説明

包装材及び液体容器用材料

【課題】絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせる包装材及び液体容器用材料を提供する。
【解決手段】基材11の外側に絵柄層13を積層してなる包装材10、又は紙を有する原反の外側に絵柄層13を積層してなる液体容器用材料であって、かつ絵柄層13の外表面に艶消し層14及び光沢層15を、艶消し層14、光沢層15の順で又はその逆の順であるいは艶消し層14と光沢層15とを並列に、設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清涼飲料水や液体調味料等を充填する容器本体の外周の少なくとも一部に装着される包装材及び紙を有する原反の外側に絵柄層を積層してなる液体容器用材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、清涼飲料水やアルコール飲料等を充填する容器として、アルミ缶やスチール缶等の金属性の容器あるいはポリエチレンテレフタレート(PET)製ボトル等のプラスチック製容器等が用いられている。これら容器の外周には、装飾等のデザイン、商品名、内容物に関する説明等の表示のために、絵柄、文字、図形、記号等からなる所望の印刷絵柄模様が施された熱収縮性を有するフィルム(包装材)や非熱収縮性ラベルが装着されている。(例えば、特許文献1参照)。
これらの印刷絵柄模様を施した包装材の意匠性は、清涼飲料水等の商品の持つコンセプトやイメージを表すものであり、消費者の購入意欲を大きく左右する重要因子である。
しかしながら、従来の包装材は、通常、基材の内側に印刷層が積層されており、凹凸感のないものであった。(例えば、特許文献2及び3参照)
これに対し、特許文献4では、基材の一方の面にベタ印刷層と該ベタ印刷層上に絵柄印刷層とからなる印刷絵柄層を設けると共に前記基材の他方の面に銀ベタ印刷層と熱接着性樹脂層とを順に設けたことを特徴とするラベルを提案しているが、この発明は意匠性において「くすみ」のない印刷絵柄層を形成するように遮光性を有することを目的としており、表面の凹凸感による立体的意匠性を考慮していなかった。
また、特許文献5は、基材フィルム層と触感付与層とから構成され、前記の触感付与層が、凸部を形成するように樹脂をパターン状にコーティングするラベルを開示しているが、あくまでも触感性を付与することを目的としており、特許文献6は、容器内の内容物の色をより隠蔽し、印刷層の色彩が映えるように、基材の外側に、白色インキ層、着色インキ層の順に、印刷層を積層する包装材を提案しており、特許文献7は、基材の外側に、光沢度を押さえ、滑り性を高め、かつ耐スクラッチ性(擦過性)を向上した表面層を設けた包装材を開示しているが、特許文献5〜7は、いずれも包装材の表面の凹凸感を有するものではなかった。
【0003】
ところで、近年、牛乳、ジュースをはじめ、清涼飲料水、清酒、調味料等の液体を流通させるための容器として紙を有する原反を主体とする液体用紙容器が多く用いられるようになっている。ところが最近、内容物が多様化しており、内容物によっては、液体容器用材料の外表面に高い意匠性が求められている。この要求に対して、液体容器用材料外側に色数を増やした多色印刷を行ったり、光沢感、メタリック感、マット感等を持たせた表面加工が行われている。
例えば、特許文献8においては、液体容器用材料の外表面側から順にメタリックインキを一部に含むインキ層又はメタリックインキ層、無機粉体又は樹脂によるコート紙層を含む液体容器用材料が提案されている。
また、特許文献9では、基材である板紙層の外面側に、少なくとも外側からデザイン印刷層、白色顔料を含有しないあるいは僅かに含有するビヒクル層、白色顔料を含有するインキ層からなる白色印刷層を配置して、鮮明で美麗な印刷デザインを有する液体容器用材料が提案されている。
さらに、特許文献10では、積層体である紙上にオフセット印刷で印刷層を設け、該印刷層の表面上に部分的又は全面にオフセット印刷で下刷り層を設け、印刷層及び下刷り層の表面上にオーバーコート層をコーティングで設け、該オーバーコート層の下刷り層と重なる部分をマット感のあるマット加工部分とし、他の部分を光沢加工部分とする液体容器用材料が提案されている。
しかしながら、以上の提案は、いずれも絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせる立体的意匠性を奏するものではなかった。
【0004】
【特許文献1】特開2003−335343号公報
【特許文献2】特開2001−215880号公報
【特許文献3】特開2005−239231号公報
【特許文献4】特開2001−83878号公報
【特許文献5】特開2004−205768号公報
【特許文献6】特開2005−212226号公報
【特許文献7】特開2005−345793号公報
【特許文献8】特開2002−370318号公報
【特許文献9】特開2003−81355号公報
【特許文献10】特開2006−176130号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような状況下で、絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせる包装材及び液体容器用材料を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、基材の外側に意匠感を創出する各印刷層を積層することにより、前記課題を解決し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明の要旨は下記のとおりである。
1.容器の外周の少なくとも一部に装着する包装材であって、基材の外側に絵柄層を積層してなり、かつ絵柄層の外表面に艶消し層及び光沢層を、艶消し層、光沢層の順で又はその逆の順であるいは艶消し層と光沢層とを並列に、設けてなることを特徴とする包装材。
2.光沢層及び/又は艶消し層の厚みが、絵柄層の濃淡に応じて制御されてなる上記1の包装材。
3.光沢及び/又は艶消し層が、絵柄模様を表してなる上記1又は2の包装材。
4.基材と絵柄層との間に、さらに隠蔽層を積層してなる上記1〜3のいずれかの包装材。
5.絵柄層と艶消し層又は光沢層との間に、さらにパール層を積層してなる上記1〜4のいずれかに記載の包装材。
6.さらにパール層を絵柄層と並列に設けてなる上記1〜5のいずれかに記載の包装材。
7.パール層の厚みが、絵柄層の濃淡に応じて制御されてなる上記5又は6に記載の包装材。
8.パール層が、絵柄模様を表してなる上記5〜7のいずれかに記載の包装材。
9.光沢層が、艶消し剤を含有しない透明樹脂組成物からなる上記1〜8のいずれかの包装材。
10.艶消し層が、艶消し剤を含有する樹脂組成物からなる上記1〜9のいずれかの包装材。
11.基材が熱収縮性フィルムである上記1〜10のいずれかの包装材。
12.基材が非熱収縮性フィルムである上記1〜10のいずれかの包装材。
13.基材が紙を有する原反である上記1〜12のいずれかの包装材。
14.紙を有する原反を用いた上記13の包装材からなる液体容器用材料。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせる包装材及び液体容器用材料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の包装材の一実施態様の断面を示す模式図である。
図1において、本発明の包装材10の第一の実施態様は、基材11表面に、隠蔽層12、絵柄層13、艶消し層14及び光沢層15を、その順に積層している。光沢層15は、絵柄層13と重なり合っている。光沢層15が絵柄層13と重なり合うことにより、たとえ光沢層15が指触的に凹凸感がなくても視覚的に立体感及び凹凸感のある絵柄模様となり好ましい。特に、図1においては、光沢層15の厚みが、絵柄層13の濃淡に応じて制御されているので、例えば、木目模様、石目模様又は布目模様であれば、本物の木目、石目又は布目のように見えることとなる。また、絵柄層13のみならず光沢層15も絵柄模様を表すことにより、さらに視覚的に立体感及び凹凸感のある絵柄模様となるのでより好ましい。
【0009】
図2は、本発明の包装材の他の実施態様の断面を示す模式図である。
図2において、本発明の包装材10の第二の実施態様は、基材11表面に、隠蔽層12、絵柄層13、光沢層15及び艶消し層14を、その順に積層している。艶消し層14は、絵柄層13と重なり合っている。艶消し層14が絵柄層13と重なり合うことにより、たとえ艶消し層14が指触的に凹凸感がなくても視覚的に立体感及び凹凸感のある絵柄模様となり好ましい。特に、図2においては、艶消し層14の厚みが、絵柄層13の濃淡に応じて制御されているので、例えば、木目模様、石目模様又は布目模様であれば、本物の木目、石目又は布目のように見えることとなる。また、絵柄層13のみならず艶消し層14も絵柄模様を表すことにより、さらに視覚的に立体感及び凹凸感のある絵柄模様となるのでより好ましい。
【0010】
図3は、本発明の包装材の他の実施態様の断面を示す模式図である。
図3において、本発明の包装材10の第三の実施態様は、基材11表面に、隠蔽層12及び絵柄層13をその順に積層して、さらに絵柄層13表面に光沢層15を積層し、光沢層15と並列に艶消し層14を設けている。ここで、光沢層15は絵柄層13と重なり合っているが、艶消し層14は絵柄層13と重なり合っていない。結局、絵柄層13と光沢層15との積層体と並列に艶消し層14が設けられている。図1の本発明の包装材10の第一の実施態様と同様に、光沢層15は絵柄層13と重なり合っているので、たとえ光沢層15が指触的に凹凸感がなくても視覚的に立体感及び凹凸感のある絵柄模様となり好ましい。特に、図3においては、光沢層15の厚みが、絵柄層13の濃淡に応じて制御されているので、例えば、木目模様、竹目模様又は皮絞模様であれば、本物の木目、竹目又は皮絞のように見えることとなる。また、図1と同様に、絵柄層13のみならず光沢層15も絵柄模様を表すことがより好ましい。
【0011】
図4は、本発明の包装材の他の実施態様の断面を示す模式図である。
図4において、本発明の包装材10の第四の実施態様は、基材11表面に、隠蔽層12及び絵柄層13をその順に積層して、さらに絵柄層13表面に艶消し層14を積層し、艶消し層14と並列に光沢層15を設けている。ここで、艶消し層14は、絵柄層13と重なり合っているが、光沢層15は絵柄層13と重なり合っていない。結局、絵柄層13と艶消し層14との積層体と並列に光沢層15が設けられている。図2の本発明の包装材10の第二の実施態様と同様に、艶消し層14は絵柄層13と重なり合っているので、たとえ艶消し層14が指触的に凹凸感がなくても視覚的に立体感及び凹凸感のある絵柄模様となり好ましい。特に、図4においては、艶消し層14の厚みが、絵柄層13の濃淡に応じて制御されているので、例えば、木目模様、竹目模様又は皮絞模様であれば、本物の木目、竹目又は皮絞のように見えることとなる。また、図2と同様に、絵柄層13のみならず艶消し層14も絵柄模様を表すことがより好ましい。
