説明

化粧用粘着シート

【課題】 本発明は、適度な粘着性を有し、皮膚刺激が小さく、必要量の水溶性の生理活性成分を溶解含有することができる化粧用粘着シートを提供する。
【解決手段】 支持シートの一面に、(水添)共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなるブロック共重合体20〜40重量%、該ブロック共重合体用可塑化成分30〜70重量%、親水性セルロース微粒子0.1〜10重量%、水0〜30重量%及び生理活性成分0.01〜30重量%よりなる化粧用粘着剤層が積層されていることを特徴とする化粧用粘着シート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚粘着性、低皮膚刺激性に優れ、生理活性成分を皮膚に有効に浸透させ、皮膚トラブルや皮膚疾患の改善効果の高い化粧用粘着シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ニキビ、しみ、そばかす、日焼け後の色素沈着、乾燥、シワ、脱毛症、くすみ、くま、肌荒れなどの皮膚トラブルやアトピー性皮膚炎、老人性乾皮症、小児乾燥性湿疹、角化症、白癬症などの皮膚疾患の改善には、軟膏、クリーム、ローション等の基剤やハイドロゲルシートなどが使われていた。しかし、軟膏、クリーム、ローション等は、べたついたり衣服に付着し汚すばかりでなく、塗付できる量が限られ1日に何度も塗りなおす必要があった。又、貼付型剤形のハイドロゲル基剤は、経皮吸収性が低く、長時間貼付する場合は、水分の蒸発により粘着力が低下し剥がれてしまうという欠点があった。
【0002】
そのため、スチレン−イソプレンブロック共重合体に粘着付与樹脂とオイルを加えた組成物を基剤とした医薬貼付剤が使用されているが、それらは粘着力が強すぎ、皮膚刺激も強く医薬品パッチとしては適当であっても顔に貼ることを想定した化粧品用基剤としては不適であった。
【0003】
これらの欠点を解消するために、「(水添)共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなるトリブロック共重合体100重量部あたり、(A)可塑化成分を50−300重量部、(B)生理活性成分を0.001−100重量部、とを配合した請求項1記載の皮膚用貼付剤」が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−284676号公報
【0004】
上記皮膚用貼付剤は適度な粘着性を有し、皮膚刺激も小さいので皮膚用貼付剤として好ましいが、油溶性であり、油溶性の生理活性成分を溶解配合することは可能であるが、水溶性の生理活性成分は溶解性が小さく殆ど溶解配合できなかった。従って、化粧品用途の生理活性成分は大部分が水溶性なので化粧品用途には好適に使用できなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記欠点に鑑み、適度な粘着性を有し、皮膚刺激が小さく、必要量の水溶性の生理活性成分を溶解含有することができる化粧用粘着シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の化粧用粘着シートは、支持シートの一面に、(水添)共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなるブロック共重合体20〜40重量%、該ブロック共重合体用可塑化成分30〜70重量%、親水性セルロース微粒子0.1〜10重量%、水0〜30重量%及び生理活性成分0.01〜30重量%よりなる化粧用粘着剤層が積層されていることを特徴とする。
【0007】
本発明で使用される支持シートは、化粧用粘着剤層を支持するためのシートであって、例えば、楮、三椏等の天然繊維から製造された和紙;サトウキビ繊維から製造されたバガス紙;木材パルプから製造された洋紙;綿、スフ等の天然繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリイミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、アクリル繊維等の合成繊維、及びこれら繊維の混合繊維から製造された織布及び不織布;ポリメチルメタクリレート、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、SIS樹脂、SEBS樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂等の樹脂シート等が挙げられる。
