説明

包装装置、計量包装装置及び包装物の製造方法

包装品の残留空気を減らし、シール後の温度上昇による膨張を防ぐ、粒状物の包装装置を提供する。 一端が開放された収容袋90に吸着能力のある粒状物を充填する充填装置30と、粒状物が充填された収容袋90から空気を排出する空気除去装置50と、空気が排出された収容袋90の開放端をシールするシール装置40とを備え、シール装置40は、空気除去装置50により収容袋90から空気が排出された後僅かな時差をもって作動するように構成された包装装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸着能力のある粒状物の包装装置、計量包装装置及び包装物の製造方法に関する。特に、包装品の残留空気を減らす、粒状物の包装装置、計量包装装置及び包装物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
球状吸着炭に代表される吸着能力を有する粒状物では、粒状物に内包される空気量が多く、また、温度によってその量が大きく変化するため、包装後の温度上昇により粒状物から空気が放出されることにより、包装品が膨張し、箱詰め、保存、運搬等において、不都合を生ずることがある。特に、球状吸着炭は真球に近い形状のため流動性が高く、包装品に空気が残留していると包装品の中で球状吸着炭が動き、その後、包装品の温度低下により包装品内部に空気がなくなり、しぼんだ状態の包装品を開封するために包装を破ると、中の球状吸着炭が飛び出してしまうという不都合がある。
【0003】
そこで、球状吸着炭を高温にして充填したり、大気圧未満の圧力でシールをするなどの対策が提案されてきた(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特許第2607422号公報(第3−4頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、シール前に包装品の空気が充分に抜ききれない場合があり、シール後の温度上昇等により、包装品が膨張することがあった。また、包装品の空気を充分に抜ききろうとすると、被包装物の粒状物を飛散させることがあった。そこで、本発明は、包装品の残留空気を減らし、シール後の温度上昇による膨張を防ぐ、粒状物の包装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明に係る包装装置は、例えば図1に示すように、一端が開放された収容袋90に吸着能力のある粒状物を充填する充填装置30と;粒状物が充填された収容袋90から空気を排出する空気除去装置50と;空気が排出された収容袋90の開放端をシールするシール装置40とを備え;シール装置40は、空気除去装置50により収容袋90から空気が排出された後僅かな時差をもって作動するように構成されている。
【0007】
このように構成すると、吸着能力のある粒状物が充填された収容袋から空気を排出した後に開放端をシールするので、残留する空気を少なく包装することができ、残留空気が少ないので、シール後の膨張を防ぐことができる。なお、「吸着能力のある」とは、球状吸着炭や活性炭のように、空気を初めとする気体等を保持する性質を有することをいう。また、収容袋とは、粒状物を収容するための袋を指し、一つ一つの袋が離れていても、複数の袋が繋がっていてもよい。
【0008】
本発明に係る包装装置は、例えば図1に示すように、上述の包装装置100において、収容袋90がチューブを横断的にシールして形成した袋としてもよい。
【0009】
このように構成すると、チューブを横断的にシールすることにより収容袋が形成されるので、連続的に収容袋が供給され、作業効率の高い包装装置となる。
【0010】
また、本発明に係る包装装置は、例えば図1に示すように、上述いずれかの包装装置100において、空気除去装置50が、粒状物が充填された収容袋90を挟圧することにより空気を排出するように構成してもよい。
【0011】
このように構成すると、挟圧することにより収容袋から空気を排出するので、空気を排出するときに粒状物が収容袋から飛び出すことが防止される。
【0012】
また、本発明に係る包装装置は、上述いずれかの包装装置100において、吸着能力のある粒状物が球状吸着炭であってもよい。
【0013】
このように構成すると、残留空気を少なくして包装するので、包装した後の膨張を防いで、吸着能力の高い球状吸着炭を包装することができる。
【0014】
