包装容器
【目的】内トレーの外箱からの引出しに伴って,内トレー内の内容物を覆うカバーをめくって内容物を外に露出させることができる包装容器を提供する。
【構成】外箱3A内に中敷2が敷かれた内トレー1が収容される。内トレー1の引出し端部がわに内トレー1の幅方向に延びる押え台21Bが設けられている。上記中敷2の先端部2Eが上記内トレー1の押え台21Bの上方において上記外箱3Aに固定されている。内トレー1を引出すと,中敷2がめくれて内トレー1内の内容物Nが外に露出する。
【構成】外箱3A内に中敷2が敷かれた内トレー1が収容される。内トレー1の引出し端部がわに内トレー1の幅方向に延びる押え台21Bが設けられている。上記中敷2の先端部2Eが上記内トレー1の押え台21Bの上方において上記外箱3Aに固定されている。内トレー1を引出すと,中敷2がめくれて内トレー1内の内容物Nが外に露出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,外箱と外箱内に収容される内トレーとを備える包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
衛生,安全,外力からの保護,密封等の目的で,菓子等の食品類その他の比較的小さい商品等を内トレーに入れて封をし,その内トレーを外箱に収容する形態の包装がある。このような内トレーを外箱に収容する形態の包装容器では,その内部の商品等を取り出すためには,まず外箱を開封し,次に内トレーを開封しなければならない。
【0003】
特許文献1の同時開封カートンでは,トレー容器がフランジ部を備え,このフランジ部にトレー容器に封をするための蓋体が接着されている。蓋体の端部が外箱に接着されており,トレー容器を外箱から引出すとそれと同時に蓋体がフランジ部から剥がされてトレー容器が開封される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−66968号公報
【0005】
蓋体端部を外箱に接着するには,接着工程において蓋体端部を外箱に密着させる(押さえつける)必要がある。フランジを持つトレー容器であればそのフランジを支えにして蓋体端部を外箱に密着させることができる。しかしながら,フランジを持たない内トレーも存在し,この場合は蓋体端部を外箱に密着させるのは難しい。
【発明の開示】
【0006】
この発明は,フランジを持たない内トレーであっても内トレー内の内容物を覆うカバー(中敷)の先端部を外箱に良好に密着させて固定することができ,内トレーの外箱からの引出しと同時に内トレー内の内容物を覆う上記カバーをめくることができる包装容器を提供することを目的とする。
【0007】
この発明による包装容器は,角筒状外箱と,上記外箱内にスライド自在に収容され,外箱の引出し端部がわから引出される上面が開口した直方体状内トレーと,上記内トレー内に収納される内容物を少なくとも上から覆うシート状中敷とを備え,上記内トレーの引出し端部がわに内トレーの幅方向に延びる押え台が設けられており,上記中敷の先端部が上記内トレーの押え台の上方において上記外箱に固定されていることを特徴とする。
【0008】
内トレー内の内容物を少なくとも上から覆う中敷の先端部が外箱に固定されているので,内トレーを外箱から引出す操作を行うと,内容物を上から覆う中敷がめくれて内容物が外に露出する。中敷を別途めくらなくてもよいので内容物の取出しが容易になる。
【0009】
内トレーの引出し端部がわに内トレーの幅方向に延びる押え台が設けられているから,この押え台を支えにして,押え台の上方(押え台の台上の範囲)において中敷先端部を外箱に密着させることができる。すなわち,中敷先端部を外箱に固定するときに中敷先端部を外箱にしっかりと押しつけることができ,中敷先端部を外箱に良好に固定することができる。また,押え台によって,押さえつけ時の外箱の変形および内トレーの変形も抑制される。
【0010】
中敷は内トレー内の内容物をその上下から挟むものであってもよい。この場合中敷は内トレー内で折返され,折返された範囲の中敷の先端部が外箱に固定される。中敷が内トレー内で位置ずれしないようにするために,内容物によって敷かれている範囲の中敷の一部を,内トレーの一部(たとえば内トレーの底面部または側面部)に簡易に接着しておいてもよい。
【0011】
中敷先端部は,典型的には接着剤を用いた接着によって外箱に固定される。接着による中敷先端部の外箱への固定は,中敷先端部を外箱に直接に接着して固定する態様のみならず,間接的な接着によって外箱に固定する態様も含む。
【0012】
最も単純には外箱の上面部の裏側に接着剤を塗布し,そこに直接に中敷先端部を接着すればよい。しかしながら,組立てが完成した外箱に内トレーを挿入して包装容器を完成させる場合,外箱上面部の裏側に接着剤を塗布することは,たとえば自動製函工程においてその実現は簡単なことではない。
【0013】
一実施態様では,内容物を上から覆う中敷が外箱の引出し端部がわで上記外箱の上面部を挟むようにして折返され,上記中敷先端部は外箱の上面部の表側に接着される。接着剤は外箱上面部の表側に塗布すればよいので自動製函工程に適する。
【0014】
外箱上面部の表側に接着パネルを接着し,この接着パネルに,上記外箱の引出し端部がわで上記外箱の上面部を挟むようにして折返された中敷先端部を接着してもよい。中敷先端部は接着パネルを介して間接的に外箱に固定される。接着パネルに接着剤を塗布すればよいので,この実施態様も自動製函工程に適している。上記接着パネルは,上記外箱の底面部に連設される上記外箱の上記引出し端部がわの開口を閉じる端面部にさらに連設されたものであってもよい。この場合,開封過程において上記端面部が取除かれることになる。端面部が取除かれても接着パネルは外箱上面部に接着されたままであり,接着パネルに接着されている中敷先端部も外箱に固定されたままとなる。
【0015】
組立てが完成した外箱に内トレーを挿入して包装容器を完成させるのではなく,外箱の組立てと外箱内への内トレーの収容とを同時進行で行うラップラウンド方式を採用してもよい。ラップラウンド方式を採用すれば,外箱上面部の裏側への接着剤の塗布は自動製函工程においてもその実現が容易になる。
【0016】
上述したラップラウンド方式に適した実施態様では,上記外箱の上面部に上記引出し端部がわに突出する接着パネルが連設されており,外箱の上面部の裏側に折畳まれた上記接着パネルに中敷先端部が接着される。接着剤は,折り畳まれることで外箱の上面部の裏側に位置する接着パネルに塗布すればよい。
【0017】
外箱上面部に連設する接着パネルは,あらかじめ外箱の上面部裏側に折り畳んでおいてもよいし,外箱の組立て途中で(ラップラウンド方式による組立て中に)折り畳んでもよい。
【0018】
一実施態様では,上記接着パネルの幅に相当する間隔をあけて外箱の上面部の引出し端部がわに2つの切込みが入れられている。切込みによって挟まれる範囲の外箱上面部の引出し端部をわずかに持ち上げやすくなり,外箱上面部をわずかに持ち上げた状態で内トレーを引出すことができる。スムースな内トレーの引出しおよびそれに伴う中敷のめくれが実現される。
