説明

医用情報処理装置及びプログラム

【課題】分析結果情報を有効に活用する。
【解決手段】検体検査管理コンソールにおいて、検査対象患者から採取した検体を分析した分析結果情報を自動分析装置から取得し(ステップS24)、取得された分析結果情報をメモリに保存させ(ステップS25)、分析結果情報を表示部に表示させる(ステップS26)。検体検査管理コンソールは、患者情報を付与せずに分析結果情報をラベルプリンタに送信し(ステップS27)、ラベルプリンタにおいてラベルが印刷される(ステップS28)。その後、検体検査管理コンソールは、管理サーバから患者情報、検査情報を取得し(ステップS31)、取得した患者情報と、メモリに保存されている直近の分析結果情報とを表示部に表示させる(ステップS32)。そして、検体検査管理コンソールから管理サーバに、患者情報と分析結果情報とを対応付けて送信する(ステップS33)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、メタボリックシンドローム(代謝症候群)に対する関心が高まってきている。メタボリックシンドロームの早期診断を行うことで、生活習慣病を引き起こす要因を特定し、生活改善(体質改善)に繋げることが求められている。メタボリックシンドロームの検査には、血液検査、血圧測定、内臓脂肪蓄積(ウエスト計測)が含まれる。
【0003】
血液検査は、血液の成分を分析するものであり、この分析結果から高脂血症や高血糖の診断を行うことができる。しかし、血圧測定やウエスト計測とは異なり、血液検査は生化学分析を行う分析装置が必要となる。複数の患者の検体を同時に分析可能な臨床化学自動分析装置は、血液以外の検体も対象とし、様々な用途に用いられるが、大型で高価なため、大病院での利用が主である。
【0004】
検査結果の変動を示すために、検査データを日付順に折れ線グラフで表示することが行われている。この際、グラフ表示する複数の検査項目の標準値の上限及び下限が縦軸において一致するように、各検査データのグラフを描画する医療検査データのグラフ表示方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
一方、病院の各診察室や診療所では、一人の患者の検体を対象とし、数項目のみの血液検査を行う単機能の分析装置が利用されている。このような分析装置は小型化されているが、紙ラベル等で数値情報のみを出力する等、機能は制限されている。そのため、データ紛失や患者取り違え等のおそれがあり、継続的に分析結果を管理することは困難である。
【0006】
そこで、分析装置により分析された分析結果情報を取得し、患者情報と対応付けて管理サーバへ送信し、管理サーバにおいてデータを管理することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−133293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、管理サーバにおいて管理されている患者情報の中から検査対象患者を選択するより前に、分析装置から分析結果情報を取得した場合には、対応付けるべき患者情報が存在しないため、分析結果情報を管理サーバへ送信することができなかった。また、このような状況において、その後、患者が選択された場合には、分析装置で再分析を行い、新たな分析結果情報と患者情報とを対応付けなければならず、患者に多大な負担を強いるとともに、作業効率を悪化させる一因となっていた。
【0009】
本発明は上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、分析結果情報を有効に活用することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、検査対象患者から採取した検体を分析した分析結果情報を分析装置から取得して当該取得された分析結果情報を記憶手段に保存させた後に、患者情報を含む医用情報を管理する管理サーバから前記検査対象患者の患者情報を取得し、前記取得された患者情報と前記記憶手段に保存された分析結果情報とを表示手段に表示させ、前記取得された患者情報と前記記憶手段に保存された分析結果情報とを対応付けて前記管理サーバに送信する制御手段を備える医用情報処理装置である。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の医用情報処理装置において、前記取得された患者情報とともに前記表示手段に表示される分析結果情報、及び、前記取得された患者情報と対応付けられて前記管理サーバに送信される分析結果情報は、前記記憶手段に最後に保存された分析結果情報である。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の医用情報処理装置において、前記検体は、前記検査対象患者の血液である。
