説明

化学的不純物の検出器またはその検出方法

飲み物の中に挿入可能なプローブ17と、当該プローブに結合する処理手段13と、当該処理手段に結合するインディケータとを備え、処理手段は、プローブからの信号を受信し、受信した信号を記憶された基準値と比較して、プローブがその中に挿入される液体が化学的不純物を含むかどうかを判定するように構成され、処理手段は、液体が化学的不純物を含むと判定される場合にインディケータを作動させるように構成される検出器とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲み物の中の薬品または他の化学的不純物を検出する方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
暴行または強盗を容易にする認識をしていなくても、バーまたはクラブにおいて薬品または他の化学的不純物が人の飲み物の中に加えられることは、周知の違法な行為である。この行為は、俗語で「スパイキング(混ぜ物)」と称される。本出願では、「化学的不純物」という用語は、飲み物の中に加えることができ、そのアルコール含有量のような飲み物の任意の標準的な内容物の影響を上回って、消費者に有害な薬理学的影響を及ぼす薬品を含む何らかの物質を意味する。伝えられるところでは、そのような違法な行為のために使用される既知の薬品には、塩酸ケタミン、ガンマヒドロキシ酪酸(GHB)、およびフルニトラゼパム(ロヒプノール、登録商標)のような所定のベンゾジアゼピンが含まれる。
【0003】
ケタミン、GHBおよびベンゾジアゼピンは、すべてが、適用量に応じて中枢神経系を抑制し得る薬品である。手を加えなくても、これらの薬品は、水溶液中において無味、無臭、無色であり、したがって、一旦飲み物に加えられてしまうと、消費者には分からない。ロヒプノールは、米国では違法であり、英国においてのみ処方され、典型的には、製造の間に青い染料を組み入れることによって手を加え、青い染料が溶液中でも目に見えるので、混ぜ物によりそれが不正使用される可能性が低下する。塩酸ケタミンは、PCP(フェンシクリジン)と同じ系列の薬品である。十分な適用量で人体に使用されると、この薬品は解離性麻酔薬として作用する。ベンゾジアゼピンは、事後健忘症を起こす効果を有する鎮静剤である。GHBは、アルコールのような高揚感を楽しむユーザーによって、クラブでの気晴らしのために使用されるものとして流行した。ガンマブチルラクトンおよび1,4-ブタンジオールのように体内においてGHBに変わるGHBの化学的類似体もまた、企画されあるいは使用された。GHBとその化学的類似体は、鎮静効果および健忘症を引き起こす効果を有し得るが、本文において引用される他の薬品とは異なり、GHBは、体内においても少量が自然に生成されている。
【0004】
米国特許出願20010046710Al号は、不法に製造されたGHBの存在を色の変化により化学的に反応する溶液とともに小さな紙片(テストストリップ)その他を使用してGHBを検出する方法を提案した。GHBを製造する既知の違法な方法は、水酸化ナトリウムとガンマブチロラクトンを混ぜ合わせることから成る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この方法は、GHBのナトリウム塩(Na-GHB)を生産するものであり、違法な製造にはよくあるように、その方法が不正確に行われるならば、残留する水酸化ナトリウムが残存する。先行技術の検出方法は、GHBを検出せず、その代わりに不法に製造された物質におけるアルカリの存在(すなわち水酸化ナトリウム)を検出する。GHB内に存在するNaOHの量が一定ではない可能性があり、混じり気のないGHBはNaOHを含有しないので、先行技術の検出方法は不確実である。
【0006】
それに加えて、その先行技術の方法は、飲み物サンプルの比較的複雑なテストを行って、主観的であり得る色変化に従って結果を解釈することを消費者に要求する。そのテストは、不正確に実行されるかもしれないので、あるいは、結果の適切な解釈を可能にする周囲の照明が不十分であるために結果が誤解されるかもしれないので、間違った解釈を容易に提示し得るものである。その先行技術の方法は、比較的時間が掛かり、目立たずに実行することが困難であり、多くのテストストリップが夕食の料理全体にわたって使用されることを要求するかもしれないので、高価になり得る。その方法には、さらに、それらのテストストリップが事前に準備され、周囲のすべての状況においてさまざまな飲み物をテストするために使用されるという不都合も伴う。飲み物が後に混ぜ物に関してテストされる際の比較の基礎となる給仕される実際の混ぜ物のない飲み物に関する測定は、何も行われていない。したがって、その先行技術では、テストは、購入した実際の飲み物の測定値に関連して実行されるのではなく、標準的な飲み物の予め定められた特性に従って、一定の絶対的条件に基づいて飲み物のサンプルにおいて実行される。
【0007】
本発明は、飲み物の中の化学的不純物を検出する代替的な方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、飲み物の中に挿入可能なプローブと;前記プローブに結合する処理手段と;前記処理手段に結合するインディケータとを備え;前記処理手段は、前記プローブからの信号を受信して、前記受信信号を記憶された基準値と比較し、前記プローブがその中に挿入される液体が化学的不純物を含むかどうかを判定するように構成され、前記処理手段は、前記液体が前記化学的不純物を含むと判定された場合に前記インディケータを作動させるように構成される、検出器を提供する。
【0009】
