包装機
【課題】包材への物品情報の印字箇所を簡易に設定することが可能な包装機を得る。
【解決手段】包装機1は、物品情報72を帯状の包材21に印字する印字部5と、タッチパネル機能を有する表示画面30を有し、オペレータによって操作可能な表示部2と、演算部3とを備える。表示画面30には、袋体を模した図形40と、物品情報72の印字エリアを示す図形60と、上下左右の各方向を示す図形51とが表示されている。オペレータによる図形40内での図形60のタッチ操作に基づいて、図形40上を図形60が比較的粗い移動幅で移動することにより、袋体における物品情報72の印字箇所が暫定的に指定され、オペレータによる図形51のタッチ操作に基づいて、図形40上を図形60が比較的細かい移動幅で移動することにより、袋体における物品情報72の印字箇所が確定的に指定される。
【解決手段】包装機1は、物品情報72を帯状の包材21に印字する印字部5と、タッチパネル機能を有する表示画面30を有し、オペレータによって操作可能な表示部2と、演算部3とを備える。表示画面30には、袋体を模した図形40と、物品情報72の印字エリアを示す図形60と、上下左右の各方向を示す図形51とが表示されている。オペレータによる図形40内での図形60のタッチ操作に基づいて、図形40上を図形60が比較的粗い移動幅で移動することにより、袋体における物品情報72の印字箇所が暫定的に指定され、オペレータによる図形51のタッチ操作に基づいて、図形40上を図形60が比較的細かい移動幅で移動することにより、袋体における物品情報72の印字箇所が確定的に指定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装機に関し、特に、包材への印字機能が搭載された包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
包材への印字機能が搭載された包装機が、例えば下記特許文献1,2に開示されている。
【0003】
特許文献1に開示された包装機は、物品の品種毎に異なる印字情報が予めメモリに登録されており、現在の処理対象である物品を指定することにより、その物品に対応する印字情報がメモリから読み出されて、プリンタによって包材に印字される。特許文献1に開示された包装機では、品種毎に印字情報を変更することは可能であるが、包材への印字情報の印字箇所を変更することはできない。
【0004】
これに対し、特許文献2に開示された包装機では、包材への印字箇所を調整することが可能である。具体的に、昇降ハンドルを回転させることによって印字機の高さ位置が変更され、その結果、高さ方向に関する印字箇所の調整が可能となっている。また、水平溝に沿って印字機をスライドさせることによって印字機の水平位置が変更され、その結果、水平方向に関する印字箇所の調整が可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−261013号公報
【特許文献2】特開2000−272607号公報(図11〜13)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に開示された包装機によると、印字箇所を変更した場合には、サンプルの包材に対して実際に印字動作を実行し、その包材における印字箇所を確認することにより、印字箇所が所望の位置に変更されたかどうかを判断する必要がある。印字箇所が所望の位置でない場合には、昇降ハンドルの回転作業や印字機のスライド作業を再び実行することによって、印字箇所の調整を行う必要がある。このように、特許文献2に開示された包装機によると、印字箇所の変更作業が煩雑であるという問題がある。
【0007】
本発明はかかる問題を解決するために成されたものであり、包材への物品情報の印字箇所を簡易に設定することが可能な包装機を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様に係る包装機は、帯状包材の縁部同士を重ね合わせて背貼り部の縦シール処理を施すことにより筒状に成形し、筒状包材に第1の横シール処理を施すことにより半袋状に成形し、半袋状包材内に物品が供給された後に第2の横シール処理を施すことにより袋状に成形し、第2の横シール処理が施された箇所を切断することにより個別の袋体に分離する、包装機であって、物品情報を帯状包材に印字する印字部と、タッチパネル機能を有する表示画面を有し、オペレータによって操作可能な表示入力部と、演算部とを備え、前記表示画面には、前記袋体を模した第1図形と、前記物品情報の印字エリアを示す第2図形と、上下左右の各方向を示す第3図形とが表示されており、オペレータによる前記第1図形内での前記第2図形のタッチ操作に基づいて、前記第1図形上を前記第2図形が比較的粗い移動幅で移動することにより、前記袋体における前記物品情報の印字箇
所が暫定的に指定され、オペレータによる前記第3図形のタッチ操作に基づいて、前記第1図形上を前記第2図形が比較的細かい移動幅で移動することにより、前記袋体における前記物品情報の印字箇所が確定的に指定され、前記演算部は、確定的に指定された前記第1図形上における前記第2図形の位置に基づいて、前記帯状包材における前記物品情報の印字箇所を演算によって求め、前記印字部は、前記演算部から指定された、前記帯状包材の所定の箇所に、前記物品情報を印字することを特徴とするものである。
【0009】
第1の態様に係る包装機によれば、表示画面上で第2図形及び第3図形のタッチ操作を行うという簡易な操作によって、袋体における物品情報の印字箇所を指定することができる。また、暫定的な指定においては、第1図形内で第2図形をタッチ操作することによって第1図形上を第2図形が移動するため、オペレータの操作性を向上することができる。また、確定的な指定においては、第3図形は上下左右の各方向を示す図形であるため、数値入力によって第2図形の移動量を設定する場合と比較すると、オペレータの操作負担を軽減することができる。また、印字部は製袋前の帯状包材に対して印字を行うが、表示画面には、製袋前の帯状包材を模した図形ではなく、製袋後の袋体を模した第1図形が表示されている。そして、袋体を模した第1図形上で第2図形を移動させるため、オペレータは、最終製品の形態である袋体の全体のバランスを目視で確認しながら、袋体の適切な箇所に印字箇所を指定することができる。また、演算部は、第1図形上における第2図形の位置に基づいて、帯状包材における物品情報の印字箇所を演算によって求める。従って、表示画面上で指定した箇所とは異なる箇所に物品情報が印字されてしまうという事態を回避できる。
【0010】
本発明の第2の態様に係る包装機は、第1の態様に係る包装機において特に、前記第3図形は前記第2図形の近傍に表示されることを特徴とするものである。
【0011】
第2の態様に係る包装機によれば、第3図形は第2図形の近傍に表示される。従って、第2図形と第3図形とが表示画面内の離れた箇所に表示されている場合と比較すると、暫定的な指定から確定的な指定に移行する際のオペレータ視線及び指先の移動量を減少させることができる。
【0012】
本発明の第3の態様に係る包装機は、第1又は第2の態様に係る包装機において特に、前記表示画面には、前記袋体の横シール部及び縦シール部を模した第4図形が前記第1図形上に表示されており、前記第4図形上は、前記物品情報の印字箇所の指定が禁止される禁止領域として設定されており、オペレータによる前記第2図形又は前記第3図形のタッチ操作に基づいて前記第4図形上に前記第2図形が移動された場合には、前記第4図形に重ならない箇所に前記第2図形の位置が補正されることを特徴とするものである。
【0013】
第3の態様に係る包装機によれば、オペレータによる第2図形又は第3図形のタッチ操作に基づいて第4図形上に第2図形が移動された場合には、第4図形に重ならない箇所に第2図形の位置が補正される。従って、袋体の横シール部及び縦シール部と物品情報の印字箇所とが重なることが自動的に回避されるため、物品情報の視認性が損なわれる事態を回避することができる。
【0014】
本発明の第4の態様に係る包装機は、第1〜第3のいずれか一つの態様に係る包装機において特に、オペレータによる前記第2図形又は前記第3図形のタッチ操作に基づいて前記第1図形の枠外に前記第2図形が移動された場合には、前記第1図形の枠内に前記第2図形の位置が補正されることを特徴とするものである。
【0015】
第4の態様に係る包装機によれば、オペレータによる第2図形又は第3図形のタッチ操作に基づいて第1図形の枠外に第2図形が移動された場合には、第1図形の枠内に第2図
形の位置が補正される。従って、物品情報が袋体の表面及び裏面に跨って印字されることが自動的に回避されるため、物品情報の視認性が損なわれる事態を回避することができる。