【0013】
請求項4に記載の発明は、コンピュータを、検査対象患者から採取した検体を分析した分析結果情報を分析装置から取得して当該取得された分析結果情報を記憶手段に保存させた後に、患者情報を含む医用情報を管理する管理サーバから前記検査対象患者の患者情報を取得し、前記取得された患者情報と前記記憶手段に保存された分析結果情報とを表示手段に表示させ、前記取得された患者情報と前記記憶手段に保存された分析結果情報とを対応付けて前記管理サーバに送信する制御手段として機能させるためのプログラムである。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のプログラムにおいて、前記取得された患者情報とともに前記表示手段に表示される分析結果情報、及び、前記取得された患者情報と対応付けられて前記管理サーバに送信される分析結果情報は、前記記憶手段に最後に保存された分析結果情報である。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載のプログラムにおいて、前記検体は、前記検査対象患者の血液である。
【発明の効果】
【0016】
請求項1、4に記載の発明によれば、分析装置から取得した分析結果情報を保存しておき、その後管理サーバから取得した検査対象患者の患者情報と対応付けるので、分析結果情報を有効に活用することができる。
【0017】
請求項2、5に記載の発明によれば、記憶手段に最後に保存された分析結果情報を、管理サーバから取得した検査対象患者の患者情報と対応付けることができる。
【0018】
請求項3、6に記載の発明によれば、検査対象患者の血液を分析した分析結果情報を有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】医用情報システムのシステム構成図である。
【図2】管理サーバの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】(a)は、患者情報のデータ構成を示す図である。(b)は、検査情報のデータ構成を示す図である。(c)は、分析結果情報のデータ構成を示す図である。
【図4】検体検査管理コンソールの機能的構成を示すブロック図である。
【図5】検体検査管理コンソールにおいて、管理サーバから患者情報を取得した後に、自動分析装置から分析結果情報を取得した場合の各装置における動作を示すラダーチャートである。
【図6】取込画面の例である。
【図7】分析結果情報及び患者情報が印刷されたラベルの例である。
【図8】検体検査管理コンソールにおいて、患者が選択される前に、自動分析装置から分析結果情報を取得した場合の各装置における動作を示すラダーチャートである。
【図9】検体検査管理コンソールにおいて実行される処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[医用情報システムのシステム構成]
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1に、医用情報システム1のシステム構成を示す。
医用情報システム1は、管理サーバ10と、検体検査管理コンソール20と、自動分析装置30と、ラベルプリンタ40と、から構成されている。管理サーバ10と検体検査管理コンソール20とは、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNを介してデータ通信可能に接続されている。また、検体検査管理コンソール20、自動分析装置30及びラベルプリンタ40は、同一の診察室内に設置されている。検体検査管理コンソール20と自動分析装置30、検体検査管理コンソール20とラベルプリンタ40は、それぞれ、データ通信可能に接続されている。
【0021】
なお、図1では、検体検査管理コンソール20、自動分析装置30、ラベルプリンタ40を1組のみ記載しているが、検体検査管理コンソール20、自動分析装置30、ラベルプリンタ40の組は、同一の又は異なる診察室に複数存在してもよい。
【0022】
管理サーバ10は、患者情報D1(図2参照)、検査情報D2(図2参照)、分析結果情報D3(図2参照)、患者の診断対象部位を撮影して得られた画像データ等の医用情報を記憶し、管理する。管理サーバ10として、PACS(Picture Archiving and Communication System)等が適用可能である。
【0023】
検体検査管理コンソール20は、管理サーバ10に保存されている医用情報(患者情報D1、検査情報D2、分析結果情報D3等)を取得して表示するビューア機能と、自動分析装置30から分析結果情報D3を取得して、ラベルプリンタ40や管理サーバ10に出力する分析結果取込機能とを有する医用情報処理装置である。
