説明

包装箱

【課題】販売に係る作業性を向上できるとともに、消費者が確認し易く販売促進効果も得ることが可能な包装箱を提供する。
【解決手段】底壁10の外周縁に、二重構造をなす各一対の端壁11A,11Bおよび側壁12A,12Bを設けた上端開口の包装箱において、一方の端壁11Aは、外面部13に連続し上端開口に沿って延びる第1表示部15と、第1表示部15および内面部28と連続し第1表示部15に沿って延びる第2表示部25とを備え、第1表示部15に、両側に位置する固定部17,17と、これら固定部17,17間に位置する立上部18とに分割する一対の破断線16,16を設け、固定部17に係止片21を連設するとともに、隣接する側壁12に係止片21を挿入係止する係止穴54を設け、第1表示部15を立ち上げることにより第2表示部25を表示可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の商品を収容して輸送し、店頭にて商品を露出させて展示販売するトレイ状の包装箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、店頭で商品を販売する際には、その商品の生産地などの情報開示を行っている。しかし、この情報開示は、販売店にて準備した表示パネルによって行っているため、意図しない表示ミスが発生する虞がある。
【0003】
本発明は、店頭にて商品を販売する際の作業性、および、消費者が購入する際の安心感を与えるためのもので、このような包装箱に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【0004】
【特許文献1】特開2004−51150号公報
【特許文献2】実開昭48−62996号公報
【0005】
特許文献1には、底板の外周縁に、背面板、右側面板、正面板および左側面板を設けた包装箱が記載されている。この包装箱には、正面板に、組立状態で上下方向に延びる一対の破断線が設けられ、その間に折り出し板と、表示板と、係止用差込板とを有する表示部が設けられている。
【0006】
しかしながら、この特許文献1に記載の包装箱では、小さな表示部しか形成することができないため、消費者が確認し難く、販売促進効果を得ることができない。また、この包装箱は、剛性が低く変形し易いため、収容する商品が重量物である場合には、輸送用として使用するには適していない。
【0007】
特許文献2には、底壁の外周縁に二重構造をなす各一対の端壁および側壁を設けた包装箱が記載されている。この包装箱の一方の端壁には、屈曲させることにより前方に膨出する脚片部が設けられ、この端壁を下側に位置させることにより、脚片部で全体を傾斜した状態で載置できるように構成している。
【0008】
この特許文献2に記載の包装箱は、外周壁が二重構造をなすため剛性が強く、収容する商品が重量物であっても適用が可能である。また、前方に膨出する脚片部に所定の表示を施すことにより、表示部として使用することが可能であると考えられる。しかし、特許文献1と同様に、端壁に表示部を形成するための構造を設ける場合には、その面積が限られているため、大きな表示部を形成することはできない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来の問題に鑑みてなされたもので、販売に係る作業性を向上できるとともに、消費者が確認し易く販売促進効果も得ることが可能な包装箱を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明の包装箱は、底壁の外周縁に、外面部と内面部とを有する二重構造をなす各一対の端壁および側壁を設けた上端開口の包装箱において、少なくとも一方の端壁は、前記外面部に連続し非展示状態で前記上端開口に沿って延びる第1表示部と、該第1表示部および前記内面部と連続し非展示状態で前記第1表示部の内面側に沿って延びる第2表示部とを備え、前記第1表示部に、両側に位置する固定部と、これら固定部間に位置する立上部とに分割する一対の破断線を設け、前記固定部に係止片を連設するとともに、隣接する前記側壁に係止片を挿入係止する係止穴を設け、前記第1表示部を分割して立ち上げることにより反対側に位置する第2表示部を表示可能としたものである。
【0011】