【0008】
本発明で使用される化粧用粘着剤は、(水添)共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなるブロック共重合体20〜40重量%、該ブロック共重合体用可塑化成分30〜70重量%、親水性セルロース微粒子0.1〜10重量%、水0〜30重量%及び生理活性成分0.01〜30重量%よりなる。
【0009】
上記(水添)共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなるブロック共重合体における(水添)共役ジエンは、一対の共役二重結合を有するジオレフィン若しくはその水素添加により2重結合をなくしたものであり、例えば1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン及びそれらの水添物等が挙げられる。
【0010】
又、(水添)共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなるブロック共重合体におけるビニル芳香族炭化水素とは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環のような芳香族環を有し、そこに無置換の又は置換されたビニル基が結合した化合物であり、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン等が挙げられる。
【0011】
上記(水添)共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなるブロック共重合体としては、A−B型ブロック共重合体とA−B−A型ブロック共重合体が挙げられるが、A−B−A型ブロック共重合体が好ましく、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−イソブチレン−スチレン共重合体(SIS)等が挙げられる。ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素の含有量は、少なくなると接着力やクリープ特性が低下し、逆に多くなると溶融粘度が高くなるので25〜40重量%が好ましい。
【0012】
上記可塑化成分は、上記(水添)共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなるブロック共重合体を可塑化しうる化合物であり、常圧で250℃以上の沸点を有し、常温で液体又は半固体の炭化水素又はエステルであって、エステルの場合は化合物中の(エステル基+水酸基の総数)に対する(メチル基+メチレン基の総数)が25以上の化合物が好ましい。可塑化成分の常圧での沸点が250℃以下になるとホットメルト製法において可塑化成分の揮散が起こりやすい。又、エステルの場合、化合物中の(エステル基+水酸基の総数)に対する(メチル基+メチレン基の総数)が25以下であると(水添)共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなるブロック共重合体との混和性が悪化し問題が生じる。(メチル基+メチレン基の総数)/(エステル基+水酸基の総数)をM/Eと定義すると、可塑化成分はM/Eが25以上である化合物が有効に使用できる。例えば、流動パラフィン、スクアレン、スクアラン、(いずれもM/Eは無限大)、ラノリン(M/Eは40−50)、ホホバ油(M/Eは40−45)が挙げられる。ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチル、サフラワー油等も使用可能ではあるが、M/Eが25以下であり(水添)共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなるブロック共重合体との相溶性が低く好ましくない。
【0013】
上記親水性セルロース微粒子は、セルロースから製造され、親水性の微粒子であれば特に限定されないが、セルロースのヒドロキシル基の一部又は全てが多価カルボン酸のカルボキシル基とエステル結合によって置換されており、形状が球形であり水に不溶のものが好ましい。
【0014】