【0012】
次に、光沢層15又は艶消し層14の厚みが、絵柄層13の濃淡に応じて制御されるということをより具体的に詳述する。
本発明においては、絵柄層13の濃淡は、色相にかかわらず、明度を基準に判断する。明度とは、色の属性のひとつで、視感的な色の明るさ、暗さを表わす。明度を数値で表すとすれば、その数値が高いほど、色は明るみを増すことになる。明度が100%であれば白色、0%であれば黒色となる。色が濃いとは明度が低いことをいい、色が淡い又は薄いとは明度が高いことをいう。無色透明の場合は白色と見做す。絵柄層のない部分は、隠蔽層12のある場合は隠蔽層12の明度を、隠蔽層12のない場合は基材11の明度を、絵柄層13の明度と見做す。
【0013】
以上の基準をもとに、光沢層15又は艶消し層14の厚みを絵柄層13の濃淡に応じて制御する主な態様を下記する。
(1)絵柄層13のある部分の一部又は全部に光沢層15を形成し、絵柄層13のない部分には光沢層15を形成しない。
(2)絵柄層13のない部分の一部又は全部に光沢層15を形成し、絵柄層13のある部分には光沢層15を形成しない。
(3)絵柄層13の色の濃い部分(以下、濃色部分ということがある)の光沢層15を厚く形成し、絵柄層13の色の薄い(淡い)部分(以下、淡色部分ということがある)には光沢層15を薄く形成する。
(4)絵柄層13の濃色部分の一部又は全部に光沢層15を形成し、絵柄層13の淡色部分には光沢層15を形成しない。
(5)絵柄層13の淡色部分に光沢層15を厚く形成し、絵柄層13の濃色部分には光沢層15を薄く形成する。
(6)絵柄層13の淡色部分の一部又は全部に光沢層15を形成し、絵柄層13の濃色部分には光沢層15を形成しない。
艶消し層14の厚みを絵柄層13の濃淡に応じて制御する場合は、上記の(1)〜(6)の「光沢層15」を「艶消し層14」に読み替えてそれぞれ(1')〜(6')の態様となる。上記の(3)、(5)、(3')及び(5')の制御方法としては、例えば、光沢層15又は艶消し層14の厚みを絵柄層13の明度に比例又は反比例して形成する方法等が好ましい。
【0014】
上記の(1)〜(6)の態様を、さらに図面に基づいて説明する。図1及び3は、上記(1)及び(3)の場合に該当し、図2及び4は、上記(1')及び(3')の場合に該当する。
図5は、本発明の包装材の他の実施態様の断面を示す模式図である。図5において、本発明の包装材10の第五の実施態様は、基材11表面に、隠蔽層12及び絵柄層13をその順に積層して、絵柄層13表面に艶消し層14を積層し、さらに艶消し層14上で、光沢層15を絵柄層13の淡色部分に設けており、絵柄層13の濃色部分には設けていない。図5における本発明の包装材10の第五の実施態様は、上記の(6)に該当し、絵柄層13の淡色部分の範囲内では(5)のように光沢層15が形成される。また、絵柄層13のない部分は淡色部分と見做され光沢層15が設けられている。
【0015】
図6は、本発明の包装材の他の実施態様の断面を示す模式図である。図6において、本発明の包装材10の第六の実施態様は、基材11表面に、隠蔽層12及び絵柄層13をその順に積層して、絵柄層13表面に艶消し層14を積層し、さらに艶消し層14上で、光沢層15を絵柄層13の絵柄模様の濃色部分に設けており、絵柄層13の淡色部分には設けていない。図6における本発明の包装材10の第六の実施態様は、上記の(4)に該当し、絵柄層13の濃色部分の範囲内では(3)のように光沢層15が形成される。また、絵柄層13のない部分は淡色部分と見做され光沢層15が設けられていない。
【0016】
また、図7は、本発明の包装材の他の実施態様の断面を示す模式図である。図7において、本発明の包装材10の第七の実施態様は、基材11表面に、隠蔽層12及び絵柄層13をその順に積層して、絵柄層13表面に光沢層15を積層し、さらに光沢層15上で、艶消し層14を絵柄層13の淡色部分に設けており、絵柄層13の濃色部分には設けていない。図7における本発明の包装材10の第七の実施態様は、上記の(6')に該当し、絵柄層13の淡色部分の範囲内では(5')のように艶消し層14が形成される。また、絵柄層13のない部分は淡色部分と見做され艶消し層14が設けられている。
【0017】
図8は、本発明の包装材の他の実施態様の断面を示す模式図である。図8において、本発明の包装材10の第八の実施態様は、基材11表面に、隠蔽層12及び絵柄層13をその順に積層して、絵柄層13表面に光沢層15を積層し、さらに光沢層15上で、艶消し層14を絵柄層13の濃色部分に設けており、絵柄層13の淡色部分には設けていない。図8における本発明の包装材10の第八の実施態様は、上記の(4')に該当し、絵柄層13の濃色部分の範囲内では(3')のように艶消し層14が形成される。また、絵柄層13のない部分は淡色部分と見做され艶消し層14が設けられていない。
【0018】
図9〜14は、本発明の包装材の他の実施態様の部分断面を示す模式図であり、基材11及び隠蔽層12を省略している。図9において、本発明の包装材10の第九の実施態様は、上記の(1)に該当する。ここで、光沢層15と艶消し層14とを入れ替えれば、上記の(1')に該当する。
また、図10において、本発明の包装材10の第十の実施態様は、上記の(2)に該当する。ここで、光沢層15と艶消し層14とを入れ替えれば、上記の(2')に該当する。
【0019】
図11において、本発明の包装材10の第十一の実施態様は、上記の(3)に該当する。ここで、光沢層15と艶消し層14とを入れ替えれば、上記の(3')に該当する。
また、図12において、本発明の包装材10の第十二の実施態様は、上記の(4)に該当する。ここで、光沢層15と艶消し層14とを入れ替えれば、上記の(4')に該当する。
図13において、本発明の包装材10の第十三の実施態様は、上記の(5)に該当する。ここで、光沢層15と艶消し層14とを入れ替えれば、上記の(5')に該当する。
さらに、図14において、本発明の包装材10の第十四の実施態様は、上記の(6)に該当する。ここで、光沢層15と艶消し層14とを入れ替えれば、上記の(6')に該当する。
【0020】
図15〜20は、本発明の包装材10の、さらにパール層16を設けてなる他の実施態様の断面を示す模式図である。
図15において、本発明の包装材10は絵柄層13と艶消し層14との間に、さらにパール層16を積層している。即ち、基材11表面に、隠蔽層12、絵柄層13、パール層16、艶消し層14及び光沢層15を、その順に積層している。パール層16及び光沢層15は、絵柄層13と重なり合っている。
図16において、本発明の包装材10は絵柄層13と光沢層15との間に、さらにパール層16を積層している。即ち、基材11表面に、隠蔽層12、絵柄層13、パール層16、光沢層15及び艶消し層14を、その順に積層している。パール層16及び艶消し層14は、絵柄層13と重なり合っている。
図15及び図16において、パール層16をさらに設けることにより、パール層16の発色及び/又は光沢と艶消し層14又は光沢層15の光沢とが相乗効果となり、パール層16を設けない場合と比較して、絵柄の素材感及び/又は凹凸感をさらに効果的に表現することが可能になった。
【0021】
図17及び図18においては、本発明の包装材10は、図1及び図2の実施態様にさらにパール層16を絵柄層13と並列に設けている。
即ち、図17及び図18においては、基材11表面に、隠蔽層12及び絵柄層13をその順に積層して、さらに絵柄層13とパール層16とを並列に設け、その上に、艶消し層14及び光沢層15を積層している。図17では艶消し層14及び光沢層15を、その順に積層しており、光沢層15は、絵柄層13と重なり合っている。図18では光沢層15及び艶消し層14を、その順に積層しており、艶消し層14は、絵柄層13と重なり合っている。図17及び図18のいずれの場合も、パール層16は絵柄層13と重なり合っていない。
図15及び図16の場合と同様に図17及び図18においても、パール層16をさらに設けることにより、パール層16の発色及び/又は光沢と艶消し層14又は光沢層15の光沢とが相乗効果となり、パール層16を設けない場合と比較して、絵柄の素材感及び/又は凹凸感をさらに効果的に表現することが可能になった。
【0022】
図19では、本発明の包装材10は基材11表面に、隠蔽層12及び絵柄層13をその順に積層して、さらに絵柄層13表面にパール層16と光沢層15とをその順に積層し、絵柄層13、パール層16及び/又は光沢層15と並列に艶消し層14を設けている。ここで、パール層16及び光沢層15は、絵柄層13と重なり合っているが、艶消し層14は絵柄層13と重なり合っていない。図3の本発明の包装材10と同様に、パール層16及び光沢層15は絵柄層13と重なり合っているので、たとえパール層16及び光沢層15が指触的に凹凸感がなくても視覚的に立体感及び凹凸感のある絵柄模様となり好ましい。
また、図20では、本発明の包装材10は基材11表面に、隠蔽層12及び絵柄層13をその順に積層して、さらに絵柄層13表面にパール層16と艶消し層14とをその順に積層し、絵柄層13、パール層16及び/又は艶消し層14と並列に光沢層15を設けている。ここで、パール層16及び艶消し層14は絵柄層13と重なり合っているが、光沢層15は絵柄層13と重なり合っていない。図4の本発明の包装材10と同様に、パール層16及び艶消し層14は絵柄層13と重なり合っているので、たとえパール層16及び艶消し層14が指触的に凹凸感がなくても視覚的に立体感及び凹凸感のある絵柄模様となり好ましい。
【0023】
図15〜20においても、パール層16の厚みが、絵柄層の濃淡に応じて制御されていることにより、さらに視覚的に立体感及び凹凸感のある絵柄模様となるのでより好ましい。
また、絵柄層13等に加えてパール層16も絵柄模様を表すことにより、いずれによっても視覚的にさらに優れた素材感及び凹凸感のある絵柄模様となるのでより好ましい。
【0024】
上述の、「艶消し層14、光沢層15、パール層16及び絵柄層13の少なくとも2層が『重なり合う』」場合の態様として、外表面側の層と基材側の層とが部分的又は全体に重なり合っている場合を含むばかりでなく、外表面側の層が基材側の層の上面及び側面を覆う場合をも包含するものである。
【0025】
上記の光沢層15、艶消し層14又はパール層16の厚みを制御する範囲は、最も薄い場合から最も厚い場合までの範囲として0.1〜20μmの範囲が好ましく、0.1〜10μmの範囲がより好ましく、0.1〜5μmの範囲が特に好ましい。
【0026】
本発明に係る光沢層15は、艶消し剤を含有しない透明樹脂組成物からなることが好ましい。また、無着色、着色のいずれであってもよい。