本発明は、さらに、飲み物の液体の中の化学的不純物を検出する方法であって:プローブを液体の中に挿入するステップと;前記プローブを電位の供給源に接続するステップと;前記液体の反応を測定するステップと;前記反応を基準値と比較するステップと;前記プローブがその中に挿入される前記液体が化学的不純物を含むかどうかを判定するステップと;前記液体が前記化学的不純物を含むものであると表示するステップを備える方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
今までは、たとえばGHBである化学的不純物は水溶液の中におけるイオンであり、その成分イオンは電荷を担持することが可能であるとは認識されていなかった。以下の簡略化した方程式は、飲料のような水溶性の液体への導入に際して、GHBが短鎖有機陰イオンと水素陽子陽イオンを形成することを示している。
【0011】
【化1】

【0012】
水素陽子陽イオンは、電荷担体である。水溶性の液体へのGHBの導入は、その液体の導電性を増大させる。導電性の増大は、概ね、導入されたGHBの量と比例し、それ故、導電性の増大は追加されたGHBの有効な尺度である。GHBのナトリウム塩(Na-GHB)は、しばしば混ぜ物において使用される。Na-GHBでは、H+に代えて、Na+が水溶液への導入に際して形成される。そのようなNa+イオンは、電荷担体でもあり、それ故、液体へのNa-GHBの導入は、液体の導電性をも増大させる。
【0013】
アルコールおよびノンアルコールの飲み物のような水溶液は、ある程度イオンを含むものであり、従って電気を伝導させる。飲み物の導電性は、飲料の特定のタイプに依存し、さまざまな飲み物のベースライン導電性の範囲に関する更なる詳細が以下に提示される。この文脈における「ベースライン導電性」は、化学的不純物の導入の無い混ざり物がない状態飲み物の導電性を意味する。飲み物のベースライン導電性が測定され得るので、飲み物に加えられるGHBの量は、ベースラインと比較される導電性の増大に従って測定することができる。
【0014】
販売の時点における飲み物のベースライン導電性の現地測定値は、ベースライン特性が、すべての実行可能な飲み物に関してかつすべての周囲の状況においてテストストリップの製造業者によって予め定められた上述の先行技術の方法の場合よりも、比較の手段として本質的に正確である。特定の飲み物のベースライン導電性は、時に応じて、あるいは場所に応じて変化するかもしれない。また、水は、その導電性が不純物のレベルに依存するので、一貫した導電性を有するものではなく、すなわち、導電性はその水が軟水か硬水かによって左右される。それに応じて、軟水と共に給仕される飲み物は、硬水と共に給仕される飲み物とは異なったベースライン導電性を有するが、各々のタイプの飲み物(たとえば、赤ワイン、白ワイン)に関する導電性の変動はさらに大きい。飲み物の温度もまた導電性に影響を及ぼし、暖かい飲み物は冷たい飲み物よりも導電性が大きいであろう。それ故、その予め定めた特性が販売の時点における飲み物の状態を正確に提示しないかもしれないので、飲み物の予め定めた特性に関わる先行技術の検出の方法は、本発明の実施の形態より正確ではないと認識されるであろう。したがって、飲み物のリアルタイムでの測定が望ましい。
【0015】
本発明の実施の形態によれば、飲み物の導電性は、販売の時点においてあるいはその直後に測定することにより正確なベースライン導電性が得られる。飲み物の導電性は、購入の後、定期的に測定することができ、後続の導電性の計測値が、先行して測定されたベースラインと比較され、導電性の変化が閾値を上回ったならば、飲み物には混ぜ物が加えられたと判定され得ることになる。ベースライン導電性は、飲み物の中にプローブを挿入することによって(自動的に、または手動で)測定することができる。検出器は、リセットまで、そのベースラインを記憶しているので、後続の導電性測定値はベースラインと比較することができる。本発明の実施の形態に従ったそのような検出器は、現地に置いて、導電性を継続してモニタすることができ、化学的不純物が飲み物に加えられたならば、その導電性はそのベースラインを上回って予め定めた量だけ増大し、その装置は、飲み物に混ぜ物が加えられたかもしれないという表示を消費者に提供する。代替的に、その装置を定期的に飲み物の中に導入し、測定値を入手し装置に記憶されたベースラインと比較してもよい。
【0016】
下記の表は、ある温度(摂氏温度)の範囲におけるさまざまなアルコール飲料の導電性(mScm-1)とGHBの濃度(mgcm-3)との間の関係をさらに詳細に示している。
【0017】
【表1】

【表2】

【0018】
表では、すべての導電性の値は、O.036 mScm-1より小の差での三回の測定の平均である。
【0019】
下記のグラフは、飲み物におけるGHB-Naの濃度と導電性の間における略線形の関係を示している。
【表3】

【0020】
パブ、バーおよびクラブにおいて冷蔵庫から給仕される飲み物の一般的温度は、7℃である。飲み物の温度は、給仕の後、周囲の温度まで上昇するかもしれず、それは恐らくは10℃またはそれ以上であろう。氷を入れて給仕されるときには、飲み物は、温度が初めに低下し、その後で上昇する。
【0021】
混ぜ物において使用されるGHBの典型的な適用量は、およそ4-8 mgcm-3であり、それは消費者に有害な薬理学的影響を及ぼすには十分である。上記のデータから、飲み物の導電性は、混ぜ物がない飲み物と比較すれば増大すると理解されるであろう。より詳細に言えば、その導電性は、GHBの4 mgcm-3という典型的な適用量を導入すればほぼ二倍になり、場合によって、導電性の増大は混ぜ物のない飲み物と比較して二倍以上になる。
【0022】
