説明

化粧料組成物

【課題】 ヘアカラー、ヘアダイ、ドライヤーによる熱、ブラッシングなどが原因で損傷した毛髪に対して、髪の毛のまとまり易さ、櫛通りなど良好な仕上がり感と、ハリ、コシを付与すると共に整髪効果及びセット保持効果に優れる化粧料組成物の提供。
【解決手段】 ポリアルキレンポリアミン脂肪酸縮合物および/またはその塩類を含有する化粧料組成物。好ましくは、前記ポリアルキレンポリアミン脂肪酸縮合物および/またはその塩類が、ポリアルキレンポリアミン1.0モルと、飽和若しくは不飽和の直鎖若しくは分岐鎖を有し、かつ炭素数が8〜24である脂肪族カルボン酸0.2〜1.8モルとの反応物の中和物である化粧料組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリアルキレンポリアミン脂肪酸縮合物および/またはその塩類を含有する化粧料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ファッションの多様化によりヘアカラー、ヘアダイを使用する機会が多くなり、これに伴い毛髪が著しく損傷するため、ダメージヘア(損傷毛)に悩む消費者も増えている。また、ドライヤーによる熱、過度のブラッシングなどが原因で、毛髪が損傷し、枝毛、切れ毛、乾燥などが起こることが知られている。更に、消費者は自分の毛髪を整えやすくすること、すなわち、整髪された毛髪が、長時間にわたって、及び高湿度下など悪条件下で維持されることを望んでいる。このような悩みに対応すべく、加水分解ペプチドやその誘導体を化粧料に用いることや、損傷毛髪に対する保護・修復を目的に、シャンプー、リンス、スタイリング剤等の毛髪化粧料にシリコーン化合物が配合されていることが知られているが、十分に満足できるとはいえない面があった。
【0003】
なお、本発明に係るポリアルキレンポリアミン脂肪酸縮合物については、ガラス繊維用集束剤、写真用支持体に用いられることは開示されているが、化粧料用途で用いられることは述べられていない(特許文献1〜3)。
【特許文献1】特開2006−290678号公報
【特許文献2】特開2008−138296号公報
【特許文献3】特開平5−45786号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、毛髪への吸着性・皮膜性が良好で、毛髪自体の強度が増加し、又、毛髪(軟毛、損傷毛)に対してハリ、コシを付与すると共に、良好な櫛通り性が得られ、更に、整髪効果及びセット保持効果にも優れている化粧料組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、ポリアルキレンポリアミン脂肪酸縮合物および/またはその塩類を化粧料組成物に配合することで、毛髪への吸着性・皮膜性が良好で、毛髪自体の強度が増加し、又、毛髪(軟毛、損傷毛)に対してハリ、コシを付与すると共に、良好な櫛通り性が得られ、更に、整髪効果及びセット保持効果にも優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、ポリアルキレンポリアミン脂肪酸縮合物および/またはその塩類を含有する化粧料組成物に関する。本発明の好ましい態様に、前記ポリアルキレンポリアミン脂肪酸縮合物および/またはその塩類が、ポリアルキレンポリアミン1.0モルと、飽和若しくは不飽和の直鎖若しくは分岐鎖を有し、かつ炭素数が8〜24である脂肪族カルボン酸0.2〜1.8モルとの反応物の中和物である化粧料組成物がある。
【発明の効果】
【0007】
本発明のポリアルキレンポリアミン脂肪酸縮合物および/またはその塩類を含有する化粧料組成物は、毛髪への吸着性・皮膜性が良好で、毛髪自体の強度が増加し、又、毛髪に対してハリ、コシを付与すると共に、良好な櫛通り性が得られることから、ヘアカラー、ヘアダイ、ドライヤーによる熱、ブラッシングなどが原因で損傷した毛髪に使用した際には、髪の毛のまとまり易さ、櫛通りなど良好な仕上がり感が得られる。更に、良好な皮膜性を有することから整髪効果及びセット保持効果に優れている。よって、感触が良好で、保護・補修効果を有し、長時間にわたって髪形の維持及び高湿度下など悪条件下で維持に優れる毛髪化粧料組成物が提供できる。
更にポリアルキレンポリアミン脂肪酸縮合物および/またはその塩類を皮膚化粧料組成物に用いた場合、良好な仕上がり感を与える。従って、より使い心地の優れた化粧料組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明で用いられるポリアルキレンポリアミン脂肪酸縮合物および/またはその塩類は、ポリアルキレンポリアミンと、飽和若しくは不飽和の直鎖若しくは分岐鎖を有する高級脂肪酸とを反応させ、ポリアルキレンポリアミン高級脂肪酸アマイドを得たのち、酢酸、塩酸、硫酸、脂肪酸等の有機、もしくは無機酸にて中和して容易に得ることができる。本発明では、縮合物および/またはその塩類から選ばれる1種または2種以上を化粧料組成物に配合することを特徴とする。