【0016】
本発明の第5の態様に係る包装機は、第1〜第4のいずれか一つの態様に係る包装機において特に、前記表示画面には、前記袋体の厚みに応じた幅を有する第5図形が、前記第1図形の端部上に表示されており、前記第5図形上は、前記物品情報の印字箇所の指定が禁止される禁止領域として設定されており、オペレータによる前記第2図形又は前記第3図形のタッチ操作に基づいて前記第5図形上に前記第2図形が移動された場合には、前記第5図形に重ならない箇所に前記第2図形の位置が補正されることを特徴とするものである。
【0017】
第5の態様に係る包装機によれば、オペレータによる第2図形又は第3図形のタッチ操作に基づいて第5図形上に第2図形が移動された場合には、第5図形に重ならない箇所に第2図形の位置が補正される。従って、物品情報が袋体の端部に印字されることが自動的に回避されるため、商品の厚みに起因して物品情報の視認性が損なわれる事態を回避することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、包材への物品情報の印字箇所を簡易に設定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る包装機の構成を模式的に示す図である。
【図2】表示画面の一例を示す図である。
【図3】表示画面の一例を示す図である。
【図4】表示画面の一例を示す図である。
【図5】帯状の包材を示す図である。
【図6】表示画面の一例を示す図である。
【図7】表示画面の一例を示す図である。
【図8】表示画面の一例を示す図である。
【図9】表示画面の一例を示す図である。
【図10】表示画面の一例を示す図である。
【図11】表示画面の一例を示す図である。
【図12】帯状の包材を示す図である。
【図13】表示画面の一例を示す図である。
【図14】表示画面の一例を示す図である。
【図15】帯状の包材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係る包装機1の構成を模式的に示す図である。図1に示すように、本実施の形態に係る包装機1は、表示部2、演算部3、レジストレーションマークセンサ4、印字部5、供給ローラ6、集合シュート7、フォーマ8、チューブ9、プルダウンベルト10、縦シール装置11、及びカッター付きの横シール装置12を備えて構成されている。表示部2は、タッチパネル機能が搭載された表示画面を有しており、オペレータによって操作可能な表示入力部として機能する。
【0022】
フォーマ8は、供給ローラ6から供給された帯状の包材21(薄膜プラスチックフィル
ム等)を、上面及び底面が開口した円筒形のチューブ9の外面に巻き付ける。プルダウンベルト10は、チューブ9に巻き付けられた包材21を下方に向けて移送する。縦シール装置11は、帯状の包材21の縁部同士の重なり部分を熱圧着することにより、背貼り部の縦シール処理を施す。これにより、チューブ9に巻き付けられた帯状の包材21が筒状に成形される。
【0023】
横シール装置12は、一対のシールジョーを用いた熱圧着による包材21の横シール処理と、袋体単位での包材21の切断とを行う。具体的に、まず、筒状の包材21に第1の横シール処理を施すことにより、上口が開封し底口が密封された半袋状に成形する。次に、半袋状の包材21内に集合シュート7から食品等の物品20が供給された後、第2の横シール処理を施すことにより、上口も密封された袋状に成形する。次に、第2の横シール処理が施された箇所をカッターによって切断することにより、個別の袋体に分離する。
【0024】
図2は、表示部2の表示画面30の一例を示す図である。表示画面30の左半分の領域には、完成品である袋体の外形を模した図形40が表示されている。図形40上には、第1の横シール部を模した図形41、第2の横シール部を模した図形42、背貼り部を模した図形43、及びレジストレーションマークを模した図形44が表示されている。また、袋体の幅寸法及び長さ寸法が予め包装機1に教示されており、これらの寸法が図形40の近傍に表示されている。図2に示した例では、袋体の幅寸法は90mmであり、長さ寸法は140mmである。また、背貼り部の幅寸法が予め包装機1に教示されており、この寸法が図形43の近傍に表示されている。図2に示した例では、背貼り部の幅寸法は10mmである。なお、本実施の形態では、背貼り部の底辺が袋体の裏面の中央に位置する場合を想定している。
【0025】
表示画面30の右半分の領域には、図形50〜55が表示されている。図形50は、オペレータによるタッチ操作によって、表面印字、裏面印字、又は両面印字を選択するための図形である。ここで、表面印字とは、賞味期限、消費期限、又は製造番号等の、物品20に関する情報(以下「物品情報」と称す)を、袋体の表面(背貼り部が存在しない側の面)に印字する処理を意味する。裏面印字とは、物品情報を、袋体の裏面(背貼り部が存在する側の面)に印字する処理を意味する。両面印字とは、物品情報を、袋体の表面及び裏面の双方に印字する処理を意味する。
【0026】
図形51は、上下左右の各方向を示す方向指示図形である。図形52は、両面印字が選択された際に、表面印字に関する方向指示設定か裏面印字に関する方向指示設定かを選択するための図形である。図形53は、表面印字(又は両面印字)が選択された際に、図形40の原点(左下端)と後述の印字エリア(図形80)の原点(左下端)との、幅方向(X方向)及び長さ方向(Y方向)に関する差分距離をそれぞれ示す図形である。図形54は、裏面印字(又は両面印字)が選択された際に、図形40の原点と後述の印字エリア(図形60)の原点(左下端)との、X方向及びY方向に関する差分距離をそれぞれ示す図形である。図形55は、袋体における物品情報の印字箇所を決定するための図形である。
【0027】
図2の状態で、オペレータは、まず、図形50へのタッチ操作によって、表面印字、裏面印字、又は両面印字を選択する。
【0028】
図3は、図2の状態において裏面印字が選択された場合の表示画面30の一例を示す図である。図形40上の任意の箇所に、図形60が表示される。図形60は、袋体の裏面において物品情報を印字すべきエリア(印字エリア)を示す図形である。図3の例では、図形60は、図形60の原点が図形40の原点に対して、X方向に15mm、Y方向に40mmずれた箇所に位置している。このずれ量は、図形40の近傍に表示されるとともに、図形54としても表示される。
【0029】
オペレータは、まず、指先で図形60上にタッチし、その状態で指先を図形40の外枠の範囲内で上下左右の各方向に任意にスライドさせることにより、指先のスライドに合わせて図形60を移動させる。これにより、図形60の位置の粗調整を行うことができる。次に、オペレータは、図形51をタッチ操作することによって、図形40の外枠の範囲内で図形60を上下左右の各方向に任意に移動させる。図形51のタッチ操作に基づく図形60の移動幅は、指先のスライドによる図形60の移動幅よりも小さく設定されており、これにより、図形60の位置の微調整を行うことができる。
【0030】
図4は、図3の状態から図形60が移動された表示画面30の一例を示す図である。図形60は、図3の状態から右上方向に移動され、図4の例では、図形60は、図形60の原点が図形40の原点に対して、X方向に60mm、Y方向に55mmずれた箇所に位置している。図3と同様に、このずれ量は、図形40の近傍に表示されるとともに、図形54としても表示される。
【0031】
図形40上における図形60の位置(つまり袋体における物品情報の印字箇所)が決まると、オペレータは、図形55をタッチ操作することによって、図形60の位置を確定させる。
【0032】
図1を参照して、確定された図形60の位置情報(X座標及びY座標)は、表示部2から演算部3に入力される。また、裏面印字が選択された旨の情報も、表示部2から演算部3に入力される。演算部3は、入力された図形60の位置情報に基づいて、帯状の包材21における物品情報72の印字箇所を演算によって求める。
【0033】
図5は、帯状の包材21を示す図である。包材21には、袋体の長さ寸法に対応するピッチ(この例では140mm)で、レジストレーションマーク70が付されている。演算部3は、まず、図形40の原点と図形44の原点(右下端)とのX方向及びY方向に関するずれ量(図4参照)に基づいて、図形40の原点に対応する包材21上の点71を割り出す。例えば、図形40の原点と図形44の原点とのずれ量が、X方向に関して55mm、Y方向に関して20mmである場合には、レジストレーションマーク70の右下端から、X方向に−55mm、Y方向に−20mm進んだ点を、点71として設定する。
【0034】
