説明

化粧料用基剤およびそれを配合してなる化粧料

【課題】 優れた感触と高い保湿性の双方を有し、油性成分との相溶性に優れた化粧料用基剤およびこれを配合する化粧料を提供する。
【解決手段】 下記の式(I)で示されるポリオキシアルキレン脂肪酸エステルからなる化粧料用基剤。 Z−{O(AO)(EO)−(BO)−R} (I)(式中、Zは2〜9個の水酸基を有する化合物の水酸基を除いた残基、aは2〜9、AOはオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、lおよびmはそれぞれオキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦l≦50、1≦m≦50であり、AOとEOとの重量比(AO/EO)は1/5〜5/1である。BOは炭素数4のオキシアルキレン基、nはその平均付加モル数であり、Rは脂肪酸残基または水素原子である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた感触と保湿性の双方を有し、洗浄後もうるおいを保つ化粧料用基剤およびそれを配合する化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の消費者の傾向として、化粧品は、より感触の軽いものが好まれる傾向にあり、さっぱり感あるいはすべすべ感が良好で、しかも保湿効果に優れた化粧料が求められている。
保湿効果を付与する目的として、保湿剤を配合するのが一般的である。保湿剤の多くは、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコールに代表される水溶性多価アルコールやピロリドンカルボン酸塩などが配合されているが、優れた保湿感があるものの、高配合するとすべすべ感がなくなり、さらには、油中水型の乳化化粧料、油性化粧料といった油性製剤においては、安定性の面で高配合できない。
そこで、油性製剤において保湿効果を付与するには、スクワラン、ワセリンといった炭化水素、オリーブ油、ホホバ油といった油脂、コレステロールなどのステロール類が油性保湿剤としてしばしば使用される。これら油性保湿剤は、水溶性多価アルコールに較べて、すべすべ感などの使用感は良好であるが、保湿効果に劣り、保湿効果を高めるために高配合すると、多量の乳化剤が必要となってしまい、すべすべ感が低下してしまう。さらに、クレンジング化粧料などにおいては、油性メークアップ化粧料とのなじみやすさから、オリーブ油などの油脂やトリグリセリドあるいはエステル油などが特に汎用されているが、これらは洗い流し後に十分なうるおいが得られなかった。すなわち、油性製剤において保湿効果、すべすべ感が良好で、さらに洗浄後もうるおいを保つ化粧料用基剤の開発が望まれている。
このような状況下で、油性製剤で保湿感、すべすべ感の両者の特性を出すために、ポリグリセリン高級脂肪酸エステルと非イオン界面活性剤を組み合わせ(例えば特許文献1および2)、N−長鎖アシル中性アミノ酸アルキル若しくはアルケニルエステル(例えば特許文献3)などが開示されているが、いずれも十分な効果が得られていないのが現状である。
【0003】
【特許文献1】特開平9−208444号公報
【特許文献2】特開平6−219923号公報
【特許文献3】特開2000−355531号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、優れた感触と高い保湿性の双方を有し、油性成分との相溶性に優れ、洗浄後もうるおいを保つ化粧料用基剤およびこれを配合する化粧料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち本発明は以下に示されるものである。
(1) 下記の式(I)で示されるポリオキシアルキレン脂肪酸エステルからなる化粧料用基剤。
Z−{O(AO)(EO)−(BO)−R} (I)
(式中、Zは2〜9個の水酸基を有する化合物の水酸基を除いた残基、aは2〜9、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、lおよびmはそれぞれ炭素数3〜4のオキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦l≦50、1≦m≦50であり、AOとEOとの重量比(AO/EO)は1/5〜5/1であり、AOとEOはランダム状に付加してもブロック状に付加してもよい。BOは炭素数4のオキシアルキレン基、nはその平均付加モル数で、2≦n≦10であり、Rは炭素数6〜24の脂肪酸残基または水素原子であり、Rの脂肪酸残基と水素原子のモル比(脂肪酸残基/水素原子)は10/90〜85/15である。)
(2) AOとEOがランダム状に付加している前記のポリオキシアルキレンポリオール脂肪酸エステルからなる化粧料用基剤。
(3) 前記の化粧料用基剤を配合してなる化粧料。
(4) 前記の化粧料用基剤を0.01〜50重量%、保湿剤を0.01〜50重量%含有する化粧料。
【発明の効果】
【0006】
本発明の化粧料用基剤は、優れた感触、保湿感の両方を有し、洗浄後もうるおいを保ち、油性製剤に安定に配合可能で、化粧料に配合したときに良好な性能を発現する基剤、およびそれを配合してなる化粧料である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
