説明

包装容器

【課題】ストローに直接手を触れることなく飲むことができるストロー包装体を備えた包装容器の開発。
【解決手段】ストロー3とストローを収容したフィルム袋4とをからなるストロー包装体2が容器1壁に接着され、頂面にストロー孔を有した容器であり、フィルム袋4には、第1易破断部が設けられ、先端側部と吸い口側部とに区分される。フィルム袋の吸い口側部には、把持部分が設けられ、吸い口カバー部と残留部とに区分される。先端31には、第1離脱防止手段を有し、器壁への離脱防止層41を有し、残留部には、第2離脱防止手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストローを衛生的に取り出して使用できるストロー包装体を有する飲料用包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ストロー包装体を備えた液体食品容器は、図4に示すように、紙基材からなる包装材料をレンガ形状に成形した液体食品容器1に、牛乳やジュース等の液体飲料(内容液)が封入されている。内容液を飲用するためのストロー包装体2(ストロー3がフィルム袋4内に収容されたストロー包装体2)が、液体食品容器1の側壁5に接着されている。フィルム袋4は、上下2枚のフイルムの外周をシールすることにより形成される。
【0003】
液体食品容器1を使用する際には、フィルム袋4の上部又は下部を引き裂き、ストロー3を引き出す。ストロー3が、外管と内管とからなり外管内に内管が収納された伸縮ストローである場合、内管を引く出して、容器1の頂面に形成されたストロー孔6に突き刺すことによって、使用者が内容液を吸い出して飲用することができる。
【0004】
また、フィルム袋の一端部近傍の横方向にミシン目を形成し、このミシン目を切り裂いてストローを取り出すことも、ストローに直接に触れないストロー包装体を備える容器とすることもできる(特許文献参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−40334号公報
【特許文献2】特開2002−240878号公報
【特許文献3】特開2006−298441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のいずれの場合でも、フィルム袋からストロー3を取り出した後にストローを手(指)でもってストロー孔に突き刺して使用する必要があり、また、最後に残ったフィルム袋を、ストローを手(指)で持って、取り除く必要があった。
【0007】
本発明は、ストローに直接手を触れることなくフィルム袋から取り出し、ストロー孔に差し込み、ストロー吸い込み口を開放して、内容液を飲むことができるストロー包装体を備えた包装容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の包装容器は、先端を備えた小径内管を、吸い口を備えた大径外管が、伸縮自在に収納し、離脱/逆戻り防止用ストッパーを有するストローと、内部にストローを収容したフィルム袋とをからなるストロー包装体が容器壁に離脱防止層によって接着され、頂面に易破断部のストロー孔を有した容器であって、
フィルム袋には、フィルム袋の長手方向の吸い口側における横断方向に第1易破断部が設けられ、第1易破断部を境にしてフィルム袋が先端側部と吸い口側部とに区分され、
フィルム袋の吸い口側部には、把持部分が設けられると共に、フィルム袋の横断方向に設けられた第2易破断部を境にしてフィルム袋の吸い口カバー部と残留部とに区分され、
先端側部には、内管ストローがフィルム袋から容易に離脱することを防止する第1離脱防止手段を有すると共に容器壁への離脱防止層を有し、残留部には、外管ストローがフィルム袋から容易に離脱することを防止する第2離脱防止手段を有し、
把持部分を把持して、ストロー包装体の長手方向に引張る又は押す際の上記の離脱、破断又は伸縮に対する抵抗の強度が以下の式に基づくことを特徴としている:
(a)第1易破断部 < 第2易破断部 < 容器壁の離脱防止層
(b)外管ストローから内管ストローの伸縮 < 第1離脱防止手段、第2離脱防止手段 < 容器壁の離脱防止層
(c)第1離脱防止手段 < 離脱/逆戻り防止用ストッパー
(d)ストロー孔の易破断部 < 離脱/逆戻り防止用ストッパー
(e)第2易破断部 < 第2離脱防止手段
【0009】
この発明の好ましい態様において、離脱に対する抵抗の強度が、溶着程度のレベル若しくは同種の接着剤(粘着材を含む)の塗布量によって設定され、破断に対する抵抗の強度が、フィルム袋への切り込み程度によって設定される。
【発明の効果】
【0010】
この発明の構成によれば、以下のように、作用/効果を示す。