また、本発明に係る包装装置は、例えば図2に示すように、上述いずれかの包装装置において、粒状物を、収容袋90がシールされるより前に加温する加温装置12を備えてもよい。
【0015】
このように構成すると、予め加温した状態で粒状物を充填し、空気を排出してシールするので、シール後に温度が上昇しても、包装した後の膨張を防ぐことができる。
【0016】
前記の目的を達成するため、本発明に係る包装装置は、例えば図1に示すように、チューブ90を第1の位置で横断的にシールするシール装置40と;第1の位置でシールされたチューブ90に粒状物を充填する充填装置30と;粒状物が充填されたチューブを挟圧する挟圧装置50とを備え;挟圧された部分に対して第1の位置と反対の側の第2の位置でチューブ90を横断的にシールするように構成され;シール装置40は、挟圧装置50が作動した後僅かな時差をもって作動するように構成されている。
【0017】
このように構成すると、粒状物が充填されたチューブが挟圧され、中の空気が押し出された後に、シールされるので、残留空気を少なく包装することができる。
【0018】
また、本発明に係る包装装置は、例えば図1に示すように、上述の包装装置100において、挟圧装置50を駆動する第1の駆動機52と;シール装置40を駆動する、第1の駆動機52とは別の第2の駆動機42と;第1の駆動機52と第2の駆動機42との駆動を制御する制御装置46を備えてもよい。
【0019】
このように構成すると、挟圧装置とシール装置との作動を制御装置で制御できるので、適切なタイミングで両装置を作動させることができる。
【0020】
また、本発明に係る包装装置は、例えば図1に示すように、上述いずれかの包装装置100において、チューブ90を挟圧する面は、弾性を有し、粒状物を充填したチューブ90の形状に対応した形状に形成してもよい。
【0021】
このように構成すると、粒状物が所定の位置に集まった状態で挟圧され、シールされる。
【0022】
前記目的を達成するために、本発明に係る粒状物の計量包装装置は、例えば図2に示すように、上述いずれかの包装装置100と、包装装置100に送り込む粒状物を計量する計量装置20とを備える。
【0023】
このように構成すると、粒状物が定量的に充填され、かつ、残留空気が少なくされた包装物を製造する計量包装装置が提供される。
【0024】
前記目的を達成するために、本発明に係る包装物の製造方法は、例えば図2に示すように、上述の計量包装装置に、粒状物を供給する工程と;粒状物を、計量装置20で計量する工程と;計量した粒状物を、包装装置100で包装する工程とを備える。
【0025】
このように構成すると、残留空気を少なく包装された包装物を製造する計量包装装置に吸着能力のある粒状物を供給し、該計量包装装置で包装すので、粒状物を内包する包装物の製造に適した包装方法が提供される。
【0026】
この出願は、日本国で2003年8月5日に出願された特願2003−205994号に基づいており、その内容は本出願の内容として、その一部を形成する。
また、本発明は以下の詳細な説明により更に完全に理解できるであろう。しかしながら、詳細な説明および特定の実施例は、本発明の望ましい実施の形態であり、説明の目的のためにのみ記載されているものである。この詳細な説明から、種々の変更、改変が本発明の精神と範囲内で、当業者にとって明らかだからである。
出願人は、記載された実施の形態のいずれをも公衆に献上する意図はなく、開示された改変、代替案のうち、特許請求の範囲内に文言上含まれないかもしれないものも、均等論下での発明の一部とする。
本明細書あるいは請求の範囲の記載において、名詞及び同様な指示語の使用は、特に指示されない限り、または文脈によって明瞭に否定されない限り、単数および複数の両方を含むものと解釈すべきである。本明細書中で提供されたいずれの例示または例示的な用語(例えば、「等」)の使用も、単に本発明を説明し易くするという意図であるに過ぎず、特に請求の範囲に記載しない限り本発明の範囲に制限を加えるものではない。
【発明の効果】
【0027】
以上のように、本発明によれば、粒状物が充填された収容袋内部の空気が排出された上でシールすることにより、残留する空気を減少させ、シール後の温度上昇による膨張を防ぐ、粒状物の包装装置および計量包装装置が提供される。温度上昇による膨張が防がれるので、箱詰め、保存、運搬等流通過程で扱い易く、また、包装品を破っても粒状物が飛び出すことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、互いに同一又は相当する装置には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0029】
