包装容器
【課題】プラスチックキャップ/注出口栓に比べて、環境負荷も小さく、簡単で安価な構造で容器の開封・再栓を可能にし、注ぎ易い包装容器を提供する。
【解決手段】頂壁26に開口31及び開口に設けられた注出口を有する包装容器であって、注出口が、折畳まれた注出口パネルから形成され、注出口パネルが、開口を覆い、注出流路を形成する流路パネル34と、流路パネルの両側に隣接し、流路の側壁を形成する2枚の側壁パネル35と、流路パネルの下端に隣接し、注出口を下端で容器器壁に接合させる下端シールパネル36と、側壁パネルそれぞれの下側端に隣接し、注出口を側方で頂壁26に接合させる2枚の側方シールパネル37とからなり、注出口パネルが、下端シールパネルが開口の下方で容器器壁25に接合させ、側方シールパネルが開口を側方で頂壁に接合させ、側壁パネルを中央で折畳んで流路パネルを開口の上に覆って形成される。
【解決手段】頂壁26に開口31及び開口に設けられた注出口を有する包装容器であって、注出口が、折畳まれた注出口パネルから形成され、注出口パネルが、開口を覆い、注出流路を形成する流路パネル34と、流路パネルの両側に隣接し、流路の側壁を形成する2枚の側壁パネル35と、流路パネルの下端に隣接し、注出口を下端で容器器壁に接合させる下端シールパネル36と、側壁パネルそれぞれの下側端に隣接し、注出口を側方で頂壁26に接合させる2枚の側方シールパネル37とからなり、注出口パネルが、下端シールパネルが開口の下方で容器器壁25に接合させ、側方シールパネルが開口を側方で頂壁に接合させ、側壁パネルを中央で折畳んで流路パネルを開口の上に覆って形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、牛乳、ジュース、アルコール飲料、ミネラルウォータ、緑茶などを充填する注出口付き包装容器の製造方法及びその包装容器に関するに関する。
【背景技術】
【0002】
柔軟性に富んだ紙製包装積層材料は多年にわたって液体食品を包装するために用いられてきた。牛乳、ジュース、清酒、焼酎、ミネラルウォーター及びその他飲料のための図14(A)に示すような包装容器20は、例えば、繊維質基材(例えば、紙など)/プラスチック積層体に折目線が付けられたウェブ状包装積層材料を、その長手方向の縦線シールによりチューブ状に成形し、チューブ状に成形された包装材料内に被充填物を充填し、チューブ状包装材料を横断方向に横線シールし、クッション形若しくは枕状の包装体(一次形状容器)に成形する。
枕状の包装体を横シール部分で容器1個分ごとに切断し、最終成形工程で、折目線に沿って山折り若しくは谷折に、フィン21及びフラップ22を折畳んで、図14(A)に示すレンガ状の容器20が成形される。
また、図14(B)に示す頂壁が、屋根型の容器20は、最終成形工程で、別の折畳みによって、フィン21及びフラップ22を折畳んで成形される。
更に、図14(C)に示す頂壁が、片流れ屋根型の容器20は、最終成形工程で、別の折畳みによって、フィン21及びフラップ22を折畳んで成形される。
【0003】
ゲーブルトップ状(屋根型)の紙製包装容器では、紙製包装材料を所定の形状に切断し、容器縦方向にシールしたブランクスを得、充填機内でブランクスの底をシールした後に上部開口から牛乳、ジュース又はその他の飲料の被充填物を充填し、上部をシールして得られる。これらの包装材料には、その表面に包装容器製品の外観デザインが印刷される。
【0004】
容器の注出口は、前もって注出口栓を成形し、容器へ若しくは容器成形前の包装材料へ、その容器若しくはその包装材料に穿孔された注出孔に内側から挿入して超音波シール、ホットメルト、ヒートシールなどで溶着して若しくは注出孔外側へ当てて溶着する方法で、又は、紙容器用の包装材料に穿孔された注出孔へ射出成形によって注出口栓を直接に成形して装着しその包装材料から容器に成形する方法で、更に、図14(A)に示すように、容器頂壁に、開口を穿孔し内側からインナーテープと外側からプルタブフィルム23をヒートシールして注出口24を形成する方法で、装着される。(特許文献1及び2、3参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭63-86021号公報
【特許文献2】特開平08-183555号公報
【特許文献3】国際公開WO2009/000927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、プラスチックキャップ/注出口栓に比べて、環境負荷も小さく、簡単で安価な構造で容器の開封・再栓を可能にし、注ぎ易い包装容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の包装容器は、ウェブ状包装材料の縦線シールによるチューブ状成形、チューブ状包装材料内への充填、チューブ状包装材料の横断方向への横線シール、枕状包装体の成形、枕状包装体の個々の切断、折目線に沿って折畳んで頂壁、側壁及び底壁を持ち、形成されたフィン及びフラップを上記壁へ付けて最終形状への成形により得られ、頂壁に開口及び開口に設けられた注出口を有する包装容器であって、
注出口が、折畳まれた注出口パネルから形成され、
注出口パネルが、開口を覆い、注出流路を形成する流路パネルと、流路パネルの両側に隣接し、流路の側壁を形成する2枚の側壁パネルと、流路パネルの下端に隣接し、注出口を下端で容器器壁に接合させる下端シールパネルと、側壁パネルそれぞれの下側端に隣接し、注出口を側方で頂壁に接合させる2枚の側方シールパネルとからなり、
注出口パネルが、下端シールパネルが開口の下方で容器器壁に接合させ、側方シールパネルが開口を側方で頂壁に接合させ、側壁パネルを中央で折畳んで流路パネルを開口の上に覆って形成されることを特徴とする。
【0008】
この発明の好ましい態様において、流路パネルが、上端に、注出時に流路パネルの傾斜角より大きい傾斜角を持つ流路補助パネルを備え、流路補助パネルが再封止時に折畳まれたフィンに係止される。
【0009】
