説明

包装容器の封緘装置

【課題】封緘装置の背面側にテープドラムの交換作業用のスペースを確保しておく必要がなく、テープドラムの設置幅分のスペースが存在すればよい構造とし、封緘装置全体を工場内の壁面等に接近させて設置することを可能とした容器封緘装置を提供すること。
【解決手段】商品を収納した容器の容器本体と蓋体との重合周縁部を粘着テープで封緘する装置を備えた容器搬送コンベア5であって、長尺の粘着テープ6を広幅のドラム状に多層巻きしたテープドラム60を装着するためのテープホルダ9を、コンベア5の背面側の上方部分において、同コンベア5の移動方向と略直交する状態で水平姿勢に配置されていているものとし、かつ、コンベア5の上部空間aを利用して、テープドラム60をテープホルダ9に対して、コンベア5の前面側から装着させるに必要な高さ位置に形成してある構造としたもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、惣菜包装用容器や鶏卵包装用容器のように、容器本体と蓋体とからなる合成樹脂シート材製の包装用容器を封緘する装置に関するものである。より詳しくは、容器本体と蓋体とが個別に形成されている容器であっても、容器本体と蓋体とがその一側においてヒンジ部を介して一体的に連結されている容器であっても封緘することができる包装用容器の封緘装置に関するものである。
【0002】
而して、本発明は被包装商品の生産者が、生産品の生産工場や包装倉庫において、動力源を使用して生産品を効率的に包装封緘するのに適した封緘装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
従来から、この種の合成樹脂シート材製包装用容器には、容器本体と蓋体とが別々に形成されている容器と、容器本体と蓋体とがその一側においてヒンジ部を介して一体的に連結されている容器とが存在し、何れのものも一般によく知られている。このような容器内に所要の商品を内挿して販売する包装形態としては、その殆どが、工場内等において自動封緘装置で効率的に行われている。例えば、鶏卵包装用容器の場合、所要数の鶏卵を容器内に収納し、蓋を閉じることによって重合した容器本体と蓋体との重合周縁部を粘着テープで効率的に封緘することが鶏卵生産者において行われている。このような自動封緘装置は、例えば本特許出願人が既に提案していて公知になっている。このことは、特許文献1に記載されており、長尺の粘着テープをドラム状に巻いて形成したテープドラムについては特許文献2に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2537461号公報
【特許文献2】特許第2995467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらのうち、特許文献1に記載の自動封緘装置は、鶏卵生産業者が自社工場等に設置した一連の鶏卵自動梱包ラインの末端部分に設置して、例えば1分間に50〜60個の容器を自動的に封緘する自動封緘機である。このような自動封緘機で封緘された鶏卵は段ボール箱等に収納されて梱包された後、市場に出荷され、店頭において陳列されて販売に供されている。この前者の特許文献1において粘着テープのリールとして示されているのが後者の特許文献2に記載の容器封緘用接着テープの塊である。本発明ではこのテープの塊をテープドラムと呼んでいる。
【0006】
現在使用されているこのような封緘装置は、前記のように、装置それ自体は効率よくかつ能率良く作動する構造となっているが、封緘のために使用される長尺の粘着テープを巻き付けて形成したテープドラムの設置場所に課題を有するものとなっていた。このテープドラムは、粘着テープを糸巻きのように横幅方向に適宜間隔ずらしながら幾層にも重ねて巻回し、例えば、横幅約300〜500mm、直径約500〜600mmの大きさに形成されている。テープの長さは、10,000m巻きのものが最も需要が大きい。
【0007】
この長尺テープの必要性は、一日の作業中に幾度となくテープの取り替え追加作業をしなければならない事態が生じないようにすることと、このテープ取り替え作業の間、機械の停止を余儀なくされる不都合を可能な限り回避するためである。