【0019】
外箱上面部に入れられた2つの切込みの先端同士を結ぶ折り目(ミシン目でもよい)を外箱の上面部に形成してもよい。折り目の位置で外箱上面部が折れ曲がるので,外箱上面部を持ち上げやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】内トレーの展開図である。
【図2】内トレーの組立て過程を示す斜視図である。
【図3】内トレーの組立て過程を示す斜視図である。
【図4】内トレーの組立て過程を示す斜視図である。
【図5】内トレーに中敷を敷く過程を示す斜視図である。
【図6】中敷が敷かれた内トレーに内容物を収納する過程を示す斜視図である。
【図7】内容物を収納した内トレーを示す斜視図である。
【図8】第1実施例の外箱の展開図である。
【図9】組立てが完成した外箱に内トレーを収容する様子を示す斜視図である。
【図10】他の外箱の展開図である。
【図11】ラップラウンド方式による外箱の組立て過程を示す斜視図である。
【図12】ラップラウンド方式による外箱の組立て過程を示す斜視図である。
【図13】外箱の引出し端部がわの開口を閉鎖する過程を示す。
【図14】外箱の引出し端部がわの開口を閉鎖する過程を示す。
【図15】外箱の引出し端部がわの開口を閉鎖する過程を示す。
【図16】包装容器の引出し端部の縦断面図である。
【図17】包装容器の開封過程を示す斜視図である。
【図18】包装容器の開封過程を示す斜視図である。
【図19】外箱の引出し端部がわの開口を閉鎖する過程の変形例を示す。
【図20】包装容器の引出し端部の縦断面図である。
【図21】外箱の引出し端部がわの開口を閉鎖する過程の他の変形例を示す。
【図22】外箱の引出し端部がわの開口を閉鎖する過程の他の変形例を示す。
【図23】第2実施例の外箱の展開図である。
【図24】接合片を折り畳んだ様子を示す。
【図25】ラップラウンド方式による外箱の組立て過程を示す斜視図である。
【図26】ラップラウンド方式による外箱の組立て過程を示す斜視図である。
【図27】包装容器の開封過程を示す斜視図である。
【図28】包装容器の開封過程を示す斜視図である。
【図29】第2実施例の変形例の外箱の展開図である。
【図30】第2実施例のさらに変形例の外箱の展開図である。
【図31】第2実施例のさらに変形例の外箱の展開図である。
【実施例1】
【0021】
この発明の包装容器は,内容物が収納される内トレー,上記内トレー内に敷かれる中敷,および上記内トレーを収容する外箱を備える。内トレー,中敷および外箱を順次説明することにより,この発明による包装容器の構造を明らかにする。
【0022】
図1〜図4は内トレーを示している。内トレー1(完成状態について図4を参照)は,1枚の厚紙によりつくられる。図1は内トレー1を形成する型紙(ブランク)の展開図であり,内トレー1の内側となる面を見たものである。厚紙に代えて,ボール紙,プラスチック・シート,これらの複合材を用いてもよい。破線は内トレー1をつくるときに谷折りされる折り線を示している。折曲げを容易にするために破線に沿って折り線加工または折罫加工が施される。図2から図4は内トレー1の組立て過程を示している。
【0023】
図1を参照して,内トレー1は矩形の底面部11を備える。この底面部11の前,後(図1における下端,上端)に連続して,前面部21および後面部31がそれぞれ反対方向に延びている。前面部21は連続する4つのフラップ21A〜21Dを含み,これらのフラップ21A〜21Dのそれぞれの境界に折り線がある。底面部11に連続するフラップ21Aの両側に小フラップ22,23が連続して反対方向に延びている。後面部31は連続する3つのフラップ31A〜31Cを含み,これらのフラップ31A〜31Cの境界にも折り線がある。
【0024】
底面部11の左右端に連続して,両がわ側面部12,13がそれぞれ反対方向に延びている。この両がわ側面部12,13の上端(後面部31がわの端部)にそれぞれ小フラップ32,33が連続している。
【0025】
図2を参照して,前面部21をフラップ21Aと21Bの境界で折畳み,先端のトップフラップ21Dを接着剤で底面部11に接着しておく。接着部分を符号Gで示す。
【0026】
図3を参照して,両がわ側面部12,13を底面部11に対してほぼ直角に折曲げて起立させる。同様に後面部31(フラップ31A)を底面部11に対してほぼ直角に折り曲げて起立させる。前面部21については,前面部21を構成するフラップ21A,21B,21C,21Dのそれぞれが隣接するフラップと直角となるように折曲げて起函させる。これにより,前面部21は,底面部11とほぼ平行なフラップ21Bがフラップ21A,21Cによって支持される形態となる。さらに4つの小フラップ22,23,32,33がほぼ直角に折曲げられ,両がわ側面部12,13につながる小フラップ32,33は後面部31のフラップ31Aの内面に沿い,前面部21(フラップ21A)につながる小フラップ22,23は両がわ側面部12,13の内面に沿う。
【0027】
図4を参照して,後面部31を構成するフラップ31A,31B,31Cについて,フラップ31Bを折畳んでフラップ31Aの内側に重ね合わせ,さらにフラップ31Bにつながるトップフラップ31Cは底面部11に沿うようにほぼ直角に折り曲げる。底面部11に切込み11Aが形成されており,この切込み11Aにトップフラップ31Cが差込まれることで後面部31が形成される。トップフラップ31Cは底面部11に接着してもよい。上面(天面)が開口した内トレー1が完成する。
【0028】
図5〜図7は,完成した内トレー1の底面部11に中敷2を敷き,その後内トレー1内に内容物を収納する様子を示している。
【0029】
中敷2は内トレー1内に入れられる内容物Nを衝撃から保護し,内容物Nが直接に内トレー1に接触しないようにして清潔に保つ。中敷2は内容物Nに応じた素材によって構成することができ,たとえば内容物Nがチョコレートまたはチョコレートがコートされた菓子類であれば,耐油性緩衝シートが中敷2として好適に用いられる。
【0030】
図5を参照して,中敷2は完成した内トレー1の凹部(底面部11,前面部21(フラップ21C),後面部31(フラップ31B),および両がわ側面部12,13によって囲まれる空間)に応じた形状をもち,矩形の敷底部2Aと,敷底部2Aの一端(上端)に連続する覆い部2Bと,敷底部2Aの左右端および他端(下端)連続する壁部2a,2b,2cを含む。内トレー1の底面部11上に敷底部2Aが敷かれ,壁部2a,2b,2cが前面部21(フラップ21C)および両側側面部12,13の内面に沿って折り曲げられる。敷底部2Aは,内トレー1の後面部31と底面部11の境界付近で内トレー1に接着剤で接着される(この接着部分も符号Gで示す)。
【0031】
