説明

包装袋及びその製造方法

【課題】 注出孔の形成された封止フィルムを備えた包装袋に関し、内容物の充填された完成状態までを極めて効率よく製造する。
【解決手段】 袋本体1の内部に、前記開口部30を再密封させるファスナ20の設けられた包装袋1Aに関し、前記袋本体1に、中央部に折り重ね可能とする折り線11の形成された封止フィルム10を貼り付ける。この際、前記折り線11を袋本体1の内方に向けて前記開口部30の近傍にその端縁部を貼り付け、前記開口部30をこの封止フィルム10により閉鎖する。そして、前記封止フィルム10に、前記折り線11で折り込まれた際に対向する面に雄型ファスナと前記雌型ファスナとを相互に係合可能なように対向させ、さらに、前記封止フィルム10に、これら雄型ファスナ及び雌型ファスナよりも前記折り線11側の範囲に、内容物が注出される注出孔12が形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再密封可能なファスナの設けられた包装袋、及びこの包装袋を製造するための包装袋の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から包装袋内部にファスナを設け、包装袋の一部分を切り離した後に形成される開口部を再密封可能に設けたファスナ付き包装袋が知られている。このファスナ付き包装袋は、内容物を少しずつ注出させて、内容物をある程度の期間をかけて使い切る場合に、ファスナで開口部を再密封し、内容物の漏れ防止にとって極めて有効な包装袋である。
【0003】
近年、かかるファスナ付き包装袋に関し、内容物を適量だけ注出させることを容易にするために、注出孔の形成された封止フィルムを包装袋の内部に別途設け、この封止フィルムで開封後の開口部を閉鎖して、内容物が注出孔から注出されるようにしたものが開発され始めている。
【0004】
例えば、特許文献1には、フィルム材からなる2枚のシートを重ねて左右両側縁、並びに開閉口端縁の三方を接着して袋体を形成し、この袋体の開閉口の内側にジッパーを設けると共に、このジッパーよりさらに内側の袋体内に2つ折りにした中蓋を設けた包装袋の発明が開示されている。この中蓋は、その2つ折り至端部と他端部の各外面を表シートと裏シートの各内面に個別に接着し、袋体内においてジッパーと中蓋との間に小容積の小出し部を形成している。この包装袋では、折り線を開口部側に向けて配設されている。
【0005】
また、特許文献2にも、再密封可能なファスナを設けると共に、注出孔の形成された封止フィルムで開口部を閉鎖するようにして設けた包装袋の発明が開示されている。この包装袋においては、前記封止フィルムの折り線が袋の内方に向けて折り込まれるようにして設けられている。
【特許文献1】特開平10−81347号公報
【特許文献2】特開2004−256120号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示の包装袋では、ファスナ(ジッパー)を取り付ける工程、封止フィルムを取り付ける工程とをそれぞれ別個に設けるか、例え一工程で行う場合でも、それぞれに対応するシール手段を別個に設ける必要があり、製造工程が繁雑となる。
【0007】
また、封止フィルムを取り付けた後に内容物を充填する構造となっているため、内容物を注出孔から充填せざるを得ず、極めて効率が悪い。
【0008】
そこで、本発明では、内容物の充填された完成状態までを、極めて効率よく製造できる包装袋及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、上記課題を解決するため、第1に、次の包装袋を採用することとした。
【0010】
すなわち、本発明は、袋本体の一部を切り離し、切り離された後の切り口が内容物を注出させる開口部として構成されると共に、前記袋本体の内部に、雄型ファスナと雌型ファスナとが係合されて、前記開口部を再密封させるファスナの設けられた包装袋であって、前記袋本体には、中央部に折り重ね可能とする折り線の形成された封止フィルムが、前記折り線を袋本体の内方に向けて前記開口部の近傍にその端縁部が貼り付けられ、前記開口部がこの封止フィルムにより閉鎖され、前記封止フィルムには、前記折り線で折り込まれた際に対向する面に前記雄型ファスナと前記雌型ファスナとが相互に係合可能なように対向されて取り付けられ、さらに、前記封止フィルムには、これら雄型ファスナ及び雌型ファスナよりも前記折り線側の範囲に、内容物が注出される注出孔が形成されている包装袋を採用する。
【0011】
また、本発明では、かかる包装袋において、前記封止フィルムの前記雄型ファスナ又は前記雌型ファスナの少なくとも一方側に、これら雄型ファスナ又は雌型ファスナから前記開口部側に張り出したシール阻害しろを形成することとした。
【0012】
さらに、本発明は、前記シール阻害しろに、その表面が、対向する他方側の封止フィルムの表面又は袋本体の内面と貼り合わされることを防止するシール防止リブを形成したことを特徴としている。
【0013】
また、他の解決手段として、前記雄型ファスナを、帯状の基部と、この基部の表面から突出し、この基部の延びる方向に沿って形成された雄型係合部とで構成し、前記雌型ファスナを、帯状の基部と、この基部の表面から突出して、この基部の延びる方向に沿って形成されて、前記雄型部材と係脱自在となされた雌型係合部とで構成し、前記各基部において、前記雄型係合部及び前記雌型係合部より包装袋の前記開口部側の前記表面に易剥離処理を施し、前記各基部における易剥離処理がなされた部分同士が互いに密着された後に、50〜500gの力で相互に引き離すことで剥離されるように包装袋を構成した。
【0014】
さらに、上記の包装袋について本発明では、前記袋本体に前記封止フィルムの端縁よりも外側に張り出した部分を形成し、この外側に張り出した部分同士のみが相互にシールされて前記開口部を密閉する密閉シール部として構成し、前記密閉シール部が前記封止フィルムの前記端縁に沿って前記袋本体から切除されて、切除後の切り口が前記開口部として構成した。
【0015】