この包装箱では、前記外面部に、一対の前記破断線の端部間にかけて延び、少なくとも一方の破断線との連続部分を非切断状態の屈曲線により構成した第1分割線を設けるとともに、前記第2表示部と内面部との境界部分に第2分割線を設け、分割した前記立上部および前記第2表示部を、前記屈曲線に沿って屈曲可能とすることが好ましい。
この場合、前記第1表示部と外面部との境界部分から、前記第2表示部と内面部との境界部分にかけて延びる第3分割線を設け、前記第1分割線を、前記破断線の両方の端部から延びる屈曲線と、これら屈曲線の端部から前記第3分割線にかけて延びる切目線と、で構成することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の包装箱では、二重構造をなす端壁および側壁を設けているため、剛性が強く、輸送用として使用することができる。また、端壁を構成する外面部と内面部との間に第1および第2表示部を設けるため、これらを大きな面積で形成することができる。しかも、展示する際には、第1表示部を上向きに引き上げることにより、反対側に位置する第2表示部を表出させることができる。そのため、これらの表示部に収容する商品に基づく所定の表示を施すことにより、十分な販売促進効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0014】
図1から図5は、本発明の第1実施形態に係る包装箱を示す。この包装箱は、イチゴなどの青果物を収容するトレイ状のもので、底壁10の外周縁にそれぞれ二重構造をなす端壁11A,11Bおよび側壁12A,12Bを備え、一方の端壁11Aに、非展示(輸送)状態で上端開口に沿って延びる表示部15,25を設けたものである。
【0015】
この包装箱は、表紙および裏紙の間に波状の中しんを配設した周知の段ボール紙を、周知の紙器打抜装置(図示せず)によって図5に示す連続した一枚のブランクとして打ち抜き、所定部位を折り曲げることにより成形される。
【0016】
この包装箱のブランクは、図5に示すように、中央に矩形状をなす底壁10を備えている。この底壁10の左側端縁には、端壁11Aを構成する外面部13が連設され、その境界部分に肉厚を圧縮するように罫を入れて形成した折曲線14が設けられている。
【0017】
前記外面部13の端縁には、輸送時に有効な印刷が施される第1表示部15が連設されている。この第1表示部15には、先端近傍の両側縁から外面部13に向けて互いに近接するように傾斜して延びる一対の破断線16,16が設けられている。この破断線16,16は、所定間隔をもってミシン目状に延びる切断部と、該切断部の一端から外側縁に向けて延びるガイド切断部とを備えた片ジッパーからなり、その先端は、外面部13と第1表示部15との境界部分に位置させている。これにより、第1表示部15は、破断線16,16の外側に位置する一対の固定部17,17と、破断線16,16間に位置する中央の立上部18とに区画されている。また、この第1表示部15と外面部13との境界部分には、破断線16,16間にかけて延びるリード罫19と、該リード罫19の両端から同一直線的に延びる折曲線20とが設けられている。なお、リード罫19は、肉厚を圧縮するように罫を入れて形成した折曲部と、該折曲線上に位置するように所定間隔をもってミシン目状に設けた切断部とからなるものである。また、前記第1表示部15の両側、即ち立上部18の側縁には、組立状態を維持するための係止片21が連設され、その境界部分に折曲線22が設けられている。この係止片21は、略扇形形状をなし、第1表示部15との連続部近傍の外縁には係止爪部21aが形成されている。
【0018】
前記第1表示部15の端縁には、可撓部23を介して第2表示部25が連設されている。この可撓部23は、組立状態で、第1表示部15と第2表示部25とを互いに平行に位置させ、かつ、相対的に変位可能に連結するもので、所定間隔をもって設けた複数(本実施形態では4本)の折曲線24を備えている。
【0019】
前記第2表示部25は、店頭での販売時に有効な生産地などの印刷が施されるものである。この第2表示部25は、輸送で第1表示部15の背部である内面側に配置されるもので、該第1表示部15に対して可動部を中心として略対称な台形状に形成されている。この第2表示部25には、先端に向けて傾斜した一対の傾斜縁に支持片26,26が連設され、その境界部分に前記と同様のリード罫27が設けられている。