【0024】
自動分析装置30は、検査対象患者から採取した検体を自動的に分析し、分析結果情報D3を生成する。本実施の形態では、自動分析装置30として、検査対象患者から採取した血液を分析対象とし、メタボリックシンドローム関連の4検査項目であるTC(総コレステロール)、HDL(HDLコレステロール)、TRG(トリグリセリド)、GLU(グルコース)を同時に測定可能な小型迅速生化学検査装置を用いる場合を例にして説明する。
【0025】
ラベルプリンタ40は、紙製のラベルにデータを印刷する印刷手段である。ラベルプリンタ40は、検体検査管理コンソール20から送信された分析結果情報D3をラベルに印刷する。
【0026】
[管理サーバの機能的構成]
図2に、管理サーバ10の機能的構成を示す。
図2に示すように、管理サーバ10は、制御部11、操作部12、表示部13、通信部14、記憶部15を備えて構成され、各部はバス16により接続されている。
【0027】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、管理サーバ10の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、操作部12から入力される操作信号又は通信部14により受信される指示信号に応じて、記憶部15に記憶されている各種処理プログラムを読み出し、RAM内に形成されたワークエリアに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0028】
操作部12は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部11に出力する。
【0029】
表示部13は、LCD(Liquid Crystal Display)により構成され、制御部11から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。
【0030】
通信部14は、LANアダプタ、ルータ、TA(Terminal Adapter)等を備え、通信ネットワークNを介して接続された検体検査管理コンソール20等の外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0031】
記憶部15は、ハードディスク等から構成され、制御プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメータやファイル等を記憶している。記憶部15には、患者情報D1、検査情報D2、分析結果情報D3が対応付けられて記憶される。また、記憶部15には、患者情報D1、検査情報D2、分析結果情報D3等を管理するデータ管理プログラム151が記憶されている。
【0032】
患者情報D1は、患者に関する情報であり、図3(a)に示すように、患者ID、患者名、性別、生年月日等を含む。
検査情報D2は、検査に関する情報であり、図3(b)に示すように、検査種別、採取部位、採取日時、検査日時等を含む。検査情報D2は、検査対象患者の患者情報D1と対応付けられている。
分析結果情報D3は、自動分析装置30により、検査対象患者から採取した検体を検査項目毎に分析した結果を示す情報であり、図3(c)に示すように、検査項目、検査値、単位、実施者等を含む。分析結果情報D3は、検査対象患者の患者情報D1、分析結果の検査情報D2と対応付けられている。
【0033】
制御部11は、データ管理プログラム151との協働により、記憶部15に記憶されている患者情報D1、検査情報D2、分析結果情報D3等を管理する。制御部11は、通信部14を介して、検体検査管理コンソール20から患者情報D1と対応付けられた分析結果情報D3を受信すると、当該分析結果情報D3を患者情報D1と対応付けて記憶部15に記憶させる。
【0034】
制御部11は、通信部14を介して、検体検査管理コンソール20等の外部機器から患者情報D1、検査情報D2、分析結果情報D3等の医用情報の取得要求を受信すると、当該取得要求に応じた医用情報を記憶部15から読み出す。そして、制御部11は、通信部14を介して、当該読み出した医用情報を外部機器に送信する。
【0035】
[検体検査管理コンソールの機能的構成]
図4に、検体検査管理コンソール20の機能的構成を示す。
図4に示すように、検体検査管理コンソール20は、制御部21、操作部22、表示部23、通信部24、記憶部25、メモリ26、I/F(Interface)27、I/F28を備えて構成され、各部はバス29により接続されている。
【0036】
制御部21は、CPU、RAM等から構成され、検体検査管理コンソール20の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、操作部22から入力される操作信号又は通信部24により受信される指示信号に応じて、記憶部25に記憶されている各種処理プログラムを読み出し、RAM内に形成されたワークエリアに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0037】