次に図6を参照して,中敷2が敷かれた内トレー1内の敷底部2A上に内容物Nを入れ,その後中敷覆い部2Bを内トレー1の前面部21の向きに折返す。内容物Nは中敷覆い部2Bによってその上方から覆われる。
【0032】
図7を参照して,折返された中敷覆い部2Bの先端部分は,内トレー1の前面部21(フラップ21A)を超えて内トレー1の外にまで延在している。中敷覆い部2Bの先端部分を特に符号2Eで示し,中敷先端部2Eと呼ぶ。中敷先端部2Eの詳細は後述する。
【0033】
図8は外箱の展開図であり,外箱の内側となる面を見たものである。図9は組立てられた外箱と内容物が収納された内トレーとを示している。外箱にも厚紙,ボール紙,プラスチック・シート,これらの複合材などが用いられる。
【0034】
図8を参照して,外箱3Aを作るためのブランク材(型紙)は糊代45,底面部41,側面部44,上面部42および側面部43が連続的につながって形成されている。後述するように,図8の外箱1の展開図における下側が,外箱3A内に収容された内トレー1が引出される端部になる。内トレー1が引出される端部を引出し端部と言うことにする。底面部41の引出し端部がわに切取りパネル51Aおよび接着パネル51Bを含む延設パネル51が連続して形成されている。図8においても折り線が破線で示され,外箱3Aをつくるときには折り線は谷折りにされる。切取りパネル51Aの上下の間欠的な実線はミシン目(切取り線)を表している。
【0035】
糊代45,側面部44,上面部42および外側面部43がそれぞれほぼ直角に折曲げられ,側面部43が糊代45に接着されることで,外箱3Aは引出し端部がわおよびその反対がわが開口した角筒状の形態となる。図9を参照して,角筒状の外箱3A内に内容物Nが収納された内トレー1が収容される。
【0036】
外箱をあらかじめ形成しておき,そこに内トレー1を収容する(図9)のに代えて,外箱の組立てと外箱内への内トレー1の収容とを同時に行うラップラウンド方式を採用してしてもよい。図10はラップラウンド方式を用いるときの外箱3Bの展開図である。図10は外箱3Bの外側となる面を見たもので,山折りされる折り線が一点鎖線で示されている。糊代45が底面部41でなく側面部43に連続している点が図8に示す外箱3Aの展開図と異なる。
【0037】
図11,図12はラップラウンド方式による外箱3Bの組立てと外箱3Bへの内トレー1の収容の同時進行の様子を示している。
【0038】
図11を参照して,はじめに完成した内トレー1と展開状態の外箱3Bとの位置合わせが行われ,内トレー1の上方において内トレー1の上面(開口面)と外箱3Bの上面部42との位置が合わされる。図12を参照して,内トレー1を側方から包込みながら,外箱3Bの側面部43,44,底面部41,糊代45をそれぞれほぼ直角に折り曲げ,内トレー1の底面側で糊代45を底面部41に接着する。
【0039】
内トレー1の外寸は外箱3A,3Bの内寸とほぼ一致しており,内トレー1は外箱3A,3B内にその全体が収容される。上述したように,内トレー1に敷かれる中敷2の中敷先端部2Eは内トレー1の前面部を超えて延在するので,内トレー1を外箱3A,3B内に納めた状態において,中敷先端部2Eは外箱3A,3Bの引出し端部から外に出ている(図12参照)。
【0040】
図13から図15は外箱3A(外箱3Bも同様である)の引出し端部がわの開口の閉鎖過程および中敷2の先端部2Eの接着過程を示している。図16は完成した包装容器の引出し端部の縦断面図である。図16において内容物Nの図示は省略されている。
【0041】
外箱3Aの底面部41には,上述したように,引出し端部がわに切取りパネル51Aおよび接着パネル51Bを含む延設パネル51が延在している。図13を参照して,接着パネル51Bの内面がわに間隔をあけて筋状に接着剤が塗布され,2本の接着筋G1,G2が幅方向に設けられる。2本の接着筋G1,G2のうち,先端がわの接着筋G1は接着パネル51Bを外箱3Aの上面部42の表側に接着するのに用いられる。内がわの接着筋G2は中敷先端部2Eを接着パネル51Bに接着するのに用いられる。
【0042】
図14および図15を参照して,切取りパネル51Aをほぼ直角に折り曲げて起立させ,さらに接着パネル51Bを直角に折り曲げる。外箱3Aから外に出ている中敷先端部2Eは,切取りパネル51Aおよび接着パネル51Bを折るときにこれらによって外側から押され,外箱3Aの上面部42を挟むようにして折返される。図16に分かりやすく示されているように,接着パネル51Bは接着筋G1によって外箱3Aの上面部42の表側に接着される。外箱3Aの上面部42を挟むようにして折返された中敷2の先端部2Eは接着筋G2によって接着パネル51Bの裏側に接着される。
【0043】
図16を参照して,外箱3A内に内トレー1が収容された状態において,接着筋G1,G2は内トレー1の前面部21のフラップ21Bの上方に位置しており,上述したように,フラップ21Bはフラップ21A,21Cによって支えられている。このため接着パネル51Bをその上方から押さえつけてもフラップ21Bによって支持されるので,内トレー1および外箱3Aは変形しにくい。フラップ21Bはこのように接着時の押え台ないし支持台として機能する。フラップ21B(押え台)の存在により,接着パネル51Bを外箱3Aに,中敷先端部2Eを接着パネル51Bに,それぞれしっかりと密着させることできるので,接着筋G1,G2による接着を良好なものとすることができる。
【0044】
最後に透明フィルム等(図示略)によって,内トレー1が収容された外箱3Aの全周囲がラッピングされ,包装容器が完成する。
【0045】
図17および図18は包装容器の開封工程を示している。
【0046】
図17を参照して,上述した透明フィルム等のラッピングを外した後,はじめに外箱3Aの切取りパネル51Aを幅方向に引裂いて取除く。
【0047】
図18を参照して,内トレー1を引出し端部方向に引っ張る。内トレー1内において内容物Nを上から覆う中敷覆い部2Bの先端部2Eは,上述のように接着筋G2によって接着パネル51Bに固定されており,この接着パネル51Bは接着筋G1によって外箱3Aの上面部42に固定されている。すなわち,中敷先端部2Eは接着筋G1,G2および接着パネル51Bによって外箱3Aに固定されているので,内トレー1を移動させても中敷先端部2Eは移動せずもとの位置にとどまる。中敷先端部2Eが移動しないから,内トレー1を引っ張って移動させるとそれに伴って中敷覆い部2Bは次第にめくれていき,内トレー1内の内容物Nが自動的に現れる(外に露出する)。内容物Nの取出しが容易になる。
【0048】
図19に示すように,接着筋G1,G2は,接着パネル51Bでなく外箱3Aの上面部42の表側の引出し端部付近に設けてもよい。図20に示すように,接着筋G1,G2を外箱3Aの上面部42の表側に設けることで,接着パネル51Bおよび中敷先端部2Eのいずれもが外箱3Aの上面部42の表側に接着されて固定される。この場合も,内トレー1を移動させても中敷先端部2Eは移動せず,内トレー1の移動に伴って中敷覆い部2Bが次第にめくられていき,内容物Nが自動的に現れる(図18と同様)。