【0020】
前記第2表示部25の先端縁には、前記外面部13の内面側に重畳される内面部28が連設され、その境界部分にリード罫29が設けられている。この内面部の先端両側には、組立状態で隣接する側壁12A,12Bに係止する係止突部30が設けられている。
【0021】
また、底壁10の右側端縁には、端壁11Bを構成する外面部31が連設され、その境界部分に折曲線32が設けられている。この外面部31の先端両側には、側壁12A,12Bと固定するための固定面部33,33が連設され、その境界部分に折曲線34が設けられている。この固定面部33,33は、組立状態で包装箱の上端開口の2隅を閉塞するように配置される扇形形状のもので、その側縁には、係止爪部35aを備えた前記と同様の係止片35が連設され、その境界部分に折曲線36が設けられている。
【0022】
さらに、外面部31の中央には、上面部37を介して内面部38が連設されている。上面部37は、外面部31と内面部38との間に後述する一対の係止面部43A,43B,48A,48Bを挿入係止するために、これらを所定間隔をもって位置させるのもので、外面部31との境界部分および内面部38との境界部分には、それぞれリード罫39,39が設けられている。また、内面部38には、内面部28と同様の係止突部40が設けられている。なお、固定面部33と上面部37および内面部38とは、円弧状をなす切断線により区画されている。
【0023】
さらに、底壁10の上下側縁には、側壁12A,12Bを構成する外面部41A,41Bがそれぞれ連設され、その境界部分に折曲線42が設けられている。これら外面部41A,41Bの両側端縁には、組立状態で隣接する端壁11A,11Bの外面部13,31にそれぞれ重畳するように配置される第1係止面部43A,43Bが連設され、その境界部分に折曲線44が設けられている。これら第1係止面部43A,43Bは、組立状態で対向する側壁12B,12Aから突出する第1係止面部43B,43Aと、互いの先端縁が突き合う寸法で形成されている。また、これら第1係止面部43A,43Bは、端壁11A,11Bに設けた係止片21,35と、切断線により区画されている。
【0024】
また、外面部41A,41Bには、上面部45A,45Bを介して内面部46A,46Bが連設されている。上面部45は、外面部41A,41Bに対して内面部46A,46Bを所定間隔をもって配置するためのもので、外面部41A,41Bとの境界部分および内面部46A,46Bとの境界部分には、折曲線47,47が設けられている。
【0025】
前記内面部46A,46Bの両側端縁には、組立状態で隣接する端壁11A,11Bの内面部28,38にそれぞれ重畳するように配置される第2係止面部48A,48Bが連設されている。これら内面部46A,46Bと第2係止面部48A,48Bとの境界部分には、内面部46A,46Bに組立状態で端壁11A,11Bの係止突部30,40が係止する係止溝部49を形成するために、略L字形状に延びる切断線50が設けられるとともに、該切断線50の端部から折曲線51が設けられている。また、第2係止面部48A,48Bには、一方に台形状をなす係合部52が設けられるとともに、組立状態で対向する他方に台形状をなす係合溝53が設けられている。
【0026】
そして、本実施形態の側壁12A,12Bには、組立状態で隣接する端壁11A,11Bの係止片21,35を挿入係止するために、上面部45A,45Bから内面部46A,46Bにかけて延びる係止穴54が打ち抜きにより設けられている。
【0027】
包装箱を組み立てる場合には、まず、底壁10に対して側壁12A,12Bを構成する外面部41A,41Bを折り曲げ、この外面部41A,41Bに対して上面部45A,45Bを折り曲げ、この上面部45A,45Bに対して外面部41A,41Bを折り曲げる。ついで、重畳した係止面部43A,48A,43B,48Bを、連続する外面部41A,41Bおよび内面部46A,46Bに対して内向きに折り曲げる。そして、対向する第2係止面部48A,48Bの係合部52と係合溝53とを係合させる。
【0028】
ついで、底壁10に対して端壁11Bを構成する外面部31を折り曲げ、この外面部31に対して固定面部33および上面部37を折り曲げ、この上面部37に対して内面部38を折り曲げる。そして、内面部38の係止突部40を、隣接する側壁12A,12Bの係止溝部49に係止するとともに、固定面部33に連設した係止片35を隣接する側壁12A,12Bの係止穴54に挿入係止する。
