ(被包装物品)20の集合体11を包装する前の状態を示しており、図10に示すように、集合体11の外面に弱粘着剤15により情報表示票21を貼り付けることを示している。なお、図10中、符号25は、カートンティシュ20内部のティシュを取り出すための取出口を形成する取出口領域を示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平6−59258号公報
【特許文献2】特開2009−107681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に記載の包装体は、情報伝達票が被包装物品の表面に直接貼着され、その後、樹脂フィルムで包装されているものであるため、商品の運搬や陳列などの際に包装体から情報伝達票が剥がれ落ちるなどの不具合を防止することができる。しかしながら、このような包装体は、商品の運搬や陳列などの際に情報伝達票が樹脂フィルムや被包装物品(トイレットペーパー)に接触することがあり、そして、接触した場合に、上記樹脂フィルムなどに切れ目や孔などの欠陥が生じてしまうことがあった。
【0007】
具体的には、情報伝達票として例えば懸賞応募はがきを貼り付けた場合、はがきの一部(特に四隅(角部))が樹脂フィルムや被包装物品に引っ掛かることなどに起因して、樹脂フィルムや被包装物品に切れ目や孔などの欠陥が生じるという問題があった。
【0008】
また、一般に、包装体に使用される樹脂フィルムは、切れ目や孔などの欠陥が生じていない場合、張力に対して十分な引張強伸度を有する。しかし、一旦切れ目や孔などの欠陥が生じた場合、樹脂フィルムが容易に引き裂かれてしまうことが多い。そのため、例えば商品の運搬中などに包装体が解体されてしまうおそれがあった。
【0009】
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、商品の運搬や陳列などの際に情報伝達票によって透光性フィルムや被包装物品に欠陥が生じることを防止することができる包装体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、以下に示す包装体が提供される。
【0011】
[1]複数の被包装物品が整列集合されて構成された被包装物品集合体と、前記被包装物品集合体の表面上に配置され、情報が表示されたシート状の情報伝達票と、前記情報伝達票の少なくとも一部を被覆し、前記被包装物品集合体の表面に貼り付けられた袋状の被覆フィルムと、前記被覆フィルムに被覆された前記情報伝達票と前記被包装物品集合体とを一体的に包装する透光性フィルムと、を備える包装体。
【0012】
[2]前記情報伝達票は、角部を有するものであり、前記情報伝達票の前記角部が、前記被覆フィルムによって被覆されている前記[1]に記載の包装体。
【0013】
[3]前記被覆フィルムは、前記情報伝達票の全部を被覆可能であり、透光性を有するものである前記[1]または[2]に記載の包装体。
【0014】
[4]前記被覆フィルムが、弱粘着剤によって前記被包装物品集合体に貼り付けられている前記[1]〜[3]のいずれかに記載の包装体。
【発明の効果】
【0015】
本発明の包装体は、商品の運搬や陳列などの際に情報伝達票によって透光性フィルムや被包装物品に欠陥が生じることを防止することができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の包装体の一の実施形態を模式的に示す斜視図である。
【図2】図1に示す包装体1aをX方向から見た平面図である。
【図3】本発明の包装体の別の実施形態を模式的に示す斜視図である。
【図4】本発明の包装体の別の実施形態を模式的に示す斜視図である。
【図5】本発明の包装体の別の実施形態を模式的に示す斜視図である。
【図6】本発明の包装体の別の実施形態を模式的に示す斜視図である。
【図7】図3に示す包装体1bの製造工程を模式的に示す説明図である。
【図8】図7に示す製造工程の一部を模式的に示す説明図である。
【図9】図6に示す包装体1eの製造工程を模式的に示す説明図である。
【図10】従来の包装体を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。即ち、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に属することが理解されるべきである。
【0018】
