説明

化粧シートおよびタイル面の装飾方法

【課題】 施工前には形状復元性を有し、施工後には形状記憶性を有する化粧シートを提供する。施工後にタイル面の意匠性を高くできるタイル面の装飾方法を提供する。
【解決手段】 本発明の化粧シートは、表面基材の片面に粘着剤層が積層され、表面基材がポリブチレンテレフタレート層であることを特徴とする。あるいは、本発明の化粧シート1は、表面基材10の片面に粘着剤層20が積層され、表面基材10が基材シート11とポリブチレンテレフタレート層12との積層体であることを特徴とする。本発明のタイル面の装飾方法は、上述した化粧シート1をタイル面に密着させた後、加熱処理することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、意匠性を高めるために家具表面や壁面等に貼着される化粧シートに関する。さらには、化粧シートによりタイル面を装飾する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
家具表面や壁面には、意匠性を高めるために各種模様が形成された化粧シートを貼着して装飾することがある。化粧シートとしては、凹凸面に対する追従性(以下、凹凸追従性という。)および耐腐食性に優れることから、ポリ塩化ビニル製のものが広く使用されているが、ポリ塩化ビニル製化粧シートは浴室やトイレなどで適用されるタイル面の場合に問題があった。すなわち、タイル面ではタイル間に目地が形成されるが、ポリ塩化ビニルは弾性復元力が大きいため、目地部分にポリ塩化ビニル製化粧シートを押し込んでも次第に復元して浮き上がってしまうことがあった。
その問題を解決するために、特許文献1では、表面基材と金属箔とを具備するタイル用化粧シートが提案されている。このタイル用化粧シートでは、金属箔が塑性変形するため、目地部分に押し込んだ際にその形状を記憶できる。したがって、特許文献1に記載のタイル用化粧シートによれば、タイル面の凹凸を正確に再現できる。
【0003】
しかしながら、金属箔は形状記憶性に優れる反面、形状復元性が乏しいため、施工前に化粧シートの形状が変化した場合には、折り目等の形状が復元しにくかった。例えば、化粧シートをロールに巻き取った場合には、カールした形状が残存し、また、誤って折り目を付けてしまった場合には、その折り目が残存した。このように、施工前の形状変化が残存した化粧シートをタイル面に施工すると、施工前の形状変化が化粧シート表面に現れて、いびつになってしまうため、施工後の意匠性を充分に確保することができなかった。このようなことから、施工前には形状復元性を有し、施工後には化粧シートを貼付後の形状を保持する性質(形状記憶性ともいう)を有する化粧シートが求められていた。
【特許文献1】特開平6−108605号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、施工前には形状復元性を有し、施工後には形状記憶性を有する化粧シートを提供することを目的とする。また、施工後にタイル面の意匠性を高くできるタイル面の装飾方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の化粧シートは、表面基材の片面に粘着剤層が積層されている化粧シートであって、表面基材がポリブチレンテレフタレート層であることを特徴とする。
あるいは、本発明の化粧シートは、表面基材の片面に粘着剤層が積層されている化粧シートであって、表面基材が基材シートとポリブチレンテレフタレート層との積層体であることを特徴とする。
本発明の化粧シートは、粘着剤層上に剥離シートが積層されていてもよい。
本発明のタイル面の装飾方法は、上述した化粧シートをタイル面に密着させた後、加熱処理することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の化粧シートは、施工前には形状復元性を有し、施工後には形状記憶性を有するものである。
本発明のタイル面の装飾方法によれば、施工後にタイル面の意匠性を高くできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の化粧シートの一実施形態について説明する。
図1に、本実施形態の化粧シートの断面図を示す。この化粧シート1は、表面基材10上に粘着剤層20および剥離シート30が順次積層されたものである。
ここで、表面基材10は、基材シート11と形状記憶層であるポリブチレンテレフタレート層12とが接着剤層13を介して積層された積層体である。
【0008】
表面基材10の基材シート11としては特に限定されず、例えば、紙やプラスチックフィルム等が使用される。プラスチックフィルムの材質としては特に制限されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリウレタンなどが挙げられる。これらの中でも、耐水性を有し、かつ、柔軟で、凹凸追従性に優れることから、ポリ塩化ビニル、特に軟質ポリ塩化ビニルが好ましい。
基材シート11の厚さは、100〜250μmであることが好ましい。
また、基材シート11には印刷が施されていてもよいし、エンボス加工が施されていてもよい。
【0009】
ポリブチレンテレフタレート層12としては、ポリブチレンテレフタレートフィルムが挙げられる。