さらにまた、本発明は、プローブが飲み物の中に挿入されて、電位の供給源に接続するとき、混ぜ物を加えられなかった飲み物と混ぜ物を加えられた飲み物の間には、プローブに対する液体の反応に変化があることを認識する。その反応における変化の測定により、飲み物に混ぜ物が加えられたかどうかを判定することができる。
【0023】
本発明の実施の形態は、導電性の変化を測定する。本明細書において説明したように、水溶液中におけるGHBは、イオンを含むものであり、分離して水素陽子(H+)を形成する。水素陽子すなわちイオンが電荷担体であるので、飲み物へのGHBの導入は導電性を増大させる。しかし、液体の反応を測定するpH測定を含む補足的な方法もまた存在する。したがって、本発明は、そのpHの測定によって飲み物の中における化学的不純物の存在を検出する検出器にまで及ぶ。
【0024】
本発明において利用され得る特性は、飲み物の導電性またはpHを含む。以下でさらに詳細に説明するように、本発明の実施の形態は、インディケータを組み込んだ電気回路を含んでもよく、インディケータは、閾値レベルを上回る導電性またはpHを有する液体の中に浸漬されるプローブが回路に完備される場合に、起動され得ることになる。プローブは、混ぜ物のない飲み物の中ではインディケータが起動されないように設定される。これは、混ぜ物のない飲み物の導電性またはpHに相当するベースライン閾値を設定することにより達成される。電気的なコンポーネントは、チップ上の集積回路であり得る電気回路によって接続され、ベースラインすなわち混ぜ物のない飲み物に対する閾値である読み取り値がそのチップによって記憶される。飲み物の導電性とpHが温度の変化によって影響され得るので、チップは、温度を測定し、それに従ってベースラインまたは閾値の数値を調節するようにした温度補償システムを含んでもよい。
【0025】
プローブはバッテリのような電源に接続する陽極と陰極を有してもよいが、以下で説明するように、これは、今のところ好ましくはない。一実施の形態では、水に入れられるときにそれらの間に電界を生起させる陽極と陰極があってもよく、これは、何らかの外部電源の必要性を回避する。陽極と陰極は、飲み物の味または外観に影響を与えない異種金属から成るものであってもよい。導電性の変化は、記録することができ、一般に使用される薬品の量が追加される場合には、導電性の変化が流れる電流に影響を及ぼし、その結果として、インディケータを起動させる。簡便なインディケータは、発光ダイオード(LED)のような発光体であるが、音声アラームその他のような他のインディケータを使用してもよい。好ましくは、その回路は、起動されるときLEDを点滅させるコントローラを含む。プローブは、プローブのための保持体として機能し、飲み物の中に入れることができる物体に取り付けるかまたは組み込んでもよく、そのような保持体は、ストロー、あるいはたとえば爪楊枝のような木製のスティック、飲み物用の飾り傘、オリーブまたはサクランボを支えるカクテルスティックその他であってもよい。保持体は、その中に入れられる液体の導電性またはpHに関して顕著な影響を与えないならば、重要でない。物体/保持体が混ぜ物のない飲み物と接触するとき、ベースライン電流が流れ、インディケータは起動しないように制御される。薬品が飲み物に加えられるとき、電流は増大し、その場合には、インディケータが起動する。代替的に、物体/保持体は、薬品が存在していたならばインディケータが起動するように、飲み物が消費されてしまう前に飲み物の中に入れてもよい。LEDがインディケータとして使用されるとき、プローブがその中に入れられる液体の導電性またはpHが薬品の追加によって増大するならば、LEDは点灯し、あるいは点滅を開始する。ストロー、飲み物用の飾り傘、あるいはオリーブまたはサクランボを支えるスティックが保持体として使用されるとき、その保持体は、飲み物の中に目立たずに入れておくことができるので、飲み物に薬品が加えられたならば、即座に表示が出ることになる。使用される特性がpHであるとき、その装置は、適切に適応する従来的なpH測定の回路またはシステムを含むことができる。
【0026】
ここで、本発明の実施の形態をさらに詳細に参照すると、図1は、検出器15の各コンポーネントを機能的な関係で示しているフローダイアグラムである。
【0027】
検出器15は、飲み物の中に挿入可能なプローブ17を含む。プローブは、電位の供給源(図示せず)に対して選択的に接続可能であり、前記液体の反応は、プローブがその供給源に接続していて、その反応に対応するプローブからの信号が出力されるとき、測定することができる。たとえば、プローブ17は、液体に対して電界を印加して液体の反応を測定してもよい。図1では、プローブ17は、電界を印加してプローブがその中に挿入される飲み物の導電性を測定するための導電性測定手段12を含む。
【0028】
導電性測定手段12は、任意の適当な形態を採ってもよく、そのような形態の一つが図5を参照して以下でさらに詳細に説明される。
【0029】
図1を参照すると、導電性測定手段12は、二つの電極すなわちプローブプレートを含む。電界は、それらの電極の間において生起され、電荷担体の移動を引き起こし、電流を流れさせる。したがって、電極の間における飲み物の抵抗が測定され、その結果として、導電性(すなわち抵抗の逆数)もまた測定される。
【0030】
検出器は、プローブ17に結合する処理手段13を含む。その処理手段は、プローブからの信号を受信し、前記受信信号を記憶された基準値と比較し、前記プローブがその中に挿入される液体が化学的不純物を含むかどうかを判定するように構成される。記憶された基準値は、液体が化学的不純物を含まないときの液体の導電性に相当するベースラインであり、処理手段13は、そのベースラインからの導電性の変化が閾値を上回るときには液体が前記化学的不純物を含むと判定する。
