説明

化粧料

【課題】使用感、仕上がり、持続性に優れ、特にこれまでにない密着感のある仕上がりを有する化粧料の提供。
【解決手段】下記成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体、
(B)ポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーン及び/又は糖変性シリコーン、
(C)極性油、
(D)揮発性溶媒
を含有する化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧持続性を向上させるための有効な手段として、表面保護性に優れる皮膜形成剤を用いることが知られている。例えば、特許文献1には、トリメチルシロキシケイ酸を用い、紫外線防止効果等の持続性に優れた化粧料が開示されている。また、皮膜形成剤として、カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体を用いることにより、強固な化粧塗膜を形成することができ、耐摩擦性などの化粧持続性が向上することが報告されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−309714号公報
【特許文献2】特開2007−320960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体は、硬い皮膜を形成する場合が多く、得られる化粧塗膜は、肌の動きに追随できず、ゆえに使用性が低下し、肌の違和感、閉塞感、皮膜感を与えるという問題があった。また、カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体による化粧塗膜はもろく、密着感が無いなどの問題もあった。
従って、化粧持続性に優れ、かつ塗布中の使用感、塗布後の使用性、密着感のある仕上がりが向上した化粧料が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、カルボシロキサン構造を側鎖に有するビニル系重合体に加えて、特定の変性シリコーン、極性油及び揮発性溶媒を組み合わせた化粧料が、上記課題を解決し、特にこれまでにない密着感のある仕上がりが得られることを見出した。
【0006】
本発明は、下記成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体、
(B)ポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーン及び/又は糖変性シリコーン、
(C)極性油、
(D)揮発性溶媒
を含有する化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の化粧料は、塗布後に肌の皮膜感が無く、特にこれまでにない密着感のある仕上がりが得られる。また、仕上がり面では毛穴が目立ち難いものである。さらに、経時的な化粧崩れ、特に毛穴目立ち、よれが生じにくい。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明で用いる成分(A)のカルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体において、カルボシロキサンデンドリマー構造としては、次式(1)で表される基が好ましい。
【0009】
【化1】

【0010】
式中、Zは2価の有機基であり、pは0又は1であり、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基又はアリール基である。X1はi=1とした場合の次式で示されるシリルアルキル基である。
【0011】
【化2】

【0012】
式中、R1は前記と同じであり、R2は炭素原子数2〜10のアルキレン基であり、R3は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、Xi+1は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基及び上記シリルアルキル基からなる群から選択される基である。iは該シリルアルキル基の階層を示している1〜10の整数であり、aiは0〜3の整数である。
【0013】
式(1)中、Zは2価の有機基であり、アルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基、エステル含有2価有機基、エーテル含有2価有機基、ケトン含有2価有機基、アミド基含有2価有機基が例示される。これらの中でも、次式で示される有機基が好ましい。
【0014】
【化3】

【0015】
式中、R9は炭素原子数1〜10のアルキレン基であり、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が例示される。これらの中でもメチレン基、プロピレン基が好ましい。R10は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が例示される。これらの中でもメチル基が好ましい。R11は炭素原子数1〜10のアルキレン基であり、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基が例示される。これらの中でもエチレン基が好ましい。dは0〜4の整数であり、eは0又は1である。
【0016】
また、式(1)中、R1で示される炭素原子数1〜10のアルキル基又はアリール基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基、または、フェニル基、ナフチル基等のアリール基が例示される。これらの中でもメチル基、フェニル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