ここで、ポリブチレンテレフタレートフィルムとは、ポリブチレンテレフタレートを主成分として含有するフィルムである。ポリブチレンテレフタレートとしては1,4−ブタンジオールとジカルボン酸との縮合重合体であれば特に制限されない。ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、コハク酸等が挙げられる。これらのジカルボン酸の中でも、テレフタル酸が好ましい。
また、1,4−ブタンジオール以外のジオールを共重合成分として含んでいてもよい。1,4−ブタンジオール以外のジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンメタノール等が挙げられる。
【0010】
ポリブチレンテレフタレートフィルムには、ポリブチレンテレフタレート以外の他の熱可塑性樹脂が含まれていても構わない。他の熱可塑性樹脂としてはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート、ポリウレタン、フッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、エラストマー等が挙げられる。
他の熱可塑性樹脂を含有する場合、その割合はポリブチレンテレフタレート全体を100質量%として、5〜15質量%であることが好ましく、5〜10質量%であることがより好ましい。
【0011】
また、ポリブチレンテレフタレートフィルムには、必要に応じて、可塑剤、酸化肪止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、帯電防止剤、界面活性剤、染料や顔料等の着色剤、滑剤、結晶化促進剤(核剤)、無機充填材等が含まれていてもよい。
【0012】
ポリブチレンテレフタレートフィルムの厚さは、5〜300μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましく、30〜70μmであることが特に好ましい。ポリブチレンテレフタレートフィルムの厚さが10μm以上であれば形状記憶の保持性が高くなり、100μm以下であれば凹凸追従性が高くなる。
【0013】
ポリブチレンテレフタレートフィルムは、例えば、空冷インフレーション成形法(例えば、特開2004−209891号公報参照)などによって製造することができる。
【0014】
接着剤層13を形成する接着剤としては、天然ゴム系接着剤、合成ゴム系接着剤、アクリル系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、シリコーン系接着剤、ウレタン系接着剤や、スチレン系ブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの各種ホットメルト系接着剤などが挙げられる。
接着剤層13の厚さは、1〜5μmであることが好ましい。
【0015】
粘着剤層20を形成する粘着剤としては、例えば、ゴム系、アクリル系、ビニルエーテル系等の任意の粘着剤を使用できる。これらの中でも、ポリブチレンテレフタレートフィルムとの密着性に優れることから、アクリル系粘着剤が好ましい。
アクリル系粘着剤としては、エマルジョン型、溶剤型、ホットメルト型等があり、本発明においては、いずれの型のものも使用できる。これらの中でも、安全面、品質面、コスト面からエマルジョン型アクリル系粘着剤が好ましい。
粘着剤層20の厚さは5〜50μmであることが好ましく、粘着力とウーズの点で、15〜30μmであることがより好ましい。
【0016】
また、粘着剤層20は、剥離シート30側表面に凹凸が形成されていてもよい。
例えば、剥離シート30側表面に、図2、図3に示すように、複数の円環状の凹部22と、凹部22の外縁に隣接する円環状の外縁凸部23とが形成されていてもよい。凹部22の内側には、凹部22の底部22aよりも高さが高く、外縁凸部23の頂部23aよりも高さが低い微小凸部24が形成されている。よって、粘着剤層20の、剥離シート30側表面は、凹部22と外縁凸部23と微小凸部24とからなる複数の円形部と、それ以外の平坦な部分(平坦部25)とから構成されている。
【0017】
円形部の大きさは、5〜2000μmが好ましく、10〜1500μmがより好ましく、50〜1000μmがさらに好ましい。
ここで、「円形部の大きさ」とは、外縁が外縁凸部23によって、または外縁凸部23および凹部22によって形成される円形部の最大径を意味し、例えば、外縁凸部23が凹部22の外縁の全体にわたって形成されている場合には、外縁凸部23の外縁と平坦部25との交点によって形成される環26の最大径である。また、粘着剤層20における各円形部の間隔、すなわち各円形部の外縁間の最小距離は、200〜600μmが好ましく、300〜500μmがより好ましい。
また、粘着剤層20における各円形部の個数は、5個/cm以上が好ましく、5〜10000個/cmがより好ましい。
【0018】
円形部の高さ、すなわち外縁凸部23の高さは、1〜100μmが好ましく、5〜50μmがより好ましく、7〜35μmがさらに好ましい。下限値以上であると、仮貼着状態での通気性が良好で、エアー抜き性に優れる。一方、上限値以下であると、完全貼着状態とする際に外縁凸部が凹部内へと移行しやすい。そのため、連通隙間がなくなるだけでなく、さらに粘着剤層と被着体との間に残留するエアー(気泡)が殆どなくなるため、充分な密着性が得られる。また、完全貼着状態で粘着剤層に連通隙間が残らないため、水の侵入が防止され、粘着剤層20が剥がれにくくなっている。