【0031】
ベースラインは、好ましくは販売の時点の直後に、すなわち飲み物が化学的不純物を含まないと消費者が確信している時点で、ユーザーによる現地での導電性の測定によって測定することができる。検出器15は、ユーザーからの入力を受信するための入力手段14を含む。飲み物が最初にテストされるとき、消費者は、飲み物のベースライン導電性が測定されているという入力を検出器に対して提供する。図1で示したように、一旦測定されると、ベースラインは記憶手段16の中に記憶することができ、その後に測定される前記液体の導電性はベースラインと比較され得ることになる。
【0032】
入力手段14は、二つのボタンのような任意の適当な形態を採ってもよい。第一のボタンは、ベースライン測定値を取得すべきことを入力するために使用され、第二のボタンは、テストのための飲み物の測定値を取得すべきことを入力するために使用される。代替的に、単一のボタンを提供することもでき、ボタンの連続的な押し続けの数により検出器を作動させる。
【0033】
手動の検出器では、可変入力手段が提供されていて、検出器が飲み物の中に入れられるとき、ユーザーは、入力手段を制御してベースライン導電性を手動で設定することができる。そのような手動の検出器では、可変入力手段が、可変抵抗器または電位差計を制御して、飲み物のベースライン導電性に相当するベースラインの抵抗または電位を設定する。そのような手動の設定作業に関する更なる詳細は、図5を参照して以下でさらに詳細に説明する。
【0034】
ベースラインをが記憶手段16の中に入力できる方法は複数存在する。上述のように、ベースラインは、抵抗または他のパラメータとして、現地で測定してアナログ形態で記憶することができる。ベースラインは、測定してデジタル形態に変換し、RAMのようなメモリの中に記憶されてもよい。赤ワインのような種類の飲み物、あるいはバカルディ ブリーザ ライム(Bacardi Breezer Lime(登録商標))のようなブランドの飲み物の所定の導電性が知られているならば、その導電性は、現地での飲み物の測定なしで記憶手段16の中に入力することができる。その入力手段は、それが携帯電話への無線接続に拠るかコンピュータへの有線接続に拠るかどうかに関わらず、遠隔的な処理ユニットからそのような所定の導電性を受信するための手段を含んでもよい。そのような遠隔的な接続により、ユーザーはそのような所定の導電性および他の関連情報またはブランド情報を検出器にダウンロードすることができる。そのベースライン導電性は、検出器が製造されるときに、たとえば参照表の形態を採って、ROMまたは他の永久的または半永久的なメモリの中にプログラムすることができる。
【0035】
飲み物の種類またはブランドの導電性が製造ロット毎あるいは場所毎に変化し得るので、ユーザーは、より大きな正確さを求めて、あるいは所定のベースラインの確認のためにベースラインを現地で測定することを望むかもしれない。
【0036】
一旦ベースライン導電性が記憶手段16の中に記憶されると、検出器15を使用して、化学的不純物の混ぜ物に関して飲み物をテストすることができる。消費者が夕食の料理全体にわたって幾つかの同じ種類またはブランドの飲み物を飲んでいるならば、正確さのためには摂取する各々の飲み物を個々にテストすることが望ましいが、夕方の初めに最初の飲み物によってベースライン導電性を設定して、その後のすべての飲み物のテストを行うことも可能であろう。
【0037】
セキュリティのためには、検出器は、記憶手段16内のベースラインをロックして、無人で放置されていた場合に検出器が細工されてしまうことを防止するための手段を含んでもよい。そのようなロック手段は、記憶手段がベースラインを変更する前に、ユーザーがコードを入力することを要求してもよい。ロック手段は、それに加えてあるいは代替的に、検出器15のすべてまたは任意の他の機能性をロックするように操作可能であってもよい。
【0038】
混ぜ物に関して飲み物をテストするためには、ユーザーは入力手段14に入力して、ユーザーが混ぜ物に関して飲み物をテストしたいということを示す。プローブが飲み物の中に挿入され、飲み物の導電性がテストされ、その結果が処理手段13の記憶手段18の中に記憶される。処理手段13は、さらに、ベースライン導電性をテスト導電性と比較するためのコンパレータ手段20をも含む。液体が前記化学的不純物を含むと判定される場合に、導電性の変化が予め定めた制限数値を上回るならば、プロセッサ手段13は、赤色LED 24を含むインディケータを作動させる。導電性の変化が予め定めた制限数値より低いならば、安全表示が緑色LED 26によって提示される。図1では二つのLEDが消費者に警告を提示するために示されているが、警告は、たとえば振動または音声によって、任意の適切な形態において提供されてもよい。インディケータは、たとえば些細な汚染のみが発生した場合にも、単なる合格または不合格の状況である以上の情報を表示するLCDまたは複数LEDのようなディスプレイであってもよい。そのような表示は、混ぜ物の程度に関するさらに詳細な情報を提供して、ユーザーに忠告することができる。可動コイル型メータまたは可動磁気式メータのようなアナログディスプレイが使用されることも可能であろう。
【0039】
制限数値記憶装置22は、好ましくは、環境の変化に起因する飲み物導電性の比較的些細な変化が警告を始動させず、飲み物の混ぜ物に起因すると思われる比較的些細な変化を越えた導電性の変化が警告を始動させるようにして選択される数値によって事前設定される。
【0040】