[1]包装体:
本発明の包装体の一の実施形態は、図1に示す包装体1aのように、複数の被包装物品20が整列集合されて構成された被包装物品集合体11と、被包装物品集合体11の表面上に配置され、情報が表示されたシート状の情報伝達票21と、情報伝達票21の少なくとも一部を被覆し、被包装物品集合体11の表面に貼り付けられた袋状の被覆フィルム27aと、この被覆フィルム27aに被覆された情報伝達票21と被包装物品集合体11とを一体的に包装する透光性フィルム23と、を備えるものである。このような構成の包装体であると、情報伝達票の少なくとも一部が被覆フィルムで被覆されているため、商品の運搬や陳列などの際に情報伝達票によって透光性フィルムや被包装物品に、切れ目や孔などの欠陥が生じることを防止することができる。
【0019】
[1−1]被包装物品集合体:
被包装物品集合体は、複数の被包装物品が整列集合されて構成されたものであり、被包装物品としては、例えば、トイレットペーパー、ペーパータオルなどのロール状ペーパー、カートン包装された衛生用紙(カートンティシュ)などを挙げることができる。被包装物品集合体を構成する被包装物品の数は、複数であれば特に制限はないが、例えば、トイレットペーパーの場合であれば、12個であることが多く、ペーパータオルの場合であれば、2個または4個であることが多く、カートンティシュの場合であれば、3個または5個であることが多い。
【0020】
例えば、図1に示す包装体1aは、12個のトイレットペーパー20a(被包装物品20)が整列されて構成された被包装物品集合体11を備えている例であり、図5に示す包装体1dは、2個のペーパータオル20c(被包装物品20)が整列されて構成された被包装物品集合体11を備えている例であり、図6に示す包装体1eは、3個のカートンティシュ20b(被包装物品20)が整列されて構成された被包装物品集合体11を備えている例である。
【0021】
[1−2]情報伝達票:
情報伝達票は、被包装物品集合体の表面上に配置され、情報が表示されたシート状の媒体である。そして、情報伝達票の具体例としては、懸賞応募はがき、広告チラシ、アンケート用紙、割引券、引換券、回数券、優待券、会員証、入店証等を挙げることができる。これらの中でも、懸賞応募はがきとして用いられることが多い。このように、情報伝達票は、上述した懸賞応募はがきなどのように、角部を有する形状であることが多い。例えば、図1に示す包装体1aは、懸賞応募はがきなどのような四角形状の情報伝達票21が被包装物品集合体11の表面上に配置されている例を示している。
【0022】
情報伝達票に表示される情報の種類は、特に限定されないが、消費者の購買意欲を喚起し得る情報であることが好ましい。例えば、懸賞・キャンペーン情報、割引・優待情報等を挙げることができる。
【0023】
なお、上記情報の表示方法としては、視覚を通じて認識されるもののみならず、電子的・磁気的な方法により認識されるものも含まれる。従って、情報伝達票には、磁気カード、ICカード、非接触カード等も含まれる。また、バーコード、QRコード、ICタグ等により情報を表示したものであってもよい。
【0024】
情報伝達票の材料としては、例えば、紙やプラスチック等を挙げることができる。
【0025】
情報伝達票の位置は、特に限定されないが、例えば、被包装物品としてカートンティシュを用いる場合には、情報伝達票の視認性を高めるという観点から、被包装物品集合体の4つの側面の中でも面積が広い2つの側面のいずれかに配置することが好ましい。図6に示す包装体1eは、被包装物品集合体11の4つの側面の中うち面積が広い側面に、透光性を有する袋状の被覆フィルム27bによって全部が被覆された情報伝達票21を配置した例を示している。
【0026】
なお、情報伝達票は、被包装物品集合体に直接貼り付けられないことが好ましい。即ち、情報伝達票は、被覆フィルムを介して被包装物品集合体の表面上の所定の位置に配置されることが好ましい。このように、情報伝達票を、被包装物品集合体に直接貼り付けないことによって、後述するような、情報伝達票を直接貼り付けることに起因する不具合を防止することができる。
【0027】
[1−3]被覆フィルム:
被覆フィルムは、情報伝達票の少なくとも一部を被覆し、被包装物品集合体の表面に貼り付けられた袋状のものである。このような構成とすることによって、情報伝達票が透光性フィルムや被包装物品に、切れ目や孔などの欠陥を生じさせる不具合を防止することができる。即ち、情報伝達票は、商品の運搬や陳列などの際に、樹脂フィルムや被包装物品に引っ掛かり易く、また、情報伝達票の方が樹脂フィルムや被包装物品よりも硬いことが多いため、上記不具合が生じる場合があったが、上記被覆フィルムを用いることによって上記不具合を防止することができる。
【0028】
被覆フィルムの材質については特に制限はなく、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂を用いることができる。これらの中でも、延伸性や強度の面で、ポリエチレンが好ましい。
【0029】
被覆フィルムは、上記条件を満たす限りその形状などは特に制限はないが、情報伝達票が角部を有する場合、この角部が被覆フィルムによって被覆されることが好ましい。即ち、情報伝達票の角部が、袋状の被覆フィルムに収納されていることが好ましい。例えば、はがきは、その四隅(4つの角部)において特に情報伝達票が透光性フィルムや被包装物品に、切れ目や孔などの欠陥を生じさせることがある。そのため、角部を被覆することによって、切れ目や孔などの欠陥が生じることを効果的に防止することができる。
【0030】
図1に示す包装体1aは、情報伝達票21の4つの角部17が、2つの袋状の被覆フィルム27aによって被覆されており、各被覆フィルム27aは、弱粘着剤15によって被包装物品集合体11に貼り付けられている例を示している(図2参照)。なお、図2は、図1に示す包装体1aをX方向から見た平面図であり、透光性フィルム23の表面に印刷された絵柄29は省略している。
【0031】
被覆フィルムは、情報伝達票の全部を被覆可能であり、透光性を有するものであることが好ましい。このような構成であると、情報伝達票の一部を被覆されるような被覆フィルム(図1に示すような被覆フィルム27a)に比べて、商品の運搬などの際に不用意に情報伝達票が被覆フィルムから外れてしまうおそれが少なく、確実に情報伝達票を保持することができる。また、情報伝達票の全部を被覆可能な袋状の被覆フィルムは、製造が容易であるという利点がある。なお、袋状の被覆フィルムは、情報伝達票の情報が表示された部分に相当する部分が少なくとも透光性を有するものであればよいが、製造が容易であるという観点から、全部が透光性を有するものであることが好ましい。また、袋状の被覆フィルムは、情報伝達票の全部を被覆した後(即ち、被覆フィルム内に情報伝達票を全部挿入した後)、その開口部を閉じてもよい。
【0032】
ここで、本明細書において「透光性」とは、情報伝達票に表示された情報が視認可能な性質を意味し、透光性の程度としては、具体的には、JISK7105に準拠して測定したヘイズ値が3〜5%の範囲にあることが好ましい。
【0033】
図3に示す包装体1bは、透光性を有する袋状の被覆フィルム27bに四角形状の情報伝達票21の全部が被覆されている例を示している。即ち、4つの角部17を有する情報伝達票21の全部が袋状の被覆フィルム27b内に挿入されている例である。
【0034】
被覆フィルムは、上述したように被包装物品集合体に貼り付けられている。即ち、情報伝達票は、上記被覆フィルムを介して被包装物品集合体に貼り付けられている。このように、本発明の包装体は、情報伝達票を、被包装物品集合体に直接貼り付けていない。そのため、情報伝達票を直接貼り付けることに起因する不具合(例えば、情報伝達票を貼り付けるために使用した粘着剤が、情報伝達票に残ってしまったり、粘着剤とともに情報伝達票の一部が剥がれてしまったりする不具合)を防止することができる。
【0035】
被覆フィルムは、被包装物品集合体に貼り付けられている限りその方法は特に制限はないが、弱粘着剤によって被包装物品集合体に貼り付けられていることが好ましい。弱粘着剤は、被着体(被包装物品集合体)に対して一旦貼り付いた後、被着体に殆ど残ることなく再度剥離されることができ、その後、更に被着体に対して貼り付くことが可能な接着剤である。このような弱粘着剤を使用することによって、情報伝達票や被包装物品の表面を破損することなく被包装物品から情報伝達票を剥離することができる。
【0036】
弱粘着剤としては、従来公知の弱粘着剤の中から粘着力等を考慮して適宜選択すればよい。例えば、固形分濃度35〜45%の酢酸ビニル樹脂接着剤の他、エマルションタイプのアクリル樹脂系粘着剤等を挙げることができる。より具体的には、弱粘着性のホットメルト接着剤(例えば、商品名「モレスコメルトLT−170」、松村石油研究所社製)等を好適に用いることができる。