この発明の包装容器は、先端を備えた小径内管を、吸い口を備えた大径外管が、伸縮自在に収納し、離脱/逆戻り防止用ストッパーを有するストローと、内部にストローを収容したフィルム袋とをからなるストロー包装体が容器壁に離脱防止層によって接着され、頂面に易破断部のストロー孔を有した容器である。
【0011】
このストローは、所謂、伸縮ストローである。ストローは2本の管を備え、先端を備えた小径内管と、吸い口を備えた大径外管とからなる。内管が外管より径方向に細いので、外管内に収納される。収納時でも内管が外管よりはみだしている必要があるので、内管の長さは、外管より長い。
内管の吸い口側の縁部と、外管の先端側の縁部に、ストローは、離脱/逆戻り防止用ストッパーを有する。2本の管を伸ばし切ったときに、それ以上に伸びて離脱しないように、また、内管が再び外管内に戻らないように、ストパーが設けられている。例えば、双方の上記縁部を漏斗状に成形し、凸状と溝を設けて係止部とする。
【0012】
ストロー包装体のフィルム袋は、その内部にストローを収容する。フィルム袋は、熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、それらの共重合体などのポリオレフィンからなる。フィルム袋は、例えば、上下2枚のフイルムの外周をシールすることにより、チューブ状のフィルムを横断方向にシール切断することにより、形成される。
【0013】
ストロー包装体は、容器壁に離脱防止層によって接着される。流通過程でストローを保護し、容器に付属させることができる。
離脱防止層は、接着剤(粘着材を含む)を塗布して、容器壁を加熱/溶融してこれにフィルム袋を押圧して接着させることができる。
【0014】
この発明において、フィルム袋には、フィルム袋の長手方向の吸い口側における横断方向に第1易破断部が設けられ、第1易破断部を境にしてフィルム袋が先端側部と吸い口側部とに区分される。
第1易破断部がそこで破断した場合、フィルム袋は先端側部と吸い口側部とに分離される。
【0015】
この発明において、フィルム袋は、フィルム袋の吸い口側部に、把持部分が設けられる。
把持部分は、通常、消費者が使用時に片方の手指でストロー包装体を把持し、他方の手指で容器本体を持つときに使用される。消費者に把持を示唆するように、容器本体に使用方法を記載したり、形状、色彩、説明文字などを把持部分に施すとができる。
この発明において、フィルム袋の吸い口側部が、フィルム袋の横断方向に設けられた第2易破断部を境にしてフィルム袋の吸い口カバー部と残留部とに区分される。
第2易破断部がそこで破断した場合、フィルム袋の吸い口カバー部と残留部とに分離し、それぞれの部分は、すなわち、吸い口カバー部は、消費者が使用時に最終段階でストローから取り去られる部分であり、残留部は、消費者の使用時の最終段階で、外管ストローの上部縁部の近傍に残留する部分である。残留部は、消費者が使用時に吸い口から液体食品を飲むことを妨げないが、消費者が必要に応じて、取り去ることもできる。
吸い口カバー部がストローから取り去られるので、消費者は使用時に吸い口からストローを介して、容器内部の液体食品を飲むことができる。
【0016】
この発明において、先端側部には、内管ストローがフィルム袋から容易に離脱することを防止する第1離脱防止手段を有する。
第1離脱防止手段は、内管ストローがフィルム袋から容易に離脱することを防止する。第1離脱防止手段には、内管ストローとフィルム袋との接着剤による接着、内管ストローとフィルム袋とのスポット溶着による接着、レーザ溶接による内管ストローとフィルム袋との接着などがある。
この発明において、先端側部には、容器壁への離脱防止層を有する。
先端側部は、消費者の使用時の段階で、容器壁に残留する部分である。フィルム袋の先端側部は、消費者が使用時に吸い口から液体食品を飲むことを妨げないが、廃棄物の分別の観点から、容器本体から、消費者が必要に応じて、取り去ることもできる。
【0017】
この発明において、残留部には、外管ストローがフィルム袋から容易に離脱することを防止する第2離脱防止手段を有する。
第2離脱防止手段は、外管ストローがフィルム袋から容易に離脱することを防止する。第2離脱防止手段には、外管ストローとフィルム袋との接着剤による接着、外管ストローとフィルム袋とのスポット溶着による接着、レーザ溶接による外管ストローとフィルム袋との接着などがある。
【0018】
この発明において、把持部分を把持して、ストロー包装体の長手方向に引張る又は押す際の上記の離脱、破断又は伸縮に対する抵抗の強度が以下の関係式に基づく。
(a)第1易破断部 < 第2易破断部 < 容器側壁の離脱防止層
(b)外管ストローから内管ストローの伸縮 < 第1離脱防止手段、第2離脱防止手段 < 容器側壁の離脱防止層