また、第2に本発明では上記課題を解決するために、次の製造方法を採用している。
【0016】
まず、袋本体の内部にて雄型ファスナと雌型ファスナとが係合されて、前記袋本体の開口部を再密封させるファスナの設けられた包装袋の製造方法であって、中央部に折り線の形成された封止フィルムをこの折り線で折り込んで、前記ファスナの取付位置より前記袋本体の内方側に位置せしめて、前記折り線を前記開口部側又は前記袋本体の内方に向けた状態で、この封止フィルムを、前記袋本体を構成するいずれかのフィルム材の内面にシールすると共に、前記封止フィルムと、シールされたフィルム材とは別の前記袋本体を構成するフィルム材との間に内容物充填口が形成されるようにして前記袋本体の内部に取り付ける封止フィルム取付工程と、前記開放部から前記内容物充填口を通して内容物を前記袋本体に充填する内容物充填工程と、その後、前記内容物充填口を形成している前記封止フィルムと袋本体のフィルム材の内面とをシールして、この封止フィルムで前記開口部を閉鎖すると共に、袋本体の開口部自体をシールして密閉する密閉工程とを備え、さらに、前記封止フィルムには、内容物が注出される注出孔が形成されたものを使用する包装袋の製造方法を採用した。
【0017】
次に、本発明では、袋本体の内部にて、雄型ファスナと雌型ファスナとが係合されて、前記袋本体の開口部を再密封させるファスナの設けられた包装袋の製造方法であって、中央部に折り線の形成された封止フィルムを、折り込んだ状態で前記折り線を前記袋本体の内方に向けて、前記袋本体の前記開口部の近傍にて、前記袋本体の一面側に寄せて、この封止フィルムと袋本体の他面側との間に内容物充填口を形成せしめてシールする、封止フィルム取付工程と、前記開放部から前記内容物充填口を通して内容物を前記袋本体に充填する内容物充填工程と、その後、前記封止フィルムと前記袋本体の他面とをシールして、この封止フィルムで前記開放部を閉鎖すると共に、袋本体の前記一辺の縁部をシールして、前記開放部を密閉する密閉工程とを備え、さらに、前記封止フィルムとして、前記折り線で折り込まれた際に対向する面に前記雄型ファスナと前記雌型ファスナとが相互に係合可能なように対向されて取り付けられ、前記封止フィルムには、これら雄型ファスナ及び雌型ファスナよりも前記折り線側の範囲に、内容物が注出される注出孔が形成されたものを使用する包装袋の製造方法を採用する。
【0018】
本発明では、この製造方法において、前記封止フィルムには、前記雄型ファスナ又は前記雌型ファスナの少なくとも一方側には、これら雄型ファスナ又は雌型ファスナから端部を張り出したシール阻害しろが形成され、前記密閉工程では、前記シール阻害しろ及び前記袋本体をシール手段で一度に挟み込み、前記シール阻害しろが前記シート材の対向する側の面、又は対向する側の前記袋本体の内面とシールされることをこのシール阻害しろ自体で阻止させて前記開放部を密閉するようにしている。
【0019】
さらに、本発明では、この製造方法において、前記シール阻害しろの表面に、対向する他方側の封止フィルムの表面又は袋本体の内面と貼り合わされることを防止するシール防止リブを形成し、前記密閉工程では、このシール防止リブを同時に挟み込み、このシール防止リブで、前記シール阻害しろと、対向する他方側の封止フィルムの表面又は袋本体の内面とが密着されることを防止しつつ前記開放部が密閉されることを特徴としている。
【0020】
また、本発明では、他の方法として、前記雄型ファスナとして、帯状の基部と、この基部の表面から突出し、この基部の延びる方向に沿って形成された雄型係合部とから構成されたものを使用すると共に、前記雌型ファスナとして、帯状の基部と、この基部の表面から突出して、この基部の延びる方向に沿って形成されて、前記雄型部材と係脱自在となされた雌型係合部とから構成されたものを使用し、しかも、前記各基部に、前記雄型係合部及び前記雌型係合部より包装袋の前記開口部側について、前記表面に易剥離処理を施して、前記各基部における易剥離処理がなされた部分同士が互いに密着された後に、50〜500gの力で相互に引き離されるように構成し、前記密閉工程では、易剥離処理がなされた部分にて前記袋本体、前記封止フィルム及び前記基部をシール手段で一度に挟み込み、前記基部の易剥離処理がなされた部分同士を密着させて前記開口部を密閉する包装袋の製造方法を採用している。
【0021】
さらに、本発明ではこの製造方法において、前記袋本体に、前記封止フィルムの端縁よりも外側に張り出した部分を形成し、前記密閉工程では、前記張り出した部分同士をシールすることを特徴としている。
【発明の効果】
【0022】
本発明にかかる包装袋によれば、まず、袋本体の内部に封止フィルムを設けることで、内容物を適量ずつ注出させることが可能となる。次に、包装袋の上部をヒートシールして密閉する際に、シール阻害しろ及びシール防止リブを設けることにより、包装袋の周縁のみを貼り合わせ、その内側の領域が貼り合わされることを効果的に防止できる。これにより、開封後に、包装袋の上部を確実に開口部として機能させることができる。
【0023】
また、別の解決手段における包装袋によれば、易剥離処理を施すことで、密着された部分を剥離させて包装袋に開口部を容易に形成できる。この場合において、封止フィルムの外側につき、密閉シール部を設けることで、高い密閉性を得ることができる。
【0024】
また、本発明の包装袋の製造方法によれば、内容物を充填する際に、封止フィルムを包装袋の厚み方向における中央又は片側に寄せて内容物充填口を形成するため、内容物を極めて効率よく充填することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態にかかる包装袋1Aの斜視図である。
【0027】