【0009】
ポリアルキレンポリアミン脂肪酸縮合物を構成するポリアルキレンポリアミンの例としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等が挙げられるが、これらのうち、より優れた皮膜性能を付与するためにはテトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンが好ましい。
【0010】
脂肪酸の例としては、ベヘニン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、カプリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸等、およびヤシ油、パーム油、牛脂、ナタネ油、魚油等の天然油脂由来のアルキル組成をもつ脂肪酸が挙げられる。これらのうち、より優れた感触、整髪、セット保持効果を付与するためにはステアリン酸、パルミチン酸が好ましい。
【0011】
ポリアルキレンポリアミン1モルに反応させる脂肪酸のモル数は、0.2〜1.8モルが好ましく、より好ましくは1.0〜1.5モルである。脂肪酸のモル数が0.2モルより少ないと皮膜性能が十分ではなく、1.8モルより多いと水への溶解性と毛髪への吸着性が低下し、十分な性能が発揮できない。
【0012】
また、ポリアルキレンポリアミン脂肪酸縮合物の中和に使用される有機酸、無機酸としては、下記が挙げられる。
【0013】
有機酸としては、例えば、カルボン酸、スルホン酸、有機リン酸等が挙げられる。i)カルボン酸:炭素数が1〜24のモノカルボン酸である飽和モノカルボン酸(酢酸、プロピオン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等)、不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸等)、脂肪族オキシカルボン酸(グリコール酸、乳酸、グルコン酸等)、脂肪族ポリカルボン酸(シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等)、芳香族カルボン酸(フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)等;ii)スルホン酸:炭素数が1〜24の脂肪族スルホン酸(メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ラウリルスルホン酸等)、芳香族スルホン酸(トルエンスルホン酸、ナフタリンスルホン酸等)等;iii)有機燐酸:炭素数が1〜24の脂肪族アルキル燐酸、炭素数が1〜24の脂肪族アルキルホスフィン酸、炭素数1〜24の脂肪族アルキルホスホン酸等;等が挙げられる。
【0014】
無機酸としてはフッ化水素酸、塩酸、ブロム酸、ヨード酸、硫酸、硝酸、燐酸、炭酸、硼酸等が挙げられる。
【0015】
これらのうち、製品粘度を低減させ、ハンドリング性を向上させるので有機酸が好ましい。有機酸のうち好ましいのはカルボン酸であり、さらに好ましいのはモノカルボン酸であり、特に好ましいのは酢酸、プロピオン酸である。又、これらによる中和塩のpH(25℃、3%水溶液)は、3〜10が好ましい。pHが3より低いと性状が不安定となり、pHが10より高いと感触、整髪、セット保持効果が十分に得られないので好ましくない。
【0016】
本発明に係るポリアルキレンポリアミン脂肪酸縮合物および/またはその塩類の具体例を挙げると、ステアリン酸ペンタエチレンヘキサミン縮合物・酢酸塩、ラウリン酸ペンタエチレンヘキサミン縮合物・プロピオン酸塩、ステアリン酸テトラエチレンペンタミン縮合物・酢酸塩、ステアリン酸テトラエチレンペンタミン縮合物・硫酸塩、ラウリン酸ジエチレントリアミン縮合物・燐酸塩などが挙げられる。
【0017】
化粧料組成物に含有される本発明に係るポリアルキレンポリアミン脂肪酸縮合物および/またはその塩類は、組成物全体を100質量%として、0.05〜15質量%とすることが好ましく、より好ましくは、0.2〜5質量%である。含有量が15質量%を越えると、感触、整髪、セット保持効果がこれ以上はみられずまた、べたつき感など使用感が悪くなる傾向がある。0.05質量%未満では感触、整髪、セット保持効果が十分でない場合がある。
【0018】
