説明

医用画像撮像装置

【課題】 モービルタイプの医用画像撮像装置につき、車両運行可能な状態かどうかを容易に確認できる医用画像撮像装置を実現する。
【解決手段】車両20の操作室24に設置した操作装置36に設けられた免震手段の機能の有効を検出し、その信号を外部に出力することにより、運転者が確認できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像撮像装置に関し、特に、車両に搭載して移動可能にした医用画像撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モービルタイプの医用画像撮像装置の一例として、例えば、モービル(mobile)X線CT(computed tomography)装置やモービルMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置がある。これらの装置は、バス(bus)型車両の車内に設けたスキャンルーム(scan room)に、X線CT装置やMRI装置を設置したものである。
【0003】
X線CT装置においては、X線を利用して撮像対象の投影信号を獲得し、その信号を信号処理して撮像対象の断層像を生成する。投影信号の獲得はガントリ(gantry)と呼ばれる信号獲得装置によって行われる。信号処理はオペレータコンソール(operator console)内のデータ(data)処理装置によって行われる。
【0004】
MRI装置においては、磁気共鳴を利用して撮像対象の投影信号を獲得し、その信号を信号処理して撮像対象の断層像を生成する。投影信号の獲得はマグネットシステム(magnet system)と呼ばれる信号獲得装置によって行われる。信号処理はオペレータコンソール内のデータ処理装置によって行われる。
【0005】
ガントリやマグネットシステムは、撮像対象の投影角度を調節するために水平方向に対する傾斜角度が調節可能になっているが、車両の運行中は最大限に傾斜させてストッパ(stopper)に当接させた状態にし姿勢が不安定になるのを防止している。
【0006】
オペレータコンソールについては、運行中の振動や衝撃等で損傷しないように、脚部に例えば振動吸収ゴム(gum)等の免震機構を設けてある。免震機能は撮像時には無効化し、車両を運行するときにのみ有効にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような医用画像撮像装置では、車両の運行を開始する前に、ガントリやマグネットシステムおよびオペレータコンソールが運行に適する状態になっているかどうかを確認する必要があるが、従来は容易に確認する手段がなかった。
【0008】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、モービルタイプの医用画像撮像装置につき、車両運行可能な状態かどうかを容易に確認できる医用画像撮像装置を実現することである。
【0009】
また、医用画像撮像装置が車両運行可能な状態にないときは車両の始動が不可能な医用画像撮像装置を実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記の課題を解決するための1つの観点での発明は、信号獲得手段と、前記信号獲得手段を支持する第1の支持手段と、前記信号獲得手段が獲得した信号に基づいて画像を生成する画像生成手段と、前記画像生成手段を支持する第2の支持手段と、前記第2の支持手段に設けられた免震手段と、前記免震手段の機能を有効および無効のいずれかに切り換える切換手段と、前記免震手段の機能の有効を検出する有効検出手段と、前記有効検出手段による有効検出が行われたことを示す信号を外部に出力する信号出力手段とを具備することを特徴とする医用画像撮像装置である。
【0011】
この観点での発明では、画像生成手段を支持した支持手段が免震状態になっていることを示す信号を出力する。これにより医用画像撮像装置につき、車両運行可能な状態にあるかどうかを容易に確認することができる。
【0012】
(2)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記第1の支持手段の傾斜を予め定めた限界角度に拘束する拘束手段と、前記第1の支持手段の傾斜が前記限界角度に拘束されたことを検出する拘束検出手段とをさらに具備し、前記第1の支持手段は、前記信号獲得手段を支持し水平方向に対する傾斜角度が可変であり、前記信号出力手段は、前記拘束検出手段による拘束検出と前記有効検出手段による有効検出が同時に行われたことを示す信号を外部に出力するものであることを特徴とする(1)に記載の医用画像撮像装置である。
【0013】
この観点での発明では、信号獲得手段を支持した支持手段の拘束状態および画像生成手段を支持した支持手段の免震状態が同時に成立していることを示す信号を出力する。これにより医用画像撮像装置につき、車両運行可能な状態にあるかどうかを容易に確認することができる。
【0014】