この包装袋1Aは、自立型のスタンディングパウチである。この包装袋1Aは、袋本体1と、袋本体1の内部に設けられた封止フィルム10とから構成されている。袋本体1は、フィルム材をシールして構成されており、対向する一対の平面部2と、袋本体1の底部を閉鎖する底面部3とを備えている。各平面部2は矩形状のフィルム材から構成されており、向かい合う互いの側縁同士がヒートシールされて形成されている。側縁同士がヒートシールされた部位が側縁シール部4である。ヒートシールされた一対の平面部2の軸方向の両端は開放され、完成された包装袋1Aの底部となる一端側に、底面部3がシールされる。この底面部3もフィルム材からなり、袋本体1の底部を密閉するように、その周縁が各平面部2の内面とヒートシールされている。底面部3と平面部2とがヒートシールされた部位が底部シール部5である。そして、底部が楕円状に形成され当該包装袋1Aを自立せしめている。
【0028】
一方、軸方向の他端側は、袋本体1の上部を構成する。完成された袋本体1の上端は、対向する平面部2がその上端に沿って互いにヒートシールされて、密閉される。この上端のシール部は、上端シール部6である。また、この袋本体1の上部には、上端よりやや下側の位置で、袋本体1の幅方向に切り裂いて、袋本体1から上端部分を切り離すことができるように、切り込みノッチ7が形成されている。切り裂いた後の切り口の部分は、内容物を注出させるための開口部30となる。そして、当該袋本体1の内部には、この開口部30より内方側に、開口部30を閉鎖する封止フィルム10が設けられている。この封止フィルム10は、後に詳細を説明するように内容物の注出手段として機能する。
【0029】
図2は、袋本体1に設けられる封止フィルム10の詳細を示す斜視図である。
【0030】
この封止フィルム10は、矩形状に形成されていて、その中央の領域に折り線11が形成されている。封止フィルム10はこの折り線11で折り曲げられて、重ね合わせ可能に構成されている。但し、折り線11を境に対称の大きさにではなく、重ね合わされた際に、この図2において、奥側の端縁が手前側の端縁からはみ出すように折り線11の位置が決定されている。この図2の例では、手前は折り線11から端縁までの距離がL1で、奥側は折り線11から端縁までの距離がL2となり、奥側が手前側よりL3だけ長く形成されている。
【0031】
また、折り線11の近傍には、折り線11を境としてその両側に折り線11に沿って、複数の注出孔12がそれぞれ形成されている。これらの注出孔12は、図1に示すように包装袋1Aに取り付けられた際に、内容物を注出させる役割を果たす。
【0032】
そして、封止フィルム10には、封止フィルム10の互いに向かい合う側の面にファスナ20が取り付けられている。この図2に示す例では、図2の手前側の端部に、端縁に沿って雌型ファスナ22が取り付けられている。一方、図2の奥側の端部には雄型ファスナ21が取り付けられている。この雄型ファスナ21は、逆側の端部に取り付けられた雌型ファスナ22と係合可能となるように、折り線11からL1の距離の位置に取り付けられている。
【0033】
奥側の端部において、雄型ファスナ21より端縁側の領域は、シール阻害しろ13である。このシール阻害しろ13には、雄型ファスナ21の取り付けられた面と同じ側の面に、雌型ファスナ22と平行をなすシール防止リブ14が形成されている。このシール阻害しろ13は、当該封止フィルム10を包装袋1Aの内部に取り付ける際に、この封止フィルム10の、図2における奥側の部分が袋本体1の内面との間に隙間を形成させて、両者がシールされてしまうことを防止している。
【0034】
図3及び図4は、袋本体1の上部にこの封止フィルム10が取り付けられた状態を示すものである。
【0035】
この封止フィルム10は、折り線11が袋本体1の内方に向けられるようにして折り重ねられてその端部が袋本体1の平面部2の内面にヒートシールされる。具体的には、封止フィルム10における折り線11を境とする短く形成された側は、その外面が端縁に沿って一方の平面部2の内面にヒートシールされる。これに対し、折り線11を境に端縁までの距離が長く形成されてシール阻害しろ13の形成された側は、その外面がシール阻害しろ13の位置で他方の平面部2の内面にヒートシールされている。なお、ファスナ20は、袋本体1の側縁に形成された切り込みノッチ7よりも、袋本体1の内方側に位置される。
【0036】
また、袋本体1の両側縁では、図4に示すように、封止フィルム10の縁部及び平面部2の側縁とがすべて重ね合わされた状態でヒートシールされている。ただし、これら側部の間に位置される封止フィルム10のシール阻害しろ13の部位は、シール防止リブ14の形成された表面が、これと対向する平面部2の内面とシールされることなく、分離している。これは、封止フィルム10の表面と、これに対向する平面部2の内面とは、いずれもヒートシール層としては機能せず、これらを貼り合わせても、融着されないことによる。加えて、シール阻害しろ13にはシール防止リブ14が形成されているため、このシール防止リブ14がシール阻害しろ13と、これと対向する平面部2との間に隙間が形成され、両者が融着されることを効果的に阻止している。
【0037】
袋本体1の上部が以上のように構成されることで、図1に示したように当該切り込みノッチ7で袋本体1の上部を切り離した場合でも、封止フィルム10を重ねあわせて、雄型ファスナ21と雌型ファスナ22とを係合させることで、開口部30を再密封することが可能となる。
【0038】
なお、この例では、雄型ファスナ21の取り付けられた側の端部にのみシール阻害しろ13を設けているが、これには限定されず、雄型ファスナ21側及び雌型ファスナ22側の双方にシール阻害しろ13を設けても良い。但し、この場合には、いずれか一方のシール阻害しろ13にシール防止リブ14を形成させれば十分である。
【0039】
この袋本体1を構成するフィルム材としては、積層フィルムを使用すると良い。この場合の層構成としては、外層を延伸ポリプロピレン(OPP)層、ポリエチレンテレフタレート(PET)層、蒸着延伸ポリプロピレン(VMOPP)層、又は延伸ナイロン(ON)層のいずれかとして、内層を未延伸ポリプロピレン(CPP)層又は、未延伸ポリエチレン(PE)層のいずれかを採用する。また、外層をポリエチレンテレフタレート(PET)層、中間層をアルミニウム(Al)層、そして内層を未延伸ポリプロピレン(CPP)層とする三層フィルムとすることもできる。
【0040】