【0029】
その後、底壁10に対して端壁11Aを構成する外面部13を折り曲げた後、可撓部23に沿って第2表示部25を第1表示部15に対して折り返し、第2表示部25に連続した内面部28を、重畳した係止面部43A,48A,43B,48Bに対して重畳させる。ついで、重畳した表示部15,25を、連続する外面部13および内面部28に対して内向きに折り曲げる。そして、第1表示部15に連続した係止片21を隣接する側壁12A,12Bの係止穴54に挿入係止する。
【0030】
これにより、図1に示すように、第1表示部15が包装箱の上端開口に沿って延び、第2表示部25が第1表示部15の内面側に沿って略平行に延びる輸送に適した組立状態とすることができる。なお、この包装箱には、ブランクとして打ち抜く前または打ち抜いた後に、各壁11A,11B,12A,12Bの表面に収容する商品に基づく表示が周知の印刷機によって印刷される。また、本実施形態では、第1表示部15には、輸送時に有効な表示(注意事項など)が印刷され、第2表示部25には、店頭にて販売する際に有効な表示(原産地など)が印刷されている。ここで、これらの印刷面は、段ボール紙において同一の表紙の側であるため、一面のみに印刷すればよい。よって、製造コストを低減できる。
【0031】
この包装箱は、底壁10の外周部に二重構造をなす端壁11A,11Bおよび側壁12A,12Bを設けているため、剛性が強く、輸送用として使用することができる。また、本実施形態の包装箱は、端壁11Aの側の上端開口に大きな第1表示部15を設けているため、輸送時の注意事項などを十分に表示することが可能である。また、この第1表示部15は、輸送先を記載したラベルなどを貼着させることも可能である。よって、作業者に十分な注意を促すことが可能であるため、輸送に係る作業性を極めて向上できる。
【0032】
一方、商品を販売する販売店では、まず、包装箱の第1表示部15の先端を把持し、一対の破断線16,16に沿って破断しながら、立上部18を上向きに引き上げる。これにより、図2および図3に示すように、第1表示部15を立上部18と固定部17とに分割し、固定部17によって包装箱の組立状態を維持する一方、立上部に連続した第2表示部25を表出させた展示状態とすることができる。
【0033】
この展示状態では、第2表示部25の両側に位置する支持片26が固定部17の上面に係止し、該第2表示部25を包装箱の上端開口から所定の傾斜角度で上向きに傾斜した状態を維持する。そして、図3に示すように、第2表示部25に対して、第2表示部25と内面部28との連続部分が上側に位置するように広告表示を印刷しておくことにより、店頭において傾斜した展示台Sに載置する場合に有効な包装箱を構成できる。または、図4に示すように、第2表示部25に対して、第2表示部25と外面部13との連続部分が上側に位置するように広告表示を印刷しておくことにより、店頭において平坦な展示台に載置する場合に有効な包装箱を構成できる。
【0034】
このように、本実施形態の包装箱は、第1および第2表示部15,25を突出させた展示状態とすることができる。そのため、この展示状態では、消費者が大きな第2表示部25を容易に認識できる。よって、第2表示部25に広告表示などの印刷を施すことにより、十分な販売促進効果を得ることができる。
【0035】
図6から図9は第2実施形態の包装箱を示す。この包装箱は、各表示部15,25を更に2分割可能とするとともに、端壁11Aに対して屈曲可能として、側壁12A,12Bの側からも消費者が商品を認識可能とした点で、第1実施形態と大きく相違している。
【0036】
この第2実施形態の包装箱のブランクは、図9に示すように、第1実施形態と同様に、底壁、端壁11A,11Bおよび側壁12A,12Bを備えている。そして、端壁11Aも同様に、底壁10に連続する外面部13と、該外面部13に連続する第1表示部15と、該第1表示部15に可動部を介して連続する第2表示部25と、該第2表示部25に連続する内面部28とを備えている。
【0037】
