説明

医用画像表示システム、医用画像保管サーバ、端末装置、及び医用画像表示方法

【課題】サーバに端末装置から画像データの送信要求を出してから、端末装置に実際に画像が表示されるまでの待ち時間を短縮し、画像表示レスポンスが向上させる。
【解決手段】医用画像データを保管しているサーバに通信用のネットワークを介して接続され且つサーバから医用画像データを受信して表示するビューア25を提供する。このビューア25は、医用画像を表示させるときの所望の表示時間又はデータ量を指定する指定部(32,33)と、この指定された表示時間又はデータ量に応じた、医用画像データに対する部分取得分のデータ量を設定する設定部(32,34)と、この設定された部分取得分のデータ量に対応したデータ送信をサーバに要求する要求部(32,36,37)と、この要求に応じてサーバから送信されてきた部分取得分の医用画像データに基づいた表示を行なう表示部(32,31B、36,37)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体から各種の検査装置、とくにX線CTスキャナ、超音波診断装置、磁気共鳴イメージング装置などの医用画像診断装置(モダリティ)で収集された医用画像を保管する医用画像保管サーバ、及び、この医用画像保管サーバにより保管されている医用画像を読み込んで表示して医師の読影に供するビューアなどの端末装置に係り、とくに、医用画像保管サーバから医用画像を読み込んで表示するまでの待ち時間を極力短縮する手段を備えた医用画像保管サーバ及び端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の医用診断にあっては、X線CTスキャナ、超音波診断装置、磁気共鳴イメージング装置などの医用画像診断装置(モダリティ)で被検体の画像データを収集することが非常に多くなっている。
【0003】
この画像データは、その場で観察・読影に供されることも多いが、一旦、医用画像保管サーバに保管し、このサーバから病院内外に設置したビューアと呼ばれる読影専用の端末装置に読み込んで専門の読影医が読影するというシステムも多くなっている。これらのシステムの例は、特許文献1や特許文献2に示されている。
【0004】
特許文献1に記載のシステムの場合、院内LANシステムにより、医用画像診断装置、サーバ、端末装置などが通信可能に接続され、このシステムに公衆回線を通じて近隣病院などの端末装置が通信可能に接続されている。特許文献2に記載のシステムの場合も、同様に、複数のX線CT装置、サーバ、及がネットワーク化されており、画像データが端末装置で閲覧できるようになっている。
【0005】
この種のネットワークシステムの場合、医用画像保管サーバは通常、病院内に置かれることが多く、このサーバから病院内外に置いたビューア(クライアントとしてコンピュータ)に医用画像データ(非圧縮のデータ又は圧縮されたデータ)を読み込ませて表示させる。これにより、ユーザは、ビューアに表示された医用画像に所望の画像処理などを施して読影作業をすることができる。この場合、ネットワークの負荷を軽減するため、医用画像データは一般的には圧縮データに変換された状態で伝送される。
【特許文献1】特開2002−230165号公報
【特許文献2】特開2003−102721号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したようにネットワークされた現状の診断システムの場合、サーバから端末装置に画像データを送信するときに以下のような不都合があった。
【0007】
病院にある画像保管サーバからネットワークを介して端末装置が医用画像のデータを読み込んで表示するまでの間はユーザにとって待ち時間となる。この待ち時間の間、端末装置の画面には、端末装置の現在実行中の処理内容を示すマークを表示させることが多い。このマーカが表示されないシステムの場合、ユーザは端末装置が現在何を行っているのか分らないか又は分かり難い。ユーザにとっては、この待ち時間は実際の時間よりも長く感じられるのが普通であり、何とかこれを解消したいという潜在的な要求があった。
【0008】
また、端末装置の画面に上述のマークを表示させている場合でも、待ち時間が非常に長くなる場合、ユーザは端末装置(コンピュータ)が処理に失敗したのではないか、或いは、ネットワークシステムに何等かの異常が発生したのではないかなど、無用な勘違いを喚起して作業のスムーズは進行の阻害要因にさえなることもあった。とくに、サーバや端末装置の処理速度自体が遅い場合、サーバに掛かる負荷が大きい場合、ネットワークの容量が小さい場合など、そのようなイライラ感の募る事態の深刻度は大きかった。
【0009】
その主な要因として画像サイズが大きいことが起因していることが多い。また、圧縮方法(その中のパラメータ)によっても展開時間が変化する。
【0010】