1はi=1とした場合の次式で示されるシリルアルキル基である。
【0017】
【化4】

【0018】
式中、R1は前記と同じである。R2は炭素原子数2〜10のアルキレン基であり、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基などの直鎖状アルキレン基;メチルメチレン基、メチルエチレン基、1−メチルペンチレン基、1,4−ジメチルブチレン基等の分岐状アルキレン基が例示される。これらの中でも、エチレン基、メチルエチレン基、ヘキシレン基、1−メチルペンチレン基、1,4−ジメチルブチレン基が好ましい。R3は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基が例示される。Xi+1は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基および上記シリルアルキル基からなる群から選択される基である。aiは0〜3の整数である。iは1〜10の整数であり、これは該シリルアルキル基の階層数、即ち、該シリルアルキル基の繰り返し数を示している。
【0019】
成分(A)のビニル系重合体としては、(A1)(A2)以外のビニル系単量体 0〜99.9質量部と、(A2)一般式(2):
【0020】
【化5】

【0021】
(式中、Yはラジカル重合可能な有機基であり、R1及びX1は前記と同じである。)
で表されるラジカル重合可能な有機基を有するカルボシロキサンデンドリマー 100〜0.1質量部とを(共)重合させてなるカルボシロキサンデンドリマー構造を含有するビニル系重合体が好ましい。
【0022】
上記式中、Yはラジカル重合可能な有機基であり、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基又はアリール基である。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が例示される。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が例示される。これらの中でも、メチル基,フェニル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
【0023】
このビニル系重合体において、成分(A1)のビニル系単量体は、ラジカル重合性のビニル基を有するものであれば良く、その種類等については特に限定されない。かかるビニル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の低級アルキル(メタ)アクリレート;、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の高級アルキル(メタ)アクリレート;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステル;スチレン、ビニルトルエン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族含有単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメトキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミド等のアミド基含有ビニル型単量体;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、グリセリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミド等の水酸基含有ビニル型単量体;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸等のカルボン酸含有ビニル型単量体及びそれらの塩;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2ーエチルヘキシルビニルエーテル等のエーテル結合含有ビニル型単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アリルグリシジルエーテル、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の反応性基含有モノマー、片末端に(メタ)アクリル基を含有したポリジメチルシロキサン、片末端にスチリル基を含有するポリジメチルシロキサンなどのマクロモノマー類;ブタジエン;塩化ビニル;塩化ビニリデン;(メタ)アクリロニトリル;フマル酸ジブチル;無水マレイン酸;スチレンスルホン酸、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のようなスルホン酸基を有するラジカル重合性不飽和単量体、およびそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩;2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドのような(メタ)アクリル酸から誘導される4級アンモニウム塩;メタクリル酸ジメチルアミノエチルのような3級アミン基を有するアルコールのメタクリル酸エステル、ビニルピリジンおよびそれらの4級アンモニウム塩などが例示される。
【0024】
また、多官能ビニル系単量体も使用可能であり、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、スチリル基封鎖ポリジメチルシロキサン等の不飽和基含有シリコ−ン化合物などが例示される。
【0025】
成分(A2)のカルボシロキサンデンドリマーは、一般式(2)で表されるラジカル重合可能な有機基を有するものであれば良く、その種類等については特に限定されない。一般式(2)中、Yはラジカル重合可能な有機基であり、ラジカル反応可能な有機基であれば良いが、具体的には、下記一般式で表される(メタ)アクリロキシ基含有有機基、(メタ)アクリルアミド基含有有機基、スチリル基含有有機基、炭素原子数2〜10のアルケニル基等が挙げられる。