【0049】
さらに図21および図22に示すように,中敷先端部2Eを幅狭に形成しておき,1本の接着筋G1を外箱3Aの上面部42の表側の引出し端部付近に設けてもよい。幅狭の中敷先端部2Eは接着筋G1によって外箱3Aの上面部42の表側に接着され,接着パネル51Bも,中敷先端部2Eの両がわからはみ出す接着筋G1によって外箱3Aの上面部42の表側に接着される。この場合も,内トレー1を移動させても中敷先端部2Eは移動しないから,内トレー1の移動に伴って中敷覆い部2Bが次第にめくられていき,内容物Nが自動的に現れる(図18と同様)。
【実施例2】
【0050】
図23から図28は第2実施例を示している。第1実施例と異なる点を中心に第2実施例の包装容器を説明する。
【0051】
図23は第2実施例の外箱3Cの展開図であり,外箱3Cの内側となる面を見たもので,その上端が引出し端部がわである。
【0052】
上面部42の引出し端部に接合片61が連続している。接合片61には幅方向に延びる切込み61k1と,切込み61k1の両端から上面部42に向けて延びる2つの切込み61k2が入れられている。切込み61k1とその両端の2つの切込み61k2の間にはそれぞれ短いつなぎ61t(切り込まれていない箇所)があり,切込み61k1とその両端の切込み61k2とは完全にはつながっていない。また,2つの切込み61k2は,外箱上面部42の引出し端部付近に入れられた2つの切込み42kにそれぞれ連続している。さらに外箱上面部42の2つの切込み42kの端部を結ぶようにして外箱上面部42には幅方向にミシン目(折り目でもよい)42mが入れられている。接合片61において,上面部42との境界,幅方向に延びる切込み61k1および切込み61k1の両端からから上面部42に向けて延びる2つの切込み61k2によって囲まれる矩形範囲を,接着パネル61Aと呼ぶ。接着パネル61Aを3方から囲む,接合片61の残りの範囲を補助パネル61Bと呼ぶ。
【0053】
また,上面部42と接合片61の境界のほぼ中央に,接着パネル61Aに向けてわずかに弧状の切込みが入れられている。この弧状切込みによって次に説明する突起62が形成される。
【0054】
図24を参照して,補助パネル61Bに接着剤を塗布し(符号Gで示す),接着パネル61Aおよび補助パネル61Bを含む接合片61の全体を上面部42の裏側に向けて折畳み,上面部42の裏側に補助パネル61Bを接着する。接合片61を折畳むことで突起62が引出し端部がわに突出する。
【0055】
図25および図26を参照して,上述したラップラウンド方式によって外箱3Cはその組立てと内トレー1の収納とを同時に行う。ここで第2実施例における中敷先端部2Eは外箱上面部42の表側に折返されることはなく,したがって第1実施例の中敷2よりも長さが短いものが用いられる。第2実施例において,中敷先端部2Eは内トレー1の前面部21のフラップ21B上(押え台上)に位置させる。外箱上面部42の裏側にある接着パネル61Aに接着剤G1を塗布し,接着剤G1によって中敷先端部2Eを接着パネル61Aに接着する。中敷先端部2Eおよび接着パネル61Aはフラップ21B上(押え台上)に位置しているので,第2実施例においても,中敷先端部2Eと,中敷先端部2Eが接着される接着パネル61Aとをしっかりと密着させることができる。なお,第2実施例では外箱3Cの引出し端部がわの開口は閉じられない。透明フィルム等(図示略)によって内トレー1が収容された外箱3Cの全周囲がラッピングされることで,第2実施例の包装容器が完成する。
【0056】
図27および図28は第2実施例の包装容器の開封工程を示している。
【0057】
図27を参照して,はじめに突起62を用いて外箱上面部42の引出し端部がわをわずかに持上げる。すると,中敷先端部2Eが接着されている接着パネル61Aと,外箱3Cの裏側に接着されている補助パネル61Bとをわずかにつなぐつなぎ61t(図23,図24参照)が切れる。接着パネル61Aが,外箱3Cの上面部42に形成されたミシン目42mと切込み42kによって囲まれる範囲とともに,上方に折れ曲がる。
【0058】
図28を参照して,この状態で内トレー1を引出し端部がわに引っ張る。中敷先端部2Eが外箱3Cの接着パネル61Aに接着されているので,内トレー1を移動させても中敷先端部2Eは移動せず,第1実施例と同様に,内トレー1の移動に伴って中敷覆い部2Bが次第にめくれていき,内容物Nが自動的に現れる。
【0059】
図29は変形例の外箱3Dの展開図を示している。図29に示すように,接着パネル61Aと補助パネル61Bとをつなぐつなぎ部61tは,切込み61k1を分断するように設けてもよい。
【0060】
また,補助パネル61Bは接着パネル61Aを3方から囲む必要は必ずしもなく,図30に示すように,接着パネル61Aの両側のそれぞれに補助パネル61Bを設けてもよい。
【0061】
図31に示すように補助パネル61Bは存在しなくてもよい。補助パネル61Bがない外箱3Fの場合,ラップラウンド方式によって内トレー1を収納しながら外箱3Fを組立てるときに接着パネル61Aが折畳まれて上面部42の裏側に沿わされることになる。
【符号の説明】
【0062】
1 内トレー
2 中敷
2E 中敷先端部
3A,3B,3C,3E,3F 外箱
21B フラップ(押え台)
41 外箱の底面部
42 外箱の上面部
51A 切取りパネル(端面部)
51B,61A 接着パネル
61k1,61k2,42k 切込み
42m ミシン目(折り目)
【技術分野】
【0001】
この発明は,外箱と外箱内に収容される内トレーとを備える包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
衛生,安全,外力からの保護,密封等の目的で,菓子等の食品類その他の比較的小さい商品等を内トレーに入れて封をし,その内トレーを外箱に収容する形態の包装がある。このような内トレーを外箱に収容する形態の包装容器では,その内部の商品等を取り出すためには,まず外箱を開封し,次に内トレーを開封しなければならない。
【0003】
特許文献1の同時開封カートンでは,トレー容器がフランジ部を備え,このフランジ部にトレー容器に封をするための蓋体が接着されている。蓋体の端部が外箱に接着されており,トレー容器を外箱から引出すとそれと同時に蓋体がフランジ部から剥がされてトレー容器が開封される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−66968号公報
【0005】
蓋体端部を外箱に接着するには,接着工程において蓋体端部を外箱に密着させる(押さえつける)必要がある。フランジを持つトレー容器であればそのフランジを支えにして蓋体端部を外箱に密着させることができる。しかしながら,フランジを持たない内トレーも存在し,この場合は蓋体端部を外箱に密着させるのは難しい。
【発明の開示】
【0006】