本発明は、上述した状況に鑑みてなされたもので、サーバや端末装置のコンピュータ性能、ネットワーク環境、及び、画像データサイズ、圧縮法などの使用条件が同一であると仮定した場合に、医用画像データを保管しているサーバに端末装置から画像データの送信要求を出してから、端末装置に実際に画像が表示されるまでの待ち時間を短縮し、ユーザにとっての画像表示レスポンスが良い医用画像保管システムを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した目的を達成するために、本発明によれば、その第1の態様として、医用画像データを保管しているサーバと、このサーバから前記医用画像データを受信して表示する端末装置とを通信用のネットワークに接続した医用画像表示システムが提供される。このシステムは、前記端末装置に医用画像を表示させるときの所望の表示時間又はデータ量を設定する設定手段と、この設定手段により設定された表示時間又はデータ量に応じた、前記医用画像データに対する部分取得分のデータ量を演算する演算手段と、この演算手段により演算された部分取得分のデータ量に対応したデータ送信を前記端末装置から前記サーバに要求させる送信要求手段と、この送信要求手段により要求された部分取得分のデータ量の医用画像データを前記サーバから前記端末装置に送信させる送信手段と、この送信された医用画像データに基づいた表示を行う表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明によれば、その第2の態様として、医用画像データを保管しているサーバに通信用のネットワークを介して接続され且つ前記サーバから前記医用画像データを受信して表示する端末装置が提供される。この端末装置は、前記端末装置に医用画像を表示させるときの所望の表示時間又はデータ量を指定する指定手段と、この指定手段により指定された表示時間又はデータ量に応じた、前記医用画像データに対する部分取得分のデータ量を設定する設定手段と、この設定手段により設定された部分取得分のデータ量に対応したデータ送信を前記サーバに要求する送信要求手段と、この要求に応じて前記サーバから送信されてきた部分取得分の医用画像データに基づいた表示を行なう表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明によれば、その第3の態様として、医用画像データを保管するとともに通信用のネットワークを介して端末装置に接続された医用画像保管サーバが提供される。このサーバは、前記端末装置に医用画像を表示させるときの所望の表示時間又はデータ量に応じた部分取得分のデータ量の前記医用画像データに対する送信要求を前記端末装置から受け付ける手段と、この送信要求があったときに、当該送信要求に応じた前記部分取得分のデータ量の前記医用画像データを前記端末装置に送信する送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明によれば、その第4の形態として、医用画像データを保管しているサーバから通信用ネットワークを介して前記医用画像データを端末装置に送信して表示させる医用画像表示方法が提供される。この表示方法は、前記端末装置に医用画像を表示させるときの所望の表示時間又はデータ量を設定し、この設定された表示時間又はデータ量に応じた、前記医用画像データに対する部分取得分のデータ量を演算し、この演算された部分取得分のデータ量に対応したデータ送信を前記端末装置から前記サーバに要求させ、この要求された部分取得分のデータ量の医用画像データを前記サーバから前記端末装置に送信させ、この送信された医用画像データに基づいた表示を前記端末装置に行なわせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る医用画像表示システム、端末装置、及び医用画像保管サーバによれば、端末装置に医用画像を表示させるときの所望の表示時間又はデータ量に応じた部分取得(パーシャルコンテント取得)に拠るデータ量の医用画像データを、要求に応じて、サーバから端末装置に送信させて表示させる。したがって、ネットワークの伝送速度の遅い環境、処理の遅いコンピュータでサーバや端末装置を構成する場合でも、ユーザの所望の表示時間又はデータ量に応じた最適な部分取得の医用画像を表示することができ、画像表示のレスポンスを上げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図1〜8を参照して、本発明に係る医用画像保管サーバ、端末装置、及び当該サーバ及び端末装置を組み込んだ医用画像表示システムとして実施される医用画像収集保管システム(PACS)の一実施形態を説明する。
【0017】
図1に、この実施形態に係る医用画像収集保管システムの全体構成を示す。同図に示すように、この医用画像収集保管システムは、病院内に設けられた病院内システム11と、この病院内システム11に通信回線(通信手段)として公衆網12を介して相互通信可能に接続された病院外システム13とを備える。
【0018】
このうち、病院内システム11は、図1に示すように、被検体から医用画像を収集する各種の医用画像診断装置(モダリティ:検査装置)21,22,23と、収集された医用画像のデータを、その付帯情報(患者情報、検査情報など)と共に保管する医用画像保管サーバ24と、1又は複数の読影用のビューア(端末装置)25,26と、アクセスルータ27と、それらの装置21〜27を通信可能に相互に接続するLAN(Local Area Network)28とを備える。
【0019】
医用画像診断装置21〜23には、例えばX線CTスキャナ、磁気共鳴イメージング装置、DR(Digital Radiography)装置などが含まれ、これらの装置21〜23で収集されたデジタル画像データは、付帯情報と共に、LAN28を介して医用画像保管サーバ24に送られて保管される。
【0020】