上記多価カルボン酸としては、例えば、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、フタル酸、マロン酸、コハク酸、ドデシルコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸等が上げられ、カルボキシル基を3つ以上有する三塩基性以上の多価カルボン酸でもよい。
【0015】
又、上記置換されたカルボキシル基の一部又は全てがアルカリ金属又はアルカリ土類金属によって金属塩化されており、形状が球形で水に不溶であってもよい。カルボキシル基をアルカリ金属又はアルカリ土類金属で金属塩化するには、カルボキシル基とアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物を反応させればよく、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
【0016】
上記親水性セルロース粒子の湿潤状態での平均粒子径は、1μmより小さいものは球状で製造するが困難になり、1000μmより大きくなると皮膚に貼付した際にきしみ感が生じて貼り心地が悪くなるので、1〜1000μmが好ましく、より好ましくは3〜100μmである。
【0017】
上記親水性セルロース粒子のカチオン交換基容量は、小さくなるとが多価カルボン酸を導入することが困難になり、大きくなると球形を維持しにくくなるので0.1〜3.0meq/gが好ましく、より好ましくは、0.5〜2.5meq/gである。
【0018】
上記親水性セルロース粒子の形状は略球状が好ましく、円形度(=円相当半径から求めた円の周囲長/粒子投影像の周囲長)は0.9〜1.0が好ましい。ここで、円形度は、Sysmex株式会社のフロー式粒子像分析装置FPIA−2100により測定し、「円相当半径から求めた円の周囲長/粒子投影像の周囲長」で算出されるものであり、円形度を、円相当径(実際に撮像された周囲長と同じ投影面積を持つ真円の直径)から算出された周囲長を実際に撮像された粒子の周囲長で割った値として定義し、真円で1になり、形状が複雑になるほど小さい値となる。従って、円形度は0.9以上の極めて球状性が高い粒子が好ましく、微粒子を水等に分散した分散体は、電荷的反発により、極めて安定的に分散しており、化粧用粘着剤に添加した際には分散安定性、増粘効果、保湿能力を有する。尚、円形度が0.9より小さい場合には球形性が小さくなり、安定的な分散性が低下すると共にざらつき感やきしみ感が生じるようになる。
【0019】
上記生理活性成分は、特に限定されないが、化粧用粘着剤中に親水性セルロース粒子及び水を含有しているので、水溶性の生理活性成分が好適に溶解含有される。生理活性成分としては、例えば、ニキビ、しみ、そばかす、日焼け後の色素沈着乾燥、シワ、脱毛症、くすみ、くま、肌荒れ、セルライトや脂肪の沈着などの皮膚トラブルを解消し、美肌を保つ成分やアトピー性皮膚炎、老人性乾皮症、小児乾燥性湿疹、角化症、白癬症などの皮膚疾患を予防又は改善する成分で、美白成分、抗シワ成分、抗炎症成分、血行促進成分、抗菌成分、抗そう痒成分、ビタミン類、抗酸化成分、細胞賦活成分、抗アレルギー成分等が挙げられ、これらの成分を単独で用いられてもよいし、組み合わせて用いられてもよい。
【0020】
美白成分としては、特に限定されないが、例えば、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩、アスコルビン酸グルコシド及びその塩類及びアシル化誘導体、パルミチン酸アスコルビルなどのビタミンC誘導体、α−アルブチン、β−アルブチン、コウジ酸、プラセンタエキス、システイン、グルタチオン、エラグ酸、ルシノール、トラネキサム酸、バイカレイン、バイカリン、ジヒドロミリセチン、リクイリチン、グラブリジン、メタロチオネイン活性化ミネラル、アケビ、アルテア、アシタバ、イグサ、イタドリ、ウワウルシ、オウゴン、オトギリソウ、カキョク、カミツレ、カラマチンキ、キューリ、クジン、クワ、ケウロジ子実体、加水分解コメヌカ、葛根、グァバ、コケモモ、小麦胚芽、サイコ、ジュ、ジュンサイ、シャクヤク、ゼラニウム、センキュウ、チユ、トウキ、トウキチンキ、ドッカツ、ナラ、ニガウリ、ノゲイトウ、ハマメリス、ヘチマ、ボウフウ、マロニエ、メロスリア、ムクロジ、ローズマリー、鹿角霊芝、油溶性甘草、ラベンダー、ルムプヤン、ワレモコウ、霊芝及びそれらのエキス、チンキ或いはそれらに含まれる成分等が挙げられる。
【0021】