次に、演算部3は、点71を起点として、図形60の原点に対応する包材21上の点75を割り出す。図4の例では、図形60の原点は、図形40の原点に対して、X方向に60mm、Y方向に55mmずれた箇所に位置している。この場合、演算部3は、点71からX方向に60mm、Y方向に55mm進んだ点を、点75として設定する。ここで、X方向へ進むに際して包材21の右縁に到達した場合には、左縁に飛ぶ。また、図4のように、図形40の原点から見て図形60が図形43よりも右側に位置している場合には、背貼り部の幅寸法の2倍の距離(この例では20mm)を、X方向の距離に加算する。従って、この例の場合は、点71からX方向に60mm+20mm=80mm(55mmで包材21の右縁に到達するため左縁から25mmとなる)、Y方向に55mm進んだ点が、点75として設定される。
【0035】
次に、演算部31は、点75を左下端とするエリアを設定し、そのエリアの位置情報を印字部5に教示する。印字部5は、教示されたエリアに物品情報72を印字する。
【0036】
図6は、図2の状態において裏面印字が選択された場合の表示画面30の第1の変形例を示す図である。図形51に代えて、上下左右の各方向を示す図形100が、図形60の近傍に表示されている。具体的に、上方向を示す図形100が図形60のすぐ上側に表示されており、下方向を示す図形100が図形60のすぐ下側に表示されており、左方向を
示す図形100が図形60のすぐ左側に表示されており、右方向を示す図形100が図形60のすぐ右側に表示されている。オペレータは、まず、指先で図形60上にタッチし、その状態で指先を図形40の外枠の範囲内で上下左右の各方向に任意にスライドさせることにより、指先のスライドに合わせて図形60を移動させる。これにより、図形60の位置の粗調整を行うことができる。次に、オペレータは、図形100をタッチ操作することによって、図形40の外枠の範囲内で図形60を上下左右の各方向に任意に移動させる。図形100のタッチ操作に基づく図形60の移動幅は、指先のスライドによる図形60の移動幅よりも小さく設定されており、これにより、図形60の位置の微調整を行うことができる。
【0037】
図7は、図2の状態において裏面印字が選択された場合の表示画面30の第2の変形例を示す図である。本変形例において、各図形41〜43の四隅の位置座標が予め特定されることにより、図形41〜43内の領域は、図形60の位置の指定が禁止される禁止領域として設定されている。そして、オペレータによる図形60又は図形51のタッチ操作に基づいて、図形41〜43に重なる箇所に図形60の位置が指定された場合には、図形41〜43に重ならない直近の箇所に図形60の位置が自動的に補正されて表示される。例えば図7に示したように、図形43に右端が重なる箇所に図形60(破線で示す図形60)の位置が指定された場合には、左方向への移動によって、図形43に重ならない箇所に図形60(実線で示す図形60)の位置が補正される。
【0038】
図8は、図2の状態において裏面印字が選択された場合の表示画面30の第3の変形例を示す図である。本変形例において、図形40の外枠の位置座標が予め特定されることにより、図形40の外枠外の領域は、図形60の位置の指定が禁止される禁止領域として設定されている。そして、オペレータによる図形60又は図形51のタッチ操作に基づいて、図形40の外枠外を含む箇所に図形60の位置が指定された場合には、図形40の外枠外を含まない直近の箇所に図形60の位置が自動的に補正されて表示される。例えば図8に示したように、右端が図形40の外枠からはみ出る箇所に図形60(破線で示す図形60)の位置が指定された場合には、左方向への移動によって、図形40の外枠からはみ出ない箇所に図形60(実線で示す図形60)の位置が補正される。
【0039】
図9は、図2の状態において裏面印字が選択された場合の表示画面30の第4の変形例を示す図である。表示画面30内の右上の領域には、完成品である袋体の厚み(つまり商品の厚み)を入力するための図形101が表示されている。また、図形40の上下左右の端部(上端においては図形42を含まない端部。下端においては図形41を含まない端部)には、図形101に入力された厚みに応じた幅を有する図形102が表示されている。例えば、袋体の厚みとして40mmが入力された場合には、その半分である20mmの幅に対応する図形102が表示される。本変形例において、図形102の内枠の位置座標が予め特定されることにより、図形102内の領域は、図形60の位置の指定が禁止される禁止領域として設定されている。そして、オペレータによる図形60又は図形51のタッチ操作に基づいて、図形102に重なる箇所に図形60の位置が指定された場合には、図形102に重ならない直近の箇所に図形60の位置が自動的に補正されて表示される。例えば図9に示したように、図形102に左端が重なる箇所に図形60(破線で示す図形60)の位置が指定された場合には、右方向への移動によって、図形102に重ならない箇所に図形60(実線で示す図形60)の位置が補正される。
【0040】
なお、図6〜9に示した第1〜第4の変形例は、任意に組み合わせて適用することが可能である。後述する表面印字又は両面印字に関しても同様である。
【0041】
図10は、図2の状態において表面印字が選択された場合の表示画面30の一例を示す図である。図形40上の任意の箇所に、図形80が表示される。図形80は、袋体の表面
において物品情報を印字すべきエリア(印字エリア)を示す図形である。図10の例では、図形80は、図形80の原点が図形40の原点に対して、X方向に15mm、Y方向に40mmずれた箇所に位置している。このずれ量は、図形40の近傍に表示されるとともに、図形53としても表示される。
【0042】
オペレータは、まず、指先で図形80上にタッチし、その状態で指先を図形40の外枠の範囲内で上下左右の各方向に任意にスライドさせることにより、指先のスライドに合わせて図形80を移動させる。これにより、図形80の位置の粗調整を行うことができる。次に、オペレータは、図形51をタッチ操作することによって、図形40の外枠の範囲内で図形80を上下左右の各方向に任意に移動させる。図形51のタッチ操作に基づく図形80の移動幅は、指先のスライドによる図形80の移動幅よりも小さく設定されており、これにより、図形80の位置の微調整を行うことができる。
【0043】
図11は、図10の状態から図形80が移動された表示画面30の一例を示す図である。図形80は、図10の状態から右下方向に移動され、図11の例では、図形80は、図形80の原点が図形40の原点に対して、X方向に25mm、Y方向に35mmずれた箇所に位置している。図10と同様に、このずれ量は、図形40の近傍に表示されるとともに、図形53としても表示される。
【0044】
図形40上における図形80の位置(つまり袋体における物品情報の印字箇所)が決まると、オペレータは、図形55をタッチ操作することによって、図形80の位置を確定させる。
【0045】
図1を参照して、確定された図形80の位置情報(X座標及びY座標)は、表示部2から演算部3に入力される。また、表面印字が選択された旨の情報も、表示部2から演算部3に入力される。演算部3は、入力された図形80の位置情報に基づいて、帯状の包材21における物品情報72の印字箇所を演算によって求める。
【0046】
図12は、帯状の包材21を示す図である。包材21には、袋体の長さ寸法に対応するピッチ(この例では140mm)で、レジストレーションマーク70が付されている。演算部3は、まず、図形40の原点に対応する包材21上の点71を割り出す。X方向に関しては、包材21の中心から、袋体の幅寸法の1/2だけ左方向にずれた位置を、点71のX座標とする。この例の場合は、袋体の幅寸法が90mmであるため、包材21の中心から45mmだけ左方向にずれた位置を、点71のX座標とする。Y方向に関しては、図形40の原点と図形44の原点(左下端)とのY方向に関するずれ量(図10参照)に基づいて、点71の位置を割り出す。例えば、図形40の原点と図形44の原点とのずれ量が、Y方向に関して20mmである場合には、レジストレーションマーク70の右下端から、Y方向に−20mm進んだ位置を、点71のY座標として設定する。
【0047】
次に、演算部3は、点71を起点として、図形80の原点に対応する包材21上の点75を割り出す。図11の例では、図形80の原点は、図形40の原点に対して、X方向に25mm、Y方向に35mmずれた箇所に位置している。この場合、演算部3は、点71からX方向に25mm、Y方向に35mm進んだ点を、点75として設定する。
【0048】
次に、演算部31は、点75を左下端とするエリアを設定し、そのエリアの位置情報を印字部5に教示する。印字部5は、教示されたエリアに物品情報72を印字する。