【0037】
被覆フィルムを貼り付ける方法としては、上述したように、弱粘着剤を用いることが好ましいが、その使用態様としては、図2に示すように、弱粘着剤15を介して被包装物品集合体11に被覆フィルム27aを貼り付けてもよいし、図3に示すように、粘着テープ31を用いて被包装物品集合体11に被覆フィルム27bを貼り付けてもよい。なお、粘着テープ31の粘着面は、弱粘着剤によって構成されていることが好ましい。
【0038】
なお、被包装物品がトイレットペーパーやペーパータオルなどのロール状のものである場合、被覆フィルムは、図3に示す包装体1bように、4列のトイレットペーパー20aのうち並列する2列のトイレットペーパー20aに跨って貼り付けてもよいし、図4に示す包装体1cように、1列のトイレットペーパー20aの表面に沿って貼り付けてもよい。図3に示す包装体1bように貼り付ける場合、消費者の目に付き易く、購買意欲を更に促進することができる。また、図4に示す包装体1cように貼り付ける場合、被覆フィルム27bが被包装物品20(トイレットペーパー20a)に効果的に貼り付けられるため、被覆フィルム27bが不用意に剥がれ落ちてしまうことを防止することができる。
【0039】
被覆フィルムの厚さは、情報伝達票の形状や硬さによっても異なるが、例えば、カートンティシュの場合、20〜40μmとすることが好ましい。また、トイレットペーパー、ペーパータオルなどの場合、30〜90μmとすることが好ましい。
【0040】
[1−4]透光性フィルム:
透光性フィルムは、被覆フィルムに被覆された情報伝達票と被包装物品集合体とを一体的に包装するフィルムである。このようなフィルムであると、商品の持ち運びが容易であるという利点がある。
【0041】
透光性フィルムの材質については特に制限はなく、通常、包装袋に使用されるポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂を用いることができる。中でも、延伸性や強度の面で、ポリエチレンが好ましい。透光性フィルムの厚さは、被包装物品の種類や質量によっても異なるが、例えば、カートンティシュの場合、20〜40μmとすることが好ましい。また、トイレットペーパー、ペーパータオルなどの場合、30〜90μmとすることが好ましい。
【0042】
透光性フィルムには、商品名、商標、内容量、宣伝文句など、多くの文字情報に加え、商品イメージや消費者の購買意欲を向上させる目的で絵柄などが印刷されていることが多い。そのため、絵柄などが印刷されている場合には、上記絵柄などと情報伝達票の情報が重ならないように、情報伝達票を貼り付けることが好ましい。
【0043】
図1に示す包装体1aは、透光性フィルム23に絵柄29が印刷されている例を示しており、上記絵柄29と情報伝達票21の情報を表示する部分が重ならないように、情報伝達票21を被包装物品集合体11に貼り付けている。
【0044】
被覆フィルムに被覆された情報伝達票と被包装物品集合体とを一体的に包装する方法としては、例えば、両側縁を谷折りにしたガゼット構造を有する長尺チューブ状のフィルム(ガセットチューブシール袋)を用いて包装する方法や、キャラメルやタバコのパッケージ包装で汎用される包装方法(いわゆるキャラメル包装)等を採用することができる。
【0045】
図1に示す包装体1aは、両側縁を谷折りにしたガゼット構造を有する長尺チューブ状の透光性フィルム23を用い、被覆フィルム27aに被覆された情報伝達票21と被包装物品集合体11とを一体的に包装した例を示している。なお、長尺チューブ状の透光性フィルム23には、予め把手35aが形成されている。図5に示す包装体1dは、シート状の透光性フィルム23を用い、いわゆるキャラメル包装によって、被覆フィルム27aに被覆された情報伝達票21とペーパータオル20cの集合体(被包装物品集合体11)とを一体的に包装した例を示している。また、図6に示す包装体1eは、シート状の透光性フィルム23を用い、いわゆるキャラメル包装によって、透光性の袋状の被覆フィルム27bで全部が被覆された情報伝達票21とカートンティシュ20bの集合体(被包装物品集合体11)とを一体的に包装した後、透光性フィルム23に把手35bを形成した例を示している。
【0046】
[2]包装体の製造方法:
本発明の包装体の製造方法について、まず図3に示す包装体1bを製造する場合を例に説明する。図7は、図3に示す包装体1bの製造工程を模式的に示す説明図である。