抗シワ成分としては、特に限定されないが、例えば、レチノール、レチノイン酸、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノールなどのレチノイド、クエン酸、フルーツ酸、グリコール酸、乳酸などのα−ヒドロキシ酸、α−ヒドロキシ酸コレステロール、ルチン糖誘導体、N−メチルセリン、エラスチン、コラーゲン、セリシン、ツボクサエキス等が挙げられる。
【0022】
抗炎症成分としては、特に限定されないが、例えば、グリチルレチン酸、アラントイン、イプシロン−アミノカプロン酸、アズレン、シコニン、トラネキサム酸及びオウレン、甘草、テルミナリア、セイヨウノコギリソウ、シコン、ヒレハリ草、アロエ、ブッチャーブルーム、マロニエ、モモ葉、ビワ葉及びそれらのエキス、チンキ或いはそれらに含まれる成分などが挙げられる。
【0023】
血行促進成分としては、特に限定されないが、例えば、ビタミンE類、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、ニコモール、カフェイン、カプサイシン、ノナン酸バニリルアミド、ショウガオール、ジンゲロール、幼牛血液抽出物、Y−アミノ酪酸、スエルチノーゲン、塩化カルプロニウム、ミノキシジル、メントール、カンフル、アニス、イチョウ、イラクサ、インヨウカク、エンメイソウ、エンゴサク、オウギ、オウバク、カラシ、カンキョウ、カンタリス、キナ、キハダ、クララ、ケイヒ、ケイケットウ、コウカ、ゴシュユ、ゴシツ、サンショ、ジオウ、ショウキョウ、ショウブ、シャクヤク、スギナ、センキュウ、センブリ、セイヨウトショウ、セキシャク、ジリュウ、ダイオウ、タンジン、チョウトウコウ、トウガラシ、トウキ、トウクララ、トウニン、冬緑油、ハッカ、ビャクシツリ、フキ、ブシ、ベニバナ、ボウイ、ボタンピ、メリッサ、モモ、リョウキョウ、リンドウ、ニガキ、ニンジン、ニンニク、ヒキオコシ、ヤボランジ、ユーカリ、ヨヒンベ及びそれらのエキス、チンキ或いはそれらに含まれる成分等が挙げられる。
【0024】
抗菌成分としては、特に限定されないが、例えば、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、トリクロカルバン、トリクロロヒドロキシフェノール、ハロカルバン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等のカチオン界面活性剤、感光素、酸化亜鉛、酸化チタン、キチン、キトサン、ヒノキチオール及びアニス、アルニカ、キャラウェイ、カッシャ、ショウウイキョウ、ダイウイキョウ、タケ、オウレン、ショウキョウ、チンピ、タイサン、ハッカ、シソ、トウヒ、ケイヒ、サンシュユ、ニクズク、セッコウボク、イズイ、サンソウニン、ボウフウ、ハマボウフウ、ジュウヤク、ウコン、シャジン、アマチャズル、インドセンダン、アスパラガス、ホウノキ、ユッカ、セージ、チャ、ビワヨウ、ユーカリ及びそれらのエキス、チンキ或いはそれらに含まれる成分等が挙げられる。
【0025】
抗そう痒成分としては、特に限定されないが、例えば、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、クロタミトン、グリチルリチン酸類、メントール、カンファー、ローズマリー油、カプサイシン、ノナン酸バニリルアミド、ジブカイン等が挙げられる。
【0026】
ビタミン類としては、特に限定されないが、例えば、油溶性ビタミン類としてビタミンA油、肝油、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、レチノール、デヒドロレチノール、ビタミンA、レチノイン酸、ビタミンD、ビタミンD(エルゴカルシフェロール)、ビタミンD(コレカルシフェロール)、ビタミン誘導体、ビタミンE(トコフェロール)、酢酸dl−α−トコフェロール、dl−α−トコフェロール、酪酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、ニコチン酸ベンジルエステル、天然ビタミンE、ビタミンK、ビタミンU等が挙げられる。又、水溶性ビタミン類として、ビタミンB(サイアミン)、ビタミンB(リボフラビン酪酸エステル)、ビタミンB(ジカプリル酸ピリドキシン、ジパルミチン酸ピリドキシンなど脂肪酸エステル)、ビタミンB12(コバラミン)、ビタミンB13、ビタミンB14、ビタミンB15(パンガミン酸)、葉酸、カルニチン、チオクト酸、パントテニールアルコール、パントテニールエチルエーテル、パントテン酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、コリン、イノシトール、ビタミンC(アスコルビン酸)、ステアリン酸アスコルビル、パントテン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、ビタミンH(ビオチン)、ビタミンP(ヘスペリジン)等が挙げられる。