【0008】
他方、現在の容器封緘装置にあっては、図2の平面図において仮想線L60として示したように、封緘装置AにおけるコントロールボックスBの背面部にテープドラムを装着するための円筒状のテープホルダL9が、テープドラムL60の装着側を封緘装置Aの背面側に向けた状態で設置されている。即ち、このテープホルダL9に対してテープドラムL60を封緘装置Aの背面側から差し込んで装着する構造とされている。
【0009】
しかしながら、長尺の粘着テープをドラム巻きしたテープドラムL60は、例えば前記10,000mm巻きドラムにあっては、直径約350mm、横幅約300mm、重さ約8〜10kgという、相当に重い質量を有するものであるため、封緘装置の背面側に突き出させた状態となっているテープホルダL9に対して機械の背面側から差し込んで装着するためには、該ホルダL9の後端部から機械の背面側方向に最低限テープドラムL60の横幅相当以上のスペースと、装着作業者が装着のために必要とする作業スペースとを常時保持させておかなければならない。このスペースが狭過ぎる場合には、テープドラムの交換作業が面倒で手間がかかるという問題がある。
【0010】
他方において、この容器封緘装置Aは、工場の広々とした場所に設置されることは少なく、就中テープドラムの交換作業のためだけに、装置の背面側に大きなスペースを確保させた状態で設置されることは少なく、通常は可能な限り壁面に近づけて、または他の機械装置等に接近させて設置されるのが常である。そのため、テープドラムの交換作業は面倒で時間がかかる要因にもなっている。このように、装置の背面側に大きなスペースを確保しておかなければならないことは、工場内空間の有効利用ができないという解決すべき課題を有するものとなっていた。
【0011】
本発明は、このような従来装置が有していた課題を解消することを目的として達成されたもので、封緘装置の背面側には、少なくともテープドラムの交換作業用のスペースを確保しておく必要がなく、機械操作のために必要な所要空間が常に確保されている封緘装置の前面側からか、長手方向の横外側方向から、テープドラムの交換作業ができる構造とすることによって、テープドラムの交換作業を容易にできるようにすると同時に、封緘装置全体を工場内の壁面等に接近させた状態で設置することを可能な構造とした容器封緘装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
該目的を達成するために講じた本発明の請求項1に記載の包装用容器の封緘装置にあっては、容器本体と蓋体とからなる合成樹脂シート材製包装容器の封緘装置であって、容器本体と蓋体とからなる合成樹脂シート材製包装容器の封緘装置であって、商品を収納した容器を搬送するコンベア5と、長尺の粘着テープ6を広幅のドラム状に多層巻きしたテープドラム60を装着するためのテープホルダ9と、容器本体と蓋体とを閉蓋姿勢とした重合周縁部4を粘着テープ6で封緘する封緘機構7と、容器封緘後の粘着テープ6を所定の位置で切断するカッター機構8とを備えており、前記封緘機構7が、テープドラム60から引き出された粘着テープ6で容器の重合周縁部4を二つ折り状に挟み込んで接着させる上下一対の圧着ローラ10と、容器の重合周縁部4をコンベア5の移動下手側に向かって案内するガイド治具12と、粘着テープ6を断面V字形に屈曲させて容器の重合周縁部4を挟み込ませながら上下の圧着ローラ10間に送り込ませるV字形ガイド部14aを備えたガイド部材14とで構成され、前記テープドラム60を装着させるテープホルダ9が、容器搬送用コンベア5の背面側において同コンベア5の移動方向と略直交する状態で水平姿勢に配置され、かつ、同コンベア5の上部空間aを利用してコンベア5の前面側からテープドラム60を装着させるに必要な高さ位置に形成してある構造としたものである。
【0013】