【0026】
【化6】

【0027】
(式中、R4及びR6は水素原子又はメチル基であり、R5及びR8は炭素原子数1〜10のアルキレン基であり、R7は炭素原子数1〜10のアルキル基である。bは0〜4の整数であり、cは0または1である。)
【0028】
このようなラジカル重合可能な有機基としては、例えば、2−アクリロイルオキシエチル基、3−アクリロイルオキシプロピル基、2−メタクリロイルオキシエチル基、3−メタクリロイルオキシプロピル基、4−ビニルフェニル基、3−ビニルフェニル基、4−(2−プロペニル)フェニル基、3−(2−プロペニル)フェニル基、2−(4−ビニルフェニル)エチル基、2−(3−ビニルフェニル)エチル基、ビニル基、アリル基、メタリル基、5−ヘキセニル基等が挙げられる。
【0029】
一般式(2)において、i=1、すなわちシリルアルキル基の階層数が1である場合、成分(A2)のカルボシロキサンデンドリマーは、一般式:
【0030】
【化7】

【0031】
(式中、Y、R1、R2およびR3は前記と同じであり、R12は水素原子または前記R1と同じである。a1は前記aiと同じであるが、1分子中のa1の平均合計数は0〜7である。)で表される。
このようなラジカル重合可能な有機基を含有するカルボキシデンドリマー(A2)としては、下記平均組成式で示されるカルボシロキサンデンドリマーが例示される。
【0032】
【化8】

【0033】
【化9】

【0034】
このようなカルボシロキサンデンドリマーは、例えば、特開平11―1530号公報、特開2000−63225号公報等に記載された製造方法に従って製造することができる。
【0035】
本発明で用いられるデンドリマー構造を含有するビニル系重合体において、上記(A1)成分と(A2)成分の質量割合は、(A1):(A2)=0:100〜99.9:0.1が好ましく、5:95〜90:10がより好ましく、更に10:90〜80:20となる範囲であるのが好ましい。
【0036】
本発明で用いられる成分(A)のカルボシロキサンデンドリマー構造を有するビニル系重合体の数平均分子量は、化粧品原料としての配合のしやすさの観点から、好ましくは、3,000〜2,000,000であり、さらに好ましくは、5,000〜800,000である。また、その性状は常温で液状、ガム状、ペースト状、固体状などのいずれでも良いが、得られる化粧皮膜の持続性の観点から、固体状のものが好ましい。また、配合性の観点からは、溶媒によって希釈された溶液や分散液で用いることが好ましい。
【0037】
カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体としては、シリコーンデンドリマー・アクリル共重合体が特に好ましく、FA4001CM(デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)、FA4002ID(イソドデカン溶液)(以上、東レ・ダウコーニング社製)等の市販品を用いることができる。
【0038】
成分(A)は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.1〜30質量%、特に0.5〜20質量%含有されるのが、高い撥水性が得られ、良好な使用感、特に優れたのびが得られるので好ましい。
【0039】
本発明の化粧料は、(B1)ポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーン及び/又は(B2)糖変性シリコーンを含有する。
【0040】
本発明に用いられる成分(B1)のポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーンは、オルガノポリシロキサンセグメントとポリ(N−アシルアルキレンイミン)を有する共重合体であり、共有結合以外の結合により分子間架橋を生じるため、常温・常圧では粘性液体状〜ゴム状〜固体状を呈するものである。
【0041】
かかるポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーンとしては、例えば、分子内に式(3)
【0042】
【化10】

【0043】
(式中、Rは水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示し、nは2又は3である)
で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)のセグメントと、オルガノポリシロキサンのセグメントとを有し、オルガノポリシロキサンのセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個にヘテロ原子を含むアルキレン基を介して、前記式(3)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)のセグメントが結合してなるものが好ましい。かかるポリ(N−アシルアルキレンイミン)のセグメントとオルガノポリシロキサンのセグメントとの質量比は、好ましくは1/50〜20/1、より好ましくは1/40〜2/1であり、分子量は、好ましくは500〜500,000、より好ましくは1,000〜300,000である。また、Rはメチル基又はエチル基が好ましい。
【0044】
前記オルガノポリシロキサンのセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個にヘテロ原子を含むアルキレン基としては、窒素原子、酸素原子又はイオウ原子を1〜3個含む炭素数2〜20のアルキレン基が挙げられ、特に窒素原子を含む炭素数2〜5のアルキレン基が好ましい。
