説明

包装機

【課題】 自己粘着性を有するフィルムが巻き取られている原反フィルムの交換作業を簡単かつ確実に行なうことができる包装機を提供すること
【解決手段】 包装機本体11に対して被包装物12を供給する被包装物搬送供給装置13と、包装機本体に対して自己粘着性を有する帯状のストレッチフィルム15を連続して供給するフィルム供給装置16とを備える。フィルム供給装置は、平行に配置された原反フィルム送り出しローラ2と従動ローラ21とを備え、ローラ20が回転することで,原反フィルム14から連続して包装フィルムが繰り出される。両ローラに対し、ストレッチフィルムの繰り出し方向と反対側に、原反フィルム置台40を設ける。原反フィルム置台は、その上面に原反フィルムを受ける凹部40aを有し、両ローラ上から凹部上に載せ替えられた原反フィルムの軸方向と、両ローラとが平行に位置するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自己粘着性を有するストレッチフィルムを用いた包装機は、例えば特許文献1〜特許文献3などに示されるものがある。この種の包装機は、以下に示す包装行程を実行する機能を持つ。まず、平行に配置された2本のローラ間に直接載せた原反フィルムから連続的に繰り出される帯状のストレッチフィルムを製袋手段に導く。製袋手段では、被包装物の上面を覆うとともにそのストレッチフィルムの両側縁を外側に引っ張りつつ被包装物の底面側に折り込むことで、被包装物を筒状に包み込む。そして、ストレッチフィルムの両側縁同士を重ね合わせると共に、所定の圧力を加えることで、自己粘着性を有するストレッチフィルムの特性からその重ねあわせされ部分が接着(貼り付き)され筒状フィルムとなる。製袋手段の進行方向前方には、この被包装物を内包する筒状フィルムを搬送させる手段を備え、その搬送途中で筒状フィルムの所定位置(前後の被包装物の間)を進行方向横方向にカットするとともにシールしたり、或いは被包装物の前後端側のフィルム部位を比較的長く残してカットした後、その前後端側のフィルム部位を底面側に折り込んだりするようになっている。底面側に折り込まれたフィルム部位は、自己粘着性により、フィルム部位自体が密着するとともに、被包装物の底面側に位置していたストレッチフィルムと密着することでシールされ、包装体が製造される。
【0003】
ところで、上述したストレッチフィルムを用いた包装機では、運転・稼働するにつれて原反フィルムからストレッチフィルムが徐々に繰り出されることから、原反フィルムの径が小さくなり、原反フィルムに巻き取られているストレッチフィルムが減少する。包装機本体に対するストレッチフィルムの連続供給を行なうため、原反フィルムから完全にストレッチフィルムが繰り出される前に、一旦包装機の運転を停止し、図1(a)に示すように原反フィルム1を2本のローラ2,2の上から取り外すとともに、その原反フィルム1から繰り出された帯状のストレッチフィルム3を当該2本ローラ2,2の上に掛け渡した状態にする。
【0004】
次いで、図1(b)に示すように、新しい原反フィルム1aを2本のローラ2,2の上に置く。これにより、それまで使用していた原反フィルム1から繰り出されたストレッチフィルムは、新しい原反フィルム1aとローラ2との間に挟まれることになる。この状態で、今で使用していた原反フィルム1から繰り出されたストレッチフィルム3の所定位置(ローラ2と原反フィルム1の間)をカッターやはさみなどでカットし原反フィルム1から分離する。
【0005】
すると、新しい原反フィルム1aとローラ2との間に位置するストレッチフィルム3は、原反フィルム1aの自重による加圧と、原反フィルム1a並びにストレッチフィルム3が有する自己粘着性により、そのストレッチフィルム3が原反フィルム1aに接着される(貼り付く)。これにより、包装機の運転を再開し、今まで包装機に供給されていたストレッチフィルム3が完全に繰り出されると、それに引き続いて接着された次の原反フィルム1aに巻き取られているストレッチフィルムが連続して繰り出され、包装機に供給されるようになる。以上の作業により原反フィルムの交換が完了する。
【特許文献1】特開昭50−150589号公報
【特許文献2】特公昭56−120256号公報
【特許文献3】特開平9−110006 号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の原反フィルムの交換方法では、今まで使用していた原反フィルムをローラ2から取り外した際に、図1(a)に示すように、ローラ2,2間並びにローラから原反フィルム1に至るストレッチフィルム3の部分でピンと張った状態にするのが好ましいが、実際には、軸方向の全ての領域でピンと張らせることは困難であり、少なくとも一部のフィルム部位が弛んだ状態になると、ストレッチフィルム3にしわが寄った状態で次の原反フィルム1aに貼り付いたり、進行方向に沿って真っ直ぐかつ中心軸をあわせて貼り合せることができない事態を生じるおそれがある。