また、続く請求項2に記載の包装用容器の封緘装置にあっては、容器本体と蓋体とからなる合成樹脂シート材製包装容器の封緘装置であって、商品を収納した容器を搬送するコンベア5と、長尺の粘着テープ6を広幅のドラム状に多層巻きしたテープドラム60を装着するためのテープホルダ9と、容器本体と蓋体とを閉蓋姿勢とした重合周縁部4を粘着テープ6で封緘する封緘機構7と、容器封緘後の粘着テープ6を所定の位置で切断するカッター機構8とを備えており、前記封緘機構7が、テープドラム60から引き出された粘着テープ6で容器の重合周縁部4を二つ折り状に挟み込んで接着させる上下一対の圧着ローラ10と、容器の重合周縁部4をコンベア5の移動下手側に向かって案内するガイド治具12と、粘着テープ6を断面V字形に屈曲させて容器の重合周縁部4を挟み込ませながら上下の圧着ローラ10間に送り込ませるV字形ガイド部14aを備えたガイド部材14とで構成され、前記テープドラム60を装着させるテープホルダ9が、容器搬送用コンベア5の背面側から同コンベア5の上部空間aに突出する姿勢で、同コンベア5の移動方向と略直交する状態で水平姿勢に配置され、かつ、同コンベア5の上部空間aを利用してコンベア5の前面側からテープホルダ9を装着させるに必要な高さ位置に形成され、テープホルダ9の装着後において少なくともコンベア5の上部空間aに突出している部分9aが同コンベア5の上部空間aからコンベア5の背面側に回避した姿勢に姿勢変更可能な構造としたものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1に記載の発明にあっては、テープドラムを装着させるためのテープホルダを、容器搬送用コンベアの背面側において同コンベアの移動方向と略直交する状態で水平姿勢に配置してあるものとし、かつ、同コンベアの上部空間aを利用してコンベアの前面側からテープドラムを装着させるに必要な高さ位置に形成してある構造としたものであるから、テープドラムの交換作業のために業者が機械の背面側に移動する必要がなく、
機械操作のために必要な空間として確保されている機械装置の前面側から、コンベアの上部空間aを利用してテープドラムの交換作業ができるため、テープドラムの交換作業が容易かつ迅速にでき、併せて、機械装置全体を工場内の壁面や他の機械装置等との間にテープドラム交換作業のための無用な空間を設けることなく、適宜に接近させて設置することができるという効果があり、工場内空間の有効利用ができるという効果がある。
【0015】
また、請求項2に記載の発明にあっても、テープドラムを装着させるためのテープホルダを、容器搬送用コンベアの背面側において同コンベアの移動方向と略直交する状態で水平姿勢に配置してあるものとし、同コンベアの上部空間aを利用してコンベアの前面側からテープドラムを装着させるに必要な高さ位置に形成してある構造としたものであり、更に、テープホルダの装着後には少なくともコンベアの上部空間aに突出している部分を同コンベアの上部空間aからコンベアの背面側に回避させた姿勢に姿勢変更可能な構造としたものであるので、テープドラムの交換作業が容易迅速にでき、工場内の空間を有効利用できることに加えて、テープホルダへのテープドラムの装着をコンベアの上部空間aにまで突出している部分を利用して装着できるので装着が容易で、装着後にテープホルダが作業の邪魔になったり、目障りとなる煩わしさも皆無にできるという効果をも期待できるのである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明にかかる封緘装置の第1の実施例を示す正面図。
【図2】同封緘装置の平面図。
【図3】同封緘装置の左側面図。
【図4】同封緘装置における封緘機構部分の斜視図。
【図5】封緘装置の第2実施例を示す平面図。
【図6】同実施例の左側面図。
【図7】同実施例のテープホルダの分解説明図。
【図8】同テープホルダの構造を示す拡大断面図。
【図9】封緘装置の第3実施例を示す正面図。
【図10】同実施例の平面図。
【図11】同実施例の左側面図。
【図12】封緘装置の第4実施例を示す左側面図。
【図13】封緘装置の第5実施例を示す正面図。
【図14】同実施例の左側面図。