これらの場合に封止フィルム10として採用するフィルム材は、袋本体1の内層と同一材であるCPP又はPEとすることが好ましい。
【0041】
また、他の組み合わせとして、外層を延伸ポリプロピレン(OPP)層、ポリエチレンテレフタレート(PET)層、蒸着延伸ポリプロピレン(VMOPP)層、又は延伸ナイロン(ON)層のいずれかとして、内層をヒートシール層であって、外層と一体化して設けた層としても構わない。このようにフィルム層を構成してもフィルム材の内層となるヒートシール層は、多層フィルムが袋本体1の周縁部のシール部や封止フィルム10のシール部のシール性を向上させる。
【0042】
この場合、内層を構成するヒートシール層は、外層が延伸ポリプロピレン(OPP)層又は蒸着延伸ポリプロピレン(VMOPP)層のときは、低温シール性を保持できる非結晶性のポリプロピレン層である。一方、外層がポリエチレンテレフタレート(PET)層のときも、同様に低温シール性を保持できる非結晶性のポリエチレンテレフタレート(PET)層である。これにより、いずれのヒートシール層についても、外層と一体化する。これら非結晶性の層は、延伸フィルムの加工時に多層化の方法により外層と一体化して設けられる。このとき、封止フィルム10は、同種部材のCPP又はヒートシール可能なPETとすることが好ましい。
【0043】
さらに別の組み合わせとして、外層を延伸ポリプロピレン(OPP)層、ポリエチレンテレフタレート(PET)層、又は蒸着延伸ポリプロピレン(VMOPP)層のいずれかとして、内層を所定の箇所に部分的に設けられたヒートシール層とすることができる。外層の所定の部分に内層としてのヒートシール層を設けることにより、ヒートシール層が設けられた部分のヒートシール性を向上させることができる。なお、外層の所定の箇所としては、ヒートシールされる部分、例えば、袋本体1の周縁のシール部や、封止フィルム10のシール部に部分的に設けることができる。
【0044】
このとき設けられるヒートシール層は、ヒートシール可能な非結晶性のポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、又はエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等を外層の所定部分に塗布してパートコートとすることができる。
【0045】
このように、内層として設けられるヒートシール層は、所定の箇所に設けられるが、全体に設けることもできる。基本的に外層にヒートシール層が形成された単層のような構造を形成する。このため、必要に応じて、外層の外側に、さらに別の層を設け、この外側にヒートシール層としても良い。この場合、封止フィルム10は同種部材であり、ヒートシール可能なPETやCPPが適宜選択される。
【0046】
このように構成される包装袋1Aに関し、封止フィルム10に形成させる注出孔12の態様は、以上に説明したものには限定されない。図5〜図7は、いくつかの例を示すものである。
【0047】
図5に示す封止フィルム10Aは、折り線11上の一定間隔毎に複数の注出孔12を整列させて形成した例を示すものである。図6は、雄型ファスナ21と雌型ファスナ22との間の領域のほぼ全域に複数の注出孔12を形成した封止フィルム10Bを示している。また、図7は、折り線11の形成された封止フィルム10Cのほぼ中央に、複数の注出孔12が円の内部を占めるように集中して形成された態様を示すものである。
【0048】
このように、注出孔12は、封止フィルム10における雄型ファスナ21と雌型ファスナ22との間における折り線11側の領域に形成させるのであれば、その態様に制限はなく、内容物の種類に応じて様々な態様で形成させることができる。
【0049】
かかる包装袋1Aは、以下の手順で内容物が充填されて、内容物の充填された包装袋1Aが完成される。
【0050】
まず、図8に示すように、袋本体1の一方の平面部2に、封止フィルム10を折り線11で折り込んだ状態で、その一方の端部の外面がヒートシールされた状態を形成する。この例では、雌型ファスナ22に対応する外面を、平面部2の内面にヒートシールしている。この際、ファスナ20の取り付けられた端部を、袋本体1の上端として構成される開放部側へ向け、折り線11を包装袋1Aの内方へ向ける。また、ファスナ20を係合させて、当該封止フィルム10をヒートシールさせる平面フィルム側へ寄せておく、これにより、未シール側の平面部2と、この封止フィルム10との間に空間を形成させる。この空間が、内容物を充填させるための内容物充填口35となる。
【0051】
なお、この図8に示す状態では、包装袋1Aの両側縁は、対向する平面部2及び平面部2の間に介在されている封止フィルム10がヒートシールされている。このため、包装袋1Aの高さ方向における前記封止フィルム10の配された領域では、包装袋1Aの両側部が完全に密閉されている。
【0052】
次いで、包装袋1Aの上端となる開放部から包装袋1Aの内部に内容物を充填する。内容物は、封止フィルム10と、この封止フィルム10がヒートシールされた平面部2と対向する平面部2との間に形成された上記内容物充填口35から充填される。
【0053】
内容物が充填された後、図9に示すように、封止フィルム10における雄型ファスナ21の取り付けられた側の端部(シール阻害しろ13に相当する部分)の外面が、他方の平面部2にヒートシールされると共に、包装袋1Aの上端に形成されている開放部が密閉される。この例では、包装袋1Aの上部をシールバー40で一度に挟み込んでヒートシールしている。これにより、封止フィルム10における雄型ファスナ21の取り付けられた側の外面は、シール阻害しろ13の部分にて、他方の平面部2の内面にヒートシールされる。また、開放部の密閉は、対向する平面部2の上端が貼り合わされることで密閉される。
【0054】