【0049】
図13は、図2の状態において両面印字が選択された場合の表示画面30の一例を示す図である。図形40上の任意の箇所に、図形60,80が表示される。オペレータは、図形52のタッチ操作によって裏面印字を選択した後に、図形60をタッチ操作することに
よって図形60の位置の粗調整を行うことができ、また、図形51をタッチ操作することによって図形60の位置の微調整を行うことができる。図形40上における図形60の位置が決まると、オペレータは、図形55をタッチ操作することによって、図形60の位置を確定させる。また、オペレータは、図形52のタッチ操作によって表面印字を選択した後に、図形80をタッチ操作することによって図形80の位置の粗調整を行うことができ、また、図形51をタッチ操作することによって図形80の位置の微調整を行うことができる。図形40上における図形80の位置が決まると、オペレータは、図形55をタッチ操作することによって、図形80の位置を確定させる。図形60,80の位置が確定された後の処理は上記と同様であるため、繰り返しの説明は省略する。
【0050】
図14は、図2の状態において裏面印字が選択された場合の表示画面30の一例を示す図である。図3には、図形44が図形43の上端と下端との途中に位置している例を示したが、レジストレーションマーク70が袋体の下端に位置している場合には、図14に示すように、図形44は図形43の下端に位置することとなる。図1において、レジストレーションマークセンサ4は、包材21上のレジストレーションマーク70を検出する。また、包材21の移送量は、図示しないエンコーダによって検出可能である。従って、レジストレーションマーク70が付された位置で包材21の横シール処理が施されるように制御することによって、レジストレーションマーク70を袋体の下端に位置させることができる。
【0051】
図15は、帯状の包材21を示す図である。包材21には、袋体の長さ寸法に対応するピッチ(この例では140mm)で、レジストレーションマーク70が付されている。演算部3は、上記と同様に、図形40の原点と図形44の原点(右下端)とのX方向及びY方向に関するずれ量に基づいて、図形40の原点に対応する包材21上の点71を割り出す。ここで、レジストレーションマーク70が袋体の下端に位置している場合には、図形44の原点のY座標は、図形40の原点のY座標に一致するため、Y方向に関するずれ量はゼロである。従って、レジストレーションマーク70の原点のY座標を、そのまま点71のY座標として採用することができる。以降の処理は上記と同様であるため、繰り返しの説明は省略する。また、表面印字又は両面印字が選択された場合も同様であるため、繰り返しの説明は省略する。
【0052】
このように本実施の形態に係る包装機によれば、表示画面30上で図形60,80及び図形51のタッチ操作を行うという簡易な操作によって、袋体における物品情報72の印字箇所を指定することができる。また、図形60,80のタッチ操作に基づく暫定的な指定においては、図形40内で図形60,80をタッチ操作することによって図形40上を図形60,80が移動するため、オペレータの操作性を向上することができる。また、図形51のタッチ操作に基づく確定的な指定においては、図形51は上下左右の各方向を示す図形であるため、数値入力によって図形60,80の移動量を設定する場合と比較すると、オペレータの操作負担を軽減することができる。また、印字部5は製袋前の帯状の包材21に対して印字を行うが、表示画面30には、製袋前の帯状の包材21を模した図形ではなく、製袋後の袋体を模した図形40が表示されている。そして、袋体を模した図形40上で図形60,80を移動させるため、オペレータは、最終製品の形態である袋体の全体のバランスを目視で確認しながら、袋体の適切な箇所に印字箇所を指定することができる。また、演算部3は、図形40上における図形60,80の位置に基づいて、帯状の包材21における物品情報72の印字箇所を演算によって求める。従って、表示画面30上で指定した箇所とは異なる箇所に物品情報72が印字されてしまうという事態を回避できる。
【0053】
また、図6に示した第1の変形例によれば、上下左右の各方向を示す図形100は、図形60の近傍に表示される。従って、図形60と図形100とが表示画面30内の離れた
箇所に表示されている場合と比較すると、図形60のタッチ操作に基づく暫定的な指定から、図形100のタッチ操作に基づく確定的な指定に移行する際の、オペレータ視線及び指先の移動量を減少させることができる。
【0054】
また、図7に示した第2の変形例によれば、オペレータによる図形60,80又は図形51,100のタッチ操作に基づいて図形41〜43上に図形60,80が移動された場合には、図形41〜43に重ならない箇所に図形60,80の位置が補正される。従って、袋体の横シール部及び縦シール部と物品情報72の印字箇所とが重なることが自動的に回避されるため、物品情報72の視認性が損なわれる事態を回避することができる。
【0055】
また、図8に示した第3の変形例によれば、オペレータによる図形60,80又は図形51,100のタッチ操作に基づいて図形40の枠外に図形60,80が移動された場合には、図形40の枠内に図形60,80の位置が補正される。従って、物品情報72が袋体の表面及び裏面に跨って印字されることが自動的に回避されるため、物品情報72の視認性が損なわれる事態を回避することができる。
【0056】
また、図9に示した第4の変形例によれば、オペレータによる図形60,80又は図形51,100のタッチ操作に基づいて図形102上に図形60,80が移動された場合には、図形102に重ならない箇所に図形60,80の位置が補正される。従って、物品情報72が袋体の端部に印字されることが自動的に回避されるため、商品の厚みに起因して物品情報72の視認性が損なわれる事態を回避することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 包装機
2 表示部
3 演算部
5 印字部
8 フォーマ
9 チューブ
10 プルダウンベルト
11 縦シール装置
12 横シール装置
20 物品
21 包材
30 表示画面
40〜44,50〜55,60,80,100〜102 図形
70 レジストレーションマーク
72 物品情報
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装機に関し、特に、包材への印字機能が搭載された包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
包材への印字機能が搭載された包装機が、例えば下記特許文献1,2に開示されている。
【0003】
特許文献1に開示された包装機は、物品の品種毎に異なる印字情報が予めメモリに登録されており、現在の処理対象である物品を指定することにより、その物品に対応する印字情報がメモリから読み出されて、プリンタによって包材に印字される。特許文献1に開示された包装機では、品種毎に印字情報を変更することは可能であるが、包材への印字情報の印字箇所を変更することはできない。
【0004】
これに対し、特許文献2に開示された包装機では、包材への印字箇所を調整することが可能である。具体的に、昇降ハンドルを回転させることによって印字機の高さ位置が変更され、その結果、高さ方向に関する印字箇所の調整が可能となっている。また、水平溝に沿って印字機をスライドさせることによって印字機の水平位置が変更され、その結果、水平方向に関する印字箇所の調整が可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−261013号公報
【特許文献2】特開2000−272607号公報(図11〜13)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に開示された包装機によると、印字箇所を変更した場合には、サンプルの包材に対して実際に印字動作を実行し、その包材における印字箇所を確認することにより、印字箇所が所望の位置に変更されたかどうかを判断する必要がある。印字箇所が所望の位置でない場合には、昇降ハンドルの回転作業や印字機のスライド作業を再び実行することによって、印字箇所の調整を行う必要がある。このように、特許文献2に開示された包装機によると、印字箇所の変更作業が煩雑であるという問題がある。
【0007】