【0007】
また、作業員が一人で上記の交換作業を行なおうとすると、片方の手で取り外す原反フィルム1を持った状態で他方の手でカッター等の切断器具を操作してストレッチフィルム3をカットすることになることから作業が繁雑できれいにカットすることができなくなるおそれもある。
【0008】
さらに、交換作業を確実に行なうためには、細心の注意を払いながら作業を行なうため、時間がかかってしまう。そのため、包装機を一時停止している時間が長くなり、生産性の低下を招くという問題もある。
【0009】
本発明は、自己粘着性を有するフィルムが巻き取られている原反フィルムの交換作業を簡単かつ確実に行なうことができる包装機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した目的を達成するために、本発明に係る包装機は、包装機本体と、その包装機本体に対して被包装物を供給する被包装物供給装置と、前記包装機本体に対して自己粘着性を有する帯状の包装フィルムを連続して供給するフィルム供給装置とを、備え、前記包装機本体は、前記被包装物を前記包装フィルムで包み込むとともに、その包装フィルムの所定位置をカットして個々の包装体を製造するものであり、前記フィルム供給装置は、平行に配置された複数のフィルム支持ローラと、そのフィルム支持ローラ上に載せられた前記包装フィルムが巻き取られた原反フィルムから連続して前記包装フィルムを繰り出す手段を有する包装機を前提とし、前記フィルム支持ローラに対し、前記フィルム支持ローラ上の前記原反フィルムからの前記包装フィルムの繰り出し方向と反対側に、原反フィルム置台を設け、前記原反フィルム置台は、その上面に前記原反フィルムを受ける凹部を有し、前記フィルム支持ローラ上から前記原反フィルム置台の凹部上に載せ替えられた原反フィルムの軸方向と、前記フィルム支持ローラとが平行に位置するように前記原反フィルム置台が設定されるようにした。
【0011】
フィルム支持ローラは、実施の形態では原反フィルム送りローラ20と従動ローラ21とにより実現されている。実施の形態では、フィルム支持ローラ(原反フィルム送りローラ20)に原反フィルムを回転させ原反フィルムから包装フィルムを繰り出させる機能を設けたが、本発明はこれに限ることはなく、複数のフィルム支持ローラは駆動機能が無く、フリー状態で回転するもののみで構成されていても良い。包装フィルムは、実施の形態ではストレッチフィルム15に相当するが、シュリンクフィルムその他の自己粘着性を有する包材であればその呼称に関わらず用いることができる。本発明で言う自己粘着性とは、少なくともフィルム同士が接触すると貼り付き、一方の包装フィルムを搬送(移動)させると、他方の包装フィルムもそれにつれて搬送(移動)することができる程度の互いの接着力(貼り付き力)があることを言う。もちろん、それ以上の強い接着力(貼り付き力)を有していても良い。
【0012】
フィルム支持ローラの上に載せられた原反フィルムは、包装フィルムが繰り出されるにつれて原反フィルムの径が小さくなり、残量も減少する。原反フィルムの交換時期に至ると、包装機の動作を一旦停止し、フィルム支持ローラ上に載せられている原反フィルムを原反フィルム置台の上に載せ替える。このとき、包装フィルムの繰り出し方向と反対側に設置したため、原反フィルムから繰り出されている包装フィルムは、複数のフィルム支持ローラの上を覆うと共に、包装機本体に供給されるようになる。さらに、原反フィルム置台の上に載せられた原反フィルムは、フィルム支持ローラと平行になるため、原反フィルムから繰り出されている包装フィルムは、弛みが無いか、仮に弛みを生じていたとしても幅方向で偏りを生じにくい。さらに、仮に弛みが大きく生じていたとしても、例えば一時停止している包装機を稼働させて包装フィルムを引っ張ったりすることで、弛みを解消することができる。もちろん、原反フィルムを載せ替える際に、原反フィルムから繰り出される包装フィルムの長さを調整する(原反フィルムに包装フィルムを巻き取る)ことを行なうことで、弛みがほとんどない状態にすることができる。
【0013】
次いで、今まで使用していた包装フィルムがフィルム支持ローラの上を覆っている状態(ピンと張っているのが好ましいが、必ずしも張っている必要はなく、弛んでいても良い)において、新たな原反フィルムを当該包装フィルムの上からフィルム支持ローラ上に載せる。これにより、当該包装フィルムは新しい原反フィルムによりフィルム支持ローラ側に抑え付けられて固定される。そこで、原反フィルム置台上に載せられている原反フィルムからフィルム支持ローラに至るまで包装フィルムの所定位置をハサミ,カッターなどの切断器具を用いてカットする。これにより、カット位置からフィルム支持ローラ側の包装フィルムは、新しい原反フィルムに貼り付く。これにより原反フィルムの交換作業が終了する。