光沢層15に用いる樹脂組成物としては、光沢性のあるものであれば何でもよいが、光沢性、耐スクラッチ性(耐擦過性)を確保するためには、イソシアネートとポリオールの2液硬化型である樹脂組成物が好ましい。ここで、ポリオールとしては、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、エポキシポリオール、アルキドポリオール等が挙げられるが、印刷適性の観点(即ち、乾燥性と物性とのバランス)からアクリルポリオールが好ましい。
硬化剤であるイソシアネートとしては、2官能以上の脂肪族又は芳香族イソシアネートを使用できる。脂肪族イソシアネートを単品で使用してもよいし、芳香族イソシアネートを単品で使用してもよい。また、脂肪族イソシアネートと芳香族イソシアネートを混合して使用してもよい。具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。
硬化剤は、必須ではなく、主剤100質量部に対して0〜25質量部配合される。
【0027】
艶消し層14に用いる樹脂組成物としては、光沢層15に用いる樹脂組成物と同様でよいが、艶消し効果を奏するために、艶消し剤を含有することが好ましい。
艶消し剤としては、シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム等の無機粒子のパウダー又はビーズ等);シリコーン樹脂、架橋アルキル、架橋スチレン、ベンゾグアナミン樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン、ナイロン等の有機材料パウダー又はビーズ等が挙げられる。これら中でも、特にシリカを好適に用いることができる。
艶消し剤の粒径は限定的でなく、用途等に応じて適宜決定することができる。一般的には、粒径0.1〜30μm程度とし、特に粒径1〜10μmの範囲とすることがより好ましい。
艶消し剤の含有量も限定的ではないが、上記樹脂組成物中の樹脂成分100質量部に対し、10〜70質量部配合することが好ましく、20〜50質量部配合することがより好ましい。
【0028】
本発明に係る絵柄層13及び所望により設けられる隠蔽層12に用いるインキとしては、バインダーの樹脂に、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル・ウレタン系樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリオレフィン、セルロース系樹脂(例えば、ニトロセルロース)等を用い、着色剤には、例えば、チタン白、弁柄、コバルトブルー、チタン黄、酸化鉄イエロー、カーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノン、ベンジジンイエロー、キナクリドンレッド、フタロシアニンブルー等の有機顔料、アルミニウム粉、真鍮粉等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲母等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料等を用いる。
特に、隠蔽層12は隠蔽性の高い無機顔料を含むことが望ましい。その無機顔料は、白色無機顔料、黄色無機顔料、茶色無機顔料、青色無機顔料及び墨色無機顔料からなる群から少なくとも一種選択される無機顔料を含むことが好ましい。
絵柄層13の絵柄模様は、例えば、木目模様、竹目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号又は各種抽象模様等であり、隠蔽層12では、通常、全面ベタである。
【0029】
本発明においては、隠蔽層12は必ずしも必須ではなく、基材11に隠蔽性がある場合であっても、ない場合であっても設けなくてもよい。しかしながら、基材11に隠蔽性がない場合において、容器に起因する色等を隠蔽すると共に絵柄層13の色彩を鮮やかにするためには、隠蔽層12を基材11と絵柄層13との間に設けることが望ましい。また、基材11に隠蔽性がある場合であっても、絵柄層13の色彩をさらに鮮やかにするために隠蔽層12を設けることが好ましい。隠蔽層12は、隠蔽する目的に応じ、印刷層又は塗工層を一層のみ有していてもよいし、複数の印刷層又は塗工層を有していてもよい。
【0030】
本発明に係るパール層16に用いるインキとしては、バインダーの樹脂に、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル・ウレタン系樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリオレフィン、セルロース系樹脂(例えば、ニトロセルロース)等を用い、着色剤には、パール顔料として薄板状雲母粒子の表面を二酸化チタンや酸化鉄で被覆したものを用いる。パール顔料は、その粒子サイズや二酸化チタン等の膜厚により、いろいろな光沢感のある外観が得られる。
【0031】
光沢層15、艶消し層14、絵柄層13、隠蔽層12及びパール層16のインキに用いる溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール系有機溶剤;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系有機溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールエステル系有機溶剤;ジエチルエーテル、ブチルセロソルブ、ジオキサン等のエーテル系有機溶剤等が挙げられる。
これらの溶剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。乾燥性の観点から、70℃〜100℃の低沸点溶剤を使用することが好ましい。
【0032】
本発明に係る熱収縮性の基材11の好適例としては、一方向に60〜70%の熱収縮率{JIS Z1709(湯95℃、10秒)}である単層又は複層の、スチレン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム(特に、ポリエチレンテレフタレートフィルム)、環状ポリオレフィンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム及び前記ポリエステルフィルムに不織布を積層したフィルム等が挙げられる。これらの内、熱収縮性ポリエステルフィルムが特に好ましく、基材11の厚さとしては30〜60μmが好ましい。
また、本発明に係る非熱収縮性の基材11の好適例としては、一方向に3%以下の熱収縮率{JIS C2318(150℃×30分)}である単層又は複層の、上記熱収縮性の基材と同様なフィルムが挙げられる。これらの内、非熱収縮性ポリエステルフィルムが特に好ましく、基材11の厚さとしては5〜25μmが好ましく、10〜20μmがより好ましい。
【0033】
本発明に係る絵柄層13、艶消し層14、光沢層15及び所望により設けられる隠蔽層12は、グラビア印刷等の公知の印刷又はグラビア塗工等の塗工法により形成すれば良い。各層の厚みは、通常1〜10μm 程度である。
【0034】
本発明において、所望により、基材11の内表面に接着剤層(図示しない)を設けてもよい。
接着剤層を構成する接着剤としては、例えば、水分を加えることにより粘着性が生じる感湿接着剤、熱を加えることにより粘着性が生じる感熱接着剤等が利用できる。
前記感湿接着剤としては、ラベルの収縮時にスチームを当てることにより粘着性を生ずる感湿接着剤を使用することが好ましい。具体的には、カゼイン、デキストリン、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、ポリアクリルアミド等やこれらの変性物、混合物が採用されている。感湿接着剤は単独で又は2種以上混合して使用することができる。
また、感湿接着剤は、水分に反応して粘着性が生じるため、包装材10にスチーム等の水分を加えるまでは粘着性が生じず、包装材10の取扱が容易である。
一方、感熱接着剤は、水が付着しても粘着性が発現しないため、容器本体に対するラベルの滑りが良好であり、容器本体への装着が容易である。感熱接着剤としては、包装材の分野で慣用の感熱接着剤を使用できるが、包装材10の熱収縮時に軟化又は溶融することにより粘着性を生ずる感熱接着剤を使用することが好ましい。特に、基材11への塗布が容易である点で、エマルジョン型感熱接着剤が好適である。感熱接着剤は単独で又は2種以上混合して使用することができる。
また、感熱接着剤としては、塗布、乾燥後の接着剤面が、常温では粘着性を示さないが、加熱によって粘着性が発現し、且つその粘着性が冷却後も一定の期間(数分〜数日間)持続するディレードタックタイプの接着剤も使用可能であり、通常、熱可塑性樹脂(ベースポリマー)、粘着付与剤、ワックス等から構成される。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリブタジエン、ポリウレタン、スチレン−イソプレンブロック共重合体等が挙げられる。
前記粘着付与剤は、粒子間のバインダーとして造膜性を向上し、さらに感熱接着剤の活性化温度を低下する作用を有し、例えば、ロジン系樹脂(ロジン、重合ロジン、水添ロジン及びそれらの誘導体、樹脂酸ダイマー等)、テルペン系樹脂(テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、テルペン−フェノール樹脂等)、石油樹脂(脂肪族系、芳香族系、脂環族系)、クマロン−インデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール樹脂等が用いられる。
前記ワックスは、粒子間のバインダーとして造膜性を向上する他、接着剤の低融点化を促進することができ、例えば、ポリエチレンワックス等の合成ワックスの他、鉱物系ワックス、天然ワックス等が用いられる。
【0035】
本発明の包装材を用いる対象となる容器とは、清涼飲料水や液体調味料等を充填する容器としてのポリエチレンテレフタレート(PET)製ボトルあるいは円筒体又は箱体等のプラスチック製容器に限られず、清涼飲料水やアルコール飲料等を充填するアルミ缶やスチール缶等の金属性缶体、及び紙を基本材料とする容器をも含む容器全般をいう。
【0036】
以上、本発明の包装材について説明したが、以下、液体容器用材料について述べる。
液体容器用材料は、図1〜14で説明した包装材10から適宜選択すればよい。また、本発明の液体容器用材料に用いられる基材10は、紙を有する原反であって、容器に収容する液体の浸透や洩れを防止するため、紙を基本材料として、表裏両面側又は裏面側(液体側)に熱可塑性樹脂等の液体浸透防止材料を積層した積層体であることが好ましい。