この発明の好ましい態様において、流路パネルが、両方の下端から中央の上端に向けて、少なくとも2本の折目線を備え、注出時に流路パネルが断面V字状に形成される。
【0010】
この発明の好ましい態様において、流路パネルが開口を上方からシールし、インナーテープが開口を下からシールし、開口内で流路パネル下面とインナーテープとが溶着して、容器開口を封止する。
【0011】
この発明の好ましい態様において、流路パネルプルタブフイルムを上方から覆い、プルタブフイルムが開口を上からシールし、インナーテープが開口を下からシールし、開口内でプルタブフイルムとインナーテープとが溶着して、容器開口を封止する。
【発明の効果】
【0012】
上記構成の本発明によれば、以下の作用機能を発揮し、有利な効果が得られる。
【0013】
本発明の包装容器は、ウェブ状包装材料の縦線シールによるチューブ状成形、チューブ状包装材料内への充填、チューブ状包装材料の横断方向への横線シール、枕状包装体の成形、枕状包装体の個々の切断、折目線に沿って折畳んで頂壁、側壁及び底壁を持ち、形成されたフィン及びフラップを上記壁へ付けて最終形状への成形により得られ、頂壁に開口及び開口に設けられた注出口を有する包装容器である。
また、注出口が、折畳まれた注出口パネルから形成され、
包装容器の側壁、頂壁には、フィン及びフラップが形成されるので、この発明による、パネルを折畳んで形成される注出口では、パネル又はパネル片を引っ掛けることができ、封止、再封止の際に、係止部分として利用することができる。
ウェブ状包装材料が紙主体の材料であり、注出口のパネルも、同種の紙主体の材料を使用すれば、環境負荷を低減し、また、廃棄物回収の際も分別回収が容易になる。
【0014】
この発明の特徴において、注出口パネルが、開口を覆い、注出流路を形成する流路パネルと、流路パネルの両側に隣接し、流路の側壁を形成する2枚の側壁パネルと、流路パネルの下端に隣接し、注出口を下端で容器器壁に接合させる下端シールパネルと、側壁パネルそれぞれの下側端に隣接し、注出口を側方で頂壁に接合させる2枚の側方シールパネルとからなる。
注出口パネルが、下端シールパネルが開口の下方で容器器壁に接合させ、側方シールパネルが開口を側方で頂壁に接合させ、側壁パネルを中央で折畳んで流路パネルを開口の上に覆って形成される。
注出口の使用時は、流路パネルの上部、又は上端の部分を把持して持ち上げ、開口上の覆い(流路パネル)を取り、引き上げる。それと同時に、折畳まれて平坦な側壁パネルそれぞれが広がって立ち上がっていく。流路パネルを引き上げると、側壁パネルが流路の側壁を形成すると共に、流路も形成される。
下端シールパネルが、流路パネルの下端をシールし、側方シールパネルが、側壁パネル下部と頂壁とをシールして、必要なシールを得る。
【0015】
好ましい態様において、流路パネルが、上端に、注出時に流路パネルの傾斜角より大きい傾斜角を持つ流路補助パネルを備え、流路補助パネルが再封止時に折畳まれたフィンに係止される。
流路補助パネル、注出時に流路パネルの傾斜角より大きい傾斜角を持つので、内容溶液が、注出時に流路パネルから流路補助パネルを経て乱れることなく、注ぐことができる。
流路補助パネルが再封止時に折畳まれたフィンに係止されるので、流路パネルで確実に開口を覆うことができる。
【0016】
好ましい態様において、流路パネルが、両方の下端から中央の上端に向けて、少なくとも2本の折目線を備え、注出時に流路パネルが断面V字状に形成される。
2本の折目線を折って、注出時に流路パネルを断面V字状に形成して、内容液が跳ねることなく整流で注ぐことができる。
【0017】
好ましい態様において、流路パネルが開口を上方からシールし、インナーテープが開口を下からシールし、開口内で流路パネル下面とインナーテープとが溶着して、容器開口を封止する。
開口内で流路パネル下面とインナーテープとが溶着しているので、開封時に流路パネルを引き上げるだけの、ワンアクションで開封が可能となる。
【0018】
好ましい態様において、流路パネルをプルタブフイルムを上方から覆い、プルタブフイルムが開口を上からシールし、インナーテープが開口を下からシールし、開口内でプルタブフイルムとインナーテープとが溶着して、容器開口を封止する。
プルタブのシールの上を流路パネルが覆うので、確実に比較的機械的に弱い注出口付近を保護することができ、信頼性の高い容器とすることができる。
上述のように、紙などのパネルと用いるので、プラスチックキャップ/注出口栓に比べて、環境負荷も小さく、簡単で安価な構造で容器の開封・再栓を可能にし、注ぎ易い包装容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明による包装容器の第1実施例を示す注出時の部分斜視図である。
【図2】この発明による包装容器の第1実施例を示す封止時の部分斜視図である。
【図3】第1実施例の注出口パネルの展開図である。
【図4】この発明による包装容器の第2実施例を示す封止時の部分斜視図である。
【図5】この発明による包装容器の第2実施例を示す注出時の部分斜視図である。
【図6】この発明による包装容器の第3実施例を示す封止時の部分斜視図である。
【図7】この発明による包装容器の第3実施例を示す再封止時の部分斜視図である。
【図8】この発明による包装容器の第4実施例を示す封止時の部分斜視図である。
【図9】この発明による包装容器の第4実施例を示す注出時の部分斜視図である。
【図10】この発明による包装容器の第4実施例を示す再封止時の部分斜視図である。
【図11】第4実施例の注出口パネルの展開図である。
【図12】この発明による包装容器の注出口による開口の第1の開封方法を示す断面図である。
【図13】この発明による包装容器の注出口による開口の第2の開封方法を示す断面図である。
【図14】レンガ状包装容器(A)、ゲーブルトップ屋根型容器(B)及び片流れ屋根型容器(C)の斜視図である。