また、この医用画像保管サーバ24に保管されている画像データ(付帯情報を含む)は、ビューア25(26)の要求に応答して読み出され、LAN28を介してビューア25(26)に送信される。この送信のときに、送信対象の画像データのサイズ(あるいは画像表示(取得)時間など)が指定され、ビューアは必要な画質を保った画像を表示し観察できるようになっている。
【0021】
医用画像保管サーバ24及びビューア25,26は、CPU及びメモリを有する専用のコンピュータで構成され、メモリに予め格納されている処理手順であるプログラムをCPUが順次実行することで、与えられたジョブを遂行できるようになっている。また、アクセスルータ27は、LAN28と公衆網12とを通信可能に繋ぐインターフェースとして機能する。
【0022】
一方、病院外システム13には、医用画像診断装置及び医用画像保管サーバは設置されていないものの、上述の病院内システム11と同様に、1又は複数の読影用のビューア31,32と、アクセスルータなどのインターフェース33と、それらの装置31〜33を通信可能に相互に接続するLAN34とを備える。
【0023】
この医用画像収集保管システムにおける各ビューア25(〜27,31,32:以下、符号「25」で代表させる)は、機能的には図2に示すように構成されている。すなわち、各ビューア25は、所定のプログラムをCPU(図示せず)に順次実行させることにより、入力器31A及び表示器31Bと協働して形成するユーザインターフェース31、情報処理部32、サイズ・時間設定部33、自動計算部34、サーバ側圧縮設定更新部35、及び画像データ取得部36を機能的に実現する。また、このビューア25には、通信インターフェース47が設けられている。
【0024】
ユーザインターフェース31はGUI(グラフィカルユーザインターフェース)ベースで構成されている。
【0025】
そこで、ユーザは、インターフェース31の入力器31Aを通して表示や処理の指示をビューア25に与えることができる。ビューア25の処理結果は表示器31Bに表示されるので、ユーザはその表示画面で処理結果を確認できる。
【0026】
情報処理部32は、ユーザからの指示内容をサイズ・時間設定部33に与えるとともに、このサイズ・時間設定部33に、かかる指示内容に応じた画像データの部分取得のためのサイズや表示時間の情報を設定させ、その情報を受け取る。情報処理部32は、かかる設定情報を自動計算部34に与えて画像データの部分取得量(以下、パーシャルコンテント量と呼ぶ)を自動的に計算させ、その計算結果を自動計算部34から受け取る。さらに、情報処理部32は、受け取ったパーシャルコンテント量に関する情報を画像データ取得部36に渡して、画像データ取得部36に、医用画像保管サーバ24から所望のパーシャルコンテント量の圧縮画像データを取得させる。これと共に、情報処理部32は、かかる圧縮画像データを受け取り、その圧縮画像データを復元パラメータで復元し、その復元された画像データをインターフェース31のモニタ31Bに表示させる。この復元パラメータは、情報処理部32にとって、パーシャルコンテント量の指定に応じて事前に分っている情報であるが、医用画像保管サーバ24側でパーシャルコンテント量の変更があったときには、対応する圧縮パラメータ(復元パラメータ)の変更情報がサーバ24からビューア25に伝えられる。
【0027】
自動計算部34は、画像データの取得サイズや表示時間の設定情報に応じたパーシャルコンテント量を自動的に計算するようになっている。また、画像データ取得部36は、情報処理部32からの指示に従って、指定量の圧縮画像データを通信インターフェース47を介して医用画像保管サーバ24から取得するようになっている。
【0028】
なお、サーバ側圧縮設定更新部35は、必要に応じて、サーバ側の圧縮設定(圧縮パラメータ、復元パラメータ)を変更、追記する指令を通信インターフェース47を介して医用画像保管サーバ24に送信可能に構成されている。
【0029】
一方、医用画像保管サーバ24は、機能的には図3に示すように構成されている。この医用画像保管サーバ24は、所定のプログラムをCPU(図示せず)に順次実行させることにより、入力器41A及び表示器41Bと協働して形成するユーザインターフェース41、サーバ情報処理部42、サーバ動作設定部43、サーバ固有情報記憶部44、画像データの圧縮設定情報記憶部45、及び画像データ送信部46を機能的に実現する。また、このサーバ24には、医用画像データをその付帯情報と共に保管している画像データ記憶装置47及びLAN28との通信用の通信インターフェース48が設けられている。
【0030】
ユーザインターフェース41はGUI(グラフィカルユーザインターフェース)ベースで構成されている。ユーザは、このインターフェース41の入力器41Aを用いて、サーバ動作処理の指示をサーバ24に与えることができる。この指示内容や指示結果は表示器41Bに表示されるので、ユーザは確認することができる。
【0031】
サーバ情報処理部42は、ユーザからの指示内容に応じて画像データ圧縮設定部45、サーバ動作設定部43、及びサーバ固有情報記憶部44に指令を出して、各部に必要な処理を実行させる。圧縮設定情報記憶部45は、サーバ情報処理部42からの指示に基づいて、画像データの圧縮方法などの圧縮設定情報(圧縮パラメータ、復元パラメータ)を設定・更新できるように構成されている。この圧縮設定情報は、このサーバ24、すなわち画像データ記憶装置46が保管している画像データを圧縮するときに、それぞれの画像の条件に基づいて画像データを圧縮する圧縮パラメータ及び/又は圧縮画像を復元するための復元パラメータである。