操作部22は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部21に出力する。
【0038】
表示部23は、LCDにより構成され、制御部21から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。
【0039】
通信部24は、LANアダプタ、ルータ、TA等を備え、通信ネットワークNを介して接続された管理サーバ10等の外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0040】
記憶部25は、ハードディスク等から構成され、制御プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメータやファイル等を記憶している。記憶部25には、ビューアプログラム251、分析結果取込プログラム252、基準値テーブル253が記憶されている。基準値テーブル253には、検査項目毎に、基準値の範囲が格納されている。基準値の範囲は、各検査項目について、経験上通常取り得る範囲として設定されている範囲である。
【0041】
メモリ26は、データを一時的に記憶するキャッシュメモリである。メモリ26には、自動分析装置30から取得された分析結果情報D3が保存される。
【0042】
I/F27は、自動分析装置30との間でデータ通信を行うためのインターフェースであり、自動分析装置30から分析結果情報D3を取得する。
【0043】
I/F28は、ラベルプリンタ40との間でデータ通信を行うためのインターフェースであり、ラベルプリンタ40に分析結果情報D3及び患者情報D1を送信する。
【0044】
制御部21は、ビューアプログラム251との協働により、通信部24を介して、管理サーバ10から医用情報を取得し、当該医用情報を表示部23に表示させる。
【0045】
制御部21は、分析結果取込プログラム252との協働により、I/F27を介して、自動分析装置30から分析結果情報D3を取得する。制御部21は、管理サーバ10から検査対象患者の患者情報D1を取得した後に、検査対象患者についての分析結果情報D3を自動分析装置30から取得した場合、管理サーバ10から取得した患者情報D1と、自動分析装置30から取得した分析結果情報D3とを表示部23に表示させる。また、制御部21は、自動分析装置30から取得した分析結果情報D3に、管理サーバ10から取得した患者情報D1を付与して、ラベルプリンタ40に送信する。また、制御部21は、ユーザの操作部22からの操作に基づいて、患者情報D1と分析結果情報D3とを対応付けて管理サーバ10に送信する。
【0046】
制御部21は、管理サーバ10から検査対象患者の患者情報D1を取得する前に、検査対象患者についての分析結果情報D3を自動分析装置30から取得した場合、当該取得された分析結果情報D3をメモリ26に保存させる。この場合、制御部21は、患者情報D1を付与せずに、自動分析装置30から取得した分析結果情報D3をラベルプリンタ40に送信する。その後、制御部21は、管理サーバ10から検査対象患者の患者情報D1を取得し、取得された患者情報D1とメモリ26に最後に保存された分析結果情報D3とを表示部23に表示させ、ユーザの操作部22からの操作に基づいて、取得された患者情報D1とメモリ26に最後に保存された分析結果情報D3とを対応付けて管理サーバ10に送信する。
【0047】
[医用情報システムの動作]
次に、医用情報システム1における動作について説明する。
まず、図5に示すラダーチャートを参照して、検体検査管理コンソール20において、管理サーバ10から患者情報D1を取得した後に、自動分析装置30から分析結果情報D3を取得した場合について説明する。なお、管理サーバ10における処理は、制御部11と、記憶部15に記憶されているデータ管理プログラム151との協働によるソフトウェア処理によって実現される。また、検体検査管理コンソール20における処理は、制御部21と、記憶部25に記憶されているビューアプログラム251及び分析結果取込プログラム252との協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0048】
まず、図5に示すように、検体検査管理コンソール20において、ユーザの操作部22からの操作により、検査対象患者が選択され(ステップS1)、選択結果(検査対象患者)が通信部24を介して管理サーバ10に送信される。
【0049】