【図15】この発明による包装容器の製造法で使用することができる包装充填装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図15に示される包装充填装置例によって、この形態を説明する。この装置例では、ウェブ状の包装積層材料1は、リール状で包装充填装置に収容される。包装積層材料1は、紙基材、及び該紙基材の両面にポリエチレン樹脂が積層された可撓性の積層体から成り、紙基材とフィルムとの間にアルミニウム箔などのバリア層が形成され、包装容器の表面に相当する部分にあらかじめ外装用の印刷が施される。
注出口パネルは、紙/プラスチック基材、熱可塑性樹脂内外層、及び、必要に応じてバリア層からなる。
【0021】
繰り出された包装積層材料1は、搬送手段によって連続的に搬送され、包装充填に供される。
包装積層材料1は、ストリップ貼着装置3に送られ、ストリップ貼着装置によって包装積層材料1の一方の縁部に沿ってストリップ2が貼着される。
包装積層材料1は、殺菌槽4に送られ、殺菌槽4において過酸化水素等の殺菌液によって殺菌される。包装積層材料1は、エアナイフに送られ、エアナイフによって乾燥させられた後、無菌室16に送られる。包装積層材料1は、成形リング6によって徐々に変形させられてチューブ状の形状にされる。
【0022】
チューブ状に成形された包装積層材料の両縁部同士を、縦シール装置8によってストリップと共に押し当てて縦シールする。更に、充填パイプ7を介して供給された流動/液体食品がチューブ状包装積層材料1内に充填される。
チューブ状包装積層材料は、ローラによって案内され、横方向に横シール装置10によって横シールされ、横シールされた包装積層材料は、ナイフなどで切断されて枕状包装体13が形成される。
枕状包装体13は、最終形状成形装置15で最終の形状に成形され、流動性食品を収容する包装容器14が得られる。
【0023】
この形態による包装容器の注出口は、上記包装充填装置の中で、又は上記包装充填装置の下流側の装置外で、若しくは、上記包装充填装置の中と装置の上流/下流側の装置外とで、形成される。
例えば、図12(A)に示すように、頂壁の開口用のパンチ穿孔及びインナーテープ32の貼着を上記装置内で行い、折畳まれた注出口パネルによる注出口30を、開口31にヒートシールすることにより、設けることができる。
他の方法として、図13(A)頂壁の開口用のパンチ穿孔、インナーテープ32の貼着及びプルタブフィルム33の貼着シールを上記装置内で行い、折畳まれた注出口パネルによる注出口30を、プルタブ33でシールされた開口31を覆いその近傍にシールすることにより、設けることができる。
更に別の方法として、包装充填装置の上流の包装材料製造工程で、開口用のパンチ穿孔、プラスチック層の積層を行い、折畳まれた注出口パネルによる注出口30を、図12(A)に示すように、開口31にヒートシールすることにより、又は、シールされた開口を覆いその近傍にシールすることにより、設けることができる。
【0024】
図1、図2、図3に示す第1実施例において、注出口パネル30が、開口を覆い、注出流路を形成する流路パネル34と、流路パネル34の両側に隣接し、流路の側壁を形成する2枚の側壁パネル35、35と、流路パネル34の下端に隣接し、注出口を下端で容器器壁に接合させる下端シールパネル36と、側壁パネル35それぞれの下側端に隣接し、注出口を側方で頂壁に接合させる2枚の側方シールパネル37、37とからなる。
図2に示すように、注出口パネル30が、下端シールパネル36が開口31の縁で容器器壁25に接合させ、側方シールパネル37、37が開口31を側方で頂壁26に接合させ、側壁パネル35を中央で折畳んで流路パネル34を開口31の上に覆って形成される。
注出口の使用時は、図1に示すように、流路パネル34の上部、又は上端の部分を把持して持ち上げ、開口31上の覆い(流路パネル)を取り、引き上げる。それと同時に、折畳まれて平坦な側壁パネル35、35それぞれが広がって立ち上がっていく。流路パネル34を引き上げると、側壁パネル35、35が流路の側壁を形成すると共に、流路も形成される。
下端シールパネル36が、流路パネル34の下端をシールし、側方シールパネル37が、側壁パネル35下部と頂壁26とをシールして、必要なシールを得る。
【0025】
この態様において、流路パネルが、上端に、注出時に流路パネルの傾斜角より大きい傾斜角を持つ流路補助パネル39を備え、流路補助パネルが再封止時に折畳まれたフィンに係止される。
流路補助パネル39、注出時に流路パネルの傾斜角より大きい傾斜角を持つので、内容溶液が、注出時に流路パネルから流路補助パネルを経て乱れることなく、注ぐことができる。
流路補助パネルが再封止時に折畳まれたフィンに係止されるので、流路パネルで確実に開口を覆うことができる。
【0026】
図4、図5に示す第2実施例において、図5に示すように、注出口パネル30が、下端シールパネル36が開口31の縁で容器器壁25に接合させ、側方シールパネル37、37が開口31を側方で頂壁26に接合させ、側壁パネル35を中央で折畳んで流路パネル34を開口31の上に覆って形成される。
注出口の使用時は、図4に示すように、流路パネル34の上部、又は上端の部分を把持して持ち上げ、開口31上の覆い(流路パネル)を取り、引き上げる。それと同時に、折畳まれて平坦な側壁パネル35、35それぞれが広がって立ち上がっていく。流路パネル34を引き上げると、側壁パネル35、35が流路の側壁を形成すると共に、流路も形成される。
下端シールパネル36が、流路パネル34の下端をシールし、側方シールパネル37が、側壁パネル35下部と頂壁26とをシールして、必要なシールを得る。
【0027】
この態様において、流路パネル34が、両方の下端から中央の上端に向けて、2本の折目線38を備え、注出時に流路パネルが断面V字状に形成される。
2本の折目線38を折って、注出時に流路パネルを断面V字状に形成して、内容液が跳ねることなく整流で注がれる。
【0028】
図6、図7に示す第3実施例において、図6に示すように、注出口パネル30が、下端シールパネル36が開口31の縁で容器器壁25に接合させ、側方シールパネルが開口31を側方で頂壁26に接合させ、側壁パネル35を中央で折畳んで流路パネル34を開口31の上に覆って形成される。