【0047】
まず、被包装物品集合体に、その全部が被覆フィルムによって被覆された情報伝達票を貼り付ける貼付工程を行う。本工程は、まず、図7に示すように、12個(4個×3段)の被包装物品20が整列集合されて構成された被包装物品集合体11に、情報伝達票供給機41によって情報伝達票21を配置する。なお、情報伝達票21は、予め、透光性の袋状の被覆フィルム27bによってその全部が被覆されている。その後、貼付機43から供給される粘着テープ31によって被覆フィルム27bを被包装物品集合体11に貼り付ける。なお、粘着テープ31の粘着面は、弱粘着剤によって構成されている。
【0048】
次に、ガセットチューブシール袋を裏返す裏返し工程を行う。本工程は、まず、図7に示すように、ガセットチューブシール袋45の一方の開口部47を広げ、この開口部47に一対の開口治具49を挿入して、開口部47が開いた状態にする。その後、気流噴射ノズル51によって圧縮空気などを、ガセットチューブシール袋45の表面に向けて噴射する。このようにして、ガセットチューブシール袋45を裏返して、ガセットチューブシール袋45の内側の面45aを露出させる。なお、開口部47を広げるためには、例えば、吸引力を生じる吸盤を用い、この吸盤によって開口部表面及び裏面をそれぞれ吸引させることで、上記開口部を広げることができる。
【0049】
なお、ガセットチューブシール袋は、両側縁を谷折りにしたガゼット構造を有する長尺チューブ状のフィルム(ガセットチューブ)を利用して形成された袋であり、ガセットチューブの一方の開口部を開放した状態のまま、他方の開口部をヒートシール等で封着することにより、底部を有する袋状としたものである。
【0050】
次に、ガセットチューブシール袋内に、被包装物品集合体を収納する収納工程を行う。本工程(図7中、符号53で示す)は、まず、ガセットチューブシール袋45の露出させた内側の面45aの一部に、貼付工程で得た被包装物品集合体11を接触させる。その後、被包装物品集合体11を、一対の開口治具49の間の空間内に押し込んでいくことによって、ガセットチューブシール袋45内に、被覆フィルム27bが貼り付けられた被包装物品集合体11を収納して包装体を得ることができる。このように一旦ガセットチューブシール袋を裏返した後、このガセットチューブシール袋内に被包装物品集合体を収納するようにすると、ガセットチューブシール袋内の空気によって被包装物品集合体の挿入が容易になる。そのため、連続的な製造を容易に行うことができる。
【0051】
次に、ガセットチューブシール袋45の開口部47を封着する封着工程(図7中、符号55で示す)を行う。この封着の方法は、特に限定されないが、接着剤によって接着する方法、ヒートシールや超音波融着等の溶着によって封着する方法等を挙げることができる。これらの中でも、接着剤等を別途必要とせず、簡素な設備で封着可能であるという観点から、ヒートシールによる溶着が好ましい。
【0052】
図8は、図7に示す製造工程の一部(即ち、収納工程及び封着工程)を模式的に示す説明図である。図8に示すように、収納工程53において、被包装物品集合体11を、ガセットチューブシール袋45の露出させた内側の面45aに対向するように配置する。その後、収納用アーム57によって、被包装物品集合体11を、一対の開口治具49の間の空間内に押し込む。このようにして、ガセットチューブシール袋45内に、被覆フィルム27bが貼り付けられた被包装物品集合体11を収納する。次に、封着工程55において、ガセットチューブシール袋45の開口部47を封着する。このようにして包装体1bを得ることができる。
【0053】
次に、本発明の包装体の製造方法について、図6に示す包装体1eを製造する場合を例に説明する。図9は、図6に示す包装体1eの製造工程を模式的に示す説明図である。
【0054】
まず、被包装物品を整列集合させて被包装物品集合体を得る整列工程を行う。本工程は、図9に示すように、搬送路を有した整列装置61の搬送路上に連続して高速で搬送される複数の被包装物品20のうち、一定個数(図9中においては3個)のみが搬送されるように所定の被包装物品20(図9中、進行方向Yの先頭の被包装物品20から数えて4番目の被包装物品20)を、その両側から支持シリンダ62によって支持する。このように所定の被包装物品を支持すると、支持した被包装物品よりも先に位置する被包装物品のみが搬送路上を搬送される。このようにして、被包装物品を重ね合わせて整列集合させ、略直方体形状の被包装物品集合体11を得る。なお、図9中、符号25は、カートン内部のティシュを取り出すための取出口領域を示す。