先ず、図1の模式図を参照して、本発明の第1の実施の形態である包装装置としての、球状吸着炭の分包装置100について説明する。分包装置100は、充填装置30、シール装置40及び空気除去装置としての挟圧装置50を備えている。
【0030】
充填装置30は、シュートパイプ31を備える。シュートパイプ31は、分包される分量に計量された球状吸着炭を不図示の計量装置から受け入れるために、上が広がったじょうご形をしており、下部は球状吸着炭をチューブ90に送り込むために細くなった管になっている。シュートパイプ31の下端は開口している。球状吸着炭は、シュートパイプ31を自然落下する。
【0031】
シュートパイプ31の下端より下の位置に、シール装置40が設置されている。シール装置40は、チューブ90を加熱圧着させるトップシールバー41を有している。トップシールバー41は、チューブ90を加熱圧着させるためにその先端が平たくなった2つの金属製のブロックが、ヒーターにより加熱されつつ、チューブ90を両側より挟むように構成されている。トップシールバー41がチューブ90を挟み込むタイミングは、制御装置としてのシーケンサー46により制御されている。シーケンサー46からの信号はケーブルを伝わって、シール装置駆動機42に伝えられる。シール装置駆動機42は、該信号により、2つのトップシールバー41を互いに押し合うまでに近づける。また、トップシールバー41は、分包品一袋の長さを上下に移動する構成となっている。
【0032】
シール装置40のすぐ下に、挟圧装置50が設置されている。挟圧装置50は、球状吸着炭の入ったチューブ90を挟む2つのエア抜きガイド51と挟圧装置駆動機52を有している。2つのエア抜きガイド51は、対をなしている。エア抜きガイド51のチューブ90を挟圧する面は、弾性体51aで形成されている。弾性体51aとしては、ゴムあるいはスポンジが用いられるが、合成樹脂など、他の弾性体であってもよい。あるいは弾性体51aを有さず、エア抜きガイド51全体がステンレス鋼のような金属で形成されてもよく、その場合には、挟圧する面の弾性による変形は期待できないが、耐久性が向上する。エア抜きガイド51のチューブを挟圧する面は、上部が出っ張り、下部が引っ込んだ形状をしている。
【0033】
エア抜きガイド51がチューブ90を挟み込むタイミングはシーケンサー46により制御されている。シーケンサー46からの信号はケーブルを伝わって、挟圧装置駆動機52に伝えられる。挟圧装置駆動機52は、該信号により、2つのエア抜きガイド52を上部で互いに押し合うまでに近づける。また、エア抜きガイド51も、上記のトップシールバー41と共に、上下に移動する。
【0034】
続いて、図1を参照して、分包装置の運転について説明する。チューブ90は、シュートパイプ31の下端を囲むように、平たいテープ状のシートを管状に形成し、その重なる部分を加熱圧着させたものである。チューブ90は、後述の通り、シール装置40にて所定の箇所で横断方向にシールされる。チューブ90は、該シールされた箇所を底にして一端が開放された袋状になって、シュートパイプ31の下端開口部方向に口を開いた形に置かれる。なお、球状吸着炭の収容袋は、上記のようにチューブ90とするのが連続的に供給することができて好適であるが、チューブとして繋がっておらず一つ一つの袋であってもよく、例えば、円柱状、四角柱状、テトラ状、半球状の袋であってもよい。
【0035】
不図示の計量装置で計量された球状吸着炭は、シュートパイプ31より、袋状になったチューブ90中に投下され、袋状の下の部分に堆積する。球状吸着炭は、ほぼ真球形状をしており、流動性がよいので、袋の下部に集めて上部は空にしておかないと、開封したときに球状吸着炭が飛び散ってしまう。そのため、袋状の下部に堆積させ、上部は空けておく。
【0036】
チューブ90に球状吸着炭が充填されると、シーケンサー46からの信号により、挟圧装置駆動機52が作動し、エア抜きガイド51がチューブ90の袋状の部分を両側から挟みこむ。チューブ90の袋状の部分が、エア抜きガイド51に挟み込まれることにより、中の空気が押し出される。挟圧装置駆動機52はサーボモーターを備えており、チューブ90中の球状吸着炭が踊ったりせず、且つ、迅速に空気が抜けるような速さでエア抜きガイド51がチューブ90を挟み込むよう、エア抜きガイド51の速度が調整される。更に、サーボモーターにより、適切な面圧でエア抜きガイド51がチューブ90をはさみ、中の空気を押し出すように調整される。