管理サーバ10では、通信部14を介して選択結果が受信され、制御部11により、選択結果に基づいて、記憶部15に記憶されている患者情報D1、検査情報D2の中から検査対象患者に関連する検査が検索される(ステップS2)。そして、制御部11により、検査対象患者に関連する患者情報D1、検査情報D2が通信部14を介して検体検査管理コンソール20に送信される。
【0050】
検体検査管理コンソール20では、制御部21により、通信部24を介して管理サーバ10から患者情報D1、検査情報D2が取得される(ステップS3)。そして、制御部21により、取得された患者情報D1、検査情報D2が表示部23に表示される(ステップS4)。
【0051】
次に、ユーザの操作部22からの操作に基づいて、I/F27を介して自動分析装置30に検体検査を実施する旨の指示が送信され、今回の検体検査が実施される(ステップS5)。
【0052】
自動分析装置30では、検査対象患者から採取した検体(血液)が自動的に分析され(ステップS6)、分析結果情報D3が生成される。分析結果情報D3には、検査項目毎に、検査値、単位、実施者等が含まれる。具体的には、自動分析装置30では、TC、HDL、TRG、GLUの検査項目について測定が行われ、これらの測定結果に基づいてLDL、non−HDL、TC/HDLが算出される。
次に、自動分析装置30から検体検査管理コンソール20に分析結果情報D3が送信される(ステップS7)。
【0053】
検体検査管理コンソール20では、制御部21により、I/F27を介して自動分析装置30から分析結果情報D3が取得される(ステップS8)。そして、制御部21により、管理サーバ10から取得された患者情報D1と、自動分析装置30から取得された分析結果情報D3とが表示部23に表示される(ステップS9)。
【0054】
図6に、表示部23に表示される取込画面231の例を示す。
取込画面231には、患者情報表示領域232、検体検査結果表示領域233、判定結果表示領域234、送信ボタン235等が含まれる。
【0055】
患者情報表示領域232は、患者情報D1に基づいて、患者ID、患者名、性別、生年月日等が表示される領域である。
【0056】
検体検査結果表示領域233は、検査項目、検査値、単位、基準値、異常値をそれぞれ表示する欄を有する。検査項目、検査値、単位は、自動分析装置30から取得された分析結果情報D3に基づいて表示される。基準値については、記憶部25の基準値テーブル253に基づいて各検査項目に対応する基準値の範囲が表示される。異常値は、検査値が基準値の範囲外であった場合に、検査値が基準値の範囲より高いか(H)低いか(L)を示す情報である。
【0057】
判定結果表示領域234は、検体検査結果に基づく判定結果が表示される領域である。判定結果として、判定内容及び判定理由が表示される。例えば、図6に示す例では、GLUが基準値以上であるから高血糖であると判定され、TRGが基準値以上又はHDLが基準値未満であるから血清脂質異常であると判定されている。
【0058】
ユーザは、取込画面231を参照して、患者情報D1及び分析結果情報D3を確認する。ユーザが自動分析装置30に設けられている出力ボタンを押下すると、自動分析装置30から検体検査管理コンソール20にラベル印刷指示が送信される。
検体検査管理コンソール20では、I/F27を介して自動分析装置30からラベル印刷指示が受信されると、制御部21により、分析結果情報D3に患者情報D1が付与され、患者情報D1が付与された分析結果情報D3がI/F28を介してラベルプリンタ40に送信される(ステップS10)。
【0059】
ラベルプリンタ40では、分析結果情報D3が患者情報D1とともにラベルに印刷される(ステップS11)。
図7に、分析結果情報D3及び患者情報D1が印刷されたラベル41の例を示す。ラベル41には、患者情報印刷領域42及び分析結果情報印刷領域43が含まれる。患者情報印刷領域42には、患者名、患者ID等の患者情報D1が印刷される。分析結果情報印刷領域43には、分析結果情報D3が印刷される。
【0060】
次に、ユーザが操作部22から操作することにより、取込画面231の送信ボタン235を押下すると、制御部21により、患者情報D1と分析結果情報D3とが対応付けられて、通信部24を介して管理サーバ10に送信される(ステップS12)。管理サーバ10に送信される分析結果情報D3に、各検査項目の基準値の範囲、判定結果が含まれていてもよい。
【0061】
管理サーバ10では、通信部14を介して患者情報D1と分析結果情報D3とが受信され、制御部11により、分析結果情報D3が患者情報D1と対応付けられて記憶部15に保存される(ステップS13)。保存された分析結果情報D3は、検体検査管理コンソール20から参照可能であるだけでなく、他の診察室に設置されている検体検査管理コンソール(検体検査管理コンソール20以外の検体検査管理コンソール)からも参照可能となる。
【0062】