式(I)で示されるポリオキシアルキレンポリオール脂肪酸エステルにおいて、Zは3〜9個の水酸基を有する化合物の水酸基を除いた残基であり、aはZの化合物の水酸基の数であり3〜9である。3〜9個の水酸基を有する化合物として、例えば、a=2であれば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、a=3であればグリセリン、トリメチロールプロパン、a=4であれば、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビタン、アルキルグリコシド、ジグリセリン、a=5であればキシリトール、a=6であればジペンタエリスリトール、ソルビトール、イノシトール、a=8であればショ糖、トレハロース、a=9であればマルチトール、およびこれらの混合物などが挙げられる。好ましくはZは3〜6個の水酸基を有する化合物の水酸基を除いた残基であり、2≦a≦6を満たす。a=1では十分な保湿効果が得られない。10以上ではべたつき感が生じてしまう。
【0008】
AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基であり、例として、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基などが挙げられる。好ましくは、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、さらに好ましくはオキシプロピレン基である。
lはAOの平均付加モル数であり、1≦l≦50、好ましくは2≦l≦20である。mはEOの平均付加モル数であり、1≦m≦50、好ましくは2≦m≦20である。lが0であるとべたつき感を生じてしまい、50を超えると保湿効果が低下してしまう。また、mが0であると保湿効果が低下してしまい、50を超えるとべたつき感が生じてしまう。
AOとEOとの重量比(AO/EO)は1/5〜5/1であり、好ましくは1/4〜4/1である。1/5より小さいとべたつき感を生じてしまい、5/1より大きいと保湿感が低下してしまう。
AOとEOの付加する順序は特に指定はなく、ブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよい。好ましくはランダム状に付加されているものである。
【0009】
BOは炭素数4のオキシアルキレン基であり、例としてはオキシブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシテトラメチレン基などが挙げられる。好ましくはオキシブチレン基である。
nはBOの平均付加モル数であり、2≦n≦10であり、好ましくは2≦n≦8である。nが2より小さいか、または、10を超えると目的の効果が得られない。
また本発明のAOの平均付加モル数lとBOの平均付加モル数nとの合計は、好ましくは4≦l+n≦50、さらに好ましくは4≦l+n≦28である。
【0010】
Rは炭素数6〜24の脂肪酸残基または水素原子である。
多価アルコール残基が有する全水酸基に対してエステル化される個数の割合である、Rの脂肪酸残基と水素原子のモル比(脂肪酸残基/水素原子)で示すと、10/90〜85/15であり、好ましくは15/85〜70/30である。85/15より高いと感触の面で劣る。10/90より低いと油性成分との相溶性に劣ってしまう。
脂肪酸残基は、炭素数6〜24ではあるが、好ましくは炭素数8〜22であり、さらに好ましくは炭素数12〜18である。炭素数が6より小さいと、油性成分との相溶性に劣る場合があり、24より大きいと、感触の面で劣り好ましくない。飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸あるいは分岐脂肪酸でもよく、さらには、ヒドロキシル基置換脂肪酸でもよい。このような脂肪酸としては、2−エチルヘキサン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、イソステアリン酸、べへニン酸、ララキジン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、硬化パーム核油脂肪酸、牛脂脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、べヘン酸、エルカ酸、ヒドロキシステアリン酸などの脂肪酸残基が挙げられ、これらの混合物でもよい。
【0011】
本発明の式(I)で示されるポリオキシアルキレンポリオール脂肪酸エステルは、公知の方法で製造することができる。例えば、2個以上の水酸基を有している化合物にエチレンオキシドおよび炭素数3〜4のアルキレンオキシドを付加重合した後に、炭素数4のアルキレンオキシドを反応させたポリオキシアルキレンポリオールと脂肪酸とのエステル化反応や低級アルコールの脂肪酸エステルとのエステル交換反応で得ることができる。エステル化の割合を調整することにより任意の化合物を得ることができる。
【0012】
また、本発明の化粧料用基剤を配合してなる化粧料の形態は、特に、油中水型の乳化化粧料、油性化粧料であり、更に詳細には、クレンジング化粧料、保湿化粧料、頭髪化粧料、メークアップ化粧料などである。
本発明の化粧料中への化粧料用基剤の配合量は特には限定されないが、通常0.01〜50重量%配合される。
本発明の化粧料は、さらに保湿剤を配合することで保湿効果が高まる。好ましくは0.01〜30重量%、より好ましくは1〜10重量%である。30重量%より多いとべたつき感がでてくることもあり、好ましくない。