ここで、「外縁凸部23の高さ」とは、外縁凸部23の頂部23aから、平坦部25により構成される平面に下ろした垂線の長さ、すなわち図3におけるy−z間の長さを意味する。
【0019】
また、凹部22の底部22aと外縁凸部23の頂部23aとの距離、すなわち図3におけるx−z間の長さは、2〜150μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。
【0020】
剥離シート30としては、例えば、剥離シート基材に剥離剤が塗工されて剥離面が形成されたものが挙げられる。ここで、剥離シート基材としては、天然紙を基材としたものでも、プラスチックを基材としたものでもよく、例えば、グラシン紙、上質紙、コーテッド紙、クレーコート紙、クラフト紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等のプラスチックフィルム、またはこれらのプラスチックを紙に片面または両面にラミネートしたラミネート紙、金属箔、または金属箔と紙、プラスチックフィルムとの貼り合わせ品等が挙げられる。
また、剥離面を形成する剥離剤としては、例えば、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、ポリエステル等が挙げられ、中でも、剥離性に優れることから、シリコーン樹脂が好ましい。これら剥離剤は、エマルジョンや溶剤型または無溶剤型として使用される。
剥離シート30の厚さは、20〜100μmであることが好ましい。
なお、この剥離シート30はタイル面に貼着する際には剥離されるものであり、本発明の化粧シートの必須要件ではない。
【0021】
化粧シート1の製造方法としては、例えば、基材シート11とポリブチレンテレフタレート層12とを接着剤層13を介して接着して表面基材10を作製した後、表面基材10のポリブチレンテレフタレート層12と、あらかじめ剥離シート30上に形成した粘着剤層20とを貼合する方法などが挙げられる。
【0022】
以上説明した実施形態の化粧シート1はポリブチレンテレフタレート層12を有する。ポリブチレンテレフタレート層12は柔軟性を有しているから、施工前に形状変化が生じても、形状を復元させることができる。また、ポリブチレンテレフタレートは結晶性樹脂であるから、結晶化を利用することによりポリブチレンテレフタレート層12に形状記憶性を持たせることができる。したがって、ポリブチレンテレフタレート層12を有する化粧シート1は施工後に形状記憶性をより発揮させることができる。このような、化粧シート1は、タイル面の装飾に適したものである。
また、上述した化粧シート1は、金属を含まないから、腐食性に優れる。
【0023】
なお、本発明の化粧シートは、上述した実施形態のものに限定されない。例えば、表面基材が、基材シート、接着剤層、ポリブチレンテレフタレート層に加えて他の層を有する積層体であってもよい。
また、本発明では、ポリブチレンテレフタレート層のみを表面基材として利用してもよい。すなわち、本発明の化粧シートは、ポリブチレンテレフタレート層からなる表面基材上に粘着剤層が積層されたものでもよい。ただし、意匠性の点では、上記実施形態のように、表面基材が基材シートを有することが好ましい。
また、剥離シートは必須要件ではなく、表面基材における粘着剤層と反対側の面に離型剤を塗布して離型面とし、その離型面と粘着剤層とが接するように巻き取るタイプの化粧シートでもよい。
【0024】
次に、本発明のタイル面の装飾方法について説明する。
本発明のタイル面の装飾方法は、上述した化粧シートをタイル面に密着させた後、加熱処理する方法である。
タイル面に化粧シート1を密着する際には、図4に示すように、タイル2および目地3によって形成される凹凸の表面に化粧シート1を貼着する。特に、目地3の部分では、化粧シート1を表面側から押し込んで貼着する。
加熱処理における加熱方法としては、例えば、ヒートガンなどの加熱機により化粧シート1を加熱する方法などが挙げられる。その際の加熱温度は、化粧シート1の形状記憶性を確実に確保できることから、ポリブチレンテレフタレートフィルムを構成するポリブチレンテレフタレートのガラス転移温度以上、融点以下であることが好ましい。なお、ポリブチレンテレフタレートのガラス転移温度は22〜45℃、融点は約230℃である。
加熱処理後は、化粧シート1の形状記憶性を確実に確保できることから、放冷または強制的に冷却してガラス転移温度以下にすることが好ましい。
【0025】
以上説明したタイル面の装飾方法では、施工前の形状変化が防止された化粧シート1によりタイル面を装飾するため、施工後にタイル面の意匠性を高くすることができる。
【実施例】
【0026】
(実施例1)
軟質ポリ塩化ビニルフィルムからなる基材シート上に、厚さ18μmのPBTフィルム(ポーラステクノ社製)を、ドライ接着剤(商品名:TM−265、東洋モートン製)を介して貼合して化粧シート用積層体を得た。
また、剥離紙上にアクリル系粘着剤(商品名:BPS1109、東洋インキ製造製)を塗工し、乾燥して粘着剤層を形成した後、その粘着剤層と前記化粧シート用積層体のPBTフィルムとを貼り合わせて化粧シートを得た。
【0027】
(実施例2〜4)