プローブ17は、周囲の状況に応答する液体の可変特性を測定するための手段を含み、処理手段13は、前記可変特性の変化から結果として生じる導電性の変化を補償するための手段を含む。
【0041】
図1では、可変特性は温度であり、温度補償器28が温度の上昇または下降に起因する導電性の変化を補償する。上記の表で示したように、温度と導電性の間の関係は、ほぼ線形であり、測定値は、線形ベースで関連温度範囲の全体にわたって補償することができる。
【0042】
本明細書では、具体的な詳細が、GHBに関わる汚染に対する飲み物の反応に関して提供されることになった。図1の検出器は、追加的には、ケタミンのような他の化学的不純物に関わる飲み物の汚染を検出することも可能である。プローブにおける電界の印加に対する反応を提示して、飲み物に加えられるときに反応の変化を提示する任意の化学的不純物は、本発明の範囲内に納まる。
【0043】
有害な薬理学的影響を誘導するベンゾジアゼピンの適用量は、比較的少量であり、結果として、飲み物へのベンゾジアゼピンの導入は、導電性に対する識別可能な影響を僅かしか発生させない。そのような導電性の測定は、実用的ではないと考えられる。必要であれば、半透性のスリーブがプローブ上に設けられてもよく、プローブが飲み物の中に挿入されるときにベンゾジアゼピンまたは他の化学的不純物を検出するために適したテストストリップを受け入れる。
【0044】
さまざまな化学的不純物は、飲み物に加えられるとき、異なった導電性の変化を提供するかもしれない。さらに、さまざまな飲み物は、異なったベースライン導電性を有する。したがって、検出器は、適切な感度および範囲設定を使用して、さまざまな飲み物における異なった不純物を検出するようにプログラムすることができる。
【0045】
図1の検出器は、飲み物の典型的なベースライン導電性から化学的不純物を加えた飲み物の導電性までの範囲内における導電性の変化に敏感であるように特に適応している。
【0046】
もう一つの構成では、検出器は、消費物の中に挿入可能なプローブと;前記プローブに結合する処理手段と;前記処理手段に結合するインディケータとを備え;前記処理手段は、前記プローブからの信号を受信して、前記受信した信号を記憶された基準値と比較して、前記プローブが、その中に挿入される前記消費物が、化学的不純物を含むかどうかを判定するように構成され、前記処理手段は、前記消費物が前記化学的不純物を含むと判定される場合には、前記インディケータを作動させるように構成され、前記記憶された基準値は、前記消費物が化学的不純物を含まないときに前記反応の測定値によって現地で測定されるベースラインである。
【0047】
図2、図3aおよび3bを参照すると、検出器は、検出器の各コンポーネントを収納するための検出器本体を含む。飲み物のユーザーまたは消費者が検出器を目立たないように使用することを許容するために、検出器本体は、グラスまたはボトルの中において不自然には見えないカクテルマドラー、スプーンまたはストローあるいは他のアイテムのように、一般に使用されるアイテムと類似した形状を有することが望ましい。そのような構成は好ましいのであるが、検出器は、外観を制限されず、任意の適当な形態を採ってもよい。図2で示したように、検出器本体は、各電極5および6がその中に収容されて、導電性測定手段12の一部を形成するようにしたステム4を有する飲み物飾り傘を備える。電極5および6は、導電性の金属プレートである。それらのプレートの材料は、好ましくは、電気を容易に伝導させるが、検出器が飲み物の中に入れて置かれる期間にわたって飲み物を汚染しないようにして選択される。検出器が作動するとき、それらの電極には電位差が提供され、電流が一方の電極から他方の電極まで飲み物の液体に通される。
【0048】
ステムは、長手方向に拡張可能であってもよく、それは、さまざまなサイズの複数の飲み物容器の何れか一つのものの底部に向かって電極を位置決めするように適応することができる。この点に関して、ステムは、検出器の中への液体の浸入を防止するに足るほど十分に密閉される、望遠鏡のように伸縮する伸縮性のメカニズムを有してもよい。
【0049】
飾り傘部分1は、警告インディケータとして機能する赤色LED 2と、装置がオンになっていることを示す緑色LED 3とを含む成型式電子機器ハウジングである。ICコントローラ10は、導電性測定手段12と、各記憶手段16および18と、コンパレータ手段20と、および制限数値記憶装置22とのための制御装置を備える。検出器は、さらに、腕時計型バッテリ7の形態を採る埋設式の電源およびオン/オフ動作スイッチ8をも備える。バッテリは充電式であってもよく、検出器は、充電式バッテリを電源に接続するための接続部を備えてもよい。
【0050】
検出器本体は、検出器がそれによって検出器の所有者に対して関連付けられ得ることになり、検出器が他の検出器と交換されたかどうか、を所有者が容易に確認することができるようにパーソナル化され得るようにした手段を有することが望ましい。検出器をパーソナル化するためのそのような手段は、たとえば、パーソナル・ピンコードまたはカラーコーディングを受信する入力手段の形態を採ってもよい。
【0051】
DC電流がイオン性液体に通されると、陰イオンは、より強い陽極に対して引き付けられ、陽イオンは、より強い陰極に対して引き付けられる。分極化、電荷マスキングおよび電極材料の劣化は、回避することが望ましい。したがって、AC構成が、望まれるのであり、図5を参照してさらに詳細に説明される。
【0052】
説明の目的のために、図4ではDC制御回路が示されている。スイッチ8が閉路するとき、緑色LED 3はオンになるが、赤色LED 2を含んでいる回路は、十分な電流が電極5および6の間で飲み物の中を流れるのでない限り完結しない。集積チップ10は、混ぜ物のない飲み物に基づいたベースラインまたは閾値の数値に従って設定される。飲み物の温度を測定して温度変化を自動的に補償する温度補償メカニズム(図示せず)が存在してもよい。