この発明は,フランジを持たない内トレーであっても内トレー内の内容物を覆うカバー(中敷)の先端部を外箱に良好に密着させて固定することができ,内トレーの外箱からの引出しと同時に内トレー内の内容物を覆う上記カバーをめくることができる包装容器を提供することを目的とする。
【0007】
この発明による包装容器は,角筒状外箱と,上記外箱内にスライド自在に収容され,外箱の引出し端部がわから引出される上面が開口した直方体状内トレーと,上記内トレー内に収納される内容物を少なくとも上から覆うシート状中敷とを備え,上記内トレーの引出し端部がわに内トレーの幅方向に延びる押え台が設けられており,上記中敷の先端部が上記内トレーの押え台の上方において上記外箱に固定されていることを特徴とする。
【0008】
内トレー内の内容物を少なくとも上から覆う中敷の先端部が外箱に固定されているので,内トレーを外箱から引出す操作を行うと,内容物を上から覆う中敷がめくれて内容物が外に露出する。中敷を別途めくらなくてもよいので内容物の取出しが容易になる。
【0009】
内トレーの引出し端部がわに内トレーの幅方向に延びる押え台が設けられているから,この押え台を支えにして,押え台の上方(押え台の台上の範囲)において中敷先端部を外箱に密着させることができる。すなわち,中敷先端部を外箱に固定するときに中敷先端部を外箱にしっかりと押しつけることができ,中敷先端部を外箱に良好に固定することができる。また,押え台によって,押さえつけ時の外箱の変形および内トレーの変形も抑制される。
【0010】
中敷は内トレー内の内容物をその上下から挟むものであってもよい。この場合中敷は内トレー内で折返され,折返された範囲の中敷の先端部が外箱に固定される。中敷が内トレー内で位置ずれしないようにするために,内容物によって敷かれている範囲の中敷の一部を,内トレーの一部(たとえば内トレーの底面部または側面部)に簡易に接着しておいてもよい。
【0011】
中敷先端部は,典型的には接着剤を用いた接着によって外箱に固定される。接着による中敷先端部の外箱への固定は,中敷先端部を外箱に直接に接着して固定する態様のみならず,間接的な接着によって外箱に固定する態様も含む。
【0012】
最も単純には外箱の上面部の裏側に接着剤を塗布し,そこに直接に中敷先端部を接着すればよい。しかしながら,組立てが完成した外箱に内トレーを挿入して包装容器を完成させる場合,外箱上面部の裏側に接着剤を塗布することは,たとえば自動製函工程においてその実現は簡単なことではない。
【0013】
一実施態様では,内容物を上から覆う中敷が外箱の引出し端部がわで上記外箱の上面部を挟むようにして折返され,上記中敷先端部は外箱の上面部の表側に接着される。接着剤は外箱上面部の表側に塗布すればよいので自動製函工程に適する。
【0014】
外箱上面部の表側に接着パネルを接着し,この接着パネルに,上記外箱の引出し端部がわで上記外箱の上面部を挟むようにして折返された中敷先端部を接着してもよい。中敷先端部は接着パネルを介して間接的に外箱に固定される。接着パネルに接着剤を塗布すればよいので,この実施態様も自動製函工程に適している。上記接着パネルは,上記外箱の底面部に連設される上記外箱の上記引出し端部がわの開口を閉じる端面部にさらに連設されたものであってもよい。この場合,開封過程において上記端面部が取除かれることになる。端面部が取除かれても接着パネルは外箱上面部に接着されたままであり,接着パネルに接着されている中敷先端部も外箱に固定されたままとなる。
【0015】
組立てが完成した外箱に内トレーを挿入して包装容器を完成させるのではなく,外箱の組立てと外箱内への内トレーの収容とを同時進行で行うラップラウンド方式を採用してもよい。ラップラウンド方式を採用すれば,外箱上面部の裏側への接着剤の塗布は自動製函工程においてもその実現が容易になる。
【0016】
上述したラップラウンド方式に適した実施態様では,上記外箱の上面部に上記引出し端部がわに突出する接着パネルが連設されており,外箱の上面部の裏側に折畳まれた上記接着パネルに中敷先端部が接着される。接着剤は,折り畳まれることで外箱の上面部の裏側に位置する接着パネルに塗布すればよい。
【0017】
外箱上面部に連設する接着パネルは,あらかじめ外箱の上面部裏側に折り畳んでおいてもよいし,外箱の組立て途中で(ラップラウンド方式による組立て中に)折り畳んでもよい。
【0018】
一実施態様では,上記接着パネルの幅に相当する間隔をあけて外箱の上面部の引出し端部がわに2つの切込みが入れられている。切込みによって挟まれる範囲の外箱上面部の引出し端部をわずかに持ち上げやすくなり,外箱上面部をわずかに持ち上げた状態で内トレーを引出すことができる。スムースな内トレーの引出しおよびそれに伴う中敷のめくれが実現される。
【0019】
外箱上面部に入れられた2つの切込みの先端同士を結ぶ折り目(ミシン目でもよい)を外箱の上面部に形成してもよい。折り目の位置で外箱上面部が折れ曲がるので,外箱上面部を持ち上げやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】内トレーの展開図である。
【図2】内トレーの組立て過程を示す斜視図である。
【図3】内トレーの組立て過程を示す斜視図である。
【図4】内トレーの組立て過程を示す斜視図である。
【図5】内トレーに中敷を敷く過程を示す斜視図である。
【図6】中敷が敷かれた内トレーに内容物を収納する過程を示す斜視図である。
【図7】内容物を収納した内トレーを示す斜視図である。
【図8】第1実施例の外箱の展開図である。
【図9】組立てが完成した外箱に内トレーを収容する様子を示す斜視図である。
【図10】他の外箱の展開図である。
【図11】ラップラウンド方式による外箱の組立て過程を示す斜視図である。
【図12】ラップラウンド方式による外箱の組立て過程を示す斜視図である。
【図13】外箱の引出し端部がわの開口を閉鎖する過程を示す。
【図14】外箱の引出し端部がわの開口を閉鎖する過程を示す。
【図15】外箱の引出し端部がわの開口を閉鎖する過程を示す。
【図16】包装容器の引出し端部の縦断面図である。
【図17】包装容器の開封過程を示す斜視図である。
【図18】包装容器の開封過程を示す斜視図である。
【図19】外箱の引出し端部がわの開口を閉鎖する過程の変形例を示す。
【図20】包装容器の引出し端部の縦断面図である。
【図21】外箱の引出し端部がわの開口を閉鎖する過程の他の変形例を示す。
【図22】外箱の引出し端部がわの開口を閉鎖する過程の他の変形例を示す。
【図23】第2実施例の外箱の展開図である。
【図24】接合片を折り畳んだ様子を示す。
【図25】ラップラウンド方式による外箱の組立て過程を示す斜視図である。
【図26】ラップラウンド方式による外箱の組立て過程を示す斜視図である。
【図27】包装容器の開封過程を示す斜視図である。
【図28】包装容器の開封過程を示す斜視図である。
【図29】第2実施例の変形例の外箱の展開図である。
【図30】第2実施例のさらに変形例の外箱の展開図である。
【図31】第2実施例のさらに変形例の外箱の展開図である。