注出口の使用時は、流路パネル34の上部、又は上端の部分を把持して持ち上げ、開口31上の覆い(流路パネル)を取り、引き上げる。それと同時に、折畳まれて平坦な側壁パネル35、35それぞれが広がって立ち上がっていく。流路パネル34を引き上げると、側壁パネル35、35が流路の側壁を形成すると共に、流路も形成される。
【0029】
この態様において、流路パネルが流路補助パネル39を備えると共に、図7に示すように、流路補助パネル39が、再封止時に折畳まれたフィン21に係止されるので、流路パネル34で確実に開口31を覆うことができる。
【0030】
図8、図9、図10に示す第4実施例において、注出口パネル30が、開口を覆い、注出流路を形成する流路パネル34と、流路パネル34の両側に隣接し、流路の側壁を形成する2枚の側壁パネル35、35と、流路パネル34の下端に隣接し、注出口を下端で容器器壁に接合させる下端シールパネル36と、側壁パネル35それぞれの下側端に隣接し、注出口を側方で頂壁に接合させる2枚の側方シールパネル37、37とからなる。
図8に示すように、注出口パネル30が、下端シールパネル36が開口31の縁で容器器壁25に接合させ、側方シールパネル37、37が開口31を側方で頂壁26に接合させ、側壁パネル35を中央で折畳んで流路パネル34を開口31の上に覆って形成される。
注出口の使用時は、図9に示すように、流路パネル34の上部、流路補助パネル39の部分を把持して持ち上げ、開口31上の覆い(流路パネル)を取り、引き上げる。それと同時に、折畳まれて平坦な側壁パネル35、35それぞれが広がって立ち上がっていく。流路パネル34を引き上げると、側壁パネル35、35が流路の側壁を形成すると共に、流路も形成される。
下端シールパネル36が、流路パネル34の下端をシールし、側方シールパネル37が、側壁パネル35下部と頂壁26とをシールして、必要なシールを得る。
【0031】
この態様において、流路パネルが流路補助パネル39を備えると共に、図10に示すように、流路補助パネル39が、再封止時に折畳まれたフィン21に係止部40によって係止されるので、流路パネル34で確実に開口31を覆うことができる。
【0032】
図12(A)に示す態様において、流路パネル34が開口31を上方からシールし、インナーテープ32が開口31を下からシールし、開口31内で流路パネル34下面とインナーテープ31とが溶着して、容器開口31を封止する。
開口内で流路パネル34下面とインナーテープ32とが溶着しているので、開封時に流路パネルを引き上げるだけの、ワンアクションで開封が可能となる。
注出口の使用時の開封は、流路パネル34の上部、又は上端の部分を把持して持ち上げ、開口31上の覆い(流路パネル)を取り、図12(B)に示すように、それに伴って、インナーテープも引張られ、薄くて弱いインナーテープが破断する。
【0033】
図13(A)に示す態様において、流路パネル34が、プルタブフイルム33を上方から覆い、プルタブフィルム33が開口31を上からシールし、インナーテープ32が開口31を下からシールし、開口内でプルタブフイルム33とインナーテープ32とが溶着して、容器開口を封止する。
プルタブ33のシールの上を流路パネル34が覆うので、確実に比較的機械的に弱い注出口30付近を保護することができ、信頼性の高い容器とすることができる。
注出口の使用時の開封は、流路パネル34の上部、又は上端の部分を把持して持ち上げ、プルタブフイルム33の上から覆いを取り、更に、プルタブフイルム33を引き上げ、開口31上のシールを取り、図13(B)に示すように、それに伴って、インナーテープ32も引張られ、薄くて弱いインナーテープ32が破断する。
【0034】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0035】
この発明は、液体食品の包装充填の製造に適用することができる。
【符号の説明】
【0036】
25 容器器壁
26 頂壁
30 注出口、注出口パネル
31 開口
34 流路パネル
35 側壁パネル
36 下端シールパネル
37 側方シールパネル
39 流路補助パネル
【技術分野】
【0001】
本発明は、牛乳、ジュース、アルコール飲料、ミネラルウォータ、緑茶などを充填する注出口付き包装容器の製造方法及びその包装容器に関するに関する。
【背景技術】
【0002】
柔軟性に富んだ紙製包装積層材料は多年にわたって液体食品を包装するために用いられてきた。牛乳、ジュース、清酒、焼酎、ミネラルウォーター及びその他飲料のための図14(A)に示すような包装容器20は、例えば、繊維質基材(例えば、紙など)/プラスチック積層体に折目線が付けられたウェブ状包装積層材料を、その長手方向の縦線シールによりチューブ状に成形し、チューブ状に成形された包装材料内に被充填物を充填し、チューブ状包装材料を横断方向に横線シールし、クッション形若しくは枕状の包装体(一次形状容器)に成形する。
枕状の包装体を横シール部分で容器1個分ごとに切断し、最終成形工程で、折目線に沿って山折り若しくは谷折に、フィン21及びフラップ22を折畳んで、図14(A)に示すレンガ状の容器20が成形される。
また、図14(B)に示す頂壁が、屋根型の容器20は、最終成形工程で、別の折畳みによって、フィン21及びフラップ22を折畳んで成形される。
更に、図14(C)に示す頂壁が、片流れ屋根型の容器20は、最終成形工程で、別の折畳みによって、フィン21及びフラップ22を折畳んで成形される。
【0003】
ゲーブルトップ状(屋根型)の紙製包装容器では、紙製包装材料を所定の形状に切断し、容器縦方向にシールしたブランクスを得、充填機内でブランクスの底をシールした後に上部開口から牛乳、ジュース又はその他の飲料の被充填物を充填し、上部をシールして得られる。これらの包装材料には、その表面に包装容器製品の外観デザインが印刷される。
【0004】