表裏両面側に熱可塑性樹脂を積層した積層体の構成としては、表面側(容器外側)からポリエチレン樹脂層/紙層/ポリエチレン樹脂層、ポリプロピレン樹脂層/紙層/ポリプロピレン樹脂層、ポリエチレン樹脂層/紙層/ポリエステル樹脂層、ポリエステル樹脂層/紙層/ポリエステル樹脂層、ポリエチレン樹脂層/紙層/エチレン−アクリル酸共重合体層/アルミニウム箔/ポリエチレン樹脂層、ポリエチレン樹脂層/紙層/ポリエチレン層/ポリエステル層/ポリエチレン樹脂層、ポリエチレン樹脂層/紙層/ポリエチレン層/ポリエステル層/ポリエチレン樹脂層(フィルム)、ポリエチレン樹脂層/紙層/ポリエチレン層/アルミニウム箔/二軸延伸ポリエステル層/ポリエチレン樹脂層、ポリエチレン樹脂層/紙層/ポリエチレン層/蒸着アルミ層/ポリエステル層/ポリエチレン樹脂層、ポリエチレン樹脂層/紙層/ポリエチレン樹脂層/シリカ蒸着層/ポリエステル層/ポリエチレン樹脂層(フィルム)等が挙げられる。
同様に裏面側(液体側)のみに熱可塑性樹脂を積層した積層体の構成としては、表面側(容器外側)から、紙層/ポリエチレン樹脂層、紙層/ポリプロピレン樹脂層、紙層/ポリエステル樹脂層、紙層/ポリエステル樹脂層、紙層/エチレン−アクリル酸共重合体層/アルミニウム箔/ポリエチレン樹脂層、紙層/ポリエチレン層/ポリエステル層/ポリエチレン樹脂層、紙層/ポリエチレン層/ポリエステル層/ポリエチレン樹脂層(フィルム)、紙層/ポリエチレン層/アルミニウム箔/二軸延伸ポリエステル層/ポリエチレン樹脂層、紙層/ポリエチレン層/蒸着アルミ層/ポリエステル層/ポリエチレン樹脂層、紙層/ポリエチレン樹脂層/シリカ蒸着層/ポリエステル層/ポリエチレン樹脂層(フィルム)等が挙げられる。
【0037】
本発明の液体容器用材料は通常の手段で切断、接合され、各種液体を充填する円筒体又は箱体等の容器に加工される。
【0038】
本発明の液体容器用材料を用いてなる容器は、清涼飲料水、ミネラルウオーターやアルコール飲料等の飲料、醤油、味醂等の調味料、サラダオイル、てんぷら油等の食用油等の各種液体を充填する円筒体又は箱体等の容器として広く用いられる。
【実施例】
【0039】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、印刷適性及び意匠性は、下記の方法に従って評価した。
1.印刷適性
小型グラビア輪転機試験機を使用し、トラッピング性、原反密着性を評価した。
2.意匠性
目視にて、絵柄模様の立体感や凹凸感を評価した。
【0040】
後述する実施例及び比較例の包装材の各層に用いた樹脂組成物インキを下記する。数量表示は全て質量%による。
1.光沢層
(1)光沢インキ
主剤
樹脂:アクリルポリオール 35
樹脂:セルロースアセテートブチレート 2
添加剤:ポリエチレン 1
添加剤:シリコーン系消泡剤 0.2
溶剤:酢酸エチル、メチルエチルケトン及び酢酸n−プロピルの混合溶剤 61.8
計 100
硬化剤
硬化剤:ヘキサメチレンジイソシアネート及びトリレンジイソシアネート
混合系(固形分:60質量%、 酢酸エチル:40質量%) 25
総計 125

上記インキ組成物を用いて、乾燥後の塗工膜厚が2〜6μmとなるように、適宜溶剤希釈して、印刷した。
【0041】
2.艶消し層
(1)艶消しインキ
主剤
樹脂:アクリルポリオール 21
樹脂:セルロースアセテートブチレート 1
艶消し剤:湿式法微粉末シリカ及び乾式法微粉末シリカの混合物 9.2
添加剤:ポリエチレン 1
添加剤:シリコーン系消泡剤 0.5
溶剤 :酢酸エチル、メチルエチルケトン及び酢酸n−プロピルの混合溶剤 67.3
計 100
硬化剤
硬化剤:ヘキサメチレンジイソシアネート及びトリレンジイソシアネート
混合系(固形分:60質量%、 酢酸エチル:40質量%) 25
総計 125

上記インキ組成物を用いて、乾燥後の塗工膜厚が2〜6μmとなるように、適宜溶剤希釈して、印刷した。
【0042】
3.絵柄層
(1)絵柄用黄色インキ
樹脂:ウレタン樹脂 15.5
樹脂: 硝化綿 1
顔料:Pigment Yellow 14 10
溶剤:メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール及びプロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテート(以下、PMAという)の混合溶剤 73.5
計 100

(2)絵柄用赤色インキ
樹脂:ウレタン樹脂 15.8
樹脂:塩酢ビ樹脂(塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合物) 1
顔料:Pigment Red 146 10
添加剤:高分子化合物系分散剤 0.5
溶剤:メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール及びPMAの混合溶剤 72.7
計 100

(3)絵柄用青色インキ
樹脂:ウレタン樹脂 18.9
樹脂:セルロースアセテートブチレート 1
顔料:Pigment Blue 15−3 6
溶剤:メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール及びPMAの混合溶剤 74.1
計 100

(4)絵柄用墨色インキ
樹脂:ウレタン樹脂 15.8
樹脂:セルロースアセテートブチレート 1
顔料:Pigment Black 7 12.5
顔料:乾式法微粉末シリカ 3
溶剤:メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール及びPMAの混合溶剤 67.7
計 100

(5)ミキサー
樹脂:ウレタン樹脂 18.8
顔料:微粉末シリカ 2
添加剤:脂肪酸アマイドワックス 0.4
溶剤:メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール及びPMAの混合溶剤 78.8
計 100

上記インキ組成物を用いて、乾燥後の塗工膜厚が1〜5μmとなるように、適宜希釈して、印刷した。
また、上記(5)のミキサーは、印刷時に色インキ(黄、赤、青、墨)に適宜添加し、濃度調節に使用した。
【0043】
4.隠蔽層
(1)ベタ印刷用白色インキ
樹脂:ウレタン樹脂 11.4
顔料:酸化チタン;Pigment White 6 47.5
添加剤:高分子化合物系分散剤 0.5
溶剤:メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及び
エチレングリコールモノプロピルエーテルの混合溶剤 40.6
計 100

(2)ベタ印刷用鉄黄色インキ
樹脂:ウレタン樹脂 15
顔料:Pigment Yellow 42 30
溶剤:メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及び
エチレングリコールモノプロピルエーテルの混合溶剤 55
計 100

(3)ベタ印刷用茶色インキ
樹脂:ウレタン樹脂 15
顔料:Pigment Red 101 35
溶剤:メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及び
エチレングリコールモノプロピルエーテルの混合溶剤 50
計 100

(4)ベタ印刷用墨色インキ
樹脂:ウレタン樹脂 16.5
顔料:Pigment Black 7 10
添加剤:アミノ基含有ポリエステル 1
溶剤:メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及び
エチレングリコールモノプロピルエーテルの混合溶剤 72.5
計 100

上記インキ組成物を用いて、乾燥後の塗工膜厚が3〜6μmとなるように、適宜希釈して、印刷した。
【0044】
5.パール層
(1)パールインキ
樹脂:ウレタン樹脂 13.8
顔料:パール顔料 20.0
顔料:乾式法微粉末シリカ 0.5
添加剤:脂肪酸アマイドワックス 0.2
溶剤:メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール及びPMAの混合溶剤 65.5
計 100

上記インキ組成物を用いて、乾燥後の塗工膜厚が1〜5μmとなるように、適宜希釈して、印刷した。
【0045】
6.基材
(1)透明熱収縮性ポリエステルフィルムA
透明熱収縮性ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ45μm、熱収縮率60%)を用いた。
(2)高隠蔽性熱収縮性ポリエステルフィルムB
高隠蔽性熱収縮性ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ45μm、熱収縮率60%)を用いた。
(3)透明非熱収縮性ポリエステルフィルムC
透明非熱収縮性ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm、熱収縮率3%以下)を用いた。
(4)高隠蔽性非熱収縮性ポリエステルフィルムD
高隠蔽性非熱収縮性ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ16μm、熱収縮率3%以下)を用いた。
(5)原反
表面側からポリエチレン35μm/板紙440g/m2/エチレン−メタアクリル酸共重合体20μm/アルミニウム6μm/ポリエチレンテレフタレート12μm/ポリエチレン20μm/ポリエチレンフィルム60μmの構成の、紙を基材とする積層体を用いた。
【0046】
7.接着剤層
以下のエマルジョン型感熱接着剤を基材の内側表面にグラビア印刷して接着剤層(厚み2μm)を形成した。
(1)エマルジョン型感熱接着剤
酢酸ビニル含量が33重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体 90
粘着付与剤(水添テルペン系樹脂) 5
パラフィンワックス 5
計 100
【0047】
実施例1
図1に示すように、透明熱収縮性ポリエステルフィルムAの外側表面に、隠蔽層としてベタ印刷用墨色インキ、ベタ印刷用鉄黄色インキ及びベタ印刷用白色インキを混色してグラビア印刷し、隠蔽層の外側に絵柄層として絵柄用の黄色、赤色、青色及び墨色インキを用いて木目模様の絵柄模様をグラビア印刷し、その外側に艶消し層として艶消しインキをグラビア印刷し、さらにその外側に光沢インキを用いて、絵柄層の絵柄模様に重なり合う絵柄模様をグラビア印刷し、光沢層とした。また、絵柄層の濃色部分に対応する光沢層は厚く印刷し、絵柄層の淡色部分に対応する光沢層は薄く印刷し凹凸感を出した。上記各種インキの印刷適性は良好であった。このシュリンク包装材を清涼飲料水充填用ポリエチレンテレフタレート(PET)製ボトルの外周に熱収縮して装着した。装着後の意匠性を確認した所、光沢層の絵柄模様と、絵柄層の絵柄模様とが重なり合って、絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせ、立体意匠性に優れていた。また、光沢層の厚みを上述のように制御したので、木目模様の凹凸感がさらに表出し、より本物らしくなった。
【0048】