【0053】
使用に際して、スイッチ8は、ユーザーによって閉路され、緑色LED 3をオンに切り替える。ステム4は、その後、飲み物の中に入れられる。ベースラインの電流は、電極5と6の間を流れ、測定されたベースライン導電性は、IC 10によって記憶される。GHBが飲み物に加えられると、飲み物の導電性は、増大し、それによって、電極の間を流れるバッテリ7からの電流を増大させる。導電性の増大が閾値を上回ると、IC 10は回路を完結させ、赤色LED 2は、オンになって点滅を開始し、飲み物に混ぜ物が加えられたことを飲み手に警告する。検出器は、テストのために飲み物の中に定期的に挿入されてもよく、あるいは代替的に、ステム4が、薬品が飲み物に加えられたならばそれが警告を出すように飲み物の中に入れて放置されてもよい。
【0054】
図5は、検出器の好ましい電子回路30を示すフローダイアグラムである。プローブ17と処理手段13は、破線で示されている。図5に示した回路では、ホイートストンブリッジ32が、導電性と飲み物の導電性の変化を測定するための回路構成の一部として使用される。検流計のような他の高感度の測定構成は、当業者には明らかであろう。測定構成の目的は、プローブの中に収容されてテストのために飲み物の中に挿入される、二つの導電性プローブ34すなわち電極の間で飲み物の抵抗または導電性を測定することである。そのような構成は、飲み物の中を流れる電流すなわちプローブの全体にわたる電位差を測定することができる。
【0055】
ホイートストンブリッジは、四つの抵抗器を備える。プローブ34の間の抵抗VR1は、ブリッジの一つの抵抗器を構成する。第二の抵抗器R2は、VR1と直列であり、固定式の抵抗のものである。VR1とR2の間における回路上のポイントが「A」である。可変抵抗器VR2は、第三の抵抗器を構成し、固定式の抵抗のものである抵抗器R4と直列である。VR2とR4の間における回路上のポイントが「B」である。VR1/R2がVR2/R4と等しいとき、Aにおける電位は、Bにおける電位と等しい。飲み物の導電性が増大すると、抵抗VR1が低下して、AとBの間において電位のアンバランスを生起させる。AとBの間における電位差は、飲み物の導電性の変化に相当する。
【0056】
電子回路の一つの構成では、検出器は、ユーザーによって手動で調節される。この手動の構成では、プローブ34は、ユーザーによって混ぜ物のない飲み物の中に入れられる。VR2の抵抗は、ダイヤルを回すことによって、あるいは検出器上の他のそのような可変入力装置によって、VR2がVR1と同じ抵抗を有するように手動で調節される。そのダイヤルは、Aにおける電位がBにおける電位と等しくなるまで回される。AとBにおいて等しい電位が存在するとき、ユーザーは、たとえば緑色LED 35を点滅させることによって回すことを止めるように促され、抵抗VR2がロックされ、あるいは記憶される。そのような手動の方法が、混ぜ物のない飲み物のベースライン導電性を設定する。その後、検出器が混ぜ物を加えられた飲み物を測定するために使用されるならば、化学的不純物の存在に起因する飲み物の導電性のいかなる増大も、VR1の抵抗の低下を結果として生じる。抵抗のそのような低下は、AとBの間における電位差を結果として生じ、その電位差は、飲み物の増大した導電性に相当し、それ故、加えられた化学的不純物の量にも相当する。
【0057】
電子回路の自動構成では、VR2の抵抗は、飲み物のベースライン導電性を設定するときに、適切なコンポーネントによって自動的に制御される。この点に関しては、プローブにおける電流の流れは、本明細書において詳述したように単一の抵抗器またはブリッジ方式によって、あるいは何らかの他の適当な手段によって検出することができる。測定された電位差は、アナログからデジタルに変換する変換器に入力され、続いて、その後の比較のために記憶手段の中に記憶される。
【0058】
サーミスタ36は、給仕の後における飲み物温度の変化を補償する。当業者にはさまざまな温度補償の構成が示唆されることになるが、そのような一つの構成では、サーミスタ36が、ホイートストンブリッジ32における抵抗器R2に取って代わり、結果として、ポイントAにおける電位の調節によって温度を補償する。
【0059】
上述のように、それが電極における堆積を引き起こし得るので、飲み物にDC電流を流すことは不都合である。図5で示したように、二極式ブリッジ励磁手段38は、二つのプローブ34においてACパルス電流を提供する。およそ0.03秒の持続時間のパルスが第一の方向に通され、その後、同じ持続時間のパルスが反対方向に通される。クロック回路構成40がパルスの持続時間を制御する。互いに反対方向にパルス電流を流す方法は、プローブの分極化を回避し、結果として堆積をも回避し、バッテリパワーを節約し、任意のブリッジ不均衡のフェーズ検出のための同期パルスをも提供する。パルスの持続時間は、これらのファクタに留意して製造業者によって選択される。
【0060】
ポイントAとBの間において測定された電位差は、コンパレータ42に入力され、それが電位差に従ってハイ信号またはロー信号を出力する。
【0061】
コンパレータ信号は、フェーズ検出器44に入力され、それがクロック40からの出力をも受信し、それに応じて、ACパルス電流のフェーズを比較する。
【0062】
適当なロッジク回路構成がLED 48と50の作動を制御し、導電性の増大が検出されたならば赤色LEDがオンに切り替えられる。
【0063】