また、本発明の化粧料組成物にはコンディショニング効果の向上の為、さらに種々のカチオン性水溶性高分子、両性水溶性高分子を併用することができるが、その配合量はポリアルキレンポリアミン脂肪酸縮合物および/またはその塩類の毛髪に対する機能を損なわない範囲であり、組成物全体を100質量%として、5質量%以下が好ましく、これを超えるとポリアルキレンポリアミン脂肪酸縮合物および/またはその塩類の効果が損なわれ、ハリ、コシやセット効果が悪くなると共に、毛髪に対するすべり性も悪化する傾向にある。さらに、皮膚化粧料組成物に於いては、ぬるつき感が生じ、使用感が悪くなる。
【0019】
配合されるカチオン性水溶性高分子、両性水溶性高分子としては、下記のようなものが挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0020】
カチオン性水溶性高分子の例としては、第4級窒素変性ポリサッカライド(カチオン変性ヒドロキシエチルセルロース、カチオン変性グアーガム、カチオン変性デンプン、カチオン変性タマリンドガム等)、塩化ジメチルジアリルアンモニウム誘導体(塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム等)、ビニルピロリドン誘導体(ビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体塩、ビニルピロリドン・メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン・塩化メチルビニルイミダゾリウム共重合体等)、メタクリル酸誘導体(メタクリロイルエチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体、メタクリロイルエチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール共重合体等)等が挙げられる。
【0021】
両性水溶性高分子の例としては、両性化デンプン、塩化ジメチルジアリルアンモニウム誘導体(アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体等)、メタクリル酸誘導体(ポリメタクリロイルエチルジメチルベタイン、N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体等)等が挙げられる。
【0022】
上述のように、本発明のポリアルキレンポリアミン脂肪酸縮合物および/またはその塩類を公知の処方により処方系内に所要量配合することで本発明の化粧料が得られるが、化粧料中の他の成分は特に限定されず、化粧料に一般に用いられる成分を任意成分として配合することが可能である。配合可能な他の成分を下記に例示する。
【0023】
アニオン界面活性剤としては、アルキル(炭素数8〜24)硫酸塩、アルキル(炭素数8〜24)エーテル硫酸塩、アルキル(炭素数8〜24)ベンゼンスルホン酸塩、アルキル(炭素数8〜24)リン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル(炭素数8〜24)エーテルリン酸塩、アルキル(炭素数8〜24)スルホコハク酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル(炭素数8〜24)エーテルスルホコハク酸塩、アシル(炭素数8〜24)化アラニン塩、アシル(炭素数8〜24)化N−メチル−β−アラニン塩、アシル(炭素数8〜24)化グルタミン酸塩、アシル(炭素数8〜24)化イセチオン酸塩、アシル(炭素数8〜24)化サルコシン酸塩、アシル(炭素数8〜24)化タウリン塩、アシル(炭素数8〜24)化メチルタウリン塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、エーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレン脂肪酸モノエタノールアミド硫酸塩、長鎖(炭素数8〜24)カルボン酸塩等が挙げられる。
【0024】
ノニオン界面活性剤としては、アルカノールアミド、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレングリコールエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル、ソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、テトラポリオキシアルキレンエチレンジアミン縮合物類、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンヒマシ油誘導体、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油誘導体、アルキルポリグリコシド、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0025】