実施例2
実施例1における基材を、実施例1の透明熱収縮性ポリエステルフィルムAから高隠蔽性熱収縮性ポリエステルフィルムBに変更し、隠蔽層を除き、絵柄層の濃色部分に対応する光沢層を薄く印刷し、絵柄層の淡色部分に対応する光沢層を厚く印刷し凹凸感を出した以外は、実施例1と同様にシュリンク包装材を製造した。印刷適性は良好であった。このシュリンク包装材を清涼飲料水充填用ポリエチレンテレフタレート(PET)製ボトルの外周に熱収縮して装着した。装着後の意匠性を確認した所、実施例1とは違った趣のある絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせる意匠感が得られた。
【0049】
実施例3
実施例1における光沢層の厚みの制御を、絵柄層のない部分に対して光沢層を印刷し、絵柄層のある部分には光沢層を印刷せず、異なる凹凸感を出すように変更した以外は、実施例1と同様にシュリンク包装材を製造した。印刷適性は良好であった。このシュリンク包装材を清涼飲料水充填用ポリエチレンテレフタレート(PET)製ボトルの外周に熱収縮して装着した。装着後の意匠性を確認した所、実施例1及び2とは違った趣のある絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせる意匠感が得られた。
【0050】
実施例4
図2に示すように、透明熱収縮性ポリエステルフィルムAの外側表面に、隠蔽層としてベタ印刷用墨色インキ、ベタ印刷用茶色インキ及びベタ印刷用白色インキを混色してグラビア印刷し、隠蔽層の外側に絵柄層として絵柄用の黄色、赤色、青色及び墨色インキを用いて石目模様の絵柄模様をグラビア印刷し、その外側に光沢層として光沢インキをグラビア印刷し、さらにその外側に艶消しインキを用いて、絵柄層の絵柄模様に重なり合う絵柄模様をグラビア印刷し、艶消し層とした。また、絵柄層の濃色部分に対応する艶消し層は厚く印刷し、絵柄層の淡色部分に対応する艶消し層は薄く印刷し凹凸感を出した。上記各種インキの印刷適性は良好であった。このシュリンク包装材を清涼飲料水充填用ポリエチレンテレフタレート(PET)製ボトルの外周に熱収縮して装着した。装着後の意匠性を確認した所、艶消し層の絵柄模様と、絵柄層の絵柄模様とが重なり合って、絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせ、立体意匠性に優れていた。また、艶消し層の厚みを、上述のように制御したので、石目模様の凹凸感がさらに表出し、より本物らしくなった。
【0051】
実施例5
実施例4における基材を、実施例4の透明熱収縮性ポリエステルフィルムAから高隠蔽性熱収縮性ポリエステルフィルムBに変更し、隠蔽層を除き、絵柄層の濃色部分に対応する艶消し層を薄く印刷し、絵柄層の淡色部分に対応する艶消し層を厚く印刷し凹凸感を出した以外は、実施例4と同様にシュリンク包装材を製造した。印刷適性は良好であった。このシュリンク包装材を清涼飲料水充填用ポリエチレンテレフタレート(PET)製ボトルの外周に熱収縮して装着した。装着後の意匠性を確認した所、実施例4とは違った趣のある絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせる意匠感が得られた。
【0052】
実施例6
実施例4における艶消し層の厚みの制御を、絵柄層のない部分に対して艶消し層を印刷し、絵柄層のある部分には艶消し層を印刷せず、異なる凹凸感を出すように変更した以外は、実施例4と同様にシュリンク包装材を製造した。印刷適性は良好であった。このシュリンク包装材を清涼飲料水充填用ポリエチレンテレフタレート(PET)製ボトルの外周に熱収縮して装着した。装着後の意匠性を確認した所、実施例4及び5とは違った趣のある絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせる意匠感が得られた。
【0053】
実施例7
図3に示すように、透明熱収縮性ポリエステルフィルムAの外側表面に、隠蔽層としてベタ印刷用墨色インキ、ベタ印刷用茶色インキ及びベタ印刷用白色インキを混色してグラビア印刷し、隠蔽層の外側に絵柄層として絵柄用の黄色、赤色、青色及び墨色インキを用いて竹目模様の絵柄模様をグラビア印刷し、その絵柄層の外側に光沢層として光沢インキを用いて、絵柄層の絵柄模様に重なり合う絵柄模様をグラビア印刷した。さらに、絵柄層と光沢層とが存在しない外側表面を穴埋めするように艶消しインキを用いて艶消し層をグラビア印刷した。従って、艶消し層の絵柄模様は絵柄層の絵柄模様に重なり合わない。特に、光沢層の厚みの制御として、絵柄層の濃色部分に対応する光沢層を厚く印刷し、絵柄層の淡色部分に対応する光沢層を薄く印刷し凹凸感を出した。同時に、艶消し層の厚みの制御として、絵柄層の濃色部分と隣接する艶消し層を薄く、絵柄層の淡色部分と隣接する艶消し層を厚く印刷した。上記各種インキの印刷適性は良好であった。このシュリンク包装材を清涼飲料水充填用ポリエチレンテレフタレート(PET)製ボトルの外周に熱収縮して装着した。装着後の意匠性を確認した所、光沢層の絵柄模様と、絵柄層の絵柄模様とが重なり合って、絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせ、立体意匠性に優れていた。また、光沢層及び艶消し層の厚みを、上述のように制御したので、竹目模様の凹凸感がさらに表出し、より本物らしくなった。
【0054】
実施例8
図4に示すように、透明熱収縮性ポリエステルフィルムAの外側表面に、隠蔽層としてベタ印刷用墨色インキ、ベタ印刷用茶色インキ及びベタ印刷用白色インキを混色してグラビア印刷し、隠蔽層の外側に絵柄層として絵柄用の黄色、赤色、青色及び墨色インキを用いて布目模様の絵柄模様をグラビア印刷し、その絵柄層の外側に艶消し層として艶消しインキを用いて、絵柄層の絵柄模様に重なり合う絵柄模様をグラビア印刷した。さらに、絵柄層と艶消し層とが存在しない外側表面を穴埋めするように光沢インキを用いて光沢層をグラビア印刷した。従って、光沢層の絵柄模様は絵柄層の絵柄模様に重なり合わない。特に、艶消し層の厚みの制御として、絵柄層の濃色部分に対応する艶消し層を厚く印刷し、絵柄層の淡色部分に対応する艶消し層を薄く印刷し凹凸感を出した。同時に、光沢層の厚みの制御として、絵柄層の濃色部分と隣接する光沢層を薄く、絵柄層の淡色部分と隣接する光沢層を厚く印刷した。上記各種インキの印刷適性は良好であった。このシュリンク包装材を清涼飲料水充填用ポリエチレンテレフタレート(PET)製ボトルの外周に熱収縮して装着した。装着後の意匠性を確認した所、艶消し層の絵柄模様と、絵柄層の絵柄模様とが重なり合って、絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせ、立体意匠性に優れていた。また、艶消し層及び光沢層の厚みを、上述のように制御したので、布目模様の凹凸感がさらに表出し、より本物らしくなった。
【0055】
実施例9
実施例1における光沢層の厚みの制御を、図5のように、絵柄層の淡色部分に対して光沢層を印刷し、絵柄層の濃色部分には印刷しないように変更し、さらに絵柄層のない部分を淡色部分と見做して光沢層15を印刷して、異なる凹凸感を出すように変更した以外は、実施例1と同様にシュリンク包装材を製造した。印刷適性は良好であった。このシュリンク包装材を清涼飲料水充填用ポリエチレンテレフタレート(PET)製ボトルの外周に熱収縮して装着した。装着後の意匠性を確認した所、実施例1、2及び3とは違った趣のある絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせる意匠感が得られた。
【0056】
実施例10
実施例1における光沢層の厚みの制御を、図6のように、絵柄層の濃色部分に対して光沢層を印刷し、絵柄層の淡色部分及び絵柄層のない部分には光沢層を印刷しないように変更した以外は、実施例1と同様にシュリンク包装材を製造した。印刷適性は良好であった。このシュリンク包装材を清涼飲料水充填用ポリエチレンテレフタレート(PET)製ボトルの外周に熱収縮して装着した。装着後の意匠性を確認した所、実施例1、2、3及び9とは違った趣のある絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせる意匠感が得られた。
【0057】
実施例11
実施例4における艶消し層の厚みの制御を、図7のように、絵柄層の淡色部分に対して艶消し層を印刷し、絵柄層の濃色部分には印刷しないように変更し、さらに絵柄層のない部分を淡色部分と見做して艶消し層を印刷して、異なる凹凸感を出すように変更した以外は、実施例4と同様にシュリンク包装材を製造した。印刷適性は良好であった。このシュリンク包装材を清涼飲料水充填用ポリエチレンテレフタレート(PET)製ボトルの外周に熱収縮して装着した。装着後の意匠性を確認した所、実施例4、5及び6とは違った趣のある絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせる意匠感が得られた。
【0058】
実施例12
実施例4における艶消し層の厚みの制御を、図8のように、絵柄層の濃色部分に対して艶消し層を印刷し、絵柄層の淡色部分及び絵柄層のない部分には艶消し層を印刷しないように変更した以外は、実施例4と同様にシュリンク包装材を製造した。印刷適性は良好であった。このシュリンク包装材を清涼飲料水充填用ポリエチレンテレフタレート(PET)製ボトルの外周に熱収縮して装着した。装着後の意匠性を確認した所、実施例4、5、6及び11とは違った趣のある絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせる意匠感が得られた。
【0059】
実施例13
図1に示すように、透明非熱収縮性ポリエステルフィルムCの外側表面に、隠蔽層としてベタ印刷用墨色インキ、ベタ印刷用鉄黄色インキ及びベタ印刷用白色インキを混色してグラビア印刷し、隠蔽層の外側に絵柄層として絵柄用の黄色、赤色、青色及び墨色インキを用いて木目模様の絵柄模様をグラビア印刷し、その外側に艶消し層として艶消しインキをグラビア印刷し、さらにその外側に光沢インキを用いて、絵柄層の絵柄模様に重なり合う絵柄模様をグラビア印刷し、光沢層とした。また、絵柄層の濃色部分に対応する光沢層は厚く印刷し、絵柄層の淡色部分に対応する光沢層は薄く印刷し凹凸感を出した。上記各種インキの印刷適性は良好であった。得られたラベルの基材の内側表面に接着剤層をグラビア印刷した。このラベルを清涼飲料水充填用アルミニウム缶の外周にラミネートして装着した。装着後の意匠性を確認した所、光沢層の絵柄模様と、絵柄層の絵柄模様とが重なり合って、絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせ、立体意匠性に優れていた。また、光沢層の厚みを、上述のように制御したので、木目模様の凹凸感がさらに表出し、より本物らしくなった。