図5における制御回路の動作は、図6を参照してさらに詳細に説明される。クロック40とブリッジ励磁手段38は、ブリッジ32に交流電流を通す。混ぜ物がない(すなわち飲み物の導電性がベースラインにあるとき)場合、交流電流は、コンパレータ42からの出力を参照番号52で示したように上下に交番させる。クロック40は、参照番号54で示したようにパルス01と02を出力する。導電性は、検出器によってパルス01と02において測定され、結果としてパルスの間におけるエネルギーを節約する。飲み物に混ぜ物が加えられたならば、コンパレータ42からの出力は低く抑制され、パルス01における導電性測定値は、ロジック回路46に赤色LED 50を点滅させ、飲み物に混ぜ物が加えられたことを表示する。ベースライン導電性が正しく調節されなかったならば、コンパレータからの出力は、パルス02の間、参照番号58で示したように低く抑制され、それが、ロジック回路構成46に緑色LED 48が点滅することを防止させ、ベースライン導電性の更なる手動調整が必要なことをユーザーに知らせる。参照番号58で示したように、ロジック回路構成46は、さらに、飲み物に混ぜ物が加えられているかまたはベースラインが正しく調節されていないことが検出されるのでない限り、緑色LED 48を点滅させることによって、ベースラインが正しく設定されていることを示す手段をも備える。
【0064】
化学的不純物を飲み物に加えることが導電性に与える影響を測定する本発明の実施の形態が、説明されてきた。しかし、化学的不純物が加えられるときに飲み物の更なる特性の変化を測定することもまた、本発明の範囲内に納まると認められるであろう。特には、飲み物のpHが測定されてもよい。たとえば飲み物にGHBが加えられるときの水素イオンの生成は、飲み物のpHの変化によって測定することができる。
【0065】
飲み物のpHは、pHガラス電極のような既知の電気的な技術によって測定することができる。特には、イオン感応型電界トランジスタであるISFETを使用することができる。
【0066】
本発明の実施の形態は、一つの構成では、飲み物の特性のベースライン測定値が現地において取得され得るので、化学的不純物の添加に関して飲み物を測定するより正確な方法を利用するものであると理解されるであろう。それらの実施の形態は、そのような特性の一つ以上の読み取り値を取得することができ、結果として、飲み物のその後の測定値を取得して初期ベースライン読み取り値と比較することもできるようにして適応される。したがって、そのような特性の数値が閾値より大きく変化したならば、飲み物に化学的不純物が加えられたという判定が行われ得ることになる。
【0067】
それに加えて、本発明の実施の形態は、周囲の状況の結果としての飲み物の可変特性の変化をも考慮に入れて、そのような状況の影響を補償する。たとえば、温度は導電性を増大させるものであり、それ故、本発明の実施の形態は、温度変化に起因する導電性の変化を補償する。
【図面の簡単な説明】
【0068】
本発明が良く理解され得るように、例証としてのみ提示されるその若干の実施の形態が、ここでは、以下のような添付図面を参照して説明される。
【図1】図1は、検出器の機能性を示すフローダイアグラムである。
【図2】図2は、検出器の側面図である。
【図3】図3aは、図2に示した検出器の平面図である。図3bは、図2の検出器の底面図である。
【図4】図4は、検出器の電子回路を示す回路図である。
【図5】図5は、検出器の電子回路のもう一つの構成の機能性を示すフローダイア グラムである。
【図6】図6は、使用の際における検出器を示すフェーズダイアグラムである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲み物の中に挿入可能なプローブと;
前記プローブに結合する処理手段と;そして
前記処理手段に結合するインディケータとを備え;
前記処理手段は、前記プローブからの信号を受信し、前記受信した信号を記憶された基準値と比較して、前記プローブがその中に挿入される液体が化学的不純物を含むかどうかを判定するように構成され、
前記処理手段は、前記液体が前記化学的不純物を含むと判定される場合に前記インディケータを作動させるように構成される;
検出器。
【請求項2】
前記プローブが電位の供給源に対して選択的に接続可能であり、前記プローブが前記供給源に接続されていて、前記プローブから出力される前記信号が前記液体の反応に対応するとき、前記反応が測定され得る;
請求項1に記載の検出器。
【請求項3】
前記プローブが前記供給源に接続されているとき、前記液体に対して電界が印加され、前記プローブは、前記電界に対する前記液体の前記反応を測定するように構成される;
請求項2に記載の検出器。
【請求項4】
前記記憶された基準値は、前記液体が化学的不純物を含まないときに前記液体の前記反応に対応するベースラインであり、前記処理手段は、前記ベースラインからの前記反応の変化が閾値を上回るときに前記液体が前記化学的不純物を含むと判定する;
請求項2または請求項3に記載の検出器。
【請求項5】
前記ベースラインを記憶するための記憶手段を備える;
請求項4に記載の検出器。
【請求項6】
前記ベースラインは、前記飲み物が化学的不純物を含まないときに前記反応の測定によって現地において測定することができ、前記ベースラインは、前記記憶手段に記憶することができ、前記液体の後続の反応が前記ベースラインと比較され得る;
請求項5に記載の検出器。
【請求項7】
飲み物の種類またはブランドに相当する所定のベースラインを前記記憶手段に入力するための入力手段を備える;
請求項5に記載の検出器。
【請求項8】
前記入力手段は、ベースラインおよび飲み物の種類またはブランドに関連する情報を遠隔的な処理ユニットから受信するように構成される;