(3)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記信号獲得手段の電源遮断の有無を検出する電源遮断検出手段を有し、前記信号出力手段は前記電源遮断検出手段による電源遮断検出も同時に行われたことを示す信号を出力することを特徴とする(1)または(2)に記載の医用画像撮像装置である。
【0015】
この観点での発明では、信号獲得手段を支持した支持手段の拘束状態または/および画像生成手段を支持した支持手段の免震状態と、信号獲得手段の電源遮断状態とが同時に成立していることを示す信号を出力する。これにより医用画像撮像装置につき、車両運行可能な状態にあるかどうかを容易に確認することができる。
【0016】
(4)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記画像生成手段の電源遮断の有無を検出する電源遮断検出手段を有し、前記信号出力手段は前記電源遮断検出手段による電源遮断検出も同時に行われたことを示す信号を出力することを特徴とする(1)ないし(3)のうちのいずれか1つに記載の医用画像撮像装置である。
【0017】
この観点での発明では、信号獲得手段を支持した支持手段の拘束状態または/および画像生成手段を支持した支持手段の免震状態と、画像生成手段の電源遮断状態とが同時に成立していることを示す信号を出力する。これにより医用画像撮像装置につき、車両運行可能な状態にあるかどうかを容易に確認することができる。
【0018】
(5)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記信号獲得手段の電源供給の有無および前記画像生成手段の電源遮断の有無を検出する電源遮断検出手段を有し、前記信号出力手段は前記電源遮断検出手段による電源遮断検出も同時に行われたことを示す信号を出力することを特徴とする(1)または(2)に記載の医用画像撮像装置である。
【0019】
この観点での発明では、信号獲得手段を支持した支持手段の拘束状態または/および画像生成手段を支持した支持手段の免震状態と、信号獲得手段の電源遮断状態および画像生成手段の電源遮断状態とが同時に成立していることを示す信号を出力する。これにより医用画像撮像装置につき、車両運行可能な状態にあるかどうかを容易に確認することができる。
【0020】
(6)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記信号出力手段の信号を表示する表示手段を具備することを特徴とする(1)ないし(5)のうちのいずれか1つに記載の医用画像撮像装置である。
【0021】
この観点での発明では、信号獲得手段を支持した支持手段の拘束状態、画像生成手段を支持した支持手段の免震状態、信号獲得手段の電源遮断状態、画像生成手段の電源遮断状態、またはそれらの組み合わせが成立していることを表示する。これにより医用画像撮像装置につき、車両運行可能な状態にあるかどうかを容易に確認することができる。
【0022】
(7)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記医用画像撮像装置が車両内に設置されて運搬される医用画像撮像装置であり、前記第1の支持手段および前記第2の支持手段は、前記車両の床面に設置されるものであることを特徴とする請求項(1)ないし(6)のうちのいずれか1つに医用画像撮像装置。
【0023】
この観点での発明では、信号獲得手段を支持した支持手段の拘束状態、画像生成手段を支持した支持手段の免震状態、信号獲得手段の電源遮断状態、画像生成手段の電源遮断状態、またはそれらの組み合わせが成立していることを表示する。これにより医用画像撮像装置につき、車両運行可能な状態にあるかどうかを容易に確認することができる。
【0024】
(8)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記信号出力手段の信号を前記車両の運転室において表示する表示手段をさらに具備することを特徴とする(7)に記載の医用画像撮像装置。
【0025】
この観点での発明では、信号獲得手段を支持した支持手段の拘束状態、画像生成手段を支持した支持手段の免震状態、信号獲得手段の電源遮断状態、画像生成手段の電源遮断状態、またはそれらの組み合わせが成立していることを運転室に表示する。これにより医用画像撮像装置につき、車両運行可能な状態にあるかどうかを運転席で容易に確認することができる。
【0026】
(9)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記表示手段による表示が行われることを条件に前記車両のエンジンを始動可能にする始動許可手段を具備することを特徴とする(8)に記載の医用画像撮像装置である。
【0027】
この観点での発明では、医用画像撮像装置が車両運行可能な状態にあるとき、始動許可手段によりエンジンの始動を可能にする。これにより、医用画像撮像装置が車両運行可能な状態にないとき、車両の運行が不可能となる。
【発明の効果】
【0028】
以上詳細に説明したように、モービルタイプの医用画像撮像装置につき、車両運行可能な状態かどうかを容易に確認できる医用画像撮像装置を実現することができる。
【0029】