この工程では、一対の平面部2と内部に設けられた封止フィルム10とが、シールバー40により一度に挟み込まれてシールされるにもかかわらず、シール阻害しろ13におけるシール防止リブ14の形成された面がこれと対向する平面部2と貼り合わされることはない。上述したように、シール阻害しろ13の表面、及び平面部2の内面とは、両者の関係の下では、互いにヒートシール層としては作用しないことによる。加えて、シール防止リブ14が、このシール阻害しろ13と平面部2との間に隙間を形成するため、両者が貼り合わされてしまうことを効果的に防止している。
【0055】
以上の工程を経て、包装袋1Aは完成される。
【0056】
完成された包装袋1Aから内容物を注出させるには、包装袋1Aの側縁に形成された切り込みノッチ7から包装袋1Aの上部を切り裂いて包装袋1Aの上端を切り離す(図1に示した状態)。包装袋1Aの上端を切り離した後、係合しているファスナ20を離間させ、切り離された切り口を注出用の開口部30として機能させる。
【0057】
図10は、包装袋1Aの上端を切り離し、さらに係合していたファスナ20を離間させて開口した状態を示すものである。上述のように、封止フィルム10は雌型ファスナ22の取り付けられた側は、雌型ファスナ22の取り付けられた位置において、その外面が平面部2の内面にシールされている。一方、雄型ファスナ21の取り付けられた側は、雄型ファスナ21より上側に延びるシール阻害しろ13の上部、すなわち、シール防止リブ14の設けられた辺たりの外面が平面部2の内面にシールされている。
【0058】
このため、ファスナ20の係合が解除されると、雌型ファスナ22は、この図10に示すように、封止フィルム10を介して内面に貼り付けられた状態が維持される。一方、雄型ファスナ21は、封止フィルム10が開かれることに伴い、上側に向けられる。
【0059】
なお、このように、雄型ファスナ21の取り付けられた側は、シール阻害しろ13の上部が平面部2の内面にシールされていることにより開口させたときに開口面積を大きく取ることができる。
【0060】
実際に内容物を注出させる際には、図11に示すように、包装袋1Aを傾けて、包装袋1Aの開口部30がやや下側に向ける。そうすると、封止フィルム10に形成された注出孔12から内容物が適量ずつ注出される。このように、当該包装袋1Aは、内容物を一度に使い切らず、少量ずつ使用する場合に最適である。そして、内容物を所望の量だけ注出させた後は、ファスナ20を係合させることで、気密性を確保しつつ、内容物を包装袋1Aの中で保存させておくことができる。
【0061】
以上、スタンディングパウチを例に本発明の実施の形態を説明したが、これに限定されるものではく、底面が平坦に形成されたガゼットタイプのフラットボトム包装袋や、片面に開口部が形成されるファスナバッグに適用することもできる。
【0062】
図12に示す包装袋1Bはガゼットタイプのフラットボトム包装袋であり、一対の平面部50と、これら平面部50の間に介在され、平面部の側縁同士を接続している側面部51と、包装袋の底部を構成する底面部52とから構成されている。この包装袋1Bについても、切り込みノッチ53の位置で上端が切り離なされ、切り離された後の開口部(不図示)を封止するように設けられた封止フィルム10が設けられている。この封止フィルム10の構成自体は、図2に示すものと同様であり、内面側には、開口部を再密封するためのファスナ20が取り付けられ、折り線11の近傍には複数の注出孔12が折り線11に沿うようにして形成されている。
【0063】
この封止フィルム10についても、折り線11が包装袋1Bの内方に向けられる。そして、側縁55にあっては、上端54から封止フィルム10の折り線11までの範囲においては、平面部50と封止フィルム10がすべて一体にヒートシールされている。
【0064】
なお、フラットボトム包装袋のついては、図13及び図14に示すように包装袋を形成しても構わない。
【0065】
この包装袋1Cは、図13及び図14に示すように、封止フィルム56に形成された折り線58を開口部59側に向けて取り付けたものである。なお、袋本体部自体の構造は、図12に示した包装袋1Cと同様であるので、ここでは同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0066】
この封止フィルム56は、その中央に形成された折り線58が包装袋1Cの上部に設けられた開口部59側の向けられており、その周縁が平面部50及び側面部51の内面にシールされて設けられている。また、封止フィルム56には、折り線58を境としてその両側に注出孔57が、2列となるようにして形成されている。
【0067】
この包装袋では、図14に示すようにして内容物が充填される。
【0068】
まず、封止フィルム56が、包装袋1Cの厚み方向の中心に寄せられて折り畳まれる。この際、封止フィルム56の両側縁が側面部51にシールされる。この状態が形成されることにより、この包装袋1Cでは封止フィルム56と前後双方の平面部50との間がそれぞれ充填口60として形成される。
【0069】
次いで、封止フィルム56の端縁がそれぞれ平面部50の内面にシールされて、図13に示すように、封止フィルム56が包装袋1Cの内部にて、開口部59の下側の位置を封止する。
【0070】
一方、図15は、片面に開口部が形成されるファスナバッグ1Dを示している。このファスナバッグ1Dは、矩形状に裁断したフィルム材を側縁同士が背面側で突き合わされるように折り曲げ、側縁同士をヒートシールして背シール部63を有する筒状体を形成し、この筒状体の上端および下端をヒートシールして上端ヒートシール部および下端ヒートシール部を形成することにより作られる。
【0071】
このファスナバッグ1Dでは、内部に設けられる封止フィルム70は、両端が同一側の面である背面部62に取り付けられる。この際、封止フィルム70は、その一端の裏面が、背シール部63を挟む一方側62aにシールされ、他端の正面が、背シール部63を間に挟んで他方側62bにシールされる。そして、封止フィルム70の中央部分に形成された折り線71がファスナバッグ1Dの内方側に向けられる。
【0072】
また、封止フィルム70の一方側には、雄型ファスナ21がその係合部21aを正面部61側に向けて取り付けられる。これに対し、雌型ファスナ22は、封止フィルム70における雄型ファスナ21と対向する部分にシールされる。これにより、雄型ファスナ21と雌型ファスナ22とを相互に係脱可能な部分に位置させている。