【図15】同実施例のテープホルダの下部移行状態を示す左側面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明を実施するに当たっては、次のようにして実施することができるものである。その一つ目は、テープホルダが、コンベアの背面側に立設されたホルダ支持板に支持され、この支持板からコンベアの前面側に向かって突出させてある構造として実施すること。この場合、テープホルダのコンベアの前面側に向かって突出させてある突出端は、少なくともコンベアの上部を越えて前面側にまで突出しない範囲内で終端しているものとするのが好ましい。
【0018】
二つ目は、テープホルダが、コンベアの背面側に立設されたホルダ支持板に支持され、同支持板からコンベアの前面側に向かって突出させてあるものとし、その突出端が、コンベアの前側部分まで、またはその近くにまで突出させてあるものとし、テープドラムの装着後において、コンベアの上部にまで突出している継ぎ足し部9aを折り曲げ関節部9bからコンベアに沿う方向に折り曲げて待避させておく構造として実施することができる。
【0019】
三つ目は、テープホルダが、コンベアの背面側に立設されたホルダ支持ポールに嵌められた支持カラーに支持され、該ホルダ支持ポールに対して周方向に回転可能に嵌合されたホルダ支持環に基端部を連結し、テープドラムの装着時にはコンベアの前面側に向かって突出している姿勢とし、テープドラムの装着後はホルダ支持環を回転させてコンベアの背面側に突出させておく構造として実施することができる。
【0020】
四つ目は、テープホルダが、コンベアの背面側の床面に立設されたホルダ支持ポールに支持されているものとし、該ホルダ支持ポールそのものを回転可能な状態で立設されているものとするか、ホルダ支持ポールそのものは非回転で固定されているものとし、このホルダ支持ポールに対して、前記のように、ホルダ支持環を回転可能に連結してあるものとし、テープドラムの装着時にはコンベアの前面側に向かって突出させ、テープドラムの装着後はホルダ支持ポールを軸回転させるか、ポールの周りにホルダ支持環を回転させることによって、コンベアの背面側に突出させておく構造として実施することができるものである。
【0021】
五つ目は、コンベアの背面側に立設させたホルダ支持ポールを、水平方向支持軸を支点としてコンベアの移動方向に沿う空間内で上下方向回転可能な構造とし、該ホルダ支持ポールに連結支持されたテープホルダにテープドラムを装着させてコンベアの背面側に配置した後、このテープホルダをテープドラムとともに水平方向支持軸を支点として上下方向に回転させ、テープドラムをコンベア背面側の上部箇所からコンベア背面側の下部箇所に移動させることができる構造として実施することができる。
【実施例1】
【0022】
以下において本発明にいう包装用容器の封緘装置の第1実施例を説明する。該実施例に示した封緘装置Aは、図1及び図2に示したように装置全体の左側に偏った箇所で、図2及び図3に見られるように装置全体の背面側にテープドラム60をそのほぼ全体が容器搬送コンベア5の背面側に位置するように配置させた構造としたものである。これらの図1乃至図3に示した符号Bは、上面に各種のスイッチボタンB1を、前面にコントロール操作レバーB2を備えたコントロールボックスである。
【0023】
また、この容器封緘装置Aによって封緘される容器Cは、図2に仮想線で示し、図4では実線で示したように、容器本体1と蓋体2とがその一側縁部においてヒンジ部3を介して一体的に連結されている薄い合成樹脂シート材製の包装用容器であって、ここでは一般に周知の鶏卵包装用容器を示してある。敢えて言うまでもなく、この容器Cは発泡性樹脂シート製の容器を排除するものではない。そのため、発泡性樹脂素材の厚さを備えた容器にも対応させるべく、上下方向に対向配置させた圧着ローラ10,10の間隔は、必要に応じて拡がることができるようにしてある。
【0024】
而して、該実施例に示した合成樹脂製包装用容器Cは、前記のように、容器本体1と蓋体2とをヒンジ部3で一体的に形成してある容器を対象として示してあるので、その封緘操作は、図4に見られるように、容器本体1と蓋体2との遊端側の重合周縁部4のみを粘着テープ6で上下から挟み込んで封緘すればよい。
【0025】