そのうち、外面部13には、第1表示部15に設けた一対の破断線16,16の端部間にかけて延びる第1分割線55が設けられている。本実施形態の第1分割線55は、各破断線16の端部から直交方向に延びる非切断状態をなす一対の屈曲線56と、これら屈曲線56の端部から後述する第3分割線64の端部である第1表示部15と外面部13との境界部分中央に向けて延びる一対の切目線60とを備えている。屈曲線56は、中央の切断線57と、該切断線57の両端から延びる折曲線58とを備えている。切断線57は、屈曲状態を維持する係止部59を形成するためのもので、側壁12A,12Bの側に向けて延びる略横U字形状のものである。切目線60は、底壁10の側に位置する折曲線58の端部から前記境界部分中央に向けて略円弧状に延びるもので、破断線16と同様の片ジッパーからなる。
【0038】
また、第1表示部15には、外面部13との境界部分中央に位置するように、半長円形状をなす切目線61が設けられている。この切目線61は、切断線57に沿った外面部13の破断端片62を形成するためのものである。なお、本実施形態では、第1表示部15と外面部13との境界部分には、第1実施形態に示すリード罫19は設けることなく、1本の連続した折曲線20のみが形成されている。
【0039】
さらに、第2表示部25と内面部28との境界部分には、リード罫29の代わりに第2分割線63が設けられている。この第2分割線63は、リード罫29と略同様であり、各折曲部の全長を短くし、各切断部の全長を長くした点で相違している。
【0040】
そして、本実施形態では更に、前記切目線60の端部である第1表示部15と外面部13との境界部分中央から、第2表示部25と内面部との境界部分中央にかけて延びる第3分割線64が設けられている。この第3分割線64は、破断線16と同様の片ジッパーからなる。即ち、第1分割線55は、破断線16の両方の端部から延びる屈曲線56と、これら屈曲線56の端部からこの第3分割線64にかけて延びる切目線60とで構成されている。
【0041】
なお、この端壁11Aと対向する端壁11B、および、底壁10の両側に位置する側壁12A,12Bは、第1実施形態と同様であり、側壁12A,12Bを構成する外面部41に連設した第1係止面部43A,43Bに、前記係止部59が係止する穴からなる係止受部65を設けた点で、相違している。
【0042】
図6に示すように、この第2実施形態の包装箱は、第1実施形態と同様に、底壁10の外周部に二重構造をなす端壁11A,11Bおよび側壁12A,12Bを設けているため、剛性が強く、輸送用として使用することができる。
【0043】
また、第2実施形態の包装箱を展示状態とする場合には、例えば図7に示すように、第1表示部15の先端において一側に偏った位置を把持し、上向きに引き上げる。これにより、図示のように、第3分割線64に沿って第1表示部15、可撓部23および第2表示部25を半分に分割するとともに、破断線16に沿って半分の領域の立上部18を立ち上げることができる。
【0044】
ついで、半分の分割表示部B1を屈曲線56に沿って屈曲させる。これにより、外面部13において、分割表示部B1に連続した領域を切目線60に沿って破断する。また、屈曲により第1係止面部43Bの側に突出する係止部59を、係止受部65に係止させる。その結果、図8に示すように、側壁12A,12Bのいずれからでも表示部15,25を認識可能な展示状態とすることができる。
【0045】
なお、他方の分割表示部も同様にして屈曲させ、一対の分割表示部15,25を所謂観音開き状態としてもよい。
【0046】
このように構成した第2実施形態では、各表示部15,25の半分の領域にそれぞれ広告表示を印刷しておくことにより、側方からでも消費者が容易に認識可能である。よって、展示状態とした包装箱を載置する方向性の制限をなくすことができるため、展示に係る作業性を向上できるうえ、更なる販売促進効果を得ることができる。
【0047】
なお、本発明の包装箱は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0048】
例えば、前記実施形態では、一方の端壁11Aのみに第1表示部15および第2表示部25を設けたが、端壁11A,11Bの両方に設けてもよい。また、第2実施形態では、第3分割線を設けることにより、一対の分割表示部B1,B2を観音開き状態で展示できるようにしたが、第3分割線64を設けることなく、かつ、屈曲線56を破断線16,16の一方のみに連続するように設け、他方は破断線16に連続する1本の連続した切目線60とすることにより、1つの表示を屈曲可能に構成することもできる。