【0014】
この貼り付いた状態で、包装機の運転を再開すると、新しい原反フィルムに巻き取られている包装フィルムは、今まで使用されていた包装フィルムと一体化し、その包装フィルムの移動に伴い新しい原反フィルムからの包装フィルムが連続して包装機本体に供給される。このように、本発明では、使用済みの原反フィルムを一時的に置くための原反フィルム置台を設けたため、包装フィルムを切断器具を用いてカットする際には、両手が自由になっているため、簡単かつ目的の位置を確実にカットすることができる。
【0015】
しかも、原反フィルム置台の設置位置を上述したようにフィルム支持ローラに対して所定の位置関係に設定したため、使用済みの原反フィルムを原反フィルム置台に置く際に包装フィルムの弛みの発生を簡単に抑制できる。
【0016】
そして、好ましくは前記凹部は、弧状に形成することである。曲面状にすることで、原反フィルム置台上に原反フィルムを置くだけで、フィルム支持ローラと平行にすることが簡単に行なえるばかりでなく、原反フィルム置台上で原反フィルムを回転させることが比較的容易に行なうことができ、包装フィルムの弛みの修正を簡単に行なえる。
【0017】
前記原反フィルム置台は、前記フィルム支持ローラよりも低く、かつ、前記包装機本体に供給された包装フィルムに非接触となる位置に設置されるようにするとよい。このようにすると、フィルム支持ローラ上を覆う包装フィルムが、フィルム支持ローラに接触する状態になるとともに、包装フィルムの弛み防止を行ないやすくなる。
【0018】
さらに、前記原反フィルム置台を複数個有し、少なくとも原反フィルムの軸方向両端側を支持するように構成され、その複数個の原反フィルム置台の凹部の形状を等しくするとよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、自己粘着性を有するフィルム(ストレッチフィルムやシュリンクフィルム等)が巻き取られている原反フィルムの交換作業を簡単かつ確実に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図2は、本発明の一態様であるストレッチ包装機の好適な一実施の形態を示している。図2に示すように、本実施の形態のストレッチ包装機10は、包装機本体11と、その包装機本体11の上流側に配置され、被包装物12を搬送するとともに包装機本体11に対して被包装物12を所定間隔で供給する被包装物搬送供給装置13と、原反フィルム14からストレッチフィルム15を繰り出すと共に、繰り出したストレッチフィルム15包装機本体11の所定位置に連続して供給するフィルム供給装置16とを備えている。
【0021】
被包装物搬送供給装置13は、直列に配置された複数のベルトコンベア装置17を備え、図示省略する被包装物検知センサからの信号に基づき、複数のベルトコンベア装置17のそれぞれの回転速度を調整する(一時停止を含む)ことで、被包装物12を包装機本体11に対して所定間隔で供給すると共に、供給時の被包装物12の搬送速度とストレッチフィルム15の搬送速度とを等しくするようになっている。
【0022】
フィルム供給装置16は、原反フィルム14を支持する2本のローラ(20,21)と、原反フィルム14から繰り出されたストレッチフィルム15が掛け渡され、そのストレッチフィルム15の搬送経路を規定するガイドローラ22とを備えている。原反フィルム14を指示する2本のローラ20,21は、所定の間隔を置いて平行に配置され、一方が駆動モータに連携された原反フィルム送りローラ20であり、他方はフリー状態で回転自在の従動ローラ21となっている。これにより、この2本のローラ20,21の上に置かれた原反フィルム14は、原反フィルム送りローラ20の回転に伴って回転し、巻き取られたストレッチフィルム15が連続して繰り出される。このとき、原反フィルム14が回転すると、原反フィルム14の回転が従動ローラ21に伝わり、その従動ローラ21が回転する。つまり、従動ローラ21は、原反フィルム14の回転を抑制することがないため、原反フィルム送りローラ20の回転によりスムーズに原反フィルム14が回転し、ストレッチフィルム15を繰り出すことができる。
【0023】
包装機本体11は、上流側にストレッチフィルム15にて被包装物12を上方から包み込む製袋装置25を備えている。上述した原反フィルム14から繰り出されたストレッチフィルム15は、ガイドローラ22に掛け渡されて所定の経路を通り、この製袋装置25に至る。
【0024】