【0060】
実施例14
実施例13における基材を、実施例13の透明非熱収縮性ポリエステルフィルムCから高隠蔽性非熱収縮性ポリエステルフィルムDに変更し、隠蔽層を除き、絵柄層の濃色部分に対応する光沢層を薄く印刷し、絵柄層の淡色部分に対応する光沢層を厚く印刷し凹凸感を出した以外は、実施例13と同様にラベルを製造した。印刷適性は良好であった。得られたラベルの基材の内側表面に接着剤層をグラビア印刷した。このラベルを清涼飲料水充填用アルミニウム缶の外周にラミネートして装着した。装着後の意匠性を確認した所、実施例13とは違った趣のある絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせる意匠感が得られた。
【0061】
実施例15
実施例13における光沢層の厚みの制御を、絵柄層のない部分に対して光沢層を印刷し、絵柄層のある部分には光沢層を印刷せず、異なる凹凸感を出すように変更した以外は、実施例13と同様にラベルを製造した。印刷適性は良好であった。得られたラベルの基材の内側表面に接着剤層をグラビア印刷した。このラベルを清涼飲料水充填用アルミニウム缶の外周にラミネートして装着した。装着後の意匠性を確認した所、実施例13及び14とは違った趣のある絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせる意匠感が得られた。
【0062】
実施例16
図2に示すように、透明非熱収縮性ポリエステルフィルムCの外側表面に、隠蔽層としてベタ印刷用墨色インキ、ベタ印刷用茶色インキ及びベタ印刷用白色インキを混色してグラビア印刷し、隠蔽層の外側に絵柄層として絵柄用の黄色、赤色、青色及び墨色インキを用いて石目模様の絵柄模様をグラビア印刷し、その外側に光沢層として光沢インキをグラビア印刷し、さらにその外側に艶消しインキを用いて、絵柄層の絵柄模様に重なり合う絵柄模様をグラビア印刷し、艶消し層とした。また、絵柄層の濃色部分に対応する艶消し層は厚く印刷し、絵柄層の淡色部分に対応する艶消し層は薄く印刷し凹凸感を出した。上記各種インキの印刷適性は良好であった。得られたラベルの基材の内側表面に接着剤層をグラビア印刷した。このラベルを清涼飲料水充填用アルミニウム缶の外周にラミネートして装着した。装着後の意匠性を確認した所、艶消し層の絵柄模様と、絵柄層の絵柄模様とが重なり合って、絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせ、立体意匠性に優れていた。また、艶消し層の厚みを、上述のように制御したので、石目模様の凹凸感がさらに表出し、より本物らしくなった。
【0063】
実施例17
実施例16における基材を、実施例16の透明非熱収縮性ポリエステルフィルムCから高隠蔽性非熱収縮性ポリエステルフィルムDに変更し、隠蔽層を除き、絵柄層の濃色部分に対応する艶消し層を薄く印刷し、絵柄層の淡色部分に対応する艶消し層を厚く印刷し凹凸感を出した以外は、実施例16と同様にラベルを製造した。印刷適性は良好であった。得られたラベルの基材の内側表面に接着剤層をグラビア印刷した。このラベルを清涼飲料水充填用アルミニウム缶の外周にラミネートして装着した。装着後の意匠性を確認した所、実施例16とは違った趣のある絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせる意匠感が得られた。
【0064】
実施例18
実施例16における艶消し層の厚みの制御を、絵柄層のない部分に対して艶消し層を印刷し、絵柄層のある部分には艶消し層を印刷せず、異なる凹凸感を出すように変更した以外は、実施例16と同様にラベルを製造した。印刷適性は良好であった。得られたラベルの基材の内側表面に接着剤層をグラビア印刷した。このラベルを清涼飲料水充填用アルミニウム缶の外周にラミネートして装着した。装着後の意匠性を確認した所、実施例16及び17とは違った趣のある絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせる意匠感が得られた。
【0065】
実施例19
図3に示すように、透明非熱収縮性ポリエステルフィルムCの外側表面に、隠蔽層としてベタ印刷用墨色インキ、ベタ印刷用茶色インキ及びベタ印刷用白色インキを混色してグラビア印刷し、隠蔽層の外側に絵柄層として絵柄用の黄色、赤色、青色及び墨色インキを用いて竹目模様の絵柄模様をグラビア印刷し、その絵柄層の外側に光沢層として光沢インキを用いて、絵柄層の絵柄模様に重なり合う絵柄模様をグラビア印刷した。さらに、絵柄層と光沢層とが存在しない外側表面を穴埋めするように艶消しインキを用いて艶消し層をグラビア印刷した。従って、艶消し層の絵柄模様は絵柄層の絵柄模様に重なり合わない。特に、光沢層の厚みの制御として、絵柄層の濃色部分に対応する光沢層を厚く印刷し、絵柄層の淡色部分に対応する光沢層を薄く印刷し凹凸感を出した。同時に、艶消し層の厚みの制御として、絵柄層の濃色部分と隣接する艶消し層を薄く、絵柄層の淡色部分と隣接する艶消し層を厚く印刷した。上記各種インキの印刷適性は良好であった。得られたラベルの基材の内側表面に接着剤層をグラビア印刷した。このラベルを清涼飲料水充填用アルミニウム缶の外周にラミネートして装着した。装着後の意匠性を確認した所、光沢層の絵柄模様と、絵柄層の絵柄模様とが重なり合って、絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせ、立体意匠性に優れていた。また、光沢層及び艶消し層の厚みを、上述のように制御したので、竹目模様の凹凸感がさらに表出し、より本物らしくなった。
【0066】
実施例20
図4に示すように、透明非熱収縮性ポリエステルフィルムCの外側表面に、隠蔽層としてベタ印刷用墨色インキ、ベタ印刷用茶色インキ及びベタ印刷用白色インキを混色してグラビア印刷し、隠蔽層の外側に絵柄層として絵柄用の黄色、赤色、青色及び墨色インキを用いて布目模様の絵柄模様をグラビア印刷し、その絵柄層の外側に艶消し層として艶消しインキを用いて、絵柄層の絵柄模様に重なり合う絵柄模様をグラビア印刷した。さらに、絵柄層と艶消し層とが存在しない外側表面を穴埋めするように光沢インキを用いて光沢層をグラビア印刷した。従って、光沢層の絵柄模様は絵柄層の絵柄模様に重なり合わない。特に、艶消し層の厚みの制御として、絵柄層の濃色部分に対応する艶消し層を厚く印刷し、絵柄層の淡色部分に対応する艶消し層を薄く印刷し凹凸感を出した。同時に、光沢層の厚みの制御として、絵柄層の濃色部分と隣接する光沢層を薄く、絵柄層の淡色部分と隣接する光沢層を厚く印刷した。上記各種インキの印刷適性は良好であった。得られたラベルの基材の内側表面に接着剤層をグラビア印刷した。このラベルを清涼飲料水充填用アルミニウム缶の外周にラミネートして装着した。装着後の意匠性を確認した所、艶消し層の絵柄模様と、絵柄層の絵柄模様とが重なり合って、絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせ、立体意匠性に優れていた。また、艶消し層及び光沢層の厚みを、上述のように制御したので、布目模様の凹凸感がさらに表出し、より本物らしくなった。
【0067】
実施例21
実施例13における光沢層の厚みの制御を、図5のように、絵柄層の淡色部分に対して光沢層を印刷し、絵柄層の濃色部分には印刷しないように変更し、さらに絵柄層のない部分を淡色部分と見做して光沢層を印刷して、異なる凹凸感を出すように変更した以外は、実施例13と同様にラベルを製造した。印刷適性は良好であった。このラベルを清涼飲料水充填用アルミニウム缶の外周にラミネートして装着した。装着後の意匠性を確認した所、実施例13、14及び15とは違った趣のある絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせる意匠感が得られた。
【0068】
実施例22
実施例13における光沢層の厚みの制御を、図6のように、絵柄層の濃色部分に対して光沢層を印刷し、絵柄層の淡色部分及び絵柄層のない部分には光沢層を印刷しないように変更した以外は、実施例13と同様にラベルを製造した。印刷適性は良好であった。このラベルを清涼飲料水充填用アルミニウム缶の外周にラミネートして装着した。装着後の意匠性を確認した所、実施例13、14、15及び21とは違った趣のある絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせる意匠感が得られた。
【0069】
実施例23
実施例16における艶消し層の厚みの制御を、図7のように、絵柄層の淡色部分に対して艶消し層を印刷し、絵柄層の濃色部分には印刷しないように変更し、さらに絵柄層のない部分を淡色部分と見做して艶消し層を印刷して、異なる凹凸感を出すように変更した以外は、実施例16と同様にラベルを製造した。印刷適性は良好であった。このラベルを清涼飲料水充填用アルミニウム缶の外周にラミネートして装着した。装着後の意匠性を確認した所、実施例16、17及び18とは違った趣のある絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせる意匠感が得られた。
【0070】
実施例24
実施例16における艶消し層の厚みの制御を、図8のように、絵柄層の濃色部分に対して艶消し層を印刷し、絵柄層の淡色部分及び絵柄層のない部分には艶消し層を印刷しないように変更した以外は、実施例16と同様にラベルを製造した。印刷適性は良好であった。このラベルを清涼飲料水充填用アルミニウム缶の外周にラミネートして装着した。装着後の意匠性を確認した所、実施例16、17、18及び23とは違った趣のある絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせる意匠感が得られた。
【0071】
実施例25
図1に示すように、原反の外側表面に、隠蔽層としてベタ印刷用墨色インキ、ベタ印刷用鉄黄色インキ及びベタ印刷用白色インキを混色してグラビア印刷し、隠蔽層の外側に絵柄層として絵柄用の黄色、赤色、青色及び墨色インキを用いて木目模様の絵柄模様をグラビア印刷し、その外側に艶消し層として艶消しインキをグラビア印刷し、さらにその外側に光沢インキを用いて、絵柄層の絵柄模様に重なり合う絵柄模様をグラビア印刷し、光沢層とした。また、絵柄層の濃色部分に対応する光沢層は厚く印刷し、絵柄層の淡色部分に対応する光沢層は薄く印刷し凹凸感を出した。上記各種インキの印刷適性は良好であった。得られた液体容器用材料を清涼飲料水充填用箱型容器に加工した。この容器の意匠性を確認した所、光沢層の絵柄模様と、絵柄層の絵柄模様とが重なり合って、絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせ、立体意匠性に優れていた。また、光沢層の厚みを、上述のように制御したので、木目模様の凹凸感がさらに表出し、より本物らしくなった。
【0072】
実施例26