【0013】
保湿剤としては、化粧料に通常使用される任意の成分を含有することができる。このような任意成分としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、1,3−ブチレングリコール、3−メチル−1、3−ブチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グルコース、ポリプロピレングリコール、ソルビトール、キシリトール、トレハロース、マルチトール、マンニトール、キトサン、尿素、ヒアルロン酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、リボ核酸ナトリウム、アスパラギン酸、アルギン酸ナトリウム、アラニン、グリシン、シスチン、システイン、セリン、アルギニン、リシン、アシタバエキス、アルテアエキス、アロエエキス、オイスターエキス、海藻エキス、カリンエキス、キイチゴエキス、キュウリエキス、クインスシードエキス、ゼニアオイエキス、プラセンタエキス、ヘチマエキス、ユリエキス、リンゴエキス、ローヤルゼリー、ラクトフェリンなどが挙げられる。好ましくは、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトールであり、これらの1種または2種以上を用いることができる。
【0014】
本発明の化粧料においてはさらに必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧品、医薬品などに一般的に用いられている各種成分を配合することが可能である。例えば、ビタミン類、紫外線吸収剤、水溶性高分子、酸化防止剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、金属イオン封鎖剤、エタノール、増粘剤、防腐剤、色素、顔料、香料などが挙げられる。
本発明の化粧料は、式(I)で示されるポリオキシアルキレンポリオール脂肪酸エステル、油性成分、保湿剤、その他の任意成分を配合することができるが、上記の配合量において、合計して100重量%を越えない範囲で配合することができる。
【実施例】
【0015】
<合成例1> ポリオキシブチレン(18モル、n=3)ポリオキシエチレン(30モル、m=5)ポリオキシプロピレン(30モル、l=5)ソルビトール(a=6)ジラウリン酸エステル(ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンがランダムポリマー)
ソルビトール182gと触媒として水酸化カリウム10gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ内の空気を乾燥窒素で置換した後、撹拌しながら140℃にて触媒を完全に溶解させた。次に滴下装置によりプロピレンオキシド1740gおよびエチレンオキシド1320gを滴下させ、2時間撹拌した。さらに滴下装置によりブチレンオキシド1296gを滴下させ、2時間撹拌し反応させた。その後オートクレーブより反応組成物をとりだし、リン酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分を除去するために、減圧−0.095MPa(ゲージ圧)、100℃で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するためろ過を行い、ポリオキシブチレン(18モル)ポリオキシエチレン(30モル)ポリオキシプロピレン(30モル)ソルビトールを得た。水酸基価は、75であった。
得られたポリオキシブチレン(18モル)ポリオキシエチレン(30モル)ポリオキシプロピレン(30モル)ソルビトール1000gとラウリン酸(NAA−122;日本油脂(株)製)88gを200℃にて6時間反応させ、ポリオキシブチレン(18モル)ポリオキシエチレン(30モル)ポリオキシプロピレン(30モル)ソルビトールジラウリン酸エステルを1050g得た。水酸基価は46であることから、Rの脂肪酸残基と水素原子のモル比(脂肪酸残基/水素原子)は33.3/66.7であった。
【0016】
<合成例2> ポリオキシブチレン(15モル、n=5)ポリオキシエチレン(30モル、m=10)ポリオキシプロピレン(30モル、l=10)グリセリン(a=3)モノイソステアリン酸エステル(ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンがブロックポリマー)
グリセリン182gと触媒として水酸化カリウム8.5gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ内の空気を乾燥窒素で置換した後、撹拌しながら140℃にて触媒を完全に溶解させた。次に滴下装置によりプロピレンオキシド1740gを滴下させ、2時間撹拌した。続いて、エチレンオキシド1320gを滴下させ、2時間撹拌した。さらに滴下装置によりブチレンオキシド1296gを滴下させ、2時間撹拌し反応させた。その後オートクレーブより反応組成物をとりだし、リン酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分を除去するために、減圧−0.095MPa(ゲージ圧)、100℃で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するためろ過を行い、ポリオキシブチレン(15モル)ポリオキシエチレン(30モル)ポリオキシプロピレン(30モル)グリセリンを得た。水酸基価は40であった。