【0045】
かかるポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーンの好ましい例としては、ポリ(N−ホルミルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−アセチルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)変性シリコーン等が挙げられる。なかでも、重量平均分子量約20,000〜200,000で、分子中のポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)セグメントの割合が約3〜50質量%のポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)変性シリコーン(INCI名:ポリシリコーン−9;エラストマーOS、花王社)が好ましい。
【0046】
上記ポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーンは、公知の方法、例えば特開平7−133352号公報に記載の方法により製造することがでる。
【0047】
上記ポリ(N−アシルアルキレンイミン)の分子鎖の分子量は、製剤の安定性と使用感の観点から、150〜50,000が好ましく、より好ましくは500〜10,000である。分子量を150以上とすることで、優れた安定性が得られ、また、分子量を50,000以下とすることで、良好な使用感が得られる。
【0048】
本発明において、成分(B2)として用いられる糖変性シリコーンは、糖由来の残基を分子鎖片末端、両末端、あるいは、側鎖に有するものである。
【0049】
この糖変性シリコーン(B2)において、糖由来残基としては、糖ラクトンアミドアルキル基(糖ラクトン化合物とアミノアルキル基がアミド結合した基)が挙げられる。また、糖変性シリコーンとしては、シリコーン鎖を40〜97質量%、特に50〜85質量%含有し、重量平均分子量が5,000〜500,000、特に50,000〜300,000であるものが好ましい。糖由来残基の変性量が多いと安定性が良く、少ないと使用感が良い傾向がある。また、分子量が大きいと安定性が良く、小さいと塗布時に優れた伸びを示す傾向がある。
【0050】
糖変性シリコーン(B2)は、例えばアミノアルキル基を少なくとも1個有するオルガノポリシロキサンに糖ラクトン化合物(アルドン酸又はウロン酸を分子内で脱水環化させたもの)を反応させてアミド結合を生成せしめることにより製造される。
【0051】
ここで、アミノアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基、特に炭素数1〜8のアミノアルキル基が好ましい。アルドン酸あるいはウロン酸が分子内環化したラクトン化合物としては、D−グルコース、D−ガラクトース、D−アロース、D−アルトロース、D−マンノース、D−グロース、D−イドース、D−タロース等の還元性単糖に由来するアルドン酸のラクトン;マルトース、セロビオース、ラクトース、キシロビオース、イソマルトース、ニゲロース、コージビオース等の還元性二糖に由来するアルドン酸のラクトン;マルトトリオース、バノース、イソマルトトリオース等の還元性三糖に由来するアルドン酸のラクトン;四糖以上の還元性オリゴ糖に由来するアルドン酸のラクトン;D−グルクロン酸、L−イズロン酸、マンヌロン酸等のウロン酸のラクトンなどが挙げられる。これらは単独あるいは混合物として反応に供することができる。
【0052】
アミノアルキル基を有するオルガノポリシロキサン前駆体と糖ラクトンとの反応は、好適には糖ラクトンをオルガノポリシロキサン前駆体のアミノ基に対して1.0〜1.3倍モル用いて溶媒中で混合し、溶液濃度5〜30質量%で加熱還流下に3〜20時間攪拌することによって行うことができる。この際用いる溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどの低級アルコールが好適である。
本発明で用いる糖変性シリコーンは、その性質が失われない範囲で他の官能基が存在していても良い。
【0053】
本発明の化粧料に用いられる成分(B2)の糖変性シリコーンの具体例としては、例えば、特開平07−133352号公報に記載の合成例8〜10、比較合成例3などが挙げられる。また、市販のもの、例えば両末端にグルコンアミド基を有するシリコーン(シリコーンの繰り返し単位数300〜350のもの;Dow Corning CE-8810 Sugar Silicone Emulsion、東レ・ダウ社製)なども好適に用いられる。
【0054】
成分(B)は、1種以上を用いることができ、成分(B1)と(B2)を組み合わせて用いることもできる。成分(B)の含有量は、安定性の観点から0.1〜30質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜20質量%である。含有量を0.1質量%以上とすることで高い撥水性が得られ、また、含有量を30質量%以下とすることで、使用時に良好な伸びが得られる。
【0055】
成分(A)と成分(B)の質量割合(A)/(B)は、てかり抑制と密着感のある仕上がりの観点から、(A)/(B)=0.003〜300の範囲が好ましく、より好ましくは0.005〜200の範囲である。この(A)/(B)の質量割合を0.003以上にすることで、密着感のある仕上がりになり、テカリ難く、また、(A)/(B)の質量割合を300以下とすることで、優れた安定性が発現される。
【0056】
本発明で用いる成分(C)の極性油は、25℃で液状のものである。ここで、液状とは流動性を有するもので、クリーム状やペースト状のものも含まれる。成分(C)の極性油の分子量は、好ましくは250〜2000、より好ましくは300〜1000の範囲である。分子量がこれよりも低いと拡散してしまう傾向があり、逆に高いと成分(A)との相溶性が低下して可塑化効果が得られにくくなる場合がある。