両性界面活性剤としては、アルキル(炭素数8〜24)アミドプロピルベタイン、アルキル(炭素数8〜24)カルボキシベタイン、アルキル(炭素数8〜24)スルホベタイン、アルキル(炭素数8〜24)ヒドロキシスルホベタイン、アルキル(炭素数8〜24)アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、アルキル(炭素数8〜24)ヒドロキシホスホベタイン、アルキル(炭素数8〜24)アミノカルボン酸塩、アルキル(炭素数8〜24)アンホ酢酸ナトリウム、アルキル(炭素数8〜24)アミンオキシド、3級窒素、及び4級窒素を含むアルキル(炭素数8〜24)リン酸エステル等が挙げられる。
【0026】
また本発明の化粧料組成物に配合されるカチオン性、両性水溶性高分子以外にも、粘度調整、及びスタイリング時の使用性をある程度改善するなどの目的によりアニオン性、ノニオン性高分子を、本発明の効果を損なわない範囲でさらに配合することができ、例えば下記のようなものが挙げられる。
【0027】
アニオン性高分子の例としては、アクリル酸誘導体(ポリアクリル酸及びその塩、アクリル酸・アクリルアミド・アクリル酸エチル共重合体及びその塩等)、メタクリル酸誘導体(ポリメタクリル酸及びその塩、メタクリル酸・アクリルアミド・ジアセトンアクリルアミド・アクリル酸アルキルエステル・メタクリル酸アルキルエステル共重合体及びその塩等)、クロトン酸誘導体(酢酸ビニル・クロトン酸共重合体等)、マレイン酸誘導体(無水マレイン酸・ジイソブチレン共重合体、イソブチレン・マレイン酸共重合体等)、ポリグルタミン酸及びその塩、ヒアルロン酸及びその塩、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー等が挙げられる。
【0028】
ノニオン性高分子の例としては、アクリル酸誘導体(アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリル酸メトキシエチル共重合体、ポリアクリル酸アミド等)、ビニルピロリドン誘導体(ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体等)、ポリオキシアルキレングリコール誘導体(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、セルロース誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)、ポリサッカライド及びその誘導体(グアーガム、ローカストビーンガム、デキストラン等)等が挙げられる。
【0029】
さらに別の態様において、本発明の化粧料組成物に、アミドアミン化合物を有機酸及び/または無機酸等の中和剤で完全中和または部分中和したアミドアミン化合物の有機酸塩及び/または無機酸塩とさらに、高級脂肪酸及び/または高級アルコールを添加することで、コンディショニング効果を向上することができる。その配合量はアミドアミン化合物として組成物全体を100質量%として、5質量%以下が好ましく、これを越えると、使用後の感触が重くなったり、ぬるつきを生じたりと、使用感が悪くなる。
【0030】
本発明の化粧料組成物に配合されるその他の成分としては、カチオン界面活性剤(アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム等)、可溶化剤(エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等)、ワックス類(カルナバロウ、キャンデリラロウ等)、炭化水素油(流動パラフィン、スクワラン、オリーブ油、ホホバ油等)、保湿剤(グリセリン、トレハロース、ソルビトール、マルチトール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヒアルロン酸Na等)、エステル類(ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸−2−ヘキシルデシル、トリミリスチン酸グリセリン、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸−2−ヘプチルウンデシル、パルミチン酸−2−ヘキシルデシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、セトステアリルアルコール、オクタン酸セチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、オレイン酸デシル、オレイン酸オイル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸エチル、酢酸ブチル酢酸アミル、酢酸ラノリン、