【0032】
圧縮パラメータは、サーバ24が画像を圧縮して保管するときに使用される。かかる圧縮画像を元のオリジナルの画像に戻す(復元する)ときに使用されるパラメータは復元パラメータであり、主に、ビューア25(クライアント)により使用される。なお、圧縮パラメータと復元パラメータとのパラメータ情報が一部重なっている場合、又は、圧縮パラメータと復元パラメータの両方が必要な場合、圧縮設定情報記憶部45は圧縮パラメータのみならず、復元パラメータをも設定・更新する。
【0033】
また、サーバ動作設定部43は、サーバ情報処理部42からの指示に基づいて、サーバ24の動作の設定情報を変更可能になっている。
【0034】
画像データ記憶装置46は、ユーザインターフェース41又は通信インターフェース48を介して与えられる画像データ(付帯情報含む)を、圧縮設定情報記憶部45に設定されている圧縮情報に応じて圧縮して保管している。
【0035】
画像データ送信部47は、サーバ情報処理部42の指示の下に、画像データ記憶装置46に保管されている画像データを読み出して通信インターフェース48を介して各ビューア25に送信可能になっている。
【0036】
(動作の概要)
次に、本実施形態に係る医用画像収集保管システムにおける医用画像保管サーバ24及び各ビューア25の動作の概要を説明する。
【0037】
まず、図4に示す概略フローチャートを参照して、医用画像保管サーバ24における画像データの圧縮を説明する。
【0038】
この医用画像保管サーバ24において、画像データ記憶装置46は、各医用画像診断装置(モダリティ:検査装置)21から画像データを受信して、その画像データを各種の条件やモダリティなどの情報に応じて識別する(ステップS1,S2)。次いで、画像データ記憶装置46は、圧縮設定情報記憶部45から圧縮アルゴリズムの種類を含む各種の圧縮条件を読み込み、これらの圧縮条件に従う圧縮パラメータで画像データを圧縮して保管する(ステップS3,S4)。これにより、各種の圧縮条件による圧縮データが事前に画像データ記憶装置46に用意される。
【0039】
このときの圧縮アルゴリズムには、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)やJPEG2000(Joint Photographic Experts Group 2000)が使用される。また、圧縮条件は、医用画像データを収集するモダリティ又は画像発生装置の種別、対象画像マトリックスサイズ、被検体の画像収集部位、寝台位置、スライス間隔、画像のピクセルサイズ、画像表示拡大率、1ピクセルのデータの深さ(例えば2688×2688のサイズの画像の場合、JPEG2000のパラメータはそれ用のものになり、タイルの設定が2688x2688となる)、などのパラメータのうち、何れか1種類による条件、又は、複数種が組み合わされた条件として設定され、この各条件に応じて所望の圧縮アルゴリズムの圧縮パラメータが設定される。この圧縮パラメータは、すなわち、パーシャルコンテント量を指定する指標として機能する。
【0040】
次に、図5に示す概略フローチャートを参照して、医用画像保管サーバ24が各ビューア25から送信要求に応えて画像データを送信する動作を説明する。
【0041】
まず、ビューア25において、ユーザの指令(ユーザの所望のデータ量又は画像表示時間)に応じてパーシャルコンテント量が指定されると、この指定情報を含む送信要求がサーバ24に送られる(ステップS11)。
【0042】
サーバ24では、この送信要求(パーシャルコンテント量を含む)を受信し、この送信要求に係るパーシャルコンテント量の圧縮画像データを読み出してビューア25に向けて送信する(ステップS12,S13)。このパーシャルコンテント量の画像データ及び復元パラメータを受信したビューア25は、そのデータ量を復元パラメータで画像データに復元し、この画像データを表示器31Bに表示する(ステップS14)。
【0043】
ビューア25では、さらに必要な画像データ(パーシャルコンテント量の画像データ)がユーザの手動入力に応じて又はプログラムによる自動起動に応じて指定され、この指定量の情報が追加分の画像データ量(パーシャルコンテント量)を含む送信要求としてサーバ24に送られる(ステップS15)。サーバ24は再び、この送信要求を受信し、この要求により指定されているパーシャルコンテント量の画像データを読み出してビューア25に向けて送信する(ステップS16,S17)。このパーシャルコンテント量の画像データを受信したビューア25は、既に取得して表示しているパーシャルコンテント量の画像データと今回取得したパーシャルコンテント量の画像データとを組み合わせて表示器31Bに表示する(ステップS18)。
【0044】
以上の処理は、ユーザが指定する表示条件を満たすまで繰り返して実行される。
【0045】
次に、前述した図5の処理の中で実行される部分取得に係る画像データの設定を図6に基づいて説明する。
【0046】
各ビューア25の情報処理部32(CPUで機能的に構成される)は、ユーザがインターフェース31を介して表示時間を指定しているか否かを判断し、かかる指定がある場合、その表示時間値を読み込む(ステップS21,S22)。ここで、表示時間とは、「ユーザがビューア25に所望の医用画像の表示開始を指令してから実際に表示されるまでの時間」を言う。この表示時間は例えば30秒、1分などの数値として指令される。
【0047】