【実施例1】
【0021】
この発明の包装容器は,内容物が収納される内トレー,上記内トレー内に敷かれる中敷,および上記内トレーを収容する外箱を備える。内トレー,中敷および外箱を順次説明することにより,この発明による包装容器の構造を明らかにする。
【0022】
図1〜図4は内トレーを示している。内トレー1(完成状態について図4を参照)は,1枚の厚紙によりつくられる。図1は内トレー1を形成する型紙(ブランク)の展開図であり,内トレー1の内側となる面を見たものである。厚紙に代えて,ボール紙,プラスチック・シート,これらの複合材を用いてもよい。破線は内トレー1をつくるときに谷折りされる折り線を示している。折曲げを容易にするために破線に沿って折り線加工または折罫加工が施される。図2から図4は内トレー1の組立て過程を示している。
【0023】
図1を参照して,内トレー1は矩形の底面部11を備える。この底面部11の前,後(図1における下端,上端)に連続して,前面部21および後面部31がそれぞれ反対方向に延びている。前面部21は連続する4つのフラップ21A〜21Dを含み,これらのフラップ21A〜21Dのそれぞれの境界に折り線がある。底面部11に連続するフラップ21Aの両側に小フラップ22,23が連続して反対方向に延びている。後面部31は連続する3つのフラップ31A〜31Cを含み,これらのフラップ31A〜31Cの境界にも折り線がある。
【0024】
底面部11の左右端に連続して,両がわ側面部12,13がそれぞれ反対方向に延びている。この両がわ側面部12,13の上端(後面部31がわの端部)にそれぞれ小フラップ32,33が連続している。
【0025】
図2を参照して,前面部21をフラップ21Aと21Bの境界で折畳み,先端のトップフラップ21Dを接着剤で底面部11に接着しておく。接着部分を符号Gで示す。
【0026】
図3を参照して,両がわ側面部12,13を底面部11に対してほぼ直角に折曲げて起立させる。同様に後面部31(フラップ31A)を底面部11に対してほぼ直角に折り曲げて起立させる。前面部21については,前面部21を構成するフラップ21A,21B,21C,21Dのそれぞれが隣接するフラップと直角となるように折曲げて起函させる。これにより,前面部21は,底面部11とほぼ平行なフラップ21Bがフラップ21A,21Cによって支持される形態となる。さらに4つの小フラップ22,23,32,33がほぼ直角に折曲げられ,両がわ側面部12,13につながる小フラップ32,33は後面部31のフラップ31Aの内面に沿い,前面部21(フラップ21A)につながる小フラップ22,23は両がわ側面部12,13の内面に沿う。
【0027】
図4を参照して,後面部31を構成するフラップ31A,31B,31Cについて,フラップ31Bを折畳んでフラップ31Aの内側に重ね合わせ,さらにフラップ31Bにつながるトップフラップ31Cは底面部11に沿うようにほぼ直角に折り曲げる。底面部11に切込み11Aが形成されており,この切込み11Aにトップフラップ31Cが差込まれることで後面部31が形成される。トップフラップ31Cは底面部11に接着してもよい。上面(天面)が開口した内トレー1が完成する。
【0028】
図5〜図7は,完成した内トレー1の底面部11に中敷2を敷き,その後内トレー1内に内容物を収納する様子を示している。
【0029】
中敷2は内トレー1内に入れられる内容物Nを衝撃から保護し,内容物Nが直接に内トレー1に接触しないようにして清潔に保つ。中敷2は内容物Nに応じた素材によって構成することができ,たとえば内容物Nがチョコレートまたはチョコレートがコートされた菓子類であれば,耐油性緩衝シートが中敷2として好適に用いられる。
【0030】
図5を参照して,中敷2は完成した内トレー1の凹部(底面部11,前面部21(フラップ21C),後面部31(フラップ31B),および両がわ側面部12,13によって囲まれる空間)に応じた形状をもち,矩形の敷底部2Aと,敷底部2Aの一端(上端)に連続する覆い部2Bと,敷底部2Aの左右端および他端(下端)連続する壁部2a,2b,2cを含む。内トレー1の底面部11上に敷底部2Aが敷かれ,壁部2a,2b,2cが前面部21(フラップ21C)および両側側面部12,13の内面に沿って折り曲げられる。敷底部2Aは,内トレー1の後面部31と底面部11の境界付近で内トレー1に接着剤で接着される(この接着部分も符号Gで示す)。
【0031】
次に図6を参照して,中敷2が敷かれた内トレー1内の敷底部2A上に内容物Nを入れ,その後中敷覆い部2Bを内トレー1の前面部21の向きに折返す。内容物Nは中敷覆い部2Bによってその上方から覆われる。
【0032】
図7を参照して,折返された中敷覆い部2Bの先端部分は,内トレー1の前面部21(フラップ21A)を超えて内トレー1の外にまで延在している。中敷覆い部2Bの先端部分を特に符号2Eで示し,中敷先端部2Eと呼ぶ。中敷先端部2Eの詳細は後述する。
【0033】
図8は外箱の展開図であり,外箱の内側となる面を見たものである。図9は組立てられた外箱と内容物が収納された内トレーとを示している。外箱にも厚紙,ボール紙,プラスチック・シート,これらの複合材などが用いられる。
【0034】
図8を参照して,外箱3Aを作るためのブランク材(型紙)は糊代45,底面部41,側面部44,上面部42および側面部43が連続的につながって形成されている。後述するように,図8の外箱1の展開図における下側が,外箱3A内に収容された内トレー1が引出される端部になる。内トレー1が引出される端部を引出し端部と言うことにする。底面部41の引出し端部がわに切取りパネル51Aおよび接着パネル51Bを含む延設パネル51が連続して形成されている。図8においても折り線が破線で示され,外箱3Aをつくるときには折り線は谷折りにされる。切取りパネル51Aの上下の間欠的な実線はミシン目(切取り線)を表している。
【0035】
糊代45,側面部44,上面部42および外側面部43がそれぞれほぼ直角に折曲げられ,側面部43が糊代45に接着されることで,外箱3Aは引出し端部がわおよびその反対がわが開口した角筒状の形態となる。図9を参照して,角筒状の外箱3A内に内容物Nが収納された内トレー1が収容される。
【0036】
外箱をあらかじめ形成しておき,そこに内トレー1を収容する(図9)のに代えて,外箱の組立てと外箱内への内トレー1の収容とを同時に行うラップラウンド方式を採用してしてもよい。図10はラップラウンド方式を用いるときの外箱3Bの展開図である。図10は外箱3Bの外側となる面を見たもので,山折りされる折り線が一点鎖線で示されている。糊代45が底面部41でなく側面部43に連続している点が図8に示す外箱3Aの展開図と異なる。
【0037】
図11,図12はラップラウンド方式による外箱3Bの組立てと外箱3Bへの内トレー1の収容の同時進行の様子を示している。
【0038】