【0027】
抗酸化成分としては、特に限定されないが、例えば、アントシアニン、カテキン、緑茶ポリフェノール、りんごポリフェノールなどのポリフェノール類、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸硫酸ナトリウム、β−カロチン、アスタキサンチンなどのカロテノイド、トコフェロール類、酢酸トコフェロール、天然ビタミンE、トコモノエノール、トコトリエノール、クルクミンなどのβ−ジケトン、セサミン、セサモリンなどのリグナン、オイゲノールなどのフェノール、ケルセチン、ピクノジェノール、ナリンギン、サリシン、アルブチン、ルチンなどのフラボノイド、グルタチオン、チオタウリン、ヒポタウリン、オリザノール、カフェ酸、クロロゲン酸、エラグ酸、ロズマリン酸、没食子酸、オスベック酸、SOD、カタラーゼ、ユビキノール、ターメリック、クロロフィル及びアカメガシワ、アセンヤク、エイジツ、オウバク、オウレン、キナ、ゲンノショウコ、コウキ、紅茶、サルビア、シラカバ、マリアアザミ、ハマメリス、マロニエ、メリッサ、モモ、ジュ、チャ、ナラ、フジ、ボダイジュ、イチョウ葉、ユーカリ、ラベンダー、ローズマリー、ケイヒ、セージ、ワサビ、サンショウ、カラシ、チョウジ、バラ及びそれらのエキス、チンキ或いはそれらに含まれる成分等が挙げられる。
【0028】
細胞賦活性成分としては、特に限定されないが、例えば、γ−オリザノール、γ−アミノ酪酸、酵母エキス、ビフィズス菌エキス、コラーゲン、エラスチン、加水分解コラーゲン、加水分解エラスチン、補酵素Q10及びアイリス、アロエ、アマチャズル、アルニカ、アンズ、イブキジャコウソウ、オウバク、オウゴン、オリーブ葉、海藻、カミツレ、甘草、キンギンカ、クロレラ、クジン、ゲットウ、ゲンチアナ、シコン、スギナ、セイヨウサンザシ、セイヨウボダイジュ、センブリ、大豆、ツボクサ、トウニン、ドクダミ、トマト、ニンジン、ヒオウギ、ヒキオコシ、ブナ、ヘチマ、ベニバナ、ホーリーバジル、マロニエ、マジョラム、メリロート、モモ、モモ葉、ラベンダー、リリー、ユーカリ及びそれらのエキス、チンキ或いはそれらに含まれる成分等が挙げられる。
【0029】
抗アレルギー成分としては、特に限定されないが、例えば、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸などのグリチルレチン酸誘導体、甘草、クロレラ、コンフリー、ボタンピ、フユボダイジュ、エンメイソウ、セージ、シソ、ヨモギ及びそれらのエキス、チンキ或いはそれらに含まれる成分等が挙げられる。
【0030】
本発明における化粧用粘着剤中の(水添)共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなるブロック共重合体の含有量は、少なくなると粘着性が低下し、多くなると相対的に可塑化成分の含有量が低下して粘着性が低下する。又、可塑化成分は(水添)共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなるブロック共重合体を可塑化し粘着性を付与するものであるから、少なくなると粘着性が低下し、多すぎると可塑化が進みべたついて再剥離性が低下する。親水性セルロースの含有量は、少なくなると多量の水溶性の生理活性成分を含有できなくなり、多くなると皮膚に貼付した際にきしみ感が生じて貼り心地が悪くなる。水の含有量は、少なくなると多量の水溶性の生理活性成分を含有できなくなり、多くなると粘着剤がべたついたり分離するようになる。水は化粧用粘着剤において貼付時のしっとり感を与えることに有効であり、本発明において必要不可欠ではないが存在することが好ましい。水の含有量は、多くなると粘着剤がべたついたり分離するようになる。従って、化粧用粘着剤は、(水添)共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなるブロック共重合体20〜40重量%、該ブロック共重合体用可塑化成分30〜70重量%、親水性セルロース微粒子0.1〜10重量%、水0〜30重量%及び生理活性成分0.01〜30重量%よりなる。