このように表示時間がユーザから指定されると、情報処理部32は自動計算部34を駆動させて、医用画像データのパーシャルコンテント量(サイズ)を表示時間の指定値に基づいて演算する(ステップS23)。これにより、所望の表示時間に相当する画像データ量が求められる。
【0048】
一方、表示時間が指定されていない場合(ステップS21,NO)、情報処理部32は、この画像データ量の所望値が指定されているか否かを判断し、指定されている場合には、その値を読み込むとともに、その読み込み値に応じた医用画像データのパーシャルコンテント量を演算する(ステップS24、S25)。ここで、画像データ量とは、ユーザが早期の表示を希望して任意に指定するデータ量を言う。このデータ量は、0.2MB、0.025MBなどのデータファイルのサイズ、又は、データ比率(%)であってもよい。
【0049】
上述したステップS24でNOの判断となるときは、表示時間や画像データ量の所望値がユーザから未だ指定されていないので、情報処理部32は、デフォルト値(例えば表示時間のデフォルト値)を設定するか否かの判断を、例えばユーザとのインターラクティブなやり取りを通じて行なう(ステップS26)。デフォルト値を指定する場合には、予め決めてあるデフォルト値(例えば表示時間の既定値)を内部メモリから読み出す。デフォルト値を望まない場合、情報処理部32の処理はステップS21に戻される。
【0050】
このようにパーシャルコンテント量が決定されると、このコンテント量の画像データを部分取得すべく、画像データ取得部36を介して医用画像保管サーバ24に送信要求が出される(ステップS28)。この要求を受けたサーバ24では、前述したように、サーバ情報処理部42の指令を受けた画像送信部47が、画像データ記憶装置46から、その指定されたパーシャルコンテント量の圧縮画像データを読み出してビューア25に返送する。
【0051】
このため、ビューア25は、要求したパーシャルコンテント量の圧縮画像データを受信し、圧縮画像データを復元パラメータで復元し、その復元した画像データを表示することができる(ステップS29〜S31)。
【0052】
ここで、ステップS23及びステップS25で実行されるパーシャルコンテント量の演算(設定)を詳述する。この演算(設定)は、部分取得するための各種のパラメータを用いて行なう。このパラメータは、上述したパーシャルコンテント量及びこれに関連する表示を規定する指標である。
【0053】
(1)そのうちの第1のパラメータは、画質をなるべく保った状態で無駄なデータ量を予測して最速表示を目指すための部分取得のパラメータである。これには、モダリティ種別または画像発生装置、対象画像マトリックスサイズ、画像データの収集部位、寝台位置、スライス間隔、画像のピクセルサイズ、画像表示拡大率、1ピクセルのデータの深さ(bits/pixelで1ピクセルを表現するためのデータ量;例えばRGBだと24bits/pixel、CTなどは16bits/pixel)などである。これらのパラメータは、その1種類が単独で、又は、複数種が組み合わされて圧縮条件として設定され、この圧縮条件が送信要求の一部としてサーバ側に送信される。サーバ24では、送信されてきた送信要求の中の圧縮条件に合致した圧縮パラメータの医用画像データを読み出されてビューア25に送信される。
【0054】
(2)第2のパラメータは、部分取得により表示されている、現在の画像、サムネイル表示されている画像、画像めくりされている画像、シネ表示対象画像(ユーザーに見える順番)などから最初に取得する、あるいは、次に部分取得する画像データの順番である。
【0055】
(3)第3のパラメータは、部分所得される画像データがある閾値まで到達したときに、3次元画像を作成開始する旨の閾値情報である。例えば、部分取得される3D画像作成用の夫々の画像データが所定の閾値、例えば10%に達した時点で、それまでの画像データを用いて3次元画像を作成開始するとし、このときの閾値=10%が、ここで言うパラメータである。
【0056】
(4)第4のパラメータは、ユーザのビューア操作に伴うイベント(例えば拡大、こま数の変更、画像めくりなど)である。
【0057】
(5)第5のパラメータは、緊急フラグ(例えば、キー画像を示すフラグ、スライス間隔がある基準より小さいことを示すフラグ、ピクセルサイズがある基準より小さいことを示すフラグ)である。
【0058】
上述の(2)〜(5)のうち、(2)及び(3)のパラメータは部分取得する画像の優先順を決めるという性質を有するのに対し、(4)及び(5)のパラメータは優先順位を無視して強制的に割り込んで部分取得させるという性質を有する。また、(1)〜(5)のパラメータは、総じて、無駄なデータを省いた部分取得を行い、これにより、画像表示のレスポンスと画質とのバランスをとるために用いられる。
【0059】
(6)第6のパラメータは、ユーザの要望を満たすという観点から画質と表示速度のバランスをとるためのパラメータに関する。具体的には、このパラメータは、複数画像のトータルサイズ(量)と対象画像表示時のマトリックスサイズであり、これに応じて、部分所得に係る画像データ量を規定する。ここで、対象画像表示時のマトリックスサイズとは、1コマの画像表示領域を言い、モニタ表示領域、アプリケーションの表示エリア、表示コマ数、及びモニタの解像度を勘案して計算される。
【0060】