実施例25における光沢層の厚みの制御を、絵柄層の濃色部分に対応する光沢層を薄く印刷し、絵柄層の淡色部分に対応する光沢層を厚く印刷し凹凸感を出した以外は、実施例25と同様に液体容器用材料を製造した。印刷適性は良好であった。得られた液体容器用材料を清涼飲料水充填用箱型容器に加工した。この容器の意匠性を確認した所、実施例25とは違った趣のある絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせる意匠感が得られた。
【0073】
実施例27
実施例25における光沢層の厚みの制御を、絵柄層のない部分に対して光沢層を印刷し、絵柄層のある部分には光沢層を印刷せず、異なる凹凸感を出すように変更した以外は、実施例25と同様に液体容器用材料を製造した。印刷適性は良好であった。得られた液体容器用材料を清涼飲料水充填用箱型容器に加工した。この容器の意匠性を確認した所、実施例25及び26とは違った趣のある絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせる意匠感が得られた。
【0074】
実施例28
図2に示すように、原反の外側表面に、隠蔽層としてベタ印刷用墨色インキ、ベタ印刷用茶色インキ及びベタ印刷用白色インキを混色してグラビア印刷し、隠蔽層の外側に絵柄層として絵柄用の黄色、赤色、青色及び墨色インキを用いて石目模様の絵柄模様をグラビア印刷し、その外側に光沢層として光沢インキをグラビア印刷し、さらにその外側に艶消しインキを用いて、絵柄層の絵柄模様に重なり合う絵柄模様をグラビア印刷し、艶消し層とした。また、絵柄層の濃色部分に対応する艶消し層は厚く印刷し、絵柄層の淡色部分に対応する艶消し層は薄く印刷し凹凸感を出した。上記各種インキの印刷適性は良好であった。得られた液体容器用材料を清涼飲料水充填用箱型容器に加工した。この容器の意匠性を確認した所、艶消し層の絵柄模様と、絵柄層の絵柄模様とが重なり合って、絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせ、立体意匠性に優れていた。また、艶消し層の厚みを、上述のように制御したので、石目模様の凹凸感がさらに表出し、より本物らしくなった。
【0075】
実施例29
実施例28における艶消し層の厚みの制御を、絵柄層の濃色部分に対応する艶消し層を薄く印刷し、絵柄層の淡色部分に対応する艶消し層を厚く印刷し凹凸感を出した以外は、実施例28と同様に液体容器用材料を製造した。印刷適性は良好であった。得られた液体容器用材料を清涼飲料水充填用箱型容器に加工した。この容器の意匠性を確認した所、実施例28とは違った趣のある絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせる意匠感が得られた。
【0076】
実施例30
実施例28における艶消し層の厚みの制御を、絵柄層のない部分に対して艶消し層を印刷し、絵柄層のある部分には艶消し層を印刷せず、異なる凹凸感を出すように変更した以外は、実施例28と同様に液体容器用材料を製造した。印刷適性は良好であった。得られた液体容器用材料を清涼飲料水充填用箱型容器に加工した。この容器の意匠性を確認した所、実施例28及び29とは違った趣のある絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせる意匠感が得られた。
【0077】
実施例31
図3に示すように、原反の外側表面に、隠蔽層としてベタ印刷用墨色インキ、ベタ印刷用茶色インキ及びベタ印刷用白色インキを混色してグラビア印刷し、隠蔽層の外側に絵柄層として絵柄用の黄色、赤色、青色及び墨色インキを用いて竹目模様の絵柄模様をグラビア印刷し、その絵柄層の外側に光沢層として光沢インキを用いて、絵柄層の絵柄模様に重なり合う絵柄模様をグラビア印刷した。さらに、絵柄層と光沢層とが存在しない外側表面を穴埋めするように艶消しインキを用いて艶消し層をグラビア印刷した。従って、艶消し層の絵柄模様は絵柄層の絵柄模様に重なり合わない。特に、光沢層の厚みの制御として、絵柄層の濃色部分に対応する光沢層を厚く印刷し、絵柄層の淡色部分に対応する光沢層を薄く印刷し凹凸感を出した。同時に、艶消し層の厚みの制御として、絵柄層の濃色部分と隣接する艶消し層を薄く、絵柄層の淡色部分と隣接する艶消し層を厚く印刷した。上記各種インキの印刷適性は良好であった。得られた液体容器用材料を清涼飲料水充填用箱型容器に加工した。この容器の意匠性を確認した所、光沢層の絵柄模様と、絵柄層の絵柄模様とが重なり合って、絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせ、立体意匠性に優れていた。また、光沢層及び艶消し層の厚みを、上述のように制御したので、竹目模様の凹凸感がさらに表出し、より本物らしくなった。
【0078】
実施例32
図4に示すように、原反の外側表面に、隠蔽層としてベタ印刷用墨色インキ、ベタ印刷用茶色インキ及びベタ印刷用白色インキを混色してグラビア印刷し、隠蔽層の外側に絵柄層として絵柄用の黄色、赤色、青色及び墨色インキを用いて布目模様の絵柄模様をグラビア印刷し、その絵柄層の外側に艶消し層として艶消しインキを用いて、絵柄層の絵柄模様に重なり合う絵柄模様をグラビア印刷した。さらに、絵柄層と艶消し層とが存在しない外側表面を穴埋めするように光沢インキを用いて光沢層をグラビア印刷した。従って、光沢層の絵柄模様は絵柄層の絵柄模様に重なり合わない。特に、艶消し層の厚みの制御として、絵柄層の濃色部分に対応する艶消し層を厚く印刷し、絵柄層の淡色部分に対応する艶消し層を薄く印刷し凹凸感を出した。同時に、光沢層の厚みの制御として、絵柄層の濃色部分と隣接する光沢層を薄く、絵柄層の淡色部分と隣接する光沢層を厚く印刷した。上記各種インキの印刷適性は良好であった。得られた液体容器用材料を清涼飲料水充填用箱型容器に加工した。この容器の意匠性を確認した所、艶消し層の絵柄模様と、絵柄層の絵柄模様とが重なり合って、絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせ、立体意匠性に優れていた。また、艶消し層及び光沢層の厚みを、上述のように制御したので、布目模様の凹凸感がさらに表出し、より本物らしくなった。
【0079】
実施例33
実施例25における光沢層の厚みの制御を、図5のように、絵柄層の淡色部分に対して光沢層を印刷し、絵柄層の濃色部分には印刷しないように変更し、さらに絵柄層のない部分を淡色部分と見做して光沢層を印刷して、異なる凹凸感を出すように変更した以外は、実施例25と同様に液体容器用材料を製造した。印刷適性は良好であった。得られた液体容器用材料を清涼飲料水充填用箱型容器に加工した。この容器の意匠性を確認した所、実施例25、26及び27とは違った趣のある絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせる意匠感が得られた。
【0080】
実施例34
実施例25における光沢層の厚みの制御を、図6のように、絵柄層の濃色部分に対して光沢層を印刷し、絵柄層の淡色部分及び絵柄層のない部分には光沢層を印刷しないように変更した以外は、実施例25と同様に液体容器用材料を製造した。印刷適性は良好であった。得られた液体容器用材料を清涼飲料水充填用箱型容器に加工した。この容器の意匠性を確認した所、実施例25、26、27及び33とは違った趣のある絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせる意匠感が得られた。
【0081】
実施例35
実施例28における艶消し層の厚みの制御を、図7のように、絵柄層の淡色部分に対して艶消し層を印刷し、絵柄層の濃色部分には印刷しないように変更し、さらに絵柄層のない部分を淡色部分と見做して艶消し層を印刷して、異なる凹凸感を出すように変更した以外は、実施例28と同様に液体容器用材料を製造した。印刷適性は良好であった。得られた液体容器用材料を清涼飲料水充填用箱型容器に加工した。この容器の意匠性を確認した所、実施例28、29及び30とは違った趣のある絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせる意匠感が得られた。
【0082】
実施例36
実施例28における艶消し層の厚みの制御を、図8のように、絵柄層の濃色部分に対して艶消し層を印刷し、絵柄層の淡色部分及び絵柄層のない部分には艶消し層を印刷しないように変更した以外は、実施例28と同様に液体容器用材料を製造した。印刷適性は良好であった。得られた液体容器用材料を清涼飲料水充填用箱型容器に加工した。この容器の意匠性を確認した所、実施例28、29、30及び35とは違った趣のある絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせる意匠感が得られた。
【0083】
実施例37
図15に示すように、透明熱収縮性ポリエステルフィルムAの外側表面に、隠蔽層としてベタ印刷用墨色インキ、ベタ印刷用鉄黄色インキ及びベタ印刷用白色インキを混色してグラビア印刷し、隠蔽層の外側に絵柄層として絵柄用の黄色、赤色、青色及び墨色インキを用いて木目模様の絵柄模様をグラビア印刷し、絵柄層の外側にパール層としてパールインキを用い絵柄層に重なり合うように同じ木目模様の絵柄模様をグラビア印刷した。その外側に艶消し層として艶消しインキをグラビア印刷し、さらにその外側に光沢インキを用いて、絵柄層の絵柄模様に重なり合うように絵柄模様をグラビア印刷し、光沢層とした。また、絵柄層の濃色部分に対応するパール層及び光沢層は厚く印刷し、絵柄層の淡色部分に対応するパール層及び光沢層は薄く印刷し凹凸感を出した。上記各種インキの印刷適性は良好であった。
このシュリンク包装材を清涼飲料水充填用ポリエチレンテレフタレート(PET)製ボトルの外周に熱収縮して装着した。装着後の意匠性を確認した所、パール層及び光沢層の絵柄模様と、絵柄層の絵柄模様とが重なり合って、絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせ、立体意匠性に優れていた。また、パール層及び光沢層の厚みを上述のように制御したので、木目模様の凹凸感がさらに表出し、より本物らしくなった。
【0084】
実施例38
図16に示すように、実施例37の光沢層と艶消し層とを入れ替えた以外は実施例37と同様にしてシュリンク包装材を得た。このシュリンク包装材を清涼飲料水充填用ポリエチレンテレフタレート(PET)製ボトルの外周に熱収縮して装着し、装着後の意匠性を確認した所、パール層及び艶消し層の絵柄模様と、絵柄層の絵柄模様とが重なり合って、絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせ、立体意匠性に優れていた。また、パール層及び艶消し層の厚みを上述のように制御したので、木目模様の凹凸感がさらに表出し、より本物らしくなった。
【0085】
実施例39