また、医用画像撮像装置が車両運行可能な状態にないときは車両の運行が不可能な医用画像撮像装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施の形態の一例の装置の模式図である。
【図2】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図3】図1に示した装置における信号獲得装置のチルトを説明する図である。
【図4】図1に示した装置における信号獲得装置のチルトを説明する図である。
【図5】図1に示した装置における操作装置の免震機構を説明する図である。
【図6】図1に示した装置における操作装置の免震機構を説明する図である。
【図7】図1に示した装置における検出信号処理装置のブロック図である。
【図8】図1に示した装置における検出信号処理装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態に限定されるものではない。図1に、モービルタイプ(mobile type)の医用画像撮像装置の模式図を示す。本装置は本発明の医用画像撮像装置の実施の形態の一例である。本装置の構成によって、本発明の装置についての実施の形態の一例が示される。
【0032】
図1に示すように、本装置は、バス型の車両20を有する。車両20は、本発明における車両の実施の形態の一例である。車両20は、スキャンルーム22および操作室24を有する。スキャンルーム22には撮像テーブル(table)32および信号獲得装置34が設置され、操作室24には操作装置36が設置されている。操作室24には、また、撮像テーブル32、信号獲得装置34および操作装置36のための図示しない電源装置も設置されている。
【0033】
本装置を撮像対象の所在地まで運行して現地において撮像を行う。撮像に当たっては、撮像テーブル32に撮像対象を載置し、信号獲得装置34でX線や磁気共鳴等を利用して撮像対象の投影信号を獲得し、この信号を操作装置36に備わるデータ処理装置で処理して撮像対象の断層像等を生成する。
【0034】
図2に、撮像対象を撮像する観点から見た本装置のブロック(block)図をX線CT装置の例で示す。なお、X線CT装置に限るものではなく、例えば、MRI装置、X線透視撮影装置、ガンマカメラ(γ camera)、PET(Positron Emission Tomography)等、各種の医用画像撮像装置であって良い。以下、X線CT装置の例で説明するが、他の医用画像撮像装置の場合も同様である。
【0035】
同図に示すように、X線CT装置は信号獲得部100を有する。信号獲得部100は概ね筒状の外形をなす筐体の中に図示しないX線照射・検出装置を有する。信号獲得部100はいわゆるガントリに相当し、概ね図1に示した信号獲得装置34に相当する。信号獲得部100のX線照射空間に、撮像対象500が図1に示した撮像テーブル32に載置されて搬入および搬出される。
【0036】
信号獲得部100は、X線照射・検出装置により、撮像対象500の体軸の周りの複数の方向でのX線透過信号を獲得する。このようなX線透過信号の獲得をスキャンという。X線照射・検出装置は、本発明における信号獲得手段の実施の形態の一例である。
【0037】
信号獲得部100にはドライバ(driver)110が接続されている。ドライバ110は、信号獲得部100を駆使してスキャンを行わせる。スキャン条件は撮像テクニックに応じて定まる。
【0038】
スキャン条件によっては、図3に示すように、水平方向に対する信号獲得部100すなわちガントリの傾斜を変えてスキャンすることが行われる。このようなスキャンはチルト(tilt)スキャンと呼ばれる。ガントリのチルトはドライバ110によって行われる。
【0039】
信号獲得部100には、また、データ収集部120が接続されている。データ収集部120は、信号獲得部100がスキャンによって獲得した信号を取り込み、それをディジタルデータ(digital data)として収集する。
【0040】
ドライバ110およびデータ収集部120には制御部130が接続されている。制御部130は、撮像テクニックに応じてドライバ110およびデータ収集部120をそれぞれ制御する。
【0041】
データ収集部120の出力側はデータ処理部140に接続されている。データ処理部140は、データ収集部120からデータを取り込んで図示しないメモリに記憶し、このデータに基づいて撮像対象500の断層像を生成(再構成)する。データ処理部140は例えばコンピュータ等で構成される。データ処理部140は制御部130に接続されている。データ処理部140は制御部130の上位にあってそれを統括する。
【0042】
データ処理部140には、表示部150および操作部160が接続されている。表示部150は、データ処理部140から出力される再構成画像および各種の情報を表示する。操作部160は、操作者によって操作され、各種の指令や情報等をデータ処理部140に入力する。
【0043】
データ収集部120、データ処理部140、制御部130、表示部150および操作部160は、図1に示した操作装置36に含まれる。データ処理部140は、本発明における画像生成手段の実施の形態の一例である。
【0044】