製袋装置25は、被包装物12の進行方向に沿ってその両側に配置され、ストレッチフィルム15の両側縁を把持する上下一対のエンドレスベルト26,27を備えている。このエンドレスベルト26,27は、進行方向前方に向けてともに下方傾斜状に傾けた状態で配置している。そして、エンドレスベルト26,27の先端下方位置は、被包装物12の底面よりも低い位置に設定されている。これにより、ストレッチフィルム15は、被包装物12に対して斜め上から当接し、その被包装物12との接触によりストレッチフィルム15は引き延ばされて緊張状態となるとともに、そのストレッチフィルム15の両側縁が被包装物12の底面よりも下方に導かれる。
【0025】
さらに、上下一対のエンドレスベルト26,27の下流側には、ピンチローラ28が配置される。このピンチローラ28にて、被包装物12の底面側に導かれるとともに互い接触されたストレッチフィルム15の両側縁同士を両側から所定圧力で挟み込むと共に前方への搬送力を与えるようになる。
【0026】
ピンチローラ28の下流側には、センターシール装置29が配置される。このセンターシール装置29は、ストレッチフィルム15の両側縁同士を両側から所定圧力で挟み込むと共に、加熱し、重ね合わされたストレッチフィルム15の両側縁を熱シールする。これにより、ストレッチフィルム15は、被包装物12の周囲を筒状に巻き込んだ状態となる。
【0027】
このセンターシール装置29の下流側には、エンドシール装置30が配置される。このエンドシール装置30は、筒状のストレッチフィルム15の被包装物12が存在しないフィルム部位を進行方向横方向に熱シールするとともにカットする。これにより、被包装物12を内包する筒状のストレッチフィルム15が、先頭から順に分離され、進行方向の前後両端が熱シールされて包装体(中間包装体)が製造される。
【0028】
本実施の形態で使用するストレッチフィルム15は、自己粘着性を有するためフィルム同士(2枚のフィルム同士,1枚のフィルムのフィルム部位を重ね合わせる場合のいずれも含む)を接触させることで互いに接着するが、その接着力(貼り付き力)が弱いため、その接着力のみを持って包装体の接着状態を維持することができないフィルム材からなる。そのため、上述したようにセンターシール装置29,エンドシール装置30を用いてストレッチフィルム12を熱シールして密封するようにしている。また、このようにして製造された包装体を最終製品として良いし、中間包装体としエンドシール装置の下流側にシュリンクトンネルを設けその中間包装体に対して熱収縮させてシュリンク包装するようにしてもよい。
【0029】
もちろん、ストレッチフィルムとして自己粘着性の接着力が強いフィルム材を用い、熱シールすることなく(シール装置29,30を設けない)、そのフィルムが持つ接着力により包装体を形成する(フィルムの前後端を被包装物の底面側に折り畳む)ようにしたストレッチ包装機としてもよい。
【0030】
ここで本発明では、製袋装置25を構成する上下一対のエンドレスベルト26,27が取り付けられるそれぞれの機枠35の上方下流側に、連結プレート36を介して原反フィルム置台40を取り付けた。この原反フィルム置台40は、両ローラ20,21よりも低く、エンドレスベルト26,27よりも上方位置に設定される。さらに、原反フィルム置台40は、その上面が円弧状の凹部40aとなり、その凹部40aの最下端位置を結ぶ仮想線が、原反フィルム送りローラ20,従動ローラ21と平行になるように設定されている。
【0031】
これにより、左右一対の原反フィルム置台40の上に原反フィルム14を載せると、その一対の原反フィルム置台40の凹部40aにより原反フィルム14の両端近傍位置が支持され、しかも、凹部40aを円弧状にしているため、置かれた原反フィルム14の軸は上記の仮想線と平行、つまり、原反フィルム送りローラ20ひいては両ローラ20,21の上に載せられる原反フィルムと平行になる。
【0032】
次に、上述した構成からなるストレッチ包装機における原反フィルムの交換作業の一例を説明する。図3(a)に示すように、原反フィルム送りローラ20,従動ローラ21上に置かれた原反フィルム14からストレッチフィルム15が連続して繰り出され、製袋装置25に供給され、通常の包装処理が行なわれる。すると、原反フィルム送りローラ20の回転に伴うストレッチフィルム15の繰り出しが行なわれると、図3(b)に示すように、原反フィルム14の径が小さくなる。原反フィルム14の残量か少なくなるとストレッチ包装機の動作を一時停止し、それまで使用中の原反フィルム14を原反フィルム送りローラ20,従動ローラ21上から外し、原反フィルム置台40上に載せ替える。このとき、図3(c)に示すように、原反フィルム置台40の上に置かれた原反フィルム14から繰り出されるストレッチフィルム15は、原反フィルム送りローラ20,従動ローラ21上を跨ぐようにする。