図17に示すように、透明熱収縮性ポリエステルフィルムAの外側表面に、隠蔽層としてベタ印刷用墨色インキ、ベタ印刷用茶色インキ及びベタ印刷用白色インキを混色してグラビア印刷し、隠蔽層の外側に絵柄層として絵柄用の黄色、赤色、青色及び墨色インキを用いて竹目模様の絵柄模様をグラビア印刷し、その絵柄層間に、絵柄層が存在しない外側表面を穴埋めするようにパールインキを用いてパール層を絵柄層と並列にグラビア印刷した。従って、パール層は絵柄層に重なり合わない。
次に、絵柄層とパール層の外側に艶消し層を積層し、その艶消し層の外側に光沢層として光沢インキを用いて、絵柄層の絵柄模様に重なり合うように絵柄模様をグラビア印刷した。特に、光沢層の厚みの制御として、絵柄層の濃色部分に対応する光沢層を厚く印刷し、絵柄層の淡色部分に対応する光沢層を薄く印刷し凹凸感を出した。同時に、パール層の厚みの制御として、絵柄層の濃色部分と隣接するパール層を厚く、絵柄層の淡色部分と隣接するパール層を薄く印刷した。上記各種インキの印刷適性は良好であった。
このシュリンク包装材を清涼飲料水充填用ポリエチレンテレフタレート(PET)製ボトルの外周に熱収縮して装着した。装着後の意匠性を確認した所、光沢層の絵柄模様と絵柄層の絵柄模様とが重なり合って、絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせ、立体意匠性に優れていた。また、パール層及び光沢層の厚みを、上述のように制御したので、竹目模様の凹凸感がさらに表出し、より本物らしくなった。
【0086】
実施例40
図18に示すように、実施例39の光沢層と艶消し層とを入れ替えた以外は実施例39と同様にしてシュリンク包装材を得た。このシュリンク包装材を清涼飲料水充填用ポリエチレンテレフタレート(PET)製ボトルの外周に熱収縮して装着し、装着後の意匠性を確認した所、艶消し層の絵柄模様と絵柄層の絵柄模様とが重なり合って、絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせ、立体意匠性に優れていた。また、パール層及び艶消し層の厚みを上述のように制御したので、竹目模様の凹凸感がさらに表出し、より本物らしくなった。
【0087】
実施例41
図19に示すように、透明熱収縮性ポリエステルフィルムAの外側表面に、隠蔽層としてベタ印刷用墨色インキ、ベタ印刷用茶色インキ及びベタ印刷用白色インキを混色してグラビア印刷し、隠蔽層の外側に絵柄層として絵柄用の黄色、赤色、青色及び墨色インキを用いて石目模様の絵柄模様をグラビア印刷し、その絵柄層の外側にパール層としてパールインキを用いて、絵柄層の絵柄模様に重なり合うように絵柄模様をグラビア印刷した。そして、そのパール層の外側に光沢層として光沢インキを用いて、絵柄層の絵柄模様に重なり合うように絵柄模様をグラビア印刷した。さらに、絵柄層、パール層又は光沢層が存在しない外側表面を穴埋めするように艶消しインキを用いて艶消し層をグラビア印刷した。従って、艶消し層は絵柄層に重なり合わない。特に、パール層及び光沢層の厚みの制御として、絵柄層の濃色部分に対応するパール層及び光沢層を厚く印刷し、絵柄層の淡色部分に対応するパール層及び光沢層を薄く印刷し凹凸感を出した。同時に、艶消し層の厚みの制御として、絵柄層の濃色部分と隣接する艶消し層を厚く、絵柄層の淡色部分と隣接する艶消し層を薄く印刷した。上記各種インキの印刷適性は良好であった。
このシュリンク包装材を清涼飲料水充填用ポリエチレンテレフタレート(PET)製ボトルの外周に熱収縮して装着した。装着後の意匠性を確認した所、光沢層及びパール層の絵柄模様と、絵柄層の絵柄模様とが重なり合って、絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせ、立体意匠性に優れていた。また、光沢層、パール層及び艶消し層の厚みを、上述のように制御したので、石目模様の凹凸感がさらに表出し、より本物らしくなった。
【0088】
実施例42
図20に示すように、実施例39の光沢層と艶消し層とを入れ替えた以外は実施例41と同様にしてシュリンク包装材を得た。このシュリンク包装材を清涼飲料水充填用ポリエチレンテレフタレート(PET)製ボトルの外周に熱収縮して装着し、装着後の意匠性を確認した所、艶消し層及びパール層の絵柄模様と、絵柄層の絵柄模様とが重なり合って、絵柄模様の立体感や凹凸感を視覚的に感じさせ、立体意匠性に優れていた。また、光沢層、パール層及び艶消し層の厚みを上述のように制御したので、石目模様の凹凸感がさらに表出し、より本物らしくなった。
【0089】
実施例43〜48
実施例37〜42における透明熱収縮性ポリエステルフィルムAに代えて、原反を用いた以外は、実施例37〜42と同様にして、実施例43〜48の液体容器用材料を得た。得られた液体容器用材料をそれぞれ清涼飲料水充填用箱型容器に加工した。これら実施例43〜48の容器の意匠性を確認した所、いずれも絵柄模様の素材感、立体感や凹凸感を視覚的に感じさせ、立体意匠性に優れていた。
【0090】
比較例1
透明熱収縮性ポリエステルフィルムAの内側表面に、絵柄層として絵柄用の黄色、赤色、青色及び墨色インキを用いて絵柄模様をグラビア印刷し、その内側に隠蔽層としてベタ印刷用白色インキ、ベタ印刷用鉄黄色インキ及びベタ印刷用墨色インキを混色してグラビア印刷した。印刷適性は良好であった。この包装材を透明熱収縮性ポリエステルフィルムA表面が外側になるように清涼飲料水充填用ポリエチレンテレフタレート(PET)製ボトルの外周に熱収縮して装着した。装着後の意匠性を確認した所、立体感及び凹凸感のいずれも認められず、意匠性が低かった。
【0091】
比較例2
透明非熱収縮性ポリエステルフィルムCの内側表面に、絵柄層として絵柄用の黄色、赤色、青色及び墨色インキを用いて絵柄模様をグラビア印刷し、その内側に隠蔽層としてベタ印刷用白色インキ、ベタ印刷用鉄黄色インキ及びベタ印刷用墨色インキを混色してグラビア印刷した。印刷適性は良好であった。得られたラベルの隠蔽層の内側表面に接着剤層をグラビア印刷した。このラベルを清涼飲料水充填用アルミニウム缶の外周にラミネートして装着した。装着後の意匠性を確認した所、立体感及び凹凸感のいずれも認められず、意匠性が低かった。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明の包装材及び液体容器用材料は、清涼飲料水や液体調味料等の液体、蜂蜜等の粘性流動体、粉状調味料や粒状食品等の粉粒体を充填する各種容器の包装材又は液体容器として好適に用いられる。特に、清涼飲料水や液体調味料等を充填するポリエチレンテレフタレート(PET)製ボトル等のプラスチック製容器のシュリンク包装材として、金属缶やプラスチックボトル等の各種容器のラベルとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の包装材の一実施態様の断面を示す模式図である。
【図2】本発明の包装材の他の実施態様の断面を示す模式図である。
【図3】本発明の包装材の他の実施態様の断面を示す模式図である。
【図4】本発明の包装材の他の実施態様の断面を示す模式図である。
【図5】本発明の包装材の他の実施態様の断面を示す模式図である。
【図6】本発明の包装材の他の実施態様の断面を示す模式図である。
【図7】本発明の包装材の他の実施態様の断面を示す模式図である。
【図8】本発明の包装材の他の実施態様の断面を示す模式図である。
【図9】本発明の包装材の他の実施態様の部分断面を示す模式図である。
【図10】本発明の包装材の他の実施態様の部分断面を示す模式図である。
【図11】本発明の包装材の他の実施態様の部分断面を示す模式図である。
【図12】本発明の包装材の他の実施態様の部分断面を示す模式図である。
【図13】本発明の包装材の他の実施態様の部分断面を示す模式図である。
【図14】本発明の包装材の他の実施態様の部分断面を示す模式図である。
【図15】本発明の包装材の他の実施態様の断面を示す模式図である。
【図16】本発明の包装材の他の実施態様の断面を示す模式図である。
【図17】本発明の包装材の他の実施態様の断面を示す模式図である。
【図18】本発明の包装材の他の実施態様の断面を示す模式図である。
【図19】本発明の包装材の他の実施態様の断面を示す模式図である。
【図20】本発明の包装材の他の実施態様の断面を示す模式図である。
【符号の説明】
【0094】
10 包装材
11 基材
12 隠蔽層
13 絵柄層
14 艶消し層
15 光沢層
16 パール層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の外周の少なくとも一部に装着する包装材であって、基材の外側に絵柄層を積層してなり、かつ絵柄層の外表面に艶消し層及び光沢層を、艶消し層、光沢層の順で又はその逆の順であるいは艶消し層と光沢層とを並列に、設けてなることを特徴とする包装材。
【請求項2】
光沢層及び/又は艶消し層の厚みが、絵柄層の濃淡に応じて制御されてなる請求項1に記載の包装材。
【請求項3】
光沢及び/又は艶消し層が、絵柄模様を表してなる請求項1又は2に記載の包装材。
【請求項4】
基材と絵柄層との間に、さらに隠蔽層を積層してなる請求項1〜3のいずれかに記載の包装材。
【請求項5】
絵柄層と艶消し層又は光沢層との間に、さらにパール層を積層してなる請求項1〜4のいずれかに記載の包装材。
【請求項6】
さらにパール層を絵柄層と並列に設けてなる請求項1〜5のいずれかに記載の包装材。
【請求項7】
パール層の厚みが、絵柄層の濃淡に応じて制御されてなる請求項5又は6に記載の包装材。
【請求項8】
パール層が、絵柄模様を表してなる請求項5〜7のいずれかに記載の包装材。
【請求項9】
光沢層が、艶消し剤を含有しない透明樹脂組成物からなる請求項1〜8のいずれかに記載の包装材。
【請求項10】
艶消し層が、艶消し剤を含有する樹脂組成物からなる請求項1〜9のいずれかに記載の包装材。
【請求項11】
基材が熱収縮性フィルムである請求項1〜10のいずれかに記載の包装材。
【請求項12】
基材が非熱収縮性フィルムである請求項1〜10のいずれかに記載の包装材。
【請求項13】
基材が紙を有する原反である請求項1〜12のいずれかに記載の包装材。
【請求項14】
紙を有する原反を用いた請求項13に記載の包装材からなる液体容器用材料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−230233(P2008−230233A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−33080(P2008−33080)
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(000183923)ザ・インクテック株式会社 (268)
【出願人】(307027577)麒麟麦酒株式会社 (350)
【Fターム(参考)】