【0073】
さらに、このファスナバッグ1Dの背シール部63には、フィルム材の表面側に細幅の開封用粗面部80が設けられている。各開封用粗面部80は、背シール部63とファスナバッグ1Dの背面部62折り曲げ線に対応した部位に形成されている。開封用粗面部80は、フィルム材にサンドペーパーを押し付けることでフィルム材に貫通しない傷を形成させる。開封用粗面部80は、ファスナバッグ1Dの引き裂き容易手段として作用する。
【0074】
このファスナバッグ1Dを開封するには、ファスナバッグ1Dに設けられた背シール部63の端部を指で挟持し、背シール部63をファスナバッグ1Dの面から離れる方向に引き上げ、背シール部63を折り曲げ線に沿って開封用粗面部80により切断することで行う。切断後、この部分が内容物を注出させるための開口部となる。
【0075】
以上のように、ガゼットタイプのフラットボトム包装袋やファスナバッグに本発明を適用しても、内容物を適量ずつ注出させることが可能である。
【0076】
次に、封止フィルムの対向する面にいわゆる易剥離処理を施した実施形態について説明する。
【0077】
図16は、易剥離処理を施した封止フィルム101の一実施形態を示すものである。封止フィルム101は、その中央の折り線102で折り曲げられて、二つ折りの状態とされている。折り線102の近傍には複数の注出孔103が表裏を貫通して形成されている。
【0078】
また、封止フィルム101の両端の内面には、その一方に雄型ファスナ111が取り付けられ、他方に雌型ファスナ115が取り付けられている。この雄型ファスナ111封止フィルム101に貼り付けられる帯状の基部112と、基部112の表面から突出する雄型突起部114とから構成されている。同様に雌型ファスナ115も帯状の基部116とその表面から突出する雌型突起部118とから構成されている。
【0079】
これら雄型ファスナ111及び雌型ファスナ115のそれぞれの基部112,116は、その幅方向(図16の上下方向)において、それぞれの基部112,116から封止フィルム101の端縁側に大きく張り出すようにして形成されている。そして、この張り出した部分113,117の表面に、両者が突き合わされた際に完全には接着されず、容易に剥離させることが可能な易剥離処理がなされている。
【0080】
この易剥離処理は、二つの部材を完全に接着させることなく、一定の力で引き離せば両者が容易に剥離する処理である。なお、易剥離処理の手法は、特に限定があるものではなく、一般に採用されている易剥離処理を施せばよいが、この包装袋においては、基部の表面にポリプロピレンを塗布する手法を採用すると良い。このような易剥離処理を施せば、50〜500gの力で引き離すことで、張り出した部分113,117同士は剥離される。
【0081】
この実施形態にかかる包装袋は、このような封止フィルム101を使用して、図17に示すようにして製袋される。
【0082】
まず、図17(a)に示すように、ファスナ110を係合させ封止フィルム101を二つ折りにした状態で袋本体を構成する一方の平面部120にシールする。この例では、雄型ファスナ111の取り付けられた側の端縁について、その外面を平面部120の内面に接着させている。この際、封止フィルム101の端縁と平面部120の上縁とをほぼ一致させて接着させる。
【0083】
次いで、二つ折りにされた封止フィルム101と、封止フィルム101の接着されていない他方の平面部120との間に形成された内容物充填口130から内容物を充填する。
【0084】
次に、図17(b)に示すように、包装袋の上縁を密封する。この場合、対向する平面部120と、これらの間に配置された封止フィルム101をシールバーで一度に挟み込むことで貼り合わせる。このシール工程により、雌型ファスナ115の取り付けられた側の外面がこれと対向する平面部120の内面とシールされて、包装袋の開口部は、封止フィルム101により閉鎖される。なお、基部112,116における張り出した部分113,117には、上述のように易剥離処理がなされているため、基部同士112,113は、互いに密着されているが、完全に接着されることがない。
【0085】
以上のようにして密封された包装袋の上部は、図17(c)に示す態様で開口される。すなわち、包装袋の上部について、平面部120を矢印の方向に引き離し、密着された基部112,116の張り出した部分113,117を剥離させる。剥離させるのに必要な力は、使用される易剥離処理の種類にもよるが、50〜500gである。なお、当該包装袋は、封止フィルム101対向する内面にファスナ110が取り付けられているので、密着された部分が剥離された後も、このファスナ110を係合させて、自在に再密封させることができる。
【0086】
図18は、易剥離処理を施した別の実施形態にかかる包装袋を示している。この包装袋に用いられている封止フィルム101は、図16に示す封止フィルム101と同様の構造である。
【0087】
この包装袋では、図18(a)に示すように、袋本体の上縁よりやや下側にずらされて、平面部120の上縁と封止フィルム101の端縁との間に距離Lだけ空けられた位置にシールされる。
【0088】
この場合においても、封止フィルム101は、中央の折り線102で折り曲げられると共に、ファスナ110が係合されて二つ折りの状態で一方の平面部120に寄せられてシールされる。この図18に示す例では、雄型ファスナ111の取り付けられた側の外面が、一方の平面部120の内面にシールされている。
【0089】
シールされた後、封止フィルム101と、未シール側、すなわち、雌型ファスナ115の取付られた側と対向する平面部120との間に形成された内容物充填口130から内容物が充填される。
【0090】
次いで、図18(b)に示すように、包装袋の上部が密封される。この場合においても、対向する平面部120と、これらの間に配置された封止フィルム101をシールバーで一度に挟み込むことで貼り合わせる。そして、雌型ファスナ115の取り付けられた側の外面がこれと対向する平面部120の内面とシールされて、包装袋の開口部は、封止フィルム101により閉鎖される。