一例を、図7を用いて説明する。ユーザがこのパーシャルコンテント量を0.4MBに設定し、対象画像表示時マトリックスサイズが500x500(モニタ表示領域が2500×2000(モニタの解像度はこれ以上)、アプリケーションの表示エリアが2000x2000、表示コマ数が2×2(1コマ分が1枚の画像表示エリア)であるとする。もし、各コマが各表示エリアに分けられたとすると、各表示エリアに割り当てられたパーシャルコンテント量は割り算により計算される(つまり、0.1MB)。また、そのうちの1コマがさらに4コマに分割されたとすると、0.1MBを4で割った値、すなわち、0.025MBのパーシャルコンテント量の画像データとなる。この画像データの表示エリアは500×500となる。
【0061】
また、別の例を図8に示す。この例は、コマ数では的確に表現できない表示態様を示しており、この場合には、表示エリアに対する割合でデータ取得量が求められる。例えば、図8に示すように、2種類の画像(CR画像、CT画像)のうち、一方の画像に対する対象画像表示時のマトリクスサイズがアプリケーションの表示エリアの50%を占め、もう一つの画像に対するそれは25%を示すとすると、両者の割合に応じて、パーシャルコンテント取得量は0.2MB(CR画像)、0.1MB(CT画像)とそれぞれ決められる。この場合、1枚(1コマ)当たりのパーシャルコンテント量は、0.1MBとなる。このように、ユーザの、どの位のデータ量で何枚表示したいかという要望に応えることができる。
【0062】
(7)第7のパラメータは、複数画像の表示時間である。これは、上述した各パラメータの応用例に関する。
【0063】
例えば、あるビューアで画像表示までの時間を1秒と設定すると、このビューアが1秒で取得できるパーシャルコンテント量(例えば1MBだとすると)から逆算して複数画像のトータルサイズを決定する(例えば1MB)手法のパラメータである。
【0064】
このビューアでのデータ取得量は、テストプログラムなどを用いて、ある日(月や曜日ごと)のある時間の取得時間などをあらかじめ実測したり推測したりすることで求めてもよいし、マニュアルで設定できるようにしてもよい。
【0065】
さらに、画像を取得した後、このビューアが画像を表示するまでの時間をこの考えの中に取り込むこともできる。例えば、ユーザが画像表示までの時間を1秒とした場合、画像の展開時間などの誤差もテストプログラム(あるいは手動)で測定しておく。これにより、ユーザの設定に係る複数画像の表示時間が1秒であるとすると、この値から、ビューア上での画像の展開時間などを引いて計算すれば、ユーザが望む時間で1画面を表示することが可能になる。例えば、展開時間が0.4秒かかる場合、ユーザが指定した表示時間の設定値は0.6秒(=1秒−0.4秒)となるから、パーシャルコンテント量=0.6MBであると決定できる。
【0066】
このようなパーシャルコンテント量の設定法は、初期表示だけに応用し(図5、ステップS11における処理)、その後の表示は自動的に設定されるパーシャルコンテント量の画像データを表示するようにしてもよい。
【0067】
なお、上述した各種のパラメータのうち、第1及び第6のパラメータは本発明に係るパーシャルコンテント量を決める基本的なパラメータであり、第1及び第6のパラメータの何れか一方を単独で用いて又は両者を組み合わせて実施することができる。その他のパラメータは、基本的なパラメータで設定されたパーシャルコンテント量を調整する機能を有するので、基本的なパラメータと組み合わせて用いることが望ましい。
【0068】
なお、上述した実施形態の医用画像保管サーバ24にあっては、表示速度を上げるためのサーバ側の助力機能を発揮することができる。具体的には、サーバ24の圧縮設定情報記憶部45は、画像データ記憶装置46に圧縮・格納している画像データの圧縮に関する圧縮パラメータを各種の圧縮条件(1種類又は複数種のパラメータの組み合わせ)に応じて定期的に又は随時更新するようにすればよい。このパラメータとしては、前述と同様に、モダリティ又は画像発生装置の種別、対象画像マトリックスサイズ、部位、寝台位置、スライス間隔、画像のピクセルサイズ、画像表示拡大率、1ピクセルのデータの深さ(例えば2688×2688のサイズの画像の場合、JPEG2Kのパラメータはそれ用のものになり、タイルの設定が2688x2688となる)、などが挙げられる。これらに応じて圧縮パラメータの設定が設定される。
【0069】
以上のように、本実施形態に係る医用画像収集保管システムによれば、各ビューア25に医用画像を表示させるときの所望の表示時間又はデータ量に応じた部分取得(パーシャルコンテント取得)によるデータ量の医用画像データを、要求に応じて、医用画像保管サーバ24から各ビューア25に送信させて表示させる。このため、医用画像保管サーバ24や各ビューア25のコンピュータ性能、ネットワーク環境、及び、画像データサイズ、圧縮法などの使用条件が同一であると仮定した場合に、各ビューア25が医用画像保管サーバ24に画像データの送信を要求してから、実際に画像データが各ビューア25に表示するまでの待ち時間を確実に短縮でき、ユーザにとって画像表示レスポンスの良いシステムを提供することができる。
【0070】