【0055】
次に、被包装物品集合体に、被覆フィルムによってその全部が被覆された情報伝達票(被覆フィルムに収納された情報伝達票)を貼り付ける貼付工程を行う。本工程は、弱粘着剤塗布装置63によって、情報伝達票21を収納した被覆フィルム27bの裏面に予め弱粘着剤を塗布しておき、この弱粘着剤が塗布された被覆フィルム27bを、被包装物品集合体11に貼り付ける。
【0056】
次に、被覆フィルムに被覆された情報伝達票と被包装物品集合体とを一体的に包装する包装工程を行う。本工程は、図9に示すように、包装装置64において、透光性フィルムロール65から透光性フィルム23を供給し、この透光性フィルム23によって、被覆フィルム27bが貼り付けられた被包装物品集合体11を巻回した後、透光性フィルム23が筒状となるように被包装物品集合体11に密着させて接合する。その後、透光性フィルム23うち被包装物品集合体11の両端部からはみ出した部分を被包装物品集合体11の天面側及び底面側に折り畳んで接合することにより、被包装物品集合体11と被覆フィルム27bとを一体的に包装(いわゆるキャラメル包装)する。なお、その後、被包装物品集合体11の天面に運搬時の把手35b(図6参照)を形成する。
【0057】
透光性フィルムの接合は、例えば、接着剤によって接着する方法、ヒートシールや超音波融着等の溶着によって封着する方法等を挙げることができる。これらの中でも、接着剤等を別途必要とせず、簡素な設備で封着可能であるという観点から、ヒートシールによる溶着が好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の包装体は、消費者の購買意欲を喚起し得る情報等が表示された情報伝達票を有する包装体として好適である。
【符号の説明】
【0059】
1a,1b,1c,1d,1e:包装体、11:被包装物品集合体、15:弱粘着剤、17:角部、20:被包装物品、20a:トイレットペーパー、20b:カートンティシュ、20c:ペーパータオル、21:情報伝達票、23:透光性フィルム、25:取出口領域、27a,27b:被覆フィルム、29:絵柄、31:粘着テープ、35a,35b:把手、41:情報伝達票供給機、43:貼付機、45:ガセットチューブシール袋、45a:内側の面、47:開口部、49:開口治具、51:気流噴射ノズル、53:収納工程、55:封着工程、57:収納用アーム、61:整列装置、62:支持シリンダ、63:弱粘着剤塗布装置、64:包装装置、65:透光性フィルムロール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被包装物品が整列集合されて構成された被包装物品集合体と、
前記被包装物品集合体の表面上に配置され、情報が表示されたシート状の情報伝達票と、
前記情報伝達票の少なくとも一部を被覆し、前記被包装物品集合体の表面に貼り付けられた袋状の被覆フィルムと、
前記被覆フィルムに被覆された前記情報伝達票と前記被包装物品集合体とを一体的に包装する透光性フィルムと、を備える包装体。
【請求項2】
前記情報伝達票は、角部を有するものであり、前記情報伝達票の前記角部が、前記被覆フィルムによって被覆されている請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
前記被覆フィルムは、前記情報伝達票の全部を被覆可能であり、透光性を有するものである請求項1または2に記載の包装体。
【請求項4】
前記被覆フィルムが、弱粘着剤によって前記被包装物品集合体に貼り付けられている請求項1〜3のいずれか一項に記載の包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−11808(P2011−11808A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−159265(P2009−159265)
【出願日】平成21年7月3日(2009.7.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(390036799)王子ネピア株式会社 (387)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】