次に、図8に示すラダーチャートを参照して、検体検査管理コンソール20において、患者が選択される前に、自動分析装置30から分析結果情報D3を取得した場合について説明する。なお、管理サーバ10における処理は、制御部11と、記憶部15に記憶されているデータ管理プログラム151との協働によるソフトウェア処理によって実現される。また、検体検査管理コンソール20における処理は、制御部21と、記憶部25に記憶されているビューアプログラム251及び分析結果取込プログラム252との協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0063】
まず、図8に示すように、検体検査管理コンソール20において、ユーザの操作部22からの操作に基づいて、I/F27を介して自動分析装置30に検体検査を実施する旨の指示が送信され、今回の検体検査が実施される(ステップS21)。
【0064】
自動分析装置30では、検査対象患者から採取した検体(血液)が自動的に分析され(ステップS22)、分析結果情報D3が生成される。
次に、自動分析装置30から検体検査管理コンソール20に分析結果情報D3が送信される(ステップS23)。
【0065】
検体検査管理コンソール20では、制御部21により、I/F27を介して自動分析装置30から分析結果情報D3が取得され(ステップS24)、取得された分析結果情報D3がメモリ26に保存される(ステップS25)。そして、制御部21により、分析結果情報D3が表示部23に表示される(ステップS26)。
【0066】
次に、ユーザが自動分析装置30に設けられている出力ボタンを押下すると、自動分析装置30から検体検査管理コンソール20にラベル印刷指示が送信される。
検体検査管理コンソール20では、I/F27を介して自動分析装置30からラベル印刷指示が受信されると、制御部21により、患者情報D1が付与されずに、分析結果情報D3がI/F28を介してラベルプリンタ40に送信される(ステップS27)。
【0067】
ラベルプリンタ40では、患者情報D1は記載されずに、分析結果情報D3がラベルに印刷される(ステップS28)。
【0068】
次に、検体検査管理コンソール20において、ユーザの操作部22からの操作により、検査対象患者が選択され(ステップS29)、選択結果(検査対象患者)が通信部24を介して管理サーバ10に送信される。
【0069】
管理サーバ10では、通信部14を介して選択結果が受信され、制御部11により、選択結果に基づいて、記憶部15に記憶されている患者情報D1、検査情報D2の中から検査対象患者に関連する検査が検索される(ステップS30)。そして、制御部11により、検査対象患者に関連する患者情報D1、検査情報D2が通信部14を介して検体検査管理コンソール20に送信される。
【0070】
検体検査管理コンソール20では、制御部21により、通信部24を介して管理サーバ10から患者情報D1、検査情報D2が取得される(ステップS31)。そして、制御部21により、取得された患者情報D1と、メモリ26に保存されている直近の分析結果情報D3(メモリ26に最後に保存された分析結果情報D3)とが表示部23に表示される(ステップS32)。表示画面は、図6に示した取込画面231と同様であるため、図示及び説明を省略する。なお、ここでは、取得された患者情報D1と、メモリ26に最後に保存された分析結果情報D3とが表示部23に表示されることとしたが、メモリ26に複数の分析結果情報D3が保存されている場合には、その中からユーザが選択した分析結果情報D3が表示されることとしてもよい。
【0071】
次に、ユーザが操作部22から操作することにより、表示部23に表示されている画面上の送信ボタンを押下すると、制御部21により、管理サーバ10から取得された患者情報D1と、メモリ26に最後に保存された分析結果情報D3とが対応付けられて、通信部24を介して管理サーバ10に送信される(ステップS33)。管理サーバ10に送信される分析結果情報D3に、各検査項目の基準値の範囲、判定結果が含まれていてもよい。
【0072】
管理サーバ10では、通信部14を介して患者情報D1と分析結果情報D3とが受信され、制御部11により、分析結果情報D3が患者情報D1と対応付けられて記憶部15に保存される(ステップS34)。保存された分析結果情報D3は、検体検査管理コンソール20から参照可能であるだけでなく、他の診察室に設置されている検体検査管理コンソール(検体検査管理コンソール20以外の検体検査管理コンソール)からも参照可能となる。
【0073】
次に、図9に示すフローチャートを参照して、検体検査管理コンソール20において実行される処理について説明する。