とくに、単に表示時間やデータ量に応じた部分取得をするのみならず、その部分取得に拠るデータ量、すなわちパーシャルコンテント量を、医用画像データの圧縮率に関連するパラメータ、現在観察中の医用画像から次に表示させる医用画像を決める順番に関するパラメータ、部分取得分の画像データを3次元表示させるときの閾値に関するパラメータ、部分取得分の画像データの表示に対するユーザ操作によるイベントに関するパラメータ、部分取得分の画像データの表示に対する緊急フラグ情報に関するパラメータなど、各種の条件に応じてきめ細かく調整できる。したがって、パーシャルコンテント量も多様な条件に合わせて調整でき、常に安定した画像表示レスポンスの良いシステムを提供できるので、ユーザの待ち時間短縮に因る作業効率の向上も期待できる。
【0071】
なお、上述した実施形態にあっては、パーシャルコンテント量の自動演算を各ビューア25の側で実行するようにしたが、このビューアは単にパーシャルコンテント量を演算するための条件を医用画像保管サーバ24に送るだけの構成とし、このサーバでパーシャルコンテント量の演算を行なうようにしてもよい。
【0072】
また、上述した実施形態の一つの変形例として、パーシャルコンテント量の指定情報としてユーザが入力した表示時間をシステム側で変更する構成を提供することができる。
【0073】
例えば、図9に模式的に示すように、ユーザがビューア25にて1秒という表示時間を指定したとする。この場合、1秒に対応したパーシャルコンテント量の送信要求がビューア25からサーバ24に出される。これに応じて、サーバ24は、ユーザの要求に沿ったパーシャルコンテント量の圧縮画像データをサーチする。このとき、サーバ24は、ユーザ要求に一番近い量であって且つ処理し易いパーシャルコンテント量の圧縮画像データがある場合には、これを読み出す。これは、サーバ24で実行する処理のアルゴリズムを、かかる読出しを行なうように予め設定することにより可能となる。このようにサーバ24がパーシャルコンテント量を変更する場合、変更したパーシャルコンテント量に応じた新しい圧縮パラメータが決まる。この結果、表示時間も例えば2秒に変更される。このように、変更された表示時間を含む新しい圧縮パラメータは、圧縮画像データとともに、サーバ24からビューア25に送り返される。そこで、ビューア25は、返送されてきた圧縮パラメータ(つまり、復元パラメータ)を用いて圧縮画像データを復元して表示する。
【0074】
この結果、必ずしもユーザが入力した表示時間に固執することなく、よりフレキシビリティの高いシステムを提供することができる。
【0075】
なお、本発明は、前述した実施形態やその変形例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載の要旨の範囲内で更に様々な態様に変形して実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の一実施形態に係る医用画像表示システムを実施した医用画像収集保管システムの全体構成を示す概略ブロック図。
【図2】各ビューア(端末装置)の構成を示す概略ブロック図。
【図3】医用画像保管サーバの構成を示す概略ブロック図。
【図4】医用画像保管サーバで実行される医用画像データの圧縮処理を伴う保管処理を説明する概略フローチャート。
【図5】医用画像保管サーバと各ビューアとの間で実行される医用画像データの部分取得(コンテントコンテント取得)の概要を説明するフローチャート。
【図6】実施形態において各ビューアで実行されるパーシャルコンテント量の設定及び画像データの部分取得の流れを説明するフローチャート。
【図7】部分取得された複数枚の画像のデータ量とモータ上の画像表示エリアの関係を例示する説明図。
【図8】部分取得された複数枚の画像のデータ量とモータ上の画像表示エリアの関係を例示する別の説明図。
【図9】変形例に係る部分取得の概要を説明する図。
【符号の説明】
【0077】
11 病院内システム
12 公衆網(通信ネットワーク)
13 病院外システム
24 医用画像保管サーバ
25,26,31,32 ビューア(端末装置)
31 ユーザインターフェース
32 情報処理部
33 サイズ・時間設定部
34 自動計算部
35 圧縮設定更新部
36 画像データ取得部
37 通信インターフェース
41 ユーザインターフェース
42 サーバ情報処理部
43 サーバ動作設定部
44 サーバ固有情報記憶部
45 圧縮情報記憶部
46 画像データ記憶部
47 画像データ送信部
48 通信インターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像データを保管しているサーバと、このサーバから前記医用画像データを受信して表示する端末装置とを通信用のネットワークに接続した医用画像表示システムにおいて、
前記端末装置に医用画像を表示させるときの所望の表示時間又はデータ量を設定する設定手段と、この設定手段により設定された表示時間又はデータ量に応じた、前記医用画像データに対する部分取得分のデータ量を演算する演算手段と、この演算手段により演算された部分取得分のデータ量に対応したデータ送信を前記端末装置から前記サーバに要求させる送信要求手段と、この送信要求手段により要求された部分取得分のデータ量の医用画像データを前記サーバから前記端末装置に送信させる送信手段と、この送信された医用画像データに基づいた表示を行う表示手段と、を備えたことを特徴とする医用画像表示システム。
【請求項2】
医用画像データを保管しているサーバに通信用のネットワークを介して接続され且つ前記サーバから前記医用画像データを受信して表示する端末装置において、