【0031】
上記化粧用粘着剤は、保湿剤を含有していてもよい。保湿剤は、皮膚に浸透し皮膚の保湿効果を増進させるものであり、化粧用粘着剤中0.01〜10重量%含有するのが好ましい。保湿剤としては、従来から化粧品に使用されている保湿剤であれば特に限定されず、例えば、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、マルチトール、トレハロースなどの多価アルコール、ピロリドンカルボン酸、乳酸、尿素、アミノ酸などのNMF成分、ヘパリン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、キチン、キトサン、アルギン酸ナトリウム、アロエ、ペクチンなどの多糖類、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、ゼラチン、カゼイン、シルク、小麦プロテイン、大豆プロテイン、DNAなどのペプチド類及びその加水分解物、塩化ナトリウム、海水などのミネラル類、セラミド、コレステロールエステル等が挙げられ、多価アルコールが好ましい。
【0032】
化粧用粘着剤層の厚みは、特に限定されるものではないが、顔面等の皮膚に貼付するのであり、皮膚に均一に且つ容易に密着して貼り付けられるのが好ましく、100〜1000μmが好ましい。
【0033】
本発明の化粧用粘着シートの製造方法は、特に限定されず、従来公知の任意の方法で製造されればよく、例えば、ホットメルト塗工法が挙げられる。ホットメルト塗工法で製造するには、(水添)共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなるブロック共重合体、該ブロック共重合体用可塑化成分、親水性セルロース微粒子、水及び生理活性成分を密閉式の混合機(ニーダー)中へ投入し、100〜200℃の温度で加熱溶融混合し均一に混合した溶融物を90−150℃において支持シートにホットメルト塗工して化粧用粘着剤層を形成すればよい。
【発明の効果】
【0034】
本発明の化粧用粘着シートの構成は上述の通りであるから、適度な粘着性を有し、皮膚刺激が小さく、必要量の水溶性の生理活性成分を溶解含有することができる。従って、顔面等に均一且つ容易に貼付できると共に均一且つ容易に剥離することができる。又、水溶性の生理活性成分を顔面等に供給することができ化粧効果が優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
次に、本発明を詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜4、比較例1〜5)
表1に示した所定量の、ブロック共重合体としてのスチレン/イソプレン/スチレン共重合体(クレイトンジャパン社製、商品名「クレイトンD1112」及びスチレン含有量15%)、スチレン/エチレン/ブチレン/イソプレン/スチレン共重合体(クレイトンジャパン社製、商品名「クレイトンG1726」、スチレン含有量30%)、可塑化成分としての流動パラフィン(ナカライテスク社製、化学試薬)、親水性セルロース微粒子(大東化成工業社製、商品名「モイスセルD−5」、平均粒子径5μm、カリウムで金属塩化、カチオン交換基容量1.2mep/g)、水、保湿剤としてのグリセリン、非イオン界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(ナカライテスク社製、商品名「ツイン60」)並びに生理活性成分としてのリン酸アスコルビルナトリム(協和発酵社製、商品名「VCP−NA」)、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩、アロエエステル及びα−アルブチンを密閉式ニーダーに投入し、110℃で溶融混練して粘着剤組成物を得た後、75μmのポリエステル離型フィルムにホットメルト塗工し、その後目付け量80g/mのポリエステル不織布に転写して厚さ100μmの化粧用粘着剤層が積層されている化粧用粘着シートを得た。尚、比較例4における粘着剤組成物は流動性が悪く75μmのポリエステル離型フィルムにホットメルト塗工できなかった。又、比較例5においては化粧用粘着剤層上にグリセリンがブリードしてべたべたになったので、下記水分測定は行わなかった。