図11を参照して,はじめに完成した内トレー1と展開状態の外箱3Bとの位置合わせが行われ,内トレー1の上方において内トレー1の上面(開口面)と外箱3Bの上面部42との位置が合わされる。図12を参照して,内トレー1を側方から包込みながら,外箱3Bの側面部43,44,底面部41,糊代45をそれぞれほぼ直角に折り曲げ,内トレー1の底面側で糊代45を底面部41に接着する。
【0039】
内トレー1の外寸は外箱3A,3Bの内寸とほぼ一致しており,内トレー1は外箱3A,3B内にその全体が収容される。上述したように,内トレー1に敷かれる中敷2の中敷先端部2Eは内トレー1の前面部を超えて延在するので,内トレー1を外箱3A,3B内に納めた状態において,中敷先端部2Eは外箱3A,3Bの引出し端部から外に出ている(図12参照)。
【0040】
図13から図15は外箱3A(外箱3Bも同様である)の引出し端部がわの開口の閉鎖過程および中敷2の先端部2Eの接着過程を示している。図16は完成した包装容器の引出し端部の縦断面図である。図16において内容物Nの図示は省略されている。
【0041】
外箱3Aの底面部41には,上述したように,引出し端部がわに切取りパネル51Aおよび接着パネル51Bを含む延設パネル51が延在している。図13を参照して,接着パネル51Bの内面がわに間隔をあけて筋状に接着剤が塗布され,2本の接着筋G1,G2が幅方向に設けられる。2本の接着筋G1,G2のうち,先端がわの接着筋G1は接着パネル51Bを外箱3Aの上面部42の表側に接着するのに用いられる。内がわの接着筋G2は中敷先端部2Eを接着パネル51Bに接着するのに用いられる。
【0042】
図14および図15を参照して,切取りパネル51Aをほぼ直角に折り曲げて起立させ,さらに接着パネル51Bを直角に折り曲げる。外箱3Aから外に出ている中敷先端部2Eは,切取りパネル51Aおよび接着パネル51Bを折るときにこれらによって外側から押され,外箱3Aの上面部42を挟むようにして折返される。図16に分かりやすく示されているように,接着パネル51Bは接着筋G1によって外箱3Aの上面部42の表側に接着される。外箱3Aの上面部42を挟むようにして折返された中敷2の先端部2Eは接着筋G2によって接着パネル51Bの裏側に接着される。
【0043】
図16を参照して,外箱3A内に内トレー1が収容された状態において,接着筋G1,G2は内トレー1の前面部21のフラップ21Bの上方に位置しており,上述したように,フラップ21Bはフラップ21A,21Cによって支えられている。このため接着パネル51Bをその上方から押さえつけてもフラップ21Bによって支持されるので,内トレー1および外箱3Aは変形しにくい。フラップ21Bはこのように接着時の押え台ないし支持台として機能する。フラップ21B(押え台)の存在により,接着パネル51Bを外箱3Aに,中敷先端部2Eを接着パネル51Bに,それぞれしっかりと密着させることできるので,接着筋G1,G2による接着を良好なものとすることができる。
【0044】
最後に透明フィルム等(図示略)によって,内トレー1が収容された外箱3Aの全周囲がラッピングされ,包装容器が完成する。
【0045】
図17および図18は包装容器の開封工程を示している。
【0046】
図17を参照して,上述した透明フィルム等のラッピングを外した後,はじめに外箱3Aの切取りパネル51Aを幅方向に引裂いて取除く。
【0047】
図18を参照して,内トレー1を引出し端部方向に引っ張る。内トレー1内において内容物Nを上から覆う中敷覆い部2Bの先端部2Eは,上述のように接着筋G2によって接着パネル51Bに固定されており,この接着パネル51Bは接着筋G1によって外箱3Aの上面部42に固定されている。すなわち,中敷先端部2Eは接着筋G1,G2および接着パネル51Bによって外箱3Aに固定されているので,内トレー1を移動させても中敷先端部2Eは移動せずもとの位置にとどまる。中敷先端部2Eが移動しないから,内トレー1を引っ張って移動させるとそれに伴って中敷覆い部2Bは次第にめくれていき,内トレー1内の内容物Nが自動的に現れる(外に露出する)。内容物Nの取出しが容易になる。
【0048】
図19に示すように,接着筋G1,G2は,接着パネル51Bでなく外箱3Aの上面部42の表側の引出し端部付近に設けてもよい。図20に示すように,接着筋G1,G2を外箱3Aの上面部42の表側に設けることで,接着パネル51Bおよび中敷先端部2Eのいずれもが外箱3Aの上面部42の表側に接着されて固定される。この場合も,内トレー1を移動させても中敷先端部2Eは移動せず,内トレー1の移動に伴って中敷覆い部2Bが次第にめくられていき,内容物Nが自動的に現れる(図18と同様)。
【0049】
さらに図21および図22に示すように,中敷先端部2Eを幅狭に形成しておき,1本の接着筋G1を外箱3Aの上面部42の表側の引出し端部付近に設けてもよい。幅狭の中敷先端部2Eは接着筋G1によって外箱3Aの上面部42の表側に接着され,接着パネル51Bも,中敷先端部2Eの両がわからはみ出す接着筋G1によって外箱3Aの上面部42の表側に接着される。この場合も,内トレー1を移動させても中敷先端部2Eは移動しないから,内トレー1の移動に伴って中敷覆い部2Bが次第にめくられていき,内容物Nが自動的に現れる(図18と同様)。
【実施例2】
【0050】
図23から図28は第2実施例を示している。第1実施例と異なる点を中心に第2実施例の包装容器を説明する。
【0051】
図23は第2実施例の外箱3Cの展開図であり,外箱3Cの内側となる面を見たもので,その上端が引出し端部がわである。
【0052】
上面部42の引出し端部に接合片61が連続している。接合片61には幅方向に延びる切込み61k1と,切込み61k1の両端から上面部42に向けて延びる2つの切込み61k2が入れられている。切込み61k1とその両端の2つの切込み61k2の間にはそれぞれ短いつなぎ61t(切り込まれていない箇所)があり,切込み61k1とその両端の切込み61k2とは完全にはつながっていない。また,2つの切込み61k2は,外箱上面部42の引出し端部付近に入れられた2つの切込み42kにそれぞれ連続している。さらに外箱上面部42の2つの切込み42kの端部を結ぶようにして外箱上面部42には幅方向にミシン目(折り目でもよい)42mが入れられている。接合片61において,上面部42との境界,幅方向に延びる切込み61k1および切込み61k1の両端からから上面部42に向けて延びる2つの切込み61k2によって囲まれる矩形範囲を,接着パネル61Aと呼ぶ。接着パネル61Aを3方から囲む,接合片61の残りの範囲を補助パネル61Bと呼ぶ。
【0053】
また,上面部42と接合片61の境界のほぼ中央に,接着パネル61Aに向けてわずかに弧状の切込みが入れられている。この弧状切込みによって次に説明する突起62が形成される。
【0054】
図24を参照して,補助パネル61Bに接着剤を塗布し(符号Gで示す),接着パネル61Aおよび補助パネル61Bを含む接合片61の全体を上面部42の裏側に向けて折畳み,上面部42の裏側に補助パネル61Bを接着する。接合片61を折畳むことで突起62が引出し端部がわに突出する。