【0057】
また、成分(C)の極性油は、溶解度パラメーター(SP値)が16.5以上、特に17.5〜23、更に19〜22のものが好ましい。
この範囲のSP値の極性油は、カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体と相溶し、粘着性を発現するので好ましい。また、ポリジメチルシロキサン等の低粘度シリコーン油の溶解度パラメーター(約15)と大きく異なるため、低粘度シリコーン油には非相溶であり、化粧膜の強度や接着性が低下することがない。
【0058】
ここで、極性油のSP値とは、溶解度パラメーターδであって、液体の分子凝集エネルギーEと分子容Vからδ=(E/V)1/2(J/cm3)で与えられる物質定数である。SP値は、各種方法で求められるが、本発明においては、Fedorsの方法に従い(J.BRANDRUP著「POLYMER HANDBOOK 4th 」JHON WILEY & SONS,INC 1999年発行)、VII685〜686項に示されるパラメーターを用いて求めたものである。
【0059】
具体的には、例えば、イソノナン酸イソトリデシル(16.5)、リンゴ酸ジイソステアリル(17.9)、ミリスチン酸イソステアリル(16.9)、トリイソステアリン(17.1)、リン酸トリスエトキシジグリコール(18.1)、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(18.2)、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル(18.6)、ジイソステアリン酸ジグリセリル(18.7)、モノイソステアリン酸モノミリスチン酸グリセリル(19.1)、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(19.2)、dl−α−トコフェロール(19.4)、モノイソステアリン酸ジグリセリル(21.7)等が挙げられる。
特に、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、dl−α−トコフェロール、モノイソステアリン酸ジグリセリルが、化粧持続性と密着性の観点から好ましい。
【0060】
成分(C)の極性油は1種以上を用いることができ、全組成中に0.1〜30質量%、特に0.5〜20質量%含有されるのが、十分な効果が得られるとともに、のびが重くならず、使用感も良好であり、好ましい。
【0061】
さらに、極性油は2種以上を使用することがより好ましく、特にSP値が16.8〜18.4の範囲の極性油と、18.5〜23の範囲の極性油を組み合わせ、かつ(SP値16.8〜18.4の油性物質)/(SP値18.5〜23の油性物質)の値が、0.01〜100であることが、使用感、化粧持続性および組成物の安定性の点で好ましい。
【0062】
また、成分(A)と成分(C)の質量割合は、使用感の観点から(A)/(C)=0.1〜10、特に0.1〜5であるのが好ましい。この(A)/(C)の質量割合を0.1以上にすることで、べたつかず、また、10以下とすることで皮膚追従性が発現される。
【0063】
成分(D)の揮発性溶媒は、常圧沸点が70〜250℃の常温で液体のもので、具体的には、例えば、ポリジメチルシロキサン(1.5cs)、ポリジメチルシロキサン(2cs)等の直鎖状シロキサン;トリス(トリメチルシリル)メチルシラン、テトラキス(トリメチルシリル)シラン等の分岐状シロキサン;デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シロキサン;イソドデカン、軽質流動パラフィン等の炭化水素油などが挙げられる。
【0064】
成分(D)の揮発性溶媒の含有量は塗布時の使用感の観点から、0.1〜90質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜60質量%である。この範囲内であれば、伸びやなじみが良好であり、好ましい。
なお、成分(A)のカルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系共重合体を溶解又は分散させるために用いられる揮発性溶媒も、成分(D)に含まれる。
【0065】
本発明の化粧料は、更に粉体を含有しても良く、特に疎水化処理粉体が好適に用いられる。
かかる疎水化処理粉体とは、疎水性を呈する粉体であり、粉体自体が疎水性であるもの、及び、粉体自体は疎水性ではないが疎水化処理を施されて疎水性を呈するものを含み、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造などにより、特に限定されるものではない。
【0066】
粉体自体が疎水性である粉体として具体的には、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ウレタンパウダー、ウールパウダー、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン、有機変性粘土鉱物、チッ化ホウ素、有機タール系顔料等が挙げられる。
【0067】
粉体自体が疎水性でないものとして具体的には、酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄コーティング雲母、酸化鉄コーティング雲母チタン、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、ベンガラ被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有ガラスフレーク、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体等が挙げられ、これらを必要に応じて1種又は2種以上用いることができる。