【0049】
さらに、前記実施形態では、係止片21,35を隣接する側壁12A,12Bの上面部45A,45Bに設けた係止穴54に挿入係止する構成としたが、この係止穴を側壁12A,12Bの下部(底壁10との境界部分)に設け、係止片21,35が外面部41A,41Bの外面に重畳するように延びて係止する構成としてもよい。
【0050】
さらにまた、前記実施形態では、第1表示部15を、両側の固定部17,17と、その間に位置する立上部18と、に分割するための一対の破断線16,16を、第1表示部15の両側縁から互いに近接するように設けたが、図10に示すように、第1表示部15に対して直交方向に延びるように構成し、その間に第2表示部25を連設した構成としてもよい。
【0051】
そして、前記実施形態では、包装箱を平面視矩形状をなすように構成したが、各角部に面取壁を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る第1実施形態の包装箱を示す斜視図である。
【図2】表示部を立ち上げた状態を示す斜視図である。
【図3】展示状態の一例を示す断面図である。
【図4】他の展示状態を示す斜視図である。
【図5】第1実施形態の包装箱のブランクを示す平面図である。
【図6】第2実施形態の包装箱を示す斜視図である。
【図7】表示部を立ち上げた状態を示す斜視図である。
【図8】表示部を屈曲させた状態を示す斜視図である。
【図9】第2実施形態の包装箱のブランクを示す平面図である。
【図10】包装箱の変形例のブランクを示す平面図である。
【符号の説明】
【0053】
10…底壁
11A,11B…端壁
12A,12B…側壁
13…外面部
15…第1表示部
16…破断線
17…固定部
18…立上部
21…係止片
23…可撓部
25…第2表示部
28…内面部
31,41A,41B…外面部
37,45A,45B…上面部
38,46A,46B…内面部
54…係止穴
55…第1分割線
56…屈曲線
60…切目線
63…第2分割線
64…第3分割線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁の外周縁に、外面部と内面部とを有する二重構造をなす各一対の端壁および側壁を設けた上端開口の包装箱において、
少なくとも一方の端壁は、前記外面部に連続し非展示状態で前記上端開口に沿って延びる第1表示部と、該第1表示部および前記内面部と連続し非展示状態で前記第1表示部の内面側に沿って延びる第2表示部とを備え、
前記第1表示部に、両側に位置する固定部と、これら固定部間に位置する立上部とに分割する一対の破断線を設け、
前記固定部に係止片を連設するとともに、隣接する前記側壁に係止片を挿入係止する係止穴を設け、
前記第1表示部を分割して立ち上げることにより反対側に位置する第2表示部を表示可能としたことを特徴とする包装箱。
【請求項2】
前記外面部に、一対の前記破断線の端部間にかけて延び、少なくとも一方の破断線との連続部分を非切断状態の屈曲線により構成した第1分割線を設けるとともに、
前記第2表示部と内面部との境界部分に第2分割線を設け、
分割した前記立上部および前記第2表示部を、前記屈曲線に沿って屈曲可能としたことを特徴とする請求項1に記載の包装箱。
【請求項3】
前記第1表示部と外面部との境界部分から、前記第2表示部と内面部との境界部分にかけて延びる第3分割線を設け、
前記第1分割線を、前記破断線の両方の端部から延びる屈曲線と、これら屈曲線の端部から前記第3分割線にかけて延びる切目線と、で構成したことを特徴とする請求項2に記載の包装箱。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−173330(P2009−173330A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−16411(P2008−16411)
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【出願人】(000115980)レンゴー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】