本発明はかかる問題を解決するために成されたものであり、包材への物品情報の印字箇所を簡易に設定することが可能な包装機を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様に係る包装機は、帯状包材の縁部同士を重ね合わせて背貼り部の縦シール処理を施すことにより筒状に成形し、筒状包材に第1の横シール処理を施すことにより半袋状に成形し、半袋状包材内に物品が供給された後に第2の横シール処理を施すことにより袋状に成形し、第2の横シール処理が施された箇所を切断することにより個別の袋体に分離する、包装機であって、物品情報を帯状包材に印字する印字部と、タッチパネル機能を有する表示画面を有し、オペレータによって操作可能な表示入力部と、演算部とを備え、前記表示画面には、前記袋体を模した第1図形と、前記物品情報の印字エリアを示す第2図形と、上下左右の各方向を示す第3図形とが表示されており、オペレータによる前記第1図形内での前記第2図形のタッチ操作に基づいて、前記第1図形上を前記第2図形が比較的粗い移動幅で移動することにより、前記袋体における前記物品情報の印字箇
所が暫定的に指定され、オペレータによる前記第3図形のタッチ操作に基づいて、前記第1図形上を前記第2図形が比較的細かい移動幅で移動することにより、前記袋体における前記物品情報の印字箇所が確定的に指定され、前記演算部は、確定的に指定された前記第1図形上における前記第2図形の位置に基づいて、前記帯状包材における前記物品情報の印字箇所を演算によって求め、前記印字部は、前記演算部から指定された、前記帯状包材の所定の箇所に、前記物品情報を印字することを特徴とするものである。
【0009】
第1の態様に係る包装機によれば、表示画面上で第2図形及び第3図形のタッチ操作を行うという簡易な操作によって、袋体における物品情報の印字箇所を指定することができる。また、暫定的な指定においては、第1図形内で第2図形をタッチ操作することによって第1図形上を第2図形が移動するため、オペレータの操作性を向上することができる。また、確定的な指定においては、第3図形は上下左右の各方向を示す図形であるため、数値入力によって第2図形の移動量を設定する場合と比較すると、オペレータの操作負担を軽減することができる。また、印字部は製袋前の帯状包材に対して印字を行うが、表示画面には、製袋前の帯状包材を模した図形ではなく、製袋後の袋体を模した第1図形が表示されている。そして、袋体を模した第1図形上で第2図形を移動させるため、オペレータは、最終製品の形態である袋体の全体のバランスを目視で確認しながら、袋体の適切な箇所に印字箇所を指定することができる。また、演算部は、第1図形上における第2図形の位置に基づいて、帯状包材における物品情報の印字箇所を演算によって求める。従って、表示画面上で指定した箇所とは異なる箇所に物品情報が印字されてしまうという事態を回避できる。
【0010】
本発明の第2の態様に係る包装機は、第1の態様に係る包装機において特に、前記第3図形は前記第2図形の近傍に表示されることを特徴とするものである。
【0011】
第2の態様に係る包装機によれば、第3図形は第2図形の近傍に表示される。従って、第2図形と第3図形とが表示画面内の離れた箇所に表示されている場合と比較すると、暫定的な指定から確定的な指定に移行する際のオペレータ視線及び指先の移動量を減少させることができる。
【0012】
本発明の第3の態様に係る包装機は、第1又は第2の態様に係る包装機において特に、前記表示画面には、前記袋体の横シール部及び縦シール部を模した第4図形が前記第1図形上に表示されており、前記第4図形上は、前記物品情報の印字箇所の指定が禁止される禁止領域として設定されており、オペレータによる前記第2図形又は前記第3図形のタッチ操作に基づいて前記第4図形上に前記第2図形が移動された場合には、前記第4図形に重ならない箇所に前記第2図形の位置が補正されることを特徴とするものである。
【0013】
第3の態様に係る包装機によれば、オペレータによる第2図形又は第3図形のタッチ操作に基づいて第4図形上に第2図形が移動された場合には、第4図形に重ならない箇所に第2図形の位置が補正される。従って、袋体の横シール部及び縦シール部と物品情報の印字箇所とが重なることが自動的に回避されるため、物品情報の視認性が損なわれる事態を回避することができる。
【0014】
本発明の第4の態様に係る包装機は、第1〜第3のいずれか一つの態様に係る包装機において特に、オペレータによる前記第2図形又は前記第3図形のタッチ操作に基づいて前記第1図形の枠外に前記第2図形が移動された場合には、前記第1図形の枠内に前記第2図形の位置が補正されることを特徴とするものである。
【0015】
第4の態様に係る包装機によれば、オペレータによる第2図形又は第3図形のタッチ操作に基づいて第1図形の枠外に第2図形が移動された場合には、第1図形の枠内に第2図
形の位置が補正される。従って、物品情報が袋体の表面及び裏面に跨って印字されることが自動的に回避されるため、物品情報の視認性が損なわれる事態を回避することができる。
【0016】
本発明の第5の態様に係る包装機は、第1〜第4のいずれか一つの態様に係る包装機において特に、前記表示画面には、前記袋体の厚みに応じた幅を有する第5図形が、前記第1図形の端部上に表示されており、前記第5図形上は、前記物品情報の印字箇所の指定が禁止される禁止領域として設定されており、オペレータによる前記第2図形又は前記第3図形のタッチ操作に基づいて前記第5図形上に前記第2図形が移動された場合には、前記第5図形に重ならない箇所に前記第2図形の位置が補正されることを特徴とするものである。
【0017】
第5の態様に係る包装機によれば、オペレータによる第2図形又は第3図形のタッチ操作に基づいて第5図形上に第2図形が移動された場合には、第5図形に重ならない箇所に第2図形の位置が補正される。従って、物品情報が袋体の端部に印字されることが自動的に回避されるため、商品の厚みに起因して物品情報の視認性が損なわれる事態を回避することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、包材への物品情報の印字箇所を簡易に設定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る包装機の構成を模式的に示す図である。
【図2】表示画面の一例を示す図である。
【図3】表示画面の一例を示す図である。
【図4】表示画面の一例を示す図である。
【図5】帯状の包材を示す図である。
【図6】表示画面の一例を示す図である。
【図7】表示画面の一例を示す図である。
【図8】表示画面の一例を示す図である。
【図9】表示画面の一例を示す図である。
【図10】表示画面の一例を示す図である。
【図11】表示画面の一例を示す図である。
【図12】帯状の包材を示す図である。
【図13】表示画面の一例を示す図である。
【図14】表示画面の一例を示す図である。
【図15】帯状の包材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係る包装機1の構成を模式的に示す図である。図1に示すように、本実施の形態に係る包装機1は、表示部2、演算部3、レジストレーションマークセンサ4、印字部5、供給ローラ6、集合シュート7、フォーマ8、チューブ9、プルダウンベルト10、縦シール装置11、及びカッター付きの横シール装置12を備えて構成されている。表示部2は、タッチパネル機能が搭載された表示画面を有しており、オペレータによって操作可能な表示入力部として機能する。
【0022】
フォーマ8は、供給ローラ6から供給された帯状の包材21(薄膜プラスチックフィル
ム等)を、上面及び底面が開口した円筒形のチューブ9の外面に巻き付ける。プルダウンベルト10は、チューブ9に巻き付けられた包材21を下方に向けて移送する。縦シール装置11は、帯状の包材21の縁部同士の重なり部分を熱圧着することにより、背貼り部の縦シール処理を施す。これにより、チューブ9に巻き付けられた帯状の包材21が筒状に成形される。
【0023】
横シール装置12は、一対のシールジョーを用いた熱圧着による包材21の横シール処理と、袋体単位での包材21の切断とを行う。具体的に、まず、筒状の包材21に第1の横シール処理を施すことにより、上口が開封し底口が密封された半袋状に成形する。次に、半袋状の包材21内に集合シュート7から食品等の物品20が供給された後、第2の横シール処理を施すことにより、上口も密封された袋状に成形する。次に、第2の横シール処理が施された箇所をカッターによって切断することにより、個別の袋体に分離する。
【0024】