医用画像撮像装置が、X線CT装置以外の、例えば、MRI装置、X線透視撮影装置、ガンマカメラ、PET等である場合は、信号獲得部100はそれぞれ独自の構成を有する。すなわち、MRI装置ではマグネットシステムであり、X線透視撮影装置ではX線照射・検出装置を備えたガントリであり、ガンマカメラではγ線照射・検出装置を備えたガントリであり、PETではポジトロン照射・検出装置を備えたガントリである。これらはいずれも水平方向に対する傾斜角度が可変になっている。信号獲得部100以外の部分は基本的には上記の構成と同様である。
【0045】
車両20の運行中は、信号獲得装置34のチルト可能な部分が揺動しないようにその傾斜を拘束してしておく。そのようにした状態の模式図を図4に示す。同図に示すように、信号獲得装置34は、ベース(base)部342と、その上に搭載されたチルト部352を有する。ベース部342の底面はスキャンルーム22の床面222に接している。チルト部352は、本発明における第1の支持手段の実施の形態の一例である。
【0046】
ベース部342の上部にはローラー344,344’が設けられ、その上に、チルト部352が円弧状のレール(rail)354で接して搭載されている。レール354の両端部は円弧の半径方向に突起しており、チルト部352が最大限に傾斜した状態では、突起の側面がベース部342の端面に衝接しそれ以上の傾斜を阻止するようになっている。レール354の両端部の突起およびそれらが衝接するベース部342の端面からなる部分は、本発明における拘束手段の実施の形態の一例である。
【0047】
チルト部352のチルトは、ベース部側の力の作用点346およびチルト部側の力の作用点356の間に設けられた、例えば油圧シリンダ(cylinder)等の伸縮機構370によって行われる。図では伸縮機構370を最も収縮させた状態を示す。油圧シリンダでは油圧を完全に抜いた状態である。したがって、この状態を維持するのにエネルギー(energy)を要しない。
【0048】
この状態ではチルト部352は一方側に最大限に傾斜した状態にあり、レール354の突起とベース部342の衝接により、チルト部352に傾斜が拘束されている。
【0049】
この拘束状態では、ベース部342に設けられた例えばリミットスイッチ(limit switch)等の検出器348の接触子に、チルト部352に設けられた接触片358が接触するようになっている。これによって、検出器348により拘束状態が例えば接点信号等として検出される。検出器348は、本発明における拘束検出手段の実施の形態の一例である。なお、検出信号は接点信号に限るものではない。
【0050】
操作装置36には、車両20の運行中の振動から守るために免震機構が設けられている。免震機構には、車両20の運行中だけ機能を有効化し撮像時には無効化する切換手段が設けられている。
【0051】
図5に、切換手段を有する免震機構の模式的構成を示す。同図に示すように、操作装置36はベース部362とその上に搭載される上部構造364を有する。上部構造364は、本発明における第2の支持手段の実施の形態の一例である。ベース部362の底面はスキャンルーム22の床面222に接している。ベース部362と上部構造364の間には、例えば振動吸収ゴム等を用いた免震部材366が介在する。免震部材366は、本発明における免震手段の実施の形態の一例である。
【0052】
上部構造364には、レバー(lever)382が、軸384を中心として回転可能なように取り付けられている。レバー382の途中には軸386が設けられ、この軸386に腕388が下方に垂下するように取り付けられている。腕388は下端に足部390を有する。足部390の太さは腕388よりも太くなっている。ベース部362には足部390が嵌合する有底の孔392が設けられる。
【0053】
レバー382、腕388および足部390からなる部分は、免震機能の切換手段を構成する。この切換手段は、本発明における切換手段の実施の形態の一例である。図ではレバー382が上に押し上げられた状態にある。レバー382は、図示しない保持機構によりこの状態を保持している。この状態では、足部390は孔392に嵌合することなくその上方に滞在する。したがって、上部構造364は免震部材366を介してベース部362の上に載る状態となり、免震機能が有効となっている。
【0054】
このとき、上部構造364から垂下する支持腕394に取り付けられた例えばリミットスイッチ等の検出器396の接触子に、足部390が接触するようになっており、これによって、免震機能の有効状態が例えば接点信号等として検出される。検出器396は、本発明における有効検出手段の実施の形態の一例である。なお、検出信号は接点信号に限るものではない。
【0055】
レバー382を押し下げた状態を図6に示す。レバー382は、図示しない保持機構によりこの状態を保持する。この状態では、足部390が孔392に嵌合し、腕388がレバー382を介して上部構造364の荷重を支えるようになる。腕388が上部構造364の荷重を負担することにより、免震部材366の免震機能が無効化される。このとき検出器396の接触子と足部390との接触が無くなり、免震有効検出信号が消滅する。
【0056】