【0068】
粉体自体が疎水性でないものを疎水化処理するには、公知の疎水化処理剤及び公知の疎水化処理方法を用いれば良く、例えば、フッ素化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、油剤等の表面処理剤を用い、乾式処理、湿式処理等を行えばよい。表面処理剤の具体例としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルアルコキシシランなどのフッ素系化合物、メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状シリコーン、片末端又は両末端トリアルコキシ基変性オルガノポリシロキサンなどのシリコーン系化合物、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛などの金属石鹸、ラウロイルリジンなどのアミノ酸系化合物が挙げられる。表面処理量に制限は無いが、もとの粉体に対して0.5〜20質量%が好ましく、2〜8質量%がより好ましい。
【0069】
疎水性粉体は、1種以上を用いることができ、全組成中に1〜30質量%、特に5〜20質量%含有されるのが好ましい。
【0070】
疎水性粉体のうち、平均粒径が1〜15μm以下の板状粉体を0.5〜15質量%、さらに1〜10質量%と、平均粒径が1〜20μmの球状粉体を0.5〜15質量%、さらに1〜10質量%を含む場合には、自然な仕上がり素肌感や透明感が損なわれることなくツヤ感を付与することができ、良好な毛穴や凹凸隠し効果が得られるので好ましい。なお、本発明において、平均粒径とは、エタノールを溶媒とし、レーザー回折式粒度分布測定器を用いて測定された体積基準平均粒径をいう。
【0071】
板状粉体は肌の平らな部分に付着し、つや感を与え、球状粉体は凹凸部分に付着し、凹凸を目立たなくさせる。板状粉体の平均粒径が15μmを超えると、つやが高いためぎらつき感が強く不自然な仕上がりになったり、てかりやすく、化粧持ちが悪くなるうえに毛穴が目立ちやすくなり好ましくない。板状粉体の具体例としては、マイカ、タルク、セリサイトなどの粘土鉱物や、雲母チタン、酸化鉄コーティング雲母、酸化鉄コーティング雲母チタン、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、ベンガラ被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有ガラスフレーク、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体等が挙げられ、これらを必要に応じて1種又は2種以上用いることができる。
【0072】
球状粉体とは、正反射及び/又は乱反射を抑制する性質を有するものであり、その形状は、真球、略球状、回転楕円体を含み、さらに表面に凹凸がある球状粉体も含む。平均粒径が1〜20μmであると、化粧膜に埋もれず、しかも凹凸部に均一に付着しやすいため、毛穴、小じわ等の凹凸の境界線をぼかして見えにくくする効果である「ぼかし」効果を十分に発現し、毛穴、小じわ等の凹凸を目立ちにくくすることができる。特に、球状粉体の平均粒径を1μm以上とすることにより、球状粉体が化粧膜に埋もれず、使用感がなめらかで良好となる。
【0073】
このような球状粉体の具体例としては、球状であるSiO2、Al23等の金属酸化物、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機化合物、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ナイロン、セルロース、シリコーン樹脂、ポリウレタン等の高分子化合物などが挙げられる。球状粉体は、1種又は2種以上の混合物として使用することができる。
【0074】
本発明の化粧料は、通常の剤型とすることができる。かかる剤型としては、油中水型、水中油型、あるいはマルチエマルジョン型の乳化状態からなる乳液、クリーム、ペースト、ジェル状製剤;油性製剤;油性固形製剤等が挙げられる。
油中水型乳化化粧料とする場合には、25℃における粘度が500〜20万mPa・s、特に1,000〜10万mPa・s、更に2,000〜5万mPa・sであるのが、カバー力に優れるので好ましい。ここで、粘度はB型粘度計で測定したものである。
【0075】
油中水型乳化化粧料とする場合には、上記成分に加えて水が含有される。水を含有することで、本発明の化粧料に清涼感、伸び・つき等の特質を付与することができる。好ましい水の含有量は0.1〜90質量%、より好ましくは10〜60質量%である。水の量を0.1質量%以上とすることで清涼性が得られる。また、水の量を90質量%以下とすることで、優れた伸びが発揮される。
【0076】
また、油中水型乳化化粧料とする場合には、製品の外観や安定性を向上するため、界面活性剤を含有することが好ましい。使用される界面活性剤としては、非イオン界面活性剤が好ましく、なかでもHLBが1〜7、特に2〜6のものが、化粧持続性、安定性の観点から好ましい。
かかる非イオン界面活性剤の具体例としては、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット・ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル、シリコーン系界面活性剤等が挙げられる。特に、ジメチルポリシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体、ジメチルポリシロキサン・モノアルキルグリセリルエーテル共重合体が好ましい。
また、非イオン界面活性剤の含有量は、0.1〜5質量%が好ましく、さらには0.3〜3.5質量%であるのが、乳化物の安定性および化粧持続性の点から好ましい。