容器の注出口は、前もって注出口栓を成形し、容器へ若しくは容器成形前の包装材料へ、その容器若しくはその包装材料に穿孔された注出孔に内側から挿入して超音波シール、ホットメルト、ヒートシールなどで溶着して若しくは注出孔外側へ当てて溶着する方法で、又は、紙容器用の包装材料に穿孔された注出孔へ射出成形によって注出口栓を直接に成形して装着しその包装材料から容器に成形する方法で、更に、図14(A)に示すように、容器頂壁に、開口を穿孔し内側からインナーテープと外側からプルタブフィルム23をヒートシールして注出口24を形成する方法で、装着される。(特許文献1及び2、3参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭63-86021号公報
【特許文献2】特開平08-183555号公報
【特許文献3】国際公開WO2009/000927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、プラスチックキャップ/注出口栓に比べて、環境負荷も小さく、簡単で安価な構造で容器の開封・再栓を可能にし、注ぎ易い包装容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の包装容器は、ウェブ状包装材料の縦線シールによるチューブ状成形、チューブ状包装材料内への充填、チューブ状包装材料の横断方向への横線シール、枕状包装体の成形、枕状包装体の個々の切断、折目線に沿って折畳んで頂壁、側壁及び底壁を持ち、形成されたフィン及びフラップを上記壁へ付けて最終形状への成形により得られ、頂壁に開口及び開口に設けられた注出口を有する包装容器であって、
注出口が、折畳まれた注出口パネルから形成され、
注出口パネルが、開口を覆い、注出流路を形成する流路パネルと、流路パネルの両側に隣接し、流路の側壁を形成する2枚の側壁パネルと、流路パネルの下端に隣接し、注出口を下端で容器器壁に接合させる下端シールパネルと、側壁パネルそれぞれの下側端に隣接し、注出口を側方で頂壁に接合させる2枚の側方シールパネルとからなり、
注出口パネルが、下端シールパネルが開口の下方で容器器壁に接合させ、側方シールパネルが開口を側方で頂壁に接合させ、側壁パネルを中央で折畳んで流路パネルを開口の上に覆って形成されることを特徴とする。
【0008】
この発明の好ましい態様において、流路パネルが、上端に、注出時に流路パネルの傾斜角より大きい傾斜角を持つ流路補助パネルを備え、流路補助パネルが再封止時に折畳まれたフィンに係止される。
【0009】
この発明の好ましい態様において、流路パネルが、両方の下端から中央の上端に向けて、少なくとも2本の折目線を備え、注出時に流路パネルが断面V字状に形成される。
【0010】
この発明の好ましい態様において、流路パネルが開口を上方からシールし、インナーテープが開口を下からシールし、開口内で流路パネル下面とインナーテープとが溶着して、容器開口を封止する。
【0011】
この発明の好ましい態様において、流路パネルプルタブフイルムを上方から覆い、プルタブフイルムが開口を上からシールし、インナーテープが開口を下からシールし、開口内でプルタブフイルムとインナーテープとが溶着して、容器開口を封止する。
【発明の効果】
【0012】
上記構成の本発明によれば、以下の作用機能を発揮し、有利な効果が得られる。
【0013】
本発明の包装容器は、ウェブ状包装材料の縦線シールによるチューブ状成形、チューブ状包装材料内への充填、チューブ状包装材料の横断方向への横線シール、枕状包装体の成形、枕状包装体の個々の切断、折目線に沿って折畳んで頂壁、側壁及び底壁を持ち、形成されたフィン及びフラップを上記壁へ付けて最終形状への成形により得られ、頂壁に開口及び開口に設けられた注出口を有する包装容器である。
また、注出口が、折畳まれた注出口パネルから形成され、
包装容器の側壁、頂壁には、フィン及びフラップが形成されるので、この発明による、パネルを折畳んで形成される注出口では、パネル又はパネル片を引っ掛けることができ、封止、再封止の際に、係止部分として利用することができる。
ウェブ状包装材料が紙主体の材料であり、注出口のパネルも、同種の紙主体の材料を使用すれば、環境負荷を低減し、また、廃棄物回収の際も分別回収が容易になる。
【0014】
この発明の特徴において、注出口パネルが、開口を覆い、注出流路を形成する流路パネルと、流路パネルの両側に隣接し、流路の側壁を形成する2枚の側壁パネルと、流路パネルの下端に隣接し、注出口を下端で容器器壁に接合させる下端シールパネルと、側壁パネルそれぞれの下側端に隣接し、注出口を側方で頂壁に接合させる2枚の側方シールパネルとからなる。
注出口パネルが、下端シールパネルが開口の下方で容器器壁に接合させ、側方シールパネルが開口を側方で頂壁に接合させ、側壁パネルを中央で折畳んで流路パネルを開口の上に覆って形成される。
注出口の使用時は、流路パネルの上部、又は上端の部分を把持して持ち上げ、開口上の覆い(流路パネル)を取り、引き上げる。それと同時に、折畳まれて平坦な側壁パネルそれぞれが広がって立ち上がっていく。流路パネルを引き上げると、側壁パネルが流路の側壁を形成すると共に、流路も形成される。
下端シールパネルが、流路パネルの下端をシールし、側方シールパネルが、側壁パネル下部と頂壁とをシールして、必要なシールを得る。
【0015】
好ましい態様において、流路パネルが、上端に、注出時に流路パネルの傾斜角より大きい傾斜角を持つ流路補助パネルを備え、流路補助パネルが再封止時に折畳まれたフィンに係止される。
流路補助パネル、注出時に流路パネルの傾斜角より大きい傾斜角を持つので、内容溶液が、注出時に流路パネルから流路補助パネルを経て乱れることなく、注ぐことができる。
流路補助パネルが再封止時に折畳まれたフィンに係止されるので、流路パネルで確実に開口を覆うことができる。
【0016】
好ましい態様において、流路パネルが、両方の下端から中央の上端に向けて、少なくとも2本の折目線を備え、注出時に流路パネルが断面V字状に形成される。
2本の折目線を折って、注出時に流路パネルを断面V字状に形成して、内容液が跳ねることなく整流で注ぐことができる。