厚さ13μmのPBTフィルムの代わりに、厚さ40μm(実施例2)、100μm(実施例3)、120μm(実施例4)のPBTフィルム(いずれもポーラステクノ社製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして化粧シートを得た。
【0028】
(実施例5)
剥離紙上にアクリル系粘着剤(商品名:BPS1109、東洋インキ製造製)を塗工し、乾燥して粘着剤層を形成した後、その粘着剤層と、厚さ100μmのPBTフィルム(ポーラステクノ社製)とを貼り合わせて化粧シートを得た。この化粧シートでは、PBTフィルムが表面基材となる。
【0029】
(比較例1)
厚さ13μmのPBTフィルムの代わりに、厚さ80μmのアルミニウム箔を用いたこと以外は実施例1と同様にして化粧シートを得た。
【0030】
(比較例2)
厚さ13μmのPBTフィルムの代わりに、厚さ40μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして化粧シートを得た。
【0031】
実施例1〜5、比較例1,2の化粧シートを以下のように評価した。表1に実施例の結果を、表2に比較例の結果を示す。
(1)施工前の形状復元性
平らな化粧シートをA4サイズに裁断して試験片を作成し、その試験片を直径50mmの円筒形パイプに巻き付けた後、取り外した。その際の試験片の形状復元性を観察し、以下のように評価した。
○:平らに復元した。
×:パイプの形状が残った。
(2)施工後の形状記憶性
化粧シートをA4サイズに裁断して試験片を作成し、その試験片をタイル面に貼り付け、加熱機で110℃に加熱しながら試験片を溝の中に押し込んだ。その直後の試験片の形状記憶性を観察し、以下のように評価した。なお、この評価におけるタイル面は、3cm四方のタイルが貼られ、タイル間に幅3mm、深さ2mmの目地が形成されたものである。
○:形状が記憶されていた。
×:形状が記憶されていなかった。
(3)凹凸追従性
(2)施工後の形状記憶性を評価してから24時間後、試験片の凹凸追従性を目視により観察し、以下のように評価した。
◎:浮き上がる箇所が見られず、凹凸に追従していた。
○:浮き上がる箇所がいくつか見られた。
△:浮き上がっている箇所があったが、実用上問題ないレベル。
×:全体が浮き上がっていた。
なお、×以外であれば実用性を有している。
(4)形状記憶保持性
(2)施工後の形状記憶性を評価してから24時間後、再び形状記憶性を目視により観察し、以下のように評価した。
◎:形状記憶が保持されていた。
○:形状記憶が保持されていない部分がいくつか見られた。
△:形状記憶が保持されていない箇所があったが、実用上問題ないレベル。
×:全体的に形状記憶が保持されていなかった。
なお、×以外であれば実用性を有している。
【0032】
【表1】

【0033】
【表2】

【0034】
形状記憶層としてPBTフィルムを用いた実施例1〜5の化粧シートは、施工前の形状復元性を有している上に、施工後の形状記憶性、凹凸追従性、形状記憶保持性を有していた。
これに対し、形状記憶層としてPBTフィルムの代わりにアルミニウム箔を用いた比較例1の化粧シートは、施工前の形状復元性を有していなかった。
また、形状記憶層としてPBTフィルムの代わりにPETフィルムを用いた比較例2の化粧シートは、施工後の形状記憶性、凹凸追従性、形状記憶保持性を有していなかった。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の化粧シートの一実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明の化粧シートにおける粘着剤層の剥離シート側表面を拡大した図であって、(a)は平面図、(b)はA−A’断面図である。
【図3】図2(b)の部分拡大図である。
【図4】化粧シートをタイル面に貼着した際の断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 化粧シート、2 タイル、10 表面基材、11 基材シート、12 ポリブチレンテレフタレート層、13 接着剤層、20 粘着剤層、30 剥離シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面基材の片面に粘着剤層が積層されている化粧シートであって、表面基材がポリブチレンテレフタレート層であることを特徴とする化粧シート。
【請求項2】
表面基材の片面に粘着剤層が積層されている化粧シートであって、表面基材が基材シートとポリブチレンテレフタレート層とを有する積層体であることを特徴とする化粧シート。
【請求項3】
粘着剤層上に剥離シートが積層されている請求項1または2に記載の化粧シート。
【請求項4】
請求項1または2に記載の化粧シートをタイル面に密着させた後、加熱処理することを特徴とするタイル面の装飾方法。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−322159(P2006−322159A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−143968(P2005−143968)
【出願日】平成17年5月17日(2005.5.17)
【出願人】(595178748)王子タック株式会社 (76)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】