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキシルパルミテート、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、トリ−2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ペンタエリスリトール、セチル−2−エチルヘキサノエート、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸−2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ‐2‐ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、アセトグリセライド、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸−2−エチルヘキシル、クエン酸トリエチル、エチルラウレート、ミンク油脂肪酸エチル等)、酸化防止剤(トコフェロール、BHT等)、シリコーン(メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、高重合度メチルポリシロキサン、環状ポリシロキサン等)及びシリコーン誘導体(ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等)、高級アルコール、高級脂肪酸(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、パーム脂肪酸、パーム核脂肪酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等)、アミノ酸類(アルギニン、グルタミン酸等)紫外線吸収剤、(ベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体、メトキシ桂皮酸誘導体等)、パール化剤(脂肪酸エチレングリコール等)、懸濁剤(ポリスチレン乳化物等)、増粘剤、金属封鎖剤(エデト酸塩等)、pH調整剤、殺菌剤、防腐剤、育毛剤、ビタミン類、抗炎症剤、色素、香料、起泡増進剤等が挙げられる。
【0031】
上述の本発明にかかる化粧料組成物の剤型は限定されず任意の剤型を取ることができ、さらに上記(必須)成分の他に本発明の効果を損なわない範囲で、その剤型によって通常当該化粧料組成物に配合される各種成分を加え常法により製造することができるが、中でも毛髪処理用組成物、皮膚化粧料組成物、その他メイクアップ剤として好ましく使用できる。剤型としては、シャンプー、リンス、コンディショナー、ヘアワックス、ヘアローション、ヘアミスト、ボディ用洗浄剤、洗顔料、ローション、酸性染毛料、酸化染毛料、パーマ剤等が挙げられる。
【実施例】
【0032】
以下に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。特に指定のない限り、配合量は質量%で示す。
【0033】
[ポリアルキレンポリアミン脂肪酸縮合物の製造]
合成例1
容量3リットルのガラス製反応容器にラウリン酸200g(1モル)、ペンタエチレンヘキサミン232g(1モル)を仕込み、温度を90℃に保ち溶解させる。内容物に窒素を流入させ、水を抜きながら160〜165℃にて10時間反応させる。その後、90〜95℃に冷却し、4.2%濃度に希釈した硫酸水溶液2097g(0.9モル)を徐々に滴下させ、ラウリン酸ペンタエチレンヘキサミン・硫酸塩の水溶液を得た。このものは、固形分20.1%、粘度1200mPa・s、pH(25℃、3%水溶液)6.4であった。
【0034】
合成例2
容量3リットルのガラス製反応容器にベヘニン酸341g(1モル)、ペンタエチレンヘキサミン232g(1モル)を仕込み、温度を90℃に保ち溶解させる。内容物に窒素を流入させ、水を抜きながら160〜165℃にて10時間反応させる。その後、90〜95℃に冷却し、8.9%濃度に希釈した酢酸水溶液1650.7g(2.2モル)を徐々に滴下させ、ステアリン酸ペンタエチレンヘキサミン縮合物・酢酸塩の水溶液を得た。このものは、固形分29.5%、粘度180mPa・s、pH(25℃、3%水溶液)5.7であった。
【0035】
合成例3
容量3リットルのガラス製反応容器にステアリン酸284g(1モル)、ジエチレントリアミン103g(1モル)を仕込み、温度を90℃に保ち溶解させる。内容物に窒素を流入させ、水を抜きながら160〜165℃にて10時間反応させる。その後、90〜95℃に冷却し、4.2%濃度に希釈した酢酸水溶液1866g(1.3モル)を徐々に滴下させ、ステアリン酸ジエチレントリアミン縮合物・酢酸塩の水溶液を得た。このものは、固形分29.5%、粘度340mPa・s、pH(25℃、3%水溶液)5.5であった。