図2は、表示部2の表示画面30の一例を示す図である。表示画面30の左半分の領域には、完成品である袋体の外形を模した図形40が表示されている。図形40上には、第1の横シール部を模した図形41、第2の横シール部を模した図形42、背貼り部を模した図形43、及びレジストレーションマークを模した図形44が表示されている。また、袋体の幅寸法及び長さ寸法が予め包装機1に教示されており、これらの寸法が図形40の近傍に表示されている。図2に示した例では、袋体の幅寸法は90mmであり、長さ寸法は140mmである。また、背貼り部の幅寸法が予め包装機1に教示されており、この寸法が図形43の近傍に表示されている。図2に示した例では、背貼り部の幅寸法は10mmである。なお、本実施の形態では、背貼り部の底辺が袋体の裏面の中央に位置する場合を想定している。
【0025】
表示画面30の右半分の領域には、図形50〜55が表示されている。図形50は、オペレータによるタッチ操作によって、表面印字、裏面印字、又は両面印字を選択するための図形である。ここで、表面印字とは、賞味期限、消費期限、又は製造番号等の、物品20に関する情報(以下「物品情報」と称す)を、袋体の表面(背貼り部が存在しない側の面)に印字する処理を意味する。裏面印字とは、物品情報を、袋体の裏面(背貼り部が存在する側の面)に印字する処理を意味する。両面印字とは、物品情報を、袋体の表面及び裏面の双方に印字する処理を意味する。
【0026】
図形51は、上下左右の各方向を示す方向指示図形である。図形52は、両面印字が選択された際に、表面印字に関する方向指示設定か裏面印字に関する方向指示設定かを選択するための図形である。図形53は、表面印字(又は両面印字)が選択された際に、図形40の原点(左下端)と後述の印字エリア(図形80)の原点(左下端)との、幅方向(X方向)及び長さ方向(Y方向)に関する差分距離をそれぞれ示す図形である。図形54は、裏面印字(又は両面印字)が選択された際に、図形40の原点と後述の印字エリア(図形60)の原点(左下端)との、X方向及びY方向に関する差分距離をそれぞれ示す図形である。図形55は、袋体における物品情報の印字箇所を決定するための図形である。
【0027】
図2の状態で、オペレータは、まず、図形50へのタッチ操作によって、表面印字、裏面印字、又は両面印字を選択する。
【0028】
図3は、図2の状態において裏面印字が選択された場合の表示画面30の一例を示す図である。図形40上の任意の箇所に、図形60が表示される。図形60は、袋体の裏面において物品情報を印字すべきエリア(印字エリア)を示す図形である。図3の例では、図形60は、図形60の原点が図形40の原点に対して、X方向に15mm、Y方向に40mmずれた箇所に位置している。このずれ量は、図形40の近傍に表示されるとともに、図形54としても表示される。
【0029】
オペレータは、まず、指先で図形60上にタッチし、その状態で指先を図形40の外枠の範囲内で上下左右の各方向に任意にスライドさせることにより、指先のスライドに合わせて図形60を移動させる。これにより、図形60の位置の粗調整を行うことができる。次に、オペレータは、図形51をタッチ操作することによって、図形40の外枠の範囲内で図形60を上下左右の各方向に任意に移動させる。図形51のタッチ操作に基づく図形60の移動幅は、指先のスライドによる図形60の移動幅よりも小さく設定されており、これにより、図形60の位置の微調整を行うことができる。
【0030】
図4は、図3の状態から図形60が移動された表示画面30の一例を示す図である。図形60は、図3の状態から右上方向に移動され、図4の例では、図形60は、図形60の原点が図形40の原点に対して、X方向に60mm、Y方向に55mmずれた箇所に位置している。図3と同様に、このずれ量は、図形40の近傍に表示されるとともに、図形54としても表示される。
【0031】
図形40上における図形60の位置(つまり袋体における物品情報の印字箇所)が決まると、オペレータは、図形55をタッチ操作することによって、図形60の位置を確定させる。
【0032】
図1を参照して、確定された図形60の位置情報(X座標及びY座標)は、表示部2から演算部3に入力される。また、裏面印字が選択された旨の情報も、表示部2から演算部3に入力される。演算部3は、入力された図形60の位置情報に基づいて、帯状の包材21における物品情報72の印字箇所を演算によって求める。
【0033】
図5は、帯状の包材21を示す図である。包材21には、袋体の長さ寸法に対応するピッチ(この例では140mm)で、レジストレーションマーク70が付されている。演算部3は、まず、図形40の原点と図形44の原点(右下端)とのX方向及びY方向に関するずれ量(図4参照)に基づいて、図形40の原点に対応する包材21上の点71を割り出す。例えば、図形40の原点と図形44の原点とのずれ量が、X方向に関して55mm、Y方向に関して20mmである場合には、レジストレーションマーク70の右下端から、X方向に−55mm、Y方向に−20mm進んだ点を、点71として設定する。
【0034】
次に、演算部3は、点71を起点として、図形60の原点に対応する包材21上の点75を割り出す。図4の例では、図形60の原点は、図形40の原点に対して、X方向に60mm、Y方向に55mmずれた箇所に位置している。この場合、演算部3は、点71からX方向に60mm、Y方向に55mm進んだ点を、点75として設定する。ここで、X方向へ進むに際して包材21の右縁に到達した場合には、左縁に飛ぶ。また、図4のように、図形40の原点から見て図形60が図形43よりも右側に位置している場合には、背貼り部の幅寸法の2倍の距離(この例では20mm)を、X方向の距離に加算する。従って、この例の場合は、点71からX方向に60mm+20mm=80mm(55mmで包材21の右縁に到達するため左縁から25mmとなる)、Y方向に55mm進んだ点が、点75として設定される。
【0035】
次に、演算部31は、点75を左下端とするエリアを設定し、そのエリアの位置情報を印字部5に教示する。印字部5は、教示されたエリアに物品情報72を印字する。
【0036】
図6は、図2の状態において裏面印字が選択された場合の表示画面30の第1の変形例を示す図である。図形51に代えて、上下左右の各方向を示す図形100が、図形60の近傍に表示されている。具体的に、上方向を示す図形100が図形60のすぐ上側に表示されており、下方向を示す図形100が図形60のすぐ下側に表示されており、左方向を
示す図形100が図形60のすぐ左側に表示されており、右方向を示す図形100が図形60のすぐ右側に表示されている。オペレータは、まず、指先で図形60上にタッチし、その状態で指先を図形40の外枠の範囲内で上下左右の各方向に任意にスライドさせることにより、指先のスライドに合わせて図形60を移動させる。これにより、図形60の位置の粗調整を行うことができる。次に、オペレータは、図形100をタッチ操作することによって、図形40の外枠の範囲内で図形60を上下左右の各方向に任意に移動させる。図形100のタッチ操作に基づく図形60の移動幅は、指先のスライドによる図形60の移動幅よりも小さく設定されており、これにより、図形60の位置の微調整を行うことができる。
【0037】
図7は、図2の状態において裏面印字が選択された場合の表示画面30の第2の変形例を示す図である。本変形例において、各図形41〜43の四隅の位置座標が予め特定されることにより、図形41〜43内の領域は、図形60の位置の指定が禁止される禁止領域として設定されている。そして、オペレータによる図形60又は図形51のタッチ操作に基づいて、図形41〜43に重なる箇所に図形60の位置が指定された場合には、図形41〜43に重ならない直近の箇所に図形60の位置が自動的に補正されて表示される。例えば図7に示したように、図形43に右端が重なる箇所に図形60(破線で示す図形60)の位置が指定された場合には、左方向への移動によって、図形43に重ならない箇所に図形60(実線で示す図形60)の位置が補正される。
【0038】
図8は、図2の状態において裏面印字が選択された場合の表示画面30の第3の変形例を示す図である。本変形例において、図形40の外枠の位置座標が予め特定されることにより、図形40の外枠外の領域は、図形60の位置の指定が禁止される禁止領域として設定されている。そして、オペレータによる図形60又は図形51のタッチ操作に基づいて、図形40の外枠外を含む箇所に図形60の位置が指定された場合には、図形40の外枠外を含まない直近の箇所に図形60の位置が自動的に補正されて表示される。例えば図8に示したように、右端が図形40の外枠からはみ出る箇所に図形60(破線で示す図形60)の位置が指定された場合には、左方向への移動によって、図形40の外枠からはみ出ない箇所に図形60(実線で示す図形60)の位置が補正される。
【0039】