この封緘装置Aは、商品を収納した包装用容器Cを搬送するためのコンベア5と、容器Cのヒンジ部3に対向する側の容器本体1と蓋体2との遊端側の重合周縁部4を粘着テープ6で封緘する封緘機構7と、包装用容器Cを封緘した後の粘着テープ6を所定の位置で切断するカッター機構8とを備えている。
【0026】
また、この封緘機構7は、図4に拡大して示したように、粘着テープ6を送りながら容器Cの周縁部4を粘着テープ6で二つ折りに挟み込んで接着する上下一対の圧着ローラ10,10と、容器Cの送り方向に沿って配置されて容器Cの重合周縁部4を案内するガイド治具12と、粘着テープ6を順次断面V字形に屈曲して容器の周縁部4を挟み込ませながら圧着ローラ10,10間に送り込むことができるようにしたV字形ガイド部14aを備えたガイド部材14と、粘着テープ6をガイド部材14に送り込むガイドローラ13とを備えている。この一対の圧着ローラ10,10を含む封緘機構7は封緘装置のフレーム21に保持されている。
【0027】
該実施例に示したガイド部材14は適当な厚みのフラットな金属板材で形成され、コンベア5の方向に面した垂直な端面に側面視V字形のガイド部14aを形成した構造としてあり、前記圧着ローラ10,10に近接させた状態で前記フレーム21に取り付けられている。
【0028】
また、容器の重合周縁部4を案内するガイド治具12は、図1,4に見られるように、水平な隙間11を隔てて上下に対向配置した一対の板材12a,12bを、背面側の垂直配置裏板12cに取り付けてある。これにより前記隙間11が実質的に有底状のU字形溝を構成する構造としてある。また、上下に配置した板材12a,12bを含むガイド治具12は、容器送り方向側の始端側に容器受け入れ用の広幅案内部を備え、容器送り方向終端側は先端程上下幅を細くした嘴状に形成されていて、これにより前記ガイド治具12の手前部分で粘着テープ6がガイド部14aによりV字形に屈曲されるのを妨げないようにしてある。
【0029】
而して、該実施例に示した封緘装置Aにおける容器搬送用のコンベア5は、図1,2における左側を容器搬送始端側とし、同図の右側方向に移動させるコンベアである。該コンベア5の上面は、図1,3のように、コンベア5の前後方向に空間が形成されている。該実施例に示したテープホルダ9は、図3のように、コンベア5の後方枠体5aの背面側にボルト固定された基板91からコンベア5の背面側に突出した水平板92の後端から垂直に立ち上がった側面視L字形に形成されたホルダ固定部90に、基端部が固定されて先端部がコンベア5の上方に向かって突出するように、コンベア5の移動方向と交差する姿勢で配置され、その終端がコンベア5の背面側の上部に位置するようにてある。
【0030】
このテープホルダ9に対して、図3に示したように、テープドラム60がコンベア5の前面側からコンベア5の上部空間aを介して前記ホルダ固定部90に接当するように挿入される。このようにして、コンベア5の背面側の空間部分にテープドラム60が設置されるようにしてある。
【0031】
このようにして配置されたテープドラム60から、図1,2のように粘着テープ6の先端部を取り出して、テープドラム60と水平に配置されたテープガイド棒16を介して反転ローラ15からガイドローラ13を経て前記ガイド部材14並びに圧着ローラ10,10間に向かって移送されるように構成されている。
【0032】
前記カッター機構8は、図1,2に示すように、フレーム21に支持された固定台84に、前後方向移動自在に軸支された移動軸82のコンベア側の先端に固定されたカッター刃81を、図外の操作レバーによって操作される操作駒83の前後方向運動によって前後方向に移動させ、その移動範囲内に容器を封緘した後方側のテープ切断箇所が位置するように配置してある。
【0033】
このようにした封緘装置Aにおいて、図4に示すように、食品を収納した容器Cの遊端側の重合周縁部4をガイド治具12の溝、即ち隙間11に挟ませつつ矢印方向に移行させながら、圧着ローラ10,10の手前箇所でその周縁部4がV字形に形付けされた粘着テープ6とともに圧着ローラ10,10で二つ折り状に挟み込まれ、接着されて封緘される。この時、圧着ローラ10のテープ送り速度とコンベア5の容器送り速度とが同調するように、回転速度を調整してある。このようにして容器Cを粘着テープ6で封緘する。封緘された容器の後方に連なる二つ折り状のテープは、容器の後端から適宜の位置で前記のカッター刃81によって切断され、容器Cの後部のテープが切り離される。