【0036】
合成例4
容量3リットルのガラス製反応容器にステアリン酸426g(1.5モル)、テトラエチレンペンタミン189g(1モル)を仕込み、温度を90℃に保ち溶解させる。内容物に窒素を流入させ、水を抜きながら160〜165℃にて10時間反応させる。その後、90〜95℃に冷却し、6.2%濃度に希釈した酢酸水溶液1732g(1.8モル)を徐々に滴下させ、ステアリン酸テトラエチレンペンタミン縮合物・酢酸塩の水溶液を得た。このものは、固形分29.1%、粘度190mPa・s、pH(25℃、3%水溶液)5.7であった。
【0037】
合成例5
容量3リットルのガラス製反応容器にステアリン酸511g(1.8モル)、テトラエチレンペンタミン189g(1モル)を仕込み、温度を90℃に保ち溶解させる。内容物に窒素を流入させ、水を抜きながら160〜165℃にて10時間反応させる。その後、90〜95℃に冷却し、5.4%濃度に希釈した酢酸水溶液2208g(2.0モル)を徐々に滴下させ、ステアリン酸テトラエチレンペンタミン縮合物・酢酸塩の水溶液を得た。このものは、固形分28.2%、粘度600mPa・s、pH(25℃、3%水溶液)5.5であった。
【0038】
実施例1〜7
合成例1〜5で得られたポリアルキレンポリアミン脂肪酸縮合物及び市販されているポリアルキレンポリアミン脂肪酸縮合物型ガラス繊維用集束剤(製品名:ソフノンGW−18、東邦化学工業社製)を用いて、表1に示した組成の毛髪化粧料組成物を調製した。表1中の(9)を80℃に加熱し(7)及び(8)を攪拌しながらゆっくり加え溶解させ、溶解を確認した後、加熱を止め(1)〜(3)を加えて攪拌して均一とし、30〜40℃で(4)〜(6)を加え均一に混合した。こうして表1に示した組成の毛髪化粧料組成物を各々調整し、合成例1〜5で得られたポリアルキレンポリアミン脂肪酸縮合物並びに市販されているガラス繊維用集束剤を各々配合した毛髪化粧料組成物を実施例1〜7として、以下の方法にて評価試験を実施した。尚、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0039】
先述の実施例1〜7で調整した本発明品の毛髪化粧料組成物について、ヘアカラー、ブリーチなどを日頃から使用し、髪の毛の痛んだ10名のテスターにより次に示した項目の性能評価を実施した。使用後(乾いた髪)のコンディショニング効果の有無(指通り)、毛髪のコシの強さ、髪の毛の纏まりやすさを下記方法にて評価を行った。この評価結果を表1中に示した。
【0040】
≪コンディショニング効果の有無≫
・指通りが良いと感じたテスターが8名以上 ・・・◎
・指通りが良いと感じたテスターが6〜7名 ・・・○
・指通りが良いと感じたテスターが4〜5名 ・・・△
・指通りが良いと感じたテスターが4名未満 ・・・×
≪毛髪のコシ(ハリ)の強さ≫
・コシ(ハリ)があると感じたテスターが8名以上・・・◎
・コシ(ハリ)があると感じたテスターが6〜7名・・・○
・コシ(ハリ)があると感じたテスターが4〜5名・・・△
・コシ(ハリ)があると感じたテスターが4名未満・・・×
≪髪の毛の纏まりやすさ≫
・髪の毛の纏まりが良いと感じたテスターが8名以上・・◎
・髪の毛の纏まりが良いと感じたテスターが6〜7名・・○
・髪の毛の纏まりが良いと感じたテスターが4〜5名・・△
・髪の毛の纏まりが良いと感じたテスターが4名未満・・×
【0041】
【表1】

【0042】
表1の結果から、本発明のポリアルキレンポリアミン脂肪酸縮合物および/またはその塩類を配合した化粧料組成物は、傷んだ髪の毛に対して、優れた指通り、髪の毛の纏まりやすさ更には髪の毛にハリをもたらすことが確認された。また、カチオン性水溶性高分子を併用した系でも、その効果は失われないことも確認された。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアルキレンポリアミン脂肪酸縮合物および/またはその塩類を含有する化粧料組成物。
【請求項2】
前記ポリアルキレンポリアミン脂肪酸縮合物および/またはその塩類が、ポリアルキレンポリアミン1.0モルと、飽和若しくは不飽和の直鎖若しくは分岐鎖を有し、かつ炭素数が8〜24である脂肪族カルボン酸0.2〜1.8モルとの反応物の中和物である請求項1に記載の化粧料組成物。

【公開番号】特開2010−77061(P2010−77061A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−246157(P2008−246157)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000221797)東邦化学工業株式会社 (188)
【Fターム(参考)】