図9に示すように、制御部21により、ユーザの操作部22からの操作により、検査対象患者が選択されたか否かが判断される(ステップS41)。検査対象患者が選択された場合には(ステップS41;YES)、制御部21により、通信部24を介して管理サーバ10から患者情報D1、検査情報D2が取得される(ステップS42)。そして、制御部21により、取得された患者情報D1、検査情報D2が表示部23に表示される(ステップS43)。
【0074】
ステップS43の後、又は、ステップS41において、検査対象患者が選択されていない場合に(ステップS41;NO)、制御部21により、I/F27を介して自動分析装置30から分析結果情報D3が取得される(ステップS44)。
【0075】
次に、制御部21により、検査対象患者が選択されているか否かが判断される(ステップS45)。検査対象患者が選択されている場合には(ステップS45;YES)、制御部21により、管理サーバ10から取得された患者情報D1と、自動分析装置30から取得された分析結果情報D3とが表示部23に表示される(ステップS46)。
【0076】
次に、自動分析装置30における出力ボタンの押下操作に応じて、制御部21により、分析結果情報D3に患者情報D1が付与されて、I/F28を介してラベルプリンタ40に送信される(ステップS47)。
【0077】
次に、ユーザが操作部22から操作することにより、送信ボタン235(図6参照)を押下すると、制御部21により、患者情報D1と分析結果情報D3とが対応付けられて、通信部24を介して管理サーバ10に送信される(ステップS48)。
【0078】
ステップS45において、検査対象患者が選択されていない場合には(ステップS45;NO)、制御部21により、自動分析装置30から取得された分析結果情報D3がメモリ26に保存される(ステップS49)。そして、制御部21により、分析結果情報D3が表示部23に表示される(ステップS50)。
【0079】
次に、自動分析装置30における出力ボタンの押下操作に応じて、制御部21により、患者情報D1が付与されずに、分析結果情報D3がI/F28を介してラベルプリンタ40に送信される(ステップS51)。
【0080】
次に、ユーザの操作部22からの操作により、検査対象患者が選択されると(ステップS52;YES)、制御部21により、通信部24を介して管理サーバ10から患者情報D1、検査情報D2が取得される(ステップS53)。そして、制御部21により、取得された患者情報D1と、メモリ26に保存されている直近の分析結果情報D3とが表示部23に表示される(ステップS54)。
【0081】
次に、ユーザが操作部22から操作することにより、表示部23に表示されている画面上の送信ボタンを押下すると、制御部21により、患者情報D1と分析結果情報D3とが対応付けられて、通信部24を介して管理サーバ10に送信される(ステップS55)。
【0082】
ステップS48、ステップS55の後、検体検査管理コンソール20における処理が終了する。
【0083】
以上説明したように、検体検査管理コンソール20によれば、患者が選択される前に、自動分析装置30から分析結果情報D3を取得した場合、自動分析装置30から取得した分析結果情報D3をメモリ26に保存しておき、その後管理サーバ10から取得した検査対象患者の患者情報D1と、最後に保存された分析結果情報D3とを対応付けるので、自動分析装置30において再分析を行う必要がなく、分析結果情報D3を有効に活用することができる。特に、メタボリックシンドロームを診断するための血液検査を行った場合には、検査対象患者の血液を分析した分析結果情報D3を有効に活用することができる。
自動分析装置30において再分析を行う場合には、検体の再採取、検体の時間経過、再分析による分析環境の変化等により、検査値が変化するおそれがあるが、再分析の必要がないため、これを回避することができる。
【0084】
また、複数のデータ(分析結果情報D3)が存在する場合であって、時系列において途中のデータを後から患者情報D1と対応付けた場合であっても、データの順序を維持することができる。
【0085】
また、検体検査管理コンソール20において、管理サーバ10から患者情報D1を取得した後に、自動分析装置30から分析結果情報D3を取得した場合には(図5参照)、分析結果情報D3に患者情報D1を付与してラベルプリンタ40に印刷させることにより、分析結果情報D3と患者情報D1とを対応付けることができるので、分析結果情報D3の管理を容易にし、患者の取り違えを防止することができる。
【0086】
また、検体検査管理コンソール20において、患者が選択される前に、自動分析装置30から分析結果情報D3を取得した場合には(図8参照)、患者情報D1を付与せずに分析結果情報D3をラベルプリンタ40に印刷させるので、ユーザに注意を喚起することができる。ユーザは、ラベルに患者情報D1が記載されていないのを見て、患者が選択されていないことに気付くことができる。