(c)第1離脱防止手段 < 離脱/逆戻り防止用ストッパー
(d)ストロー孔の易破断部 < 離脱/逆戻り防止用ストッパー
(e)第2易破断部 < 第2離脱防止手段
【0019】
上述の関係式(a)から、把持部分を把持して、ストロー包装体の長手方向に引張ると、容器側壁の離脱防止層が最も強度が強いので、ストロー包装体の先端側部は、容器壁に残留し、第2易破断部も強いので、破断されず、最も弱い第1易破断部で破断し、フィルム袋は先端側部と吸い口側部とに分離される。
ストローは、フィルム袋と、先端側部で第1離脱防止手段によって、吸い口側部で第2離脱防止手段によって、結合している。
【0020】
上述の関係式(b)から、把持部分を把持して、ストロー包装体の長手方向に更に引張ると、容器側壁の離脱防止層が最も強度が強いので、ストロー包装体の先端側部は、容器壁に残留する。
第1離脱防止手段、第2離脱防止手段も強いので、破断されず、最も弱い外管ストローから内管ストローの伸縮が行われる。引張られるので、外管ストローから内管ストローが引き出される。
【0021】
上述の関係式(c)から、把持部分を把持して、ストロー包装体の長手方向に更に引張ると、ストローの2本の管を伸ばし切ったときに、離脱/逆戻り防止用ストッパーが作動して、それ以上に伸びて離脱しないように抵抗が発生する。この抵抗が、第1離脱防止手段の強度より強いので、第1離脱防止手段において、ストローの内管が、フィルム袋の先端側部から離脱する。フィルム袋の先端側部が容器壁に残留する。
ストローが伸び切り、ストローの外管には、消費者が把持するフィルム袋の吸い口側部が付いている。
【0022】
消費者は、ついで、フィルム袋の吸い口側部を把持したまま、ストロー内管の先端部を、ストロー孔の易破断部に当てて、ストローを押す。
上述の関係式(d)から、離脱/逆戻り防止用ストッパーが作動しており、逆戻りしないように抵抗が発生する。この抵抗が、ストロー孔の易破断部の強度より強いので、ストロー孔の易破断部が破断する。ストロー孔から、ストロー内管の先端部、内管本体、必要に応じて、外管部分が、容器内部に挿入される。
【0023】
上述までのステップでは、ストローの外管には、消費者が把持するフィルム袋の吸い口側部が付いている。フィルム袋の吸い口側部が、フィルム袋の横断方向に設けられた第2易破断部を境にしてフィルム袋の吸い口カバー部と残留部とに区分される。
上述の関係式(e)から、残留部の第2離脱防止手段の強度が、第2易破断部より強いので、残留部がストロー外管に残留し、第2易破断部で破断して、吸い口カバー部が、消費者によってこの段階でストローから取り去られる。
吸い口カバー部がストローから取り去られるので、消費者は使用時に吸い口からストローを介して、容器内部の液体食品を飲むことができる。
フィルム袋の先端側部や吸い口カバー部は、好ましくは、環境負荷低減の観点から、分別して廃棄する。
【0024】
上述のように、ストローに直接手を触れることなくフィルム袋から取り出し、ストロー孔に差し込み、ストロー吸い込み口を開放して、内容液を飲むことができるストロー包装体を備えた包装容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施例の包装容器のストロー包装体が容器側壁に接着されている概略外観図である。
【図2】本発明によるストロー包装体の残留部に対応する部分の横断方向断面図である。
【図3】本発明の一実施例の包装容器のストロー包装体を使用するステップを示す概略外観図である。
【図4】従来の包装容器を示す概略外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面を参照して、この発明を実施するための形態、態様、実施例を具体的に説明する。
図1、図2に示すように、この実施例の包装容器1は、先端31を備えた小径内管32を、吸い口33を備えた大径外管34が、伸縮自在に収納し、離脱/逆戻り防止用ストッパー35a、35bを有するストロー3と、内部にストロー3を収容したフィルム袋4とをからなるストロー包装体2が容器側壁5に離脱防止層41a、41bによって接着され、頂面に易破断部のストロー孔6を有した容器である。
【0027】
この実施例のストロー3は、伸縮ストローである。ストロー3は2本の管を備え、先端31を備えた小径内管32と、吸い口33を備えた大径外管34とからなる。内管32が、図2に示すように、外管34内に収納される。内管32の長さは、外管34より長い。
内管の吸い口側の縁部と、外管の先端側の縁部に、ストロー3は、離脱/逆戻り防止用ストッパー35a、35bを有する。2本の管を伸ばし切ったときに、それ以上に伸びて離脱しないように、また、内管が再び外管内に戻らないように、ストパーが設けられている。実施例では、双方の上記縁部を漏斗状に成形し、凸状と溝を設けて係止部とする。