図9は、図2の状態において裏面印字が選択された場合の表示画面30の第4の変形例を示す図である。表示画面30内の右上の領域には、完成品である袋体の厚み(つまり商品の厚み)を入力するための図形101が表示されている。また、図形40の上下左右の端部(上端においては図形42を含まない端部。下端においては図形41を含まない端部)には、図形101に入力された厚みに応じた幅を有する図形102が表示されている。例えば、袋体の厚みとして40mmが入力された場合には、その半分である20mmの幅に対応する図形102が表示される。本変形例において、図形102の内枠の位置座標が予め特定されることにより、図形102内の領域は、図形60の位置の指定が禁止される禁止領域として設定されている。そして、オペレータによる図形60又は図形51のタッチ操作に基づいて、図形102に重なる箇所に図形60の位置が指定された場合には、図形102に重ならない直近の箇所に図形60の位置が自動的に補正されて表示される。例えば図9に示したように、図形102に左端が重なる箇所に図形60(破線で示す図形60)の位置が指定された場合には、右方向への移動によって、図形102に重ならない箇所に図形60(実線で示す図形60)の位置が補正される。
【0040】
なお、図6〜9に示した第1〜第4の変形例は、任意に組み合わせて適用することが可能である。後述する表面印字又は両面印字に関しても同様である。
【0041】
図10は、図2の状態において表面印字が選択された場合の表示画面30の一例を示す図である。図形40上の任意の箇所に、図形80が表示される。図形80は、袋体の表面
において物品情報を印字すべきエリア(印字エリア)を示す図形である。図10の例では、図形80は、図形80の原点が図形40の原点に対して、X方向に15mm、Y方向に40mmずれた箇所に位置している。このずれ量は、図形40の近傍に表示されるとともに、図形53としても表示される。
【0042】
オペレータは、まず、指先で図形80上にタッチし、その状態で指先を図形40の外枠の範囲内で上下左右の各方向に任意にスライドさせることにより、指先のスライドに合わせて図形80を移動させる。これにより、図形80の位置の粗調整を行うことができる。次に、オペレータは、図形51をタッチ操作することによって、図形40の外枠の範囲内で図形80を上下左右の各方向に任意に移動させる。図形51のタッチ操作に基づく図形80の移動幅は、指先のスライドによる図形80の移動幅よりも小さく設定されており、これにより、図形80の位置の微調整を行うことができる。
【0043】
図11は、図10の状態から図形80が移動された表示画面30の一例を示す図である。図形80は、図10の状態から右下方向に移動され、図11の例では、図形80は、図形80の原点が図形40の原点に対して、X方向に25mm、Y方向に35mmずれた箇所に位置している。図10と同様に、このずれ量は、図形40の近傍に表示されるとともに、図形53としても表示される。
【0044】
図形40上における図形80の位置(つまり袋体における物品情報の印字箇所)が決まると、オペレータは、図形55をタッチ操作することによって、図形80の位置を確定させる。
【0045】
図1を参照して、確定された図形80の位置情報(X座標及びY座標)は、表示部2から演算部3に入力される。また、表面印字が選択された旨の情報も、表示部2から演算部3に入力される。演算部3は、入力された図形80の位置情報に基づいて、帯状の包材21における物品情報72の印字箇所を演算によって求める。
【0046】
図12は、帯状の包材21を示す図である。包材21には、袋体の長さ寸法に対応するピッチ(この例では140mm)で、レジストレーションマーク70が付されている。演算部3は、まず、図形40の原点に対応する包材21上の点71を割り出す。X方向に関しては、包材21の中心から、袋体の幅寸法の1/2だけ左方向にずれた位置を、点71のX座標とする。この例の場合は、袋体の幅寸法が90mmであるため、包材21の中心から45mmだけ左方向にずれた位置を、点71のX座標とする。Y方向に関しては、図形40の原点と図形44の原点(左下端)とのY方向に関するずれ量(図10参照)に基づいて、点71の位置を割り出す。例えば、図形40の原点と図形44の原点とのずれ量が、Y方向に関して20mmである場合には、レジストレーションマーク70の右下端から、Y方向に−20mm進んだ位置を、点71のY座標として設定する。
【0047】
次に、演算部3は、点71を起点として、図形80の原点に対応する包材21上の点75を割り出す。図11の例では、図形80の原点は、図形40の原点に対して、X方向に25mm、Y方向に35mmずれた箇所に位置している。この場合、演算部3は、点71からX方向に25mm、Y方向に35mm進んだ点を、点75として設定する。
【0048】
次に、演算部31は、点75を左下端とするエリアを設定し、そのエリアの位置情報を印字部5に教示する。印字部5は、教示されたエリアに物品情報72を印字する。
【0049】
図13は、図2の状態において両面印字が選択された場合の表示画面30の一例を示す図である。図形40上の任意の箇所に、図形60,80が表示される。オペレータは、図形52のタッチ操作によって裏面印字を選択した後に、図形60をタッチ操作することに
よって図形60の位置の粗調整を行うことができ、また、図形51をタッチ操作することによって図形60の位置の微調整を行うことができる。図形40上における図形60の位置が決まると、オペレータは、図形55をタッチ操作することによって、図形60の位置を確定させる。また、オペレータは、図形52のタッチ操作によって表面印字を選択した後に、図形80をタッチ操作することによって図形80の位置の粗調整を行うことができ、また、図形51をタッチ操作することによって図形80の位置の微調整を行うことができる。図形40上における図形80の位置が決まると、オペレータは、図形55をタッチ操作することによって、図形80の位置を確定させる。図形60,80の位置が確定された後の処理は上記と同様であるため、繰り返しの説明は省略する。
【0050】
図14は、図2の状態において裏面印字が選択された場合の表示画面30の一例を示す図である。図3には、図形44が図形43の上端と下端との途中に位置している例を示したが、レジストレーションマーク70が袋体の下端に位置している場合には、図14に示すように、図形44は図形43の下端に位置することとなる。図1において、レジストレーションマークセンサ4は、包材21上のレジストレーションマーク70を検出する。また、包材21の移送量は、図示しないエンコーダによって検出可能である。従って、レジストレーションマーク70が付された位置で包材21の横シール処理が施されるように制御することによって、レジストレーションマーク70を袋体の下端に位置させることができる。
【0051】
図15は、帯状の包材21を示す図である。包材21には、袋体の長さ寸法に対応するピッチ(この例では140mm)で、レジストレーションマーク70が付されている。演算部3は、上記と同様に、図形40の原点と図形44の原点(右下端)とのX方向及びY方向に関するずれ量に基づいて、図形40の原点に対応する包材21上の点71を割り出す。ここで、レジストレーションマーク70が袋体の下端に位置している場合には、図形44の原点のY座標は、図形40の原点のY座標に一致するため、Y方向に関するずれ量はゼロである。従って、レジストレーションマーク70の原点のY座標を、そのまま点71のY座標として採用することができる。以降の処理は上記と同様であるため、繰り返しの説明は省略する。また、表面印字又は両面印字が選択された場合も同様であるため、繰り返しの説明は省略する。
【0052】
このように本実施の形態に係る包装機によれば、表示画面30上で図形60,80及び図形51のタッチ操作を行うという簡易な操作によって、袋体における物品情報72の印字箇所を指定することができる。また、図形60,80のタッチ操作に基づく暫定的な指定においては、図形40内で図形60,80をタッチ操作することによって図形40上を図形60,80が移動するため、オペレータの操作性を向上することができる。また、図形51のタッチ操作に基づく確定的な指定においては、図形51は上下左右の各方向を示す図形であるため、数値入力によって図形60,80の移動量を設定する場合と比較すると、オペレータの操作負担を軽減することができる。また、印字部5は製袋前の帯状の包材21に対して印字を行うが、表示画面30には、製袋前の帯状の包材21を模した図形ではなく、製袋後の袋体を模した図形40が表示されている。そして、袋体を模した図形40上で図形60,80を移動させるため、オペレータは、最終製品の形態である袋体の全体のバランスを目視で確認しながら、袋体の適切な箇所に印字箇所を指定することができる。また、演算部3は、図形40上における図形60,80の位置に基づいて、帯状の包材21における物品情報72の印字箇所を演算によって求める。従って、表示画面30上で指定した箇所とは異なる箇所に物品情報72が印字されてしまうという事態を回避できる。