【0017】
好ましい態様において、流路パネルが開口を上方からシールし、インナーテープが開口を下からシールし、開口内で流路パネル下面とインナーテープとが溶着して、容器開口を封止する。
開口内で流路パネル下面とインナーテープとが溶着しているので、開封時に流路パネルを引き上げるだけの、ワンアクションで開封が可能となる。
【0018】
好ましい態様において、流路パネルをプルタブフイルムを上方から覆い、プルタブフイルムが開口を上からシールし、インナーテープが開口を下からシールし、開口内でプルタブフイルムとインナーテープとが溶着して、容器開口を封止する。
プルタブのシールの上を流路パネルが覆うので、確実に比較的機械的に弱い注出口付近を保護することができ、信頼性の高い容器とすることができる。
上述のように、紙などのパネルと用いるので、プラスチックキャップ/注出口栓に比べて、環境負荷も小さく、簡単で安価な構造で容器の開封・再栓を可能にし、注ぎ易い包装容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明による包装容器の第1実施例を示す注出時の部分斜視図である。
【図2】この発明による包装容器の第1実施例を示す封止時の部分斜視図である。
【図3】第1実施例の注出口パネルの展開図である。
【図4】この発明による包装容器の第2実施例を示す封止時の部分斜視図である。
【図5】この発明による包装容器の第2実施例を示す注出時の部分斜視図である。
【図6】この発明による包装容器の第3実施例を示す封止時の部分斜視図である。
【図7】この発明による包装容器の第3実施例を示す再封止時の部分斜視図である。
【図8】この発明による包装容器の第4実施例を示す封止時の部分斜視図である。
【図9】この発明による包装容器の第4実施例を示す注出時の部分斜視図である。
【図10】この発明による包装容器の第4実施例を示す再封止時の部分斜視図である。
【図11】第4実施例の注出口パネルの展開図である。
【図12】この発明による包装容器の注出口による開口の第1の開封方法を示す断面図である。
【図13】この発明による包装容器の注出口による開口の第2の開封方法を示す断面図である。
【図14】レンガ状包装容器(A)、ゲーブルトップ屋根型容器(B)及び片流れ屋根型容器(C)の斜視図である。
【図15】この発明による包装容器の製造法で使用することができる包装充填装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図15に示される包装充填装置例によって、この形態を説明する。この装置例では、ウェブ状の包装積層材料1は、リール状で包装充填装置に収容される。包装積層材料1は、紙基材、及び該紙基材の両面にポリエチレン樹脂が積層された可撓性の積層体から成り、紙基材とフィルムとの間にアルミニウム箔などのバリア層が形成され、包装容器の表面に相当する部分にあらかじめ外装用の印刷が施される。
注出口パネルは、紙/プラスチック基材、熱可塑性樹脂内外層、及び、必要に応じてバリア層からなる。
【0021】
繰り出された包装積層材料1は、搬送手段によって連続的に搬送され、包装充填に供される。
包装積層材料1は、ストリップ貼着装置3に送られ、ストリップ貼着装置によって包装積層材料1の一方の縁部に沿ってストリップ2が貼着される。
包装積層材料1は、殺菌槽4に送られ、殺菌槽4において過酸化水素等の殺菌液によって殺菌される。包装積層材料1は、エアナイフに送られ、エアナイフによって乾燥させられた後、無菌室16に送られる。包装積層材料1は、成形リング6によって徐々に変形させられてチューブ状の形状にされる。
【0022】
チューブ状に成形された包装積層材料の両縁部同士を、縦シール装置8によってストリップと共に押し当てて縦シールする。更に、充填パイプ7を介して供給された流動/液体食品がチューブ状包装積層材料1内に充填される。
チューブ状包装積層材料は、ローラによって案内され、横方向に横シール装置10によって横シールされ、横シールされた包装積層材料は、ナイフなどで切断されて枕状包装体13が形成される。
枕状包装体13は、最終形状成形装置15で最終の形状に成形され、流動性食品を収容する包装容器14が得られる。
【0023】
この形態による包装容器の注出口は、上記包装充填装置の中で、又は上記包装充填装置の下流側の装置外で、若しくは、上記包装充填装置の中と装置の上流/下流側の装置外とで、形成される。
例えば、図12(A)に示すように、頂壁の開口用のパンチ穿孔及びインナーテープ32の貼着を上記装置内で行い、折畳まれた注出口パネルによる注出口30を、開口31にヒートシールすることにより、設けることができる。
他の方法として、図13(A)頂壁の開口用のパンチ穿孔、インナーテープ32の貼着及びプルタブフィルム33の貼着シールを上記装置内で行い、折畳まれた注出口パネルによる注出口30を、プルタブ33でシールされた開口31を覆いその近傍にシールすることにより、設けることができる。
更に別の方法として、包装充填装置の上流の包装材料製造工程で、開口用のパンチ穿孔、プラスチック層の積層を行い、折畳まれた注出口パネルによる注出口30を、図12(A)に示すように、開口31にヒートシールすることにより、又は、シールされた開口を覆いその近傍にシールすることにより、設けることができる。
【0024】
図1、図2、図3に示す第1実施例において、注出口パネル30が、開口を覆い、注出流路を形成する流路パネル34と、流路パネル34の両側に隣接し、流路の側壁を形成する2枚の側壁パネル35、35と、流路パネル34の下端に隣接し、注出口を下端で容器器壁に接合させる下端シールパネル36と、側壁パネル35それぞれの下側端に隣接し、注出口を側方で頂壁に接合させる2枚の側方シールパネル37、37とからなる。
図2に示すように、注出口パネル30が、下端シールパネル36が開口31の縁で容器器壁25に接合させ、側方シールパネル37、37が開口31を側方で頂壁26に接合させ、側壁パネル35を中央で折畳んで流路パネル34を開口31の上に覆って形成される。