【0034】
この上下一対とした二つの圧着ローラ10,10間に粘着テープ6の先端部を最初にセットするには、上部圧着ローラを上方に移動させて両ローラ間に大きく隙間ができるようにするのが好ましい。そのために、図1に示したように、本実施例では、下部圧着ローラ10を支える固定フレーム21に対して上部圧着ローラ10を支える上部フレーム40を上方に移動させて離間させる。この離間操作は、手動操作によって行う。支持板46を介してフレーム21に固定した枢軸45を支点として上部フレーム40をシーソー状に揺動可能に保持させ、上部フレーム40の一端に固定した上部ローラを、その反対側の端部に設けた操作レバー50を内装スプリングに抗して押し下げ操作することができるようにしてある。この操作レバー50の押し下げ操作によって、上部フレーム40が枢軸45を支点として揺動し、上部ローラ10を持ち上げて下部ローラとの間に間隙を形成することができるようにしてある。このようにして間隙を形成した上下のローラ間10,10間にテープを挟み込ませるようにしてある。
【0035】
而して、本実施例の封緘装置Aは、前記テープホルダ9を、コンベア5の背面側に固定した基板91からコンベア5の背面側に向かって突出させた水平板92の後端部分から上方に向かって立設させたホルダ支持板90に、その基端部を支持させて、同支持板90からコンベア5の前面側に向かって水平姿勢に突出させ、その終端、即ち突出端9’をコンベア5の背面側の上方部分に位置するようにしたものである。
【0036】
このようにしたテープホルダ9に対してテープドラム60を装着させるには、図3に示したように、コンベア5の上部空間aを利用して、コンベア5の前面側からテープホルダ9に外嵌挿入させればよい。
【実施例2】
【0037】
以下において、図5乃至図に示した第2実施例について説明する。図5は図2相当の平面図、図6は図3相当の左側面図、図7はテープホルダの分解説明図、図8はテープホルダの折り曲げ収納状態の側面図である。
【0038】
該第2実施例に示した容器搬送用コンベア5の主体的構造は、前記第1実施例において示したコンベア5の場合と同様の構造を備えたものである。
【0039】
而して、該第2実施例に示したテープホルダ9は、図5,6に見られるように、前記第1実施例において示したのと同様に、コンベア5の背面側に固定した基板91からコンベア5の背面側に向かって突出させたのち、更に該水平板92の後端部分から上方に向かって立設させたホルダ支持板90に基端部を支持させて、同支持板90からコンベア5の前面側に向かって水平姿勢に突出させたものであるが、該実施例のテープホルダ9は、コンベア5の背面側の上方部分において、折り曲げ関節部91を介して継ぎ足し部9aを連結してある構造とし、その先端部即ち突出端9’を、コンベアの前側近くの上部にまで突出させてある構造としたものである。
【0040】
而して、この折り曲げ関節部91は、図7及び図8に拡大して示したように、本体側のテープホルダ9の先端部9’に、継ぎ足し部9aの対向側部分9a’を差込み可能とし、これら両筒間に上下方向に貫通するピン穴を形成し、同穴に支軸ピンpを垂直方向に差し込んで、屈折自在としたものである。
【0041】
このような構造としたテープホルダ9に、前記折り曲げ関節部91を乗り越えて奥側までテープドラム60を外嵌挿入して装着後、コンベアの上面部分にまで突出している継ぎ足し部9aを折り曲げ関節部91からコンベアに沿う方向に折り曲げて、コンベア5の上方から待避させておくようにしたものである。
【実施例3】
【0042】
図9乃至図11は第3実施例を示す図であって、図9は同第3実施例を説明する全体正面図であり、図10及び図11は同実施例を説明する平面図と左側面図である。
【0043】