前記端末装置に医用画像を表示させるときの所望の表示時間又はデータ量を指定する指定手段と、この指定手段により指定された表示時間又はデータ量に応じた、前記医用画像データに対する部分取得分のデータ量を設定する設定手段と、この設定手段により設定された部分取得分のデータ量に対応したデータ送信を前記サーバに要求する送信要求手段と、この要求に応じて前記サーバから送信されてきた部分取得分の医用画像データに基づいた表示を行なう表示手段とを備えたことを特徴とする端末装置。
【請求項3】
前記指定手段は、前記表示時間又は前記データ量をユーザの所望の値として指定する手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記設定手段は、前記所望値の前記表示時間又は前記データ量に対応した、データ量の無駄を省いて画質と表示速度をバランスさせるためのパラメータの複数個を組み合わせて成る条件毎に、前記部分取得分のデータ量を示す情報を設定する手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
前記設定手段は、前記条件毎に前記医用画像データの圧縮パラメータを設定する手段を含むことを特徴とする請求項4に記載の端末装置。
【請求項6】
前記画質と表示速度をバランスさせるためのパラメータの複数個は、前記医用画像データを収集するモダリティ又は画像発生装置の種別、当該医用画像データのマトリクスサイズ、当該医用画像データを収集した被検体の部位、当該医用画像データを収集したときの寝台位置、当該医用画像データを収集したときのスライス間隔、当該医用画像データのピクセルサイズ、当該医用画像データの表示拡大率、当該医用画像データの1ピルのデータ深さ、現在観察中の表示画像から次に取得する医用画像データのサムネイルの特定情報、及び、現在観察中の表示画像から次に取得する医用画像データの順番を示す情報のうちの複数個であることを特徴とする請求項4に記載の端末装置。
【請求項7】
前記画質と表示速度をバランスさせるためのパラメータは、現在観察中の前記医用画像から次に表示させる医用画像を決める順番に関するパラメータ、前記部分取得分の画像データを3次元表示させるときの閾値に関するパラメータ、前記部分取得分の画像データの表示に対するユーザ操作によるイベントに関するパラメータ、及び、前記部分取得分の画像データの表示に対する緊急フラグ情報に関するパラメータのうちの1つ又は複数を含むことを特徴とする請求項4に記載の端末装置。
【請求項8】
前記画質と表示速度をバランスさせるためのパラメータは、前記医用画像の複数枚を表示させるときの当該複数枚の医用画像のトータルのデータ量と当該複数枚の画像の表示マトリクスサイズとである、又は、当該データ量と当該表示マトリクスとを含むことを特徴とする請求項4又は7に記載の端末装置。
【請求項9】
前記画質と表示速度をバランスさせるためのパラメータは、前記医用画像の複数枚を表示させるときの表示時間の設定に関するパラメータを含むことを特徴とする請求項8に記載の端末装置。
【請求項10】
前記設定手段は、データ量の無駄を省いて画質と表示速度をバランスさせるためのパラメータの複数個を組み合わせて成る条件毎に、前記医用画像データの圧縮パラメータを設定する手段を含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の端末装置。
【請求項11】
医用画像データを保管するとともに通信用のネットワークを介して端末装置に接続された医用画像保管サーバにおいて、
前記端末装置に医用画像を表示させるときの所望の表示時間又はデータ量に応じた部分取得分のデータ量の前記医用画像データに対する送信要求を前記端末装置から受け付ける手段と、
この送信要求があったときに、当該送信要求に応じた前記部分取得分のデータ量の前記医用画像データを前記端末装置に送信する送信手段とを備えたことを特徴とする医用画像保管サーバ。
【請求項12】
前記医用画像データを圧縮して保管する保管手段を備え、前記送信手段は、データ量の無駄を省いて画質と表示速度をバランスさせるためのパラメータの複数個を組み合わせて成る条件毎に設定した圧縮パラメータで前記保管手段に保管されている前記医用画像データを圧縮する手段と、前記送信要求に対応した前記条件に基づく圧縮パラメータで圧縮されている前記医用画像データを前記保管手段から読み出して前記部分取得分のデータ量として前記端末装置に送信する手段と有することを特徴とする請求項11に記載の医用画像保管サーバ。
【請求項13】
医用画像データを保管しているサーバから通信用ネットワークを介して前記医用画像データを端末装置に送信して表示させる医用画像表示方法において、
前記端末装置に医用画像を表示させるときの所望の表示時間又はデータ量を設定し、この設定された表示時間又はデータ量に応じた、前記医用画像データに対する部分取得分のデータ量を演算し、この演算された部分取得分のデータ量に対応したデータ送信を前記端末装置から前記サーバに要求させ、この要求された部分取得分のデータ量の医用画像データを前記サーバから前記端末装置に送信させ、この送信された医用画像データに基づいた表示を前記端末装置に行なわせることを特徴とする医用画像表示方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−6449(P2006−6449A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−184865(P2004−184865)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】