【0091】
この包装袋においては、封止フィルム101の端縁より張り出した、各平面部120の上端の一定幅の部分121が突き合わされて完全にシールされる。この部分121は、包装袋を完全に密閉する密閉シール部121aとなる。一方、封止フィルム101の端縁同士は、ファスナ110の基部112,116に施された易剥離処理の影響を受け、相互に密着されるが、完全にはシールされない易剥離の状態となる。
【0092】
このようにして密封された開口部は、図18(c)に示すように、封止フィルム101の端縁から張り出す密閉シール部121aが、袋本体から切除されることで開口される。この包装袋は、封止フィルム101の端縁を境に、その上側では一対の平面部120のみが貼り合わされている一方で、下側の封止フィルム101側では一対の平面部120、一対の封止フィルム101及び一対のファスナ110の基部112,116が互いに重ね合わされた状態となっている。このように、封止フィルム101の端縁の部分で厚みが急激に変化しているので、封止フィルム101の端縁の部分が切除用ガイドとして機能し、密閉シール部121aを袋本体から手で引き離すだけで容易に切除させることができる。
【0093】
このように、密閉シール部121aを切除した後、包装袋の上部について、平面部120を矢印の方向に引き離し、密着された封止フィルム101の内面同士を剥離させる。この包装袋についても、50〜500gの力で剥離させることができる。また、封止フィルム101対向する内面にファスナ110が取り付けられているので、密着された部分が剥離された後も、このファスナ110を係合させて、自在に再密封させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の一実施形態にかかる包装袋の斜視図。
【図2】本発明の包装袋に適用される封止フィルムの斜視図。
【図3】袋本体の上部に封止フィルムを取り付けた状態の内部構造を示す包装袋の縦断面図。
【図4】袋本体の上部に封止フィルムを取り付けた状態の包装袋の斜視図。
【図5】別形態にかかる封止フィルムの平面図。
【図6】別形態にかかる封止フィルムの平面図。
【図7】別形態にかかる封止フィルムの平面図。
【図8】平面部の一方側に封止フィルムを寄せて取り付けた状態を示す包装袋の縦断図。
【図9】シールバーで包装袋の上端を密閉する工程を示す図。
【図10】封止フィルムで開口部を閉鎖した後に、開口部を開口させた状態を示す包装袋の縦断面図。
【図11】内容物を注出する態様を示す図。
【図12】ガゼットタイプのフラットボトム包装袋に、本発明を適用した一実施形態にかかる包装袋の斜視図。
【図13】図12に示すフラットボトム袋とは別の実施形態にかかる包装袋の斜視図。
【図14】図13に示す包装袋を上側から見た、内容物充填口の形成状態を示す図。
【図15】ファスナバッグに本発明を適用した包装袋の縦断面図。
【図16】易剥離処理の施された包装袋に使用する封止フィルの一実施形態を示す図。
【図17】図16に示す封止フィルムを使用して包装袋を製造する工程を示す図。
【図18】易剥離処理の施された別の実施形態にかかる包装袋の製造工程を示す図。
【符号の説明】
【0095】
1A・・・・・包装袋(スタンディングパウチ)
1B・・・・・包装袋(ガゼットタイプのフラットボトム包装袋)
1C・・・・・包装袋(ファスナバッグ)
1・・・・・・袋本体
2・・・・・・平面部
3・・・・・・底面部
10・・・・・封止フィルム
10A・・・・封止フィルム
10B・・・・封止フィルム
10C・・・・封止フィルム
11・・・・・折り線部
12・・・・・注出孔
13・・・・・シール阻害しろ
14・・・・・シール防止リブ
20・・・・・ファスナ
21・・・・・雄型ファスナ
22・・・・・雌型ファスナ
30・・・・・開口部
35・・・・・内容物充填口
50・・・・・平面部
51・・・・・側面部
52・・・・・底面部
56・・・・・封止フィルム
57・・・・・注出孔
61・・・・・前面部
62・・・・・背面部
63・・・・・背シール部
70・・・・・封止フィルム
71・・・・・折り線部
72・・・・・注出孔
101・・・・封止フィルム
103・・・・注出孔
111・・・・雄型ファスナ
112・・・・基部
114・・・・雄型突起部
115・・・・雌型ファスナ
116・・・・基部
118・・・・雌型突起部
120・・・・平面部
121a・・・密閉シール部
130・・・・内容部充填口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋本体の内部にて雄型ファスナと雌型ファスナとが係合されて、前記袋本体の開口部を再密封させるファスナの設けられた包装袋であって、
前記袋本体には、中央部に折り重ね可能とする折り線の形成された封止フィルムが、前記折り線を袋本体の内方に向けて前記開口部の近傍にその端縁部が貼り付けられ、
前記開口部がこの封止フィルムにより閉鎖され、
前記封止フィルムには、前記折り線で折り込まれた際に対向する面に前記雄型ファスナと前記雌型ファスナとが相互に係合可能なように対向されて取り付けられ、
さらに、前記封止フィルムには、これら雄型ファスナ及び雌型ファスナよりも前記折り線側の範囲に、内容物が注出される注出孔が形成されていることを特徴とする包装袋。
【請求項2】
前記封止フィルムの前記雄型ファスナ又は前記雌型ファスナの少なくとも一方側には、これら雄型ファスナ又は雌型ファスナから前記開口部側に張り出したシール阻害しろが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
【請求項3】
前記シール阻害しろには、その表面が、対向する他方側の封止フィルムの表面又は袋本体の内面と貼り合わされることを防止するシール防止リブが形成されていることを特徴とする請求項2に記載の包装袋。
【請求項4】