【0037】
また、エア抜きガイド51のチューブ90を挟圧する面が、上部が出っ張り、下部が引っ込んだ形状をしているので、球状吸着炭は一対のエア抜きガイド51の下部の間隙に収まる。なお、エア抜きガイド51のチューブ90を挟圧する面の形状は、下部に凹部を有する平面とするのが、製作上容易であるが、シール後の分包品の形状に合わせた曲面を有する形状であってもよい。また、上部では、エア抜きガイド51が互いに接触するほどに押し合い、チューブ90中に球状吸着炭が存在しなくなる。
【0038】
更に、エア抜きガイド51のチューブ90を挟圧する面がゴムあるいはスポンジなどの弾性体51aで形成されているので、チューブ90を挟圧するときに、球状吸着炭の入った部分の形状が多少変化しても挟圧する面が変形する。よって、確実に空気を押し出すことができ、加えて、チューブを傷つけることもない。
【0039】
加えて、エア抜きガイド51のチューブ90を挟圧する面が弾性体51aで形成されているので、包装する球状吸着炭の量が異なったり、あるいは、包装する粒状物の種類が異なったりしても、弾性体51aの部分だけを交換すれば他はそのまま使用することができるので、好都合である。
【0040】
エア抜きガイド51がチューブ90を挟圧し終わるのとほぼ同時に、シーケンサー46からの信号により、シール装置駆動機42が作動し、トップシールバー41が、エア抜きガイド51にて空気を抜かれた部分の直上の箇所を横断的に挟み込む。トップシールバー41は、エア抜きガイド51とは別のシール装置駆動機42で駆動される。シール装置駆動機42はサーボモーターを備えているので、トップシールバー41はシールをするのに適した面圧でチューブ90を挟み込む。即ち、エア抜きガイド51とトップシールバー41とが別の駆動機で駆動されるので、それぞれが適切なタイミング、適切な速さ及び適切な面圧で挟み込むことができる。トップシールバー41は不図示のヒーターにより加熱されており、トップシールバー41で挟み込むことにより、チューブ90は横断方向にシールされ、密封される。なお、チューブ90は、シール可能なプラスティックフィルムを内層に持つ多層フィルムを材料としているので、加熱したトップシールバー41で挟むことにより、加熱圧着することができる。トップシールバー41は、加熱圧着ではなく、例えば超音波圧着等の他の圧着手段によりチューブ90を圧着する構成でもよい。
【0041】
エア抜きガイド51がチューブ90を挟み、空気を押し出した後に、挟圧装置50の動作より僅かに遅れて、トップシールバー41がチューブ90を挟み込んでシールするので、チューブ90中の空気を確実に抜くことができる。
【0042】
この僅かな時差は、最適な時間となるように、シーケンサー46により調節できる。例えば、1分間で、40包の分包品を製造するとき、即ち、1分間に40回挟圧し、40回シールするときの時差は、0.05〜0.15秒、好ましくは0.07〜0.12秒である。
【0043】
なお、シーケンサー46は、トップシールバー41とエア抜きガイド51の作動を制御するだけではなく、後述の通りに、装置全体の動きの制御をしてもよい。
【0044】
チューブ90を挟み込んだトップシールバー41は、チューブ90を挟んだまま、分包品1袋の長さの分だけ下方に移動する。この動きにより、球状吸着炭を封じ込めたシール箇所が、チューブ90の次の袋状の部分の底になる。トップシールバー41とエア抜きガイド51とは、不図示の同じ梁で支持されており、トップシールバー41の動きに連動して、エア抜きガイド51も移動する。
【0045】
上述の通りに、本発明の第1の実施の形態である球状吸着炭の分包装置100で分包した分包品は、分包中に残留する空気が少なく、球状吸着炭を分包するのに好適である。シール装置40でシールする前に、球状吸着炭を加温しておくことは、分包後の温度上昇による、分包品内部の空気の膨張がより抑えられるので、好適である。そのためには、例えば、シュートパイプ31内の球状吸着炭を加温する加温装置を備えてもよく、チューブ90に充填された球状吸着炭を加温する加温装置を備えてもよく、あるいは、後述するように、分包する球状吸着炭を受け入れるホッパーに加温装置を備えてもよい。この場合には、ホッパーも分包装置の一部である。加温装置で加温するのは、シールをする前であればよいが、好ましくは空気を排出する前であり、特に好ましくは滞留時間の長いホッパーで加温する。
【0046】