【0055】
図25および図26を参照して,上述したラップラウンド方式によって外箱3Cはその組立てと内トレー1の収納とを同時に行う。ここで第2実施例における中敷先端部2Eは外箱上面部42の表側に折返されることはなく,したがって第1実施例の中敷2よりも長さが短いものが用いられる。第2実施例において,中敷先端部2Eは内トレー1の前面部21のフラップ21B上(押え台上)に位置させる。外箱上面部42の裏側にある接着パネル61Aに接着剤G1を塗布し,接着剤G1によって中敷先端部2Eを接着パネル61Aに接着する。中敷先端部2Eおよび接着パネル61Aはフラップ21B上(押え台上)に位置しているので,第2実施例においても,中敷先端部2Eと,中敷先端部2Eが接着される接着パネル61Aとをしっかりと密着させることができる。なお,第2実施例では外箱3Cの引出し端部がわの開口は閉じられない。透明フィルム等(図示略)によって内トレー1が収容された外箱3Cの全周囲がラッピングされることで,第2実施例の包装容器が完成する。
【0056】
図27および図28は第2実施例の包装容器の開封工程を示している。
【0057】
図27を参照して,はじめに突起62を用いて外箱上面部42の引出し端部がわをわずかに持上げる。すると,中敷先端部2Eが接着されている接着パネル61Aと,外箱3Cの裏側に接着されている補助パネル61Bとをわずかにつなぐつなぎ61t(図23,図24参照)が切れる。接着パネル61Aが,外箱3Cの上面部42に形成されたミシン目42mと切込み42kによって囲まれる範囲とともに,上方に折れ曲がる。
【0058】
図28を参照して,この状態で内トレー1を引出し端部がわに引っ張る。中敷先端部2Eが外箱3Cの接着パネル61Aに接着されているので,内トレー1を移動させても中敷先端部2Eは移動せず,第1実施例と同様に,内トレー1の移動に伴って中敷覆い部2Bが次第にめくれていき,内容物Nが自動的に現れる。
【0059】
図29は変形例の外箱3Dの展開図を示している。図29に示すように,接着パネル61Aと補助パネル61Bとをつなぐつなぎ部61tは,切込み61k1を分断するように設けてもよい。
【0060】
また,補助パネル61Bは接着パネル61Aを3方から囲む必要は必ずしもなく,図30に示すように,接着パネル61Aの両側のそれぞれに補助パネル61Bを設けてもよい。
【0061】
図31に示すように補助パネル61Bは存在しなくてもよい。補助パネル61Bがない外箱3Fの場合,ラップラウンド方式によって内トレー1を収納しながら外箱3Fを組立てるときに接着パネル61Aが折畳まれて上面部42の裏側に沿わされることになる。
【符号の説明】
【0062】
1 内トレー
2 中敷
2E 中敷先端部
3A,3B,3C,3E,3F 外箱
21B フラップ(押え台)
41 外箱の底面部
42 外箱の上面部
51A 切取りパネル(端面部)
51B,61A 接着パネル
61k1,61k2,42k 切込み
42m ミシン目(折り目)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
角筒状外箱と,上記外箱内にスライド自在に収容され,外箱の引出し端部がわから引出される上面が開口した直方体状内トレーと,上記内トレー内に収納される内容物を少なくとも上から覆うシート状中敷とを備え,
上記内トレーの引出し端部がわに内トレーの幅方向に延びる押え台が設けられており,上記中敷の先端部が,上記内トレーの押え台の上方において上記外箱に固定されていることを特徴とする,包装容器。
【請求項2】
中敷が上記外箱の引出し端部がわで上記外箱の上面部を挟むようにして折返されており,上記中敷先端部は外箱の上面部の表側に接着されている,
請求項1に記載の包装容器。
【請求項3】
中敷が上記外箱の引出し端部がわで上記外箱の上面部を挟むようにして折返されており,上記外箱上面部の表側に接着された接着パネルに上記中敷先端部が接着されている,
請求項1に記載の包装容器。
【請求項4】
上記外箱の上記引出し端部がわの開口を閉じるための端面部が上記外箱の底面部に連設されており,上記接着パネルは上記端面部にさらに連設されている,
請求項3に記載の包装容器。
【請求項5】
上記外箱の上面部に上記引出し端部がわに突出する接着パネルが連設されており,外箱の上面部の裏側に折畳まれた上記接着パネルに上記中敷先端部が接着されている,
請求項1に記載の包装容器。
【請求項6】
上記接着パネルの幅に相当する間隔をあけて外箱の上面部の引出し端部がわに2つの切込みが入れられている,
請求項5に記載の包装容器。
【請求項7】
外箱上面部に入れられた2つの切込みの先端同士を結ぶ折り目が,外箱上面部に形成されている,
請求項6に記載の包装容器。
【請求項1】
角筒状外箱と,上記外箱内にスライド自在に収容され,外箱の引出し端部がわから引出される上面が開口した直方体状内トレーと,上記内トレー内に収納される内容物を少なくとも上から覆うシート状中敷とを備え,
上記内トレーの引出し端部がわに内トレーの幅方向に延びる押え台が設けられており,上記中敷の先端部が,上記内トレーの押え台の上方において上記外箱に固定されていることを特徴とする,包装容器。
【請求項2】
中敷が上記外箱の引出し端部がわで上記外箱の上面部を挟むようにして折返されており,上記中敷先端部は外箱の上面部の表側に接着されている,
請求項1に記載の包装容器。
【請求項3】
中敷が上記外箱の引出し端部がわで上記外箱の上面部を挟むようにして折返されており,上記外箱上面部の表側に接着された接着パネルに上記中敷先端部が接着されている,
請求項1に記載の包装容器。
【請求項4】
上記外箱の上記引出し端部がわの開口を閉じるための端面部が上記外箱の底面部に連設されており,上記接着パネルは上記端面部にさらに連設されている,
請求項3に記載の包装容器。
【請求項5】
上記外箱の上面部に上記引出し端部がわに突出する接着パネルが連設されており,外箱の上面部の裏側に折畳まれた上記接着パネルに上記中敷先端部が接着されている,
請求項1に記載の包装容器。
【請求項6】
上記接着パネルの幅に相当する間隔をあけて外箱の上面部の引出し端部がわに2つの切込みが入れられている,
請求項5に記載の包装容器。
【請求項7】
外箱上面部に入れられた2つの切込みの先端同士を結ぶ折り目が,外箱上面部に形成されている,
請求項6に記載の包装容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公開番号】特開2013−18521(P2013−18521A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153436(P2011−153436)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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