得られたポリオキシブチレン(15モル)ポリオキシエチレン(30モル)ポリオキシプロピレン(30モル)グリセリン1000gとイソステアリン酸(EMERSOL874;コグニス社製)70gを200℃にて6時間反応させ、ポリオキシブチレン(15モル)ポリオキシエチレン(30モル)ポリオキシプロピレン(30モル)グリセリンモノイソステアリン酸エステルを1030g得た。水酸基価は25であることから、Rの脂肪酸残基と水素原子のモル比(脂肪酸残基/水素原子)は33.3/66.7であった。
合成例に準じて、表1に示す本発明のポリオキシアルキレンポリオール脂肪酸エステル3〜6および比較物質7〜12を合成した。
【0017】
【表1】

【0018】
実施例1〜10および比較例1〜10
表2に示すように(a)成分として請求項1記載の化合物1〜6、(a’)成分として比較物質7〜12、(b)成分として任意の保湿剤、共通添加成分に下記成分を選定し、乳液を調整した。
<共通添加成分>
流動パラフィン 8.0重量%
べへニルアルコール 2.0重量%
ミリスチン酸イソプロピル 0.5重量%
モノステアリン酸ソルビタン 1.0重量%
モノヤシ油脂肪酸グリセリン 2.0重量%
ポリオキシエチレン(20モル)オレイルエーテル 2.0重量%
香料 適量
防腐剤 適量
精製水 残部(全体が100になるように)
【0019】
<調製方法>
精製水以外の成分を80℃に加温し均一に溶解した後、撹拌しながら、保湿剤および精製水を同温度で徐々に添加し、撹拌後40℃まで冷却して乳液を作成した。
<官能評価>
使用感(すべすべ感)、保湿効果、洗浄後のうるおいについて、男女計20名の専門パネルによる官能評価を行った。評価方法は、上腕部を石鹸で洗浄した後に、調整した乳液を塗布し、すべすべ感と保湿感に関しては、塗布直後〜30分後の様子を下記評価点基準に基づいて評価した。洗浄後のうるおいに関しては、すべすべ感および保湿感を評価した後、塗布部位を石鹸で洗浄30分後のうるおいを下記評価点基準に基づいて評価した。結果を表2に示す。
【0020】
(1)すべすべ感
5:のびが非常によく、非常に軽い感触
4:のびがよく、軽い感触
3:のびがやや悪く、少しひっかかる感触
2:のびが悪く、重い感触
1:のびが非常に悪く、非常にひっかかる感触
平均値から3.5以上を使用感に優れていると判断した。
(2)保湿性
5:かさつきが全くなく、十分にうるおっている状態
4:かさつきがなく、うるおっている状態
3:かさつきが若干あり、うるおいが少したりない状態
2:かさつきがあり、うるおいがたりない状態
1:かさつきがひどく、うるおいが十分にたりない状態
平均値から3.5以上を保湿性に優れていると評価した。
(3)洗浄後のうるおい
5:肌にかさつきがほとんどなく、うるおいがある感じ
4:肌にかさつきがなく、若干うるおいがある感じ
3:肌に若干かさつきがあるが、肌荒れまで至らない感じ
2:肌に少しかさつきがあり、肌荒れしそうな感じ
1:肌に非常にかさつきがあり、肌荒れしている感じ
平均値が3.5以上を洗浄後のうるおいがあると評価した。
【0021】
【表2】

【0022】
実施例1〜10より、本発明の化粧料は、すべすべ感、保湿感、洗浄後のうるおいのすべてを満たすものである。しかし比較例1〜10においては、3つの性質を同時に満たすものはない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式(I)で示されるポリオキシアルキレン脂肪酸エステルからなる化粧料用基剤。
Z−{O(AO)(EO)−(BO)−R} (I)
(式中、Zは2〜9個の水酸基を有する化合物の水酸基を除いた残基、aは2〜9、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、lおよびmはそれぞれ炭素数3〜4のオキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦l≦50、1≦m≦50であり、AOとEOとの重量比(AO/EO)は1/5〜5/1であり、AOとEOはランダム状に付加してもブロック状に付加してもよい。BOは炭素数4のオキシアルキレン基、nはその平均付加モル数で、2≦n≦10であり、Rは炭素数6〜24の脂肪酸残基または水素原子であり、Rの脂肪酸残基と水素原子のモル比(脂肪酸残基/水素原子)は10/90〜85/15である。)
【請求項2】
AOとEOがランダム状に付加している請求項1記載のポリオキシアルキレンポリオール脂肪酸エステルからなる化粧料用基剤。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の化粧料用基剤を配合してなる化粧料。
【請求項4】
請求項1または請求項2記載の化粧料用基剤を0.01〜50重量%、保湿剤を0.01〜50重量%含有する化粧料。

【公開番号】特開2006−282540(P2006−282540A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−101876(P2005−101876)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000004341)日本油脂株式会社 (896)
【Fターム(参考)】