注出口の使用時は、図1に示すように、流路パネル34の上部、又は上端の部分を把持して持ち上げ、開口31上の覆い(流路パネル)を取り、引き上げる。それと同時に、折畳まれて平坦な側壁パネル35、35それぞれが広がって立ち上がっていく。流路パネル34を引き上げると、側壁パネル35、35が流路の側壁を形成すると共に、流路も形成される。
下端シールパネル36が、流路パネル34の下端をシールし、側方シールパネル37が、側壁パネル35下部と頂壁26とをシールして、必要なシールを得る。
【0025】
この態様において、流路パネルが、上端に、注出時に流路パネルの傾斜角より大きい傾斜角を持つ流路補助パネル39を備え、流路補助パネルが再封止時に折畳まれたフィンに係止される。
流路補助パネル39、注出時に流路パネルの傾斜角より大きい傾斜角を持つので、内容溶液が、注出時に流路パネルから流路補助パネルを経て乱れることなく、注ぐことができる。
流路補助パネルが再封止時に折畳まれたフィンに係止されるので、流路パネルで確実に開口を覆うことができる。
【0026】
図4、図5に示す第2実施例において、図5に示すように、注出口パネル30が、下端シールパネル36が開口31の縁で容器器壁25に接合させ、側方シールパネル37、37が開口31を側方で頂壁26に接合させ、側壁パネル35を中央で折畳んで流路パネル34を開口31の上に覆って形成される。
注出口の使用時は、図4に示すように、流路パネル34の上部、又は上端の部分を把持して持ち上げ、開口31上の覆い(流路パネル)を取り、引き上げる。それと同時に、折畳まれて平坦な側壁パネル35、35それぞれが広がって立ち上がっていく。流路パネル34を引き上げると、側壁パネル35、35が流路の側壁を形成すると共に、流路も形成される。
下端シールパネル36が、流路パネル34の下端をシールし、側方シールパネル37が、側壁パネル35下部と頂壁26とをシールして、必要なシールを得る。
【0027】
この態様において、流路パネル34が、両方の下端から中央の上端に向けて、2本の折目線38を備え、注出時に流路パネルが断面V字状に形成される。
2本の折目線38を折って、注出時に流路パネルを断面V字状に形成して、内容液が跳ねることなく整流で注がれる。
【0028】
図6、図7に示す第3実施例において、図6に示すように、注出口パネル30が、下端シールパネル36が開口31の縁で容器器壁25に接合させ、側方シールパネルが開口31を側方で頂壁26に接合させ、側壁パネル35を中央で折畳んで流路パネル34を開口31の上に覆って形成される。
注出口の使用時は、流路パネル34の上部、又は上端の部分を把持して持ち上げ、開口31上の覆い(流路パネル)を取り、引き上げる。それと同時に、折畳まれて平坦な側壁パネル35、35それぞれが広がって立ち上がっていく。流路パネル34を引き上げると、側壁パネル35、35が流路の側壁を形成すると共に、流路も形成される。
【0029】
この態様において、流路パネルが流路補助パネル39を備えると共に、図7に示すように、流路補助パネル39が、再封止時に折畳まれたフィン21に係止されるので、流路パネル34で確実に開口31を覆うことができる。
【0030】
図8、図9、図10に示す第4実施例において、注出口パネル30が、開口を覆い、注出流路を形成する流路パネル34と、流路パネル34の両側に隣接し、流路の側壁を形成する2枚の側壁パネル35、35と、流路パネル34の下端に隣接し、注出口を下端で容器器壁に接合させる下端シールパネル36と、側壁パネル35それぞれの下側端に隣接し、注出口を側方で頂壁に接合させる2枚の側方シールパネル37、37とからなる。
図8に示すように、注出口パネル30が、下端シールパネル36が開口31の縁で容器器壁25に接合させ、側方シールパネル37、37が開口31を側方で頂壁26に接合させ、側壁パネル35を中央で折畳んで流路パネル34を開口31の上に覆って形成される。
注出口の使用時は、図9に示すように、流路パネル34の上部、流路補助パネル39の部分を把持して持ち上げ、開口31上の覆い(流路パネル)を取り、引き上げる。それと同時に、折畳まれて平坦な側壁パネル35、35それぞれが広がって立ち上がっていく。流路パネル34を引き上げると、側壁パネル35、35が流路の側壁を形成すると共に、流路も形成される。
下端シールパネル36が、流路パネル34の下端をシールし、側方シールパネル37が、側壁パネル35下部と頂壁26とをシールして、必要なシールを得る。
【0031】
この態様において、流路パネルが流路補助パネル39を備えると共に、図10に示すように、流路補助パネル39が、再封止時に折畳まれたフィン21に係止部40によって係止されるので、流路パネル34で確実に開口31を覆うことができる。
【0032】
図12(A)に示す態様において、流路パネル34が開口31を上方からシールし、インナーテープ32が開口31を下からシールし、開口31内で流路パネル34下面とインナーテープ31とが溶着して、容器開口31を封止する。
開口内で流路パネル34下面とインナーテープ32とが溶着しているので、開封時に流路パネルを引き上げるだけの、ワンアクションで開封が可能となる。
注出口の使用時の開封は、流路パネル34の上部、又は上端の部分を把持して持ち上げ、開口31上の覆い(流路パネル)を取り、図12(B)に示すように、それに伴って、インナーテープも引張られ、薄くて弱いインナーテープが破断する。
【0033】
図13(A)に示す態様において、流路パネル34が、プルタブフイルム33を上方から覆い、プルタブフィルム33が開口31を上からシールし、インナーテープ32が開口31を下からシールし、開口内でプルタブフイルム33とインナーテープ32とが溶着して、容器開口を封止する。
プルタブ33のシールの上を流路パネル34が覆うので、確実に比較的機械的に弱い注出口30付近を保護することができ、信頼性の高い容器とすることができる。