なおここで、分包品とは、計量装置で計量された粒状物を内包しシールされた袋1つをいい、包装物とは、分包品が1毎に又は複数毎にシール箇所で切断され、包装装置から取り出される状態のものをいう。
【0047】
なお、上記の実施の形態では、シール装置40がチューブ90を挟み込んだまま下方向に引張ることにより、チューブ90が順次間歇的に送られるものとして説明したが、チューブ90が他の装置で連続的に送られ、シール装置40及び挟圧装置50がチューブ90の動きに連れて上下に移動してもよい。あるいは、シール装置40及び挟圧装置50は上下には移動せず、チューブ90が他の装置で順次送られ、挟圧されシールされる間は、チューブ90の送り出しが止まる構成としてもよい。
【0048】
続いて、図2の模式図を参照して、本発明の第2の実施の形態である計量包装装置について説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態である分包装置100を備える球状吸着炭の計量包装装置を示している。
【0049】
分包装置100の上には、ホッパー10及び計量装置20が設けられている。ホッパー10は、開口した上部が広く、下に行くにつれて、すぼまった形状をした容器で、下端は開口し、充填ノズル16に連接している。ホッパー10には、ヒーター12が設置されており、ホッパー10の内容物である球状吸着炭を60〜80℃に加温している。あるいは、ホッパー10中に加温装置からの温風を通して球状吸着炭を60〜80℃に加温してもよい。
【0050】
ホッパー10の下の充填ノズル16は、細い管であって、ホッパー10に貯留された球状吸着炭を少しずつ送り出すように構成されている。充填ノズル16に、不図示の流量調整バルブが設けられ、その開閉がシーケンサー46により制御されてもよい。充填ノズル16の下端はホルダー22の貫通穴22aに入り込んで、開放されている。
【0051】
ホルダー22は、その下で水平に往復動する計量桝21とその下のシャッター24と組み合わされ、更にホルダー22を下の計量桝21に押し付けるばね23と組み合わされて、計量装置20を構成している。ばね23は、ホルダー22と計量桝21を密着させることにより、間に球状吸着炭が入り込み、表面を傷つけるのを防ぐために設けられている。ばね23は、設けられなくてもよい。
【0052】
計量桝21は、計量する球状吸着炭の体積に見合う容積の空間21aを有する。空間21aはホルダー22の貫通穴22aと連通し、また、計量桝21が水平に動いてシャッター24の貫通穴24aと連通する。シャッター24の貫通穴24aの下側開口部は、シュートパイプ31に連接している。
【0053】
シュートパイプ31の開口部より下に、前述のシール装置40及び挟圧装置50が設けられている。
【0054】
挟圧装置50の下には、球状吸着炭の入った分包品91を1個ずつあるいは複数個ずつ切断し、包装物92にする切断装置60が備えられている。切断装置60は、2枚の刃がチューブ90を挟んで切断するよう構成されている。また、分包品91が複数個ずつ繋がった包装物92においては、切断されないシール箇所に人手で切り離しやすいようにミシン目を入れることがあり、切断装置60は、切断するための刃とは異なるタイミングで動作する、刃先に等間隔で切欠きが付けられた刃を併せて有していることもある。切断装置60の作動も、シーケンサー46で制御される。
【0055】
切断装置60の下には、受け台61が配置される。受け台61は、斜めに設置された平板で、切断された包装物92を斜めに落下させ、落下時の衝撃を和らげる。受け台61には、落下速度を更に下げるためのショック防止ローラ62が設けられている。ショック防止ローラ62は受け台61上を包装物92が滑って落下する時に、包装物92がその円筒形のローラ2個の間を通過するように設置されている。包装物92はその2個のローラの間を通過する時にローラを回転させるため、その落下速度が落ちる。なお、ショック防止ローラ62のローラは1個でもよく、また、ショック防止ローラ62を設ける代わりに、落下速度を下げるための方法、例えば受け台61上に摩擦を大きくするための措置を講じてもよい。
【0056】
受け台61の先には、冷却装置70が設置されている。冷却装置70では、コンベア71上に包装物92を斜めに立てた状態で保持する保持具72が配設され、コンベアの移動と一緒に移動する。保持具72は、コンベア71上に斜めに立設された板であってもいいし、棒であってもよい。保持具72は、包装物92の薄い面を移動方向に対し垂直に保持する。このように保持することにより、同じコンベア長さで、多くの包装物92を保持することができる。受け台61の位置と反対側端部で、コンベア71が反転する位置で、包装物92は自然落下する。自然落下した包装物92は、包装物92を梱包するための容器に入り、梱包され、出荷される。