【0028】
ストロー包装体のフィルム袋4は、ポリエチレン、ポリプロピレン、それらの共重合体などのポリオレフィンからなる。フィルム袋は、実施例では、図2に示すように、上下2枚のフイルム4、4の外周をシールすることにより、形成される。
【0029】
ストロー包装体2は、容器壁5に離脱防止層41a、41bによって接着される。離脱防止層41a、41bは、ホットメルトなどの接着剤を塗布して接着させる。
【0030】
この形態において、フィルム袋4には、フィルム袋4の長手方向の吸い口33側における横断方向に第1易破断部42が設けられ、第1易破断部42を境にしてフィルム袋が先端側部43と吸い口側部44とに区分される。
第1易破断部42が破断すると、フィルム袋4は先端側部43と吸い口側部44とに分離される。
【0031】
この形態において、フィルム袋4は、フィルム袋の吸い口側部44に、把持部分45が設けられる。
把持部分は、通常、消費者が使用時に片方の手指でストロー包装体を把持し、他方の手指で容器本体を持つときに使用される。消費者に把持を示唆するように、容器本体に使用方法を記載したり、形状、色彩、説明文字などを把持部分に施す。
【0032】
この形態において、フィルム袋の吸い口側部44が、フィルム袋の横断方向に設けられた第2易破断部46を境にしてフィルム袋の吸い口カバー部47と残留部48とに区分される。
第2易破断部46で破断すると、吸い口カバー部47と残留部48とに分離し、吸い口カバー部47は、消費者が使用時に最終段階でストロー3から取り去られる部分であり、残留部48は、消費者の使用時の最終段階で、外管ストロー34の上部縁部の近傍に残留する部分である。
吸い口カバー部47がストローから取り去られるので、消費者は使用時に吸い口33からストローを介して、容器内部の液体食品を飲むことができる。
【0033】
この形態において、先端側部43には、内管ストロー32がフィルム袋から容易に離脱することを防止する第1離脱防止手段36を有する。
第1離脱防止手段36は、内管ストロー32がフィルム袋4から容易に離脱することを防止する。第1離脱防止手段36は、この形態では、内管ストローとフィルム袋とのスポット溶着による接着である。
この形態において、先端側部43には、容器壁5への離脱防止層41a、41bを有する。
先端側部43は、消費者の使用時の段階で、容器壁に残留する部分である。フィルム袋の先端側部43は、廃棄物の分別の観点から、容器本体から、取り去ることもできる。
【0034】
この形態において、残留部48には、外管ストロー34がフィルム袋4から容易に離脱することを防止する第2離脱防止手段37を有する。
第2離脱防止手段37は、外管ストローがフィルム袋から容易に離脱することを防止する。第2離脱防止手段37は、図2に示すように、外管34とフィルム袋の残留部48とのスポット溶着37による接着である。
【0035】
この形態において、把持部分を把持して、ストロー包装体の長手方向に引張る又は押す際の上記の離脱、破断又は伸縮に対する抵抗の強度が以下の関係式に基づく。
(a)第1易破断部42 < 第2易破断部46 < 容器側壁の離脱防止層41a、41b
(b)外管ストローから内管ストローの伸縮 < 第1離脱防止手段36、第2離脱防止手段37 < 容器側壁の離脱防止層
(c)第1離脱防止手段36 < 離脱/逆戻り防止用ストッパー
(d)ストロー孔の易破断部 < 離脱/逆戻り防止用ストッパー
(e)第2易破断部46 < 第2離脱防止手段37
【0036】
上述の関係式から、図3(A)に示すように、把持部分45を把持して、ストロー包装体の長手方向に引張ると、容器側壁の離脱防止層が最も強度が強いので、ストロー包装体の先端側部は、容器壁に残留し、第2易破断部も強いので、破断されず、最も弱い第1易破断部42で破断し、フィルム袋は先端側部43と吸い口側部44とに分離される。
ストロー3は、フィルム袋4と、先端側部43で第1離脱防止手段36によって、吸い口側部44で第2離脱防止手段37によって、結合している。
【0037】
更に、把持部分45を把持して、ストロー包装体の長手方向に更に引張ると、容器側壁の離脱防止層が最も強度が強いので、図3(B)に示すように、ストロー包装体の先端側部43は、容器壁に残留する。
第1離脱防止手段36、第2離脱防止手段37も強いので、破断されず、最も弱い外管ストロー34から内管ストロー32の伸縮が行われる。引張られるので、図3(B)に示すように、外管ストローから内管ストローが引き出される。
【0038】