該第3実施例に示した封緘装置の容器搬送用コンベア5は、前記第1実施例及び第2実施例の場合と同様の構造としたものであって、該実施例に示したテープホルダ9は、コンベア5の背面側にボルト固定した固定金具95によって下方部が支持され、上方に向かって立設されたホルダ支持ポール93の上端近くに設けたホルダ支持環90aに、基端部を連結して、水平方向に突出させてある。
【0044】
このホルダ支持環90aは、ホルダ支持ポール93の上端近くに嵌められた支持カラー94に重量が支えられ、同時に位置規制がなされ、その上部において、ホルダ支持ポール93に対して周方向に回転可能に嵌合させた構造としたものである。
【0045】
而して、テープドラム60の装着時には、図10,11に仮想線で示したように、コンベアの前面側に向かって突出している姿勢とし、この状態でテープドラム60を装着し、装着後は、ホルダ支持ポール93を回動軸としてホルダ支持環90a介してテープホルダ9をコンベア5の背面側に向けて移行させ、実線で示したように、コンベア5の背面側に突出させておくことができるようにしたものである。該第3実施例においては、ホルダ支持ポール93に対して、ホルダ支持環90aを回転可能に連結してあるものとして示したが、言うまでもなく、ホルダ支持ポール93自体を回転可能な構造として実施することもできるものである。
【実施例4】
【0046】
図12は第4実施例の左側面図を示したものである。この実施例は、前記第3実施例において示したホルダ支持ポール93の支持構造に変更を加えたもので、テープホルダ9を上端近くに連結したホルダ支持ポール93を、コンベア5の背面側の床上に載置させたポール支持台96に設けた穴に差込み支持させてある構造としたものである。
【0047】
該ホルダ支持ポール93は、ポールそのものを回転可能な状態でポール支持台96に立設されているものとするか、ホルダ支持ポール93そのものは非回転で、この上部に装着してあるホルダ支持環90aをホルダ支持ポール93に対して回転可能に連結してあるものとしてもよい。而して、既に明らかなように、テープホルダ9に対するテープドラム60の装着時には、テープホルダ9はコンベアの前面側に向かって突出させ、テープドラム60の装着後は、ホルダ支持ポール93を軸回転させるか、ポールの周りにホルダ支持環90aを回転させることによって、テープホルダ9をコンベアの背面側に突出させてある姿勢としておくことは既述の通りである。なお、図12において、符号95’で示したものは、ホルダ支持ポール93の位置決めのための金具である。
【実施例5】
【0048】
図13乃至15は第5実施例を示す図であって、該実施例のテープホルダ9は、コンベア5の背面側において立設させたホルダ支持ポール93を、その長さ方向のほぼ中間部分において、水平方向支持軸97を枢軸として、コンベア5の背面側でコンベア5の移動方向に沿う空間内で上下方向に回転できる構造とし、該ホルダ支持ポール93に連結支持されたテープホルダ9に対して、テープドラム60を装着させて、図14に実線で示したように、コンベアの背面側に配置させた後、このテープホルダ9をテープドラム60とともにホルダ支持ポール93を介して水平方向支持軸97を枢軸として、図13に大きな矢印で示したように、上下方向逆となるように回転させることによって、即ち、ホルダ支持ポール93の上端部側93tが下端部側93eと入れ替わる状態に、テープドラム60をコンベア5の背面側の上部空間a箇所からコンベア5の背面側の下部空間b箇所に移動させて、この状態でテープドラム60のテープを引き出して使用することができるようにしたものである。その他の点は、前記第1,第2実施例に準じたものである。
【0049】
以上本発明の代表的な実施例について説明したが、これらの各実施例では、テープホルダ9をコンベア5の移動始端側の上部空間を利用してテープドラム60を装着するようにした構造について示したが、このテープホルダ9の配置箇所は、コンベア5の移動始端側である必要はなく、コンベア5の右側箇所即ち移動終端側部分に配置させた構造として実施してもよいことは言うまでもない。このように、本発明はその他の点においても必ずしも上記各実施例そのままの構造のみに特定されるものではなく、本発明にいう構成要件を備え、前記の目的を達成し効果を有する範囲内において適宜に改変して実施することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明にいうところの封緘装置にあっては、機体の背面側に必要以上の場所をとる必要がなく、工場内等の設置場所を有効利用することができ、テープドラムの交換や供給作業に要する時間と労力を大幅に低減できるので、大いに普及し利用されるものと期待されるものである。