【0057】
続いて、図2を参照して、球状吸着炭の包装物92の製造方法について説明する。球状吸着炭は、開口した上部よりホッパー10に供給され、ホッパー10にて一時貯留される。ホッパー10にて貯留される球状吸着炭は、貯留されている間に、ヒーター12により60〜80℃に加温される。包装後に温度上昇すると球状吸着炭から空気が放出され、その結果分包品が膨張することを防ぐのに、予め想定される最高の温度に上昇させた上で包装するためである。
【0058】
球状吸着炭は、ホッパー10中を徐々に下がり、下端から充填ノズル16に流れていく。充填ノズル16中に、送り出される量を調節するための流量調整バルブが設けられ、適切な量の球状吸着炭が送り出される。ホッパー10から送り出される量が適切になるように、充填ノズル16の内径を選定してもよい。
【0059】
球状吸着炭は、充填ノズル16から、ホルダー22を通って、計量桝21の空間21aに貯留される。空間21aが球状吸着炭で満たされると、計量桝21が水平移動し、空間21a中の球状吸着炭は、シャッター24の貫通穴24aを通過して、シュートパイプ31へ送られる。球状吸着炭は、計量装置20により、空間21aの容積に計量される。
【0060】
上記の通りに計量された球状吸着炭は、計量された毎に、シュートパイプ31からチューブ90中に充填される。球状吸着炭を内包したチューブ90は、前述の通りに、挟圧装置50で空気が押し出され、シール装置40でシールされて、分包品91となる。
【0061】
分包品91は、例えば1袋あるいは3袋をまとめて、切断装置60によりシール箇所で切断される。複数の分包品91がまとめて1つとして切断される場合には、各分包品91の間のシール箇所に、刃先に等間隔で切欠きが付けられた刃で挟まれることにより、手で切り離しやすくするためのミシン目が付けられてもよい。
【0062】
切断装置60により切断された包装物92は、受け台61の上を滑り落ち、ショック防止ローラ62にて落下速度を減速された上で、冷却装置70へと落下する。冷却装置70への落下速度が遅いので、落下時の衝撃により包装物92の底部のシールが損傷を受けるのを防止できる。冷却装置70へ送り込まれた包装物92は、保持具72により斜めに立った状態で保持されたまま、コンベア71により冷却装置上を1から5分間という時間を掛けて移動させられる。包装物92は、コンベア71により室温中で移動されてもいいし、冷気を吹きかけられながら移動してもよい。この間に、ホッパー10で55〜80℃に加温され、温度を保持している球状吸着炭は、ほぼ常温に冷却される。冷却されることにより、包装物はしぼみ、球状吸着炭は、分包品91の下部に収まったまま動かなくなる。
【0063】
コンベア71で端部まで移送されると、コンベア71の下側に回り込む動きにより、包装物92は自然落下する。落下した位置には、梱包用の箱が用意されており、所定の数量の包装物92が箱に収納されると、箱ごと運び出される。
【0064】
ここで、本発明の第1の実施の形態の分包装置で分包され、あるいは、第2の実施の形態の計量包装装置で包装される球状吸着炭について説明する。球状吸着炭は、多孔性球状炭素質物質であり、その直径は0.05〜1mmであり、嵩密度は0.51±0.04g/mlである。球状吸着炭は、真球形状をしており、流動性が高いので、分包品を開封する際に飛び散りやすい。また、内包する空気量が多く、温度によってその量が大きく変化し、例えば、0℃から30℃までの昇温で、1g当たり約1.46mlの空気を放出する。よって、予め60〜80℃に加温し、充分に空気を抜いた上で分包品としてシールした後に、温度を下げているので、分包品の袋の中は、真空状態となり、また、日常の範囲内で温度上昇しても、分包品が膨張することは防げる。
【0065】