更に、把持部分を把持して、ストロー包装体の長手方向に更に引張ると、ストローの2本の管を伸ばし切ったときに、離脱/逆戻り防止用ストッパー35が作動して、それ以上に伸びて離脱しないように抵抗が発生する。この抵抗が、第1離脱防止手段36の強度より強いので、第1離脱防止手段36において、ストローの内管32が、フィルム袋の先端側部43から離脱する。図3(C)に示すように、フィルム袋の先端側部43が容器壁に残留する。
図3(B)、(C)に示すように、ストロー3が伸び切り、ストローの外管には、消費者が把持するフィルム袋の吸い口側部44が付いている。
【0039】
図3(C)に示すように、消費者は、フィルム袋の吸い口側部44を把持したまま、ストロー内管の先端部31を、ストロー孔6の易破断部に当てて、ストロー3を押す。
上述の関係式(d)から、離脱/逆戻り防止用ストッパー35が作動しており、逆戻りしないように抵抗が発生する。この抵抗が、ストロー孔の易破断部の強度より強いので、ストロー孔の易破断部6が破断する。ストロー孔から、図3(C)に示すように、ストロー内管の先端部、内管本体、必要に応じて、外管部分が、容器内部に挿入される。
【0040】
吸い口側部44が、フィルム袋の横断方向に設けられた第2易破断部46を境にしてフィルム袋の吸い口カバー部47と残留部48とに区分される。
上述の関係式(e)から、残留部48の第2離脱防止手段36の強度が、第2易破断部より強いので、残留部48がストロー外管に残留し、第2易破断部46で破断して、吸い口カバー部47が、消費者によってこの段階でストローから取り去られる。
吸い口カバー部47がストローから取り去られるので、消費者は使用時に吸い口33からストローを介して、容器内部の液体食品を飲むことができる。
【0041】
この形態の態様において、離脱に対する抵抗の強度が、溶着程度のレベル若しくは同種の接着剤(粘着材を含む)の塗布量によって設定され、破断に対する抵抗の強度が、フィルム袋へのノッチ、ミシン目、ハーフカットなどの切り込み程度によって設定される。
【0042】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて説明したが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0043】
1 包装容器
2 ストロー包装体
3 ストロー
31 先端
32 内管
33 吸い口
34 外管
35 離脱/逆戻り防止用ストッパー
4 フィルム袋
41 離脱防止層
6 ストロー孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端を備えた小径内管を、吸い口を備えた大径外管が、伸縮自在に収納し、離脱/逆戻り防止用ストッパーを有するストローと、内部に該ストローを収容したフィルム袋とをからなるストロー包装体が容器壁に離脱防止層によって接着され、頂面に易破断部のストロー孔を有した容器であって、
該フィルム袋には、該フィルム袋の長手方向の該吸い口側における横断方向に第1易破断部が設けられ、該第1易破断部を境にして該フィルム袋が先端側部と吸い口側部とに区分され、
該フィルム袋の該吸い口側部には、把持部分が設けられると共に、該フィルム袋の横断方向に設けられた第2易破断部を境にしてフィルム袋の吸い口カバー部と残留部とに区分され、
該先端側部には、該内管が該フィルム袋から容易に離脱することを防止する第1離脱防止手段を有すると共に容器壁への離脱防止層を有し、該残留部には、該外管が該フィルム袋から容易に離脱することを防止する第2離脱防止手段を有し、
該把持部分を把持して、該ストロー包装体の長手方向に引張る又は押す際の上記の離脱、破断又は伸縮に対する抵抗の強度が以下の式に基づくこと:
(a)該第1易破断部 < 該第2易破断部 < 該容器壁の離脱防止層
(b)該外管から内管ストローの伸縮 < 該第1離脱防止手段、該第2離脱防止手段 < 容器壁の該離脱防止層
(c)該第1離脱防止手段 < 該離脱/逆戻り防止用ストッパー
(d)該ストロー孔の易破断部 < 該離脱/逆戻り防止用ストッパー
(e)該第2易破断部 < 該第2離脱防止手段
を特徴とする包装容器。
【請求項2】
該離脱に対する抵抗の強度が、溶着程度のレベル若しくは同種の接着剤の塗布量によって設定され、破断に対する抵抗の強度が、フィルム袋への切り込み程度によって設定される、請求項1記載の包装容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−126443(P2012−126443A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281767(P2010−281767)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(000229232)日本テトラパック株式会社 (259)
【Fターム(参考)】