このような免震機構が操作装置36の例えば左右の2箇所に設けられる。なお、2箇所に限るものではなく4箇所すなわち四隅に設けるようにしても良い。また、操作装置36にばかりでなく、必要に応じて信号獲得装置34にも設けて良いのはもちろんである。
【0057】
図7に、拘束検出信号および免震有効検出信号の処理装置のブロック図を示す。なお、同図では、信号獲得装置34および操作装置36の電源遮断検出信号をも合わせて処理する例を示す。
【0058】
同図に示すように、信号獲得装置34における検出接点348、操作装置36における検出接点396(2箇所)、信号獲得装置34の電源遮断検出接点402、および、操作装置36の電源遮断検出接点404が接点出力ユニット702に並列に接続される。なお、これらの接点に加えて、例えば撮像テーブル32等他の装置の状態を示す接点を並列に接続するようにしても良い。接点出力ユニット702は、本発明における信号出力手段の実施の形態の一例である。
【0059】
検出接点348および検出接点396は、ノーマルクローズタイプ(normal close type)のものであり、「真(true)」の状態を検出したときオープン(open)になり、「偽(false)」の状態を検出したときクローズになる。
【0060】
電源遮断検出接点402,404はノーマルオープンタイプ(normalopen
type)のものであり、電源供給に伴って通電されるリレー(relay)により開閉され、「真(true)」(電源遮断)の状態を検出したときオープン(open)となり、「偽(false)」(電源供給)の状態を検出したときクローズとなる。リレーは、本発明における電源遮断検出手段の実施の形態の一例である。
【0061】
拘束検出、免震有効検出、信号獲得装置34の電源遮断検出および操作装置36の電源遮断検出がすべて「真(true)」のとき、検出接点がすべてオープンになり、接点出力ユニット702にオープン接点信号が入力される。
【0062】
このような入力信号に対応して接点出力ユニット702はオープン接点信号を出力する。この出力信号が表示器704で表示され、信号獲得装置34の拘束、操作装置36の免震有効、信号獲得装置34の電源遮断および操作装置36の電源遮断検出が同時に成立していることが、例えば車両20の運転席の運転者に報知される。これにより運転者は運転席に居ながらにしてスキャンルーム22内のX線CTが車両運行可能な状態にあることを確認することができる。
【0063】
オープン接点信号は、また、始動許可ユニット704に入力される。始動許可ユニット704は、本発明における始動許可手段の実施の形態の一例である。始動許可ユニット704はオープン接点信号に基づいて車両20のエンジンの始動を許可する。これによって、運転者がエンジンを始動することが可能になる。なお、始動許可ユニット704は場合によっては省略可能であり、必要に応じて設けるようにしても良い。
【0064】
上記の検出がどれか1つでも「偽」である場合は、接点出力ユニット702にはクローズ接点信号が入力されるので、接点出力ユニット702からクローズ接点信号が出力される。したがって、表示ユニット704には車両運行可能状態が表示されず、また、エンジンの始動も不可能となる。これによって、X線CTの状態が整わないままでの車両の運行が阻止される。
【0065】
図8に、接点信号の論理が上記と逆な場合の信号処理装置のブロック図を示す。同図に示すように、検出接点348,396,402,404が接点出力ユニット702に直列に接続される。なお、これらの接点に加えて、例えば撮像テーブル32等他の装置の状態を示す接点を直列に接続するようにしても良い。
【0066】
検出接点348および検出接点396は、ノーマルオープンタイプのものであり、「真(true)」の状態を検出したときクローズになり、「偽(false)」の状態を検出したときオープンになる。
【0067】
電源遮断検出接点402,404はノーマルクローズタイプのものであり、電源供給に伴って通電されるリレーにより開閉され、「真(true)」(電源遮断)の状態を検出したときクローズとなり、「偽(false)」(電源供給)の状態を検出したときオープンとなる。
【0068】
拘束検出、免震有効検出、信号獲得装置34の電源遮断検出および操作装置36の電源遮断検出がすべて「真(true)」のとき、検出接点がすべてクローズになり、接点出力ユニット702にクローズ接点信号が入力される。
【0069】
このような入力信号に対応して接点出力ユニット702はクローズ接点信号を出力する。この出力信号が表示器704で表示され、信号獲得装置34の拘束、操作装置36の免震有効、信号獲得装置34の電源遮断および操作装置36の電源遮断検出が同時に成立していることが、例えば車両20の運転席の運転者に報知される。
【0070】
クローズ接点信号は、また、始動許可ユニット704に入力される。始動許可ユニット704はクローズ接点信号に基づいて車両20のエンジンの始動を許可する。これによって、運転者がエンジンを始動することが可能になる。なお、始動許可ユニット704は場合によっては省略可能であり、必要に応じて設けるようにしても良い。
【符号の説明】
【0071】
20 車両
22 スキャンルーム
24 操作室