【0077】
また、水は、全組成中に0.1〜90質量%、特に10〜60質量%含有されるのが好ましい。
【0078】
本発明の化粧料は、前記成分以外に、通常化粧料に用いられる成分、例えば、前記以外の油性物質、顔料、水溶性高分子、酸化防止剤、香料、色素、防腐剤、紫外線吸収剤、増粘剤、pH調整剤、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤、保湿剤、清涼剤等を、本発明の目的、効果を損なわない質的、量的範囲内で含有することができる。
【0079】
これらのうち、前記以外の油性物質を用いる場合には、特に溶解度パラメーターが12以下のものが好ましく、例えば、流動パラフィン、シリコーン油、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤、フッ素変性シリコーンなどを使用することができる。
【0080】
また、任意成分のうち、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの低級アルコールは、使用感及び安定性の観点から30質量%以下、特に20質量%以下の使用が好ましい。
【0081】
本発明の化粧料は、液状タイプの乳液、クリーム、洗浄剤等のスキンケア化粧料;ファンデーション、化粧下地、ほお紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、オーバーコート剤、口紅等のメイクアップ化粧料などとして適用することができる。
【0082】
本発明の化粧料は、通常の方法に従って製造することができる。混合の手順に特に制限はないが、成分(A)、成分(B)等の高分子成分は、それらをよく溶かす液状成分にあらかじめ溶解または分散してから、他の成分と混合することが好ましい。
【実施例】
【0083】
実施例1〜9及び比較例1〜3
表1に示す組成の油中水型乳化ファンデーションを製造し、皮膜感(つっぱり、閉塞感、圧迫感、違和感)のなさ、塗布直後の密着感のある仕上がり、塗布直後の毛穴の目立ち難さ、5時間後の毛穴の目立ち難さ、および、5時間後のよれの目立ち難さを評価した。結果を表1に併せて示す。
【0084】
(製法)
油相成分及びポリマー成分を均一混合した後、粉体成分を油相成分にプロペラで分散させた。これに水相成分の混合物を攪拌しながら徐々に添加し、更にホモミキサーで乳化を行った後、脱泡して、目的の油中水型乳化ファンデーションを得た。
【0085】
(評価方法)
(1)皮膜感(つっぱり、圧迫感、違和感):
専門評価者10人により、各油中水型乳化化粧料を使用したときのつっぱり、圧迫感、違和感のなさを官能評価し、以下の基準で判定した。
◎;8人以上が少ないと評価した。
○;6〜7人が少ないと評価した。
△;4〜5人が少ないと評価した。
×;3人以下が少ないと評価した。
【0086】
(2)塗布直後の密着感のある仕上がり:
専門評価者10人により、各油中水型乳化化粧料を使用したとき、塗布直後の密着感のある仕上がりを官能評価し、以下の基準で判定した。
◎;8人以上が密着感のある仕上がりと評価した。
○;6〜7人が密着感のある仕上がりと評価した。
△;4〜5人が密着感のある仕上がりと評価した。
×;3人以下が密着感のある仕上がりと評価した。
【0087】
(3)塗布直後の毛穴の目立ち難さ:
専門評価者10人により、各油中水型乳化化粧料を使用したとき、塗布直後の毛穴の目立ち難さを官能評価し、以下の基準で判定した。
◎;8人以上が目立たないと評価した。
○;6〜7人が目立たないと評価した。
△;4〜5人が目立たないと評価した。
×;3人以下が目立たないと評価した。
【0088】
(4)5時間後の毛穴の目立ち難さ:
専門評価者10人により、各油中水型乳化化粧料を使用した後、5時間経過したときの毛穴の目立ち難さを官能評価し、以下の基準で判定した。
◎;8人以上が目立たないと評価した。
○;6〜7人が目立たないと評価した。
△;4〜5人が目立たないと評価した。
×;3人以下が目立たないと評価した。
【0089】
(5)5時間後のよれの目立ち難さ:
専門評価者10人により、各油中水型乳化化粧料を使用した後、5時間経過したときのよれの目立ち難さを官能評価し、以下の基準で判定した。
◎;8人以上が目立たないと評価した。
○;6〜7人が目立たないと評価した。
△;4〜5人が目立たないと評価した。
×;3人以下が目立たないと評価した。
【0090】
【表1】

【0091】
実施例10(下地クリーム)
(1)ジメチルポリシロキサン・ポリオキシエチレン共重合体
(SH3775M、東レ・ダウコーニング社製) 0.5(質量%)
(2)デカメチルシクロペンタシロキサン 23.0
(3)ジメチルポリシロキサン(2cs) 17.5
(4)シリコーンデンドリマー・アクリル共重合体
(FA4001CM:30%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液、
東レ・ダウコーニング社製) 3.0
(5)フッ素変性シリコーン
(特開平6-184312号、実施例4記載の化合物) 4.0
(6)パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル
(パルソールMCX、DSM ニュートリションジャパン社;SP値19.2)
2.0
(7)ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)変性シリコーン
(特許第3118192号、合成例9に従って合成したもの) 1.2
(8)エタノール 9.8
(9)チューベロースポリサッカライド溶液 5.0
(10)硫酸マグネシウム 0.3
(11)精製水 残量
(12)タルク 3.0
(13)マイカ 3.0
(14)シリコーン処理酸化チタン被覆ガラスフレーク 2.0