注出口の使用時の開封は、流路パネル34の上部、又は上端の部分を把持して持ち上げ、プルタブフイルム33の上から覆いを取り、更に、プルタブフイルム33を引き上げ、開口31上のシールを取り、図13(B)に示すように、それに伴って、インナーテープ32も引張られ、薄くて弱いインナーテープ32が破断する。
【0034】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0035】
この発明は、液体食品の包装充填の製造に適用することができる。
【符号の説明】
【0036】
25 容器器壁
26 頂壁
30 注出口、注出口パネル
31 開口
34 流路パネル
35 側壁パネル
36 下端シールパネル
37 側方シールパネル
39 流路補助パネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブ状包装材料の縦線シールによるチューブ状成形、該チューブ状包装材料内への充填、該チューブ状包装材料の横断方向への横線シール、枕状包装体の成形、該枕状包装体の個々の切断、折目線に沿って折畳んで頂壁、側壁及び底壁を持ち、形成されたフィン及びフラップを上記壁へ付けて最終形状への成形により得られ、該頂壁に開口及び該開口に設けられた注出口を有する包装容器であって、
該注出口が、折畳まれた注出口パネルから形成され、
該注出口パネルが、該開口を覆い、注出流路を形成する流路パネルと、該流路パネルの両側に隣接し、該流路の側壁を形成する2枚の側壁パネルと、該流路パネルの下端に隣接し、該注出口を下端で容器器壁に接合させる下端シールパネルと、該側壁パネルそれぞれの下側端に隣接し、該注出口を側方で該頂壁に接合させる2枚の側方シールパネルとからなり、
該注出口パネルが、該下端シールパネルが該開口の下方で該容器器壁に接合させ、該側方シールパネルが該開口を側方で該頂壁に接合させ、該側壁パネルを中央で折畳んで該流路パネルを該開口の上に覆って形成されることを特徴とする包装容器。
【請求項2】
該流路パネルが、上端に、注出時に流路パネルの傾斜角より大きい傾斜角を持つ流路補助パネルを備え、流路補助パネルが再封止時に折畳まれたフィンに係止される、請求項1記載の包装容器。
【請求項3】
該流路パネルが、両方の下端から中央の上端に向けて、少なくとも2本の折目線を備え、注出時に該流路パネルが断面V字状に形成される、請求項1記載の包装容器。
【請求項4】
該流路パネルが該開口を上方からシールし、インナーテープが開口を下からシールし、該開口内で該流路パネル下面と該インナーテープとが溶着して、該容器開口を封止する、請求項1記載の包装容器。
【請求項5】
該流路パネルがプルタブフイルムを上方から覆い、該プルタブフイルムが該開口を上からシールし、該インナーテープが該開口を下からシールし、開口内で該プルタブフイルムと該インナーテープとが溶着して、容器開口を封止する、請求項1記載の包装容器。
【請求項6】
該ウェブ状包装材料が紙基材を含む積層体であり、該注出口パネルは、紙基材を含む積層体である、請求項1記載の包装容器。
【請求項1】
ウェブ状包装材料の縦線シールによるチューブ状成形、該チューブ状包装材料内への充填、該チューブ状包装材料の横断方向への横線シール、枕状包装体の成形、該枕状包装体の個々の切断、折目線に沿って折畳んで頂壁、側壁及び底壁を持ち、形成されたフィン及びフラップを上記壁へ付けて最終形状への成形により得られ、該頂壁に開口及び該開口に設けられた注出口を有する包装容器であって、
該注出口が、折畳まれた注出口パネルから形成され、
該注出口パネルが、該開口を覆い、注出流路を形成する流路パネルと、該流路パネルの両側に隣接し、該流路の側壁を形成する2枚の側壁パネルと、該流路パネルの下端に隣接し、該注出口を下端で容器器壁に接合させる下端シールパネルと、該側壁パネルそれぞれの下側端に隣接し、該注出口を側方で該頂壁に接合させる2枚の側方シールパネルとからなり、
該注出口パネルが、該下端シールパネルが該開口の下方で該容器器壁に接合させ、該側方シールパネルが該開口を側方で該頂壁に接合させ、該側壁パネルを中央で折畳んで該流路パネルを該開口の上に覆って形成されることを特徴とする包装容器。
【請求項2】
該流路パネルが、上端に、注出時に流路パネルの傾斜角より大きい傾斜角を持つ流路補助パネルを備え、流路補助パネルが再封止時に折畳まれたフィンに係止される、請求項1記載の包装容器。
【請求項3】
該流路パネルが、両方の下端から中央の上端に向けて、少なくとも2本の折目線を備え、注出時に該流路パネルが断面V字状に形成される、請求項1記載の包装容器。
【請求項4】
該流路パネルが該開口を上方からシールし、インナーテープが開口を下からシールし、該開口内で該流路パネル下面と該インナーテープとが溶着して、該容器開口を封止する、請求項1記載の包装容器。
【請求項5】
該流路パネルがプルタブフイルムを上方から覆い、該プルタブフイルムが該開口を上からシールし、該インナーテープが該開口を下からシールし、開口内で該プルタブフイルムと該インナーテープとが溶着して、容器開口を封止する、請求項1記載の包装容器。
【請求項6】
該ウェブ状包装材料が紙基材を含む積層体であり、該注出口パネルは、紙基材を含む積層体である、請求項1記載の包装容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−144297(P2012−144297A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−276548(P2011−276548)
【出願日】平成23年12月18日(2011.12.18)
【出願人】(000229232)日本テトラパック株式会社 (259)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年12月18日(2011.12.18)
【出願人】(000229232)日本テトラパック株式会社 (259)
【Fターム(参考)】
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