32 撮像テーブル
34 信号獲得装置
36 操作装置
100 信号獲得部
110 ドライバ
120 データ収集部
130 制御部
140 データ処理部
150 表示部
160 操作部
342 ベース部
352 チルト部
344 ローラー
354 レール
348 検出器
358 接触片
362 ベース部
364 上部構造
366 免震部材
382 レバー
388 腕
390 足部
396 検出器
702 接点出力ユニット
704 表示ユニット
706 始動許可ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号獲得手段と、
前記信号獲得手段を支持する第1の支持手段と、
前記信号獲得手段が獲得した信号に基づいて画像を生成する画像生成手段と、
前記画像生成手段を支持する第2の支持手段と、
前記第2の支持手段に設けられた免震手段と、
前記免震手段の機能を有効および無効のいずれかに切り換える切換手段と、
前記免震手段の機能の有効を検出する有効検出手段と、
前記有効検出手段による有効検出が行われたことを示す信号を外部に出力する信号出力手段と
を具備することを特徴とする医用画像撮像装置。
【請求項2】
前記第1の支持手段の傾斜を予め定めた限界角度に拘束する拘束手段と、
前記第1の支持手段の傾斜が前記限界角度に拘束されたことを検出する拘束検出手段とをさらに具備し、
前記第1の支持手段は、前記信号獲得手段を支持し水平方向に対する傾斜角度が可変であり、
前記信号出力手段は、前記拘束検出手段による拘束検出と前記有効検出手段による有効検出が同時に行われたことを示す信号を外部に出力するものであることを特徴とする請求項1に記載の医用画像撮像装置。
【請求項3】
前記信号獲得手段の電源遮断の有無を検出する電源遮断検出手段をさらに具備し、
前記信号出力手段は、前記電源遮断検出手段による電源遮断検出も同時に行われたことを示す信号を出力するものである、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の医用画像撮像装置。
【請求項4】
前記画像生成手段の電源遮断の有無を検出する電源遮断検出手段をさらに具備し、
前記信号出力手段は、前記電源遮断検出手段による電源遮断検出も同時に行われたことを示す信号を出力するものである
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の医用画像撮像装置。
【請求項5】
前記信号獲得手段の電源供給の有無および前記画像生成手段の電源遮断の有無を検出する電源遮断検出手段をさらに具備し、
前記信号出力手段は、前記電源遮断検出手段による電源遮断検出も同時に行われたことを示す信号を出力するものである
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の医用画像撮像装置。
【請求項6】
前記信号出力手段の信号を表示する表示手段をさらに具備することを特徴とする請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の医用画像撮像装置。
【請求項7】
前記医用画像撮像装置が車両内に設置されて運搬される医用画像撮像装置であり、
前記第1の支持手段および前記第2の支持手段は、前記車両の床面に設置されるものであることを特徴とする請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに医用画像撮像装置。
【請求項8】
前記信号出力手段の信号を前記車両の運転室において表示する表示手段をさらに具備することを特徴とする請求項7に記載の医用画像撮像装置。
【請求項9】
前記表示手段による表示が行われることを条件に前記車両のエンジンを始動可能にする始動許可手段をさらに具備することを特徴とする請求項8に記載の医用画像撮像装置。
【請求項10】
前記信号獲得手段はX線を利用して撮像対象の投影信号を獲得し、
前記画像生成手段は前記投影信号に基づいて断層像を再構成する、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項9のうちのいずれか1つに記載の医用画像撮像装置。
【請求項11】
前記信号獲得手段は磁気共鳴を利用して撮像対象の投影信号を獲得し、
前記画像生成手段は前記投影信号に基づいて断層像を再構成する、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項9のうちのいずれか1つに記載の医用画像撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−5472(P2010−5472A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−238191(P2009−238191)
【出願日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【分割の表示】特願平11−316620の分割
【原出願日】平成11年11月8日(1999.11.8)
【出願人】(000121936)GEヘルスケア・ジャパン株式会社 (23)
【Fターム(参考)】