(15)シリコーン処理雲母チタン 2.0
(16)フッ素処理酸化鉄 0.045
(17)フッ素処理ウレタンパウダー 2.0
合計 100
【0092】
(製法)
成分(1)〜(7)を均一に混合し、成分(12)〜(17)を、ディスパーを用いて混合する。そこへ成分(8)〜(11)の混合物を加えて混合し、下地クリームを得る。
((A)/(C)=0.45)
((A)/(B)=0.75)
【0093】
実施例11(クリーム状ファンデーション)
(1)シリコーン処理酸化チタン 10.0(質量%)
(2)シリコーン処理セリサイト 8.0
(3)シリコーン処理ベンガラ 2.0
(4)シリコーン処理黄酸化鉄 3.5
(5)シリコーン処理黒酸化鉄 0.5
(6)ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)変性シリコーン
(特許第3118192号、合成例8に従って合成したもの) 3.0
(7)シリコーンデンドリマー・アクリル共重合体
(FA4002ID:40%イソドデカン溶液、東レ・ダウコーニング社製)
10.0
(8)デカメチルシクロペンタシロキサン 15.0
(9)ジメチルポリシロキサン・メチルポリオキシエチレン共重合体
(KF-6015、信越化学工業社製) 4.0
(10)ジメチルポリシロキサン(2cs) 1.0
(11)パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル
(パルソールMCX、DSM ニュートリションジャパン社;SP値19.2)
10.0
(12)エタノール 7.0
(13)グリセリン 5.0
(14)精製水 残量
合計 100
【0094】
(製法)
成分(6)〜(11)を均一に混合し、そこへ成分(1)〜(5)をディスパーを用いて分散させる。さらに成分(12)〜(14)を加えて攪拌し、クリーム状ファンデーションを得る。
((A)/(C)=4)
((A)/(B)=1.33)
【0095】
実施例12(アイシャドウ)
(1)デカメチルテトラシロキサン(1.5cs) 残量(質量%)
(2)シリコーンデンドリマー・アクリル共重合体
(FA4002ID:40%イソドデカン溶液、東レ・ダウコーニング社製)
10
(3)リンゴ酸ジイソステアリル 1.0
(4)ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)変性シリコーン
(特許第3118192号、合成例9に従って合成したもの) 3.6
(5)エタノール 8.4
(6)ジメチルポリシロキサン・メチルポリオキシエチレン共重合体
(KF-6015、信越化学工業社製) 6.0
(7)精製水 5.0
(8)シリコーン処理タルク 1.8
(9)シリコーン処理雲母チタン 22.0
合計 100
【0096】
(製法)
成分(1)〜(6)を均一に混合し、そこへ成分(8)〜(9)を加え、ディスパーを用いて混合する。さらに成分(7)を加え混合し、アイシャドウを得る。
((A)/(C)=4)
((A)/(B)=1.11)
【0097】
実施例13(サンケアファンデーション)
(1)α−モノイソステアリルグリセリルエーテル 2(質量%)
(2)アルミニウムジステアレート 0.2
(3)シリコーンデンドリマー・アクリル共重合体
(FA4002ID:40%イソドデカン溶液、東レ・ダウコーニング社製)
10
(4)ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 5.0
(5)メチルフェニルポリシロキサン(14cs) 5.0
(6)パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル
(パルソールMCX、DSM ニュートリションジャパン社;SP値19.2)
2.0
(7)イソドデカン 2.0
(8)シリコーン処理微粒子酸化チタン 3.0
(9)シリコーン処理セリサイト 2.0
(10)シリコーン処理タルク 3.0
(11)シリコーン処理ベンガラ 0.4
(12)シリコーン処理黄酸化鉄 0.7
(13)シリコーン処理黒酸化鉄 0.1
(14)ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)変性シリコーン
(特開平7-133352号公報の合成例5に従って合成したもの) 2.0
(15)硫酸マグネシウム 1.0
(16)ソルビトール70%水溶液 5.0
(17)メチルパラベン 0.1
(18)香料 微量
(19)精製水 残量
合計 100
【0098】
(製法)
成分(1)〜(13)を均一に混合し、あらかじめ70〜90℃に加熱して均一に溶解させる。成分(14)〜(19)を添加して乳化機で攪拌混合する。室温まで冷却してサンケアファンデーションを得る。
((A)/(C)=0.6)
((A)/(B)=2)
【0099】
実施例10〜13で得られる化粧料はいずれも、使用感、仕上がり、持続性に優れ、特に密着感のある仕上がりに優れるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体、
(B)ポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーン及び/又は糖変性シリコーン、
(C)極性油、
(D)揮発性溶媒
を含有する化粧料。
【請求項2】
さらに、水、および、非イオン界面活性剤を含有する油中水型乳化化粧料である、請求項1載の化粧料。
【請求項3】
さらに、疎水化処理球状粉体を含有する請求項1又は2記載の化粧料。

【公開番号】特開2011−16732(P2011−16732A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−160605(P2009−160605)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】