【0053】
また、図6に示した第1の変形例によれば、上下左右の各方向を示す図形100は、図形60の近傍に表示される。従って、図形60と図形100とが表示画面30内の離れた
箇所に表示されている場合と比較すると、図形60のタッチ操作に基づく暫定的な指定から、図形100のタッチ操作に基づく確定的な指定に移行する際の、オペレータ視線及び指先の移動量を減少させることができる。
【0054】
また、図7に示した第2の変形例によれば、オペレータによる図形60,80又は図形51,100のタッチ操作に基づいて図形41〜43上に図形60,80が移動された場合には、図形41〜43に重ならない箇所に図形60,80の位置が補正される。従って、袋体の横シール部及び縦シール部と物品情報72の印字箇所とが重なることが自動的に回避されるため、物品情報72の視認性が損なわれる事態を回避することができる。
【0055】
また、図8に示した第3の変形例によれば、オペレータによる図形60,80又は図形51,100のタッチ操作に基づいて図形40の枠外に図形60,80が移動された場合には、図形40の枠内に図形60,80の位置が補正される。従って、物品情報72が袋体の表面及び裏面に跨って印字されることが自動的に回避されるため、物品情報72の視認性が損なわれる事態を回避することができる。
【0056】
また、図9に示した第4の変形例によれば、オペレータによる図形60,80又は図形51,100のタッチ操作に基づいて図形102上に図形60,80が移動された場合には、図形102に重ならない箇所に図形60,80の位置が補正される。従って、物品情報72が袋体の端部に印字されることが自動的に回避されるため、商品の厚みに起因して物品情報72の視認性が損なわれる事態を回避することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 包装機
2 表示部
3 演算部
5 印字部
8 フォーマ
9 チューブ
10 プルダウンベルト
11 縦シール装置
12 横シール装置
20 物品
21 包材
30 表示画面
40〜44,50〜55,60,80,100〜102 図形
70 レジストレーションマーク
72 物品情報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状包材の縁部同士を重ね合わせて背貼り部の縦シール処理を施すことにより筒状に成形し、筒状包材に第1の横シール処理を施すことにより半袋状に成形し、半袋状包材内に物品が供給された後に第2の横シール処理を施すことにより袋状に成形し、第2の横シール処理が施された箇所を切断することにより個別の袋体に分離する、包装機であって、
物品情報を帯状包材に印字する印字部と、
タッチパネル機能を有する表示画面を有し、オペレータによって操作可能な表示入力部と、
演算部と
を備え、
前記表示画面には、前記袋体を模した第1図形と、前記物品情報の印字エリアを示す第2図形と、上下左右の各方向を示す第3図形とが表示されており、
オペレータによる前記第1図形内での前記第2図形のタッチ操作に基づいて、前記第1図形上を前記第2図形が比較的粗い移動幅で移動することにより、前記袋体における前記物品情報の印字箇所が暫定的に指定され、
オペレータによる前記第3図形のタッチ操作に基づいて、前記第1図形上を前記第2図形が比較的細かい移動幅で移動することにより、前記袋体における前記物品情報の印字箇所が確定的に指定され、
前記演算部は、確定的に指定された前記第1図形上における前記第2図形の位置に基づいて、前記帯状包材における前記物品情報の印字箇所を演算によって求め、
前記印字部は、前記演算部から指定された、前記帯状包材の所定の箇所に、前記物品情報を印字する、包装機。
【請求項2】
前記第3図形は前記第2図形の近傍に表示される、請求項1に記載の包装機。
【請求項3】
前記表示画面には、前記袋体の横シール部及び縦シール部を模した第4図形が前記第1図形上に表示されており、
前記第4図形上は、前記物品情報の印字箇所の指定が禁止される禁止領域として設定されており、
オペレータによる前記第2図形又は前記第3図形のタッチ操作に基づいて前記第4図形上に前記第2図形が移動された場合には、前記第4図形に重ならない箇所に前記第2図形の位置が補正される、請求項1又は2に記載の包装機。
【請求項4】
オペレータによる前記第2図形又は前記第3図形のタッチ操作に基づいて前記第1図形の枠外に前記第2図形が移動された場合には、前記第1図形の枠内に前記第2図形の位置が補正される、請求項1〜3のいずれか一つに記載の包装機。
【請求項5】
前記表示画面には、前記袋体の厚みに応じた幅を有する第5図形が、前記第1図形の端部上に表示されており、
前記第5図形上は、前記物品情報の印字箇所の指定が禁止される禁止領域として設定されており、
オペレータによる前記第2図形又は前記第3図形のタッチ操作に基づいて前記第5図形上に前記第2図形が移動された場合には、前記第5図形に重ならない箇所に前記第2図形の位置が補正される、請求項1〜4のいずれか一つに記載の包装機。
【請求項1】
帯状包材の縁部同士を重ね合わせて背貼り部の縦シール処理を施すことにより筒状に成形し、筒状包材に第1の横シール処理を施すことにより半袋状に成形し、半袋状包材内に物品が供給された後に第2の横シール処理を施すことにより袋状に成形し、第2の横シール処理が施された箇所を切断することにより個別の袋体に分離する、包装機であって、
物品情報を帯状包材に印字する印字部と、
タッチパネル機能を有する表示画面を有し、オペレータによって操作可能な表示入力部と、
演算部と
を備え、
前記表示画面には、前記袋体を模した第1図形と、前記物品情報の印字エリアを示す第2図形と、上下左右の各方向を示す第3図形とが表示されており、
オペレータによる前記第1図形内での前記第2図形のタッチ操作に基づいて、前記第1図形上を前記第2図形が比較的粗い移動幅で移動することにより、前記袋体における前記物品情報の印字箇所が暫定的に指定され、
オペレータによる前記第3図形のタッチ操作に基づいて、前記第1図形上を前記第2図形が比較的細かい移動幅で移動することにより、前記袋体における前記物品情報の印字箇所が確定的に指定され、
前記演算部は、確定的に指定された前記第1図形上における前記第2図形の位置に基づいて、前記帯状包材における前記物品情報の印字箇所を演算によって求め、
前記印字部は、前記演算部から指定された、前記帯状包材の所定の箇所に、前記物品情報を印字する、包装機。
【請求項2】
前記第3図形は前記第2図形の近傍に表示される、請求項1に記載の包装機。
【請求項3】
前記表示画面には、前記袋体の横シール部及び縦シール部を模した第4図形が前記第1図形上に表示されており、
前記第4図形上は、前記物品情報の印字箇所の指定が禁止される禁止領域として設定されており、
オペレータによる前記第2図形又は前記第3図形のタッチ操作に基づいて前記第4図形上に前記第2図形が移動された場合には、前記第4図形に重ならない箇所に前記第2図形の位置が補正される、請求項1又は2に記載の包装機。
【請求項4】
オペレータによる前記第2図形又は前記第3図形のタッチ操作に基づいて前記第1図形の枠外に前記第2図形が移動された場合には、前記第1図形の枠内に前記第2図形の位置が補正される、請求項1〜3のいずれか一つに記載の包装機。
【請求項5】
前記表示画面には、前記袋体の厚みに応じた幅を有する第5図形が、前記第1図形の端部上に表示されており、
前記第5図形上は、前記物品情報の印字箇所の指定が禁止される禁止領域として設定されており、
オペレータによる前記第2図形又は前記第3図形のタッチ操作に基づいて前記第5図形上に前記第2図形が移動された場合には、前記第5図形に重ならない箇所に前記第2図形の位置が補正される、請求項1〜4のいずれか一つに記載の包装機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−280433(P2010−280433A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−137349(P2009−137349)
【出願日】平成21年6月8日(2009.6.8)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月8日(2009.6.8)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]