【符号の説明】
【0051】
A 封緘装置
B コントロールボックス
4 重合周縁部
5 コンベア
50 操作レバー
6 粘着テープ
60 テープドラム
7 封緘機構
8 カッター機構
81 カッター刃
9 テープホルダ
90 ホルダ固定部
10 圧着ローラ
12 ガイド治具
14 ガイド部材
14a V字形ガイド部
a 上部空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と蓋体とからなる合成樹脂シート材製包装容器の封緘装置であって、
商品を収納した容器を搬送するコンベア(5)と、長尺の粘着テープ(6)を広幅のドラム状に多層巻きしたテープドラム(60)を装着するためのテープホルダ(9)と、容器本体と蓋体とを閉蓋姿勢とした重合周縁部(4)を粘着テープ(6)で封緘する封緘機構(7)と、容器封緘後の粘着テープ(6)を所定の位置で切断するカッター機構(8)とを備えており、
前記封緘機構(7)が、テープドラム(60)から引き出された粘着テープ(6)で容器の重合周縁部(4)を二つ折り状に挟み込んで接着させる上下一対の圧着ローラ(10)と、容器の重合周縁部(4)をコンベア(5)の移動下手側に向かって案内するガイド治具(12)と、粘着テープ(6)を断面V字形に屈曲させて容器の重合周縁部(4)を挟み込ませながら上下の圧着ローラ(10)間に送り込ませるV字形ガイド部(14a)を備えたガイド部材(14)とで構成され、
前記テープドラム(60)を装着させるテープホルダ(9)が、容器搬送用コンベア(5)の背面側において同コンベア(5)の移動方向と略直交する状態で水平姿勢に配置され、かつ、同コンベア(5)の上部空間(a)を利用してコンベア(5)の前面側からテープドラム(60)を装着させるに必要な高さ位置に形成してある構造とした
包装用容器の封緘装置。

【請求項2】
容器本体と蓋体とからなる合成樹脂シート材製包装容器の封緘装置であって、
商品を収納した容器を搬送するコンベア(5)と、長尺の粘着テープ(6)を広幅のドラム状に多層巻きしたテープドラム(60)を装着するためのテープホルダ(9)と、容器本体と蓋体とを閉蓋姿勢とした重合周縁部(4)を粘着テープ(6)で封緘する封緘機構(7)と、容器封緘後の粘着テープ(6)を所定の位置で切断するカッター機構(8)とを備えており、
前記封緘機構(7)が、テープドラム(60)から引き出された粘着テープ(6)で容器の重合周縁部(4)を二つ折り状に挟み込んで接着させる上下一対の圧着ローラ(10)と、容器の重合周縁部(4)をコンベア(5)の移動下手側に向かって案内するガイド治具(12)と、粘着テープ(6)を断面V字形に屈曲させて容器の重合周縁部(4)を挟み込ませながら上下の圧着ローラ(10)間に送り込ませるV字形ガイド部(14a)を備えたガイド部材(14)とで構成され、
前記テープドラム(60)を装着させるテープホルダ(9)が、容器搬送用コンベア(5)の背面側から同コンベア(5)の上部空間(a)に突出する姿勢として、同コンベア(5)の移動方向と略直交する状態で水平姿勢に配置され、かつ、同コンベア(5)の上部空間(a)を利用してコンベア(5)の前面側からテープホルダ(9)を装着させるに必要な高さ位置に形成され、テープホルダ(9)の装着後において少なくともコンベア(5)の上部空間(a)に突出している部分(9a)が同コンベア(5)の上部空間(a)からコンベア(5)の背面側に回避した姿勢に姿勢変更可能な構造とした
包装用容器の封緘装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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