なお、これまでは、計量され、また包装される粒状物として、球状吸着炭を取り上げて説明したが、特に、真球の形状を有し、且つ、吸着能力のある粒状物には好適に用いることができる。本発明に係る包装装置、計量包装装置あるいは包装物の製造方法は、他の粒状物、特に吸着能力のある粒状物にも適用できる。また、空気除去装置として挟圧装置の代わりに、収容袋内部の空気を排出するいかなる装置を用いることができる。例えば、減圧装置が挙げられる。減圧装置を用いる場合には、減圧する際に粒状物が飛散しないように、例えば収容袋の開放端をメッシュで被覆するとよい。メッシュの目は、メッシュが変形した場合にも粒状物が通過しないように、粒状物の大きさより小さなものでなければならない。また、減圧する圧力は高度な真空でなくてもよく、収容袋に溜まった空気を排出することができる程度の真空でよい。また、球状吸着炭を分包する分包装置として説明したが、分包に限られる訳ではなく、通常の包装にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1の実施の形態である包装装置を説明する模式図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態である計量包装装置を説明する模式図である。
【符号の説明】
【0067】
10 ホッパー
12 加温装置
20 計量装置
30 充填装置
31 シュートパイプ
40 シール装置
41 トップシールバー
42 シール装置駆動機(第1の駆動機)
46 シーケンサー(制御装置)
50 挟圧装置(空気除去装置)
51 エア抜きガイド
52 挟圧装置駆動機(第2の駆動機)
60 切断装置
61 受け台
62 ショック防止ローラ
100分包装置(包装装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が開放された収容袋に吸着能力のある粒状物を充填する充填装置と;
前記粒状物が充填された収容袋から空気を排出する空気除去装置と;
前記空気が排出された収容袋の開放端をシールするシール装置とを備え;
前記シール装置は、前記空気除去装置により収容袋から空気が排出された後僅かな時差をもって作動するように構成された;
包装装置。
【請求項2】
前記収容袋がチューブを横断的にシールして形成した袋である;
請求項1に記載の包装装置。
【請求項3】
前記空気除去装置が、前記粒状物が充填された収容袋を挟圧することにより空気を排出する;
請求項1または請求項2に記載の包装装置。
【請求項4】
前記吸着能力のある粒状物が球状吸着炭である;
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の包装装置。
【請求項5】
前記粒状物を、前記収容袋がシールされるより前に加温する加温装置を備える;
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の包装装置。
【請求項6】
チューブを第1の位置で横断的にシールするシール装置と;
前記第1の位置でシールされたチューブに粒状物を充填する充填装置と;
前記粒状物が充填されたチューブを挟圧する挟圧装置とを備え;
前記挟圧された部分に対して前記第1の位置と反対の側の第2の位置で前記チューブを横断的にシールするように構成され;
前記シール装置は、前記挟圧装置が作動した後僅かな時差をもって作動するように構成された;
包装装置。
【請求項7】
前記挟圧装置を駆動する第1の駆動機と;
前記シール装置を駆動する、前記第1の駆動機とは別の第2の駆動機と;
前記第1の駆動機と前記第2の駆動機との駆動を制御する制御装置を備える;
請求項6に記載の包装装置。
【請求項8】
前記チューブを挟圧する面は、弾性を有し、粒状物を充填したチューブの形状に対応した形状に形成された、請求項6又は請求項7に記載の包装装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の包装装置と;
前記包装装置に送り込む粒状物を計量する計量装置とを備える;
粒状物の計量包装装置。
【請求項10】
請求項9に記載の計量包装装置に、粒状物を供給する工程と;
前記粒状物を、前記計量装置で計量する工程と;
前記計量した粒状物を、前記包装装置で包装する工程とを備える;
包装物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【国際公開番号】WO2005/012103
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【発行日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−512578(P2005−512578)
【国際出願番号】PCT/JP2004/011269
【国際出願日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(000001100)株式会社クレハ (477)
【Fターム(参考)】