請求項7に記載の検出器。
【請求項9】
前記プローブは、前記液体の導電性を測定するように構成される;
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の検出器。
【請求項10】
前記プローブは、前記液体のpHを測定するように構成される;
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の検出器。
【請求項11】
前記プローブは、二つの電極を備え、使用に際して、前記二つの電極の間に電位が印加され、前記二つの電極の間において前記液体の抵抗を測定する;
請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の検出器。
【請求項12】
飲み物の中に普通に挿入されるアイテムに類似するように構成された検出器ハウジングを備える;
請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の検出器。
【請求項13】
前記プローブは、周囲の状況に反応する前記液体の可変特性を測定するための手段を備え、前記処理手段は、前記可変特性の変化から結果として生じる前記反応の変化を補償するための手段を備える;
請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の検出器。
【請求項14】
前記可変特性が温度である;
請求項13に記載の検出器。
【請求項15】
飲み物の液体の中の化学的不純物を検出する方法であって;
前記液体の中にプローブを挿入する工程と;
前記プローブを電位の供給源に接続する工程と;
前記液体の反応を測定する工程と;
前記反応を基準値と比較する工程と;
前記プローブがその中に挿入される液体が化学的不純物を含むかどうかを判定する工程と;そして
前記液体が前記化学的不純物を含むものであると表示する工程とを備える;
方法。
【請求項16】
前記液体に電界を印加して、前記電界に対する前記液体の前記反応を測定する工程を備える;
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記基準値は、前記液体が化学的不純物を含まないときに前記液体の前記反応に対応するベースラインであり;
前記ベースラインからの前記反応の変化が閾値を上回るかどうかを判定することによって、前記プローブがその中に挿入される液体が前記化学的不純物を含むかどうかを判定する工程を備える;
請求項15または請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ベースラインを記憶手段中に記憶して、前記液体の反応を前記ベースラインと比較する工程を備える;
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記飲み物が化学的不純物を含まないときに前記反応を測定することによって、飲み物の中の前記液体の前記ベースラインを現地において測定し、前記測定されたベースラインを前記記憶手段に記憶して、前記液体の後続の反応を前記ベースラインと比較する工程を備える;
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
飲み物の種類またはブランドに相当する所定のベースラインを前記記憶手段に入力して、前記液体の反応を前記所定のベースラインと比較する工程を備える;
請求項17に記載の方法。
【請求項21】
ベースラインおよび飲み物の種類またはブランドに関連する情報を遠隔的な処理ユニットから入力する工程を備える;
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記液体の前記導電性の測定によって反応を測定する工程を備える;
請求項15乃至請求項21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記液体のpHの測定によって反応を測定する工程を備える;
請求項15乃至請求項21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
周囲の状況に反応する前記液体の可変特性を測定して、前記特性の変化から結果として生じる前記反応の変化を補償する工程を備える;
請求項15乃至請求項23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記可変特性が温度である;
請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記化学的不純物がGHBであるかまたは体内においてGHBに変化するGHBの化学的類似体である;
請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の検出器、あるいは請求項15乃至請求項25のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−523242(P2009−523242A)
【公表日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−549930(P2008−549930)
【出願日】平成19年1月12日(2007.1.12)
【国際出願番号】PCT/GB2007/000093
【国際公開番号】WO2007/080415
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(508055803)サウス バンク ユニバーシティ エンタープライジーズ リミテッド (2)
【Fターム(参考)】