【0036】
(実施例5)
表1に示した所定量の、ブロック共重合体としてのスチレン/イソプレン/スチレン共重合体(クレイトンジャパン社製、商品名「クレイトンD1107」、スチレン含有量30%)及びスチレン/エチレン/ブチレン/イソプレン/スチレン共重合体(クレイトンジャパン社製、商品名「クレイトンG1726」、スチレン含有量30%)並びに可塑化成分としての流動パラフィン(ナカライテスク社製、化学試薬)を800mlのシクロヘキサンに溶解させてシクロヘキサン溶液を得た。
【0037】
次いで、表1に示した所定量の、親水性セルロース微粒子(大東化成工業社製、商品名「モイスセルD−5」、平均粒子径5μm、カリウムで金属塩化、カチオン交換基容量1.2mep/g)、保湿剤としてのグリセリン、非イオン界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(ナカライテスク社製、商品名「ツイン60」)、生理活性成分としてのコラーゲン及び水とをよく混合し、水をセルロース微粒子に吸収させた後、得られたシクロヘキサン溶液に添加しよく撹拌し分散させた。得られた分散液をポリエステル離型フィルム上に流延し75℃で20分乾燥させて目付け量80g/mのポリエステル不織布上に転写して厚さ100μmの化粧用粘着剤層が積層されている化粧品粘着シートを得た。
【0038】
得られた化粧用粘着シートを直径2cmの円形に切り出したパッチをボランティア12名の額部に貼付し1時間後に剥離した。はがした部分の皮膚の水分蒸散量を測定した。前もって貼付部位の水分蒸産量を測定しておき、貼付前後の水分蒸産量の比を求め、結果を表1に示した。水分測定にはCourage−Khazaka Electronics社製「Tewameter TM300」を用いた。測定はn3で行い、平均値で示した。
【0039】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持シートの一面に、(水添)共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなるブロック共重合体20〜40重量%、該ブロック共重合体用可塑化成分30〜70重量%、親水性セルロース微粒子0.1〜10重量%、水0〜30重量%及び生理活性成分0.01〜30重量%よりなる化粧用粘着剤層が積層されていることを特徴とする化粧用粘着シート。
【請求項2】
可塑化成分が、常圧で250℃以上の沸点を有し、常温で液体若しくは半固体の炭化水素若しくはエステルであって、エステルにあっては化合物中の「エステル基+水酸基の総数」に対する「メチル基+メチレン基の総数」の比が25以上であることを特徴とする請求項1記載の化粧用粘着シート。
【請求項3】
親水性セルロース微粒子は、セルロースのヒドロキシル基の一部又は全てが多価カルボン酸のカルボキシル基とエステル結合によって置換されており、形状が略球形であって、水に不溶であることを特徴とする請求項1又は2記載の化粧用粘着シート。
【請求項4】
多価カルボン酸が、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、フタル酸、マロン酸、コハク酸、ドデシルコハク酸、グルタル酸、アジピン酸又はマレイン酸であることを特徴とする請求項3記載の化粧用粘着シート。
【請求項5】
親水性セルロース微粒子は、カルボキシル基の一部又は全てがアルカリ金属又はアルカリ土類金属によって金属塩化されており、形状が略球形であって、水に不溶であることを特徴とする請求項3又は4記載の化粧用粘着シート。
【請求項6】
親水性セルロース微粒子は、湿潤状態での平均粒子径が1〜1000μm、カチオン交換基容量が0.1〜3.0meq/gであることを特徴とする請求項3、4又は5記載の化粧用粘着シート。

【公開番号】特開2009−256295(P2009−256295A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−126485(P2008−126485)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【出願人】(501296380)コスメディ製薬株式会社 (42)
【出願人】(391015373)大東化成工業株式会社 (97)
【Fターム(参考)】