【0087】
また、検体検査管理コンソール20は、管理サーバ10に保存されている医用情報を取得して表示するビューア機能と、自動分析装置30から分析結果情報D3を取得して、ラベルプリンタ40や管理サーバ10に出力する分析結果取込機能とを有するので、両機能を1台の装置に集約することができる。
【0088】
また、診察室において得られたデータを管理サーバ10にて管理することにより、分析結果情報D3を取得した検体検査管理コンソール20以外の検体検査管理コンソールからも分析結果情報D3を参照可能となる。さらに、検体検査管理コンソール20において、分析結果情報D3を、管理サーバ10に保存されている画像検査の結果(画像データ)等と連携させて表示することができる。
【0089】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る医用情報処理装置の例であり、これに限定されるものではない。装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0090】
例えば、検体検査管理コンソール20が有するビューア機能及び分析結果取込機能を、管理サーバ10が有することとしてもよい。
【0091】
以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体としてハードディスク等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【符号の説明】
【0092】
1 医用情報システム
10 管理サーバ
11 制御部
12 操作部
13 表示部
14 通信部
15 記憶部
16 バス
20 検体検査管理コンソール
21 制御部
22 操作部
23 表示部
24 通信部
25 記憶部
26 メモリ
27 I/F
28 I/F
29 バス
30 自動分析装置
40 ラベルプリンタ
41 ラベル
42 患者情報印刷領域
43 分析結果情報印刷領域
151 データ管理プログラム
231 取込画面
232 患者情報表示領域
233 検体検査結果表示領域
234 判定結果表示領域
235 送信ボタン
251 ビューアプログラム
252 分析結果取込プログラム
253 基準値テーブル
D1 患者情報
D2 検査情報
D3 分析結果情報
N 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象患者から採取した検体を分析した分析結果情報を分析装置から取得して当該取得された分析結果情報を記憶手段に保存させた後に、
患者情報を含む医用情報を管理する管理サーバから前記検査対象患者の患者情報を取得し、
前記取得された患者情報と前記記憶手段に保存された分析結果情報とを表示手段に表示させ、
前記取得された患者情報と前記記憶手段に保存された分析結果情報とを対応付けて前記管理サーバに送信する制御手段を備える医用情報処理装置。
【請求項2】
前記取得された患者情報とともに前記表示手段に表示される分析結果情報、及び、前記取得された患者情報と対応付けられて前記管理サーバに送信される分析結果情報は、前記記憶手段に最後に保存された分析結果情報である、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項3】
前記検体は、前記検査対象患者の血液である、
請求項1又は2に記載の医用情報処理装置。
【請求項4】
コンピュータを、
検査対象患者から採取した検体を分析した分析結果情報を分析装置から取得して当該取得された分析結果情報を記憶手段に保存させた後に、
患者情報を含む医用情報を管理する管理サーバから前記検査対象患者の患者情報を取得し、
前記取得された患者情報と前記記憶手段に保存された分析結果情報とを表示手段に表示させ、
前記取得された患者情報と前記記憶手段に保存された分析結果情報とを対応付けて前記管理サーバに送信する制御手段として機能させるためのプログラム。
【請求項5】
前記取得された患者情報とともに前記表示手段に表示される分析結果情報、及び、前記取得された患者情報と対応付けられて前記管理サーバに送信される分析結果情報は、前記記憶手段に最後に保存された分析結果情報である、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記検体は、前記検査対象患者の血液である、
請求項4又は5に記載のプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−186863(P2011−186863A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52485(P2010−52485)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】