【0033】
そして、好ましくは、原反フィルム送りローラ20や、エンドレスベルト26,27や、ピンチローラ28等を駆動し、原反フィルム置台40の上に置かれた原反フィルム14から繰り出されたストレッチフィルム15がピンと張った状態にする。
【0034】
次いで、図3(d)に示すように、新しい原反フィルム14′を原反フィルム送りローラ20,従動ローラ21上に載せる。より具体的には、原反フィルム送りローラ20,従動ローラ21上に跨ぐように置かれている原反フィルム14から繰り出されたストレッチフィルム15上に原反フィルム14′を載せる。これにより、ストレッチフィルム15は、原反フィルム14′の自重により両ローラ20,21と原反フィルム14′との間で所定圧力で挟まれることになり、自己粘着力によりストレッチフィルム15と原反フィルム14′とが接着する。また、原反フィルム14′により、両ローラ20,21間に位置するストレッチフィルム15のフィルム部位を下方に付勢することで、ストレッチフィルム15がよりピンと張った状態となる。
【0035】
従動ローラ21から原反フィルム14までの間に位置するストレッチフィルム15のフィルム部位をカットすると(図3(e))、フリー状態のストレッチフィルム15も原反フィルム14′に貼り付く(図3(f))。よって、その後原反フィルム送り出しローラ20が回転させ、包装機本体11の運転を再開させると、ストレッチフィルム14が繰り出され、それに続いて、そのストレッチフィルム15と貼り付いた原反フィルム′からストレッチフィルムが連続して繰り出されることになる。
【0036】
また、ストレッチフィルム15から分離された原反フィルム14(使用済み)は、原反フィルム置台40から取り外し、廃棄することになる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】従来の原反フィルムの交換作業の一例を説明する図である。
【図2】本発明の好適な一実施の形態を示す正面図である。
【図3】本実施の形態における原反フィルムの交換作業の一例を説明する図である。
【符号の説明】
【0038】
10 ストレッチ包装機
11 包装機本体
12 被包装物
13 被包装物搬送供給装置
14 原反フィルム
15 ストレッチフィルム(包装フィルム)
16 フィルム供給装置
20 原反フィルム送り出しローラ
21 従動ローラ
22 ガイドローラ
25 製袋装置
40 原反フィルム置台
40a 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装機本体と、その包装機本体に対して被包装物を供給する被包装物供給装置と、前記包装機本体に対して自己粘着性を有する帯状の包装フィルムを連続して供給するフィルム供給装置とを、備え、
前記包装機本体は、前記被包装物を前記包装フィルムで包み込むとともに、その包装フィルムの所定位置をカットして個々の包装体を製造するものであり、
前記フィルム供給装置は、平行に配置された複数のフィルム支持ローラと、そのフィルム支持ローラ上に載せられた前記包装フィルムが巻き取られた原反フィルムから連続して前記包装フィルムを繰り出す手段を有する包装機であって、
前記フィルム支持ローラに対し、前記フィルム支持ローラ上の前記原反フィルムからの前記包装フィルムの繰り出し方向と反対側に、原反フィルム置台を設け、
前記原反フィルム置台は、その上面に前記原反フィルムを受ける凹部を有し、
前記フィルム支持ローラ上から前記原反フィルム置台の凹部上に載せ替えられた原反フィルムの軸方向と、前記フィルム支持ローラとが平行に位置するように前記原反フィルム置台が設定されていることを特徴とする包装機。
【請求項2】
前記凹部は、弧状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装機。
【請求項3】
前記原反フィルム置台は、前記フィルム支持ローラよりも低く、かつ、前記包装機本体に供給された包装フィルムに非接触となる位置に設置されることを特徴とする請求項1または2に記載の包装機。
【請求項4】
前記原反フィルム置台を複数個有し、少なくとも原反フィルムの軸方向両端側を支持するように構成され、
その複数個の原反フィルム置台の前記凹部の形状を等しくしたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−131316(P2007−131316A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−325267(P2005−325267)
【出願日】平成17年11月9日(2005.11.9)
【出願人】(000206093)大森機械工業株式会社 (138)
【Fターム(参考)】