前記雄型ファスナは、帯状の基部と、この基部の表面から突出し、この基部の延びる方向に沿って形成された雄型係合部とから構成され、前記雌型ファスナは、帯状の基部と、この基部の表面から突出して、この基部の延びる方向に沿って形成されて、前記雄型部材と係脱自在となされた雌型係合部とから構成され、
前記各基部は、前記雄型係合部及び前記雌型係合部より包装袋の前記開口部側について、その前記表面に易剥離処理がなされ、
前記各基部における易剥離処理がなされた部分同士が互いに密着された後に、50〜500gの力で相互に引き離すことで剥離されることを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
【請求項5】
前記袋本体は、前記封止フィルムの端縁よりも外側に張り出した部分が形成され、
この外側に張り出した部分同士のみが相互にシールされて前記開口部を密閉する密閉シール部として構成され、
前記密閉シール部が前記封止フィルムの前記端縁に沿って前記袋本体から切除されて、切除後の切り口が前記開口部として構成されることを特徴とする請求項4に記載の包装袋。
【請求項6】
フィルム材が相互にシールされてなる袋本体の内部にて、雄型ファスナと雌型ファスナとが係合されて、前記袋本体の開口部を再密封させるファスナの設けられた包装袋の製造方法であって、
中央部に折り線の形成された封止フィルムをこの折り線で折り込んで、前記ファスナの取付位置より前記袋本体の内方側に位置せしめて、前記折り線を前記開口部側又は前記袋本体の内方側に向けた状態で、この封止フィルムを、前記袋本体を構成するいずれかのフィルム材の内面にシールすると共に、前記封止フィルムと、シールされたフィルム材とは別の前記袋本体を構成するフィルム材との間に内容物充填口が形成されるようにして前記袋本体の内部に取り付ける封止フィルム取付工程と、
前記開放部から前記内容物充填口を通して内容物を前記袋本体に充填する内容物充填工程と、
その後、前記内容物充填口を形成している前記封止フィルムと袋本体のフィルム材の内面とをシールして、この封止フィルムで前記開口部を閉鎖すると共に、袋本体の開口部自体をシールして密閉する密閉工程とを備え、
さらに、前記封止フィルムには、内容物が注出される注出孔が形成されたものを使用することを特徴とする包装袋の製造方法。
【請求項7】
袋本体の内部にて、雄型ファスナと雌型ファスナとが係合されて、前記袋本体の開口部を再密封させるファスナの設けられた包装袋の製造方法であって、
中央部に折り線の形成された封止フィルムを、折り込んだ状態で前記折り線を前記袋本体の内方に向けて、前記袋本体の前記開口部の近傍にて、前記袋本体の一面側に寄せて、この封止フィルムと袋本体の他面側との間に内容物充填口を形成せしめてシールする、封止フィルム取付工程と、
前記開放部から前記内容物充填口を通して内容物を前記袋本体に充填する内容物充填工程と、
その後、前記封止フィルムと前記袋本体の他面とをシールして、この封止フィルムで前記開放部を閉鎖すると共に、袋本体の前記一辺の縁部をシールして、前記開放部を密閉する密閉工程とを備え、
さらに、前記封止フィルムとして、前記折り線で折り込まれた際に対向する面に前記雄型ファスナと前記雌型ファスナとが相互に係合可能なように対向されて取り付けられ、前記封止フィルムには、これら雄型ファスナ及び雌型ファスナよりも前記折り線側の範囲に、内容物が注出される注出孔が形成されたものを使用することを特徴とする包装袋の製造方法。
【請求項8】
前記封止フィルムには、前記雄型ファスナ又は前記雌型ファスナの少なくとも一方側には、これら雄型ファスナ又は雌型ファスナから端部を張り出したシール阻害しろが形成され、
前記密閉工程では、前記シール阻害しろ及び前記袋本体をシール手段で一度に挟み込み、前記シール阻害しろが前記シート材の対向する側の面、又は対向する側の前記袋本体の内面とシールされることをこのシール阻害しろ自体で阻止させて前記開放部を密閉することを特徴とする請求項7に記載の包装袋の製造方法。
【請求項9】
前記シール阻害しろの表面に、対向する他方側の封止フィルムの表面又は袋本体の内面と貼り合わされることを防止するシール防止リブを形成し、
前記密閉工程では、このシール防止リブを同時に挟み込み、このシール防止リブで、前記シール阻害しろと、対向する他方側の封止フィルムの表面又は袋本体の内面とが密着されることを防止しつつ前記開放部が密閉されることを特徴とする請求項8に記載の包装袋の製造方法。
【請求項10】
前記雄型ファスナとして、帯状の基部と、この基部の表面から突出し、この基部の延びる方向に沿って形成された雄型係合部とから構成されたものを使用すると共に、前記雌型ファスナとして、帯状の基部と、この基部の表面から突出して、この基部の延びる方向に沿って形成されて、前記雄型部材と係脱自在となされた雌型係合部とから構成されたものを使用し、
しかも、前記各基部に、前記雄型係合部及び前記雌型係合部より包装袋の前記開口部側について、前記表面に易剥離処理を施して、前記各基部における易剥離処理がなされた部分同士が互いに密着された後に、50〜500gの力で相互に引き離されるように構成し、
前記密閉工程では、易剥離処理がなされた部分にて前記袋本体、前記封止フィルム及び前記基部をシール手段で一度に挟み込み、前記基部の易剥離処理がなされた部分同士を密着させて前記開口部を密閉することを特徴とする請求項7に記載の包装袋の製造方法。
【請求項11】
前記袋本体に、前記封止フィルムの端縁よりも外側に張り出した部分を形成し、
前記密閉工程では、前記張り出した部分同士をシールすることを特徴とする請求項10に記載の包装袋の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−193173(P2006−193173A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−5467(P2005−5467)
【出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【出願人】(000143880)株式会社細川洋行 (130)
【Fターム(参考)】